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特別支援教育

「教育実践」
「見る力」に弱さがある児童への小学校早期での指導と支援
〜通常学級における一実践とその考察〜
五泉市立五泉東小学校
鈴木 千緒里

  通常学級に在籍する小学校1年生のA児は、入学当初平仮名の読み書きがほとんどできなかった。また平仮名の学習を進めてもなかなか読み書きが定着しなかったり、教科書の音読の際にどこを読んでいるのか分からなくなってしまったりする姿が度々見られた。これらの読み書きの困難さは「見る力」の弱さからくるものだと推測された。そこで「見る力」に弱さがある児童に対して、小学校早期の段階で適切な指導と支援を講じることで、「見る力」を高め、読み書きの学習につなげることができるのではないかと考え、以下のことを実践した。
1 50音表の活用
 国語の教科書に載っているものを印刷し、表に50音、裏は幼捉音の平仮名とイラストを一覧にした。イラストと結び付けて平仮名を読んだり書いたりできるように、一斉指導の中でも適宜言葉を掛け、一人でも活用することができるようにした。また授業中でも家庭学習でも手掛かりや確認が必要な時にいつでも利用することができるようにした。
2 アセスメントの実施と分析
 見る力を視覚にかかわる様々な観点から検証し、学びの困難さがどこにあるのかを把握するために、ビジョン・アセスメント「WAVES(視覚関連基礎スキル検査)」を実施した。アセスメントより、A児は、見たものの形や空間を捉える力(視知覚)に弱さがあり、形や位置関係、方向などを見分けることが苦手であることが分かった。
3 WAVES「はじめてのトレーニングドリル」と平仮名学習
 週に1回の個別学習では「はじめてのトレーニングドリル」と絵カード等の手掛かりを活かして平仮名の読み書きをする学習を行った。いずれもA児が楽しみながら課題に取り組むことができるようにして、少しずつ難易度を上げていった。
4 読み書きの基礎力アップのための学習
 個別学習において、絵を見て足りない文字を補ったり、複数の単語を見て仲間分けしたりする学習を行った。
 これらの実践の結果、A児は弱さが見られた「ものの形や空間を捉える力(視知覚)」を高めることができた。また以前よりも点の位置や線の方向などの細かい部分に注意が行くようになり、平仮名46字を正確に読んだり書いたりすることができるようになった。これにより学習の積み上げがスムーズにできるようになり、学びへの自信も深めることができた。
 文字の読み書きは、学校の全ての学習において必要不可欠とされる基本的な技能である。なんらかの原因により読み書きに苦手意識をもってしまうと、学習全般に消極的になってしまうことが考えられるため、小学校入学早期から児童の困り感に寄り添い、適切な指導と支援を講ずることは大変重要であると考える。

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「サークル活動」
岩船村上特別支援教育サークル
村上市立村上小学校
八藤後 和男

  岩船村上地区の特別支援教育を担当する会員で結成されたサークルです。現在、小学校、中学校、特別支援学校に勤務する会員から構成されています。当サークルでは、実践発表や事例研修会、情報交換等の研修を積み重ねており、昨年度は年間8回開催しました。より多くの方から参加してほしいと願い、事例研修会には、サークル会員以外の方にも参加を呼びかけています。
 また、過去数回「夏の特別支援教育全体研修会」のワークショップを担当しています。昨年度は会員の実践を基にグループで協議しました。
 今後も、会員のみならず、多くの方に情報を発信し、当地区の特別な支援を必要とする児童生徒に対して寄り添える教師を増やすことを目指します。

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「サークル活動」
北新特別支援教育の会
新潟市立東特別支援学校
中村 義和

  北新特別支援教育の会は、新発田、聖籠、胎内、阿賀野の四つの市町のサークルです。
 障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、一人一人の教育的ニーズに応じた支援の在り方について研修を行っています。定期的に、実践発表や事例検討、県内の大学から指導者を招いての座談会などを実施しています。多くの会員が校種を超えて、有効な支援について熱く議論したり、日々の教育活動の中で感じている悩みや疑問点について一緒に解決策を話し合ったりしています。
 また、近年は会員外からの事例検討等の依頼もあり、地域のセンター的な役割も積極的に果たしていきます。事例検討や相談等があれば、いつでも気軽に連絡をお待ちしています。

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「サークル活動」
加茂・田上の特別支援教育を考える会
加茂市立葵中学校
吉野 雄一

  当サークルは、加茂市および田上町の特別支援教育に携わる全ての先生方を対象に発足したサークルです。サークルのメンバーは、通級指導担当や特別支援学級担当が中心となり、知識や技量の向上を目的に、月1回の活動に取り組んでいます。
 具体的には、加茂・田上の若手、中堅教員の会と連携し、通常学級に在籍する児童生徒の支援の在り方について検討する機会を設けたり、講師を招聘した講演会を開催したりしています。
 今後も、学校生活で困っている児童生徒に対して寄り添い、導いていける教師を目指し、研修を深めていきたいと思います。そして、同じ志をもつ仲間を一人でも多く増やしていけるよう、多くの方に情報発信していきたいと考えています。

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「サークル活動」
中越特別支援教育研究会
長岡市立高等総合支援学校
横田 敏盛

  当研究会には特別支援学級、通級指導教室、特別支援学校等、多様な分野で活躍する会員が所属しています。
 専門的な知識をもつ講師による講演や演習を通して、よりよい指導・支援の在り方を追求します。
 また、長岡や隣接する地域には、本県の特別支援教育を支えてきた人材が豊富です。パイオニアの方々より、貴重な実践や取組をお聞きし、更なる特別支援教育の発展に生かしたいと思います。

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「サークル活動」
魚沼の特別支援教育を語る会
小千谷市立片貝小学校
小野怐@文子

  魚沼市・小千谷市を範囲とした、特別支援教育を考えるサークルです。活動は全6回。主に小千谷市を会場に活動しています。
 今年度の活動のポイントは、「通常学級における特別支援のあり方」です。通常学級に在籍する特別支援を要する児童生徒も含めて、どのような指導・支援のあり方が望ましいのかを、講師を招聘して御教示いただいたり、事例を通して考えたりして研修を積み重ねています。
 県内の大学から講師を招聘して行う研修会については、会員外の魚沼市、小千谷市の小・中・特別支援学校の方だけでなく、近隣地区 (中魚沼・十日町、南魚沼)の方にもお声掛けしています。特別支援教育の輪を、皆さんで広げていきましょう。

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「サークル活動」
特別支援教育を考える妻有の会
十日町市立ふれあいの丘支援学校
近藤 修平

  中魚・十日町地区を範囲とした、特別支援教育のサークルです。活動は、月1回、主に十日町市立中条小学校を会場に活動しています。
 当サークルでは、障害のある児童生徒への指導・支援方法だけでなく、特別支援教育の考え方、教え方、子どものとらえ方などを基本とした、通常学級における学力の向上や社会性の向上を目指した指導・支援方法について学び合っています。サークル会員による事例検討会や実践発表会だけでなく、教員が実際に抱えている困り感に対して、具体的な対応方法を示すことができる講師を招いた研修も行っています。「ないと困る支援」は、みんなにとっての「あると便利な支援」となります。児童生徒が「分かる・できる」を感じる授業づくり、「安心する」「居心地が良い」と感じる学習環境づくりを目標に研修を積んでいます。
 中魚・十日町地区に勤務している方だけでなく、他の地区の方でも、特別支援教育に興味関心のある方は大歓迎です。

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「サークル活動」
南魚特別支援教育研究会
南魚沼市立総合支援学校
川沼 正憲

  全国的に特別支援教育のニーズが高まっている中、平成25年度に南魚沼市に総合支援学校が開校しました。当サークルは、その総合支援学校を中心として南魚の特別支援教育を牽引するために発足したサークルです。
 昨年度は、総合支援学校での実践を通して、活動の仕組み方、児童生徒への対応の仕方、伝わる表現の仕方などを学び合いました。
 幼稚園・保育園・小中学校・高校・特別支援学校の教員が集まり、担当している幼児・児童・生徒への困り感や対応の仕方等の情報交換を行いながら見識を深め、必要な手だてを検討し、幼児・児童・生徒の健やかな成長につないでいきます。

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「教育実践」
協調性に課題のある児童の行動改善
新潟市立大野小学校
澤田 哲寛

  協調性が低く、他の児童と人間関係を築くことが難しい児童がいる。自己中心的な言動が多く、遊びを自分の思い通りにしようとし、命令をしたり、ルールを変えたり、相手から物を取り上げたりしようとする。また、自己顕示欲が強く、リーダーになりたがったり、自慢したり、相手を下に見るようなものの言い方をしたりする。相手を怒らせて喜ぶ癖があり、相手の反応が強くなるほど行動がエスカレートするなどが主な問題行動である。
 これらの問題行動を改善するために4つの取組を行い、その後に周囲の児童に対し、対象児童ともう一度遊んでもらえるよう促す授業を行った。
1 トークンエコノミー法を用いた。人に対してよい行動をしたときに、スマイルマークというカードを渡した。スマイルマークを貯めると、シールと交換できたり、学級で飼う新しい魚を選ぶことができたり、お楽しみ会をすることができたりする。
2 日常指導及びSST(ソーシャルスキルトレーニング)を行った。他の児童に不快な思いをさせる言動があったときに、活動の場から離して言動を振り返らせた。また、どうすればよかったかを考え、よいと思われる行動をロールプレイで実際にやってみる活動を行った。
3 活躍の場を提供した。教師のお手伝いや活動の準備などで仕事をお願いし、そのことについて帰りの会などでみんなに伝えながら褒めた。
4 学校であった良い行動を保護者に伝え、家庭でも褒めてもらえるよう促した。
 これらの取組の結果、児童は言葉を口に出す前に少し考える姿が見られるようになったり、話合いで人の意見にも耳を傾けるようになったり、人がやりたがったことを譲ってあげたりするようになった。
 このような行動の改善が見られたため、周囲の児童にもう一度対象児童と遊んでもらえるよう促す授業を行った。その結果、集団の中に入って、一緒に遊びを楽しめるようになった。

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「教育実践」
ADHDのある児童の通常の学級への適応を目指した取組
〜自己肯定感を高める三つの手だて〜
新潟市立大形小学校
武田 守広

  ADHDのある児童のS児は、衝動性や多動性の強さに起因する行動上の問題により、通常の学級にうまく適応することができず、教室から頻繁に飛び出していた。そして、通常の学級でうまく活動できたという経験をすることができず、失敗経験が積み重なった結果、他者と攻撃的な姿勢で関わるという二次的な障害が見られるようになってきていた。S児の日頃の言動から自己肯定感が低い様子が伺われた。
 本研究では、S児の自己肯定感を高めることで、通常の学級で学習する機会が増え、通常の学級に適応できるようになるのではないかと考えた。そのために次のような手だてを講じた。
<手だて>
1 目標をもって活動に取り組むための「トークンエコノミー法」の活用
 通常の学級での活動に参加できた際に、シールを獲得することができ、更に決められた数のシールを集めると自由時間と交換したり、実験が中心のお楽しみ理科に参加できたりするようにした。
2 自分の行動を振り返ることができる「できたことシート」の活用
 通常の学級での学習に参加した際、S児が「できたことシート」にできたことを記入して、自分の良い行動を振り返ることができるようにした。更に、周りの友達が学習に参加したS児のことをどのように思っているのかS児から想像して書いてもらい、友達のことを肯定的に受け取れるようにした。
3 保護者と連携してS児の自己肯定感を高める「みっけ!ノート」の活用
 家庭への連絡ノート「みっけ!ノート」を作成し、S児の良い行動を家庭と共有し、家庭でも良い行動をほめてもらえるようにした。良い行動を家庭と連携してほめていくことで、S児の自己肯定感が相乗的に高まっていくと考えられた。
 以上のような手だてを講じ、児童の変容と手だての有効性を探っていった。

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「教育実践」
在学中から利用できる福祉サービスの充実を目指して
〜学校・家庭・関係機関の連携・協働による取組〜
新潟県立はまぐみ特別支援学校
井口 貴雄

  子どもたちは地域で多くの人と関わりながら、暮らし、成長していく。当校の子どもの多くは在学中から地域の医療や福祉等の支援サービスを利用している。地域の関係機関との早期からの情報共有やニーズの確認は、本人や家族の卒業後の生活を確実に支えることにもつながると考える。当校においても近年、福祉サービス等に関する保護者からの相談が増えている。放課後や長期休業中を地域で有意義に過ごしたいという本人や保護者の願いが高まり、実際に利用する動きが盛んになってきた。
 そこで、以下のような取組を家庭、関係機関と連携・協働して取り組んだ。
1 「福祉サービス等の充実に向けたアンケート調査」の作成・実施
 保護者の具体的なニーズを把握し、関係機関と情報共有していくことを目的としてアンケート調査を実施した。作成に当たり、保護者や福祉行政、福祉事業所、相談支援事業所、訪問看護ステーション等の関係機関と連携・協働で作成した。学校が中心となり、「保護者の思いや伝えたいこと」と「関係機関の見解や知りたい情報」を相互に確認、理解し合い、合意形成を図るプロセスを大切にし、学校と関係機関の双方にとって有意義なアンケート調査の実施を目指した。
2 「からだの不自由な子どもが在学中から利用できるサービガイド」の作成・配付
 保護者への地域の福祉サービス等に関する情報提供を目的とした当校独自のサービスガイドを関係機関と連携・協働で作成した。実際にサービスを利用した生活をイメージできるように具体的で分かりやすい表現やサービス利用につながるような情報内容の精選に努めた。
 アンケート調査結果は「調査報告書」としてまとめ、行政、福祉事業所、相談支援事業所等、地域の関係機関へ情報提供を行うことで情報の共有やニーズの確認につなげた。サービスガイドは保護者への福祉サービスに関する理解・啓発につながり、実際に地域の福関係機関や福祉サービスの利用につなげたケースもあった。
 今後も一人一人の地域での充実した生活の実現に向けて家庭や関係機関と連携した研究を重ねていきたいと考えている。

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「教育実践」
発達障害のある生徒が示す問題行動の解消を目指した支援のあり方
〜認知行動療法を用いて、自己肯定感を高める〜
刈羽村立刈羽中学校
小林 素子

  認知行動療法は、当事者が抱える問題について、カウンセラーと当事者が一緒に、客観的に振り返りながら、自身の捉え方(認知)や行動の仕方を変えてみることを提案する技法だ。校内で問題行動を繰り返し示す高機能広汎性発達障害のある生徒に対して、この認知行動療法を用いて以下の支援を行い、問題行動の解消と望ましい行動の獲得を目指した。
1 問題行動に対する振り返り 
 対象生徒は、校内の特定の場所で様々な問題行動を繰り返し起こしていた。そこで、問題行動をするたびに、認知行動療法を用いて行動を客観的に振り返ることを繰り返した。その結果、それまで最も頻回に起こしていた特定の問題行動は解消した。しかし、別の問題行動を起こすようになった。 
2 望ましい行動を教えることとその振り返り
 別の問題行動も合わせて解消するために、望ましい行動を教えて、その行動が見られたときに、振り返りをするようにした。振り返りの際、望ましい行動を取ることができた理由(認知)を、対象生徒との話合いの中で担任が見付け出し、それを言葉にして用紙に書き出した。その結果、特定の場所での問題行動を全て解消することができた。
 振り返る内容を問題行動から望ましい行動へと変更したことで、対象生徒は、「望ましい行動を取れば、自然と周囲が自分を認めてくれること」を体験し、自己肯定感を高めることができた。それが問題行動の抑止につながったと考えられる。また、特定の場所を、「悪いことをして注意されるところ」から「正しく使って褒められるところ」というように、対象生徒の捉え方(認知)を変えたことで、正しい行動をとれるようになったと考えられる。
 生徒は、自分の周囲の状況を変えることはできない。しかし、肯定的な振り返りを繰り返すことで、生徒は自身の捉え方(認知)を変えることができ、さらに、その場に適した行動を取ることができるようになることが分かった。今後も、生徒に対する肯定的なアプローチを探し続け、生徒の支援に当たる。

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「教育実践」
進んで学習に参加する姿を目指した特別支援学級における外国語活動
〜自立活動における外国語活動導入の一考察〜
三条市立一ノ木戸小学校
山田 智久

  小学校学習指導要領の改訂により、平成32年度から中学年で「外国語活動」、高学年で「外国語科」が導入されることになり、また、障害のある児童への支援についても明記された。特別支援学級における児童や障害をもつ子どもへの外国語活動の実践は、近年徐々に報告がなされるようになってきている。
 当校の特別支援学級在籍の児童の多くは交流学級の外国語活動に参加しているが、「見通しをもちにくい」「初めての単語で聞き取れない」などの理由で、進んで活動に参加することが難しい様子が見られた。
 そこで、特別支援学級で、交流学級の外国語活動に近い内容を事前学習として行った。事前学習では、児童の実態に応じて一部内容を変えた。例えば、見通しをもちやすくするために、交流学級の45分の授業を15分に縮めて、15分を3日間同じ流れで行った。事前学習の後に、交流学級の外国語活動に参加した。
 このような手だてを通して、児童が進んで英語を発声したり聞いたりすることができると考え、児童の変容を探っていった。

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「教育実践」
子どもの学習意欲を持続させるための読み書き指導の工夫
〜国語の授業における問題行動の減少と関連付けて〜
長岡市立黒条小学校
古田島 郁美

 1 主題設定の理由
  読み書きの苦手さは学習活動全般に影響を与える。しかし、苦手さの原因は様々である。読み書きに苦手さがあり、それが原因でストレスがたまり、物や人にあたり、教室にいられなくなる子に対し、苦手さの原因を分析し、本人に合わせた支援を実施したい。これによりストレスを低減させ、併せて学習への意欲も高めたいと考えた。
2 研究内容と方法
(1) 研究内容
 国語の時間を中心として起きる読み書きの苦手さの原因を分析する。読み書きの苦手さに合わせた教材を用いて指導を行い、読み書き能力の伸長と問題行動の生起率を比較することによって、教材と指導方法の有効性を明らかにする。
(2)研究方法
 読みのつまずきの原因を明らかにするために、WISC−Wの結果と言語・コミュニケーション発達スケール(以下LCSA)の結果を分析する。それに応じた教材を選択し、実施し、その取組の様子を観察することで、その結果から読みの抵抗感への効果を判断する。また、事前のアセスメントと比較して読み能力の向上の効果を評価する。さらに、学習時の問題行動の回数の記録を行い、その変容を分析し、学習への取組が問題行動の増減に影響を与えたかを判断する。読みの能力との関連について検討するため、指導場面は特別支援学級での国語の時間に限定して実施する。
3 実践と考察
 支援開始前には絵を見て片仮名を思い出して書く課題を行った。しかし、片仮名を思い出すことはほとんどできなかった。この時期、問題行動の評価基準で決めた得点が高かった。支援第1期では、保護者の協力を得て、情緒の安定化を図り、学習では片仮名課題をヒントの多いものに改善した。この時期の問題行動得点は減少した。また、この期間に行った検査結果等から対象児の読みの苦手さは、読み障害などの認知特性によるものではなく、ADHDから生じる集中力の問題、未学習から生じる言葉の流暢性の問題と学習意欲の低下が原因と考えられた。そこで支援第2期では、支援第1期と同様の片仮名課題とともに本人の注意力や習熟度に合わせた読み課題を提示し、支援を継続した。
4 結果
 本人の読み能力に合った読み課題を取り入れることで、問題行動得点が更に減少した。読みの速度も速くなり、LCSA実施時に比べて支援第2期後は速くなり、読み能力の向上が認められた。また、進んで学習準備をする姿もみられるようになった。
 

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「教育実践」
生徒が向上心をもって作業学習に取り組むための支援について
新潟大学教育学部附属特別支援学校
土屋 賢一

  当校では、作業学習を中学部の中心的な指導の形態の一つと捉えて教育実践を行っている。
 当校の中学部の作業学習では、「働くことへの前向きな思いや考えといった価値を見出し、自分の役割となる活動に意欲をもって取り組む」ことをねらいとしている。すなわち「自分のために」という意識だけでなく、「他人のために」という意識を育てる必要がある。
 自分たちが使うものを作ることを目的にした2年前の研究では、意欲的に取り組む姿が見られたが、取組への興味が薄れると意欲が低下してしまう姿があった。そこで、以下のような手だてを講じ、生徒が学習への意欲を継続するだけでなく、「もっといい仕上がりにしたい」「もっといい製品を作りたい」といった向上心をもって活動できるようにしたい。
1 生徒の意欲を高めるための単元構成
 生徒の思いに着目し、単元を「生徒の興味・関心や得意なことを生かし、楽しさを十分に味わうことができる活動」「序盤で学んだことを生かしながら製品を自分たちで使うことで自分の取組の良さに気付くことができる活動」「身近な人に自分たちの取組を承認・称賛してもらったり、作った製品を使ってもらったりすることで自分の取組の良さを味わうことができる活動」の三つの段階で構成した。意欲を継続させ、向上心をもたせるためには、活動自体の楽しさだけでなく、活動の結果にも目を向け、結果に良さを感じることが必要であると考えた。そこで、「活動自体の楽しさを味わう段階」「出来上がった製品の良さを自分たちが味わう段階」「出来上がった製品を他人に使ってもらう段階」の三つを順に追って実践することで、生徒が向上心をもって取り組むことができるだろうと考えた。
2 意欲を後押しする支援
 意欲を継続させ、向上心をもつためには、生徒一人一人の取組の支援とは別に、作業意欲を後押しする支援が必要だろうと考えた。生徒一人一人には、自分の工程が自分からできるようにするための支援具を用意したり、自分ができたことが分かるための支援具を用意したりする。それ以外に製品であるプランターにグループの生徒全員が好きな苺を植える活動や、生徒にとって身近な教師から取組の様子を承認・称賛してもらったり、製品を頒布したりする活動を行う。「全体の支援」と「意欲を後押しする支援」の適宜見直しを図り、担当者間で精選して実践していく。
 以上の2点を中心に実践を行う。実践を通して、生徒は自分の目の前の作業に「もっとやりたい」「もっといい仕上がりにしたい」という思いで生徒一人一人がめあてをもって取り組むだろうと考える。生徒の思いの変容を取組の様子から分析する。
 

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「教育実践」
就労を希望している生徒の気づきに寄り添った支援の工夫
〜地域の人とかかわるMSGカフェの実践を通して〜
南魚沼市立総合支援学校
保坂 吉彦

  私が対象とする生徒は、人との関わりに強い不安を感じている。私は、在学中に安心した気持ちで人と関わることができるスキルを、生徒が身に付けてほしいと考えた。また、身に付けたスキルを評価するのは、地域に出て、人と関わる学習が有効ではないかと考えた。そこで、以下のような手だてを講じ、研究を進めている。
1 生徒の人との関わりの力を高める学習活動の設定
 生徒が人と関わるときの適切な距離や言葉遣いを学習するために地域に出て行うカフェの接客活動を設定した。接客に必要な定型句を使用することで、臨機応変に人と話すよりも安心した気持ちで関わることができるのではないかという仮説に基づいている。
2 生徒が接客のスキルを身に付けるための方策
 図などを使って時系列に接客の流れが分かるシートを作成した。生徒はシートを見ながらのシミュレーションを繰り返し行っている。また、地域に出て接客を行った後に生徒が自己反省を行い、気付いた課題を再度、シミュレーションをして解決してからまた地域に出るというPDCAサイクルに基づいた学習を展開している。
3 生徒がより安心した気持ちで学習に向かうための方策
 私は生徒にとって人と関わること以外に不安な気持ちがあると、学習効果が半減すると考えた。このことから事前に担当する役割と配置図をホワイトボードで示しながら説明をしている。
4 生徒の自己理解を進め、自己肯定感を高めるための方策
 生徒の障害特性から、言葉だけでの学習の振り返りは学習成果を本人が十分に理解するところまでに至らない。動画、静止画、お客様アンケート、作業ノートの四つのツールを使用した振り返りを行っている。生徒が次にどのような目標を立てれば良いかなどの自分自身での気付きを大事にしている。
 
 以上の4点が、「人と関わる力」を高めるための柱として、講じている手だてである。生徒が地域で豊かに生活する姿を常に思い描いて研究を進めていきたい。
 

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「サークル活動」
新潟子どもの心を語る会
新潟市立高志中等教育学校
永田 文子

 平成16年度に発足したサークルです。見えにくくなっている子どもの心の理解に努め、指導に活かすために、ケーススタディ(事例検討)を中心に取り組んでいます。最近は、教育相談だけでなく、生徒指導や特別支援教育の視点からも考えています。
 原則、月1回定例会を開催し、会員が抱えている事例を基に研修を進めています。そして、「参加してよかった」と思えるような活動を地道に続けていきたいと思います。

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「サークル活動」
SADO特別支援教育サークル
佐渡市立金井小学校
中村 哲裕

 当サークルは平成17年度に発足してから、今年で13年目を迎えます。活動は、主に佐渡市におけるセンター的役割を担う県立佐渡特別支援学校で行っています。活動を充実させるために、今まで「ぷれジョブ」や「ペアレントトレーニング」、「WISC-W」等の研修会を企画するほか、障害に対する理解を深めるための講演会等を実施してきました。
 昨年度は「誰にとっても分かりやすく参加しやすいユニバーサルデザイン授業(UDL)」と「障害のある児童生徒への合理的配慮」をキーワードに、実践紹介・情報交換を行いました。今年度は、ここに事例検討を加えて研修を進めています。秋頃には講演会も企画しています。より多くの方から参加していただき、情報を共有していきたいと考えています。

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「サークル活動」
岩船村上特別支援教育サークル
村上市立村上小学校
八藤後 和男

 岩船村上地区の特別支援教育を担当する教諭・管理職で構成されているサークルです。当サークルでは、会員の得意分野を生かした教材や実践の紹介を中心に研修に取り組んでいます。会員からは、発表者の話を聞いて簡単に使える、子どもたちの関わりが生まれる等の声があり、好評でした。
 また、年に一度、講演会を開催しています。昨年度は、新潟市内の特別支援学校の先生を講師にお招きしました。会員の共通の話題となる「校内委員会の運営と小・中・特別支援学校の連携」についてご講演いただきました。会員が特別支援教育を校内や地域で推進するために必要な方策を学びました。
 さらに、昨年度は夏季特別支援教育研修会にサークルとして参加し、ワークショップを担当しました。昨今の教育で話題になっていることをグループで協議し、校種間の情報交流を深めました。今後は、会員のみならず、多くの先生方に情報を発信し、当地区の特別な支援を必要とする児童生徒に対して適切に寄り添うことができる教師をさらに増やすことを目指します。

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「サークル活動」
図工・美術教育を楽しもう会
聖籠町立蓮野小学校
吉田 直彦

 「気張らずに、純粋に、図工・美術教育を楽しみたい!学びたい!相談したい!」そんな者同士が集まって発足させた自主研修サークルです。
 阿賀野市・新発田市・胎内市の先生方を中心に、学期に2回程度のペースで活動しています。基本方針は、子どもたちが大好きな図工・美術の時間を、より楽しく、魅力のあるものにしていきたいと願い、教材開発や授業力の向上です。
 活動内容は、@実技研修(ジェルキャンドルや飛び出すカード作り、草木染、アートカード、コマドリアニメーションなど)、A授業案の検討や実践のまとめ方の研修、B情報交換(教材、図画工作・美術教育の動き、美術展情報、研究会の報告など)、C親睦会などです。
 少人数のこぢんまりとしたサークルですが、和気あいあいとした雰囲気の中、活動しています。

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「サークル活動」
北新生徒指導サークル
新発田市立第一中学校
本保 逸彦

 現在の多岐に渡る生徒指導に対応するためには、事後治療的生徒指導と並行して、予防、教育的な生徒指導を展開しなければなりません。そのためにも、校内指導体制の確立と、学校間、関係機関との行動連携を図ることができる体制を確立することが急務です。そこで、生徒指導において校内のリーダー的存在である教員を中心に、その資質向上及び人材育成を目的として、当サークルが立ち上がりました。
 最近の生徒指導は、特別支援教育の知識・指導技能の習得なしには困難な状況であり、ここ数年は発達障害に関わる研修に重点を置いてきました。昨年度は事例検討を中心とした定期研修の他、指導者をお招きし、「生徒指導の基本にかえる」と題して講演会を行いました。サークル会員以外の先生方、小学校の先生方も多数参加され、実りある講演会とすることができました。今年度も「小中連携」を意識し、北新の子どもたちのために研修の成果を生かすことができるサークル活動を展開したいと思います。

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「サークル活動」
北新特別支援教育の会
新潟市立東特別支援学校
中村 義和

 北新特別支援教育の会は、新発田、聖籠、胎内、阿賀野の四つの市町のサークルです。
 障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、一人一人の教育的ニーズに応じた支援の在り方について研修を行っています。定期的に、実践発表や事例検討、県内の大学から指導者を招いての座談会などを実施しています。多くの会員が校種を越えて、有効な支援について熱く議論したり、日々の教育活動の中で感じている悩みや疑問点について一緒に解決策を話し合ったりしています。
 また、近年は会員外からの事例検討等の依頼もあり、地域のセンター的な役割も積極的に果たしていきたいと考えています。事例検討や相談等があればいつでも気軽に連絡をください。

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「サークル活動」
中越特別支援教育研究会
長岡市立高等総合支援学校
横田 敏盛

 当研究会には小中学校の特別支援学級や通級指導教室、特別支援学校等、多様な分野で活躍する会員が所属しています。
 専門的な知見をもつ講師による講演や、会員同士による話題提供・実践発表・演習等を通して、よりよい指導・支援の在り方を追求します。 
 また、長岡市や隣接する地域には、本県の特別支援教育を支えてきた人材が豊富です。特別支援教育のパイオニアの方々より、貴重な実践や取組をお聞きし、更なる特別支援教育の発展に生かしたいと思います。

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「サークル活動」
新潟情報教育研究会
加茂市立須田小学校
内山 晋

 新潟情報教育研究会は、各教科・領域での授業改善を、プログラミング教育・授業のユニバーサルデザイン化の視点から、実践的提案を目指すサークルです。
 主に、長岡を拠点に、月1回程度の研修会を行っています。会員の勤務校も考慮し、ネットを活用した情報交換(教材・指導案の提供、授業公開)も予定しています。
 今年度は、「情報を活用し、自ら学び続ける児童生徒の育成」をテーマに、次のことを柱にした活動を計画しています。
1 プログラミング教育の研究
 子どもの論理的思考力を高めることを目標に、授業実践(各教科学習や総合的な学習の時間)を行います。プログラミング教育ツール「ビスケット」や「スクラッチ」を使い、指導の有効性を検証します。さらに、教育課程の中に、プログラミング教育をどう位置づけていくのかについても検討します。
2 授業のユニバーサルデザイン化
 子どもの個人差に応じたきめ細やかな支援ツールとしてのICT機器の活用法について実践を持ち寄ったり、授業参観をしたりすることで、研修を深めます。デジタル教科書を使った授業(タブレットPC活用)や、授業で活用できるツールについての情報交換を行います。
3 情報交換
 情報教育を学級や学校全体で進めていく上での効果的な方法についても研修会の折りに情報交換します。
 授業改善をするために、情報教育で何ができるか関心のある方は、一緒に学んでいきましょう。

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「サークル活動」
特別支援教育を考える妻有の会
十日町市立ふれあいの丘支援学校
近藤 修平

 中魚・十日町地区を範囲とした、特別支援教育のサークルです。活動は、月1回、主に十日町市立中条小学校を会場に活動しています。
 当サークルでは、障害のある児童生徒への指導・支援方法だけではなく、特別支援教育の考え方、教え方、子どもの捉え方等を基本とした、通常学級における学力の向上や社会性の向上を目指した指導・支援方法について学び合っています。サークル会員による事例検討会や実践発表会だけでなく、教員が実際に抱えている困り感に対して、具体的な対応方法を示すことができる講師を招いた研修会も行っています。
 「ないと困る支援」は、みんなにとって「あると便利な支援」となります。児童生徒が「分かる・できる」を感じる授業づくり、「安心する」「居心地が良い」と感じる学習環境づくりを目標に研修を積んでいます。
 中魚・十日町地区に勤務されている方だけではなく、他の地区の方でも、特別支援教育に興味関心のある方は大歓迎です。

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「ときわ教育奨励賞」
「自立と社会参加」に必要な自己決定する力の育成
長岡市立宮内小学校
金子 美也子

 心情をホワイトボードに書いて客観化する、ロールプレイで模擬体験する、当事者参加による支援会議を開催するなどにより対話的な学習を促している。
 勤務校の実践課題に対して着実な成果を上げるとともに、主宰するサークルにおいて指導者立場も担っており、特別支援学級が増加し続ける中 において一層の活躍が期待できる。

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「教科等研究セミナー」
自閉症児のコミュニケーション手段獲得に向けた指導の工夫
〜タブレット端末による視覚的支援を通して〜
新潟県立江南高等特別支援学校
笠井 翔太

   近年、学校教育において、タブレット端末等のICT活用が進み、児童生徒の主体的な学習や認知・理解に効果を上げてきている。特別支援教育においてもその効果が期待され、UDLや合理的配慮の観点からも重要と認識され、活用が進んできている。本研究では、特別支援学校小学部に在籍する自閉症の児童のコミュニケーション指導において、視覚的な入力に優位性がある認知特性に合わせてタブレット端末を活用し、会話の意味理解を促しながら会話の成立を目指した。
 まずは、パワーポイントを使って会話文に合わせて写真やイラストを表示する自作教材「レッツトーク」を作成し、タブレット端末上で操作しながら学習を進めるようにした。簡単なタップ操作で主だった日常会話の練習ができるため意欲的に学習を続けることができ、実際の会話場面で教師の支援を受けながら練習を積んだことで、タブレット端末がなくても他者とスムーズに会話できる姿が見られるようになった。そして、質問に返答する会話から要求表現へと学習する会話文を計画的に増やしていき、PDCAサイクルで、評価・改善を図るようにした。学習の進度を丁寧に見とりながら支援を段階的に減らすなどの工夫を行って一人でも学習が進められるようにしたことで、より多くの会話を習得できるようになってきた。
 本研究を通して、認知特性に合わせてICT活用を進めることで、コミュニケーション指導が効果的に進められることが分かった。この成果を生かして、引き続き特別支援教育においてICT活用について研究を進めていきたい。

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「教科等研究セミナー」
中学校における通常の学級への特別支援教育の体制づくり
長岡市立旭岡中学校
鷹野 千加子

  近年、特別支援教育に対するニーズは多様化し、支援のあり方に一層専門性が求められるようになってきている。また、生徒の実態によって多様な進路先が考えられ、多くの情報や多数の選択肢について理解を深めていかなければならない。担当する教師はチームとして共通理解のもと、生徒自身の判断力を伸ばす視点で進路指導や学習指導に当たらなければならないと考えた。
1 個別の指導計画の作成及び評価
 通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする生徒に関する実態把握を行っている。発達障害の可能性のある生徒や医師の診断を受けている生徒については、担任を中心に個別指導計画を作成し、各学年で検討し、年度末に評価を行っている。個別の指導計画は次年度に引き継がれ、継続した支援を行うようにしている。
2 研修会の企画・運営
 通常の学級に在籍する生徒の個別指導計画を作成し始めてから、5年目に突入する。最初は担任の負担が強いのではないかということで、試行しながらのスタートであった。指導計画を作成することだけに労力を費やすのではなく、研修会を行うことで指導計画の効率的な活用を呼びかけてきた。特別支援教育部が中心になって行う研修会は3年目になる。1・2年目の研修会はインシデント・プロセス法を用いて個別指導計画の充実を図り、3年目の研修会は個別に支援が必要な生徒だけでなく、全体にも有効であるUDLを中心とした研修会を行った。
3 特別支援教育コーディネーターの役割
 週1回の適応指導部会(就学指導委員会を兼ねる)に特別支援教育コーディネーターとして参加している。適応指導部会では、情報交換だけでなく、生徒への支援策について協議し、具体的な対応について校長の指導のもと決定している。その後、生徒の実態や各学年の要望により必要に応じて特別支援教育コーディネーターがサポートに入っている。本人や保護者の要望によりWISC検査等を行い、検査結果を保護者・本人に伝え自己理解へとつなげた。また、その情報を職員全体で共有し、学習や進路の支援の手だてとした。

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「教科等研究セミナー」
協調性に課題のある児童の行動改善
新潟市立大野小学校
澤田 哲寛

  協調性を保てない児童の言動を改善するために、4つの取組を行った。また、その取組で言動の改善が見られた後に、周囲の児童に対して、対象児童との関わりを促す授業を行った。この2段階の取組を行うことで、周囲の児童との人間関係の回復を図った。取組の内容は、以下のとおりである。
1 トークンエコノミー法を用いた。人に対してよい行動をしたときに、スマイルマークというカードを渡した。スマイルマークを貯めると、シールと交換できたり、学級で飼う新しい魚を選ぶことができたり、お楽しみ会をしたりすることができ。この取組によって、よい行動を意識するようになり、自然に適切な言葉や行動を選ぶようになっていった。
2 日常指導及びSST(ソーシャルスキルトレーニング)を行った。他の児童に不快な思いをさせる言動があったときに、活動の場から離して言動を振り返らせた。また、どうすればよかったかを考え、よいと思われる行動をロールプレイさせた。指導の直後は、行動が顕著に改善され、学んだことを生かそうとする姿が見られた。また、言葉を口に出す前に、少し考えてから言う姿も見られるようになった。
3 活躍の場を提供した。教師のお手伝いや活動の準備などで仕事を頼み、そのことについて帰りの会などでみんなに伝えながら褒めた。これを励みにして、意欲的・積極的に人のためになることをしようとする姿が見られるようになった。また、他の児童に仕事を譲れた行為を褒めるたところ、それを誇りに思って人に譲ることが抵抗なくできるようになった。
4 学校であったよい行動を保護者に伝え、家庭でもその行動を褒めるよう促した。この結果、褒められたことを嬉しそうに教師に伝える姿が見られるなど、自己肯定感の高まりが感じ取られるようになった。気持ちが安定し、優しい言動が自然に出るようになった。
 これらの4つの取組による行動の改善を受けて、周囲の児童に対し対象児童への関わりを促す授業を実践した。
 以上の2段階の取組によって、集団の中に入って一緒に遊びを楽しめるようになり、その友情関係を維持できるようになった。

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「教科等研究セミナー」
特別な支援を必要とする児童の学習活動への参加を目指した取り組み
新潟市立大形小学校
武田 守広

  特別な支援を必要とする児童のA児は、衝動性や多動性が強いために、学習や対人関係上、成功体験が積み重ならず、学校生活にうまく適応できない状態にあった。A児の日頃の言動から自己肯定感が低い様子が伺われた。
 本研究では、A児の自己肯定感を高めることで、学習活動へ参加する機会を増やしていく。そのために次のような手立てを講じる。
<手立て>
@自己決定の場面を設定する
 特別支援学級で個々の学習に取り組ませる際に学習の内容や量を選択させたり、通常の学級で一日何時間学習するのか決めさせたりして、本人が納得した形で学習させる。
A学習意欲を高める
 本人の知的好奇心をくすぐるような操作的な活動や体験的な活動を取り入れる。また、対人関係上、不安に思っていることを解決して、安心して参加できるようにする。
B称賛の機会を位置付ける
 学習に参加できた際に、具体的にうまく活動できた場面を取り上げて称賛する。さらに、トークンシステムを取り入れ、事前に約束したことが守れた際に、シールを渡すようにする。シールがたまったら自由時間と交換できるようにする。
 以上のような手立てを講じ、児童の変容を探っていった。

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「教育実践」
通常学級に在籍する特別支援を要する生徒への対応
〜指導連携と保護者対応〜
新潟市立上山中学校
橋 大輔

  文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(2012)によると、知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒は、推定値で6.5%と報告され、その中の38.6%の児童生徒は支援されていない可能性があることを指摘している。
 当校でも研究の対象となった生徒は障がい傾向により周りの生徒と良好な人間関係を保つことができないばかりか、阻害され排斥されるような状況にあった。また、生徒を通じて周囲の保護者にも学校の様子が伝わり、学校の対応等に対する不満から問題が複雑化し、学級担任一人での解決が困難になった。本研究はこうした事例が生じてから一定の解決がなされるまでの間で、教職員が何を困難として感じたのか(生徒や保護者のクレーム処理できないことへの困難、困難が重なることへの困難、同僚への遠慮からくる困難など)、そして、その時どのような対応をとることで生徒の様子が変容してきたのかを総括し報告することとした。

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「教育実践」
記録に基づいた生徒の対応
新潟市立鳥屋野中学校
五十嵐 勝彦

  様々な発達障がい(発達障がい傾向)を抱え、失敗や問題行動を繰り返し起こしてしまう生徒がいる。そのような様々な生徒への対応がうまくいかず、その後、さらに大きな問題へとつながることも多い。そこで、そのような生徒への対応方法を蓄積することで、その生徒または同じような発達障がい(発達障がい傾向)を抱えている生徒への適切な対応の仕方・働き掛け方を見つけることができないかと考えた。具体的には、以下の3つの取組を行い、その成果を検証した。
1 担任、学年主任、養護教諭、学年生徒指導、生徒指導主事、教頭がその日に起こったことや対応方法、気付いたこと、本人の言葉で気になったことを記録し、蓄積する。
2 1で記録したものを職員同士の共通理解資料として役立てたり、親との面談資料や外部機関への提出資料として活用したりする。
3 蓄積した資料を基に、対象生徒の抱えている悩みや繰り返される問題行動への適切な対応の仕方・働き掛け方について職員間で分析し、共通理解を図る。
 生徒は、成長の中で失敗や問題行動を起こしてしまう。そこで、蓄積した記録を教師が常に振り返り、生徒の言葉や行動の傾向を確認したり、対象生徒が考えていることを推測したりすることで、その生徒に合った声の掛け方や適切な対応の仕方が分かるようになってくる。こういった一連の取組が、問題行動への予防につながり、同じ失敗や問題行動を減らすことができると考える。

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「教育実践」
「自己理解」の視点を大切にした自立活動の取組
新発田市立外ヶ輪小学校
大滝 西一郎

  私は、特別支援学級を担任している。特別支援学級では、特に個々の児童の教育的ニーズや実態に合わせた指導・支援が大切である。児童の実態に合わせた教育活動を支える特徴の1つとして、自立活動が挙げられる。自立活動とは、特別支援学校の教育課程において特別に設けられた指導領域であるが、特別支援学級においても、児童の実態に応じて自立活動を取り入れた特別な教育課程を編成することができると位置付けられている。
 これまでも、児童の実態を考え、それに合わせて自立活動の取組を行ってきた。手先が不器用な児童、あいさつが苦手な児童に対して練習の場を設定することで、それぞれの児童の力の高まりを感じることができた。児童は、教師の指示に対して素直に取り組むことが多かったが、主体的に活動に取り組む中で、自らの成長に喜びを感じたり、自己の課題を意識して行動したりする姿はなかなか見られなかった。教師が活動を指示し、児童がそれに落ち着いて取り組むことで力を付けていけばよいという意識が強かったこともあるが、児童自身にも「こうなりたい」というめあてや目標をもたせる工夫が足りなかったと振り返る。
 児童が自立に向けて成長していくためには、自らの得手不得手を理解し、主体的に活動に取り組むことで力を付けていくことが大切である。そのためにも、「自己理解」を深める工夫が必要だったと考える。児童が自己理解の視点をもって気持ちを言葉で伝えたり成長を振り返ったりする活動に取り組むことで、情緒的に安定し、安心して学校生活を送る力を高めることができると考える。以上のような自立活動の取組について提案する。

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「教育実践」
知的障害者の課題達成過程における実行機能の特性に基づく支援の効果に関する事例的研究
県立月ヶ岡特別支援学校
中村 潤一郎

  対象生徒は、特別支援学校中学部に在籍し、知的障害の診断を受けている。課題に困難や不満を感じると、指示されたことと異なった行動をとったり、活動場所から離れたりする傾向がある。
 児童生徒が課題を達成するためには、自らが文脈に合わない行動を抑制し、適切な行動を促進させることが重要である。このような行動の調整には、実行機能が深く関連していると言われている。実行機能とは、ある目標の達成のために行動や思考を制御する心理機能といわれている。
 不必要な情報を抑制する「抑制機能」、ある次元から別の次元へ思考を切り替える「シフティング」、情報を正しく保持し、必要な時にその情報を活性化させて使用する能力「アップデーティング」などが重要とされている。
 知的障害者において実行機能の弱さが指摘されているが、対象生徒の特性を分析し、その特性に基づいた支援方法を策定することとした。
 研究前や2回の活動において、対象生徒は、課題から逸脱はあっても、サブ・ティーチャーの演示や視覚的な支援があると、課題に立ち戻り、最後まで取り組み続ける姿が見られた。これらのことから、対象生徒の実行機能の特性について、「抑制機能の弱さをアップデーティングで補うことで課題目標を達成させることができる」と分析した。
 このことから、以下の2点を支援の柱とした。1つは他者とのかかわりによる知識の獲得や他者の介入による事物の操作方法の習得をねらい、STを導入し、対象者と同じ立場として活動する。もう1つは、活動に対するプランが立てやすいように視覚的情報や支援具を積極的に提示することである。
 策定した支援方法の下、活動を展開し、課題を終えるまでその活動に従事すること、もしくは逸脱しても再び課題に立ち戻って取り組むことに関する支援方法の効果を検討した。

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「教育実践」
障害のある児童・生徒に対するコミュニケーションギャップ解消の試み
小千谷市立総合支援学校
風間 大助

  本研究は、年齢も特性も異なる児童生徒を対象に、指導者とのコミュニケーションギャップ解消に向けて取り組んだ2つの事例研究である。
<研究T>
 対象:昨年度担任した小学部重複障害学級に在籍する児童
 指導者の受信行動の改善と、生活の中で児童が選択する機会を設定することで、表出言語の増加、不適切な行動の減少が見られた。
<研究U>
 対象:今年度担任した高等部普通学級に在籍する生徒
 昨年度の取組から得られた知見を基に取組を行った。実態は異なるものの、受信行動の改善と、選択の機会を設定することで、日常生活の場面での大きな改善が見られた。
 2つの事例研究を通して、指導者の受信行動の改善は、相互の信頼関係構築につながることが認められた。その際、対象となる児童・生徒の行動だけに着目せず、周囲の環境や行動の前後に見られる状況の変化との関連性を把握することが、その行動の意図や機能の正確な読み取りにつながることが分かった。また、日常生活における選択の機会を通して、児童生徒は発信意欲を高めるとともに、コミュニケーションスキルの獲得、さらにはQOL(QualityOfLife:生活の質)の向上へとつながることが明らかとなった。

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「教育実践」
通級指導における担任との連携
〜学校生活のエピソードの収集と分析を通して〜
佐渡市立八幡小学校
齋藤 千賀子

 小学校学習指導要領において、「特別支援学級又は通級による指導については、教師間の連携に努め、効果的な指導を行うこと」と示されている。
 金井小学校の通級指導教室では、週2回、他校への巡回指導日がある。自校、他校共に、担当児童の指導時間は、月1〜4時間程度である。限られた時間の中で効果的な指導を行うためには、児童の実態把握、課題の共通理解、分析に基づく意図的な指導、児童に関わる環境への働き掛けなど、担任との連携が不可欠である。そこで、効果的に児童を見取り、指導に活かしていく手立てとして、学校生活における児童のエピソードを手がかりにしたいと考えた。
 実践の内容と方法は次のとおりである。
1 児童の特徴的な行動のエピソードを集めて分析し、エピソードの共通点や背景となっているものを明らかにする。
2 エピソード分析をもとに、課題を明らかにして通級指導教室での指導内容の精選を図るとともに、成果を検証する資料・データとしてエピソードを活かす。
3 担任との面談やアンケートにより、担任の意識の変容を見る。
 
 エピソードの収集方法や分析の仕方に課題は残る。しかし、児童の特徴的な行動に焦点を当てたタイムリーな情報を得ることができたことは、担任との情報交換において有効であった。そして、分析をもとに、児童の状態に合わせて指導内容を柔軟に考え、指導していくことができた。

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「教育実践」
相手の立場に立った行動を増やすための支援の工夫
〜「接客」の学習を通して〜
新潟県立江南高等特別支援学校
谷内田 繁

 職業学級では、企業就労に必要な力を身に付けることををねらい、「接客」の学習を設定している。飲食店の従業員の方をゲストティーチャーとして招いて、ホスピタリティの重要性等、接客の心得について指導を受けた。ホスピタリティとは「お客様、スタッフのために考えて行動すること」であり、そのことをキーワードとして指導を進めた。生徒には、マニュアル通りの基本的な技術で接客すれば良いだけではなく、表情や声のトーン、気遣いなど、相手のことを考えた言動が大切であることを強調した。本研究では、ホスピタリティを意識して相手の立場に立った行動ができるように、接客行動と接客意識という視点で、主な支援方法を以下のように構想した。
1 ファシリテーショングラフィックの活用(接客行動)
 接客行動の改善に向けて、プレオープン時のアンケートを基にファシリテーショングラフィックを行った。事前に意見を付箋に記入する時間を設けたり、アンケート結果の一覧を参照用に配付したりする等、生徒が参加しやすいよう工夫をした。適宜、話合いのポイントを示すことで、全員で方向性を共有しながらお客様への接し方やスタッフ同士の連携等の改善につなげることができた。
2 自己評価カード「ホスピタリティカード」の活用(接客意識)
 @「お客様の気持ちを考える」→A「行動に移す」→B「お客様がどのように感じたかを聞く」→C「振り返り」の順に自己評価を進められるカードを作成し、自己評価を行うとともに、生徒同士でも評価を行うようにした。お客様に喜んでもらいたいという意識が高まり、ホスピタリティの向上につなげることができた。
 相手の立場を考えることは、特別な支援を要する生徒には難しい面はあるが、今後も本実践の成果を生かしながら支援の工夫を続けていきたい。

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「教育実践」
中学部における新しい作業学習の提案
新潟大学教育学部附属特別支援学校
齋藤 文一

  当校中学部の作業学習における実践を取り上げる。
 現在の社会の情勢やニーズとして生徒の主体性を育むことが重視されている。私も生徒一人一人が卒業後、社会の中で自分の力を発揮し、充実感をもち続けてほしいと願っている。そのために、主体性を育むことを目指した授業づくりの在り方を、抽出生徒の姿を通して、明らかにしていきたい。
 中学部生徒の実態として、教師から指示されたことに素直に取り組む姿が見られる。しかし、それを終えると、次の指示を待つ姿が見られ、自分から主体的な思いを抱きながら意欲的に取り組む姿は見られない。そこで、生徒が目の前の作業に対して、「こうしたい」という思いをもって意欲的に取り組み、思い描いたことを実現する姿を目指したい。そのためには、生徒が授業の中でしっかりとした目的意識を高めるための支援を工夫する必要がある。授業づくりに向けては、生徒の興味・関心がある学習活動を設定する必要がある。そこで、生徒がどのようなことに興味・関心があり、どのようなことを得意としているのかなどを個別の指導計画を基に検討する。その際、生徒が課題を解決するときにどのようなプロセスを経ていくのかをよく話し合い、学習活動に反映させていく。さらに、生徒が学習活動に取り組んだ結果、生徒が感じた「できた」という思いから「もっとやりたい」「こうしたい」という思いに高まるように支援を構想し、学習活動を発展させていきたい。その取組を繰り返し行うことで、生徒の目的意識を高め、目の前の作業に意欲的に取り組む姿を目指したい。
 上記のような実践に取り組み,得られた成果や課題を紹介することができればと思っている。

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「教育実践」
小学校中学年の発達障害児童を対象とした通常学級における他者との相互作用の変容に関する研究
新潟市立松浜小学校
加茂 勇

 問題と目的
 文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会は,2010年7月に「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」を設置し,同12月にはインクルーシブ教育システムの理念とそれに向かっていく方向性を打ち出している。インクルーシブ教育の目的の一つが,特別なニーズのある子どもが健常児や教師との相互作用の中で社会的関係を経験し行動を学習していくことであるとすれば,特別支援教育を推進する上で統合された教育環境の授業場面における発達障害児童の支援方法の研究は緊急かつ重要であるといえる。
 本研究では,小学校中学年の発達障害児童が,学校生活における他者との相互作用の中で,教室という場でどのように活動し,関係性を築こうとしているかについて明らかにする。そして,発達障害児童の相互作用を分析的に整理・記述することにより,通常の学級における発達障害児童の教育実践に関する仮説を生成する。
結果と考察
 発達障害児童には学校での生活場面や学習場面において様々な困難があった。発達障害児童は,成功へつながりにくい場面に出くわすと,回避や放棄の方略をとることが多くあった。そこでは,他の児童が用いるような原因を探りもう一度行うという認知的再評価という方略を示そうとはしなかった。できないから回避という方略をとる発達障害児童のことを周りの児童は「ふざけているからできない」と評価していた。これは,他者である中学年の児童が行動の原因を客観的に認識できなかったからであると考える。
 しかし,授業者が良かった行為や発言等を言語化しながら,感情や行動を他者が認め意味を与えることができれば,認知的再評価の方略を示すことができた。
 本研究を通して,通常の学級における発達障害児童の教育実践では,個のニーズに合致する小集団等の活動を媒介にして,発達障害児童と他者である児童の認知的な発達に配慮しながら,快や不快を共に感じあうような情動共有がなされる相互作用場面をつくることが有効であるという仮説を生成した。

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「教育実践」
発達障害のある児童の不適切な行動への取組
新潟県立吉田特別支援学校
木村 浩之

 心身症と発達障害を併せ持つ児童の不適切な行動に対して、以下の2点からその症状の緩和や寛解を図った。                        1 不適切な行動に対する3つのアプローチ
児童の不適切な行動に対して、第1に「不適切な行動への対応」、第2にその背景にある「障害特性からくる困り感への支援」、第3にそれらのべースとしての「自尊感情(自分を価値ある存在としてとらえる気持ち)の育成」を行った。これらは順番に行うというよりも同時期に、児童の状態を把握して行ったものである。                             2 自立活動と各教科の密接な関連                       □
上記の3つのアプローチに当たっては、学校の教育活動全体で行いやすいように、「個別の指導計画」に基づいて自立活動の時間の指導を中心に取り組んだ。主にSSTを中心に計画し、情緒の安定や適切な行動の形成を目指した。さらに、各教科の授業においても指導・評価することで指導内容の活用・汎化を図った。                                □こうした取組を重ねた結果、児童は落ち着きを取り戻し、前籍校へ復帰することができた。これは、児童の不適切な行動に対して、職員間で一致した対応を心掛け、授業で特性を生かした指導・支援を取り入れることで学ぶ意欲が高まり、学習の取組を教師や友達が評価したことで自尊感情が高まったからだと考える。                               今後は、前籍校に復帰してからも継続した指導・支援が受けられるよう引き継ぎやアフターケア等の学校間連携についても研究を進め、小中学校におけるインクルーシブ教育システム構築への一助となればと考えている。

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「教育実践」
一人一人の自立を支援する教材開発システムの構築
〜汎用性の高い教材の開発と教材の個別化をした生活単元学習の実践を通して〜
長岡市立千手小学校
上野 保治

 特別支援教育の推進のためには,自立を促す教育を展開していくことが大切であると考えている。児童の自立を促して,児童が自分から行動できることを目指して研究を進めている。
 多くの児童が使える汎用性の高い教材をベースに,家庭・地域と連携しながら個別に対応する内容を組み込んでいく教材開発システムを構築すれば,それぞれの教育的なニーズに対応することができ,児童の自立を促して,児童は自分から行動できるようになるであろうと考え,研究を進める。
 研究を進めるに当たり,教材開発のシステムを,次の2段階に分けて構成する。
1 ベースとなる教材の開発と個別化の工夫
 児童の発達段階は様々である。児童が自分から行動できるように,汎用性があり形式がそろっているベースの教材を開発し,それを基に児童の実態に応じて対応する内容をその教材に組み込んでいく。
2 家庭実践用カードへの応用の工夫
 実生活に近い環境を教室内に再現して学習できるように,校外学習で利用する地域の公共交通機関や施設の協力を得る。また,家庭でも教材を使って自分から行動できるように,学校での実践を通して使えるようになった教材を,家庭と協働で児童の実態に対応した内容を組み込んだ教材に更新する。その際,家庭・地域連携の具体的な内容や方法,その手順を明確にしていく。児童が教材を使用できるようになったことや,児童が安心して行動するための支援の方法を保護者に伝え,家庭でのその教材の活用を促す。
 生活単元学習の「バスで出かけよう」の実践の中で,多くの児童が使える教材を作成し,その教材の個別化と,家庭・地域との連携の手順を明らかにしたい。更に,児童の自立に向けた保護者の意識改革を進めたい。

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「教育実践」
チームで臨むPDCAサイクルに則った授業改善
〜児童の学ぶ意欲を引き出す授業を求めて〜
新潟県立上越特別支援学校
鹿目 功二

 主張
 担当教員がチームとなり、PDCAサイクルに則った授業改善を行うことで、児童の学ぶ意欲を引き出す授業づくりをすることができ、さらに児童の実態に即した合理的配慮を生み出すことができる。

1 主題設定の理由
 肢体不自由特別支援学校に通う児童は少数ではあるが、一人一人多様な実態がある。上肢下肢の可動具合、姿勢保持ができる体位、指先の器用さ、言語によるコミュニケーションの有無など、肢体不自由の度合いにより、介助や支援の在り方が違ってくる。さらに、児童の実態に応じて、児童の課題や目標を設定し、指導計画を立てて、実行していかなければならない。これらのことを全て一人の教師が行うのは正確さに欠け、限界がある。
 児童の多様な実態を把握して的確な指導計画を立案し、児童の学ぶ意欲を引き出す授業をつくり出すためには、担当教員がチームとなり、PDCAサイクルに則った授業改善が有効であると考える。また、チームで授業改善に臨むことで、「学習活動に取り組むに当たり、合理的配慮は何か」を複数の視点から捉えることができ、より確実な支援体制を生み出すことができると考える。主に次の3つの視点「児童の実態把握」「授業チェックポイント表の活用」「補助具・補助教材の作成」を教員チームで共有し授業改善に臨んだ。

2 PDCAサイクルに則った実践の方法〜児童の実態把握、授業チェックポイント表、補助具・補助教材の視点から〜
(1)Plan
@児童の実態把握・解釈をする。
A自立活動の個別の指導計画を作成し定例会で話し合う。
B個別の指導計画を基にした単元の指導案を作成し定例会で話し合う。
C必要に応じて補助具、補助教材を作成する。
(2)Do
@定例会で確認したMT、STそれぞれの役割、児童の目標を共有して授業実践をする。
A授業チェックポイント表の視点を意識した授業実践をする。
(3)Check
@主担当児童の学習の様子を校内サーバフォルダに記録し、教員チームで共有する。
A授業チェックポイント表を活用し、授業の改善点を定例会で検討する。
(4)Action
@授業チェックポイント表の視点を基に改善点をまとめ、改善指導案を定例会で提案する。
A環境の設定、支援事項、教材教具の改善点を共有し、授業を実践する。
B必要に応じて補助具、補助教材を作成・改良する。
C外部機関と連携し研修を設定する。

 このサイクルに則って授業改善を行い、児童の学ぶ意欲を追求し、検証した。

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「教科等研究セミナー」
 他害行動のある生徒が落ち着いて学校生活を送るための支援
新潟大学教育学部附属特別支援学校
齋藤 文一

  本研究では,他害行動のある生徒に対する場合,イライラしてきたときに自分の気持ちに気付かせる等の支援をすることで,落ち着いて生活する時間を増やすことができるかを検証する。支援の方策としては,アンガーマネジメントの手法を用い,そこに特別支援教育の視点から迫る。
1 イライラしてきた様子を捉え気持ちを整理する(アンガーマネジメント)
 生徒の表情や話し言葉からイライラしてきた様子を捉え,今が「どういう感じ」かを言葉で表現させる。そして,言葉から怒りの度合いをグラフに表し,その怒りがどの程度のものなのかを分かるように示していく。表現した言葉や表情,行動を記録し,感情を明確にして表出された言葉で,感情をコントロールできるか検証していく。
2 代替行動としてイライラしない方法を探る
 気持ちをコントロールしながら,ABC分析を用いてイライラしない方法を探っていく。アンガーマネジメントを用いて,気持ちをコントロールしつつ,イライラの原因を探りイライラさせないようにすることで,他害を減少することができるか検証していく。また,その際には,自己肯定感を下げることがないように特別支援教育の視点からアプローチする。
 他害行動をすることにより,自己肯定感が低下していく。イライラすることが原因で他害行動につながる様子からイライラした気持ちをコントロールしつつ別の適切な行動を身につけることで,他害行動を減少することができるか検証する。

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「教科等研究セミナー」
 望ましい行動変容を目指した支援のあり方
新潟大学教育学部附属特別支援学校
田中 健太郎

  応用行動分析は,行動の前後の出来事に着目することで,人の行動を変容させたり, 新しい行動を教えたり,不適切な行動をなくしたりといったことが可能である。これまで,多くの研究によって科学的に示されてきた。 職員や友達が嫌がる行動を故意に起こす子供に対して,応用行動分析に基づき,以下の支援を行い解決を迫った。
1 不適切行動から適切な代替行動への置換
 対象とした子供は,職員や友達の注目を集めるために,不適切な行動をとっていた。そのため,話すきっかけとなるスキルを身に付けることができれば,適切な注目の引き方を獲得でき,問題行動は減少すると考えた。
2 問題行動以外の行動をしているときに注目する
 対象とした子供にとっては,注意をされることも楽しいかかわりの一つとなっている様子が見られた。このことから,正しい行動をしたり,集中したりしている場面をたくさん見付け,即時的に称賛するようにした。教師が子供の良い行動に注目し強化していくことで,対象とした子供は,問題行動を意識しなくなるのではないかと考えた。 
 問題行動は,子供が内面に抱えている要求を,実現できないことで出てくる行動だと考える。問題行動の消去のみを指導の目標にするのではなく,問題行動を必要としない子供の内面を形成していくことを大事にしていきたい。

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「教育実践」
体育科教育におけるユニバーサルデザイン
〜特別支援学級の「マット運動」における身体の協応能力を育てる支援〜
胎内市立中条小学校
山 雄一

  特別支援学級における体育授業では、適切で効果的な支援の在り方を探ることや、迷いやパニックを起こさないような学習過程の工夫をすること、教材・教具の在り方等を吟味することが、授業を行う上での課題である。体育の授業では、適切な運動経験を重ねさせ、子どもたちに運動を愛好する態度を育てていくことが大切であることから考えても、体育授業をユニバーサルデザインの観点から考えていくことは、通常学級においても、特別支援学級においても大切な要素である。
 日々の授業において見せる子どもたちの様子を概観すると、身体の動きにぎこちなさを感じることが多い。例えば、リズミカルな身体操作がうまくできなかったり、外的な動きに対する四肢の反応がそぐわないものであったりすること等である。これらは、運動の「協応能力」と呼ばれ、身体発達の観点から考えても、協応能力を高めることが個々の運動能力・技能を向上させ、運動の基礎感覚を獲得していく際に大切なものである。こうした技能は生活の充実にもつながるという効果も大きく、児童の将来的な社会参画に関わる技能向上にも寄与する。つまり身体の協応能力を高める指導・支援を行うことが、体育授業における有効な支援になると考えた。
 身体を操作する能力を高める「マット運動」を中心に教材化し、単元を構成した。動きの経験をたくさんさせ、体育館に「サーキット運動」を行う場を設定し、個々のめあてに沿いながら、それぞれのペースや強度での運動ができるように配慮した。また、ペアを作ってコースを周ることにより、自他の動き、物やまわりの音楽と協応する経験も積ませ、個々の運動技能向上を図るとともに、運動の有能感を高めることをねらいとした。運動技能を測る調査や、質問紙による調査を行い、授業による学習効果を客観的に図り、その結果をもとに考察を加えた。

<参考文献>
M.フロスティッグ「フロスティッグのムーブメント教育・療法 理論と実際」日本文化科学者 2007
J.ウィニック著「子どもの発達と運動教育−ムーブメント活動による発達促進と障害児の体育−」大修館書店 1992


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「教育実践」
自閉スペクトラム症がある子どもの自己効力感を高める共感型アプローチ
〜予測困難な要素が多い活動を回避するA児の行動変容を促す支援〜
南魚沼市立総合支援学校
唐沢 百合花

  自閉スペクトラム症のA児に対し、不安を軽減し「できそうだ・やれそうだ」という自己効力感を高めるための共感型アプローチによる支援を行った。A児は、狭い室内に他者が多くいて予測困難な対人的交渉が生じやすい活動では、強い回避行動をとり、活動に参加できずにいた。「見学をしたい。」という自分の意思表示をすることもままならなかった。教師が児童の不安な感情に配慮しながら活動への参加方法を共に考えるという、共感型アプローチによる支援の結果、A児に活動への意欲的な参加の態度が見られるようになり、回避し続けていた活動への参加率(参加した活動の回数/活動の総回数×100)が0%から100%になるなどに改善された。
 共感的アプローチの具体的な支援の方法は、以下の通りである。
@「休ませてくださいカード」を与え、活動に完全に参加しないという選択をA児がする場合には提示させるとともに、少しずつ言葉での表出を促す。カードあるいは言葉による意思表示ができた場合には賞賛し、活動に参加しないことを認める。
A「参加したくない」「休みたい」という感情が言葉で表出された時、うなずきながら「参加したくないんだね」「休みたいんだね」と返す。
B「どうしたいか」を問い、A児の過去の達成体験を思い出させながら、課題や活動の中に取組が可能な要素があるかどうかを相談する。
C取組が可能な要素があった場合には、活動への部分的な参加について提案し、自己選択・決定を促す。
D活動への部分的な参加等において「できたこと」「やろうとした態度」があった場合、授業終了後にA児に対して具体的なわかりやすい言葉で表現して称賛する。

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「教育実践」
的確な実態把握に基づく個別の指導計画の作成と活用
〜複数教師で行うカード(付箋紙)の効果的な活用〜
妙高市立にしき特別支援学校
長谷川 哲

 1 主題設定の理由
 学習指導要領において、的確な実態把握を行い、個別の指導計画を作成することや個別の指導計画に基づいて行われた学習の状況や結果を適切に評価し、指導の改善に努めること等が示されている。
 しかし、前年度の個別の指導計画を参照した際に、なぜその目標が挙がってきたのかという理由を示す文言が見当たらないことがあった。また、前年度との系統性が十分に吟味されていない指導計画になることがあった。前年度の目標と異なるものになってしまい、担任によって指導の方向性が異なる。
 また、担当以外の児童又は生徒の目標や手立ては、月日が経つにつれ忘れてしまうことがあったり、学期初めに立てられた個別の指導計画を次に目にするのは学期末ということもあったりした。実態や目標、配慮事項を熟知していないがために、児童又は生徒が不適応な行動を取ったり、できていたはずの事ができなくなっていたりすることもあった。このような反省を踏まえ、複数教師で児童又は生徒の実態を捉えたり、定期的に評価し合ったりすることが必要だと感じた。
 以上のことから、本実践では、私が担任している高等部において、カード(付箋紙)を使いながら複数教師で行う実態把握(診断的評価)を中心に、形成的評価や総括的評価についても検討し、その成果を示す。また、生徒の変容やともにチームを組む教師へのアンケートから複数で個別の指導計画を作成することの有効性も明らかにしていきたい。
2 実践方法
 (1)実態把握図を作成する。
 (2)年間重点目標及び配慮事項を設定する。
 (3)各教科等の目標及び手立てを設定する。
 (4)日々の記録を共有し、学期末評価を行う。
 (5)実態把握図及び個別の指導計画の見直しを行う。
3 実践の様子と考察
 実態把握図の作成、目標設定、各教科等の目標と手立ての設定は、それぞれ生徒1名につき1時間半の時間を要した。学級を担任する職員チームの中には、初めてこの方法で行う教師もいたので、多少時間はかかったが、いろいろなアイデアを出したり、確認したりできたので、「これで良いのか。」という不安感を軽減して指導にあたることができるようになった。
 カード(付箋紙)を使用して生徒の実態をチームで共有し、チームで継続的かつ一貫性のある指導を行った結果、生徒は教師の指示や誘導に応じる力や教師に自ら要求する力が高まった。今後も個別の指導計画をチームで確認しながら、生徒の成長を促していきたい。

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「教育実践」 
卒業後のより良い生活を目指して
〜生徒の実態と進路先を考えた「職業生活」の取組〜
県立西蒲高等特別支援学校
高橋 悟

 

 「学校でやっていることが卒業後どれだけ生かされるか疑問だ。」 この言葉は、昨年の作業学習保護者説明会後に、保護者にアンケートをしたときの意見である。

特別支援学校高等部を卒業すると、ほとんどの生徒は社会人として働きながら生活を送ることになる。当校在籍の生徒は、多くの介助を必要とする生徒から企業就労を目指す生徒まで実態に幅があり、生徒の実態が「3極化」している。そのため、学習内容を生徒の実態に合わせて取り組む必要がある。

 そこで、従来行ってきた「作業学習」の在り方を見直し、社会情勢や多岐に渡る進路先の状況を見据えながら、生徒の実態や進路希望先に合わせた類型化された「職業生活」を立ち上げた。「職業生活」の学習グループ(職業班)を3類型4区分(T類型:生活自立型、U類型−1:作業基礎型、U類型―2:作業自立型、V類型:職業自立型)に分類し、7つの班(環境エコ班、資源・回収班、ものづくり班、まき農班、委託班、クリーンサービス班、職業自立班)に改編した。実態別にグループ編成した作業内容の設定、所属班を決めるためのアセスメントの実施、地域や企業と連携した取組(自動販売機を活用した学習、毎週水曜日に実施のデュアルシステム等)、共通理解を図るための職員研修などを行った。

 このような取組により、職員間の共通理解が深められ、生徒の実態に合った類型化された「職業生活」の学習を構築することができた。また、生徒が早期に複雑な進路について考えたり、様々な体験を通して自己理解を深め、就労意欲を高めたりすることができる生徒が増えた。

 学校での学習が卒業後の生活に生かされることを目指し、生徒が卒業後により良い豊かな生活を送ることを願った実践である。


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「教育実践」 
特別支援学校高等部における職業教育の実践
新潟大学教育学部附属特別支援学校
伊藤 宏之

  私は,特別支援学校高等部の職業教育の実践を通して,生徒が卒業後の働く生活に対するイメージをふくらませ,自らの課題に挑戦し続けようとする姿を目指している。
 昨年度までの実践を通して,自分の取組に良さを感じながら,指示された手順や方法に従って作業に取り組む姿や「卒業したらこんな仕事をしてみたい。」など働くことへの意欲を支援者に語る姿など,卒業後に働くことに対して前向きな思いが高まってきている生徒の姿を確認することができた。
 しかし,その一方で,指示された内容には従いながらも漠然と作業に取り組んだり,教師の指示や支援を待ちながら作業に取り組んだりする様子が見られた。これは,生徒自身に働くことのイメージが十分に身に付いていないことが要因であると捉えた。
 今年度の実践では,高等部卒業後,企業就労を目指す生徒が所属する学習コースで,「物流サービス」を題材として取り上げた。そして,企業や市役所からの受託作業や校外への出向作業を通して,作業に取り組む必要性や作業の目的,仕事に取り組む意味などをより確かなものにしてきた。さらに,担当する作業や仕事の成果が実感できるように指導・支援を工夫することで,「自分はできる。」といった自信や「担当する作業をしっかりとやりたい。」といった仕事への意識を高め,目標に向かって,身に付けた力を発揮しながら作業に取り組もうとする姿を目指した。
 実践を通して,目の前の作業に正確に取り組もうとする姿や,良い製品を出荷しようと,繰り返し検品作業に取り組む姿が見られた。また,学年やこれまでのインターンシップなどの経験に応じて,働くことに対する自分なりの思いをもちはじめている姿が見られてきた。

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「教育実践」 
企業就労に向けた支援の在り方
県立村上特別支援学校
小柳 正樹

 

 当校は、障がいの特性上、人とうまく関わることができない生徒が多い。しかし、企業就労を目指すには、人と関わる「挨拶・報告・連絡・相談」の基本的なスキルは絶対必要である。そこで、人との関わりの場を意図的に設定し、場を意識した就労に必要な基本的なスキルを向上させたいと考える。

 従業員56人以上の企業は、総従業員数の2%以上の障がい者を雇用することが法律で定められている。そのため、全国的にも障がい者の求職者数は過去最高を記録しており、就労ニーズへの対応が関係機関に求められている。しかし、新潟県の2012年の雇用率は、全国で41位1.59%と低い水準である。

 改善のためには、事業主や行政の努力はもちろんであるが、事業主等のニーズに応じた力を学校で育成することも大切である。ニーズの中で一番多いのは、仕事の態度よりコミュニケーションに関することである。また、せっかく就労できても、勤続年数が全国平均6年10ヶ月という現実もある。この主な理由にも企業での対人関係がうまくいかなかったことがあげられている。

 私は、人と関わる基本的なスキルであり、作業学習の中で行っている「あいさつ・報告・連絡・相談」を主に取り上げる。そして、これまでの指導の経過から問題点や課題を整理する。そこから、企業就労を目指す生徒に、「挨拶・報告・連絡・相談」がうまくできるための効果的な活動を工夫する。

 大切なことは、生徒が自ら判断し会話することである。ともすると、活動に合わせたパターン化した言動が身に付くようになるが、もう一段階上の、場を意識して、相手を考えた関わりを少しでもできるようにさせたいと思い、以下の取組を行う。

@事前ミーティング・事後ミーティングで考える力を育てる。
 これまで作業後の振り返りとして反省用紙に自己評価と感想を書かせて、相手にきちんと伝える力を育ててきた。その成果を基に、ミーティングで事前に見通し(めあて)を考えたり、事後に活動の振り返りを評価したり、活動をその場で考えて発表したりして、考える力を育てる。

Aトラブルスキルカードを活用する。
 作業場面では、いろいろなトラブルが生じる。そのために、トラブルを理解し、自ら判断し解決する力を育てることが大切である。そこで、「仕事で使う道具を壊してしまった。」「頼まれた仕事が時間内に終わらない。」など、生徒たちに想定されるトラブルを分かりやすいカードにする。そのカードを使ってロールプレイを行い、どのような行動をとるとよいか、また、どのように報告すればよいのかを考えて解決する力を育てる。


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「教育実践」 
聴覚障がいのある生徒に対する指導の工夫 
〜理科の授業を通して〜
県立長岡聾学校
 河本 康介

 

 長岡聾学校は、聴覚障がいの部門と知的障がいの部門(高等部のみ)から成り、聴覚障がいの部門は、幼稚部、小学部、中学部、高等部および専攻科まで、幅広い年齢の聴覚に障がいのある幼児、児童・生徒の教育を行っている。そして、教科学習とともに、語彙の習得、コミュニケーション方法、職業教育などの指導を行っている。通常の学校に準じた教育を行うとともに、聴覚障がいに対する専門的な指導が求められる。

 当校生徒の実態として、聴覚に障がいがあるために、日本語の習得の遅れや抽象的な概念の発達に遅れがある。そのため、教科指導においては、指導方法や指導内容の精選、教材教具、そして生徒への働きかけなど、様々な配慮・工夫が必要である。

 まず、その1つは、視覚的な支援などによる情報保障である。特に、パワーポイントを活用した視覚的・動的教材を作成することにより、音による情報の制約を視覚的に補い、聴覚障がい生徒の理解の手助けとなる。このことで、理科の教科学習に必要な概念や意味の理解など、教科指導上での生徒が感じる困難性を克服することができる。視覚的に理解が困難な抽象的な概念の操作が必要とされる内容について大いに活用してきた。

 2つ目は、教科指導の中での言語指導である。聴覚障がいのある生徒は、音や音声言語による情報を受け取りにくいので、結果として言語発達が遅れる場合が多い。発達段階で考えると、幼少期からの生活言語の習得の遅れにより、教科学習を十分に展開できる言語発達の段階に達していないことが学習の遅れの一つの要因になっていると考えられる。「9歳の壁」という問題があり、読書力・文章力が小3〜4年程度で停滞してしまっている聴覚障がい者が多いことが報告されている。よって、体験的な活動ややりとりを通して内容を理解しながら、言葉を正しく理解したり表現したりする力、言葉で考える力、文章を正確に読んだり書いたりする力を育成することが大切である。体験と言葉が一体化するような支援が必要不可欠である。

 3つ目は、理科の学習と聴覚障がい理解とを関連付けた授業展開である。中学校理科の指導内容には、1年生「音」、2年生「感覚神経・聴神経」など、聴覚障がいによりなかなか体験的な理解に困難を示す単元がある。そのような内容について、指導方法や教材教具を工夫することで理解につながり、また自身の障がい理解にもつながるものと期待している。

 長岡聾学校に赴任して3年目。上記に挙げた支援の視点について、私が今までに行ってきた数々の実践を今回発表する。


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「教育実践」 
働く上で必要な力の育成
〜生徒が職場で主体的に考え、意欲的に仕事に取り組む姿を目指して〜
県立吉川高等特別支援学校 
帆苅 健

 1 実践テーマ設定の理由
 当校は、軽度の知的障がいのある生徒たちが多く学んでいる特別支援学校である。職業学級在籍の生徒が多く、卒業後の就労を目指している。
 生徒が現場実習先で働く中、一般企業先から次のような生徒像を求められている。
○素直で元気良く挨拶できる。
○やる気があって一生懸命働く。
○周囲の人とうまくかかわって、自主的に考えながら行動できる。
 これを受けて本実践では、作業学習や校内実習等での清掃活動を通して、「意欲的に仕事に取り組み、周りの状況を見極めながら行動できる生徒」を育てていきたい。
2 本校の作業学習や実習について
 本校の作業学習では清掃・接客・福祉・物流等の作業種があり、3学年の生徒はこれらのいずれか一つを選択履修している。水曜日を除く平日の午後、毎日作業学習がある。水曜日は企業内実習があり、生徒は終日企業で働いている。また、春と秋のそれぞれに校内実習と現場実習がある。校内作業では作業種ごとに分かれて2週間終日働き、現場実習では2週間一般企業や施設で働いている。
3 3学年の作業学習に求められる生徒像
 本校の研究推進計画を受けて、3学年部では次のような生徒の姿を期待し研究を進めている。
○仕事の手順や時間配分を考えながら、効率よく作業を進める。
○周囲の状況に注意を向け、協力し合ったりたり助け合ったりして作業をする。
○周りの人と好ましいコミュニケーションがとれる。
4 実践の構想
 本実践では実践テーマの姿に迫るため、指導内容や手立てに次の要件を考えている。作業の見通し、自ら考える場面と内容の設定、グループ構成の工夫、話合いの場面と内容の工夫、協力・助け合いが生まれる活動内容の工夫などである。
 その要件から、以下の4項目について活動や支援の工夫をしていく。 
(1) 打合せ会、作業場所での調整ミーティング、作業終了後の反省会など、話合いの場の設定や活動内容を工夫する。
(2) 打合せ会や調整ミーティング等で使用するホワイトボードの活用方法など、教材教具の工夫をする。    
(3) 作業場所に応じた仕事の段取りができるような場の保障と清掃活動の工夫をする。
(4) 自信や信頼関係が構築できるメンバー構成の工夫をする。
 1学期が終了した現在、こうした実践を通して、生徒たちには主体的にコミュニケーションする姿が増えてきた。また、作業に工夫が生まれるようになってきた。今後さらに取組を進めて、生徒たちを伸ばしていきたい。

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「教育実践」 
軽度知的障がいの児童における生活力を育てるための効果的な金銭指導
〜実生活の中で金銭を使うことを通して〜
新潟市立栄小学校
川瀬 雅人

 

 私は、現在、特別支援学級の担任をしている。児童は生活単元学習に興味・関心を示して活動しているが、知識やスキルを十分身に付けさせることができないでいた。軽度知的障がいの児童が学校卒業後、地域の中で生活してくために必要な知識やスキル、習慣などを学校教育において可能なだけ身に付けておくことが重要であると考えている。
 生活単元学習は、このような知識やスキル、習慣などを身につけるために最も適した指導形態であると思われるので、指導内容を設定する際には、将来の地域生活をしっかり見据えることが重要であると考えた。
 そこで、今回は生活単元学習の中で特に金銭指導に焦点を当てて取り組むことにした。その理由をいくつか述べる。
 金銭指導には、
@どの段階の児童でもできる。
A算数科の力をのばすことができる。
B「スモールステップ」で児童の課題が見え、成長が分かる。
C金銭処理は、児童が実際の生活の中で経験している、あるいは将来の生活の中で経験するであろう活動であり、児童にとって取り組みやすい学習内容であるため生活の中で活かすことができる。
 などのよさがあると考えたからである。


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「教育実践」 
児童の実態に合わせた支援体制の構築
〜関係者との連携を通して〜
阿賀野市立保田小学校
田辺 美紀

 特別な支援を要する児童には、その児童の実態に合わせて支援体制を構築することが必須である。その際、児童・保護者と密接に関わりながら学校と連携をとる「キー・パーソン」の存在が重要である。
 私は、有効に働く「キー・パーソン」を、次のように考えた。
@児童・保護者との関係が良好である人物。特に、保護者との信頼関係があること。
A専門的知識を有し、適切な情報を提示できる人物。
B継続的に児童・保護者との関係を維持できる人物。
「キー・パーソン」となるのは、特別支援コーディネータとは限らない。本実践で適用した事例では、外部機関(児童デイサービス事業)相談員を「キー・パーソン」とした。
 もちろん「キー・パーソン」の設定だけでは、支援体制を構築できない。特別支援コーディネータが、情報を共有できるようなシステムを動かすことが必要である。この情報共有システムには、次のようなものがある。
@担任を含めた学校内の情報共有(校内ケース会議)
A保護者と担任を含めた学校関係者との情報共有(保護者との面談)
Bキー・パーソンとの情報共有(校内ケース会議への招聘)
 上記の「キー・パーソン」の設定と、情報共有システムを事例に適用したところ、児童の実態に合わせた支援体制を構築することができた。

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「教育実践」 
保護者や担任との連携による問題行動の改善と学校生活への適応
〜通級児童の実践を通して〜
新発田市立御免町小学校
須貝 雅浩

 

 通級指導教室は,通級する児童生徒が学校で適応できるよう特別の指導を行う場である。通級指導教室での専門的な指導が,日常生活の場で生かされるためには,子どもへの指導とともに保護者への支援,在籍学級担任との連携がたいへん重要になってくる。連携することで保護者や在籍学級の担任が正しい問題意識と適切な対応を身に付け,よりよい関係がつくられることで子どもは安定していくからである。

 在籍学級での離席や暴言,教室からの飛び出しなどの問題行動が理由で通級指導教室において指導を受けている児童がいた。在籍学級担任や保護者もその児童とどうかかわればよいのか分からず困っていたことから,通級指導教室担当が働き掛け,学校や保護者と連携して問題行動の改善に取り組んだ。連携にあたっては,行動改善のための支援モデル「教師や保護者がコンサルタントと協働して個別の指導計画の作成や校内委員会の運営にあたるコンサルテーションモデル」(COMPAS)の手続きを取り入れた。

@複数のアセスメントの実施

A有効な指導方法をできるだけ取り入れる

B個別の指導計画の作成と共有

 指導前,児童は在籍学級教室から飛び出し教室にはほとんどいなかったが,指導後はいる時間が増えていった。通級の連絡ファイルには在籍学級担任から「今週はほとんど教室で過ごしました。途中心を痛めることがあったのに、強い心で立ち直り,とてもすばらしい,かっこいいところも見せてくれました。」との記述があった。ソーシャルスキル尺度や学校適応感尺度(アセス)でも改善が見られた。

 今回の実践では,保護者、学校、通級指導教室が連携して取り組むことで行動面の改善が図られ,集団適応につなげていくことができた。今後は,在籍学級での生活の質の向上が課題となる。そのためには,授業のユニバーサルデザイン化を図り,誰もが参加できる授業への転換が求められる。通級指導教室担当は連携の際に,こうした相談や提案ができるような知識や技能が必要となるだろう。

【参考文献】

「LD・ADHD<ひとりでできる力>を育てる」指導・支援・個別教育計画の作成の実際 長澤正樹 川島書店 2007

「ソーシャルスキルマニュアル」上野一彦 岡田智 明治図書 2006

「新たな行動コンサルテーションモデル:COMPASによる問題行動の支援」古田島恵津子・長澤正樹・松岡勝彦

「通常学級に在籍するADHDのある児童を対象に‐LD研究 第15巻 第2号」 2006
「特別支援教育を支える行動コンサルテーション―連携と協働を実現するためのシステムと技法」加藤哲文 大石幸二 学苑社 2002


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教育奨励賞 発達障がい児の指導方法を広げ、関係者の連携を図る通級指導教室の役割
三条市立三条小学校
小林 勝文

 受賞理由
 発達障がいのある子どもの困り感について,応用行動分析に基づく情報提供を行うなど,一人一人の子どもの障がいの状況に応じながら,専門性に基づいた効果的な支援を行い,成果を上げている。

 三条市が平成19年度に発達障がい通級指導教室を開設した当初からの担当者として,地道で専門的な取組を継続して行い,各校の特別支援学級担任や特別支援教育コーディネーター,保護者等から幅広い信頼を得ている。各学校の要請に応じて学校訪問を行うなど,三条市全体の特別支援教育の充実に貢献している。

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教育奨励賞 発達障がいのある児童の学校生活の質の向上を目指した包括的な支援
長岡市立栃尾東小学校
古田島 恵津子

 受賞理由
 特別支援教育において重要な視点である「行動コンサルテーションとSSTによる支援」と「UDLを取り入れた通常学級における授業改善」について,専門的な見知から研究・実践を行っている。また,学会での発表\,論文の執筆,研修会の講師など,取組の成果を様々な場で発信していることは高く評価できる。

勤務校だけでなく,長岡市や中越地区,さらには全県にわたって,特別支援教育の充実・発展のために,中心的リーダーとして精力的に活動している。また,発達障がい児者親の会「いなほの会」に定期的に参加し,保護者の相談に応じるなど,ボランティア活動を9年間に渡り行っている。これらの地域貢献も評価に値する。

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