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社会

「教育実践」
社会的な見方・考え方を育む教師の「問いかけ」(問い返し)や「資料の工夫」
魚沼市立小出小学校
清塚 大暁

  新学習指導要領解説社会科の目標は、「社会的な見方・考え方を働かせ、課題を追究したり解決したりする活動を通して、グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す」である。
 この目標に照らして、私の授業を振り返ってみると、問題解決的な学習で資料を読み取る活動や子どもとともに「問い」をつくることは意識して行ってきたが、社会的な見方・考え方の育成を意識するものではなかった。また、社会的事象について考えたことを他者に伝え合う活動では、社会的事象を多面的に見る視点が少なかったため互いの思考の深まりが弱いと感じた。
 そこで、本研究では、社会的な見方・考え方を育むために、問題解決的な学習の中で、社会的事象を多面的に考察できるような「問いかけ」(問い返し)や「資料の工夫」を大切にした授業づくりを試みることとした。(子どもの発言の変化や振り返りの記述から見取る)
@社会的な見方・考え方に迫る問いかけ(問い返し)
 子どもの思考が働くように意図的に問いかけ(問い返し)をすることで、初めの見方から、再考し、考えを修正したり、深化させたりすることができると考える。そのために、子どもの認識や考えに「問いかけ」(問い返し)を行い、視点を与えながら追究していくことで、社会的事象に対し多様な見方ができるようにする。
A関係付けて考える資料の工夫
 実践1、2【3年 働く人とわたしたち】では、子どもの認識と関連付けられるように、見学や体験の際に見落としていた事象を資料として活用する。実践3【6年 新しい学問と文化】では、時代背景に迫られるように、時代の特色、人や物の動きがイメージできるような視覚的に分かりやすいビジュアル資料を自作加工して複数活用する。
 本研究において、授業の最初は1つの視点を基に考えていた子に対し、その子どもの思考を揺れ動かす問いかけ(問い返し)をしたり、自らの認識と関連付けられる資料を活用したりすることで、新たな視点をもとに、自分の考えを再考できた。授業の終末では多様な見方ができるようになった。解釈の仕方の一面性や弱さなどに気付かせ、新たな視点を得ることができ、社会的事象について深く追究することができた。
<参考文献>
「見方・考え方を身につける授業ナビゲート」北俊夫 明治図書 2017
「資質・能力と学びのメカニズム」奈須正裕 東洋館出版社 2017

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「教育実践」
子どもたちが、発見した情報を、点だけでなく線・面で捉える授業作り
新潟市立巻南小学校
内山 ェ弥

  今年度社会科の授業を初めて担当する。これまでの私の授業では、社会的事象を部分的でしか捉えさせられなかったことが課題として挙げられる。自分と友達の意見を、比較・分類をする時間をあまりとらなかったため、事実を関連付ける経験が少なかったことが原因である。いわば、点と点が、線として結びつかない状態で社会的事象を考えていたのである。そこで、子どもたちが個別の事実(点)を関連付け(線)、関連付けられた複数の事実を、総合する活動(面)を授業の中で組み立てる。社会的事象の特色などを考えやすいようにするには、次の2つの手だてが有効と考えた。一つは、教師が、事実を関連付けて考えることを促す指示・発問を行うこと。もう一つはグルーピング・ラベリング活動を取り入れることである。
1 手だての有効性の検証
 手だて二点を取り入れた授業において、子どもの追究活動の様子と、課題に対する学習のまとめ方から有効性を検証した。まず、子どもたちにグルーピングをさせ、「似ている考え、グループになる考えはあるかな」とするよう発問する。個別の事実を関連付けさせる発問である。抽出児は、自分の考えを6枚付箋に書いた。全体的には3枚程度を書く子どもが多かったので、抽出児は多く付箋を書いたと思われる。ラベリングでは、意欲的に付箋を分類する姿が見られた。これらの手だてにより、子どもたちの考えがより視覚的に捉えられるようになった。そこで教師がわかったことを一言で表すように発問する。
2 成果と課題
 本研究で、導入した手だて2つは有効であった。グルーピング・ラベリングを指示することで、子どもは視覚的に友達の考えと自分の考えを関連付けることができた。しかし、授業の終末に向かう際、線を面にするための適切な指示・発問の仕方に苦労した。実践では、子どもの考えを一言にまとめさせたが、困難を感じていた子どもの姿が見られたからだ。また、「面」として関連付けられるのはあくまで「見聞きした事実」が根拠になくてはならない。資料から「考えたこと・予想」を点・線として扱うだけでは、社会的事象の特色を捉えているとは言えないからだ。社会的事象を理解させるためには、見学やインタビューなど、実際に見聞きする体験が必要であることが分かった。

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「教育実践」
比較や関連付けによって多角的に社会的事象の意味を捉える子ども
長岡市立十日町小学校
鶴巻 洋祐

  新学習指導要領では、社会的事象の見方・考え方を働かせ、社会的事象の意味を多角的に捉えることが求められている。そのためには、ある視点に着目しながら社会的事象を見いだし、比較・分類、統合したり、関連付けたりし、それを用いて考察・構想する学習が必要である。しかし、これまでの私の授業では、終末に学習してきた社会的事象について、子どもたちがまとめを記述する際に、説明が不十分であり、教科書に書いてある言葉をそのまま記述している児童もいた。
 そこで、6年生の社会科「天下統一を目指した戦国武将」において、比較や関連付けといった視点や方法を用いなければ解決することができない問いを子どもと共につくる。そして、その解決の過程において、考えを整理しやすくするワークシートを活用したり、自他の考えを深めるために友達同士の関わりを組織したりする。そうすることで子どもたちが社会的事象の意味を多角的に捉えることができるようにした。本実践では具体的に以下の二つの手だてを講じた。
1 事象の比較から子どもと共につくる学習問題
  子どもたちにとって身近であり、愛着や誇りがもてるように、新潟の武将である上杉謙信を取り上げた。そして、位置や空間的な広がり、時期や時間の経過に着目しながら、織田信長の領土の広さと比較していった。そうすることで、事象と事象の間の違いに気付き、「上杉謙信は領土を広げられなかったのに、どうして織田信長は領土を広げられたのか?」という学習問題を子どもと共に作った。そして、学習問題の解決に向けて、比較しながらさらに詳しく調べていくことで、新たな問いが生まれていった。その問いをもとに、新たな学習問題を作っていった。連続する問いを解決していくことで、多角的な視点で事象を捉えることができるようにした。
2 事象の関連付けに向けた小グループでの話合い活動の組織
 自他の考えを聴き合う中で、自分の考えを確かにしたり、事象と事象のつながりの新たな視点に気付けたりするようにするために、小グループでの話合い活動を組織した。それぞれの考えの相違点を確認したり、より筋道立ててつながりを説明するために言葉を吟味したりしていった。また、その前段階では、自分の考えを整理することができるワークシートを活用した。一人一人が自分の考えをしっかりもち、可視化することによって、互いの考えをつなげやすくしていった。
 以上の手だてを行うことによって、子どもたちは社会的事象の意味を多角的に捉えていった。今後は、他の単元での手だての有効性を検証していきたい。

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「教育実践」
複数の社会的事象を関連付けて考える力の育成
五泉市立五泉南小学校
菊田 薫

  現在の子どもたちが社会で活躍する頃は、生産年齢人口の減少、AI等をはじめとする技術革新、グローバル化の急速な進展など予測困難な時代が訪れると言われている。このような時代を生き抜くためには、複数の社会的事象を関連付けて考えることで、多くの情報を取捨選択し、自分が進むべき方向を正しく判断できる力が重要である。そこで、私は、社会科における深い学びを実現し、激動する社会の担い手としての資質・能力を育成するために児童に複数の社会的事象を関連付ける力を身に付けさせたいと考えた。

(1) 単元の導入で、単元の目標となる学習活動を設定する。
(2) 単元の終末に学級全体で調べたことを共有し、思考ツールを活用する。

(1)を行うことで、児童は学習活動への目的意識をもつ。また、学習活動の成果を地域や他者へ発信する。その活動を組織することで、より分かりやすく相手に伝えるために、複数の社会的事象を関連付けて考え、表現する必要性が生まれると考えた。
(2)では、単元終末に思考ツールを活用し、学習内容の可視化を行った。これまで学んできたことを伝え合い、社会的事象の分類や関連性を考える活動を行った。

 二つの実践を通して、多くの児童が複数の社会的事象を関連させて記述することができた。単元の目標となる活動を設定したことで、児童に必要感を与え、思考ツールを用いたことで、複数の社会的事象の関連性に気付かせることができたのは大きな成果である。
 実践を通して、複数の社会的事象に目を向けることができても、記述が羅列的な児童や、関連性に気付けない児童もいた。社会的事象の分類だけでなく、関連性を吟味する時間の設定など、新たな手だてを工夫して児童に力を付させていきたい。

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「教育実践」
地域における社会的事象の意味についての「深い学び」を実現する指導の工夫
〜第3学年社会科における地域教材と他地域教材とを比較する活動を通して〜
佐渡市立八幡小学校
仲田 一雅

  本研究は、地域教材と他地域教材とを比較・総合し、地域における社会的事象の意味についての「深い学び」を実現する指導の研究である。地域教材とは自分が住む地域の教材であり、他地域教材とは自分の住む地域以外の教材である。
 平成29年度学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められている。そして、社会科の「深い学び」の実現には、「社会的な見方・考え方」が鍵である。
 これまでの実践を振り返ると、地域教材だけを扱った実践によって、地域固有の学習となってしまい、社会的事象の一般的意味理解に課題があった。また、地域固有の社会的事象の意味を知るだけでは、問題解決に向けた視野が狭くなり、「社会に見られる課題の解決」法にまで至らなかった。
 そこで、本研究では、地域教材をじっくりと学習した後、他地域教材を集中的に学習し、両者をベン図により比較・総合する活動を行う。それにより、地域固有の社会的事象の意味だけでなく、一般的な社会的事象の意味理解が進む。さらに地域に対する誇りと愛情、地域社会の一員としての自覚が養われる「深い学び」に至ると考えた。
 本研究では「社会的な見方・考え方」として、次の2点に着目して、実践を行った。
1 「位置と空間的広がり」に着目(第1実践)
 地域の伝統野菜と教科書教材の野菜とを比較・総合をさせた。地理的条件は異なっても農家は「おいしい野菜を食べてもらうことで、地元の野菜のよさを知ってほしい」と願っていることに気付かせることができた。
2 「時期や時間の経過」に着目(第2実践)
 地域の祭りと他地域の祭りを比較・総合させた。人口減や後継者不足などによる祭りの継承問題は地域でも他地域でも見られる問題である。祭りを受け継ぎたい、残したいという思いは同じである。そこで、継承の仕方に着目した。他世代や他地域の人々を取り込むことで、祭りの継承問題を解決しようとしていることを捉えることができた。児童は地域の先人の保存や継承のための工夫や努力を重く受け止めた。また継承の方法に誇りをもち、地域の伝統はその地域の人が責任をもって受け継ぐことの大切さに気付かせることができた。
 以上、二つの実践を通して、社会的事象の地域固有の意味理解が一般的な意味理解まで進んだ。地域に対する誇りと愛情、地域社会の一員としての自覚が養われる「深い学び」が実現した。

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「サークル活動」
社会科の会
村上市立岩船小学校
木村 哲也

  社会科の会は、社会科好きが集まった30年以上の伝統をもつ会です。しかし、伝統があるからといって、堅苦しい会ではありません。活動方針である
 ○サークルの特性を生かす。(やりたいことをやる。)
 ○仲間の輪を広げる。(やりたい人が気軽に集まれるようにする。)
 ○日々の実践に生かせる活動にする。
の3つを大切にし、みんながしたい活動(指導案の検討、巡検、授業実践方法の工夫、研修会参加報告など)をしています。
 また、楽しい活動を企画しようと、他サークルと合同研修交流会を実施し、「明日から使える知恵袋」として、即実践できる授業の進め方の紹介を行うなどして交流を深めました。
 最近は、実践を発表する若手の会員が増え、活動も活気付いてきています。少しでも興味ある方は、1回でも構いません。どうぞご連絡ください。

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「サークル活動」
阿賀北社会科の会
新発田市立住吉小学校
本間 裕

  新発田市・阿賀野市・胎内市・聖籠町に勤務している会員を中心として、社会科に興味のある者が集まり、月1回程度の研修会を新発田市を会場に行っています。
 研修会では、それぞれの実践紹介や指導案検討等を行っています。社会科授業における情報交換や資料作成をしながら、社会科について熱く、かつ気軽に語り合っています。若い会員も多く、日々の授業について悩んでいることを気軽に話し合うことができるところも当サークルのよさです。また、年に1回、講演会または地域巡検を行い、優れた実践を学んだり、教材研究をしたりしています。今年度は地域巡検を計画しています。一緒に勉強したい方は、いつでもご連絡ください。
 当会の活動の様子は、毎月発行している会報で全会員に知らせています。これまでの活動の様子が載せてありますので、興味のある方は、ご連絡ください。送付いたします。

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「サークル活動」
長岡社会科研究会
長岡市立千手小学校
櫻井 諒

  当サークルは中越地区で50年以上にわたり、活動を続けています。子ども一人一人を個として尊重し、子どもの切実な問いを大切にした社会科授業を目指して、日々研鑽を積んでいます。
 会員が指導案や授業実践、資料などを持ち寄り、考えを語り合ったり情報交換をしたりしています。
 また、夏には地域巡検も行います。今年度は県立歴史博物館を訪れ、「戊辰戦争150年」の企画展示を見学しました。その他にも、書籍の輪読会なども予定してます。それぞれの活動で学んだことを、日々の授業実践に生かしていきます。

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「サークル活動」
魚沼社会科研究会
小千谷市立片貝中学校
岩崎 均

  魚沼市・小千谷市の、社会科について学び合う教員のサークルです。今年度は主に魚沼市を会場として、月1回程度の学習会を開催しています。
 社会科の授業構想を基に意見交換する中で、互いに刺激し合い、そこで得たものを自分の授業実践に生かしていきます。
 今年度は、次のような授業実践に挑戦する、若手教員の支援を中心に活動しています。
 1 地域の伝統芸能や文化財などを教材とした授業づくり
 2 地域の課題について考え、児童生徒が意見や提案を地域に
  発信していく活動
 児童生徒が、もっと社会科を好きになってくれるように、互いのもつ知識やアイデアを出し合い、研修を通じて魅力ある授業づくりのノウハウを共有していきます。

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「サークル活動」
とおか会
十日町市立吉田小学校
笠原 健児

  十日町市、中魚沼郡を中心とした、社会科や生活科、総合的な学習の時間の実践研修を行っているサークルです。とおか会の名称は「十日」を平仮名で表示したものです。毎月の定例会開催日を「十日」頃に計画することや研修会場を主に「十日町」に置くことにちなんでいます。 20年以上の歴史あるサークルで、地域素材や先行実践の蓄積があります。それらを生かし、当地域の社会科教育の充実に向けて活動を進めています。
 「若手教職員の育成」と「中魚・十日町の特色を生かした社会科授業の展開」がキーワードです。 サークル会員外の教職員にも声を掛け、社会科を学ぶ場としても機能できるように活動を広げています。

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「サークル活動」
南魚社会科研修会
南魚沼市立薮神小学校
鎌田 正紀

  南魚沼郡市内の小学校、中学校の社会科教師が集い、指導力の向上を目指して活動しています。
 特に力を入れていることは、地域素材の教材化についてです。南魚沼は、社会科の授業に活用することのできる、魅力的な素材に恵まれています。例えば、直江兼続の足跡、飯綱山古墳群、新田開発とコシヒカリ作り、食品加工、織物、雪国の暮らし、観光開発などです。会員それぞれが、これらの素材を取り上げた実践レポートや教材研究の成果をまとめた資料・提案などを持ち寄り、紹介し合っています。 
 この地域は、郡市外に生活根拠地がある会員や若手が多くいます。会員が地域のことをよく知るとともに、研修のやりがいや楽しさを感じられるように活動しています。

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「教育実践」
絵画史料と文字史料の複合的な吟味・検討による歴史認識の育成
〜絵画「死の勝利」をもとにした中世ヨーロッパの授業を通して〜
新潟市立上山中学校
早福 史

  本論の目的は中学校社会科歴史的分野において、絵画史料と文字史料を複合的に用いた授業により、生徒の多面的・多角的な思考の育成方略を明らかにすることにある。
 絵画を用いて生徒に視覚的なイメージをもたせたうえで歴史を考えさせることは、生徒の思考力の育成に有効であり、これまで多くの実践がなされてきた。しかし、絵画史料は写実的ではないため、絵画を通して生徒が獲得する歴史認識は絵画史料の作者の時代像に大きく影響されるという問題点があった。
 そこで、絵画史料の作者がどのように時代を見ていたかを生徒自身が検証するというプロセスを授業に組み込むことで、先行研究・実践の問題点を克服し、より多面的・多角的な思考を育成する。そのために、本時では次の手だてを用いることによって授業を構成する。

【絵画史料と文字史料を複合的に吟味・検討する授業の手だて】
1 絵画の作者がどのように歴史を見たのかを問う
2 絵画で表現された当該期の時代像を文字史料から吟味・検討する 

 1,2の活動を組織するためには、絵画史料の作者の社会の見方が十分に反映されている絵画史料を選定する必要がある。本論では、「中世ヨーロッパとルネサンス」の単元を扱ったが、この時代の資史料で、上記の条件を満たす絵画史料と、それを吟味・検討する文字史料として以下の資史料を用いた。
【絵画史料】ピーテル・ブリューゲル作「死の勝利」
【文字史料】ボッカチオ作「デカ・メロン」

 前時までにヨーロッパ社会はイスラーム圏との接触(十字軍の遠征)によって豊かになったという思考を形成した。本時の授業において、「死の勝利」を提示すると、生徒の中に絵の暗い印象と前時までの時代認識にズレが生じた。絵画史料から読み取れる歴史像は妥当なものなのかを文字史料で吟味した生徒は、他文化との接触によって社会が衰退したとみることもできるという新たな見方の存在に気付いた。生徒は、当該期のヨーロッパ社会を「(イスラーム圏との)交流によって新しい文化が入り良くなったけど黒死病という病が流行した。」と表現した。この記述から、生徒が中世ヨーロッパ社会を文化の流行という社会の繁栄という側面と疫病の流行と混乱という側面から多面的に捉えたことが分かる。
 以上のように、絵画史料に象徴された作者の見方・考え方を文字史料から吟味・検討することで多面的・多角的な歴史認識を育成することができた点に本論の成果がある。

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「教育実践」
関わり合いを通して、考えを深める社会科指導
新潟市立下山小学校
高橋 賢人

  激動する社会の形成者となる児童たちに、社会事象を一つの視点からだけでとらえるのではなく、広い視野から物事を関連付けて考え、判断・行動する力を養いたいと思っている。それが、学習指導要領の社会科で定められている「公民的資質の基礎」につながると考える。

 そこで、本研究では、6年生の歴史学習の中で、小単元ごとに1か所程度山場を意図的に設定する。一つの歴史事象に対して児童が複数の視点から思考交流する場面「異論ワーク」を意図的に設定することで、考えを深めさせようと考えた。

STEP1:複数の視点の中から一つ視点を選択し、自分の考えをもつ。

STEP2:同じ考えの者同士で考えを共有する、「同論ワーク」をする。ここでは、自分と同じ視点から考えた者の話を聞くことで、自分が最初にもった考えを強化する。

STEP3:異なる視点から考えた者でグループを編成し、複数の視点を関連付ける、「異論ワーク」をする。
ここでは、一つの歴史事象について異なる視点から考えた者で関わり合うことで、「同論ワーク」で考えたことを複数の視点から関連付ける。

STEP1〜3の過程では付箋、STEP3では付箋とマトリクスを使って気付きや考えを整理させる。

 このように、一つの事象を複数の視点から考えることで、自分の考えと自分とは異なる考えを関連付けた。そのことにより、新たな気付きや異同への気付きや考えの視点をもって関わりが生まれ、自分とは異なる視点からの考えを関連付けた見方に、考えを深めることができた。

 今後も、「自分の考えをもつ→同論ワーク→異論ワーク」の有効性について研究し、歴史事象について複数の視点から関連付けて考え、判断・行動できる児童を育てていく。

 

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「教育実践」
自らの思考を整理し、社会的事象を関連付けて考えることのできる社会科指導
〜するとツリーの活用を通して〜
新潟市立東山の下小学校
水野 幸一

  平成29年3月に告示された新学習指導要領には、社会科において、「社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考えたり」や「多角的な思考や理解を通して」と記述があり、社会的事象を関連付けたり、様々な観点から見たりすることを重視している。
 これまでの私の指導では、多くの児童が一つの資料から社会的事象を読み取ることはできた。しかし、読み取った複数の社会的事象を関連付けて、自分の考えを構築するのに弱さがあった。それは、つなげて考させようという意識はあったが、児童の実態に合った手だてを講じていなかった私の指導法に問題があった。そのため、児童は一つの資料から読み取った考えで満足していた。
 そこで本研究では、目指す児童の姿を「自らの思考を整理し、社会的事象を関連付けて考えることのできる子ども」とし、それを達成するために以下のように指導方法を工夫し、実践した。
1 思考ツール「するとツリー」の活用
 「するとツリー」とは、複数の事象を並べ、つながりがあるものを結んで考えていくツールである。つながりは全て「すると」という言葉でつないでいく。本研究では、「するとツリー」の一番上にある社会的事象を一つに限らず、複数用意することで、社会的事象を様々な観点から捉えられるようにした。「するとツリー」を活用することで、社会的事象に対する自分の考えのつながりを明確にすることができる。また、接続詞の「すると」という言葉をそのまま用いることで、段階を追って考えを掘り下げることができる。
2 「するとツリー」を自らの考えの記述に生かすための工夫
 「するとツリー」を作成するときに、形や使用させる場面を工夫した。また、学習課題に対するまとめに迫れるよう、「するとツリー」の作成後に共通することを考えさせた。そうすることで児童は、つながりを意識しながら掘り下げた考えを、複数の資料を関連付けた考えに整理することができる。
 これらの手だてにより、児童が社会的事象を関連付けて考えることができる姿が見られた。

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「教育実践」
比較・関連付けして社会的事象の意味を捉える子どもの育成
〜クラゲチャートの活用と学習活動の工夫を通して〜
佐渡市立金井小学校
椎井 慎太郎

  「比較・関連付けして社会的事象の意味について考える力」は、社会科で育てたい思考力の一つである。しかし、現行学習指導要領の課題に挙げられているとおり、その指導は難しい。これまでの指導を振り返っても、「関連付けて考えましょう」と、付けたい力を意識して声を掛けるようにしてきたが、一部の子どもにしか関連付けを促すことができなかった。その結果、社会的事象の意味を明確に捉えさせることができなかった。
 そこで本実践では、子どもの自発的な「比較・関連付け」を促し、その結果として社会的事象の意味を捉えさせるために、思考ツールを活用する。思考ツールには、「情報の可視化と操作性」といった特性や「促す」「気付きやすくする」という役割がある。このような思考ツールの良さを最大限に生かすことによって、上述した思考力を育てることができるのではないかと考えた。そこで、本実践では次の手だてを講じた。
1 比較・関連付けをさせる場面において、同じ観点の足をもったクラゲチャートを二つ並べる
 社会的事象の意味を捉えさせるために、思考ツールの一つである「クラゲチャート」を活用し、二つ並べて比較しやすくする。さらに、比較した後の自発的な関連付けを促すために、クラゲの足を同じ観点で並べるようにする。このようにすることで、クラゲチャートAの足と、クラゲチャートBの足を比較しやすくするとともに、観点をそろえた足があることで、子どもからの自発的な関連付けが促されると考えた。
2 関連付けを促し、相違点や共通点を明確にするための学習活動を工夫する
 二つのクラゲチャートを比較・関連付けする際に、その相違点や共通点が明確になることによって、社会的事象の意味が捉えやすくなると考えた。そこで、そのための学習活動を設定する。具体的には、全体共有場面→自力解決場面→グループ検討場面の三つの学習活動を工夫することによって、関連付けを促し、相違点を明確にさせるようにした。
 以上の手だてを行うことによって、6年生「新しい時代の幕開け」と「わたしたちの暮らしを支える政治」の単元では、社会的事象の意味を捉える子どもが増えた。今後は、他学年において手だての有効性を検証していきたい。

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「教育実践」
関連付けて社会的事象の意味を考える力を高める社会科指導の工夫
〜思考ツールを手だてとして〜
佐渡市立行谷小学校
星野 翔

  社会科の授業の中で子どもが意欲的に学習課題を追求し、思考力・判断力・表現力を高めていくことが求められている。
 しかし、これまでの実践を振り返ってみると、関連付けて捉えさせたい複数の社会的事象や資料を提示しても、一つの資料のみを使ってまとめを記述している児童が多く見られ、二つ以上の社会的事象をつなげ、関連付けて考えたり表現したりしている姿がほとんど見られなかった。そこで私は、次の点を工夫し、実践を行った。
 
【写真付きコンセプトマップによる関連性を視覚化】
 「コンセプトマップ」とは、複数の社会的事象を線でつなぎ、その関連性を記入していく思考ツールである。コンセプトマップを使う事で今まで学習した知識を整理し、線でつなぐことで社会的事象同士の関連性を視覚化させた。さらに、その思考ツールの中に写真を活用することで、社会的事象をより想起させ、より関連付けて捉えられるようにした。

 その結果、写真付きコンセプトマップを使うことで児童が社会的事象を関連付けて、社会的事象の意味を捉えることができた。
 一つ目の実践では、関連付けて社会的事象の意味を捉えることができた児童は半数ほどであったが、二つ目の実践ではほとんどの児童が関連付けて社会的事象の意味を捉えることができた。
 単元を通して関連付けを意識させたり、コンセプトマップの中の文字数を少なくして活用しやすいコンセプトマップにしたりすることで関連付けて社会的事象の意味を捉えることができるということが分かった。

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「教育実践」
適切な資料を選択して、課題解決できる児童の育成
胎内市立中条小学校
菊地 康裕

  社会科の授業では、資料活用能力を育てることが大切である。課題解決に向けて、資料を活用しながら、自分の考えをまとめていく。そして、自分で資料から読み取ったことを発表し、全体で検討していく。しかし、それぞれの児童の思考は、拡散していることが多い。そのため、児童の考えを収束させ、課題解決に迫るまとめへとつなげていく手だてが必要であると考えた。そこで、5年生「くらしを支える情報」(実践@)と「食料生産を支える人々」(実践A)の単元で、以下の手だてを用いて、実践した。
1 課題解決に向けた複数の資料提示
 本時の課題を作り上げた後に、まずは自分で予想を立てさせた。次に、実践@では、課題解決に迫る資料を教師から複数提示した。自分で資料を選択させ、その資料から課題解決に向けた社会的事象を考えさせる場を設けた。また、実践Aでは、一つの資料だけでなく、二つ以上の資料を関係付けて社会的事象を読み取らせる活動を行った。
2 児童の思考を収束させるための発問や資料提示の工夫
 児童がそれぞれ自分で資料を選択して考えをもち、発表し、全体で検討する。その段階での児童それぞれの思考は、拡散していることが多い。そのまま本時のまとめとするには、児童の思考はバラバラである。そこで、授業のまとめ前の段階で、教師から本時の課題解決に迫る新たな発問をして、児童の思考を収束させる手だてを講じた。また、新たな資料提示を行い、より適切な資料へと目を向けさせる手だてを講じた。
 以上のような手だてを講じたことで、拡散していた児童の思考は、課題解決の本質に迫る意見に焦点化され、本時のまとめへとつなげることができた。

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「教育実践」
ジグソー法を通して、生徒が主体的に学ぶ社会科の授業
新潟市立東新潟中学校
山貝 洋輔

  生徒が課題解決に向かって主体的に取り組んだり、他者との対話を通して自分の考えを深めたりする授業が求められている。このような授業を目標に授業改善に取り組んできたが、話合い活動が限られた生徒の発言にとどまり、すべての生徒が主体的に課題解決しようとする姿が見られなかった。
 そこで中学校社会科公民的分野において、ジグソー法の手法を取り入れた授業改善を試みた。学習課題に対して、多面的・多角的にアプローチできる複数の資料を用い、異なる立場から分担して追求させた。そうすることで話合い活動が活性化し、考えを深める対話が生まれるように工夫した。
 主体的に活動が進んだグループもあったが、話合いに対する取組にグループ差があった。追求段階での資料からの読み取りに個人差があったことが原因の一つだと考えられる。今後も生徒が主体的に学習を進めることができるように、研究を進めたい。

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「教育実践」
社会的な思考力・判断力を育成する社会科授業の工夫
〜単元を貫く課題と単元の終末で意思決定する取組を通して〜
佐渡市立金井中学校
引野 太

  本研究で、まず、単元を貫く学習課題を設定し、最初の時間にゴールを示す。そして、ワークシートを活用しながら思考を深めるための「知る・分かる・考える」過程と、それを基に、単元の終末で「意思決定」する過程を一つの単元として構成する。それを繰り返すことにより、生徒の学習意欲や課題意識が継続し、思考力や判断力が高まると考える。そこで、次のような手だてを講じる。
1 単元を貫く課題設定の工夫
 単元を貫く学習課題を設定し、単元の終末で意思決定をする場面を設定する。
2 ワークシートの工夫
 各授業の最後に、ワークシートを活用し、単元を貫く課題に関連する主発問に対してのまとめを継続的に行う。単元の終末で意思決定の課題に取り組む際に活用できるワークシートにする。
3 意思決定の際に、根拠や理由付けを明確にする工夫
トゥールミンモデル、ランキング等を活用する。 
 以上により、毎時間のまとめをワークシートを活用しその単元で継続して行ったため、意思決定場面では、複数の社会的事象と社会的事象とを関連付けたり、比較したりして、記述する生徒が見られた。

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「教育実践」
社会生活を広い視野から捉える子どもの育成
〜地域教材と教科書教材の効果的な組み合わせ〜
新発田市立御免町小学校
服部 隆典

  小学校学習指導要領社会科解説編では「地域社会や我が国における人々の社会生活を広い視野から捉え総合的に理解することを通して、公民的資質の基礎を養うことを究極的なねらいとしている教科である」ことが明示されている。これまでの自分の実践を振り返ると、社会生活を広い視野から捉えさせるために、教科書教材を用いて、教科書の課題を中心に授業を行ってきた。「広い視野」を「教科書の代表的な事例」から考え、社会的事象を捉えていこうと考えていた。これでは、児童にとって実感を伴った学習課題にはなりにくく、広い視野から社会的事象を捉え、総合的に理解することにはつながらない。児童の生活に関わる地域教材で授業を行うことで、実感を伴った気付きが生まれ、社会的事象を捉えることにつながる。しかし、地域教材だけを扱っていては社会生活を広い視野から捉えることは難しい。
 
 そこで、本研究では児童の生活と関わりのある地域における学習課題や地域教材を取り上げ、地域教材を中心に授業を行う。その際、地域教材では捉えきれない社会的事象を教科書教材から取り上げて捉えていく。地域教材と教科書教材を効果的に組み合わせることで、地域から社会全体を捉え、社会生活を広い視野から捉える児童を育成できると考えた。
 そこで、本研究では次の二つの手だてを講じた。
【手だて】
1 地域の社会的事象を把握し、単元構成を作成した。地域住民の思いや願いも取り入れることで、教科書にはない人々の思いや願い、地域の実態を知ることができた。そうした実態を取り上げていく中で、社会的事象を捉えていくことにつながると考えた。
2 地域教材を中心に学習を進めていき、地域教材だけでは社会全体の社会的事象を捉えることが難しい単元で教科書教材の事例を組み合わせた学習活動を設定した。学習活動には比較活動と補足活動の二つを設定した。@比較活動では、地域教材と教科書教材の事象を比較させ、違いや共通点を見いだし、社会的事象として捉えていく。A補足活動では、地域教材に教科書教材を補足させて、社会的事象を捉えていく。

 以上の手だてを5年生「水産業のさかんな地域」で実践した。子どもたちの住む地域にある港を中心に単元を構成し、実践していった。授業を進めていく中で、地域の港と教科書で紹介された港を比較したり、地域の港の事象に教科書の港の事象を補足することで、広い視野から社会生活を捉え、理解することができた児童が多かった。一方で、広い視野から社会生活を捉えることができなかった児童もいた。今後はより多くの児童が広い視野から社会生活を捉えらえれるような地域教材と教科書教材のより効果的な組み合わせはないか、その手だてを模索する。

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「教育実践」
社会的事象を相互に関連付けて、意味を考える児童の育成
五泉市立川東小学校
延味 雅裕

  社会科を初めて学習する3年生において、多面的・多角的に考察していく社会的なものの見方の素地を養うために、社会的事象を相互に関連させ、意味を考えさせることが大切である。そのために、「課題把握、課題追求、課題解決」という三つの学習過程を通して、問題解決的な学習の充実を図る。特に、児童一人一人が興味・関心をもって調べたことを交流し合い、「課題追求」していく学習が重要である。そこで、以下の三つを主な手だてとして講じる。
1 主体的な追求を促す学習課題の設定
 児童と社会的事象との出会いや生活経験から出た様々な問いをもとに、学習課題を設定する。それを解決していくために、児童に調べたいことを決めさせる。追求の視点をもたせることで、主体的な学びを促していく。
2 ジグソー法的手法を取り入れた交流の場の設定
 自分と異なる事実を調べた児童と互いに分かったことを交流させる。自分が集めた事実と、他者が集めた事実を話し合わせることで、問題を解決するための視点を多くもたせ、事実と事実の関わりに気付かせていく。
3 事実のつながりの統合化を図る学習活動の工夫
 事実と事実のつながりを問う課題を提示し、友達と話し合うことで得た多くの視点から、事実と関連するものをつなげさせる。それを図式し、視覚化することで、事実と事実のつながりを統合し、その意味を考えさせていく。
 以上の3点を主な手だてとして、問題を追求したり解決したりする活動を充実させ、児童の深い学びの実現を図っていく。

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「教育実践」
子どもが主体的に追求する社会科授業の組織
〜問題の成立から解決の過程における教師の支援〜
三条市立裏館小学校
石川 信也

  これまでの私の実践では、子どもの問題意識に寄り添いながら学習課題を成立させることができても、主体的な追求が課題解決まで持続しないことが多かった。それは、学習課題成立後の子どもの追求意欲を支える支援の仕方に課題があったためと考えた。
 そこで、本研究では、学習課題の成立から解決の過程における教師の支援を工夫した。具体的には、以下の二つの手だてを講じた。
【手だて】
1 学習課題に対する子どもの考えを吟味する場の設定
 学習課題成立後、その学習課題に対して出された子どもの考え(予想)を吟味させた。吟味とは、子ども同士が友達の考えに質問したり意見を述べたりして、互いの考えのずれや重なりを明らかにし、どの考えが学習課題の解決につながるのかを検討することである。また、教師は子どもから出された考えを板書しながら、その意味や他との関係などを問い返したり調べる順序を問うたりすることである。考えの吟味を通して、出された考えの中でその後調べていくことやその順序を明確にする(焦点を絞る)ことができると考えた。
2 子どもが求めてくるであろう資料の準備と提示 
 手だて1の吟味によって、子どもがどの考えから確かめようとするか、そして、確かめるためにどんな資料を求めてくるかを予測し、その要求に応えられる資料を準備し提示した。
 この二つの手だてを講じたことにより、子どもが主体的に追求する姿が次のように見られた。@学習課題に対する考えを出し合った後に分散していた意識を集中させ、その後調べていくことやその順序を明確にしていった。A絞られた考え(予想)の妥当性を確かめるために必要な資料を子どもの側から要求し、その資料を基に考えを伝え合いながら結論付けていった。

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「教育実践」
社会的事象に対して「深い学び」を実現するための指導の工夫
〜他者との対話を取り入れたまとめ活動を通して〜
長岡市立上通小学校
本間 和寛

  今回の学習指導要領改訂では、「主体的・対話的で深い学び」がキーワードとして挙げられている。ここでいう「深い学び」とは、「これからの予測困難な未来に対して、これまでの学習で習得した概念や考え方を活用した「見方・考え方」を働かせ、問いを見いだして解決したり、自己の考えを形成し表したり、思いを基に構想、創造したりすること」と捉える。
 社会科においてこの「深い学び」を実現するには、社会的事象を単なる知識として記憶するだけではなく、その背景にある要因に考えを巡らせ、事実と事実の因果関係をしっかりと把握することが必要である。
 そこで私は、授業終末のまとめ活動の工夫を中心に、以下のような手だてを講じた。
1 比較できる資料の提示
 自分の考えをもつためには、考えの根拠となる資料をどのように読み取るかということが大事になる。そこで、二つの比較・検討ができる資料を提示することにより、資料と資料、また、既有の知識との相違点や共通点を見付け出し、その違いや共通点はなぜ生まれるのかを考えることで、自分の考えをもつための材料を揃えていく。
2 社会的事象の因果関係を思考するための工夫
 1で資料を比較して、自分の考えをもつための材料が集まってきたら、それらが社会的事象とどのようにつながっているのか因果関係を考えていく。ここでは、教師が社会的事象と資料から読み取れる事実を、線で結ぶなど構造的に板書していく。そうすることで、自然に児童が社会的事象と事実の間にある因果関係を見付けようとする。その活動をモデルにして他の事実や社会的事象とのつながりも考えることができ、自分の考えを形作りやすくなる。
3 グループでまとめを推敲する活動
 まとめを記述する活動で、グループの代表児童のまとめをグループ内で共有し、話し合いながら代表児童のまとめを推敲していく。そうすることで、個人では気付かなかった見方や考え方を獲得し、より明確な根拠をもって自分の考えを表現することができる。
 以上三つの手だてを講じたことにより、社会的事象の背景に考えを巡らせ、因果関係を捉えることができた児童が増えた。今後は、まとめ活動を軸に置き、さらに資料提示や板書、グループ内での話合いのさせ方を工夫していきたい。
 

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「教育実践」
「社会的事象の見方・考え方」を働かせて、社会的事象の意味を捉える取組
〜6年生 社会科「270年続いた幕府の政治と人々の暮らし」の実践から〜
長岡市立川崎東小学校
丸山 慎之輔

  改訂される社会科の学習指導要領では、「社会的事象の見方・考え方(=課題解決に向けた視点や方法)を働かせて社会的事象について、調べ、考え、表現すること」が示された。江戸時代初期の学習を進めるにあたり、指導内容である江戸幕府の政策により武士による政治が安定したことを分かるようにするためには、資料と資料とを関連付けて(=社会的事象の見方・考え方を働かせて)、その意味を考えさせることが必要であると考える。そのために、以下の二つの手だてを講じた。
1 単元を貫く学習課題を設定し、資料と資料を関連付けながら解決を図る単元展開
 まず、「生まれながらの将軍」として大名にあいさつする徳川家光の様子を提示する。大名たちの反乱を招くのではないかと考える児童に、次に江戸幕府が270年も続いた資料を示す。この二つの資料を結ぶことによって、児童は「江戸幕府はどのようにして大名を治めたのだろうか」と疑問をもつと考える。その疑問をもとに、単元を貫く学習課題を設定する。解決に向けて「大名の配置」「武家諸法度」などの幕府の政策から考える。これらの政策の内容を知ることで、児童の理解は深まる。しかし、それぞれの政策がどうして幕府270年間の安定につながるのか、はっきりとは理解していない状況であるはずだ。そこで幕府の意図を考えさせるように問い、これらの政策の意味を自分なりに解釈させる。
2 小グループでの学び合い
 全体での学習も、個人での学習も、4人ずつの小グループの配置で行いる。グループでの学習は一つの考えにしぼるのではなく、また、考えを発表し合うためでもない。自分の気付きをつぶやき合ったり、「ねえ、ここどうするの?」「こうなんじゃない?」と分からなさをつなぎ合ったりすることで、あくまで自分の追求を進める場として位置付ける。聴き合うことで、自他の考えの共通点や違いに気付き、これまで知っていたことや調べて分かったことなどを互いに結び付け、「やっぱりそうだな。」「なるほど、そんな見方もあるんだ。」と、これまでの捉えを深めたり、広げたりするような学び合う姿を期待する。
 児童は、課題解決に向けて、江戸幕府の政策について調べて分かったことと新たな資料とを関連付けながら、政策に共通する幕府の意図に少しずつ気付き、幕府は大名を抑えることで政治を安定させたこと(「幕府の政策」という社会的事象の意味)を自分なりの言葉で表現することができた。

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「教育実践」
子どもがより主体的に課題をもち、追究することで、社会的事象の学びがより深まる授業作り
長岡市立東谷小学校
堀内 亨

  社会科の学習における「社会的事象」と一言で言っても、その範囲はかなり広く、多岐にわたる。3年生から始まる社会科の学習では、3年生にとってはいわゆる社会科入門期であり、この時期の発達段階の子どもたちの社会的事象に関わる既有の知識や経験は決して多いとは言えない。例えば、消費生活についての学習で販売側の工夫や努力を捉えさせるというねらいを達成する場合、子どもたち自身は、実際に販売の経験はなく、あくまでもその対極にある消費側の立場にある。そこであえて対極の消費側の視点から販売側の工夫や努力を見ることにより、理解が深まるのではないかと考える。このようなことこそ、子どもたちが主体的に課題を見付け、解決したい、と追究するのに不可欠な視点であると考え、子どもたちの追究をもとに社会科授業を作り上げることを研究の核としている。進め方の概要については、主に次の2点である。
1 子どもが主体的・対話的に解決できる課題設定の工夫
 地域の消費生活について学ぶ単元において、「販売の工夫」について考えるというねらいにより迫らせるには、その対極の立場である消費者側の立場から迫っていけるような工夫を取り入れていく。そうすることで、子どもたちの意識の中に普段の何気ない自己の消費生活に対して自然と追究したい課題が生まれることを期待している。その子どもたちから生まれてくる追究したいことが、ねらいとしても追究する価値のあるものになるかを検証する。
2 思考過程を共有し、吟味する学習活動の工夫
 単元の学習を進めるにあたり、話合いの場を多く設定し、子どもたち一人一人の考えを交流させることで、自分の考えの深まりを図る。また、調べ学習やインタビュー、見学の機会をできるだけ多く取り入れていく。その場合、回数だけでなく、子どもたちの中から「調べたい」「実際に見てみたい」という意識が生まれてくる手だてとしてどのようなものが有効かを考えていく。

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「サークル活動」
社会科の会
村上市立岩船小学校
木村 哲也

 社会科の会は、社会科好きが集まった30年以上の伝統をもつ会です。ですが、伝統があるからといって、堅苦しい会ではありません。活動方針である
○サークルの特性を生かす。(やりたいことをやる。)
○仲間の輪を広げる。(やりたい人が気軽に集まれるようにする。)
○日々の実践に生かせる活動にする。
の3つを大切に、みんながしたい活動(指導案の検討、巡検、研修会参加報告など)をしています。
 また、楽しい活動も企画しようと、体育サークルと学級づくりサークルとの合同研修交流会を実施し、「明日から使える知恵袋」として、思考ツールを使った授業の進め方の紹介を行うなどして交流を深めました。
 最近は、実践を発表できる若手の会員が増え、活動も活気付いてきています。少しでも興味ある方は、1回の参加でも構いません。どうぞご連絡ください。

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「サークル活動」
阿賀北社会科の会
胎内市立黒川小学校
本間 裕

 新発田市・阿賀野市・胎内市・聖籠町に勤務している会員を中心として、社会科に興味のある者が集まり、月1回程度の研修会を新発田市を会場に行っています。研修会では、それぞれの実践紹介や指導案検討等を行っています。社会科授業における情報交換や資料作成をしながら、社会科を熱く、気軽に語り合っています。若い会員も多く、日々の授業で悩んでいることについて、気軽に話し合うことができるところも当サークルのよさです。また、年に1回、講演会または地域巡検を行い、優れた実践を学んだり、実地見学を通して教材研究をしたりしています。今年度は講演会を計画しています。一緒に勉強したい方は、いつでもご連絡ください。
 当会の活動の様子は、毎月発行している会報で会員に知らせています。これまでの活動の様子が載せてありますので、興味のある方はご連絡ください。送付いたします。

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「サークル活動」
三条社会科サークル
三条市立大島小学校
和田 理

 当サークルは、50年を超える歴史ある研修サークルです。
 現在、三条、加茂、田上、燕地区の幅広い年齢層の会員が、月1回の定例会(学習会)を行い、「子どもが追求する社会科・生活科授業づくり」について、活発な議論を行っています。
 当サークルが最も大切にしていることは、「追求する子どもを育てる単元づくり」と「授業記録分析を通した子どもの事実からの学び」です。例えば、「単元目標の具現化を図るための単元展開はどうあるべきか」や「この子の発言にはどのような意味があり、教師はどう働き掛けるべきだったか」など、社会科に限らず、私たちが日々の授業実践を進めていく上で欠かすことのできない視点を学んでいます。
 今年も多くの授業研究を行います。社会科における問題解決学習を学ぶ参加者が増えることを期待しています。授業実践記録から、分析・検討を行い、豊富な顧問の先生のご指導の下、指導力の向上を目指します。

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「サークル活動」
長岡社会科研究会
長岡市立千手小学校
冨澤 智宏

 当サークルは中越地区で50年以上にわたるサークル活動を続けています。会員が指導案や授業実践、資料などを持ち寄り、考えを語り合ったり情報交換をしたりしています。
 今年度は、授業を語る会をメインにしながら、先日(7月29日)地域巡検を実施しました。平成30年に長岡開府400年を迎えるに当たり、市内の博物館や史跡を巡って、長岡のあゆみを再確認することができました。これからの授業実践につなげていきます。
 子ども一人一人を個として尊厳し、児童生徒の側に立つ社会科授業を目指して、日々研鑽を積んでいます。

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「サークル活動」
魚沼社会科研究会
魚沼市立小出小学校
笠原 健児

 私たちのサークルは、社会科の指導力向上のために活動しています。授業実践、指導案検討、地域の巡検などを行っています。
 地域の小・中学校が広範囲にあるので、中央周辺を会場にするようにして、多くの人が集まりやすいようにしています。
 また、小規模校も多く、社会科を教える教員が一人しかいない学校も複数あります。そのため、研修の場が教科特有の悩みを相談したり情報交換したりする役割を果たしています。研修によって刺激を受けて、実践意欲の向上も高まっています。また、小・中学校の連携を深める役割も担っています。
 今年度は、「つなげて考え続ける子〜社会的事象へのこだわりをもち、多様な見方や考えとつなげる学びへ挑戦〜」をテーマに研修を行っています。会員の実践を基に、地域教材の良さや児童の追求の様子を学びます。
 研修を通して、互いの力量アップに努めていきます。そして、地域の児童生徒が、もっと社会科を好きになるよう研修をしていきます。

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「サークル活動」
とおか会
十日町市立千手小学校
尾身 聡志

 十日町市、中魚沼郡を中心とした、社会科や生活科、総合的な学習の時間の実践研修を行っているサークルです。とおか会の名称は「十日」を平仮名で表示したものです。毎月の定例会開催日を「十日」頃に計画することや研修会場を主に「十日町」に置くことにちなんでいます。 20年以上の歴史あるサークルで、地域素材や先行実践の蓄積があります。それらを生かし、当地域の社会科教育の充実に向けて活動を進めています。
「若手教職員の育成」と「中魚・十日町の特色を生かした社会科授業の展開」がキーワードです。
 サークル会員外の教職員にも声を掛け、社会科を学ぶ場としても機能できるように活動を広げています。

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「サークル活動」
南魚沼社会科研修会
南魚沼市立薮神小学校
鎌田 正紀

 南魚沼郡市内の小学校、中学校の社会科教師が集い、指導力の向上を目指して活動しています。
 特に力を入れていることは、地域素材の教材化についてです。南魚沼は、社会科の授業に活用することのできる、魅力的な素材に恵まれています。例えば、直江兼続の足跡、飯綱山古墳群、新田開発とコシヒカリ作り、食品加工、織物、雪国の暮らし、観光開発等々です。会員それぞれが、これらの素材を取り上げた実践レポートや教材研究の成果をまとめた資料・提案などを持ち寄り、紹介し合っています。 
 この地域は、郡市外に生活根拠地がある会員や若手が多くいます。会員が地域のことをよく知るとともに、研修のやりがいや楽しさを感じられるように活動しています。

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「教科等研究セミナー」
自分の考えを説明し、他者と比較することで個の理解を深める工夫
〜生徒が思考しやすい資料の内容と意見の比較に重点を置いて〜
見附市立南中学校
桶谷 圭介

  生徒が社会的事象を深く理解していくためには、資料から得た事実を基に自分の考えをもち、自分が考えなかった(考える時点で思いつかなかった)視点と出合い、考えを強化したり加えたり、再認識したりする必要がある。資料から読み取った事実が考える出発地点になるので、生徒が考えたくなる(手軽、身近、生々しい)資料と出合うことが必要である。
 今回は以上のことを意識して二つの実践を行った。
 実践@「地方自治と住民参加」
 実践A「第二次世界大戦と国民生活〜見附町の様子と長岡空襲を通して考える〜」
 実践の中で二つの手だてを用いて、この理解を深めることを目指した。
1 手軽で、身近で、生々しい資料との出合い
 生徒が社会的事象について考えていく出発点となるのが資料である。今回は、生徒にとって手軽に手に入り、身近で、生々しい資料を使うことを意識した。実践@では「広報見附」を用いて、見附市の財政について考えた。実践Aでは「昭和20年の新潟日報と昭和35年の見附新聞」を用いて、戦中の人々の生活について考えた。
2 自分と他者の意見を比較する
 自他の意見を比較することで、自分には無かった考えを知ることができ、自分の考えを再認識することが出来た。また、資料から読み取り、自分の考えをもった上で、他者との比較の中で思考していくことで、社会的事象について個の理解が深まると考えた。

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「教科等研究セミナー」
資料の読み取りに基づいて思考を深める授業づくり
十日町市立十日町中学校
村山 和弘

  中学校学習指導要領解説社会編では、キーワードとして「思考力・判断力・表現力」の育成が示されている。また、次期学習指導要領に向けた、社会・地理歴史・公民ワーキンググループにおける論点整理においても、「思考力・判断力・表現力」は引き続き重要視されている。これは、社会的事象を単に「知る」だけでなく、その背景や理由を根拠をもって自分なりに表現する力を伸ばすことが今後も重視されていくことを意味している。
 そこで、私は、単元構成を見直し、単元のねらいに即した資料を提示し、多面的・多角的に考察する場面を設定することで、生徒の「思考力・判断力・表現力」が高まると考え、研究テーマを「資料の読み取りに基づいて思考を深める授業づくり」とした。
 また、上記の研究テーマに迫る手だてを、以下の3点とした。
1 単元を貫く学習課題の設定(=単元構成の工夫)
 単元の始めに学習課題を提示し、生徒にゴールイメージをもたせる。1単位時間で習得した知識・技能を単元のまとめで活用できるため、社会的事象を多面的・多角的に捉え、根拠をもって自分の考えを表現することにつながる。
2 学習課題に迫るための資料の精選
 次の3点を意識して資料の精選を図る。@教科書の記述を再確認できる資料、A教科書の内容を深化・発展させる資料、B教科書と違った視点の資料
 これらの資料を比較・関連付けさせ、自分の考えを深めさせる。
3 小グループによる学び合いの設定
 学習課題の追求のため、個人での読み取りを小グループで発表し合う場面を設定する。これにより、様々な見方・考え方に気付き、自分の考えを再構成することにつながる。
 生徒の「思考力・判断力・表現力」を育成するためには、日々の授業を充実させることが必要である。今後も、単元構成の工夫や学習課題の設定、資料の精選を自らの研究課題として追求していきたい。

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「教科等研究セミナー」
比較・関連付けして社会的事象の意味を捉える子どもの育成
〜 クラゲチャートの活用を通して 〜
佐渡市立金井小学校
椎井 慎太郎

  「比較・関連付けして社会的事象の意味について考える力」は、社会科で育てたい思考力の一つである。しかし、現行学習指導要領の課題に挙げられているとおり、その指導は難しい。これまでの指導を振り返っても、「関連付けて考えましょう。」と、付けたい力を意識して声を掛けるようにしてきたが、一部の児童にしか関連付けを促すことができなかった。その結果、社会的事象の意味を明確に捉えさせることができなかった。
 そこで、本実践では、児童の自発的な「比較・関連付け」を促し、その結果として社会的事象の意味を捉えさせるために、思考ツールを活用する。思考ツールには、「情報の可視化と操作性」といった特性や「促す」「気付きやすくする」という役割がある。このような思考ツールのよさを最大限に生かすことによって、上述した思考力を育てることができるのではないかと考えた。
 そこで、本実践では次の手だてを講じた。
1 比較・関連付けをさせる場面において、同じ観点の足をもったクラゲチャートを2つ並べる
 社会的事象の意味を捉えさせるために、思考ツールの1つである「クラゲチャート」を活用し、2つ並べて比較しやすくする。さらに、比較した後の自発的な関連付けを促すために、クラゲの足を同じ観点で並べるようにする。このようにすることで、クラゲチャートAの足と、クラゲチャートBの足を比較しやすくするとともに、観点をそろえた足があることで、児童からの自発的な関連付けが促されると考えた。
2 関連付けを促し、相違点を明確にするための学習活動を設定する
 2つのクラゲチャートを比較・関連付けする際に、その相違点が明確になることによって、社会的事象の意味が捉えやすくなると考えた。そこで、そのための学習活動を設定する。具体的には、全体共有場面→自力解決場面→グループ検討場面の3つの学習活動を設定することによって、関連付けを促し、相違点を明確にさせるようにした。
 以上の手だてを行うことによって、6年生「新しい時代の幕開け」の第5時では、クラゲチャートを活用することによって社会的事象の意味を捉える児童が増えた。今後は、政治単元において手だての有効性を検証していきたい。

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「教科等研究セミナー」
社会的事象を多面的に考える力をはぐくむ社会科授業
五泉市立五泉南小学校
番場 裕輔

  学習指導要領では、「公民的資質の基礎を養うこと」が明記され、これから国家・社会の形成者として行動していく上で、児童が社会的事象について自分の考えをもち、多面的に考える力が必要とされることが示されている。         
 そこで、以下の方策を用い、社会的事象を多面的に考える力をはぐくむ授業の在り方を研究した。単元名は、「世界とつながる日本の工業」(5年生)である。                                          
1 価値判断を問う課題を提示する。
    「(自動車の)国内生産と海外生産、どちらを大切にしたら日本の自動車産業は明るいと思いますか。」                           
2 調査活動を行い、事実を集めさせる。
    資料を用いて情報収集をしたり、ゲストティーチャーの話を聞いたりする。                         
3 集めた事実をもとに、自分の考えをもたせる場を設ける。
    討論を前に、自分の立場を決め、集めた事実をもとにして考えをもつ。              
4 討論を行い、考えを交流させる。                             
    討論を通して、多様な考えに触れる。
5 自分の考えをまとめさせる。                               
    これまでの学習を総合して、自分が考えたことをゲストティーチャーに手紙を書く。
 このような方策により、それまでとは児童の発言内容や記述内容に変化が見られ、多くの児童が社会的事象を多面的に考える力が付いた。成果とともに以下の課題もあった。
 ・資料をもとにした事実を自分の考えに反映さえるところにやや弱さが見られた。 
 ・5が自由記述だったため、児童の考えが表出されにくかった。          
 課題を修正し、より児童の社会的事象を多面的に考える力をはぐくむ授業の在り方の研究を今後も進めていく。      

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「教科等研究セミナー」
社会的事象や考えをつなぎ、多角的に考える子どもの育成
〜イメージマップの活用を通して〜
長岡市立千手小学校
冨澤 智宏

  社会科の授業では、事象と事象とを関連付けて考えたり、仲間の考えと自分の考えを関連付けたりしながら、社会的事象を多角的に捉えていくことが大事であると考える。
 教育課程部会 社会・地理歴史・公民ワーキンググループの「資料14 社会、地理歴史、公民で育成すべき資質・能力の整理(案)」においても、「社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考える力」を一層重視する方向が示された。
 そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 イメージを膨らませるために、事象をつないでいく
毎時間、授業の終末に分かったことや考えたことをイメージマップに記入させていく。事象と事象を関連付けながらつながりを可視化していくことで、社会的事象を多角的に考えられるようにした。
2 個々の考えの関連や違いを可視化するために、考えをつないでいく
 学習問題を追求する場面で、グループで考えを伝え合う時間を設定する。その際に各自の考えを短い言葉でイメージマップに記入していく。多様な考えを関連づけながら1枚のイメージマップに表すことで、共通点や相違点を可視化させる。できたイメージマップをもとに、社会的事象を多角的に考えられるようにした。
 上記の手だてを講じ、6年生の戦争単元で手だて1について、3年生の買い物単元で手だて2について実践を行った。イメージマップを活用することで、社会的事象に対する認識の広がりを可視化したり、他者の考えにつなげて考え、共通点や相違点を可視化したりすることができた。
 今後も社会的事象について多角的に考えることができる児童の育成を目指して研究していく。

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「教科等研究セミナー」
子どもの追求意欲を高め 事実と事実を関連付ける力をはぐくむ社会科授業
〜比較を促す資料提示の工夫〜
小千谷市立小千谷小学校
石井 寛二

  教育課程部会の社会・地理歴史・公民ワーキンググループでは、「育成すべき資質・能力の整理」で、社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考える力、社会に見られる課題を把握し、社会へのかかわり方を選択・判断する力、そして、思考・判断したことを説明する力を挙げている。これらの力を高めるためには、児童が社会的事象に対して「なぜ」「どうして」という問題意識をもち、「調べてみたい」「知りたい」という追求意欲が高い状態にあることが必要である。
 そこで、児童の思考力・判断力・表現力を高める過程を、次の3つの段階に分けて、それぞれに手だてを講じた。
1 問題意識を高める段階
 2つの資料を提示することで、比較を促し、違いや変化に着目させる。児童が気付いた違いや変化から、「なぜ」「どうして」という問題意識を高める。
2 事実と事実を関連付ける段階
 児童の問題意識が高まった状態で、関連付けさせたい資料を提示する。児童が課題解決のために、社会的事象の特色や相互の関連を考察する姿を期待する。
3 思考・判断したことを説明する段階
 学習のまとめとして、課題に対して自分の考えを記述する。学んだことを自分なりにまとめ直す中で、思考・判断したことを説明する力を高める姿を期待する。
 以上の3つの段階を踏むことで、児童は、社会的事象の特色や相互の関連に気付き、事実と事実を関連付けて記述することができた。
 今後も、追求意欲や問題意識を高める手だてについて研究し、児童の思考力・判断力・表現力を高めていきたい。

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「教育実践」
ジグソー法を用いた社会的事象の追究
〜事象を多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成〜
新潟市立白新中学校
山田 耀

 これまで社会科の授業で「ジグソー法」を活用してきた。「ジグソー法」とは、ある課題を解決するために、複数の追求する面を設定し、それぞれを分担して追求した上で、話合いの中で共有、統合することで答えを導き出す手法である。「ジグソ−法」は社会科で不易である社会的事象を多面的・多角的に考える力を育むことに有効である。また、この「ジグソー法」は中央教育審議会(諮問)「初等中等教育におけるアクティブ・ラーニングの取組例」の「ペア学習・グループ学習等の推進」の中で例示されており、現在注目を浴びている手法である。
 これまでの実践で、生徒は社会的事象を多面的に把握し、考えを「広げる」ことができた。しかし、思考の「深まり」については課題が見られた。(ここでの「広がり」とは社会的事象について考える際の“面”が増えること、「深まり」とは社会的事象について考える際の“視点”が増えることとする。)事象について複数の面から考えられるようにはなったが、その考え方、獲得した知識を活用する場面がなかったことが原因の1つとして考えられる。
 そこで本研究では、「ジグソー法」を用いた授業に、多角的に考察する場面として意思決定、問題解決場面を設ける。これにより、生徒の思考に深まりが生まれ、社会的事象を多面的に把握した上で、多角的に考察することができるという仮説を立てた。以下の手法を用いて検証していく。
1 生徒が授業を通して社会的事象に対する見方、考え方をどのように広げ深めたかの変容を追う
 授業前の生徒の見方と考え方、授業中における生徒の発言やノート記述、振り返りを比較することで、手だての有効性を図る。
2 複数の意思決定場面の設定
 実践の中で、意思決定場面を設けるが、1実践目では1つの立場を基にした意思決定場面、2実践目ではそれぞれの立場を基にした意思決定場面を設ける。これにより、両者を比較することで、より子どもの思考が深まる手だてを検証する。
 上記の方法を用いて検証することで、社会的事象をより多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成を目指す。また、「ジグソー法」のより有効な活用につながり、課題解決を図るアクティブ・ラーニングとしての授業改革の実例となるところにも本研究の意義がある。

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「教育実践」
事実の読み取りや解釈を通して思考を深め、自分の言葉で表現できる生徒の育成
〜単元の再構成とまとめ活動の位置付けの工夫を通して〜
村上市立山北中学校
渡辺 利一

  学習指導要領では、生徒の思考力・判断力・表現力を確実に育むことが重要となっている。観点別評価においても「思考・判断・表現」となっており、思考・判断するためには言語活動(表現する活動)を行わなければ評価もできないことになる。つまり、生徒が机に座って教師の講義を聴いて暗記する授業から、生徒が考え判断し表現する社会科授業に改革していかなければならない。
 そこで、以下の方策を使い、社会科的な思考力・表現力を高める授業のあり方を研究した。
1 単元の再構成
 2単位時間を1つの授業とし、そこに、まとめ活動を位置付け、繰り返し行う。
2 事実の読み取りや解釈の活動
 資料から事実を読み取り、解釈させ、グループ活動により意見を練り上げまとめさせる。
3 まとめ活動の工夫
 立場を変えて考えさせることによって、解釈した意見を整理するとともに多角的に事象を捉えさせる。
 今後も授業改革を進め、生徒の主体的な活動の質と量を確保していくことで、生徒の社会科的な思考力・表現力を高める努力を続けていく。

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「教育実践」
中心概念を一般化する単元構成の工夫
胎内市立黒川小学校
本間 裕

 1 これまでの私の指導の課題
 5学年単元「米作りの盛んな地域」における中心概念は「農家の人たちは、地域の自然条件を生かしながら、さまざまな工夫や努力をして、おいしく安心して食べられる米を作り、国内での米作りを続けていこうとしている。」である。
 教科書では1次で日本全体の稲作の概観を指導し、2次で一農家の事例を検討させる。また、単元の終末には、それまでの学習を通して習得した具体的知識を基に「日本全国の農家の人たちの工夫や努力も同様である」と工夫や努力を一般化させて、中心概念に迫ることが多い。しかし、これまでの私の指導では身近な一農家の事例を追究させることに終始し、そこで身に付けた具体的知識と日本全体とのつながりについて、深く考えさせる手だてが不足していた。結果として、中心概念に迫るために、「日本全国の農家の人たちも同様に工夫や努力をしている」と一方的な教師の説明を聞かせ、児童に飛躍した考えをさせて一般化させていた。そのため、どうしても実感的に理解したと考えられる中心概念を記述させることができなかった。
2 研究の手だてと結果
 上記の課題を改善するために、身近な事例である黒川の稲作を検討させた後に、南魚沼の稲作を検討させることを試みた。これにより児童は「新潟県内の農家も黒川の農家の方と同じように工夫や努力をしている」と県内の稲作の工夫や努力を一般化することができた。次に、身近ではない事例として、近年、味覚、評判ともに知名度を上げている山形県の稲作を取り上げ、新潟県の稲作と比較検討させた。児童は身近な事例の検討で一般化した新潟県の稲作の工夫や努力をもとに、山形県の工夫や努力を一般化することができた。単元終末の児童は具体的な事実をあげながら「日本全国の農家の人たちも同じように工夫や努力をしている」という中心概念に迫る記述ができた。
 今後は他の単元や他学年の内容についても、転移・応用ができないか研究を行っていきたい。

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「教育実践」
実感を伴った自分の考えを、深めていく子の育成
湯沢町立湯沢小学校
井上 大輔

 小学校学習指導要領解説社会編では、社会科の学習では「国家・社会の形成者として、その発展に貢献しようとする態度や能力を育てようとしているのである。」と述べられている。これを受け、私は児童が社会的事象を多面的な視点で考え、自分の考えをもつ力を育てることが必要だと考えた。そこで、児童を育てる過程を、次の2つの段階に分けて、それぞれ手だてを講じた。
1 実感を伴った考えをもつ段階
 社会的事象に触れ、一人一人が自分の考えをもつためには、社会的事象と自分とのかかわりに気付き、実感を伴った考えを形成することが大切である。そのための手だてとして、体験的な活動や社会的事象にかかわりの深い人から話を聞く活動を設定した。また、扱う社会的事象が自分の生活とどのようにかかわっているかを考える活動を取り入れ、社会的事象について、当事者意識をもって考えられるようにした。これにより単元で扱う社会的事象について、児童一人一人が自分の考えをもつ姿を目指した。
2 かかわり合い、考えを深める段階
 社会的事象について自分の考えをもった児童には、互いの考えを交流し、多面的な考えを獲得していくことが大切となる。そのための手だてとして、資料提示のタイミング・発問・板書を工夫した。問題解決をしていく中で、追求課題に対して結論が出て思考が収束しそうなときに、既習事項とは別の資料を提示し、再度児童の思考を促した。そのときに既習事項と新たな事実が示す事象とのズレに気付かせる発問をし、追求課題を設定した。また、ズレや思考の流れが明確になるよう構造的に板書をした。先の段階で自分の考えをもった児童が、それぞれの考えをいきいきと話し、問題を解決していく姿を目指した。
 学年が上がるにつれて、扱う社会的事象が、自分の生活から離れたものになっていく。上述のステップにより、体験的な活動や話を聞く活動で実感を伴った自分の考えをもち、その考えを交流することにより、自分と異なる考えに触れ、多面的な視点をもち、自分の考えを練り上げていく姿を目指し、2つの段階における手だての有効性を検討した。

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「教育実践」
地域を愛する子どもの育成
〜自分の地域と他地域との比較を通して、思考力を高める指導の工夫〜
柏崎市立内郷小学校
櫻井 諒

 柏崎市は、年々人口が減少しており、当校が位置する市内西山町も同じく人口が減少している。特に20代の女性の人口流出が目立つなど、若者世代の人口流出が課題の1つとなっている。これは柏崎市だけではなく、全国各地で課題となっていることである。この課題を解決するためには、将来の社会を支える子どもたちに地域愛を育むことが必要だと考える。
 社会科は、主体的に社会の形成に参画しようとする態度や資料から読み取った情報を基にして社会的事象について考察し表現する力を育む教科である。社会科の学習を通して、子どもたちに思考力と地域愛を育みたいと考え、以下の2点で研究を進めている。
1 自分の地域と他地域とを比較する活動を取り入れた単元構成にする
 児童は、何かを学習する際に、常に自分の知っていることと比べながら学習している。自分の住む地域のよさを明らかにして、他地域のよさと具体的に比べることで、自分の住む地域により愛着をもつようになる。
2 自分の地域と他地域とを比較して考えたくなるような学習課題を提示する
 自分の地域と他地域とを比べさせたいときには、児童に「比べてみなければ分からない」という思いを抱かせるような学習課題の提示を行う。そうすることで、資料を読み取る目的が明確になり、自分の地域のよさに気付くことができる。
 本研究は地域活性化の基盤をつくり、「持続可能な社会」を実現するためにも価値のあるものだと考え、これからも研究を続けていく。

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「教育実践」
自分たちの地域と比較・関連させ理解を深める地理学習の工夫
見附市立南中学校
桶谷 圭介

 中学校の地理学習において、地理的事象を意欲的に追求し、地理的特色の理解を深めるには、自分自身の生活や地域での生活を見つめ直す取組が必要である。そこで、日本の諸地域を学習する際に、地理的事象を生徒の生活と比較、関連させることにより、生徒にとって身近な地域教材として意欲的に追求できるのではないかと考えた。今回の授業は九州地方の学習で桜島を取り上げ、桜島が作り出す自然環境が人々の生活にどのように影響しているのかを追求テーマにして、単元計画を作成した。生徒が住む見附市の生活と比較・関連させることにより、九州地方の地域的特徴だけではなく、自分自身の生活や見附市での生活を見つめ直し、自分の生き方を考えてほしいという願いを込めた。その学習過程の中で、九州地方の地理的特色を見附市と比較・関連させながら、より深く理解できると考えた。
 以上のようなことから、授業実践を行う中で、工夫をした手立ては次の2点である。
1 単元構成の工夫
@桜島がもたらす自然環境を中核に据え、自然環境と人々の生活を学習する上で、生徒たちが住む見附市と比較させることで相違点や共通点を意識させる。生徒の生活と関わらせることは、学習を深める効果があると考える。
A生徒にとって学習内容をより身近に感じさせ、追求意欲が高まるように、鹿児島市で生活する人に、授業で生まれた疑問を質問する場面を設定する。現地の人の話を聞くことで、暮らしと自然環境をより密接に関わらせたい。
2 生徒の見取りと教師の働き掛け
@授業の終末には学習のまとめと疑問を書くように意識付け、生徒の問いに沿うような柔軟な単元構成を心掛ける。
A3〜4人の班で考えを交流した意見や疑問を全体で共有する場面を設定する。
 生徒は、桜島がもたらす自然環境が人々に噴火などの災害や農産物や温泉などの恩恵を与えることを理解した。その中で、桜島の生活と見附市の生活を比較することで生まれた疑問を桜島ミュージアムの職員にスカイプを通じて質問をした。その回答によって、さらに理解が深まったり、また新たに考えたことを班やクラスで共有したりすることで、自分自身の生活や見附市での生活のことを改めて見つめ直すことができた。

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「教育実践」
資料の比較・検討を通して思考力を育成する授業づくり
〜地域史を活用して〜
長岡市立青葉台中学校
廣瀬 貴久

 生徒が歴史学習に意欲をもてない要因の1つとして、歴史的事象を自分の生活と結び付けて考えることができない場合が多いことが挙げられる。歴史的事象を少しでも具体的にイメージできるように身近な地域史を活用することとした。身近であるがゆえに生活経験との結び付きが図られイメージしやすくなる。その際、既習事項との結びつきや難易度を考慮し、生徒の興味・関心を高められるように、また生徒が考えやすい学習状況を整備できるように工夫を行った。
 学習指導要領においても地域史の活用は重視されている。また他に重視されていることの一つに、時代の特色を捉える学習がある。単元構成にしっかりと組み込み、時代の特色を捉えることができるような学習課題の工夫が必要である。
 以上のようなことから、地域の歴史を考えるなかで時代を捉える授業実践を行った。手立てとして工夫した点は次の2点である。
1 「情報カード」と「地図資料」を使った地域教材の開発
 発掘成果や地域史の事実を「情報カード」に整理した。生徒が情報の比較や関連付けを行いやすいように、情報カードは小分けにして配付し操作できるようにした。教師が意図をもってエリアを分けた「地図資料」を配付し、生徒が地理的な視点ももって歴史的状況を考えられるようにした。
2 学習課題の工夫
 原始・古代単元の実践では「どのあたり(どのエリア)に人は多くいたのだろう?」、中世単元の実践では「どこ(どのエリア)が栄えていたのだろう?」という学習課題を設定し、思考活動の出発点とした。選択性があり、複数の考えが表れ、地域を地理的・歴史的に俯瞰せざるをえないような質の課題を設定した。全員が情報カードを根拠としてエリアを選択することになるので、低学力層の生徒でも考えを書くことができる。また、エリア分割によりそれぞれの地域性を考えやすくなったことにより、情報の読み取り方(どう解釈し、比較し、関連付けるか)によって、複数の考えが生じる課題でもある。
 上記2つの手立てを講じ「原始・古代」「中世」の単元で授業実践を行った。地図上で情報カードを操作できるので、生徒は情報を比較・検討しやすい状況がつくられた。情報カードを根拠として一人一人の考えが構成され、また班活動においても比較・検討の根拠は情報カードであり、それぞれの捉えを悩みながら迷いながらも活発に話し合う様子が見られた。実践を通して、生徒は全国史とのつながりを感じ、歴史を身近なものとして捉え、地域の歴史の様子を通して時代を捉える姿が見られた。

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「教育実践」
児童が話合い活動の中で考えを練り上げるための指導の工夫
三条市立第三中学校
金泉 翔

 中学校社会科の学習指導要領の地理・歴史・公民各分野の目標には、「多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる」ことが示されている。このような能力と態度を育てるためには、生徒が説明・論述し、話し合う中で自分の考えなかった意見に触れ、その中で何が大事なことなのかを見付け出す活動が必要であると考えた。生徒が自分の考えをもち、話合い活動の中でより自分の考えを練り上げるためには、話合い活動に至るまでの自分の考えをまとめる段階が重要であると考えた。話合い活動までの前段階において、疑問や問題意識を芽生えさせる課題の提示の工夫により、互いに考えを練り上げられる場面の設定が課題である。
 次の2点から、その解決を図る。
1 考えをまとめる活動と話合い活動の場面の設定
 生徒が根拠をもって考えをまとめられるように、また話合い活動では意見を言い合うだけでなく、様々な意見に触れ自分の考えがより練り上げられる場になるように指導計画を工夫する。
2 様々な立場に立って考える課題の設定
 自分以外の考えを理解するためには、それぞれの考えや意見の理由を分かっていないといけない。そのために、様々な考えがあることをそれぞれの立場に立って考えることで、より自分の考えをもちやすくし、多くの理由から自分の考えを練り上げることができると考えた。
 この研究を通して、生徒が自分の意見や考えに自信をもって発言し、他の人の考えを受け入れ、理解しながら物事について考えられるようになることを期待している。

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「教育実践」
課題に主体的に取り組み、話合いの中で考えを深めていく生徒
〜単元を貫く学習課題の設定と表現活動の工夫を通して〜
長岡市立南中学校
恩田 隆介

 本研究テーマは教科を横断した普遍的な価値をもつと考える。このテーマに迫るために、以下の2つを単元構想の中心に据えた。1つ目は単元を貫く課題を設定し、生徒の学習意欲の喚起と課題追求意欲の持続を図ること。2つ目は多様な表現活動の場を設定し、生徒の考えの深まりをねらうことである。

 これらを踏まえ、以下の3つの手立てを意識し実践を行った。(2014年実践 地理「世界の諸地域 アフリカ州」)

1 (レディネスによる)生徒がもつイメージにギャップを与える課題を設定し、興味関心を引き出すとともに、学習意欲を喚起する。具体的には、アフリカの「魅力」を取り上げ、単元を展開した。

2 課題に応じて話合いの形態を変えることで、多様な考えの表出や考えの深まりをねらった。話し合う集団の工夫として、A(3人)班、B(5,6人)班、そして個、全体で思考する場面を設定した。話合いの形態の工夫としては、自由に発言する意見交換、KJ法、ホワイトボードの使用などを試みた。

3 社会的事象を切り口として、本物に触れさせることで、学習課題を身近に感じさせる。現在起こっている世の中の出来事を取り上げ日本とのつながりを認識させること、アフリカの留学生のVTRを授業で扱うことで、アフリカという地域と自分たちの距離を近付ける手立てを講じた。
 検証方法としては、3名の抽出生の集団における関係性の中で全体を把握することとした。他との関わり合いの中で意見を深める(新しい視点を獲得する等)ことができたかどうかを、生徒の発言内容や記述内容等の授業記録、事後のアンケートの数値から検証した。

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「教育実践」
追求の視点を明確にし、社会的事象を関連付けて考える力の育成
新発田市立外ヶ輪小学校
佐野 亮太

 小学校学習指導要領解説社会編の中で第3・4学年の能力の目標として「地域における社会的事象を観察・調査するとともに,地図や各種の具体的資料を活用し,地域社会の社会的事象の特色や相互の関連などについて考える力,調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする。」とある。
  下線部の「考える力」について「 (〜中略〜) 願いを実現していく地域の人々の工夫や努力,協力と生活や生活環境の維持と向上との関連,地域の人々の生活や産業と国内の他地域や外国との結び付きなどについて考える力」と述べられている。 社会的事象に対して,観察・調査して気付いた「地域の人々の工夫や努力,協力」や「生活や生活環境の維持と向上」という事実を関連付けて考えていく。つまり社会的事象に対して多面的に考えていくことが第3・4学年で求められる能力の一つである。
 そこで次の点を重点に,第4学年社会科「ごみはどこへ」の単元において実践をした。

〇追求の視点を明確にして単元の学習を進めていく
  単元導入時に追求の視点を明確にする。追求の視点とは児童から出た疑問を学習課題にしたものであり,単元で押さえるべき学習内容である「廃棄物の処理にかかわる対策や事業は地域の人々の健康な生活や良好な生活環境の維持と向上に役立っていることを考える」を網羅するものである。
 本研究では,「なぜ分別をする必要があるのか」を追求の視点として,廃棄物処理場や再資源化工場を調査したり,資料を活用したりして気付いた事実を関連付けることで,多面的な考え方を身に付けられるよう実践を行った。

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「教育実践」
児童が資料を活用して、確かな考えをもつ社会科指導
〜資料提示、選択、関連付けを工夫した6年「長く続いた戦争と人々の生活」の指導を通して〜
魚沼市立小出小学校
川ア 智也

 教師が明確な意図をもって資料作成・提示することが、児童が調べたい、考えたいと思える学習問題づくりに有効かどうか、平成24年度に研究した。この研究により、教師が明確な意図をもって作成した資料の提示は、児童の認識のズレを生んだり、新たな問いを生んだりして、児童の問題意識を高めることに有効に働くことが分かった。しかし、教師の意図が強調されている分、限定的な読み取りや思考を生み、児童が事象について、考えを確かにするまでには至らなかった。そこで、資料提示によって児童の問題意識を高め、児童が資料を目的に応じて選択、関連付けて問題解決を図る学習を取り入れることで、資料を根拠に考える力を高めることができると考え、本研究を行った。具体的な研究内容は大きく次の2点である。
1 児童の問いを生む資料提示
 日本史と児童を教師が結び付ければ、児童は歴史的事象に関心をもち、資料をもとに考えようとする意識を高めると考える。そのために、地域教材を単元の導入に取り入れ、児童の中での認識のズレ、まだ解決していないことを教師が取り上げたり、揺さぶりをかけたりして学習問題づくりを行う。
2 資料を選択、関連付けて問題解決を図る学習
 問題意識が高まった児童に、以下の手立てで問題解決に取り組ませる。
 @複数の資料提示
 A学習形態の工夫「ア資料選択(グループ)」「イ読み取り(個人)」「ウ思考(個人)」「エ検討(グループ)」
 B思考の流れを視覚化したワークシートの活用
1によって、戦争への関心が低い児童は、「戦時中の子どもの生活」という戦争の断片を捉え、自分たちの住む地域も歴史に関わっていると認識し、地域の歴史的出来事が、日本全体にどのように関係しているのか、もっと知りたいと考えるようになった。
2では、個人で問題解決を図る前に、「ア資料選択(グループ)」を行い、教師が提示した複数の資料の中から、必要な資料をグループで選択させた。資料を選択するために、グループ内で自然と資料の読み合いが行われ、多様な考えに触れながら、資料から読み取ったことを共有することができた。次に個人作業で「イ読み取り(個人)」「ウ思考(個人)」を行い、児童は自分の読み取りと、仲間の読み取りを生かしながら、資料を根拠として、または、資料から解釈したことを根拠として、自分の考えを確かにすることができた。自分の考えをまとめやすいように、思考の流れを視覚化したワークシートも、自分の考えを表すことが苦手な児童にとって、有効な支援となった。

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「教育実践」
社会的事象の意味を考える社会科授業
十日町市立上野小学校
水瀬 正大

 学習指導要領改善の基本方針の中では、「各種の資料を効果的に活用し、社会的事象の意味などを解釈したり事象の特色や事象間の関連を説明したりするなどの言語活動を重視している」とある。しかし、これまでの授業を振り返ると、見学に行って分かったことをまとめるだけの授業や、見付けてきた工夫を新聞にまとめるだけの授業、知識を問うだけの授業になってしまうことが多く、気付いたことや分かったことなどをつなぎ合わせ、社会的事象の意味まで考える授業を行うことはできずにいた。そこで本研究では、児童が自分の考えと資料を照らし合わせながら考えを練り上げていく授業を行うことで、自分の意見をより深め、社会的事象の意味を追求していくことができるという仮説のもとで、以下の手法を用いて検証していく。

1 抽出児が授業を通して社会的なものの見方や考え方をどのように広げたり深めたりしていくか探っていく。
 授業での発言やノート記述、小単元ごとのミニ作文などを手掛かりにして、抽出児がどのような社会的なものの見方・考え方をするのかを想定し、そうした社会的なものの見方や考え方の変容を促す授業を構想し、実践する。
2 授業の構想・実践に当たっては、できるだけ問題解決的な学習ができるように配慮し、抽出児を含めた学級の児童が社会的なものの見方や考え方を広げたり深めたりしていけるようにする。
 その時代を象徴する教材を選定し、抽出児の考えを誘発できるような資料提示を行う。そして、抽出児がどのような意見に反応し、考えを深めるかを意識し、机間巡視から探していく。

 上記のような2点を実践することで、児童は授業の中で様々な考えをめぐらせ、自分の考えを深めていくことができる。そうした社会的事象の意味を追求していく授業の中で、児童の社会的なものの見方や考え方を高めていきたい。

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「ときわ教育奨励賞」
社会科に親しむ活動を広める実践
佐渡市立河原田小学校
松本真一郎

 『PISA型読解力をつける社会科5・6年社会全発問・全指示』作成や謎解き授業論をはじめとする長年にわたる研究実践を継続し、それらを地域に普及し、地域の社会科教育振興に貢献している。今後も継続した実践を行い、全国レベル、全県レベルの実績について、さらなる活躍が期待される。

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「教科等研究セミナー」 
資料の比較・検討を通して思考力を高める授業づくり
〜地域史を活用して〜
長岡市立青葉台中学校
廣瀬 貴久

  生徒が歴史学習に意欲をもてない要因の1つとして、歴史事象を自分の生活と結びつけて考えることができない場合が多いことがあげられる。歴史的事象を少しでも具体的にイメージできるように身近な地域史を活用することとした。身近であるがゆえに生活経験との結びつきが図られイメージしやすくなる。その際、既習事項との結びつきや難易度を考慮し、生徒の興味・関心を高められるように、また生徒が考えやすい学習状況を整備できるように工夫を行った。
 学習指導要領においても地域史の活用は重視されている。また他に重視されていることの一つに、時代の特色をとらえる学習がある。単元構成にしっかりと組み込み、時代の特色をとらえることができるような学習課題の工夫が必要である。
 以上のようなことから、地域の歴史を考えるなかで時代をとらえる授業実践を行った。手立てとして工夫した点は次の2点である。
1 「情報カード」と「地図資料」を使った地域教材の開発
 発掘成果や地域史の事実を「情報カード」に整理した。生徒が情報の比較や関連付けを行いやすいように、情報カードは小分けにして配付し操作できるようにした。教師が意図をもってエリアを分けた「地図資料」を配付し、生徒が地理的な視点ももって歴史的状況を考えられるようにした。
2 学習課題の工夫
 原始・古代単元の実践では「どのあたり(どのエリア)に人は多くいたのだろう?」、中世単元の実践では「どこ(どのエリア)が栄えていたのだろう?」という学習課題を設定し、思考活動の出発点とした。選択性があり、複数の考えが表れ、地域を地理的・歴史的に俯瞰せざるをえないような質の課題を設定した。全員が情報カードを根拠としてエリアを選択することになるので、低位学力の生徒でも考えを書くことができる。また、エリア分割によりそれぞれの地域性を考えやすくなったことにより、情報の読み取り方(どう解釈し、比較し、関連付けるか)によって、複数の考えが生じる課題でもある。
 上記2つの手立てを講じ「原始・古代」「中世」の単元で授業実践を行った。地図上で情報カードを操作できるので、生徒が情報を比較・検討しやすい状況がつくられた。情報カードを根拠として一人一人の考えが構成され、また班活動においても比較・検討の根拠は情報カードであり、それぞれのとらえを悩みながら迷いながらも活発に話し合う様子が見られた。実践を通して、生徒は全国史とのつながりを感じ、歴史を身近なものとしてとらえ、地域の歴史の様子を通して時代をとらえる姿が見られた。

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「教科等研究セミナー」 
言語活動を工夫することにより、社会科的な思考力・表現力を高める授業のあり方
村上市立山北中学校
渡辺 利一

 学習指導要領において、言語活動の充実が挙げられている。言語活動の充実を図ることは、生徒に思考力・表現力等を身に付けさせ、社会の変化に対応する能力やそれに伴う課題を自らの力で解決する能力を育成することを目指していると考えた。そこで、以下の方策を使い、社会科的な思考力・表現力を高める授業のあり方を研究した。
1 言語活動構想図の作成
 言語活動を充実させるために、単元を貫く授業構成を構築した。
2 効果的な資料の提示
 グループ活動を活性化させるために、資料の精選に努めた。
3 三角ロジックの活用
 思考力を高めるために、論理的な考え方の育成を目指した。
 今後も授業改善の核を「言語活動の工夫」とし、言語活動の充実を図ることで、生徒の社会科的な思考力・表現力を高める努力を続けていく。

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「教科等研究セミナー」 
感情を動かし、社会的事象の意味を追求する児童の育成
小千谷市立小千谷小学校
川口 雄

 私は、児童が、社会的事象について追求し、理解を深めることで、児童が社会的事象についての見方や考え方を見直すような社会科の授業を目指している。児童が見方や考え方を見直すとは児童が社会的事象に対しての生活の仕方を考えることである。
 そのためには、「なぜそれがそうなっているか」という社会的事象の意味を児童が正しく理解することが必要であると考える。そこで、私は「感情の動き」に着目した。児童が社会的事象について疑問・驚き・感動・葛藤を覚え、感情を動かすような社会科授業を構成することができれば、児童が社会的事象に対して疑問をもち、社会的事象の意味を追求し、正しく理解することができるはずである。
 そのための具体的方策として、以下の2点を挙げた。
1 ずれを生む学習課題と資料提示の工夫
 児童の感情が動くのは、自分のもっている社会的事象についての予想や理解とずれのある事実と出会ったときである。どのような状態の児童にどのような事実をぶつけ、どのようなずれを生ませ、そこからどのような学習課題を設定するのか明確にして授業を構想する。また、その際に、ずれを際立たせるような資料提示の方法を工夫する。
2 身近な社会的事象に迫るために、単元の中に主人公を位置付ける。
 児童に身近な社会的事象を取り上げ、「地域の中の〜さん」に着目させる。そうすることで、その人の工夫・努力・思いを中心に追求していく単元を構成する。
 児童が意欲的に社会的事象の意味を追求できるような社会科授業を今後も研究していく。

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「教科等研究セミナー」 
連続する単元のスパイラル化により、社会的な見方や考え方を育成する
胎内市立中条小学校
五十嵐 俊一

  中学年の社会科では、「比較・関連して見たり考えたりする力」を育てることが重要である。なぜなら、「比較・関連して見たり考えたりする」ことが、学習指導要領の態度目標「地域社会の社会的事象の特色や相互の関連などについて考える力」につながるからである。本研究では、「比較・関連して見たり考えたりする力」を獲得させ、他の事象に転移・活用できるようにすることを「社会的な見方や考え方を育成する」としてとらえる。
 そのために本研究では、連続した2つの単元をスパイラル(前の単元と連続する次の単元で同様の単元構成や主たる発問を繰り返すこと)に構成することにより、児童は、事実の関連に気付いたり、事象の成立要因を見出したりできるようになる。そして、その見方や考え方を転移・活用して、事象の意味や意義を解釈したり、事象の特色や事象間の関連を説明したりできるようになると考え、研究を行った。
 3学年の連続する単元「わたしたちのまちはどんなまち」と「わたしたちの市の様子」では、はじめに「2年生の学習をもとにした予想→探検→気付きの発表と地図づくり→特徴についての話し合い」を学校の北・西・東方面と繰り返し、その後中条地区の特徴を考えさせた。これにより、特徴となる建物や場所に目を向けさせるとともに、3つの方面で発見したものを比較・関連させて特徴を考えさせた。続いて、「地図をもとにした予想→探検→地図づくり→特徴についての話し合い」を繰り返し、その後胎内市の特徴を考えさせた。
 4学年の連続する単元「ごみはどこへ」と「水はどこから」では、はじめに「家庭のごみ調べ→話し合い→市のごみ調べ→話し合い→ごみ処理場見学→話し合い」と繰り返し、その後「胎内市のごみは大丈夫か」を考えさせた。これにより、それまで調べてきた家庭や市のごみの様子と関連させて考えさせた。続いて、「家庭の水調べ→話し合い→市の水調べ→話し合い→浄水場見学→話し合い」と繰り返し、その後「今後水がどのようになっていくか」を考えさせた。そして、2つの単元を学習して、「自分ができることは何か」を考えさせた。ごみ処理も水の確保も、環境や資源をめぐる共通した問題であることから、キーワードを設定して自分の考えをまとめさせた。

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「教育実践」
計画的な資料配置と学習活動の構成を行うことにより,思考力・表現力を高める工夫
新潟市立高志中等教育学校
諸本 健

  中学校社会科学習指導要領の地理分野では,「日本の様々な地域の指導に当たっては,地域の特色ある事象や事柄を中核として,それを他の事象と有機的に関連付けて,地域的特色を追究するようにすること」とあり,改訂の要素の一つとして,動態地誌的な学習による国土認識の充実が求められている。
 そこで,日本の諸地域の学習において,各単元の中核となる資料を計画的に提示し,それに基づいた思考の場面を大切にし,発問を工夫することで,動態地誌的な学習を可能とし,思考力・表現力を育成することができるだろうと考え,実践を進めた。

 実践に取り入れた,具体的な方策は以下の3点である。
@ 日本の諸地域の学習における各地方の考察の視点及び,とらえさせたい地域の姿が明確となる資料を精選し,意図的・計画的に単元に盛り込む。
A 日本の諸地域の全単元を貫く共通の学習活動と,地域ごとの考察の視点に基づく学習課題を設定する。
B ファシリテーションを主に,主体的な意見交流・考察のまとめの場面設定をする。

 検証では,個人のワークシートの記述分析及び,ファシリテーションによるグループ討議の記述分析を行った。成果としては,与えられた視点から考察を深化させることができた。一方,課題は生徒自身が問題意識を持った主体的な学習活動とならなかった点である。この点について今後さらに研修を進めていきたい。


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「教育実践」 時代の特色を大きくとらえさせる歴史の単元づくり
新潟市立鳥屋野中学校
田中 良成

 学習指導要領の歴史的分野では、「各時代の大きな特色をとらえさせること」が新しい目標として設定された。研究の1年目、従来通りの授業を行った後の単元末に、時代の特色を説明させる活動を加えた。しかし、生徒はほとんど説明できなかった。学習した時代を1つのまとまりと捉えられなかったからである。目標を達成するためには単元全体の指導計画の組み直しが必要であると考えた。そこで、「時代の転換点を考える活動を取り入れた単元構成を行うことで、生徒は時代を1つのまとまりとしてとらえ、特色を説明できるようになる。」という研究仮説を立てた。
 この仮説を検証するため、古代の単元で次のような手立てを行った。@単元全体を貫く中心課題を設定する。A時代の転換点を捉えることができるよう単元構成を見直す。B単元末でまとめの時間を設定する。
 @では、単元全体の導入となる時間を設定した。「古代は、天皇や貴族がどのような国をつくろうとした時代なのだろうか」という単元全体を貫く中心課題の設定を行い、毎時間黒板に掲示した。生徒に単元のゴールを常に意識させることができた。
 Aでは、聖徳太子など古代に登場する6人に重点化し、6人の政策をまとめていく単元構成にした。6人を時系列に並べることで、共通する特色があることや、時代とともに特色が変化していることに気付かせることができた。
 Bでは、「6人を前半と後半に分けるとすると、どこで分けるか。」という課題を設定した。特色が変化していく転換点を探ることを通して、時代の特色が長い年月の中で少しずつ形作られていったものであることに気付くとともに、そのきっかけとなったできごとを具体的にとらえさせた。
 実践の結果、生徒たちは古代の中で天皇を中心に国が1つにまとまり、律令国家のしくみができ上がっていった流れに気づくことができた。また、政治だけでなく、外交、文化、仏教などの様々が要素が関わり合っていることに気づき、古代の特色を多面的に捉えて説明することができた。よって、この実践で用いた手立ては、古代の特色を大きく捉えさせる上で有効であった。

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「教育実践」
子どもに問いをもたせ,意欲的な追求を促し,思考力・判断力を高める資料提示の工夫
新潟市立上所小学校
星野 翔

  私は,子どもの思考力・判断力を高めるには,以下の2点が大切だと考えている。@子どもが社会的事象と出会うことで追求したい問いをもち,そこから学習課題を設定する。A複数の資料を比較したり,関連させたりして考えさせる。
 しかし,これまでの私の授業では,資料選定や提示の仕方に関して社会的事象と子どもの知識にずれ(既有の知識,経験,感覚とのずれ)を生むことが十分考えられていなかった。また,児童の実態として,課題に対して資料を根拠に自分の考えを述べることができるが,複数の資料を比較したり,関連付けたりして考えることに弱さがあった。
 そこで,本研究では,「課題を設定する場面」で社会的事象と子どもの知識にずれを生む資料を提示し,「課題を解決する場面」で比較,関連付けができる資料提示を行った。そうすることで,子どもは追求したい問いをもち,課題を解決しようと比較,関連付け,などを活用して,思考力・判断力を高めることができると考えた。
 5学年と6学年の2つの実践で,資料提示の際の児童の反応やノート・ワークシートによって仮説の有効性を検証した。
 「課題を設定する場面」での資料提示では,資料の事実を示すと子どもたちは自分の知識や感覚とのずれから驚きを感じ,追求したい問いをもつことができた。そして,子どもの問いを集約することで「〜なはずなのに,なぜ〜なのだろうか」という学習課題を設定することができた。
 「課題を解決する場面」での資料提示では,意図的に複数の資料を提示することで,子どもたちは自分の考えの根拠を複数の資料に求めて考えていた。ワークシートやノートの記述には,資料と資料とを関連付けて考えを深めている姿が多く見られた。

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「教育実践」
児童が考えを出し合い、社会的な考え方を深めていく姿の具現化
長岡市立宮内小学校
関原 鉄樹

 学習指導要領では、言語活動の充実が求められている。社会科においても社会的事象に対して思考・表現することが求められている。授業中は、学習課題について意見を出し合い、話し合う活動を通して、社会的事象に対する考え方を深めることをねらう。そのために、学習課題について児童が考えたことを板書上に整理することで、授業中の学級の考えを可視化する。また、グループでの話し合いの中身についてもホワイトボードを用いて可視化する。その板書を見ながら授業の終末で学習のまとめを書かせることによって、社会的な考え方を深めていくことができると考えた。
 社会的な考え方を深めていく姿を具現化するためには、授業中に児童が考えたことを板書やそのほかのツールを利用して可視化したものを基にして自分の考えを書き表すことであると考え、以下の2つを方策として取り組んだ。
@ 構造的な板書の作成
 児童から出される考えを板書するとき、1時間の学習内容を構造的に整理できるように心がけたい。本時のねらいに沿って、「何を明らかにしていく1時間なのか」それぞれの考えが、どのように関連していくのかが見える板書にしていく。
A グループ学習でのホワイトボードの利用
 話し合い活動を組織するときに、グループ内で考えを出し合っていく。その時に、考えたことをホワイトボードに書き残すことによって、グループ内の考えを可視化する。それを板書の一部にすることによって、1時間の中で自分たちが考えたことの意味をとらえなおせるようにする。
 実践を終えて、以下の2点が成果として挙げられる。
@本時の学習課題に対しての子どもたちの考えを意味付けしながら板書内に配置していくことで、学習課題に関連した複数の事実に目を向けることができるようになったと考える。学習前では、一つの事実にのみ着目していた記述が、学習後の振り返りでは複数の事柄に目を向けている記述になってきた。
Aグループによる話し合い活動でホワイトボードを利用することは、児童が互いに出し合った考えを見えるものにするという意味で効果があった。また、話し合いながら意見を変更することが容易にできるので、話し合いを活性化するツールとして有効であると言える。
 成果が見られたものの、考えを深めた姿を具現化するためには、その他の部分にも焦点を当てて取り組まなければいけないと感じている。児童が社会的な考えを深めていくことができるように今後も研修を続けていきたい。

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「教育実践」
因果関係の追究から未来への思考を深め,公民的資質の基礎を育む社会科授業
〜産業単元における指導の在り方について〜
新潟市立木戸小学校
鈴木 貴之

   めまぐるしく変化する今日の時代を生き抜くためには,子どもたちが社会の現状や問題点を正しく把握して,自分がどうすべきかの判断を適切にできる力を身に付け,行動してほしいと願っている。不可欠な力が時代の流れを読み取った根拠ある判断をもとにした主体的に行動しようとする提案力であると考える。その力を高めるためには,現在と過去の事象についての因果関係を追究することで獲得する知識や現状把握をもとに,そこから未来への正しい自己表現をする経験が大切だと考える。
 社会科指導に,過去・現在・未来の3つの場面に分けて取り扱う活動と場面を結び付けるために人々がどのように取り組んできたのかを考えたり,知ったりする活動を取り入れることで,これからの自分がどのように行動しなければいけないのかを提案する場を設定する。そうすることで,これからの社会を主体的に行動しようとする未来への提案力※1(公民的資質の基礎)を身に付けることができると考える。
 以下の2点から実践的な研究を行う。
@過去・現在・未来を結びつけて考えるために,どのような学習課題が目指す提案力を高める上で有効か。
A未来につながる効果的なアイデアを提案する場はどのようなものが有効か。
 研究単元は5学年の農業と漁業とする。どちらも,従事者の努力や工夫が多く見られるものの,現状に課題があり,持続可能な産業を目指している。そのような単元で,子どもが従事者・消費者の立場に立ち,よりよい社会に向けて考えていくことは,未来への提案力を高めるために適切である。
 このように,教室と社会とを結び付けて,社会参加したいという意欲を大切にしていきながら目指す力を高めていく。
※1…10年後を未来とし,これからの社会をどのようにしていくかを思考・判断し,よりよいものを提案する力

<参考文献>
子どもの社会参加と社会科教育〜日本型サービス・ラーニングの構想〜 唐木 清志 著 2008 


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「教育実践」
子どもが自ら問題意識をもち,主体的に課題を設定していく指導の在り方
〜2つの事例を扱う指導を通して〜
新潟市立新通小学校
小黒 健太

 私は,社会科の学習を通して,実社会で起こっていることに関心をもち,将来よりよい社会をつくる一員になろうという思いをもつ子どもを育てたいと考えている。
 そのためには,問題解決的な学習を基に更に授業改善を進める必要があると考えた。つまり,子ども自らが解決していくため問題をもち,課題を追究し,解決した結果をまとめるといった学習過程を大切にしたい。本研究では,学習課題の設定に焦点を当てた実践を発表する。
 子どもに問題をもたせるためには,既習事項や生活経験に起因する子どもの思考とずれが生じる資料を提示する必要がある。しかし,実際には,学習内容につながる社会経験が乏しかったり,個々の差があったりすることが多く,子どもの思考とずれを生じさせる資料を提示することが難しいと感じていた。そこで,社会科の学習で2つの事例を順次扱い,2つの事例の相違点を活かすことで,子どもが問題意識を高め,主体的に学習課題を設定することができるようになると考えた。研究仮説を検証するために,以下の2実践を行った。
 1つ目は,沖縄県と北海道の2つの事例を扱った実践である。沖縄県を事例に,人々が自然環境に適応した暮らしをしていることについて,家の造り,農業,水産業,観光を観点に学習した。本時では,沖縄県について学習したことや生活経験に起因する子どもの思考と,北海道民の暮らしぶりとの間にずれを生じさせることにより,問題意識をもたせ,学習課題の設定につなげていった。
 2つ目は,米作りが盛んな地域と柿づくりが盛んな地域の2つの事例を扱った実践である。南魚沼市を事例に,自然環境や地理的条件を生かして米を生産していることや,生産量を高めるため,日本の農業の問題点を克服するための工夫や努力について学習した。本時では,米作りが盛んな地域の学習に起因する子どもの思考と,柿づくりが盛んな地域の土地の特徴との間にある相違点を活かすことで,子どもが問題意識をもち,学習課題の設定につなげて学習を進めた。

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「教育実践」
事実と事実をつなげて自分の考えをもつ子どもの育成
小千谷市立小千谷小学校
石井 寛二

  学習指導要領では、資料を効果的に活用し、社会的事象の意味などを解釈したり事象の特色や事象間の関連を説明したりするなどの言語活動を重視することが求められている。しかし、これまでの実践を振り返ると、見学して分かったことを発表するだけ、まとめて新聞にするだけの学習で終わってしまうことが多く、調べて分かった事実と事実をつなげて考えを深める子どもを育てられずにいた。その原因として、子どもが事実と事実をつなげて表現できるような教師の指導が不足していると考えた。
 そこで、追求課題設定の場面と単元終末の場面において、以下のような比較・関連付け・総合を取り入れた実践を行った。
@ 追求課題設定場面では、資料から分かることを【比較】できる資料提示と発問をし、事実と事実を【関連付け】ることができる追求課題を設定する。
A 学習のまとめの場面では、これまでの学習を【総合】させて考える発問をする。
 以上の働き掛けを行ったことにより、子どもは学習のまとめの中に事実と事実をつなげて表現することができた。

※本研究では、【比較】とは、資料を相互に比べ、違いや共通点とその理由を考えること。【関連付け】とは、事象の要因を考え、事象と事象のつながり(社会的な事象の多面的な関連の把握)を見付けること。【総合】とは、全体としてまとめてみて言えることとする。


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「教育実践」 
平和実現のために実践的に行動する生徒の育成
〜地域とともに進める平和教育〜
長岡市立南中学校
元井 啓介

 

研究実践の内容

 戦後68年を経て戦争経験者の高齢化が進み、戦災体験者から学ぶ平和教育の充実が求められている。しかし、従来の平和教育では戦争の悲惨な事実を学ぶだけにとどまることが多かった。それだけでなく、平和な社会を実現するための建設的で実践的な態度を育成するために、以下の3点を指導の軸として本実践を行った。

1 意識調査アンケートを年間を通じて行い、生徒の平和に対する意識を把握しながら実践を行う

2 戦災体験者だけでなく、他地域に住む中学生、行政関係者など様々な立場の人々と意見を交流させる場を設定する

3 市民対象の発表を行うことをゴールとして設定し、相手意識のある表現活動を行うことで平和実現への手ごたえを感じさせる

 1は、「現在の日本は平和だと思うか」「人は戦争のない世界を実現できると思うか」など5項目のアンケート(回答数約130)である。「人は戦争のない世界を実現できると思うか」という項目では、学習前には「はい」と答えた生徒は54%と約半数であったが、実践終了時点では80%となった。

 2は、戦災経験者からの講話を2回行った。また戦災経験者との小グループでの座談会、修学旅行先の広島在住中学生との交流会、ハワイ在住中学生との交流会、行政関係者との意見交換会などを行った。

 3では、発表会終了後、参加者対象のアンケート(回答数423)「平和実現への希望が見えたか」において肯定的な評価が96%となった。アンケート結果を生徒自身に示すことで自分たちの活動の意義と手ごたえを感じさせることができた。

 実践を通じ、地域で行われる平和に関連するイベントに生徒が積極的に参加する姿が見られた。戦争や平和について生徒自らが考え、主体的に行動しようとする態度を育成する上で、有効な実践であったと考えられる。


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「教育実践」 
子どもが問いをもち,考えを深め合う授業
三条市立栄中学校
関 拓也

 本研究内容は,平成24年度に行った中学3年生社会科実践を基にしている。また,これまで既に幾つかの社会科の研究会等で発表している内容も含むものである。
 本研究テーマは,社会科教育において普遍的な価値をもっており,このテーマに迫るために,私は次の2点を大切にしたいと考えた。1つ目は「問題解決の過程を通して,追求の柱となる『問い』を創り出すこと」。2つ目は「子どもが考えを深め合う手だてを,仕掛けること」である。これらの方策を支えるものは,「単元づくり」であり、単元構成こそ、研究テーマの命と考えている。
 これらを踏まえ,以下の3点の手だてを意識した授業実践を2つ試みた。
(2012年実践 公民「現代社会単元」と公民「経済単元」)
@生徒の日常にある社会的事象を切り口として,内在する問題の意識化を図る
A立場の異なる者同士の意見交流の場面を設定する
B小集団での意見を学級全体で共有し,再び個へと返す学びの流れを設定する
 検証の方法として,学級集団の特徴を示す代表的な生徒(抽出生)を2,3名設定した。他とのかかわりの中で意見を深める(変容させる,広げる等)ことができたかどうか,生徒達の記述内容や学級全体の数値の変化など授業記録から検証した。ただ,新たな課題もいくつか生まれた。生徒が問題解決的な学習を通して得られる「達成感・楽しさ」と「学習内容の理解・定着」との関連性であり、この関連性が時間軸の中でどのように子どもたちの変容に影響を与えて行くか、日々の授業の中で,さらに追求していきたいと考えている。

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「教育実践」 
地図を有効に活用して、地域的特色を明らかにする生徒の育成
〜思考力・判断力・表現力を育成する一つの活動として〜
長岡市立江陽中学校
高橋 信之

 新学習指導要領の社会科改訂のポイントに「思考力・判断力・表現力の育成を重視すること」があげられる。その達成には、社会的事象や問題を「知る」(資料活用の技煤j活動とともに「わかる」(思考力)ことと「社会に生きる」(判断力)ための問題を解決していく活動、そして解決した情報を発信していく(表現力)活動が必要である。

 そこで、「思考力・判断力・表現力」を育む一つの活動として、様々な地図から地理的事象を読み取り、それを比較したり関連付けたりする、すなわち地図を有効に活用することで、世界の諸地域の地域的特色を理解することに重点を置きたい。

 地図は、問題意識のもとに選択された地理情報からなっている。情報間の関連を探ったり(読図)、関係を明らかにしたりするために情報を抽出することが「地図化」(作図)である。地図を有効に活用して、取り上げた具体的な事象をまとめることで、その地域の特色として一般化することもできる。
 さらにそれを仲間に発信したり、学び合い活動を行ったりする活動を充実させて、思考力・判断力・表現力の育成に資する。

【参考文献】
「言語力をつける社会科授業モデル」岩田一彦 米田豊 明治図書 2011

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「教育実践」 
主体的に社会的事象を追求するための地域教育コーディネーターとの連携の工夫
新潟市立漆山小学校
本間 和寛

  社会科では、子どもが社会的事象に関心をもって進んでかかわることが一層求められている。しかし、これまでの私の社会科の授業では、子どもたちは、教師から与えられた課題を考えるだけというパターンが多かった。そのため、自ら進んで課題を見付けたり、その課題を解決しようとしたりして取り組む姿が見られなかった。
 子どもたちが、社会的事象に進んでかかわる姿を求めるには、その興味関心に沿うことが何より必要である。そこで、新潟市が「地域と学校パートナーシップ事業」の一環として配置している「地域教育コーディネーター」(以下、コーディネーターとする)との連携を工夫することで、それが可狽ノなるのではないかと考えた。
 これまで、私の社会科の授業におけるコーディネーターとの連携は、ゲストティーチャーをお願いすることのみに留まっていた。本研究では、連携する場面に、ゲストティーチャーをお願いすることだけでなく、単元告ャの打合わせや、子どもと直接かかわる場をつくるなど、多角的に設定する。
 教師とコーディネーターがかかわる場はこれまでもあったが、コーディネーターと子どもが直接かかわる場面はあまり見掛けない。コーディネーターと子どもが直接かかわる場を設定することで、子どもが社会的事象と主体的にかかわることができるのではないかと考え、重点を置いて実践した。
 実際は、子どもが興味を持って調べている内容や、進捗状況を細かくコーディネーターに伝え、事前に相応しいゲストティーチャーを検討した。その後、子どもが調べてきた内容から、どのような人を呼びたいかコーディネーターに直接伝える時間を取った。
 子どもたちの姿から、疑問を解決するために相応しいゲストティーチャーを自分たちで呼べるという体験を通して、これまでの与えられた課題を考える受け身の姿勢ではなく、進んで調べ学習に取り組む姿につながった。そして、自分が調べてわかったことを事細かく、発浮フための原稿に書き込み、相手に伝えようとする子どもを育てることができた。

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「教育実践」 
児童の意識にずれを生む資料提示及び発問の工夫
新潟市立栄小学校
山口 洋一

  私は,児童が社会的事象について深く考えたり理解したりしていくにあたり,その事象について「深く知りたい・調べたい」という追究意欲を強くもたせる必要があると考える。これが児童が単元を学習していく推進力となり,児童は思考力・判断力を自発的に駆使して学習を進めていくことにより,思考力・判断力を高めていくことができると考えた。
 そこで,追究意欲をもたせるきっかけとして,児童の意識に「自分が当たり前と思っていたことがそうでない,不思議だ」と感じさせる『ずれ』を生むことが有効な手段であると考えた。そしてそれを,児童に強く印象付けるために,『ずれ』を生むための資料の提示方法を工夫することによってさらに効果的なものにすることができ,高い学習意欲のもとに個々の児童の思考力・判断力が駆使された授業・単元が展開できると考えた。そして研究仮説を「学習の導入時に比較資料を効果的に提示すると,児童の意識に『ずれ』を生み,思考力・判断力を高め単元をつらぬく問いをもたせることができる。」として実践を重ね,その有効性を検証してきた。
 その後実践を重ねる中で,以下のような成果を得ることができた。
・教師が資料提示によって児童に問いをもたせたい場面で,教師が考える間を取りながら児童の根拠を資料から導き出させることにより,児童にもたせたい問いを児童自身に自覚させ表出させることができる。
・資料の提示の仕方や読み取り方を工夫することによって,児童の驚きが大きくなったり,児童から主体的に問いを表出させたりすることができる。
・児童に『ずれ』を生みたい場面で,まず児童が既習内容や生活経験をよく振り返る中で,それらと資料の示す事実がおおむね符合していることに納得し意識が安定したところに,それと相反する資料を示し納得を覆すことで,児童に大きな驚きを生み,学習への意欲を効果的に高めることができる。
・指導案作成時に授業が児童の思考の流れに合うように,今の児童の実態をよくとらえ,そこから資料提示・発問などの手だてをどうつなげていけば児童一人一人が問いをもてるかを考えることが大切である。(フローチャートなどの活用が有効)

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「教育実践」 
社会的事象の意味を考え、表現する子どもの育成
〜ICTの有効活用で多様な気付きを生む授業〜
関川村立関川小学校
加藤 僚

  社会科の授業において、これまで以上に児童の思考力・判断力・表現力を高めることが求められている。そこで、2つの手立て「ICTを活用した資料の提示」「資料を比較させることによる考えの焦点化」を取り入れた授業を行う。それにより、児童の思考力・判断力・表現力が高まった姿、すなわち社会科では、社会的事象の意味を考え、表現する子どもの姿につながるだろうと考えた。
 「ICTを活用した資料の提示」では、拡大機能やカラーで鮮明に資料を見られるメリットや自分のタイミングで見たい資料が見られるメリットに注目した。これらを生かした資料を提示することで、児童が資料に注目し、多くの気付きを生むことができると考える。
 「資料を比較させることによる考えの焦点化」では、まず、提示した資料から気付いたことを書き出させる。次に、複数の資料を比較させるための観点を示す。そして、書き出した気付きの中から、必要な情報を取り出させる。これにより、課題に対する自分の考えを焦点化させることができると考える。また、最終的な自分の考え(まとめ)を一人一人に書かせる活動を取り入れる。その際、友達の考えを聞く活動を取り入れ、課題に対する自分の考えを強化したり、追加したりさせる。その後、文型にあてはめてまとめを書かせる。それにより、思考力・判断力を働かせることができると考える。
 2度の実践を通して、6年生の社会科において、タブレット端末や電子黒板で資料を読み取らせ、文型にあてはめて考えをまとめさせることによって、多くの気付きを生み、思考を働かせ、情報を精選して、社会的事象の意味を全体的に捉えるようになるかを検証した。児童の授業プリントの記述からは、資料を見てたくさんの気付きを書く姿、資料を比較する観点に従って必要な情報を取り出す姿が見られた。また、まとめを書く際に、様々な気付きから自分が特に重要だと思う情報を選択し、端的に一文にまとめる姿が見られた。
【参考文献】
「小学校学習指導要領解説 社会編」文部科学省 
「社会科のめざすもの Vol.3」日本文教出版 
「図解社会科授業」安野功 廣嶋憲一郎 相原雄三 東洋館出版社
「小学校社会 板書で見る全単元・全時間の授業の全て」安野功 東洋館出版社
「社会科『言語活動の充実』事例」大谷和明 明治図書
「学事ブックレット 社会セレクト3 話し合いたくなる課題づくり5つのステップ」山邊文洋 学事出版

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「教育実践」 
連続した単元のスパイラル化により、社会的な見方や考え方を育成する
〜3年生 導入期における社会科の実践を通して〜
胎内市立中条小学校
五十嵐 俊一

  中央教育審議会答申(※1)に、「(前略)社会的事象に関心をもって多面的・多角的に考察し、公正に判断する能力と態度を養い、社会的な見方や考え方を成長させることを一層重視する方向で改善を図る」とある。ここでは、社会的な見方や考え方が、基本方針として、第一に挙げられていることに注目したい。この力を、北(※2)は、「社会的事象を比較・関連・統合して見たり、考えたりすること」としている。この力が社会科で求められている「見方・考え方」である。本研究では、この力を獲得させ、他の事象に転移・活用できるようにすることを「社会的な見方や考え方を育成する」としてとらえる。
 この「見方・考え方」を育成するために、実践を重ねてきた。しかし、振り返ってみると、社会科導入期における3年生の社会科の授業では、地域を探検し、絵地図づくりに終始したり、方位や地図記号を暗記させることに偏ったりすることがあった。また、単元終末には、事象を比較したり、関連付けたり、統合したりして考えることができても、それを次の単元の社会的事象への見方・考え方に生かすことができなかった。それは、単元がそれぞれに分断され、社会的な見方や考え方を転移・活用させる場をつくり出すことができなったからである。
 そこで、本研究では、連続した単元をスパイラル化し、その中で、身に付けた社会的な見方や考え方を転移・活用して社会的事象を考察させる単元を構成した。はじめの単元で、学習活動をスパイラル化し、社会的事象を比較・関連・統合させることで、社会的な見方や考え方を獲得させる。そして、次の単元へスパイラル化し、獲得した見方や考え方を転移・活用する場を意図的に設定することで、「社会的な見方や考え方」を育成できると考えた。
 このように社会的な見方や考え方を育成することを意識した単元を構成することで、子どもは、事実の関連に気付いたり、事象の成立要因を見出したりできるようになる。そして、その「見方や考え方」を転移・活用して、事象の意味や意義を解釈したり、事象の特色や事象間の関連を説明したりできるようになると考える。
【参考文献】
※1 中教審答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」 2008
※2 「生きる力を育てる社会科授業」 北俊夫 明治図書 1997
「平成20年版学習指導要領と社会科授業改善の視点」松岡尚敏 2008
「小学校 新学習指導要領の展開 社会科編 平成20年版」北俊夫 片上宗二 明治図書 2008
「社会科授業のユニバーサルデザイン」村田辰明 東洋館出版社 2013

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「教育実践」 
社会的な思考力を伸ばす指導の工夫
〜「事実の意味を考えること」と「伝え合うこと」を軸にした学習活動〜
五泉市立五泉南小学校
番場 裕輔

  新学習指導要領では、「思考力」「判断力」「表現力」の育成が求められている。児童の実態から、思考力を育てる必要性を感じた。「思考力・判断力・表現力をつける社会科授業デザイン」(小原友行著 明治図書)で小原は社会的な思考力を「社会的事象になぜかと問いかけ、事象相互の関係やその意味を考える力」と定義している。そこから、3年生に育てたい社会的な思考力を「問題意識をもって追求し、事実と事実を関連付けてその意味を考える力」とした。
 そこで、「問題意識をもって事実を集め、視点をもたせて事実の意味を考え、事実にもとづいた考えを伝え合う活動を行えば、社会的な思考力を伸ばすことができるだろう。」という仮説を立てて検証した。
 社会的な思考力を伸ばすために以下の方策を行った。
@問題意識をもたせて調べ活動をして、事実を集めさせる。
A問題解決の視点を与え、事実の意味を考えさせる。
B事実にもとづいた考えの伝え合いをさせる。
 本実践では、「見直そう わたしたちの買い物」の単元で、抽出児の追求の様相やワークシートの記述から児童の変容を見取り、仮説を検証した。また、スーパーマーケットとコンビニエンスストアの見学を行ったが、これは、児童に身近な2つの店の見学を行い、それぞれの店の特徴について学び取らせる意図があった。
 実践の結果、以下のことが分かった。
 「@問題意識をもたせて調べ活動をして、事実を集めさせる。」では、問題意識をもち、実際にスーパーマーケットやコンビニエンスストアで見学や聞き取り調査を行ったことで、児童は事実を集め、事実の意味を考え、伝え合う活動に意欲的に取り組むことができた。児童の気付きや疑問がもとになった学習問題を設定することによって、単元を通して意欲的な追求を促すことができたと言える。
 「A問題解決の視点を与え、事実の意味を考えさせる。」では、「店の工夫はそのお客さんにとってどういうよさがあるか。」という視点を与えた。そうすることで、事実と事実を関連付けて、意味を考えようとしていた児童が多かった。単元の中で、スーパーマーケットとコンビニエンスストアに見学に行き、事実の意味を考えさせる活動を2度させたことがよかった。問題解決の視点を与え、事実の意味を考えさせる活動は有効だったと言える。
 「B事実にもとづいた考えの伝え合いをさせる。」では、伝え合いを通して、新たな事実に気付いたり、分からなかったことが分かったりする児童の姿が見られた。グループでの伝え合いを通して見方を広げることができたと言える。男女混合の4人というグループ編成は、多様な考え方が交流された点で有効であったと言える。
 @ABのような方策を行うことにより、抽出児の記述の変容が見られた。この記述から社会的な思考力が伸びたと判断でき、仮説の有効性が検証できた。

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「教育実践」 子どもの考えを比較・関連させ,思考力・判断力を高める板書の工夫
長岡市立越路小学校
籠宅 巧

  子どもが社会的事象と出会い,今までの認識とのずれから,調べたことや経験・知識をもとに自分なりの問いをもつ。そして,自他の考えの類似点や相違点に気付いたりすることで,納得のいかない部分を確かめたいという思いをもつ。今までの自分の見方・考え方を見直したり,問題を解決したりして,学習を深めていき,友達とのかかわりの中で考えることを経て,子どもが広く,深い見方・考え方を獲得していく。これが,私にとって理想とする授業中の子どもの姿である。
 これまでの自分の授業を振り返ると,子どもたち同士に自分の考えをかかわらせ合う手立てが足りないと感じる。授業では,要点を羅列した板書を書いていることが多い。そこで,子どもたちの考えを可視化し,自他の考えの重なりやずれを生む板書にすることで,子どもが考えを深め,新たな見方・考え方を獲得する姿を目指した。
 実践は,『板書で見る全単元・全時間のすべて 6年』(2011年 東洋館出版 安野功編著)にある3つの板書パターンをもとにして行った。3つのパターンとは,「時系列型」,「中心資料提示型」,「対比型」であり,実践を重ねることで,それぞれの板書パターンの特性が見えてきた。
 「時系列型」は,時間の流れを整理して学習を進めることができるため,ある程度まとまった時間や事象を一般化して考えさせる際に有効である。6年生の歴史の授業などでは,この時系列型を用いることが多い。しかし,実践してみると,子どもの考えの重なりやずれを可視化したり,学習問題を生み出したりすることは難しい板書であるとわかった。
 「中心資料提示型」は,一つの教材に対して多面的な見方をすることができるため,子どもの見方や考え方を広げさせる学習に有効である。小学校3年「わたしたちのまちはどんなまち」や「さぐってみよう昔のくらし」の単元で実践を行った。子どもにとっては同じものに対して考えの重なりやずれが見えやすく,授業後には教材に対してより深い考えをもちやすいことがわかった。
 「対比型」は,複数の教材を比較することができるため,それぞれを結び付けて一般化する学習に有効である。小学校6年「身近な暮らしと政治」や小学校3年「私たちの市の様子」の単元で実践を行った。子どもにとっては教材間の共通点や相違点を見つけやすく,また自分の考えがもちやすいので,授業後には教材やその背景になっていることに対してより深い考えをもちやすいことがわかった。
 このように,その授業のめあてに適していると思われる板書パターンで実践を行い,その板書の有効性を子どものノートの記述等から考察する。

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「教育実践」 
思考力・判断力・表現力を高める社会科授業の在り方
〜知識の国「図の活用と問題意識を高める導入の工夫〜
十日町市立千手小学校
尾身 聡志

  思考力・判断力・表現力を高めるためには、次のことが必要であると考える。
@ 問題解決型の学習を行うこと。そして、問題解決型の学習を成立させるための、児童が「解決したい」という問題意識の高まり。
A 1単位時間の中に思考・判断をし、「わかったこと」を表現する(書く、述べる)活動の設定。
B 単元終末の「わかったこと」を明確にし、それを目指して、毎時間の「わかったこと」が積み重なるような単元構成の工夫。
 これまでの教材研究を振り返ると、教材の提示方法やタイミングを考えるばかりで、その教材から何を気付かせたいのかを意識せずに行ってきた。また、教師が学ばせたい気持ちが強くなり、児童の思考の流れを予測することが不十分であった。その結果、授業では児童の多様な反応を引き出せず、強引に課題を提示したり、発言を待たずに教師が教えたりすることが多かった。つまり、教師主導の授業を行い、問題解決型の学習を行ってこなかったのである。そのため、思考力・判断力・表現力を高めることが不十分であった。
 そこで、次のように改善したいと考えた。
@ 学習内容を整理し、教師が「学ばせたいこと」と、児童が「学びたいこと」がずれないようにすること。
A 学習活動が、単元の終末の「わかったこと」に結びついているか確認すること。
B 問題意識が高まる導入にすること。
 以上のことから、「知識の構造図」を活用し、学習内容、教材・資料、単元で目指す児童の姿などを明確にしながら単元構成を行う。そして、単元構成のもと、教材や資料を意図的に提示するなどし、児童の問題意識を高める導入を行う。このようにして問題解決型の学習を繰り返し行うことで、児童の思考力・判断力・表現力を高めていきたい。
【参考文献】
「社会科学力をつくる“知識の構造図”―“何が本質か”が見えてくる教材研究のヒントー」北俊夫 明治図書 2011

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「教育実践」 
歴史的事象の実感的な理解を目指して
〜地域教材を活用した歴史的事象の多面的理解〜
南魚沼市立上関小学校
冨沢 一紀

 1 実践の概要
 6年生社会科「15年続いた戦争と平和を目指した日本の再出発」という単元で、地域教材を活用した授業実践を行った。児童が地域から歴史を考えることができるように単元を再構成した。単元構成は以下のとおりである。
 1次 忠魂碑で知る15年戦争 
 2次 アジア諸国と日本〜戦争の広がり〜
 3次 上関地区と15年戦争
 4次 空襲の恐怖と疎開
 5次 日本の敗戦
 6次 日本の再出発と上関の教育・暮らし
 6次では上関小学校校歌を活用した。今も歌われるこの校歌は、終戦後2番が歌われなくなっており、当時の平和を目指した国民生活をよく表している。また、自分の通う学校の校歌という点で児童の興味を大いに引き、戦争から平和へと転換する時代について学習を進める上での核となった。
2 単元を貫く地域教材の活用
 大単元(「戦争から平和へ」)を貫く地域資料を準備できたことが、児童の学びを支えたと考える。また、前単元(「2つの戦争と日本・アジア」)から引き続いて、地域に残る戦争の跡と当時の世界情勢や歴史事象を関連付けて学習していったことで、児童は学習活動に深く入り込むことができた。
 「実際にあったこと」「自分たちの地域も関わっていること」として歴史事象をとらえ、これからの平和な社会の主体であるという気持ちをもたせるように単元を構成した。これにより、中央史的な事象を児童の身近に引き寄せることで、表面的で浅い理解からより深い歴史理解へと児童の学びの質を変容させることができた。
3 児童の思考の流れを追う授業構成
 単元における児童の思考の流れを明確にするために、毎回前時の児童のふり返りから授業を始めた。ここでは、ふり返りシートを活用したり前時の板書を撮影して配布したりすることで思考の共有を行った。提示する資料も児童の思考に合わせて少しずつ提示方法を変えたり提示のタイミングを計ったりした。単元における児童の思考の流れを掲示物を用いて視覚化した。
4 成果と課題
 これらの手立てにより、児童の実態は次のように変化した。単元が始まる前は、戦争単元ということで「(日本が)勝ったか負けたか」に興味をもって感想を書く児童がほとんどであった。これは、前単元で主眼とした「欧米列強と比肩する国家へ変貌しようとする日本の歩み」に影響を受けていたと思われる。
 それに対して本単元では、「戦時中の子どもたちの生活」や「平和な社会を目指す日本」を主眼として地域教材や外部講師を準備した。児童は「戦争中の生活の大変さ」「平和の尊さ」に気付き、平和を目指すことの大切さを作文に表すことができた。
 本単元のねらいは、歴史的事象を児童が実感として理解することであった。その手立てとして、地域教材を活用し、歴史的事象を児童の身近に引き寄せることに取り組んだ。地域の教材から考え、戦争をより身近なものとしてとらえ、人ごとでなく自分自身のこととして平和な社会の構築を目指そうと児童一人一人が思い、考えることができたことは大きな成果であった。
 また、本単元では、学習形態を従来の黒板前に集まる形態で行い、自由に話しやすい雰囲気作りを行った。これにより、児童の関わりが活発になった。1人の児童の考えを全員で広げたり深めたりしながら学習が進んでいった。友達と関わることで思考が深まったり多面的な視点を得ることができたりし、戦争や平和について自分の考えをもつことができた。
 また、児童が自分の考えをもつための手立てとしては、外部講師との連携が挙げられる。本単元では、戦時中に上関地区で少年時代を過ごした方を2人招いた。これもまた児童に多面的な視点から戦争について考えさせるためであった。事前に十分な打ち合わせ(1人に月2回以上)を行って授業に臨んだ。戦時中の年齢が違う2人の外部講師から戦争への思いを聞くことで、児童は戦争の色々な面を受け取ることができた。
 課題としては、毎回の授業の中で児童に自分の考えを丁寧に整理させる時間を取ることができなかったことが挙げられる。振り返りや疑問に思ったことなどは書きためて次時に生かすようにしていたが、自分の心と向き合わせる時間を十分に取ることができなかった。戦争単元であるので、心の面も耕していくよい機会ととらえていた。結果として、国語との合科で時数を確保した形となったのだが、両教科ともに時数を圧迫してしまった。単元に入る前の見通しが甘かったと反省している。これは、予め国語との合科として単元を構成することで解決できるであろう。
5 地域教材一覧
・地域に残る忠魂碑(1次)
・学校沿革誌(2次)
・外部講師1:満蒙開拓青少年義勇軍と上関小学校(3次)
・外部講師2:上関地区での空襲、長岡空襲映像資料(4次)
・外部講師2:戦後の上関での暮らし、当時の新潟日報、上関小学校校歌、終戦後の通知表実物(6次)

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資料の読み取りをとおして考えをもち、思考力・判断力を高める社会科の授業づくり  
〜資料の「射程範囲」と「役割」を意識した資料選定・資料提示の工夫〜
新潟市立東曽野木小学校
石塚 智久

 社会科における思考力・判断力の高まりは、把握させたい社会的事象の部分である資料の読み取りから始まる。それゆえどのような資料をどのような形で子どもに与えるかという資料選定と資料提示の手立てが、思考力・判断力育成の鍵となる。その手立てを考える際に、資料の「射程範囲」と「役割」という二つの視点をもつことが有効である。
「射程範囲」とは資料がもつ情報の意味合いや限界性であり、主に資料選定の視点である。ねらいや実態から考えて、「射程範囲」が適切かを吟味することで、読み取りを深める資料選定につながる。また、「役割」とは主に資料提示の視点である。ねらいに則して「興味を喚起する資料」「気付きを促す資料」「考えを裏付け、深める資料」という「役割」を明確にし、意図的・計画的に提示する。思考の高まりを促す単元や本時の構想につながる。
複数年に渡る同一単元の修正実践とその比較から、「射程範囲」と「役割」を意識した資料選定と資料提示がいかに思考力・判断力の高まりに作用するかを検証した。修正実践後の子どものノートからは、資料を比較したり関係付けたりして考えを深め、社会的事象を正しく把握している記述が見られた。

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