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算数・数学

「教育実践」
一元一次方程式の文章題における立式指導の工夫
〜偽仮定法による立式と単位を意識させた指導を通して〜
新潟市立鳥屋野中学校
長部 賢

  全国学力・学習状況調査の結果から、具体的な場面で、一元一次方程式をつくることに課題が見られた。また、今までの指導の中で、過不足に関する問題への苦手意識をもつ生徒が高いと感じている。
 本研究では、文章題の逆思考から順思考への転換場面において、そのギャップを埋めるため、偽仮定法を導入する。その後、真仮定法を導入することで、順思考で考えるよさを実感させる。また、表した式の単位を問うことで、その式がどのような数量を表しているか、そして、二つの式の数量関係を意識して立式することができると考えた。
 授業では、文章題の1時間目で偽仮定法の導入を行った。2時間目に過不足問題を取り扱い、偽仮定法を用いて式の検討を行った。また、式の単位を問い、たてた式の数量関係を意識させた。
 本研究で、生徒は過不足問題について正しい数量関係を捉え、立式できる力をつけることができた。今後も、偽仮定法が過不足問題の立式に有効であることを追究していきたい。

「教えたくなる数学 学びたくなる数学〜思考力・判断力・表現力を育成する教材解釈・構成〜」
 神林信之/風間寛司/星野将直/井口浩/小嶋修/渡部智和 考古堂書店 

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「教育実践」
自己の学びを自覚する児童の育成
〜「深い学び」を促す振り返り〜
新潟市立巻北小学校
阿彦 翔大

  新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」が重視されている。「深い学び」を実現させるためには、児童が主体的に学習に取り組み、対話的な学習を通して学んだことを、児童自身に自覚させる必要がある。
 これまでの自分の授業では、振り返り作文を記述させることを通して学びの自覚を図ってきたが、振り返りの内容を次の授業の内容とうまくつなげることができない児童の姿が見られた。そこで、本研究では、算数・数学科において、「学習課題」とそれに正対した「まとめ」のある授業をベースに、適切な場面での「振り返り」を授業の中に位置付け、「これまでに学習した、どんなこととつながっているのか」を書かせることにより、児童に学びを自覚させることができるかどうかを検証した。
 自分の学習の過程や変容を自覚させる「振り返り」の時間を大切にした授業を行うために、以下の手だてを講じて実践に取り組んだ。
1 児童に自覚させたい学びを位置付けた単元指導計画表の作成
2 学びの足跡を確実に残すための板書の工夫
3 「これまでの学習でつながったこと」を書かせる振り返りの工夫
 その結果、児童が既習と未習を関連付けて振り返り作文を書けるようになり、自己の学びを自覚するのに有効であることが分かった。一方で、関連付けた内容を基に考える活用問題において、正答を導くことができない児童もいたことから、今後は「分かる」学びと「できる」学びとを両立させる指導の工夫についても考えていきたい。

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「教育実践」
学び合いながら文章題に取り組むことで自力解決する生徒の育成
〜「方程式の利用」で説明し合う活動を通して〜
長岡市立南中学校
大橋 潤

  文章題を苦手としている生徒は多く、工夫した授業展開と個別に支援していくことの必要性を感じている。そこで、文章題を解く際に、班で説明しあう学び合いの場を設定し、「三つの視点(問題文の理解、既習内容の復習、数量関係の整理)を意識した取組」と「より分かりやすく説明するために図表を活用した取組」を行った。
1 取組の有効性の検証(実践1「一次方程式の利用」)
 4人班で活動し、説明が可視化できるようにFB(ファシリテーションボード)を活用して説明を書き込めるようにした。最初は、分かっている人が分からない人への一方的な説明だった。しかし、三つの視点を確認し、図を使いより分かりやすく説明するように働き掛けた。その結果、授業の中でFBに書かれた線分図を基にして4人の中でAはBへ説明し、Bはそこで教わったことをさらに分かりやすく生徒Cや生徒Dへと説明する姿があり、二つの取組の有効性が実証された。
2 説明し合う活動の充実(実践2「連立方程式の利用」)
 本実践の前に、小学校の学習内容を「既習内容の復習」として扱い、文章題を解くために必要である内容を班でまとめ、それを拠り所とした。さらに、どの文章問題でも対応できる汎用性が高い表で数量の関係を整理することを確認した。そして、二つの取組により知識を基にして表に整理できれば文章題が解けることから、表の作成について説明することが目標となり意欲の向上に繋がっていた。その結果、表を媒介しながら「・・・だから〜になる」と生徒が活発に説明し合う姿が見られた。
3 成果と課題
 本実践では、方程式の文章題に「分かりやすく説明する」ことを意識して取り組み、「3つの視点」「説明するための図表」が有効であることが分かった。本実践での学び合いの場は、意見交流、比較・検討が行われ、この過程を経験することが自力での文章題の解決へと繋がった。文章題を解くために他者に「分かりやすく説明する」という経験は、1次方程式から連立方程式、二次方程式を利用することだけでなく、他領域にとっても応用可能なことである。そのため、他領域でも実践し「主体的・対話的で深い学び」を実現していく。

< 参考文献 >「学びの数学と数学の学び」/金子忠雄監修井口浩・小田暢雄・風間寛司・星野将直・宮宏之・神林信之.明治図書
「対話と探求を求める数学科授業の構築」/金子忠雄監修酒井勝吉・長谷川浩司.教育出版
「南研16」長岡市立南中学校

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「教育実践」
論理的に説明する力を伸ばす方程式指導の工夫
〜解決の手順をフローチャートにまとめる活動を通して〜
県立佐渡中等教育学校
梶原 敦

 1 主題設定の理由
 これまでの授業の中で生徒たちに物事を論理的に説明したり、記述したりする力を付けてやれなかった。このことを反省し、応用や活用の場面のみならず、計算などの場面においても、なぜその方法を使うのか理由を明らかにし、説明したり記述したりできるように授業を展開していきたいと考えている。
 そのためには、様々な問題においてその問題の特徴を的確に捉え、どの解法が適しているのかを判断することが必要であり、そこにフローチャートが有効なのではないかと考えた。生徒同士の対話的な学習の中で、自分自身の手でフローチャートを作成することができれば、計算方法についての理解が深まり、その過程で物事を論理的に説明したり、記述したりする力が伸びると考え、本研究主題を設定した。
2 研究仮説
 方程式の指導において、様々なパターンの問題を解く方法を事象に応じて整理し、解法の手順をフローチャートにまとめることができれば、説明したり記述したりする力が高まるであろう。
3 研究内容と手だて
(1)実践を行った単元
 計算領域においてもフローチャートは有効であると考え、第1学年「式の計算」、第1学年「方程式」、第3学年「2次方程式」において実践を行った。
(2)手だて1 【質問カード】を使った説明練習
(3)手だて2 フローチャートの作成
4 成果と課題
(1)成果
@ 手だて1 「質問カード」を使った説明
○聞き手はカードを使いそびれることがないよう、相手の説明をよく聞いて活動していた。
○説明側は、聞き手が出したカードに対して戸惑いを見せつつも根拠を示して論理的に説明しようとする様子が見られ、意欲も高まったと考えられる。
○使う枚数を「○種類以上」とすることで、説明を聞いてそれで終わり、上手だったねとはならず、関わり合いをもたせるツールとして有効である。
A 手だて2 解き方をフローチャートにまとめる
○アルゴリズムを視覚的にフローチャートにまとめることは、理解を深める上で有効である。
○問題を解く上で、なぜこのような処理をしなければならないのかが明確になるので、根拠を明らかにしながら論理的に説明したり記述したりする力が高まると考えられる。
(2)課題
 「質問カード」について、今後はカードがなくても根拠が明らかでなかったり、説明が不十分でなかったりしたときに進んで質問できる生徒になるよう目指していきたい。
 また、フローチャートを作成することが目的ではなく、フローチャートを使って課題解決ができることが目的である。実際にフローチャートを使いながら問題を解かせ、根拠を明らかにしてどのような処理をする必要があるかを説明できるようにしていきたい。

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「教育実践」
統合的な考える力を高めて、基礎的・基本的な内容の定着を図る指導
〜乗法公式を利用した展開及び因数分解の学習を通した実践〜
三条市立第一中学校
仲村 健一

  今回の学習指導要領の改訂で、中学校数学科の、「数学的な見方・考え方」とは「事象を、数量や図形及びそれらの関係等に着目して捉え、論理的、統合的・発展的に考えること」となっている。今回はこの「統合的な考え方」を授業に取り入れていこうと考えた。
 「統合的な考え方」とは、多くの事柄を個々ばらばらにしておかないで、より広い観点から、それらの本質的な共通性を抽出し、それによって、同じものとしてまとめていこうとする考え方である。
 3学年の式の計算の分野で「統合的な考え方」のアプローチの仕方を工夫することで、公式を構造的に理解させることにより、基礎基本の定着を促し、苦手意識がなくなり、意欲的に課題に取り組むことができると考えた。
1 研究の概要
 統合的な考え方を取り入れる方法として、テストの無答率が高いクラスには、暗記する内容を減らせるように一つの公式を教えそれが変化していく方法で指導した(アプローチa)。もう一方にはそれぞれの公式を教え、最後にまとめる指導の仕方で指導した(アプローチb)。
2 有効性、変容の検証
 確認テストや、基礎学力テスト、定期テストの正答率や無答率、考え方などそれらの変容を見て今後の指導に生かしたいと考え、二つのアプローチの仕方を設定し、実践を行った。
3 成果と課題
 成果
 「アプローチa」では展開から因数分解に変わっても一つの公式を継続的に使っていたので、点数が大きく下がらず、無答率も低いことがわかった。
「アプローチb」では展開、因数分解の覚える公式が増えるにつれて、点数が下がる傾向にあった。最終的に統合的な見方を取り入れることで、点数も「アプローチa」に近づいた。
 課題
 「アプローチa」ではxに係数がついた因数分解の正答率が低かった。一般の形とxに係数形を関連付けて考えさせる、定着させる工夫が必要である。
 「アプローチb」では、公式の共通性に気付かせ、関連付けて、考えさせる工夫が必要であった。公式と問題、公式と公式を関連付ける場面を工夫することが正答率を上げることになると思われた。
4 今後の指導
  統合的な考え方は、『関数』、『図形』の分野でも活用できると考える。関数では、比例、反比例と同じような考え方でy=ax²を考えることができる。他の分野でも、統合的な考え方、それを 関連付ける工夫を行い、基礎基本の定着を目指していきたい。

〈参考文献〉 (1) 「数学的な考え方の具体化」 /片桐重雄 
         (2) 中央審議会 (平成28年度) 

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「教育実践」
問題解決型学習における思考力・表現力を育む学習指導法
〜ワールドカフェ形式の協働学習を通して〜
新発田市立本丸中学校
五十嵐 正明

  平成19年度から実施された全国学力・学習状況調査の数学B問題の結果を分析すると、毎年、選択式・短答式の問題に比べて記述式の問題の正答率が低い。また、無答率も高いことから、事象を数学的に捉え、数学的に考察する力が不足しているのではないかと考えた。
 新学習指導要領の改訂のポイントは、平成28年8月の中央教育審議会答申では「主体的に学び続けて自ら能力を引き出し、自分なりに試行錯誤したり、多様な他者と協働したりして、新たな価値を生み出していくこと」の必要性が提言され、「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業改善の視点が取り上げられている。
 そこで、各単元の指導に問題解決型学習を取り入れ、その学習を「ワールドカフェ形式」の学習指導法で行うことにより、数学的な思考力や表現力等を育成しようと考えた。この「ワールドカフェ形式」の学習の特徴は、話し合う班のメンバーを入れ替えながら、課題解決を行い、特に生徒に役割を持たせず、必ず全員が2回は考えを説明する場面を設定しているという点である。
 実際の実践では、初めは課題を解決できなかった班も話し合い活動を通して課題を解決しており、どの班も一つの解決方法にとどまることなく、複数の解決方法に言及できていた。本研究の学習活動を通して、生徒が自然と複数の解法を探ったり、新たな見方を習得したりできるようになったと考えられる。これは、自分たちの班が気付かなかった見方に触れ、その根拠も確認することで思考力が身に付いたと考えるからである。また、他者の説明を通してその根拠や解答の妥当性について班で吟味したり、交流活動において考えを比較・検討したりする中で、根拠が不十分なものや誤答については修正を加えることで、数学的な思考力や批判的思考力の育成につながったと考える。
 本研究の3年間の実践を通して、生徒に数学的思考力・表現力を身に付けさせるためには課題が重要であることが分かった。特に、多様な解決方法が期待できる問題解決場面や複数の手順を踏む課題、条件が含まれる課題解決場面において、有効な指導法であることが明らかになった。更に、この活動の根底には、「忌憚なく、誰とでも対話できる雰囲気(学級)づくり」「生徒同士が認め合う雰囲気(学級)づくり」を普段から意識しておかなければならないことも課題として明確になった。

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「教育実践」
数学好きな生徒を増やす工夫
新潟市立新津第一中学校
古川 智子

  中学校では、数学が嫌いな生徒が多い、というイメージがある。実際 に「数学が好きか?」と生徒に聞くと、「証明があるから嫌い」「分からなくてつらい」という声があった。自分の担当クラスでは数学が嫌いな生徒が多く、授業改善の必要を感じた。
 そこで、「数学が好き」と関連することを実行しようと、H30年3月に生徒のアンケートから実態を把握、参考文献等で研究されている項目をもとに問題点と仮説を考えた。
 嫌いな理由のほとんどは、数学が分からなくて授業に参加できないこと、難しそうで面倒くさそうと感じること(数学ができる生徒も含む)であった。自分の指導を振り返ると、問題点は、その授業の目標が不明確であること、特定の生徒が発言するだけで、意見交換が少ないこと、生徒が達成度を実感できる機会が少ないこと、生徒の興味・関心を引き出すことが出来ていないこと、生徒が「分からない」を教師に伝えられないことだと感じた。
 以上のことから、「数学の授業において、興味・関心を促しながら達成感を持たせる授業を続ければ、数学が好きになる生徒が増えるだろう」という仮説を立てた。
 手だては以下の3点で、中学1年生の2クラスの好きの割合の変化と、抽出生徒の変容を調べた。
@ 授業ごとに目標を決め、振り返りと自己評価を付ける。
A 興味・関心を促す授業実践を行う。
 正の数・負の数の単元で、トランプを使った正負の計算ゲームを行った。複数のカードの合計を求めるときに、簡単に求められるように工夫した様子が見られた。また、「中学校の最初の計算がぱっとできて嬉しかった」という感想もあった。
B 意見交換が活発にでき、達成感が得られる授業実践を行う。
 文字の式の単元で、1列n個並んだ碁石の数を表す式を考える授業を行った。解答が何種類かあり、すべて見付けようとする生徒や、見付けた解答を班のメンバーに嬉しそうに説明する生徒の姿が見られた。
成果と課題
 中学1年生の、「数学が好き・少し好き」と答えた生徒の割合は、4月63.9%から7月84.3%に上昇した。抽出生徒も「嫌い」から「少し好き」、「少し好き」から「好き」に変化した。このことから、手だては有効であったと考える。しかし、今後、関数や図形の分野に進むため、苦手分野がある生徒の好きの割合が下がることが予想される。それぞれの単元で実践ABのような授業を今後も行っていく。

<参考文献>「算数・数学教育学会誌『パピルス』第7号」/岡山理科大学 洲脇史朗 
「教科の好き嫌い」/ベネッセ教育総合研究所

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「教育実践」
小学校との接続を視野に入れた関数指導の工夫
〜思考ツールを活用した学び合い活動を通して〜
五泉市立五泉中学校
石田 勇弥

  関数指導は数学教育の中核である。しかし、関数領域の学習に対して困難を抱える生徒は多い。現行の指導において、小学5年から中学1年にかけてスパイラルに「比例」の単元を学習する。また中学2年では一次関数の学習が始まり、関数を深く学習する入口ともなっている。本研究では、関数指導における小学校と中学校の現状を分析し、小学校から中学校への接続における子どものつまずきを、「変化と対応」の関係から明らかにした。そのつまずきに対するアプローチを一次関数の導入場面で具体化し、実践を行った。変化の割合に焦点を当て、生徒の学び合いを促進する思考ツールを活用し、生徒自ら考え方を見出す過程を経ることから小・中の接続をスムースにするという提案である。
1 変化の割合を自然と見出す課題の設定
 小数値や離散値を扱った表を用い、変化の割合の考え方を用いなければ解決できない課題を設定した。比例的推論では解決できないため、生徒自らが変化の割合の考え方に行きついた。変化の割合は変化と対応を同時に見なければ考察できないため、小・中の接続に効果的に働いたと考える。
2 思考ツール「おでん型チャート」の活用
 本実践では、自作の思考ツールである「おでん型チャート」を用いた。根拠や論拠を書くフレームワークを用いることにより、他者との考え方の共通点や相違点を見えやすくした。生徒自らが変化の割合を見出す展開に効果を上げた。
3 成果と課題
 二つの手だてを用いることにより、生徒自らが変化の割合を見出し、小・中の接続をスムースにする授業展開を構成することができた。しかし、思考ツールについては、さらに学び合いを促進する活用方法を再考する必要がある。
<参考文献>
田村学、黒上晴夫(2017)田村学・黒上晴夫の「深い学び」で生かす思考ツール
礒田正美(1987)「関数の思考水準とその指導についての研究」『日本算数・数学教育学会誌』
礒田正美(1998)「関数領域のカリキュラム開発の課題と展望」、産業図書.
三輪辰郎(1974)「関数的思考」『X 算数・数学における思考と教育』

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「教育実践」
子どもの問いから始まる授業への挑戦
〜数学的活動を促進させる仕掛けに着目して〜
新潟市立青山小学校
本間 大樹

  私は算数授業において、子どもたちの「できた!」「分かった!」という感激を大切にしたいと考えている。この体験の積み重ねこそが、子どもたちの主体的・対話的に学ぶ意欲を高めていく。
 この感激を生み出すためには、子どもの問いから始まる授業を展開していく必要がある。授業中にたまたま子どもが問いを抱いたり、たまたま考えを発展させていったりしたという偶然ではなく、日々の算数の授業において確実に子どもの中に問題意識が生まれ、解決に向かって突き進んでいく授業を目指したい。そのためには、毎時間簡単に使えるような手だてが必要となる。
 そこで、私は授業における意図的な仕掛けに着目した。仕掛けとは、本時のねらいに結び付く学習活動を呼び起こすものである。その仕掛けは次の3段階となる。
仕掛け(1) 共通の数学的知識の確認 → 子どもの思考を共通の土台に乗せる。
仕掛け(2) ずれを生み出す → 子どもに問いをもたせる。
仕掛け(3) 数学的知識を捉え直す → 子どもの数学的知識をつなげたり、統合したりする。
 本研究では、深い学びの鍵となる数学的な見方・考え方を働かせ、数学的活動を促進させるための授業における仕掛けの有効性について考察を進めた。
 3つの仕掛けにより、子どもの問いが生まれ、解決の中で既習の数学的知識の捉え直しが行われていった。この既習の数学的知識の捉え直しこそ、深い学びの姿であると考える。授業中、子どもの「えーっ!」という疑問の声や「あっ、そういうこと!」「分かった!」という喜びの声が聞こえてきた。今後も毎日の授業において、子どもの主体的・対話的な学びを促す、より有効な仕掛けについて考察し、実践を重ねていく。

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「教育実践」
自分の考えを再構築して理解を深める指導の工夫
〜考えを可視化する活動を通して〜
三条市立西鱈田小学校
中山 光太

  本研究では、児童の計算の意味理解をより深めるために、自分の考えが仲間に見えるように工夫して話合いの場を設定した。特に、協働場面におけるホワイトボードの効果的な活用を探ることで、児童の理解が深まり筋道立てて表現する力がはぐくまれるかを検証した。
 小学校第4学年「小数のかけ算・わり算」と第5学年「小数のわり算」の単元において、実践を行った。「自力解決場面」「グループ・全体場面」で考えを可視化し交流したことで、自分の考えを確かなものにしたり新たな視点を得たりする姿を目指した。
〈実践の実際・考察〉
 グループでボードに記入する活動をしてから1人1枚でボードに考えを記入する活動を通した。さらに全体の場で可視化されたいろいろな考えと交流を図った。
 ボードを用いて考えを可視化したことで、考えの交流がスムーズになるだけでなく、お互いの考えの共通点を捉えやすくなった。自分の考えと比較しやすくなったことで、小数の計算において新しい視点を得る、考えを確かにするという点で有効であった。グループで1枚のボードに考えをまとめる場面では、お互いに意見を交流すると同時にボードに意見を加えたり修正したりしながら考えを深める様子が見られた。ボードに考えを表現する場面では、どの児童も意欲的に取り組む様子が見られ、その後の交流でも主体的に学習に臨む姿が見られた。自分の考えを伝えたいと交流を活性化することにつながった。
〈成果と課題〉
 本研究の成果から、ホワイトボードを活用し、自分の考えを可視化して他者と交流する学習活動は有効であるといえる。今後、他の単元でも実践を積み重ね、「主体的・対話的で深い学び」を促していく。

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「教育実践」
見通しをもち筋道を立てて考察する力を育成する算数・数学指導の工夫
〜既習事項との比較検討を重視して〜
胎内市立黒川小学校
今井 雄一郎

  授業の質的な改善による、「主体的・対話的で深い学び」の具現化が求められている。「主体的・対話的で深い学び」の実現のためには、見通しをもち筋道を立てて考察しながら問題を解決する資質・能力を育成することが必要である。本研究では、既習事項と比較検討する過程を通して、児童の思考を可視化させたり共有させたりすることにより、見通しをもち筋道を立てて考察する児童の姿を目指す。
 そこで、次の二つの手だてを導入することにした。
1 自力解決の見通しをもたせる場面において、類似する問題や解決に必要な既習事項の想起を促す発問をする
2 児童の思考をふきだしを用いて表現させ、全体で共有する
 小学校5学年「小数×小数」「分数(1)」の単元において、この二つの手だてを講じた実践を行った。
 解決方法の見通しやその理由を可視化させたり共有させたりしたことによって、これまで自分の考えをもつことができなかった児童が、それを手掛かりとして課題解決に向かうことができた。
 今後も授業改善による実践を重ね、「主体的・対話的で深い学び」の具現化を目指していく。

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「教育実践」
学びを自覚させる指導の工夫
〜1年 算数・数学の解き方説明書作りを通して〜
新潟市立下山小学校
井畑 悟

  主体的・対話的で深い学びのために、学びを自覚させることが大切である。学びを自覚させる手だてとして、授業後に振り返りを書かせることが有効である。これまで授業の終末で振り返りを書かせてきたが、時間的、内容的に振り返りを毎時間書かせることは難しかった。そこで、単元を通して何ができるようになったかという振り返りを行うこととした。
1 手だて
 一つ目の手だてとして、単元の終末に、自分の学びを振り返るために「解き方説明書」作りを行う。「解き方説明書」作りは、数と計算領域で4単元連続で行うこととした。二つ目の手だてとして、これまで自分が作った説明書と比較し、自らの成長を振り返らせた。長期的な視点で「何ができるようになったか」ということを捉えさせ、学びを自覚できれば、次への学びに向かう力となると考えた。
2 振り返り記述の検証
 1回目の説明書と2回目の説明書を比較して振り返りを書かせると、「説明を自分で書けるようになった」「絵のところに数字を書くようになった」という技能面での成長を感じている児童が71%いた。4回目まで説明書を書いて、自分の書いた四つの説明書を比較させると、「図に数字や矢印を書いて、迷ったらもう1回問題を読む」「右左を書いたり、言葉を付けたり、違う色で囲んだりした」というように、技能面での成長をより具体的に記述する児童が増えた。そして、解き方説明書を4回繰り返したことで、88%の児童が技能面での成長を自覚することができた。
 意欲面での記述に目を向けると、「図を描けるようになって楽しかった」「説明の言葉ができるようになってうれしかった」「もっといろいろな問題をやりたい」など、79%の児童が意欲面について記述していた。4回継続して説明書作りに取り組んできたことでより成長を感じることができ、意欲の高まりにつながったと考えられる。
3 成果と課題
 本研究で、単元終了後「解き方説明書」作りを行い、自分の作った説明書を振り返ることによって、具体的な自分の成長を記述できた。ほぼ全員が技能面での成長を自覚することができ、学習意欲向上に関する記述も非常に多くの児童から見られた。よって、学びを自覚させるのに有効であったといえる。
 今後は、学びの自覚が学習意欲の高まりにつながり、さらに学力向上につながる方法を考える。

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「サークル活動」
コンパスの会
新潟市立両川中学校
小畑 裕

  当会は平成16年度に結成したサークルです。
 このサークル名の『コンパス』には、「自分たちで創り上げるサークル」「会員の輪=和を大切にながら研修する」という意味が込められています。
 毎月第1(もしくは第2)火曜日に研修会を行い、@公開授業に向けた指導案検討、A各種発表会に向けた原稿内容の検討、B講演会などを行っています。11、12月には全会員による実践発表会を行い、小グループでざっくばらんな意見交換を行いました。様々な角度からの実践で、会員一人一人にとってたくさんの発見がありました。毎年、その成果を年度末の研修誌にまとめています。近隣の算数サークルとも連携して、興味・関心のある講座に積極的に参加しています。
 当会の最大の特徴は、小学校会員と中学校会員が半々の割合で在籍していることです。このことにより、小中9か年を見通した算数・数学の学習指導・授業改善を研修することができます。
 指導の管理職をはじめ、指導主事、新潟市マイスターも会員です。様々な研修会で発表経験豊富な会員も多数在籍しています。研究授業や公開授業前の指導案検討では、これらの方から的確な助言をいただけることが、大きなメリットです。
 算数・数学が大好きな会員の皆様、是非ご参加ください。必ず新しい「何か」を得ることができるはずです!

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「サークル活動」
サークルさんすう
新潟市立矢代田小学校
間 大也

  新潟市を中心に活動する算数のサークルです。月に1回程度、主に秋葉区の会場で活動しています。
 私たちのサークルは、次の2点を中心に取り組んでいます。
➀各自の設定したテーマによる実践発表や指導案検討
 算数授業における実践発表や指導案検討を通じて、算数の授業力アップを目指しています。ベテラン教員から若手教員まで幅広い層で構成されており、互いに切磋琢磨しながら高め合っています。
A「算数連続講座」の開催
 年に3回程度、算数指導のスペシャリストをお招きし、講座を開いています。ノート指導、学習課題の設定、授業づくりのポイント、算数教育の最近の動向など、あらゆる側面から算数・数学教育について学んでいます。

 私たち「サークルさんすう」は、算数好きな子どもを一人でも多く育てるために、研修を通して「楽しい授業」「分かる授業」が実現できるように取り組んでいます。

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「サークル活動」
佐渡算数サークル
佐渡市立金井小学校
若林 祐介

 「佐渡算数サークル」は、佐渡島内に勤務する算数好きなメンバーで構成しています。
 今年度は、「算数科における主体的・対話的で深い学びを目指して」をテーマとして活動を進めています。このテーマに迫るために、会員一人一人が問題意識をもち、具体的な授業改善を図ることができるように研修を深めています。具体的な活動内容は、@実践発表・模擬授業などを中心とした一人一人の問題意識に基づいた指導力・授業力を高める研修 A島外からの講師による算数の授業力向上のための研修会・講演会の開催 です。
 「児童が算数を好きになってほしい」「児童に確かな学力を身に付けさせたい」という願いをもちながら、会員一人一人が日々研修に励んでいます。

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「サークル活動」
村上の算数・数学を語る会
村上市立村上小学校
加藤 光

  私たちのサークルは、「学習指導要領にある思考力・判断力・表現力を育むためには、どのような教材や手だてが効果的であるか」について研修を深めています。
 1回のサークル研修に会員二人を割り当て、話題提供という形で実践レポートや教育研究について発表してもらい、よりよい手だてについて話合いをしています。日々の授業で悩んでいることや上手くいかないことなどについてもサークルで共有し、情報交換を行っています。授業の構想メモ、指導案、実践レポートなどを持ち寄り、目指す児童生徒像や授業像の妥当性、手だての有効性などについて議論しています。
 さらに、指導法についての知識や経験が豊富なベテランの教員の方も多く在籍している点を生かし、若手教員が日々の授業で悩んでいることや困っていることについて相談し、解決の方法について話し合っています。
 そして、何よりも大切にしたいのが、会員自身が算数授業を愉しむことです。参加した会員が「サークルに出ると学びが深まる、愉しい」と感じられるように、今後もサークルの在り方を見直し、会員同士の情報交換を密に行っていきます。

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「サークル活動」
北新算数・数学サークル研究会
阿賀野市立水原小学校
渡邉 正樹

  当サークルは、新発田市・阿賀野市・胎内市・聖籠町の教員を中心に、月1回自主的に集まって研修しているサークルです。若手からベテランまで多様な年代の会員がおり、誰でもいつでも気軽に参加できます。
 基本方針は、「算数・数学を学習していくことの愉しさ、充実感などを児童生徒が味わえるように」「自分たちの授業力を高めるように」の二つです。
 今年度も各種研究会での発表をはじめとする各自の実践の指導案、研究のまとめ方、発表方法の検討会を行っています。また、昨年度はセミナーの成果発表会で、全県の会員に向けて提案授業を行いました。その他、毎年幾つかのサークル合同の研修会において授業提案も行っています。
 私たちは、児童生徒がもっと算数・数学を好きになってほしい、算数・数学を愉しんでほしいと願っています。そのために私たちができることを発信しながら研修に取り組んでいます。

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「サークル活動」
三南算数・数学サークル
三条市立嵐南小学校
元川 一典

  「自ら学び、考える力を育む算数・数学の授業の創造」というテーマで継続して研究しています。三条市勤務の会員が多いため、三条市の小中一貫教育に関わる実践も行っています。今年度は、二人の教育研究発表会での発表者がいます。1学期は主題に基づく研究授業が主となり、指導案検討を重ねてきました。実践を基に、夏休みから9月にかけて、じっくりと論文の執筆に取りかかります。また、市教研に関わる授業にも協力する等、活動が充実しています。

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「サークル活動」
妻有算数・数学サークル
十日町市立吉田中学校
柴野 浩輔

  当サークルは、十日町市・中魚沼郡の教員を中心に、「小中一貫教育をふまえた算数・数学の指導を目指して」をテーマに、算数・数学の実践研究を行っています。特に、「小学校でどのように算数を学んできたのか」「小学校で扱った内容を基に中学校ではどのように数学を学ぶのか」、このつながりを大切にした授業を会員一人一人が心掛けてきました。
 この地域は若手会員が多いため、このサークルでの意見交換、講師を招聘しての講演会を通して、会員一人一人が問題意識をもち、具体的な授業改善を図ることができるようにしています。また、今後の教育研究発表会での実践発表者の選出も考えています。サークル会員外の教職員にも声を掛け、算数・数学を学ぶ場としても機能できるように活動を広げています。

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「教育実践」
中高の学びの連続性を意識した中学校数学の授業づくり
〜関数において高校数学への接続を意識した取組〜
新潟市立高志中等教育学校
神蔵 康紀

  中高一貫校で学ぶよさは、数学を学ぶ大切さや、次にどのように発展していくのか、数学が社会の発展や自分の将来のためにどう役立つのかについて、継続的に学ぶことができることである。中学校の段階から高校の内容を意識した試行錯誤を積極的に取り入れることができる。すなわち、実際の授業の場において、生徒たちに発展的な実験、観察、資料の収集整理などといった数学的活動を促していくことができる。
 中学校3年で学ぶ関数y=ax^2(以下、^2は2乗を表す。)は、一般に2次関数と包含関係があるが、そのことには触れられずに単元の学習が終わる。その後、高校数学Tで、2次関数の一般式y=ax^2+bx+cをy=a(x−p)^2+qと平方完成してそのグラフはy=ax^2の放物線が平行移動したものであることを学ぶ。今回の研究では、単元の終わりに発展的な課題として、y=ax^2とは別の2次関数のグラフを考えることを通して、関数y=ax^2と2次関数とのグラフの共通点や相違点に気付かせていく。その比較により、関数y=ax^2のグラフの特徴や値の変化の様子について、より鮮明に理解できると考えた。また、中学校3年で一度触れておくことで、グラフの平行移動と式との関係の原理について、高校で学ぶ段階での理解を助けるようになると考えた。
 授業の取組では、y=ax^2のグラフについて2次関数のグラフとの比較により、放物線の頂点はいつも原点にあるものという思い込みを揺さぶる。生徒たちはいくつかの2次関数(今回は、y=x^2−4とy=x^2−4x+4)について作図することで表やグラフで値の変化やグラフの様子を観察し、それらを比較検討する。このことを通して、帰納的に一般的な2次関数のグラフについて学ぶようにした。生徒たちは、課題解決に向け、仲間との協働的な活動により2次関数のグラフについて理解を示した。
 数学Tの学習内容は中学校の内容からの接続を考えて構成することができる。この実践により、生徒にとっては、既習事項だけのつながりよりも、将来学ぶべき内容についても触れることにより、今学んでいる内容についての理解が深めやすいことが確認できた。生徒の学習内容の理解レベルに応じて適切で、将来につなげられる発展課題を扱っていくことは有効であることが分かる。

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「教育実践」
ICTを活用して数学的活動の楽しさを感得し意欲的に学ぶ生徒の育成
新潟市立新津第五中学校
藤田 夏樹

  平成28年度全国学力・学習状況調査では、全国で数学が好きな生徒は56.2%と低い。また、当校で全校生徒を対象に行った調査から、数学が好きな生徒は全国と比べて更に低いことが分かった。この結果は、数学教師として受け止めがたい事実である。このような実態を踏まえ、生徒に今以上に数学の面白さを伝え、考えることの楽しさを味わわせることで、数学が好きな生徒を育てていきたい。そのために、まず、生徒の自ら学びに向かう意欲的な態度を育成するための手だてを講じる必要があると考えた。
 単に出来上がった数学を知るだけでなく、事象の観察や実験を試みて数や図形の性質を見いだしたり、身近な問題を数学を利用して解決したりする数学的活動を通して数学を学ぶことで、その楽しさを実感できると考える。また、「学びのイノベーション事業報告書」(文部科学省、2014)では、ICTを活用することにより、児童生徒の興味・関心を高められることについて言及している。
 上記を踏まえ、本研究では、生徒が数学的活動の中でICTを活用することで興味・関心が高まり、これまで以上に、課題に対して意欲的に取り組むようになると考えた。数学が好きな生徒の割合が全国を上回るように、数学的活動の一層の充実を図りたい。
 授業の取組では、中学校1年「方程式」の初期指導において、数学的活動の中でタブレット端末を活用する。デジタル教材を使って天秤を操作する活動を取り入れることで、生徒が帰納的に等式の性質を見いだせるように促す。数学的活動の中にICTを活用することで、生徒の学習意欲向上にどれだけの効果があるかを検証していく。

<参考文献>学びのイノベーション事業報告書 文部科学省 2014

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「教育実践」
キーワードを用いた言語活動の一連化
〜5学年「図形の面積」6学年「曲線のある形の面積」の実践を通して〜
魚沼市立小出小学校
中村 友洋

  これまでの算数授業において、児童が基本的な問題には対応できても思考力が試される発展的な問題においては、力を発揮できない状況に課題があると感じていた。
 この要因としては、発展的な問題の指導において、問題を理解できた児童の考えをすぐに取り上げたり、教師主導で解法の手順を示したりして、児童同士の対話的な学びが充実していなかったことが要因の一つであると考える。
 そこで、本研究では、図形を扱う学習において課題解決に必要なキーワードに着目して、そのキーワードをもとに言語活動を意識した対話のある授業を展開することにした。図形領域において学年を超えた言語活動の一連化を図った実践をすることで、思考力・表現力が高まる児童の姿を目指すため、以下の2点から研究を進めた。
1 キーワードが支える学習過程
 キーワードを用いて、見通し(導入)、課題解決(展開)、振り返り(終末)の1単位時間の学習を構成する。また、子どもたちが獲得したキーワードは、単元を通じて、さらには、学年が進んでも意識的に用いられるように働きかける。
2 キーワードを生かした言語活動
 他者が問題解決に使ったキーワードを認めながら、自分との違いについても言及できる対話的な活動を生むことができる。
 本研究において、児童がそれぞれ求積しやすい方法を見付け、キーワードによって対話的な活動が生まれ、その結果、発展的な問題を含む様々な問題を解決することができた。また、キーワードを用いた振り返りを行うことで、学習内容が整理されたり、次時への学習意欲につなげたりすることができた。

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「教育実践」
子ども同士が関わり合いながら、考えを構築していく算数授業
新潟市立矢代田小学校
間 大也

  新学習指導要領において、「どのように学ぶか」が明記され、「主体的・対話的で深い学びの視点からの学習過程の改善」が必要とされている。
 これまでの自分の授業を振り返ると、「課題を提示→自力解決→グループや学級全体で交流」の流れで対話的な学びを目指してきた。しかし、自力解決の時間に自分の考えが思いつかない児童が少なからずいるのが実際だ。自分の考えをもてない児童は、その後の交流の時間も思考の姿が見えず、学びが成立していない現状がある。
 そこで、あえて自力解決の場を設けず、話し合いながら自分の考えをもつことができる場を設定する。そのためには、話しやすくする意図的なグループ編成と日常における話し合うスキルの育成が必要になると考えた。そのことにより、算数科において大切な考え方や知識を獲得できると考える。
 6年生「分数のわり算」「小数と分数の計算」の単元において実践研究を行った。授業における児童のグループでの話合いの様子や学級全体での児童の関わり合いの様子を検証した。
 二つの実践では、自力解決の場がなくても、児童は「こうすればいい」や「これはどうだろう」と友達と関わり合いながら自分の考えを構築していく様子を見ることができた。日頃から話合いスキルを育成し、意図的なグループ編成と自力解決のない話合いの場を設定することが、子どもたちが生き生きと対話し、考えを構築し、算数の学びへとつながる有効な手だてであることが分かってきた。

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「教育実践」
学びの自覚を促す関わりの場と振り返りの指導
新潟市立新津第二小学校
佐藤 晶子

  学びを自覚するために、学習後に振り返りを書かせることが必要である。しかし、ただ書くように促しても、「何を書いたらよいか分からない」と答える児童は多い。そこで、振り返りの視点を「自分の感想」「何が分かったか」「考えのよさを見付けよう」と示し、振り返りを記述させた。
 振り返りを書くことができる児童は増えたが、内容は「おもしろかった」「楽しかった」「難しかった」といった感想だけを書いたり、まとめで書いた言葉をそのまま振り返りとして書いてしまったりしていた。考えのよさに気付く振り返りを書くためには、単元の指導内容に合った関わりの場を設け、考えのよさに気付かせることが必要である。
 本研究では、意図的な関わりの場を用いた授業で振り返りを書かせることにより、考えのよさについて、学びの自覚を促せるのかを検証した。

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「教育実践」
児童が主体的に授業をつくり、思考力を高める指導の工夫
新潟市立横越小学校
桂 有慧

  教室には、計算の答えは導き出せるものの、方法について問うとなかなか答えられない児童がいる。また、一部の児童の考えや発言で授業が進んでしまう場合もある。児童の「見方・考え方」を高めるためには、課題解決の見通しをもたせ、多様な考えを比較し、関連付けて考えさせる手だてが必要である。
 そこで私は、一人一人に課題解決の見通しをもたせるため、考えるための技である「思考スキル(思考の結果を導くための具体的な手順についての知識とその運用技法)」(黒上晴夫2012)の研究に注目し、自学級に合わせて次の4点について検討した。
1 思考スキルの精選
 黒上氏は19の思考スキルを提唱している。本研究では、児童が多用する思考スキルの傾向を分析し、精選する。また、思考スキルの定義だけでなく、具体的な文例を提示することで、児童が使いやすい環境づくりを行う。
2 授業過程の定式化
 授業過程を定式化し、先を見通して児童が主体的に学習を進めることができるようにする。
3 活用場面の設定
 思考スキルの活用実態の分析から、活用場面を@ 課題解決の見通しをもつ場面、A 集団解決の場面、B まとめにつなぐ場面とする。
4 場面ごとに分類した思考スキルの可視化
 活用場面ごとに、思考スキルを@ 解決スキル、A 練り上げスキル、B 収束スキルと分類する。どれが使えそうかを考えたり、実際に活用したりすることで、児童が見通しをもって主体的に課題解決していくことができるようにする。
 これらの4点について、6年生「分数のかけ算」「分数のわり算」「速さ」「比とその応用」で実践し、効果を検証した。特に、@ 課題解決の見通しをもつ場面で「解決スキル」を効果的に活用して「見方・考え方」を高めていく児童の姿を実現することができた。

<参考文献>思考スキル(思考の結果を導くための具体的な手順についての知識とその運用技法) 黒上晴夫 2012

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「教育実践」
子どもが夢中になって考え、理解を確かなものにするための数学的誤概念を生かした授業づくり
新潟市立新潟小学校
佐藤 諒子

  子どもの理解は、分っているつもりでも、経験をもとにして考えがちだ。このような経験的、自然発生的にもつイメージや思い込みのことを、「数学的誤概念」と呼ぶことにする。子どもに夢中になって考えさせるためには、経験とのズレを感じさせる手だてが必要だ。そのズレから、子どもが「なぜだろう」と学習課題をもち、友達と考え合うことで理解を確かなものにしていくと考える。
 そこで私は、第4学年の単元「角」と「小数」の実践を通して、次の2点から検証した。
1 数学的誤概念が表出する問題提示
 「角」では、子どもにパックマンを作らせ、黒板上で口の大きさ順にパックマンを並べさせた。一番大きな口を開けたパックマンは、180°のものだった。これが一番大きいと捉えている子どもが多く、これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないという数学的誤概念を表出させた。また、「小数」では、小数第二位までの数+小数第一位までの数の筆算において、小数点の位置を揃えずに、末尾を揃えてしまう数学的誤概念を表出させた。
2 揺さぶりをかける発問から作る、数学的誤概念を基にした学習課題
 「角」では、180°口を開けているパックマンを指して、「これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないよね」と揺さぶりをかけると、「作れない」という子と、「あごがはずれちゃうけど、できるよ」という子に分かれ、『一番大きな口を開けているパックマンは、どんなパックマンなのかな』という学習課題が生まれた。「小数」では、教師が間違えた方法で計算して見せ、「これでいいよね」と聞いた。すると子どもたちは、「違う」「なんで違うか言える」と話し始めた。『小数どうしのたし算は、どうやって計算すればよいのかな』という学習課題が生まれた。子どもは、学習課題がはっきりすると、夢中になって考え始め、話合いを通して数学的概念を獲得し、理解を確かなものにしていきたい。
 このような授業を進めていくには、教師が子どもの数学的誤概念を把握しておく必要があると考える。今後は、子どもがどんな誤概念をもっているのかを探っていきたいと思っている。

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「教育実践」
思考を活性化させながら、問い続ける子どもをはぐくむ指導の工夫
〜可視化と問い返しによる認め合い・学び合いの授業づくり〜
五泉市立五泉南小学校
久保田 理美子

  これまでの指導の結果、子どもたちは、自らの考えを徐々に表出できるようになってきた。しかし、互いの考えを関わらせながら、問題を解決していこうとする点では、弱さが見られる。そこで、課題解決に向けて、操作的な活動を通して出された考えをホワイトボード等で可視化して示すこと、そして、その考えを取り上げ、繋ぎ、問い返すことで、互いの考えを関わらせながら思考を活性化させること、この2点を重視した授業に取り組んでいる。
 ここでの、「可視化」とは、「教材の可視化」と「子どもの考えの可視化」である。また、「問い返し」とは、子どもの表現に対して繰り返したり、尋ねたりすることで、「思考を活性化させ、気付きを自覚化させるために問うこと」と「子ども同士の考えを繋ぐために問うこと」である。
【成果】「教材の可視化」では、紙ベースではなく、具体物等を実際手に取って操作しながら思考を整理することができたことから、自分の考えをもちやすくなった。また、「考えを可視化」したホワイトボードを提示することで、自他の考えを比較検討しやすくなり、思考の深まりが見られるようになった。
 更に、授業の終末では、算数日記で学習の振り返りを行った。何を学んだかを可視化することで、子ども自身が、自ら学んだことを再構築することができた。
 子ども同士の比較検討場面では、「問い返し」を随時行うことで、子どもたちの思考を活性化させながら、練り合いをさせることができた。また、ねらいに迫る子どものつぶやきに対し、問い返そうという意識で対応することで、子どもの考えを繋ぎながら、学習を進めることができた。
【課題】「教材の可視化」では、子どもの予想される考えを基に、補助教材も含めて、どのような場面でどのような教材を示せばよいのかを深く考えていく必要がある。また、子どもの考えを予想し、幾通りかのパターンで問い返しの発問を準備する必要がある。そのために、今後、様々な領域の単元で実践を行い、「問い返し」のパターン化の方向を探っていく。

<参考文献>
「ほめて育てる算数言葉」田中博史 盛山隆雄 編著 文溪堂 2013

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「教育実践」
数学的な表現力を育成する指導の工夫
〜自分の考え方を、根拠を明らかにして説明する活動を通して〜
佐渡市立真野中学校
村山 貴之

  生徒の実態を見ると、技能を問われる問題は比較的よくできるのに対し、自分の考え方を説明することは苦手としている生徒が多い。これまでの授業を振り返ると、計算技能を高めることに偏った授業を進めていたからではないかと考えている。
 学習指導要領において求められている「知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視する」ためには、与えられた問題から解く手がかりを見付け、どのように考えて解いたのかを表現する必要がある。その力を高めるために、本研究では次のようなステップで取り組んだ。
1 「考え方のモデル」を教師が示す
 自分の考え方をどのようにまとめたらよいかが分からない生徒もいる。そのため、まず教師が自分の考え方をどう表現するかのモデルを示す。モデルには式だけでなく、図や表なども取り入れる。
2 類題に取り組ませ、考え方を表させる
 教師のモデルを基に、考え方や解き方を表現できるようにしていく。書き方を理解した段階で、類題を与える。生徒同士で話し合いながら、考え方を表現させる。
3 発展問題を与え、問題を解く手がかりを説明させる
 今までの問題から少し難易度を上げた問題で、同じように考え方を説明できるかどうかを確認する。
 本実践を通して、計算結果をただ書くだけでなく、どうしてその答えになるのか理由を付けて考える生徒が増えてきたように感じている。今後もより効果的な方法がないか、引き続き実践を行っていく。

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「教育実践」
表、式、グラフを相互に関連付けて考察する指導の工夫
〜「表・式・グラフシート」を用いた一次関数での実践を通して〜
見附市立南中学校
鈴木 克佳

  全国学力・学習状況調査の結果を見ると、関数領域の指導に大きな課題があることが分かる。また、学習指導要領解説では、表、式、グラフを相互に関連付けて関数の特徴を調べる能力を伸ばすことを重視することが求められている。しかし、これまでの私の指導は式に関する知識や技能を習得させる指導に偏っていた。
 このような実態を受けて、本研究では、2年生の一次関数の指導において、生徒自らが選択する「表・式・グラフシート」を用いた実践を行った。この実践では、表、式、グラフの考えを比較、検討することで、表、式、グラフを相互に関連付けて考察する力を身に付けることができるかを検証した。
 授業中の生徒の様子から「表・式・グラフシート」を用いて、それぞれの考えを比較、検討、共有することが、表、式、グラフの相互関係の理解に有効であることが分かった。また、単元後の評価問題の解法分析の結果から、表、式、グラフを相互に関連付けて考察し、課題解決する力の向上が見られた。

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「教育実践」
意味と手続きを関連させた算数指導
新発田市立御免町小学校
岩ア 賢一郎

  算数科における考え、表現する手だてには、具体物の他、言葉、数、式、図、表、グラフなどがある。また、「考える能力と表現する能力とは互いに補完し合う関係」(学習指導要領)である。これまでの算数指導を振り返ると、「ある問題に出会ったときに、頭の中で考える子どもが多い」という印象が残る。手続き(立式や答えに至る一定の形式や順序)ばかりが先行して、意味(立式や答えに至る根拠)が伴っていないのである。つまり、立式したり計算したりするときに、直感的、形式的に考えていて、立式や解に至る根拠が見えないのである。
 以上のことから、計算や立式をするときに、意味と手続きを関連させて考えさせることにより、子どもたちは考え、表現し、理解がより深まっていくのではないかと考え、次の2点から課題の解決に迫った。
1 モデルの共有化
 2桁×1桁の筆算において、「位ごとに計算する」という筆算の原理(意味)を図式化したモデルを示し、共有化を図った。この図式を使うことにより、繰り上がりの仕方や3桁×1桁の計算(手続き)が意味を伴ってできるようになった。
2 モデル図の活用
 2段階の式で答えを求める問題は、学力テストで正答率が低かった。複雑な問題場面を図化することが重要と考え、モデルの図を示した。児童は、別の問題でモデルの図(意味)を問題場面に合わせて新しく構成して、正しく立式(手続き)することができた。
 今後も、問題解決場面で様々な方法が選択できるよう、場面に応じたモデルを示し、活用させることによって、児童が意味を伴った手続きをできるよう研究していく。

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「教育実践」
主体的な学びを生む算数指導
〜「量と測定」領域における教具の工夫を通して〜
三条市立須頃小学校
天木 享

  新学習指導要領では、新しい時代を生きるのに必要な資質・能力の育成に向けた、主体的・対話的で深い学びの重要性がうたわれている。私はこれまで、授業展開や話合い活動の工夫を中心に授業改善を行ってきた。しかし、その中でいつも課題だと感じていたのは、教材・教具の「質」だった。いくら展開や話合い活動を工夫しても、児童の課題追求への意欲を高め、見通しをもって課題解決に向かえる教材・教具がなければ、アクティブ・ラーニングの「主体的な学び」を実現することはできないと感じた。
 そこで、本研究では、既習の知識・技能を活用しながら意欲的に学べるような教材・教具の開発や工夫を行うことで、より主体的に学ぶ児童の姿につながるかどうかを検証した。本実践で検証する教具は、以下の三つの条件を満たすものとした。
1 既習の知識・技能から課題解決の見通しがもてる教材・教具
2 課題解決の意欲が高まる教材・教具
3 考えの共通点やきまりの発見につながる教材・教具
 5年「図形の面積」では、タングラムというパズルを基にした「シルエットパズル」、6年「曲線のある形の面積」では、半透明のピースを用いた「カラーシルエットパズル」を開発し、朝学習や休み時間、授業時に活用した。
 その結果、児童には、パズル遊びの経験から図形の等積・倍積変形を通した求積への見通しをもつ姿、複合図形を構成する図形に気付く姿が見られた。また、パズルを操作したり、友だちとの話合いに活用したりしながら、進んで考える児童の姿も見られた。
 

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「教育実践」
問題場面の読み取りの力を高める指導
〜問題文から立式までの過程における工夫〜
三条市立森町小学校
今 雄一

  4月に行ったNRT学力調査において、自学級の子どもは、国語の読む能力は高いが、算数の文章問題になると、無答や誤答が目立った。また、普段の授業の様子から、算数の文章問題になると、手が止まってすぐにあきらめたり、適当に数字を並べただけの式を書いたりする児童の様子も見られた。
 これまでの自分自身の指導を振り返ると、文章問題を解く際には文章問題を読み、図に表し、式を立てて答えを求めるという手順で行っていた。しかし、この手順では、自学級の子どもの正答率は上がらなかった。このことから、児童は、問題文から読み取った情報をどのように関連付けて立式すればよいか分からないことが予想される。
 そこで、本研究では、その問題を解決する手がかりが問題文読み取りから立式までの指導にあると考え、自分の考えた式に、問題文から読み取った情報を「吹き出し」に入れて書き込むことのできる子どもを目指した。第3学年「あまりのあるわり算」の単元を通して実践し、検証した。※「吹き出し」とは問題文から読み取った情報を、「見える化」するための方策である。

 また、読み取った情報の種類によって色を変えて使用する文章問題の読み取りと作図・立式との間に二つの手だてを講じた。
1 問題文から読み取れる情報にマーカーペンで印を付ける
 問題文から読み取れる情報にマーカーペンで印を付けたことをもとに、情報の「見える化」を促する。情報ごとにマーカーペンの色を変える。
2 式の中に、読み取った情報を「吹き出し」に入れて書き込む
 色を対応させた「吹き出し」に読み取った情報を入れて、式に付ける。その情報をもとに問題場面についての作図や立式をさせる。
 以上2点の手だてを講じることで、問題文の情報が「見える化」され、児童は文章問題において正しく立式することができると考える。
 

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「教育実践」
量的感覚を養う比の指導の工夫
〜6年「比とその応用」の学習を通して〜
長岡市立黒条小学校
高橋 大地

  新学習指導要領では、各教科等を学ぶ本質的な意義の中核をなす「見方・考え方」が、改めて明示された。算数科・数学科では、「数学的な見方・考え方」を働かせることが重要とされている。
 全国学力・学習状況調査等の結果からは、「基準量、比較量、割合の関係を正しく捉えること」や「事柄が成り立つことを図形の性質に関連付けること」に課題があった。
 また、私のこれまでの実践から、計算の手順に従って問題を解くことができる児童は多くいるものの、その計算の意味を理解し、数量に対する量的感覚をもち合わせている児童は少ない。そこで、図や表、言葉などを用いて問題を解決したり、考えを深めたりしていく中で、量的感覚を養いながら、「数学的な見方・考え方」ができるように心掛けていくことが必要であると考えた。
 そこで、本研究では、「比とその応用」の単元において、次の3点からねらいに迫った。
1 実生活で活用できる課題の設定
 児童が問題場面をより身近に感じ、明確に把握できるように、写真の拡大・縮小の場面を設定する。スマートフォンやタブレットなどでピンチアウトやピンチインをする経験がある児童が多く、より実生活に結びついた課題であると考えた。
2 比較による比の概念の獲得
 写真の拡大・縮小は、目に見えない「分量の濃さ」とは違い、視覚的に比の違いを実感させることができると考えられる。そこで、まず、視覚的に縦と横の長さの比が違う写真を比較することにより、その違いを捉えさせる。このことにより、元の写真と拡大された写真には、共通した見方があるということに気付くことができるとともに、比の考えを使っての説明が明快にできるよさがあると考えた。
3 実感を伴った理解への工夫
 写真の拡大・縮小を、ICTを活用して視覚的に確認させる。そうすることで、児童は、量的感覚を養いながら、納得を伴った理解につながると考えた。
 本研究において、視覚的に比を考えることで、児童が既習の知識を基に、共通性を考えながら「数学的な見方・考え方」へつなげることができた。また、比について量的感覚を養いながら理解を深めることができた。

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「教育実践」
普遍単位の量感を身に付ける指導の工夫
長岡市立阪之上小学校
瀬下 真心

  これまでの私の「量と測定」領域における指導では、「@直接比較→A間接比較→B任意単位による測定→C普遍単位による測定」の四つの段階を踏まえ、@〜Bまでの過程で測定活動を大切にしてきた。しかし、普遍単位による測定になると、普遍単位の量感を働かせて、適切に長さの見当を付けることができなかったり、測定計器や適切な単位の選択場面等で明らかに不適切なものを選んでも違和感をもたなかったりするなど、普遍単位が単に記号化され、その量自体が「大きさ」や「多さ」として実感できていない姿が見られた。それは、Bにおける「身の回りの物の○こ分」という量感と、Cにおける普遍単位を用いる「○p」という量感との間に大きな隔たりがあるため、子どもたちが普遍単位による量感を身に付けにくいためではないかと考える。そこで本研究では、第2学年「長さ(1)」の指導において、B→Cへの過程で重点的・意図的に以下の2点の手だてを講じることとし、任意単位で培った量感を用いて普遍単位の量感を身に付ける児童の育成を目指し、研究を進めた。
1 普遍単位の単位量「1p」や「10p」を任意単位(「普遍的任意単位」)とし、その「いくつ分」という考えをもとに長さを捉える場の設定
 消しゴムなどを用いた任意単位の学習後、普遍単位「p」を学習する前に、その単位量である「1p」を普遍的任意単位「1ひかり」、さらにその10倍の長さを普遍的任意単位「10ひかり」とし、身の回りの物を任意単位として測定した時と同じように長さの測定を行う。
2 1pや10pの長さの感覚を実感として捉えるための道具の工夫
 「1ひかり」や「10ひかり」という普遍的任意単位を用いて長さを測定する際、長さの感覚が実感できるよう、「1ひかり」「10ひかり」の長さの測定道具を使用する。
 本研究を通して、児童は、普遍単位「p」への量感の移行がスムーズになり、1pのいくつ分や、10pのいくつ分という普遍単位「p」の量感を伴った見方を身に付けることができた。また、見当を付けるときに使いやすい長さがイメージしやすくなり、1p、10pという二つの量感を身に付けることができた。今後は、他の量の学習においても、子どもが量感を身に付け、働かせるために、普遍的任意単位を扱うことが有効であるかを検証していきたい。

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「教育実践」
一人一人の主体的な学びを引き出す算数指導の工夫
〜「数と計算」領域において、問いを共有化していく解決過程〜
上越市立和田小学校
荒井 達弘

  授業の質的な改善を目指し、「主体的・対話的で深い学び」の具現化が望まれる。「数と計算」領域の単元では、教師が筆算の仕方を教え、その後は習熟問題を解決する授業が多かった。子どもの意欲や技能に差があることも課題だった。そこで本実践では、「主体的な学び」に焦点化し、「数と計算」領域の授業において、子どもの思考を予想した以下の二つの解決過程を取り入れることにした。
1 「誤答、非効率的な解法の提示」による筆算の仕方の確認
 教師が誤答や非効率的なやり方を全体の場で示す。子どもが考えそうな誤答に焦点をあて、誤りに気付かせていく。アルゴリズムの確認をすることで、大事なポイントを把握し、難しい筆算も自力解決できるようになった。内容によっては、簡単な学習問題を出し、意味理解の定着と習熟を図ることもある。
2 虫食い算の設定と提示による問いの共有化
 アルゴリズムを確認したところで、あえて少し難度の高い虫食い算を子どもに提示する。これにより、子どもは数の関連性に目を向け、異なる式もできないか意欲的に思考を始める。数の感覚を自然に養うことにもなる。

 自分自身も苦手にしていた「数と計算」領域において、こうした2段階の解決過程を取り入れることにより、主体的に算数の学びに取り組む子どもの姿を表出させることができた。今後も算数の楽しさを味わわせるために、授業の質的改善を着実に進め、「主体的・対話的で深い学び」の具現化を図っていく。

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「サークル活動」
コンパスの会
新潟市立巻南小学校
本間 陽平

 当会は平成16年度に結成したサークルです。研修主題を「児童・生徒が生き生きと学ぶ算数・数学的活動の追究」として活動しています。
 このサークル名の『コンパス』には、「自分たちで創り上げるサークル」「会員の輪=和を大切にながら研修する」という意味が込められています。
 毎月第1火曜日に研修会を行い、@公開授業に向けた指導案検討A各種発表会に向けた原稿内容の検討B講演会などを行っています。11、12月には全会員による実践発表会を行い、小グループでざっくばらんな意見交換を行います。様々な角度からの実践で、会員一人一人にとってたくさんの発見があります。講演会では、素晴らしい指導者を招いて講義とともに演習を行うなど算数・数学のとても楽しい内容の研修を行っています。毎年、その成果を年度末の研修誌にまとめています。
 当会の最大の特徴は、小学校会員と中学校会員が半々の割合で在籍していることです。このことにより、小中9か年を見通した算数・数学の学習指導・授業改善を研修することができます。指導者として校長先生をはじめ、新潟市マイスターなど、経験豊富な会員が多数在籍しています。研究授業や公開授業前の指導案検討では、これらの先生方から的確な助言をいただけることが、大きなメリットです。
 算数・数学が大好きな会員の皆様、是非ご参加ください。必ず新しい「何か」を得ることができるはずです。

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「サークル活動」
佐渡算数サークル
佐渡市立金井小学校
若林 祐介

 「佐渡算数サークル」は、佐渡島内に勤務する算数好きなメンバーで構成しています。
 今年度は、「算数科における主体的・対話的で深い学びを目指して」をテーマとして活動を進めています。このテーマに迫るために、会員一人一人が問題意識をもち、具体的な授業改善を図ることができるように研修を深めています。具体的な活動内容は、@実践発表・模擬授業などを中心とした一人一人の問題意識に基づいた指導力・授業力を高める研修 A外部講師による算数の授業力向上のための研修会・講演会の開催です。
 「児童が算数を好きになってほしい」「児童に確かな学力を身に付けさせたい」という願いをもちながら、会員一人一人が日々研修に励んでいます。

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「サークル活動」
村上の算数・数学を語る会
村上市立小川小学校
稲葉 正路

 当サークルは、「学習指導要領にある思考力・表現力を育むためには、どのような教材や手だてが効果的であるか」について研修を深めています。
 1回のサークル研修に会員2人を割り当て、話題提供という形で実践レポートや教育研究について発表してもらい、よりよい手だてについて話し合っています。日々の授業で悩んでいることや上手くいかないことなどについてもサークルで共有し、情報交換を行っています。授業の構想メモ、指導案、実践レポートなどを持ち寄り、目指す児童生徒像や授業像の妥当性、手だての有効性などについて議論しています。より実践的な力を付けるためにも、授業録画等を用いて代案を考えるなどの協議も行っています。
 さらに、算数・数学の指導法についての知識が豊富なベテランの教員の方も多くおり、若手教員が日々の授業での悩んでいることや困っていることについて共有し、解決の方法について話し合っています。

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「サークル活動」
北新算数・数学サークル研修会
阿賀野市立水原小学校
渡邉 正樹

 当サークルは、新発田市・阿賀野市・胎内市・聖籠町の教員を中心に、月1回集まって研修しているサークルです。若手からベテランまで多様な年代の会員がいます。誰でもいつでも気軽に参加できます。
 基本方針は、「算数・数学を学習していくことの愉しさ、充実感などを児童・生徒が味わえるように」「自分たちの授業力を高めるように」の2つです。
 今年度も各種研究会での発表をはじめとする各自の実践の指導案、研究のまとめ方、発表方法の検討会を行っています。また、昨年度はセミナーの成果発表会で、全県の会員に向けて提案授業を行いました。その他、毎年いくつかのサークル合同の研修会における授業提案も行っています。
 私たちは、児童生徒がもっと算数・数学を好きになってほしい、算数・数学を愉しんでほしいと願っています。そのために私たちができることを発信しながら研修に取り組んでいます。

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「サークル活動」
三南算数・数学サークル
三条市立嵐南小学校
石川 岳人

 当サークルは、小中一貫教育を主に研究に取り組んでいます。数年前の市の中間発表会において授業公開にかかわった会員が複数おり、昨年度三条市で開催された小中一貫教育全国サミットにつなげることができました。小中一貫教育にかかわる算数・数学については、「私たちが市全体をリードしている」と自負しています。
 今年度は複数の若手教員が加入し、活動はますます充実しています。小中一貫教育に限らず、算数・数学教育について実践を積んでいます。今年度は、2名の教育研究発表者がおり、1学期は主題に基づく研究授業を主に行い、指導案検討を重ねてきました。この実践を基に、夏休みから9月にかけて、じっくりと論文の執筆にかかります。来年度も教育研究発表会に出る会員がおり、また、市小教研に関わる授業にも協力しています。

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「サークル活動」
魚沼算数数学同好会
小千谷市立小千谷小学校
目黒 幸士郎

 今年度のテーマは「児童・生徒主体の算数・数学を目指して〜考えたくなる授業づくり〜」です。このテーマに迫るために、以下の3点で具現化を図っています。@実践発表(全会員)を中心とした一人一人の問題意識に基づいた指導力・授業力を高める研修、A管理職の先生方による算数の授業力向上のための研修会・講習会の開催、B研修誌の作成です。また、日々の授業の中で悩んでいることや、うまくいかないことなどについても共有し、よりよい手だてについて考え、話し合っています。
 「児童・生徒が算数・数学の面白さや楽しさを感じ、好きになってほしい」「児童・生徒が進んで考えをもってほしい」という願いをもちながら、会員一人一人が問題意識をもち、具体的な授業改善を図ることができるように日々研修に励んでいます。

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「教科等研究セミナー」
中高の学びの連続性を意識した中学校数学の授業づくり
〜関数において高校数学への接続を意識した取組〜
新潟市立高志中等教育学校
神蔵 康紀

  中高一貫校で学ぶよさは、数学を学ぶ大切さや、次にどのように発展していくのか、数学が社会の発展や自分の将来のためにどう役立つのかについて、継続的に学ぶことができることである。実際の授業の場においては、高校の内容を意識した試行錯誤や、実験、観察、資料を収集整理することで数学的活動を促していくことができる。
 中学校3年で学ぶ関数y=ax^2(以下、^2は2乗を表す。)は、一般に2次関数と包含関係があるが、そのことには触れられずに単元の学習が終わる。その後、高校数学Tで、2次関数の一般式y=ax^2+bx+cをy=a(x−p)^2+qと式変形して放物線が移動することを学ぶ。関数y=ax^2と2次関数の共通点や相違点に気付くと、関数y=ax^2のグラフの特徴や値の変化の様子が鮮明になると考えた。また、中学校3年で一度触れておくことで、グラフの平行移動と式との関係の原理について、高校で学ぶ段階での理解も助けるようになると考える。
 授業の取組では、y=ax^2のグラフについて2次関数のグラフとの比較により、放物線の頂点はいつも原点にあるものという思い込みを揺さぶる。生徒たちはいくつかの2次関数(今回は、y=x^2−4とy=x^2−4x+4)について作図することで表やグラフで値の変化やグラフの様子を観察し、それらを比較検討することで、帰納的に一般的な2次関数のグラフについて学ぶ。課題解決に向け、仲間との協働的な活動により理解を促した。
 数学Tの学習内容は、中学校の内容からの接続を考えて構成されている。この実践により、生徒にとっては、既習事項だけのつながりよりも、将来学ぶべき内容についても触れることにより、今学んでいることについての理解を深めやすいことが確認できた。生徒の学習内容の理解レベルに応じて適切で、将来につなげられる発展を扱っていくことは有効である。

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「教科等研究セミナー」
協同学習を取り入れた授業の工夫
〜1年方程式の単元において〜
新潟市立大形中学校
本間  寛之

  2021年度全面実施される学習指導要領では、初等中等教育において、何を教えるかという知識の質や量の改善に加え、どのように学ぶかという学びの質や深まりを重視し、主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆるアクティブ・ラーニング)やそのための指導の方法を充実させていく必要性について言及している。
アクティブ・ラーニングの学習スタイルとして、これまでにもファシリテーション、構成的エンカウンター、ピア・サポートなど、生徒間の相互作用を重視したものが多く扱われてきている。中でも生徒間のかかわりを重視した授業設計である、協同学習の基本技法に注目した。協同学習は、生徒が更に効果的に一緒に勉強するのを手助けするための原理と技法(JACOBS et al. 2002)であり、様々な技法がある。
1年生の方程式の単元を通して、協同学習のスタイルと技法を計画的に組織し、実践を行う。主体的・協働的に学ぶアクティブ・ラーニングの手法を取り入れることで、学習意欲と学力の向上につなげたいと考えた。
  本実践では「協同学習の技法」(バークレイほか、2009)、先生のためのアイデア・ブック-協同学習のための基本原則とテクニック-(ジェイコブス 2002)を参考に技法を採用した。方程式の単元において、問題の質に応じて次の@〜Cの技法を用いた。@相談タイム、Aお隣に聞こう、Bラーニングセル、Cテスト=テイキング=チームである。これ以外にも多くの技法があるが、1年生なので、基本的な技法に絞って採用した。
  実践を通して、生徒の学習意欲や学力の向上を図ることができたかを検証していく。また、協同学習の効果的な取り入れ方について分析をする。

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「教科等研究セミナー」
表、式、グラフのそれぞれのよさを実感し、主体的に課題解決に生かそうとする生徒の育成
〜「表・式・グラフシート」を用いた一次関数での実践を通して〜
見附市立南中学校
鈴木 克佳

  過去の全国学力・学習状況調査の数学の結果から、関数領域の指導に大きな課題があることが分かる。また、学習指導要領解説数学編では、表、式、グラフを相互に関連付けて関数の特徴を調べる能力を伸ばすことを重視している。しかし、これまでの私の指導を振り返ると、式に関する知識や技能を習得させる指導に偏っていた。
 このような実態を踏まえ、本研究では、2年生の一次関数の指導において、生徒自らが選択する「表・式・グラフシート」を用いた実践を行った。この実践で、表、式、グラフの考えをそれぞれ比較、検討することで、それぞれのよさを実感し、課題解決に生かそうとする力を高めることができるかを検証した。
 授業中の生徒の様子や単元後のアンケートから、表、式、グラフのそれぞれのよさを理解しながら課題解決に取り組む様相が見られた。また、単元後の評価問題の結果から、表、式、グラフを相互に関連付けて課題解決する力の向上が見られた。

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「教科等研究セミナー」
生徒の学びに向かう力を引き出す手だての工夫
〜「確率」商品当てゲーム問題において、対比的に課題を提示することを通して〜
新潟大学教育学部附属長岡中学校
宮田 雅仁

  商品当てゲームとは、次のような問題である。「挑戦者の前に3つの箱が置かれている。その1つは、賞品が入っている当たりの箱である。司会者はどれが当たりの箱かを知っている。ゲームの進め方は@挑戦者は、最初に1つの箱を選ぶが、中を見ることはできない。A司会者は、残った箱のうち、はずれの箱を1つ開けて見せる。B挑戦者は、最初に選んだ箱を変更する、または、変更しない、のいずれかを選択する。」である。
 直観として、2択になるわけだから変更してもしなくても当たる確率は1/2になると思われるが、実際は変更した場合、当たる確率が2/3となる。
 この授業において、これまでの自分自身の指導を振り返ると、次のような流れであった。
1 教師が商品当てゲーム問題を示す。生徒は数学的に変更してもしなくても当たる確率は1/2と考える。
2 教師が実験をして確かめるよう指示する。
3 教師が実験結果をまとめ、変更した方が当たる確率が2倍高くなることを確認する。
4 生徒がどうして2倍高くなるのか疑問に思い、数学的に追求する。
 この流れの問題点として、ほとんど教師主導になっていることが挙げられる。
 そこで、本実践では、ゲームの進め方でAを抜いた「進め方1」と通常の進め方である「進め方2」を対比的に提示した。このことにより、上記の流れが次のように変化した。
1' 教師が「進め方1」と「進め方2」の2パターンを提示した。「変更しない場合、当たる確率はどちらの進め方でも1/3になるはずだから、進め方2で変更しない場合の当たる確率が1/2になるのはおかしい。」と生徒は考えた。
2' 生徒は、統計的に確かめてみたいと思い、実験した。
3' 生徒が実験結果をもちより、変更した方が確率が高くなるという評価をした。
4' 生徒は、変更した方が確率が高くなることを数学的に追求した。
 課題を対比的に提示したことにより、問題解決のプロセスを生徒主導で進展させることができた。しかし、「3'」では、実験方法が適切でない班もあったため、変更した方が高くなるという評価にとどまり、2倍という数値に着目できなかった。今後は「2'」に教師がどの程度介入していくべきかを検証していきたい。

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「教科等研究セミナー」
多様な考えを生かし、児童の考えを深め広げる算数授業の具現を目指して
新潟市立小針小学校(大学院)
齋藤 誠也

  これからの算数・数学教育において、「主体的・対話的で深い学び」を実現することが求められる。児童が「深い学び」を感じるためには、他者との協働が必要である。
 今までの私の授業を振り返ると、一斉での授業を中心としながら授業者が仲介役となり、児童の話をつなげたり児童同士の話合いを促したりすることが多かった。多くの授業が一斉指導を中心とした授業だった。このような授業では、数人の児童の考えしか取り上げることができなかった。また、授業のねらいに沿った考えのみを取り上げてしまい、児童の素朴な考えを生かすことができなかった。さらに、「友達の話を聞く」「黒板に書かれたことをノートに写す」のみで授業を終える児童や学び合いに参加することのできない児童が存在した。
 そこで、児童同士が主体的にかかわり、学級の児童全員が学習活動に参加し、他者との協働を通して学びを深め広げていく授業の具現を目指した。
1 ファシリテーションの手法を取り入れた学習活動
 「付箋と模造紙を用いたグループでの話合い」を行った。ファシリテーターやライターといった役割は与えず、全員が同じ立場で話合いをするようにした。発表の順番や心構えは確認し、話合いにおける視点を明確にして話し合わせ、模造紙に記録させながら、児童同士の交流を生み出した。
2 ジグソーの手法を取り入れた学習活動
 「同質集団での話合い(エキスパート活動)と異質集団での話合い(ジグソー活動)」を行った。エキスパート活動で、自分の考えを確立させ、ジグソー活動の中での主体的・協働的な交流につなげた。
 本実践を通して、児童同士が相互に作用し合う手法を意図的に取り入れた学習活動が、児童の学びの深まりや広がりを具現する上での有効な手段となり得ることが分かってきた。今後もよりよい指導の在り方を探っていく。

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「教科等研究セミナー」
学びの自覚を促すかかわりの場と振り返りの工夫
新潟市立新津第二小学校
佐藤 晶子

  「算数が楽しい」というアンケート項目に否定的に答えている児童にとって、算数の学習は「嫌い」「楽しくない」と感じる教科である。このような児童が多い学級では、普通に算数の学習を行っても児童は算数を楽しく感じない。
 そこで、算数の授業では特に、学習問題の提示の仕方、問題解決の見通しのもたせ方、ペアや班でのかかわり方など様々な取組を行ってきた。児童は算数の授業中は楽しんで学習に取り組んでいた。しかし、各単元が終了した後のアンケートでは、「算数が楽しい」と答える児童の割合は大きく変化しなかった。
 私はその原因を、「授業で何が分かったのか」「どんな考えのよさに触れたのかと」いった「学びの自覚」がないからではないかと考えた。算数の学習で「何を学び何ができるようになったのか」という「学びの自覚」をすると算数の楽しさが分かるようになるだろう。そのことで、「算数が楽しくない」という児童は減り、「楽しい」と感じる児童が増えると考えた。
 本研究では、学びの自覚をもたせるために、学んだことや新たに手に入れた考えを学習後に振り返り、文章によって表現させる。そのため、振り返りの視点を示して指導するとともに、意図的なかかわりの場を設定した。かかわりの場を工夫した授業後、振り返りを書かせることで学びの自覚を促せるかを、単元終了後のアンケートの結果と振り返りの内容をもとに検証した。

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「教科等研究セミナー」
筋道を立てて考えたり、自分の考えを表現したりする力を育成するための指導のあり方
〜説明し、伝え合う活動を通して〜
新潟市立南万代小学校
船越 朗

  全国学力・学習状況調査のB問題は、「筋道を立てて説明したり、論理的に考えたりして、自ら納得したり、他者を説得したりできることが大切である」とされている。
 しかし、担任した学年の児童の約4割が児童質問用紙において「自分の考えを他の人に説明したり、文章に表したりすることが難しい」と答えた。また、授業では、答えが分かるものの考えに自信がもてなかったり、分かりやすく表現できなかったりする児童の様子が見られた。
 以上の実態から、日頃の授業において、自分の考えを説明し伝える活動を取り入れていく必要性を感じた。その際、根拠を明確にしたり、実際に作業をしたり、視覚的な図を用いたりすることでより説得力が高められる。説得力が高まれば、他者と解決方法を共有しやすくなると考える。
そこで、説明の仕方を身に付け、相手意識をもって説明できるよう、以下の手だてを講じた。
1 図や式を言葉と対にし、手順を分けて書かせる工夫
 根拠を明らかにしながら、筋道を立てて考え説明できるよう、図や式と手順を分けて書かせる。順序や根拠、用語の使い方のポイントを示し、それらを踏まえながら文章表現ができるようにする。
2 相手意識をもたせた言語活動の設定
 筋道を立てて自分の思考を書いた児童は自分の考えに自信をもつだろう。しかし、全体での練り上げ活動だけでは全員に自分の考えを伝える場が保障されているとは言い難い。そこで、自分の考えをペアで説明し合う場を設定する。相手意識や目的意識をもつことで、説明の仕方を考え、書き表す力を身に付けることができると考える。
 進んで自分の考えを他の人に説明したり、文章に表したりする児童が多くなるよう今後も研究を重ねていく。

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「教科等研究セミナー」
子どもが夢中になって考え、理解を確かなものにするための数学的誤概念を生かした授業づくり
新潟市立新潟小学校
佐藤 諒子

  児童の理解は、分っているつもりでも、経験をもとにして考えがちである。このような経験的、自然発生的にもつイメージや思い込みのことを、「数学的誤概念」と呼ぶこととする。児童に夢中になって考えさせるためには、経験とのズレを感じさせる手だてが必要である。そのズレから、児童が「なぜだろう。」と学習課題をもち、集中力を持続させて思考するようになり、友達と考え合うことで理解を確かなものにしていくと考える。
 そこで私は、第4学年の単元「角」と「小数」の実践を通して、次の2点から検証した。
1 数学的誤概念が表出する問題提示
 「角」では、パックマンを児童に作らせ、一番大きな口を開けているパックマンはどれかという問いに、180°が一番大きいと捉えている児童が多く、これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないという数学的誤概念を表出させた。また、「小数」では、小数第二位までの数+小数第一位までの数の筆算において、小数点の位置を揃えずに、末尾を揃えてしまう数学的誤概念を表出させた。
2 揺さぶりをかける発問から作る、数学的誤概念をもとにした学習課題
 「角」では、180°口を開けているパックマンを指して、「これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないよね。」と揺さぶりをかけると、「作れない。」という児童と、「あごがはずれちゃうけど、できるよ。」という児童に分かれ、『一番大きな口を開けているパックマンは、どんなパックマンなのかな』という学習課題が生まれた。「小数」では、教師が間違えた方法で計算して見せ、「これでいいよね。」という問いに、児童は、「違う。」「なんで違うか言える。」と話し始めた。『小数どうしのたし算は、どうやって計算すればよいのかな。』という学習課題が生まれた。児童は、学習課題がはっきりすると、夢中になって考え始め、話合いを通して数学的概念を獲得し、理解を確かなものにしていった。
 このような授業を進めていくには、教師が児童の数学的誤概念を把握しておく必要があると考える。今後は、児童がどんな誤概念をもっているのかを探していきたい。

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「教科等研究セミナー」
意味と手続きを関連させた算数指導
新発田市立御免町小学校
岩ア 賢一郎

  算数科における考え、表現する手だては、具体物の他、言葉、数、式、図、表、グラフなどである。また、「考える能力と表現する能力とは互いに補完しあう関係」(学習指導要領)である。これまでを振り返ると「ある問題に出合ったときに、頭の中で考える児童が多い」という印象が残る。手続き(立式や答えに至る一定の形式や順序)ばかりが先行して、意味(立式や答えに至る根拠)が伴っていないのである。つまり、立式したり計算したりするときに、直感的、形式的に考えていて、立式や解に至る根拠が見えないのである。
 以上のことから、計算や立式をするときに、意味と手続きを関連させて考えさせることにより、児童たちは考え、表現し、理解がより深まっていくのではないかと考え、次の2点から課題の解決に迫った。
1 モデルの共有化
 2桁×1桁の筆算において、「位ごとに計算する」という筆算の原理(意味)を図式化したモデルを示し、共有化を図った。この図式を使うことにより、繰り上がりの仕方や3桁×1桁の計算(手続き)が意味を伴ってできるようになった。
2 モデル図の活用
 2段階の式で答えを求める問題は、学力テストで正答率が低かった。複雑な問題場面を図化することが重要と考え、モデルの図を示した。児童は、別の問題でモデルの図(意味)を問題場面に合わせて新しく構成して正しく立式(手続き)することができた。
 今後も、問題解決場面で様々な方法が選択できるよう、場面に応じたモデルを示し、活用させることによって、児童が意味を伴った手続きをできるよう研究していく。

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「教科等研究セミナー」
考える楽しさを実感する児童の育成
〜6年「分数の除法」の学習を通して〜
魚沼市立須原小学校
安原 雄貴

  全国学力・学習状況調査において、算数・数学の学習に対する関心・意欲・態度についてのアンケート結果が示されている。そこでは、各質問に対する肯定的評価が軒並み80%を超える中、「算数の勉強は好きですか」の質問に対する肯定的評価のみが7割を切り、66.7%となっている。
 当学級では、昨年から「算数の授業が楽しいか」のアンケートを行っている。そこで、肯定的評価をした7割の児童は、課題を解決することに、楽しさを感じていることが分かった。課題について考えを巡らし、解を得ることが喜びにつながっていることを確認した。また、「数と計算」の領域が他の領域よりも、考える楽しさを感じる児童が少ないことが分かった。このことから、算数の「数と計算」の領域で、考える楽しさを実感する児童を育成したいと考えた。
 6年生では、「分数の除法」について学習する。「分数の除法」では、演算決定が難しいことが広く指摘されている。当学級の児童も、分数の除法の学習で考える手だてをもてず、演算決定につまずき、楽しさを感じることができないと考えられる。
 そこで、本研究では、「分数の除法」の学習において、演算決定するための手だてを用い、思考を促すことが、考える楽しさを実感することに有効かを検証する。

【手だて】
1 数の関係を比例的に捉えさせるために、対応数直線を用いる
 対応数直線図を使って、数の関係を捉えたり分からない数を推測したりすることによって、演算決定を容易にすることができると考える。
2 数直線の数学的表記に対する意味付けや見直しを行う場面を設定する
 数直線上に表わした数や矢印、比例的に捉えた数の関係を示す数学的表記について、考えの根拠を説明したり、他者の考えを知ったりすることで、演算決定における過程について考えを深めたり、演算決定の種類を拡張したりすることができると考える。
<参考文献>
分数の乗除法の意味指導に関する一考察 田端輝彦 宮城教育大学 2010
比例的推論の進展を促す数学的表記の探求による授業の開発と評価 日野圭子 宇都宮大学 2010

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「教育実践」
考える足場のある授業づくりをすることで、見通しをもって自力解決できる子どもを育てる算数指導
新潟市立巻南小学校
本間 陽平

  私が担任している児童は、算数において活用力を問われる問題を解決するときに、今まで使った知識を積極的に使って考えていける児童と、誰かが答えを導き出すことを待ち、その後ノートに写すなどで学習を進める児童とに二極化している。どちらも学習内容を習得することはできるが、活用力を必要とされる問題では、前者はよく考え今までの知識を使うなどして意欲的に解いている。一方、後者は全く手を出さずに手が止まってしまっている状況が見られた。この状況を何とか解決するには「考える足場」を意識した解決方法を身に付け、どう考えればよいのか見通しをもって問題を解く必要があると感じた。
 本実践では、『算数科における「考える足場」をつくる算数科授業の創造(石田淳一、2006)』に着目し、児童が問題を自力解決していく算数授業のあり方を提案する。
【手だて】
1 主問題1を解く・・・学習内容の基礎を身に付ける
 1単位時間の中で学ぶべき学習内容や、活用問題を解く際の考える足場となる問題を用意し、解きながら、基礎・基本を身に付ける。解く際に、子どもと教師で集団解決する。
2 主問題2を解く・・・活用問題を自力解決する
 学習内容の問題を考える足場を使いながら、自力解決で問題を解く。問題を解くときに、数学的な考え方(一般化など)を使って解けるような問題を設定することで、+αの力を身に付けることができる。

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「教育実践」
算数科における授業のフレームワークを活用した授業改善
〜二次元表を用いた考えの整理を中心として〜
新潟市立小針小学校
柳 健

  確かな学力を身に付けさせるために日々の授業改善を欠かすことができない。しかし、それが特殊な方策であったり、特定の教師にしかできないものでは意味がない。問題解決学習を柱に経験を問わず、特殊な方策に頼らない授業改善の方策を提案したいと考えた。
 そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 授業のフレームワークの定着
 展開のさせ方(授業のフレームワーク)をある程度固定し、繰り返し授業を行う。これにより、「次にグループ学習に入るからそこで同じグループの仲間に聞いてみよう。」「全体発表が終わったら復習の問題を解くだろうから、次は別の〇〇の方法でやってみよう。」児童は次の展開を踏まえて学習に臨むことができる。
2 二次元表を用いた考えの整理
 問題解決に当たり、縦に解決の方法、横に考え方を項目立て、二次元表の形で提示する。児童自ら黒板上に提示されたこの二次元表に自力解決のワークシートを分類・整理させる。これにより自身が選択した解決の方法と考え方が全体の中でどう位置付けられるのかについて気付かせると同時に俯瞰的な見方を促していく。
 問題解決学習を通し、学び方を身に付けられるような授業改善を今後も研究していく。

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「教育実践」
主体的・協働的な算数授業へのアプローチ
〜類比的推論の3つのタイプに着目して〜
新潟市立亀田小学校
梅津 祐介

 次期学習指導要領に向けての教育課程改革の動向は、諸能力育成に重点を置いたものとなっている。このような動向の中で学校教育に期待されていることは、課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学習を重視した教育の展開である。つまり、授業の流れのどこでも全ての児童が自分の考えを表明でき(主体的な参加)、児童同士で話し合う中で自分の考えをつくっていく(協働的な学び)ことができる授業への転換を図ることが求められているのである。
 通常、当面した問題解決のためには、自分がもっている既習事項をうまく活用する作業がなされる。そこで働く思考は、帰納的推論と並び発見的推論と呼ばれている類比的推論である。「全ての児童」の授業への参加を目指すには、類比的推論が必須となる。ただし、この類比的推論には3つのタイプがあり、タイプによって教師の働き掛けも異なるだろう。
 以上のことから、主体的・協働的な学びを実現するためのアプローチを類比的推論に求め、教師の働き掛けのあり方を明らかにすることを研究の主題とし、以下の3点について考察を進める。
1 児童の類似性の判断はどのように行われるか。
2 1にかかわって、教師の働き掛けはどうあればよいか。
3 2にかかわって、児童の授業への参加の仕方はどう変わるか。

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「教育実践」
算数的表現力を高める指導の工夫
〜ユニット式説明で論理的思考力を鍛える〜
新潟市立鏡淵小学校
田村 健志

  「児童の算数的表現力を高めるにはどうすればいいか」を算数指導の柱としてこれまで実践してきた。その意義は、次の2点である。
1 学習指導要領の算数的活動の中に、説明する活動が具体的に示された。また、全国学力・学習状況調査のB問題では、自分の考えを説明する問題を中心として出題されている。以上のことから、算数的表現力は、今日の算数指導において、強く求められている力である。
2 自分の考えを友達に分かるように説明できるようになった時が、児童にとって確実な理解がなされた時である。
 しかし、算数的表現力を高める指導法は、教師の高い力量が必要だったり、導入するに当たって時間を大きく割かなければならなかったりするため、誰もがすぐに実践できるものではない。
 そこで、誰もが容易に導入していける指導法を次の2点を切り口にして探ることにした。
1 算数的表現力を高めるために有効な説明のさせ方の工夫
 話し言葉での説明(リレー説明)を鍛える場と書き言葉での説明(ユニット式説明)を鍛える場を区別し、意図的・計画的に設定する。
2 算数的表現力を高めるための指導過程の工夫
 ユニット式説明を導入し、論理的思考力を確実に鍛えられるように一単位時間内の指導過程を適切に設定する。
 以上の手だてを4学年の2単元で実践し、有効性を検証した。その結果、次の成果が見られた。
・ユニット式説明法をすることは、算数的表現力を高めることにつながると考えられる。特に、難しい説明ほど有効である。
・全く説明ができない児童を大幅に減らすことができる。
・ユニット式説明をさせる手順を示したことや、準備が大変簡単になったことから、誰もがすぐに実践できる。
 今後も実践を重ね、改善を加えていきたい。
※本研究では、「算数的表現力」を「数、式、図、表、グラフ、言葉、操作などを用いながら、自分自身の思考の過程や結果を他者に説明する力」と捉える。

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「教育実践」
思考力・表現力を高める算数科学習指導の工夫
〜「聴く−思考−表現」のサイクルに注目して〜
新潟市立新潟小学校
石塚 正人

  小学校学習指導要領解説算数編には、「数学的な思考力・表現力は、合理的、論理的に考えを進めるとともに、互いの知的なコミュニケーションを図るための重要な役割を果たすもの」とある。また、次期学習指導要領改訂に向けて、小学校においては「見通しをもち筋道立てて考察する力」「統合的・発展的に考察する力」「数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表したり柔軟に表したりする力」を育成するとある。知識基盤社会を生き抜くために、算数科においては思考力・表現力を高めることが課題である。
 ただし、知識・技能の教え込みや講義型の授業ではこのような力を高めるには十分ではない。いわゆるアクティブ・ラーニングの手法を取り入れた不断の授業改善が、我々教師の課題である。
 そこで、次の3点からその解決に迫った。
1 課題発見力の強化
 授業の導入において、課題提示を工夫することで様々なズレを引き起こし、児童に問いを生み出させた。このような授業を日常的に繰り返すことで、児童の課題発見力を強化することができると考えた。
2 「思考・表現の手段」の共有化
 算数の学習では、日常の話言葉だけでなく、数、式、図、表、グラフなど様々な表現の手段がある。これらは、表現だけでなく、思考の手段としても大変重要である。そこで、「思考・表現の手段」として児童全員が必要に応じて使うよう指導した。
3 「聴く−思考−表現」のサイクルを学習場面に設定する
 単元を通して、「聴く−思考−表現」のサイクルを学習場面に設定した。他の児童の考えを聴き、思考したことを説明したり、ノートに記述したりして表現させた。
 本実践の結果、思考力・表現力を高めることに一定の成果が見られた。今後も、思考力・表現力を高める学習指導の研究を重ねていく。

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「教育実践」
小学校高学年「分数の乗除」や「割合」において、問題構造をつかんで演算決定する指導の工夫
新潟市立東中野山小学校
内山 大樹

  小学校高学年の算数「分数の乗除」「割合」単元の指導は難しい。私のこれまでの指導を振り返ると、問題構造をつかめず立式できない児童、演算決定で間違えてしまう児童がいた。全国学力・学習状況調査の結果からも、小学校高学年で問題構造をつかめていない児童、演算決定で間違えてしまう児童の割合が多いことが分かる。問題構造をつかめなかったり、演算決定で間違えたりしてしまう原因の根本には、次の2つにあると考えた。「文章題を端的に表した図(ここではテープ図、対応線分図を扱う)を読む経験量の少なさ」と、「図と問題文と式を関連させて考える経験量の少なさ」である。そこで、以下の2つの手だてを単元の中で繰り返し設定し、その解決に迫った。
1 選択肢から正しい図を選ばせる
 問題文と一緒に3つの図を提示し、問題に適した図はどれかを問う。「単位が違うので、この数があるのはおかしい」「もとになる量は1になるはずだからこの図は違う」など、児童は選択肢の図の中の間違いを指摘し、図の見方を獲得していく場面、問題文と図を関連させていく場面を設定する。
2 なぜその式が正しいのか、問題文や図と関連させて説明させる
 式の正しさを、問題文や図を根拠に説明させる。演算決定の根拠を問題文の中から探したり、問題文を言葉の式に言い換えたりさせることで、式と問題文を関連させていく場面を設定する。また、同様に「比べられる量」「もとになる量」「割合」が図のどこに当たるのか考えさせることで、式と図を関連させていく場面を設定する。具体的には、選んだ図を使って説明する活動を取り入れる。
 この2つの手だてを、「分数の乗除」「割合」単元の中で繰り返し設定し、文章題の問題構造をつかんで演算決定する姿を目指した。

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「教育実践」
数学的活動における生徒の課題意識を高めるための手法の考察
〜ジグソー法を用いた学び合い活動を通して〜
佐渡市立金井中学校
阿部 早和

  これまでも数学的活動の場面で学び合い活動を行ってきたが、上位の生徒が主体となって問題を解き、周りの生徒はそれを聞くだけ、写すだけになる場面が多く見られた。全ての生徒が主体的に課題解決に向かうためには、これまで学習した内容に自信をもつとともに、一人一人が本時の課題に対する明確な課題意識をもつことが重要であると考えた。そこで、アクティブ・ラーニングの具体的なあり方やその方法を充実させるための指導案検討、学び合い活動の効果的な活用について探求を続けてきた。数学的活動の場面において、アクティブ・ラーニングの一環として「ジグソー法」による学び合い活動を実践することで生徒の学力や学習意欲を高めたいと考え、本研究実践を行った。
 様々な単元や内容において実践を行い、ジグソー活動を効果的に作用できるのはどの単元や内容かを検討した。また、ジグソー法を取り入れた授業では、導入部で行うヒント問題と課題をいかに設定すればより効果的に活用できるかについても検討した。
 ジグソー法を有効に活用して課題意識を高められたことで、次の成果があった。
1 各単元の活用において、生徒の意欲的な様子が見られ、自己評価も高く、ジグソー法における課題設定が有効であった。
2 オープンエンドな課題を設定した場面において、生徒の取組の様子、自己評価から課題意識を高くもって意欲的に取り組む姿が見られた。
3 ヒント問題と本時の課題の意図的なつながりを重視し、エキスパート活動からジグソー活動を設定することで、2つの活動のつながりを生徒が実感しやすく、課題解決までの道筋がはっきりしたため、課題意識が高まったのだろうと考えられる。
 また、計算や証明の内容では有効に活用することが難しいことも分かった。これらの分野でいかにジグソー法のヒント問題と本時の課題を設定し、生徒に働き掛けることで有効に活用できるかについて、今後も研究を続ける。

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「教育実践」
児童が主体的・対話的に課題を解決するグループ学習の指導法
〜思考を共有する「つぶやき君(共有シート)」を用いて〜
阿賀野市立分田小学校
川口 弘泰

  これからの児童の学習の在り方として望まれるのは、課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを目指す「アクティブ・ラーニング」であると言われている。そのための指導の方法等を充実させていくことが求められている。
 今年度、「グループ学習の充実」をテーマとして研究を進めている。石田淳一氏は、「学び合いのある算数授業づくりに取り組む上で、グループ学習は欠かせない。」と、グループ学習の重要性を説いている。
 しかし、グループ学習の質が高くなければ、算数の得意な一部の児童が主導権をにぎって課題を解決し、グループの全員が理解しないまま学習が進んでしまいがちである。一方、算数の苦手な児童は、分からないことを同じグループの児童にそのことを伝えることができずに学習が進むことから、個人で問題を解く場面になると手が止まってしまうことがある。課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを実現するためには、グループ学習の質をいち早く高める必要がある。
 グループ学習を行わせる時に、まずは授業者が「グループ学習のもつ役割や質」を十分に理解する必要がある。そして、「ねらいをはっきりさせたグループ学習」「1単位時間のグループ学習の取り入れ方の工夫」を行うことで、児童に横のつながりが構築され、課題発見・解決に向けた主体的・対話的で深い学びに変化すると考えた。
 本研究では、思ったこと・分からないこと・相談したいこと・自分の考えなどを自由に書き込むことができ、かつその情報が常に開かれた状態となる「つぶやき君(共有シート)」を、グループに1枚ずつ配付する。児童一人一人の思考が明確になる「つぶやき君(共有シート)」を用いることが、グループ学習の質の高まりに有効であったか否かを明らかにする。

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「教育実践」
継続的な言語活動を通した数学的な表現力の育成
〜式と言語を往還させる活動を通して〜
新発田市立本丸中学校
皆川 俊勝

  当校の生徒は問題を解くことはできるが、自分の考えを伝えたり、解法や思考の流れを説明したりすることが苦手である。また、数学的用語を正しく理解していない生徒、自分の考えやその根拠を伝えることが苦手な生徒も多い。そこで、問題解決の過程や思考の流れなどについて、数学的用語を用いて適切に表現する活動を意図的に設定し、仲間とかかわり合う活動を通して数学的な表現力の育成を目指すことにした。さらに、式と言語を往還させる言語活動を日々の授業の中に継続的に行うことで、生徒が自分の考えを根拠をもって説明することができるようにする。
 本研究では、次の手だてを意識しながら授業を行った。
1 授業において課題提示をする際には前時の学習や既習事項との比較を行わせ、本時の課題との違いや既習事項との関連を見付けさせる。本時の学習は既習事項に到達するまでの部分であることを伝え、学習内容を明確にさせる。
2 課題解決の方法について他者に説明をする機会を意図的に設ける。自分の思考の流れを説明する際に、数学的用語を意識して使わせるようにする。生徒には適切な説明をした生徒をモデルにするように働き掛ける。自分だけで説明することができない生徒には教師や他の生徒の説明をモデルに復唱させ、説明の仕方や考え方の根拠等の理解を深めさせる。
3 互いに課題解決の手助けをしたり、質問し合ったりする場を設定し、生徒同士がかかわり合って学ぶ機会をつくる。問題演習等を行った後には全体での答え合わせの前に近くの生徒同士で答え合わせをさせたり間違った箇所の訂正をさせたりするなど、分からないことを教えあったり聞きあったりする場面を意図的に設定する。また、かかわり合いのキーワードを提示し、かかわり合うスキルを身に付けるきっかけをつかませる。
 以上の手だてを計画的・意図的に実践し、生徒の変容を検証した。

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「教育実践」
算数教育における「ミスコンセプション」の解消を目指した学習指導の工夫
〜コンセプションの静態の四面体モデル(大滝、2013)と否定論(岩崎、1992)を用いて〜
新発田市立東豊小学校
伊藤 孝希

  系統的展開の強い現在の算数教育において、児童は既有の知識に基づいて新たな知識を創りだす(阿部、2013)。
 しかしながら、その新しい知識を創りだした後でも、既有の知識に固執してしまう児童が現れる。例えば、「平行四辺形の面積」では、その公式を言葉で記述することやそれを用いて求積することはできても、多くの児童が「高さ」を斜辺と混同することが指摘されている(清野、2011;辻、2012)。また、平成19年度の全国学力・学習状況調査においても、多様な情報が示された中で平行四辺形の面積について考える問題では、(底辺の長さ)×(斜辺の長さ)で求めている解答が34.4%も表れた(国立教育政策研究所、2007)。
 このような「ミスコンセプション」(平行四辺形の求積を、長方形の求積のように『辺×辺』で求めてしまう)の解消は、算数教育における重要な課題の1つといえる。
 そこで本研究では、この「ミスコンセプション」の解消を図るために、2つの理論を用いる。1つ目は、コンセプションの静態の四面体モデル(大滝、2013)である。このモデルでは、既有知識から新しい知識への発展性を明らかにすることができ、新しい知識のもとで既有知識が残ることを「ミスコンセプション」として捉えることができる。ゆえにこのモデルを用いて、児童の概念形成の状態と「ミスコンセプション」の要因を明らかにする。
 2つ目は、数学的概念形成理論である否定論(岩崎、1992)である。この否定論は、「1 今までの方法ではできないことを意識させる段階(限界の認識)」「2 どうやったらできるか考えさせ、共通点を見いだし、新しい概念を捉えさせる段階」「3 なぜ今までの方法ではできなかったのか考え、比較しながら、概念間の関係性を捉えさせる段階」の3段階で構成されている。これらの過程を経て、ミスコンセプションの解消を図る。
 この2つのモデルを用いて児童のミスコンセプションが解消される様相を2実践で示し、学習の振り返りの記述を分析して、ミスコンセプションの解消と研究方法の妥当性を検証する。
<引用・参考文献>
阿部好貴(2013).「数学的モデル化からみた数学的リテラシーの捉え方」,日本数学教育学会『数学教育学論究 臨時増刊』,第95巻,pp.9-16.
岩崎秀樹(1992).「数学学習における「否定」の研究(1)」,日本数学教育学会『第25回数学教育論文発表会論文集』,pp13-18.
国立教育政策研究所(2007).『平成19年度 全国学力・学習状況調査 調査問題 小学校算数B』,p.13.
大滝孝治(2013).「確率ミスコンセプションの克服に関する否定論的考察:小数の法則を事例として」,全国数学教育学会『数学教育学研究』,第19巻,第2号,pp.109-115.
清野佳子(2011).「面積の概念の統合的な理解を図る指導の工夫‐図形の性質に着目した変形操作を通して‐」,日本数学教育学会『算数教育』,第93巻,第2号,pp.2-10.
辻宏子(2012).「平行四辺形の求積問題の解決にみる子どもの「高さ」の理解」,日本数学教育学会『算数教育』,第94巻,第4号,pp.2-10.

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「教育実践」
文章問題の場面把握ができる子どもの育成を目指した算数授業
〜テープ図を作り出す場面を取り入れて〜
三条市立上林小学校
御子柴 直之

  児童が文章問題に取り組むとき、問題の中で数値がどのような意味があるのか把握できていないことがある。そのため、正しく式を立てられず、答えが求められないことがある。その問題を解決する手掛かりが、文章問題の場面を図に表す指導にあると考えた。児童は、第2学年において、たし算とひき算の文章問題を取り組む際、テープ図に表してから式を立て、問題を解いている。
 文章問題の場面に沿ったテープ図をかき文章問題の場面把握ができる児童を目指し、第3学年においてもテープ図を作り出す場面を取り入れた指導が必要であると考えた。
 そこで、次の2つの手だてをとる。
1 文章問題の場面を数値の入ったテープ図に表す活動の組織
 文章問題に取り組む際、すぐに式を立てるのではなく、テープ図に表す活動を取り入れる。数値の意味を意識できるように、テープ図には、文章の中の数値を必ず書き入れて表すようにした。
2 作り出したテープ図をグループ全体で検討する場の設定
 各自がかいたテープ図は、まず、4〜5人のグループ内で見せ合い、文章問題の場面に沿っているか検討した。検討においては、文章の数値がテープ図のどの部分にあたるのか説明し合った。また、児童によってテープの数にも違いがあり、場面に沿ったテープ図はどのように表せるか考えさせる場とした。次に、各グループの代表的なテープ図を全体で検討する場を設定した。文章問題の場面に沿ったテープ図を明確にして、より正確な場面把握ができるようにした。
 これらの手だてにより、たし算とひき算の文章問題において、正しく場面を把握できる様子が見られるようになった。今後も、児童が様々な文章問題において、テープ図などの図を活用できるように実践を続けていきたい。

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「教育実践」
数学的な思考力、判断力、表現力を支える効果的なICT活用法の研究
三条市立森町小学校
野口 大樹

  「算数を好きになって欲しい」という願いが根本にある。今まで子ども自身に、学習意欲をもって課題に取り組んでもらいたいと、ICT機器を活用した実践を行ってきた。その結果、ICTの活用により「子どもの視線が集中した」「問題場面のイメージがしやすくなった」という効果があることが分かったものの、以下のような課題が見られた。
(課題)
・教師側が与えたものを基に考えるため、思考に制限がかかる。
・タブレットやタッチペンの操作が直観的でなく、ノートや黒板の方が表現しやすい。
・書画カメラでは異なる意見を並べて提示できない。縮小して並べて表示では見えにくい。
・最後に教師がきれいに整理したアニメーションを見せたのでは、児童に考えさせた意味がなくなり、自分で考える意欲態度をかえって削いでしまう。
 これらの課題解決のため、「どの場面やタイミングでどんなICTを活用すればねらい達成に有効に働くか」「学級の実態を踏まえ、児童の意欲付けを大事にした有効な活用法は何か」を考えた。その結果、「授業導入場面での学習課題の提示にこそ、ICTが生きる」ということが見えてきた。そこで私は、「スモールステップでのフラッシュカードの提示による導入」を取り入れた授業を組み立てた。
 「スモールステップでのフラッシュカードの提示による導入」とは、まず、ホワイトボードにパワーポイントで作成したコンテンツをプロジェクターで投影する。次に、授業導入時に、本時の課題で、自力解決につながる重要な既習事項を、フラッシュカード形式で組み立てて進めていく授業方法である。その際、スモールステップを大切にする。
 この方法を通して児童の学習意欲を促し、数学的な思考力、判断力、表現力を深める支えとなることができたかを検証していく。

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「教育実践」
論理的思考力を育む授業展開の工夫
〜「問題づくり」を取り入れた単元構成を通して〜
長岡市立山古志中学校
大田 克

 数と式の領域において、文章問題を苦手としている生徒は少なくない。文章問題をよく読もうとせず問題を解こうとするか、あきらめてしまう傾向がある。しかし、立式さえできれば解くことができる生徒が多い。そこで、いろいろな解法でアプローチできる「問題づくり」を取り入れた単元構成を行うことによって、数学の面白さや楽しさを味わうことができれば、数学への興味・関心が高まり、その結果、事後の学習は生徒の積極的な学びへと変容していくものと考える。
 「問題づくり」の授業は、単元全てを学習した最後に発展課題として取り扱われることが多い。しかし本研究では、その単元での解き方をひと通り学習した直後の「利用」の第1次で行うことで、今までの既習内容を確認でき、文章問題の問題構造を知り、さらに発展的な問題に取り組もうとする生徒の姿を目指す。
 また、生徒が作成した問題をお互いに解き合ったり、変更した条件が問題として成り立たなかったものをグループで協力しながら問題づくりをしたりすることで、生徒は自ら課題を見付け、課題を追求できるようになると考える。
 それにより、具体的な整数の計算式から答えの規則性を機能的に見いだし、それがいつでも成り立つことを演繹的に証明していく流れを大切にし、文字や式を利用することのよさや論理的思考力の伸長を図る。
 2年「連立方程式」では、身の回りの問題(代金)を例題として問題づくりを行ったため、自由に問題をつくることができていた。生徒の中には割合を用いた問題(割引セール)をつくったり、3種類の商品を用いた問題(3元1次方程式)をつくったりする生徒が見られた。3年「式の計算」では、2次方程式を用いて整数の性質を調べる問題を例題として「問題づくり」を行った。こちらは問題の条件変更によって、新たな問題をつくりあげる活動とし、どの生徒も参加できるような手だてを取り入れた。
 このように「問題づくり」の授業を「利用」の第1次で行うという実践をし、その有効性を考察する。

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「教育実践」
言語活動の充実による 一人一人の分かり方を認め、考えを広げ深める授業づくり
〜5学年「図形の面積」、6学年「拡大図と縮図」の実践を通して〜
魚沼市立小出小学校
藤井 大輔

 文部科学省「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」(2015)では、「多様な表現を通じて、教師と児童や、児童同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる」と言語活動の充実の必要性を述べている。私のこれまでの算数授業では、子ども同士の協働的な学習場面の設定や、身に付けさせたい数学的な見方・考え方を焦点化する教師の働きかけが不十分であるために、帰納的な考え方や類推的な考え方などのよさを感じさせたり、理解を深めさせたりすることが十分にできていないことが課題であった。
 そこで、本研究では、多様な表現の交流を通じて、互いの考えを共有し、考えを広げ深める授業づくりを試みることとし、次の2点から研究を進めた。
1 角度や辺の長さに着目しやすい特徴をもつ図形を教材とする
 原問題として、角度や辺の長さに着目しやすい特徴をもつ図形から導入する。特徴のある既習の図形を教材とすることで、特徴が調べやすく既習の知識と結びつけて考え、解決の見通しをもったり、相異点と類似点に着目して考えたりすることができる
2 複数の図形を比較させ、数学的な見方・考え方に迫る段階的な発問をする
 複数の図形を比較させながら、感覚的な捉えから一般化に結びつける段階的な発問をする。実践1では、鋭角三角形の求積方法を直角三角形の求積方法と比較して一般化に結びつけていく発問をする。実践2では、拡大図・縮図の導入場面において複数の平行四辺形にどんな共通点があるかを演繹的に考えさせる発問をする。
 本研究において、特徴をもつ既習の図形を教材とすることにより、児童が既習の知識と関連付けて考え、解決の見通しをもったり、共通点に着目して考えたりする姿を生み、児童の数学的な見方・考え方への着目を促すことができた。また、段階的な発問により、児童が問題解決における数学的な発想や思考方法に気付いていく姿を生み出し、自分の考えを広げ深めることができた。

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「教育実践」
具体的事象を取り入れた一次関数の指導
〜アクティブな授業づくりの工夫を通して〜
十日町市立水沢中学校
白井 康智

 関数領域における指導では、表・式・グラフの相互的な関連が重要視されている。一方で、今年度行われた全国学力・学習状況調査における中学2年生の一次関数では、「変化の割合」と「変域とグラフ」に全国的に課題がみられた。本研究では、この2つの単元に焦点を当てる。この単元の指導で、具体的事象を取り入れ、その意味理解を深めさせることがねらいである。
 次の2つの手だてからねらいに迫った。
1 知識習得場面における具体的事象の導入
 具体的事象における「変化の割合」の意味を明らかにし、それらと式・表・グラフとの関係性について理解を深めていく。「変域とグラフ」では、具体的事象から変域を考察していく。その上で、座標平面上での変域を視覚的に提示し、グラフと変域との関係性の理解につなげていく。
2 ICTを活用した授業過程と形態の工夫
 ICTを活用することで、グラフの変化の様子などを動的に提示し、視覚的な理解を深め、学習内容のイメージをつかみやすくする。授業導入場面では、教師と生徒とのやり取りの中で指導内容を生徒が確認する。この場面では、生徒はノートへの記述は一切しない。黒板やスクリーンを見ながら、板書やスライドの次の内容を自ら声に出しながら答えていく。生徒が考え発言していくため、集中させることができる。また、ノート記述がないことで、教師の問いかけや話している内容を集中して聴くことができる。
 本研究では中教審答申に則り、アクティブ・ラーニング型の授業を構成した。授業全体を、@教師による説明・生徒との受け答え・生徒同士の対話、A生徒同士による問題演習、B確認問題、C振り返りの4段階に分ける授業過程の工夫を行った。
 これらの手だてを本研究で意図的・継続的に取り入れることで、その有効性を検証していく。

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「教育実践」
生徒が途中式のよさを感じる指導の工夫
〜文字式と1次方程式の授業を通して〜
南魚沼市立城内中学校
村山 佳宏

 全国学力・学習状況調査の質問紙の結果からも分かるように、数学の授業で問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いている生徒はさほど多くない。途中式を書かずにうっかりミスをしてしまう生徒が多く、Web配信問題を見ても、基本の計算で単純なミスをしてしまい、途中式を見直そうとしない生徒が目立った。
 この課題に対して、日々の授業を振り返った時に、生徒が途中式のよさを感じ、価値を見いだすような指導が不足していたことに気付いた。そこで1年生、文字式と1次方程式の授業を中心に次の2点から課題解決に迫った。
1 設題の仕方の工夫
 一般的には、「次の計算をしなさい」というように解を求めさせる設題が主流である。過去の私の授業も、一般的な設題が多かった。そこで、知識や解法を解説した授業の後に、「途中式を考えなさい」というような、途中式を問う設題を意図的に取り入れる。途中式に意識を向けさせることで、その大切さを感じ、価値気付くだろうと考えた。そして、間違った際、自分の途中式を見直し、問題解決につながるのではないかと考えた。
2 式変形の理由を考える活動の設定
 途中式を考える際に、どうしてそのような途中式を書いたのかを理解する必要がある。そのため、ペアでの説明活動を取り入れる。説明することで、より理解が確実なものになるのではないかと考えた。
 上記の2点を授業で実践していくことで、生徒が途中式の価値に気付き、途中式を生かして計算過程を振り返るようになったかを検証する。

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「ときわ教育奨励賞」
研究主題: 「長方形への変形」に限定した面積指導の試み
〜5年「図形の面積」・6年「いろいろな形の面積」の学習〜
長岡市立阪之上小学校
川上 節夫

  概念の習得が難しいとされる「単位量」の指導場面に正対し,子どもの思考に沿った教材提示や学習活動を綿密に構成し,具体的な子どもの変容が伝わる質の高い教科研究実践である。
 日々の授業実践を地道に積み重ねるとともに,発表に当たっては自らの指導法の独自性を全国的な動向を視野に入れながら考究する姿は,会員の「本部発表」や論文発表等の実践発信に向けた取組モデルとなるとともに,日常的な実践への意欲を喚起するものである。

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「教育実践」
三角ロジックを活用した説明する力の育成
新潟市立濁川中学校
坪川 淳助

 当校では,全国学力・学習状況調査の数学Bの「理由を説明する」内容の改善が課題となっている。
 そこで,本研究では次の手立てを講じ,数学的な表現を用いて筋道立てて説明できる生徒の育成を目指し,実践に取り組んだ。
1 三角ロジックを活用する
2 「事実」と「理由づけ」を明確にする
3 伝え合う活動を設定する
 実践では,個人の考えを整理する場面,生徒同士が互いの考えを伝え合う場面の両方で,「事実」と「理由付け」を明確にするためのツールとして,三角ロジックのワークシートを活用した。また,自分の考えを説明する活動を効率的に進めるため,「事実」と「理由づけ」の内容に焦点化して,伝え合う場面を設定した。
 生徒同士の伝え合う活動を設定したことで,相手を納得させるための説明をする必然性が生まれ,生徒の主体的な活動が促された。また,活発な交流を通して活動意欲も喚起されたことが成果である。
 一方,「事実」「理由付け」が混在した記述のままの生徒も少なからずいた。「事実」と「理由づけ」を明確にできなかった生徒に対する支援をどのように展開していくか,生徒が自分の力で区別できるようにしていくために必要な手立てを探ることが,課題である。さらに,他の学年、他の単元でも繰り返し実施していくことを通して、今後も実践を継続していく。

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「教育実践」
基礎的な知識・技能を定着させ、説明力を向上させる指導の工夫
〜「間違い探し」を取り入れた授業を通して〜
加茂市立加茂中学校
野 有弘

 今までの私の指導を振り返ると、「数と式」の領域の指導において、基礎的な技能の定着のために、類題を何題も解かせている。中位や上位の生徒には、定着が期待できるが、低学力層の生徒にとっては、自力解決が難しく、問題数が多いことで解くことが苦痛になり、数学嫌いにさせていたように感じる。また、間違いやすいポイントについては、ただ説明を聞いただけでは自分で考えていないことが多いので、定着が期待できない。そこで、低位の生徒に、もっと主体的に学習に取り組ませ、基礎的な技能を定着させる方法はないかと考えた。
  本研究では1年生の1次方程式の単元で、次の手立てを講じて授業を行った。
1 生徒がよくやってしまう誤答を取り上げてそれを生徒自らが修正する活動(間違い探し)を行う。
2 協同学習(個人→ペア→班→全体)を行う。
  手立て1については、次のように考える。解答全体が最初から与えられおり、「その中に間違いが1カ所ある」ということがはじめから分かっているので、低位の生徒でも取り組みやすい。自分の間違い例ではないので、安心してどこが間違いなのか探していくことができる。生徒が自分で気付き、考えて誤答を修正することができれば、間違いポイントを自分で整理していくことになるので、定着することが期待できる。
  手立て2については、次のように考える。 自力解決が困難な生徒もペアでかかわり、教えてもらうことで、取り組みやすく、授業に参加しようという意欲を引き出すことにつながる。また、自分の解答や説明に自信のない生徒は、周りの生徒と確認することで、自分の解答や説明に自信をもつことができる。班学習では、ペア学習で解決できなかったことを他の生徒に教えてもらうことができる。班で発表の準備を進めることで、自信を持って全体発表することができる。
  授業実践後、レディネス問題と評価問題の「正答率」と「無答率」の変容を調べ、ワークシートの記述や発表の様子から生徒の変容を調べた。正答率は上昇し、無答率は減少した。また、低位の生徒でも自力解決しようとする様子が見られたり、協同学習を通して、自信をもって発表したりしている姿も見られた。

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「教育実践」
生徒が問いをもち主体的に学びを深める授業
〜「ずれ」が生じる教材提示を通して〜
新潟市立上山中学校
田村 友教

 本研究は、生徒から問いを引き出し、その問いから学習課題を設定することで、生徒の主体的な学びを深めることをねらった授業実践である。生徒から問いを引き出すために、私は生徒の中に認識の「ずれ」を生じさせる教材提示を行うことが有効であると考えた。ここでいう「ずれ」を、私は次の4つの様相に分類する。
(ア) 事象と自分の認識とのずれ
(イ) 他者の認識と自己の認識とのずれ
(ウ) 事象と定義・定理とのずれ
(エ) 自己の認識と定義・定理とのずれ
このことを踏まえ、研究仮説を「『ずれ』が生じる教材を提示し(手だて1)、その『ずれ』に着目させることを通して、生徒から問いを引き出して学習課題を設定する(手立て2)ならば、生徒は主体的に学びを深めることができるであろう。」とした。
  そこで、「垂直二等分線は2点から等距離にある点の集合である」という垂直二等分線の性質を、生徒に気付かせる場面で課題提示を工夫した。
  教科書では、ひし形の性質を根拠として垂直二等分線の作図方法を導き出している。このことにより生徒は、線分の両端の点A、Bをそれぞれ中心として、等しい半径の円をかき、この2円の交点を通る直線を引くことで作図方法を獲得することになる。
  私は、生徒の学びを深めるために、さらに垂直二等分線の作図において、ひし形を利用して典型的に作図できる場面から、意図的にひし形が利用できない場面に変更(場面変更)した。
このことにより、生徒は事象と自己認識との「ずれ」に直面し、どうしたら垂直二等分線を作図できるだろうかという問いをもつことになる。この問いを学習課題に設定し、様々な作図方法を検討する中で垂直二等分線の性質の意味理解を深めた。
  この学習を通して、生徒は垂直二等分線の性質を利用して様々な問題を解決できるようになった。また他の実践からも、生徒に認識の「ずれ」を生じさせることにより、より一般性のある考え方に高め、数学的知識・技能の意味を獲得させることができた。今後も継続して研究を進めていきたい。

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「教育実践」
証明の意義を実感させる手立ての工夫
長岡市立旭岡中学校
木村 哲

 一般的な生徒の傾向として、黒板に書かれたことはノートにしっかり書き、問題練習にも熱心に取り組む。そのため、ほとんどの生徒が問題の解法を覚え、それを使って解くことはできる。しかし、その解法はどんな原理を使っているか、或いはその解法を使う良さについて答えることができない生徒が多い。このように、生徒は「なんで数学を学ぶのか」「数学を学ぶとどのようないいことがあるのか」というような数学を学ぶ有用性が分かっていない場面が多く見られる。
 全国学力・学習状況調査では、「証明で用いられている図形が考察対象の図形の代表であること」に関する問題が数多く出題されているが、一般的に正答率が低い。そのため、従来の指導では証明の考察対象の図形についての理解が不足していると考えられる。                                                           
 この課題に対して2年生の図形の証明の初期指導における教科書での取り扱いは、すでに条件に合う図が与えられている問題ばかりであり、条件に合う図の作図から導かれることを予想してそれを証明する問題はほとんどない。私の従来の指導でも、辺の向きや角度が教科書にかいてある図とほぼ同様の図を1つだけ作図させた後に、結論をこちらから与えてすぐに証明に取り組ませていた。そこでこのような現状に対して、次の2つの手立てを取り入れることで、証明の考察対象の図形についての理解が深まると考えた。         1 条件に合う図が無数にあることを認識する活動。   条件に合う図を1人1人に複数かかせ、他の人がかいた図も全体で確認する活動を取り入れ,条件に合う図が無数にあることを認識させる。         

2 条件に合う図の場合でのみ例外なく結論が成り立つことを認識する活動。例外なく結論が成り立つのは、仮定を満たす図においてのみであることを認識させる。これらの手立ての有効性を検証した。

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「教育実践」
算数と数学の接続に関する研究
〜関数領域の指導に焦点を当てて〜
新潟市立白新中学校
石田 勇弥

 小学5年から中学1年にかけて、繰り返し「比例」の単元を学習するが、小学校から中学校への接続には大きな困難性がある。それは、中心として扱う性質が大きく異なるためである。小学校では「変化」、中学校では「対応」の性質を中心として扱うために、生徒に思考の飛躍が生じていると考える。そこで本研究では思考の飛躍を生まないために、以下の手だてを行った。
 接続をスムースにする単元構成と実践の提案
 表→式→グラフの順で指導を展開するのが一般的だが、本研究では表→グラフ→式の順で単元を構成した。グラフは値の変化の様相を直観しうる表現でもあり、 座標の点はxとyの対応を表した表現でもある。つまりグラフは、変化と対応の両方を意識させることができる表現だといえる。グラフから学習することで変化から対応(=式)へのスムースな移行を図った。
 実践を通して、自然と変化の見方から対応の見方へシフトできたことは成果として挙げられる。しかし、式に定義する際に、新たな困難が生じることが明らかとなった。そのため、よりスムースに移行できるような手だてを再考する必要がある。今後も理論と実践を往還することで、関数領域の指導の在り方を追究していく。

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「教育実践」
関数の考えを育てる低学年「数と計算」領域における算数指導の工夫
〜第1学年「ひきざん(2)」の実践を通して〜
新潟市立巻北小学校
樋浦 教之

 小学校においては、学年が進むにつれて、「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係」という関数の考えを用いて問題解決する場面が増えていく。その考えは各学年において着実に指導を積み重ねることで身に付く考えであるが、小学校第1学年では、関数の考えを意図的に指導する場面が少ない。
 一方、第2学年や第3学年では、関数の考えを用いて学習する場面があり、その学習を理解することに難しさを感じる児童が多い。そこで、第1学年「数と計算」領域において「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係」の指導を工夫して行うことで、学年が上がっても関数の考えを用いて問題解決することが容易になると考える。
 本研究では、小学校第1学年『A 数と計算』領域「ひきざん(2)」において、以下の手立てを用いて授業を進めることで、「差が等しい減法は、減数が1つ増減すれば、被減数も1つ増減する」という依存関係に着目し、対応のルールを明らかにしようとする姿の育成を目指した。

1 規則正しく式を並べ替える活動
  答えが2、3になる引き算を児童に考えさせたところ、「11−9」「10−8」「11−8」「10−7」「12−9」が出された。それらを掲示した後、「どうすれば、これらの引き算をきれいに並べ替えることができるかな。」と問うた。「きれいに並べ替える」とは、「数字の順に並べ替えれば良い」と児童は考えた。すると、減数と被減数との間の変化や対応の規則性が分かりやすくなり、「片方の数が変わると、もう一つの数も同じように変わるのではないか。」という見通しをもたせることができた。
2 並べ替えた後、11−6となる式から他の引き算の式を見付ける活動
 並び替えた後、「減数や被減数に1ずつ足すと答えが同じ引き算の式ができる。」ということに気付いた。そこで「11−6」をもとになる式とした。これを基に答えが「5」になる引き算同士の関係を確認した。このことで、11−6の式から「減数や被減数から1ずつ引けば、10−5ができる。」ということに気付かせた。

 12−7=(12+1)−(7+1)=13−8  11−6=(11−1)−(6−1)=10−5
のように、+□や−□がどんな数でも、引き算の答えは変わらないことを捉えさせた。「数字が規則的に並んでいる」「一方が変わると、他方も同じ数ずつ変わる」といった関数の考えが身に付いた授業であった。小学校第1学年から、「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係という」関数の考えを扱うことは、その後の学習に大きくプラスに働く。

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「教育実践」
解法を自分の言葉で書くことで数学的な考え方を高める授業づくり
新潟市立下山小学校
井畑 悟

 私は算数の授業で数学的な考え方を高めることを特に大切にしている。数学的な考え方を高めることによって、計算の答えを導くだけでなく、どうしてその答えになるのかという意味を理解することができるからである。
 児童の学びは多様であり、すべての児童が同じ学び方をしているわけではない。児童によって、どの言葉が心に残り、どの言葉によって学びが確かなものになったのか違いがある。そこで、本時で深めた見方や考え方、また、新たに知り得た方法について再構築しながら、その時間の学びを自分の言葉で書き表すことで、数学的な考え方を高めていくことができると考えた。
 書くことで思考力を働かせ、またそれを表現することで数学的な考え方も高まっていく。しかし、答えを求めることができても、思考の過程をうまく表現できず、数学的根拠に基づいていない解法を書く児童もいる。そこで、次の2つの手立てを行ったあと、解法を自分の言葉で書かせた。
 1つ目の手立ては、「多様な考えの共通点や相違点を明確にする話合い」を授業場面に取り入れたことである。児童の中から出てきた考えの共通点や相違点を問う発問をすることで数学的根拠を明確にすることができると考えた。
 2つ目の手立ては、「解法を書くときのキーワードとなる言葉の提示」である。1つ目の手立ての話し合いで出てきたキーワード(数学的根拠)を板書しておくことで、解法を自分の言葉で書けるようにした。
 本実践の結果、多数の児童が解法を自分の言葉で書くことができた。解法を記述したノートを分析すると、自力解決できなかった児童が、授業終末では数学的根拠に基づいて解法を書くことができた姿が見られた。また、ある児童は、自力解決した考え以外の考え方も取り入れ、自分の考えを再構築して解法を書いていた。また、児童の中には同じ数学的根拠に基づいて解法を書いたものもあったが、各自が自分にとって理解しやすい言葉で書いている記述がみられた。
 よって、本実践では、解法を書かせるために2つの手立てを行い、数学的な根拠を明確にしてから自分の言葉で書かせたことで、数学的な考え方を高めることができた。

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「教育実践」
図形の性質への気付きを促す指導の工夫
長岡市立新町小学校
松井 衛 

 学習指導要領では、「学ぶことの楽しさ」「考えることの楽しさ」が強調されている。図形領域でそれらの「楽しさ」を味わわせるには、ハンズ・オンといわれる手を使った活動が有効といわれる。 低学年のうちは、何か教具などに触れ、手を動かすことに興味をもち、楽しいと感じる。しかし、高学年になると、ただ教具を与えておくだけでは、児童は感心を示さない。児童の知的好奇心を喚起する何かがそこになければならない。「あれ?」と思える「意外性」を感じさせる学習を設定する必要がある。高学年の図形指導では、教具を使っての試行錯誤による意外性のある事象との出会いを重視していく必要がある。
 高学年の児童は、長方形や正方形が平面に敷き詰められることは体験的に知っている。しかし、これがどんな四角形でも平面を敷き詰められるということに気付くならば、それは不思議なことであり、「なぜ」「どうして」という疑問が生まれる。また、それを解決することで敷き詰めを美しいと感じるようになると考える。しかし、一般の四角形が敷き詰められると認識している児童は少ない。これは、授業の中において敷き詰めの経験に乏しいことが原因と思われる。具体物を用いて実際に敷き詰めてみるといった、操作的な活動を大切にした指導が必要である。
 本研究では、試行錯誤を伴う敷き詰めの活動を設定することにより、児童の四角形に対する認識がどのように深まるかを考察した。第5学年「図形の角」の単元において、図形の敷き詰めを計画的に組織し実践を行った。その実践の中から、敷き詰めの活動でどのように四角形に対する認識が深まるかを検証し、敷き詰めの活動はどのように進めていったらいいのか方法を探った。

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「教育実践」
算数科における学習意欲を高める指導の工夫
〜学ぶ目的や目標、理解度を可視化することを通して〜
佐渡市立両津吉井小学校
藤井 憲之

 学力に関する各種国際調査の結果をみると、日本においては、知識・技能、思考力・判断力・表現力に比べて、学習意欲が低い傾向が見られる。この原因としては、学ぶ目的と学んだ結果、どう高まったかをあまり伝えることがないまま進めている日々の授業もその要因の一つであると考える。即ち、学習意欲を高めるためには、なぜ学ぶのか、何を学ぶのか、そして、学んだことがきちんと身に付いているのか、いないのかを明らかにすることこそ重要である。
  そこで次の三つの手立てを講じ、その有効性を検証する。
1 単元の指導計画の工夫
  導入時に、単元のねらいに迫ることができる問題を提示し、この問題を解くために必要なことを児童自身に考えさせ、1時間毎に何を学んでいくのかを明らかにし、単元全時間分の学習計画を作成し、可視化した。
2 めあてとまとめの明確化と可視化
  手立て1で作成した学習計画を基に学習計画に毎時間のめあてを明らかにした。授業の終末には、めあてに正対したまとめを書かせ、まとめたものを教室の壁面に掲示し可視化した。
3 理解度の可視化(全員ができるようになることを学習の目的として意識付ける。)
  児童にとって1時間の学習内容が身に付いたのか、付いていないのかが明らかにならなければ、自分の力を判断することはできない。教師にとっても、1時間できちんと児童に力を付けることができたのか、できなかったのかを把握することができない。そこで、毎時間評価テストを行い、児童の定着度を把握し、教室背面に山登りのように掲示することで可視化した。
  単元末児童アンケートと、単元末テストの結果から、三つの手立てが有効に働き、学習意欲が向上した児童が多く見られた。特に、特別な支援を要する児童に効果的であった。
  今後は、有効に働く単元の導入問題の条件や、領域における相違点についても研究を進め、多様な領域で活用できるように汎用性を高めていきたい。

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「教育実践」
児童が式を生かして問題解決する力を育てる指導の工夫
新潟市立東青山小学校
伊藤 祐輝

 式は形式的に処理ができ、一般化を図る手段となるというよさがある。この式表現のよさを進んで問題解決に生かす力を育てたいと考える。しかし、実際の授業では、式が表れると児童によって理解度の差が大きく表れてしまう。また、式のよさを生かすために式のみを用いる活動では、児童にとって難しさだけが強調され、理解度の差も大きくなる。そこで、式をよむ活動において図を関連させて用いる展開を構想し、児童にとって図を足がかりにして式をよむ活動になるように授業を構成する。そのために次の手だてをとる。
1 図と式を関連させてよむ活動を工夫する。
  4年「式と計算」では,計算のきまりが図にも示されるようにする。例えば、かけ算の分配法則に関するきまりは、アレイ図を用いると式の関係が見えやすい。問題場面をアレイ図が用いやすい場面に設定し、児童が簡単に図に表し、また、その図をもとにして式化できるようにする。式が表れたら、式の数や演算が図ではどの部分に表れているかをよむ活動を行う。このように、図と式を関連付けてよむ活動を通して,児童は式が問題場面や図に即して表現されていることを理解する。そうすることによって児童は式をより身近なものに感じる。
2 式をよむことが問題解決につながる活動を設定する。
  4年「面積」では、問題解決に公式が手段として使われているが、求積できても公式が長方形の縦横の関係を表しているという式の理解が深まっているとは言い難い。
 そこで、ある求積の式を提示し、どのような図形の面積を求めた式かを問う問題を設定する。例えば3×5+4×8という式だったら、かけ算の部分「3×5」「4×8」はそれぞれ縦3cm横5cmの長方形、縦4cm横8cmの長方形を想起でき、それらの長方形の和を表す式であることをよめると、二つの長方形の複合図形であることが分かる。このように、式の数の関係をよんで図をイメージする活動を通して、児童は式が図と関連していることや式の表す意味を理解できる。

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「教育実践」
文章題指導の工夫
〜問題づくりの活動を通して〜
上越市立北諏訪小学校
泉田 悠貴

 文章題で問題の文章を正しく読み取ったり、正しい式を立てたりすることは個人差が大きく、つまずいてしまうことが多い。計算はできるのに文章題を解く事ができない児童に対して、問題づくりを取り入れることで、その解決に迫った。
 私は、「式に単位を付ける」「絵や図に表す」という2つの活動を取り入れた問題づくりの指導を行うことで文章題を解く力が付くのではないかと考えた。そこで、小学校3年生の計算領域の授業実践を通して、上記の学習過程の有効性を検証する。
1 式を立てる
 問題づくりの最初に自分で数字を当てはめて式を立てる。
2 式の数字に単位を付ける
 式の中の数字に付く単位は何か、その単位から考えられる場面はどんな場面かを考えさせていくことで、児童は式を立てる際に数字の単位に注目したり、問題場面をイメージできたりするようになる。
3 絵や図に表す
 式を見たときにどんな場面を想像するのか。その想像した場面を絵や図で表す。問題場面が正しく表現できるようになれば立式することは難しくないであろう。そこで、式から図や絵をかかせ、その場面把握をしっかりさせることで文章題を解く力を高めていく。
4 問題文をつくる
 最後に式と絵や図に合う問題文をつくる。自分で文章を書くことを通して、文章題の理解につなげていく。
 問題づくりを通して、児童に文章題を解決するために必要なことを獲得させることで、自信をもって友達に説明したり楽しく算数を学んだりできると考える。

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「教科等研究セミナー」 
学習内容と生活場面とのつながりを考え,問題解決の力が高まる算数授業の工夫
〜第6学年「速さ」の単元における問題づくりの活動を通して〜
上越市立和田小学校
田中 良樹

 算数で学習したことは生活場面にどのようにつながっているのか。これまでの私の実践は,この問いに答えられるものではなかった。学習内容と生活場面とのつながりに気付いたり,どのように活用されているのかを考えたりできる児童になってほしい。こうした児童の姿を目指し,第6学年「速さ」の単元で,次の手立てを講じて,研究に取り組んだ。
1 問題づくりの活動の設定
 授業の始めに教師から提示され,解決した問題を参考にしながら,児童が同様の問題をつくった。これにより、学習内容と生活場面とのつながりを考えられるようにした。
2 つくられた問題の検討
 児童がつくった問題は,自力で解決したり,他の児童に出題したりするものとした。ただし,その過程で,教師が机間指導の中で児童の問題を取り上げ,全員で取り組んだり,問題の内容をどのように修正すべきかを学級全体で検討したりした。これにより,つくられた問題をより生活場面に近いものにするとともに,問題の構造を理解できるようにした。
 その結果、生活経験から速さの量感をつかもうとするなど学習内容と生活場面とのつながりについて考える姿,そして,他の児童とかかわり合って単位の整合性を図る大切さに気付いて問題解決する姿を見ることができるようになった。
 しかし,問題づくりの活動におけるスモールステップの指導の必要性,単元全体の中でどのように問題づくりの授業を位置づけるかといった課題も明らかになった。これらの課題を解決するための実践と研究を今後も続けていく。

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「教科等研究セミナー」 
式を生かして問題解決する指導
〜式の読みに着目して〜
新潟市立東青山小学校
伊藤 祐輝

 式は表現であるとともに思考の手段になる。しかし、多くの児童にとっては、式は答えを導く過程であり、問題解決の手段としてはとらえられていない。児童が式を生かして問題解決するためには式を読むことを中心として、意図的な指導が必要である。そこで、次の2点から研究を進めた。                 
1 オープンな問題場面を与え、それぞれの場合を式に表す
 問題の数値を自由に変え、式が幾通りにも表せるようにオープンな問題場面を提示した。そして、いくつかの例をもとに1つ1つの場合について式に表した。問題把握しやすいように図も活用した。
2 式の提示方法を工夫する
 幾通りもの式が出たら式を並列して提示し、式の数の変化を見やすくした。順序よく変化している部分は下学年の児童でも発見しやすかった。また、変化を見やすくするために図と関連させた。
 このような研究を通して、図と関連させて式を読む活動で児童は、数の変化をもとにきまりを見いだし、また、そのきまりを用いて他の式を作ろうとする姿が見られた。しかし、きまりがどんな場合にも成り立つという理解は不十分であり、そのためには問題場面をさらに発展させるなどの働きかけが必要だった。式を読み、式を問題解決や発展的に考える手段として生かす指導は学年や内容に応じて今後も継続して行う。

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「教科等研究セミナー」 
小学校低学年において、自ら図をかき、説明する力を高める指導の工夫
新潟市立巻北小学校
樋浦 教之

  数学的な思考力・表現力を育成するために、算数的活動及び言語活動の充実が求められている。授業では、自分の考えを説明する活動が行われることが多く、そのため児童は、自分の考えを説明するために具体物、半具体物の操作、図、式、算数的用語など様々な数学的な表現方法を用いている。その表現方法は学年や学習内容が進むにつれて、徐々に抽象化されていく。数学的な思考力・表現力が高まった姿とは、児童が表現方法を抽象化できたり、自分で表現したことを用いて他者に説明したりできる姿であると考える。しかし、小学校低学年の児童は「具体物→半具体物→図→言語化→式」と表現方法の抽象度が上がるにつれて、抵抗感をもつことがある。特に半具体物から図に移行するときは、その抵抗感は大きい。しかし、図を用いることで、解法を導き出したり、自分の考えを説明したりしやすくなることから、自ら図をかき、説明できることは非常に重要なことである。そのために、次のような手立てを用いて、半具体物操作から図に移行する際の抵抗感を減らし、図を用いて自分の考えを説明する姿を目指した。

1 半具体物の操作場面に近い図の提示
半具体物の操作場面をそのまま図にしたものを与えた。
2 思考を可視化するための図の指導
 自分が考えていることを、図の中に表す際に用いる表現方法を指導した。
3 他者の表現の意図を読み取る場の設定
 途中までかいた児童の図を提示し、「なぜ、このようなことを書いたのか」と全体に問い、その表現の意図を明らかにした。また、その図の続きを考えさせた。
 
児童が図という数学的な表現を用いて、問題を解決したり、自分の考えを他者に説明したりすることができる姿を目指して、今後も研究を継続していく。

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「教科等研究セミナー」
問題に対し見直しを基に探求し、自力解決できる児童を育てる算数指導
新潟市立新津第二小学校
牛腸 賢一

  答えは導き出せるがそれが正しいのか、他のやり方でもできないかなど、自分が納得するまで問題に対し向き合おうとする児童を育てたい。既習の知識・技能を活用して、自分なりに問題を解決しようとする自力解決力を身に付けさせたい。そのためには、児童にとって興味・関心があり、多少の困難さが伴う適切な課題とともに、獲得したストラテジーの活用が必要であると考えた。そこで、研究内容として次の2点を設定し、問題に対し見直しをもとに探求し、自力解決できる児童の育成を目指した。
1 適切な課題の設定と提示の工夫
 適切な課題とは、
@児童にストラテジーのよさが明らかに分かるもの 
A既習の知識・技能で解決可能であるもの 
B児童が興味をもって取り組めるもの
 と定義した。
 また、課題の一部を隠して提示したり、隠した部分の数値や言葉を入れ替えて難易度を上げていったりしながら、見通しをもたせるとともに興味関心を引きつけられるように工夫した。
2 自力解決に必要なストラテジーの有用性に気付かせる授業の工夫
 簡単な場合から考えさせたり、図や表を用いて考えさせたりすることで、導いた答えが正しいのかを吟味させる活動を設定した。様々な解法を共有することでストラテジーのよさに気付き、使ってみたいという気持ちをもたせることができた。
 粘り強く考えたり、問題に立ち返って考えたりしながら答えを導き出す楽しさに気付かせることができる算数授業を今後も研究していく。

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「教育実践」
「数と式の証明」において“も”「ならば文」と「追究マップ」を用いることを通して分かる授業を目指す指導の工夫
新潟市立白新中学校
伊藤 雅仁

  本研究は,3学年の文字式の証明において,「ならば文」を用いて仮定・結論を明確にして証明を行い,明らかになった事柄を順次「追究マップ」にまとめていくことを通して分かる授業を目指していくものである。2学年の図形分野においては「ならば文」と「追究マップ」を使っての実践は多いが,3学年の文字式の分野においてもこの手だてを使って分かる授業を目指した。
 生徒は,2学年・3学年で学習する『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』において,苦手意識をもっている。基本の計算部分はできていても,説明・証明になると説明の形になっていない誤答であったり,何を書いたらよいか分からないといった実態がみられる。しかし,2学年で学習する『図形の証明』は『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』より実態調査において正答率が高かった。そこから私は,『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』の正答率がなかなか上がらない原因として,以下の2つの困難性があるのではないかと推測した。
ア 図形では,仮定・結論を明確にして証明しているのに対して,文字式の証明は仮定・結論を明確にしていないこと
イ 図形では,視覚的に考えられるのに対して,文字式の証明は視覚的に考える事ができないこと
 この2つの困難性を解消するために,次の手だてを講ずることにした。
@ 「ならば文」を用いて,仮定・結論を明らかにする。
 このことによって,仮定の一部を条件変更することで,生徒は既習事項と新たに分かったこととのつながりを意識しながら新たな問題を設定していき,活発な授業展開ができる。
A 明らかになった事柄を順次「追究マップ」にまとめていく。
 このことによって,学習した内容を時系列で記述し,視覚的に理解を深めていくことができる。
 この2つの手だてにより,『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』においても,『図形の証明』と同様に生徒が分かる授業を目指したものが本研究である。

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「教育実践」
生徒の実態把握とそれに応じた指導の工夫
三条市立第三中学校
千田 博照

 全国学力学習状況調査では、関数領域の正答率が特に低いことが取り上げられているが、自校でもその傾向がみられる。その改善を図るために、小学校でどのように学習しているのかを学習指導要領や教科書を見直した。また、三条市では小中一貫教育が平成25年度から本格実施されており、小・中学校での9年間の学びのつながりを考えたカリキュラムがある。
 小学6年「比例と反比例」でグラフが直線になることを、具体的な数量に即して理解できるよう指導することが必要である」とあり、中学1年「比例と反比例」では、「関数関係を表、式、グラフに表すとき、変数や定数を文字で表し、文字を使った式に一般化したり、座標に基づいたグラフをかき、変域は負の数まで拡張される」とある。
 これらをもとにした学びのつながりや、生徒の実態をふまえた指導を行えば関数の理解が深まると考え実践した。
 比例の導入では、小学校の教科書にある、水そうに入れた水の量と深さの関係を表やグラフで表す問題を扱った。ほとんどの生徒が表をつくることができて、グラフをかくことができた。しかし、柱状グラフでかく生徒が予想以上にいることが分かった。小学校では「比例と反比例」の後に、「資料の調べ方」で柱状グラフを学習するためであると考えられる。
 そこで柱状グラフをかいた生徒の考えを取り上げて授業を進めた。単元の終わりに同様な問題を扱ったが、その際は柱状グラフでかく生徒はいなく、ほとんどの生徒は直線でかくことができた。比例のグラフについて、点と点を結んでいくと直線になるという捉え方から、点の集合として比例のグラフが直線になることを捉えられるようになったと考えられる。その反面、直線で表された比例のグラフを具体的な場面で捉えられなくなる面がみられ、それに応じた指導を行う必要がある。

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「教育実践」
連立方程式における単元構成の工夫と指導の深化
長岡市立南中学校
宮田 雅仁

 第1学年では,一次方程式を学習する。この単元においては
ア 文字を使って立式し,課題を解決するよさを学ぶ。
イ 天秤モデルを用いて,等式の性質を理解する。
ウ 天秤モデルを用いて,一次方程式の解き方を導出する。
 以上のような3つの活動を行っている。
 第2学年では,連立方程式を学習する。この単元を第1学年で学習した一次方程式の振り返りと位置づけ,「文字を用いた解決方法を自ら選択し,一次方程式で学んだことを活用・類推し連立方程式の解き方を自ら導出する」場面を設定することが大切である。そのために,連立方程式の導入段階から加減法による解き方に至るまでの単元構成を工夫していく。
 具体的には,上記ア〜ウの3つの活動を手立てとして連立方程式の単元に組み込んで,「アの強化」,「イの態度変更」,「ウをもとにした類推」に焦点を当てて本研究を行った。
 手立て1 導入課題において,「小学校で学んだ算術的解法」と「文字を用いた解決方法」を比較検討させ,「文字を用いた解決方法」を選択する態度を養う。(アの強化)
 手立て2 天秤モデルを用いて,2年次で学ぶ等式の性質を理解し,1年次で学んだ等式の性質との違いを明確にさせる。(イにおける態度変更)
 手立て3 天秤モデルを用いて,一次方程式の解き方と対比し,連立方程式の加減法による解き方を導出させる。(ウをもとにした類推)
 これらの有効性について,量的な研究として,評価問題やWebテストの結果の分析を行い,質的な研究として,授業中における生徒の発言や会話をもとに授業を振り返っていった。
 量的な研究の結果として,成果が見られた。また,質的な研究の結果として,生徒が自ら判断する場面や,自分の考えを構築し,それを他者との関わりの中で再構築させていく場面が見られた。

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「教育実践」
共通点や相違点を明確にする比較により、数学的な考え方を育む算数指導
三条市立一ノ木戸小学校
池田 清太郎

 私は、子どもたちが友だちとかかわる中で、よりよい考え方やきまりをつくり出す算数授業を目指して日々の指導を行ってきた。私のこれまでの指導では、互いの考え方のよい所を発表させたり、「速く・簡単に・正確に」できる方法を発表させたりしてきた。しかし、それでは感想に近い発表で終わってしまうことが多く、創造的な交流活動をすることができなかった。
 そこで、互いの考えを比較し、共通点や相違点を分析することが、よりよい考え方やきまりをつくり出すといった数学的な考え方の育成につながると考え、本研究を進めることにした。そして、次のような段階と方法を明確にした交流活動を手立てとして、実践を行った。
@ 互いの考え方への理解(グループ)
 互いの考え方への理解を目的とする。自分の記述を見せ合いながら交流を行う。自分にない考え方は赤鉛筆で加筆・修正する。
A 考え方の分類と整理(全体)
 考え方の分類と整理を目的とする。考え方を黒板に示し、それぞれの考え方に名前をつけるなどして、整理を行う。 
B 共通点と相違点の発見(グループ+個人)
 共通点と相違点の発見を目的とする。黒板に示された考え方を比較して、似ているところ、違うところをグループの友だちと見つけ出し、ノートに書き出す。
C よりよい考え方やきまりをつくる(全体)
 似ているところ、違うところを整理して、よりよい考え方やきまりをつくり出す。
 9月に行う2年「水のかさ」では、「2Lと18dL」など、単位がそろっていない場合のかさの比べ方について学習する。この学習を通して、子どもたちが、かさを比べるためのきまりをつくり出していく姿、きまりのよさに気付き、類題に活用していく姿を目指したい。

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「教育実践」
数量についての感覚”を育み、見通しをもって解決を図ろうとする指導の工夫
長岡市立川崎小学校
稲葉 謙太郎

 小学校学習指導要領解説算数編では、基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させるために、算数的活動を充実し,数量や図形について実感的に理解し豊かな感覚を育てる必要性が述べられている。しかし、具体的に感覚を育てる手立てについては具体的に示されていない。また、感覚それだけを取り上げて指導できた実践もあまりない。
 私は、見通しをもたせ筋道立てて考えさせる授業を行っていくためには、感覚を育むことで実感的に理解し、見通しをもって学習に取り組むことが大切であると考える。感覚を育てるためには、教師による意図的、計画的な指導を行うことによって、その育成を保障することが必要となる。
 そこで、本研究では、“数量についての感覚”に焦点をあてて、これまでの自分の実践を振り返り、感覚を生かして見通しをもつ子どもの姿を具現していく。
 本研究では、数の大きさを表すことができる線分図を用いて数量についての感覚を育んでいく。「数と計算」の領域では、答えを求める式操作ができると安定しがちになる場面で、線分図を用いて、数の大きさを捉えさせる場面を設定し、計算することの意味を理解させていく。「量と測定」の領域では、単位量の大きさを求める式操作ができると安定しがちになる場面で、線分図を用いて、単位量の大きさを捉えさせる場面を設定し、立てた式の意味を理解させていく。
 上記の手立てを通して、子どもは数が表している大きさを捉え、課題解決への見通しがもてるようになると考える。領域が異なる単元で数量についての感覚を育んでいき、子どもが線分図を活用した場面をもとに解決の見通しをもった姿を検証していく。

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「教育実践」
加法・減法の意味理解を深める指導の工夫
〜第1学年「たし算」「ひき算」における図での表現の指導を通して〜
村上市立村上南小学校
星野 貴之

  私は,これまでの授業において「今日の学習はよく分かった」「問題を自分で解けた」と言える児童の育成を目指してきた。そのためには,児童が図と式,言葉を結び付けながら解決を図り,形式的な処理とともに意味についても理解を深める必要がある。
 児童が,問題文と図,図と式を十分に結び付けながら解決を図るためには,入門期である1年生の指導において,問題文と図を結び付ける操作活動を意図的,計画的に行うことが必要である。問題文と図とを結び付ける操作活動を十分に行うことで,児童は問題文から具体的な場面を想起したり,式から具体的な解決方法を考えたりできるようになる。
 このような取組の中で,児童は図を活用するよさを実感し,進んで図を活用して解決を図ったり,式から図を活用して具体的な場面を想起したりすることができると考える。
 そこで,本研究では,1年生の中心的単元である,たし算・ひき算の学習に焦点を当てる。お話づくりの場面において,式から文を考えさせる際に操作活動を行わせ,その後図をかかせていく。この手立てにより,児童は,式と図とを結び付けていく。さらに,図と式とが合っているかを問うことで,児童は具体と抽象とを結び付けて考えられるようになり,加法・減法の理解を深めていくと考えた。
 このようなことから,次の2つのことを中心に指導を行った。
 一つ目は,たし算・ひき算の問題づくり(式から問題を考える)の学習の前に,お話の絵づくり(問題を絵に描き書き表す学習)を設定することである。そして,お話の絵づくりの活動で,問題文から図を考える際に操作活動を意図的に設定し,抽象的場面から具体的場面を想起させるようにする。
 二つ目は,児童が描いた絵が話に合ったものになっているか,検討させることである。合ってないときには,どのようにすれば,絵が話に合ったものになるか考えさせる。そこから,絵を簡略化して描いたり,操作活動の跡を絵の中に矢印や文字で描き表したりする考えを引き出す。

<参考文献>
使える算数的表現法が育つ授業  田中博史 東洋館出版社 平成15年8月
算数授業研究vol.87  筑波大学附属小学校算数研究部 東洋館出版社 平成25年4月


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「教育実践」
問題解決能力を育てる指導の在り方
〜見通しをもたせる指導の工夫を通して〜
見附市立田井小学校
武石 正仁

  算数を苦手とする児童は、問題解決場面においては、ほとんど鉛筆を動かすことがなく、授業の後半になって板書を熱心に書き写すという学習を繰り返すことが多い。つまり、自力解決が難しい。また、学習後の類似問題を解くことができないといった様子から、問題解決能力が十分に育っているとは言えない。
 私は、問題解決能力とは、「解決までの見通しをもつこと」「見通しに従って活動すること」「答えを確かめること」によって構成されていると考えた。問題解決を始めるには「解決までの見通し」が重要になってくる。
 算数科学習指導要領の目標に「日常事象について見通しをもち、筋道を立てて考える能力を育てること」とあり、問題解決の最初の段階で見通しをもたせることが重要であることが分かる。
 そこで、問題解決能力を育てるために、「解決までの見通しをもつ」場面を3つの段階に分け、それぞれの段階で、手立てを講じることにした。
@見通しをもつためのレディネス指導段階
 見通しをもつために必要な既習事項を掲示したり、新しい考え方や見方の指導をしたりする。
A個で見通しを考える段階
 ワークシートやノートに自分の見通しを既習事項と関連させながら記述する。
B見通しを確かなものにする段階
 他の見通しとかかわらせ、自分の見通しを確かなものにしたり、修正したりする。
 6学年算数「小数と分数の計算」「いろいろな形の面積」での実践で検証した。いずれの実践でも、算数を苦手とする児童が、問題解決場面で鉛筆を動かし、自力解決をする姿が見られた。今後も、このような学習を重ねていくことで問題解決能力を育てていきたい。

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「教育実践」 算数科における演繹的な活動を実現するための要件
阿賀野市立笹岡小学校
渡邉 正樹

 算数科において「知識・理解」の習得率が向上しているのに対して「思考力」「活用力」の習得が十分ではなく、その育成が課題となっている。私は児童の思考力を育成するため、小学校中学年の算数科において演繹的な活動の実現を目指し、岩崎(2011)の提唱する「パターンの科学」※1)の流れで構成した授業を試みた。そこで明らかになった課題を分析し、新たな手だてを構築し、再度授業を行った。両授業のプロトコル(発話記録)を分析した結果、演繹的な活動を実現するための「児童に演繹的な活動を促す発問」「アクションプルーフ(操作的証明)」「児童による複数事例の操作」が有効であることが確認された。
※1「パターンの科学」について
授業の構成には岩崎(2011)「パターンの科学」を援用した。パターンの科学については下記のとおりである。
@(きまり・パターンの)予想(帰納・暗示的接触)
A(きまり・パターンの)適用・確認(帰納・支持的接触)
B(きまり・パターンの)定式化
C(きまり・パターンの)証明(演繹)
D(きまり・パターンの条件の一部を変更して)発展

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「教育実践」
中学校数学へつなぐ小学校高学年からの算数少人数指導の工夫
〜 全国学力・学習状況調査での成果を目指して 〜
三条市立大崎小学校
桐生 太

 三条市の推進する小中一貫教育に刺激を受け、昨年度、中学校から小学校への勤務を希望した。一小一中の当学区に勤務し10年目となる。(中学校8年、小学校2年) 小学校高学年での算数指導を通して、いかに中学校数学へつないでいくかを研究している。算数は小5の段階から得意・不得意の差が広がっていく傾向にあるため、一人一人の子どもを伸ばしていくためには、習熟度別の少人数指導が効果的であると考えた。
 
 5年生3学級から「もっと算数を頑張りたい」という児童を募り、希望制の「発展クラス」を開設した。各学級から集まったメンバーが切磋琢磨し、難しい問題になるほど進んで挑戦しようとする姿が見られる。発言・発表も豊富であり、児童の声を基に授業を展開していくことが容易となっている。一方、「もとクラス」では、学級担任が児童の理解状況に合わせてじっくりと授業を進めることが可能となった。今までは算数が得意な児童の雰囲気にのまれて発言も少なかった児童が、積極的に授業に参加し、お互いに教え合う姿も見られるようになった。
 
 本研究では、「習熟度別の少人数指導体制づくり」と「発展クラスでの応用問題の提示、競争心を刺激する指導の工夫」について一年間の実践を行ってきた。年間を通じた指導体制を組み、個に応じた指導を充実させていくことが、全国学力・学習状況調査での成果につながり、さらに、算数への関心・意欲を高めて中学校数学へつないでいくことができると考えている。

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「教育実践」
関数の考えを育てる算数指導の実際 
〜式の意味理解に着目して〜
燕市立吉田小学校
越村 尚貴

  高学年になるにつれて,算数嫌いが増えることが報告されている(ベネッセ教育総合研究所 2007)。その理由として,古藤(2014)は,「学年進行とともに問題解決の場面で,より次元の高い,それらをさらに発展させ活用する能力が要求されるから」と述べている。つまり,学習内容をよりよく理解させるとともに,児童が問題解決能力を身に付けることができるように指導していくことが重要と言える。
 算数の学習において,問題解決の過程で働くのが,数学的な考え方である。この数学的な考え方については,研究者によって様々な分類,整理がなされてきた。(例えば,片桐 1995)
 数学的な考え方について,6学年の学習内容では,関数の考えが領域を横断して非常に多く扱われている。概観すると,年間を通して比例を中心とした関数の考えを整理し,比例・反比例で関数そのものを扱う学習に発展させていると言える。そこで私は,6学年において,身に付けさせる数学的な考え方として,特に関数の考えを重視する必要があると考えた。
 このような立場から,本実践では関数の考えについて,年間を通してどのように育てることが可能なのか,実践により明らかにする。その方法として,昨年度の研究成果から,関数の考えを育成するために,6学年のそれぞれの単元において,重点となる式の意味理解の場面で有効と思われるモデルを位置付けた。問題解決において児童がそのモデルを媒介してどのように関数の考えを活かし式の意味を捉えていったのかを,授業の実際とノート記述から考察する。
 実践から,関数の考えを育成する指導の在り方を提案したい。

<引用・参考文献>
ベネッセ教育総合研究所 2007 小学生の計算力に関する実態調査2007
古藤怜 2014 算数のたのしさを子どもが実感する授業 新しい算数研究No518 東洋館
片桐重男 1995 数学的な考え方を育てる「関数・統計」の指導 明治図書.


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「教育実践」
ICTを活用した授業の研究
〜タブレット端末を使用した指導の有効性の工夫〜
新潟市立巻北小学校
大関 正人

 情報教育の在り方に大きな波が押し寄せ始めている。全国ではタブレット端末を授業に活用する数々の実証実験が行われており,身の回りでも,にわかに導入の動きが始まっている。タブレット端末の利点は,指先だけで直感的に操作ができることをはじめ,使う場所を選ばないこと,起動までの時間が短いことなどが挙げられる。
 それらの利点を生かしたICT活用の授業の研究に算数を取り上げた。算数は,図と式を結びつけて考える場面がたくさんあるものの,なかなか指導が難しい教科である。結果的に,計算問題を解くことならば得意であるが,演算決定をすることを苦手とする児童が少なくない。特に,割合の学習では,公式をせっかく覚えても,「比べられる量」が何で,「もとにする量」が何かが分からなければ,公式を使うことができない。
 そこで,学習者自らに,数量間の関係を構築していく過程をタブレット端末上で試行錯誤させ,その効果を検証した。
 授業では,「1(倍)はどこか」という考え方が児童の声から多く聞かれ,「比べられる量」や「もとにする量」といった用語はほとんど使われなかった。タブレット端末のデジタルテープ図と4マス関係表が上手にリンクしたことで,児童のもっていた「関係をとらえることの難しさ」や,「用語の意味を理解することへの負担」が減っていき,公式にこだわらなくても立式することが可能になった。
 本研究の授業スタイルから,「児童が必要と感じた時に,それを使って考えてみる」というスタイルへシフトすることが児童のニーズにより近付くと考える。どの学習のどの場面でどのような使い方をすればタブレット端末がより有効に働くのかをさらに追究していきたい。

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「教育奨励賞」
学力向上をめざした中学校数学科授業
福井大学大学院教育研究科准教授(前任:小千谷市立小千谷中学校)
風間寛司

 受賞理由
 県の最重要教育課題を主題におき、その解決に向け、大学の研究者等と連携して、研究、実践を重ね、日々の授業改善の視点を明確にするとともに、その成果を学会等で広く世に問うている。
  個に応じた指導と協働、問題解決能力を試す場の設定についての主張は、現場の数学授業の構想に示唆を与える貴重な提案である。今後の継続的な実践研究活動が期待できる。

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「教育実践」 
タブレット型端末を活用した算数科授業改善の方策
新潟市立巻北小学校
大関 正人

  近年における情報通信技術(Information and Communication Technology:以下ICT)の進展は目覚ましく,スマートフォンやタブレット型端末などの情報端末が日常生活の中に溢れてきている。
 教育界においても,総務省の「フューチャースクール推進事業」や文部科学省の「学びのイノベーション事業」を中心に,一人一台のタブレット型端末が児童に行き渡った環境における実証研究が繰り広げられてきた。 
 その効果は、授業の在り方自体に大きな変化を起こそうとしている。それは、コンピュータ室から普通教室へ、教師中心から児童中心へとシフトしたICTを活用する授業づくりである。具体的には、普通教室でタブレット型端末を活用する場面と方法を明確にした授業改善について探ることである。
 着目したのは算数の教科書である。算数の教科書に登場する乗除法に関する学習内容と使用される図的表現について調べると,乗除法の計算においては,テープ図や線分図が学年を追って系統的に登場している。しかし,演算決定に苦手意識をもっており,これらの図的表現を有効に活用できていない児童は意外に多い。この理由を,教科書に出ている図的表現は完成された静止画であるからだと捉えてみた。
 そこで本実践では、テープ図のデジタルコンテンツを作成し、学習者である児童自身が「式と図と操作とを結び付ける過程」をタブレット型端末上で経験することを通して,解決の手続きを学べるようにした。
 その結果、動的なテープ図が演算決定の場で有効であるとともに、児童が数値の対応関係をつかみやすくなったことが分かった。今後、算数の教科書の図的表現を有効に学ばせるための手立てとして、どんな要件が必要かについて明らかにしていきたい。

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「教育実践」 
大型TV・教材提示装置・電子黒板を子どもが操作し,考えを発表し合うことで,かかわり合いを活発化し,自分の考えを深めさせる算数指導の工夫
新潟市立小須戸小学校
山本 英司

  新学習指導要領では,思考力・判断力・表現力が重視されている。本研究では,この3つの力の中から,特に思考力に着目し,研究を進めることにした。算数の授業において,子ども自身がICTを操作し,自分の考えを発表する過程を通して,子どもがかかわり合い,思考が深まっていくかどうか研究する。
 子ども自身がICTを使って自分の考えを発表することにより,多くの子どもに視覚化して具体的に示すことが容易になる。ICTを使って自分の考えを発表するために,子どもは,課題について考え,式や図,表,グラフ,言葉で分かりやすく表現しようとする。聞き手の子どもは,ICTを使って示された考えに注目し,友達の考えのよさに気付いたり,自分の考えとの相違に気付いたりすることと考える。
 これまで,授業におけるICT活用は,教師がICTを活用して指導する場合が多かった。新学習指導要領により,教育の情報化が挙げられる中,時代の要請から,子どもがICTを使って,お互いにかかわり合い,自分の考えを深める授業を目指すことが必要である。
 4年生「2けたでわるわり算」では,黒板とICTを使った発表を子どもが選択できるようにした。大型TVと教材提示装置を使い,ワークシートに記述した子どもの考えを,自分で説明できるようにした。また,電子黒板とノートPCで,子どもの考えを発表できるようにした。子どもの考えを予想し,スマートノートブックで必要なパーツを作っておくことにより,子ども自身が電子黒板を操作して発表することができた。一部の発表については用意された適切なパーツがなく,授業中にその場で作成した。
 友達の考えを全体で知る場面において情報機器を子ども自身が操作したことは,子どもの興味・関心を高めただけでなく,考えを共有化することにおいても有効であった。
 また,全体で確かめる予定だった筆算については,ワークシートに筆算のアルゴリズムを説明している子どもがいたので,その子ども自身に電子黒板を使って説明させた。教師が一方的に説明するよりも,子どもの言葉でまとめることができた。聞き手の子どもから,「分かりやすい。」,「1けたのわり算のやり方と同じだ。」といった声が聞かれた。
 本実践では,教材提示装置と電子黒板を子どもが使って発表することにより,アレイ図から商を求めるよりも筆算で商を求める方がより簡単で速いことに,多くの子どもが気付くことができた。今後の課題として,かかわり合いを活発にし,自分の考えを深めるために,友達の考えとの相違に気付くことができるような課題やICT活用の方法を工夫していく必要がある。

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「教育実践」 
児童のイメージ化を促し、思考を整理する視聴覚機器の活用について
長岡市立宮内小学校
佐藤 俊

 

  算数の学習において、具体物や半具体物を操作する活動は大きな意味をもつ。それは、問題を把握したり見通しを立てて解決したりすることに加えて、新たな性質や考え方を見い出したりすることができるからである。

  しかし、操作したことでどのようなことが言えるのかという具体的なイメージができず、操作したことを理解につなげることができない子どもがいる。

  そこで、本研究では、たし算とひき算の筆算を初めて学習する2年生において、操作したことと筆算で表すことの間をつなぐ手段としてパワーポイントのスライド機能を使い、その効果について研究した。

 その結果、操作の根拠や意味が明らかになり、繰り上がりと繰り下がりのしくみを理解することができた。また、指導の繰り返しが容易てあることやユニバーサルデザインの授業づくりの視点においても有効であることが分かった。


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「教育実践」 
「ならば文」による命題化を通した,数学的活用力を伸ばす指導法の工夫
新潟市立下山中学校
竹内 仁

 「全国学力調査B問題を解答できる力を伸ばしたい」という思いから本研究を始めた。全国学力調査のB問題では,数学的活用力が問われる。つまり,実生活などの様々な場面において,数学を活用する力である。数学的活用力を伸ばすためには,
@その状況(問題や文脈)の正確な理解,
A規則性や原理・定理などの発見的な学習と,それを検証する経験,
が必要である。
 既習の内容を使い新たな法則を発見する経験を繰り返しすることによって,既習事項を活用する力や,新たな法則を発見する手順を身につけることができると考えた。
 数学的活用力を育成する手段として,「ならば文」を用いた。「○○ならば○○である」という『ならば』を使った文は,課題の前提条件・仮定・結論を明確にする。実生活の場面では『ならば』が使われた表現はほとんどないが,解決すべき状況や問題を,意図的にならば文で表す(命題化する)ことによって,仮定や結論がはっきりし,生徒の理解が明確になる。また,命題化することにより条件変更が容易になる。条件を変えて新たな課題を作り,その結論を予想することや検証することを通して,発見的な学習の経験を多く積むことができると考えた。
 本研究では論証問題を中心に,@ならば文による問題のとらえ直し,A仮定を一部変更した新たな課題を提示,B新たな結論を見いだす活動と,その結論が成り立つ理由を考え伝える活動,の流れで実践をした。条件変更によって現れる新たな結論を,自分の力で見いだせた生徒は約1/4程度であった。しかし,他に伝わる発表を意識して伝え合い活動を行うことにより,ほとんどの生徒が新たな結論を理解した。同時に,生徒が他に分かりやすい表現をしようと試行錯誤する姿も多く見られた。
 本実践の後,今年度の全国学力調査「数学B」における論証問題では,若干ではあるが,正答率が上昇し,無答率が減少した。

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「教育実践」 
「数量関係」から「関数」への接続に関する考察
〜 中学1年 関数概念の指導の在り方について 〜
小千谷市立小千谷中学校
中澤 徹也

  小学校の算数では,第4学年から「数量関係」の学習がはじまる。このとき小学校では,二つの数量の関係を「一方が増えれば,もう一方も増える」,「一方が増えれば,もう一方は減る」というように共変関係を捉えることに力点をおいて,変化の特徴を読み取っている。ところが中学校になると,領域名が「関数」に変わる。そして,伴って変わる二つの数量については,「xの値を決めると,yの値も決まる」という対応関係を捉えることに力点が移り,関数が定義される。「xを決めると,yがただ1つ決まる」という関数の意味を理解し,小学校で学習した比例や反比例を関数の仲間と捉え直したり,関数関係を表現・考察の対象とすることを認知したりする。このようなギャップのある場面において,教師は授業でどのような指導を講じると,態度変更がスムーズにいくのか。本研究では、この態度変更に焦点を当てた。
 まずは態度変更によって生徒に身に付けさせたい力を次の4つにまとめた。
<関数の導入場面で生徒に身に付けさせたい関数概念の形成に関わる力>
ア 事象の中の2変量x,yを選択・抽出し,その順序性を捉えることができる。
イ xに具体的な数を当てはめて,対応するyの値を確認することができる。
ウ 関数の意味を理解しており,x−yの対応関係が関数かどうかを判断することができる。
エ 関数の変化や対応を対応表で分析し,解析の対象となるルールを発見しようとする。
そして,これらを育成するための手立てを3つ考え,中学1年「比例・反比例の導入」の場面で2時間扱いの授業を構想し,実践した。
手立て1
 日常的かつ操作的な活動によって起こる事象から2変量を抽出し,対応表を用いて考察する ナラバ ア,イの技能が高まる ダロウ
手立て2
 yはxの関数である対応関係と関数ではない対応関係(「not関数」とよぶ)を図式化し,関数関係の特徴を顕在化する ナラバ ウの判断力が高まる ダロウ
手立て3
 比例や反比例でない事象で,変化や対応に数学的ルールが潜在している事象を考察対象とする ナラバ エの態度が強化される ダロウ
 これらの有効性について,量的研究として生徒の評価問題の結果を分析し,質的研究として映像などによる授業記録や生徒の発話プロトコルに基づく,授業リフレクションを行った。
 その結果,本実践の対象クラスと非対象クラスでは,評価問題の正答率に大きな開きが認められるなど,手立て1と手立て2についてはその有効性が認められ,手立て3については改善の余地が認められた。
【参考文献】
学びの数学と数学の学び」金子忠雄 監修 井口浩 小田暢雄 風間寛司 星野将直 宮宏之 神林信之 明治図書 2002
「教えたくなる数学 学びたくなる数学」神林信之 風間寛司 星野将直 井口浩 小嶋修 渡部智和 考古堂 2012

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「教育実践」 
友達とかかわりながら、自分の考えを深めていく算数授業の在り方
〜「ふきだし法」を活用して〜
新潟市立横越小学校
佐藤 努

  私は、算数科において『考えを深める』ことの具体を、「多様なやり方で課題解決ができる」、「自分の考えを分かりやすく説明できる」の二つであると捉えている。しかし、担任している子どもたちを見ると、答えの正誤に強く意識が向いてしまい、考え方を吟味するところまで意識が向かない子が多い。これでは、考えを深めることができない。また、新学習指導要領の中には、『見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てる』とある。明確な自分の考えをもち、それを図や表や式、言葉等で表現しながら友達とかかわることを通して、考えを深めることができるようにしたい。
 そこで、本研究では、「子どもが、『ふきだし』をもとにしながら自分の考えを明確にもち、考えを出し合って多様なやり方で課題解決をさせれば、自分の考えを深める子どもを育てることができる」を研究仮説とし、次の二つの手立てを中心に実践を行った。
@見通しを共有する「ふきだし法」
 個人解決に入る前に、やり方の見通しをふきだしの形で記述させ、共有化を図る。
Aかかわりの手助けとなる「ホワイトボードの活用」
 一人一人の考えをホワイトボードに書かせ、それをもとに考え方を吟味する。
 過去2年間の授業実践から、少しずつではあるが、子どもの変容がノートの記述から見られるようになってきた。3年目の今年度も7月に授業研究を行い、さらなる子どもの変容を探っている。
【参考文献】
「算数科 言語力・表現力を育てる ふきだし法の実践」亀岡正睦   明治図書 2009

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「教育実践」 
図や表と関連付けて筋道立てて説明できる子どもの育成
新潟市立東中野山小学校
内山 大樹

  学習指導要領改訂で,「筋道を立てて考え,表現する能力を育てる…」と,算数科の目標に表現力が加わった。言葉や式・図・表を用いて,自分の考えを分かりやすく表現する力であり,他教科の学習,さらに生活場面にも活用できる力である。
 しかし,私のこれまでの指導では,式と答えのみを書くだけで上手く説明できない児童や,図や表を式と関連付けて表現できない児童が多かった。
 そこで,図を使って考えたり表現したりする「体積」の学習,図や表をもとに式を考える「高さくらべ」の学習で,自分の考えを説明したり,友達の考えを図や式と関連付けて考えたりする活動をすることで,式・図・言葉を関連付けて表現する力を育むことができるのではないかと考え,研究を進めることにした。
「体積」の単元では,次の過程で授業を進めた。
@既習内容を想起させ,見通しをもたせる
A自力解決させる
Bどのように考えたのか,ノートの図や表に矢印や言葉を書き込ませる
C友達のノートを見て,どのように考えたのかグループで説明させる
D考えを全体で交流させる
 その中で,特に重視したのが「C友達のノートを見て,どのように考えたのかグループで説明させる」活動である。「体積」の複合図形の学習では,矢印・言葉・補助線を図に入れて表現された友達の考えを,式と関連付けてもう一度説明させた。矢印や補助線を見て説明できた児童もいる一方,説明できず活動を終えた児童もいた。グループ内で順番に説明する,グループで考えを一つ選ぶ,その考えをワークシートにまとめ直す等,指示した活動の内容が多すぎて,児童が混乱していた。特に,複合図形の学習では様々な考え方が生まれるので,やるべき活動を絞る必要を感じた。
 そこで,9月に行う「高さくらべ」の学習では,問題場面を読み,用意した選択肢の中から適切な図を選ばせる。なぜその図を選んだのか説明させる中で,図に矢印・言葉を書き込ませていき,表現力を高めていきたい。
 自分の考えを式・図・言葉を関連付けて表現したり,友達の考えを図や式だけを見て説明できたりする児童が増えたことを成果として挙げられるよう,9月の実践に臨む。

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「教育実践」 
学ぶ意欲を高める指導法の工夫
 〜「帰納的な考え方」を育てる授業を通して〜
新発田市立東豊小学校
伊藤 孝希

 

 平成25年度全国学力・学習状況調査【都道府県別】調査資料において、「算数の勉強は好きですか」という質問に、「当てはまる」と答えた新潟県の児童は33.9%と、全国より3%下回った。また、「算数の授業で新しい問題に出合ったとき、それを解いてみたいと思いますか」という質問に「当てはまる」と答えた児童は49.4%とこれも全国を3.6%下回った。新潟県の児童における算数を学ぶ意欲の低さが心配される結果となった。

 また、「算数の勉強は好きですか」と自校の子どもたちに聞いたところ、34.5%の児童が「好き」、13.8%の児童が「好きではない」と答えた。新潟県全体と同じような状況が見られた。その理由を聞いてみると、好きではない子は「いろいろな方法があって頭がこんがらがる」「頭がごちゃごちゃして意味が分からなくなる」と答えていた。これに対して,好きな子は「発見することが好き」「きまりを見つけると、もっと見つけたいと思う」と答えている。

 この結果から、算数を学ぶ際に、きまりを発見するなどの数学的な考え方に着目して学習のあり方を見直すことで、算数を学ぶ意欲を高めることにつながるのではないかと考えた。数学的な考え方には様々なものがあるが、本研究では「帰納的な考え方」に焦点づけた授業実践により、その有効性を児童の様子から検証することとした。なぜなら、帰納的な考え方は「きまりをみつけることのたのしさ」や「きまりを使うことのよさ」を味わうことができるからだ。

 そこで本研究では、帰納的な考え方を育て、学ぶ意欲を高めるために、「分数×分数」、「分数÷分数」の発展課題において「問いが生まれる課題の提示」と「帰納的な考え方を育てる発問」を行う。考えてみたい・解いてみたいという意欲を高めるために必要なことは、子どもたちに「問い」をもたせることである。「どうしてだろう。」「何か決まりがありそうだ。」という「問い」が生まれる課題を提示することで、子どもたちの意欲を高めていく。そして、「次はどんな式がここにくるかな?」「どうやって式を考えたの?」「どうやってそのきまりに気付いたの?」「他の式でもできるかな?」という発問をし、「きまりをみつけることのたのしさ」や「きまりを使うことのよさ」を味わえるようにする。そのことが「帰納的な考え方を育てることにつながり、学ぶ意欲を高めること」に有効であったかを検証する。

【参考文献】

「数学的な考え方の具体化」片桐重男 明治図書 1988

「算数研究で授業が学校が変わる −授業改革から学校改革へ」田中博史 新潟市立浜浦小学校 東洋館出版社 2010

「「数学的な考え方」を育てる授業」 盛山隆雄 東洋館出版社 2013


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「教育実践」 
根拠をもって考える子どもを育てる算数指導
五泉市立村松小学校
熊倉 祐之

 

「根拠をもって考える」とは,既習の見方や考え方を活用して問題を解決する際に,子どもが理由となる根拠をあげ,判断したことを説明していくことである。

 例えば,計算では,公式に数値を当てはめ機械的な操作で答えを求めるだけでなく,なぜそのやり方なのか,またその過程の意味を説明できることである。文章問題であれば,立式した際に前に学習したことをつなげたり組み合わせたりしながら友だちに納得のいく説明ができる姿である。

 このようなことから,どうしてこうなるのか・どうやって考えようかという態度を身につけさせていくために次の2つのことを中心に指導を行った。

@友だちの考えを解釈する場の設定

 一人一人に学びを保障し,箔ョ的に取り組むためにも,問題解決過程における検討場面では全体の場の話合いだけでなく,ペアやグループで友だちの考えを解釈する場を設ける。考えの正誤にかかわらず,友だちの考えを解釈することは自分の考えと比較したり新たな気付きを生んだりすることにつながるからである。

A絵図や線分図等を使った説明
 立式し答えを導き出すために線分図や対応数直線,テープ図や表などの算数的活動を取り入れ,自分の考えの根拠をもたせるとともに文章や音声言語で阜サできるようにしていくことが大切である。そのためには,答えを導き出す過程において自分の考えの阜サ方法として子どもがそれらを扱えるようにしておかなければならない。絵図に描き浮楾ことで視覚化され,問題の意味が分かりやすくなり,理解の助けになると考える。具体的な場面を浮キ際には,できるだけ簡単に浮キようにすることが大切である。


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「教育実践」 
話合い活動で筋道立てて考える力を育む算数指導
三条市立条南小学校
元川 一典

 

 限られた時間の中で、効率よく学習を進めようとするあまり、公式や計算の仕方(筆算のアルゴリズムなど)を教え込み、問題を演習することで、習熟を図るといった技能の獲得のみに重きが置かれがちである。その結果子どもたちには、「やらされている感」が強く残り、達成感や成就感が得られることは少ない。そこには、「どうして」「なぜ」といった疑問が生まれる余地もなく、解法の意味がよく理解されないまま漠然と繰り返し暗記することで学習しているという誤った認識がある。そのような学習には限界があり、確かな学力の定着からかけ離れていくばかりである。

 算数科は、「筋道を立てて考え、表現する迫ヘを育むこと」を目標としている。考える力と表現する力は互いに補完し合う関係である。そこで、筋道を立てて考える力を育むために、既習事項を生かし目的意識をもって積極的に関わり合う話合い活動を取り入れたいと考えた。

 本実践では、4学年の「小数のかけ算・わり算」と「式と計算」の単元で行った。

 話合い活動をただ形式的に取り入れるのではなく、「自ら作問する」ことで意欲付けを図り、その上で行っている。さらに、計算の仕方や考え方を他者に説明する際に「ホワイトボード」を用いている。簡単に書いたり消したりすることができるペンで、気軽に絵や図をかき込み、考えを分かりやすく伝えることができる。また、論理言語や接続語を用いることで、考えをすっきりと整理して説明することができる。

 このような活動を単元の指導計画に位置付けていくことにより、主体的に話合いに参加し、筋道を立てて考える力が身に付いていくことが期待できる。そして確かな学力の定着につながっていく。


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数字の半可視化により、主体的に考える子どもを育てる研究  
〜「位取りフリップ」を活用したかけ算の筆算を通して〜
柏崎市立鯨波小学校
間 大也

  私が3年生で指導してきたかけ算の筆算では、位取りを間違ったり、その間違いに気付くことができなかったりする子どもの傾向があった。これは、一桁どうしの数字の計算手順ばかりに注目し、子どもの十進位取り記数法の意識を高めることができなかった指導に問題があると考えた。
 そこで、十進位取り記数法の意識を高めるとともに、子どもの筆算に対する主体性や数学的な思考力の育成を目指し、自作のオリジナル教材・教具「位取りフリップ」を活用した算数指導を試みた。
 「位取りフリップ」とは、数字の置かれた位が以下に続く0の数で決まっていくことを子どもに意識させることができる教材・教具である。これを活用することにより、子どもは数字を半可視化し、見えない0を意識することで、十進位取り記数法の意識を高め、位取りを意識しながら筆算の仕方を考えたり、説明したりするといった主体的な姿を見せるようになった。

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