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理科

「教育実践」
根拠をはっきりとさせた考えをもち、考えを人に伝える生徒の育成
〜知識や理科の見方・考え方を働かせ、課題に取り組む実践より〜
阿賀町立阿賀津川中学校
長谷川 大輔

  現行の学習指導要領から新学習指導要領への改訂の項目の一つとして、見方・考え方が「目的」から「手段」として定義された。これまでの実践では、見方・考え方を「手段」として意識していなかった。また、本校生徒の実態をアンケートから分析すると、「考えをもつこと」「考えを人に伝えること」に苦手意識があることが分かった。この原因として、考えをもつための根拠となる知識や理科の見方・考え方の定着が課題であると考えた。
 そこで、考えの根拠となる知識や理科の見方・考え方を定着させていくための手だてとして,次の2点を考えた。「個人課題とグループ課題の設定」および「理科の見方・考え方を働かせるための段階的な支援」である。中学校3年「化学変化とイオン」の単元において、この手だてを用いて実践を行った。
1 個人課題とグループ課題の有効性
 単元の中の三つの学習内容の中で、個人課題とグループ課題を設定した。個人課題では、主にグループ課題で活用するための知識や理科の見方・考え方の獲得を目指した。グループ課題では、個人課題で獲得した知識や理科の見方・考え方の活用を目指した。また、グループ課題で他者と関わることによって、知識や理科の見方・考え方に対する理解が深まっていくことを期待した。
2 理科の見方・考え方を働かせるための段階的な支援
 理科の見方・考え方を最後は生徒自らが活用することができるようにするために、段階的に支援した。@ヒントカードを示す。Aワークシートに図を示す。B何もなし。最後は、教師の支援なしでも学んできた知識や理科の見方・考え方を活用して考えをまとめていくことができた。
3 成果と課題
<成果>
 獲得から活用を繰り返す中で、理解度が深まり、知識や理科の見方・考え方が定着していった。それを基として根拠のはっきりとした考えをもつことができるようになってきた。理科の学習が苦手な生徒も、少しずつ知識を得ていることを確認できた。学習アンケートの「考えをもつことができる」「考えを発表できる」の数値が上昇した。
<課題>
 グループ課題において、どのような過程で知識や理科の見方・考え方を活用し問題を解決させていっているのかを明確に見取ることができていない。また、個人課題とグループ課題がよりよく関連付けられるように検討することも必要である。

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「教育実践」
科学的思考力を高める工夫
〜結論シートを用いた分析・解釈能力の向上〜
小千谷市立小千谷中学校
菅家 佑介

  新学習指導要領理科の目標(2)には、「観察、実験などを行い、科学的に探究する力を養う」とある。そのためには、「思考力、判断力、表現力」を育成することが重要である。
 当校の実態として、実験観察から結果を導いた後、その結果から考察して結論を導くことが苦手な生徒が多い。その理由として、@課題に対して見通しをもって観察、実験を行っていないA得られた結果に対し自信がもてないB分析・解釈する力(思考力、判断力、表現力等)が十分身についていないことなどが挙げられる。実験や観察を行ってその現象面のみを捉えただけでは、真に理解したことにはならい。
 本実践では、実践1として、実験を行う前に、何を調べるのかを明確化し、仮説・検証計画を導きやすくするために「4QS(フォークス)」(※1)という指導法を用いた。そして、生徒が課題解決のために考えた条件と予想される結果との因果関係を見通せるようにした。
 また、実践2として、実験結果から結論を導く力を向上させるために、実験結果を可視化し、ピラミッドストラクチャー(※2)の手法を取り入れた結論シートを活用し、結果から結論を導き出ように工夫した。結論シートを使うことで実験データの解釈の仕方や結論の導き方を知ることができ、新たな解釈や実験の検証についても、情報を共有できた。また、結果の妥当性を吟味することで、実験から得られた実験データの信頼度に対する不安をなくすことができた。

※1:「The Four(4つ)Question(問題)Strategy(戦略・戦術)」の略称でCothron、j.hらが2000年に提唱した「子どもの疑問を科学的に検証可能な問題に高めるための指導方略」のことであり、日本では、上越教育大学 小林辰至教授が研究を進めている。
※2:自身が伝えたい主張とその根拠となる事実を図式化したもの。ピラミッドを床に横に分割したような形となるため、ピラミッド構造とも呼ばれている。

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「教育実践」
「理科の見方・考え方」を働かせた授業の工夫
〜協調学習を通した科学的思考力・表現力の育成〜
南魚沼市立塩沢中学校
山田 幸平

  私はこれまでの理科の授業では、授業に無気力な生徒や理科があまり得意ではない生徒がきちんと授業に参加することを目的として、映像資料やパワーポイント等のICTを活用したり、考察などを班で協力して考える時間を多く設けたりしてきた。しかし、班活動を行ったとしても、自分の意見をもっている生徒に任せ、それ以上話し合いがなく、考えや意見が深まらない場面が見られたり、教師が答えを言うまで待っていて、考えるのを放棄してしまったりする場面がある。 
 その理由として、科学的思考力・表現力が育成できていないからだと考えた。そこで本研究では、問題解決的な課題のもと、一人一人の分かり方、考え方の多様性を生かす協調学習に着目した。そのための手法としてジグソー活動を活用し、「理科の見方・考え方」を働かせることで、「得られた結果を分析して解釈するなど、科学的な根拠を基に表現する力」である科学的思考力・表現力が育成できると考え、以下のように研究を進めた。
1 班で協力し合う必要がある課題の設定
  一人の生徒で解決する課題ではなく、班で協力する必要性がある課題を設定して、全ての生徒が話し合いながら考えるようにする。
2 ジグソー活動を組織する(多角的な追求)
  協調学習の方法としてCoREFが提案している「知識構成型ジグソー法」を活用する。班ごとに課題を解くための鍵となる資料を学習する。そのときに実際に実験を行ったり、班内で話し合ったりしながら、理解を深める。ジグソー活動の特性を生かし、多角的な追求となるように支援した。またホワイトボード等を利用し、思考の過程が見えるように発表の仕方を工夫させた。学習は、以下のような流れを基本とした。
(ア)提示した課題に対する解答を、個人で考える。(イ)資料ごとに、グループに分かれて理解を深める。(エキスパート活動)(ウ)理科の活動班に戻り、話合い活動を行う。(ジグソー活動)(エ)班で話し合った結果を発表する。(クロストーク)(オ)個人で課題に対する解答をまとめる。
上記の方法で研究を行い、実践前後の生徒のアンケート結果、ワークシートの記述内容の変容、班活動時のまとめの内容を検証した。その結果、以下のことが明らかになった。
(1) 授業実践から
@ 自分の意見をもっている生徒は、最初より深く納得するために、無気力な生徒は自分の役割を全うするために、積極的に考え、授業に取り組む場面が多くなった。
A 各領域で必要となる「理科の見方」や集まった資料を比較したり自分の資料と班の他の人の資料を関連付けたりすることができた。また、「理科の考え方」を働かせて、課題を説明し、まとめることができた。更に、決まった道筋で話し合うことで思考することができたため、普段は友達の考えをノートに写していた生徒も自らの言葉で課題をまとめることができるようになった。そのため得られた結果を分析して解釈するなど、「科学的な根拠を基に表現する力」が身に付き、科学的思考力・表現力が向上したと言える。
(2) アンケートから
@生徒アンケートの結果では、全ての項目において肯定的な回答をした割合が上昇した。特に実践前に苦手にしていた「科学的思考力・表現力」に関する項目は大きな上昇が見られた。
(3) 抽出生徒の変容
 始めの段階では自分の考えを文章で表記していた生徒が、実践を重ねていくうちに絵ときちんとした文章で表現することができるようになった。
 以上の(1)、(2)、(3)の成果より、問題解決的な課題のもと、 一人一人の分かり方、考え方の多様性を生かし、課題を多角的に追求することにより、「理科の見方・考え方」を働かせて、科学的思考力・表現力を育成するには、ジグソー活動を活用した協調学習は効果があると考えられる。

 <引用・参考文献> 
 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(平成28年12月21日中央教育審議会答申)
 協調学習授業デザインハンドブックー知識構成型ジグソー法の授業づくりー(東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構 CoREF)

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「教育実践」
生徒の目的意識を醸成するための問題提示の工夫と、自己の変容の自覚を促す「振り返り」の充実による深い学びのある授業の実現
新潟市立上山中学校
青木 健

 本校生徒の理科における実態は、定期テストから分析すると知識・理解を問う問題については高い正答率を得ている。一方で、科学的思考力を問うものについては知識・理解を問う問題よりも低い正答率である。これまでの授業では、知識注入型の授業に偏ることなく、問題解決型の授業も展開してきた。しかし、この生徒の実態を受け、さらなる授業改革を行う必要があることを実感した。改めてこれまでの問題解決型の授業を振り返ると、解決した結果に主眼を置いていた。また、ややもすると教師主導の問題解決型の授業となっていた。そこで次の2点の手だてを講じることで深い学びをのある授業を実現し、知識・理解の定着を図り、思考力についても育成していくこととした。

(1) 問題提示を工夫することで生徒の目的意識を醸成する。
 ・ 導入時、事象や現象を提示する前に、生徒の素朴概念や既習事項を問題提示により引き出した。
 ・ 事象・現象の仕組みについて、素朴概念や既習事項と関連付けさせ、多様な仮説を挙げさせた。
 ・ 授業毎、または単元毎冒頭に「問題提示」を行い、授業の見通しをもたせた。

(2) 解決に至る過程を大切にし、振り返りを行うことで思考力を育成する。
 ・ 課題を解決する前と解決後の変容が見えるワークシートのレイアウトにした。
 ・ 学習過程を可視化した。
 ・ 解決に至った過程における「各自の考え方」について、自覚させるための振り返りの言葉を提示した。

成果と課題
(1) 成果
 問題提示と振り返り時の生徒の考えを併記させることで、自己の表現の変化を自覚し思考力の高まりを実感することができた。振り返りの言葉を提示することで、自分の思考の流れを客観的に見ることができた。

(2) 課題
 振り返りの活動で、課題が知識・理解を問う内容であったり、思考の流れを導く支援が不十分であったりした場合は、生徒の変容や思考の深まりが見られない。課題の精選と、生徒が思考の流れを示す事が困難なときの支援の方策を複数用意しておかなければならない。

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「教育実践」
理科における、事物・現象のより深い理解を目指して
〜課題の自覚化と考えの視覚化による学び合いを通して〜
加茂市立加茂西小学校
茂呂 祐亮

  児童が自ら問題を見付け、主体的に問題解決に向かう姿勢を育て、事物・現象について確かな理解が促されるよう授業を展開することが理科では強く求められている。
 そこで、電流のはたらきの学習において、磁石と電磁石の比較を通して、児童が問題を見いだし、実験の目的が明確化されるような場を設けた。これにより、主体性をもち実験に取り組む姿が見られるとともに、その実験から「電磁石をもっと強くしたい」という新たな問題を見いだすという、学びのスパイラルが生まれた。
 また、電流によって引き起こされる現象をイメージ図で表させ、それを用い交流活動を行う場を設定した。
 これら二つの手だてを繰り返すことで、児童は電流に対するイメージ図を科学的により妥当なものへと変容させ、電流と磁力の関係を捉え、現象を説明することができるようになった。

〈参考文献〉
日本初等理科教育研究会(2016)『小学校理科 アクティブ・ラーニングの授業展開』東洋館出版
井口 尚之 蛯谷 米司 (1991)『 新理科教育用語辞典』初教出版

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「教育実践」
二つの実験から自然の決まりを理解するための活動構成
〜6年理科「てこ・水溶液の実践」を通して〜
聖籠町立亀代小学校
高野 和明

  理科の学習では、言語活動の充実や、見方・考え方を働かせ、見通しをもった観察・実験の充実が示されている。理科の見方・考え方を働かせるためには、実験の見通しをもつことと、実験結果から考察し、説明することを主眼においた対話的な活動を取り入れることが必要だと考えた。先行研究では、個別よりもグループで実験を行うと、実験方法を長期的に記憶できるという成果も出ている。また、児童は予想と違っても自分たちの実験結果から結論付ける実態が明らかになっている。しかし、この実態では、正しい論理的思考を促すことができない。
 そこで、実験結果について同じ予想をした児童同士を一つのグループにし、実験方法と結果の見通しを話し合わせることとした。グループごとの実験@後、実験の結果と考察を説明させ、課題をより確実に解決できる実験Aを再度行わせることとした。このような活動構成により、自然の決まりをより理解することができると考え、実践を行った。
1 てこのしくみとはたらき(単元名は学校図書に準じる)
 まず、大きなてこ実験器を用いて、それぞれ両腕に内側から1〜3までの番号を付け、@おもり1個(10g)Aおもり2個(20g)Bおもりを2か所に1個ずつ(合計20g)という三つの方法が挙がった。同じ予想をした児童同士をグループにして実験@を行わせた。グループごとに再実験させ、作用点1の方が軽いことが分かった。実験用てこの片方の腕の3の位置に20gのおもりを吊るし、つり合わせるには、どこに何gのおもりを吊るせばよいかを考えさせた。3つのグループに分けて実験方法を考えさせ、実験A後にグループごとに結果を考察させた。そこで、「てこの番号(距離)とおもりの重さをかけて両方が同じになる時につり合う」という決まりを確認することができた。最後は、片腕の2の位置に40gのおもりを吊り下げたものとつり合う条件を個別に考えさせ、実験を行わせた。91%の児童が、条件を説明し、実験を行うことができた。
2 水溶液の性質
 水に溶けているものを見えるようにする実験方法を考えさせたところ、水溶液を@蒸発させるA冷やす(再結晶)B濾過するという三つの方法が挙がった。三つのグループに分け、実験方法を考えさせた。実験@後、それぞれのグループの結果を共有した。そして、@蒸発させる実験を全員で再実験し(実験A)、全員が考察に蒸発について記述することができた。単元の後半には、ラベリングされていない4種類の水溶液を実験で確かめる活動を行った。今まで学習したことを見直しながら、蒸発させたり気体検知管を使ったりして、全ての班がどの水溶液かを実験で確かめることができた。最後は、個人で「炭酸水」と「アルミニウムを溶かした塩酸」を見分ける実験方法を説明する活動を行った。77%の児童が正答を記述することができた。
3 成果と課題
 二つの実験を行うことで、多くの児童が決まりを理解し、活用することができた。複数の実験を並行して行うため、時数に余裕ができる。また、その時数を使って再実験を行ったり、説明活動を取り入れたりすることができた。
 しかし、実験効率が悪いことがある。一つのグループの人数が多すぎると、積極的に動かない児童が出る。1グループは4人程度にした方が有効であるかを明らかにすることが課題である。また、同じ結果を予想した児童同士をグループにしたため、結果の見方・考え方が偏ってしまったおそれがある。これをどのように解決するかが課題である。

<参考文献>
「「わかったつもり」に自ら気づく科学的な説明活動」/森田知良.学事出版
「実験グループの人数が理科学習に与える影響」/清水誠 大山亨 中村友之郎
「実験の結論付けにおける児童の実態」/岩切信二郎 中山迅
「5年生「振り子の運動」における仮説設定に影響された思い込み」/植木幸広 久保田義彦

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「教育実践」
多様な気付きを促し問題を見いだす子どもを育む理科指導
〜第4学年「空気と水」の実践を通して〜
長岡市立阪之上小学校
坂井 一

  新学習指導要領4年理科では、関係付ける考え方を使って根拠のある予想や仮説を発想する力を育てることを目指している。そのため、事象の因果関係を子ども自身で発見できるような手だてを講じ続ければ、児童は根拠のある予想を立て追究し続けるであろうと考えた。そこで本実践では、ペットボトルロケット(以下、PBR)を用いる。空気と水の性質を学習しながら、PBRを遠くに飛ばす方法を探していくことで、空気と水の性質を関係付け、根拠のある予想や仮説を立てることができると考え、本実践を行った。

手だて1 単元を通した追究課題の設定
 PBRをより遠くに飛ばす方法を考えることを、単元を通した追究課題とする。PBRは、「空気のみで飛ぶか」や、「空気と水の最適なバランスはどれくらいか」等、子どもから出た問題を予想して確かめる。その際、学習経験や既習事項を根拠にして結果を予想させる。このことにより、予想と実験結果のつながりを意識したり、空気と水の性質を対比的に捉えたりするよさを感じる姿が期待できる。
手だて2 根拠を自覚するための予想・実験シートの活用
 PBRを飛ばすために、空気と水の性質を学習していく過程で、「何が」「どうなっていたので」「こうなると思う」という形式で予想・実験シートを繰り返し用いる。このことにより、自分の予想やその根拠を自覚し、友達の予想と比較する姿が期待できる。
手だて3 思考を助けるための現象の視覚化
 空気や水を圧した時の様子、水の入ったPBRに空気を入れていく様子、PBRが発射するときの中の様子を視覚化できるように図や視聴覚機器を使用する。その際、子どもが注目したい要素がつかめるように空気や水を粒子で表したり、動きを遅くしたりして示す。このことにより、自然の事物・現象が起きた順番を理解しやすくなり、PBRが飛ぶとき空気と水の関わり方について根拠をもって説明しようとする姿が期待できる。

 実践を通して、これまで生活経験のない「空気や水」を圧した時に起きる事象や、PBRの飛距離と空気や水の分量、性質を、因果関係として整理して捉えることができる児童が増えた。また、PBRを遠くに飛ばすという共通の目的の中で、空気と水の性質を統合的に理解することができた。一方、実験に入る前に、今回は個人で予想を立て、その後グループで交流して実験を行った。根拠のある予想や仮説を立てられていたかをグループ内で、自分たちで判断して実験内容を決めていく過程には課題がある。また、PRBが飛ぶ仕組みについては、4年生で扱う空気と水の性質より発展的な内容も含むので、提示には工夫がいる。

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「教育実践」
対話を通して合理的な実験方法を計画する児童の育成
長岡市立栃尾東小学校
牛膓 真澄

  新学習指導要領では、「プログラミング的思考」を働かせ、論理的に意図した活動を組み立てる力の育成が求められている。論理的に活動を組み立てる力を育むために、小学校6年理科「水溶液の性質」の学習では、水溶液を正確かつ効率的に見分けるための実験計画を立てる活動が行われてきた。これらの活動では、フローチャートを使用させ、グループで考えた実験の手順を可視化することで、よりよい計画の検討を促す指導が行われてきた。
 どの児童も話し合いに参加し、正確で効率的に水溶液を見分ける実験手順が考えらえるように、本研究ではフローチャートに改善を加え、3点の手だてを導入した。「フローチャートを継続的に活用する単元構成」、「フローチャートの修正のしやすさを高める工夫」、「実験にかかる時間を可視化する工夫」である。
手だて1 フローチャートを継続的に活用する単元構成
 実験結果を表現するときや、予想を考えるときなど、学習の様々な場面にフローチャートの活用を位置付けた。使用場面を増やすことでフローチャートの活用能力を高め、児童が自由に考えを表現する姿を目指した。
手だて2 フローチャートの修正のしやすさを高める工夫
 これまでの指導に用いられてきたフローチャートは、紙やホワイトボードに書き表す形態であったために、書き手が特定の児童に限定される様子が見られた。そこで、実験手順を「付箋」に書いて、貼ったり剥がしたりする操作を行えるようにした。付箋による手順の移動を可能にすることで、順序の組み換えに関わって自分の考えを表現することを容易にし、グループでよりよい実験計画について話し合う姿を期待した。
手だて3 実験にかかる時間を可視化する工夫
 実験手順を書いた付箋の「縦方向の長さ」で「実験にかかる時間」を表現した。溶液の温度上昇に時間がかかる「蒸発実験」は長い付箋、すぐに溶液の様子が捉えられる「においの観察」は短い付箋など、手順に応じて付箋の縦方向の長さを変えることで、実験の効率を視覚的に捉えられるようにした。長い付箋に書かれた実験の頻度を少なくし、効率的な計画を立てる姿を期待した。
 本研究で導入した手だて3点は、グループの対話を促し、合理的な実験方法を計画させる上で有効であると立証できた。今後、他の学習での活用場面を検討し、児童の対話的な学びを深めていく。

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「教育実践」
実験計画を立案する力をはぐくむ理科指導
燕市立吉田小学校
橋本 直信

 【研究の概要】
 問題解決場面において、自力で実験計画を立てて進められる児童を育てたいと考えている。そこで、私は大学院で実験計画を立案する力に関する研究を行った。実験計画と一言で言っても様々な要素が含まれていることから、実験計画の立案に必要な力を@仮説を設定する力、A測定方法を決定する力、B条件を制御する力、C実験器具を選定する力、D実験装置を図で表す力の五つの力に分けて、研究を進めていった。
 その結果、@仮説を設定する力の育成については、一定の成果が見られたものの、その他の力についてはあまり成果が見られなかった。これは、その他の力については、これまでの経験や知識をどう活用するかが求められる力であるため、1単元だけでは効果が認められなかったことや実験計画を立案させる際、実験全体を可視化して検討する手だてが弱かったことなどが原因として考えられる。
 そこで、現場に戻ってからも引き続き研究を続けることにした。本研究では、実験装置図の描き方を児童に示し、計画の妥当性を検討させることに力を入れて指導に当たった。つまり、実験計画を立案する力の五つ目の力である実験装置を図で表す力に重きを置いて指導に当たり、実験装置図を思考ツールとして活用した。そうすることで、実験が視覚化されるとともに、妥当性を検討する視点が明確になり、A測定方法を決定する力、B条件を制御する力、C実験器具を選定する力が伸びていくのではないかと考えた。実践は、第5学年「ふりこの運動」、「種子の発芽と成長」の2単元で行った。
【成果と課題】
 実験装置図の描き方を児童に示し、計画の妥当性を検討させることにより、A測定方法を決定する力、B条件を制御する力、C実験器具を選定する力をはぐくむことができる可能性が見えてきた。また、実験装置図を描くことやその図を検討することに対して肯定的に捉えている児童が多いことが分かった。しかし、今回の研究は実験群、対照群を作って検証したわけではないこと、「条件を制御する力」や「実験装置を図で表す力」に関して、3割から4割の児童には定着が図られていないことから、引き続き研究を続けていく必要がある。

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「サークル活動」
新潟自然科学を語る会
新潟市立巻北小学校
江端 卓

  新潟市の理科指導発展に資するため、自然科学に関する指導内容について研究を進めてきました。各自の実践を持ち寄って、研修を深めたり、一緒に教材研究をしたりしながら、互いの指導力の向上を目指して活動しています。
 ここ数年は、これまでの活動で学んだことを生かすために、「子どもたちに自然科学の楽しさを伝えたい」「地域に貢献したい」という思いを大切に、星空観察や科学実験イベントの企画・運営に携わったり、指導者として活動を支えたりするなど、積極的に取り組んでいます。この夏行った亀田地区青少年育成協議会「こども夏まつり」では、100名超の児童、保護者、地域住民の皆さんに喜んでいただきました。
 今後も自身の資質を高める研修と地域貢献に取り組みます。

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「サークル活動」
佐渡理科サークル
佐渡市立八幡小学校
大蔵 武彦

  佐渡理科サークルは、これまで各単元で身に付ける基礎・基本を明示した「理科年間指導計画」や会員の実践に基づいた「学習展開例」を作成してきました。また、これらの作成資料はデジタルデータ化し、佐渡市の各小学校に配付されており、授業実践に活用されています。
 また、島内小・中学校の教員にも広く参加を呼びかけて、教材製作研修会や公開授業・講演会の企画や運営を行っています。
 さらに、地域への貢献活動として、子どものための科学祭りで行われる科学体験教室にブースを出しました。理科が大好きな子どもたちが増えるよう、様々な活動に取り組んでいます。

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「サークル活動」
岩船・村上理科の会
村上市立村上第一中学校
橋 一哉

  村上市・岩船郡に勤務する小・中学校の理科教員を中心としたサークルです。
 日頃の学習指導から見えてきた課題を検討したり、会員の授業実践を紹介する授業検討会を実施したりして、日々理科指導力の向上を図っています。また、普段の授業に役立つ教材作成や予備実験を行う教材研修会を実施し、授業改善につながる研修も行なっています。
 他に、岩船・村上地域で活動している自然愛好会に協力する形で、様々な自然観察会にも参加しています。地域の山や川、海等で植物や地質、昆虫や小動物について研修し、地域の魅力ある素材を授業に生かせるよう研鑽を積んでいます。

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「サークル活動」
二王子の会
胎内市立中条中学校
星野 勝紀

  「二王子の会」は、新発田市・胎内市・阿賀野市・聖籠町の中学校に勤務する理科教師を中心とした研修サークルです。
 「自然に触れることを通じて、理科教師としての資質を高める」こと、そして、「理科を教える者同士のネットワークを広げ、教材や地域教材に関わる情報交換を行う」ことを目的として、平成15年に発足しました。
 地域の自然の特色を活用し、生徒の自然に対する見方や考え方が豊かになる指導ができるように、地質、植物などの野外研修を行っています。
 また教材研究を行い、教材の製作や生徒の学力向上に有効な教材の使用方法などについて検討を行っています。
 最新の情報や今日的話題の情報交換をするとともに、生徒の学力や科学リテラシーの向上につなげられるように研究を進めています。

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「サークル活動」
北新・理科を語る会
新発田市立二葉小学校
渡邊 幸太

  以前から、「理科を語る会」として活動していたサークルです。ときわ会のメンバーに限らず幅広い会員が所属して活動していました。現在は、ときわ会員が中心となり、小学校と中学校で分かれ、月に1回程度、主に新発田市を会場に活動しています。
 「学習指導要領に沿った理科学習指導の工夫・改善」 〜『感じ・考え・実感する』理科授業の創造〜 をテーマに、指導内容の資料収集や指導案の作成・検討、教材研究、教材開発等の活動を行っています。また、クラブ活動や短時間でできる簡単実験の情報交換や実技実習など、子どもたちの理科への興味・関心が湧くような活動もしています。今後、中学校理科サークルと協力・連携し、お互いに学び合う活動も始めていきます。

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「サークル活動」
三市中東理科教育研究会
五泉市立村松桜中学校
荻野 伸也

  「いきいき、のびのびを支える教員の手だて」を研究主題とし、一人一人が自己の実践力を高めるため、主体的に研修テーマを設定して日々の指導に励んでいます。今年度は4回の定例会を計画・開催し、実践の成果や課題を発表しています。発表では、発表者も気付いていなかった成果など、新たな視点を得ることができます。課題に対しては、参加者全員で解決法を考えたり、過去の実践例などからヒントを得たりすることができます。発表者も参加者も学びの多い会となっています。
 また、毎年野外研修を行い、地域の自然などを知る機会にするとともに、各会員の見聞を広げています。昨年度は、柏崎刈羽原子力発電所を見学し、防災教育の視点から放射線について学んできました。年に一度は野外研修を行い、理科教師としての成長を確認する機会となっています。

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「サークル活動」
三南理科サークル
三条市立一ノ木戸小学校
石原 淳一

  三条・見附・加茂・田上を中心に、地元に住む他地域勤務者も参加できる心地よいサークルです。理科教員としての資質向上を図ることを目標に活動しています。
 今年度は、6月から2月までに年間6回程度の活動を計画しています。主に三条市を会場に活動します。
 例年、教育研究発表会に向けた指導案や授業実践の検討を通して、教材や授業に関する情報交換を行い、授業力向上に努めています。その他、講師を招いて植物や地質などのフィールド研修を行ったり、理科教育に関する講演会で最新の理科教育の方向性を学んだりしています。
 年に1回は懇親会も開催し、指導者を交えながら会員同士で親睦を深め合っています。

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「サークル活動」
金星会
加茂市立加茂小学校
廣野 達也

  三条・加茂・田上地区を中心とした、理科サークルです。「子どもたちに理科・科学の楽しさを伝えたい!」「理科をより深く学びたい!」「科学する楽しさをもっと知りたい!」との思いから少しずつ仲間が集まり、平成30年度に新しく発足いたしました。
 主に2か月に1回程度、金曜の夜に活動しています。また、フットワークを軽く、「困ったときに集まる」ことをモットーとしています。日々の学校教育から各自の実践の悩み、教材研究や理科教育に関する情報交換など、理科に関する内容について、熱く語り合っています。
 一緒に、「身の回りの『ひと・もの・こと』の不思議」について語りませんか?これからも、研修を積み重ねていきます。

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「サークル活動」
じねんの会
長岡市立南中学校
小林 秀樹

 長岡地区を中心として活動しています。自然に親しみ、今後の理科教育について共に考えるサークルです。春と年度末に総会を開き、年6回程度の活動について、会員相互で話し合い、共通理解の基に活動しています。活動は、地域に根差した理科教育の在り方や理科の楽しさや面白さを探究することをねらいとしています。
 主な活動は、「授業・教材研究」と「フィールドワーク」です。「授業・教材研究」では、授業実践で成果のあった教材を紹介したり、研究成果を発表したりして、研鑽を積んでいます。また、教育研究発表会の検討会も兼ねて、ファシリテーションの手法を取り入れながら、学び合っています。「フィールドワーク」では、植物観察を兼ねた登山や水族館などの施設見学、星空観察等、いろいろな分野で実践しています。
 研究教科が理科の方だけでなく、理科に興味をもっておられる方も大歓迎です。

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「サークル活動」
魚沼の結晶
魚沼市立入広瀬中学校
風間 真寿美

  小千谷市・魚沼市を範囲とした、理科教員のサークルです。今年度は研修会及び講演会を中心に年6回程度、活動します。
 今年度の活動のポイントは「全員で理科授業を考える」です。児童生徒の科学的な思考力や表現力を高めるための授業づくりを全員で考え、実践することを目指していきます。「科学的な思考力」とは、児童生徒がどう考え、思考を組み立てることなのか。さらに、その思考を生徒にいかに「表現(発言・表記)」させるか。若手教員を中心に授業を実践し、授業構成やワークシートなどのツールの有効性を、会員全員で検討していきます。
 また、新学習指導要領の理解を深めることをねらいとした講演会を開催します。主体的・対話的で深い学びの実現に向け、学習指導要領を読み解くだけでなく、実演を交え教材開発や事象の提示方法について研究します。
 小千谷市・魚沼市の自然はもとより、人材の活用も含めた研修に励んでいきます。

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「サークル活動」
まんさくの会
十日町市立十日町中学校
平野 雄介

  津南町・十日町市の教員を中心とした理科サークルです。活動は2か月に1度、不定期に年6回程度、主に十日町中学校を会場に活動しています。サークルメンバーは,小学校、中学校で理科を研究教科として実践しているベテラン教員や自然が大好きな若手教員など、幅広い年齢で構成されています。「自らの力量は自ら磨く〜地域自然への見識を深め、研修を通して自らの指導力を高める〜」をサークル研究主題に研修を積み重ねています。
 当地域には,苗場山麓ジオパーク、松之山ブナ林、河岸段丘など素晴らしい自然素材が多数あります。そうした地域の自然に学ぶ観察会を実施したり、地域素材に関する情報交換を行ったりしています。
 ここ数年最も力を入れている研修は、指導案検討です。授業の構想から実際の授業まで、サークルメンバーで活発な意見を出し合い充実した研修となっています。

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「ときわ教育奨励賞」
「ユニバーサルデザインの授業づくり」と地域教育プログラムで科学好きになる子どもを育てる
小千谷市立小千谷小学校
郡司 哲朗

  全校で目指したのは、子どもが進んで考えをつなぎ、地域とつながる科学教育の推進である。
 そこで、科学好きな子どもを育む「地域教育プログラム」を開発し、小千谷の錦鯉誕生の瞬間を観察し、子どもが目を輝かせた授業実践等を行った。
 また、先生方が実験・観察を行いやすくする支援を積極的に行った。新採用からベテランまで理科や生活科の授業を公開するようになったことが嬉しい。
 昨年度は、理科ボランティアが新たに誕生し、地域の方の手で行う「サイエンスパーク実験教室」を開催することができた。
 今後も科学好きになる子どもの姿を追い求め、未来を担う人材を育てる教育に取り組みたい。

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「教育実践」
消臭ビーズを用いた粒子概念の形成と水圧の指導の在り方
魚沼市立堀之内中学校
根津 元

  力について学び、理解するには、自分なりの見方を構築できないと難しい。力の導入では、力の矢印を用いて目に見えない力を可視化しようとしている。しかし、圧力の学習では、面積と力の二つの関係が重要であるため、作用点を設定しなければならない力の矢印はとても扱いづらい。圧力の学習で、自分なりの見方を構築するためには、化学分野で用いた粒子モデルを用いるのが適当であると考える。
1 消臭ビーズを用いた粒子概念の形成
 全ての物質が顕微鏡を使っても見えないほどの小さな粒でできていることを実感させるためには、ノートに2次元的な図を描くだけでは物足りないものだ。粒子概念を形成し、粒子モデルを用いて現象を考察できるようにするために、消臭ビーズを使って現象を考えさせた。
2 単元をまたいだ粒子モデルの活用
 化学分野だけではなく、物理分野でも現象を可視化し、理解しやすくするために粒子モデルを用いた。目に見えない現象を粒子モデルを使うことで考察しやすくなるとともに、意見交流の道具として粒子モデルを捉え、意欲的に話し合い活動ができるようにした。
3 タブレットを用いた考察意欲の向上
 活発な意見交流をするためには、自分自身の考えをもっていなければならない。自分自身の考えをもたせるために、タブレットを用いて、実験の様子を繰り返し映像として流し、考察の手助けとした。また、考察意欲の向上のために、ノートを撮影した。
 上記3点により、現象を考察する意欲を向上させるとともに、消臭ビーズや粒子モデルを現象を説明する際の道具として扱わせ、生徒の科学的思考力を向上させる。

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「教育実践」
小学校中学年理科における仮説を立てる力を育成する指導法とその効果
〜The Two Question Strategy(2QS)を用いた実践を通して〜
新発田市立外ヶ輪小学校
五十嵐 敦志

  新学習指導要領において、理科で育成する資質・能力の一つとして、「問題解決の力」が挙げられた。そして、学年を通して育成を目指す問題解決の力として、小学校第4学年では、「既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する」が示された。さらに、「予想や仮設」を設定することは、見通しと振り返りのある観察、実験を行うための重要なプロセスであると述べられている。これらのことから、本研究では、小学校中学年の仮設設定の能力を育成する指導法とその効果を明らかにすることをねらいとして下記のように研究を進めた。
1 小学校中学年の仮設設定の能力を育成するための指導法の開発
 先行研究である仮説設定の指導法「4QS」の考え方を基にして、因果関係がある自然事象を変数で捉えさせ、それらを関係付けることで児童に仮説を設定させる指導法「2QS」を開発した。
2 2QSが小学校第4学年児童の仮設設定の能力に及ぼす効果の検証
 第4学年の児童を対象に2QSを用いた授業を行った。授業で児童が作成した2QSの記入内容と、授業前後に行った実態調査における児童の変容を検証した。その結果、以下のことが明らかになった。
 一つ目は、2QSを用いたことにより、児童は実験による問題解決の過程で重要となる仮説を設定できた。
 二つ目は、児童の仮説を立てる力(事象を因果関係で捉える力)を測定する調査問題を事前と事後に行った結果、事後の得点が事前の得点より向上したことだ。
 三つ目は、児童の因果関係に関与する経験と意識を調査するアンケートを事前と事後で行った結果、因果関係に対する意識が事後に向上した。
 四つ目は、児童の理科に対する意識を調査するアンケートを事前と事後で行った結果、児童の実験に対して見通しをもったり、実験を振り返ったりする意識が事後に向上した。
 以上の結果より、2QSを用いた実践は、小学校第4学年の児童の仮説を立てる力を向上させること、児童に見通しと振り返りのある実験を行わせることに効果があることが認められた。今後、この2QSを用いた実践を継続することや、小学校3学年へ適用することで、研究の効果をより確かなものにしていきたい。

<参考文献>小林辰至・永益泰彦:「社会的ニーズとしての科学的素養のある小学校教員育成のための課題と展望−小学校教員志望学生の子どもの頃の理科学習に関する実態に基づく仮説設定のための指導法の開発と評価」

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「教育実践」
なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して
新潟市立岩室中学校
亀屋 友樹

  理科の授業を通して育成したい資質・能力の一つに、自分の意見をもつ力と、意見交換をする力があると考える。さらに、ただ意見をもつだけでなく、根拠を基に相手に論理的に伝えていく力が理科では必要となってくる。そこで「なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して」の研究テーマのもとに、次のような手だてを講じ、授業実践を行っている。
1「自分の意見をもつ」ための手だて
 授業の中で扱う現象や課題が、生徒にとって「身近」なものとなるようにする。「身近」とは、生活体験の中から得られる現象だけでなく、既習内容から得られる現象や課題である。生徒が自分の意見をもつ必要感を感じられる現象や課題を設定している。
2「根拠をもつ」ための手だて
 問いに対して、「勘」「何となく」と答える生徒は多いが、そこには言葉に表わすことができないだけで、何らかの根拠があるはずである。生徒のもつ根拠とは、生活経験や既習内容(既存の知識)か、またはそれらを組み合わせてオリジナルに考え出した根拠である。言葉に表わすことができない生徒が、少しでも表現できるよう、書く時間を多めにとったりワークシートの工夫を行ったりしている。
3「互いに交流し、自分の考えを深める」ための手だて
 小集団での話合いだけでなく、同じ意見をもった人と話合いをし、意見を深めたり、同じ意見ごとに分かれてグループをつくり、「議論」と称してクラス全体で意見をぶつけ合う方法をとったりしている。様々な意見交換の方法を学び、楽しみながら、深い学びになることを大事にしている。
 以上の3点を授業づくりの柱として取り組んでいる。「なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して」の取組が、最終的には、新しい現象や未知の状況にも、自分なりの根拠をもって考え、判断し、仲間と協力し合いながら、社会の中で生きていく力をもった生徒の育成につながっていってほしいと考える。

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「教育実践」
自然を多角的に追究することで、科学的な思考を深める授業
〜ジグソー活動を通して〜
新潟市立木戸中学校
大橋 研人

  これまでの授業を振り返ると、じっくり考えたり他の意見を比較したり、他者に説明したりする場面が少ない。そのためか、レポートの考察の記述に思考の深まりが見られない。そこで本研究では、ジグソー活動を取り入れ、下記に示す三つの手だてを講じて思考を深める生徒の育成を目指した。
1 生徒が興味関心をもてる課題の設定
 生徒が思考を深めるためには、生徒が興味関心をもって課題を追究することが大切である。そこで、実社会や実生活に関連付けた題材や課題を設定する。
2 ジグソー活動を組織する(多角的な追究)
・検証実験と考察
 仮説を基に学級全体で検証方法を考えさせる。学習班ごとに検証実験を分担し、検証させる。検証の結果を考察し、課題に対する理解を深める。
・分かったことを交流し深化させる
 ジグソー活動の特性を生かし多角的な追究となるよう支援した。また、ホワイトボードを使い、思考の過程が見えるよう発表の仕方を工夫させる。
3 思考を深めるための考察
 考察では、学習を通して調べたことを活用し、実社会や実生活と関連付けた視点で考察を書くよう指導した。
 上記の手だてにより、レポートの考察や振り返りシートの記述を分析し、実生活や実社会と関連付けて考察しているかどうかを見取り検証した。

<参考文献>協調学習授業デザインハンドブック−知識構成型ジグソー法の授業づくりー東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構

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「教育実践」
もののきまりを使って身の回りの現象を説明する子どもの育成
五泉市立五泉小学校
山口 伸也

  実験や観察によってもののきまりを見付けることを通して、身の回りで起きている現象を説明できるようにすることが、理科では強く求められている。一見子どもは、見付けたきまりを理解しているようではあるが、その理解度は浅い。そこで、ふりこの学習において、ふりこのきまりが使われていることが分かりづらい現象を提示し、その現象を説明させる問題を提示した。すると子どもは、その現象の要因を複数考え、その是非を確かめる検証実験を行った。そして、子どもは以前に見付けた「ふりこのきまり」を使うと、提示された現象の説明がつくと納得し、身の回りの現象をもののきまりを使って説明することができた。この時、子どもは実感を伴って、見付けたもののきまりを理解することができたのである。

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「教育実践」
児童が主体的な問題解決に取り組むための指導の工夫
〜問題解決の過程と過程の中で活用できる能力を細分化、アイテム化した教材を使った授業を通して〜
燕市立吉田小学校
浅倉 健輔

  平成27年度実施の全国学力学習状況調査で、児童が結果を見通して実験を構想したり、実験結果を基に自分の考えを改善したりすることができないことが指摘された。その原因として二つ挙げられる。一つ目は、課題を解決するための道筋である「問題解決の過程」とその場面ごとに何をしなければいけないのかという「技能」を知らないということ、二つ目は、実験計画と結果から導き出した考察について、妥当性を検討する場が無く、検討の仕方が分からないということだ。そこで、児童が問題解決をどのように進めるか分かるように、小・中学校で行う観察、実験を整理し、まとめた「探究の過程の8の字型モデル」を開発した。また、探究の過程の各場面ごとに活用できる能力を整理し、視覚化したカード型教材「探究アイテム」も開発した。これらの教材を使い、以下のような手だてを講じ、児童が見通しをもち、問題解決に主体的に取り組めるよう、実践を行っている。
1 探究の過程と、解決のための技能を意識させる授業展開
 児童に探究の過程と、解決のための技能を意識させるために、開発した「探究の過程の8の字型モデル」と「探究アイテム」を利用し、授業展開を工夫して行っている。「探究の過程の8の字型モデル」については、教室に掲示するとともにノートにも貼らせ、毎時間、「今問題解決の過程で、どの場面にいるのか」、「次はどの場面なのか」を確認している。また、場面を確認した後に「探究アイテム」を使い、場面ごとにどのような技能が必要なのか確認したり、観察や実験で必要な技能を選択し、児童同士で話し合ったりしながら、児童が探究の過程と解決のための技能を意識できるように働き掛ける。
2 実験の立案及び考察の妥当性を検討するための「実験計画検討会」「結果報告会」を位置づけた単元構成
 自分たちの実験の立案及び考察の妥当性について検討するには、問題を明確にし、問題解決の過程を進みながら、「実験計画検討会」や「結果報告会」等、検討する場を設ける必要があると考える。具体的な数値に着目させ、実験方法に間違いはないか、仮説と結果の一致、不一致は納得がいくものか、について話し合わせていく。これにより、自分たちの実験立案及び考察の妥当性を検討する能力の育成を目指す。
 実践を進める中で、児童は、今何をするのか、次の時間に何をしなければいけないのか、見通しをもって学習をすることができるようになってきている。今後も「探究の過程の8の字型モデル」等を活用しながら実践を進め、児童が主体的に問題解決に取り組むことができるよう、指導を続けていく。

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「教育実践」
生徒が理科好きになる指導方法の工夫
〜エネルギーの単元における問題解決的な学習の事例を通して〜
新潟市立光晴中学校
石井 雄介

  生徒が理科を好きになるためには、生徒が問題意識をもち、解決に向かって試行錯誤しながらも観察・実験に取り組めるような授業を行う必要がある。私の今までの授業実践を振り返ってみると、生徒の問題意識を十分に高めないまま学習を進めていることが多々あった。特に、3年生の「エネルギー」の単元では、「エネルギー」が目でとらえにくい事象であることもあり、導入から教科書通りに進め、教師主導の授業になっていた。このように生徒が受動的に授業を受けているようでは、理科好きな生徒を増やしていくことはできないだろう。
 そこで、生徒の興味・関心を引くような事象を提示し、問題解決的な学習の過程を経ることで、理科好きな生徒を増やすことができると考え、次のような手だてにより、エネルギー単元での授業改善を図った。

1 導入部分において生徒の興味関心を引く「事象の提示」
 AコースとBコースという経路は異なるが、スタートとゴールの高低差が同じ二つの経路を提示する。そして、同時に球をスタートさせて、Bコースの球の方が先にゴールに達することを見せる。
2 問題意識を醸成する「発問の工夫」
 実験結果から考えられる問題点を焦点化し理由を簡潔に考えることができるような発問を工夫する。
3 生徒が自由に試行することができる「教材の工夫」
 自由に変形できる経路を各班に配り、Aコースよりも先にゴールに達することができるBコースの経路を何回も試せるようにする。
4 エネルギーを比較するための「表し方の工夫」
 速さを測定する機器を用いてコースを移動する球の速さを測ったり、位置エネルギーと運動エネルギーをマグネットに置き換えて可視化したりすることで、情報を共有しやすくするとともに、思考のイメージ化をしやすくする。
5 生徒の活動の様子や質問紙調査から手だての有効性について検証する。

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「教育実践」
主体的・協働的な学習を通した分かる授業づくりの工夫
村上市立村上第一中学校
橋 一哉

  今年3月に公示された学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びを通して、基礎・基本の確実な定着を図り、新しい時代に求められる資質・能力を育成することが求められている。また、現行の学習指導要領でも生徒の主体的な学習活動を通して、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させることが示されている。
 それらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力、その他の能力を育むことを重要視し、能力育成のために言語活動を充実させることが重要であるとしている。
 そこで、主体的・対話的な学びを通して、基礎・基本の確実な定着を図るために次の手だてを講じ、授業プロトコルをもとに主体的・対話的な学びが行われているか、また基礎・基本の定着が図られているか分析をした。
【手だて】
1 生徒に明確な課題を伝え、生徒と課題を共有すること
2 課題解決の方法は生徒に任せること
3 生徒の情報を共有すること
 その結果、生徒は課題を達成するために主体的に授業に取り組み、他と協力しながら学習を進めていくことが明らかになった。また、基礎・基本の定着も図られていることが分かった。

<参考文献>
西川純『すぐ分かる!できる!アクティブ・ラーニング』学陽書房、2015
水落芳明・阿部隆幸『成功する『学び合い』はここが違う!』学事出版、2014

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「教育実践」
子どもの学ぶ意欲の向上と知の定着を目指して
〜授業と家庭学習をつなぐ「理科レポート」の試み〜
三条市立井栗小学校
丸山 哲也

  新学習指導要領には、現行の学習指導要領同様に「学習活動を振り返り主体的に学んでいくことや自分の考えを述べること」の重要性が説かれている。
 私はこれまで、理科に出てくるふりこのきまりやてこのきまりなど、規則を見付けるまでの過程を大切にしてきた。児童が実験結果からその法則を見付け出し、科学のおもしろさを感じる授業を心掛けてきた。しかし、それだけでは、テストになると思ったように点数が上がらず、知の定着が不十分であった。
 そこで、授業を振り返ったり、次の授業のことを考えたり、また自分の生活につなげて考える活動を取り入れ、授業改善を図った。学ぶ意欲の向上と知の定着を目指し、次の2点の手だてを講じた。
1 理科の授業で学んだことを家庭学習の場で再構成する「理科レポート」
 理科の学習で学んだことを再構成するA4版1枚のレポートを単元の中で2〜3回課題として出す。書く見通しと目指すレポートのイメージがもてるように、型を示す。書いてきたものを評価し、形式は、児童と相談しながら修正、進化させていく。
2 家庭学習につなぐ授業の工夫
 授業の流れを整理する。始めの考えや予想を考える時間を大事にし、自分の考えが実験・観察や友達の意見などで変わっていったことを意識させていく。また、理科レポートで書いてきたことを基に、学習課題を出したり、話合いを行ったりするなど、児童主体で授業を行うようにする。
 これらの実践を通し、授業の内容を家庭で振り返ることで授業の内容を再構成することができ、曖昧だったところを見付け、次の課題を見いだすことができた。また、理科レポートによってテストの結果が上がり子どもたちは、がんばった分だけ結果が出ることを味わうことができ、さらに意欲的に学習するようになった。

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「教育実践」
子どもが、理科を学ぶことの楽しさ、便利さを実感できる単元構成の工夫
十日町市立千手小学校
田口 真也

  新学習指導要領では、20年度の改訂に引き続き「学ぶことの意義や有用性の実感、科学への関心を高める観点から、実社会・実生活との関連を重視した改善を図る」と示されており、この課題が日本の理科教育に求められ続けていることだということが伺える。
 「あかりをつけよう」の単元において、これまでの実践では、豆電球と電池を使い明かりをつける様子を観察し、回路ができているときは明かりがつき、回路ができていないときは明かりがつかないことを学習し、回路の間に様々なものを挟むことで電気を通すものと通さないものがあることを学習する。そして、学習内容を活用して、切り替えスイッチや点滅する仕組みをつかったおもちゃを制作する流れになっている。このことによって、学習内容の定着を図り、学習したことをこれからの生活に生かそうとする態度を育てることをねらっている。しかし、それらのおもちゃやスイッチの仕組みは唐突に紹介され、教科書にあるので面白そうだから作ってみようという受動的な学習となってしまいがちである。
 そこで、本研究では、単元の導入の際に学習内容を利用したおもちゃ遊びを不完全な形で体験させ、「もっと良いおもちゃにしたい」という単元を貫く目標を設定する。次に、自分たちが目指す理想のおもちゃを作るために学習するという学ぶ意義をもたせ、しくみを学習する。最後に、これまで解決した課題から「うまくいくだろう」と見通しをもって改良したおもちゃを作り遊ぶ単元を構成することで、学習内容を活かすことができたという有用性を感じられるようにする。

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「サークル活動」
新潟自然科学を語る会
新潟市立巻北小学校
江端 卓

 新潟市の理科指導発展に資するため、自然科学に関する指導内容について研究を進めてきました。各自の実践を持ち寄って、研修を深めたり、一緒に教材研究をしたりしながら、互いの指導力の向上を目指して活動しています。
 ここ数年は、これまでの活動で学んだことを「子どもたちに自然科学の楽しさを伝えたい」「地域に貢献したい」という思いで、星空観察や科学実験イベントの企画・運営に携わったり、指導者として活動を支えたりするなど、積極的に取り組んでいます。この夏行った地域の青少年育成協議会「こども夏まつり」では、150名近くの児童、保護者、地域住民の皆さんに喜んでいただきました。講師の依頼も増えました。
 今後も自身の資質を高める研修と地域貢献に取り組みます。

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「サークル活動」
西蒲・燕理科の会
新潟市立新通小学校
金子 徹

 「西蒲・燕理科の会」は、平成16年度に発足したサークルです。新潟市と燕市・弥彦村を主な活動拠点として理科好き、自然好きの会員が活動しています。小学校、中学校で理科を自分の研究教科としてずっと実践しているベテラン教員や、豊富な知識と実践をもった教員が数多くいます。また、若手で現在理科の実践を一生懸命頑張っている教員もいます。
活動内容は、授業実践報告会や野外研修会、研究冊子の発刊などです。毎年7月初旬に行う研修会では、中央から講師を招き、授業に役立つネタや新しい実験器具の説明会などを実施しています。また、地域の科学の祭典で演示実験や制作活動ブースへの協力も行っています。野外研修会では、登山や植物などの自然観察など毎年様々な内容のものを実施してきました。
理科好きな子どもを一人でも多く育てるため、会員一人一人の力量アップに向けてこれからも意欲的に活動していきます。

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「サークル活動」
佐渡理科サークル
佐渡市立八幡小学校
大蔵 武彦

 佐渡理科サークルは、これまで各単元で身に付ける基礎・基本を明示した「理科年間指導計画」や会員の実践に基づいた「学習展開例」を作成してきました。これらの作成資料はデジタルデータ化し、佐渡市の各小学校に配布されており、授業実践に活用されています。
 また、島内小中学校の先生方にも広く参加を呼びかけて、教材製作研修会や公開授業・講演会の企画や運営を行っています。
 さらに、地域への貢献活動として、子どものための科学祭りで行われる科学体験教室にブースを出しました。理科好きな子どもたちがたくさんに増えるよう、様々な活動に取り組んでいます。

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「サークル活動」
岩船・村上理科の会
村上市立村上第一中学校
橋 一哉

 「岩船・村上理科の会」は、村上市・岩船郡に勤務する小中学校の理科教師を中心としたサークルです。
 日頃の学習指導から見えてきた課題を検討したり、会員の授業実践を紹介する授業検討会を実施したりして、日々理科指導力の向上を図っています。また、普段の授業に役立つ教材作成や予備実験を行う教材研修会を実施し、授業改善につながる研修も行なっています。
 他に、岩船・村上地域で活動をしている自然愛好会に協力する形で、様々な自然観察会にも参加し、地域の山や川、海等で植物や地質、昆虫や小動物についての研修をしています。そして、地域の魅力ある素材を授業に活かせるよう研鑽を積んでいます。
 以上のように、今年度も様々な研修を行っていきたいと考えています。

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「サークル活動」
二王子の会
新発田市立本丸中学校
星野 勝紀

 「二王子の会」は、新発田市・胎内市・阿賀野市・聖籠町の中学校に勤務する理科教師を中心とした研修サークルです。
 「自然に触れることを通じて、理科教師としての資質を高める」こと、そして「理科を教える者同士のネットワークを広げ、教材や地域教材に関わる情報交換を行う」ことを目的として、平成15年に発足しました。
 地域の自然の特色を活用し、生徒の自然に対する見方や考え方が豊かになる指導ができるように、地質、植物などの野外研修を行っています。
 また、教材研究を行い、教材の製作や生徒の学力向上に有効な教材の使用方法などについて検討を行っています。
 最新の情報や今日的話題の情報交換をするとともに、生徒の学力や科学リテラシーの向上につなげられるように研究を進めています。

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「サークル活動」
北新・理科を語る会
新発田市立住吉小学校
渡邊 幸太

 以前から、「理科を語る会」として活動していたサークルです。新発田市の教員が中心となり活動していました。現在は、小学校と中学校で分かれ、月に1回程度、主に新発田市を会場に活動しています。 「新学習指導要領にそった理科学習指導の工夫・改善」〜『感じ・考え・実感する』理科授業の創造〜をテーマに、指導内容の資料収集、指導案の作成や検討、教材研究、教材開発等の活動を行っています。また、クラブ活動や短時間でできる簡単実験の情報交換や実技実習など、子どもたちの理科への興味・関心がわくような活動もしています。今後、中学校理科サークルと協力・連携し、お互いに学び合う活動も始めていきます。

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「サークル活動」
三市中東理科教育研究会
五泉市立村松小学校
菊池 直和

 「いきいき、のびのびを支える教員の手だて」を研究主題とし、一人一人が自己の実践力を高めるため、主体的に研修テーマを設定して日々の指導に励んでいます。今年度は4回の定例会を計画・開催し、日々の実践の成果や課題を発表しています。発表では、新たな視点や、発表者も気付いていなかった成果も教えてもらえます。課題に対しては、参加者全員で解決法を考えたり、過去の実践例などからヒントを得たりすることができます。発表者が一番得をする会となっています。
 また、毎年野外研修を行い、地域の自然を知る機会とするとともに、各会員の見聞を広げています。昨年度は胎内星祭りに参加し、星に関する知識を深めてきました。今年度は、柏崎刈羽原子力発電所を見学し、防災教育の視点からも放射線について学びます。年に一度は野外研修を行い、理科教師としての成長を確認する機会となっています。

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「サークル活動」
c
三条市立一ノ木戸小学校
石原 淳一

 三条・見附・加茂・田上を中心に、地元に住む他地域勤務者も参加できる心地よいサークルです。理科教員としての資質向上を図ることを目標に活動しています。
 活動は不定期ですが、今年度は、8月から2月までに年間6回程度の活動を予定しています。主に三条市を会場に活動します。
 例年、教育研究発表会に向けた指導案や授業実践の検討を通して、教材や授業に関する情報交換を行い、授業力向上に努めています。その他、講師を招いて植物や地質などのフィールド研修を行ったり、理科教育に関する講演会で最新の理科教育の方向性を学んだりしています。
 年に1回は懇親会も開催し、指導者の先生も交えながら会員同士で親睦を深め合っています。

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「サークル活動」
じねんの会
長岡市立南中学校
小林 秀樹

 長岡地区を中心として活動しています。自然に親しみ、今後の理科教育について共に考えるサークルです。春と年度末に総会を開き、年6回程度の活動について会員相互で話し合い、共通理解の基、活動しています。活動は、地域に根差した理科教育の在り方や理科の楽しさや面白さを探究することをねらいとしています。主な活動は、「授業・教材研究」と「フィールドワーク」です。授業・教材研究では、授業実践で成果のあった教材を紹介したり、研究成果を発表したりし、研鑽を積んでいます。また、教育研究発表会の検討会も兼ねて、ファシリテーションの手法を取り入れながら、学び合っています。フィールドワークでは、植物観察を兼ねた登山をしたり、水族館などの施設見学をしたりしています。
 研究教科が理科の方だけでなく、理科に興味をもっておられる方も大歓迎です。

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「サークル活動」
魚沼の結晶
魚沼市立小出小学校
中村 晋二

 魚沼・小千谷地区を中心とした、理科教育のサークルです。2〜3か月に1回、不定期に年6回程度で開催しています。「科学が好きな子どもを育てる」という共通の目的の下、活動をしています。
 今年度は、実践発表とその検討に重点を置いた研修を行います。実践発表を基に、よりよい学習指導を行うにはどうすればよいか、求められる理科授業とは何かを考えるなど、一つ一つの実践を大切にして議論を重ね、より質の高い授業を目指して切磋琢磨し、授業力を高め合います。
 子どもの自然に対する素朴な見方・考え方から、主体的・対話的な学びを通して、子どもの自然についての理解を深めさせ、自然に対する見方を科学的な見方へと変えていきたいです。「科学って面白い」、「理科って楽しい」という子どもを育てたいです。

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「サークル活動」
まんさくの会
十日町市立南中学校
福原 朗

 津南町・十日町市の教員を中心とした理科サークルです。活動は毎月第3木曜日を基本とし、年10回程度集まり研修を行っています。
 研修の主な内容は、地域の自然観察、観察実験体験、授業案の検討です。
 当地域には、苗場山麓ジオパーク、松之山ブナ林、河岸段丘など素晴らしい自然素材が多数あります。観察会では、地域の自然に改めて感動したり、新しい発見をしたりしています。
 観察実験体験では、授業などで児童生徒の興味を引き出し、自ら「やってみよう」と思う観察実験を、講師から教えていただいています。
 そして、ここ数年最も力を入れているのが、授業案の検討です。授業の構想から実際の授業まで、意見を出し合いながら検討しています。

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「サークル活動」
魚沼理科サークル
南魚沼市立城内中学校
影山 裕一

 湯沢町・南魚沼市の教員を中心として、@地域のすばらしい自然に親しむこと。A理科の授業力を高めること。の2つに重点を置き、活動を行っている理科サークルです。
 特に@では、苗場山をはじめとした2000m級の山々、霊峰八海山、そして南魚沼の基盤となる魚沼層などを中心とした地域の成り立ちなどについて研修しています。
 また、Aの授業力の向上では、「指導案検討会」、「指導に有効な教材の紹介」、「指導法の紹介」など、すぐに授業に役立つ情報を各自が持ち寄りながら充実した研修会を行っています。
 私たちのサークルでは、「若手教員とベテラン教員がそれぞれ意見を出し合い、共に高め合えるサークル活動」の実現に向けて日々サークル活動の充実に向けて、取り組んでいます。

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「ときわ教育奨励賞」
科学的な根拠を明確にし,現象を説明できる生徒の育成を目指して
五泉市立山王中学校
荻野 伸也

 科学的な根拠をもとに現象を説明させるための手立てについて仮説検証研究を積み重ね、その成果を全国レベルの学会に発信している。
 実践研究者としての取組にとどまらず、学校や地域の理科教育の振興・発展、理科教員の指導力向上への貢献が期待できる。

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「ときわ教育奨励賞」
佐渡島内の理科教育振興に向けた取組の充実について
佐渡市立八幡小学校
大蔵 武彦

 理科教員として教材研究に励み、授業公開を通して自らの授業改善を積極的に提案しており、教育実践者としてのよきモデルとなっている。
 理科センター協力員のほか、佐渡島内の理科サークルの活性化に積極的に取り組み、理科教員の授業力向上への貢献度も高く、今後もその活躍が期待できる。

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「教科等研究セミナー」
主体的・対話的な学習を目指した手立ての工夫による表現力の育成
新発田市立本丸中学校
長谷川 直紀

  これまでの私自身の授業を振り返ると、生徒の目的意識が不十分なまま授業を進めていることが多く、結果としてノートやレポートの考察の記述に深まりが見られないといった課題を感じていた。そこで、この現状に対し本研究では、理科における「探究する」ことをアクティブ・ラーニングの視点でとらえ、以下に示す手だてを講じて生徒の表現力の育成を目指した。
1 W型問題解決モデルをもとにした課題設定(主体的な学習へ向けて)
 W型問題解決モデルをもとに、学習内容に関する事象の情報を得るための「観察」と、獲得した情報から仮説を立てて検証する「実験」の2段階に活動を分けて授業を計画した。
2 課題に正対したまとめを考えさせる(対話的な学習へ向けて)
 学習を通して課題を常に意識し続けるために、ノートやレポートの指導においては、課題とまとめ(考察)が正対するように指導をした。また、書くことが苦手な生徒に対しては、まとめに何を記述すべきか班内で話し合う場を設定し、他者の考えを聞くことで手がかりを得られるようにした。
3 自身の学びを振り返る場面を設定(自身の学びのメタ認知へ向けて)
 自分自身の学びを振り返る場面を設定するために、章の前後で行う「before&after」と授業での学びを継続的に記録する振り返りシートを用意した。日々点検しコメントを返すことで、学びの振り返りを習慣付けるようにした。
 以上の手だてにより、レポートの考察欄や章末の振り返りシートの記述を分析したところ、授業で得た知識を盛り込みながら課題と正対した記述ができる生徒が全体の9割程度まで増加した。今後も継続して実践を続け、長期的な指導による成果について検証していきたい。

<参考文献>「発想法」/川喜田二郎.中央公論社.1967
<参考文献>「W型問題解決モデルに基づいた科学的リテラシー育成のための理科教育に関する一考察―問題の把握から考察・活用までの過程に着目して―」/五島政一・小林辰至.理科教育学研究 vol.50.2.2009

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「教科等研究セミナー」
科学的な根拠を明確にし、現象を説明できる生徒の育成を目指して
〜中学校3年「化学変化とイオン」において4つの手だてを用いた実践〜
五泉市立山王中学校
荻野 伸也

  理科の学習において、科学的思考力・表現力・判断力の育成は重要な要素である。しかし、本校生徒の実態をレポート記述やアンケートから分析すると、考察時に直感や既有の科学的概念と観察・実験結果を結び付けていない実態が明らかになった。
 そこで、生徒が根拠を明確にできると考える手だてを4点を導入することにした。導入した手だては、「1枚ポートフォリオ評価」、「スモールステップのワークシート」、「ワールドカフェ」、「視覚的に捉えられるツール」の4点である。2年間、中学校3年「化学変化とイオン」の単元において、この4点を用いた実践を行った。

1 研究1年次(手だての有効性の検証)
 手だて4点を取り入れた授業において、生徒のワークシート記述を分析すると、根拠となる知識や科学的概念が全て記述されていた生徒の割合が、平均80%以上であった。さらに、各手だての有効性を、ワークシート記述との相関や、プロトコル分析から行った。その結果、それぞれの手だてを活用して、生徒が現象の根拠を見いだしていることが明らかになった。生徒が、現象の根拠を明確にする上で、手だて4点は有効であると立証できた。
2 研究2年次(手だてを利用した説明活動の充実)
 2年次は、手だて4点を活用しながら、生徒一人一人が他者に説明する活動を導入した。他者への説明活動は、「主体的・対話的で深い学び」を促すことにつながる。評価方法を工夫しながら実践を重ね、生徒の変容を分析した。分析の結果、多くの生徒が、現象の根拠を明示しながら他者に説明していく姿に変容していった。
 本研究で、導入した手だて4点は根拠を見いだす上で有効であると立証できた。さらに、説明活動を充実させることで、生徒が根拠を意識して事象を捉える姿に変容していくことが明らかになった。今後、他の単元でも実践を積み重ね、「主体的・対話的で深い学び」を促していく。

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「教科等研究セミナー」
誤概念定着を解消する理科指導
新潟市立巻北小学校
江端 卓

 これまで、理科の実践をしていく中で感じられた児童の姿は以下の通りである。
 「見ることができる現象だけに目を向けてしまい、そこにとどまってしまう。自然の事物・現象に詳しく迫ろうとしたり、それらの仕組みについて考えたりすることがないと、表面的な理解で満足してしまう。そのため、条件が変わったり、場面が違ったりしてしまうと、説明できなくなる。」
小学校4年で学習する目に見えない事象の理解は、実験結果を説明するだけでは十分ではない。また、児童がもつ誤概念は日常生活から得られたものが多く、なかなか変容しにくい。
これを解消する手だてとして、小学校4年理科「水の3つのすがた」「ものの体積と温度」において、観察実験を行うとき、次のような働き掛けを行った。
1 予想や結果を吟味させるために、比較する観点を提示する。
2 目に見えない変化は、ホワイトボード上で、モデル図を用いて表現させ、その内容を説明させる。モデル図は粒(大きさや形の変化)と矢印(動く方向と強さ)で表す。
3 予想や結果について、小集団でリレー形式の説明活動を行わせる。
4 実験結果とその説明をもとに、他の関連する事象へ適用させる。
比較する観点をもとに、個人でモデル図を作成させ、小集団の中でそれらを検討させたことで、児童の思考が修正されたり、補完されたりした。また、リレー形式で説明活動を行わせたことで、全員参加の意識が高められ、学習を自分事として捉えさせることができた。さらに、他の事象へ適用させることで、児童は、新たに獲得した概念を確かなものにすることができた。
一方で、課題は以下のことが考えられる。
・導入場面で学習課題の共通理解を図ること。
・机間指導での児童理解と、教師の言葉掛けの精度を上げること。
・児童同士が、互いの考えを聞き合い、妥当性を検討できるような小集団の仕組みを作っていくこと。

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「教科等研究セミナー」
観察・実験の結果に即した考察が書ける理科指導
新潟市立漆山小学校
豊岡 篤

  TIMSS2011では、理科において記述式の問題の正答率は51.4%で、半数近くが正答できていない結果となった。また、平成24年度に実施された理科における全国学力・学習状況調査では、「科学的な思考・表現」に関する評価が重視され7割の問題がこの評価に当てられていたが、平均正答率は57.8%であった。この調査の報告書の中で、理科において「観察・実験の結果などを整理・分析した上で、解釈・考察し、説明することなどに課題がみられる」と示された。
 知識はしっかりと身についているが、それを用いて科学的に説明したり、論述したりすることを苦手とする児童は多い。特に考察場面では、実験・観察で得られたデータを使っていなかったり、科学的な用語を正しく使えずに、論理的な文章になっていなかったりしている。
 そこで、考察において実験・観察から得られた結果を正しく使い、科学的な論述が書ける児童を育てるために、データの読み取りの工夫をしたり、話合いを通してデータと文章の整合性を確認したりして、考察を書くことができるようにする。
 次の3点から解決に迫った。
1 結果の整理
 これまでの実践から、予想や結果の整理の場面で、他者の結果と比較をしやすくすると規則性や法則を見付けやすいことが分かった。他の単元でも同様にまとめることができるか検証するとともに、考察への記述につなげるために実験結果にある共通の数値や現象に着目させた。
2 話合い活動
 話し合うときに、自分の考えを伝え合うだけの話合いになっていることがあった。そこで、話合う論点を、「実験の結果が正しく述べられているか」「結果から分かったことが妥当か」として、話し合いを行う目的を明確にした。
3 「科学のことばブック」の作成
 振り返りの場面で、新たに出てきた科学用語を単元ごとにまとめた。単元を通して繰り返し科学用語を確認し、使用することで知識の定着につなげた。
 児童の考察を書くための支援となったが、まだ論理的でない考察を書いている児童もいる。実験結果を正しく解釈し、考察を書くことができる児童を育てるために、これからも研究を続けていく。

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「教科等研究セミナー」
どの子も自分の考えを記述できる理科指導
長岡市立大河津小学校
吉田 航

  国際学力調査の結果から、思考力・判断力・表現力を問う、記述式問題に課題があることが指摘されている。これまでの私の指導は、考察等の記述の場面に力を入れてきたが、不十分な記述が多い状況であった。また、理解は十分であっても、なかなか記述ができないという児童も多く見られた。
 これらから、児童全員が自分の考えを記述できることを目指し、次の2点から解決に迫った。
1 単元を貫く言語活動の設定
 何のための実験か、何のために考えを記述するのかが明らかになるよう、単元を貫く言語活動を設定した。単元の導入時に中心課題を設定し、振り返りの際には中心課題についての考えを書かせるようにしていった。書く目的を明らかにすることで、見通しをもたせることと意欲の継続を図った。
2 つぶやき(自分の思い、考え)を記述できる付箋の活用
 実験や観察をする際、縦2.5cm、横7.5cmの大きさの付箋を用意し、1枚の付箋に1文か1単語を記述するようにした。記述の内容を、事実・感情・疑問に分類し、付箋の端に記号を書かせた。簡単にメモできることから、書くことへのハードルを下げ、考察や振り返りでの記述の材料となることをねらった。書いた付箋はグループ内で見せ合うことも行った。
 単元を貫く言語活動を設定したことで、児童は目的意識をもって実験に臨むことができた。実験場面だけでなく、考えを記述する場面や考えを交流する場面でも意欲的に取り組む様子が見られた。付箋を活用したことで、普段はなかなか考えを記述できない児童が積極的に記述していく姿が見られた。また、記述の内容を分類させたことで、児童は、実験結果を予想と繋げて考えたり、次時への見通しをもったりすることができた。付箋に1文、1単語という制限を設けたことで、書いた内容を整理しやすくなり、まとめて記述する際に有効であった。
 児童全員が記述できるようになってきたが、「科学的」という点で不十分な児童もいる。また、単元を貫く言語活動は有効に働く場面もあるが、児童に身に付けさせたい力や考え方から、更に有効なものになるよう、活動内容を熟考していく必要がある。

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「教科等研究セミナー」
習得した知識・技能を活用する児童をはぐくむ理科指導
燕市立燕東小学校(上越教育大学大学院)
橋本 直信

  中教審の教育課程企画特別部会は、新しい時代に必要となる資質・能力の1つとして、「知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)」を挙げている。つまり、習得した知識・技能を活用する力が求められている。私は、次の2つの手だてを用いて実践を行った。
1 児童に見通しをもたせる課題提示と教具の工夫
 私の今までの経験では、習得した複数の知識を組み合わせて考える問題や日常生活に置き換えて考える問題になると、答えられない児童が多かった。これは、児童が学習した知識・技能をどう使っていいのか見通しをもつことができていないことが原因であると考えられる。児童は見通しをもつことができれば、課題解決に向かうことができる。そのためには、課題やその提示方法を工夫し、見通しをもたせる必要がある。また、課題を解決するためのツール(教具)があればなおさらである。そして、課題を解決していく中で、習得した知識・技能が課題の解決に役立つよさや日常生活との結びつきを実感することができると考えた。
2 自分の考えを深める3つの説明活動
 1つ目の説明活動は、個人➡班(教師)➡全体とスモールステップで行う説明活動である。班での話合い、または教師への説明を挟むことで、自分の意見に自信がもてなくても、班の友達の意見を聞いて自信を得たり、意見を変えたりしながら自分の考えを確定することができる。2つ目の説明活動は、ネームプレートを活用し、自分の立場を示して行う説明活動である。ネームプレートを活用することで、全員が自分の立場を明確にし、課題解決を行うことができる。3つ目は、班で協力し、全員が参加する状態を作り出す説明活動である。教師に説明し、合格をもらわないと実験できないというルールを作る。教師に説明する際、班の誰が指名されても説明できるようにしておくことを事前に話し、他人事ではいられない状況を意図的に作る。
 以上の3つの説明活動を状況に応じて選択したり、組み合わせたりすることで、自分の考えを深め、習得した知識を活用する力をはぐくむことができると考えた。

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「教育実践」
専門性を生かし、学校を活性化させる「サイエンスコーディネーター」
〜意欲的な職員集団の育成と理科好きの児童を目指して〜
新潟市立早通小学校
斎藤 隆

  新潟市立早通小学校は、昨年度まで新潟県小学校教育研究会から理科の指定研究を受けていた。私は、教務主任をしながら「サイエンスコーディネーター」という立場で理科教育の推進に力を入れている。「サイエンスコーディネーター」とは、理科の指導経験が少ない職員や理科指導に苦手意識をもっている職員を支援する役割を担う校務分掌である。各学級の支援ができるよう、生活科・理科にTTとして入る時間を確保している。実践を通して、意欲的な教師と理科好きの児童を育てたいと考えた。
 「サイエンスコーディネーター」としての取組は以下の視点で実践してきた。
1 職員の負担を軽減する取組
 教材園整備の支援・観察の支援・授業準備の支援
2 職員の指導力向上と理科の授業を充実させる取組
 単元を通したTTで担任の指導力向上を図る・部分TTで担任の指導を支援
3 意欲的な職員集団の育成を図る取組
 教材研究を一緒に行うことやバックアップの会で担任の思いを具体化し授業をつくる支援
4 理科好きな児童を増やす取組
 教務室前の廊下に「理科コーナー」を設け、季節の変化に応じた展示の継続サイエンスコーディネーターとして実践したことについて、研究大会でアンケートを行った結果、参加者から100%の肯定評価を得ることができた。さらに、次のような成果が見えてきた。
1 意欲的な職員集団を育成することができた。
2 自然に興味・関心をもつ児童を増やすことができた。

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「教育実践」
生徒の思考力・判断力・表現力を高める指導
〜予想の交流場面の工夫を通して〜
新潟市立光晴中学校
山田 裕

  生徒が理科の実験・観察に主体的に取り組むためには、生徒に目的意識をもたせることが大切だと考える。私の授業を振り返ると、実験・観察の目的が分からず結果を見落としたり、考察で何を考えてよいか分からなくなったりする生徒がいた。このような目的意識をもてずに実験・観察に取り組ませていると、生徒の思考力・判断力・表現力を高めることは難しい。
 そこで、生徒に目的意識をもたせ、思考力・判断力・表現力を高めることを目的として、実験・観察の予想を交流する場面を次のような手だてで工夫することとした。
1 予想の交流方法の工夫
 まずは生徒の立てた予想を交流させる。予想の違いから、根拠や考え方の違いに注目させ、根拠や考え方も交流させる。交流によって自分の考えを強化したり、考え方の妥当性を判断したり、自分の表現を工夫したりするなどして、説得力のある説明に変わっていく。
 また、ワークシートを工夫し、じっくりと考えられるようにした。交流後の考えを記入する欄を設け、意見の変更を肯定的に捉えられるようにした。
2 予想を仮説に高める手だて
 実験や観察で生徒全員が仮説を立てられるわけではなく、なんとなくそう思った、という生徒も必ずいる。この生徒に既習事項を確認させたり、生活体験で似たようなものがないかという視点を与えることで仮説を立てる支援とした。
 また、予想の交流を行わせることで予想の違いに気づかせ、その予想を考えた理由を引き出し、予想を仮説に高められるように指導した。
 交流後には自分の予想や仲間の考えに対して根拠を探したり求めたりする姿が見られ、思考力や判断力の高まりが見られた。ワークシートの記述も理科用語などを適切に用いて表現する生徒が増加した。

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「教育実践」
コンセプトマップを用いた根拠に基づく考えを引き出す指導の工夫
聖籠町立聖籠中学校
石井 喬志

  本研究で用いたコンセプトマップとは概念地図のことである。概念につけられている言葉を「概念ラベル」、そのつながりを表す言葉を「リンクワード」として、この2つを用いて図式で視覚的に表したものである。作成する活動を通して、語句と語句の関連性が整理され、既習事項の習得につながると考えた。また、本研究では科学的に探求する能力の考え方として、「根拠をもって自分の考えを表現すること」とし、それができていけば科学的に探求する能力の基礎と態度を育てられるとした。
 しかし、これまでの私自身の授業を振り返ると、一方的な知識の伝達になっていたり、観察・実験で考えをまとめる時間を十分に取らなかったりと科学的に探求する能力を育てるための授業とは言えなかった。そのため何のための観察・実験か分からずに活動を進めていたり、得られたデータをもとにした考えをまとめられなかったりしていた。結果として仮説や考察に対する考えの根拠ももてていない生徒が多かった。そこで、本研究では以下の手だてを講じ、研究を進めた。
1 既習事項を整理させるためのコンセプトマップの作成
 手順として、まずは各自で考えをまとめる。次に班で見せ合い、参考になったことを書き加えていくといった「個→グループ→個」といった流れを大切にして行った。
2 根拠に基づく考えを引き出す課題設定の工夫
 課題解決の際に、既習事項を用いて考えることができる課題設定を心掛けた。そうすることで、既習事項を整理したコンセプトマップを利用し、根拠を明確にして、自分の考えを述べられるように工夫した。
 これらの実践を通し、生徒の理解に対する自己評価や定期テストでの結果、そしてワークシートの記述にも変化が見られていった。生徒の中で既習事項が整理されていけば、既習事項を用いて新しい課題に対して取り組もうとする姿勢が育まれ、根拠に基づく考え方を引き出せると言えるであろう。

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「教育実践」
化学変化を粒子で語ることができる生徒の育成
〜対話の多様性とメタ認知を通して〜
加茂市立加茂中学校
松原 智加

  これからは学んだ内容を活用する力を身に付け、変化の中に活きる社会的存在としての生徒を育成していく必要がある。生徒が主体的に学習に取り組み、学んだことを生徒自身の中で内面化させ確かな学力とするために、段階的な学びの確認(振り返り)を行い、客観的に自分自身の考えを認識するメタ認知をうまく働かせていく。肯定的なメタ認知ができていけば、自己肯定感が育まれ、学習意欲も持続されると考える。また、生徒の発言や授業ごとの振り返りを基に生徒に対応した単元構成を行い、より学習内容の深い理解につなげていく。
 これらを基に本実践では、化学の分野で「粒子」という概念を柱に、実験で目の前に起こる化学変化の事象を原子分子という粒子で考え、語ることができる生徒の育成を目指した。
 具体的には次の3点から取り組んだ。
1 「粒子」を柱とした単元構成と教材の工夫
 「粒子の存在」から始め、物質が全て原子や分子でできていて記号で表すことができ、次の「粒子の結合」では化学反応全てが化学反応式で表される。しかしここで次に「粒子とエネルギーの関係」の学習が入ると、原子の種類や数が変わらないから「質量が保存される」までの理解につながりにくいと考えた。以上のことから、「粒子とエネルギーの関係」を間にはさめずに、「粒子の結合」から「粒子の保存」へと授業をすすめた。
 また、予想の段階で原子カードを使って考え、実験で検証し、原子モデルで考察を行い言葉でも表現させる。この学習の流れをセットにして単元の学習を進めた。そして化学変化による質量の関係を粒子で考えられるようにし、化学変化を粒子で語れるようにした。
2 段階的な学びの確認
 振り返りを重ね、肯定的なメタ認知を行い、次の学びへの意欲をもたせるために段階的に学びの確認を行った。授業ごとの「1分振り返り」、単元の途中での「イメージマップ」、単元後の「イメージマップ」「振り返りレポート」である。生徒自身が学びの確認を行うとともに、教師自身も生徒の思考の変化や深まりをみて授業や単元構成を考える基とした。
3 多様な対話
 他者との対話の中で自分を見つめることで学びの確認ができメタ認知につながる。「1分振り返り」で教師がコメントを返すことで自分の学びの確認を行う。また、グループでの話合いやクラスでの発表を見たり聞いたりして他の考えに触れることで自分の考えの広がりや深化を図らせる。そしてそれらを振り返りで表出することでメタ認知し、化学変化の事象を粒子で語ることができるようにさせた。

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「教育実践」
身近なものに目を向け、学んだことを活用する生徒の育成をめざして
〜学習内容と日常生活を関連付ける学習場面の工夫〜
見附市立南中学校
早田 浩延

  国立教育政策研究所が示した、「教育課程の編成に関する基礎的研究」の報告書において“21世紀型能力”が提案され、これからの教育の課題として、「知識・技能の習得だけでなく、日常生活において、知識・技能を活用して問題を解決できる力」を育成することが重要だと言われてる。そこで単元の終末に、身近な自然や日常生活の中にある自然事象とのかかわりを設定し、学び得たことを活用する生徒を育成するために次の3点の手だてを講じた。
1 学び得たことを活用するための課題の設定
 単元を通して学習してきたことを、身近なものに目を向け、活用するための場を設定した。またそれをグループでの課題解決に努めた。
2 仲間とのかかわりを通して、理解を深め、新しい発見ができるための工夫
 グループでまとめる活動を通して、考えを交流させて、課題解決をするために話合いを行った。また他のグループとの交流の時間を確保し、意見交流から理解を深め、新しい発見ができる場を設定した。
3 自分の見方や考え方が変化した視点について考える個の振り返り
 学習前の日常生活での見方と学習後の見方を自分の言葉で振り返る活動を取り入れ、グループごとに交流させ、見方や考え方が変化した視点を基にグループの発表を行った。
 日常生活の中に、理科の学習で養うことができる「もの」の見方や考え方を生かせる場面はたくさんある。知識だけでなく、実際の生活の中で考えたり、活用したりすることができる理科教育を、今後の研究で目指していく。

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「教育実践」
粒子モデルを使いながら、自分の考えを確かにしていく授業の取組
長岡市立旭岡中学校
櫻井 真郷

  「粒子」にかかわる学習を2年間にわたり授業実践した。その取組ついて報告する。対象の生徒は、粒子にかかわる分野に苦手さを感じている。また、自分の考えを図や言葉にすること、それを用いて相手に伝えることに苦手さを感じている。このような生徒の実態を受け、「粒子」にかかわる学習を通して、生徒がこれまでの学習を生かし、自分の考えを表現し、相手に伝えることができる授業づくりに取り組んだ。
 1年目は中学校区の小学校と連携し、小学4年と中学1年が「粒子」を題材に授業を行った(ただし、小学4年から中学1年まで継続して指導した実践ではない)。中学1年で学習する状態変化にかかわる単元では、小学校の学習内容を振り返ったり、必要に応じて確認したりする場面を設けながら学習を進めた。この取組から、次の2つの成果が得られた。
1 これまでの学習を振り返ることの有用性
 小学校の学習の振り返りの場面では、生徒の出身小学校が異なっていることから、振り返りを通して小学校で学習したことを確認し、また、必要に応じて補足した。これにより、これから始める学習のスタートをそろえ、学習内容を意識させることができた。
2 繰り返し学習して、見通しをもつ
 生徒が学習への見通しをもつことができるよう、学習の進め方をパターン化し、繰り返し取り組ませた。状態変化の学習では、物質の状態を粒子モデルを使って説明することが大切なので、次のような手順で学習を行った。
 @自分の考えをもつ
 A実験班で考えを発表する、自分の考えをもてなかった生徒がいた場合は生徒同士で教える
 B考えを発表する場面を実験班から学級へと拡大する
 C自分の考えを整理する
 パターンを繰り返し、固体から液体、液体から気体への状態変化の学習を行った。また、粒子モデルを使う場面を増やしたり、「みんなで分かるようになろう」と繰り返し生徒に働き掛けたりした。
 2年目は、1年目の成果を、原子・分子の学習へと適用した。化学変化にかかわる単元では、生徒実験が増えることから、実験結果を予想したり、実験の手順を考えたり、結果を整理や考察したりすることを個人や実験班で繰り返し行った。また、実験結果を振り返り、次の実験を行うことを意識させた。
 この2年間の取組を通しての成果として、これまでの学習を生かし、学習のパターンを繰り返すことで、次第に見通しをもち自分の考えを表現することができるようになってきた。また、自分の考えに自信がもてる生徒も増えてきた。その一方で課題も明らかになった。ある程度のパターンの中では、自分の考えを表現できるが、結果を組み合わせて新たな考察を組み立てるには十分ではなかった。

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「教育実践」
俯瞰的な視点で生命維持の仕組みを理解させる指導
〜消化・吸収・排出を「細胞呼吸」と結び付ける学習を通して〜
長岡市立南中学校
宇尾野 卓巳

  生命尊重の概念は教科をはじめ、あらゆる教育活動の中で育んでいくべき重要なものである。中学校2年「動物の体のつくりと働き」においても消化・吸収・排出の学習を通して生命維持に目を向けさせることとなっている。生徒にとって覚える用語が多く、断片的な知識の記憶になりがちな本単元で、全身の器官が関係して生命を維持していることを理解させることを目的とし、次の2つの手だてからその解決に迫った。
1 毎時間の学習を「細胞呼吸」と結び付けてワークシートに記録させる
 各器官の働きがすべて生命維持につながっていることを理解させるため、細胞がエネルギーを取り出すこととどのように関係しているかを毎時間記録させた。
2 モデルを操作して消化・吸収・排出の流れを説明させる
 ブラックボックスである体内で起こる消化・吸収・排出を、細胞がエネルギーを取り出すための一連の流れとして理解させるために、モデルを操作して食物を取り込んでから排出されるまでの流れを説明する場面を設定した。
 生徒のワークシートの記述内容や発表の様子から、各器官の働きと「細胞がエネルギーを取り出すこと」が関係していることを結び付けることができているかを見取り、検証した。

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「教育実践」
思考ツールを活用した、多面的に推論する力を高める指導の工夫
小千谷市立南中学校
石田 幸弥

  「平成27年度全国学力・学習状況調査」の結果では、基礎的・基本的な知識・技能を活用し、グラフ・資料などに基づいて、自らの考えや他者の考えを検討して改善することに課題があると報告されている。当校でも、実験・観察を行う場面では、意欲的に取り組む生徒が多数いる反面、問題解決への見通しがもてず、実験結果を整理し、実験結果からの分析、解釈に不十分さを感じる生徒がいる。
 また、アンケートの結果から、生徒の実態として、話合いを行うことで理解が深まると肯定的な回答する生徒は44%であった。しかし、自分の考えに自信がもてなかったり、課題に対し意欲をもって取り組めなかったりし、発言や考察をしようとする生徒の割合は28%と低くなっていることが分かった。それらの要因として、事象に対して自身の考えが混沌とし、考えが整理されていないことが考えられる。そこで、次の2点から解決に迫った。
1 思考ツールを用いた思考の表出
 主に実験の予想場面、実験方法や観察方法の検証場面、結果の分析・考察の場面で、思考ツールをくり返し用いた。自分の考えを視覚化することにより、活動への自信をもたせる工夫を行った。
2 他とかかわる場の設定
 思考ツールなどを用いながら、ホワイトボード等を利用し、他とかかわる場面を意図的に設定した。主に実験の予想、実験方法や観察方法、結果の分析・考察の場面で、個人で考えた思考ツールを基に、班で話合いを行った。
 生徒は、思考ツール等をくり返し使用することにより、自身の考えを視覚化し、多面的に推論することが容易になった。思考ツールを用いての話合い活動が、多面的に推論する力を高める効果を生み出していることが見えてきた。
 今後は、第2学年「化学変化と原子・分子」の実践を繰り返し、より効果的な指導方法を追求していく。

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「教育実践」
理科を学ぶ意義と社会生活とのつながりを考えた授業の工夫
〜理科教育におけるキャリア教育の実践を通した基礎的・汎用的能力の育成〜
新潟県立柏崎翔洋中等教育学校
石田 渓介

  現代の生徒が成人して社会で活躍する頃には、生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会や職業の在り方そのものが大きく変化する可能性がある。厳しい挑戦の時代を乗り越え、伝統や文化に立脚し、高い志や意欲をもつ自立した人間として、他者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り拓く力が必要になってくる。そのために、学校教育を通じて、組織的・体系的なキャリア教育の必要性が挙げられている。
 キャリア教育の中でも、私は「基礎的・汎用的能力」の育成が重要であると考えている。「基礎的・汎用的能力」として、多様な生き方に関する様々な情報を適切に取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく力(キャリアプランニング能力)や、仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を立ててその課題を処理し、解決することができる力(課題対応能力)などが挙げられる。これらは、学校教育の中ではもちろん、学校教育の後に迎える社会生活に欠かせない力であると考える。
 本校中学校2年生は「今やっている理科の学習は自分の将来や社会生活に役立つと思いますか」という質問に対して、36%の生徒(81名中26名)が「役立たないと思う」「あまり役立たないと思う」と回答している。その理由としては、「自分の将来就きたいと思う職業(文系)とのつながりを感じない」「一部の職業では役立っても、他の職業では役立たない」「理科の公式を知っていても普段の生活で考えることはない」などが挙げられた。約1/3の生徒が、学校での理科の学習と社会生活とのつながりをイメージできていないと感じている。
 そこで、本研究では、理科の学習において、キャリア教育の視点を取り入れ、観察・実験の場面で、理科と社会生活とのつながりを考えさせながら授業を展開していくことで、生徒に「基礎的・汎用的能力」を身に付けさせることを目指した。

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「ときわ教育奨励賞」
専門性を生かし,学校を活性化させる「サイエンスコーディネーター」
〜意欲的な職員集団の育成と理科好きの子どもを目指して〜
新潟市立早通小学校
斎藤  隆

 長年にわたり,天文分野を中心として理科指導の研究実践を積み重ねてきており,新潟県,新潟市の理科教育振興にも授業実践の発表,指定研究の牽引役として貢献しており,「サイエンスコーディネーター」としての実践と成果はその集大成ととらえることができる。
  理科指導に苦手意識をもっている職員を支援することにより理科の授業を充実させ,理科好きな子どもを育てることに大きく貢献しており,「チーム早通小学校」としての職員集団の意識の高揚にも寄与している。今後の成果と普及が大いに期待できる実践である。

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「教育実践」
W型問題解決モデルを用いた生徒の表現力を育成する指導の工夫
胎内市立中条中学校
長谷川 直紀

 W型問題解決モデルとは、文化人類学者の川喜田二郎によって考案された問題解決の手法であり、生徒の活動を思考レベルと経験レベルの2つに分け、「観察」と「実験」の2段階で問題解決を行うものである。これまでの自分の授業を振り返ると、1つの学習内容に対し解決のための活動を1回の観察または実験で進めていた。これに対しW型問題解決モデルをもとに、事象の性質やしくみを把握するための「観察」と、「観察」で獲得した知識をもとに仮説を立て検証する「実験」の2段階に分けて授業展開を見直し課題を設定した。このモデルの活用を通して「観察」の段階で獲得した情報をもとに,生徒自身が課題を自分のものとして捉えた「実験」を行うことができた。
 また、本研究ではレポートの考察欄の記述が生徒の科学的な見方や考え方を最も表出させる部分であると考えた。そこで、レポート指導においては、考察欄に実験結果を根拠として記述し、課題と正対した結論を記述するように指導した。
 研究の結果,実験レポートの考察欄の記述に生徒の表現力の高まりが認められ、W型問題解決モデルの有効性を実証することができた。

<参考文献>「発想法」/川喜田二郎.中央公論社.1967
<参考文献>「W型問題解決モデルに基づいた科学的リテラシー育成のための理科教育に関する一考察―問題の把握から考察・活用までの過程に着目して―」/五島政一・小林辰至.理科教育学研究 vol.50.2.2009

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「教育実践」
理科におけるグラフ読解能力の育成を目指して
〜中学校1年「溶解度」の学習で用いられる曲線グラフと棒グラフによる複合グラフの読解に関する事例研究〜
五泉市立山王中学校
荻野 伸也

 本研究は、溶解度の学習などで用いられる、曲線グラフと棒グラフの両方が記載された複合グラフの読解能力に関して調査・分析を行ったものである。
  一般的に生徒は、溶解度曲線などの複合グラフに関する読解が困難な実態がある。読解を困難にする要因として、棒グラフや溶解度曲線の意味理解が不十分であることなど5つの問題点が影響している。
  そこで、問題点の解消をめざし、中学校1年生「水溶液」の単元での指導法を3年間で改善を加えながら考案し、授業を実践した。取り入れた手立ては、実際に溶解度曲線を作成する活動や、複合グラフの説明時は溶解度曲線で区切られた領域に着目させるなど4点である。
 授業実践後、実態調査で用いた複合グラフ問題4問で検証した結果、全問正答率は1〜2か月後でも高い正答率を保ち、実践した手立ての効果が立証された。また、グラフ読解能力が向上したことにより、生徒のグラフに対する意識も改革できる可能性も示唆された。

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「教育実践」
科学的な思考力・表現力を高める理科指導の在り方
〜他と関わり合いながら学び合う授業を通して〜
小千谷市立小千谷中学校
篠田 英

 これまでに私は、科学的な思考力・表現力を育成する手立てとして、生徒の興味関心を惹くような導入を取り入れたり、五感に訴えるようなインパクトのある実験を取り入れたりするなど、「教材」ばかりに焦点を当てすぎてきた。そこで今回の研究では、それに加えて生徒同士の学び合いや関わり合いを意図的に仕組み、様々な交流・意見交換を通じて自分の考えを深化できるような授業構成を考え、実践した。
 具体的には、新潟県中学校教育研究協議会が定めた「学び合い10」の中の、「ア.根拠をもとにした予想理由の検討」と、「イ.結果をもとにした考察の意見交換」の2つを手立てとして焦点を当てた。
 アは1学年の『身のまわりの物質』の中の小単元「物質の状態変化」、イは2学年の『動物の世界』の中の小単元「消化と生命を維持する仕組み」の授業の中で実践し、生徒の科学的な思考力・表現力の更なる向上を目指して、本研究に取り組むこととした。

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「教育実践」
生徒の主体的な学びを促す授業の工夫
〜複線型の追究を通して〜
佐渡市立両津中学校
堀 喜代子

 理科では、興味・関心をもって主体的に学ぶことが学力向上に大きく関わると考える。「好きだ」「おもしろい」という気持ちは大切だが、さらに強い目的意識をもち、自ら進んで観察・実験に関わり、探究しようとする生徒を育てることが必要である。課題に対して、生徒同士が関わり合い学び合うことが、自ら学ぼうとする気持ちをさらに強くするのに有効な方法である。生徒に、学習意欲を継続させ、自ら進んで観察、実験に取り組む姿勢を身に付けさせるため、次の手立てを講じた。
1 複線型の追究をさせる
 課題に対して、それを検証するための実験を考え、同じ計画を立てた生徒同士でグループを編成し、計画から実験までを行う。多様な実験を行うことができ、それに伴って異なった視点からの発表を聞くことができることで理解を深める。
2 関わり合って学ぶ場の設定
 同じ考えをもつ生徒同士でグループを作って実験を行ったり、それぞれのグループで交流・検討させたりすることで主体的な学びを促す。また、それぞれの実験で出た結果をまとめることで複線を収束させ、学習に対する達成感と知識の定着を図る。
 実験を生徒が考えた計画の基に多様な方法で行わせること、また、同じ計画を立てた生徒同士でグループを再編成することで、より実験計画・実験・考察・発表の過程を協力して行えるようにした。その結果、実験の操作確認や結果をまとめる場面で互いの意見を交換したり相違点を指摘し合ったりするなど意欲の向上が見られた。さらに、実験結果をクラス全体で共有する学び合いから、新たな課題を見つけ主体的に追究活動を継続する展開も生まれた。

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「教育実践」
生徒自ら分析し解釈する力を高める理科指導の工夫
〜定性実験における表づくりの在り方と活用方法〜
十日町市立十日町中学校
大矢 晃三

 1 課題設定の理由
 中学校学習指導要領理科編では、教科の目標として「『科学的に探究する能力の基礎と態度を育てる』ためには、自然の事物・現象の中に問題を見いだし、目的意識をもって観察、実験などを主体的に行い、得られた結果を分析して解釈するなど、科学的に探究する学習を進めていくことが重要である。」と示されている。
 私のこれまでの指導では、実験や観察に対してとても意欲的に取り組むが、目的を理解せずただ実験を行っているという実態が少なからずある。そのため、得られた結果をもとに考察することができず、同じ班の生徒の考察を書き写したり、未記入だったりする生徒がしばしば見られた。また、定量実験では、得られた結果を表にまとめ、グラフ処理し、そのグラフから傾向を考察することは比較的容易であるが、定性実験において複数の結果が得られた場合、どことどこの結果を比較して考察したらよいのか悩む生徒が多く見られた。そこで、定性実験において生徒自身による表づくりの在り方と活用、そしてそれを活かせる教材を研究し、自ら分析し解釈する生徒の姿を目指した。
2 解決の手立て
(1) 生徒自ら考察を進めていくことのできる表の工夫と活用
 生徒が自ら実験結果を分析し解釈するため、どの条件下での比較なのか、そこから何が分かるのか、というポイントを明確にして実験を進めるようにした。このポイントを考えることで、実験の見通しをもつことができる。また、どのような表にまとめるのが良いのか吟味し、工夫することで、結果を比較して考察しやすくなる。その結果、分析し解釈するための見通しが明確化されると考える。
(2) 結果の妥当性を高めるための教材の工夫
 中学校理科の定性実験では、「反応した」もしくは「反応しなかった」という両極な結果が得られることが多い。事象をより科学的に探究させるためには、両極のみならず、複数の条件下で得られた結果を総合的に考察することで、解釈する際に多くの比較がうまれる。さらに、複数の条件による比較によって結論の妥当性が高まると考える。
 以上のような手だてにより、自ら分析し解釈する生徒の育成を目指して研究を進めた。

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「教育実践」
アクティブラーニングによる化学反応における粒子概念の形成について
長岡市立小国中学校
長束 貴英

 生徒の科学的な概念の形成にあたっては、興味・関心を高める課題提示や事象の観察によって問題を見いだし、生徒が能動的に取り組むことが重要である。生徒の能動的な取組は、継続して意欲をもち続けることで効果的に問題解決に必要な資質・能力を獲得しながら概念の形成を図ることが期待できる。
 これは、国立教育政策研究所が示す「21世紀型能力」の育成に大きく関わると考える。しかし、理科が苦手な生徒にとって、自ら問題を見い出し解決を図る学習はやや抵抗がある。そこで、本研究ではアクティブラーニングの考えを基に、以下の4点を指導過程に導入する。これにより、どの生徒にとっても能動的な取組を可能にし、概念形成を図ることを狙った。
1 単元を貫く課題の設定
 「化学電池はどうして電気を起こすことができるのだろうか」を明らかにすることを単元の課題に設定し、最後まで目的に向かって学習できる学習過程を保証した。
2 イメージマップによる問題解決の過程の視覚化
 単元導入時に提示した現象から、化学電池の仕組みの解明に必要と考えられる実験や疑問をイメージマップの形式で記録させた。個々のイメージマップは、班で集約することで精選され、実験計画も具体的に立てることができる。実験によって明らかになったことや新たな疑問を書き足していくことで、各グループの進捗状況を確認し、情報を学級全体で共有することができる。単元の学習中は常に理科室に掲示し、いつでも誰でも見ることができるようにした。
3 実験の複線化と情報の共有
 観察・実験の方法は、自由度をもたせて各班で検討させた。その際、他の班の生徒と意見交換をする機会を設定することで新たな視点に気付き、班で再検討する必要性を醸成する。結果についても同様な機会を設定した。
4 時間の保証による連続した問題解決の過程
 一年間を通して50分×2の2コマ連続した時間割で理科の授業を行った。このことによって、生徒は一つの実験について予想・仮説を基に計画を立て、実験を行い、結果を整理、考察し、結論を導出することができ、生徒の意識が途切れることなく解決へと向かうことができる。
 本研究では、これらの手立てが粒子概念の形成に有効であったかを検討する。また、他単元へ汎用化できるよう研究を進めたい。

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「教育実践」
化学変化における定量的な思考力を高める指導の工夫
〜2年「化学変化と原子・分子」の単元を通して〜
湯沢町立湯沢中学校
長谷川 大輔

 本研究は、単元「化学変化と原子・分子」の実践を通して進めるものである。実験を多く行うため、意欲的に授業に取り組む生徒は多いことが予想される。しかし、実験そのものに興味・関心をもつことができても、その結果をまとめたり結果から考察を導き出したりすることについて苦手意識が生じることも考えられる。特に、化学変化を定量的に考えることについては、その傾向が強い。その理由は「粒子の反応自体が目に見えないため、数量として捉えにくい」、「定量的に事象を捉える経験が少ない」などが考えられる。これらの課題解決のため、以下の手立てを講じる。
1 単元を通して化学変化の量的な変化を考える場を設定する。
 単元の中には、質量保存の法則や定比例の法則についての定量的な視点が求められる実験も含まれる。しかし、急にそのような視点が求められることを苦手とする生徒が多いことが予想される。そこで、単元を通して質量の変化に注目するという見方を与えながら進める。
2 量的な関係を考える際に、理論値と反応量による考え方を示す。
 定量的な考え方をする際、計算をして答えを導き出すことが求められる。計算方法がわからずに答えを出せない生徒も多い。そこで、理論値と反応量の考え方を共有し、計算方法を定着させる。
3 視覚的に粒子をイメージさせるための工夫を行う。
 目に見えない粒子を視覚的にイメージするために、原子カードやプラスチック球を用いたモデルを活用して授業を進める。同時に、原子量の考え方をゲーム感覚で覚える活動も行う。
4 より正確な値が出るように実験方法を検証する。
 化学変化において定量的な実験を行うことは意外と困難である。特に、定比例の法則についての金属と酸素の化合の実験では反応がうまく進まないことがある。そのため、加熱の程度や試料の質量を予備実験で検討しておく。
 以上の手立てを用いることで、化学変化における定量的な思考力を高めることにつなげていく。

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「教育実践」
事象の仕組みを根拠をもって説明できる児童の育成
〜イメージ図から練り上げたモデル図を用いて〜
三条市立一ノ木戸小学校
関谷 忠宏

 研究仮説
 実際の観察が困難であったり推論する難しさがあったりする現象について、イメージ図からモデル図へ練り上げ、モデル図を使って話し合うことで、根拠をもって現象を説明することができるだろう。
1 イメージ図の表出と変容
 6年生「人や動物の体」では、デンプンの消化・吸収を扱う。口の中、消化器の中でデンプンがどのような変化が起こっているかは実際に観察することができず、だ液の実験結果などからイメージするほか無い。そこで、児童は予想でのイメージ図、考察でのイメージ図と、イメージ図を変容させていった。
2 イメージ図からモデル図への練り上げ
 不可視の現象や観察が困難な現象を扱う単元では、不可視のものをイメージする力が大切である。そこで、最初からモデル図を提案するのではなく、児童からイメージ図を表出させ、話合いの中でモデル図へと練り上げていった。モデル図とは、児童が考えを交流したり、現象を説明したりすることがしやすいように、表し方を共通化した図である。
 実際には、デンプンの消化・吸収の説明において、吸収される最小単位のモデルを基準に、そのモデルを集めてデンプンとすると説明しやすいと、話合いの中で練り上げた。
3 説明文の推敲
 児童が書いた消化・吸収の仕組みのまとめの文は、不十分なものが多かった。説明しやすい一方、言葉としては不十分で、主語が抜けていたり、既習の科学用語を使っていなかったり、と様々である。児童は分かりきった事として省略していたのである。そこで、児童が書いたまとめの文を、「相手に伝えるには」という視点でグループで推敲した。
 実際には、「主語があるか」「修飾語があるか」などの視点をもち、例えばある児童は、ただ「消化された。」と書かれた表現をグループの仲間に指摘され、「口の中では、だ液によってデンプンが消化された。」と表現方法を見直すことができた。
 以上のことから、イメージ図からモデル図へと練り上げていくことは、児童がモデル図の必要性を理解し、根拠をもって現象を説明することに有効であると言える。しかし、文章を推敲したことは、形式的に言葉を補うことができたが、それによって科学的な思考力が高まったかと言われれば、そうではないだろう。もっと根本的に、問題解決学習の中で言語活動を駆使し、科学的な思考力を高めていかなければならないと感じた。

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「教育実践」
主体的に植物の栽培学習に取り組む児童の育成
〜観察方法の工夫を通して〜
長岡市立山谷沢小学校
高原 学

 植物の栽培という学習は、児童に植物の不思議さやおもしろさ、そして成長の喜びを感じさせることができる。また、継続して観察させることにより実感を伴って、成長の規則性や連続性や種の保存の神秘性に気付かせることができる。
  しかし、これまでの指導では、児童は「元気に大きく育ち、きれいな花を咲かせたい」という願いをもつが、観察学習や植物の世話を面倒だと捉える姿が見られた。
  そこで、「植物はどのように成長していくのかな?(動画的視点で考えよう)」と観察の視点を与え、予想したり確かめたりして学習に取り組んだ。
  その結果、児童ははじめ教師から与えられた問題について取り組むだけだったが、そのうち、「葉が対になって生えてきているみたいだ。」「上から見ると、まるで花火みたいに葉が広がっている。」など少しずつ植物の成長の様子について、視覚的に気付く児童がでてきた。これらの気付きを広げ、実際に確かめに行く前にイメージ図で自分の考えをまとめたり、話し合ったりして、観察への意欲を高めた。この取組を続けていくと、授業時間以外にも、「みんなが気付いていない植物が成長する秘密を見つけたい。」「友だちが見つけた問題の答えを見つけたい。」と意欲をもち、進んで観察や植物の世話に取り組む児童が見られるようになった。 
  また、学習指導要領解説理科編の目標に、「〜科学的な見方や考え方を養う」とある。
  そこで、児童が見つけた気付きを問題として提示した。例えば、「植物を上から見ると花火のように葉が広がっているのは、どうしてかな?」では、児童はすぐ日光のはたらきに気付き、「たくさん日を浴びたいから。」と答えた。また、「根は土の中で花火のように広がっているけど、水をあげるとき、どうする方がいいかな?」では、「葉や茎だけでなく土にも水をあげる」と答えた。科学的な見方や考え方を児童が身に付けることができたといえる。
  本研究では、児童が主体的に栽培活動に取り組むための手立てとして、次の5点を実践した。
1 観察の視点を与える
2 観察する前にイメージ図を描き、検討させる。
3 たくさんの気付きが書けるよう観察カードを工夫する
4 観察カードに観察意欲バロメーターを設け児童の様子を把握する
5 観察して分かったことを発信させる
 どの活動も時間がかかったが、じっくり取り組むことにより、少しずつ児童は植物への興味関心を高め、成長の仕方について理解を深める姿が見られた。

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「ときわ教育奨励賞」
理科を学ぶことが好きな子どもの育成
新潟市立巻北小学校
山田淳

 「わかる・できる」が実感できる理科授業づくりをめざし、「自由試行から課題を明確にする」「理科的説明文で理解をより確実にする」という二つの方法論に基づく実践は明確で確かなものである。理科教育センター(旧三市中東)の専任所員として、また、新潟市マイスター及びコアサイエンスティーチャー(CST)として、地域の理科教育振興に貢献してきた。今後も、新潟市総合教育センターにおけるCST活動を中心に、さらなる活躍が期待できる。

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「ときわ教育賞」
科学の好きな子どもを育てる理科教育の推進
新潟市立白新中学校
山内伸二

 科学が好きな子どもを育てたいという信念と確かな理科教育理論に基づいて、質の高い実践を積み重ねている。とりわけ、仮説実験授業を基にした理科授業の実践を長年継続しており、一昨年度、「ときわ教育奨励賞」を受賞している。本年度の応募では、さらに全国レベルでの入賞実績を重ねるとともに、中学校教育研究会事務局長という立場から、「学び合う授業づくり」に向けて「授業ナビ」の開発や「ファシリテーション」の導入等に尽力し、全県の授業改善、学力向上にも取り組んでいる。「理由付けチャート」等の開発など長年にわたる理科教育の推進とその確かな成果に対して本賞を与えることとした。

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「教科等研究セミナー」 
批判的な視点をもった検討を通して,生徒の思考力・表現力を高める授業
新潟市立金津中学校
広野 尚子

  これまでの理科授業において,生徒は,観察・実験をグループで行い,実験データなどを収集しようと意欲的に行っている。しかし,実験結果をより正確に得ようと努めデータをとることはできるが,レポートの考察には,結果をまとめただけだったり,考察内容が十分に記述されなかったりして,記述内容が高まらない生徒が少なくない。
 そこで,課題を自分のものとしてとらえて追究し,自分の意見をもち発表する活動や他者の考えに対して自分の視点をもって質問し,互いに思考が深まっていく授業を行いたいと考えた。
 そのために,以下のような授業を計画した。
(1) 実験の予想を仲間と伝え合う活動の中で,相手の予想に対する質問や意見を伝える場面を設定する。ここでは,根拠のある説明になっているか,またその根拠が既習事項と矛盾していないかなどの点で質問や意見をしていくようにする。3人の仲間に自分の質問・意見を伝えるとともに,逆に自分の予想に対して相手から質問・意見も受ける。そして,納得のいく部分の説明について互いに承認し合う。
(2) 実験結果の考察を書いた後に,仲間の考察を聞く活動を組織する。これを重点とする単元において継続的に行う。
 @仲間の考えを聞き,不十分な部分を補完するような評価を行う。
 A3人に質問を行う。反対に質問を3人から受ける。
 Bその活動を行った後に自分の考察に戻り,考察Uとして,考察を完成させる。
 1年時には「電流とそのはたらき」,2年時には「運動とそのはたらき」や「化学変化とイオン」において実践を行った。その中で,より粘り強く予想の交流検討を行うには,相手に伝わりやすい意見をまとめることや伝え方を考えること,その考えをもって別の意見の仲間に批判的な視点で意見をすることが有効であるといえる。また,実験後の考察をまとめる場面では,他者に伝えることで自分の伝えたい内容が精査されて焦点化し,さらに批判的に相手の意見を聞くことによって必要な情報が述べられているか確認する力がつく点が有効であるといえる。これらのことをもとに予想や結果に対する考察の交流検討の方法について手立てを講じ,その有効性について検証した。

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「教科等研究セミナー」 
モデルと既習事項の効果的な活用を通して,生徒の科学的な思考力を高める授業
新潟市立葛塚中学校
坂井 友紀

  授業の中で扱う自然事象には,植物や地層など実際に触れることができて具体的にイメージしやすいものと,原子や分子,電流や電圧のように,触れることができないため具体的にイメージしにくいものとがある。そのような事象に対し,生徒から「どう考えてよいかわからない」「考えることが面倒くさい」とつぶやく声が聞かれることがある。目に見える観察・実験の結果から目に見えない対象のふるまいについて考えなくてはならないところに生徒がつまずく一因があると考える。また,実験の結果は記録できても,考察をどうやって書いたらよいかわからないため書くことをためらう生徒が多くみられた。それは,私が生徒の考えを引き出しながら追究する過程をうまくできていなかったからだと考える。
 そこで,本研究では,目に見えない現象に対して共通のモデルや図を使って生徒が推論し,交流し合うことで,自分の考えを深めたり修正したりしながら,現象の仕組みを説明できる姿を目指したいと考え,次の手立てを講じることとした。
1 粒子モデルを用いて,自分の考えをまとめる活動の組織
2 追究の見通しをもつための既習カードの活用
3 互いの考えを補完・修正するための話合い活動の組織
 現象を自分の考えで説明する際に絵やモデルで説明することは生徒にとってわかりやすくイメージをしやすくする。さらに,自分の考えを互いに発表し合う活動を行い,自分の考えを修正したり補ったりする。具体的には「粒子モデル」「既習カード」「話合い活動」の3つの手立てで実践を行った。まず,現象に対して考えやすくするために「粒子モデル」を操作し,試行錯誤しながら自分の考えを表出しやすくした。その際に今までの既習事項が書いてあり課題に対して筋道を立てやすくなるように「既習カード」も使用しながら考えさせた。次に学びを深めるために自分の考えを発表し合い,修正し合ったり補ったりする「話合い活動」を行った。この活動では,「粒子モデル」「既習カード」を自分の考えを伝える手立てとして利用したり付箋で意見を書き会ったりすることで,班の考えを練り上げていった。このようにして,自ら考え,学びを深めることができる生徒の育成を目指した。

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「教科等研究セミナー」 
理由付けチャートをもとにした段階的な検討を通して,生徒の科学的な思考力を育成する授業
新潟市立白新中学校
齋藤 大紀

 「科学的な思考力,表現力」を育成するためには言語活動による学び合い活動が有効であると考える。本研究では,仮説実験型授業をモデルとし,互いの予想仮説を科学概念に基づいて検討し合う場面を活用した。その際,一人一人が互いの考えを理解したうえで,論点を明確にしながら検討させることが必要不可欠であることから,研究仮説を「生徒同士が互いの仮説を検討し合う活動において,互いの仮説を可視化したり,活動をコーディネートして論点を明確にしたりすれば,事象や課題を科学的に捉えて吟味し合う生徒を育成することができるだろう。」とした。
 研究の主たる手立ては,以下の2つである。
@「理由づけチャート(山内・山田・齋藤 2012)」の活用
・予想仮説を「主張」「理由」「根拠」に分け,チャート図(矢印と囲み)で示す。これにより,互いの予想仮説が理解しやすくなり,検討が可視化される。
A検討場面のコーディネート
・互いの予想仮説を検討する場面を,「個」→「同じ考えの小グループ」→「クラス全体」と段階を経る。特に,「グループ」での検討は,自らの考えを整理したり,強化したりすることができ,自信度が増して検討に対する意欲の喚起につながる。
・全体での検討では,ファシリテーションの手法を用いて,検討を可視化していく。これにより論点が明確化されていくとともに,生徒の理解や思考の手助けとなる。
 この2つの手立ての有効性を検証するため,複数の単元で授業実践を行い,成果と課題を明らかにした。

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「教科等研究セミナー」 
学び合いを通して,生徒の科学的な思考力の育成を図る授業
長岡市立旭岡中学校
櫻井 真郷

 教科書で取り扱っている生徒実験の中には,対照実験の結果を基に,実験本来の結果がより確かであるということを,生徒に考察させる実験がある。この手法は科学的に考察する上では,とても重要な手法である。しかし実際の実験の場面では,1回の実験で,類似した2つの実験を繰り返し行い,その結果を考察することが一般的な手順となっている。そのため,その実験についての考察を生徒に説明を求めると,実験結果の一部を単語として答えるものの,実験結果に基づいて説明をすることができない生徒が見られた。特に対照実験を含む実験では,1回の実験ですべてを本来の実験と対照の実験を連続して行うことが,かえって生徒の理解を妨げると考えた。
 そこで,対照実験を含む生徒実験では,教科書の指示にあるように1回ですべての実験を行う方法から,本来の実験と対照の実験というように2つの実験場面に分けて実験を行う。最初の実験の結果を確認(振り返り)するとともに,次の実験での確かめること(見通し)を明らかにすることができれば,各実験と実験全体の見通しを生徒がもつことができるとともに,実験結果を基にして科学的に考えたり,表現したりすることへつなげることができると考えた。また,対照実験を含む実験に限らず,類似した事柄を比較する実験にも,これらの考え方を活用することができると考えた。
 中学2年生の「だ液のはたらきを調べよう」では,ヨウ素溶液を使っての実験結果を生徒と確かめ,その結果を基に次に確かめとしてベネジクト液を用いた実験を行い,デンプンが糖に変わったことを確かめた。このように実験を2つに分け,生徒と実験結果を確認(振り返り)し,次に確かめること(見通し)は何かを生徒と共に明らかにして実験を進めた。
 このように,実験をスモールステップで行い,分かったことを基に,次に確かめることは何かを明らかにしながら追究を進めることを手立てとして講じ,上記以外の単元でも実践を行い,その有効性と課題を明らかにした。

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「教科等研究セミナー」
科学的思考力を高める理科授業のあり方
〜他とかかわり合いながら学び合う理科授業を通して〜
小千谷市立小千谷中学校
篠田 英

  当校では昨年度より県中教研理科の研究指定を受けており,「学び合い」の研究(授業)を進めてきた。その研究指定を受けて私の授業を見つめたとき,「かかわり合いを通して生徒の思考力を高める授業」が自分の課題であると考えた。そこで,県中教研理科で定めた「学び合い10」の中の「理科学び合い5」という項目において,予想及び考察を交流・検討する場面に焦点を当て,研究テーマに迫ることとした。
1年目:根拠をもとにした予想理由の検討
 1年生への指導の折,「根拠→理由→予想」という三段階の思考過程を経る,いわゆる「理由付けチャート」を使っての交流授業を多く盛り込んだ。そのうち状態変化の単元で,「ベンゼンとパルミチン酸は,固化すると体積はどうなるか」という課題解決学習を公開した。水とロウの固化について習得させた後,その既習事項をもとに考えるというものであった。大半の生徒が「ベンゼンは増え,パルミチン酸は減る」という間違った予想を立てたが,最終的には正答を出した生徒の説明に納得し,全員が理解を深めることができていた。
2年目:結果をもとにした考察の意見交換
 2年生への指導の折,「科学的な現象のモデルを,日常の例を使って考え交流させる」という授業を多く盛り込んだ。動物の消化単元で「小腸の半透膜は,糖は透過しデンプンは不透過である」という現象を,まず粒子モデルで表現させ,その後に「このモデルのように,大きいものは通さず,小さいものは通すという日常例はないか」を考えて交流させる授業を公開した。日常例を探すことにより,得手の生徒は更に自分の思考を深化でき,不得手な生徒も日常の例がヒントとなり,小腸での吸収の仕組みを理解することができていた。
 私は「学び合い」を,単なる教え合いではなく「様々な意見交流を通して,自分自身の考えを深化させる姿」と捉えている。このような過程を経て,最終的には生徒自身の思考力を高めることが大きな目標であり,それを達成することができた。

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「教科等研究セミナー」 
観察・実験結果をもとに考察をまとめるための指導の工夫
〜児童が見通しをもつための「ゴール」「ハードル」問題の意図的な設定を通して〜
燕市立燕南小学校
浅倉 健輔

 小学校学習指導要領解説理科編では,児童が見通しをもって観察・実験を行うことや観察・実験の結果を整理し考察する学習活動の重要性が指摘されている。そのためには,児童が自然の事物・現象に親しむことによって問題を見いだし,予想や仮説をもち,それらを基にして観察,実験などの計画や方法を工夫して考えることが重要である。
 しかし,実際の授業では十分に児童が自然の事物・現象に親しむことは難しく,問題を見いだせないまま教師主導の観察・実験を行うことも少なくない。その結果,児童が調べたい,確かめたいといった問題に対する必要感をもたないまま観察・実験を行ってしまうことも多く,結果から考察をまとめることができない児童もいた。
 そこで私は児童が自然の事物・現象に親しむ時,児童が見通しをもちやすいように,単元を通して解決をしなければいけない問題「ゴール」を設定した。また,「ゴール」に行き着くまでに解決しなければいけない問題「ハードル」を意図的に設定し,児童自身が問題を見いだせるよう支援した。
 小学校5年生「電流のはたらき」の単元において,「ゴール」として「釣りゲームを完成させよう」という課題を与えた。教師側で「釣りゲーム」を用意し,それを完成させようと呼びかけたのである。さらに,そこに至るまでに「ハードル」として意図的に弱い電磁石を示すことで,児童は自ら問題を見出し,互いに話し合ったり,問題を確かめる実験方法を自分で考えたりするなど見通しをもちながら,観察・実験に臨み,結果から考察を自分の力でまとめることができた。

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「教科等研究セミナー」 
モデル図を用いて,根拠をもって説明ができるために
三条市立一ノ木戸小学校
関谷 忠宏

 研究仮説
 実際の観察が困難であったり推論する難しさがあったりする現象について,モデル図を使って話し合うことで,現象の根拠を説明できるだろう。
 平成24年度の全国学力・学習状況調査の結果から,観察・実験の結果などを整理・分析した上で,解釈・考察し,説明することに課題が見られることが明らかになった。また,無回答の理由の中では,「問題の意味はわかったけれど,学習したことを忘れてしまった」と答える児童が62.6%と一番多く,学習内容の定着が一時的であると言える。次の3点からその解決に迫った。
1 イメージ図からモデル図への練り上げ
 不可視の現象や観察が困難な現象を扱う単元では,不可視のものをイメージする力が大切である。そこで,最初からモデル図を提案するのではなく,児童からイメージ図を表出させ,話し合いの中でモデル図へと練り上げていった。モデル図とは,児童が考えを交流しやすいように,表し方を共通化した図である。
 実際には,電流のイメージが線やビリビリ,カミナリマーク,電気くんとバラバラだったものを説明ができるように,電流の数で表すことのできるカミナリマークに共通化した。
2 モデル図を用いて根拠に基づいた説明ができるようにする
 問題解決学習において,実験や観察の結果から結論が導き出せても,その根拠が見つからなかったり,「どうして?」と疑問が残る場合も少なくない。児童がその疑問を解決し,説明ができるように,モデル図を活用する。
 実際には,電磁石の巻き数が増えた場合,電流の強さが変わらないのに電磁石が強くなる説明を,カミナリマークの数を根拠に磁力が集まってくる様子を説明した。
3 モデル図の説明と実験装置を結び付ける活動
 モデル図の説明だけで終わると,本当に実験装置で同じようになるのか,実感をもちにくくなってしまう。モデル図の説明の後,再度実験をして,イメージしたものが実際の実験でも当てはまることを確認した。
 本実践では,モデル図を活用することにより88%の児童がコイルの巻き数を増やすと電磁石が強くなる現象を,根拠をもって説明することができた。

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「教科等研究セミナー」 
言語活動の充実を図り,実感を伴った理解をうながす工夫
魚沼市立小出小学校
乾 清志

 現在の理科教育には「児童の科学的,創造的に考察する力の向上」が求められている。ここで,「科学的,創造的な思考」とは物事を調査し,結果を整理し,新たな知見を導き出し,知見の正しさを立証するまでの手続きであり,課題解決の過程と捉えている。それを具現化して,児童に実感を伴った理解を促すために,次の3つを考察文に書かせる実践を行った。
@ 実験結果から分かったことと,そうなった理由
A 予想と結果を比べて,気づいたこと
B 実験で扱う対象を変えると,結果はどのようになるか 
 さらに,Bについて実験を行い,検証した。4年生理科「ものの体積と温度」の学習では,以下のように実践を進めた。
1 「水を熱すると,体積が増えた。」という結果を受けて,「なぜ?」という,理由を考えさせた。児童が考えやすくなるように,イメージ図を提示した。
2 予想と比べて,結果は当たっていたのか,そうでなかったのか。その上で,目の前の実験で取り扱われた原理を再確認させた。
3 水を,サラダ油等,別の対象にしたら,結果はどうなるか予想させる。 
4 水を,サラダ油等,別の対象にしたら,結果はどうなるか,実際にためしてみる。
5 自由記述で感想を書く。
 以上の取組で,児童は「液体は温度が高くなれば体積が増え,冷やせば体積は減る。」という原理をたくさんの事象を目で見て,考え,別の液体で試し,実感を伴いながら理解した。

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「教育実践」 学ぶことの意味や意欲を高める理科授業の工夫
長岡市立南中学校
山本 伸寿

 本研究では,電磁調理器による加熱の仕組の謎に生徒が挑戦する形で授業を行った。授業の展開に言語活動を活用し,科学的な思考を深めたり,表現したりする機会を多く設けた。発電機の仕組,誘導電流,直流・交流の性質,電流による発熱等,言語活動の基礎となる思考に必要な知識を効率的に復習し,考えの深化を促した。
 電池がないのになぜ豆電球が光るのかを,個人思考→集団思考の流れで推論させ,今まで考察したことを説明するために,既習の知識を基に発表することが概ねできていた。今回の取組は,既習の知識・技能を活用し,科学的な思考力・表現力を高める取組みとして有効であったといえる。
 生徒は,電磁調理器を用いての学習場面で3回の言語活動を行うことで興味・関心を持つことができた。また,実験の準備や片付けに積極的に取り組み,目の前で起こる現象について深く考えようとする姿が見え,その原理を追究しようとする姿勢が見られた。学習指導要領における弾力的運用の時間を利用して,生徒にじっくりと電流や電磁誘導について考えさせる時間をとったのだが,改めてその大切さを認識させられた。今後も全ての単元においてじっくりと考えさせる授業を仕組み,科学的な思考力・表現力を高めさせるために,日々の授業を効率的に行うことも必要であると考えた。

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「教育実践」
理科の魅力を実感させ、自信を高める電流単元の工夫
〜合成抵抗の理解を目指した単元構成と交流を促す教材に着目して〜
阿賀野市立笹神中学校
小林 寿

  平成16年2月に実施された小・中学校教育課程実施状況調査では、「電流とその利用」の単元について、7割を超える教師が「生徒が理解しにくい単元」と答えた。また、生徒においても約半数が、この単元を「よく分からない・きらいだった」と報告されている。自分自身にも同様の経験があり、生徒にとって興味をもて、理科の魅力が伝わり、学習が分かるといった単元になるように教授方法を見直す必要があると考えた。
 本研究では、まず、生徒の興味関心を高める課題や学習の積み重ねが活用できるような単元の構成を追求した。具体的には、〔電流を制御しよう〕という“単元を貫く課題”を設定し、合成抵抗の学習までをその課題の達成のために展開するようにした。さらに、合成抵抗の理解を目指す際の動機づけや思考の補助となるように“布石実験”も導入した。一時間ごとの学習の積み重ねを経ながら、単元の終末では合成抵抗を用いた回路を自分で設計し、扇風機づくりにも挑戦させた。もう一つの手立てとして、それぞれの授業で生徒同士の交流が生まれやすいような教材にも着目した。“表現シート”と呼ぶA3白紙にラミネート処理したものを用い、生徒の思考の視覚化や書くことへの負担の軽減、思考の深化をねらった。こうした手立てを通じて、生徒が主体的に参加しながら新たな学びを獲得できる授業・単元を目指した。
 実践前の調査では82%の生徒が苦手意識を抱いていたが、実践後の生徒アンケートでは、「電流の学習が楽しい」、「以前より難しく感じなかった」等と学習に対する自信や理解の深まりを感じた生徒が89%となった。本研究で構成した単元と交流を促す教材の利用を実践することで、これまで多くの生徒に苦手意識をもたせてしまっていた電流単元において、生徒が理科の魅力を実感し、自信をもつことができる単元になり得ることが明らかとなった。

<参考文献>
平成15年度小・中学校教育課程実施状況調査-理科- 国立教育政策研究所教育課程研究センター 2005
中学校学習指導要領解説 理科編 文部科学省 2008


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「教育実践」 科学的な判断を促す思考活動の工夫
新潟市立白新中学校
齋藤 大紀

 学習指導要領解説理科編の改訂の基本的な考えとして,「科学的な見方や考え方,総合的なものの見方の育成」,「科学的な思考力,表現力の育成」が挙げられている。しかし,これらを達成しようとしたとき,子どもたちがもつ素朴概念が大きな弊害となっている現状がある。
 そこで,素朴概念と科学概念が対立し,主張が対立するような課題を生徒に与え,その理由を根拠をもとに思考させる仮説実験型の授業を行った。
 また,自らの考え(主張と理由)を表現する場を設定するが,表現することに重きが置かれがちで発表会にとどまってしまうことも課題であった。理科における表現力とは,あくまでも科学的な思考に基づいた自らの考えを表現することで培われるものと考える。たとえば,自分とは異なる考えに出会ったとき,どこが違うかを比較したり,その違いが生じる要因を分析したり,反論したりすることができる力である。
 このように,考えが異なる生徒同士で互いの考えを検討するにあたって最も大切なことは,互いが互いの考えをきちんと理解することである。しかしながら,多くの生徒が言葉による説明だけでは理解しづらい現状がある。結果として,その後の検討がちぐはぐなやり取りになりがちである。
 そこで,白新中学校理科部では,考えをチャート図(理由づけチャート)にして表現させている。主張とその理由を結び,その理由の根拠をつなぐことで,個々の生徒の考えが可視化されるのである。
 子どもたちは,互いの考えを「理由づけチャート」を見ながら理解し,根拠と理由とのつながりに反論したり,理由の妥当性を検討したりしながら科学的な思考力と表現力を身につけていく。そして,この検討を経て,最終的に予想される結果を判断するのである。
 本研究では,科学的な思考に基づいた検討を重ねながら,根拠とともに科学的な理由づけをして自らの主張を決定することで,「科学的な見方や考え方,総合的なものの見方の育成」,「科学的な思考力,表現力の育成」をねらう。

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「教育実践」
納得のある解釈をつくり出し、実感を伴った理解を図る理科授業の在り方
〜3年「ゴムのはたらき」の実践より〜
加茂市立加茂小学校
相田 巧

  学習指導要領に「実感を伴った理解」が加えられ,自分なりの解釈をつくり出すことが大切にされている。
 自分なりの解釈をつくり出すためには、子どもが事象に対して自分なりのつながりをもち,納得のある解釈をつくり出す必要がある。そこでゴムの状態変化とエネルギーとの関係付けを図に表すことで,エネルギーとしての見方や考え方をはぐくむことができると考え、以下の2つを手立てとし、授業プロトコルをもとに分析した。
1 帯状のゴムを用い,子どもが仮説や推論を感じ取れる教材提示
2 イメージ図を用いて見方・考え方を交流し、再検討する場面設定
 帯状のゴムを用いることで、「ゴムが○○となっている」と、自分の仮説の科学性を検証し、他者と交流することで、自分なりの解釈を見直す姿が見られた。これらのことをもとに、ゴムは引く際に使われたエネルギーが元に戻ろうとして物を動かすエネルギーへと変換されているという見方や考え方を構築する姿が見られた。

<参考文献>
小学校学習指導要領 文部科学省 2008
小学校学習指導要領解説理科編 文部科学省 2008
確かな学力を育てる確かな授業 梶田叡一編著 2012 


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「教育実践」
自らの考えを見直す子どもを育てる理科授業
〜様々な根拠に着目させる交流を通して〜
佐渡市立両津小学校
本間 英一

 理科では,子どもの自然事象に対する素朴な考えをより客観性のある考えに高めることが求められている。そのためには,子どもが様々な根拠(事実や既有の知識)に着目し,自分のこれまでの考えを絶えず見直しながら事象を捉えることが重要である。
 理科学習は一般的に,@自然事象とかかわるA問いをもつB仮説を立てるC検証実験を行うD結論を導く,という展開が多くとられる。この,「B仮説を立てる」場面において,多くの子どもは印象的な根拠だけに着目して考えたり,発言力のある子どもの意見に安易に同調したりする傾向にあり,考えの交流を取り入れても考えを見直すまでには至らなかった。そのため,「C検証実験を行う」場面で,教師が有効な実験方法を提示し,実験結果に着目させたとしても,子どもは自分の考えを見直し,より客観性のある考えには高められなかったのである。つまり,調べたい,確かめたいという必要感がないままの検証実験だったのである。
 そこで私は,「B仮説を立てる」場面において,自分の考えの確証と反証,相手の考えの確証と反証が書ける「マトリクス」を提示し,この表に考えを書かせたり,表を使って考えを交流させたりした。
 「マトリクス」を提示し,この表に考えを書かせたり,表を使って考えを交流させたりしたことで,子どもは互いの考えを視覚的に把握することができた。さらにこのことは,様々な根拠に着目し自分の考えを見直すことにつながった。その後子どもは,検証実験で得た事実を基に,自分の考えを強化した。

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「教育実践」
科学的な思考力を育む理科指導
〜知識の積み重ねと「書く」活動を通して〜
新発田市立住吉小学校
渡邊 幸太

 これまでの理科学習での児童の様子を振り返ると、積極的に実験を行っている姿が見られ、実験は楽しいという児童が多くいる。しかし、実験結果からどのようなことが確かめられたのかを書けない児童、主体的に課題を見つけて解決しようとすることができない児童も見られた。これは、「目的意識をはっきりともって学習に臨むことができていないこと」「学習や日常生活で出てくる疑問や問題をつなげられないこと」が原因としてあげられる。そのため、一つ一つの実験がその都度で完結してしまい、見通しや考えの根拠が見つからず、思考がとぎれとぎれになる様子が見られることがあった。
 そこで、子どもたちが授業で獲得した知識を積み重ね、問題解決の過程で、筋道立てて「書く」活動を充実させれば、科学的な思考力を高めることができるだろうと考えた。
 実践1では、6年生の「水溶液のはたらき」の単元で実践を進めた。授業で出てきた水溶液の性質を、カード(『サイエンスカード』)に書き溜めさせ、カードでクイズを出し合わせた。知識が定着し、事象を水溶液の性質を用いて説明したり、記述したりすることができた。また、問題解決の過程に沿って書き方を提示(『書き方ガイド』)した。子どもたちは、その書き方に合わせ、自分の思考過程を整理しながら書くことができた。単元の最後に「なぞの水溶液を暴け!」という課題を設定した。そこでは、サイエンスカードを使って定着した知識や、問題解決の過程に沿った書き方を使って、筋道立てて考えながら学習を進めていた。
 実践2では、5年生の「流れる水のはたらき」の単元で実践を進めた。自分の思考過程の見直しをさせるために、実践1の手立てに加え、結論(まとめ)を書く場面で、予想との比較を促す働きかけをした。児童は予想からの思考過程を振り返り、確証に至ったことや、考えを再構築したことを書き、学習を振り返ることができた。また、単元の最後に市内を流れる川の「ハザードマップ」を作った。そこでは、サイエンスカードで定着した科学的な言葉や、問題解決の過程に沿った書き方を使って筋道立てて考え、ハザードマップを作ることができた。
 実践1、2より、獲得した知識を書き溜めたサイエンスカードを活用したことや問題解決の過程における書き方を提示したことは、児童の科学的な思考力の育成に有効であったといえる。

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「教育実践」
児童がイメージ図を使い交流し、見えない世界を推論する理科指導について
〜6学年「水溶液の性質」の実践から〜
村上市立塩野町小学校
本間 文彦

 理科の学習において、見えない世界を推論するためには、児童がイメージ図を描き、児童同士が関わりのある授業を進めることが重要であると考える。6年生「水溶液の性質」の単元において、「溶ける」と「混ざる」の違いについて課題を解決する場を設定し、話し合いをする。それをもとに、1枚目に描いたイメージ図を実験結果に合うように加筆・修正し、思考を深めたり広げたりして、見えない世界を推論する理科授業の構築を目指した。
 そのために、2つの手立てを講じた。1つ目は、児童がイメージ図を描きやすくなるような手立てを講じる。目で見て変化の大きな事象を提示し「どうしてだろう」という問いを持たせる。また、児童の持っている生活体験などから溶けると混ざるの違いの基準を作った。既習事項を丁寧にもう一度実験をし、目に見えない世界をイメージ図で表現するために、児童のイメージをもたせる工夫をした。2つ目は、イメージ図を使い、見えない世界を可視化し、話し合いを通して、起きる事象について推論できるようにする。1枚目のイメージ図は1つ目の手立てを使い、児童はイメージ図を描くことができた。そして、ぺアや班の中で自分の考えを伝える中で、「自分は溶けると考えたけれども、隣の人は違う」「同じ溶けると考えたけれども、描いたイメージ図は違う」などの児童同士の中で考えのズレがあることに気付いた。そのズレを明確化するためにBTB溶液やリトマス紙、豆電球を使って実験をし、1枚目のイメージ図を加筆・修正をした。そうすると、児童は、自分の考えやイメージ図を変えたり、考えの矛盾に気付いたりする様子がワークシートより見られた。
 このように、児童が起きている事象についてイメージをふくらませる方法を丁寧に扱いイメージ図を描くことができる素地を養うと、「溶ける」のイメージ図を描くことができた。また、児童同士で交流をすると自分の考えを深めたり、変容させたりすることができた。よって、見えない世界を可視化するために、イメージ図は有効であることが分かった。

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「教育実践」
児童が学習に主体的に取り組む理科指導の工夫
見附市立今町小学校
小林 亮

 理科の観察・実験が好きな児童は多い。しかし,多くの児童が意欲的に実験を行う一方で,実験をただ眺めている傍観者的な児童もいる。アンケートによると,それらの児童は,「理科が苦手」だと感じていて,特に「実験の計画を立てること」や,「実験後に結論をまとめること」に苦手意識をもっていることが分かった。そこで,見通しを十分にもたせることで,児童が学習に主体的に取り組むことができると考え,以下の三つの手立てを講じ,その有効性について検証した。
@自由試行の場の設定
 単元の導入で,自由試行の場を設定する。自由試行を十分に行うことで,新しい学習への興味をもったり,学習内容に対する問いや予想に対する根拠をもったりするなど,その後の学習活動につなげていけるようにする。
A「計画→実験→フィードバック→次の実験」という指導過程の工夫
 実験を行う前に,考えた実験方法が適切かどうかを検討する話し合いの場を設ける。揃える条件や変える条件など,実験のポイントを互いに確認し合ってから実験に臨ませる。また,予想や結果だけではなく,それらに対する自分の理由を伝え合うようにする。交流を通して,「絶対にそうだ」「本当にそうかなあ」という思いが生まれ,それが実験への意欲につながり,結果に対する思い(納得や驚き)が理科の学習のおもしろさや次の実験や学習への意欲へとつながると考える。実験を同じサイクルで繰り返すことにより,活動の見通しをもったり,計画を立てる力や結論を導く力が高まったりする姿を期待する。
B課題解決のために自ら選択した実験を行う場の設定
 実験内容ごとにブースを設け,自分が調べてみたい実験に取り組めるようにする。興味のある実験を選んで行うことで,実験を「自分のこと」として行えるようにする。同じ目的をもつ児童が集まった実験ブースで,意見を交換したり,協力したりして,主体的に実験に取り組めるようにする。
 これらの手立てによって,児童が見通しをもって実験に臨み,主体的に問題解決を行うことができた。

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「教育実践」 素朴概念の変換を図る理科指導の取組
新潟市立上山小学校
豊岡 篤

 理科の学習では,問題解決の過程を経て知識を獲得したにもかかわらず,時間が経過すると獲得した知識を忘れてしまったり,学習前の考えに戻ってしまったりすることがある。その原因の1つとして,児童が日常生活の積み重ねで形成・獲得した自然事象に対する誤った知識や見方・考え方である素朴概念が残っていることが考えられる。正しい知識を定着させ,科学的な見方・考え方を養うためには,素朴概念を科学的な概念に変換させることが必要である。その手立てとして,初めに素朴概念を確実に崩し,その後,新たに正しい知識を与えることで素朴概念を正しい科学的な概念に変換させる。
 本研究では,2つの事象を比較し,明らかに素朴概念では説明できない事象を示すことで,まずは素朴概念を崩す。そして新たな考え方をしなければならない場面を意図的に作り概念変換を図る。まず,4年「水の3つのすがた」では,水が沸騰して出てくる泡の正体について水蒸気と空気を比較させることで概念変換を図った。その結果,明らかに違う2つの事象を提示することで,児童の思考に揺さぶりをかけることができ,正しい知識の獲得に繋がった。また,追調査の結果,正しい知識の定着について一定の成果を得られた。また,3年「昆虫を調べよう」では,概念変換の過程に焦点をあて,昆虫と昆虫ではない虫を比較した実践を行った。素朴概念としてもっていた曖昧な昆虫の定義ではバッタなどの体のつくりを正しく示すことができない。昆虫と昆虫ではない虫を比較し,違いを明らかにすることで素朴概念を崩す。その後,正しい昆虫の定義を明らかにすることで,科学的で正しい昆虫の定義を理解させた。
 これらの実践から,児童の素朴概念を変換するための手立てとして,明らかに異なる2つの事象を提示する手立てと,素朴概念を崩した後に新たに正しい知識を与える授業の流れが児童に与えた成果と,その授業の課題を明らかにした。

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「教育実践」
児童が見通しをもって実験に取り組み,日常生活での活用を目指した指導の工夫
〜小学校第5学年「流れる水の働き」の実践〜
長岡市立上川西小学校
兒玉 かおる

  これまで,児童から出てきた追究課題に沿った授業を構成するように意識してきたが,一部の児童だけが課題を解決しようとする一方で,「なぜ,この実験をするのか。」,「実験は面白いけど,前の実験とのつながりがわからない。」といった児童が多くいた。
 また,「月や星」,「月と太陽」といった「地球」領域の学習では,児童の観察力に頼る部分が大きかったり,デジタル教材を有効に活用できなかったりして,学習内容の定着に大きな差を生じさせてしまい,日常生活で活用されるまでには至っていなかった。これは,「実際に月や太陽のモデルを作る」,「作ったモデルで月の満ち欠けを確かめる」といった実体験が不足しているからと考える。
 そこで,少人数で扱える流水実験モデル装置を使ったり,デジタル教材を適宜用いたりする等教材・教具の工夫をすることで,見通しをもって実験に取り組み,日常生活で活用できると考えた。児童が自らの経験や今までの学習に基づいた予想を意識して,主体的に追究活動を行うために,本単元では少人数で扱える流水実験モデル装置を用いる。少人数で扱う利点として,次の3点を挙げる。
(1)「侵食・運搬・堆積」の現象を間近で観察することができたり,児童が「もう一度,確かめてみたい」と思った時にそれぞれ検証実験を行うことができたりと,学級全体で一つの実験を取り上げる場合よりも,自ら事象と向き合うことができる。
(2)水量の違いによる侵食・運搬・堆積の働きの大きさの違いを実感させるために,太さが異なるビニル管を付けたペットボトルを用いた。児童でも水の勢いや水量の調節ができるので,条件制御しながら容易に検証実験ができる。
(3)モデル実験の結果を基に友達と意見交流したり,「侵食・運搬・堆積」の現象に気付かない児童でも,同じ班の友達との意見交流の中から,言葉だけでなく,これらの現象を視覚的にとらえたりすることができる。
 

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「教育実践」
科学的な見方や考え方・表現する力を高めるサイエンスレポート
胎内市立中条小学校
相座 昭仁

  観察・実験などの直接経験が、理科の授業で大切であることは間違いない。しかし、経験さえすれば、学習内容を正しく理解し、科学的な見方や考え方が養われるかというと、そう簡単にはいかない。自然の事物・現象を扱う理科であっても、子どもたちは、「言葉」を使って話し合い、「言葉」を使ってノートに記録する。つまり、「言葉」がなければ、子どもたちは情報を共有することもできなければ、自分の考えを顕在化させていくこともできない。
 理科の授業を通して育てる「科学的な見方や考え方」は、広く認知・共有されている科学知識や科学理論と目の前の事物・現象とを「言葉」を使って結びつける過程でよりよく養うことができる。言語活動を充実させ、子どもたち一人一人に科学的な見方や考え方を言語化できる力を育てることこそ、理科の目標である「実感を伴った理解」になると考える。
 そこで、本研究では、科学的な見方や考え方・表現する力を高めるための言語活動として、「課題解決の過程に沿った自分の思考の流れが分かるノート作り」と「みんなが書けるサイエンスレポート」の2つの手だてで段階的に取り組んだ。
 まず、課題と結論の整合性のあるノート作りに継続的に取り組み、児童全員が課題解決の過程に沿った自分の思考の流れが分かるノートを作らせた。ノートの構造は「課題」「実験・観察」「考察(事実・理由)」とし、この構造は尾括型説明文の論理構造(序論・本論・結論)と合致させた。すわなち、「課題」は序論(問題提示・話題提示)部、「実験・観察」は本論(説明・具体的事象)部、「考察」は結論部にあたる。
 このノートと説明文の論理構造を尾括型説明文(サイエンスレポート)のフォーマットとして使用し、学習から得た情報をサイエンスレポートという形で文章化(言語化)させることで、知識の定着及び科学的見方や考え方・表現する力を高めることを意図した。
 これらの手だてを通して、子どもたちの中で拡散している情報が収束され、自分のノートにまとめた内容をさらに言語化・文章化することで、「科学的な見方や考え方」が深化し強化され、科学的に表現する力が高められたと考える。

<参考文献>
小学校学習指導要領の解説と展開 理科編 角屋重樹 教育出版 2008
白石式フォーマットで大変身!”理科説明文”の指導 佐々木昭弘 明治図書 2013


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「教育実践」
イメージ図を用いて考えを深める理科指導
〜「電流のはたらき」の単元の指導から〜
五泉市立愛宕小学校
小林 孝俊

  電気や磁石,水溶液など仕組みが目に見えないものを扱う単元においては,どうしてその現象が起きるのか考えさせることで,児童の理解がより深まると考える。そこで,イメージ図を用いて考えさせ,それをもとに交流をさせる理科指導を行った。イメージ図とは,現象を自分なりの解釈で実験結果と整合するように絵や図に表現したものである。
 電流のはたらきの単元は様々に条件を変えて電磁石の磁力がどう変化するのかを学習していく。磁力は目に見えないがクリップの付いた数等で磁力を比べることができる。その結果からどうしてそうなったのかを考えさせた。
 1本の導線だと非常に弱い磁力しかなく,砂鉄を付ける程度である,しかし,コイル状に巻くとクリップを付けるくらい強くなる。この現象を体験した後でイメージ図をかかせた。そうすると,磁力を手で表し,1本の導線の弱い手(弱い磁力)が何重にも集まって,太い手やたくさんの数の手(強い磁力)になると,手の太さや数の違いで磁力の変化を表した。
 電池を増やした場合と,コイルの巻数を増やした場合では,どちらも磁力が強くなる。目に見える現象は2つとも同じであるが,その違いも表現することができた。電池を増やした場合,コイルの巻数は変わらないので手の本数は変わらず,電池が増えたので手が太くなる。コイルの巻数を増やした場合,電池の数は変わらないので手の太さは変わらず,コイルの巻数が増えたので手の本数が増えると,実験の条件をそれぞれのイメージ図に取り入れて違いを説明した。
 単元の最後に,電磁石の様々な現象を結びつけて整理させるために,いくつかの現象をもう一度イメージ図に表現させた。初めにかいたイメージ図は,現象と整合はしているが,なぜそうなるのかは曖昧であった。それに対して,単元の最後にかいたものは,理由まで説明している。
 これらの姿は,イメージ図をかき,交流で仲間分けして比較させるなど,自分の考えを見直したり,友達の考えや表現の仕方のよいところを取り入れたりしてきた成果であり,考えを深めたと言える。

<参考文献>
子どもの科学的イメージをひき出す6つの技法  鷲見辰美 学事出版

 


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「教育奨励賞」
科学的な思考力を育む授業の在り方
小千谷市立小千谷小学校
平澤林太郎

 受賞理由
 一貫して、科学的な思考力を育むための授業はいかにあるべきかを探ることを研究のテーマとし、数々の実践を精力的に重ね、その成果を全国規模の教育誌や学会で発表し、日本科学教育学会の科学教育実践賞を受賞した。
 「ものこわし」「学習の壁」を意図的に設定し、子どもたちの興味・関心を最大限に引き出している。また、「設計図」や「話合い」を有効に取り入れ、理科の学習を楽しみながら、知識・技能を確かに習得していく授業実践は、「理科離れ」が叫ばれる昨今の理科授業の改善に大きな示唆を与えるものであり、今後も理科教育の実践研究活動の発展が期待できる。

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「教育実践」 
理科におけるタブレット型端末活用の効果についての研究
新潟市立根岸小学校
石月 直敬

 

 PISAのデジタル読解力の調査(2009年)では、日本の子どもたちは学校の教科学習においてコンピュータをあまり使用していないという結果が報告された。コンピュータ室への移動や普通教室での準備に時間がかかるためである。一方で教育環境に,タブレット型端末の導入が始まった。タブレット型端末は可搬性に優れ,教室でも校外でも使用できる。また,ボタン一つですぐに起動し,準備に時間がかからない。日常の学習では使用しやすい。

 そこで,理科における観察画面においてタブレット型端末のカメラ機能とビューア機能を活用する実証研究を行い,その効果を検証した。グループの話合いの中で発言数が増えたり,観察対象の特徴をとらえた言葉が表出したりする効果と、学習の満足度が高まる効果を,児童へのアンケートと話合いの様子の分析をもとに明らかにした。

 その結果,デジタルカメラを活用した話合いとタブレット端末を活用した話合いでは発言数に違いがあることや,タブレット型端末を活用すると観察対象の特徴をとらえた言葉が表出する効果があることが明らかとなった。また、学習の満足度が高まる効果も明らかになった。

【参考文献】

小学校学習指導要領 文部科学省 2008

小学校学習指導要領解説総則編 文部科学省 2008

小学校学習指導要領解説理科編 文部科学省 2008

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2009)「デジタル読解力調査」国立教育行政研究所 2009
「新訂ユーザーのための教育・心理統計と実験方法」 田中敏 山際勇一郎 1992


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「教育実践」 
科学的思考力を高めるために表現活動を重視した学習モデル
新潟市立葛塚中学校
坂井 友紀

 

 理科に対する自信や学ぶ必要性を高めるには,生徒自身が「分かる」体験を積み重ねていくことが必要であると考える。「分かる」ための手立てとして「かかわり合い」と「粒子モデル」を用いながら学習を進めていった。

 学習指導要領では、『粒子などの基本的な見方や概念を柱として内容を構成し、基本概念の一層の定着を図る』とあり、中学校の化学分野では、粒子概念を取り入れて学習することになる。2年生の「化学変化と原子・分子」3年生の「化学変化とイオン」では、まさに粒子概念が必要になってくる。しかしこの考え方に抵抗を持つ生徒は少なくない。物質が粒子で構成されていることを目できちんと確認することはできないことが、粒子概念の習得の難しさの原因になっていると考えた。

 粒子概念の獲得に有効な手立てとして「粒子モデル」がある。粒子モデルは物質の諸現象を半具体物で表すことができ、自分たちの目で確認しながら考えを深めることができる思考ツールである。粒子モデルを使いながら諸現象を説明したり理解を深めたりできる授業に取り組んだ。粒子モデルを授業で繰り返し行ったことで、生徒は書くことに対して自信をもち、自分の考えに間違いを恐れずに書くことができるようになる変容がみられた。生徒自身が自分の考えを表現する活動では、粒子モデルが有効であり、自分の考えを整理する上で欠かすことができないものであることがわかった。
 また、生徒の思いや考えを広げたり深めたりするには,書いたものをもとに「かかわり合う」活動が重要である。授業では課題の初めに自分の考えを粒子モデルを用いて表し、その考えをもとに教師と生徒や生徒同士の対話を行う活動を行った。対話をする活動の中で生徒は自分の考えを確信に変えたり、考えの矛盾に気付き考えを改めたりする姿がみられた。「かかわり合う」活動を通して、生徒自身が考えたことを粒子モデルを用いてより具体的に表現できるようになったことから科学的な思考力を高めるために有効であることがわかった。


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「教育実践」 
既習事項の活用を促す工夫で、科学的な考え方の定着を図る授業
〜イオンの考え方の定着を図る活動を通して〜
五泉市立五泉中学校
庭田 雅範

 主題設定の理由
○実験・観察の結果や知識のみの理解にとどまっており、それを他の現象と関連付けて「だからこのときはこうなるのか」と現象のしくみを再認識していく科学的な考え方の経験の少なさが原因で学習内容の定着が十分ではない。
○小学校の分野目標である対比や関連付けが、いまだ十分に身に付いていない。
以上2つの背景から、いくつかの既習事項や実験結果を関連付けて現象のしくみを説明する経験によって、科学的な考え方を身に付けさせることができると考えた。そして、一度限りではなく、これらの活動を何度も繰り返すことで科学的な考え方が定着させられると考えた。
主題にせまる手立て
@既習事項を繰り返し活用し、現象のしくみを説明する場面を設定した単元構成と互いに関連性のある複数の課題提示
・イオンの考え方を習得させる前でも電気分解の実験結果からイオンの考え方の一部を自ら気づくことができる。
・イオンの考え方を用いると電流が流れるしくみを説明することができ、その良さを実感することができる。
・新しく獲得したイオンの考え方(既習事項)を繰り返し活用し、科学的な考え方を身につけることができる。
A既習事項と課題を対比させることで、共通点を見いだしやすいワークシートの作成
・塩化銅を水に溶かすと電流が流れるしくみの説明と対比させることで共通点が見出しやすいようにし、他の水溶液でも電流が流れるしくみを説明できるようにワークシートの形式を工夫する。
成果
『手だて@ 既習事項を繰り返し活用し、現象のしくみを説明する場面を設定した単元構成と互いに関連性のある複数の課題提示』は有効であった。
・イオンの考え方を習う前でもイオンの考え方の一部を生徒は自ら導き出すことができた。
・イオンの考え方を用いて、塩化銅を水に溶かすと電流が流れるしくみをモデルや文字で正しく表現し、導線内に電流が流れると結論づけることに大きく近づいた。
・他の水溶液で同じような思考のパターンを3回繰り返させることで、生徒のワークシートの記述に成長が見られた。
『手だてA 既習事項と課題を対比させることで共通点を見いだしやすいワークシートの作成』
・生徒全員のワークシートの記述からイオンの考え方である6項目の既習事項すべての項目において、図や文字を用いた記述が85%以上あった。

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「教育実践」 
既習事項を基に、実生活での活用を目指した指導の工夫
〜天気とその変化、気象予報の実践より〜
長岡市立青葉台中学校
古川 俊輔

 平成24年度実施の全国学力・学習状況調査の中学校「理科」の結果より、「活用」に課題があることが明らかになった。中学校理科3(3)の正答率は、全国では11.3%、本校は12.8%であった。本設問では、他者の考察を検討し、根拠を示して改善した考察を説明することが求められる。既習事項を理解した上で、他者の考察を検討し、自らの考えを改善していくことに課題がある。そこで、B区分「天気とその変化」において、既習事項を基に科学的根拠を明らかにしながら、天気の予報について考察を行う。自らの考えや、他者の考えについて、科学的な知識や概念と天気図の変化などの結果を根拠に、その妥当性などを検討する。この活動を通して、多面的、総合的に思考させ、自らの考えや他者の考えを改善する学習活動を導入し、科学的な思考力や表現力を育成する。
 天気の学習は、実生活との結び付きが強い内容である。しかし、実際には、生徒は何気なく天気の予想を行っており、科学的に考えることには関心が低い。そこで、生徒にとって特に関心の高い行事について、天気の予想を行い、互いの考察を検討し合った。活動を通して、その原因について考えを深めるとともに、主体的に天気に対して備えるようにもなり、実生活に生かす姿が見られた。
【実践の実際】
○習得を図る手立て(1年次)
@気象観測の実施:1週間継続しての気象観測(天気・気温・湿度・気圧・雲量について観測)
A天気図の立体モデルの作成
BIT機器の活用
○活用を図る手立て(2年次)
・春:市内大会 梅雨:通信陸上大会 夏:体育祭 それぞれの天気について予報・考察
・天気・気温・風向それぞれについて、科学的根拠を基に互いの考察の検討

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「教育実践」 
目的意識をもたせ、科学的思考力を高める指導の工夫
長岡市立東中学校
石田 幸弥

  日常生活に即したり、解決したいと思ったりするような課題を提示することで、生徒は目的意識を高めて実験観察を行うと考えた。また、この目的意識は、課題解決のための実験計画を練り上げる場面や、結果を分析・解釈する過程で、生徒の探究心を深く持続させる。このことにより、実感を伴った理解が可能となり、科学的な思考力が向上するのではないかと考え、本研究を行った。
 目的意識をもたせる手立てとして、次の4つを行う。
@生徒のレディネスを把握する。
AICT機器を利用した視覚的なアプローチを行う。
B手で触れることのできる実物教材を使用する。
C日常生活に即したり、解決したいと思ったりするような課題を提示する。
 科学的思考力を高める手立てとして、次の3つを行う。
@ワークシートの実験計画を、言葉だけでなく図や絵で表現するよう書き方の指導を行う。
A見本となる生徒の記述や図などワークシートの内容をスキャンして画像資料にし、タブレット端末とプロジェクターで映し、全体に紹介しながら称賛する場面を取り入れる。
B発表が苦手な生徒が自信をもって発表できるよう、説明文の型を示し、予想や実験結果を穴埋め形式に記入できる発表原稿カードを使用する。
 実践として第一学年、変動する大地の単元で研究を行った。ICT機器を活用し、マグマが噴火口から吹き出ている映像を示した後、「火山の形は何によって決まるか?」という課題を全体課題として提示した。ワークシートをB4サイズにし、課題、予想、指定された器具を使用した実験計画、実験結果、考察、まとめを一枚にまとめ、図や絵で考えを書くように支援した。授業では、予想の段階で10班ある班のうち、6班がマグマの粘性によって火山の形が決まると予想した。実験装置は、袋の中に小麦粉と水の混合液体でつくったマグマモデルを入れ、袋の口を板に固定し、手で混合液体を袋の上から押し出すことで、マグマが噴火したモデルを表現した。水の量を調節することでマグマモデルの粘性が変わることを利用し、マグマの粘性が大きければ溶岩ドーム型の火山ができ、粘性が小さければ楯状火山型の火山ができるということを考察することができた。また、発表原稿カードを用いて実験結果と考察を発表したことで、論理的な発表を行うことができ、生徒は耳を傾けて内容を聞いていた。実践の次時では、生徒のワークシートをスキャンして画像化したものを、全体に紹介して称賛した。
 今後は、第二学年「電流とそのはたらき」、第三学年「運動とエネルギー」の実践を通し、生徒の発言や記述、変容をとらえることでどのように科学的思考力が高まっていったのかを検証する。更に実践を繰り返し、より効果的な指導方法を追究していく。

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「教育実践」 
科学的な言語を用いた伝え合う活動による粒子概念の獲得の工夫
長岡市立南中学校
倉町 宏治

 

 これまでの授業を振り返ると、原子・分子などの粒子概念は実感を伴って理解することが難しいため、分かりにくいと感じている生徒が多かった。その原因として、実験結果などの具体的な事象を基にしても、それについて抽象的科学的概念である粒子で解釈することに難しさがあることが挙げられる。つまり、生徒は、具体的な事象について科学言語を用いて解釈することに難しさを感じているといえる。しかし、それ以上に粒子概念の有用性を実感しにくい授業を展開してきていることも一因と考える。例えば、実験方法や使用する薬品を教師が準備・説明し、求めた結果を基に粒子についての説明を教師が行って理解させていくような授業が多かった。
 そこで、生徒が予想を立て、その予想を確かめる実験方法を考える授業の展開を考えた。それぞれの実験結果からの考察を集約し、科学的な言語を用いて解釈し伝え合う場を設定する。その過程で、粒子概念は実験結果を説明したり、他の意見を思考する際に必要となってくることが実感できると考えた。具体的に操作できる科学的なモデルとして粒子モデルを用いるなど、科学言語を用いて伝え合う活動を取り入れることによって、粒子概念を学習する有用性を実感し、生徒自身の手で具体的な事象と抽象的な概念をつなげることにより、これまでより効果的に粒子概念が獲得できるのではないかと考えて実践を行った。


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「教育実践」 
粒子概念を定着させるための指導の工夫
魚沼市立小出中学校
北村 弘行

  中学2年生で指導する「化学変化と原子・分子」の単元は、生徒にとって初めて物質を粒子としてみる単元であり、単元を学習した後に、化学反応式を正しく書けず苦手とする生徒が多かった。また、現象の理由を説明できない生徒や考察場面で意見交流を意欲的に行えない生徒も多かった。これは、知識として形式的に伝えるだけの指導になっていたこと、考えを周りと交流させる場面が少なかったこと、過去の学習内容を活用する場面が不足していたことに問題があると考えた。
 そこで、目に見える物質の性質や反応を、目に見えない原子や分子の概念を用いて考察させることで、化学変化をより深く理解できるよう試みた。
 具体的には、まず、目に見えない原子・分子のふるまいを想像しやすくするために原子カードや粒子モデルを活用した。化学反応式の書き方の学習以外に、実験の予想、考察場面においても原子カードを用いて考えさせた。化学反応式の学習の際には、班ごとに紙粘土で作った粒子モデルで様々な反応式を作成した。その結果、多くの生徒が化学反応式を書く時のきまりを理解して正しく浮ケた。質量保存の法則が成り立つ理由も多くの生徒が説明できた。
 次に、過去の学習内容の活用や仲間との協力を必要とする探求的な学習活動を設定した。その結果、過去の学習内容を仲間と振り返りながら、明確な根拠をもって卵zしたり、考察できた生徒が多かった。自力ではできないことに気付き、必然的に仲間と協力しようとする姿もたくさん見られた。
 そして、個人の考えを共有し、練りあげるために班ごとにホワイトシートを活用した。その結果、書いたり消したりしながら考えを整理したり、より分かりやすい表現にまとめ直したりするなど、仲間と意欲的に意見交流をしながら、より鋭い考察を行うことができた。
 このような手立てを講じることで、粒子概念を定着させるための授業へと改善することができた。

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「教育実践」 
科学的な根拠を示しながら自分の考えを表現する生徒の育成
〜根拠の分類と話型を用いた指導を通して〜
十日町市立南中学校
平野 雄介

 OECDのPISA調査において、思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式問題、知識・技能を活用する問題に課題があることが明らかになっている。また、科学的な思考力、表現力の育成を図るためには、観察・実験の結果を分析して解釈する能力や、導き出した自らの考えを表現する能力の育成が重要である。教科の特性から、レポート作成、仮説・考察の発表時にそれらの能力を育てることができる。問題解決場面で、根拠を示しながら自分の考えを表現することが必須だからである。根拠を示しながら自分の考えを表現することは、事物・現象を分析、解釈して他者に伝えることであり、日常的な積み重ねにより育成される能力である。また、これまでの授業を振り返ると、観察・実験で得られた事実を客観的にとらえ、科学的な知識や概念を用いて合理的に判断し、それらを活用するまでは到っていない。これは、根拠に基づいて意思決定する経験が不足しているためと考えられる。
 そこで、根拠を示しながら自分の考えを表現することを繰り返し経験させる。問題解決場面で使用する根拠を『データに基づく根拠』『既習した知識や体験による根拠』『たとえ話や仮説に基づいた根拠』『友達の考えに基づいた根拠』の4つに分類する。自分の考えを表現する際には、どの根拠にあてはまるのかを選択させる。このことで、事物・現象に対して、どの生徒も根拠をもつことができた。さらに、根拠を含んだ話型を用いて、表現する活動を充実させた。多くの根拠を考えることができるようになり、発表や説明する活動が充実した。また、根拠を示しながら他者と意見交流をすることで、仲間と共に自分の考え方の変容を実感することができるようになった。
 これらの経験を繰り返し行うことで、理科の目標である科学的な見方や考え方を養うことにつながり、事物・現象から科学的な根拠を見つけ出すことができる生徒が増える。

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「教育実践」 
音を可視化することで管楽器の音の出る仕組みを探究する学習
〜中学校第1学年「音の性質」の実践〜
新潟市立女池小学校
澤栗 賢一

  中学校学習指導要領解説理科編には,ものづくりは「科学的な原理や法則について実感を伴った理解を促すものとして効果的であり,学習内容と日常生活や社会との関連を図る上でも有効である。」とされ「楽器などのものづくりを取り入れ,原理や仕組みの理解を深めさせる。」と示されている。管楽器は身近で,生徒にとって慣れ親しんだ存在であるため,ものづくりの学習と日常生活をつなげる効果が期待できる。しかし,中学校では,管楽器の音の出る仕組みの学習はしない。現在のように,管楽器の音の出る仕組みを学習せずにものづくりのみを行うのであれば,それは単に興味・関心を高めるための工作に終わり,活動の意味が薄れてしまう懸念がある。ものづくりを通して,科学の有用性や学習の身近さを実感させるために,管楽器の音の出る仕組みを扱うことが必要だと考えた。
 本研究の目的は,中学校の理科の音の単元において,生活と結び付きやすい管楽器のものづくりを行う。ものづくりから,管楽器の科学的な原理や法則の理解を促すために,教材および授業デザインを検討し,授業の効果を検証する。なお,一般的にものづくりは,単元の導入の意欲付けや,既習事項の活用の場面で行われる。本研究のものづくりは,管楽器の音の出る仕組みの理解という発展的な学習として位置付ける。
 管楽器の音が出る仕組みである気柱共鳴を指導するために,気柱管の定在波を可視化するクントの実験を取り入れた。クントの実験は管の中の発泡ビーズの動く様子で,空気の振動する様子が分かる。また,クントの実験はピストンで気柱管の長さを変えたり,コンピュータソフトで複数の周波数の混じった音を出したりできるようにした。
 授業は,空き缶トロンボーンを作成し鳴らすことで,音の響きや高さの特徴を体験から捉えさせた。そして,「音が響くのはなぜか。」「管の長さを変えると音の高さが変わるのはなぜか。」「マウスピースの『ブー』の音がいろいろな音に変わるのはなぜか。」の3点を課題とした。課題を解決するために,クントの実験を行い,空き缶トロンボーンの音の出る仕組みを考えた。
 評価は,授業に関する意識調査(4件法),クントの実験及び空き缶トロンボーンの理解調査(記述)で行った。また,ワークシートの記述,会話記録の分析を行った。
 授業に関する意識調査(関心・意欲,日常への発展,学習理解)の平均点は3.4点であった。また,授業後の感想に「空気のふるえる様子が実際に目の前で見れて実験がおもしろかった。」「他の楽器のしくみも調べてみたい。」といった記述が見られた。クントの実験を取り入れた授業は,生徒の興味・関心を高め,日常生活との関連を高めることができたと考える。
 クントの実験の理解(共鳴,管の長さと音程,複数の周波数の混在)の平均正答率は80%であった。音の出る仕組みを考えている場面では,教師の「(空き缶の)音がなぜ響く。中がどうなっていると思う。」の発問に対して「空き缶の中も同じ。」「クントの実験と同じで,クントの山ができると思う。」「管の長さが合うと響く。」といった生徒の発話があった。また,生徒のワークシートに,クントの実験を基にした気柱共鳴をイメージする図や「スピーカーから出た音の波がピストンに跳ね返ってきた音の波と重なると共鳴する。」といった記述が見られた。クントの実験は,気柱管の長さを変えたり,複数の周波数の混じった音を出したりすることで管の長さと共鳴,管の長さと音程について実感を伴った理解を促すものとして効果があったと考える。一方で,「複数の周波数の混在」の正答率は70%と低いことが課題である。教材の共鳴音がはっきり聞き取れる工夫と共に,その現象が起こる理由を生徒同士で議論する場面を設定することが大切だと考える。
 空き缶トロンボーンの理解(管の長さと音程,マウスピース,空き缶トロンボーンとクントの実験の対応)の平均正答率は70%であった。「管の長さと音程」の正答率は87%と高く,ものづくりで管の長さと音程を体験から理解したことが,クントの実験の理解を促進させたと考える。一方で,「空き缶トロンボーンとクントの実験の対応」の正答率は59%と低かった。生徒の関心を高めるために,授業の導入で,本物のトロンボーンを演奏させた。しかし,これによって,開管と閉管の管楽器が混在してしまった。難易度の高い活動であるため,同じ条件の楽器を提示する必要があると考える。
【参考文献】
笹川民雄:「クントの実験における粒子の運動」,物理教育 ,Vol.57,No3,pp.201-208,2009.
上野佳奈子:「クントの実験による定在波の可視化」,日本音響学会誌,Vol.63,No2,p.116,2007.
勝野孝・川上紳一:「音を視覚的に捉えるクントの実験装置の開発と中学校理科第1学年「身近な物理現象」における活用」,岐阜大学教育学部研究報告.自然科学,Vol.35, pp.87-92, 2011.

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「教育実践」 
関係付けながら調べる理科学習の工夫
〜第4学年『水の3つのすがた』より〜
佐渡市立沢根小学校
大蔵 武彦

 

 本単元は,水の状態変化を温度変化と関係付けながらとらえさせることがねらいである。しかし,これまでの私の実践では,「水は100℃で沸騰して水蒸気に変化する。」という関係付けで終わっていたため,沸騰実験の最中にフラスコの底から出てくるあわが水蒸気であることや,水蒸気が冷やされて湯気になることを十分に説明することができなかった。この要因は,「水←→水蒸気」の状態変化を温度変化と関係付け,意識させながら考えさせる手だを講じてこなかったことにある。

 そこで私は,水の状態変化を『水モデル』で表すだけでなく,水を100℃にする熱量を『熱モデル』として与え,水の状態変化と熱量の変化を2種類のモデルを使って考えさせた。

 熱量を表す赤色マグネットの提示により,水の状態変化と温度変化を関係付けた事象解釈をさせることができた。さらに,水の状態変化について,熱量の働きをイメージさせることができた。また,モデルは,可視化や操作性に優れつつ,統一された表現のため,互いの考えを比較しやすい。そのため,お互いの考えの比較・検討を通してより妥当なモデル表現や事象の説明へと高めることができた。
 モデル操作と言語を結び付けて文章化する場面の設定では,モデル操作そのものを文章化させるのではなく,科学的な言語に置き換えて説明させることで,事象理解をより確かにさせることができた。


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「教育実践」 
科学的な思考力・表現力を高めるための指導の工夫
〜共通の表現方法によるモデル図を活用した指導〜
田上町立羽生田小学校
本田 勇輝

  これまで理科の「もののとけ方」や「電流のはたらき」等、目に見えない世界を扱う単元では、子どもたちに自由にイメージをさせて図を用いて予想を立てたり実験結果をまとめたりする活動を取り入れてきた。しかし、予想や考察をグループやクラス全体で交流する際、図の表現方法が多様になってしまい、互いのイメージ図を理解することが難しく、互いの考えを深めることが難しかった。
 そこで、子どもたちが考えたイメージ図をもとに、共通の表現方法によるモデル図を用いることで、自分の考えをよりよく表現し、互いに交流し合うことができ、科学的な思考力や表現力を高めるのではないかと考えた。5年生の「もののとけかた」の単元で実践を進めた。
 第一実践では、子どもたちのイメージ図からクラス共通の図(モデル図)へ表現方法を統一して予想や考察を考えさせる活動を行った。クラス統一の図を用いることで自分なりの予想を表現できるようになった。しかし、子どもたちのイメージ図から作り上げたために単元を通して図を活用することが難しかった。また、「考察」を図を用いて表現することができない児童が見られた。ものが溶ける様子と図を結び付けて考えることできない。そこで、きちんとモデル図を子どもたちが理解し、使いこなせるようにする手立てが必要だと考えた。
 第二実践では、初めに表現の方法を教師側から提示して学習を進めた。単元を通して用いることができる図にしたため、予想を立てる場面、実験結果から考察を考える場面で子どもたちは図を用いて表現できるようになってきた。また、単元の初め「食塩やミョウバンが水に溶ける量に限度があるか」の学習では、実験でものを溶かしていく過程に沿って図に描く活動を取り入れた。
 表現方法を統一したモデル図を描かせることで、子どもたちに「見えない世界」についてしっかりと考えさせ、自分の考えを表現させることができた。さらに、以前より互いの考えを交流ができるようになった。

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教育奨励賞
「理科大好き」な子どもを育む「地域の理科教育力」向上の試み
〜教員の指導力向上と地域素材の活用を通して〜
十日町市立水沢中学校
村山 貴芳

 受賞理由
 コア・サイエンス・ティーチャーとして,「理科好きの子どもを育てたい」という確固たる指導理念をもち,身近な地域素材の教材化や子どもの興味・関心を踏まえた教材開発に精力的に取り組むとともに,教員の指導力向上を目指した数々の実践は,大いに評価できる。

 地域の理科サークル等の活動を積極的に行うとともに,地域の理科教員や若手教師への指導を長年に渡り献身的に行うなど,後進の指導に熱心に取り組んでいる。地域の理科教育推進のリーダーとして,今後なお一層の活躍が期待される。

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教育奨励賞 科学が好きな子どもを育てる理科教育の推進
新潟市立白新中学校
山内 伸二

 受賞理由
 科学が好きな生徒を育てたいという信念と確かな理科教育理論に基づいて,質の高い実践を積み重ねている。とりわけ,仮説実験授業を基にした理科授業の実践を長年継続していることは注目に値する。

ガリレオクラブ」で指導した生徒の科学研究作品が,平成19年度から6年もの長きに渡り,毎年高い評価を受けている。自身もその指導者として,「日本学生科学賞優秀指導者賞」を受賞している。また,今年度は「第56回日本学生科学賞中央審査」中学校の部において「内閣総理大臣賞」に輝くなど,全国的にもレベルの高い研究活動を生徒に促しており,その指導力は高く評価できる。

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