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研究会

「教育実践」
子どもの学びをつなぐ保幼小連携の在り方
~「学びに向かう力」を育む低学年期の指導とは~
新潟市立新津第一小学校
近藤 和徳

  昨今、学校間の連携・接続の重要性が叫ばれている。保幼小の連携・接続では、幼児期の教育と小学校教育との内容的・方法的な違いにより、厳然とした段差が存在する。その段差を児童にとって無理のないスムーズな連携・接続にすることが課題である。
 そこで中教審教育課程企画特別部会の「論点整理」に示された「学びに向かう力」(「意欲」、「自己調整力」、「協調性」などの非認知的能力のことを言う)の育みを核とした実践に取り組み、保幼小連携の課題解決に迫った。
1 個を受け止め、個と個とをつなぐ支援的姿勢
 児童は、幼稚園や保育園での遊びを通して、「学びに向かう力」を育んできた。しかし、小学校に入学し、新たな環境や人間関係の中では、その力を十分に発揮することが難しい。これは、私が7年間幼稚園に勤務し、園児の実態を知った上での実感である。そこで、まず教師は、児童一人一人との信頼関係をベースにした安心感の醸成を図った。また、休み時間に起きたいざこざは、「自己調整力」を育むチャンスと捉え、一人一人の話を聞きながら、お互いの思いを受け止め、思いをつないだ。さらに、困っている児童がいれば、「協調性」を育む場と捉え、全員で自分のこととして考える、話合いの場を設けた。
2 「やってみたい」「もっとやりたい」という児童の思いを育てる授業
 入学したばかりの児童は、どの教科であれ、「やってみたい」「楽しそう」と意欲的に取り組む。しかし、教師主導の一方的に教える授業だけだと、その意欲は低下していくことがある。そこで、生活科の「わたしのあさがお」では、五感を使って観察することや比較して考えることを教師が前もって教えるのではなく、それらの視点で観察していた児童のつぶやきや記録をピックアップし、何がすごいのか考えさせる場を設定した。さらに、他の児童がそれらの視点に気付き、発見したことを認め、「意欲」の向上を図った。
 私の保幼小連携の取組は道半ばである。「学びに向かう力」で幼保小の学びをつなぎ、さらなる育みを保障するスタートカリキュラムの作成を目指し、今後も研究していく。

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「教育実践」
アクティブ・ラーニング型の社会科をめざして
~生活経験を利用した授業の実践~
弥彦村立弥彦中学校
井上 北斗

  教員は、生徒が幸せに生きていけるように、適切なキャリア発達を支援する必要がある。しかしながら、各種の国際的な調査や研究が指摘するのは、現在の学校教育がキャリア発達と必ずしも結び付いていないという実態である。
 適切なキャリア発達に欠かせない基礎的・汎用的能力を育てるためには、知識伝達型の授業よりも、生徒の生活経験が生かされた授業が効果的である。これは、各種の学習意欲モデルによって、生活経験が学習者の関心や意欲を高めることが分かっているためである。
 そこで、本研究では、「生活経験を利用したアクティブ・ラーニング型の授業を実施するならば、生徒の関心や意欲は高まるだろう」という仮説を立てた。この仮説に基づき、生徒の関心や意欲を喚起・増進させることによって、能動的な学習を発生させ、基礎的・汎用的能力の育成を図ることとした。
 研究内容としては、「知識伝達型(ワンウェイ)の授業と、アクティブ・ラーニング型の授業」「アクティブ・ラーニング型の授業と、生活経験が生かされたアクティブ・ラーニング型の授業」を、「基礎的・汎用的能力の育成に寄与するかどうか」という視点に基づいて比較した。
 実践例としては、対立する3つの部活動の主張をもとに、学校のグラウンドの割り振りを考えさせる活動や、身近な年中行事を宗教という観点から分類し、その結果から日本人の宗教観に迫る活動などを行った。そして、それぞれの活動を、リフレクション・カードを通して生徒に評価させ、どのようなタイプの授業が基礎的・汎用的能力の育成に効果があるのかを検証した。
 全体を通して、アクティブ・ラーニング型の授業をどのように展開するか、生活経験をどのように生かすべきか、その効果はどのようなところにあるのか等を研究した。

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「教育実践」
ふるさと加茂に関わって学び、地域への愛情と将来の夢を育むふるさと学習
加茂市立加茂小学校
笠原 崇

  新潟県の学校教育の重点事項6「郷土愛を軸としたキャリア教育の推進」の柱の1つに「全校でキャリア教育を推進する体制づくり」がある。その内容の中に「児童生徒一人一人の夢の創造と実現に向けた取組の推進」が挙げられている。ふるさとへの愛着や誇りを育む教育活動の充実に加え、これからは児童生徒の夢の創造と実現を支援する取組が求められている。
 次の2点から、その取組の推進を試みた。
1 ふるさと加茂の人の生き方に学ぶ場の設定
 生活科や総合的な学習で加茂にかかわって学ぶ内容を、ふるさと学習として編成した。全学年のふるさと学習の中で、加茂の人の生き方に触れる場を意図的に設定した。それにより、児童が自分自身の生き方を見つめ直すことができるようにした。
2 キャリアプランニング能力を育むキャリアカウンセリングの実施
 全校児童に自分の将来の夢について作文を書かせた。家の人等に働くことについてインタビューする活動も実施した。これら2つの活動に加え、児童に5年後・10年後の自分の姿を考えさせるキャリアカウンセリングを実施した。将来の夢に向かってどのように進むか具体的にイメージさせることで、児童のキャリアプランニング能力の育成を図った。
 夢の実現に向けて児童が自分の生き方を考えられるキャリア教育、児童と地域の双方に有益なキャリア教育を今後も研究していく。

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「教育実践」
なわ跳びの技能を向上させる授業に関する研究
~効果的なBGMのある場を取り入れた実践~
新潟市立巻北小学校
小林 優介

  短なわで二重跳びを行うには120回/分の速さで前回し跳びをする必要があると言われている。できる技を増やすためは前回し跳びの技能向上が必要である。
 これまでのなわ跳び指導では、児童一人一人の跳ぶ様子を見て、体の一部(手首、膝、足など)のよりよい使い方をアドバイスすることが多かった。個別指導中心で、学級全体に対する働き掛けが十分ではなかった。また、できる技を増やすことだけを意識するあまり、技の紹介や学習カードを活用した個人練習に注力し、跳び方の精度を高める指導をしてこなかった。
 三宅一郎は「BGMが運動技能獲得時に及ぼす影響~縄跳び運動において~」(2002)の中で保育所の5歳児を対象に、「運動速度に適していると思われるBGMを有効に活用しながら練習を実施することによって、より効果的な技能の獲得が可能になる」と述べている。
 そこで、小学校低学年でBGMを活用した学習を進めた。その際、適切なテンポの選択が指導上重要なポイントと言える。本実践では、4カ所に異なるテンポ(80回/分、100回/分、120回/分、140回/分)のBGMが流れる場を設定した。
 どのテンポのBGMにも合わせて跳べるようになった児童は単元前と単元後の前回し跳びを比べると、跳んだ回数が増えた。その要因として、手首の回旋範囲が狭くなったり、ジャンプの高さが低くなったりしたことが考えられる。異なるテンポのBGMを授業に取り入れることで個別に指導しなくても、効率的ななわ跳びのフォームが身に付き、前回し跳びの技能を向上させることができた。
 今回の実践では、前回し跳びの技能について効果を検証したが、BGMを使うことで短なわでの他の効果についても追究していきたい。さらに、他の運動でBGMを活用した場面を設け、その効果を検証していく。

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「教育実践」
確かな技能の向上と思考を促す授業づくり
~1年生 マットを使った運動遊びを通して~
新潟市立越前小学校
我妻 善和

  小学校学習指導要領解説体育編より、「積極的に運動する子どもとそうでない子どもの二極化」が改善すべき事項としてあげられている。子どもたちが、体育授業においてどのようにすれば意欲的に運動に取り組み、そして、技術の向上につながるかが課題であると考える。そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 ストーリー性を盛り込んだ授業構成
 子どもの意欲向上につなげるため、マットランドの大冒険というストーリーを作り、マットランドを制覇していくという内容で授業を進めた。各ランドは設定された運動をすることでポイントを得ていくという内容にする。高いポイントを得るために、児童相互でアドバイスをして、動きのポイントを探っていく場を設定した。
 動きのポイントを探る際は、全体でポイントを共有しながら自分の言葉でまとめさせ、動きの宝箱にして掲示をしていった。
 自分たちの動きを高め、マットランドを制覇していくおもしろさを設定し児童の意欲の向上を図った。
2 個人に合っためあての設定
 毎時間、「でわかカード」を書かせ、「できたこと」「わかったこと」「かんそう」を記録させる。その中から、次時のめあてを決めさせる。自分にあっためあてを設定することは、意欲の向上につながり、できた時の喜びにつながると考える。
 また、「でわかカード」を記録する時に、自分の動きを言葉で表現させる。言葉にすることで、イメージをもたせ、目指している動きをさらに明確にできると考える。
 自分の動きを振り返り、また足りない部分をグループでアドバイスさせることで技術向上を図った。
 低学年から、「運動は楽しい」と思わせることが大切だと考える。そのために、楽しみながら運動能力が向上できる体育授業を今後も研究していく。

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「教育実践」
跳び箱運動「かかえ込み跳び」の学習における「うさぎ跳び」の有効性について
新潟市立鎧郷小学校
神子島 強

  高橋ら(2013)による器械運動に関する調査結果(24小学校の中学年・高学年1884名と、8中学校の1928中学生を対象)⁽¹⁾によると、開脚跳びと台上前転が70%の平均達成率であるのに対して、かかえ込み跳びの平均達成率は跳び箱横置きで60%、縦置きでは47%と報告されている。かかえ込み跳びの練習として「うさぎ跳び」が挙げられ、様々な文献で有効性が指摘されている。しかしながら、うさぎ跳びの動きの習熟度が、かかえ込み跳びの習得にどのように影響しているのかは明らかにされていない。本研究では、「うさぎ跳びの動きの質を高め、応用していくことで、かかえ込み跳びの技能が高まるであろう」という仮説のもとに、目指すうさぎ跳びの姿に近づけるための学習ステップ(ステップ1~3)と、うさぎ跳びをかかえ込み跳びに応用させるための学習ステップ(ステップ4~7)を用いた授業実践を行い、検証した。
 全7時間の授業実践におけるかかえ込み跳びの達成率は、横置き(3段50cm)で93%(27名)、縦置き(4段60cm)で62%(18名)であった。ステップ2にとどまった児童は4名、ステップ3にとどまった児童は2名であった。この6名以外の児童は、ステップ7までを滞りなく達成し、体の投げ出しと手の突き放しが大きいうさぎ跳びに近づいた。また、児童の内観記録からも、ステップ2~5でうさぎ跳びの動きのコツをつかんだことが、その後のステップやかかえ込み跳びにつながったことが確認された。なお、第4時終了時点で学習ステップの中途にとどまった児童6名については、第5時から跳び箱の横跳び越しからの学習方法に変更して指導を行い、第6時で1名、第7時で3名が横置きでのかかえ込み跳びを達成した。
 これらの結果より、本研究で考案した学習ステップに基づく授業実践は、うさぎ跳びの動きの質を高め、かかえ込み跳びの技能向上につながるものであったと言える。授業でかかえ込み跳びを達成できなかった2名の児童の学習過程を検討し、学習ステップを充実させることが今後の課題である。
【文献】
(1)高橋健夫(2010)「体育科のナショナルスタンダード策定の試みとその妥当性の検証,科学研究費基盤研究A研究成果報告書」,pp.199-243

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「教育実践」
投力の向上及びネット型ゲームへの発展を想定した新教材の有効性
~小学校1年生ゲーム領域におけるボールゲームの実践を通して~
新潟市立新潟小学校
髙橋 正志

  子どもたちの運動能力の低下が言われるようになって久しい。特に投力は、低下及び個人差が著しい。そのため、高学年で行われるドッジボールやベースボール型ゲーム等の授業で「ボールを持っても投げようとしない児童の姿」が、よく見られることにつながると考える。また、ゲーム領域の系統的な学びを考えたとき、中学年のネット型ゲームへ発展するような低学年での教材がないという問題点がある。その結果、高学年で行われるソフトバレーボールの授業で「棒立ちでボールを見送る児童の姿」が、よく見られることにつながると考える。
 上記の2つの課題の解決を目指し、本実践では、主に次の3つの指導の手だてを講じた。
1 教具の工夫
 ボールの代わりに、ビニール袋に緩衝剤を入れた物(マシュマロボールと児童が命名)を使用した。通常のボールよりも落下速度が落ち、捕球するための落下地点への移動が容易となる。また、180cmのネットを越えて、ねらった所へマシュマロボールを落とすためには、肘を高く上げた状態から振り下ろして投げる必要性が生じた。
2 簡易化した規則の提示
 チーム戦であるが、コート内で1対1となる規則を提示した。相手が投げ込んだマシュマロボールを捕球し、相手コートへマシュマロボールを投げたらコート外で待つ同チームの人と交代する。これにより、全員に「投げる」「キャッチする」機会を保証した。
3 「動きのコツ」の共有化
 単元を通して、「投げるコツ」を問い、思考する場面を設定した。さらに児童の見付けたコツを全員で試した。投力の技能の向上と共に、単元の途中から、「キャッチするコツは何か。」を問い、思考する場面を設定した。「投げるコツ」と同様に「キャッチするコツ」を全員で試した。
 本実践の結果、投力の向上及びボールの落下点へ移動する動きの習得に、一定の成果が見られた。今後も、投力の向上とネット型ゲームへの発展を想定した新教材の開発を研究していく。

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「教育実践」
低学年の器械・器具をつかっての運動遊びにおける思考を伴う感覚づくりの工夫
~オノマトペと運動の組み合わせを手だてとした鉄棒を使った運動遊び~
新潟市立東山の下小学校
近藤 拓自

  器械運動領域においては、非日常的な運動で構成されているため、主運動につながる易しい感覚づくりの運動を行い、技を行う前段階としての基礎的な感覚づくりを意図的に取り入れていく必要がある。これまでの実践では、教師が様々な感覚づくりの運動を設定し、ゲーム化・得点化することで、子どもたちは楽しみながら運動に取り組み、その後の器械運動の技の習得に必要とされる多くの感覚を身に付けていくことができた。
 しかし、これまでの私の授業では、子どもたちが遊びの中で楽しみながら感覚を身に付けていくことを重点として捉えていたため、教師主導で運動を行わせることが多く、体育における思考する力を育てることに対しては意識が薄かったように思われる。そこで、低学年の「鉄棒を使った運動遊び」の授業において、思考する力を高める実践ができないかと考えた。
 本研究では、低学年の器械運動領域における思考を「自分の体の動かし方に目を向け、そのときの状態を簡単な言葉で表現できること」「自分の力に合った運動を選択し、遊び方を工夫すること」とし、それらを高める2つの手だてを考えた。
1 自分の動きをオノマトペ化する「まほうのことば」
 低学年のうちから思考をはたらかせながらよい動きを追究していくことができるように、自分の動き方の感じを「オノマトペ」で表現していく活動を取り入れていく。自分の課題となる運動のオノマトペを考えることで、体で感じた自分なりの運動のコツ(タイミング、力の入れ具合、体の動き)に目を向け、思考していく姿が見られると考えられる。
2 感覚づくりの運動を組み合わせて行う「変身鉄棒」
 感覚づくりの運動の組み合わせを考え、様々な動物に変身していく動きを発表する活動を組む。自分の力に合わせて動きを選択し、試しながら順序を考えることにより、感覚づくりの運動遊びを工夫しながら取り組み、思考する力を高めることができないかと考えた。
 これらの手だてにより、低学年の器械・器具を使った運動遊びにおいて、思考を伴った運動をする姿が見られた。

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「教育実践」
体育「表現」を苦手にしている児童が、自信をもって表現することができる指導
~「アイディアボード」と三つの「間」の活用を通して~
新潟市立葛塚小学校
本間 伸吾

  表現は、数値的な「できた・できない」の優劣がないため、運動が得意な児童もそうでない児童も自信をもって自己表現したり、活発にかかわり合ったりして取り組める魅力的な領域であると私は思っている。しかし、これまでの私の指導では、どう動けばよいか分からずに動けなくなり、表現を「苦手」と感じる児童が少なからずいた。その原因は「自分の動きが明確になっていない」「どう動けばよいかを思考する力が足りない」の2点であると分析した。そこで、本研究では、自分の動きを明確にさせるための「アイディアボード」と、よい動きについて思考を促すための3つの「間」の2点の手だてを取り入れて指導した。
1 「アイディアボード」について
 「アイディアボード」とは、ホワイトボードを活用して、自分たちが考えた表現の動きを記す教具である。「走る」「跳ぶ」などの基本的な表現の動きはあらかじめマグネット板にしておく。その他の動きは直接書くようにする。「アイディアボード」で動き方を考えたり動く順番を検討したりすることで、自分の動きを明確にすることができる。
2 3つの「間」
 3つの「間」とは、「空間」「時間」「仲間」のことである。これらを「低く⇔高く」「速く⇔遅く」「一人の動き⇔相手に合わせた動き」などと対比した変化のある動きとして意識させる。動きを工夫する時の視点を与えることで、「どう動いたらよいか」という思考を促す手だてとなる。その結果、三つの「間」を意識して動くことで、児童一人一人の動きが広がると考える。
 これら2点の手だてを取り入れて指導した結果、以下の点が明らかになった。
 「アイディアボード」を活用することで、動きの材料が増え、動きが明確になり、児童が自信をもって表現する上で有効であった。但し、3つの場面をつなげて発表の場面にする活動では、「アイディアボード」の活用に工夫が必要であった。
 3つの「間」を意識させることが、よい動きについて思考を促し、自分の動きを広げることにつながった。動きが広がった児童は、自信をもって表現できるようになった。

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「教育実践」
「思考力」を向上させるための水泳授業に関する研究
~技能差のあるバディシステムによる「学び合い」を取り入れた実践~
佐渡市立金井小学校
三本 雄樹

  2013年、国立教育政策研究所より、思考力を中核に位置付けた21世紀型能力が示された。
 関西体育授業研究会(2015)は、「学校での体育授業ならではのよさは、仲間とともに学び合い、高め合えること・・・他の領域と違って、水泳学習では、技能差が大きいです。しかし、そのことにより学び合う活動が可能になります。」と述べている。
 そこで、本研究では、技能差のあるバディシステムによる「学び合い」を取り入れた水泳授業を実施した。これにより、「21世紀型能力に示されている思考力」を向上させることができるようになると考えたからである。
 具体的な手だては以下の3点である。
1 技能差のあるバディシステムによる「学び合い」
 5年時の児童の泳力を参考に、クロールで25m以上泳げた児童とクロールで25m泳げなかった児童とに分け、技能差のある男女別のバディシステム(2人1組)を編成した。
2 「学び合い」を可能にする「ゆったり泳ぐ」泳ぎのイメージの共有
 まずは「ゆったり泳ぐ」泳ぎと「速く泳ぐ」泳ぎの2つのイメージで授業者が泳いで見せた。その後、「ゆったり泳ぐ」泳ぎのイメージを児童に言語化させた。そして、児童が言語化したイメージや手と足をゆっくり動かすことを単元を通して意識させた。
3 「学び合い」を活性化させる「水泳攻略カード」の活用
 それぞれの「水泳攻略カード」に「レベル(難易度)」を付け、段階的に泳力が向上するようにした。また、「運動のポイント」や「こんなふうになっていませんか?(運動を見る際の視点)」を付け、これを基に学び合いながら泳ぎを評価することができるようにした。
 今後も体育授業に「学び合い」を取り入れ、「21世紀型能力に示されている思考力」の向上を目指して研究を進めていく。

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「教育実践」
場の工夫で生徒のつまずきを克服するマット運動の授業
~できる・できない二極化の解消を目指して~
五泉市立山王中学校
小野 祥寛

  文部科学省から「子どもの体力向上」が示され、その中でも運動習慣の二極化が問題視されている。養成研修や一校一取組などの成果で数値上は体力低下に若干の歯止めはかかっているが、運動への意欲的な参加についての二極化はますます進んでいる。
 技ができる生徒は意欲的に授業に参加し、技ができない生徒は授業に消極的という二極化が顕著に表れやすい器械運動の単元において、技ができる喜びを感じさせることで運動好きの生徒を一人でも多く増やすことが課題である。
 そのための手だてとして以下の点から解決に迫った。
1 恐怖心を緩和させる場の工夫
 マット運動において「痛い」「怖い」という精神的なつまずきから消極的になる生徒が多い。そこで、生徒の精神的なつまずきを緩和するための場の工夫と段階的な指導、評価方法を取り入れた。
2 技のつまずきを修正するための場の工夫
 初期段階での技のつまずきがその後の活動に大きく影響する。「後転」「開脚前転」「倒立」の基本技でのつまずきの原因をいくつか捉え、考察することでそのつまずき合わせた場の工夫を行い、課題解決を図った。
 児童・生徒の運動離れは本単元に限らず、どの種目においても喫緊の課題である。どの種目についても、生徒のつまずきの原因を捉え、適切な場の工夫を取り入れ運動好きの生徒を一人でも多く育てていきたい。

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「教育実践」
投力を高める指導の工夫
~ハンドボールの実践を通して~
五泉市立巣本小学校
山田 雄一

  小学校学習指導要領解説体育編には、ゴール型のゲームとして「ハンドボール」が例示されている。児童の投力が向上するよう、以下の手だてで実践を行った。
1 「投球フォーム診断書」により、自分のフォームの改善点を考えさせる
 「投球フォーム診断書」で、手本となる投球フォームと自分の投球フォームの連続写真を比較し、気付いたことを記述させることで自分のフォームの改善点を考えさせる。
2 シュート・パスの個人技能を向上させるためのドリルゲームを行う
 「壁ドンシュート」(壁に向かってシュート。跳ね返ったボールを次の子がキャッチ。すぐにシュート。次の子がキャッチ…と繰り返す。)と、「ランランパス」(2~3人で走りながらパスをまわす。パスの回数やタイムを制限し、シュートに至るまでにクリアすべきミッションを設ける。)の2つのドリルゲームを繰り返し行う。
3 タスクゲームで有効なパス回しや動きを考えさせる
 ディフェンスの動ける範囲に制限をつける「突破ハンドボール」を行う。オフェンス側に数的優位が生まれる3対2の状況でゲームを行い、ディフェンスを突破しシュートに結びつけるための動きを思考させることで、動きの質を高めさせる。次第にディフェンスが動ける範囲の制限をなくすなど、児童の上達に合わせ変化させていく。
4 全員のシュートチャンスを増やすためのルールの工夫
①3対3でゲームを行う。キーパーは設置しない。ドリブルはなくし、パスでつなぐ。
②ゴールに入るか、ぶら下げたボードに当たるかすれば1点、ボードを落とせたら2点。
③最終得点は、(合計得点)×(シュートを決めた人数)で算出する。
 これらの手だてを通し、本実践では次のような成果があった。
1 ゴール型に苦手意識をもっていた児童も、単元終盤には積極的にパスをしたり、 シュートを決めたりすることができた。
2 76.2%の児童のソフトボール投げの記録が向上(+1~14m)した。
 特に実践前にソフトボール投げの記録が新潟県平均値以下だった児童の伸びの平均値は+3.7mと、投げ方が分からなかったり、投げる経験が少なかったりした児童への効果が大きかった。一方で、記録が伸び悩んだ児童もいた。さらに研究を進めることで、こうした児童の記録の向上を目指していきたい。

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「教育実践」
児童に「できた」を実感させる体育科学習指導
~ボールを持たない時の動きに着目した第4学年「ハンドボール」の実践~
長岡市立大島小学校
猪爪 正樹

  ゴール型ゲームは、攻守が入り交じって、ボールを手や足で操作したり、空いている場所に素早く動いたりして行うゲームである。特に手でボールを操作するゲームでは、投げる・捕るといった基本的なボール操作の技能が必要である。また、攻守が入り交じることから、仲間や相手の動きに合わせてボールを投げたり、スペースへ動いたりするための状況を判断する力が必要になる。この2つの力を同時に発揮しながら行うゲームは、児童にとって難しい。しかし、ゴールにシュートするためには、ボールをつないでシュートを打ちやすい場所へ運ばなければならないことから、やはり児童にとって状況を判断してパスをつなぐためにどう動くかが重要である。この点を本研究で最重要課題とした。
 この課題を解決するために、評価方法を工夫した。その評価方法の工夫とは、「コウケンプレー」の設定である。コウケンプレーとは以下の通りである。
1 児童が学習評価として振り返る視点になる動き
2 ボールを持っていないときの動きであり、ゲーム中に自分が動いたチームのための動き
3 児童により分かりやすいようにした3つの動き
4 3つの動きは、常に児童が立ち返ることができる基本的なポイントとなる動き
 3つのコウケンプレーは次の動きである。
1 相手のいない所への動き
2 ボールをもらいに行く動き
3 相手を引き付ける動き
 このコウケンプレーを視点として、ゲーム毎に学習カードへ動きを自己評価させる。
 このように、ゴール型ゲームにおいて、ゲーム中の自分の動きを「チームのためにどう動いたか」という「コウケンプレー」に着目した振り返りを繰り返し行えば、意図的なボールを持たない時の動きへと高めることができ、児童は自分の動きの伸びを実感することができるであろう。以上の仮説を検証していく。

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「教育実践」
関わり合いを通して技能を向上させるシンクロマット運動の指導
~グループ活動の中に4つの言語活動サイクルを取り入れた実践~
十日町市立川治小学校
松井 祐太

  小学校学習指導要領解説体育編の高学年マット運動に、「ペアやグループで動きを組み合わせて演技をしたりすることができるように配慮する。」という言葉が記されている。そこで、全国的にも多くの実践がなされている「シンクロマット運動」を取り上げて授業を実践した。先行研究では、児童の学び合いを通して、意欲や技能の向上を明らかにしたものが報告されている。しかし、意欲や技能の向上に至るまでの過程や話合いの質に言及した研究は少ない。また、今までの実践を振り返ると、ペアやグループでの話合いにおいて、運動が得意な児童がアドバイスし、苦手な児童はアドバイスされるだけで、自ら運動のコツなどを考えたり、提案したりする場面が少なかった。
 そこで、昨年度は以下の手だてを講じ、シンクロマット運動を指導することで、グループの中で協働的な学びを生み、技能を高めることを目指した。
1 単元の中で毎時間4つの言語活動のサイクル(「知る→つくる→つなげる→深める」の言語活動を繰り返すこと)を導入する。
2 各グループに兄弟グループを設けて技を見せ合い、グループ同士の課題を共有したり、お互いのグループにアドバイスをしたりできるようにする。
3 児童の見る視点を焦点化し、児童相互がアドバイス活動をしやすくする。
 以上の手だてを講じたところ、マット運動の技能の差に関係なく児童が話合いに参加し、グループの課題を獲得して練習し、技能を向上することができた。

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「教育実践」
自分に合ったよりよい動きを考えながらかかわり合う子どもの育成
~4スタンス理論を活用した短距離走とハードル走の実践~
上越市立春日小学校
宮田 泰人

  陸上運動では、技能の向上が記録の向上に直結する特性がある。1学期に行ったリレーの学習では、バトンパスの練習に加え、4スタンス理論を用いた短距離走の走り方の指導を行った。個々に動きを意識して練習をして、多くの子どものタイムが向上した。しかし、個々の子どもの意識にまかせた学習が主になったことが課題として残った。そこで、ハードル走の単元において、4スタンス理論に基づく視点をもとに、友達とのかかわり合いを設けた。そうすることで、ハードルの技能向上に加え、ハードリングに関する思考も深まると考えた。
 具体的に以下の3つの手だてを講じた。
1 一人一人に合った場とグルーピングの設定
 子ども一人一人の体格からそれに合ったハードルの高さやインターバルの長さの目安を示し、実際に走らせ、体格に合ったハードルの練習コースを決める。また、4スタンスで同じタイプの友達とグループにして練習する。
2 身に付ける技能の段階的な授業展開
 「1台目の入り方」「振り上げ足の使い方」「抜き足の使い方」「上体の上下動の抑え方」など、子どもの実態と意識を大切にしながら、課題を設定する。
3 友達とかかわり合うための視点の明確化
 「1台目のハードルまで何歩か」「振り上げ足が真っ直ぐ上がっているか」といった一般的な視点と、4スタンス理論に基づくタイプ別の視点を場面ごとに提示し、それを基に見合う活動を進める。
 実践の結果、子どもがハードルの動作を見る視点がより明確になり、具体的なアドバイスをし合う姿が見られた。また、自分に合った動きの具体的な記述が多く見られた。そして、50mハードルのタイムが向上し、ハードリングのフォームが改善する子どもも多く見られた。

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「教育実践」
生活経験に基づいた授業づくりと指導の工夫
~生徒の自立を目指した献立づくりと調理~
新潟市立小針中学校
諸橋 利香

  私たちの生活を支える技術や知恵の伝承は、かつては、その多くが家庭や地域において行われ、様々な人とかかわり、実体験を通して生活に必要な知識や技能、判断力などを身に付けてきた。しかし、社会生活は日々変化し、それに伴って家庭生活も多様化している。食生活においては、ライフスタイルの変化から、外食産業に頼ることも多く、食品の選択や調理、食事の取り方に大きな変化が見られる。これらのことから、生徒が自立して生活を営むためには、基礎的な知識・技術を身に付けることに加えて、生活に必要な技術や情報を自己の生活の状況に応じて適切に判断し、選択することが必要となる。そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 調理実習における学習内容(知)と実習内容(技)を結び付ける「学びの足跡シート」の活用
 生徒は、これまでの調理実習と経験を通して、調理技術を高め、自立した日常食の調理が出来ることを目指している。授業では、自立のために一人で調理を行うマイクッキングにおいて、調理技術のレベルアップを目指した献立を考えている。しかし、今までの調理場面では、調理手順や、段取りに整理がつかず、作業に無理や無駄がある。そこで、これまでの調理実習の学習内容(知)と実習内容(技)を結び付け、今後の学習への見通しを立てるための「学びの足跡シート」を用いる。それを用いることは、今までの学びや自分の課題や考えを可視化させ、学習内容が整理しやすくなると考える。また、自己の知と技の成長を実感し、新たな課題を見いだすことで、より現実的で自立した日常食の調理に向かう意欲と技術を高めることが出来ると考え、「学びの足跡シート」を活用した。
2 協働学習の充実
 献立を作成、決定するまでの学習活動では、班で交流・検討する場面を設定する。これらの協働学習は、個人の生活経験から学ぶ知識や技能の差を、仲間同士で補完し合うことができる。そして、仲間と様々な観点を基に、合意形成を図ることで、自分たちの調理技術を向上させるためのより現実的な献立の作成や、それに伴う食品の選択などを予想し、提案することができると考える。学習活動の終末には、個の生活に返して、自分の食生活にとって「今出来ること」と「必要なこと」を整理させる。そうすることで、自分の生活環境や食生活、調理技術に合った献立に修正を加え、班で話し合ったことを根拠に、自分の献立について説明することができるよう、協働学習の充実を図った。
 研究を進める中で、生徒は成果と次の課題に対する、確かな実感をもって学習に臨んでいる。生徒の生活がより自立し、生活の多くの場面で自分にとって適切な判断ができたり、仲間と共に、最適解を創り出することができたりするよう、今後も研究を継続させたい。

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「教育実践」
生活を工夫し、創造する能力を育む授業づくり
長岡市立旭岡中学校
大野 敏法

  「材料と加工に関する技術」の内容において、生活を工夫し創造する能力を育むために、自らの生活を振り返り、検討させるための題材設定を行った。その中で、生徒が「材料と加工に関する技術」を評価し、活用する能力を高めることで、生活を工夫し、創造する能力を高めることに繋がると考えた。そして、授業実践を基に、その有効性を検証した。
 題材は、自らの生活を振り返らせ、生活の中で、ものを整理したり、便利にしたりするものを1枚の板材から自由に設計し、作品の製作を行うものである。生徒が生活を便利にしたり、使いやすかったりするための工夫を行えるように、グループでの発表、話合い活動を以下の2つの場面に取り入れた。
1 製作品の構想
 製作品の構想を行うに当たり、①使用目的②使用場所③機能④材料・部品の4つを明確にさせた。そこに、大まかな作品の完成スケッチを描かせ、構想用紙にまとめさせた。構想が出来上がった段階で、自分の製作品の機能や構造をグループ内で発表し、改善点などを検討した。ここで、自他の製作品の良い点や改善が必要な点などの意見を参考に、スケッチを含めた自分の製作品について再検討させる時間を設けた。再検討した構想を基に、設計を行い製作を進めた。
2 完成作品の紹介
 製作終了後、再度グループ内で自分の製作した作品について発表し、検討を行う活動を取り入れた。自分の製作した作品の機能や工夫したところを発表し、お互いに評価し合う時間を設定した。
 1での場面では、生徒は、自分の作品や他の生徒の作品を比較し、機能や構造、使いやすさを再検討して設計に生かす生徒が多く見られた。2の場面では、実物を見ながら行ったため、機能や工夫した点がより分かりやすく伝わり、周りからの評価もより具体的な意見が多くなった。
 これらの検証から、生徒同士で構想の検討や作品の評価を発表し合うことで、工夫できるころや作品の使いやすさに気付きやすく、よりよい作品づくりに繋げることができたと考えられる。しかし、中には、見た目の美しさや技能の高さだけに目が向いている生徒も多くいた。他の生徒から得たヒントや情報をしっかり自分の作品に生かすために、作品を評価する観点をもっと具体的なものにする必要がある。

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「教育実践」
音色や語感を大切にした「音楽づくり」を通して音に敏感な子どもを育てる
~1年生の音楽づくりの実践を通して~
新潟市立巻南小学校
渡辺 ゆみ子

  小学校1年生の音楽では、即興的につくった音をまとまりのある音楽に構成する「音楽づくり」の指導が難しいと感じている。私は、1年生の子どもたちにとって親しみやすい声や身の回りの音を使って音楽づくりを行った。
 1年生がまとまりのある音楽を構成するために、4つの手だてを講じてた。
【手だて1】常時活動で音に対する関心を高めて、音遊びを楽しませる。
【手だて2】オノマトペを用いる。
【手だて3】鑑賞曲から速度やリズム、音色など、音楽を形づくっている要素や反復、問いと答えなどの音楽の仕組みに気付かせる。それらを生かしながら、音のモチーフをまとまりのある音楽へと構成させる。
【手だて4】段階を踏んでワークシートを用いて、音楽を可視化する。
 それらの手だてを講じて行ったのが、以下の実践である。
【実践1】「いろいろな声にしたしもう」~動物がお話をしているかんじの音楽をつくろう~動物の鳴き声や動く様子を擬音語に表して、動物がお話をしているような音楽をつくる学習。ワークシートを用いて可視化した。(平成26年度)
【実践2】「おいしい音の音楽」自分の好きな食べ物を食べているときの様子や音を擬音語で表す。それを音楽へと構成する学習。鑑賞曲から音楽の要素を聴き取らせた。(平成28年度)

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「教育実践」
即興的な表現活動を位置付けた旋律づくり
新潟市立亀田東小学校
山田 やしほ

  「児童が様々な音と新鮮な気持ちをもってかかわり、音の面白さに気付いたり、その響きや組合わせを楽しんだりしながら、様々な発想をもって音遊びをしたり即興的に表現したりする能力及び音を音楽へと構成していく能力を高める」ことが大切である。小学校学習指導要領解説音楽編においては、音楽づくりの活動の指導について以上のように明記されている。つまり、音を音楽へと構成することと同時に音と触れ合い様々な発想をもたせることが重要であるということである。
 しかし、これまでの私の音楽づくりの授業では、思いや意図をもたせて音を音楽へと構成することに重点を置いた授業が多かった。その反面、音とたっぷり触れ合う活動が不十分であり、発想を十分に広げる前に音楽づくりに入ることが多かった。そこで、発想を十分に広げるために、音楽づくりの活動に即興的な表現活動を位置付ける。今回は音楽づくりの中の旋律づくりに絞った実践とする。
 即興的な表現活動のどのような位置付け方が、旋律づくりにおいて発想を広げるために有効なのかを視点として、次の仮説と手だてで解決に迫った。
 <仮説>
 即興的な表現活動を位置付けることで、児童は様々な発想をもち、旋律をつくることができるだろう。 
1 音を順番に増やした旋律づくり(中学年前期)
2 価値付けや旋律のモデル提示(中学年前期・中学年後期)
3 拍の流れに乗った表現活動(中学年後期)
 即興的な表現活動を以上の3点の手だてを組み込んで行うことで、旋律づくりにおける発想を広げるための有効性を検証していきたい。

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「教育実践」
表現を主体的・創造的に高めていく児童を育てる授業の工夫
長岡市立阪之上小学校
長谷川 美恵

  音楽の特徴を感じ取りながら、思いや意図をもって表現する学習を展開する上で、児童が主体的・創造的に学習に取り組むための指導が求められている。
 昨年度までの実践では、練習メニュー表を提示し、児童がそれぞれのグループの課題解決に合った練習方法を選択して試す中で、自他の歌声を聴き合いながら、表現を高めていく姿を目指した。自分たちで選択した方法で練習する場面では主体的な姿が見られたが、その一方で、自他の歌声を聴き取る場面では追求において弱さが見られた。
 そこで、児童が、自分の歌声を客観的に捉え、願う表現に高めようと主体的・創造的に取り組むために、楽曲を特徴付けている要素に着目した音と言葉を使って表現を可視化、共有化できるようにする。特に、研究対象の1年生では、次の2点を手だてとして、その有効性を検証していく。
1 互いの歌い方をまねる活動の組織
 自分と仲間との歌声がぴったり合っているかいないかを聴き取るために、同じ旋律を交互唱したり、向かい合って歌ったりして互いの歌い方をまねる活動を行う。
2 表現を高めるための効果的な練習方法を選択する場の設定
 自分と仲間との歌声が合っていない要因を、発音と音程、リズムから聴き取り、練習方法を選択して練習する。練習後に、練習の成果について話し合う。
 児童がこのように歌いたいと思いをもち、自分の表現が高まったという実感が得られる歌唱活動を工夫し、実践を積み重ねていく。

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「教育実践」
ロールプレイを核にした段階的な指導を通し、自分の思いや考えを伝え合い、会話を継続できる生徒の育成
新潟市立東新潟中学校
西片 宣明

  2013年12月に文部科学省が公表した「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」における「グローバル化に対応した新たな英語教育の在り方」で、中学校では「身近な話題についての理解や簡単な情報交換、表現ができる能力を養う」とあり、それに対応した指導が求められる。
 これまでの私の指導を振り返ると、生徒が相手の発話に応じて対話を続けるという活動がなされておらず、パターン・プラクティス化した活動にウエイトを置いていた。また、その活動は目標言語材料を習得させるための会話の活動にとどまっていて、コミュニケーションのための会話の活動ではなかった。その結果、生徒が単語や文法を理解できてもそれらをコミュニケーションの中で活用できていなかった。
 そこで、コミュニケーション活動の指導方法を見直した。毎時間の帯活動としてショート・カンヴァセーションタイム(SCT)と名付けた時間を設け、「弾丸インプット」を行う。この「弾丸インプット」は質問とそれに対する答えから成り、さらにその発展練習として一方が質問し、もう一方は直接的な答えとそれに関連した文をもう一文言う。そして、単元ごとに話し相手が言った内容を考えた上で答え、さらに対話を続ける「ロールプレイ」を行う。それによって、自分の考えや思いを伝え合い、会話を続けられるようになるであろうと考えた。
 生徒が自分の考えを述べることができるようなモデル対話を「弾丸インプット」で行い、そこで身に付けた事柄をもとに「ロールプレイ」をする。「弾丸インプット」を継続的に行うことで対話を続ける素地を養い、「ロールプレイ」で長い対話の「やりとり」(TurnTaking)ができることを目指した取組である。

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「教育実践」
学んだことを生かして、積極的にコミュニケーションを図るための帯活動のあり方
阿賀野市立保田小学校
戸松 隆行

 中央教育審議会の特別部会では、「小学校高学年において、英語を教科として系統的な指導を行うためには、年間70単位時間程度の時数が必要」とし、「知識・技能の定着等を図るため、ICT等も活用しながら10~15分程度の短時間学習として実施する検討が必要となる」と示した。
 Hi,friends!を用いて授業実践を行っているが、その活動だけでは受け身的で、限られた英語表現でのコミュニケーション活動となっている。さらに、前後の単元で英語表現の関連性がなくなることもあり、関連する英語表現を学習する頃には、児童は以前の英語表現を忘れてしまうこともあった。
 目指す児童は、「既習内容から、自分で言葉を選択して自己表現し、言語を実践的に使用する児童」である。外国語活動に対する不安を少なくし、自信をもつことができるような活動を積み重ねていくことで、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が育成されると考える。
 そのために、以下の2つの手だてを講じた。
1 既習表現の定着や活用を促すような帯活動を継続的に設定する
 Hi,friends!の単元の主教材とは独立して、既習表現の定着や活用を促し、児童同士のインタラクションがある帯活動を授業導入の10~15分程度行った。
2 できるようになったこと・分かったことを積み重ねるために、振り返りを行う
 活動後に「分かったことやできるようになったこと」等について観点をもたせて、振り返らせた。
 成果として、帯活動を繰り返すことで、既習表現の発話数が増えた。また、9割以上の児童から「使えなかった英語を使えるようになった」という肯定的評価を得た。しかし、一方で週1回の帯活動では限界があることも把握できた。別の時間での帯活動が必要になるということが課題としてあげられた。
 今後の外国語活動のあり方を探るためにも、現在、帯活動を朝学習に実施して、研究を続けている。

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「教育実践」
小中のつながりを意識した見通しのある英語教育
~PDCAサイクルを活用してステップアップする授業展開へ~
三条市立第一中学校
鎌田 雅俊

  三条市は小中一貫教育を推進している。そして、「つなぐ」をキーワードとした取組を展開し、自分のよさを発揮してたくましく生きる児童生徒の育成に励んでいる。私はキーワードである「つなぐ」に着目をし、以下の点において継続した取組を行った。
1 小中における外国語の学びのつながりを意識した授業の構想
 小学校には外国語活動があり、中学校には教科としての英語がある。学習指導要領に明記されている目標は異なるが、義務教育9年間を見通した指導の工夫が最重要課題であると考える。小学校と中学校の円滑な接続を念頭におき、日々の授業に取り組んだ。具体的には、小学校と中学校で提示する教材の共有・新文法導入時の工夫・外国語科カリキュラムの見通し等である。
2 授業を通じての異学年交流活動
 第一中学校は小中一体校であるため、小学生と中学生が同じ校舎で毎日生活している。この校舎の利点を生かし、授業での小中交流も教師側が仕掛けることで、すぐに実践が可能である。私は、中学3年生と小学5年生の異学年交流を行った。通常授業では見せることのない頼もしい姿を中学生は見せてくれた。小学生も本授業の目標を達成しようと英語を使って、前向きに活動に取り組んでいた。
3 PDCAサイクルを回し続ける授業改善と実践
 「PDCAサイクル」の本来の在り方を学ぶ上でも、実際の教育活動に生かし、取組を行うことができた。生徒アンケートからも、前向きに活動に取り組めるようになったと感じる生徒が増えたことがわかった。授業をひとつ展開したら、それで満足することなく、「つなぐ」ことを意識して、評価・改善という姿勢をもつことができた。
 全ての教育活動に「つなぐ」という視点をイメージした実践を取り入れた。他にも様々な手法が数多くあると思うが、今できる最大限のことを行うことができた。これからも英語に対する小中連携に力を注いでいく。

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「教育実践」
温かい気持ちでコミュニケーションを図ろうとする児童を育てる外国語活動
長岡市立大島小学校
河本 朋也

  児童は外国語活動において「ALTや先生が話していることを、自分だけが分からないのではないか」「うまく発音できなかったらどうしよう」という不安を抱えている。失敗や不安を積み重ねてしまうことで積極性を失い、進んでコミュニケーションを図ろうとする態度の育成は困難になるであろう。児童の不安をなるべく減らし、外国語活動に積極的に取り組むことができるようにするために、クラス全体の「温かい気持ちでコミュニケーションを図ろうとする態度」を育てる必要がある。
 本研究では、「温かい気持ちでコミュニケーションを図ろうとする態度」を育成するために以下の2つの手だてについて考え実践した。
1 「育てたい児童像」を明確にした1年間の単元構成
 1年間の外国語活動を通してどのような力を育てたいかを明確にすることは大切なことであり、そのゴールに向かって小単元を構成していく。Hi,friends!2に示されているものはあくまでも活動例であり、学級の児童の実態や育てたい児童像に合わせてアレンジしたり、置き換えたりする工夫ができる。そこで「温かい気持ちでコミュニケーションを図ろうとする態度」を育成するために「聴き手(聞き手)」の育成に力を入れて一年間の単元を構成していく。
2 「聞きたい」「伝えたい」を生かす活動の選定
 これまでの私の実践を振り返ると、決められた型の中でのやり取りに終始し、その中に児童の思いや考えが入りづらかった。コミュニケーションとは本来「聞きたい」と「伝えたい」の思いの連続から成り立つものだと考える。児童が「聞きたい」「伝えたい」と感じる活動を外国語活動単独で築き上げることは困難さがある。そこで、他教科・他領域との関連性をもたせた活動を設定する。
 コミュニケーション活動を行う中で、意図的に自分が受け止められる場面を設定することで、友達を受け止めることの大切さに気付き、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が育成されると考える。

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「教育実践」
英語をスムーズに書く力を育成する指導の工夫
~「ジャーナル」を継続的に用いたライティング活動~
長岡市立南中学校
佐藤 正秀

  与えられた内容について英語の単文で正しく書くことができる一方で、自分の考えや意見などをある程度まとまった量の英文で書く活動では手が止まってしまうような生徒をこれまで多く目にしてきた。私の実践を振り返ると、書く活動について正確さ(accuracy)に重点を置いていたことで、間違うことを恐れて手が止まる生徒が多くなった可能性がある。これまでと同様の活動だけでは、スムーズに書く力、つまり書くことの流暢さ(fluency)が十分育成されないと考えた。書く活動に差別化を図り、正確さに重点を置くこれまでの活動に加え、流暢さに重点を置く活動を行うことで、こうした課題を克服できると考えた。
 「ジャーナル」とは、日記のように自分の考えや感情を思いついたまま書いていくものであり、文の構造や正確さにはあまり注意が払われないものである。先行研究では、生徒の書いたジャーナルに教員がコメントを返す取組を継続したことで、書くことの流暢さが高まった。したがって、英語の授業内で生徒にジャーナルを書かせ、それに対して教師がコメントを返す取組を継続することで、生徒は自分の考えや気持ちなどについて英語で書くことに慣れ、スムーズに英語を書くことができるようになると考えられる。本研究では、以下のような方法で実践を行った。
1 テーマを与え、小さいノートに継続してジャーナルを書かせる
 英語の授業内で定期的にジャーナルを書く場面を設定し、それを継続した。生徒全員にA6判の小さなノートを配布し、毎回テーマを与えてジャーナルを書かせた。小さいノートを使用することで、ノートのページが埋まっていく感覚が得られやすくなり、書くことに対する生徒の精神的な負担が少なくなることが期待される。また、過去に書いた内容や書いた分量を比較することもできる。
2 フィードバックとして、生徒の書いた内容に対し、前向きなコメントを返す
 先行研究では、生徒の書いた内容に対し教師がコメントを返すという取組を継続したことで生徒の意欲向上につながり、流暢さが高まった。本研究でも英文や単語の誤りについては特に訂正せず、コメントを返していくこととした。
 以上の方法で、2年間にわたって実践を行い、検証を行った。

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「教育実践」
自己表現への自信と意欲を高めるペア活動と協働学習の工夫
上越市立吉川中学校
久保 成毅

  昨年度行った自己表現活動の様子から、多くの生徒が対話をしたり、その場で考えを述べたりすることができないことが分かった。もう一つの課題として、自己表現活動を行う上で、英語に自信をもてなかったり、意欲的に参加できなかったりする生徒が多くいた。原因として、その活動を見通した自己表現活動を段階的に行っていなかったことが考えられる。また、生徒が実際に英語を使って対話をする機会が少なかった。したがって、生徒は英語での会話に慣れていなかったり、やり方が分からなかったりした可能性が高い。また、生徒同士で教え合ったり、考えを深めたりする協働の場面がほとんどなく、生徒が自分の知識を使わずにいた。さらに、昨年行った自己表現活動の内容が生徒自身にとって意味があり、魅力的な活動になっていなかったと思われる。以上のことから、本実践では以下の研究仮説を立て、次の手だてを講じた。
 研究仮説:ペア活動で対話練習を日常的に行い、協働する場面を設け、生徒自身による自己表現活動への意味付けを行えば、英語の対話に対する生徒の自信や意欲は向上するであろう。
 手だて1 日常的なペア活動
 Who Am I? クイズを様々なパターンで行い、聞き手を意識した初歩的な対話練習を行った。この対話練習の延長に、My Projectの活動があるように活動の内容を工夫した。
 手だて2 協働的な学習場面の設定
 基本の対話文は暗唱させ、テストをした。その際、必ずジェスチャーをつけさせた。ジェスチャーなどはペアで考えさせた。そして、暗唱で忘れてしまうときは、ジェスチャーを交えて教え合わせた。
 自己表現活動(有名人とインタビューする人に分かれて、英語でインタビュー活動をする)の内容はお互いにアイデアを出させた。聞き手にとっておもしろく、分かりやすい内容になるようにお互いに工夫するように指示をした。そして、活動が全て終わった後には、振り返りを行い、より良い発表になるようなアイデアを共有させた。
 手だて3 自己表現活動への自己関連性
 学期末に行った自己表現活動ではインタビューをする相手として、生徒が興味のある有名人をペアで選択させた。また、その人物に近付けるための衣装やお面なども用意させ、より実際のインタビューに近付けるようにした。
 自己表現活動後に英語のスピーキングに対する自信や意欲について質問をしたところ、半数以上の生徒が肯定的な回答をした。このことから、生徒は英語を話すことに少しずつ自信を付けてきていることが分かった。

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「教育実践」
地域の学習材を生かした総合的な学習の進め方
~主体的に地域の歴史を学び、地域を愛する子の育成~
柏崎市立内郷小学校
宇佐美 崇

  小学校学習指導要領解説総合的な学習の時間編には、目標の一つに『自己の生き方を考えることができるようにすること』と示されている。また、児童が地域に学び、学校と地域がつながり、未来を創る地域教育の活性化が社会では求められている。これらのことより、私は、児童に生き方を考える力を育むためには、地域(人)と学校(児童)がどのようにつながるかということが大切だと考えている。教師がどうコーディネートするかによって総合的な学習の時間の活動の広がりが変わってくる。
 地域の歴史について児童自身が主体的に学び、多様な人とつながっていくことが、地域を愛し、未来に向けて進む希望と力をもつ児童の育成につながると考え、以下の二つの方策で実践を行った。
1 地域の学習材を生かし、多様な人たちとつながるように単元構成を工夫すること
 地域の学習材として、西山の石油を取り上げる。西山ではかつて石油産業が盛んであった。明治・大正時代には石油産業が発達し、西山の石油産出量は国内の7割を占めていたという歴史がある。また、学習材との出会いやかかわらせ方を工夫し、必要感をもって多様な人たちとつながるような単元構成にしていく。
2 自分たちの思いを劇にして地域に発信すること
 調べてきたこと、考えてきたことを基に生まれた思いを発信することが、自分にできることを実践していこうという態度を育むことになると考える。本実践では、学習発表会を発信の場として、自分たちの思いを劇にして伝えていく。
 この取組は地域への愛着と誇りをもった児童の育成を目指すこと、加えて地域活性化にもつながると考え、今後も実践を継続していく。

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「教育実践」
児童の思いや願いを大切にしながら、生命の尊さを実感させる飼育・栽培活動
新潟市立山田小学校
二野 憲子

  児童の直接的体験が減っている。その中で、生きた教材である動物・植物の飼育栽培活動は、意義深い。このことは中教審のまとめにも明示されている。
 しかし、長期間の飼育・栽培単元では、児童の興味・関心がとぎれやすくなる。また、教師は、世話をさせるだけ、自由に観察させるだけの漫然とした指導をしがちである。そのため、一人一人の個別的な気付きは生まれるものの、他とのかかわりによる学びが深まりにくい。
 そこで、モルモットの飼育、アサガオ・野菜栽培活動において、次の2点からその解決に迫った。
1 思いや願いを実現する活動を適切に位置付ける
①個々の思いや願いを表出する活動を位置付ける
 モルモット引継ぎ時の1・2年交流で思いや願いを伝える。モルモットの誕生日パーティーでモルモットへの親しみの気持ちを表出させる。
②個や集団で選択・意思決定する場を設ける
 モルモットを飼いたいのか、引継ぎをしたいのかについて学級で話し合う。また、アサガオの種、野菜の種類、種から育てるか苗から育てるか、鉢の形や大きさを選択させたり、アサガオの間引き・つるでのリース作りの意思決定をさせたりする。
③生き物のためによいことを考え、進んで行う活動を位置付ける
 植物の成長の状態に合わせた適切な世話をさせる。
2 自然の不思議さや面白さに気付かせる活動を位置付ける
 獣医師による健康診断に立ち会ったり、モルモットの心音を聞く体験をしたりする。アサガオの種の中やアサガオ・野菜の体の観察をしたり、野菜の秘密クイズ大会をしたりする。
 これらの手だてにより児童は生き物への親しみをもち、生命の尊さを実感することができる。

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「教育実践」
専門性を生かし、学校を活性化させる「サイエンスコーディネーター」
~意欲的な職員集団の育成と理科好きの児童を目指して~
新潟市立早通小学校
斎藤 隆

  新潟市立早通小学校は、昨年度まで新潟県小学校教育研究会から理科の指定研究を受けていた。私は、教務主任をしながら「サイエンスコーディネーター」という立場で理科教育の推進に力を入れている。「サイエンスコーディネーター」とは、理科の指導経験が少ない職員や理科指導に苦手意識をもっている職員を支援する役割を担う校務分掌である。各学級の支援ができるよう、生活科・理科にTTとして入る時間を確保している。実践を通して、意欲的な教師と理科好きの児童を育てたいと考えた。
 「サイエンスコーディネーター」としての取組は以下の視点で実践してきた。
1 職員の負担を軽減する取組
 教材園整備の支援・観察の支援・授業準備の支援
2 職員の指導力向上と理科の授業を充実させる取組
 単元を通したTTで担任の指導力向上を図る・部分TTで担任の指導を支援
3 意欲的な職員集団の育成を図る取組
 教材研究を一緒に行うことやバックアップの会で担任の思いを具体化し授業をつくる支援
4 理科好きな児童を増やす取組
 教務室前の廊下に「理科コーナー」を設け、季節の変化に応じた展示の継続サイエンスコーディネーターとして実践したことについて、研究大会でアンケートを行った結果、参加者から100%の肯定評価を得ることができた。さらに、次のような成果が見えてきた。
1 意欲的な職員集団を育成することができた。
2 自然に興味・関心をもつ児童を増やすことができた。

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「教育実践」
生徒の思考力・判断力・表現力を高める指導
~予想の交流場面の工夫を通して~
新潟市立光晴中学校
山田 裕

  生徒が理科の実験・観察に主体的に取り組むためには、生徒に目的意識をもたせることが大切だと考える。私の授業を振り返ると、実験・観察の目的が分からず結果を見落としたり、考察で何を考えてよいか分からなくなったりする生徒がいた。このような目的意識をもてずに実験・観察に取り組ませていると、生徒の思考力・判断力・表現力を高めることは難しい。
 そこで、生徒に目的意識をもたせ、思考力・判断力・表現力を高めることを目的として、実験・観察の予想を交流する場面を次のような手だてで工夫することとした。
1 予想の交流方法の工夫
 まずは生徒の立てた予想を交流させる。予想の違いから、根拠や考え方の違いに注目させ、根拠や考え方も交流させる。交流によって自分の考えを強化したり、考え方の妥当性を判断したり、自分の表現を工夫したりするなどして、説得力のある説明に変わっていく。
 また、ワークシートを工夫し、じっくりと考えられるようにした。交流後の考えを記入する欄を設け、意見の変更を肯定的に捉えられるようにした。
2 予想を仮説に高める手だて
 実験や観察で生徒全員が仮説を立てられるわけではなく、なんとなくそう思った、という生徒も必ずいる。この生徒に既習事項を確認させたり、生活体験で似たようなものがないかという視点を与えることで仮説を立てる支援とした。
 また、予想の交流を行わせることで予想の違いに気づかせ、その予想を考えた理由を引き出し、予想を仮説に高められるように指導した。
 交流後には自分の予想や仲間の考えに対して根拠を探したり求めたりする姿が見られ、思考力や判断力の高まりが見られた。ワークシートの記述も理科用語などを適切に用いて表現する生徒が増加した。

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「教育実践」
コンセプトマップを用いた根拠に基づく考えを引き出す指導の工夫
聖籠町立聖籠中学校
石井 喬志

  本研究で用いたコンセプトマップとは概念地図のことである。概念につけられている言葉を「概念ラベル」、そのつながりを表す言葉を「リンクワード」として、この2つを用いて図式で視覚的に表したものである。作成する活動を通して、語句と語句の関連性が整理され、既習事項の習得につながると考えた。また、本研究では科学的に探求する能力の考え方として、「根拠をもって自分の考えを表現すること」とし、それができていけば科学的に探求する能力の基礎と態度を育てられるとした。
 しかし、これまでの私自身の授業を振り返ると、一方的な知識の伝達になっていたり、観察・実験で考えをまとめる時間を十分に取らなかったりと科学的に探求する能力を育てるための授業とは言えなかった。そのため何のための観察・実験か分からずに活動を進めていたり、得られたデータをもとにした考えをまとめられなかったりしていた。結果として仮説や考察に対する考えの根拠ももてていない生徒が多かった。そこで、本研究では以下の手だてを講じ、研究を進めた。
1 既習事項を整理させるためのコンセプトマップの作成
 手順として、まずは各自で考えをまとめる。次に班で見せ合い、参考になったことを書き加えていくといった「個→グループ→個」といった流れを大切にして行った。
2 根拠に基づく考えを引き出す課題設定の工夫
 課題解決の際に、既習事項を用いて考えることができる課題設定を心掛けた。そうすることで、既習事項を整理したコンセプトマップを利用し、根拠を明確にして、自分の考えを述べられるように工夫した。
 これらの実践を通し、生徒の理解に対する自己評価や定期テストでの結果、そしてワークシートの記述にも変化が見られていった。生徒の中で既習事項が整理されていけば、既習事項を用いて新しい課題に対して取り組もうとする姿勢が育まれ、根拠に基づく考え方を引き出せると言えるであろう。

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「教育実践」
化学変化を粒子で語ることができる生徒の育成
~対話の多様性とメタ認知を通して~
加茂市立加茂中学校
松原 智加

  これからは学んだ内容を活用する力を身に付け、変化の中に活きる社会的存在としての生徒を育成していく必要がある。生徒が主体的に学習に取り組み、学んだことを生徒自身の中で内面化させ確かな学力とするために、段階的な学びの確認(振り返り)を行い、客観的に自分自身の考えを認識するメタ認知をうまく働かせていく。肯定的なメタ認知ができていけば、自己肯定感が育まれ、学習意欲も持続されると考える。また、生徒の発言や授業ごとの振り返りを基に生徒に対応した単元構成を行い、より学習内容の深い理解につなげていく。
 これらを基に本実践では、化学の分野で「粒子」という概念を柱に、実験で目の前に起こる化学変化の事象を原子分子という粒子で考え、語ることができる生徒の育成を目指した。
 具体的には次の3点から取り組んだ。
1 「粒子」を柱とした単元構成と教材の工夫
 「粒子の存在」から始め、物質が全て原子や分子でできていて記号で表すことができ、次の「粒子の結合」では化学反応全てが化学反応式で表される。しかしここで次に「粒子とエネルギーの関係」の学習が入ると、原子の種類や数が変わらないから「質量が保存される」までの理解につながりにくいと考えた。以上のことから、「粒子とエネルギーの関係」を間にはさめずに、「粒子の結合」から「粒子の保存」へと授業をすすめた。
 また、予想の段階で原子カードを使って考え、実験で検証し、原子モデルで考察を行い言葉でも表現させる。この学習の流れをセットにして単元の学習を進めた。そして化学変化による質量の関係を粒子で考えられるようにし、化学変化を粒子で語れるようにした。
2 段階的な学びの確認
 振り返りを重ね、肯定的なメタ認知を行い、次の学びへの意欲をもたせるために段階的に学びの確認を行った。授業ごとの「1分振り返り」、単元の途中での「イメージマップ」、単元後の「イメージマップ」「振り返りレポート」である。生徒自身が学びの確認を行うとともに、教師自身も生徒の思考の変化や深まりをみて授業や単元構成を考える基とした。
3 多様な対話
 他者との対話の中で自分を見つめることで学びの確認ができメタ認知につながる。「1分振り返り」で教師がコメントを返すことで自分の学びの確認を行う。また、グループでの話合いやクラスでの発表を見たり聞いたりして他の考えに触れることで自分の考えの広がりや深化を図らせる。そしてそれらを振り返りで表出することでメタ認知し、化学変化の事象を粒子で語ることができるようにさせた。

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「教育実践」
身近なものに目を向け、学んだことを活用する生徒の育成をめざして
~学習内容と日常生活を関連付ける学習場面の工夫~
見附市立南中学校
早田 浩延

  国立教育政策研究所が示した、「教育課程の編成に関する基礎的研究」の報告書において“21世紀型能力”が提案され、これからの教育の課題として、「知識・技能の習得だけでなく、日常生活において、知識・技能を活用して問題を解決できる力」を育成することが重要だと言われてる。そこで単元の終末に、身近な自然や日常生活の中にある自然事象とのかかわりを設定し、学び得たことを活用する生徒を育成するために次の3点の手だてを講じた。
1 学び得たことを活用するための課題の設定
 単元を通して学習してきたことを、身近なものに目を向け、活用するための場を設定した。またそれをグループでの課題解決に努めた。
2 仲間とのかかわりを通して、理解を深め、新しい発見ができるための工夫
 グループでまとめる活動を通して、考えを交流させて、課題解決をするために話合いを行った。また他のグループとの交流の時間を確保し、意見交流から理解を深め、新しい発見ができる場を設定した。
3 自分の見方や考え方が変化した視点について考える個の振り返り
 学習前の日常生活での見方と学習後の見方を自分の言葉で振り返る活動を取り入れ、グループごとに交流させ、見方や考え方が変化した視点を基にグループの発表を行った。
 日常生活の中に、理科の学習で養うことができる「もの」の見方や考え方を生かせる場面はたくさんある。知識だけでなく、実際の生活の中で考えたり、活用したりすることができる理科教育を、今後の研究で目指していく。

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「教育実践」
粒子モデルを使いながら、自分の考えを確かにしていく授業の取組
長岡市立旭岡中学校
櫻井 真郷

  「粒子」にかかわる学習を2年間にわたり授業実践した。その取組ついて報告する。対象の生徒は、粒子にかかわる分野に苦手さを感じている。また、自分の考えを図や言葉にすること、それを用いて相手に伝えることに苦手さを感じている。このような生徒の実態を受け、「粒子」にかかわる学習を通して、生徒がこれまでの学習を生かし、自分の考えを表現し、相手に伝えることができる授業づくりに取り組んだ。
 1年目は中学校区の小学校と連携し、小学4年と中学1年が「粒子」を題材に授業を行った(ただし、小学4年から中学1年まで継続して指導した実践ではない)。中学1年で学習する状態変化にかかわる単元では、小学校の学習内容を振り返ったり、必要に応じて確認したりする場面を設けながら学習を進めた。この取組から、次の2つの成果が得られた。
1 これまでの学習を振り返ることの有用性
 小学校の学習の振り返りの場面では、生徒の出身小学校が異なっていることから、振り返りを通して小学校で学習したことを確認し、また、必要に応じて補足した。これにより、これから始める学習のスタートをそろえ、学習内容を意識させることができた。
2 繰り返し学習して、見通しをもつ
 生徒が学習への見通しをもつことができるよう、学習の進め方をパターン化し、繰り返し取り組ませた。状態変化の学習では、物質の状態を粒子モデルを使って説明することが大切なので、次のような手順で学習を行った。
 ①自分の考えをもつ
 ②実験班で考えを発表する、自分の考えをもてなかった生徒がいた場合は生徒同士で教える
 ③考えを発表する場面を実験班から学級へと拡大する
 ④自分の考えを整理する
 パターンを繰り返し、固体から液体、液体から気体への状態変化の学習を行った。また、粒子モデルを使う場面を増やしたり、「みんなで分かるようになろう」と繰り返し生徒に働き掛けたりした。
 2年目は、1年目の成果を、原子・分子の学習へと適用した。化学変化にかかわる単元では、生徒実験が増えることから、実験結果を予想したり、実験の手順を考えたり、結果を整理や考察したりすることを個人や実験班で繰り返し行った。また、実験結果を振り返り、次の実験を行うことを意識させた。
 この2年間の取組を通しての成果として、これまでの学習を生かし、学習のパターンを繰り返すことで、次第に見通しをもち自分の考えを表現することができるようになってきた。また、自分の考えに自信がもてる生徒も増えてきた。その一方で課題も明らかになった。ある程度のパターンの中では、自分の考えを表現できるが、結果を組み合わせて新たな考察を組み立てるには十分ではなかった。

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「教育実践」
俯瞰的な視点で生命維持の仕組みを理解させる指導
~消化・吸収・排出を「細胞呼吸」と結び付ける学習を通して~
長岡市立南中学校
宇尾野 卓巳

  生命尊重の概念は教科をはじめ、あらゆる教育活動の中で育んでいくべき重要なものである。中学校2年「動物の体のつくりと働き」においても消化・吸収・排出の学習を通して生命維持に目を向けさせることとなっている。生徒にとって覚える用語が多く、断片的な知識の記憶になりがちな本単元で、全身の器官が関係して生命を維持していることを理解させることを目的とし、次の2つの手だてからその解決に迫った。
1 毎時間の学習を「細胞呼吸」と結び付けてワークシートに記録させる
 各器官の働きがすべて生命維持につながっていることを理解させるため、細胞がエネルギーを取り出すこととどのように関係しているかを毎時間記録させた。
2 モデルを操作して消化・吸収・排出の流れを説明させる
 ブラックボックスである体内で起こる消化・吸収・排出を、細胞がエネルギーを取り出すための一連の流れとして理解させるために、モデルを操作して食物を取り込んでから排出されるまでの流れを説明する場面を設定した。
 生徒のワークシートの記述内容や発表の様子から、各器官の働きと「細胞がエネルギーを取り出すこと」が関係していることを結び付けることができているかを見取り、検証した。

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「教育実践」
思考ツールを活用した、多面的に推論する力を高める指導の工夫
小千谷市立南中学校
石田 幸弥

  「平成27年度全国学力・学習状況調査」の結果では、基礎的・基本的な知識・技能を活用し、グラフ・資料などに基づいて、自らの考えや他者の考えを検討して改善することに課題があると報告されている。当校でも、実験・観察を行う場面では、意欲的に取り組む生徒が多数いる反面、問題解決への見通しがもてず、実験結果を整理し、実験結果からの分析、解釈に不十分さを感じる生徒がいる。
 また、アンケートの結果から、生徒の実態として、話合いを行うことで理解が深まると肯定的な回答する生徒は44%であった。しかし、自分の考えに自信がもてなかったり、課題に対し意欲をもって取り組めなかったりし、発言や考察をしようとする生徒の割合は28%と低くなっていることが分かった。それらの要因として、事象に対して自身の考えが混沌とし、考えが整理されていないことが考えられる。そこで、次の2点から解決に迫った。
1 思考ツールを用いた思考の表出
 主に実験の予想場面、実験方法や観察方法の検証場面、結果の分析・考察の場面で、思考ツールをくり返し用いた。自分の考えを視覚化することにより、活動への自信をもたせる工夫を行った。
2 他とかかわる場の設定
 思考ツールなどを用いながら、ホワイトボード等を利用し、他とかかわる場面を意図的に設定した。主に実験の予想、実験方法や観察方法、結果の分析・考察の場面で、個人で考えた思考ツールを基に、班で話合いを行った。
 生徒は、思考ツール等をくり返し使用することにより、自身の考えを視覚化し、多面的に推論することが容易になった。思考ツールを用いての話合い活動が、多面的に推論する力を高める効果を生み出していることが見えてきた。
 今後は、第2学年「化学変化と原子・分子」の実践を繰り返し、より効果的な指導方法を追求していく。

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「教育実践」
理科を学ぶ意義と社会生活とのつながりを考えた授業の工夫
~理科教育におけるキャリア教育の実践を通した基礎的・汎用的能力の育成~
新潟県立柏崎翔洋中等教育学校
石田 渓介

  現代の生徒が成人して社会で活躍する頃には、生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会や職業の在り方そのものが大きく変化する可能性がある。厳しい挑戦の時代を乗り越え、伝統や文化に立脚し、高い志や意欲をもつ自立した人間として、他者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り拓く力が必要になってくる。そのために、学校教育を通じて、組織的・体系的なキャリア教育の必要性が挙げられている。
 キャリア教育の中でも、私は「基礎的・汎用的能力」の育成が重要であると考えている。「基礎的・汎用的能力」として、多様な生き方に関する様々な情報を適切に取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく力(キャリアプランニング能力)や、仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を立ててその課題を処理し、解決することができる力(課題対応能力)などが挙げられる。これらは、学校教育の中ではもちろん、学校教育の後に迎える社会生活に欠かせない力であると考える。
 本校中学校2年生は「今やっている理科の学習は自分の将来や社会生活に役立つと思いますか」という質問に対して、36%の生徒(81名中26名)が「役立たないと思う」「あまり役立たないと思う」と回答している。その理由としては、「自分の将来就きたいと思う職業(文系)とのつながりを感じない」「一部の職業では役立っても、他の職業では役立たない」「理科の公式を知っていても普段の生活で考えることはない」などが挙げられた。約1/3の生徒が、学校での理科の学習と社会生活とのつながりをイメージできていないと感じている。
 そこで、本研究では、理科の学習において、キャリア教育の視点を取り入れ、観察・実験の場面で、理科と社会生活とのつながりを考えさせながら授業を展開していくことで、生徒に「基礎的・汎用的能力」を身に付けさせることを目指した。

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「教育実践」
考える足場のある授業づくりをすることで、見通しをもって自力解決できる子どもを育てる算数指導
新潟市立巻南小学校
本間 陽平

  私が担任している児童は、算数において活用力を問われる問題を解決するときに、今まで使った知識を積極的に使って考えていける児童と、誰かが答えを導き出すことを待ち、その後ノートに写すなどで学習を進める児童とに二極化している。どちらも学習内容を習得することはできるが、活用力を必要とされる問題では、前者はよく考え今までの知識を使うなどして意欲的に解いている。一方、後者は全く手を出さずに手が止まってしまっている状況が見られた。この状況を何とか解決するには「考える足場」を意識した解決方法を身に付け、どう考えればよいのか見通しをもって問題を解く必要があると感じた。
 本実践では、『算数科における「考える足場」をつくる算数科授業の創造(石田淳一、2006)』に着目し、児童が問題を自力解決していく算数授業のあり方を提案する。
【手だて】
1 主問題1を解く・・・学習内容の基礎を身に付ける
 1単位時間の中で学ぶべき学習内容や、活用問題を解く際の考える足場となる問題を用意し、解きながら、基礎・基本を身に付ける。解く際に、子どもと教師で集団解決する。
2 主問題2を解く・・・活用問題を自力解決する
 学習内容の問題を考える足場を使いながら、自力解決で問題を解く。問題を解くときに、数学的な考え方(一般化など)を使って解けるような問題を設定することで、+αの力を身に付けることができる。

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「教育実践」
算数科における授業のフレームワークを活用した授業改善
~二次元表を用いた考えの整理を中心として~
新潟市立小針小学校
柳 健

  確かな学力を身に付けさせるために日々の授業改善を欠かすことができない。しかし、それが特殊な方策であったり、特定の教師にしかできないものでは意味がない。問題解決学習を柱に経験を問わず、特殊な方策に頼らない授業改善の方策を提案したいと考えた。
 そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 授業のフレームワークの定着
 展開のさせ方(授業のフレームワーク)をある程度固定し、繰り返し授業を行う。これにより、「次にグループ学習に入るからそこで同じグループの仲間に聞いてみよう。」「全体発表が終わったら復習の問題を解くだろうから、次は別の〇〇の方法でやってみよう。」児童は次の展開を踏まえて学習に臨むことができる。
2 二次元表を用いた考えの整理
 問題解決に当たり、縦に解決の方法、横に考え方を項目立て、二次元表の形で提示する。児童自ら黒板上に提示されたこの二次元表に自力解決のワークシートを分類・整理させる。これにより自身が選択した解決の方法と考え方が全体の中でどう位置付けられるのかについて気付かせると同時に俯瞰的な見方を促していく。
 問題解決学習を通し、学び方を身に付けられるような授業改善を今後も研究していく。

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「教育実践」
主体的・協働的な算数授業へのアプローチ
~類比的推論の3つのタイプに着目して~
新潟市立亀田小学校
梅津 祐介

 次期学習指導要領に向けての教育課程改革の動向は、諸能力育成に重点を置いたものとなっている。このような動向の中で学校教育に期待されていることは、課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学習を重視した教育の展開である。つまり、授業の流れのどこでも全ての児童が自分の考えを表明でき(主体的な参加)、児童同士で話し合う中で自分の考えをつくっていく(協働的な学び)ことができる授業への転換を図ることが求められているのである。
 通常、当面した問題解決のためには、自分がもっている既習事項をうまく活用する作業がなされる。そこで働く思考は、帰納的推論と並び発見的推論と呼ばれている類比的推論である。「全ての児童」の授業への参加を目指すには、類比的推論が必須となる。ただし、この類比的推論には3つのタイプがあり、タイプによって教師の働き掛けも異なるだろう。
 以上のことから、主体的・協働的な学びを実現するためのアプローチを類比的推論に求め、教師の働き掛けのあり方を明らかにすることを研究の主題とし、以下の3点について考察を進める。
1 児童の類似性の判断はどのように行われるか。
2 1にかかわって、教師の働き掛けはどうあればよいか。
3 2にかかわって、児童の授業への参加の仕方はどう変わるか。

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「教育実践」
算数的表現力を高める指導の工夫
~ユニット式説明で論理的思考力を鍛える~
新潟市立鏡淵小学校
田村 健志

  「児童の算数的表現力を高めるにはどうすればいいか」を算数指導の柱としてこれまで実践してきた。その意義は、次の2点である。
1 学習指導要領の算数的活動の中に、説明する活動が具体的に示された。また、全国学力・学習状況調査のB問題では、自分の考えを説明する問題を中心として出題されている。以上のことから、算数的表現力は、今日の算数指導において、強く求められている力である。
2 自分の考えを友達に分かるように説明できるようになった時が、児童にとって確実な理解がなされた時である。
 しかし、算数的表現力を高める指導法は、教師の高い力量が必要だったり、導入するに当たって時間を大きく割かなければならなかったりするため、誰もがすぐに実践できるものではない。
 そこで、誰もが容易に導入していける指導法を次の2点を切り口にして探ることにした。
1 算数的表現力を高めるために有効な説明のさせ方の工夫
 話し言葉での説明(リレー説明)を鍛える場と書き言葉での説明(ユニット式説明)を鍛える場を区別し、意図的・計画的に設定する。
2 算数的表現力を高めるための指導過程の工夫
 ユニット式説明を導入し、論理的思考力を確実に鍛えられるように一単位時間内の指導過程を適切に設定する。
 以上の手だてを4学年の2単元で実践し、有効性を検証した。その結果、次の成果が見られた。
・ユニット式説明法をすることは、算数的表現力を高めることにつながると考えられる。特に、難しい説明ほど有効である。
・全く説明ができない児童を大幅に減らすことができる。
・ユニット式説明をさせる手順を示したことや、準備が大変簡単になったことから、誰もがすぐに実践できる。
 今後も実践を重ね、改善を加えていきたい。
※本研究では、「算数的表現力」を「数、式、図、表、グラフ、言葉、操作などを用いながら、自分自身の思考の過程や結果を他者に説明する力」と捉える。

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「教育実践」
思考力・表現力を高める算数科学習指導の工夫
~「聴く-思考-表現」のサイクルに注目して~
新潟市立新潟小学校
石塚 正人

  小学校学習指導要領解説算数編には、「数学的な思考力・表現力は、合理的、論理的に考えを進めるとともに、互いの知的なコミュニケーションを図るための重要な役割を果たすもの」とある。また、次期学習指導要領改訂に向けて、小学校においては「見通しをもち筋道立てて考察する力」「統合的・発展的に考察する力」「数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表したり柔軟に表したりする力」を育成するとある。知識基盤社会を生き抜くために、算数科においては思考力・表現力を高めることが課題である。
 ただし、知識・技能の教え込みや講義型の授業ではこのような力を高めるには十分ではない。いわゆるアクティブ・ラーニングの手法を取り入れた不断の授業改善が、我々教師の課題である。
 そこで、次の3点からその解決に迫った。
1 課題発見力の強化
 授業の導入において、課題提示を工夫することで様々なズレを引き起こし、児童に問いを生み出させた。このような授業を日常的に繰り返すことで、児童の課題発見力を強化することができると考えた。
2 「思考・表現の手段」の共有化
 算数の学習では、日常の話言葉だけでなく、数、式、図、表、グラフなど様々な表現の手段がある。これらは、表現だけでなく、思考の手段としても大変重要である。そこで、「思考・表現の手段」として児童全員が必要に応じて使うよう指導した。
3 「聴く-思考-表現」のサイクルを学習場面に設定する
 単元を通して、「聴く-思考-表現」のサイクルを学習場面に設定した。他の児童の考えを聴き、思考したことを説明したり、ノートに記述したりして表現させた。
 本実践の結果、思考力・表現力を高めることに一定の成果が見られた。今後も、思考力・表現力を高める学習指導の研究を重ねていく。

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「教育実践」
小学校高学年「分数の乗除」や「割合」において、問題構造をつかんで演算決定する指導の工夫
新潟市立東中野山小学校
内山 大樹

  小学校高学年の算数「分数の乗除」「割合」単元の指導は難しい。私のこれまでの指導を振り返ると、問題構造をつかめず立式できない児童、演算決定で間違えてしまう児童がいた。全国学力・学習状況調査の結果からも、小学校高学年で問題構造をつかめていない児童、演算決定で間違えてしまう児童の割合が多いことが分かる。問題構造をつかめなかったり、演算決定で間違えたりしてしまう原因の根本には、次の2つにあると考えた。「文章題を端的に表した図(ここではテープ図、対応線分図を扱う)を読む経験量の少なさ」と、「図と問題文と式を関連させて考える経験量の少なさ」である。そこで、以下の2つの手だてを単元の中で繰り返し設定し、その解決に迫った。
1 選択肢から正しい図を選ばせる
 問題文と一緒に3つの図を提示し、問題に適した図はどれかを問う。「単位が違うので、この数があるのはおかしい」「もとになる量は1になるはずだからこの図は違う」など、児童は選択肢の図の中の間違いを指摘し、図の見方を獲得していく場面、問題文と図を関連させていく場面を設定する。
2 なぜその式が正しいのか、問題文や図と関連させて説明させる
 式の正しさを、問題文や図を根拠に説明させる。演算決定の根拠を問題文の中から探したり、問題文を言葉の式に言い換えたりさせることで、式と問題文を関連させていく場面を設定する。また、同様に「比べられる量」「もとになる量」「割合」が図のどこに当たるのか考えさせることで、式と図を関連させていく場面を設定する。具体的には、選んだ図を使って説明する活動を取り入れる。
 この2つの手だてを、「分数の乗除」「割合」単元の中で繰り返し設定し、文章題の問題構造をつかんで演算決定する姿を目指した。

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「教育実践」
数学的活動における生徒の課題意識を高めるための手法の考察
~ジグソー法を用いた学び合い活動を通して~
佐渡市立金井中学校
阿部 早和

  これまでも数学的活動の場面で学び合い活動を行ってきたが、上位の生徒が主体となって問題を解き、周りの生徒はそれを聞くだけ、写すだけになる場面が多く見られた。全ての生徒が主体的に課題解決に向かうためには、これまで学習した内容に自信をもつとともに、一人一人が本時の課題に対する明確な課題意識をもつことが重要であると考えた。そこで、アクティブ・ラーニングの具体的なあり方やその方法を充実させるための指導案検討、学び合い活動の効果的な活用について探求を続けてきた。数学的活動の場面において、アクティブ・ラーニングの一環として「ジグソー法」による学び合い活動を実践することで生徒の学力や学習意欲を高めたいと考え、本研究実践を行った。
 様々な単元や内容において実践を行い、ジグソー活動を効果的に作用できるのはどの単元や内容かを検討した。また、ジグソー法を取り入れた授業では、導入部で行うヒント問題と課題をいかに設定すればより効果的に活用できるかについても検討した。
 ジグソー法を有効に活用して課題意識を高められたことで、次の成果があった。
1 各単元の活用において、生徒の意欲的な様子が見られ、自己評価も高く、ジグソー法における課題設定が有効であった。
2 オープンエンドな課題を設定した場面において、生徒の取組の様子、自己評価から課題意識を高くもって意欲的に取り組む姿が見られた。
3 ヒント問題と本時の課題の意図的なつながりを重視し、エキスパート活動からジグソー活動を設定することで、2つの活動のつながりを生徒が実感しやすく、課題解決までの道筋がはっきりしたため、課題意識が高まったのだろうと考えられる。
 また、計算や証明の内容では有効に活用することが難しいことも分かった。これらの分野でいかにジグソー法のヒント問題と本時の課題を設定し、生徒に働き掛けることで有効に活用できるかについて、今後も研究を続ける。

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「教育実践」
児童が主体的・対話的に課題を解決するグループ学習の指導法
~思考を共有する「つぶやき君(共有シート)」を用いて~
阿賀野市立分田小学校
川口 弘泰

  これからの児童の学習の在り方として望まれるのは、課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを目指す「アクティブ・ラーニング」であると言われている。そのための指導の方法等を充実させていくことが求められている。
 今年度、「グループ学習の充実」をテーマとして研究を進めている。石田淳一氏は、「学び合いのある算数授業づくりに取り組む上で、グループ学習は欠かせない。」と、グループ学習の重要性を説いている。
 しかし、グループ学習の質が高くなければ、算数の得意な一部の児童が主導権をにぎって課題を解決し、グループの全員が理解しないまま学習が進んでしまいがちである。一方、算数の苦手な児童は、分からないことを同じグループの児童にそのことを伝えることができずに学習が進むことから、個人で問題を解く場面になると手が止まってしまうことがある。課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを実現するためには、グループ学習の質をいち早く高める必要がある。
 グループ学習を行わせる時に、まずは授業者が「グループ学習のもつ役割や質」を十分に理解する必要がある。そして、「ねらいをはっきりさせたグループ学習」「1単位時間のグループ学習の取り入れ方の工夫」を行うことで、児童に横のつながりが構築され、課題発見・解決に向けた主体的・対話的で深い学びに変化すると考えた。
 本研究では、思ったこと・分からないこと・相談したいこと・自分の考えなどを自由に書き込むことができ、かつその情報が常に開かれた状態となる「つぶやき君(共有シート)」を、グループに1枚ずつ配付する。児童一人一人の思考が明確になる「つぶやき君(共有シート)」を用いることが、グループ学習の質の高まりに有効であったか否かを明らかにする。

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「教育実践」
継続的な言語活動を通した数学的な表現力の育成
~式と言語を往還させる活動を通して~
新発田市立本丸中学校
皆川 俊勝

  当校の生徒は問題を解くことはできるが、自分の考えを伝えたり、解法や思考の流れを説明したりすることが苦手である。また、数学的用語を正しく理解していない生徒、自分の考えやその根拠を伝えることが苦手な生徒も多い。そこで、問題解決の過程や思考の流れなどについて、数学的用語を用いて適切に表現する活動を意図的に設定し、仲間とかかわり合う活動を通して数学的な表現力の育成を目指すことにした。さらに、式と言語を往還させる言語活動を日々の授業の中に継続的に行うことで、生徒が自分の考えを根拠をもって説明することができるようにする。
 本研究では、次の手だてを意識しながら授業を行った。
1 授業において課題提示をする際には前時の学習や既習事項との比較を行わせ、本時の課題との違いや既習事項との関連を見付けさせる。本時の学習は既習事項に到達するまでの部分であることを伝え、学習内容を明確にさせる。
2 課題解決の方法について他者に説明をする機会を意図的に設ける。自分の思考の流れを説明する際に、数学的用語を意識して使わせるようにする。生徒には適切な説明をした生徒をモデルにするように働き掛ける。自分だけで説明することができない生徒には教師や他の生徒の説明をモデルに復唱させ、説明の仕方や考え方の根拠等の理解を深めさせる。
3 互いに課題解決の手助けをしたり、質問し合ったりする場を設定し、生徒同士がかかわり合って学ぶ機会をつくる。問題演習等を行った後には全体での答え合わせの前に近くの生徒同士で答え合わせをさせたり間違った箇所の訂正をさせたりするなど、分からないことを教えあったり聞きあったりする場面を意図的に設定する。また、かかわり合いのキーワードを提示し、かかわり合うスキルを身に付けるきっかけをつかませる。
 以上の手だてを計画的・意図的に実践し、生徒の変容を検証した。

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「教育実践」
算数教育における「ミスコンセプション」の解消を目指した学習指導の工夫
~コンセプションの静態の四面体モデル(大滝、2013)と否定論(岩崎、1992)を用いて~
新発田市立東豊小学校
伊藤 孝希

  系統的展開の強い現在の算数教育において、児童は既有の知識に基づいて新たな知識を創りだす(阿部、2013)。
 しかしながら、その新しい知識を創りだした後でも、既有の知識に固執してしまう児童が現れる。例えば、「平行四辺形の面積」では、その公式を言葉で記述することやそれを用いて求積することはできても、多くの児童が「高さ」を斜辺と混同することが指摘されている(清野、2011;辻、2012)。また、平成19年度の全国学力・学習状況調査においても、多様な情報が示された中で平行四辺形の面積について考える問題では、(底辺の長さ)×(斜辺の長さ)で求めている解答が34.4%も表れた(国立教育政策研究所、2007)。
 このような「ミスコンセプション」(平行四辺形の求積を、長方形の求積のように『辺×辺』で求めてしまう)の解消は、算数教育における重要な課題の1つといえる。
 そこで本研究では、この「ミスコンセプション」の解消を図るために、2つの理論を用いる。1つ目は、コンセプションの静態の四面体モデル(大滝、2013)である。このモデルでは、既有知識から新しい知識への発展性を明らかにすることができ、新しい知識のもとで既有知識が残ることを「ミスコンセプション」として捉えることができる。ゆえにこのモデルを用いて、児童の概念形成の状態と「ミスコンセプション」の要因を明らかにする。
 2つ目は、数学的概念形成理論である否定論(岩崎、1992)である。この否定論は、「1 今までの方法ではできないことを意識させる段階(限界の認識)」「2 どうやったらできるか考えさせ、共通点を見いだし、新しい概念を捉えさせる段階」「3 なぜ今までの方法ではできなかったのか考え、比較しながら、概念間の関係性を捉えさせる段階」の3段階で構成されている。これらの過程を経て、ミスコンセプションの解消を図る。
 この2つのモデルを用いて児童のミスコンセプションが解消される様相を2実践で示し、学習の振り返りの記述を分析して、ミスコンセプションの解消と研究方法の妥当性を検証する。
<引用・参考文献>
阿部好貴(2013).「数学的モデル化からみた数学的リテラシーの捉え方」,日本数学教育学会『数学教育学論究 臨時増刊』,第95巻,pp.9-16.
岩崎秀樹(1992).「数学学習における「否定」の研究(1)」,日本数学教育学会『第25回数学教育論文発表会論文集』,pp13-18.
国立教育政策研究所(2007).『平成19年度 全国学力・学習状況調査 調査問題 小学校算数B』,p.13.
大滝孝治(2013).「確率ミスコンセプションの克服に関する否定論的考察:小数の法則を事例として」,全国数学教育学会『数学教育学研究』,第19巻,第2号,pp.109-115.
清野佳子(2011).「面積の概念の統合的な理解を図る指導の工夫‐図形の性質に着目した変形操作を通して‐」,日本数学教育学会『算数教育』,第93巻,第2号,pp.2-10.
辻宏子(2012).「平行四辺形の求積問題の解決にみる子どもの「高さ」の理解」,日本数学教育学会『算数教育』,第94巻,第4号,pp.2-10.

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「教育実践」
文章問題の場面把握ができる子どもの育成を目指した算数授業
~テープ図を作り出す場面を取り入れて~
三条市立上林小学校
御子柴 直之

  児童が文章問題に取り組むとき、問題の中で数値がどのような意味があるのか把握できていないことがある。そのため、正しく式を立てられず、答えが求められないことがある。その問題を解決する手掛かりが、文章問題の場面を図に表す指導にあると考えた。児童は、第2学年において、たし算とひき算の文章問題を取り組む際、テープ図に表してから式を立て、問題を解いている。
 文章問題の場面に沿ったテープ図をかき文章問題の場面把握ができる児童を目指し、第3学年においてもテープ図を作り出す場面を取り入れた指導が必要であると考えた。
 そこで、次の2つの手だてをとる。
1 文章問題の場面を数値の入ったテープ図に表す活動の組織
 文章問題に取り組む際、すぐに式を立てるのではなく、テープ図に表す活動を取り入れる。数値の意味を意識できるように、テープ図には、文章の中の数値を必ず書き入れて表すようにした。
2 作り出したテープ図をグループ全体で検討する場の設定
 各自がかいたテープ図は、まず、4~5人のグループ内で見せ合い、文章問題の場面に沿っているか検討した。検討においては、文章の数値がテープ図のどの部分にあたるのか説明し合った。また、児童によってテープの数にも違いがあり、場面に沿ったテープ図はどのように表せるか考えさせる場とした。次に、各グループの代表的なテープ図を全体で検討する場を設定した。文章問題の場面に沿ったテープ図を明確にして、より正確な場面把握ができるようにした。
 これらの手だてにより、たし算とひき算の文章問題において、正しく場面を把握できる様子が見られるようになった。今後も、児童が様々な文章問題において、テープ図などの図を活用できるように実践を続けていきたい。

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「教育実践」
数学的な思考力、判断力、表現力を支える効果的なICT活用法の研究
三条市立森町小学校
野口 大樹

  「算数を好きになって欲しい」という願いが根本にある。今まで子ども自身に、学習意欲をもって課題に取り組んでもらいたいと、ICT機器を活用した実践を行ってきた。その結果、ICTの活用により「子どもの視線が集中した」「問題場面のイメージがしやすくなった」という効果があることが分かったものの、以下のような課題が見られた。
(課題)
・教師側が与えたものを基に考えるため、思考に制限がかかる。
・タブレットやタッチペンの操作が直観的でなく、ノートや黒板の方が表現しやすい。
・書画カメラでは異なる意見を並べて提示できない。縮小して並べて表示では見えにくい。
・最後に教師がきれいに整理したアニメーションを見せたのでは、児童に考えさせた意味がなくなり、自分で考える意欲態度をかえって削いでしまう。
 これらの課題解決のため、「どの場面やタイミングでどんなICTを活用すればねらい達成に有効に働くか」「学級の実態を踏まえ、児童の意欲付けを大事にした有効な活用法は何か」を考えた。その結果、「授業導入場面での学習課題の提示にこそ、ICTが生きる」ということが見えてきた。そこで私は、「スモールステップでのフラッシュカードの提示による導入」を取り入れた授業を組み立てた。
 「スモールステップでのフラッシュカードの提示による導入」とは、まず、ホワイトボードにパワーポイントで作成したコンテンツをプロジェクターで投影する。次に、授業導入時に、本時の課題で、自力解決につながる重要な既習事項を、フラッシュカード形式で組み立てて進めていく授業方法である。その際、スモールステップを大切にする。
 この方法を通して児童の学習意欲を促し、数学的な思考力、判断力、表現力を深める支えとなることができたかを検証していく。

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「教育実践」
論理的思考力を育む授業展開の工夫
~「問題づくり」を取り入れた単元構成を通して~
長岡市立山古志中学校
大田 克

 数と式の領域において、文章問題を苦手としている生徒は少なくない。文章問題をよく読もうとせず問題を解こうとするか、あきらめてしまう傾向がある。しかし、立式さえできれば解くことができる生徒が多い。そこで、いろいろな解法でアプローチできる「問題づくり」を取り入れた単元構成を行うことによって、数学の面白さや楽しさを味わうことができれば、数学への興味・関心が高まり、その結果、事後の学習は生徒の積極的な学びへと変容していくものと考える。
 「問題づくり」の授業は、単元全てを学習した最後に発展課題として取り扱われることが多い。しかし本研究では、その単元での解き方をひと通り学習した直後の「利用」の第1次で行うことで、今までの既習内容を確認でき、文章問題の問題構造を知り、さらに発展的な問題に取り組もうとする生徒の姿を目指す。
 また、生徒が作成した問題をお互いに解き合ったり、変更した条件が問題として成り立たなかったものをグループで協力しながら問題づくりをしたりすることで、生徒は自ら課題を見付け、課題を追求できるようになると考える。
 それにより、具体的な整数の計算式から答えの規則性を機能的に見いだし、それがいつでも成り立つことを演繹的に証明していく流れを大切にし、文字や式を利用することのよさや論理的思考力の伸長を図る。
 2年「連立方程式」では、身の回りの問題(代金)を例題として問題づくりを行ったため、自由に問題をつくることができていた。生徒の中には割合を用いた問題(割引セール)をつくったり、3種類の商品を用いた問題(3元1次方程式)をつくったりする生徒が見られた。3年「式の計算」では、2次方程式を用いて整数の性質を調べる問題を例題として「問題づくり」を行った。こちらは問題の条件変更によって、新たな問題をつくりあげる活動とし、どの生徒も参加できるような手だてを取り入れた。
 このように「問題づくり」の授業を「利用」の第1次で行うという実践をし、その有効性を考察する。

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「教育実践」
言語活動の充実による 一人一人の分かり方を認め、考えを広げ深める授業づくり
~5学年「図形の面積」、6学年「拡大図と縮図」の実践を通して~
魚沼市立小出小学校
藤井 大輔

 文部科学省「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」(2015)では、「多様な表現を通じて、教師と児童や、児童同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる」と言語活動の充実の必要性を述べている。私のこれまでの算数授業では、子ども同士の協働的な学習場面の設定や、身に付けさせたい数学的な見方・考え方を焦点化する教師の働きかけが不十分であるために、帰納的な考え方や類推的な考え方などのよさを感じさせたり、理解を深めさせたりすることが十分にできていないことが課題であった。
 そこで、本研究では、多様な表現の交流を通じて、互いの考えを共有し、考えを広げ深める授業づくりを試みることとし、次の2点から研究を進めた。
1 角度や辺の長さに着目しやすい特徴をもつ図形を教材とする
 原問題として、角度や辺の長さに着目しやすい特徴をもつ図形から導入する。特徴のある既習の図形を教材とすることで、特徴が調べやすく既習の知識と結びつけて考え、解決の見通しをもったり、相異点と類似点に着目して考えたりすることができる
2 複数の図形を比較させ、数学的な見方・考え方に迫る段階的な発問をする
 複数の図形を比較させながら、感覚的な捉えから一般化に結びつける段階的な発問をする。実践1では、鋭角三角形の求積方法を直角三角形の求積方法と比較して一般化に結びつけていく発問をする。実践2では、拡大図・縮図の導入場面において複数の平行四辺形にどんな共通点があるかを演繹的に考えさせる発問をする。
 本研究において、特徴をもつ既習の図形を教材とすることにより、児童が既習の知識と関連付けて考え、解決の見通しをもったり、共通点に着目して考えたりする姿を生み、児童の数学的な見方・考え方への着目を促すことができた。また、段階的な発問により、児童が問題解決における数学的な発想や思考方法に気付いていく姿を生み出し、自分の考えを広げ深めることができた。

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「教育実践」
具体的事象を取り入れた一次関数の指導
~アクティブな授業づくりの工夫を通して~
十日町市立水沢中学校
白井 康智

 関数領域における指導では、表・式・グラフの相互的な関連が重要視されている。一方で、今年度行われた全国学力・学習状況調査における中学2年生の一次関数では、「変化の割合」と「変域とグラフ」に全国的に課題がみられた。本研究では、この2つの単元に焦点を当てる。この単元の指導で、具体的事象を取り入れ、その意味理解を深めさせることがねらいである。
 次の2つの手だてからねらいに迫った。
1 知識習得場面における具体的事象の導入
 具体的事象における「変化の割合」の意味を明らかにし、それらと式・表・グラフとの関係性について理解を深めていく。「変域とグラフ」では、具体的事象から変域を考察していく。その上で、座標平面上での変域を視覚的に提示し、グラフと変域との関係性の理解につなげていく。
2 ICTを活用した授業過程と形態の工夫
 ICTを活用することで、グラフの変化の様子などを動的に提示し、視覚的な理解を深め、学習内容のイメージをつかみやすくする。授業導入場面では、教師と生徒とのやり取りの中で指導内容を生徒が確認する。この場面では、生徒はノートへの記述は一切しない。黒板やスクリーンを見ながら、板書やスライドの次の内容を自ら声に出しながら答えていく。生徒が考え発言していくため、集中させることができる。また、ノート記述がないことで、教師の問いかけや話している内容を集中して聴くことができる。
 本研究では中教審答申に則り、アクティブ・ラーニング型の授業を構成した。授業全体を、①教師による説明・生徒との受け答え・生徒同士の対話、②生徒同士による問題演習、③確認問題、④振り返りの4段階に分ける授業過程の工夫を行った。
 これらの手だてを本研究で意図的・継続的に取り入れることで、その有効性を検証していく。

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「教育実践」
生徒が途中式のよさを感じる指導の工夫
~文字式と1次方程式の授業を通して~
南魚沼市立城内中学校
村山 佳宏

 全国学力・学習状況調査の質問紙の結果からも分かるように、数学の授業で問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いている生徒はさほど多くない。途中式を書かずにうっかりミスをしてしまう生徒が多く、Web配信問題を見ても、基本の計算で単純なミスをしてしまい、途中式を見直そうとしない生徒が目立った。
 この課題に対して、日々の授業を振り返った時に、生徒が途中式のよさを感じ、価値を見いだすような指導が不足していたことに気付いた。そこで1年生、文字式と1次方程式の授業を中心に次の2点から課題解決に迫った。
1 設題の仕方の工夫
 一般的には、「次の計算をしなさい」というように解を求めさせる設題が主流である。過去の私の授業も、一般的な設題が多かった。そこで、知識や解法を解説した授業の後に、「途中式を考えなさい」というような、途中式を問う設題を意図的に取り入れる。途中式に意識を向けさせることで、その大切さを感じ、価値気付くだろうと考えた。そして、間違った際、自分の途中式を見直し、問題解決につながるのではないかと考えた。
2 式変形の理由を考える活動の設定
 途中式を考える際に、どうしてそのような途中式を書いたのかを理解する必要がある。そのため、ペアでの説明活動を取り入れる。説明することで、より理解が確実なものになるのではないかと考えた。
 上記の2点を授業で実践していくことで、生徒が途中式の価値に気付き、途中式を生かして計算過程を振り返るようになったかを検証する。

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「教育実践」
ジグソー法を用いた社会的事象の追究
~事象を多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成~
新潟市立白新中学校
山田 耀

 これまで社会科の授業で「ジグソー法」を活用してきた。「ジグソー法」とは、ある課題を解決するために、複数の追求する面を設定し、それぞれを分担して追求した上で、話合いの中で共有、統合することで答えを導き出す手法である。「ジグソ-法」は社会科で不易である社会的事象を多面的・多角的に考える力を育むことに有効である。また、この「ジグソー法」は中央教育審議会(諮問)「初等中等教育におけるアクティブ・ラーニングの取組例」の「ペア学習・グループ学習等の推進」の中で例示されており、現在注目を浴びている手法である。
 これまでの実践で、生徒は社会的事象を多面的に把握し、考えを「広げる」ことができた。しかし、思考の「深まり」については課題が見られた。(ここでの「広がり」とは社会的事象について考える際の“面”が増えること、「深まり」とは社会的事象について考える際の“視点”が増えることとする。)事象について複数の面から考えられるようにはなったが、その考え方、獲得した知識を活用する場面がなかったことが原因の1つとして考えられる。
 そこで本研究では、「ジグソー法」を用いた授業に、多角的に考察する場面として意思決定、問題解決場面を設ける。これにより、生徒の思考に深まりが生まれ、社会的事象を多面的に把握した上で、多角的に考察することができるという仮説を立てた。以下の手法を用いて検証していく。
1 生徒が授業を通して社会的事象に対する見方、考え方をどのように広げ深めたかの変容を追う
 授業前の生徒の見方と考え方、授業中における生徒の発言やノート記述、振り返りを比較することで、手だての有効性を図る。
2 複数の意思決定場面の設定
 実践の中で、意思決定場面を設けるが、1実践目では1つの立場を基にした意思決定場面、2実践目ではそれぞれの立場を基にした意思決定場面を設ける。これにより、両者を比較することで、より子どもの思考が深まる手だてを検証する。
 上記の方法を用いて検証することで、社会的事象をより多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成を目指す。また、「ジグソー法」のより有効な活用につながり、課題解決を図るアクティブ・ラーニングとしての授業改革の実例となるところにも本研究の意義がある。

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「教育実践」
事実の読み取りや解釈を通して思考を深め、自分の言葉で表現できる生徒の育成
~単元の再構成とまとめ活動の位置付けの工夫を通して~
村上市立山北中学校
渡辺 利一

  学習指導要領では、生徒の思考力・判断力・表現力を確実に育むことが重要となっている。観点別評価においても「思考・判断・表現」となっており、思考・判断するためには言語活動(表現する活動)を行わなければ評価もできないことになる。つまり、生徒が机に座って教師の講義を聴いて暗記する授業から、生徒が考え判断し表現する社会科授業に改革していかなければならない。
 そこで、以下の方策を使い、社会科的な思考力・表現力を高める授業のあり方を研究した。
1 単元の再構成
 2単位時間を1つの授業とし、そこに、まとめ活動を位置付け、繰り返し行う。
2 事実の読み取りや解釈の活動
 資料から事実を読み取り、解釈させ、グループ活動により意見を練り上げまとめさせる。
3 まとめ活動の工夫
 立場を変えて考えさせることによって、解釈した意見を整理するとともに多角的に事象を捉えさせる。
 今後も授業改革を進め、生徒の主体的な活動の質と量を確保していくことで、生徒の社会科的な思考力・表現力を高める努力を続けていく。

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「教育実践」
中心概念を一般化する単元構成の工夫
胎内市立黒川小学校
本間 裕

 1 これまでの私の指導の課題
 5学年単元「米作りの盛んな地域」における中心概念は「農家の人たちは、地域の自然条件を生かしながら、さまざまな工夫や努力をして、おいしく安心して食べられる米を作り、国内での米作りを続けていこうとしている。」である。
 教科書では1次で日本全体の稲作の概観を指導し、2次で一農家の事例を検討させる。また、単元の終末には、それまでの学習を通して習得した具体的知識を基に「日本全国の農家の人たちの工夫や努力も同様である」と工夫や努力を一般化させて、中心概念に迫ることが多い。しかし、これまでの私の指導では身近な一農家の事例を追究させることに終始し、そこで身に付けた具体的知識と日本全体とのつながりについて、深く考えさせる手だてが不足していた。結果として、中心概念に迫るために、「日本全国の農家の人たちも同様に工夫や努力をしている」と一方的な教師の説明を聞かせ、児童に飛躍した考えをさせて一般化させていた。そのため、どうしても実感的に理解したと考えられる中心概念を記述させることができなかった。
2 研究の手だてと結果
 上記の課題を改善するために、身近な事例である黒川の稲作を検討させた後に、南魚沼の稲作を検討させることを試みた。これにより児童は「新潟県内の農家も黒川の農家の方と同じように工夫や努力をしている」と県内の稲作の工夫や努力を一般化することができた。次に、身近ではない事例として、近年、味覚、評判ともに知名度を上げている山形県の稲作を取り上げ、新潟県の稲作と比較検討させた。児童は身近な事例の検討で一般化した新潟県の稲作の工夫や努力をもとに、山形県の工夫や努力を一般化することができた。単元終末の児童は具体的な事実をあげながら「日本全国の農家の人たちも同じように工夫や努力をしている」という中心概念に迫る記述ができた。
 今後は他の単元や他学年の内容についても、転移・応用ができないか研究を行っていきたい。

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「教育実践」
実感を伴った自分の考えを、深めていく子の育成
湯沢町立湯沢小学校
井上 大輔

 小学校学習指導要領解説社会編では、社会科の学習では「国家・社会の形成者として、その発展に貢献しようとする態度や能力を育てようとしているのである。」と述べられている。これを受け、私は児童が社会的事象を多面的な視点で考え、自分の考えをもつ力を育てることが必要だと考えた。そこで、児童を育てる過程を、次の2つの段階に分けて、それぞれ手だてを講じた。
1 実感を伴った考えをもつ段階
 社会的事象に触れ、一人一人が自分の考えをもつためには、社会的事象と自分とのかかわりに気付き、実感を伴った考えを形成することが大切である。そのための手だてとして、体験的な活動や社会的事象にかかわりの深い人から話を聞く活動を設定した。また、扱う社会的事象が自分の生活とどのようにかかわっているかを考える活動を取り入れ、社会的事象について、当事者意識をもって考えられるようにした。これにより単元で扱う社会的事象について、児童一人一人が自分の考えをもつ姿を目指した。
2 かかわり合い、考えを深める段階
 社会的事象について自分の考えをもった児童には、互いの考えを交流し、多面的な考えを獲得していくことが大切となる。そのための手だてとして、資料提示のタイミング・発問・板書を工夫した。問題解決をしていく中で、追求課題に対して結論が出て思考が収束しそうなときに、既習事項とは別の資料を提示し、再度児童の思考を促した。そのときに既習事項と新たな事実が示す事象とのズレに気付かせる発問をし、追求課題を設定した。また、ズレや思考の流れが明確になるよう構造的に板書をした。先の段階で自分の考えをもった児童が、それぞれの考えをいきいきと話し、問題を解決していく姿を目指した。
 学年が上がるにつれて、扱う社会的事象が、自分の生活から離れたものになっていく。上述のステップにより、体験的な活動や話を聞く活動で実感を伴った自分の考えをもち、その考えを交流することにより、自分と異なる考えに触れ、多面的な視点をもち、自分の考えを練り上げていく姿を目指し、2つの段階における手だての有効性を検討した。

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「教育実践」
地域を愛する子どもの育成
~自分の地域と他地域との比較を通して、思考力を高める指導の工夫~
柏崎市立内郷小学校
櫻井 諒

 柏崎市は、年々人口が減少しており、当校が位置する市内西山町も同じく人口が減少している。特に20代の女性の人口流出が目立つなど、若者世代の人口流出が課題の1つとなっている。これは柏崎市だけではなく、全国各地で課題となっていることである。この課題を解決するためには、将来の社会を支える子どもたちに地域愛を育むことが必要だと考える。
 社会科は、主体的に社会の形成に参画しようとする態度や資料から読み取った情報を基にして社会的事象について考察し表現する力を育む教科である。社会科の学習を通して、子どもたちに思考力と地域愛を育みたいと考え、以下の2点で研究を進めている。
1 自分の地域と他地域とを比較する活動を取り入れた単元構成にする
 児童は、何かを学習する際に、常に自分の知っていることと比べながら学習している。自分の住む地域のよさを明らかにして、他地域のよさと具体的に比べることで、自分の住む地域により愛着をもつようになる。
2 自分の地域と他地域とを比較して考えたくなるような学習課題を提示する
 自分の地域と他地域とを比べさせたいときには、児童に「比べてみなければ分からない」という思いを抱かせるような学習課題の提示を行う。そうすることで、資料を読み取る目的が明確になり、自分の地域のよさに気付くことができる。
 本研究は地域活性化の基盤をつくり、「持続可能な社会」を実現するためにも価値のあるものだと考え、これからも研究を続けていく。

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「教育実践」
叙述をもとにして読む力を高める物語文の指導
新潟市立上山小学校
伊比 祥子

 教育課程企画特別部会における論点整理(平成27年8月)では、育成すべき資質・能力の1つとして、「学びに向かう力」が挙げられた。国語科においても、学習活動を次へとつなげる主体的な学びの実現が重要となる。
 「読むこと」の物語文の学習においては、児童が主体的に読み、自分の考えを表現できるようにしていくことが大切である。しかし、叙述を基にして考えることへの個人差は大きく、何に着目したらいいか分からなかったり、根拠をもたずに読み進めたりする児童も少なくない。そこで、次の2点から課題の解決に迫った。
1 読みを広げたり深めたりするための工夫
 それぞれが役割をもって物語を読む「リテラチャー・サークル」の手法を用いた。グループでかかわり合いながら読みを広げたり深めたりすることで、個人差への対応を図った。また、物語文を読む際の手掛かりを知り、主体的に読む力の土台とした。
2 学びを生かす機会の設定
 並行読書を行い、共通教材での学びを生かせる機会を設定した。今後の学習や読書につながるよう、手掛かりをもって読んでいく経験を積んだ。
 国語の能力は、各教科の学習の基礎となる。一つ一つの取組を次へと生かし、粘り強く学びを積み重ねていかなければならない。「主体的な学び」をキーワードに、実生活に生きて働くような国語教育を今後も研究していく。

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「教育実践」
相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝える児童の育成
~文章構成を意識して書く活動を通して~
粟島浦村立粟島浦小学校
松岡 誠

 学習指導要領解説国語編3・4年生の「書くこと」においては、相手や目的に応じ、調べたことなどが伝わるように、段落相互の関係などに注意して文章を書く能力を身に付けさせるとともに、工夫をしながら書こうとする態度を育てることが重要であると述べられている。
 しかし、書くこと自体に抵抗感をもっている児童がいる。また、工夫して書こうとせずにただなんとなく書けばいいと考えている児童も多い。
 そこで、児童にモデル文を提示し、その文を真似しながら書かせることで書くことに対する抵抗感をなくそうとした。回を重ねるごとに書くことに対する抵抗感が減ってくるとともに、文のイメージをつかむことができた。しかし、工夫して相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝えようとすることに課題が残った。
 その課題を解決するために、文章構成を理解させ、その理解のもと文章構成を考えて表現できるようにする必要がある。そこで、目指す児童を次の2つに設定した。
1 「始め-中-終わり」の文章構成で文が書ける児童
2 文章構成の仕組みに適した内容で文が書ける児童
 そして、相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝える児童を育成するために2つの手だてを行った。
ア 児童が文章構成を理解しやすいように、自作のモデル文を児童に示す。
イ 児童が文章構成を意識して書くように、バラバラ説明文の修復活動を何度も繰り返す。
 自作のモデル文を提示したことにより、文章構成の基本の型を模倣し、「始め-中-終わり」の文章構成で書くことができた。このことは、モデル文と児童の説明文の構成が同じになっていることからも分かる。また、バラバラの説明文の修復活動を何度も繰り返したことによって、「始め-中-終わり」の文章構成の仕組みを学習し、その仕組みに適した内容の文章を書くことができた。特に中の具体的な例を書く場面では、時系列で示したり、身近なものから身近でないものという順番で相手に分かりやすく書いたりすることができるようになった。

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「教育実践」
文学的な文章の学習において、観点をもって読み、自分なりの解釈をもつ子どもの育成
新発田市立御免町小学校
山田 雄太

 文学的な文章の学習において、「物語をどのように読んだらよいか分からない」という児童が多い。授業で扱った教材文は読むことができても、別の作品になると、どのように読んでよいのか分からないのである。私のこれまでの指導を振り返ってみると、教材文を正確に読み取らせるための発問や指示に留まっていた。しかし、「教材文を教える」のではなく、「教材文で教える」ことが大切であり、そのポイントは、読みの観点を児童に身に付けさせることであると考える。
 本研究では、文学的な文章の学習において、児童に観点をもって作品を読ませることを通して、児童が自ら読み、自分なりの解釈をもつ姿を目指す。そのために、2つの手だてを講じる。
1 教師が児童に読みのモデルを示す
 観点を児童に示す際には、教師が一人の読み手としての読みのモデルを示す。観点を教え込むのではなく、モデルを手掛かりとして児童に自ら読みの観点に気付かせる。また、単元の導入で教師が読みのモデルを示すことで、身に付けさせたい読みの観点を意識しながら教材文を読み進める。この活動を通して読み方の習得を図る。
2 自分なりの解釈を表現する活動を設定する
 本研究は、2つの単元での実践を基に検証する。1つ目は、5年生「大造じいさんとガン」、2つ目は、6年生「やまなし」である。「大造じいさんとガン」では、情景描写を読みの観点として、物語の魅力を本の帯にまとめさせる。「やまなし」では、比較(対比・類比)を読みの観点として、単元の終末では、「作品の心」を自分の言葉で表現させる。観点に沿って読み進めた自分なりの解釈を表現させることで、自分の読みの変容を自覚させる。
 これらの手だてを通して、児童一人一人に読みの観点を身に付けさせる。そして、自分の力で意欲的に読み、作品を味わう姿を期待して研究を進める。

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「教育実践」
説得力のある意見文を書くための指導過程の工夫
~経験を生かして書く児童の育成を目指して~
五泉市立五泉南小学校
山川 奈津子

 自分の伝えたいことを、自分自身の経験や、グラフ、図などの資料を効果的に使い文章にしていくという単元がどの学年にも設定されている。しかし、実際伝えたいことがなかなか伝わらない文章になったり、取り入れた経験や資料が内容と合っていなかったりということがある。そして、それに児童も気付いておらず、書き上げた事実だけで満足してしまっていることが多い。もっと、書くということの様々な工夫を自覚しながら、自分の文章を練り上げていくことが必要ではないかと考えた。そこで、伝えたいことが伝わる文章に必要な経験を選択し、伝わるための工夫を自覚しながら書くことができるような児童を育成したいと考え本実践に取り組んだ。
 本実践で設定した手だては、下記の3点である。
1 どの児童にとっても身近で考えやすいテーマについて話し合い、自身の経験を掘り起こしてから意見文に取り組ませる
 対象学年が6年生であることから、卒業にあたり5年生に対してぜひ引き継いでほしい五泉南小学校のよさについて話し合いを行った。
2 モデル文を自分のお試し意見文と比較することで、自分の意見文に足りないところに気付かせ、それらを取り入れて書かせる
 話し合いの結果を基に、まず自分で書いた意見文(=お試し意見文)と教師のモデル文との比較を行った。
3 モデル文の検討で見つけた工夫を意識させるため、チェック表を活用し意見文を書いたり評価したりする
 児童が見付けた工夫を表にし、取り入れたい工夫を意識させてから書いた。隣同士読み合う時には、その工夫が伝わったかどうかを表を基にチェックさせた。

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「教育実践」
「比べ読み」を通して、読む力を高める指導の工夫
見附市立名木野小学校
坂井 大空

 今までの国語授業は、1つの教材に対して、その教材だけを丁寧に教えていく形で学習を進めてきた。私は、こういった指導の仕方で、文章を読む力を高めることができるのか疑問に思っていた。
 全国学力・学習状況調査の国語B問題に着目すると、「まどみちお」の詩集、「ごんぎつね」の意見文など、複数の資料や文章から必要な情報を読み取ったり、それらを比べたりして答えを導くという内容の問題が出題されている。文学的文章を読んで、登場人物の心情や相互関係を捉えたり、説明的文章から、目的に応じて必要な情報を取り出したりして、それらを関連付けて読む力が求められているのである。
 今までの国語授業のように、1つの教材だけでは、こういった問題に対応できる力はなかなか身に付かないのではないか。また、宮沢賢治の「やまなし」に代表されるように、教材によってはその物語の世界や作者のメッセージを十分に読み取りにくいものがある。また、説明的文章の指導においても、その教材だけでの学びでは、作品の構成や書き方などの良さに気付きにくい。
 これらの課題を受け、複数の教材を活用し、それらを読み比べることで、教材間の共通点や相違点から、書かれ方の良さや作者のメッセージに気付くことができるのではないか。そして、その結果、今まで以上に文章を読む力を高められるのではないか、と考えた。
 そこで、文学的文章、説明的文章に対する「比べ読み」の実践を行う。文学的文章に対しては、同一作者の他の作品と読み比べる学習を通して、作者が作品に込めたメッセージに迫っていく。説明的文章に対しては、類似した文章と読み比べる学習を通して、文章の構成やそれぞれの良さを捉えていく。これらの実践を通して、実践の成果と課題を明らかにしながら、上記の仮説の有効性を検証していく。
 そして、児童が読む力を高める姿を実現していきたい。

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「教育実践」
「自らの学び」を大切にする子どもを育む国語教室づくり
~次期学習指導要領の視点を見据えて~
長岡市立宮内小学校
相澤 勇弥

 次期学習指導要領に向け、大切な視点として、アクティブ・ラーニングやカリキュラム・マネジメントが挙げられる。子どもが主体的に、前のめりになって学習する姿。子どもが、仲間と進んで協力して学ぶ姿。授業者として、教室に実現させたい子どもの姿である。
 では、どうやったら、そういった子どもの姿が実現するのだろうか。特に、国語科では困難さを想像する方も多いのではないだろうか。
 そこで、「単元をデザインする」という視点をもつことで、前のめりに、協力し合う子どもの学びの表出を求めた。次の3点から、子どもと行う学習活動を見直した。
1 子どもの実生活や実態に合わせること
2 子どもとともに学習を計画すること
3 かかわり合いたくなる仕掛けを教材に合わせて用いること
 これらを「3Sデザイン」と名付け、このデザインの仕方で単元をつくり、子どもと学習活動を展開した。今回の発表では、そのデザインのうち、「話す・聞く」の領域から1つ、「読むこと」の領域から2つの実践について紹介・考察を発表する。
 「3Sデザイン」で、どのように単元を作るのか。「3Sデザイン」で、どのように子どもが動くのかを提案する。

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「教育実践」
児童の自己有用感を高める取組
新発田市立東豊小学校
佐藤 俊介

  近年、対人関係において困難さを抱える児童が増えている。私は、対人関係において困難さを抱える児童に欠けている要素の1つに自己有用感があると考える。そして、児童が自己有用感を高めていけば、望ましい人間関係を築くことができると考える。そこで本研究では、児童が自己有用感を高めることができるように以下の2つの手だてを行った。
1 学級の児童全体への教育相談的かかわり
 児童への声掛けの視点を明確にし、学級の児童とかかわるようにする。
2 気になる児童に対するブリーフセラピー(心理療法技法の1つであり、解決に焦点を当てて行う教育相談のこと)の技法を用いた教育相談
 集団活動を行う際、児童の自己有用感獲得のタイプを4つに分類し、タイプに合わせた教育相談を行う。
 2つの手だてが自己有用感を高める上で有効であるか、自己有用感の高まりが望ましい人間関係を築くことにつながっているか、自己有用感アンケート、Q-U、児童の振り返りを用いて検証した。

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「教育実践」
短期療法(ブリーフセラピー)の活用
~問題行動への効果的な対応を目指して~
田上町立田上小学校
田中 晃

 「不登校」や「問題行動」に対応していると、“「原因」は何か”と尋ねられることが多い。しかし、想定される「原因」は多岐にわたる。「発達障がい」「児童の心理」「担任や職員の対応」「保護者のしつけ」「家族関係」「保護者と学校職員の関係」・・・等々。“原因”と思われそうな要因が多く、さらにどれが最も重大な要因か決めることは難しい。また、往々にして「原因探索」は、「犯人捜し」になることが多く、事態の進展につながらないことが、私には多かった。
 学校現場では、迅速な変化が求められ、対応できる時間も限られている。保護者との長期にわたる教育相談を継続する時間・機会を確保することも困難である。そう考えていた私にとって、最も現場で用いやすかったのは、「短期療法(ブリーフセラピー)」と呼ばれる支援方法であった。「原因」と「結果」を“相互に循環するもの”と見なすこの方法では、「原因」を特定することに時間やエネルギーを割かない。問題の原因は個人にあるのではなく、""問題""は、それを取り巻く“対人関係”から生まれると見なし、次のような考え方を原則とする。
1 「原因」を探さなくても、「問題」は解決できる。
2 「問題が起こらない」例外的な状況を探す事が役に立つ。
3 対象児童や保護者の「もつ力」に焦点を当てる。
4 うまくいかないことは続けない。「別のこと」をやってみる。もし、それがうまくいけば、その「別のこと」を続けてみる。
5 「解決しよう」として行っている「こと」自体が、「問題」を維持し続けていることがある。
 これまでの実践をまとめ、このアプローチの有効性と実践上の課題を提案する。

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「教育実践」
通信機器の問題と生徒の自立に関する一考察
~小・中学生の通信機器の問題の予防・指導の実践を通して~
新潟市立巻東中学校
幸田 真樹

  昨今、パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機を用いたインターネットトラブルが社会問題化している。メールやLINEを利用した言葉によるいじめ、悪ふざけ写真の投稿によるツイッターの炎上、個人情報の漏洩、なりすましによる性犯罪など枚挙に暇がない。しかしながら、通信機器のトラブルは目に見える表面上の部分でしかない。根本は「生徒の自立」の問題ではないかと考える。つまり、トラブルの予防・対処的な指導だけでなく、子ども・保護者・地域が一体となって問題意識を共有し、生徒の普段の生活や子どもの中の常識を考慮した上で、主体的なルールづくりを支援し、望ましい生活習慣を基盤とした「生徒の自立」を支える体制づくりが必要ではないかと考えた。
 次の2点からその解決を迫った。
1 通信機器・ゲーム機の背後にある様々な問題を生徒の普段の生活や常識と照らし合わせ、使用時のルールや危険性を段階的に考える仕組みをプログラムする。
①生徒の携帯電話(所持率37%)、ゲーム機(所持率86%)の状況をアンケートで集計し、その実態を提示し、自分たちの問題点を考え、話し合わせる。
②小学校授業で、中学校現場での実態を伝え、考える場面を設定する。
③通信機器と定期テストの相関関係を生徒に提示し、意識を高くもたせる。
④インターネット普及の歴史的背景(法整備が追い付かない)から「トラブルは起こって当然」という考えをもって、その使い方について学ぶ場を設定する。
2 学校・保護者・地域社会での子どもを支える既存の組織の協力を得る。
①PTA総会や地域懇談会、中学校入学説明会や地区育成協議会で、保護者だけでなく、買い与えている家族(主に祖父母)にも意識を高くもたせる。
②保護者アンケートを実施(生徒は過少申告)し、使用時間を明確にすることで、無駄に過ごした時間の多さを実感し、保護者の困っている様子を伝える。
 インターネットの世界も含め、いつの時代も人はつながりを求めている。今後も「あなたが大切」と心に訴える部分と、目に見える記録を取ること(無駄にした時間を記録する「家計簿」のような「時間簿」)を組み合わせることで、自分の生活を主体的に見直し、友人相互の関係から望ましい通信機器・ゲーム機との付き合い方の支援をしていきたい。

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「教育実践」
児童の学ぶ意欲を高めるための研究
~受容感のある集団づくりを通して~
新潟市立桃山小学校
佐久間 甲

  本実践では、意欲的に学ぶ児童の育成を目指す。そのために、心理教育を用いたアプローチと相互理解を深める教科指導の手だてを講じ、児童が学級への受容感を高めていくことをねらいとする。
 学習意欲の重要性についてはこれまでの研究やデータ、様々な書籍に散見されるものである。その中では、生徒指導の三機能を生かした学習指導が意欲の向上に有効であることが明らかにされている。また、この学ぶ意欲を支える三要素は並列ではなく、「他者受容感」の高まりに支えられて、「自己決定感」「有能感」が高まっていく関係性にあることも指摘されている。そこで私は、心理教育を用いたアプローチと相互理解を深める教科指導の手だてを講じることとした。学校生活の大半の時間を占める授業の中でも2点を大切にしていくことで、授業の中でも他者受容感を高めていくことができると考えた。相互理解を深める教科指導の手だては以下の2点である。
1 学ぶ姿勢「学び名人の3つの力」
 3つの望ましい姿勢(言葉や態度)を児童に示した。その際、児童が理解できるようにイラストを交えてなぜそのような力が必要なのかを説明した。3つの力とは「区切って伝える力」「反応する力」「自分のもやもやを聴く力」である。
 授業の振り返りの中で、上記の学びの姿を自己評価させることで、3つの力を使うことを意識化させた。また、友達とのかかわりについての振り返りを書いた記述は、コピーして友達の用紙の裏面に貼ることで、意欲のさらなる向上を図った。
2 授業中の児童の発言の扱い
 授業の中での発言やつぶやきに対して、「解釈を促す聴き返し」と「再現を促す聴き返し」を聴き手である児童に行った。そうすることで発言内容を全体に広げ、学習内容の理解につなげた。
 なお、友達の言いたいことを「解釈」したり、友達の考えを「再現」したりした児童は、大いに認めることで、望ましい学び(学び名人)であることを学級に価値付け定着させた。
 上記の手だての効果を、アンケート紙と児童記述の両方から検証をした。

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「教育実践」
アセスメントと指導協力体制構築にもとづく生徒指導のあり方
新潟市立早通中学校
見田 雅史

  生徒指導において発達障害特性をもった生徒が校内外で様々な生徒指導上の問題を起こすことが増えている。発達的な問題や家庭環境など要因は様々であるが、教師や周囲が本人に対して不適切な対応をすることがきっかけとなることも増えている。校内での生徒指導を考えた場合、問題行動の未然防止を含めたチームでの適切な指導や支援を行うことが喫緊の課題となっている。そこで、本実践ではアセスメントと指導協力体制構築に基づく指導の実践を進め、発達障害特性をもつ生徒への適切な指導や支援について迫っていく。
1 生徒に対するアセスメントの実施
 生徒の多面的な理解を図るために複数の教員からの情報を基に次の3つの視点からアセスメントを行った。
①能力面の把握(聞こえ方、理解力、学力)
②リスク要因の把握(問題行動の発生や可能性を増大させるもの)
③保護要因の把握(問題行動の発生や障害の悪化を緩衝させるもの)
2 指導協力体制の構築
 関係する職員が同じ方向に向かって生徒への対応を行うため、適時修正を図りながら次の3点を基に指導協力体制を構築した。
①該当生徒の課題整理
②指導体制の課題整理
③到達目標の設定

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「教育実践」
地域を愛する気持ちを育てる、生徒主体の活動の工夫
村上市立平林中学校
岸 茉由子

  全校生徒数が市内で一番少ない平林中学校。生徒と地域の方々は、よくあいさつを交わし、学校行事にもたくさんの方に足を運んでいただいている。その規模と特性を生かして、今よりももっと地域と生徒が密にかかわっていく活動を工夫した。生徒会執行部が中心となりながら、生徒発信・主体となる活動を実践し、生徒も地域の方々も、「この地域が大好き」と言える姿を目指した。
1 アンケートによる意識調査
 地域行事に参加することへの意欲と、学校行事に参加することへの意欲、またその理由を知るために、全校生徒へアンケートを行った。その結果から、学校行事は全校生徒が一丸となって取り組めるので、非常に意欲的な姿が見られた。一方で、地域行事に対しては、同年代の生徒が少ないことや強制参加であることへの抵抗感から、意欲的ではない傾向が見られた。
 また、本校卒業生である保護者へも協力していただき、生徒へ望むことを調査したところ、ボランティア活動や地域行事への積極的参加を要望する声が聞かれた。また、学年を超えた縦のつながりも、昔と比べると密になっていることが分かった。
 地域行事に参加するには、学校行事のように、同学年の仲間や先輩とともに目標をもって参加し、達成感を味わわせることが大切である。また、強制参加ではなくとも、「中学生として地域に貢献する」という意思をもち、自ら進んで参加する姿勢を育成する必要がある。
2 生徒会執行部主体の、学校と地域の連携活動
 アンケート結果を受けて、生徒が自主的に地域活動に参加できるように、生徒会執行部が中心となり、学校と地域の連携活動を始めた。
 まずは、月1回の生徒会朝会の時間を利用して、縦割り班4名程度で「平中生として地域のために何ができるか」を話し合った。専門委員会の活動に関連することでできることや、専門委員会に限らず平中生としてできることなどを自由な発想で話し合った。ここで出た意見を基に、執行部が代表して各区長さんの基へ伺って、話し合った上で、可能なものから実行し、学校と地域の連携を深めていく。そして、この活動の成果も含め、9月18日に行われる「環境フェスタ村上」において発表し、広く地域へ発信していく予定である。

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「教育実践」
デジタルネイティブの児童の情報モラルの意識調査及び意識向上に向けた実践検証
~概念メタファーとILASの活用~
新潟市立上所小学校
林 俊行

  総務省の情報通信白書によると、情報モラルなどの向上を図ることが重要であると示され、国全体の動きとして情報モラルの重要性が叫ばれている。また、文部科学省でも、道徳の内容の一つして情報モラルが位置付けられた。
 しかし、児童のIT環境やトラブルも日々変化している。生まれながらSNSなどのICTが生活の一部として育ってきた児童は、第二世代デジタルネイティブとも言われている。そのデジタルネイティブの児童に、どのように情報モラルの育成を図っていくかが課題となる。
 次の2点から、その課題に迫った。
1 デジタルネイティブに対する児童の情報モラルの意識調査
 インターネットを介したトラブルの認識性
 インターネットトラブルへの対応性
2 意識調査を基にした授業デザインの構築
 インターネットトラブルへの注意喚起
 インターネットトラブルの概念メタファー化による認知
 ILASを用いた情報モラル意識変容の評価
 今後も、ICT技術が進み、従来の情報モラルでの指導内容が変わらざるを得ない状況である。そこで、いかに児童の情報モラルの意識向上を図るか試みを続けていく。

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「教育実践」
通常学級に在籍する特別支援を要する生徒への対応
~指導連携と保護者対応~
新潟市立上山中学校
髙橋 大輔

  文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(2012)によると、知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒は、推定値で6.5%と報告され、その中の38.6%の児童生徒は支援されていない可能性があることを指摘している。
 当校でも研究の対象となった生徒は障がい傾向により周りの生徒と良好な人間関係を保つことができないばかりか、阻害され排斥されるような状況にあった。また、生徒を通じて周囲の保護者にも学校の様子が伝わり、学校の対応等に対する不満から問題が複雑化し、学級担任一人での解決が困難になった。本研究はこうした事例が生じてから一定の解決がなされるまでの間で、教職員が何を困難として感じたのか(生徒や保護者のクレーム処理できないことへの困難、困難が重なることへの困難、同僚への遠慮からくる困難など)、そして、その時どのような対応をとることで生徒の様子が変容してきたのかを総括し報告することとした。

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「教育実践」
記録に基づいた生徒の対応
新潟市立鳥屋野中学校
五十嵐 勝彦

  様々な発達障がい(発達障がい傾向)を抱え、失敗や問題行動を繰り返し起こしてしまう生徒がいる。そのような様々な生徒への対応がうまくいかず、その後、さらに大きな問題へとつながることも多い。そこで、そのような生徒への対応方法を蓄積することで、その生徒または同じような発達障がい(発達障がい傾向)を抱えている生徒への適切な対応の仕方・働き掛け方を見つけることができないかと考えた。具体的には、以下の3つの取組を行い、その成果を検証した。
1 担任、学年主任、養護教諭、学年生徒指導、生徒指導主事、教頭がその日に起こったことや対応方法、気付いたこと、本人の言葉で気になったことを記録し、蓄積する。
2 1で記録したものを職員同士の共通理解資料として役立てたり、親との面談資料や外部機関への提出資料として活用したりする。
3 蓄積した資料を基に、対象生徒の抱えている悩みや繰り返される問題行動への適切な対応の仕方・働き掛け方について職員間で分析し、共通理解を図る。
 生徒は、成長の中で失敗や問題行動を起こしてしまう。そこで、蓄積した記録を教師が常に振り返り、生徒の言葉や行動の傾向を確認したり、対象生徒が考えていることを推測したりすることで、その生徒に合った声の掛け方や適切な対応の仕方が分かるようになってくる。こういった一連の取組が、問題行動への予防につながり、同じ失敗や問題行動を減らすことができると考える。

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「教育実践」
「自己理解」の視点を大切にした自立活動の取組
新発田市立外ヶ輪小学校
大滝 西一郎

  私は、特別支援学級を担任している。特別支援学級では、特に個々の児童の教育的ニーズや実態に合わせた指導・支援が大切である。児童の実態に合わせた教育活動を支える特徴の1つとして、自立活動が挙げられる。自立活動とは、特別支援学校の教育課程において特別に設けられた指導領域であるが、特別支援学級においても、児童の実態に応じて自立活動を取り入れた特別な教育課程を編成することができると位置付けられている。
 これまでも、児童の実態を考え、それに合わせて自立活動の取組を行ってきた。手先が不器用な児童、あいさつが苦手な児童に対して練習の場を設定することで、それぞれの児童の力の高まりを感じることができた。児童は、教師の指示に対して素直に取り組むことが多かったが、主体的に活動に取り組む中で、自らの成長に喜びを感じたり、自己の課題を意識して行動したりする姿はなかなか見られなかった。教師が活動を指示し、児童がそれに落ち着いて取り組むことで力を付けていけばよいという意識が強かったこともあるが、児童自身にも「こうなりたい」というめあてや目標をもたせる工夫が足りなかったと振り返る。
 児童が自立に向けて成長していくためには、自らの得手不得手を理解し、主体的に活動に取り組むことで力を付けていくことが大切である。そのためにも、「自己理解」を深める工夫が必要だったと考える。児童が自己理解の視点をもって気持ちを言葉で伝えたり成長を振り返ったりする活動に取り組むことで、情緒的に安定し、安心して学校生活を送る力を高めることができると考える。以上のような自立活動の取組について提案する。

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「教育実践」
知的障害者の課題達成過程における実行機能の特性に基づく支援の効果に関する事例的研究
県立月ヶ岡特別支援学校
中村 潤一郎

  対象生徒は、特別支援学校中学部に在籍し、知的障害の診断を受けている。課題に困難や不満を感じると、指示されたことと異なった行動をとったり、活動場所から離れたりする傾向がある。
 児童生徒が課題を達成するためには、自らが文脈に合わない行動を抑制し、適切な行動を促進させることが重要である。このような行動の調整には、実行機能が深く関連していると言われている。実行機能とは、ある目標の達成のために行動や思考を制御する心理機能といわれている。
 不必要な情報を抑制する「抑制機能」、ある次元から別の次元へ思考を切り替える「シフティング」、情報を正しく保持し、必要な時にその情報を活性化させて使用する能力「アップデーティング」などが重要とされている。
 知的障害者において実行機能の弱さが指摘されているが、対象生徒の特性を分析し、その特性に基づいた支援方法を策定することとした。
 研究前や2回の活動において、対象生徒は、課題から逸脱はあっても、サブ・ティーチャーの演示や視覚的な支援があると、課題に立ち戻り、最後まで取り組み続ける姿が見られた。これらのことから、対象生徒の実行機能の特性について、「抑制機能の弱さをアップデーティングで補うことで課題目標を達成させることができる」と分析した。
 このことから、以下の2点を支援の柱とした。1つは他者とのかかわりによる知識の獲得や他者の介入による事物の操作方法の習得をねらい、STを導入し、対象者と同じ立場として活動する。もう1つは、活動に対するプランが立てやすいように視覚的情報や支援具を積極的に提示することである。
 策定した支援方法の下、活動を展開し、課題を終えるまでその活動に従事すること、もしくは逸脱しても再び課題に立ち戻って取り組むことに関する支援方法の効果を検討した。

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「教育実践」
障害のある児童・生徒に対するコミュニケーションギャップ解消の試み
小千谷市立総合支援学校
風間 大助

  本研究は、年齢も特性も異なる児童生徒を対象に、指導者とのコミュニケーションギャップ解消に向けて取り組んだ2つの事例研究である。
<研究Ⅰ>
 対象:昨年度担任した小学部重複障害学級に在籍する児童
 指導者の受信行動の改善と、生活の中で児童が選択する機会を設定することで、表出言語の増加、不適切な行動の減少が見られた。
<研究Ⅱ>
 対象:今年度担任した高等部普通学級に在籍する生徒
 昨年度の取組から得られた知見を基に取組を行った。実態は異なるものの、受信行動の改善と、選択の機会を設定することで、日常生活の場面での大きな改善が見られた。
 2つの事例研究を通して、指導者の受信行動の改善は、相互の信頼関係構築につながることが認められた。その際、対象となる児童・生徒の行動だけに着目せず、周囲の環境や行動の前後に見られる状況の変化との関連性を把握することが、その行動の意図や機能の正確な読み取りにつながることが分かった。また、日常生活における選択の機会を通して、児童生徒は発信意欲を高めるとともに、コミュニケーションスキルの獲得、さらにはQOL(QualityOfLife:生活の質)の向上へとつながることが明らかとなった。

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「教育実践」
1年生における協同的学級集団の育成
〜ハッピーアプローチを取り入れたクラス会議の実践を通して〜
新潟市立大通小学校
吉澤 優

  学習指導要領では、「望ましい人間関係を形成し、集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し、諸問題を解決しようとする自主的、実践的な態度や健全な生活態度を育てる」ことを、学級活動の目標に掲げている。学級で育てたい「望ましい人間関係」とは、楽しく豊かな学級生活づくりのために、互いのよさを認め合える人間関係である。そのような人間関係が、学習や生活において課題解決に向けて協同して取り組むことができる学級集団の基盤となる。
 互いのよさを認め合えるような関係をつくるため、昨年度、高学年でクラス会議を実施した。思春期で人間関係に悩んだり、目標がもてず自分の力を発揮し切れなかったりと、課題が多かったが、以下のような成果があった。
・友達を信頼し、悩みを話したり解決方法を考え合ったりすることができた。
・学級のために、一人一人が役割をもって当番活動や係活動(会社活動)に励んだ。
・不登校の児童が、教室に入りたいと願いをもって登校し、クラス会議や児童会祭りに参加することができた。
・協同学習に進んで取り組み、友達と学ぶことを楽しむ児童が増えた。
 クラス会議を通して、自分ができることに取り組み、個々が役割をもって学級のために活動することができる「協同的学級集団」へ成長することができた。
 さて、人間関係形成が不得意な低学年では、クラス会議を通して、互いのよさを認め合える人間関係を構築し、協同的学級集団へ成長することはできるのだろうか。その手だては、どのようにすればよいのだろうか。
 クラス会議は、児童に社会で生きる力を育てるための方法の1つであると考える。そして、「ポジティブディシプリン」に基づく働き掛けであることを、教師が理解して取り組む必要がある。学校生活の課題に、教師が児童と同じ目線に立って向き合い、児童が主体的に課題を解決していくことを支援して自信と力を伸ばしていく指導法である。児童は、できることを認められたり、可能性があると励まされたりすることを通して安心感を感じ、やる気をもって問題を解決しようとしたり、友達の役に立つことに挑戦したりできると考える。
 本実践では、話合いの経験が未熟な1年生に、教師の肯定的な働き掛け(「ハッピーアプローチ」)を通してどんな学級にしたいか、どんなことをすれば友達のために活動できるか具体的に考えさせながら、友達と望ましい関係を築きながら成長する姿を目指す。

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「教育実践」
学級活動において意欲的に話合い活動に参加する生徒の育成
~話合い活動の充実を目指すサイコロトーキングの活用~
村上市立村上第一中学校
鈴木 幸喜

  話合い活動を充実させることは、より良い人間関係を築く力、協力して集団の生活を充実・向上させようとする態度を育てることにつながる。(国立教育政策研究所教育課程研究センター「学級・学校文化を創る特別活動」)アンケートの結果、本学級では「学級全体の前で自分の考えや意見を発表することができる」と自信をもって答える生徒は少なかった。実際の学級活動でも、いつも決まった生徒だけが発言を繰り返す傾向が見られた。
 そこで、毎日の終学活時に、構成的グループ・エンカウンター「サイコロトーキング」を実施した。親和的な雰囲気の中、誰もが自然に話したり聞いたりできるエクササイズを行うことで、話し方や聞く態度を身に付けたり、話合い活動への意欲を高めたりすることができると考えた。時間は3分間で担任がサイコロをふり、出た項目について、5、6人の生活班で話し合うエクササイズである。9回実施した後のアンケート結果や担任の観察から、話すことに対する抵抗感が減り、意欲的に話合い活動に参加する生徒が増えたことが明らかとなった。
 今後、「サイコロトーキング」の効果について、学級活動における実際の話合い活動においても検証していく。9月の体育祭、10月の合唱コンクールに向けた学級での話合い活動において、生徒の話合いの様子を観察したり事後アンケートを実施したりしていく。また、事前アンケートで「学級全体の前で自分の考えや意見を発表することができない」と答えた生徒を抽出し、その生徒が学級での話合い活動においてどのように変容したのかを追っていく。

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「教育実践」
問題解決的な学習を取り入れた道徳授業の指導法の工夫
~シンキングツールを用いて問題場面を多面的・多角的にとらえ最適解を考える児童を目指して~
新潟市立関屋小学校
滝澤 隆幸

  問題場面に遭遇した際、一つの立場からだけでなく複数の立場から問題場面について捉え、「Win-Win」の解決方法または解決までのプロセスを思考できる子どもを育てる。
 そこで、問題場面を捉える学習活動において、シンキングツールを用いて思考させることを通して問題場面を多面的・多角的に捉え、その上で最適解を吟味する授業を行う。
 そのために、次の手だてを講じて授業研究を継続する。
1 子どもが課題に向き合い、教員や他の子どもとの対話や討論などを行うことを通して、内省し、熟慮し、自らの考えを深めていく学習プロセスである「問題解決的な学習」の継続実施
2 子ども一人一人の思考を可視化し、共有化するための「シンキングツール」の使用
3 授業後、子どもに「どうしてその解決方法(または解決までのプロセス)を選択したか」を問い、子どもが記述した中にねらいとする道徳的価値が表れてるかの評価
 こうすることで、子どもは問題場面に対し一つの立場からだけでなく、いろいろな立場に立ち、問題について多面的・多角的に思考し、「Win-Win」の解決方法、または、解決までのプロセスを思考し、かつ吟味することができる。
 このような道徳授業を継続することを通して、自ら問題解決に取り組もうとする子どもを育てる。

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「教育実践」
道徳的行為を行う意欲を高める指導の工夫
~安心してロールプレイを行い、行為の意味や感情を共感することを通して~
佐渡市立真野小学校
川上 大雅

  学習指導要領解説特別の教科道徳編では、指導のねらいに即して「道徳的行為に関する体験的な学習等を取り入れる工夫」などの指導方法の工夫が示されている。
 私はモラルスキルトレーニングと社会性と情動の学習の手法を取り入れた新しい学習指導過程を作成し、その有効性を実践で検証した。
 作成した学習指導過程の主な手だては次の3点である。
1 社会性に関するスキルの提示
 キャラクター化され、語呂合わせで覚えやすくなっている社会性に関するスキルを提示する。提示したスキルの視点を生かしてロールプレイを行うことで、行為の視点を焦点化することができ、児童が何を意識して活動すればよいかが、分かるようになる。
2 教師のモデリングの後、ペアでロールプレイ
 ロールプレイの前に教師が行動のモデルを示す。スキルを備えていない児童も、真似をすることで、演技ができるようになる。また、即興的な演技にしないことは、児童が安心して活動を行うことにもつながる。ロールプレイでは行動する役と相手役のどちらの立場も経験する。多様な感じ方に接することができ、物事を多面的・多角的に捉えることができる。
3 感想のシェアリング
 感想は行動する側の児童全員と、される側の児童全員に聞く。自分のペア以外の感想を聞くことで、様々な思いに気付き、さらに自分の行為を価値付けることができる。どのような心情の変化が起こったのかを聞くことは、自らの道徳的行為を行おうとする意欲を強くすることにつながる。
 実践を検証した結果、児童はロールプレイに意欲的に取り組んでいた。また、スキルを理解し、それが行動に表れたことも、活動の分析から確認できた。感想のシェアリングでは、相手の気持ちを知り、自分の行為に価値付けをしていたことも分かった。このことから手だては有効であり、児童は授業を通して道徳的行為を行う意欲を高めようとしたと言える。

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「教育実践」
自己の生き方について考え、よさや可能性を自覚する道徳科の教材開発
~内容項目「D-(22)よりよく生きる喜び」において~
阿賀野市立水原小学校
山田 潤

 小学校では平成30年度から道徳が教科化される。それに伴い学習指導要領の改訂も行われ、小学校の高学年では「D 主として生命や自然、崇高なものとのかかわりに関すること」において、「よりよく生きる喜び」の内容項目が新たに設定された。平成28年度現在、「よりよく生きる喜び」に合わせた教材や実践はほとんどなく、小学校高学年段階において、どのように指導すればよいか明確な指針は存在しない。そこで、本研究では、学習指導要領解説から本内容項目における求める児童の姿を定義し、どのような教材で、どのような指導をすれば、ねらいが達成されるのかを考えていきたい。
 「小学校学習指導要領解説特別の教科道徳編」の68貢には、「…誇りや愛情、共によりよく生きていこうとする強さや気高さを理解することによって自分の弱さを乗り越え、人間として生きる喜びを感じることになる。ここでいう人間として生きる喜びとは、すばらしさを感得し、よりよく生きていこうとする深い喜びである。」と書かれている。そして、同「(2)指導の要点」には、「…指導に当たっては、まず自分だけが弱いのではないということや、人間がもつ気高さについて自分自身を振り返ることで理解できるようにすることが大切である。」と記述されている。
 このことから、本内容項目における児童の目指す姿を、「価値(「家族愛、家庭生活の充実」「友情、信頼」等)のよさに気付き、自己を見つめながら、学んだことをこれからの生き方に生かそうとする姿」と設定する。
 また、ねらいとする道徳的価値についての考えを深めるために「多様な教材を活用した創意工夫ある指導」が求められている。そこで、本研究は様々な指導法の中から、偉人を扱った教材での指導を提示したい。偉人を扱った教材は、自身の生き方のモデルとなりやすく、「よりよく生きる喜び」に適している他、関連した資料の準備が比較的容易に行えるため、多様な指導を展開しやすく、価値への理解を深めることができる。
 「特別の教科道徳」完全実施に向け、先行実践を待つのではなく、一実践者として児童の道徳性を高める教材、指導を追究していきたい。

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「教育実践」
「特別の教科道徳」を見据えた授業改善
阿賀町立日出谷小学校
渕田 徹

  今までの私の授業では、主人公の気持ちばかりを問う、資料読み取り型の道徳であった。さらに児童は、身に付けさせたい道徳的価値と児童個々や学級の実態にずれがあった。そのため、主体的に考えることができず、主張の強い児童の考えに流されたり、日常生活で学んだことを実践できなかったりした。そこで、道徳の時間において、問題解決型の授業を行い、言語活動を充実させる手だてをとる。このことにより、身に付けさせたい道徳的価値について主体的に考え、行動できる児童の育成を目指した授業改善を図った。
1 児童の実態把握
 担任による見取りや質問紙による分析を通して、児童の実態に合った資料を選択する。
2 主体的に考えるための発問の工夫
 「自分ならどうするか」、「自分がされてもよいか」、「みんなが幸せになるためにどうすることができるか」等の発問をして、登場人物を自分に重ねられるようにする。
3 解決策を構想させる際に、本音を児童から導き出すための工夫
 2枚の付箋を用意し、1枚目の付箋に、初めに思ったことを書かせ、2枚目の付箋には「もしかしたら◯◯してしまうかもしれない」や「初めの考えと反対の考え」を書かせる。
4 多様な考えにふれる交流の工夫
 付箋の内容ごとに時間を区切って交流させる。全児童と話し合い、多様な考えにふれて、意見交換をして考えを深めさせる。
 実践の結果、児童全員が意見を言うことができ、いきいきと交流することができた。振り返りでは友達の意見にふれ、考えを深めたり、友達の行動を手本にして、日常生活に活かす児童の姿があった。今後は、児童が課題を自己の問題と捉えるための提示方法や交流時の教師のかかわり方等を改善して、実践を積み重ねていく。

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「教育実践」
学び合い活動を通した、豊かな心を育む道徳教育の工夫
五泉市立川東中学校
鈴木 隆士

  当校では「心豊かな生徒の育成」を目指して、いじめ防止学習プログラムを自校化した「PEACEメソッドカリキュラム」を中核にした教育課程を編成している。各学校行事に連続性をもたせ、感動体験できる場として活動内容を設定し、自己有用感を高めていくためのプログラムである。カリキュラム導入6年目を迎え、生徒の実態や身に付けさせたい能力を精査し、改善と工夫を加えながら進めている。
 一小一中という環境により、人間関係が固定化している。研究対象の学年は、入学時から粗暴な言動の生徒が数名いる集団である。こういった背景から、他人の気持ちを考えない言動や小さな人間関係のトラブルがある。また、苦手とすることに対して強く抵抗を示す集団である。そこで、私は本校のカリキュラムに道徳授業を位置付けた。「地域への感謝」を大きなテーマとした授業を行事前に取り入れ、効果的な学び合いを行うことで、生徒の自己有用感の向上を図った。
 次の2点を重点に置き、より豊かな心の育成を図った。
1 道徳の授業を位置付けた全体計画の作成
 6つある中心的行事に合わせて事前に総合や学活とも関連させて、道徳の授業を位置付ける。これにより、生徒はより確かな目的意識をもって行事に主体的に取り組むようにさせる。
2 効果的な学び合いを行うための環境の整備
 学習ツール(エンタくん、ホワイトボード)
 語り(地域の方や高校生との連携)
 学び合いを充実させるために教科における指導を工夫する。地域コーディネーターや、卒業生との連携を図ることで、様々な人の思いに触れさせていく。

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「教育実践」
「2つの意見」を用いた道徳授業の有効性の検証
長岡市立大島小学校
山畑 浩志

  昨年度の教育研究発表会では、新潟青陵大学の中野啓明教授と中越道徳教育研究会及びときわ道徳サークル「こころ」が共同で研究・開発を進めている「2つの意見」を用いた道徳授業(PISA型の道徳授業)について発表した。多くの参会者から、「新しい道徳授業のスタイルとして期待がもてる」「ぜひやってみたい」といった肯定的な意見が挙がった。一方で、「子どもの具体的な姿がよく見えなかった」「理論は分かったが実際はどうか」といった意見も多かった。
 そこで、今年度は、この春から道徳を研究教科として研修を積んでいる若手教員とその同僚の学級で実施された「2つの意見」を用いた道徳授業について、具体的な子どもの姿を分析することで、その有効性を検証することとした。
1 子どもの意識調査
 「2つの意見」を用いた道徳授業の有効性を検証する上で、従来の道徳授業との比較が不可欠である。また、提示した「二つの意見」が子どもの思考にどのような影響を与えているのかを明確にする必要がある。
 そこで、「2つの意見」を用いた道徳授業を受けた子どもたちに意識調査を実施し、その結果をデータ化した。
2 若手教員の学級での実施
 「2つの意見」を用いた道徳授業が、教員の指導力格差を埋めることを検証したいと考えた。
 そこで、若手の教師が担任する学級とベテラン教師が担任する学級において、在籍する子どもたちのワークシートの記述にどれほどの違いがあるかを分析した。

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「教育実践」
中学校における授業改革を目指した職員研修の取組
新潟市立小須戸中学校
古市 茂

  「何を追究するのか」を生徒が意識できるとともに、授業の終末においては「何を学んだのか」も自覚できる授業を目指して、無理なく継続した取組が進められるよう、職員研修の内容を工夫してきた。その実践について述べる。
【取組の具体例】
1 職員が授業改善の研修へ取り組みやすくするための環境整備
2 職員が何のために研修するのかを考え、思いを共有するためのファシリテーション
3 職員が疑問を解決したり、新しい考えや方法を共有したりするための研修会の設定
4 職員が教科の壁を取り払い、継続した研修を進めるためのチーム編成の工夫
5 職員が教科や経験の差を埋めて検討できる協議題の設定
6 職員に生徒との放課後活動を補償する20分ファシリテーションの実施
7 生徒・教師による学校評価の実施と結果(成果と課題)の共有
【取組による成果】
1 「学習課題」と「まとめ」を取り入れた授業改善が進んできた。
2 課題解決のための「かかわり合い活動」を行う授業が増えてきた。
3 授業改革に対する職員の意識変化が進み、授業をつくる観点が全職員で共有されてきた。
4 3によって教科の枠を越えた授業検討が可能になった。
5 普段から教務室での授業の話題が多くなった。
【取組による課題】
1 各教科で身に付けるべき力を明確にした「ねらい」や「まとめ」の設定を工夫する。
2 学習のねらいに向かうような「かかわり合い活動」を位置付ける。
 研修会などでは、何よりも職員がよい表情でグループ協議を行う姿が見られ、短時間の検討が可能になった。また、様々な教育活動でも、抵抗なく生徒にファシリテーションの手法を取り入れた活動を展開している。
 また、生徒の意識調査からも、授業が変わったことを実感している生徒が多いことが分かった。それらを再び全職員で共有、検証しながら、更に生徒の成長につなげられるように研修を推進している。

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「教育実践」
中一ギャップの解消・軽減をはじめとした小中一貫教育の実践
~小中一体校の開校一年目の取組から~
三条市立嵐南小学校
石川 岳人

  当中学校区は、平成21年度より小中一貫教育に取り組んできた。初めの5年間は3小学校、1中学校による「校舎分離型」で取り組み、平成26年度から「校舎一体型(小中一体校)」で取り組んできた。
 小中一貫教育に取り組んだ主な理由は、小学校から中学校へのスムーズな接続である。これを実現することで、中一ギャップの解消・軽減をはじめ、不登校・いじめの減少、また、小学生が中学生にあこがれ感を抱いたり、中学生の自己有用感を高めたりすることができるようになる。
初めの5年間の交流活動や小中学校教員による協働授業を通して、次の成果を挙げた。
・交流活動を通して、中学校進学に対する不安を大幅に軽減することができた。
・9年間を見通した教材研究を行い、授業づくりを行うことで、児童生徒の学習への興味・関心を高めることができた。
 一方、課題として、次の点が挙げられた。
・小中学校の教職員が打合せをする時間を確保すること。
・中一ギャップを解消・軽減し、学力を向上させるための、より効果的な授業づくりを行うこと。
 私は、小中一体校が開校した平成26年度に小中一貫教育の推進リーダーとして取り組み、打合せの時間を確保することで次の成果を挙げることができた。
・小中学生の交流活動が、自然発生的にいくつも生まれるようになった。
・指導の型を意識した、効果的な授業が次々と生まれた。
 この成果は開校2年目、3年目と引き継がれ、当校における小中一貫教育は、より質の高いものとなってきている。

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「教育実践」
「生徒が学ぶ」学校を目指し、「省察」-「実践」-「創造」を経て、新たな教育課程の編成
胎内市立中条中学校
野澤 一吉

  私が、平成28年度に赴任したその年は、創立70年目に当たる。当校は、以前、生徒指導上の問題を抱えていた。生徒を学校の教育活動に意欲的に参加させるために、生活規律やいじめ・不登校の予防や対策、そして、学校生活に意義を見いださせるために部活動の指導が中心であった。その成果が表れ、生徒は、教育活動に積極的に取り組み、特別活動など、生徒が活躍する場面が多くなった。私は、これまで教職員の指導が効果的であり、保護者の協力もあり、素直で向上心のある生徒により、安定した教育が実現できていると考えた。
 少子高齢社会、科学技術の進展、地域創生の時代を生き抜く生徒たちは、教育者である私たちの想像もできないほどの課題に正対することになる。したがって、私は、教育者が主導して、生徒が、考え、行動すべきことを示唆することだけではなく、生徒自ら気付き、考え、判断し、実行する教育活動を系統的・組織的に行うことにより、真の「生きる力」を身に付けさせる必要があると考えた。
 そこで、当校創立の節目の年、次期学習指導要領を見据え、平成28年度と平成29年度で、当校の教育活動の成果を実践しながら検証することにした。そして、平成30年度から、「生徒が自ら学ぶ」新たな教育課程の基で、「中条中教育」をスタートさせる。
 教育課程を編成する視点は、次の2つである。
 「教師の意識変革」と「生徒が学ぶ活動」の実現である。

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「教育実践」
閉校に向けて
~ひまわりプロジェクトなどを通して~
南魚沼市立大巻中学校
村山 勉

 大巻中学校は、平成30年3月末で閉校し、4月から近隣3中学校が統合し、新制中学校がスタートする。
 地域から温かく支援をいただいてきた70年以上の歴史を閉じるに当たり、生徒、保護者、地域住民とかかわり、地域の中学校としての存在感を示しながら、閉校に向けた取組と、新制中学校移行のための準備を進めている。
1 閉校に向けた取組
 平成27年度から、地域のシンボルであり、校章のデザインにも使われ、校歌の3番でも唱われている「ひまわり」を、保護者、地域の協力を得ながら校舎周りに増やす活動を始めた。
 ひまわりを地域に咲き誇らせ、中学校をいつまでも心に留めて置いてほしいこと、中学校がなくなっても、地域と子どもの応援のシンボルとして地域に咲かせ続けたいという願いを込めている。
 「ひまわりプロジェクト」と名付けたこの活動を3年の計画で進めている。
2 新制統合校の準備活動
 統合校の準備組織として教職員協議会がある。30年度の開校とともにスムーズに教育活動がスタートできるよう、統合する3中学校の全教職員が教育課程づくりに参加している。また、並行して、交流活動などを進めている。

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「教育実践」
学習意欲を高める体育授業
~役割を明確にし、ポジションと動きを仲間と共有しながらゲームを楽しむバレーボール~
三条市立本成寺中学校
泉田 靖雄

 保健体育の授業で私は、その楽しさを体感し意欲的に取り組むようになり、「またやりたい、もっとやってみたい」と夢中になって体育に取り組もうとする生徒を育成したいと願っている。私は、そこから一人でも多く保健体育が好きだという生徒を増やしたい。そこで、私はまずは球技でその可能性を見出そうとして実践した。
 バレーボールは、得意、不得意がはっきりと分かれる。不得意な理由として、技能が不十分であること、ミスをしたときにチーム全体に迷惑がかかり、不安になることが考えられる。
 バレーボールは、ネットを挟んで分かれたチームが、状況判断しながら、ボールをつなぎ、相手コートにいかにボールを落とすかを競い合う種目である。これまでの私の実践では、チーム内で遠慮をしてボールに触れなかったり、ゲーム中の動きが不明瞭で戸惑いながら動く生徒がいたりした。そこで、長く続いたラリーを味わうことでチームとしての一体感が増し、グループ全体で喜び合い、より一層授業に夢中になる姿を目指す。
 本研究では、1年生のバレーボール単元において、ラリーを続けるためにグループの仲間の「思考をつなぐ」ことを目標とし、次のような手立てを行った。
1 チーム内の役割の明確化
 バレーボールは、レシーバー、セッター、アタッカーの役割が責任を果たすことで、コート上で動きやすくなり、連携したプレーができるようになる。そこで、チームの状況に応じ、コート上にいる4人の配置を考え、役割をはっきりとさせることで、分担した役割を果たす意欲をもたせた。
2 作戦ボードを用いた動きの視覚化
 触球の順番、難しい位置への返球に対するカバーリングを視覚化することで、生徒たちの動きがよりイメージしやすくなり、思考のつながりが発生するよう取り組んだ。
 また、仲間との関わりにおける賞賛や激励の発言を促すことで、受容的な雰囲気づくりを目指した。

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「教育実践」
確かな技能の向上と思考を促す授業づくり
新潟市立新津第三小学校
若槻 満

 今年度の研修のテーマを「確かな技能の向上と思考を促す授業づくり」とした。高学年のボール運動では、一人一人の技能差や男女による性差が大きいと感じる。運動を楽しむだけでなく、運動に必要な確かな技能の向上や獲得が求められる。また、教師から与えられた課題をこなすだけでなく、自分たちでチームの実態に応じて作戦を考えたりすること、ルールや場を工夫したりすることが必要となってくる。互いに協力し励まし合って学習を進めることができるよう手立てを講じる必要があると考えた。そこで、確かな技能の向上、思考を促す授業づくりの2点から、その解決に迫る。
1 確かな技能の向上
 ティーボールに必要な「投げる」「捕る」「打つ」という学習内容で確実に技能が身に付くようにする。これら3つの動きを高められるように、段階的に「投げる・捕る・打つ」ゲームを設定したり、ゲーム内容を工夫したりしながら、技能の向上について考察する。
2 思考を促す授業づくり
 思考を促す手立てとして、異質グループでの学習を中心に進める。試しのゲームを行い、自分たちのチームに合った攻撃や守備を考えさせ、協力し励まし合ってゲームを進められるようにする。その際、学習形態や学習カード等を工夫して、思考を促すようにする。そしてこれらの手立てが有効であったかどうか考察していく。
 上記のように、確かな技能の向上が期待できる体育授業、思考を促し、学習した内容が着実に身に付く体育授業の2点に絞り、今後も体育の授業に対する資質の向上を目指し研究を進めていく。

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「教育実践」
運動の楽しさや喜びを実感できる体育授業
~ミートキャッチとばってん攻撃でつなぐバスケットボールの指導~
五泉市立大蒲原小学校
小林 亘

 ボール運動で取り上げられる「バスケットボール」の楽しさとは何なのだろうか。ボールを受けるための動きを身に付けさせるにはどう指導したらよいのだろうか。
 1年次の実践では、児童にボールを保持する一連の動作を身に付けさせることで、下半身の力を使った力強いシュートを放つ機会が増え、運動の楽しさを味わわせることができた。また、人のいないスペースを生かした攻撃の仕方を工夫させることで、友達と協力してシュートの機会をつくりだす喜びも味わわせることができた。しかし、ハーフコートでの実践だったため、攻守の切り替えなど、スピーディーな展開は生まれにくいという課題が残った。
 そこで2年次の実践では、バスケットボールの楽しさや喜びをより多くの児童に実感させ、スピーディーな展開を生み出すために、ボールを保持する一連の動作を習得させるだけでなく、友達と関わりながらボールをゴールへ運ぶ動きを身に付けさせることが有効であると考え、次の4つの手立てを講じた。
1 コート図でばってん攻撃のイメージをもたせる。
2 前段運動でボールを保持する一連の動作を習得させる。
3 守る人が少ない練習ゲームで友達とかかわりながらボールをゴールへ運ぶ動きを身に付けさせる。
4 攻めも守りも同じ人数のメインゲームで技能を活用させる。
 オールコートバスケットボールにおいて,これらの手立てを講じると、児童はボールを受けるための技能を向上させ、友達と協力してシュートの機会をつくりだすことができた。また、パスをつなぎ自分のリズムでシュートを放つ楽しさや、友達と協力してシュートをする機会をつくりだす喜びを実感させることができた。さらに、これらの動きを連続して行うことにより、運動量の増加も期待できる。

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「教育実践」
プロジェクト学習を活かした体育授業の在り方について
見附市立見附小学校
神田 洋志

 学習指導要領によると、体育科では、互いに話し合う活動などを通じて論理的思考力を育みながら、基礎的な身体能力や知識を身に付け、生涯にわたって運動に親しむことができるようにすることが求められている。それを受けて、体育科の授業にICT機器を用いた研究が数多く行われている。
 ICT機器を用いることは、児童の動きの言語化を促し,児童同士の関わりの中で技能を身に付けることに有効に働くことが明らかになってきている。一方で、児童がグループで話し合ったことが、動きの高まりや練習方法の工夫につながったことを、はっきりと捉えていることに弱さが見られた。これは、児童がグループで課題を解決する価値を感じることができなかったり、グループの中で一人一人がもつ動きの課題が異なったりしたからではないかと考えた。
 そこで私は、次の2つの手立てから解決を図った。
1 単元を通した目的と目標をもたせる
 単元の初めに、題材(グループで取り組む学習内容)を提示した際に、児童が「こうしたい、こうなりたい」という目的と、そのために「どうするか」という目標をもたせる。そうすることで、児童が課題解決に向けて、その価値を感じながら学習を進めていけるようにした。
2 課題別グループを組織して、話合いを促進させる
 一人一人の動きの課題を明らかにした段階で、課題別グループを組む。そして、タブレットPCを用いて、互いの動きを見ながら、自分たちの動きの課題について話し合い、改善していけるようにする。課題別にグループを組むことで、話し合う方向性を一致させ、一人一人が自分の動きを基にして動き方や練習方法などを伝え合ったり、教え合ったりすることを促進することができるようにした。
 これら2つの手立ては、鈴木敏恵の「プロジェクト学習」を活かしたものである。アクティブラーニングの学習方法として挙げられ、体育科においても大切な考え方の1つである。今後も、体育におけるプロジェクト学習の在り方について研究を進めることで、児童が体育で主体的・協働的に学んでいけるように追求していく。

<参考文献>
課題解決力と論理的思考力が身につくプロジェクト学習の基本と手法、鈴木敏恵

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「教育実践」
ボールを持たないときの動きの質を高める指導の工夫
~6年ゴール型ゲーム「ハンドボール」の指導~
阿賀野市立笹岡小学校
佐藤 仁

 学習指導要領では、ゴール型ボール運動の技能として、ボール操作の習熟とともにボールを受けるための動きの習得が示されている。単にゲームをするだけではこの動きは身に付かず、技能が高い少数の児童にゲームを支配されることは少なくない。ボール非保持者の動きを経験させる「スリーサークルボール(攻守交代型)」、「オールコートスリーサークル(攻守切り替え型)」が簡易化されたハンドボールに対して有効に働くかどうか以下の点で検証した。
1 サポート適切率(攻守切り替え時のサポート適切率)
 パスの出し手と受け手の間の守備者の位置によってサポートの適否を判断し、パスが行われた回数に対する適切なサポート数の割合で検証する。
2 動いてのサポート率
 パスの受け手(ボール非保持者)が動いてパスを受けようとサポートした割合で検証する。
3 パスするまでの状況判断時間(攻守切り替え時の状況判断時間)
 ボールを受け取ってからボール非保持者にパスするまでの時間で検証する。
 ボール運動を苦手としている児童が、ボール運動に対する意欲を高め、自信を深められるように今後も研究を進めていく。

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「教育実践」
状況判断する力を高める話合い活動の工夫
~中学年ゴール型ゲームの実践から~
新潟市立上所小学校
江口 健

 学習指導要領解説体育編の中学年ゲーム領域の技能において、「ゴール型ゲームでは、基本的なボール操作やボールを持たないときの動きによって、易しいゲームをすること」とある。これまでの私のゴール型ゲームの実践では、「個人技能に長けた児童だけが活躍する」「ゲームの中でどのように動けばよいか分からない児童が、主体的に参加できず、ボールに触る機会も少ない」という二極化した様相になってしまった。ゴール型ゲームでは、攻守が入り乱れ、状況が目まぐるしく変わるため、運動経験の少ない児童にとっては、難しさがあるためだと考える。
 1年目は、どの子も主体的にゲームに参加できるようにするために、3学年児童において、全員参加のためのルールの工夫を取り入れ、タグラグビーの実践を行った。ゲーム中や話合いの時間に児童同士の教え合いが生まれ、児童はボールを持っていないときの動きを理解することができ、主体的にゲームに参加することができるようになった。
 しかし、ゲームの中では、理解した動きを使えていない姿も見られた。これは、動き方は分かっているものの、ゲームの状況判断ができずにいるためだと考える。
 そこで2年目にゴール型ゲームの中において児童が状況判断する力を高めるために「パスの回数と映像資料とを結びつけた話合い」を取り入れる。児童はペアを作り、パスを受けた回数をカウントし、記録していく。ゲーム後にパスを受けた回数を認識させた上でゲームの映像を見せる。パスを受ける回数の多い児童と少ない児童とを比較し、児童の話合いを通して動きのポイントを理解させていく。このことを単元を通して行い、ゲーム中の状況判断する力を高める。
 この手立ての有効性について、ビデオによるゲーム中の児童の動きの変容や学習カードの記述から検証した。

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「教育実践」
思考を発展させながら、技能を向上させる体育授業
~5、6年ネット型キャッチバレーボールを通して~
村上市立神納東小学校
小野 浩由

 ボール運動の授業では、「ゲームを楽しむ力」=「ゲームの勝敗をめぐる攻防を楽しむ力」を保障することが重要になる。そのためには、どうやって得点するのか、どうやって勝つのかが「わかる・できる」ための学習をする必要がある。本研究では、勝敗をめぐる様々な「戦術的な気付き(わかる)」に基づいた「パフォーマンス(できる)」を身に付けるために、思考を発展させながら、技能(ネット型パフォーマンス)を向上させる体育授業を求め、2つの手だてからその解決に迫った。
 本単元のキャッチバレーボールでは、「戦術的な気付き(わかる)」を「相手が返せないボールを相手コートに送るために必要な考え方」と捉えて進めた。
1 「関連付ける」「関係性を見つける」「序列化する」3つの活動を、毎時間サイクルで行うこと
 児童はネット型の経験がほとんどない。そこで教師から児童に、戦術的な気付きに必要な新たな知識や発問を与える。そして、児童にこの知識や発問と既習の知識を組み合わせて、練習方法や作戦を考える時間を与えた。このように知識を組み合わせて考える活動を3つに分類し、「関連付ける→関係性を見つける→序列化する」ことを、毎時間サイクルで繰り返した。すると、児童は練習方法や作戦をより高次なものにし、思考を発展していった。
2 キャッチバレーボールのゲーム様相の発展段階を想定した学習内容の単元計画を設定すること
 より思考を発展させていくためには「何について考えるのか」「どのように考えるのか」「何を結び付けるのか」の具体的な発問が重要であった。そこで、キャッチバレーボールのゲーム様相の発展段階を想定し、単元計画を立てた。「ボールコントロール」と「アタック」の動きを結び付ける=攻めを組み立てる段階。「失点を防ぐ動き」と「フォーメーション」を結び付ける=守りを組織化する段階。「相手の守りを崩す」ことと「アタック」の動きを結び付ける=相手の守りに対応する段階と想定し授業を展開した。
 2つの手立てにより、児童は、毎時間学ぶべき内容を明確に捉え、思考を発展させながら、ネット型パフォーマンスを向上させていくことができた。

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「教育実践」
ボールを持たない時の動きを習得し、組織的な攻防を楽しむ児童の育成
~6年生 ソフトバレーボールの実践を通して~
新発田市立外ヶ輪小学校
髙澤 元

 ソフトバレーボールの指導ではプレーの連携による攻撃や守備によって、ネットをはさんだ攻防を楽しむというネット型のゲームの特性を味わわせる必要がある。そのために、視聴覚機器や仲間と共同で作る学習カードを活用して動きを可視化し、ボールを持たない時の動きに着目させた。そしてゲームの中で活用させていった。また、役割固定と1回キャッチを認めるという簡易化したルールを用いて、児童が仲間と関わり合いながら技能を身に付け、ゲームに参加し、楽しむことができる授業を目指して本テーマを設定した。
 具体的な手立ては以下の3点である
1 映像による学習課題の把握
 前時までの授業映像の中から特徴的な場面を切り取って児童に提示した。気付いたことを話し合う中で、本時の学習課題と関わるボールを持たない動きについて児童の言葉で可視化し,チームで共有した。
2 共同して作る学習カードによるボールを持たない動きの可視化
 チームごとに役割をセッター、ライト、レフト、センターの4つに分担した。1つのゲームでは役割を固定して行い、ゲームを通して感じたことや学んだことを学習カードに記述していった。次のゲームで仲間はそのカード参考にして、ゲームを行った。 
3 ボールを持たない動きを引き出すためのゲームの簡易化
 メインゲームにおいて同一ゲームではローテーションは行わず、1試合での個人の役割を固定した。 また、レシーブもしくはトスの段階で、1回のみキャッチを認めるルールとした。
 共同的に作成した学習カードやビデオ映像を利用して、ボールを持たない動きを可視化し、共通理解することで児童はボールを持たない動きについて理解を深めることができた。また、役割固定と1回キャッチを認めるルールを用いることで自分たちの考えた攻撃を遂行することができた。このことにより、実際のゲームでは3段攻撃の出現率やボール返球率、ブロックの回数が増えた。この事実と形成的授業評価から見て、児童はソフトバレーボールのゲームを楽しむことができたと考えられる。

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「教育実践」
仲間とかかわり合いながら、運動技能を高めるマット運動指導
長岡市立東谷小学校
中山 尚人

 今までの指導において、マット運動を好きでないと感じている児童が多かった。その理由として、決まった技しかできないから、技が難しいからなどが挙げられる。また、自分の体を自分の腕で支えることや逆さ感覚などに慣れていない児童が多いからだと考えられる。このことから、児童一人一人にマット運動に必要な基礎感覚を身に付けさせ、楽しさや安心感を味わわせる十分な時間が必要であると感じた。また、スモールステップで少しずつ技を習得していき、自信をもって活動できるように指導をしていく必要があるとも考えた。
 そこで、昨年度の5年生「マット運動」では、①グループ内で互いの技を見せ合いアドバイスする活動 ②確実に技ができるようになるためのスモールステップの課題設定 ③デジタルカメラを活用し、自分の動きを確かめ課題をつかむ活動を取り入れた実践を行った。この実践の中で、多くの児童に運動技能の向上が見られた。しかし、一部の児童は、練習のポイントはつかむことはできたが、運動技能の向上までには至らなかった。
 今年度は、昨年度の実践を受け、6年生全員の児童が確実に運動技能を高めることを目指し、仲間同士で技能を高め合う「競い合い」を取り入れた授業構成の工夫に取り組む。技の完成度を競い合うコンテストという「競い合い」を取り入れることで、グループ内では、高得点を獲得するための「仲間同士のアドバイスや支援」が活発に行われる。本研究は、高得点を獲得できる技の完成度を目標に、改善のポイントに基づいた練習に積極的に取り組み、確実に運動技能を高めていく子どもを目指した研究である。

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「教育実践」
種目特性と自己の伸びを実感できる体育授業
~モチベーションと心地よさを高める8秒間ハードル走の実践~
湯沢町立湯沢小学校
磯部 健太郎

 これまでのハードル走の授業において、踏み切り時と着地時に減速する児童の姿が見られた。原因として考えられるのが、ハードルを跳び越える際の体重移動がスムーズに行われていないことである。
 そこで、振り上げ足の着地点を意識させ、ハードルを跳び越えてからの1歩目を大きく前に出す走り方を身に付ければ、インターバルをリズミカルに走ることができると考え、先行実践を行った。振り上げ足が着地すると同時に支持足となり、前方への体重移動が起こる。これにより、抜き足が前方に出しやすくなり、加速を生むと考えたからである。その結果、踏み切り時に減速が少なかった児童はインターバル間で加速し、タイムの短縮につながり、一定の成果を得た。しかし、着地点を意識させたことにより、踏み切り時に減速し、高く跳ぶ児童も見られた。
 ハードル走の経験が少ない時期は、踏み切り時の減速を少なくするために前へ進む意識を強く持たせることが必要である。また、高学年では競争型、達成型の運動である陸上運動に楽しさを感じていない児童もいる。これらの課題を解決するために次の手だてを講じ、実践を行った。

1 8秒間ハードル走
 山本貞美氏考案の「8秒間走」は、目標設定が明確なため、楽しんで取り組むことができる教材であり、個を大切にし、運動が得意、苦手に関わらず全ての児童に全力で取り組ませることができる教材といわれている。また、走る距離を伸ばしていくことが目標になるため、前への意識が強くなると考えた。そこで、「8秒間走」をハードルに応用した。
2 主観的心地よさ尺度での振り返り
 ハードル走一本毎に、自分の走りを気持ちよさという観点で数値化した。児童の気持ちよさをスムーズなインターバルと規定し、気持ち悪い時の走り方と気持ちよい時の走り方を数値化することにより、自分の走り方を振り返った。気持ちよい時の走り方を振り返ることで、自分なりのコツを言語化させた。
3 グループ対抗のゲーム
 練習の際の教え合いや励ましの姿を引き出し、「関わる」ことで、「できる」「わかる」姿を導くことができると考え、グループ対抗のゲームを行った。
 苦手な運動でも、運動の楽しさ、喜びを感じさせることで、運動の質を高めていくことを追求した実践である。

<参考文献>
山本貞美『高田典衛の「子どものための体育」と「8秒間走」』鳴門教育大学研究紀要12巻 1997
山本貞美『「8割走」を取り入れた学習プログラムの一考察』鳴門教育大学研究紀要19巻 2004

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「教育実践」
音楽づくりの系統的な指導法の一提案
~機能和声による旋律づくりの実践を通して~
新潟市立曽根小学校
佐藤 史人

 小学校学習指導要領解説音楽編では、領域「A表現」に「音楽づくり」が独立した活動として位置づけられ、重要性が明確化された。音楽づくりの学習の中で、旋律づくりにおいては、児童が初めから数小節の旋律をつくることは難しい。教師にとっても機能和声(和音進行や和音の働きを指す概念)による旋律づくりの指導を苦手とする一面がある。児童の実態を考慮した系統的な指導と、有効な学習活動を明らかにすることが課題である。
 次の3段階からなる指導計画を組み立て実践し、解決に迫った。
1 モデルとなる教材曲を工夫した旋律づくり(中学年)
 モデルとなる4小節の旋律(a)を反復し、4小節目を続く感じにつくり変えることで、8小節の旋律(a4-a'4)をつくる。
2 和音の構成音を生かした旋律づくり(高学年前期)
 教材曲の和音の響きの変化を感じ取ることを通して、和音の構成音を生かした2部形式の3段目の旋律(b4)をつくる。a4-a'4-b4-a'4の2部形式16小節の旋律を仕上げる。
3 グループでコール&レスポンスのある音楽をつくる(高学年後期)
 コール(問い)の旋律を一人でつくり、レスポンス(答え)の合奏をグループでつくる。自分の問いとグループの合奏をつなぎ、イメージを確かめながら問いと答えのある8小節の音楽をつくる。
 児童の実態を考慮し、系統的な3段階からなる指導計画を組み立て、実践した。児童は無理なく音楽づくりに取り組み、音楽の仕組みを生かしながら、思いや意図をもってまとまりと変化のあるa-a'-b-a'の2部形式16小節の旋律をつくったり、8小節の問いと答えのある合奏曲を協力してつくったりすることができた。この取組により、自らの感性や創造性を発揮しながら自分にとって価値のある音や音楽をつくる姿に迫ることができた。
 機能和声による旋律づくりにおいては、和音や和音進行が旋律づくりを導く手立てに大きく関わっている。今後は、和音に関する知識を含めたより具体的な手立ての在り方について研究を深め、明らかにしていきたい。

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「教育実践」
ライティング指導における効果的なフィードバックの在り方
聖籠町立聖籠中学校
杉﨑 勝彦

 1 研究主題設定の理由 
ライティング指導においては教師が添削指導に多くの時間を費やすものの、生徒のライティング力が高まった・効果があったと実感することがない。理由として、生徒が書く時点とフィードバックを受ける間には時間差があり、生徒の記憶力が薄れていることと、教師サイドで改訂方法をすべて指示するので生徒が再考する必要がないことが挙げられる。この状況を踏まえて、以下のようなフィードバックをすることで、生徒はまとまりのある文章を読み手や書く目的を意識して書くことができると考え、本主題を設定した。
2 研究仮説  
生徒がモデリングから獲得した「構成」「内容」「言語」を参考にしながら書く練習タスクを設定し、評価基準表を基にピア・フィードバックで改善の方向を明らかにし、ティーチャー・フィードバックを与え、修正したり加筆したりすれば、生徒はまとまりのある文章を読み手や書く目的を意識しながら書くことができるであろう。 
〈フィードバックの在り方〉
①ピア・フィードバック
ピア・フィードバックを行うことによって生徒は読み手を意識し、生徒同士で生徒の目線からアドバイスを与え合っていくことで、書く意欲を高めることができる。また、コメントする際は2stars and a wish(2つの良い点と1つの改善点)の双方を指摘するように指導する。グループ構成も工夫する。
②テイーチャー・フィードバック 
各生徒に応じたフィードバックを授業内で行う。直接的フィードバックとは、主に生徒の書いた文章での使用語彙や文構造などの誤りに対して直接修正を与える方法である。低学力層の生徒に効果的である。一方、間接的フィードバックは、誤りに対して下線を引いたり、あらかじめ定めた記号等を書き込むことで、生徒が自分で考えて誤りを発見し、修正していく方法である。

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「教育実践」
「書くこと」の表現力向上を目指した指導の工夫
~バックワードデザインによる単元計画とルーブリック評価の活用~
燕市立吉田中学校
星 康司

 英語学習で大切なことは、コミュニケーション能力の育成だと考える。しかし、これまでの自分自身の指導を振り返ると、教科書の題材や文法について教えることが多く、生徒に自信をもって英語を使わせるための態度やコミュニケーション能力の育成の指導が不足していた。そのため、生徒に英語を使うことの成就感をもたせることができなかった。
 この課題に対し、本研究では、「書くこと」の表現力向上に目標を絞り、次の2点からその解決に迫ることとした。
1 バックワードデザインによる単元計画
 まず、単元のねらいを踏まえてゴールとなる目指す生徒像を設定する。次に、評価の観点と課題を決めて、それを生徒にも知らせる。教師は、ゴールに基づくシラバスを考え、スタートまでさかのぼって指導する内容や方法を計画する。事前に評価基準や課題を決めて、生徒と共有して学習を進めるという点が、これまでのスタートからゴールまでを示した単元計画とは逆向きである。こうすることで、生徒自身が単元の目標と現在の自身の学習到達度を比べながら、目標達成に向けて課題に意欲的に取り組み、コミュニケーション能力の向上につながると考える。
2 ルーブリック評価の活用
 単元の最初に、生徒に評価規準と基準をルーブリック形式で明示する。その単元のゴールが明確になり、生徒の自律的・主体的な学びにつながると考える。さらに、生徒が毎時間、課題の自己評価をすることが可能となるとともに、教師がコメントや添削などで課題や活動に対し、形成的評価を行うことができるので、学習の成就感が高まると考える。
 今後も、コミュニケーション能力の育成のための効果的な指導の在り方を考え、工夫し、実践していきたい。

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「教育実践」
目的意識をもち、進んでコミュニケーションを図ろうとする児童の育成
新潟市立庄瀬小学校
山際 奈穂子

 外国語活動では、児童が本気で話したい、聞きたいという目的意識がなければ、進んでコミュニケーションを図ろうとはしない。
 本研究では、目的意識をもち、進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育成するために、以下の2つの手立てを考え実践を行った。
1 児童が自分から進んで、話したい、聞きたいと思えるように、単元の終末には本気になれる本物を取り入れたコミュニケーション活動を設定する。
2 児童が「本物を取り入れたコミュニケーション活動」に自信をもって臨むことができるような、スモールステップの慣れ親しみの活動を設定する。
なお「本物」を以下のように定義した。
① 実際のもの
② 児童の本心(話したいこと、聞きたいこと 等)の表現
  実際に自分の口の中に入ったり、手に入ったりする本物があると、児童の本気度が圧倒的に高くなった。できる限り実際の物を活動に取り入れて実践することが望ましい。
  児童が本当に話したり、聞いたりしたいことは何なのかを見極めて、授業者が目的意識をはっきりもたせることができれば、児童は進んでコミュニケーションを図ろうとすることも明らかになった。またコミュニケーションをとる相手は学級の友だち、ALT(外国の人)、教師、家族、上級生(6年生)と様々に活動を設定することができる。ALTの出番を工夫する等して、更に生きた英語でのコミュニケーション活動を設定していくことが今後の課題である。
  終末の本気になれる本物を取り入れたコミュニケーション活動にいたるまでに、スモールステップで慣れ親しめる活動を設定していくことは有効であった。(児童の活動の様子や自己評価から)
  Hi,friends!1に示されてある活動はあくまでも例であり、それをアレンジしたり、あるいは別の活動に置き換えたりして、いかに児童の興味関心を引き、楽しく活動できるようにしていくかが、児童の普段の姿を知っている担任の工夫できるところであると考える。できるだけルールが分かりやすく、おもしろいゲームを組織する。また、表現を繰り返し聞いたり、言ったりすることができる活動を引き続き開発していきたい。

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「教育実践」
自分の英語表現を見直しながら、より良い英語表現で想いを伝えようとする児童の育成
~PDCAサイクルを取り入れた単元構成を通して~
柏崎市立荒浜小学校
山際 卓也

 外国語活動において、児童はチャンツやゲーム要素のある活動により意欲的に取り組むことが多い。しかし、コミュニケーションの素地を養う外国語活動では、単に英語を「好き」にさせることではなく、英語を使って「言いたいことが伝わった時の喜び」を感じさせることが重要だと考える。
  私は次の2つの手だてを用い、児童の英語表現の高まりを狙った。
1 PDCAサイクルを取り入れた単元構成
  単元の活動を計画(Plan)、実行(Do)、見直し(Check)、改善(Action)と位置づけをし、どの単元でもこのPDCAに基づいて授業を進める。その単元構成を繰り返すことで一貫性が生まれ、授業一コマごとのつながりを明確に児童に示すことができる。また、一時間の中にcheck-do-checkといった小さなサイクルを回すことによって児童の英語表現が改善される。
2 ALTからのアドバイスを基に英語表現を「見直す」活動を取り入れる。
  児童が自らの英語表現を見直そうとするには、現在の自分の表現に疑問をもつ、または「このままでは伝わらない」と感じる等、多少のつまずきが必要であると考えた。しかし、教師が「ここをこういう風に直した方が良いよ」と教えるだけでは、主体的に見直すことはしないだろう。そこで、意図的に「上手く伝わっていない」といった状況を活動に組織し、児童自身に「なぜ上手く伝えたいことが伝わらないのか」を考える場を設定する。また、見直す際の視点をALTよりアドバイスをしてもらうことにより、自分の英語表現をより実践に近い形で正確に見直すことにつながると考えた。
  平成26年に文部科学省が示しているように、2020年には外国語活動で求められる指導内容は大きく変わることが予想される。近い将来、小学校段階でもコミュニケーション能力の「素地」から「基礎」が求められていくだろう。私は、児童が「楽しかった」で終わることなく「伝わる喜び」が感じられる授業を今後も実践していく。

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「教育実践」
自己の生き方を見つめ考え続ける指導の工夫
~ゲストティーチャーとの交流を通して~
新潟市立葛塚小学校
中村 康

 総合的な学習の時間の目標は、「自己の生き方を考えることができるようにする」ことが明記されている。自己の生き方について探求的に学習を進め、生き方の本質に迫る児童の姿を求めている。手立てとしてゲストティーチャー(以下、GT)を招き、憧れる人の生き方に直接触れたり、将来なりたい自分の姿について考えたりする実践を試みてきた。しかし、児童の憧れや、GTの経験に拠るところが大きいという課題があった。よって、どのGTでも、交流自体を学ぶことはできても、交流を通してこれまでの自己と正対し、これからの自分の姿を描くところまでは迫れなかった。
  そこで本実践は、次の3点から解決に迫った。
1 あらかじめ質問事項を考え、自分の予想を挙げながら質問させる
 「どのような質問をすればGTから、生き方に役立つお話を引き出せるか」を学習課題に設定させ、話合いを通して質問事項を決めた。「大切にしていることは?」「やめようと思ったことは?」「一番落ち込んだことは?」など全部で23に整理し、予想を立てて交流に臨ませた。
2 GTの返答の理由を質問させる
  あらかじめ質問事項を考えて交流すれば、ある程度生き方について考えることはできる。しかし、児童自ら自己と正対し目指す生き方を考るようになるには、返答の背景にあるGTの価値観やGTがそう考えるようになるまでに至る過程、人生の節目となった生々しい経験を直接聞くことが欠かせない。そこで、本実践では、GTが返答したら、次の児童に「なぜそう答えたのか」「どうしてそう考えるようになったのか」「そのとき何があったのか」返答の理由や背景を次々と質問させた。
  GTとの交流は全部で9回行ったが、2回目以降は、出会った直後から児童の質問で進めた。中には、児童の質問に対して、GTが返答に困ってしまう場面が見られたが、その度に児童は「なぜそうしたのですか?」「そのとき何があったのですか?」と追求した。GTは苦い経験を思い返しながら、言葉に詰まりながらも必死に答えていた。まさにこの瞬間こそ、GTの生き様を学ぶことを通して、児童がこれまでの自己を見つめ、これからの自己の生き方を考えている瞬間だった。

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「教育実践」
児童が意欲的に学ぶ防災教育
~「自分事」と「想い」をキーワードにして~
新潟市立小林小学校
関根 友真

 近年、日本の各地で自然災害が多発している。記憶に新しい、平成23年3月11日の東日本大震災では、東北地方を中心に多くの被害が出た。しかし、一方で、岩手県の釜石市のように、小中学生を含め、全員が無事に避難した例もあり、防災の知識や意識、避難訓練の重要性などを改めて感じた。
  新潟県でも、昨年、新潟地震から50年を迎え、防災学習への意識が高まっている。いつ自分の周りで起こるかも分からない自然災害に備え、自分の命を自分で守ることができるように、防災の知識を身に付けたり、防災への意識を高めたりする必要がある。それは大人に限らず、児童にも言えることである。
  しかし、児童に、意欲的に防災について学ばせるのは、容易なことではない。なぜなら、多くの児童は被災した経験がなく、災害を自分や家族にもいつ起きるか分からないこと、つまり『自分事』として捉えることができないからだと考える。意欲的に学ぶことができなければ、いざという時に役立つ知識を身に付けることはできないだろう。このことから、防災学習において最も重要なのは、児童が、防災について『意欲的に学ぶ』ことだと考えた。
  では、どのようにすれば、児童が意欲的に防災学習に取り組めるだろうか。私は、下記の二つが必要だと考えた。
(1)危機感を持たせ、災害を『自分事』として捉えさせること
(2)児童の「こんなことをしたい」「こんな風に調べてみたい」などの『想い』を叶えること
本実践では、この二つを達成するための手立てを取り入れることで、児童が意欲的に学ぶ防災学習を目指した。
  学習後のアンケートでは、「防災学習に意欲的に取り組めたか」「学習前に比べて、災害時、自分の命を守れるようになったと思うか」といった項目について、90%以上の児童が肯定的な評価をした。また、学習を進める中で、更に詳しく調べ、追求していく姿やより分かりやすく発信しようと工夫する姿も多く見られ、意欲的に学習していると感じられた。

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「教育実践」
児童の課題意識を高めるファシリテーションの在り方
胎内市立中条小学校
神田 章

 総合的な学習の時間においては、自ら課題を見付け、自ら課題を解決する力の育成が求められている。そのために、課題意識を高めることが重要である。課題意識を高めるとは、問題を自分事として捉え、「どうしても解決したい」という必要感を伴う強い意識にまで高まったことと捉える。
  このような意識にまで児童の意識を高めることこそ、主体的な追求活動を促すと考える。課題意識は、体験活動や教師の指示、声掛けのみで高まっていくものではない。体験活動後に児童から出される考えは、あいまいなものが多く、そのまま活動に及んでも、児童の活動は停滞するからである。課題意識は、児童の漠然とした考えを具体的にしたり(拡散)、広がりすぎた考えを焦点付けたり(収束)することによって、児童の自発的な問いを連続させることで高まっていく。児童の自発的な問いを連続させるために、体験活動後に児童の考えの具体化と焦点化を繰り返す話合い活動をいかに充実させるかが重要であると考えた。
  そこで、本研究では、ファシリテーションをその手だてとして用いた。ファシリテーションは、児童の思考の可視化が可能であり、考えの具体化と焦点化の場面でその効果を発揮することができるとともに、児童が互いに意見を述べ合うという方法によって、協働的な話合い活動を促すことができると考えた。ファシリテーションによって、児童の考えを具体化・焦点化し、協働的な話合い活動を促すことで、課題意識を高めていくことを意図した。本研究では、児童の思考を具体化したり、焦点付けたりする場面でファシリテーションを用いることの指導効果を検証した。

<参考文献>
「信頼ベースのクラスをつくる よくわかる学級ファシリテーション② 子どもホワイトボード・ミーティング編」 岩瀬直樹・ちょんせいこ 解放出版社 2011
「みんなが主役!わくわくファシリテーション授業」 にいがたファシリテーション授業研究会 新潟日報事業社 2013

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「教育実践」
W型問題解決モデルを用いた生徒の表現力を育成する指導の工夫
胎内市立中条中学校
長谷川 直紀

 W型問題解決モデルとは、文化人類学者の川喜田二郎によって考案された問題解決の手法であり、生徒の活動を思考レベルと経験レベルの2つに分け、「観察」と「実験」の2段階で問題解決を行うものである。これまでの自分の授業を振り返ると、1つの学習内容に対し解決のための活動を1回の観察または実験で進めていた。これに対しW型問題解決モデルをもとに、事象の性質やしくみを把握するための「観察」と、「観察」で獲得した知識をもとに仮説を立て検証する「実験」の2段階に分けて授業展開を見直し課題を設定した。このモデルの活用を通して「観察」の段階で獲得した情報をもとに,生徒自身が課題を自分のものとして捉えた「実験」を行うことができた。
 また、本研究ではレポートの考察欄の記述が生徒の科学的な見方や考え方を最も表出させる部分であると考えた。そこで、レポート指導においては、考察欄に実験結果を根拠として記述し、課題と正対した結論を記述するように指導した。
 研究の結果,実験レポートの考察欄の記述に生徒の表現力の高まりが認められ、W型問題解決モデルの有効性を実証することができた。

<参考文献>「発想法」/川喜田二郎.中央公論社.1967
<参考文献>「W型問題解決モデルに基づいた科学的リテラシー育成のための理科教育に関する一考察―問題の把握から考察・活用までの過程に着目して―」/五島政一・小林辰至.理科教育学研究 vol.50.№2.2009

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「教育実践」
理科におけるグラフ読解能力の育成を目指して
~中学校1年「溶解度」の学習で用いられる曲線グラフと棒グラフによる複合グラフの読解に関する事例研究~
五泉市立山王中学校
荻野 伸也

 本研究は、溶解度の学習などで用いられる、曲線グラフと棒グラフの両方が記載された複合グラフの読解能力に関して調査・分析を行ったものである。
  一般的に生徒は、溶解度曲線などの複合グラフに関する読解が困難な実態がある。読解を困難にする要因として、棒グラフや溶解度曲線の意味理解が不十分であることなど5つの問題点が影響している。
  そこで、問題点の解消をめざし、中学校1年生「水溶液」の単元での指導法を3年間で改善を加えながら考案し、授業を実践した。取り入れた手立ては、実際に溶解度曲線を作成する活動や、複合グラフの説明時は溶解度曲線で区切られた領域に着目させるなど4点である。
 授業実践後、実態調査で用いた複合グラフ問題4問で検証した結果、全問正答率は1~2か月後でも高い正答率を保ち、実践した手立ての効果が立証された。また、グラフ読解能力が向上したことにより、生徒のグラフに対する意識も改革できる可能性も示唆された。

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「教育実践」
科学的な思考力・表現力を高める理科指導の在り方
~他と関わり合いながら学び合う授業を通して~
小千谷市立小千谷中学校
篠田 英

 これまでに私は、科学的な思考力・表現力を育成する手立てとして、生徒の興味関心を惹くような導入を取り入れたり、五感に訴えるようなインパクトのある実験を取り入れたりするなど、「教材」ばかりに焦点を当てすぎてきた。そこで今回の研究では、それに加えて生徒同士の学び合いや関わり合いを意図的に仕組み、様々な交流・意見交換を通じて自分の考えを深化できるような授業構成を考え、実践した。
 具体的には、新潟県中学校教育研究協議会が定めた「学び合い10」の中の、「ア.根拠をもとにした予想理由の検討」と、「イ.結果をもとにした考察の意見交換」の2つを手立てとして焦点を当てた。
 アは1学年の『身のまわりの物質』の中の小単元「物質の状態変化」、イは2学年の『動物の世界』の中の小単元「消化と生命を維持する仕組み」の授業の中で実践し、生徒の科学的な思考力・表現力の更なる向上を目指して、本研究に取り組むこととした。

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「教育実践」
生徒の主体的な学びを促す授業の工夫
~複線型の追究を通して~
佐渡市立両津中学校
堀 喜代子

 理科では、興味・関心をもって主体的に学ぶことが学力向上に大きく関わると考える。「好きだ」「おもしろい」という気持ちは大切だが、さらに強い目的意識をもち、自ら進んで観察・実験に関わり、探究しようとする生徒を育てることが必要である。課題に対して、生徒同士が関わり合い学び合うことが、自ら学ぼうとする気持ちをさらに強くするのに有効な方法である。生徒に、学習意欲を継続させ、自ら進んで観察、実験に取り組む姿勢を身に付けさせるため、次の手立てを講じた。
1 複線型の追究をさせる
 課題に対して、それを検証するための実験を考え、同じ計画を立てた生徒同士でグループを編成し、計画から実験までを行う。多様な実験を行うことができ、それに伴って異なった視点からの発表を聞くことができることで理解を深める。
2 関わり合って学ぶ場の設定
 同じ考えをもつ生徒同士でグループを作って実験を行ったり、それぞれのグループで交流・検討させたりすることで主体的な学びを促す。また、それぞれの実験で出た結果をまとめることで複線を収束させ、学習に対する達成感と知識の定着を図る。
 実験を生徒が考えた計画の基に多様な方法で行わせること、また、同じ計画を立てた生徒同士でグループを再編成することで、より実験計画・実験・考察・発表の過程を協力して行えるようにした。その結果、実験の操作確認や結果をまとめる場面で互いの意見を交換したり相違点を指摘し合ったりするなど意欲の向上が見られた。さらに、実験結果をクラス全体で共有する学び合いから、新たな課題を見つけ主体的に追究活動を継続する展開も生まれた。

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「教育実践」
生徒自ら分析し解釈する力を高める理科指導の工夫
~定性実験における表づくりの在り方と活用方法~
十日町市立十日町中学校
大矢 晃三

 1 課題設定の理由
 中学校学習指導要領理科編では、教科の目標として「『科学的に探究する能力の基礎と態度を育てる』ためには、自然の事物・現象の中に問題を見いだし、目的意識をもって観察、実験などを主体的に行い、得られた結果を分析して解釈するなど、科学的に探究する学習を進めていくことが重要である。」と示されている。
 私のこれまでの指導では、実験や観察に対してとても意欲的に取り組むが、目的を理解せずただ実験を行っているという実態が少なからずある。そのため、得られた結果をもとに考察することができず、同じ班の生徒の考察を書き写したり、未記入だったりする生徒がしばしば見られた。また、定量実験では、得られた結果を表にまとめ、グラフ処理し、そのグラフから傾向を考察することは比較的容易であるが、定性実験において複数の結果が得られた場合、どことどこの結果を比較して考察したらよいのか悩む生徒が多く見られた。そこで、定性実験において生徒自身による表づくりの在り方と活用、そしてそれを活かせる教材を研究し、自ら分析し解釈する生徒の姿を目指した。
2 解決の手立て
(1) 生徒自ら考察を進めていくことのできる表の工夫と活用
 生徒が自ら実験結果を分析し解釈するため、どの条件下での比較なのか、そこから何が分かるのか、というポイントを明確にして実験を進めるようにした。このポイントを考えることで、実験の見通しをもつことができる。また、どのような表にまとめるのが良いのか吟味し、工夫することで、結果を比較して考察しやすくなる。その結果、分析し解釈するための見通しが明確化されると考える。
(2) 結果の妥当性を高めるための教材の工夫
 中学校理科の定性実験では、「反応した」もしくは「反応しなかった」という両極な結果が得られることが多い。事象をより科学的に探究させるためには、両極のみならず、複数の条件下で得られた結果を総合的に考察することで、解釈する際に多くの比較がうまれる。さらに、複数の条件による比較によって結論の妥当性が高まると考える。
 以上のような手だてにより、自ら分析し解釈する生徒の育成を目指して研究を進めた。

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「教育実践」
アクティブラーニングによる化学反応における粒子概念の形成について
長岡市立小国中学校
長束 貴英

 生徒の科学的な概念の形成にあたっては、興味・関心を高める課題提示や事象の観察によって問題を見いだし、生徒が能動的に取り組むことが重要である。生徒の能動的な取組は、継続して意欲をもち続けることで効果的に問題解決に必要な資質・能力を獲得しながら概念の形成を図ることが期待できる。
 これは、国立教育政策研究所が示す「21世紀型能力」の育成に大きく関わると考える。しかし、理科が苦手な生徒にとって、自ら問題を見い出し解決を図る学習はやや抵抗がある。そこで、本研究ではアクティブラーニングの考えを基に、以下の4点を指導過程に導入する。これにより、どの生徒にとっても能動的な取組を可能にし、概念形成を図ることを狙った。
1 単元を貫く課題の設定
 「化学電池はどうして電気を起こすことができるのだろうか」を明らかにすることを単元の課題に設定し、最後まで目的に向かって学習できる学習過程を保証した。
2 イメージマップによる問題解決の過程の視覚化
 単元導入時に提示した現象から、化学電池の仕組みの解明に必要と考えられる実験や疑問をイメージマップの形式で記録させた。個々のイメージマップは、班で集約することで精選され、実験計画も具体的に立てることができる。実験によって明らかになったことや新たな疑問を書き足していくことで、各グループの進捗状況を確認し、情報を学級全体で共有することができる。単元の学習中は常に理科室に掲示し、いつでも誰でも見ることができるようにした。
3 実験の複線化と情報の共有
 観察・実験の方法は、自由度をもたせて各班で検討させた。その際、他の班の生徒と意見交換をする機会を設定することで新たな視点に気付き、班で再検討する必要性を醸成する。結果についても同様な機会を設定した。
4 時間の保証による連続した問題解決の過程
 一年間を通して50分×2の2コマ連続した時間割で理科の授業を行った。このことによって、生徒は一つの実験について予想・仮説を基に計画を立て、実験を行い、結果を整理、考察し、結論を導出することができ、生徒の意識が途切れることなく解決へと向かうことができる。
 本研究では、これらの手立てが粒子概念の形成に有効であったかを検討する。また、他単元へ汎用化できるよう研究を進めたい。

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「教育実践」
化学変化における定量的な思考力を高める指導の工夫
~2年「化学変化と原子・分子」の単元を通して~
湯沢町立湯沢中学校
長谷川 大輔

 本研究は、単元「化学変化と原子・分子」の実践を通して進めるものである。実験を多く行うため、意欲的に授業に取り組む生徒は多いことが予想される。しかし、実験そのものに興味・関心をもつことができても、その結果をまとめたり結果から考察を導き出したりすることについて苦手意識が生じることも考えられる。特に、化学変化を定量的に考えることについては、その傾向が強い。その理由は「粒子の反応自体が目に見えないため、数量として捉えにくい」、「定量的に事象を捉える経験が少ない」などが考えられる。これらの課題解決のため、以下の手立てを講じる。
1 単元を通して化学変化の量的な変化を考える場を設定する。
 単元の中には、質量保存の法則や定比例の法則についての定量的な視点が求められる実験も含まれる。しかし、急にそのような視点が求められることを苦手とする生徒が多いことが予想される。そこで、単元を通して質量の変化に注目するという見方を与えながら進める。
2 量的な関係を考える際に、理論値と反応量による考え方を示す。
 定量的な考え方をする際、計算をして答えを導き出すことが求められる。計算方法がわからずに答えを出せない生徒も多い。そこで、理論値と反応量の考え方を共有し、計算方法を定着させる。
3 視覚的に粒子をイメージさせるための工夫を行う。
 目に見えない粒子を視覚的にイメージするために、原子カードやプラスチック球を用いたモデルを活用して授業を進める。同時に、原子量の考え方をゲーム感覚で覚える活動も行う。
4 より正確な値が出るように実験方法を検証する。
 化学変化において定量的な実験を行うことは意外と困難である。特に、定比例の法則についての金属と酸素の化合の実験では反応がうまく進まないことがある。そのため、加熱の程度や試料の質量を予備実験で検討しておく。
 以上の手立てを用いることで、化学変化における定量的な思考力を高めることにつなげていく。

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「教育実践」
事象の仕組みを根拠をもって説明できる児童の育成
~イメージ図から練り上げたモデル図を用いて~
三条市立一ノ木戸小学校
関谷 忠宏

 研究仮説
 実際の観察が困難であったり推論する難しさがあったりする現象について、イメージ図からモデル図へ練り上げ、モデル図を使って話し合うことで、根拠をもって現象を説明することができるだろう。
1 イメージ図の表出と変容
 6年生「人や動物の体」では、デンプンの消化・吸収を扱う。口の中、消化器の中でデンプンがどのような変化が起こっているかは実際に観察することができず、だ液の実験結果などからイメージするほか無い。そこで、児童は予想でのイメージ図、考察でのイメージ図と、イメージ図を変容させていった。
2 イメージ図からモデル図への練り上げ
 不可視の現象や観察が困難な現象を扱う単元では、不可視のものをイメージする力が大切である。そこで、最初からモデル図を提案するのではなく、児童からイメージ図を表出させ、話合いの中でモデル図へと練り上げていった。モデル図とは、児童が考えを交流したり、現象を説明したりすることがしやすいように、表し方を共通化した図である。
 実際には、デンプンの消化・吸収の説明において、吸収される最小単位のモデルを基準に、そのモデルを集めてデンプンとすると説明しやすいと、話合いの中で練り上げた。
3 説明文の推敲
 児童が書いた消化・吸収の仕組みのまとめの文は、不十分なものが多かった。説明しやすい一方、言葉としては不十分で、主語が抜けていたり、既習の科学用語を使っていなかったり、と様々である。児童は分かりきった事として省略していたのである。そこで、児童が書いたまとめの文を、「相手に伝えるには」という視点でグループで推敲した。
 実際には、「主語があるか」「修飾語があるか」などの視点をもち、例えばある児童は、ただ「消化された。」と書かれた表現をグループの仲間に指摘され、「口の中では、だ液によってデンプンが消化された。」と表現方法を見直すことができた。
 以上のことから、イメージ図からモデル図へと練り上げていくことは、児童がモデル図の必要性を理解し、根拠をもって現象を説明することに有効であると言える。しかし、文章を推敲したことは、形式的に言葉を補うことができたが、それによって科学的な思考力が高まったかと言われれば、そうではないだろう。もっと根本的に、問題解決学習の中で言語活動を駆使し、科学的な思考力を高めていかなければならないと感じた。

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「教育実践」
主体的に植物の栽培学習に取り組む児童の育成
~観察方法の工夫を通して~
長岡市立山谷沢小学校
高原 学

 植物の栽培という学習は、児童に植物の不思議さやおもしろさ、そして成長の喜びを感じさせることができる。また、継続して観察させることにより実感を伴って、成長の規則性や連続性や種の保存の神秘性に気付かせることができる。
  しかし、これまでの指導では、児童は「元気に大きく育ち、きれいな花を咲かせたい」という願いをもつが、観察学習や植物の世話を面倒だと捉える姿が見られた。
  そこで、「植物はどのように成長していくのかな?(動画的視点で考えよう)」と観察の視点を与え、予想したり確かめたりして学習に取り組んだ。
  その結果、児童ははじめ教師から与えられた問題について取り組むだけだったが、そのうち、「葉が対になって生えてきているみたいだ。」「上から見ると、まるで花火みたいに葉が広がっている。」など少しずつ植物の成長の様子について、視覚的に気付く児童がでてきた。これらの気付きを広げ、実際に確かめに行く前にイメージ図で自分の考えをまとめたり、話し合ったりして、観察への意欲を高めた。この取組を続けていくと、授業時間以外にも、「みんなが気付いていない植物が成長する秘密を見つけたい。」「友だちが見つけた問題の答えを見つけたい。」と意欲をもち、進んで観察や植物の世話に取り組む児童が見られるようになった。 
  また、学習指導要領解説理科編の目標に、「~科学的な見方や考え方を養う」とある。
  そこで、児童が見つけた気付きを問題として提示した。例えば、「植物を上から見ると花火のように葉が広がっているのは、どうしてかな?」では、児童はすぐ日光のはたらきに気付き、「たくさん日を浴びたいから。」と答えた。また、「根は土の中で花火のように広がっているけど、水をあげるとき、どうする方がいいかな?」では、「葉や茎だけでなく土にも水をあげる」と答えた。科学的な見方や考え方を児童が身に付けることができたといえる。
  本研究では、児童が主体的に栽培活動に取り組むための手立てとして、次の5点を実践した。
1 観察の視点を与える
2 観察する前にイメージ図を描き、検討させる。
3 たくさんの気付きが書けるよう観察カードを工夫する
4 観察カードに観察意欲バロメーターを設け児童の様子を把握する
5 観察して分かったことを発信させる
 どの活動も時間がかかったが、じっくり取り組むことにより、少しずつ児童は植物への興味関心を高め、成長の仕方について理解を深める姿が見られた。

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「教育実践」
三角ロジックを活用した説明する力の育成
新潟市立濁川中学校
坪川 淳助

 当校では,全国学力・学習状況調査の数学Bの「理由を説明する」内容の改善が課題となっている。
 そこで,本研究では次の手立てを講じ,数学的な表現を用いて筋道立てて説明できる生徒の育成を目指し,実践に取り組んだ。
1 三角ロジックを活用する
2 「事実」と「理由づけ」を明確にする
3 伝え合う活動を設定する
 実践では,個人の考えを整理する場面,生徒同士が互いの考えを伝え合う場面の両方で,「事実」と「理由付け」を明確にするためのツールとして,三角ロジックのワークシートを活用した。また,自分の考えを説明する活動を効率的に進めるため,「事実」と「理由づけ」の内容に焦点化して,伝え合う場面を設定した。
 生徒同士の伝え合う活動を設定したことで,相手を納得させるための説明をする必然性が生まれ,生徒の主体的な活動が促された。また,活発な交流を通して活動意欲も喚起されたことが成果である。
 一方,「事実」「理由付け」が混在した記述のままの生徒も少なからずいた。「事実」と「理由づけ」を明確にできなかった生徒に対する支援をどのように展開していくか,生徒が自分の力で区別できるようにしていくために必要な手立てを探ることが,課題である。さらに,他の学年、他の単元でも繰り返し実施していくことを通して、今後も実践を継続していく。

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「教育実践」
基礎的な知識・技能を定着させ、説明力を向上させる指導の工夫
~「間違い探し」を取り入れた授業を通して~
加茂市立加茂中学校
髙野 有弘

 今までの私の指導を振り返ると、「数と式」の領域の指導において、基礎的な技能の定着のために、類題を何題も解かせている。中位や上位の生徒には、定着が期待できるが、低学力層の生徒にとっては、自力解決が難しく、問題数が多いことで解くことが苦痛になり、数学嫌いにさせていたように感じる。また、間違いやすいポイントについては、ただ説明を聞いただけでは自分で考えていないことが多いので、定着が期待できない。そこで、低位の生徒に、もっと主体的に学習に取り組ませ、基礎的な技能を定着させる方法はないかと考えた。
  本研究では1年生の1次方程式の単元で、次の手立てを講じて授業を行った。
1 生徒がよくやってしまう誤答を取り上げてそれを生徒自らが修正する活動(間違い探し)を行う。
2 協同学習(個人→ペア→班→全体)を行う。
  手立て1については、次のように考える。解答全体が最初から与えられおり、「その中に間違いが1カ所ある」ということがはじめから分かっているので、低位の生徒でも取り組みやすい。自分の間違い例ではないので、安心してどこが間違いなのか探していくことができる。生徒が自分で気付き、考えて誤答を修正することができれば、間違いポイントを自分で整理していくことになるので、定着することが期待できる。
  手立て2については、次のように考える。 自力解決が困難な生徒もペアでかかわり、教えてもらうことで、取り組みやすく、授業に参加しようという意欲を引き出すことにつながる。また、自分の解答や説明に自信のない生徒は、周りの生徒と確認することで、自分の解答や説明に自信をもつことができる。班学習では、ペア学習で解決できなかったことを他の生徒に教えてもらうことができる。班で発表の準備を進めることで、自信を持って全体発表することができる。
  授業実践後、レディネス問題と評価問題の「正答率」と「無答率」の変容を調べ、ワークシートの記述や発表の様子から生徒の変容を調べた。正答率は上昇し、無答率は減少した。また、低位の生徒でも自力解決しようとする様子が見られたり、協同学習を通して、自信をもって発表したりしている姿も見られた。

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「教育実践」
生徒が問いをもち主体的に学びを深める授業
~「ずれ」が生じる教材提示を通して~
新潟市立上山中学校
田村 友教

 本研究は、生徒から問いを引き出し、その問いから学習課題を設定することで、生徒の主体的な学びを深めることをねらった授業実践である。生徒から問いを引き出すために、私は生徒の中に認識の「ずれ」を生じさせる教材提示を行うことが有効であると考えた。ここでいう「ずれ」を、私は次の4つの様相に分類する。
(ア) 事象と自分の認識とのずれ
(イ) 他者の認識と自己の認識とのずれ
(ウ) 事象と定義・定理とのずれ
(エ) 自己の認識と定義・定理とのずれ
このことを踏まえ、研究仮説を「『ずれ』が生じる教材を提示し(手だて1)、その『ずれ』に着目させることを通して、生徒から問いを引き出して学習課題を設定する(手立て2)ならば、生徒は主体的に学びを深めることができるであろう。」とした。
  そこで、「垂直二等分線は2点から等距離にある点の集合である」という垂直二等分線の性質を、生徒に気付かせる場面で課題提示を工夫した。
  教科書では、ひし形の性質を根拠として垂直二等分線の作図方法を導き出している。このことにより生徒は、線分の両端の点A、Bをそれぞれ中心として、等しい半径の円をかき、この2円の交点を通る直線を引くことで作図方法を獲得することになる。
  私は、生徒の学びを深めるために、さらに垂直二等分線の作図において、ひし形を利用して典型的に作図できる場面から、意図的にひし形が利用できない場面に変更(場面変更)した。
このことにより、生徒は事象と自己認識との「ずれ」に直面し、どうしたら垂直二等分線を作図できるだろうかという問いをもつことになる。この問いを学習課題に設定し、様々な作図方法を検討する中で垂直二等分線の性質の意味理解を深めた。
  この学習を通して、生徒は垂直二等分線の性質を利用して様々な問題を解決できるようになった。また他の実践からも、生徒に認識の「ずれ」を生じさせることにより、より一般性のある考え方に高め、数学的知識・技能の意味を獲得させることができた。今後も継続して研究を進めていきたい。

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「教育実践」
証明の意義を実感させる手立ての工夫
長岡市立旭岡中学校
木村 哲

 一般的な生徒の傾向として、黒板に書かれたことはノートにしっかり書き、問題練習にも熱心に取り組む。そのため、ほとんどの生徒が問題の解法を覚え、それを使って解くことはできる。しかし、その解法はどんな原理を使っているか、或いはその解法を使う良さについて答えることができない生徒が多い。このように、生徒は「なんで数学を学ぶのか」「数学を学ぶとどのようないいことがあるのか」というような数学を学ぶ有用性が分かっていない場面が多く見られる。
 全国学力・学習状況調査では、「証明で用いられている図形が考察対象の図形の代表であること」に関する問題が数多く出題されているが、一般的に正答率が低い。そのため、従来の指導では証明の考察対象の図形についての理解が不足していると考えられる。                                                           
 この課題に対して2年生の図形の証明の初期指導における教科書での取り扱いは、すでに条件に合う図が与えられている問題ばかりであり、条件に合う図の作図から導かれることを予想してそれを証明する問題はほとんどない。私の従来の指導でも、辺の向きや角度が教科書にかいてある図とほぼ同様の図を1つだけ作図させた後に、結論をこちらから与えてすぐに証明に取り組ませていた。そこでこのような現状に対して、次の2つの手立てを取り入れることで、証明の考察対象の図形についての理解が深まると考えた。         1 条件に合う図が無数にあることを認識する活動。   条件に合う図を1人1人に複数かかせ、他の人がかいた図も全体で確認する活動を取り入れ,条件に合う図が無数にあることを認識させる。         

2 条件に合う図の場合でのみ例外なく結論が成り立つことを認識する活動。例外なく結論が成り立つのは、仮定を満たす図においてのみであることを認識させる。これらの手立ての有効性を検証した。

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「教育実践」
算数と数学の接続に関する研究
~関数領域の指導に焦点を当てて~
新潟市立白新中学校
石田 勇弥

 小学5年から中学1年にかけて、繰り返し「比例」の単元を学習するが、小学校から中学校への接続には大きな困難性がある。それは、中心として扱う性質が大きく異なるためである。小学校では「変化」、中学校では「対応」の性質を中心として扱うために、生徒に思考の飛躍が生じていると考える。そこで本研究では思考の飛躍を生まないために、以下の手だてを行った。
 接続をスムースにする単元構成と実践の提案
 表→式→グラフの順で指導を展開するのが一般的だが、本研究では表→グラフ→式の順で単元を構成した。グラフは値の変化の様相を直観しうる表現でもあり、 座標の点はxとyの対応を表した表現でもある。つまりグラフは、変化と対応の両方を意識させることができる表現だといえる。グラフから学習することで変化から対応(=式)へのスムースな移行を図った。
 実践を通して、自然と変化の見方から対応の見方へシフトできたことは成果として挙げられる。しかし、式に定義する際に、新たな困難が生じることが明らかとなった。そのため、よりスムースに移行できるような手だてを再考する必要がある。今後も理論と実践を往還することで、関数領域の指導の在り方を追究していく。

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「教育実践」
関数の考えを育てる低学年「数と計算」領域における算数指導の工夫
~第1学年「ひきざん(2)」の実践を通して~
新潟市立巻北小学校
樋浦 教之

 小学校においては、学年が進むにつれて、「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係」という関数の考えを用いて問題解決する場面が増えていく。その考えは各学年において着実に指導を積み重ねることで身に付く考えであるが、小学校第1学年では、関数の考えを意図的に指導する場面が少ない。
 一方、第2学年や第3学年では、関数の考えを用いて学習する場面があり、その学習を理解することに難しさを感じる児童が多い。そこで、第1学年「数と計算」領域において「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係」の指導を工夫して行うことで、学年が上がっても関数の考えを用いて問題解決することが容易になると考える。
 本研究では、小学校第1学年『A 数と計算』領域「ひきざん(2)」において、以下の手立てを用いて授業を進めることで、「差が等しい減法は、減数が1つ増減すれば、被減数も1つ増減する」という依存関係に着目し、対応のルールを明らかにしようとする姿の育成を目指した。

1 規則正しく式を並べ替える活動
  答えが2、3になる引き算を児童に考えさせたところ、「11-9」「10-8」「11-8」「10-7」「12-9」が出された。それらを掲示した後、「どうすれば、これらの引き算をきれいに並べ替えることができるかな。」と問うた。「きれいに並べ替える」とは、「数字の順に並べ替えれば良い」と児童は考えた。すると、減数と被減数との間の変化や対応の規則性が分かりやすくなり、「片方の数が変わると、もう一つの数も同じように変わるのではないか。」という見通しをもたせることができた。
2 並べ替えた後、11-6となる式から他の引き算の式を見付ける活動
 並び替えた後、「減数や被減数に1ずつ足すと答えが同じ引き算の式ができる。」ということに気付いた。そこで「11-6」をもとになる式とした。これを基に答えが「5」になる引き算同士の関係を確認した。このことで、11-6の式から「減数や被減数から1ずつ引けば、10-5ができる。」ということに気付かせた。

 12-7=(12+1)-(7+1)=13-8  11-6=(11-1)-(6-1)=10-5
のように、+□や-□がどんな数でも、引き算の答えは変わらないことを捉えさせた。「数字が規則的に並んでいる」「一方が変わると、他方も同じ数ずつ変わる」といった関数の考えが身に付いた授業であった。小学校第1学年から、「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係という」関数の考えを扱うことは、その後の学習に大きくプラスに働く。

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「教育実践」
解法を自分の言葉で書くことで数学的な考え方を高める授業づくり
新潟市立下山小学校
井畑 悟

 私は算数の授業で数学的な考え方を高めることを特に大切にしている。数学的な考え方を高めることによって、計算の答えを導くだけでなく、どうしてその答えになるのかという意味を理解することができるからである。
 児童の学びは多様であり、すべての児童が同じ学び方をしているわけではない。児童によって、どの言葉が心に残り、どの言葉によって学びが確かなものになったのか違いがある。そこで、本時で深めた見方や考え方、また、新たに知り得た方法について再構築しながら、その時間の学びを自分の言葉で書き表すことで、数学的な考え方を高めていくことができると考えた。
 書くことで思考力を働かせ、またそれを表現することで数学的な考え方も高まっていく。しかし、答えを求めることができても、思考の過程をうまく表現できず、数学的根拠に基づいていない解法を書く児童もいる。そこで、次の2つの手立てを行ったあと、解法を自分の言葉で書かせた。
 1つ目の手立ては、「多様な考えの共通点や相違点を明確にする話合い」を授業場面に取り入れたことである。児童の中から出てきた考えの共通点や相違点を問う発問をすることで数学的根拠を明確にすることができると考えた。
 2つ目の手立ては、「解法を書くときのキーワードとなる言葉の提示」である。1つ目の手立ての話し合いで出てきたキーワード(数学的根拠)を板書しておくことで、解法を自分の言葉で書けるようにした。
 本実践の結果、多数の児童が解法を自分の言葉で書くことができた。解法を記述したノートを分析すると、自力解決できなかった児童が、授業終末では数学的根拠に基づいて解法を書くことができた姿が見られた。また、ある児童は、自力解決した考え以外の考え方も取り入れ、自分の考えを再構築して解法を書いていた。また、児童の中には同じ数学的根拠に基づいて解法を書いたものもあったが、各自が自分にとって理解しやすい言葉で書いている記述がみられた。
 よって、本実践では、解法を書かせるために2つの手立てを行い、数学的な根拠を明確にしてから自分の言葉で書かせたことで、数学的な考え方を高めることができた。

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「教育実践」
図形の性質への気付きを促す指導の工夫
長岡市立新町小学校
松井 衛 

 学習指導要領では、「学ぶことの楽しさ」「考えることの楽しさ」が強調されている。図形領域でそれらの「楽しさ」を味わわせるには、ハンズ・オンといわれる手を使った活動が有効といわれる。 低学年のうちは、何か教具などに触れ、手を動かすことに興味をもち、楽しいと感じる。しかし、高学年になると、ただ教具を与えておくだけでは、児童は感心を示さない。児童の知的好奇心を喚起する何かがそこになければならない。「あれ?」と思える「意外性」を感じさせる学習を設定する必要がある。高学年の図形指導では、教具を使っての試行錯誤による意外性のある事象との出会いを重視していく必要がある。
 高学年の児童は、長方形や正方形が平面に敷き詰められることは体験的に知っている。しかし、これがどんな四角形でも平面を敷き詰められるということに気付くならば、それは不思議なことであり、「なぜ」「どうして」という疑問が生まれる。また、それを解決することで敷き詰めを美しいと感じるようになると考える。しかし、一般の四角形が敷き詰められると認識している児童は少ない。これは、授業の中において敷き詰めの経験に乏しいことが原因と思われる。具体物を用いて実際に敷き詰めてみるといった、操作的な活動を大切にした指導が必要である。
 本研究では、試行錯誤を伴う敷き詰めの活動を設定することにより、児童の四角形に対する認識がどのように深まるかを考察した。第5学年「図形の角」の単元において、図形の敷き詰めを計画的に組織し実践を行った。その実践の中から、敷き詰めの活動でどのように四角形に対する認識が深まるかを検証し、敷き詰めの活動はどのように進めていったらいいのか方法を探った。

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「教育実践」
算数科における学習意欲を高める指導の工夫
~学ぶ目的や目標、理解度を可視化することを通して~
佐渡市立両津吉井小学校
藤井 憲之

 学力に関する各種国際調査の結果をみると、日本においては、知識・技能、思考力・判断力・表現力に比べて、学習意欲が低い傾向が見られる。この原因としては、学ぶ目的と学んだ結果、どう高まったかをあまり伝えることがないまま進めている日々の授業もその要因の一つであると考える。即ち、学習意欲を高めるためには、なぜ学ぶのか、何を学ぶのか、そして、学んだことがきちんと身に付いているのか、いないのかを明らかにすることこそ重要である。
  そこで次の三つの手立てを講じ、その有効性を検証する。
1 単元の指導計画の工夫
  導入時に、単元のねらいに迫ることができる問題を提示し、この問題を解くために必要なことを児童自身に考えさせ、1時間毎に何を学んでいくのかを明らかにし、単元全時間分の学習計画を作成し、可視化した。
2 めあてとまとめの明確化と可視化
  手立て1で作成した学習計画を基に学習計画に毎時間のめあてを明らかにした。授業の終末には、めあてに正対したまとめを書かせ、まとめたものを教室の壁面に掲示し可視化した。
3 理解度の可視化(全員ができるようになることを学習の目的として意識付ける。)
  児童にとって1時間の学習内容が身に付いたのか、付いていないのかが明らかにならなければ、自分の力を判断することはできない。教師にとっても、1時間できちんと児童に力を付けることができたのか、できなかったのかを把握することができない。そこで、毎時間評価テストを行い、児童の定着度を把握し、教室背面に山登りのように掲示することで可視化した。
  単元末児童アンケートと、単元末テストの結果から、三つの手立てが有効に働き、学習意欲が向上した児童が多く見られた。特に、特別な支援を要する児童に効果的であった。
  今後は、有効に働く単元の導入問題の条件や、領域における相違点についても研究を進め、多様な領域で活用できるように汎用性を高めていきたい。

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「教育実践」
長方形の変形に限定した面積指導の試み
長岡市立阪之上小学校
川上 節夫

 これまでの面積指導では、公式を用いて面積を求めることはできるが、辺の長さと面積の関係を正しく捉えて面積を求められない児童が多い傾向が見られた。
「単位面積のいくつ分かで表せる量」という面積の概念のもと、暗記に頼らず汎用性のある思考方法による公式の意味理解を目指した学びが求めらている。
 そこで、本研究では、長方形への変形に限定して公式を導き出していくという指導を試みることとし、次の2点から研究を進めた。
1 どの図形も面積の公式を導く場面で、三つの長方形への変形にパターン化する
 面積を求める公式の指導において、長方形への変形方法を等積・倍積変形により三種類にパターン化した。そして、長方形の縦と横の長さと対応する垂直な2本の直線に着目させ、単位面積の広がりを意識しながら公式を導き出すようにした。
2 求積に必要な長さの視覚化を図る教具の工夫
 自由に切ることが可能で、かつ、求積に必要となりうる長さを強調した図形教具を提示した。この教具を操作させ、元の図形と変形した長方形と対応する長さを視覚的に捉えさせ、容易に公式を導き出せる工夫をした。
 
 本研究を通して、多数の児童がどの図形でも垂直に交わる2本の直線を見いだし、その2本の直線の積によって公式を作ろうとする姿が見られた。また、学習後のテストでは、情報過多の問題に対しても垂直な2本の直線を選び、公式を使って問題を解く姿が多く見られた。
 面積指導に限らず、共通する見方・考え方や系統性を重視した指導を他の単元でも取り組んでいく必要がある。

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「教育実践」
児童が式を生かして問題解決する力を育てる指導の工夫
新潟市立東青山小学校
伊藤 祐輝

 式は形式的に処理ができ、一般化を図る手段となるというよさがある。この式表現のよさを進んで問題解決に生かす力を育てたいと考える。しかし、実際の授業では、式が表れると児童によって理解度の差が大きく表れてしまう。また、式のよさを生かすために式のみを用いる活動では、児童にとって難しさだけが強調され、理解度の差も大きくなる。そこで、式をよむ活動において図を関連させて用いる展開を構想し、児童にとって図を足がかりにして式をよむ活動になるように授業を構成する。そのために次の手だてをとる。
1 図と式を関連させてよむ活動を工夫する。
  4年「式と計算」では,計算のきまりが図にも示されるようにする。例えば、かけ算の分配法則に関するきまりは、アレイ図を用いると式の関係が見えやすい。問題場面をアレイ図が用いやすい場面に設定し、児童が簡単に図に表し、また、その図をもとにして式化できるようにする。式が表れたら、式の数や演算が図ではどの部分に表れているかをよむ活動を行う。このように、図と式を関連付けてよむ活動を通して,児童は式が問題場面や図に即して表現されていることを理解する。そうすることによって児童は式をより身近なものに感じる。
2 式をよむことが問題解決につながる活動を設定する。
  4年「面積」では、問題解決に公式が手段として使われているが、求積できても公式が長方形の縦横の関係を表しているという式の理解が深まっているとは言い難い。
 そこで、ある求積の式を提示し、どのような図形の面積を求めた式かを問う問題を設定する。例えば3×5+4×8という式だったら、かけ算の部分「3×5」「4×8」はそれぞれ縦3cm横5cmの長方形、縦4cm横8cmの長方形を想起でき、それらの長方形の和を表す式であることをよめると、二つの長方形の複合図形であることが分かる。このように、式の数の関係をよんで図をイメージする活動を通して、児童は式が図と関連していることや式の表す意味を理解できる。

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「教育実践」
文章題指導の工夫
~問題づくりの活動を通して~
上越市立北諏訪小学校
泉田 悠貴

 文章題で問題の文章を正しく読み取ったり、正しい式を立てたりすることは個人差が大きく、つまずいてしまうことが多い。計算はできるのに文章題を解く事ができない児童に対して、問題づくりを取り入れることで、その解決に迫った。
 私は、「式に単位を付ける」「絵や図に表す」という2つの活動を取り入れた問題づくりの指導を行うことで文章題を解く力が付くのではないかと考えた。そこで、小学校3年生の計算領域の授業実践を通して、上記の学習過程の有効性を検証する。
1 式を立てる
 問題づくりの最初に自分で数字を当てはめて式を立てる。
2 式の数字に単位を付ける
 式の中の数字に付く単位は何か、その単位から考えられる場面はどんな場面かを考えさせていくことで、児童は式を立てる際に数字の単位に注目したり、問題場面をイメージできたりするようになる。
3 絵や図に表す
 式を見たときにどんな場面を想像するのか。その想像した場面を絵や図で表す。問題場面が正しく表現できるようになれば立式することは難しくないであろう。そこで、式から図や絵をかかせ、その場面把握をしっかりさせることで文章題を解く力を高めていく。
4 問題文をつくる
 最後に式と絵や図に合う問題文をつくる。自分で文章を書くことを通して、文章題の理解につなげていく。
 問題づくりを通して、児童に文章題を解決するために必要なことを獲得させることで、自信をもって友達に説明したり楽しく算数を学んだりできると考える。

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「教育実践」
自分たちの地域と比較・関連させ理解を深める地理学習の工夫
見附市立南中学校
桶谷 圭介

 中学校の地理学習において、地理的事象を意欲的に追求し、地理的特色の理解を深めるには、自分自身の生活や地域での生活を見つめ直す取組が必要である。そこで、日本の諸地域を学習する際に、地理的事象を生徒の生活と比較、関連させることにより、生徒にとって身近な地域教材として意欲的に追求できるのではないかと考えた。今回の授業は九州地方の学習で桜島を取り上げ、桜島が作り出す自然環境が人々の生活にどのように影響しているのかを追求テーマにして、単元計画を作成した。生徒が住む見附市の生活と比較・関連させることにより、九州地方の地域的特徴だけではなく、自分自身の生活や見附市での生活を見つめ直し、自分の生き方を考えてほしいという願いを込めた。その学習過程の中で、九州地方の地理的特色を見附市と比較・関連させながら、より深く理解できると考えた。
 以上のようなことから、授業実践を行う中で、工夫をした手立ては次の2点である。
1 単元構成の工夫
①桜島がもたらす自然環境を中核に据え、自然環境と人々の生活を学習する上で、生徒たちが住む見附市と比較させることで相違点や共通点を意識させる。生徒の生活と関わらせることは、学習を深める効果があると考える。
②生徒にとって学習内容をより身近に感じさせ、追求意欲が高まるように、鹿児島市で生活する人に、授業で生まれた疑問を質問する場面を設定する。現地の人の話を聞くことで、暮らしと自然環境をより密接に関わらせたい。
2 生徒の見取りと教師の働き掛け
①授業の終末には学習のまとめと疑問を書くように意識付け、生徒の問いに沿うような柔軟な単元構成を心掛ける。
②3~4人の班で考えを交流した意見や疑問を全体で共有する場面を設定する。
 生徒は、桜島がもたらす自然環境が人々に噴火などの災害や農産物や温泉などの恩恵を与えることを理解した。その中で、桜島の生活と見附市の生活を比較することで生まれた疑問を桜島ミュージアムの職員にスカイプを通じて質問をした。その回答によって、さらに理解が深まったり、また新たに考えたことを班やクラスで共有したりすることで、自分自身の生活や見附市での生活のことを改めて見つめ直すことができた。

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「教育実践」
資料の比較・検討を通して思考力を育成する授業づくり
~地域史を活用して~
長岡市立青葉台中学校
廣瀬 貴久

 生徒が歴史学習に意欲をもてない要因の1つとして、歴史的事象を自分の生活と結び付けて考えることができない場合が多いことが挙げられる。歴史的事象を少しでも具体的にイメージできるように身近な地域史を活用することとした。身近であるがゆえに生活経験との結び付きが図られイメージしやすくなる。その際、既習事項との結びつきや難易度を考慮し、生徒の興味・関心を高められるように、また生徒が考えやすい学習状況を整備できるように工夫を行った。
 学習指導要領においても地域史の活用は重視されている。また他に重視されていることの一つに、時代の特色を捉える学習がある。単元構成にしっかりと組み込み、時代の特色を捉えることができるような学習課題の工夫が必要である。
 以上のようなことから、地域の歴史を考えるなかで時代を捉える授業実践を行った。手立てとして工夫した点は次の2点である。
1 「情報カード」と「地図資料」を使った地域教材の開発
 発掘成果や地域史の事実を「情報カード」に整理した。生徒が情報の比較や関連付けを行いやすいように、情報カードは小分けにして配付し操作できるようにした。教師が意図をもってエリアを分けた「地図資料」を配付し、生徒が地理的な視点ももって歴史的状況を考えられるようにした。
2 学習課題の工夫
 原始・古代単元の実践では「どのあたり(どのエリア)に人は多くいたのだろう?」、中世単元の実践では「どこ(どのエリア)が栄えていたのだろう?」という学習課題を設定し、思考活動の出発点とした。選択性があり、複数の考えが表れ、地域を地理的・歴史的に俯瞰せざるをえないような質の課題を設定した。全員が情報カードを根拠としてエリアを選択することになるので、低学力層の生徒でも考えを書くことができる。また、エリア分割によりそれぞれの地域性を考えやすくなったことにより、情報の読み取り方(どう解釈し、比較し、関連付けるか)によって、複数の考えが生じる課題でもある。
 上記2つの手立てを講じ「原始・古代」「中世」の単元で授業実践を行った。地図上で情報カードを操作できるので、生徒は情報を比較・検討しやすい状況がつくられた。情報カードを根拠として一人一人の考えが構成され、また班活動においても比較・検討の根拠は情報カードであり、それぞれの捉えを悩みながら迷いながらも活発に話し合う様子が見られた。実践を通して、生徒は全国史とのつながりを感じ、歴史を身近なものとして捉え、地域の歴史の様子を通して時代を捉える姿が見られた。

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「教育実践」
児童が話合い活動の中で考えを練り上げるための指導の工夫
三条市立第三中学校
金泉 翔

 中学校社会科の学習指導要領の地理・歴史・公民各分野の目標には、「多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる」ことが示されている。このような能力と態度を育てるためには、生徒が説明・論述し、話し合う中で自分の考えなかった意見に触れ、その中で何が大事なことなのかを見付け出す活動が必要であると考えた。生徒が自分の考えをもち、話合い活動の中でより自分の考えを練り上げるためには、話合い活動に至るまでの自分の考えをまとめる段階が重要であると考えた。話合い活動までの前段階において、疑問や問題意識を芽生えさせる課題の提示の工夫により、互いに考えを練り上げられる場面の設定が課題である。
 次の2点から、その解決を図る。
1 考えをまとめる活動と話合い活動の場面の設定
 生徒が根拠をもって考えをまとめられるように、また話合い活動では意見を言い合うだけでなく、様々な意見に触れ自分の考えがより練り上げられる場になるように指導計画を工夫する。
2 様々な立場に立って考える課題の設定
 自分以外の考えを理解するためには、それぞれの考えや意見の理由を分かっていないといけない。そのために、様々な考えがあることをそれぞれの立場に立って考えることで、より自分の考えをもちやすくし、多くの理由から自分の考えを練り上げることができると考えた。
 この研究を通して、生徒が自分の意見や考えに自信をもって発言し、他の人の考えを受け入れ、理解しながら物事について考えられるようになることを期待している。

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「教育実践」
課題に主体的に取り組み、話合いの中で考えを深めていく生徒
~単元を貫く学習課題の設定と表現活動の工夫を通して~
長岡市立南中学校
恩田 隆介

 本研究テーマは教科を横断した普遍的な価値をもつと考える。このテーマに迫るために、以下の2つを単元構想の中心に据えた。1つ目は単元を貫く課題を設定し、生徒の学習意欲の喚起と課題追求意欲の持続を図ること。2つ目は多様な表現活動の場を設定し、生徒の考えの深まりをねらうことである。

 これらを踏まえ、以下の3つの手立てを意識し実践を行った。(2014年実践 地理「世界の諸地域 アフリカ州」)

1 (レディネスによる)生徒がもつイメージにギャップを与える課題を設定し、興味関心を引き出すとともに、学習意欲を喚起する。具体的には、アフリカの「魅力」を取り上げ、単元を展開した。

2 課題に応じて話合いの形態を変えることで、多様な考えの表出や考えの深まりをねらった。話し合う集団の工夫として、A(3人)班、B(5,6人)班、そして個、全体で思考する場面を設定した。話合いの形態の工夫としては、自由に発言する意見交換、KJ法、ホワイトボードの使用などを試みた。

3 社会的事象を切り口として、本物に触れさせることで、学習課題を身近に感じさせる。現在起こっている世の中の出来事を取り上げ日本とのつながりを認識させること、アフリカの留学生のVTRを授業で扱うことで、アフリカという地域と自分たちの距離を近付ける手立てを講じた。
 検証方法としては、3名の抽出生の集団における関係性の中で全体を把握することとした。他との関わり合いの中で意見を深める(新しい視点を獲得する等)ことができたかどうかを、生徒の発言内容や記述内容等の授業記録、事後のアンケートの数値から検証した。

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「教育実践」
追求の視点を明確にし、社会的事象を関連付けて考える力の育成
新発田市立外ヶ輪小学校
佐野 亮太

 小学校学習指導要領解説社会編の中で第3・4学年の能力の目標として「地域における社会的事象を観察・調査するとともに,地図や各種の具体的資料を活用し,地域社会の社会的事象の特色や相互の関連などについて考える力,調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする。」とある。
  下線部の「考える力」について「 (~中略~) 願いを実現していく地域の人々の工夫や努力,協力と生活や生活環境の維持と向上との関連,地域の人々の生活や産業と国内の他地域や外国との結び付きなどについて考える力」と述べられている。 社会的事象に対して,観察・調査して気付いた「地域の人々の工夫や努力,協力」や「生活や生活環境の維持と向上」という事実を関連付けて考えていく。つまり社会的事象に対して多面的に考えていくことが第3・4学年で求められる能力の一つである。
 そこで次の点を重点に,第4学年社会科「ごみはどこへ」の単元において実践をした。

〇追求の視点を明確にして単元の学習を進めていく
  単元導入時に追求の視点を明確にする。追求の視点とは児童から出た疑問を学習課題にしたものであり,単元で押さえるべき学習内容である「廃棄物の処理にかかわる対策や事業は地域の人々の健康な生活や良好な生活環境の維持と向上に役立っていることを考える」を網羅するものである。
 本研究では,「なぜ分別をする必要があるのか」を追求の視点として,廃棄物処理場や再資源化工場を調査したり,資料を活用したりして気付いた事実を関連付けることで,多面的な考え方を身に付けられるよう実践を行った。

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「教育実践」
児童が資料を活用して、確かな考えをもつ社会科指導
~資料提示、選択、関連付けを工夫した6年「長く続いた戦争と人々の生活」の指導を通して~
魚沼市立小出小学校
川﨑 智也

 教師が明確な意図をもって資料作成・提示することが、児童が調べたい、考えたいと思える学習問題づくりに有効かどうか、平成24年度に研究した。この研究により、教師が明確な意図をもって作成した資料の提示は、児童の認識のズレを生んだり、新たな問いを生んだりして、児童の問題意識を高めることに有効に働くことが分かった。しかし、教師の意図が強調されている分、限定的な読み取りや思考を生み、児童が事象について、考えを確かにするまでには至らなかった。そこで、資料提示によって児童の問題意識を高め、児童が資料を目的に応じて選択、関連付けて問題解決を図る学習を取り入れることで、資料を根拠に考える力を高めることができると考え、本研究を行った。具体的な研究内容は大きく次の2点である。
1 児童の問いを生む資料提示
 日本史と児童を教師が結び付ければ、児童は歴史的事象に関心をもち、資料をもとに考えようとする意識を高めると考える。そのために、地域教材を単元の導入に取り入れ、児童の中での認識のズレ、まだ解決していないことを教師が取り上げたり、揺さぶりをかけたりして学習問題づくりを行う。
2 資料を選択、関連付けて問題解決を図る学習
 問題意識が高まった児童に、以下の手立てで問題解決に取り組ませる。
 ①複数の資料提示
 ②学習形態の工夫「ア資料選択(グループ)」「イ読み取り(個人)」「ウ思考(個人)」「エ検討(グループ)」
 ③思考の流れを視覚化したワークシートの活用
1によって、戦争への関心が低い児童は、「戦時中の子どもの生活」という戦争の断片を捉え、自分たちの住む地域も歴史に関わっていると認識し、地域の歴史的出来事が、日本全体にどのように関係しているのか、もっと知りたいと考えるようになった。
2では、個人で問題解決を図る前に、「ア資料選択(グループ)」を行い、教師が提示した複数の資料の中から、必要な資料をグループで選択させた。資料を選択するために、グループ内で自然と資料の読み合いが行われ、多様な考えに触れながら、資料から読み取ったことを共有することができた。次に個人作業で「イ読み取り(個人)」「ウ思考(個人)」を行い、児童は自分の読み取りと、仲間の読み取りを生かしながら、資料を根拠として、または、資料から解釈したことを根拠として、自分の考えを確かにすることができた。自分の考えをまとめやすいように、思考の流れを視覚化したワークシートも、自分の考えを表すことが苦手な児童にとって、有効な支援となった。

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「教育実践」
社会的事象の意味を考える社会科授業
十日町市立上野小学校
水瀬 正大

 学習指導要領改善の基本方針の中では、「各種の資料を効果的に活用し、社会的事象の意味などを解釈したり事象の特色や事象間の関連を説明したりするなどの言語活動を重視している」とある。しかし、これまでの授業を振り返ると、見学に行って分かったことをまとめるだけの授業や、見付けてきた工夫を新聞にまとめるだけの授業、知識を問うだけの授業になってしまうことが多く、気付いたことや分かったことなどをつなぎ合わせ、社会的事象の意味まで考える授業を行うことはできずにいた。そこで本研究では、児童が自分の考えと資料を照らし合わせながら考えを練り上げていく授業を行うことで、自分の意見をより深め、社会的事象の意味を追求していくことができるという仮説のもとで、以下の手法を用いて検証していく。

1 抽出児が授業を通して社会的なものの見方や考え方をどのように広げたり深めたりしていくか探っていく。
 授業での発言やノート記述、小単元ごとのミニ作文などを手掛かりにして、抽出児がどのような社会的なものの見方・考え方をするのかを想定し、そうした社会的なものの見方や考え方の変容を促す授業を構想し、実践する。
2 授業の構想・実践に当たっては、できるだけ問題解決的な学習ができるように配慮し、抽出児を含めた学級の児童が社会的なものの見方や考え方を広げたり深めたりしていけるようにする。
 その時代を象徴する教材を選定し、抽出児の考えを誘発できるような資料提示を行う。そして、抽出児がどのような意見に反応し、考えを深めるかを意識し、机間巡視から探していく。

 上記のような2点を実践することで、児童は授業の中で様々な考えをめぐらせ、自分の考えを深めていくことができる。そうした社会的事象の意味を追求していく授業の中で、児童の社会的なものの見方や考え方を高めていきたい。

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「教育実践」
他教科との関わりの中で、「話す・聞く」力を高める単元構成の工夫
~「メモの取り方をくふうして聞こう」(東京書籍4年上)の実践~
新潟市立浜浦小学校
柴澤  明子

 国語科「話すこと・聞くこと」の教科書教材で、話の中心に気を付けて聞いたり、質問したりする方法を児童は学ぶ。さらに、「話す・聞く」力を確実にするために、学んだ内容を活用する経験をたくさん積み重ねることが重要であると考える。
 そこで、教科書教材で設定された活動だけでなく、国語科で付けた力を活用する場面を他教科において意図的に設定し、他教科と連携した単元構成をすることで、児童の「話す・聞く」力を着実に向上させることを目指した実践を提案する。

1 児童から出た「問い」を中心に進める国語科授業
 児童の困り感がどこにあるのか実態を把握したあと、困り感を「問い」として共有させ、児童自ら解決していく授業を構成した。「問い」を解決するために、クラス全体で意見を出し合い、検討しながらまとめ、最後に学習した内容を自分の言葉で表現した。
 
2 他教科の学習と連携した単元構成
 国語科の教科書教材「メモの取り方をくふうして聞こう」(東京書籍4年上)の学習において、単元の初めに、国語科で付けた「話す・聞く」力を社会科「浄水場見学」で生かすことを、児童とともに確認し、めあてとして捉えさせた。
 さらに、社会科においては教科書にある「○○さんの話」を授業者が音読し、読んだ内容をメモに取る活動を積み重ねた。社会科の授業でも聞いたり話したりする活動を取り入れ、その成果を「浄水場見学」で発揮するというめあてを児童がもって学習に取り組んだ。

 児童が自ら「問い」を解決すること、また単元全体の目標を確認することによって、児童自身が単元の見通しをもつことができ、最後まで意欲的に活動することができた。アクティブ・ラーニングの具現・充実を図るために、「話す・聞く」力を高め、コミュニケーションを積極的に取ることができる児童をこれからも育てていきたい。

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「教育実践」
苦手意識・嫌悪感をもちやすい説明文の学習で意欲を高めるには
~小学校6年生で読んで書く単元構成を工夫して~
十日町市立東小学校
五十嵐 啓滋

 国語の学習で特に説明文を学習することに苦手意識・嫌悪感をもつ児童が多いように感じている。それは、「1つの答えにならないことが多い」「勉強して何ができるようになったのかよく分からない」という理由があるのではないかと考えた。児童が苦手意識・嫌悪感をもつ理由を改善しつつ、学習指導要領に示してある内容が身に付くように単元を構成していけば、国語を学習する意欲が向上していくのではないかと思いテーマを設定した。
 1学期は①目的意識をもって学びを活かしながら学習する②本時の中で学ぶことをはっきりさせ根拠を明確にする③児童が好む学習スタイル(話合い)を授業で使う、といった3つの柱をもとに単元を構成し実践を行った。
 1学期の実践で、目的をもって学習すること・1時間の中で学ぶことをはっきりさせることの効果は上がったが、学習指導要領に示された内容を話合いで身に付けさせることには課題が残った。
 1学期の実践で効果が上がったことは継続しつつ、課題を解決することで、さらに意欲を向上できるようにしていく。

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「教育実践」
言葉を手掛かりに論理的に思考する児童の育成
~高学年の物語文における授業実践を通して~
村上市立保内小学校
髙橋 真徳

 小学校学習指導要領解説国語編では,国語科の目標の1つとして,「思考力を養う」ことが示されている。解説で,思考力は「言語を手掛かりとしながら論理的に思考する力」とされており,中央教育審議会が示す国語科の改善の基本方針の中にも,その重要性が述べられている。しかし,自学級では,物語文において,会話文の話し手が誰か,登場人物の関係性がどうなっているのかを読み取る問題に弱さが見られた。これは,前述の論理的に思考する力を児童に身に付けさせられていないためだと考える。そこで,次の3つの手立てを通して,言葉を手掛かりに論理的に思考する児童の育成を図ることとした。
1 目的に応じた様々な音読をさせる
 中心人物,登場人物の心情や場面の描写,作者の思いを検討するために,それぞれの目的に応じた様々な音読をさせた。実際に声に出して読むことで,どの児童も論理的に思考する体験をさせられると考えた。
2 自分の考えを書く場面で,思考スキルを提示する
 前述の音読によって明らかになった課題に対して自分の考えをまとめる場面で,仮定・帰納・対比といった6つの思考スキルを児童に示した。児童が見通しをもてるよう,どの思考スキルであれば自分の考えが書けそうなのか予想させたり,友達の記述を実物投影機で映したりした。
3 ペアやグループ活動を取り入れ,活用した思考スキルや自分の考えを深める
 ペアやグループを作り,叙述・活用した思考スキル・自分の考えといった条件を満たして書いているか,活用した思考スキルと自分の考えが整合しているかという観点でお互いの文章を読み合う学習活動を設定した。
 論理的な思考は,児童が教材文を読み取る上で重要である。3つの手立てが児童にしっかりと身に付くよう,物語文だけでなく,説明文,言語事項などの学習にも取り入れ,授業実践を重ねていく。

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「教育実践」
気付きを問い、思考を促す授業構成の工夫
~二段階の発問によって考えを深め合う子どもを目指して~
五泉市立五泉南小学校
阿部 央資

 これまで私は、文中の言葉を根拠にして自分の考えを明確にしたり、お互いの考えの妥当性を検討し合ったりする児童の育成を目指し、国語科の授業において討論が起こる発問を用いるようにしてきた。「AかBか。」や「どちらが○○か。」など、答えるべき結論があらかじめ与えられている討論(形式)の授業では、自分の立場をはっきりさせやすいよさがあるからである。そこで、全員が考えをもち、自分の立場を明確にし、考えを深め合う児童の姿をより具体化させようと、次の点からその解決に迫った。
1 「気付きを問う発問」の後に「思考を促す発問」を位置付けた単元構成や授業構成をする。
2 構造化した板書で「情報の見える化」をする。
 「気付きを問う発問」とは、気付いたことをたくさん出させる放射状の発問で、順序性は問題にしない(例:似ているところはどこか、違うところはどこか、○○を読んでどんな言葉が思い浮かぶか、など)。一方、「思考を促す発問」とは、気付きより論理的で順序性のある考えを引き出すための発問で、授業で考えさせたい中心発問とも言える(例:一番○○なのはどちらか、なぜ○○ではないのか、○○の原因は何か、など)。
 最終的に児童に考えさせたいことを見据え、手掛かりとなる材料(根拠)を見付けさせるような「気付きを問う発問」では、すべての児童が自分の率直な気付きを全体の前で発言することができた。また、絞り込んで考えさせるような「思考を促す発問」を併せた学習活動では、本文に正対しながら思考を巡らし合う姿が学級全体に定着した。「気付きを問う発問」と「思考を促す発問」をつなげるものとして、構造化した板書を心掛け、情報を「見える化」したことも、様々な特性をもった児童に対応することができた点で有効だった。今後は、他学年や他教材における二段階の発問の位置付け方やその有効性について研究を進めていきたい。

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「教育実践」
児童が作品のおもしろさを自分の言葉で語るための指導の方法
~文学的文章における比べ読みの実践から~
三条市立裏館小学校
豊田 宏輝

 文学的文章を読む意義の一つは、作者が巧みに仕掛けた登場人物の心情描写や表現の工夫の解釈を深め、作品から伝わるものの見方や感じ方、考え方を読み取ることであると考える。「解釈を深める」ことが、文学的文章を読む「おもしろさ」につながっていくと捉える。
私の今までの文学的文章の指導では、深く読み味わうために根拠となる文章に注目させてきた。しかし、児童の実態として、解釈の根拠は文章から挙げられるが、根拠と理由を同一視しているために、理由付けができない姿が見られた。教材文から離れて自分の思いを語る児童への手立てとして、根拠に着目させる指導を重視し、根拠・理由・解釈の3点セットで文章を読む指導を行ってこなかったためである。
 そこで、次の3点の手立てを講じた。
1 根拠と解釈をつなぐ理由を明確にした話合い活動を組織する
「根拠・理由・解釈の3点セット」で文章を読む指導を行う。解釈のずれが生じる発問をすることで、根拠を本文に探らせ、その理由を考えさせるように仕組む。解釈する際は、常に「どこからそう考えたの?」「どうしてそう考えたの?」という教師の問い返しを行い、根拠とその理由を意識できるようにした。これにより児童が理由に着目して関わり合えるようにした。
2 比べ読みを活かして「文章の意味を考える」活動を設定する
 一つの作品だけで文章の特徴に気付かせるのではなく、複数の作品を提示してそれを比べて読ませることで、作品の内容や展開構造、表現の工夫などの特徴をより明確にしたり、想像豊かに解釈したりすることができるよう「文章の意味を考える」場面を設定した。
3 文章から伝わるメッセージを文章の魅力として紹介し合う活動を設定する
 複数の作品を読み、解釈を深めたところで作品から伝わるメッセージを魅力として紹介文にまとめる。その紹介文を学級の仲間と紹介し合う活動を設定した。
 このように、児童が文章のおもしろさを自分の言葉で語る姿を求めた実践である。

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「教育実践」
作品世界を豊かに想像しながら自分の読みをつくりだす文学教材の指導
小千谷市立小千谷小学校
上月 康弘

  近年、「単元を貫く言語活動」が授業改善の視点として多くの国語教室の現場に取り入れられている。だが、「ペープサートをする」「本の小箱を作る」といった「単元を貫く言語活動」を実際に実践する中で、私は次のような問題意識をもちはじめた。それは、児童が文学教材とふれた感動とは離れた目的に向かって読みが行われ、じっくりと読みをつくることが粗雑に扱われているのではないかということである。もっと、児童が自分の読みを大切にし、自らに問い、生活経験や問題意識と結び付けながら、新たな読みを生成する学習こそが大切なのではないだろうかと考えた。そこで、次の2点について取り組んだ。
1 解釈のずれや不十分さが顕在化するような読みの課題の設定
 読みの課題は「~のに、どうして?」「なぜ、○○は△△したのか。」など、作品中の登場人物の行動をめぐって設定するのがよいと考える。その際、自他の解釈のずれや不十分さが明確になるようなものを設定することで、読みの課題について「どう考えればよいのだろう。」「なぜだろう。」「はっきりさせたい。」といった児童の追求意欲を高めることにつながると考える。
2 登場人物の視点からイメージを具体化する活動の組織
 自他の解釈にずれや不十分さが顕在化してきたときに、登場人物の視点からイメージを具体化する活動を取り入れる。このことにより、自分の読みを見直し、新たにつくりだしていく姿が期待できる。
 自他の解釈についてずれや不十分さが顕在化し、問題意識が高まった状況で、登場人物の視点からイメージを具体化する活動を取り入れることは、自他の解釈を見直し、新たな読みをつくりだしていくことに有効に働く。課題に応じて「現在」、「未来」、「仮定」といった視点の組み合わせ方や、新たな読みをつくる上で有効に機能する条件について更に探っていく必要がある。

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「教育実践」
読みを深める児童の育成
~登場人物の心情を可視化した矢印関係図、心情円を通して~
新潟市立鏡淵小学校
阿部 光智子

 児童にとって、物語文を読んで作者の伝えたいことを捉えることは難しい。読後に感想文を書かせてみると、あらすじに終始したり、細部の出来事や登場人物のある側面にのみ感想をもったりと、物語全体を読むことが困難な児童がいる。物語のあらすじ以上に読みを深め、作者の伝えたいことを自分なりに捉えられるような児童を物語文の実践を通して育てていきたいと考え、本研究主題を設定した。目指す子どもの姿は、場面ごとに登場人物の関係を可視化し、登場人物の心情やその変化を読む姿である。そのために、次の2点からその解決に迫った。
1 意図的・計画的な学習課題の設定とまとめ、振り返り
 初発の感想を基に、全文を通しての読みのめあてを提示し、その解決を単元のゴールに位置付けた。各場面でも全文の読みのめあてに関わるものを学習課題とし、まとめていくようにした。それを基に、1時間ごとの振り返りとして登場人物への手紙を書きためさせ、単元末に手紙形式の感想文を書くことをゴールとした。
2 登場人物の心情を可視化する図の活用
 物語文の叙述を基に登場人物の心情を読むことには個人差がある。そこで、人物関係図を使って人と人との関係を叙述をもとに図式化した。図式化とは、登場人物の気持ちを心情円や色矢印で表すことである。このことで、登場人物の気持ちの変化や登場人物同士の関係がどの児童にも理解しやすくなることをねらった。
 これらの実践を通して、登場人物の気持ちを色分けすると、視覚的に分かりやすく捉えることができた。さらに円グラフの色の変化や矢印の長さで表していくと、全文の中で気持ちが大きく変化するところや気持ちの程度の変化を読むことができた。また、 可視化した登場人物の関係図とともに、「読みのめあて」に関わる働き掛けを計画的・意識的にしていくことが読みを深めることにつながることとなった。
 どの児童にとっても分かりやすく、読みを深めるような物語文への関わり方を今後も研究していく。

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「教育実践」
登場人物についての叙述に着目させ、物語の魅力に迫る指導の工夫
~「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」の実践を通して~
柏崎市立半田小学校
清野 茜

 学習指導要領解説国語編の文学的な文章の解釈に関する指導事項から、どの学年においても登場人物についての叙述に着目しながら読むことが必要であることが分かる。また、全国学力・学習状況調査の4年間の調査結果から、国語の「読むこと」における課題として、「物語に登場する人物についての描写や心情、人物相互の関係を捉えること」が挙げられた。これらのことから、物語を読む上で登場人物についての叙述に着目することは、児童に物語を読む力を付けるためにも重要であることがうかがえる。しかし、物語の学習になると叙述に着目せずに、自分の想像や感覚だけで解釈をつくる児童が多く、話合いや発表の場面でも内容が深まらなかった。児童が叙述に着目できない原因は、作品を読む目的がはっきりしていないためではないかと考えた。
そこで、本研究では「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」を取り入れた単元を構成した。パンフレットを読んだ人がその作品を読みたくなるようなパンフレットをつくるためには、登場人物やあらすじの紹介だけでなく、作品の魅力について迫る必要がある。このことにより、児童の中で物語を読む目的が明確になる。「パンフレットづくり」を通した活動と同時に、その作品の魅力に迫るため、5つの観点(①登場人物、②中心人物、③出来事、④大きく変わったこと、⑤おもしろさ)をもとにした発問とノート指導について工夫することで、児童が登場人物についての叙述に着目しながら作品を読み進め、物語の魅力に迫る姿が期待できる。
  物語の学習になると叙述に着目せずに自分の想像や感覚だけ解釈をつくってしまう児童が多かったが、「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」を単元の柱とし、実践に取り組んだところ、形にして誰かに伝えようとすることで、児童の学習意欲が高まることが分かった。叙述を根拠に自分の意見を発表し、叙述に立ち返りながら学習を進め、自らの言葉で作品の魅力をパンフレットにまとめていこうとする児童の姿が見られた。

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「教育実践」
健康で豊かな食生活を送ろうとする生徒の育成
~朝食の充実を目指した啓発活動~
新潟市立新津第五中学校
堀川 高弘

 当校は平成25、26年度新潟市学校給食研究推進校の指定を受け、食育の推進に取り組んだ。主題を『地域、家庭と連携した食育推進活動の展開~朝食の充実を目指した啓発活動~』とし、「家庭に向けた啓発活動」と「学校給食や教科での食に関わる指導」の2点に重点を置き、研究を進めた。
 まず、小中で食に関する共通項目アンケートを実施し、その結果を小中の職員で共通理解を図った。その中で起床時刻や食事時間が摂取内容に関係があることが分かり、以下の4つの取組に生かした。
1 年度初めのPTA総会で食育推進の取組を紙面とプレゼンテーションで紹介した。
 朝食の摂取率とその摂取内容を示した。
2 PTA保健厚生部と食育マスターによる料理講習会を開催した。
3 PTA主催で給食の試食会を開催し、そこで朝食の食事内容と学力や集中力が大きく関連していることを伝えた。
4 小中学校の保護者、児童・生徒に朝食の充実を呼びかける食育通信を発行し、小中学校の校内にポスターを掲示した。
 また、「学校給食や教科での食に関わる指導」では、生徒会と連携しながら2つの取組を行った。
1 「朝食は学びと部活を制覇する」をスローガンとして、毎日生徒が目にできる場所に掲示するとともに、教科と部活動の指導でしっかり食べることの大切さを呼びかけた。
2 給食委員会の活動として、食事時間を確保し、食べるのが遅い生徒も完食ができるよう給食準備時間短縮運動を実施した。
 「生徒、児童の取組」「PTAとの連携」「小中連携」の3つの柱を意識しながら、活動を展開し、大きな成果を得ることができた。今後も家庭・保護者と連携した取組を大切にしながら、「健康で豊かな食生活を送ろうとする生徒の育成」を目指していきたい。

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「教育実践」
学習意欲の向上を目指す、食に関する指導の在り方
村上市立村上小学校
川嶋 邦夫

 昨年度文部科学省より「スーパー食育スクール事業」の研究校として指定を受け、全校体制で食育に取り組んだ。「望ましい食習慣が身に付いた児童は、学習意欲(授業に集中して取り組む等)が高まり、結果として学力向上へつながる」と仮説を立て、栄養教諭を中核とした教職員全員で、実践力の育成を意識した食に関する指導を学校の教育活動全体で行うことにより、望ましい食習慣の形成を目指した。
  望ましい食習慣の形成について児童の実態から、朝食摂取率の向上、バランスのよい朝食摂取率の向上、給食残食率減少の向上と捉え、3つの手立てを中心に取り組んだ。
  1つ目は、給食・教科等における指導の充実である。学年部ごとに児童の実態を元に目指す子ども像を設け、それに給食の時間における食の指導を担任教諭が毎日行ったり、食育の全体計画を見直し、計画的に学級活動や道徳、各教科等で食育授業を行ったりした。
  2つ目は、交流、体験学習の充実である。豊かな体験により食への関心や知識を高めたいと考えた。生産者や調理員との交流を図ったり、農業体験、栽培体験を行ったりした。野菜ソムリエ等、外部講師を招いた体験学習も行った。
  3つ目は、家庭や地域への啓発である。食習慣の向上のためには保護者の協力は不可欠である。学校での活動の様子を学校ホームページや栄養教諭が作成する食育新聞で伝えるようにした。地域に向けても食育リーフレットを作成し配付することで啓発活動を行った。
  新潟医療福祉大学が生活実態調査を年に2回実施し、研究成果の検証を行った。当初評価指標としていた朝食摂取率や給食残食率と学習意欲との関連は明確には見られなかったが、家族と共に会話を楽しみながら食事を行うことや間食の摂取状況など、新たに学習意欲と関連する要素を確認することができた。今年度は2年次目研究として,これらの要素を取り上げ、食育と学習意欲との関連を検証している。

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「教育実践」
児童の信頼感を高める学級集団づくり
小千谷市立小千谷小学校
丸山 由希

  学校において、児童は集団生活の中で学習している。所属する集団が居心地のよいものであることが、学習する上でも重要である。担任学級において、当該年度1回目のQ−U検査の結果から、要支援群の子どもたちが明らかになった。目指す学級の姿を具現化するために、よりよい人間関係を形成していくことを目的にした取組の成果をQ−U検査とアセスによって検証した。
 担任と児童のつながりと、児童同士のつながりの双方がある状態を作るため、次の2点において取組を行った。
1 構成的グループエンカウンターによる児童同士のつながりを作る
 グループで協力して取り組む活動、間違えても気にしたり、責めたりしないことを目的とした活動、相手を信頼して取り組む活動など、信頼関係や互いに許容し合う環境を作るための活動を行う。児童が仲間とのつながりを強化していくことをめあてに活動できるよう意識付け、定期的に構成的グループエンカウンターに取り組んだ。
2 カウンセリングマインドとコーチングの視点を取り入れ個別に対応する
 要支援群の児童は特に、自己肯定感が低かったり、友達とのコミュニケーションに難しさを感じたりしている。個で対応する場合は、カウンセリングマインドやコーチングの視点を取り入れた。具体的には、「話を聞き共感する」「自分の行動について、本児の言葉で振り返ったり、目標を立てたりする」ことで、担任の思いだけで指導を優先しすぎない対応を行った。
 2回目のQ-U検査では、要支援群・不満足群の数が減少した。取り組み後、児童からは「みんながまとまって協力するようになった。」「授業態度が良くなった。授業中の発言が増えた。」「みんなの仲がよくなった。」という声が聞かれた。自学級の状況に合わせて、意図的・計画的に活動を組み込みながら、更に各児童の特性に合わせた対応を行うことで、児童の意識や学級の雰囲気をよりよい方向に変えていくことができると考える。

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「教育実践」
対人関係がうまくいかない児童への理解と対応
~学校適応感から糸口を探る~
新潟市立東山の下小学校
竹松 譲

 これまで担任してきた学級の中に、いつも気になる児童が存在する。それらの児童は共通して、学校生活で他者との関わりがうまくいかず悲観的になり自分の殻に閉じこもったり、逆に攻撃的な言動をしたりしていた。このような経験から、私は、対人関係における児童の「自己肯定感」を育んでいく必要性と重要性を身をもって実感してきた。
 そこで、本研究では自己肯定感を「自己の存在や言動、他者からの支えや受け入れを肯定的に感じる感覚」と捉え、児童の対人関係における「自己肯定感の育成」を目的とし、研究を進めることとした。
 文部科学省は9歳以降の小学校高学年の児童の重視すべき課題の1つとして、「自己肯定感の育成」(2009)を挙げている。私は中学年においても、これから迎える思春期に向けて、自己肯定感を現段階から育んでいきたいと考えた。
 研究を進めるに当たり、客観的・多面的に児童の内面を理解する手立てとして学校適応感尺度アセスを活用し、支援の手がかりを探ることとした。具体的には、アセスの結果を手がかりに、児童を見立て直し、児童の行動に対する価値付けや振り返りといった、情緒的発達に目を向けた教育相談的アプローチによる予防的介入を試みる。
 本研究では、個別の教育相談的・予防的介入が児童の自己肯定感や学校適応感にどのような効果をもたらしたかについて考察する。

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「教育実践」
インターネットに関わる諸問題の、地域・保護者に向けた啓発活動
~講演を通して~
五泉市立川東中学校
佐久間 禎訓

 長年、地域・保護者への啓発活動の一環として、講演会を行ってきた。テーマは、発達障害に関わること、生徒指導全般に関わること、学校再生へ向けた取組などである。しかし近年は、「インターネットに関わる諸問題」に関する講演を求められる場面も少なくない。また、従来の「中学校区」に留まらず、他地域からの依頼も多い。
 インターネットに関わる諸問題は既に喫緊の課題となっており、特に「持たせ始め」にあたる家庭、保護者への啓発が重要である。
 実践は、「保護者が切実な問題として捉え、児童・生徒に本気で目を向けさせるための伝え方の工夫」である。

意識変化をもたらす工夫項目
1 地域・保護者に向けて
 ○今、ネットで何が起きているのか。
 ○現実の小・中学生がどのようにネットを活用しているのか。
 ○何故そのような使い方に走るのか(社会的要因と心理的要因)。
 ○持たせる上での決意と覚悟、問題発生時の親としての対応。
2 児童・生徒に向けて
 ○所持する上での基本的心構えとルール。
 ○困った時の対応策。
 ○本当の喜び=現実世界で他者と関わる中でしか生まれないこと。

 講演には、地域や保護者への啓発活動を通じて、「地域の教育力」を高めるねらいがある。大人が変わることでの、児童・生徒の意識の変化を経験から発表する。

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「教育実践」
自己有用感を高める生徒指導
南魚沼市立大和中学校
小林 一治

 今日、いじめや不登校の増加、規範意識の低下、さらには、学力や学習意欲の低下などが教育の大きな課題となっている。それらの要因の一つに、自己有用感の低さがあげられる。自己有用感とは、人の役に立った、人から感謝された、人から認められたという感覚である。また、自己有用感は自分に自信を高め、安易に問題行動に走ることを抑止したり、危険なものに近付くことを抑制したりする働きをもつと言われている。
 次の2点を中心に自己有用感を高めるように指導した。
1 全校体制による共通理解
 年に3回行っている生徒理解の会や週一回の生徒指導部会はもちろん、日常の職員室での会話などで、生徒一人一人の理解を深めていった。いろいろな立場で生徒一人一人を見ることにより、生徒の良い面を共通理解でき、認めたり感謝したりするプラスの声を掛けることが多くなった。
2 家庭や関係機関との連携
 家庭には各種便りや個別の連絡を通して、生徒のプラスの情報を積極的に発信した。家庭と学校が協力したことにより、生徒の自己有用感が少しずつ高まっていった。また、特別な支援を必要とする生徒には、積極的に関係機関と連携して生徒指導を行った。
 今後も、自己有用感を体験的に積み重ねていけるように工夫していきたい。

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「教育実践」
子どもの活力を引き出す地域連携のあり方
~地域連携で子どもの自己肯定感を高める~
新潟市立東曽野木小学校
佐藤 智範

 自己肯定感の低い児童の改善に向けて学級で様々な対応をし、一見改善されたように見えても、アンケート結果では改善されていなかったり、学級以外の関わりで問題行動を起こしたりする児童がいる。つまり、学級・学校での取組だけでは自己肯定感を確実に高めることは困難である。担任や身近な友達、保護者からの称賛が、心の拠り所となるのは確かであるが、 それが常態化すると感覚が薄まってしまったり、「私が誉めてもらえるのは,いつも○○だ」など効果が薄れたりすることも考えられる。また、教師の個々の見取りは完全ではなく、よく見取っているつもりでも、見切れていない、または教師の目から漏れているということもあり得ることである。そこで、教師(学級担任)の学級経営の取組に加え、地域との連携を活用して、児童の自己肯定感を高める方法について考えてみることとした。
【研究仮説】
 地域を活用した学習活動において、児童が地域の人々から認められ、称賛を受ける機会を意図的に設定することで、児童の自己肯定感を高めることができる。
【研究方法】 
 ① 自己肯定感に関わるアンケートの実施
 ② 自己肯定感の低い児童の確認
 ③ 学級において自己肯定感を高める取組の実施
④ 自己肯定感に関わるアンケートの実施(再)
⑤ 学級における取組だけでは、自己肯定感の高まっていない児童の確認
⑥ 地域と関わる機会の設定
 ⑦ 自己肯定感に関わるアンケートの実施
【成果と課題】
  地域人材と関わる学習活動の目的の1つに、自己肯定感の低い児童の「自己肯定感を高めること」を意図的に設定し、その目的を意識しながら活動することで、学級経営上の努力では、あまり効果が見られなかった児童の自己肯定感を向上させることができた。今後は地域人材から、より深く関わってもらうための打ち合わせや働き掛けの工夫、また、関わった地域の方へのフィードバックの方法を検討する。

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「教育実践」
地域・保護者を巻き込んだ活気ある学校づくり
~みんなで支える学校 みんなで育てる生徒~
新発田市立第一中学校
前田 敏之

 「地域連携」の意義・目標について、学校と地域・保護者それぞれの活動を互いに支援することで、学校づくりを進めるとともに地域への愛着を育むことと定義する。そこで、当校における「地域連携の学校づくり」の実践を①学校への地域・保護者からの支援、②地域への学校からの支援という視点から、分類した上で、生徒アンケート等をもとに成果と課題を導き出し、地域・保護者を巻き込んだ活気ある学校づくりを目指した課題解決に迫った。
当校では、地域連携を深めるために「学校支援地域本部事業」と「未来を築く子どもを育てる会」の二つの組織がある。「学校支援地域本部事業」は、中学校区の小中3校の地域連携担当職員と地域教育コーディネータが連携して、保護者や地域のボランティアを募集・組織し、学校行事や学習を支援し、生徒を育てる体制を整えている。「未来を築く子どもを育てる会」は、中学校区の小中3校で生徒の健全育成を目指して、各校の担当職員とPTA、町内会長等で構成されている。これらの活動内容を①学校への地域・保護者からの支援と②地域への学校からの支援という視点で分析した結果、地域への学校の支援(地域貢献・地域活動協力)に課題があった。生徒対象のアンケートからも、地域への支援活動を行った生徒は、「地域への愛着」が深まることが導き出されることから、今後もこの分野の活動を充実させるための研究を進めていく。

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「教育実践」
みんなが分かる学習活動を支える授業の情報化
~タブレット端末を活用した表現力・思考力の育成~
新潟市立小針小学校
小庄司 一泰

 学習指導要領解説では、PISAや全国学力・学習状況調査の検査結果から各教科において児童の「思考力・判断力・表現力」にはまだまだ課題があると述べている。そこで本研究では、理科の観察・実験・考察などを通した問題解決的学習において「思考力」「表現力」を養うことが必要であると考え、6年生理科の学習において、以下の手立てを用いて実践を進めてきた。
1 タブレット端末を用いた話合い活動の設定
 タブレット端末を実験前の予想での話合いと実験後の考察を考える話合いの2つの場面で活用した。グループでの話合い活動では、タブレット端末本体に予想を書き込む作業を通して話合いを行った。また、タブレット端末と大型液晶テレビを無線環境で結び、グループから出た考察結果を学級全体で練り上げる話合いを通して、児童の表現力や意欲の高まりの変化を能動的自己評価カード(ASE)を用いて検証した。
2 科学的キーワードを結び付けたコンセプトマップの作成
 思考力の高まりを見るために学習の前後に、何を学習したのか科学的キーワードを結び付けるコンセプトマップ作りを行った。また、デジタルとアナログの差異を見るために学習グループをタブレット端末・付箋・ノートでの学習班に分け、獲得した科学的キーワードと結びつけるリンクワードにどのような変化があるのかコンセプトマップを用いて検証した。  
 2つの手立てを取ることで、個人では発表意欲や実験に参加する態度に肯定的な変容が見られた。また、科学的キーワードやリンクワードといった知識・理解の方においても高まりが見られた。グループでは、タブレット端末を媒介として話合い活動や実験することを通して、協働的に学習できることが明らかになった。
 「アクティブ・ラーニング」「協働学習」で活用が見込まれているタブレット端末の利用法について今後も研究していく。

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「教育実践」
ICTを活用した算数授業の研究
~オーサリングソフト、一人一台タブレット端末を用いた指導の有効性を探る~
燕市立吉田南小学校
杉山 一郎

 ICTは視覚的に分かりやすい、再現性に優れるという長所がある。児童の知識理解を助ける場面、筆算や作図などの技能の定着を図る場面での使用に効果がある。また、課題の提示や児童が使う教材としては、デジタル教科書や市販の学習ソフトウェアがある。しかし、デジタル教科書や市販の学習ソフトウェアは、ソフトを制作したものが想定した授業展開に即して設計されているため、内容に変更を加えることができない。従って授業者としては「数値や内容、提示の仕方」などの変更ができない。児童にとって、「自由に試行錯誤することが難しい、思考に制限がかかる」などの弱点がある。
 そこで「視覚的に分かりやすい」、「試行錯誤が容易」というICTの良さを生かしつつ、問題解決の授業に耐え得るようにオーサリングソフト(授業者の意図通りに制作できるソフト)を活用して教師用、児童用の教材を作成する。そして、児童一人一人に算数的活動を保障し、ICTの良さに触れることができるよう、一人一台のタブレットPCを活用する。
 「授業者の意図通り設計できる」、「児童が自由に試行錯誤できる」オーサリングソフトで制作したICT及び児童一人一台のタブレットPCを使用することで、ICTの長所を生かし、児童一人一人にその単元で獲得させたい数学的思考を身に付けさせることができるようにする。

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「教育実践」
通級指導における担任との連携
~学校生活のエピソードの収集と分析を通して~
佐渡市立八幡小学校
齋藤 千賀子

 小学校学習指導要領において、「特別支援学級又は通級による指導については、教師間の連携に努め、効果的な指導を行うこと」と示されている。
 金井小学校の通級指導教室では、週2回、他校への巡回指導日がある。自校、他校共に、担当児童の指導時間は、月1~4時間程度である。限られた時間の中で効果的な指導を行うためには、児童の実態把握、課題の共通理解、分析に基づく意図的な指導、児童に関わる環境への働き掛けなど、担任との連携が不可欠である。そこで、効果的に児童を見取り、指導に活かしていく手立てとして、学校生活における児童のエピソードを手がかりにしたいと考えた。
 実践の内容と方法は次のとおりである。
1 児童の特徴的な行動のエピソードを集めて分析し、エピソードの共通点や背景となっているものを明らかにする。
2 エピソード分析をもとに、課題を明らかにして通級指導教室での指導内容の精選を図るとともに、成果を検証する資料・データとしてエピソードを活かす。
3 担任との面談やアンケートにより、担任の意識の変容を見る。
 
 エピソードの収集方法や分析の仕方に課題は残る。しかし、児童の特徴的な行動に焦点を当てたタイムリーな情報を得ることができたことは、担任との情報交換において有効であった。そして、分析をもとに、児童の状態に合わせて指導内容を柔軟に考え、指導していくことができた。

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「教育実践」
相手の立場に立った行動を増やすための支援の工夫
~「接客」の学習を通して~
新潟県立江南高等特別支援学校
谷内田 繁

 職業学級では、企業就労に必要な力を身に付けることををねらい、「接客」の学習を設定している。飲食店の従業員の方をゲストティーチャーとして招いて、ホスピタリティの重要性等、接客の心得について指導を受けた。ホスピタリティとは「お客様、スタッフのために考えて行動すること」であり、そのことをキーワードとして指導を進めた。生徒には、マニュアル通りの基本的な技術で接客すれば良いだけではなく、表情や声のトーン、気遣いなど、相手のことを考えた言動が大切であることを強調した。本研究では、ホスピタリティを意識して相手の立場に立った行動ができるように、接客行動と接客意識という視点で、主な支援方法を以下のように構想した。
1 ファシリテーショングラフィックの活用(接客行動)
 接客行動の改善に向けて、プレオープン時のアンケートを基にファシリテーショングラフィックを行った。事前に意見を付箋に記入する時間を設けたり、アンケート結果の一覧を参照用に配付したりする等、生徒が参加しやすいよう工夫をした。適宜、話合いのポイントを示すことで、全員で方向性を共有しながらお客様への接し方やスタッフ同士の連携等の改善につなげることができた。
2 自己評価カード「ホスピタリティカード」の活用(接客意識)
 ①「お客様の気持ちを考える」→②「行動に移す」→③「お客様がどのように感じたかを聞く」→④「振り返り」の順に自己評価を進められるカードを作成し、自己評価を行うとともに、生徒同士でも評価を行うようにした。お客様に喜んでもらいたいという意識が高まり、ホスピタリティの向上につなげることができた。
 相手の立場を考えることは、特別な支援を要する生徒には難しい面はあるが、今後も本実践の成果を生かしながら支援の工夫を続けていきたい。

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「教育実践」
中学部における新しい作業学習の提案
新潟大学教育学部附属特別支援学校
齋藤 文一

  当校中学部の作業学習における実践を取り上げる。
 現在の社会の情勢やニーズとして生徒の主体性を育むことが重視されている。私も生徒一人一人が卒業後、社会の中で自分の力を発揮し、充実感をもち続けてほしいと願っている。そのために、主体性を育むことを目指した授業づくりの在り方を、抽出生徒の姿を通して、明らかにしていきたい。
 中学部生徒の実態として、教師から指示されたことに素直に取り組む姿が見られる。しかし、それを終えると、次の指示を待つ姿が見られ、自分から主体的な思いを抱きながら意欲的に取り組む姿は見られない。そこで、生徒が目の前の作業に対して、「こうしたい」という思いをもって意欲的に取り組み、思い描いたことを実現する姿を目指したい。そのためには、生徒が授業の中でしっかりとした目的意識を高めるための支援を工夫する必要がある。授業づくりに向けては、生徒の興味・関心がある学習活動を設定する必要がある。そこで、生徒がどのようなことに興味・関心があり、どのようなことを得意としているのかなどを個別の指導計画を基に検討する。その際、生徒が課題を解決するときにどのようなプロセスを経ていくのかをよく話し合い、学習活動に反映させていく。さらに、生徒が学習活動に取り組んだ結果、生徒が感じた「できた」という思いから「もっとやりたい」「こうしたい」という思いに高まるように支援を構想し、学習活動を発展させていきたい。その取組を繰り返し行うことで、生徒の目的意識を高め、目の前の作業に意欲的に取り組む姿を目指したい。
 上記のような実践に取り組み,得られた成果や課題を紹介することができればと思っている。

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「教育実践」
小学校中学年の発達障害児童を対象とした通常学級における他者との相互作用の変容に関する研究
新潟市立松浜小学校
加茂 勇

 問題と目的
 文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会は,2010年7月に「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」を設置し,同12月にはインクルーシブ教育システムの理念とそれに向かっていく方向性を打ち出している。インクルーシブ教育の目的の一つが,特別なニーズのある子どもが健常児や教師との相互作用の中で社会的関係を経験し行動を学習していくことであるとすれば,特別支援教育を推進する上で統合された教育環境の授業場面における発達障害児童の支援方法の研究は緊急かつ重要であるといえる。
 本研究では,小学校中学年の発達障害児童が,学校生活における他者との相互作用の中で,教室という場でどのように活動し,関係性を築こうとしているかについて明らかにする。そして,発達障害児童の相互作用を分析的に整理・記述することにより,通常の学級における発達障害児童の教育実践に関する仮説を生成する。
結果と考察
 発達障害児童には学校での生活場面や学習場面において様々な困難があった。発達障害児童は,成功へつながりにくい場面に出くわすと,回避や放棄の方略をとることが多くあった。そこでは,他の児童が用いるような原因を探りもう一度行うという認知的再評価という方略を示そうとはしなかった。できないから回避という方略をとる発達障害児童のことを周りの児童は「ふざけているからできない」と評価していた。これは,他者である中学年の児童が行動の原因を客観的に認識できなかったからであると考える。
 しかし,授業者が良かった行為や発言等を言語化しながら,感情や行動を他者が認め意味を与えることができれば,認知的再評価の方略を示すことができた。
 本研究を通して,通常の学級における発達障害児童の教育実践では,個のニーズに合致する小集団等の活動を媒介にして,発達障害児童と他者である児童の認知的な発達に配慮しながら,快や不快を共に感じあうような情動共有がなされる相互作用場面をつくることが有効であるという仮説を生成した。

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「教育実践」
発達障害のある児童の不適切な行動への取組
新潟県立吉田特別支援学校
木村 浩之

 心身症と発達障害を併せ持つ児童の不適切な行動に対して、以下の2点からその症状の緩和や寛解を図った。                        1 不適切な行動に対する3つのアプローチ
児童の不適切な行動に対して、第1に「不適切な行動への対応」、第2にその背景にある「障害特性からくる困り感への支援」、第3にそれらのべースとしての「自尊感情(自分を価値ある存在としてとらえる気持ち)の育成」を行った。これらは順番に行うというよりも同時期に、児童の状態を把握して行ったものである。                             2 自立活動と各教科の密接な関連                       □
上記の3つのアプローチに当たっては、学校の教育活動全体で行いやすいように、「個別の指導計画」に基づいて自立活動の時間の指導を中心に取り組んだ。主にSSTを中心に計画し、情緒の安定や適切な行動の形成を目指した。さらに、各教科の授業においても指導・評価することで指導内容の活用・汎化を図った。                                □こうした取組を重ねた結果、児童は落ち着きを取り戻し、前籍校へ復帰することができた。これは、児童の不適切な行動に対して、職員間で一致した対応を心掛け、授業で特性を生かした指導・支援を取り入れることで学ぶ意欲が高まり、学習の取組を教師や友達が評価したことで自尊感情が高まったからだと考える。                               今後は、前籍校に復帰してからも継続した指導・支援が受けられるよう引き継ぎやアフターケア等の学校間連携についても研究を進め、小中学校におけるインクルーシブ教育システム構築への一助となればと考えている。

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「教育実践」
一人一人の自立を支援する教材開発システムの構築
~汎用性の高い教材の開発と教材の個別化をした生活単元学習の実践を通して~
長岡市立千手小学校
上野 保治

 特別支援教育の推進のためには,自立を促す教育を展開していくことが大切であると考えている。児童の自立を促して,児童が自分から行動できることを目指して研究を進めている。
 多くの児童が使える汎用性の高い教材をベースに,家庭・地域と連携しながら個別に対応する内容を組み込んでいく教材開発システムを構築すれば,それぞれの教育的なニーズに対応することができ,児童の自立を促して,児童は自分から行動できるようになるであろうと考え,研究を進める。
 研究を進めるに当たり,教材開発のシステムを,次の2段階に分けて構成する。
1 ベースとなる教材の開発と個別化の工夫
 児童の発達段階は様々である。児童が自分から行動できるように,汎用性があり形式がそろっているベースの教材を開発し,それを基に児童の実態に応じて対応する内容をその教材に組み込んでいく。
2 家庭実践用カードへの応用の工夫
 実生活に近い環境を教室内に再現して学習できるように,校外学習で利用する地域の公共交通機関や施設の協力を得る。また,家庭でも教材を使って自分から行動できるように,学校での実践を通して使えるようになった教材を,家庭と協働で児童の実態に対応した内容を組み込んだ教材に更新する。その際,家庭・地域連携の具体的な内容や方法,その手順を明確にしていく。児童が教材を使用できるようになったことや,児童が安心して行動するための支援の方法を保護者に伝え,家庭でのその教材の活用を促す。
 生活単元学習の「バスで出かけよう」の実践の中で,多くの児童が使える教材を作成し,その教材の個別化と,家庭・地域との連携の手順を明らかにしたい。更に,児童の自立に向けた保護者の意識改革を進めたい。

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「教育実践」
チームで臨むPDCAサイクルに則った授業改善
~児童の学ぶ意欲を引き出す授業を求めて~
新潟県立上越特別支援学校
鹿目 功二

 主張
 担当教員がチームとなり、PDCAサイクルに則った授業改善を行うことで、児童の学ぶ意欲を引き出す授業づくりをすることができ、さらに児童の実態に即した合理的配慮を生み出すことができる。

1 主題設定の理由
 肢体不自由特別支援学校に通う児童は少数ではあるが、一人一人多様な実態がある。上肢下肢の可動具合、姿勢保持ができる体位、指先の器用さ、言語によるコミュニケーションの有無など、肢体不自由の度合いにより、介助や支援の在り方が違ってくる。さらに、児童の実態に応じて、児童の課題や目標を設定し、指導計画を立てて、実行していかなければならない。これらのことを全て一人の教師が行うのは正確さに欠け、限界がある。
 児童の多様な実態を把握して的確な指導計画を立案し、児童の学ぶ意欲を引き出す授業をつくり出すためには、担当教員がチームとなり、PDCAサイクルに則った授業改善が有効であると考える。また、チームで授業改善に臨むことで、「学習活動に取り組むに当たり、合理的配慮は何か」を複数の視点から捉えることができ、より確実な支援体制を生み出すことができると考える。主に次の3つの視点「児童の実態把握」「授業チェックポイント表の活用」「補助具・補助教材の作成」を教員チームで共有し授業改善に臨んだ。

2 PDCAサイクルに則った実践の方法~児童の実態把握、授業チェックポイント表、補助具・補助教材の視点から~
(1)Plan
①児童の実態把握・解釈をする。
②自立活動の個別の指導計画を作成し定例会で話し合う。
③個別の指導計画を基にした単元の指導案を作成し定例会で話し合う。
④必要に応じて補助具、補助教材を作成する。
(2)Do
①定例会で確認したMT、STそれぞれの役割、児童の目標を共有して授業実践をする。
②授業チェックポイント表の視点を意識した授業実践をする。
(3)Check
①主担当児童の学習の様子を校内サーバフォルダに記録し、教員チームで共有する。
②授業チェックポイント表を活用し、授業の改善点を定例会で検討する。
(4)Action
①授業チェックポイント表の視点を基に改善点をまとめ、改善指導案を定例会で提案する。
②環境の設定、支援事項、教材教具の改善点を共有し、授業を実践する。
③必要に応じて補助具、補助教材を作成・改良する。
④外部機関と連携し研修を設定する。

 このサイクルに則って授業改善を行い、児童の学ぶ意欲を追求し、検証した。

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「教育実践」
学級の自治的能力を高めるための話合いの工夫
~小グループでのファシリテーションの要素を用いて~
聖籠町立山倉小学校
八子 正彦

 学級の自治的能力を高めていきたい。しかし、担任していた学級では、学級で起こる様々な諸問題を、児童の話合いによって解決した経験がほとんどなかった。そのため、教師主導で解決したり、話し合っても全体の4分の1程度の児童しか話し合っていなかったりする実態があった。そこで、学級の児童全員が話合いに参画し、自分たちで問題を解決する経験を重ねていくことで、学級の問題を自分の問題として捉え、自分たちの力で解決できる学級になってほしいと考えた。
1 活動の導入で児童の進む方向をそろえるための話合い
 活動を進めていくときに、一部の児童が中心となるのではなく、一人一人が活動に参画していけるようにしたい。そのために、導入である活動の目標やスローガンを決める場面で、ファシリテーションの要素を用いた話合い活動を行った。
 児童は、これから行う活動に対しての思いや願いを付箋に書く。それを、小グループで1枚の画用紙に、読み上げながら貼っていく。それらをペンで囲んでラベリングする。そのラベリングされた言葉から、学級としての活動の目標やスローガンを全体で考えていった。
2 学級会で集団決定するための話合い
 全体での話合い活動では、発表者が決まっていたり、影響力の強い児童の意見に全体が流されてしまったりすることがある。そこで、学級会の始めに小グループでのファシリテーションの要素を用いた話合い活動を行った。
 まず、自分の考えを付箋に書き、上記1と同様にラベリングしていく。そのラベリングされた言葉を、黒板書記がそれぞれの意見の理由として板書する。その後、合意形成に向けて、全体での意見交換を行った。
 児童に、議題についての自分の考えを書かせ、それを小グループ内で発表させたことで、一人一人を話合いに参画させることができた。また、小グループでの話合いの記録を掲示しておいたことで、活動中に話し合う必要が出てきたときや、自分たちの活動を振り返らせたいときに、一人一人の思いや願いに立ち返らせることができた。

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「教育実践」
道徳の時間における役割演技が支援を要する児童に及ぼす影響
五泉市立五泉小学校
佐藤 将臣

 教育的支援を必要とする児童の中には「相手の立場に立って考えることが苦手」、「自分の考えがなかなかもてない」という児童も少なくない。状況を理解することが苦手な彼らが友達の考えを認めつつ、主体的に判断できるようにするには、どのような指導が有効なのであろうか。
 役割演技を取り入れた道徳授業に詳しい早川(2004)は、役割演技による道徳授業によって、「道徳的な価値のよさについて、単に『知識』としてではなく『実感』として理解することができる」と述べている。また、道徳教育改善研究会(2009)は、「相手の立場を認め、自らを律する態度が生まれてくることが期待できる」と述べている。これらの指摘は、役割演技が、友達の考えを認め、自ら考え判断しようとする態度の育成に有効であることを示唆している。
 そこで本研究では、道徳の時間に役割演技を取り入れることで、支援を必要とする児童が友達の考えを認めることができ,主体的に判断しようとする態度を育成することができるとの仮説に基づき、その結果を明らかにすることを目的とした。
 役割演技を取り入れた道徳授業は、小学校6年生を対象に、計4回実践した。最初は自分の考えをもちやすいように、主にAorBという二者択一の判断を迫られる資料を扱った。こうした資料では、他の児童の考えも分散しにくく、友達の考えに目を向けやすいと考えた。後半では、多様な判断が可能な資料を扱った。言い換えれば、判断に迷う難度の高い資料である。判断に困るからこそ、友達の考えを参考にして自分の考えを深める姿が期待できると考えた。
 実践の結果、実践当初では道徳的価値への気付きが浅く、文量も多いと言えなかったが、実践を重ねていくことで道徳的価値に関する記述が見られるようになってきた。授業記録には、判断に影響を及ぼしたと考えられる場面があり、役割演技をした友達の言動や、他の観客役の児童の発言を参考にしていることがうかがえた。このことから、役割演技を効果的に取り入れることにより、友達の考えを認めながら、主体的に判断しようとする態度を育成できる可能性が高いと言える。また、支援を必要とする児童は、演者よりも観客として参加するほうが新たな考えに気付きやすいことが分かった。

<参考文献>
シリーズ・道徳授業を研究する1 役割演技を道徳授業に 早川裕隆 明治図書 2004
平成20年版 小学校新学習指導要領ポイントと授業づくり  道徳 道徳教育改善研究会 東洋館出版社 2009。

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「教育実践」
2つの意見を用いた道徳授業による道徳的判断力の育成
長岡市立大島小学校
山畑 浩志

 現行学習指導要領作成に当たり、PISA型の学力観が大いに参考にされたことは周知の通りである。このPISA型学力観と道徳授業とを、授業レベルで、または理論レベルで結び付けることは可能か。可能と考えるなら、どのような研究の方向性を打ち出していけばよいか。また、この研究によりいったい何が導き出せるのか。
 これらの課題を解決すべく、新潟青陵大学教授の指導を仰ぎながら、平成23年度より中越道徳教育研究会及びときわ道徳サークル「こころ」の仲間と共に研究に取り組んだ。
1 PISA型の道徳授業とは
 PISA型の道徳授業とは、「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」の問題に見られる思考スタイルを取り入れた道徳授業のことである。
2 PISA型の道徳授業の流れ
 従来の道徳授業では、児童生徒に資料(読み物資料等)を提示し、その後、教師の発問によって意見を求めることが多かった。この場合、児童生徒から挙がる意見は、児童生徒の価値観のみに基づく判断によるものとなる。
 これに対し、PISA型の道徳授業は、資料を提示した後に判断の根拠となる第三者の意見(意見A・B)を提示する。児童生徒は、意見A・Bのうちどちらの意見に賛成するかを理由を加えて判断する。その後、意見交流を経て、最終的に自分はどう考えるかを判断するという流れである。
3 PISA型の道徳授業のこれまでと今後
 私がこれまで実践してきた授業では、児童に提示する資料を読み物資料(主に定番資料)に限定してきた。今後は、提示資料として写真や絵、図表等を用いたPISA型の道徳授業を開発していく。

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「教育実践」
人が人を大切にする教育  
胎内市立きのと小学校
近藤 正毅

 「差別は見ようとしなければ見えない。」ということは、疑いの余地はない。
 昨今、あからさまに差別されることこそ表立って見ることはないものの、「私たちは隔てられている」と肌で感じると、すべての人に等しく備わっている権利を正当に主張することが難しくなる。差別は人間の精神をむしばみ、人間の尊厳を傷つける恐ろしいことだ。
 私は、他児に対して差別をはねのける強く健康で強靱な精神を養わなければならないのだと決意し、どうするべきかを考え、それを実行しようと関わっている。その関わりの中で私が体感的に会得したのは、人権教育、同和教育とは「人が人を大切にする教育」に他ならないということである。
 「人が人を大切にする」この微塵も揺るがない土台の上に「差別をはねのける強く健康で強靱な精神は培われるのだ」と考えている。私は関わりの中でこの事を学んだ。そして「差別をはねのける強く健康で強靱な精神」を育むには、「被差別部落に入ること」と「家庭訪問を行うこと」を継続することが重要であると確信している。

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「教育実践」
自分のよさも友達のよさも認め、共に生きる子どもの育成
新発田市立東豊小学校
弥源治 仁伺

 「差別をしない、許さない」という態度や実践力を育てていくために、児童一人一人の自己肯定感・自己有用感を全校体制で高めていくとともに、児童の心に響く同和教育を進めることが重要であると考え、本実践に取り組んだ。
 研究を進めるに当たり、互いに尊重し合う望ましい人間関係づくりのための取組とともに、同和教育の視点に立った道徳授業における学習過程の工夫の二つを柱に据えた。
 具体的には、まず土台作りとして、望ましい人間関係作りのために「構成的グループエンカウンター」の実施や、異学年交流活動、授業のユニバーサルデザイン化に取り組んだ。その上で同和教育の視点に立った道徳の授業において、全学級で「人と関わり、人や地域に学ぶ授業」を行った。
 同和教育の授業実践では、資料に出会うだけでは児童が差別の実態を十分理解できていない姿が見られたが、ゲストティーチャーを招き、「直接、人や地域、実物に触れて学ぶ」という視点で授業を行ったことで、差別を自分のこととしてとらえる姿が多く見られるようになった。今後も、これまでの取組を見直しながら「人と関わり、人や地域に学ぶ授業」の継続・改善とともに、さらに児童の人権意識を高めていくための学習過程の工夫等について実践していきたい。

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「教育実践」
柔道部を好きになることで自分を好きになる
~0(ゼロ)からのスタート、自分に自信をもたせる部活動指導~
新潟市立大形中学校
小林 正樹

 「生きる力」を育むに当たって、重要な要素の一つに自己理解があげられるが、その基盤となるものが自己肯定感であると考える。私が部活動を通して生徒に一番身に付けさせたいことは、「自分に自信をもつ」ことである。なぜなら、自分に自信をもつことで、生涯にわたって力強く生きていくことができるからである。
 部というコミュニティを通して、喜びや充実感を共感し、そこに所属する自分自身の存在を好きにさせたい。柔道部というコミュニティをマネジメントすることで、たとえ個々の能力や練習環境に不備があっても生徒の心身の成長、ひいては競技結果にも大きな成果が得られると考え、次の3点を中心に実践している。

1 人的・物的環境整備
 ①練習環境の整備②人材の確保③応援団をつくる
2 主体的に部活動に取り組むための自己指導能力の育成
 ①自己決定の場を与え、主体的に取り組ませる②相手がいて自分が成り立つという感謝の心をもたせる③一人一人が戦力であるという自己存在感をもたせる
3 競技力向上のための取組
 ①短い時間で効率の良い練習をする②日本一考えて練習する部を目指す③練習時間は余裕をもって終わり、できるだけ楽しい気持ちで帰らせる。

 これまで、多くの部員に恵まれ、「部活動が楽しかった。柔道部で良かった」と語る生徒が多い。また、卒業後、柔道のみならずその後選択した他競技で全国大会への出場を果たし、活躍した生徒もいる。また、進学先の学校で部長や副部長を務める生徒も多く、主体的な練習、考える練習の成果が表れていると実感する。
「柔道部を好きになることで自分が好きになる。ひいては自分に自信をもって自己実現を図ってほしい」
 支えてくださる、学校、保護者、地域、関係各位に感謝しながら、今後もより良い指導を求めて更に努力していきたいと考えている。

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「教育実践」
心の錬成により、自尊感情を高め自主的に活動する部活動指導の工夫
~中学校「サッカー部」の実践を通して~
村上市立朝日中学校
大橋 研人

 本研究では、心を鍛えることによって技術が伸び、さらに大事な試合の場面で力を発揮できると考えアプローチした。本研究は昨年度からの継続で2年目になる。昨年度は心を鍛えるためにチェックシートを活用して取り組んだ。チェックシートとは、部活や学習、学校生活や家庭生活について目標を企て、それを1週間のサイクルで評価していく評価シートである。昨年度の取組により、部活以外のいろいろなことにも積極的に取り組む生徒が多くなった。今年度は、去年までのチェックシートを改良し、さらに仲間から評価をしてもらう欄を設定することで、生徒一人一人の自尊感情を高め、それが自主的に活動する部活動指導へつながると考え、実践した。
 自尊感情を高めるために、次の2つについて実践した。
1 自己評価カード
 自己評価カードにより行動目標を設定することで、自分がやるべきことがはっきりし自主的に行動することができると考えた。目標が達成できれば有能感が高まり、たとえ目標が達成できなくても、自分がやるべき行動が明確であることから、目標達成に向けた努力が継続されることが期待できる。また、チームの仲間や家族、顧問から他者評価をしてもらうことで、さらに有用感が高まることを期待し取り組んだ。
2 振り返りカード
 自己評価カードの取組によって自尊感情が高まったかどうかを調べるために、振り返りカードを用いて評価した。振り返りカードでは自尊感情を18の項目に分類し、評価した。
 今回の実践では、自尊感情としては実践前よりも実践後が若干数値が高くなっただけであまり大きな変化はなかったものの、最初から最後まで高い評価だった。何よりも、目標である「県大会出場」が達成できたのが一番の成果である。このことから、目標を決めて取り組み、自己評価や他者評価をすることで自尊感情が高まり自主的に活動できたと考える。

<参考文献>
中学校における「心の健康」を育む運動部活動の在り方。

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「教育実践」
全国学力・学習状況調査過去問題を使った活用力育成の取組
新潟市立荻川小学校
目黒 修

 全国学力・学習状況調査過去問題を国語・算数とも3回ずつ行い、次の点を工夫しながら活用力育成に取り組んだ。
1  誤答分析をその後の指導に生かす
  まず、児童に過去問題を解かせる。児童の解答用紙を採点しながら、「正誤」「誤答」「問題の条件に沿った正誤及び誤答」を名簿に記入していく。そのことにより、1問ごとの正答率や誤答の傾向が分かる。また、個人ごとの間違いの傾向をつかむこともできる。正答率の低い問題や同じ間違い方の多かった問題について重点的に全体指導を行った。また、採点の際、模範解答もチェックしておき、児童に手本として示したり、視写させたりした。
2 活用力の要素を重点的に指導する
 「全国学力・学習状況調査解説資料」(国立教育政策研究所)には、「問題作成の観点」が国語・算数とも4点ずつ載っている。その「問題作成の観点」を「活用力の要素」と捉え、その点を重点的に指導した。
3 取組の様子を学級だよりにまとめ、指導に生かす
 学級だよりに「問題」「正答率」「主な誤答」「分析」「対策」等を書き、保護者に知らせた。保護者の関心を高めるとともに、児童への指導にも活用した。口頭だけの指導でなく、指導内容が児童の手元に残るので、指導の効果が上がったものと思う。
4 学年として組織的に取り組む
 過去問題の実施や事後指導の時期を学年でそろえた。各学級の誤答傾向や今後の指導方針などを学年会で情報交換しながら組織的に取り組んだ。学年合同での過去問指導の授業も行った。学年全体の士気が高まり、指導の効果が上がった。
 本実践は短期の取組である。今後は日常の授業によって、計画的継続的に活用力を育成していきたい。

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「教育実践」
児童と創る地域教育プログラム
新潟市立上所小学校
鷲尾 健仁

 新潟市内各校は、「学・社・民の融合による教育の推進」を根幹に据えて、教育活動を展開している。当校でも、社会科や総合的な学習の時間を中心に、地域に学ぶ教育を実践している。
  しかし、児童が毎年回答している新潟市生活・学習意識調査、保護者等を中心とした関係者評価の集計結果から見ると、「地域との関わり」を問う項目が、極めて低い。
  校区に根付く伝統行事や祭りがないこと、チェーン店を中心とした商業施設が多く建ち並び、他地域からの出入りが激しいこと、転出入が多く人間関係の醸成が不十分であること等が要因として考えられる。
  次の3点からその解決に迫った。
1 地域とつながる活動の工夫
  PTA、コミュニティ協議会、スポーツ振興会、公民館、学校が知恵を出し合い、平成25年度から「上所夏祭り」を開催している。3回目となる今年度は、時間や内容を大幅に見直し、さらなる改善を図った。
2 学校フォーラムの開催
  地域とのより良い関わり方について、5・6年生全学級で話し合い、改善策を考えた。フォーラムでは、代表児童がそれを持ち寄り、地域代表、保護者代表とともに、今後の方向性について話し合い、児童と地域をつなぐ「地域交流委員会」を創設することで一致した。
3 児童目線で学校と地域をつなぐ地域交流委員会
  「上所夏まつり」の課題を、活動のマンネリ化と高学年の参加が少ないことと捉え、企画段階から参画した。地域の大人から様々なアドバイスを受けながら、自分たちの願いを実現していった。互いの意識が大きく変わり、距離が縮まっていった。
  並行して、地域に愛されるマスコット(ゆるキャラ)の誕生に向け、活動している。
  今後も、児童が、保護者・地域と共に学び合い、共につながり、地域力を高めていくための取組に貢献していきたい。

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「教育実践」
学力向上に向けた取組を活性化させるための教頭としての関わり
~「学び合い」「論理的な記述」を核にした授業改善と4つのタイムを中核に据えて~
村上市立西神納小学校
石黒 篤志

 西神納小学校では、学力向上に向けた2本の柱を設定し、全校体制で取り組んでいる。
 1つは、校内研究を中核とした授業改善である。「分かる」「できる」喜びを味わう授業の創造という主題で「学び合い」と「論理的な記述」に焦点を当てている。授業実践とファシリテーション形式での研究協議を重ねてきた。もう1つは学習習慣の確立と基礎・基本の確実な習得を目指した4つの「タイム」の推進である。ドリル学習・プリント学習等を行う学びタイム。web配信問題に取り組む西小タイム。学習に必要な技能の意識付けをし、児童自身に力の伸びを確かめさせるための全校スキルタイム。家庭学習の習慣付けのためのプランニングタイムである。
 この学力向上の取組を活性化させるために、職員のイメージ共有と職員の意識向上、さらに学校としての継続性が課題であると考えた。
 そこで、私は教頭として次のように職員に関わってきた。校長が意図する授業改善のイメージを共有できるようにするために、校長の指導をもとに、職員の授業参観を継続し、児童の考えを引き出す働き掛け等について指導した。研究協議会で、発言・指導を行うとともに、校長が意図する授業改善のイメージに沿って職員の取組を評価した。また、教員評価面談・学校だより・日番日誌で一人一人の取組を紹介し、職員の授業改善に向けた意識・意欲を高める働き掛けを行った。さらに、4つの「タイム」が確実に実践されていることを校内巡視による観察・指導により把握した。校務分掌策定に際しての意見具申や学校の学力向上システムの再確認と明文化により、学校の取組が次年度以降も同等のレベルで継続し、発展できるようにも努めた。
結果、児童に基礎的・基本的な学習内容を確実に身に付けさせることができ、職員の意識も高まってきた。道半ばであるが、学校の学力向上の取組を活性化させることができてきた。 

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「教育実践」
小中連携校としての教職員の参画意識を高める組織づくり
阿賀町立三川小学校
藤崎 善之

 小中連携校として三川小学校・三川中学校が現在の同一校舎で学校生活を送るようになってから、10年が経過した。これまで、様々な検討を経て、現在の組織や取組が確立された。一方で、小中連携の目指す方向性が、小中の教職員全体でしっかり共有されないまま取組が行われているために、多忙感につながっていることが大きな課題となっている。今一度、小中連携の在り方を見直し、これからの「三川」を担う人材育成において、目指す児童生徒像を共有し、今後どのような方向で小中連携を進めていくかを、全教職員で考える必要がある。これにより、小中の全教職員がベクトルを一つにして、小中連携に参画しようとする意識とやりがいを高めていきたい。
  そのために、次の3点からアプローチした。
1  小中全教職員による「これからの『三川』を担う児童生徒像」の共有化
 小中の全教職員で、これからの三川を担う児童生徒像やそのための今後の小中連携の取組をファシリテーションの手法を用いて協議した。小中連携の意義や目的について、改めて共有化が図られるとともに、今後の具体策について真剣に考えることができた。
2  小中交流活動の活性化
  教職員の意識を高める上で重要なことは、児童生徒の姿が変容することである。そのために「連携交流部」に働き掛け、小中学生の交流活動の活性化を図った。「継続的な交流遊び」と「児童生徒・教職員のアンケートによる成果の共有」を取り入れることにより、児童生徒の変容を共有でき、やりがいにつながっている。
3  中学校区による学力向上の取組
  当中学校区の課題である家庭学習の習慣化に向けて、「連携学習部」に中学校区学校保健委員会が加わり、生活改善と結び付けた中学校区による学力向上に取り組んだ。また、学力向上の取組では、両校研究推進部による指導案検討や小学校教員と中学校教員によるT・T授業を行う。いずれの取組も、研究主任や養護教諭などのミドルリーダーの考えを、校長を中心とした管理職が支え、環境づくりを行った結果であり、小中連携の推進役としての意識を高めることができた。

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「教育実践」
児童の力を最大限に引き出す学校づくり
~学びの充実に向けた環境整備を通して~
新潟市立上山小学校
田邊 裕一

 学校の重要な役割は学ぶ場をきちんと整備することである。その中で、「しっとりと落ち着いて学ぶ」ことが大切であると考える。このしっとりと落ち着いた雰囲気の中で、集中し、自信に支えられた環境を整備すれば、児童は自分の力を最大限に発揮できると考える。そこで、以下のような手立てを講じ、全校体制で取り組んでいる。
1 しっとりとした学びの場づくりのための環境整備
  「命のあるものはすべて環境に左右される」という考えのもと、学習環境の整備を通して、学びの場の雰囲気を醸成するとともに、「ヒヤリ、ハッと」を減らす。これらを、学校経営方針の「知」の充実に位置付け、教職員への意識付けを図る。また、学習用具の整理整頓を全学級で意識化することを通して、落ち着いて取り組む指針とした。
2 集中できる学びの場の構成
 日々の授業において、「学びやすさ」の視点から工夫を行う必要がある。それが集中につながる。そこで、UDLの視点を大事にした環境構成や授業の工夫、デジタル教科書を活用した授業の推進に取り組んでいる。また、授業における「学習課題の設定」と「学習課題に正対したまとめ」の日常的な実施に努め、学びの道筋を明確にした授業の工夫を行っている。
3 自信を育てる場の工夫
 自己肯定感を高めることにより自信をもたせ、よい行動への連続・発展につなげた。そのため、全職員で、「よい行動は褒め、自分に自信をもてる子を増やす」「自分に自信をもてる子は、まわりから非難される行動はしない」を念頭に取り組む。この理念のもと、全校縦割り活動を充実させ、最高学年を生かすことを大事にしている。
 以上3点を学校づくりの柱として取り組んでいるところである。
 未来を担う、上山小児童の豊かな成長を願い、学びの環境整備を通して自らの力を最大限に発揮できる児童の育成を目指す。

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