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新潟

「教育実践」
心の回復力を高める健康教育の工夫
新潟市立白根第一中学校
田村 憲子

  思春期は心身ともに成長が著しい反面、自分自身の様々な変化や周りの環境に対して敏感となる時期である。生徒たちは一見、この多感な時期に直面する困難や挫折に、自分なりの対処方法で適応しているようにみえる。しかし、「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(文科省、2017)によると、不登校児童生徒数の割合は増加傾向にあり、その要因の一つに「不安」傾向があることが明らかになっている。
 保健室においては誰もが抱きやすい「不安」に対し、日頃から個別に対応している。しかし、今後は「不安」への対処方法を相互に理解し、助け合える集団づくりを健康教育の視点から積極的に介入していくことが重要だと考える。その授業づくりに当たっては、認知行動療法の「その人のもののとらえ方(考え、認知)が、気分(感情)とからだの反応・行動に大きく影響する」という原理を応用するとともに、新学習指導要領で求める「学びに向かう力・人間性等」に着目し、自己の課題解決に前向きに取り組めるよう以下の点に留意した。
1 不安の予防段階で「辛い気持ち」になる場面を取り上げ、「辛い気持ち」を軽くする手法として、出来事をプラスに受け止めることの有効性に気付かせること。
2 悩んでいる友達へのアドバイスを考えさせることで、自分が他者の力になれることに気付かせること。
3 話し合い活動においては、一人一人が主体的に学びに向かえるよう自己評価を取り入れること。 
 今回、健康教育「心の健康づくり」を視点に授業づくりを試みた。その結果、生徒が「不安」への対処方法を身に付け「心の回復」を理解することが、今後直面し得る困難や挫折に自らの力を生かしてよりよく生き抜こうとする行動につながると確信し、その成果を発信する機会としたい。

<参考文献>「しなやかなこころをはぐくむ こころのスキルアップ教育の理論と実践」/大野裕・中野有美.大修館書店

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「教育実践」
マット運動における大きな前転の習得から発展技につなげる指導
〜前転系の技の「回転力」に着目した指導を通して〜
南魚沼市立八海中学校
堀 圭佑

  マット運動における前転系の技に着目し、五十嵐の「みかん型とバナナ型」を基に、基本的な技「前転」の回転力を高める指導を行う。回転力を高めることは、基本的な技から発展技まで共通したポイントであり、発展技でも起き上がることにつながると考える。そこで、前転の回転力を高めるために「大きな前転」の習得を目指す。(回転力は『自分の足で蹴り出し、腰角度を大きくした状態から一気に減少させ、順次接触する』ことで高めることができる。)
【みかん型】:身体をボールのように終始小さく回転する
【バナナ型】:身体を途中で伸ばし最後に小さく回転する
※「大きな前転」は五十嵐の「バナナ型」を指している。
 発展技は起き上がることが難しくなり、「できない」、「楽しくない」、「やりたくない」といった子どもたちの現状がある。「系統性を意識した段階的指導」、「付せんを用いたファシリテーション」、「タブレットの活用」、「落差法を用いた場の工夫」の四つの手だてを用いて、発展技に積極的に挑戦する姿や、技能向上を目指す。
1 手だての有効性
 仲間と話し合う活動を通して、回転力を高めるためのポイントを具体的に考えることができ、実践する姿が見られた。また、自分だけでは見付けられなかったことを仲間の意見からを見つけることができた。
 自分の技を見ることで改善点を見いだすことができ、技をよりよくすることができた。また、仲間からの助言がより効果的になった。
 難しいと感じる発展技でも、落差があれば起き上がることができた。「できた」という成功体験を得ることができ、「次は落差なしで成功したい」といった運動意欲の向上が見られた。
2 成果と課題
 マット運動における大きな前転の習得から発展技へつなげる指導を通して、技能向上の実感の喜びや仲間の技能向上を称賛し合う姿が見られた。
 回転力を高めることは前転に限らないので、他の技でも実践していく。
<参考文献>
「たのしいマット運動」 五十嵐久人 不昧堂出版 1997

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「教育実践」
「学習課題」と「動きながら試す場」で技能を高める体育科学習指導
新潟市立青山小学校
熊野 昌彦

  ボール運動の学習において、児童が試行錯誤しながら、「フリーでシュートを打つ」技能を高めていってほしいと考え、ゲームとゲームの間に「動きながら試す場」を設定してきた。この「動きながら試す場」は、いわゆる「作戦タイム」とは異なり、話し合うだけでなく、それぞれのチームが相手のいない易しい条件で試したり、自分たちの理想とする動きを試したりできるよさがある。この「動きながら試す場」を効果的に設定し、ハンドボールのゲームで「フリーでシュートを打つ」技能を高めるにはどうしたらよいか、研究を進めた。
 本実践の手だては、次のとおりである。
1 練習内容を焦点化した学習課題を設定する。
 これまで「動きながら試す場」での動きがゲームにつながりにくかったのは、そこで練習すべき内容が分からないまま、練習する時間となってしまったためと考える。そこで、どんな練習をすればいいのかが分かる学習課題を設定し、練習内容を焦点化する手だてを講じる。
2 焦点化した練習内容を「動きながら試す場」で練習させる。
 何を練習するかが焦点化されたので、それに合わせて話し合ったり動きを試したりしながら練習させる。「フリーでシュートを打つ」ために、パスを出すタイミングを合わせたり、走り込むタイミングを繰り返し調整したりした。
 引き続き、ゴール型ボール運動のよりよい指導法について、研究を進めていきたい。

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「教育実践」
視点の明確化・口伴奏が思考にもたらす効果
〜4年生「大の字回り」における深い学びへの一考察〜
新潟市立早通南小学校
三宮 真澄

  器械運動の授業では、児童に「できない・難しい」という思いや「怖い・痛い」という恐怖感を抱かせないことが、運動に親しむ上で重要であると考える。特に、器械運動が好きではない児童が少なからずいる場合は、指導について工夫する必要がある。
 そこで、本研究では、マット運動が好きではないと答えた児童も主体的に学ぶことで、運動が「できた」と実感する姿を目指した。取り扱う運動は側方倒立回転につながる運動「大の字回り」である。目指す姿を実現するために、次の二つの手だてを講じた。

1 視点の明確化  
 大の字回りの動きを着手・回転・着地の三つの局面に分けた。また、三つの局面を「まず」「次に」「最後に」という言葉に合わせて絵と簡単な言葉で動き方を提示した。
2 口伴奏
 動きを見ている児童が、三つの局面に合わせて「(ギーコ、ギーコ)そ〜おれっ!」とかけ声をかける口伴奏を取り入れた。口伴奏は以下のように行わせた。
  @両手・両足を大の字のように広げて勢いをつける、準備の段階で「ギーコ、ギーコ」
  A前の手から片手ずつマットに着手する「まず」の段階で「そ〜」
  B脚を高く上げて回転する「次に」の段階で「お」
  C片足ずつ着地する「最後に」の段階で「れっ!」

 上記の手だてを講じたことにより、マット運動が好きではないと答えた児童が単元前の25%から9%に減少した。また、運動が上手にできると実感した児童の割合が向上した。アンケートより、がんばる(目標に向かって努力する)意識や決める(目標を自分で決める)意識が高まったことが分かった。児童は、口伴奏をしながら視点に沿って動きを見合い、アドバイスをしたり、アドバイスされたことを試したりしていた。学習カードには、自己の課題やその解決法についての記述が見られた。これは、児童の関わりの中から生まれた「思考」であり、がんばる意識や決める意識を高める結果につながったと考える。
 これらの結果より、視点の明確化と口伴奏は、思考しながら主体的に学び、運動ができたと実感させる上で有効な手だてであると考える。今後も、よりよい解決法に向けて友達と共に思考させる手だてを取り入れることで、主体的に運動に親しむ態度の育成を図りたい。

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「教育実践」
打つ技能を高めるティーボール指導の工夫
新潟市立五十嵐小学校
伊藤 秀樹

  ベースボール型ゲームは、児童の日常の遊びの質的な変化により、他よりも技能差の大きい運動である。特に打つ運動は、多くの児童にとって経験のない、もしくは少ないものであり、習得に時間がかかる技能である。ボールを遠くに飛ばすために必要なことは、スイングスピードを上げることと、ミート力を上げることである。しかし、二つの力の両立は難しく、特にゲームになるとその傾向は顕著となり、スイングスピードとミート力の両立が課題であった。これまでの私の実践でも、バットを速く振ることに力を入れるとミート力が落ち、ミート力を重視するとスイングが遅くなることが課題となっていた。
 そこで、スイングスピードを上げるために、打撃フォームを指導してスイングを一定にし、その中で体重移動を速くしていく指導を行った。また、ミート力の向上についても打撃フォームを一定にしていくことを重視して取り組んだ。
 本実践を進めるうえでの打撃理論については、プロ野球選手を中心に多くの支持を得ている手塚一志氏が提唱するダブルスピン打法にもとづいて打撃フォームの指導をした。
 研究の実際では、スイングスピードとミート力を向上させて、遠くに打てるようにするために次の手だてを講じた。

1 ダブルスピン打法にもとづいた技能ポイントの指導
 ・技能ポイントを獲得させるための指導
2 ミート力向上のために、ミニボールを使った飛距離の分かる場での打撃練習
 ・メインゲームと同じ場で、直径4.4cmのウレタンボールを使った打撃練習

 本取組の結果、児童の技能ポイント獲得数を、単元前と単元後で比較すると、すべての技能ポイントが高くなった。また、スイングスピードの平均も高くなり、ミニボール打ちやゲームの平均飛距離でも回を追うごとに向上が図られた。
 さらに児童が技能を高め、遠くにボールを打てるよう、今後も手だてを探っていきたい。

〈参考文献〉
「バッティングの正体」/手塚一志、ベースボール・マガジン社1999年

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「教育実践」
生活をよりよくしようと工夫し創造する態度を育てる授業づくり
新潟市立小針小学校
小野 愛佳

 1 研究内容
 次期学習指導要領では、家庭科の目標が「生活の営みに係る見方・考え方を働かせ…資質・能力を…育成することを目指す。」となった。これまでの実践を振り返ってみると、児童の実態に合った学習課題になっておらず、課題意識が生まれない児童が多かった。児童の生活経験で知っていることを基に、話合いを通してよりよい生活を考えさせることが多かった。根拠が曖昧だったため、どの方法が効果的かを実感する実践的・体験的活動には到っていなかった。
 そこで、児童が課題意識をもち、科学的な意味付けを基に生活を工夫し創造する態度を育てるために、@「日常に目を向けるずれのある導入」、A「根拠を基にした思考場面」、B「生活の営みに係る見方・考え方の概念化」の三つの手だてを行う。小学校5年「じょうずに使おうお金と物」、小学校6年「暑い季節を快適に」の単元において実践を行った。
 
2 研究の実際と考察
 手だてを取り入れた授業において、児童のアンケートを分析した。消費生活の単元ではアンケートの結果、自分の家庭の状況に合わせて買い物をした児童が51.5%だった。商品の産地や原材料を見るようになった児童や、祖父が好む物、子どもが好む物を考えてお菓子を買っている児童が増え、生活を工夫し創造する姿が向上した。一方で33.3%の児童が賞味期限などの表示を見て買ったり、本当に必要かどうかを考えて買ったりすることを前から行っていたと回答していた。このことについては成果と課題で後述する。住生活の単元では、アンケートの結果各家庭の間取りや部屋に合わせて、学習したことを工夫している児童が82.4%だった。風の出入り口を考えて窓の開け方を変えたり、体感温度を考えて服の色を白にしたりと生活を工夫し創造する態度が向上したと考える。

3 成果・課題
 ずれのある導入や実験を通して課題を解決していったことで、学習の楽しさや、実感を伴った理解につなげることができた。その結果、生活に役立てようとする姿や使ってみようという思いになったと考える。授業後の生活に役立てているかの質問で「前から家庭で行っていたことだった。」という児童が多かった。その児童が授業後に、今まで児童がもっていた認識と授業で獲得した意味づけを結び付けて家庭で行っているかを検証することができなかった。

<参考文献>
「家庭科教育を学ぶ人のために」/堀内かおる.世界思想社
「平成29年版 小学校新学習指導要領ポイント総整理 家庭」/鈴木明子.東洋館出版社
「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 家庭編」/文部科学省.東洋館出版社

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「教育実践」
一元一次方程式の文章題における立式指導の工夫
〜偽仮定法による立式と単位を意識させた指導を通して〜
新潟市立鳥屋野中学校
長部 賢

  全国学力・学習状況調査の結果から、具体的な場面で、一元一次方程式をつくることに課題が見られた。また、今までの指導の中で、過不足に関する問題への苦手意識をもつ生徒が高いと感じている。
 本研究では、文章題の逆思考から順思考への転換場面において、そのギャップを埋めるため、偽仮定法を導入する。その後、真仮定法を導入することで、順思考で考えるよさを実感させる。また、表した式の単位を問うことで、その式がどのような数量を表しているか、そして、二つの式の数量関係を意識して立式することができると考えた。
 授業では、文章題の1時間目で偽仮定法の導入を行った。2時間目に過不足問題を取り扱い、偽仮定法を用いて式の検討を行った。また、式の単位を問い、たてた式の数量関係を意識させた。
 本研究で、生徒は過不足問題について正しい数量関係を捉え、立式できる力をつけることができた。今後も、偽仮定法が過不足問題の立式に有効であることを追究していきたい。

「教えたくなる数学 学びたくなる数学〜思考力・判断力・表現力を育成する教材解釈・構成〜」
 神林信之/風間寛司/星野将直/井口浩/小嶋修/渡部智和 考古堂書店 

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「教育実践」
自立した読み手を育てるリーディング・ワークショップの実践
新潟市立早通中学校
青田 美香

  中央教育審議会答申において「読書は、国語科で育成を目指す資質・能力をより高める重要な活動の一つである」とされ、読書指導が国語科において重要な役割を担っていることから、本研究は、中学校国語授業における読書指導の充実・改善を目的としている。
 生徒(中学1年生)は小学校での「図書の時間」を通して、かなりの読書量が確保されていた。子どもたちが生涯において、読書生活を充実させ、自立した読み手となるためには、中学校においても読書の授業を行う必要がある。そこで、リーディング・ワークショップの手法を用いた授業を行うこととした。
 リーディング・ワークショップとは、吉田(2010)によれば、「読むことをワークショップ形式で学ぶ」「読書家になる体験を読むことを通して学ぶ」ことである。まず、教師のミニレッスンを5〜10分で行う。次に、生徒は30分のひたすら読む時間を確保する。最後に、班で読んだ本について話し合う。
 本実践は、リーディング・ワークショップのお試し読書において、次の2点の工夫をすることで、話合い活動の充実を図った。
  @ ミニレッスンで話合いのきっかけを作る
  A 読書中の思考を可視化させる
 これらの手だてを取り入れた授業において、生徒の振り返りシートに書かれた感想から、話合いによって他者との違いを好意的に受け止めることができた記述が見られた。また、ミニレッスンで紹介した本と出合うことのできた喜びの記述も見られた。
 本研究を通して、取り入れた手だては学習者同士の話合いの充実を図る上で有効であると立証できた。他者と交流しながら今後も継続して実践することにより、生涯において読書生活を充実させることができる、自立した読み手になれるよう促していく。
<参考文献>
『「読む力」はこうしてつける』吉田新一郎.新評論
『読書家の時間 自立した読み手を育てる教え方・学び方【実践編】』プロジェクト・ワークショップ編.新評論

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「教育実践」
「主体的・対話的で深い学び」を促す授業展開の研究
〜「2段階で問う」という発想を手がかりに〜
新潟市立大形小学校
岩崎 直哉

 「主体的・対話的で深い学び」が実現されるかどうかは、「発問」という教師の授業行為にかかるところが大きい。しかし、発問一つの善し悪しを検討しても、実際の授業の中では子どもが十分に思考する姿を引き出せないことがあった。その原因は、次のものと考える。
 ・子どもに考える必然性がない(発問で問われることが、子ども自身の問題意識になっていない)。
 ・子どもに考える材料がない(発問に対して、何をもとにして反応すればよいのか分からない)。
 そこで、主発問に至るまでに、問題意識を共有したり、考える材料をもたせたりする1段階目の発問を設定することにした。1段階目の発問と2段階目の発問(主発問)による子どもの反応を基に検討することによって、授業展開論を構築したいと考える。
 研究領域を文学的文章の読みに絞り、次の2実践の事実から考察する。

・実践@ 「ごんぎつね」
 →第6場面の語りの変化(視点の転換)について考えさせ、自分の読みを自覚させる授業。

・実践A 「走れ」
 →クライマックス場面の主人公の変化を捉えさせる授業。

 上記実践から得られた2段階の発問の要件を以下のように整理する。
 ・論理的に読ませるために、まず直観的な反応を引き出す発問をする。
 ・物語の深層を読ませるためには、まず表層に着目させる発問をする。
 今回の実践では、無意識を意識化すること→自覚的に物語世界を捉え直すこと(実践@)、対比により情報を整理すること→情報を統合して物語世界を捉え直すこと(実践A)という2段階の思考過程が観察された。今後は、2段階でどのような思考過程が想定されるか、類型化をすることでより明確な授業展開論を記述したい。

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「教育実践」
思春期の難聴生徒たちへの支援を考える
〜自立活動と障がい理解授業の取組から〜
新潟市立白新中学校
野住 明美

  通常の学校・学級で学ぶ難聴児は増えてきている。これは、新生児聴覚スクリーニング検査の導入による難聴の早期発見と早期補聴・療育の効果、そしてインクルーシブ教育システムへの潮流によるものである。当校には昭和50年開設の難聴学級があり、生徒たちは広く市内外から通学してくる。そこで、障がいの社会モデルを理念とするICF(国際生活機能分類)をもとに、聴覚障がいへの支援を整理し、中学校に在籍する難聴生徒への支援のあり方について検討した。
1 研究の実際
(1)ICFから聴覚障がいへの支援を考える。
 ICFモデルを用いて「聞こえにくさ(難聴)」による障がいを捉えると、その支援は次の@〜Bに分けられると考える。@活動と参加への支援や働きかけ、A環境因子への働きかけ、B個人因子への働きかけである。この三つの枠組から、中学校における難聴生徒への支援を整理した。
(2)支援の実際
@ 活動、参加へのアプローチ
 情報保障について検討し、全校朝会や生徒会朝会などの集会では、スクリーンを立ててPCによる文字入力を投影することにした。
A 環境因子へのアプローチ
[障がい理解授業の実施]
 平成29年度の2学年2クラスの道徳の時間に難聴疑似体験を取り入れた難聴理解授業を、学級担任と連携して行った。
[難聴への理解・啓発活動]
 全ての学年の学年朝会において難聴理解・啓発の講話を実施することにした。
B個人因子へのアプローチ
[自立活動の指導の工夫]
 自立活動の指導のうち1時間を集団での活動とし、ファシリテーションの手法を用いて自分たちの日常生活での困難をどうやって解決していくかを考えていった。また、7月には難聴である大学院生の方から自身の経験を語ってもらう「先輩と語る会」を行った。
3 成果と課題
 全校朝会や集会などでのスクリーンによる情報保障は、当校では当たり前になりつつある。スクリーンによる文字の情報保障は、難聴児だけではなく、聞くことに困難をもつ生徒にも、話をうっかり聞き逃した場合にも便利なものであり、視点を変えるとユニバーサルデザインの支援にもなると考える。
 今年度入学してきた難聴生徒3名は、徐々にではあるが興味のあることに積極的に取り組み、自身に必要な支援を周囲に伝えることができるようになってきた。
 安定した人間関係があるからこそ、人は自己実現に向かっていけると考える。「難聴があるからできない」とあきらめるのではなく、「難聴がある自分だから○○したい。こうなりたい」と自己実現していける生徒の力を育てられるように、試行錯誤しながら日々の支援を充実させていきたい。

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「教育実践」
ONE FOR ALL、ALL FOR ONE
〜仲間とともに目標に向かって努力する生徒の育成を目指して〜
新潟市立南浜中学校
渡辺 光

  中学校学習指導要領に特別活動の目標として「自主的、実践的な集団活動の姿」とある。この姿を私なりに「仲間とともに目標に向かって努力する生徒の姿」と定義し、部活動に真剣に取り組む選手の姿と競技力向上を目指し次の実践を行った。
1 選手の「その気」にさせるために(自主的、実践的な集団を目指して)
 (1)集団としての指導方針の明示と部の規律の徹底
    指導方針と単純明快な部の規律を定め、徹底する。
 (2)サッカーノートを活用した日常のPDCAチェック
    長期目標(plan)・行動目標(do)・振り返り(check/action)をサッカー
   ノートに記入し、目標に向かって努力する態度や考え方を育てる。
 (3)開始30分間のルーティン化
    部活動開始30分間のメニューをルーティン化し、選手同士で切磋
    琢磨しながら練習に取り組むことで自主性や自律性を育てる。
2 競技力を高めるために
 (1)トレーニングの効率化
    ボールを使ってフィジカル・テクニック・戦術的理解のトレーニン
    グを効率的に行う。
 (2)「理想の試合」をイメージした練習
    全中優勝チームの試合を映像編集し、理想のプレーを共有すること
    で練習や試合の質の高まりを目指す。
 (3)リーダーの育成
    リーダーが部員全員を気に掛けることで「ONE FOR ALL、ALL FOR
    ONE」の意識や雰囲気をチームに育む。
 これらの実践を行うことで選手一人一人の態度が変わり、競技に対するモチベーションの高まりが見られた。日々の練習や試合に全力を尽くすことで着実に選手は力を付け、その結果県大会準優勝、北信越大会8位という結果を収めることができたと考えている。

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「教育実践」
教育ビジョンの共有による学校づくり
〜信頼される学校づくりのための七つの戦術〜
新潟市立小須戸小学校
渋谷 徹

  全ての学校には教育目標がある。そして、これらを実現するために校長が描くのが教育ビジョンである。校長の描いた教育ビジョンは共有されなければならない。職員とである。子どもとである。保護者とである。
 校長は、シンプルかつ明確な教育ビジョンを示すべきである。そして、それを職員、子ども、保護者で共有するための戦略と戦術を立てるべきである。このような考えに立ち、次の七つの戦術で学校づくりに取り組んだ。

【戦術1】ミッション(理念)をキーワード化する
【戦術2】職員にプレゼンテーションを行い、理解と共感を得る
【戦術3】児童にプレゼンテーションを行い、全校のめあてを共有する
【戦術4】保護者にプレゼンテーションを行い、理解と共感を得る
【戦術5】校長室通信等により、方向性や修正点を示すと共に職員をモチベートする
【戦術6】HP(Facebook)を通して、日々の情報を公開する
【戦術7】実感を伴った学校評価を行う

 七つの戦術により、職員、子ども、保護者の三者で教育ビジョンを共有することができた。その結果、それぞれが進むベクトルが一致し、校長の目指す信頼される学校づくりは加速した。
  「社会に開かれた教育課程」が求められている。学校の舵を取る校長は、子どもたちがどのような社会の中で生きていくのかを見据えながら教育ビジョンを示さなければならない。激変する社会の中で、学校の在り方も教師の在り方も変わらざるを得ない。校長として、職員に意識改革を促しながらもしっかりとモチベートし、迷いない舵取りを行っていきたい。

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「教育実践」
自己の学びを自覚する児童の育成
〜「深い学び」を促す振り返り〜
新潟市立巻北小学校
阿彦 翔大

  新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」が重視されている。「深い学び」を実現させるためには、児童が主体的に学習に取り組み、対話的な学習を通して学んだことを、児童自身に自覚させる必要がある。
 これまでの自分の授業では、振り返り作文を記述させることを通して学びの自覚を図ってきたが、振り返りの内容を次の授業の内容とうまくつなげることができない児童の姿が見られた。そこで、本研究では、算数・数学科において、「学習課題」とそれに正対した「まとめ」のある授業をベースに、適切な場面での「振り返り」を授業の中に位置付け、「これまでに学習した、どんなこととつながっているのか」を書かせることにより、児童に学びを自覚させることができるかどうかを検証した。
 自分の学習の過程や変容を自覚させる「振り返り」の時間を大切にした授業を行うために、以下の手だてを講じて実践に取り組んだ。
1 児童に自覚させたい学びを位置付けた単元指導計画表の作成
2 学びの足跡を確実に残すための板書の工夫
3 「これまでの学習でつながったこと」を書かせる振り返りの工夫
 その結果、児童が既習と未習を関連付けて振り返り作文を書けるようになり、自己の学びを自覚するのに有効であることが分かった。一方で、関連付けた内容を基に考える活用問題において、正答を導くことができない児童もいたことから、今後は「分かる」学びと「できる」学びとを両立させる指導の工夫についても考えていきたい。

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「教育実践」
ゴール型ゲームにおけるパスコースの変容を促す授業
新潟市立小針小学校
真柄 貴幸

  今までの私の授業は、ゲーム(ゴール型ゲーム)を行う際、全体の学習課題を設定し、作戦・ゲームを通して全体でまとめて解決に導いてきた。しかし、パスコースを変容させ、自陣からパスをつないでシュートに結び付ける攻撃をさせることができなかった。
 そこで本研究では、第4学年のポートボール単元において、全体で学習課題を設定した後、各チームの実態に合った課題を見付けさせ、それぞれが解決に導いていくいくことで、パスコースの変容を促し、自陣からパスをつないでシュートに結び付ける攻撃ができるよう、単元を構成し授業展開を工夫した。
1 広い学習課題を帯状に設定した単元構成
 本単元では、帯状に設定した課題1「シュートを決めるために、ノーマークの場所にどう動けばよいか」によって、ゴールに近い場所に動くこと、課題2「どのようにボールを運べばよいか」によって、縦のパスと横のパスを使い分け、ディフェンスが来る前にパスを出す動きを習得させることを核とした。この2つの広い学習課題から各チームの実態に応じた攻め方へと落とし、チームそれぞれが改善策を見つけられるような単元を計画し進めた。みんなに共通の学習課題・まとめを受けて、各チームの実態に合った攻め方を考えさせ、修正・改善を繰り返させることで、思考を深めていく授業を目指した。自チームの実態を踏まえた攻め方を考え、改善しさらに動きを焦点化し高めるために練習と試しのゲームを繰り返すことで、技能の高まりを目指した。
2 MTMの手法を用いた授業展開
 「マッチ→トレーニング→マッチ」を繰り返す授業展開をシステム化する。ゲーム@から見出したチームの攻め方についての改善方法を思考し、修正する動きを繰り返させた。ゲーム@後に学習課題に対してのまとめをすることで、本時で改善すべきチームの攻め方を焦点化し明確にさせる。この際のT(トレーニング)時では攻め方の修正をさせ、自チームの実態に応じた改善策を思考させる。MTMの手法を用いることで、前時での学びを生かした攻め方でゲームを展開させ、ゲームでの気付きを生かして次のゲームを展開させる。それにより、前時の学び(攻め方の確認)から本時の攻め方へ、ゲーム@の攻め方からゲームAの攻め方へ、ゲームAの攻め方からゲームBの攻め方へ、本時の学び(攻め方の確認)から次時の攻め方へと、既習を生かした学びの連鎖を起こさせ、「できて・分かる」姿を目指した。
3 成果と課題
 本研究では、ポートボールにおいて、学習課題を帯状にした単元構成とMTMの手法を用いて授業を展開したことで、パスコースの変容が促され、ディフェンスに奪われないようにゲームを展開し、自陣からパスをつないでシュートに結び付ける攻撃ができるようになった。今後、他の単元でも実践を積み重ね、各チームの実態に応じた課題の解決を促す授業を目指していく。

<参考文献>
「体育の教材を創る」2012 岩田 靖 大修館書店
「ボール運動の教材を創る」2012 岩田 靖 大修館書店
「サッカー指導教本」2012 日本サッカー協会

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「教育実践」
主体的・協働的に技能を高めるマット運動
〜シンクロマットとジグソー法を関連させながら〜
新潟市立白山小学校
宮本 俊

  私のこれまでのマット運動の実践では、楽しさに気付き進んで取り組む主体性と仲間と対話し協力して課題解決する協働性を両立させることが難しかった。
 そこで、集団の一体感を味わう楽しさに触れられるシンクロマットと、局面別に教え合い重点的な練習ができるジグソー法を単元計画に組み込んだ。単元序盤では、易しい技を中心にしたシンクロマットの時間を多めに取ることで、楽しさに触れたり、教え合ったりする土台を築く。単元中盤では、側方倒立回転を4局面に分け、局面別の運動ポイントや練習方法に習熟させた後、班に戻って教え合うジグソー法を中心に据えて、技能向上を目指す。単元終盤では、高めた技能をもとにシンクロマットの演技を工夫し、発表する。
 単元を通じて、この二つを関連付けて取り組むことで、両者の良さがそれぞれの課題となる部分を補完し、主体的・協働的に技能を高めることができることが分かった。
1 手だての有効性の検証
(1)主体性・協働性の観点から
 児童の主体性・協働性の高まりを形成的授業評価における「意欲」「協力」で自己評価させた。毎時間の5段階評価の内容を分析すると、単元内において、次のことが分かった。
 @単元序盤(1〜4時間目)は、1・3・4時間目で「意欲」が「協力」を上回っていた。
 これは、易しい技を中心にしたシンクロマットの学習が中心だったためと考えられる。
 A単元中盤(5〜8時間目)は、全ての時間で「協力」が「意欲」を上回っていた。
 ジグソー法を行ったので、局面別に責任をもって教え合って課題解決したためと考えられる。
 B単元終盤(9・10時間目)は、全ての時間で「意欲」が「協力」を上回っていた。
 シンクロマットの演技構成を工夫させたり、発表会を行ったりしたためと考えられる。
(2)技能の高まりから
 教師の見取りによる技の習得状況の変化とともにカード記述や事後アンケートにおける内容を分析した。これらの結果より次のことが分かった。
 @ジグソー法を取り入れた側方倒立回転は、習得人数が39%⇒74%へ増えた。
 Aカード記述から、ジグソー法の効果は、「教える視点の焦点化」「(エキスパート活動時の)課題の重点的練習」が確かめられた。
2 成果と課題
 ○シンクロマットとジグソー法を単元計画に関連・位置付けることで、両者のよさがそれぞれの課題を補完することが分かった。それは、次のような関連性でまとめることができた。
  ・シンクロマットで築いた「楽しさや演技工夫による主体性・協働性の土台」は、ただの練習になりがちなジグソー法を有効に働かせた。
  ・「視点が絞られ教え合いやすく、課題を重点的に練習できる」ジグソー法により、苦手な児童も主体的・協働的にマット運動に取り組み、技能を高めることができた。技能の高まりが望めず、できる児童からの一方通行になりがちなシンクロマットの課題を補った。
 ▲クラス全体の技能の習得率は高まったが、もともと技能が高かった児童のさらなる技能向上が少なかった。技の取り上げ方が今後の課題である。

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「教育実践」
自ら進んで踊る児童を育てる表現運動指導
〜表現運動における「ジグソー学習」を中心にして〜
新潟市立牡丹山小学校
長谷川 順哉

  これまで自分が行ってきた表現運動の授業では、技能の習得を優先した教師主導の授業であったため、児童は表現運動本来の楽しさを味わうことができず、できない児童は恥ずかしさから進んで踊ることができずにいた。
 そこで、本研究では、児童に表現運動の楽しさを感じさせ、自ら進んで踊ることのできる姿を目指した。そのための手だてとして「ジグソー学習」と「四つのくずし」を取り入れ、実践を行った。
1 「ジグソー学習」を取り入れた授業
 ジグソー学習は、主に知識や技能の習得を目的として用いられることが多い。児童たちが自ら進んで踊ることができるようになるには、技能の向上は不可欠であることから、本研究では技能の向上に有効であるとされるジグソー学習を用いることとした。
2 「四つのくずし」の設定
 表現運動の核となる動きとして「四つのくずし」の動きを以下のように設定した。
・空間のくずし:踊る方向や場を変化させ、同じ場所だけでなく、場を広く使って踊る。
・体のくずし:ねじったり、回ったり、跳んだりするなど、体の状態をはっきり変える。
・リズムのくずし:すばやく、ゆっくり、急に止めるなどの動きのリズムを変化させる。
・人間関係のくずし:離れたり、くっついたり、からんだりするなど、いろいろな友達と関わり合いながら踊る。
 それぞれの動きのポイントを示したカードを作成し、各グループに配布した。カードには、それぞれのくずしの動きと、動きからイメージできることを書けるようにし、グループの友達同士で自由に動いたり、動きからイメージできることを考えたりできるようにした。

 授業を実践した結果、ジグソー学習を取り入れたことで、児童同士の関わりが自然と生まれ、友達同士で教え合いながら技能を向上させていくことができた。また、技能が向上したことで、自ら進んで踊ろうとする児童が増えた。今後は、ジグソー学習がもたらす協調性、達成感、自尊心等の効果についても検証していき、ジグソー学習の有効性をより明確にしていくとともに、児童が進んで表現運動以外にも取り組むことのできるような授業づくりを目指していく。

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「教育実践」
既習を活かして運動する児童の育成
〜6年「ハードル走」を通して〜
新潟市立関屋小学校
鈴木 亨

  これまで、私の体育授業では毎時間新しい技術を教えようとするあまり、前時とのつながりや単元のつながりを意識していないことが多く、児童に既習を意識して考えさせることが少なかった。その結果、前時までの動き方を本時で活用させたり、バスケットボールやハンドボールの動き方をサッカーで意識させたりすることができなかった。
 他の教科と同様に、体育の学習も既習の積み重ねで行われている。それを教師が意識して、児童に本時の課題を解決させるために、児童に既習を意識させてペア活動で活用させる。そのことにより、既習を活かして運動し、技能も高まるのではないかと考えた。
 昨年度の研究で、2年生「ボールゲーム」において児童全体の思考の変化を追ったが、教師の主観による評価になりやすく、また、思考の評価が難しかったりした。そこで本年度の研究では、抽出児童の動きの変化と、そのときの授業の様子やノート記述等から、既習を意識させる教師の働き掛けと、児童の変化の関係を調べた。
 既習を活かす手だては以下の通りである。
@既習を意識させる手だて
・「意識させる既習の動き」を入れた単元計画
・課題設定場面での問いで既習を想起させ、見通しをもたせる
・これまでの既習を掲示して蓄積し、児童がいつでも見られるようにする
Aペア活動
 既習を活かすための学習形態の工夫として、第2時以降にペア活動を設定した。既習を意識することができれば、既習の言葉がペアでのアドバイスに表れるはずである。
 @とAを組み合わせることで、児童が本時の課題を解決するために既習を意識し、見通しをもって運動する姿を目指した。

 これらの手だてで得られた成果は以下のとおりである。
@個人の変化
・ペア活動で、既習を用いたアドバイスをする姿が見られた。
・練習の際、アドバイスされたことを意識して練習の場を工夫する姿が見られた。
・アドバイスを意識して、技能を向上させる姿が見られた。
A全体の変化
・第1時と第5時の50mハードル走のタイムでは、平均で0.8秒以上も速くなった。
 以上より、これらの手だてが、児童が既習を活かして運動し、タイムを向上させることにつながると考えられる。既習を活かすためには、教師が動きの系統性を知っていることが重要である。

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「教育実践」
動きの自覚を促しながら動きを高める授業づくり(2年次:共同研究)
〜「鉄棒運動」後方支持回転の実践を通して〜
新潟市立大形小学校
三上 賢二

  1年次「前方支持回転」の実践では、タブレットPCを活用し思考を焦点化させることにより動きの自覚が図られた。また、回転ボードを操作せることで、思考を焦点化させることが可能になり、動きの自覚が図られ、動きの修正の見通しをもつことにつながった。その結果、子どもの動きが高まった姿が多く見られ、手だての有効性が明らかになった。しかし、思考を焦点化させることが、子どもたちにどのような思考を促したか、思考の傾向を明らかにするまでには至らなかった。それを受け、それぞれの手だてによりどのような動きの自覚が促され、動きの高まりにつながったかを明らかにしたいと考え、2年次は2校の実践を比較した。
1 手だての有効性の検証                                             
<手だて>                                                       
@タブレットPCの活用
タブレットPCをグループに1台ずつ使用させた。お互いの動きの動画を横から撮影し合わせた。撮影後、動画を見ることにより自分の動きを客観視させ、動きの自覚を促した。                
A回転ボードの活用
回転ボードをグループに一つずつ使用させた。動画を見て明らかになった個人の課題を、回転ボードを操作しながらどのように動きを修正すればいいのか考えさせた。※回転ボードとは円を8等分に分けたものに、人間の形をしたものが間接で動くようにしたボード                       <有効性>                                                      
@診断的・総括的授業評価の事前・事後の比較                                
 本研究の柱である「学び方(思考・判断)」関わる二つの項目を比較すると「工夫」「めあて」ともに数値が向上した。                                                      A動きの高まり(教師の作成した指標によって教師が評価したものによる)
 技の達成率は11.8%→47.1%に向上 動きの高まりが見られた児童94.1%                                      B抽出児の様子                                                    
 鉄棒運動に苦手意識をもっていた児童。3時間目からタブレットや回転ボードを活用した学習が始まり、動きが確実に高まっていった。タブレットで自分の動きを確認する場面では、自分の課題を的確に捉えることができた。また、回転ボードを使う場面では「技の完成形」をイメージしながら動きの修正について思考していた。技を試す場面では、思考したことを意識しながら練習を重ね、単元の最後には、ひざを伸ばした後方支持回転をすることができた。
3 成果と課題                                               
 後方支持回転において、タブレットPCを活用し自分の動きを客観視させることにより、体の部位に着目した課題把握ができた。課題把握が行われた上で、回転ボードを活用させることで、目指す姿を具体的にもち動きを修正し、動きを高めることができたと考える。共通の課題が達成できていた児童に対して、その子に合った課題をもたせられるような手だてが必要であった。また、二つの実践を比較したことにより、タブレットPCは「自分の動きを客観視でき、体の部位を細かく具体的に意識させながら思考させることができる。」、回転ボードは「目指す動きをイメージさせ、体の使い方を意識させながら思考させることができる。」という思考の傾向が見えてきた。                                                       <参考文献>
1)鈴木聡 岡田和雄(1994)新・絵で見る鉄棒運動指導のポイント 日本標準
2)金子明友 吉田茂 三木四郎(1996)教師のための運動学 運動指導の実践理論 大修館書店
3)木下光正 (2013)できたー!を共有 指導のポイントがわかる器械運動の授業 明治図書
4)藤ア敬 後藤一彦 中川一(2002)小学校体育楽しい学習カード5・6年 体つくり運動・器械運動・水泳 東洋館出版社

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「教育実践」
郷土の音楽に憧れをもち、思いをもって子ども盆踊りをつくり、伝える児童の育成
〜松浜盆踊りの音楽的な特徴や仕組みを生かした音楽づくりの指導〜
新潟市立松浜小学校
米山 陽子

  音楽科の学習の中で、子どもたちになじみが薄い傾向にあるのが「郷土の音楽」分野である。そこで、子どもたちになじみのある松浜盆踊りを題材とすることにより、郷土の音楽に憧れをもち、思いをもって子ども盆踊りをつくり、伝えるようになるのではないかと考え、その効果を検証するために三つの手だてを講じ実践を行った。
1 郷土の音楽に憧れをもつための働き掛け
 題材の最初に、盆踊り保存会の方を招いて、踊りと太鼓を体験する活動を行った。盆踊り保存会の演奏を生で聴き、太鼓打ちを体験したことで、郷土の音楽をもっと知りたい、やってみたいという憧れが生まれた。さらに「松浜のよさを子ども盆踊りにして保存会の方に伝えよう」という題材を貫く学習課題ができた。
2 思いをもって子ども盆踊りをつくるための働き掛け
 子ども盆踊りをつくるために、既存の盆踊りを教材化した。松浜のよさを出し合い、子どもたちの手で歌詞をつくったことで、郷土のよさを再発見し、子ども盆踊りで保存会の方に伝えたいという気持ちが高まった。また子ども盆踊りを一つにするために、何度もCDを聴き直し、曲全体のイメージを共有した。太鼓の拍に合わせる活動を通して「歌は拍に合わせて伸ばす音を気に付けて歌おう」「笛は祭りの雰囲気を出してお客さんが寄ってくるように吹こう」と工夫をすることができた。「集う人を楽しくさせるための盆踊りをつくりたい」という願いをもち、クラス全体で音楽づくりをすることを通し、パートの学びを深める姿が見られた。            
3 伝える場の設定
 中間発表会で、学年の子どもたちに子ども盆踊りを楽しんでもらい、満足感を得ることができた。アンケート記述より改善点にも気付くことができた。さらに盆踊り保存会の方に子ども盆踊りを聴いてもらう活動を通して、自分たちの盆踊りを喜んでもらえたことで、達成感を感じることができた。
4 成果と課題
郷土に伝わる盆踊りを題材とし、生の演奏に触れ、人から学ぶ活動を行ったことで、その歌が生まれた背景や伝承する人の思いを感じ取ることができた。また松浜盆踊りを正確に再現するのではなく、盆踊りを形作っている要素を選択し、子ども盆踊りとして再構成することで、歌詞をつくる面白さや笛の旋律が醸し出すよさに気付くことができた。さらにクラス全体で協同して音楽づくりをする楽しさを味わうことができた。今後も郷土の音楽を題材にして、自分の学んだことがどう社会の中の音や音楽とつながっているのかに気付かせながら実践を積み重ねていきたい。

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「教育実践」
即興的に身の周りのものを説明する力を向上させる授業
〜知識・技能の不足を補完するインプットを通して〜
新潟市立東新潟中学校
水島 太一

 1 主題設定について
 学習指導要領改訂により、「話す」技能が「やりとり」と「発表」に分かれる。「発表」では、準備した原稿を暗記して話すのではなく、即興で身近なことについて話すことが求められている。また、生徒に実施したアンケートの中で、生徒が最も高めたいと思っている力が「即興的に説明する力」であった。以上のことを踏まえて、本研究主題を設定した。
2 手だてと研究仮説
 本研究では、身の周りのものを即興で説明する表現力と、「もっと多く表現したい。知りたい。」という意欲の、両面の向上をねらっている。講じた手だてと研究仮説は以下のとおりである。
@その場で指定されたものを相手にクイズ形式で説明する活動(Guessing Game)を、各授業の帯活動として行う。4回のGuessing Gameの後に、得てきた表現を駆使して、指定された県について即興的に紹介する帯活動(Mini Speech)を設定する。ここまでを1サイクルとし、これを4月から7月までに3サイクル行う。
A各活動をアウトプット(表現)から行わせ、うまく言えないモヤモヤ感や疑問を生じさせた上で、様々な形で必要とされる表現のインプット(表現の導入)を行う。
【研究仮説】
 「指定されたものを即興で説明する活動と、そこで不足していた表現の提示を継続的に行うことで、英語表現に対する知的好奇心と表現力が高まり、即興的に身の周りのものを紹介する力が向上するであろう。」
3 仮説・手だての有効性の検証
 4月最初と7月最終日に、「新潟県の名所名産のパンフレットを見ながら、新潟がどんな場所かを海外からの観光客に紹介しよう。」というMini Speechと同様の評価用のタスクを与えた。その様子をタブレットに保存し、4月〜7月までの手だての有効性と、即興的な表現力の向上を見取った。7月時には英語の使用量(総英文数)が平均で4月の10.4文から13.24文に上昇した。3秒以上のpause(間の長さ)に関しても4月の12.4秒から8.3秒に減り、良好な結果であった。また、生徒の活動の様子、事後アンケート、振り返りシートから生徒の意欲的な様子や向上心、知的好奇心を見とることができた。
 7月の評価タスクにおける発話スクリプトの分析より、30人中29人の生徒がこれまでインプットした表現をアウトプットしていた。以上のことより、手だての有効性と仮説を検証することができた。
4 成果と課題
 英語の使用量・間の長さ・インプットしたものがアウトプットできているか、の3観点で個々の生徒を数値化・記号化すると、97%の生徒がA、B評価であり、表現力の向上が見られた。反面、即興的な部分に焦点を当てていたため、英文の正確性を欠く表現が多く見られた。

<参考文献>「新学習指導要領の展開・外国語編」 /金子朝子・松浦伸和、明治図書

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「教育実践」
まとまりのある英文を主体的に読む生徒の育成
新潟市立亀田西中学校
間 美和

  新学習指導要領では、「コミュニケーションの目的を理解し、目的を実現するために、簡単な情報や考えなどを能動的に読み取ることができる資質・能力」の育成を目指している。
 生徒の実態から、「長文を読むことに意欲がもてない」という点と、「読み取り方が分からない」という点に着目し、まとまりのある英文を主体的に読む生徒を育てるため、三つの手だてを講じた。

(1) ジャンル準拠指導をフレームワークとする。
読み取る際にヒントとなる英文の構造・言語を、@教科書本文で理解し(学習タスク)、A本文と形式的・内容的に似た文章の読み取り(練習タスク)で理解を深め、Bテスト(評価タスク)でその定着を見取る、という指導過程を踏む。
(2) コミュニケーションを目的とするプロジェクト型の単元構成とする。
単元のゴールにコミュニケーションを図る表現活動を設定する。単元の最初に目的を生徒に明示することで、読む活動に生徒が目的意識をもって取り組むことができるようにする。
(3)「読みを助けるスキル」を取り入れる。
まとまりのある英文を読む手順・手だてを「読みを助けるスキル」としてあらかじめ提示し、生徒に読み方を意識させる。さらに「振り返り」でそのスキルの活用について生徒に振り返らせることで、生徒がスキルの活用を自分で意識して行えるようにする。

 以上の手だてを用いた結果、まとまりのある英文を読むことに生徒の意欲の向上が見られた。成功経験を積み、英語を読むことに自信をもち、意欲的に英語を読むことに取り組むようになった。
 同時に、生徒が英文を読み取る方法を身に付けることができた。一文ずつ訳す訳読式でなく、文章全体→段落→文と、構成をおさえた上で読み進めることができるようになり、概要把握の力が伸びたのは大きな成果である。

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「教育実践」
初めて出合う英単語を進んで読もうとする子どもの育成
〜シンセティック・フォニックスの指導を取り入れて〜
新潟市立上所小学校
渡部 香世子

  新学習指導要領では、小学校でも、新たに「読むこと」「書くこと」の2技能が加わった。外国語活動で英語でのやりとりに慣れ親しんだ英単語でも、文字として初めて見たときに児童が読むことは難しく、書くことも難しい。「読むこと」「書くこと」に対する不安を無くし、英語の学習への意欲を持続させ、中学校につなげるのが小学校の役目である。
 そこで、私は文字の音一つ一つに着目して学ぶ「シンセティック・フォニックス」の指導をしたいと考えた。その中でも、お話や文字の動作化などを取り入れ、視覚だけに頼らない、多感覚を用いたジョリーフォニックスが小学生に適しているのではないかと考えた。その1回の指導時間は15分間。当校の時程表に週3回設定されている「モジュールタイム」で実践することにした。
1 研究の実際 (研究1年次)
 外部指導者と連携した英語指導力向上事業を当校が受けた経緯から、文科省から出される年間指導計画例(暫定版)を参考に単元計画を作成した。モジュールタイムを活用し、担任する4年生児童に対して、アルファベットの小文字の学習を終えてから3回、ジョリーフォニックスの指導を行った。
 児童は、絵本の読み聞かせやアクション、いずれの活動にも反応が良かった。アルファベットには名前と違う音があることに驚く姿が見られた。文字に対するお話と動作化により、文字の音が強く印象に残ることが分かった。
2 研究の実際 (研究2年次)
 文科省より年間指導計画が出され、指導内容が明確になった。新教材We can!の音と文字の教材が単元学習の内容と関連性が薄いと感じたため、45分の流れと切り離して、音と文字の指導をジョリーフォニックスの教材を使って集中して行い、新教材の音と文字の内容に差し替えることとした。担任する6年生の自学級で実践した。多感覚を用いた学習で、子どもたちは音の読み方をよく記憶し、未習の文字も、音の読み方を組み合わせて読もうとしたり、音から文字を推測できるようになってきた。また、一文字ずつ読める文字が増えるごとに、組み合わせて読める英単語が増え、子どもたちの学習意欲の向上にもつながっている。
3 成果と課題
 10個の文字を学習した後で、未習の英単語を見せて読めるか調査した。学習した文字の音を思い出しながら、調査した全員が英単語を読もうと試み、60〜70%の児童が読むことができた。ジョリーフォニックスの指導を続けていくことで、子どもたちは未習の英単語の読みが推測できるようになることが分かってきた。
 課題は、「書く」場面でローマ字指導の影響が表れたことである。また、3年生のローマ字指導との関連も考え、校内全体で文字指導の系統性について考慮する必要を感じた。今後も実践を重ね、「読むこと」「書くこと」への不安を無くし、英語の学習に意欲をもち続ける児童の育成について研究を続けていきたい。

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「教育実践」
自分事として地域の課題を捉え、相手意識・目的意識を明確にして課題解決を図る児童の育成
新潟市立関屋小学校
滝澤 隆幸

  本研究は、観察及び体験活動から児童が自分事として地域の課題を捉え、その課題に関わって相手意識・目的意識を明確にして解決を図ることができるように、総合的な学習の時間の授業改善をすることを目指した研究である。授業改善の手だてとして、以下の二つの手だてを講じた。
(1) 探究の過程を「サイクロンスパイラル」で構成し、解決すべき課題を設定させることで、地域の事象について自分事として捉えさせる。
(2) 「課題の設定」及び「整理・分析」の場面で、KJ法的手法を用いて、得た情報や各思考した解決方法について、児童・保護者・地域それぞれの立場からの考えを、比較、分類、関連付けを行って解決方法を話し合う。そうすることで、相手意識・目的意識を明確にして課題を解決させる。
 これらの手だてを講ずることで、児童が自分事として地域の課題を捉えたり、児童・保護者・地域・学校それぞれの立場にとっての最適解を検討・合意形成をして課題解決を図ったりする姿が確認できた。
 一方、地域の方や保護者からの協力を得るときに、探究の過程のどの場面で行えば学習活動により効果的であるかということが、課題として見えてきた。

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「教育実践」
生徒の目的意識を醸成するための問題提示の工夫と、自己の変容の自覚を促す「振り返り」の充実による深い学びのある授業の実現
新潟市立上山中学校
青木 健

 本校生徒の理科における実態は、定期テストから分析すると知識・理解を問う問題については高い正答率を得ている。一方で、科学的思考力を問うものについては知識・理解を問う問題よりも低い正答率である。これまでの授業では、知識注入型の授業に偏ることなく、問題解決型の授業も展開してきた。しかし、この生徒の実態を受け、さらなる授業改革を行う必要があることを実感した。改めてこれまでの問題解決型の授業を振り返ると、解決した結果に主眼を置いていた。また、ややもすると教師主導の問題解決型の授業となっていた。そこで次の2点の手だてを講じることで深い学びをのある授業を実現し、知識・理解の定着を図り、思考力についても育成していくこととした。

(1) 問題提示を工夫することで生徒の目的意識を醸成する。
 ・ 導入時、事象や現象を提示する前に、生徒の素朴概念や既習事項を問題提示により引き出した。
 ・ 事象・現象の仕組みについて、素朴概念や既習事項と関連付けさせ、多様な仮説を挙げさせた。
 ・ 授業毎、または単元毎冒頭に「問題提示」を行い、授業の見通しをもたせた。

(2) 解決に至る過程を大切にし、振り返りを行うことで思考力を育成する。
 ・ 課題を解決する前と解決後の変容が見えるワークシートのレイアウトにした。
 ・ 学習過程を可視化した。
 ・ 解決に至った過程における「各自の考え方」について、自覚させるための振り返りの言葉を提示した。

成果と課題
(1) 成果
 問題提示と振り返り時の生徒の考えを併記させることで、自己の表現の変化を自覚し思考力の高まりを実感することができた。振り返りの言葉を提示することで、自分の思考の流れを客観的に見ることができた。

(2) 課題
 振り返りの活動で、課題が知識・理解を問う内容であったり、思考の流れを導く支援が不十分であったりした場合は、生徒の変容や思考の深まりが見られない。課題の精選と、生徒が思考の流れを示す事が困難なときの支援の方策を複数用意しておかなければならない。

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「教育実践」
子どもの問いから始まる授業への挑戦
〜数学的活動を促進させる仕掛けに着目して〜
新潟市立青山小学校
本間 大樹

  私は算数授業において、子どもたちの「できた!」「分かった!」という感激を大切にしたいと考えている。この体験の積み重ねこそが、子どもたちの主体的・対話的に学ぶ意欲を高めていく。
 この感激を生み出すためには、子どもの問いから始まる授業を展開していく必要がある。授業中にたまたま子どもが問いを抱いたり、たまたま考えを発展させていったりしたという偶然ではなく、日々の算数の授業において確実に子どもの中に問題意識が生まれ、解決に向かって突き進んでいく授業を目指したい。そのためには、毎時間簡単に使えるような手だてが必要となる。
 そこで、私は授業における意図的な仕掛けに着目した。仕掛けとは、本時のねらいに結び付く学習活動を呼び起こすものである。その仕掛けは次の3段階となる。
仕掛け(1) 共通の数学的知識の確認 → 子どもの思考を共通の土台に乗せる。
仕掛け(2) ずれを生み出す → 子どもに問いをもたせる。
仕掛け(3) 数学的知識を捉え直す → 子どもの数学的知識をつなげたり、統合したりする。
 本研究では、深い学びの鍵となる数学的な見方・考え方を働かせ、数学的活動を促進させるための授業における仕掛けの有効性について考察を進めた。
 3つの仕掛けにより、子どもの問いが生まれ、解決の中で既習の数学的知識の捉え直しが行われていった。この既習の数学的知識の捉え直しこそ、深い学びの姿であると考える。授業中、子どもの「えーっ!」という疑問の声や「あっ、そういうこと!」「分かった!」という喜びの声が聞こえてきた。今後も毎日の授業において、子どもの主体的・対話的な学びを促す、より有効な仕掛けについて考察し、実践を重ねていく。

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「教育実践」
学びを自覚させる指導の工夫
〜1年 算数・数学の解き方説明書作りを通して〜
新潟市立下山小学校
井畑 悟

  主体的・対話的で深い学びのために、学びを自覚させることが大切である。学びを自覚させる手だてとして、授業後に振り返りを書かせることが有効である。これまで授業の終末で振り返りを書かせてきたが、時間的、内容的に振り返りを毎時間書かせることは難しかった。そこで、単元を通して何ができるようになったかという振り返りを行うこととした。
1 手だて
 一つ目の手だてとして、単元の終末に、自分の学びを振り返るために「解き方説明書」作りを行う。「解き方説明書」作りは、数と計算領域で4単元連続で行うこととした。二つ目の手だてとして、これまで自分が作った説明書と比較し、自らの成長を振り返らせた。長期的な視点で「何ができるようになったか」ということを捉えさせ、学びを自覚できれば、次への学びに向かう力となると考えた。
2 振り返り記述の検証
 1回目の説明書と2回目の説明書を比較して振り返りを書かせると、「説明を自分で書けるようになった」「絵のところに数字を書くようになった」という技能面での成長を感じている児童が71%いた。4回目まで説明書を書いて、自分の書いた四つの説明書を比較させると、「図に数字や矢印を書いて、迷ったらもう1回問題を読む」「右左を書いたり、言葉を付けたり、違う色で囲んだりした」というように、技能面での成長をより具体的に記述する児童が増えた。そして、解き方説明書を4回繰り返したことで、88%の児童が技能面での成長を自覚することができた。
 意欲面での記述に目を向けると、「図を描けるようになって楽しかった」「説明の言葉ができるようになってうれしかった」「もっといろいろな問題をやりたい」など、79%の児童が意欲面について記述していた。4回継続して説明書作りに取り組んできたことでより成長を感じることができ、意欲の高まりにつながったと考えられる。
3 成果と課題
 本研究で、単元終了後「解き方説明書」作りを行い、自分の作った説明書を振り返ることによって、具体的な自分の成長を記述できた。ほぼ全員が技能面での成長を自覚することができ、学習意欲向上に関する記述も非常に多くの児童から見られた。よって、学びを自覚させるのに有効であったといえる。
 今後は、学びの自覚が学習意欲の高まりにつながり、さらに学力向上につながる方法を考える。

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「教育実践」
多角的・多面的に読む力を高める文学教材の授業づくり
〜「知識構成型ジグソー的手法」を取り入れた指導を通して〜
新潟市立内野小学校
渡邉 裕矢

  新学習指導要領改訂の方向性の一つである「思考力・判断力・表現力等」について、「これからの子供たちには、創造的・論理的思考を高めるために『情報を多角的・多面的に精査し構造化する力』がこれまで以上に必要とされる」と述べられている。そして、「情報を多角的・多面的に精査し構造化する力」は、「既有知識・経験によってテクストにない内容を補足・精緻化するなどして推論する力」と説明されている。これらのことから、叙述や既習事項などの情報を整理し、関連付けていくことで多角的・多面的に読む力を高めていくことができるのではないかと考えた。
 そこで、私が着目したのが、東京大学CoREFが提唱する「知識構成型ジグソー法」である。立場の異なる視点をもった者同士が考えを交流することで、叙述を関連させながら読みを深めていくことができると考えた。また、佐藤佐敏(2017)は、物語を分析する観点として、「対役が、中心人物(主人公)にどういった影響を与えたかということを考えると作品に流れる一つのメッセージが見えてくる」と対役と中心人物の関係について読んでいくことが大切であると述べている。
 以上をふまえ、本研究では、文学教材の授業において「登場人物の立場別の知識構成型ジグソー的手法」を取り入れた読解指導を試みることとし、次の2つの手だてを講じて実践を行った。
(1)「知識構成型ジグソー的手法」で、複数の登場人物の立場から読みを交流する活動の組織
 複数の登場人物の立場から読みを交流する「知識構成型ジグソー的手法」を組織した。子どもたちは、様々な登場人物の立場から根拠となる叙述を読み取り、それらを交流することによって中心人物の心情の変化の理由を数多く見つけ出すことができた。しかし、グループ交流がただの意見交換で終わってしまい、読みの深まらない子どもたちもいたという課題が浮かび上がった。
(2)多角的・多面的に読む力を高めるための発問の工夫
 上述の課題を受け、それぞれの立場で読みを交流した状況で追加発問を投げかけ、話し合っていく活動を組織した。「中心人物が変化したことに最も影響を与えたのは誰か。」という発問を投げかけ、最も影響が大きいと考えた立場同士でジグソーグループを作り、叙述を根拠として読み取ったことをもとに全体交流を行った。すると、自分が考えつかなかった立場からの意見を取り入れ、新しい読みの気付きを生み出す子どもたちが数多くいた。影響度のレーダーチャートを作り、全体交流の前後で比較すると、数値が変化し新しい読みの気付きを生み出した子どもは88.9%であった。このことから、影響度についての発問をし、ジグソーグループを作って話し合ったことは多角的・多面的に読む力を高めるうえで有効であったと捉える。
 様々な登場人物の立場で読みを交流することにより、多くの叙述を関連させて新しい解釈を導き出し、読みを深めていくことができた。しかし、この手法を学習に取り入れていくためには、物語の設定の条件などが必要となってくる。どんな教材文でこの手法を生かしていくことができるのか、どんな発問をすると子どもたちの考えを深めていくことができるのかを、これからも研究していきたい。

〈参考文献〉
「国語ワーキンググループにおける取りまとめ」文部科学省 2016.8
「協調学習 授業デザインハンドブック 第2版」東京大学CoREF 2017.3
「国語科授業を変えるアクティブ・リーディング」佐藤佐敏 明治図書 2017.9

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「教育実践」
ローカルアイデンティティ形成のための取組
〜学校行事・全校ふれあい遠足と360度評価を通して〜
新潟市立上山小学校
杉山 克也

  昨今の子どもたちは様々な体験不足、経験不足を一要因として自己肯定感が低いことが言われている。そのような子どもたちに自信をもたせるには、様々な活動の中での成功体験や生活の中で周りの大人から認められること、そして、人格形成のバックボーンとして、ローカルアイデンティティの形成が必要であると考えた。
 ローカルアイデンティティとは、個人の地域に対する帰属意識であり、個人のアイデンティティを構成するローカルな要素である。ローカルアイデンティティを形成することによって、子どもたちに地域への参画意識やこれからの所属集団への帰属意識、人との関わり方が高まるであろう。当校の子どもたちにとって、小学校時代に地域の風景や人、歴史や文化等の地域性に触れ、それらを一要素として、個人のアイデンティティの形成をゆるぎないものにすることができるのではないかと考えた。
 本研究では、地域と連携した学校行事の全校ふれあい遠足を通して、子どもたちが身に付ける資質・能力を明確にし、子どもたちの自己評価と全校ふれあい遠足に関わった職員、保護者・地域ボランティアが子どもたちの姿を評価(360度評価)した。
 子どもたちの自己評価と360度評価から、子どもたちは「地域に関する体験知」「異年齢集団における協働性」「地域に関する思いの表出力」を身に付け、ローカルアイデンティティ形成の一助となったことが分かった。

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「教育実践」
相手の思いや願いを受け入れながらよりよい活動をつくりだす児童の育成
〜学級目標を意識させた活動を通して〜
新潟市立有明台小学校
江部 壮彦

  学級活動では、新学習指導要領にもあるように「学級や学校での生活をよりよくするための課題を見いだし、解決するために話し合い、合意形成し、役割を分担して協力して実践」することが大切である。そのためには、相手の思いや願いを受け入れ、相手の立場や考え方を理解し、話合い活動や実践を行うことが重要である。
 しかし、これまで受け持ってきた学級は、話し合いで一人一人が意見を出して活動をつくり上げていく経験の少ない学級がほとんどだった。そのような学級は、「学級の課題を把握できていない」「活動に対する意欲が低い」「一連の活動(課題発見−話合い−実践−振り返り)の中で自分の思いや願いを表出できていなかったり、受け入れてもらえていなかったりしている」という様子が見られた。
 そこで、以下の手だてを講じ、相手の思いや願いを受け入れながらよりよい活動をつくりだす児童の育成を目指した。
1 学級目標のレーダーチャートを基にし、活動や学級を振り返る場面の設定
 学級目標を数値化し、レーダーチャートとして提示する。それに、活動の振り返りを基にした学級の実態を付箋(よい…赤色 課題…青色)に書いて貼っていく。自分たちの学級の成長したことや課題となることが視覚的に分かり、新たな活動の意欲へとつなげる。
2 自分の思いや願いを表出させる学級会の設定
 過去の活動を振り返り、学級の実態や具体的な場面を想起させ、その時の思いを意見カードに書かせる。学級会では、過去の活動の様子や具体的な場面を想起させたり、学級の実態を考えさせたりして、同じような経験や考えを出し合い共有し、思いや願いを明らかにしていく。
 レーダーチャートを繰り返し掲示し、活動に臨ませたことで、児童は自分たちの課題を意識して話し合ったり、意欲をもって活動したりしていた。学級会では、ある児童の思いが明らかになり、全体や小グループで話し合う場面で、その思いを周りの児童が受け入れるという姿が見られた。今後は、実践を積み重ねていき、レーダーチャートの項目の妥当性について検証していく。

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「サークル活動」
新潟授業実践研究会
新潟市立潟東小学校
伊藤 祐輝

  当サークルでは、一人一人が自分の授業テーマに基づき、アクションリサーチの手法を取り入れ、継続的な実践研究に取り組んでいます。例会では毎回、取組の成果や課題を発表し合い、会員がお互いに改善への手だてを検討します。このように、例会を重ねる毎に自分の授業改善の方向を探ることができます。
 研究の成果について学会等で発表している会員もいます。

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「サークル活動」
新潟自然科学を語る会
新潟市立巻北小学校
江端 卓

  新潟市の理科指導発展に資するため、自然科学に関する指導内容について研究を進めてきました。各自の実践を持ち寄って、研修を深めたり、一緒に教材研究をしたりしながら、互いの指導力の向上を目指して活動しています。
 ここ数年は、これまでの活動で学んだことを生かすために、「子どもたちに自然科学の楽しさを伝えたい」「地域に貢献したい」という思いを大切に、星空観察や科学実験イベントの企画・運営に携わったり、指導者として活動を支えたりするなど、積極的に取り組んでいます。この夏行った亀田地区青少年育成協議会「こども夏まつり」では、100名超の児童、保護者、地域住民の皆さんに喜んでいただきました。
 今後も自身の資質を高める研修と地域貢献に取り組みます。

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「サークル活動」
新潟学校教育相談を考える会
新潟市立曽根小学校
山上 拓紀

  私たちのサークルは今年度で9年目を迎えました。不登校、学校不適応、学級崩壊等の様々な学校現場の問題について、心理、臨床、教育の多分野から総合的にアプローチし、日々の実践に取り組み、学校現場に生きる教育相談の在り方を探っています。
 定例会では、学級・学校で困っている事例について検討する「事例検討会」を行っています。事例は不登校、発達障害、愛着障害、非行など様々です。難しい問題もありますが、明日からの支援策が見つかるように話合いをしています。
 会員は、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校、行政など様々な校種で構成されているため、今まで自分が思ってもみなかった有効な支援策が出されることがよくあります。サークルの会の最後には、「明日からこれをやる」という具体的な解決策が見付かるように指導者から御指導をいただくようにしています。難しい問題について話し合うからこそ、お茶とお菓子をつまみながら、明るく気軽な雰囲気で行うようにしています。

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「サークル活動」
新潟社会科の会
新潟市立新通小学校
小黒 健太

  当サークルは、今年度で発足35年を迎える伝統あるサークルです。活動は、1か月に1回、新潟市を会場に活動しています。
 当サークルの一番の特徴は、新潟市内外の社会科指導を引っ張っている若手からベテランまで多くの教員が参加し、実践を検討したり、発表したりしていることです。また、指導者の先生方からは、毎回厳しくも温かい的確な御指導をいただき、大変勉強になっています。実践発表を聞くことも刺激になります。
 子どもたちに社会科の力を付けることができるように、そして、「社会科の学習って楽しいな」「次の社会科の時間が楽しみだな」と子どもたちが思えるように、活動を続けています。
 「社会科は苦手、難しい」と思われている方、大歓迎です。一緒に楽しく、力の付く社会科授業を考えてみませんか。

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「サークル活動」
みなみ生徒指導を考える会
新潟市立白根北中学校
山口 俊介

  当サークルは平成25年度より正式に発会しました。活動は、年5回程度。さらに、年1回は「東生徒指導を考える会」と連携して活動しています。(参加者 例年 約80名)
 一番の特徴は、南区を中心に、会員はもとより多くの会員外の方にも参会の呼びかけを行っていることにあります。
 また、生徒指導上の諸問題に精通した専門家アドバイザーからあらゆる面での助言をいただくことができます。

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「サークル活動」
学級経営の在り方を探る会
新潟市立味方小学校
橋 新一

  「学級経営の在り方を探る会」は、授業や学校生活の中核となる学級経営について研修し、学級経営力・授業力を高め合うサークルです。
 特別活動や生徒指導、特別支援教育の講師を招き、学級経営について、様々な角度から積極的に研修を行っています。また、実践発表や情報交換を行い、日々の学級経営に生かせるポイントなどをたくさん学ぶことができます。
 サークルの校種構成は、小・中学校教員、中等教育学校教員で構成されています。昨年度から、高等学校教員も所属し、より広い校種間での意見交換・情報交換を行うことができるようになりました。それぞれの学校で問題になっていることや悩みなどを共有し、相互理解することで、校種間連携に向けた、とても有効な研修ができます。
 子どもたちが楽しく、充実した学校・学級生活を送ることができるような学級経営を目指し、研修に取り組んでいます。たくさんの方と学級経営について学ぶことができればと思います。

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「サークル活動」
「学び合い」の仕組みと不思議
新潟市立紫竹山小学校
岩ア 太樹

  新潟市を中心とした、子ども同士の学び合いについて学ぶサークルです。活動は月1回、主に新潟市内の公民館を会場に活動しています。
 教育界には様々な学び合いがあります。私たちは県内の大学の教授が提唱している「学び合い」について研修を深めています。26年度は「授業作りネットワーク新潟大会」において2名の会員が講師として、日頃の「学び合い」の実践を発表しました。
 子ども同士が深くつながり合うと学力が向上し、教室内での絆も深まります。従来の受動的な授業から子どもたちが能動的に活動する学習へ、まさに、主体的・対話的で深い学びを具現化した姿が教室で見られることを目指しています。
 会員は若手からベテランまで、そして様々な校種が幅広く在籍しており、多くの学びがあります。まずは教師自身が能動的に学ぶ姿勢が大事だと考えます。
 全ての校種、全ての教科で実践可能な「学び合い」。たくさんの方々の参加をお待ちしています。

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「サークル活動」
蒲原国語教育研究会
新潟市立上所小学校
本宮 直樹

  平成15年のサークル発足以来、毎年度会員による実践発表や授業の提案などの活動を行ってきました。私たちのサークルは、「児童生徒に力を付ける国語教育の在り方を探る」をテーマにして活動を行っています。国語教育に対して高い志をもった教員が集まり、児童生徒の国語力を向上させるためにはどうしたらよいだろうという問題意識をもって取り組んでいます。当会員の中には、ときわスーパーティーチャー認定者や、新潟市マイスターなど優れた実践者が多数おり、自ら学ぶ意欲をもつ会員ばかりです。また、年に1回大学教員などを講師として招き、講演会も行っています。
 国語についての研究や深い見識に触れることで、国語教育について更に高い志をもつことができます。児童生徒に確かな国語の力を付けるために、専門性と多様性を兼ね備えた教員を目指して、会員同士、切磋琢磨しながら取り組んでいます。

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「サークル活動」
外国語教育を考える会
新潟市立鳥屋野中学校
南場 健一

  外国語活動における小・中学校間のよりよい接続を実現させるために、小学校教員と中学校教員とが互いに意見交換し、授業をどのようにつくっていけばよいのかを学べるサークルです。また外国語教育を指導する専門家の皆様を毎回サークルにお招きし、最新の教育事情についての知見を深めたり、教育実践に対する助言をいただいたりすることができます。
  研修内容については、教材を基にした授業構想を、小・中教員とで共に立てていくことを継続して行っています。小・中教員が共に授業構想を練り上げていくという研修を通して、互いの教育観を共有し、よりよい小・中連携を目指すことができます。今年度は小学校会員が教育研究発表会での発表を行います。サークルとして支援していきたいと考えています。

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「サークル活動」
ICT教育を考える会
新潟市立上所小学校
林 俊行

  「情報をよりよく利用できる児童生徒を育てたい」「未来を見据えた授業デザインに挑戦したい」私たちのサークルは、そんな願いをもった教師の集まりです。
 活動の中心は、会員がそれぞれの勤務校で日々行っている授業実践・教育実践の報告と、それに基づく議論です。
 例えば、学校に導入されている機器の機能を紹介し合ったり、効果的な使用方法を考えたりしています。機器が更新された学校の情報を報告し合ったり、有効活用できるWEBサイトを紹介し合ったりすることも多くあります。その他、近年では、プログラミング教育やVR(ヴァーチャルリアリティ)についても取り組んでいます。
 また、授業のどの場面で、どんなICT機器やデジタル教材を使うのが有効なのかについて考えています。児童生徒の主体的・対話的で深い学びを支えるツールとして、どのように活用するのかを実践を通して検討しています。
 さらに、大学とのつながりも大切にしています。県内外の大学より講師を招聘し、最新の教育情報についての講義も行っています。
 各会員が実践し、発表し、意見交換をすることで、会員一人一人の力を高め、それを児童生徒に還元しようと取り組んでいます。

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「サークル活動」
体育科学の会
新潟市立新潟小学校
高野 義友

  当サークルは平成19年度に発足し、体育授業を科学的に研究することを目的とした会です。科学的な分析の仕方や専門的な知識を得るために、大学の先生方からもご指導をいただきながら活動しています。
 会員一人一人が、「授業実践力」と「研究デザイン力」を身に付けられるように、年度末に、全会員が学会形式で発表する個人研究発表会を行っています。それに向けて、月1回の活動では、小グループで授業実践について意見交換をしたり、データ分析や統計を活用した科学的な研究のまとめ方、発表の仕方の検討を行ったりしています。また、大学の先生を講師としてお迎えし、研究の組み立て方や統計分析に関する研修も行っています。そして、サークル活動の成果を発信する取組として、教育研究発表会、新潟県体育学会、日本体育学会等に進んで発表しています。
 新潟市のみならず、県内や全国にも「体育科学の会」の実践、研究が広く知られるようになっています。会員一人一人が体育授業に情熱をもち、児童生徒の成長のために意欲的に活動しています。

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「サークル活動」
子どもの健康・体力を語る会
新潟市立下山小学校
阿部 敏也

  体育授業の充実こそが児童生徒の体力向上、及び健康増進につながると捉え、授業実践を基に研修を進めています。
 「楽しく学ぶ体育授業 〜『できる』『わかる』『かかわる』学習を通して〜」を共通テーマに、学習指導案や授業実践のまとめ等を持ち寄り、意見交換を通して会員同士で切磋琢磨しています。サークルから大学院修了者、新潟市マイスター、ときわスーパーティーチャー等を多く輩出しており、人材が豊富です。体育専門の立場から、適切なアドバイスをしてくれるので、とても勉強になります。
 近年、メンタリング(経験を積んだ教師〔=メンター〕が若手を育成する制度)の考えに依拠し、若手会員の「授業力」や「実践を学術的にまとめる力」の向上を目指し、チームを編成し継続して支援をしています。また、最新の情報を手に入れる手段として、大学の教員を講師として招き、講義や実技講習会等も、行っています。
 体育に興味がある方、体育を勉強したい方、大歓迎です。

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「地域教育プログラム」
地域と進んで交流し、地域への愛着を深める生徒の育成
新潟市立濁川中学校

 当校では、男女や学年の別なく生徒の良好な人間関係が保たれている。反面、積極的に物事に挑戦したり、新しい環境下での「仲間づくり」や「人との交流」を積極的に行ったりすることが課題である。そこで、教育課程を見直し、これまで地域の自治会ごとに行われていたクリーン作戦を、交流活動をベースにした「地域貢献活動」として実施した。この活動を通して自己有用感をもった生徒は、さらに深く人とかかわろうとする態度に変容した。

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「地域教育プログラム」
地域に働き掛けることで地域を愛する心を育む「総合的な学習の時間」
新潟市立木戸小学校

 学校に隣接する商店街は、当校のシンボル「はちのす校舎(旧校舎)」から、その名称を「中山はちのす商店街」と名付けられている。しかし、現在は、閉店を余儀なくされている店舗も多い。子どもの力で商店街を活性化させようと、3学年は、地域から学ぶ総合的な学習の時間を設定した。「一日店員」として各店舗で元気に活動する子どもに、商店街は活気付けられた。子どもも改めて商店街のよさを実感できた。

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「地域教育プログラム」
地域を愛し、地域を誇りに思い、よりよい地域を創ろうとする子どもの育成を目指して
〜地域とともに歩む学校づくり〜
新潟市立関屋小学校

 地域や保護者は協力的で「子どもたちを地域で守り育てる」という意識が強い。しかし、子どもたちの「地域から学んでいる意識」は高くなかった。そこで、総合的な学習の時間を中心に「地域とかかわり、地域から学び、地域のことを考える活動」を更に充実させた。どの活動でも、子どもたちと学校と地域の「Win-Winの関係」を生み出し、意識調査結果では、子どもたちの「地域への関心や地域から学んでいる意識」が前年度より7ポイント向上した。

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「地域教育プログラム」
「夢を描く力」「夢を育む力」の育成に向けて
新潟市立上所小学校

 当校は新潟市内でも歴史のある学校である。学校に協力を惜しまない地域住民が多い。児童は明るく素直で、学力も高い。反面、自主的・創造的な行動を苦手としている児童が多いことが課題であった。そこで、地域交流委員会を発足させ、「上所夏まつり」や「上所小キャラクターづくり」など、児童が関係機関とつながり、かかわり合いながら企画や運営を行う経験を積ませた。児童は様々な問題にぶつかりながらも、「願いの実現の糸口は、人々とのかかわりの中から見えてくる」ことを学ぶことができた。

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「地域教育プログラム」
地域と共に紡ぐ「わたしたちの阿賀野川物語」
新潟市立横越小学校

 校区を流れる「阿賀野川」の自然や歴史・環境保全について、児童が学ぶ機会が乏しい状況が見られた。そこで、4・5・6年生で「阿賀野川」をメインとした活動を展開し、その成果を広く発信して、地域貢献につなげていくこととした。この一連の教育活動の総称が「わたしたちの阿賀野川物語」である。児童は、幼い頃から「阿賀野川は危険だから近づくな」と言われながら育ってきた。「阿賀野川物語」により、その認識を変え、児童・保護者・地域住民が、ともに阿賀野川のよさや愛着を感得した。

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「地域教育プログラム」
ふるさと矢代田への愛着と誇りをもった子どもの育成
新潟市立矢代田小学校

 宅地化に伴い他地域からの転入世帯が増加する中、住民の思いや願いは多様化し、住民同士のつながりが希薄になってきたという地域の声が聞かれる。そこで、学校とコミュニティ協議会が話し合い、「花は人を育て、地域を育てる」を合い言葉に「ふれあい花いっぱい運動」を実施した。児童と地域住民が一緒に花植え活動を行うことを通して、学校と地域、住民同士のつながりが深まるとともに、児童は地域のよさに気付き、自分も地域の一員であることを実感した。

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「地域教育プログラム」
グローバルな視点をもち地域の次世代を担う子どもの育成
新潟市立味方小学校

 当校では、10年前から、地域連携組織「おむすびクラブ」を中心に活動内容の充実を図りながら、地域との連携づくりに努めてきた。しかし、小規模校のため、児童は人間関係が狭く、積極的に自己表現し、他と関係をつくることを苦手としている。そこで、地域の次世代を担う味方の子の育成のために、平澤  興 氏(元京都大学総長)の精神を教育活動の基盤として地域連携による取組を行った。グローバルな視点での教育活動に対する保護者や地域の意識が高まり、児童の可能性を最大限に伸ばすことが、学校と地域の共通の目標になっている。

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「地域教育プログラム」
「食」で地域貢献を 
〜「KOBA弁」開発プロジェクト〜
新潟市立小針小学校

 当校は、地域から愛され、保護者や地域住民が学校に対してとても協力的であり、ボランティア活動に熱心に参加する方が多い。一方で、子どもから地域へかかわる意識が弱い面があった。そこで、付けたい力を明確にし、これまでの生活科や総合的な学習の時間の取組を系統立てて整理して「地域貢献」と「食」を柱に実践した。全学年が地域と連携し、地域への愛着を深めることができた。特に6年生が行った「KOBA弁」では、自ら提案したメニューが実際に弁当として販売され、自己有用感や「食」に対する意識を高めることができた。

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「地域教育プログラム」
ふるさとに愛着をもつ浜っ子を育てる地域教育プログラム
新潟市立越前小学校

 地域の方々は、学校に大変協力的である。地域で子どもを育てようという気運が高いとともに、学力向上や豊かな心の育成等、学校に寄せる期待は大きい。一方で、子どもたちは、地域に根差して生活する意識が弱くなり、地域の自然や文化、伝統についての知識が乏しく、愛着が薄れてきている。そこで、学校、保護者、地域が一体となり、全校児童による「浜っ子味噌造り」及び「冬咲きチューリップ栽培」の実践を行った。子どもたちは、地域の文化の良さを実感し、地域への愛着を深めていった。

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「教育実践」
跳び箱運動における、タブレット型PCが場の選択にあたえる効果
〜見る視点を明確にしたかかえこみ跳びの指導〜
新潟市立早通南小学校
塩田 健太郎

  器械運動の授業では、技のポイントを確認しても、自分の運動している様子が分からずに、自己の課題が正確につかめない児童が見られた。このような児童は、その後の練習の場の選択時において、課題を克服するための自分に適した練習の場を選ぶことができず、技能の習得に効果的な練習につながらなかった。そこで、タブレット型PCを使ってスローで再生したり、途中で止めたりしながら体の動きを確認することができるというメリットを生かし、5年生の跳び箱運動のかかえこみ跳びの実践を行った。タブレット型PCを用いて、自分の動きと模範の動きとの映像比較を通して、自己の課題を見付ける「課題把握」に着目し、以下の流れで実践を行った。
1 ICT機器を用いて、かかえこみ跳びの技のポイントを確認し、カードに書き込む。
 2パターンのかかえこみ跳びの動画を比較しながら、技のポイントを見付ける活動を行った。「手を着く位置」「跳び箱の上で肩と腰の高さが地面と水平になること」「突き放し」の3点をポイントとして全員で確認した。
2 立ち位置に配慮し、運動の様子を動画で撮影する。
 四人一組で動画の撮影を行った。タブレット型PCの画面上にグリッド線を表示させ、9分割された画面の真ん中下のスペースに跳び箱の側面が入るように撮影者の立ち位置を決定した。
3 自分の動きと模範の動きの動画を比較し、自分の課題を明確にする。
 3点のポイントごとに良し悪しを判断する基準を与え、グループで動画を見合いながら課題を見付ける話し合いを行った。その際に、動画を一時停止させたり、スロー再生したりしながら三つのポイントに着目することができるタブレット型PCの操作方法を教えた。 
4 自己の課題解決のための練習の場を選択する。
 連結跳び箱の場、ステージの場、セーフティーマットの場、縦跳び箱の場を用意し、自己の課題解決に適した場を選択し、練習した。
 上記の授業の流れにより、技のポイントに即した自己の課題を把握し、課題解決のために自分に適した場を根拠をもって選択することができた。

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「教育実践」
体育「リズムダンス」を苦手にしている児童が、楽しく踊ることができる指導
〜ノンストップダンスと体の部位を限定した指導を活用して〜
新潟市立潟東小学校
後藤 建也

 これまで私が指導した体育の「リズムダンス」では、踊ることを苦手とする児童が必ずいた。その原因は、「恥ずかしい」という思いや「振付が覚えられない」という2点が主に挙げられる。その先入観によって踊ることの楽しさを感じることができない児童をこれまでにたくさん見てきた。
 そこで、本研究ではリズムダンスの楽しさを実感し、踊ることに抵抗を感じない児童の姿を目指した。その手だてとして、私は「ノンストップダンス」と「部位を限定した指導」を取り入れ実践した。
1 「ノンストップダンス」について
 その名のとおり、止まらずに踊り続ける活動である。やり方は簡単で、体操の隊形に広がり、5〜10分間、教師の動きを見て、真似しながら踊り続ける。教師を真似して踊るというシンプルな活動は誰でも取り組むことができる。教師の動きは、音楽に乗って弾むことを中心とする。簡単なジャンプ→足の開閉→足の前後→左右へのステップなど、簡単なものから難しいステップまでレベルを変えていく。全体の様子を見ながら難易度を変える。本時に気付かせたい動きや体の使い方、音の取り方などを紹介すると児童は気付きやすくなる。
2 体の部位を限定した指導について
 ダンスは複雑な動きが多く、振り付けを見ただけで抵抗を感じる児童も多い。そこで部位を限定して指導する。「まずは手の動きだけを覚えましょう」「次に足の動きだけを覚えましょう」と部位を限定することがスモールステップになると考える。児童にとっても、集中して覚えることができる。最大のよさは、どれか一つでもできていれば「踊っている」という感覚になることである。スモールステップによって全員が踊れるようになる。
 以上2点の手だてを組み合わせて指導した結果、児童は授業の振り返りでリズムダンスの楽しさを容易に感じることができたと記述している。簡単な動きを繰り返すことでリズムに乗ることができ、体の部位を限定する指導で振り付けを着実に覚えることができた。 

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「教育実践」
ネット型ゲーム導入についての一考察
新潟市立有明台小学校
櫻井 朝之

  高学年を担任した際にソフトバレーボールやハンドテニス、プレルボールといったネット型のボール運動に取り組むと、棒立ちの状態でボールを見送ってしまう姿がよく見られる。そのような児童が生まれる背景の一つに、ネット型の系統的な学びが保障されていないことが考えられる。現行の学習指導要領では、低学年のゲーム領域において、ゴール型やベースボール型に発展するゲーム内容の記載はあるものの、ネット型につながる記載は見られない。ネット型が出てくるのは、中学年からである。
 そこで、低学年の段階からネット型の動きにつながるようなゲームを行い、その既習を生かした指導を中学年で継続して行うことで、ネット型の系統的な学びが生まれ、動きの理解や技能の向上が見られるのではないかと考え、本主題を設定した。具体的には、次の三つの手だてを講じた。
1 児童の発達段階に応じたゲームの簡易化と技能の高まりに応じた単元構成
2 前時の児童の姿(課題)に即し、アタックに関連付けた学習課題の設定
3 対話的な学びを重視した授業づくり
 その結果、以下の3点について成果が得られた。
1を講じたことで、既習を生かしながら段階的に指導していくことができ、無理なく児童の技能を向上させることができた。
2を講じたことで、児童の思考の流れに沿った形で進めることができ、ゲーム中の動きの理解につなげることができた。
3を講じたことで、自然に教え合う姿が生まれ、みんなで楽しみながらゲームに参加することができた。
 ネット型の系統的な学びについて今後も検証を進め、それぞれの発達段階においてどのような知識・技能を身に付け、指導していくべきか、研究していきたいと考えている。

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「教育実践」
サッカーが苦手な児童もドリブルが上達する指導の在り方
〜友達から逃げ回る楽しい「ゾンビ鬼ドリブルゲーム」を通して〜
新潟市立葛塚小学校
松本 和大

  昨年度から、サッカーの指導におけるドリブルについて研究を始めた。ドリブルのもつ楽しさを生かせば、サッカーはより魅力的な学習になると考えたからである。昨年度はコーンを使って練習したが、試合形式で相手がいると、十分に技能を発揮できないという課題が残った。そこで今年度は、友達と関わりながら練習する「ゾンビ鬼ドリブルゲーム」を考案し、研究することにした。指導のポイントは以下の三つである。

1 ボールに優しくタッチすること
  ボールタッチの見本を見せながら、ボールタッチの様子を言葉や音で表した。
2 相手がいない方へドリブルすること
 見本を見せながら、「どこにボールを動かせば、相手にボールを取られにくいのかな?」と問いかけ、相手がいないところに気付かせた。そして、優しいボールタッチでドリブルをさせた。
3 相手が近付いたら、体を壁にすること
 相手がいない方へドリブルするときの見本を見せたときに、児童が、「体を壁にしている」と発言したことをもとに、相手が近付いたら体を壁にしてボールを守ることを指導した。

 これらのポイントを押さえながら、「ゾンビ鬼ドリブルゲーム」をした。ゾンビ鬼ドリブルゲームとは、コート内でドリブルをしながら鬼ごっこをするゲームだ。鬼は、ゾンビ鬼となり、片足を床に擦りながら、手でボールを奪いに来る。これだと鬼の追い掛けるスピードが下がり、サッカーが苦手な児童でもドリブルの技能を発揮できるのではないか、また、友達から逃げ回りながら練習することは、コーンを使った練習より楽しくなるのではないかと考えた。
 授業を実践した結果、児童はドリブルの技能を上達させた。ビデオで検証したところ、ドリブルのスピードが上がり、ミスも減ったことが分かった。また、児童は楽しく練習に励んでいたことも分かった。授業後のアンケート結果を見ると、2時間目以降「とても楽しかった」「楽しかった」と全員が答えていたからである。今後は、相手を意識したドリブルを試合中でも発揮できるか、また、ドリブルでできたスペースを使った「ボールを持たないときの動き」の学習について、研究を進めていきたい。

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「教育実践」
2分間チャットで、既習事項を駆使して即興的に会話を継続させる生徒の育成
新潟市立西川中学校
清水 祐一

  自己表現活動において、生徒にトピックを与えて即興で会話をさせると、伝えたいことをどのように表現すればいいか分からなくなることが多い。口を閉ざしてしまったり、一問一答で会話が終わってしまったりする姿が現状としてあった。そこで、即興的な会話を成立させるための力を以下の二つの視点から高めたいと考えた。

〇目的や目標をもって積極的に会話しようとする「意欲」
〇既習事項を即時に取り出して伝えたり、会話をつなげたり、深めたりする「表現力」

 そこで、毎回の授業において帯活動として2分間チャットを設定し、その中で以下の手だてを講じた。

1 明確な目標と目的
 最終的に評価を行う評価タスクを事前に示し、具体的にどのような姿を目指すのか共通理解を図る。自分たちの会話を録音したものを聞き、現状と目標とする姿の違いを感じさせながら活動を継続していく。
2 活発な会話を促すテーマ
 自己関連性が高く、相手に伝えたい、相手の答えを聞いてみたいと思えるようなテーマを設定し、より意欲的な会話を促す。相手と情報ギャップのあるテーマを設定することで会話の活性化を促すことも重要である。
3 振り返りとシェアリング
 振り返りの時間に生徒の疑問を全体で共有し、改善のポイントやヒントを与える。生徒は自分が伝えたいことを英語でどのように表現するのかを教室に常設してある辞書等を使って自主的に調べる。
4 会話のスキルアップ
 話をつなげたり、深めたりするスキルへの気付きを促す。友達や教師の会話モデルを示し、どのようにすればより円滑に、かつ深まりをもって会話が継続していくのかを全体で確認させる。会話特有の表現等を教室掲示することやリストアップすることで個人で確認、練習できるようにする。

 上記の四つの手だてを講じることで、生徒は即興的な会話を継続することができると考えた。

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「教育実践」
地域を支える意識をもつ生徒の育成
〜防災教育を通して〜
新潟市立白南中学校
宮ア 威治

  当学区の地域的特徴から大きな被害をもたらす災害として、地震、水害、原子力災害が挙げられる。また、家族構成では三世代家族が多く、主な通勤・高校生以上の通学先として、三条市や加茂市、新潟市の他の区と、いずれも川を越えていかなければならない地域がほとんどだ。
 このことから、大きな災害が起こった場合は、高校生以上の生産年齢の方は帰宅が困難になり、地域は高齢者と中学生以下の子どものみになる可能性がある。
 そこで、中学生が防災リーダー的な存在として、率先して地域を支える行動をとる意識を育てる必要があると考えた。この意識をはぐくむために、防災教育の中で、次の3点に取り組んだ。
1 過去から学ぶ
 中越地震や新潟・福島豪雨に関する資料を展示している施設に行って見学したり、被災や救助にあたった方から当時の様子について話を聞いたりした。話の内容としては、災害発生時の様子、停電等で通信手段がない中で被害状況を把握できたのはなぜか、避難所生活の実際、復興過程で生まれた絆、発災前の備えなどだ。
 また、正しい知識や判断力を身に付けるために、行政や救助、大学の教授など各分野の専門家からのお話もいただいた。
2 知識構成型ジグソー法による活動
 今回の学習では、訪問先や専門家の対象数が多いことから、全校生徒を縦割りのグループにし、手分けをして学習した内容を他のグループに伝えたり、意見交換をしたりする活動を取り入れた。
 異学年集団での学習は、リーダーシップとフォロアーシップ、自分が学んできたことを他の異学年の生徒に正しく伝え、質問にも答えられるように準備をするという責任感の意識を高めた。
3 地域に発信する
 中学生に地域を支える意識を育てるには、地域から頼られている感覚を得ることが大切だ。一方、地域住民が中学生を頼りにするには、中学生が学んだ防災学習の内容について知り、新しい発見があったり、地域の防災訓練に多くの中学生が自主的に参加したりするときだ。
 そこで、防災学習で学んだことや地域への提言を「防災ハンドブック」としてまとめ、学区内の全家庭に配布した。各小学校区の区長さんからのお礼の言葉をいただいたり、マスコミにも取り上げられたりして、自己有用感が高まった。その結果、今年度行われた南区総合防災訓練では、中学校区の防災訓練に多くの中学生が参加した。地域の方から、「中学生が参加してくれて頼もしい」との声もいただいた。

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「教育実践」
なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して
新潟市立岩室中学校
亀屋 友樹

  理科の授業を通して育成したい資質・能力の一つに、自分の意見をもつ力と、意見交換をする力があると考える。さらに、ただ意見をもつだけでなく、根拠を基に相手に論理的に伝えていく力が理科では必要となってくる。そこで「なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して」の研究テーマのもとに、次のような手だてを講じ、授業実践を行っている。
1「自分の意見をもつ」ための手だて
 授業の中で扱う現象や課題が、生徒にとって「身近」なものとなるようにする。「身近」とは、生活体験の中から得られる現象だけでなく、既習内容から得られる現象や課題である。生徒が自分の意見をもつ必要感を感じられる現象や課題を設定している。
2「根拠をもつ」ための手だて
 問いに対して、「勘」「何となく」と答える生徒は多いが、そこには言葉に表わすことができないだけで、何らかの根拠があるはずである。生徒のもつ根拠とは、生活経験や既習内容(既存の知識)か、またはそれらを組み合わせてオリジナルに考え出した根拠である。言葉に表わすことができない生徒が、少しでも表現できるよう、書く時間を多めにとったりワークシートの工夫を行ったりしている。
3「互いに交流し、自分の考えを深める」ための手だて
 小集団での話合いだけでなく、同じ意見をもった人と話合いをし、意見を深めたり、同じ意見ごとに分かれてグループをつくり、「議論」と称してクラス全体で意見をぶつけ合う方法をとったりしている。様々な意見交換の方法を学び、楽しみながら、深い学びになることを大事にしている。
 以上の3点を授業づくりの柱として取り組んでいる。「なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して」の取組が、最終的には、新しい現象や未知の状況にも、自分なりの根拠をもって考え、判断し、仲間と協力し合いながら、社会の中で生きていく力をもった生徒の育成につながっていってほしいと考える。

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「教育実践」
自然を多角的に追究することで、科学的な思考を深める授業
〜ジグソー活動を通して〜
新潟市立木戸中学校
大橋 研人

  これまでの授業を振り返ると、じっくり考えたり他の意見を比較したり、他者に説明したりする場面が少ない。そのためか、レポートの考察の記述に思考の深まりが見られない。そこで本研究では、ジグソー活動を取り入れ、下記に示す三つの手だてを講じて思考を深める生徒の育成を目指した。
1 生徒が興味関心をもてる課題の設定
 生徒が思考を深めるためには、生徒が興味関心をもって課題を追究することが大切である。そこで、実社会や実生活に関連付けた題材や課題を設定する。
2 ジグソー活動を組織する(多角的な追究)
・検証実験と考察
 仮説を基に学級全体で検証方法を考えさせる。学習班ごとに検証実験を分担し、検証させる。検証の結果を考察し、課題に対する理解を深める。
・分かったことを交流し深化させる
 ジグソー活動の特性を生かし多角的な追究となるよう支援した。また、ホワイトボードを使い、思考の過程が見えるよう発表の仕方を工夫させる。
3 思考を深めるための考察
 考察では、学習を通して調べたことを活用し、実社会や実生活と関連付けた視点で考察を書くよう指導した。
 上記の手だてにより、レポートの考察や振り返りシートの記述を分析し、実生活や実社会と関連付けて考察しているかどうかを見取り検証した。

<参考文献>協調学習授業デザインハンドブック−知識構成型ジグソー法の授業づくりー東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構

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「教育実践」
中高の学びの連続性を意識した中学校数学の授業づくり
〜関数において高校数学への接続を意識した取組〜
新潟市立高志中等教育学校
神蔵 康紀

  中高一貫校で学ぶよさは、数学を学ぶ大切さや、次にどのように発展していくのか、数学が社会の発展や自分の将来のためにどう役立つのかについて、継続的に学ぶことができることである。中学校の段階から高校の内容を意識した試行錯誤を積極的に取り入れることができる。すなわち、実際の授業の場において、生徒たちに発展的な実験、観察、資料の収集整理などといった数学的活動を促していくことができる。
 中学校3年で学ぶ関数y=ax^2(以下、^2は2乗を表す。)は、一般に2次関数と包含関係があるが、そのことには触れられずに単元の学習が終わる。その後、高校数学Tで、2次関数の一般式y=ax^2+bx+cをy=a(x−p)^2+qと平方完成してそのグラフはy=ax^2の放物線が平行移動したものであることを学ぶ。今回の研究では、単元の終わりに発展的な課題として、y=ax^2とは別の2次関数のグラフを考えることを通して、関数y=ax^2と2次関数とのグラフの共通点や相違点に気付かせていく。その比較により、関数y=ax^2のグラフの特徴や値の変化の様子について、より鮮明に理解できると考えた。また、中学校3年で一度触れておくことで、グラフの平行移動と式との関係の原理について、高校で学ぶ段階での理解を助けるようになると考えた。
 授業の取組では、y=ax^2のグラフについて2次関数のグラフとの比較により、放物線の頂点はいつも原点にあるものという思い込みを揺さぶる。生徒たちはいくつかの2次関数(今回は、y=x^2−4とy=x^2−4x+4)について作図することで表やグラフで値の変化やグラフの様子を観察し、それらを比較検討する。このことを通して、帰納的に一般的な2次関数のグラフについて学ぶようにした。生徒たちは、課題解決に向け、仲間との協働的な活動により2次関数のグラフについて理解を示した。
 数学Tの学習内容は中学校の内容からの接続を考えて構成することができる。この実践により、生徒にとっては、既習事項だけのつながりよりも、将来学ぶべき内容についても触れることにより、今学んでいる内容についての理解が深めやすいことが確認できた。生徒の学習内容の理解レベルに応じて適切で、将来につなげられる発展課題を扱っていくことは有効であることが分かる。

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「教育実践」
ICTを活用して数学的活動の楽しさを感得し意欲的に学ぶ生徒の育成
新潟市立新津第五中学校
藤田 夏樹

  平成28年度全国学力・学習状況調査では、全国で数学が好きな生徒は56.2%と低い。また、当校で全校生徒を対象に行った調査から、数学が好きな生徒は全国と比べて更に低いことが分かった。この結果は、数学教師として受け止めがたい事実である。このような実態を踏まえ、生徒に今以上に数学の面白さを伝え、考えることの楽しさを味わわせることで、数学が好きな生徒を育てていきたい。そのために、まず、生徒の自ら学びに向かう意欲的な態度を育成するための手だてを講じる必要があると考えた。
 単に出来上がった数学を知るだけでなく、事象の観察や実験を試みて数や図形の性質を見いだしたり、身近な問題を数学を利用して解決したりする数学的活動を通して数学を学ぶことで、その楽しさを実感できると考える。また、「学びのイノベーション事業報告書」(文部科学省、2014)では、ICTを活用することにより、児童生徒の興味・関心を高められることについて言及している。
 上記を踏まえ、本研究では、生徒が数学的活動の中でICTを活用することで興味・関心が高まり、これまで以上に、課題に対して意欲的に取り組むようになると考えた。数学が好きな生徒の割合が全国を上回るように、数学的活動の一層の充実を図りたい。
 授業の取組では、中学校1年「方程式」の初期指導において、数学的活動の中でタブレット端末を活用する。デジタル教材を使って天秤を操作する活動を取り入れることで、生徒が帰納的に等式の性質を見いだせるように促す。数学的活動の中にICTを活用することで、生徒の学習意欲向上にどれだけの効果があるかを検証していく。

<参考文献>学びのイノベーション事業報告書 文部科学省 2014

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「教育実践」
子ども同士が関わり合いながら、考えを構築していく算数授業
新潟市立矢代田小学校
間 大也

  新学習指導要領において、「どのように学ぶか」が明記され、「主体的・対話的で深い学びの視点からの学習過程の改善」が必要とされている。
 これまでの自分の授業を振り返ると、「課題を提示→自力解決→グループや学級全体で交流」の流れで対話的な学びを目指してきた。しかし、自力解決の時間に自分の考えが思いつかない児童が少なからずいるのが実際だ。自分の考えをもてない児童は、その後の交流の時間も思考の姿が見えず、学びが成立していない現状がある。
 そこで、あえて自力解決の場を設けず、話し合いながら自分の考えをもつことができる場を設定する。そのためには、話しやすくする意図的なグループ編成と日常における話し合うスキルの育成が必要になると考えた。そのことにより、算数科において大切な考え方や知識を獲得できると考える。
 6年生「分数のわり算」「小数と分数の計算」の単元において実践研究を行った。授業における児童のグループでの話合いの様子や学級全体での児童の関わり合いの様子を検証した。
 二つの実践では、自力解決の場がなくても、児童は「こうすればいい」や「これはどうだろう」と友達と関わり合いながら自分の考えを構築していく様子を見ることができた。日頃から話合いスキルを育成し、意図的なグループ編成と自力解決のない話合いの場を設定することが、子どもたちが生き生きと対話し、考えを構築し、算数の学びへとつながる有効な手だてであることが分かってきた。

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「教育実践」
学びの自覚を促す関わりの場と振り返りの指導
新潟市立新津第二小学校
佐藤 晶子

  学びを自覚するために、学習後に振り返りを書かせることが必要である。しかし、ただ書くように促しても、「何を書いたらよいか分からない」と答える児童は多い。そこで、振り返りの視点を「自分の感想」「何が分かったか」「考えのよさを見付けよう」と示し、振り返りを記述させた。
 振り返りを書くことができる児童は増えたが、内容は「おもしろかった」「楽しかった」「難しかった」といった感想だけを書いたり、まとめで書いた言葉をそのまま振り返りとして書いてしまったりしていた。考えのよさに気付く振り返りを書くためには、単元の指導内容に合った関わりの場を設け、考えのよさに気付かせることが必要である。
 本研究では、意図的な関わりの場を用いた授業で振り返りを書かせることにより、考えのよさについて、学びの自覚を促せるのかを検証した。

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「教育実践」
児童が主体的に授業をつくり、思考力を高める指導の工夫
新潟市立横越小学校
桂 有慧

  教室には、計算の答えは導き出せるものの、方法について問うとなかなか答えられない児童がいる。また、一部の児童の考えや発言で授業が進んでしまう場合もある。児童の「見方・考え方」を高めるためには、課題解決の見通しをもたせ、多様な考えを比較し、関連付けて考えさせる手だてが必要である。
 そこで私は、一人一人に課題解決の見通しをもたせるため、考えるための技である「思考スキル(思考の結果を導くための具体的な手順についての知識とその運用技法)」(黒上晴夫2012)の研究に注目し、自学級に合わせて次の4点について検討した。
1 思考スキルの精選
 黒上氏は19の思考スキルを提唱している。本研究では、児童が多用する思考スキルの傾向を分析し、精選する。また、思考スキルの定義だけでなく、具体的な文例を提示することで、児童が使いやすい環境づくりを行う。
2 授業過程の定式化
 授業過程を定式化し、先を見通して児童が主体的に学習を進めることができるようにする。
3 活用場面の設定
 思考スキルの活用実態の分析から、活用場面を@ 課題解決の見通しをもつ場面、A 集団解決の場面、B まとめにつなぐ場面とする。
4 場面ごとに分類した思考スキルの可視化
 活用場面ごとに、思考スキルを@ 解決スキル、A 練り上げスキル、B 収束スキルと分類する。どれが使えそうかを考えたり、実際に活用したりすることで、児童が見通しをもって主体的に課題解決していくことができるようにする。
 これらの4点について、6年生「分数のかけ算」「分数のわり算」「速さ」「比とその応用」で実践し、効果を検証した。特に、@ 課題解決の見通しをもつ場面で「解決スキル」を効果的に活用して「見方・考え方」を高めていく児童の姿を実現することができた。

<参考文献>思考スキル(思考の結果を導くための具体的な手順についての知識とその運用技法) 黒上晴夫 2012

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「教育実践」
子どもが夢中になって考え、理解を確かなものにするための数学的誤概念を生かした授業づくり
新潟市立新潟小学校
佐藤 諒子

  子どもの理解は、分っているつもりでも、経験をもとにして考えがちだ。このような経験的、自然発生的にもつイメージや思い込みのことを、「数学的誤概念」と呼ぶことにする。子どもに夢中になって考えさせるためには、経験とのズレを感じさせる手だてが必要だ。そのズレから、子どもが「なぜだろう」と学習課題をもち、友達と考え合うことで理解を確かなものにしていくと考える。
 そこで私は、第4学年の単元「角」と「小数」の実践を通して、次の2点から検証した。
1 数学的誤概念が表出する問題提示
 「角」では、子どもにパックマンを作らせ、黒板上で口の大きさ順にパックマンを並べさせた。一番大きな口を開けたパックマンは、180°のものだった。これが一番大きいと捉えている子どもが多く、これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないという数学的誤概念を表出させた。また、「小数」では、小数第二位までの数+小数第一位までの数の筆算において、小数点の位置を揃えずに、末尾を揃えてしまう数学的誤概念を表出させた。
2 揺さぶりをかける発問から作る、数学的誤概念を基にした学習課題
 「角」では、180°口を開けているパックマンを指して、「これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないよね」と揺さぶりをかけると、「作れない」という子と、「あごがはずれちゃうけど、できるよ」という子に分かれ、『一番大きな口を開けているパックマンは、どんなパックマンなのかな』という学習課題が生まれた。「小数」では、教師が間違えた方法で計算して見せ、「これでいいよね」と聞いた。すると子どもたちは、「違う」「なんで違うか言える」と話し始めた。『小数どうしのたし算は、どうやって計算すればよいのかな』という学習課題が生まれた。子どもは、学習課題がはっきりすると、夢中になって考え始め、話合いを通して数学的概念を獲得し、理解を確かなものにしていきたい。
 このような授業を進めていくには、教師が子どもの数学的誤概念を把握しておく必要があると考える。今後は、子どもがどんな誤概念をもっているのかを探っていきたいと思っている。

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「教育実践」
絵画史料と文字史料の複合的な吟味・検討による歴史認識の育成
〜絵画「死の勝利」をもとにした中世ヨーロッパの授業を通して〜
新潟市立上山中学校
早福 史

  本論の目的は中学校社会科歴史的分野において、絵画史料と文字史料を複合的に用いた授業により、生徒の多面的・多角的な思考の育成方略を明らかにすることにある。
 絵画を用いて生徒に視覚的なイメージをもたせたうえで歴史を考えさせることは、生徒の思考力の育成に有効であり、これまで多くの実践がなされてきた。しかし、絵画史料は写実的ではないため、絵画を通して生徒が獲得する歴史認識は絵画史料の作者の時代像に大きく影響されるという問題点があった。
 そこで、絵画史料の作者がどのように時代を見ていたかを生徒自身が検証するというプロセスを授業に組み込むことで、先行研究・実践の問題点を克服し、より多面的・多角的な思考を育成する。そのために、本時では次の手だてを用いることによって授業を構成する。

【絵画史料と文字史料を複合的に吟味・検討する授業の手だて】
1 絵画の作者がどのように歴史を見たのかを問う
2 絵画で表現された当該期の時代像を文字史料から吟味・検討する 

 1,2の活動を組織するためには、絵画史料の作者の社会の見方が十分に反映されている絵画史料を選定する必要がある。本論では、「中世ヨーロッパとルネサンス」の単元を扱ったが、この時代の資史料で、上記の条件を満たす絵画史料と、それを吟味・検討する文字史料として以下の資史料を用いた。
【絵画史料】ピーテル・ブリューゲル作「死の勝利」
【文字史料】ボッカチオ作「デカ・メロン」

 前時までにヨーロッパ社会はイスラーム圏との接触(十字軍の遠征)によって豊かになったという思考を形成した。本時の授業において、「死の勝利」を提示すると、生徒の中に絵の暗い印象と前時までの時代認識にズレが生じた。絵画史料から読み取れる歴史像は妥当なものなのかを文字史料で吟味した生徒は、他文化との接触によって社会が衰退したとみることもできるという新たな見方の存在に気付いた。生徒は、当該期のヨーロッパ社会を「(イスラーム圏との)交流によって新しい文化が入り良くなったけど黒死病という病が流行した。」と表現した。この記述から、生徒が中世ヨーロッパ社会を文化の流行という社会の繁栄という側面と疫病の流行と混乱という側面から多面的に捉えたことが分かる。
 以上のように、絵画史料に象徴された作者の見方・考え方を文字史料から吟味・検討することで多面的・多角的な歴史認識を育成することができた点に本論の成果がある。

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「教育実践」
関わり合いを通して、考えを深める社会科指導
新潟市立下山小学校
高橋 賢人

  激動する社会の形成者となる児童たちに、社会事象を一つの視点からだけでとらえるのではなく、広い視野から物事を関連付けて考え、判断・行動する力を養いたいと思っている。それが、学習指導要領の社会科で定められている「公民的資質の基礎」につながると考える。

 そこで、本研究では、6年生の歴史学習の中で、小単元ごとに1か所程度山場を意図的に設定する。一つの歴史事象に対して児童が複数の視点から思考交流する場面「異論ワーク」を意図的に設定することで、考えを深めさせようと考えた。

STEP1:複数の視点の中から一つ視点を選択し、自分の考えをもつ。

STEP2:同じ考えの者同士で考えを共有する、「同論ワーク」をする。ここでは、自分と同じ視点から考えた者の話を聞くことで、自分が最初にもった考えを強化する。

STEP3:異なる視点から考えた者でグループを編成し、複数の視点を関連付ける、「異論ワーク」をする。
ここでは、一つの歴史事象について異なる視点から考えた者で関わり合うことで、「同論ワーク」で考えたことを複数の視点から関連付ける。

STEP1〜3の過程では付箋、STEP3では付箋とマトリクスを使って気付きや考えを整理させる。

 このように、一つの事象を複数の視点から考えることで、自分の考えと自分とは異なる考えを関連付けた。そのことにより、新たな気付きや異同への気付きや考えの視点をもって関わりが生まれ、自分とは異なる視点からの考えを関連付けた見方に、考えを深めることができた。

 今後も、「自分の考えをもつ→同論ワーク→異論ワーク」の有効性について研究し、歴史事象について複数の視点から関連付けて考え、判断・行動できる児童を育てていく。

 

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「教育実践」
自らの思考を整理し、社会的事象を関連付けて考えることのできる社会科指導
〜するとツリーの活用を通して〜
新潟市立東山の下小学校
水野 幸一

  平成29年3月に告示された新学習指導要領には、社会科において、「社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考えたり」や「多角的な思考や理解を通して」と記述があり、社会的事象を関連付けたり、様々な観点から見たりすることを重視している。
 これまでの私の指導では、多くの児童が一つの資料から社会的事象を読み取ることはできた。しかし、読み取った複数の社会的事象を関連付けて、自分の考えを構築するのに弱さがあった。それは、つなげて考させようという意識はあったが、児童の実態に合った手だてを講じていなかった私の指導法に問題があった。そのため、児童は一つの資料から読み取った考えで満足していた。
 そこで本研究では、目指す児童の姿を「自らの思考を整理し、社会的事象を関連付けて考えることのできる子ども」とし、それを達成するために以下のように指導方法を工夫し、実践した。
1 思考ツール「するとツリー」の活用
 「するとツリー」とは、複数の事象を並べ、つながりがあるものを結んで考えていくツールである。つながりは全て「すると」という言葉でつないでいく。本研究では、「するとツリー」の一番上にある社会的事象を一つに限らず、複数用意することで、社会的事象を様々な観点から捉えられるようにした。「するとツリー」を活用することで、社会的事象に対する自分の考えのつながりを明確にすることができる。また、接続詞の「すると」という言葉をそのまま用いることで、段階を追って考えを掘り下げることができる。
2 「するとツリー」を自らの考えの記述に生かすための工夫
 「するとツリー」を作成するときに、形や使用させる場面を工夫した。また、学習課題に対するまとめに迫れるよう、「するとツリー」の作成後に共通することを考えさせた。そうすることで児童は、つながりを意識しながら掘り下げた考えを、複数の資料を関連付けた考えに整理することができる。
 これらの手だてにより、児童が社会的事象を関連付けて考えることができる姿が見られた。

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「教育実践」
意図的なグループ構成による対話を通して、思考を深める読むことの指導
新潟市立下山小学校
中澤 理恵

  「読むこと」の指導において、児童に、物語文の人物の気持ちの変化を捉える力を身に付けさせたいと考えている。

 自学級の児童は、登場人物の性格等の背景を把握し、変化する気持ちについて、地の文や行動、会話などから関連させて捉える力が十分ではない。その結果、自分の考えに自信がもてない状況がうまれる。この状況は、学習意欲の低下につながる。
 そこで、本研究では、児童が自分の考えと同じ考えをもつ児童とで対話する方法を用いた。

1 課題に対して叙述から根拠を探し、自分の考えをもつ。
2 同じ考えの者同士で意見交流し、より説得力のある根拠を練り上げる。グループは、同じ考えであるが、根拠が異なる者で構成することで、根拠のズレを検討し、考えをより確かにする。
3 違う考えをもつ児童との意見交流を学級全体で行う。

 2の意図的に編成したグループによる対話を行うことで、3の全体交流の中で自信をもって発表できる児童を育てることをねらった。この活動は、意見を形成するための段階的な活動だ。同じ意見の児童との交流を通して自分の意見に自信をもつことができ、主体的に発言するようになったという児童の変容が見られた。

 今後も、自分の意見に自信をもち、皆を納得させようと全体交流の中で発言をする経験を積み重ねさせていく。そして、どのような場であっても考えを相手に伝えられる児童を育てていく。

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「教育実践」
授業の中で共感的人間関係を高める活動の工夫
〜算数授業での実践〜
新潟市立亀田東小学校
石黒 里美

  他者と協働しながら学び合う中で主体的に判断・行動し、共感的人間関係を高める児童の育成を目指している。現在、勤務している学校は毎年学級編制があり、人間関係づくりが苦手な児童にとっては、新しい学級の中での人間関係づくりは容易ではない。授業中は、相手を分かろうとすること、相手に分かってもらおうとする力が不足していて、他者と協働しながら学ぶ価値観が低い。授業の中で共感的人間関係を高める活動を取り入れることにより、他者と協働しながら学び合うよさを味わい、コミュニケーション力を付けさせることができると考える。また、コミュニケーションを図りながら新たな気付きが生まれ、学習にも主体的に取り組み、授業と生徒指導の一体化を図ることができるのではないかと考え、本テーマを設定した。
授業の中で、どのような共感的人間関係を高める活動と場が、生徒指導との一体化に有効なのかを視点として、次の仮説と手だてで解決に迫った。
【仮説】
 他者と協働しながら学び合い、共感的人間関係を高める活動の場を設定すれば、授業と生徒指導との一体化を図ることができるようになるだろう。 

1 授業の中で児童同士の「なるほどタイム」を設定
 個人解決後に、どのようにしたら解決できたのか、なぜその答えになるのかを時間を設定して複数の児童に説明し合う。ここで、考えを共有したり新たな気付きを見付けさせたりする。
2 ノートの書き方指導とノート評価
 自分の考えがどのように深まっていったのかが分かるノートの書き方を指導する。友達の考えに共感したり、新たに気付いたりしたことを書かせる。授業後にはノートを3段階の星印で評価する。
3 付箋交換カードの使用 
 「なるほどタイム」で説明し合った児童同士に付箋交換をさせる。交換して集まった付箋をカードに貼り付けさせる。1か月で全員分の付箋を集めさせるようにする。
4 学級目標の達成度を数値化
 毎月アンケートを行う。数値化した表を掲示し、可視化する。

 共感的人間関係を高める活動を以上の4点の手だてを組み込んで行うことで、他者と協働しながら学び合うよさを味わい、コミュニケーション力を付けさせることができる有効性と授業と生徒指導の一体化を図ることができる有効性を検証していきたい。

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「教育実践」
ICT機器を用いた児童の情報活用の実践力の育成
新潟市立上山小学校
細山 卓真

  平成29年3月に公示された新学習指導要領では、「資質・能力の育成を目指す『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けた授業改善を進める」とある。その「資質・能力」の中には、情報活用力が挙げられている。また「ICT等を活用した学習活動等を充実するよう改善するとともに、情報手段の基本的な操作の習得やプログラミング教育を新たに位置付けた」ともある。
 本研究では、児童がICT機器(タブレット端末)を用いて情報を読み取り、整理・分析する力の育成を目指している。児童が学習活動を動画撮影しその場で見直すことで、児童自らが考え、児童同士のかかわりの中で学びを深めることができると考えた。
 体育科の実践では、練習の様子を動画で撮影し、グループで改善点を出し合う活動を行った。同じ課題をもつ児童同士がかかわり合うことで、改善点を見付けそれぞれの技の精度を高めることができた。また理科の実践では、実験の様子を動画撮影し、グループで繰り返し見直すことで細かな変化に気付き、考察につなげることができた。
 児童同士の学びを深めるためにはかかわり方や学びの視点を示すことが重要である。今後はこの2点についてどのような手立てを講じればより効果が上がるのか明らかにしていきたい。

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「教育実践」
協調性に課題のある児童の行動改善
新潟市立大野小学校
澤田 哲寛

  協調性が低く、他の児童と人間関係を築くことが難しい児童がいる。自己中心的な言動が多く、遊びを自分の思い通りにしようとし、命令をしたり、ルールを変えたり、相手から物を取り上げたりしようとする。また、自己顕示欲が強く、リーダーになりたがったり、自慢したり、相手を下に見るようなものの言い方をしたりする。相手を怒らせて喜ぶ癖があり、相手の反応が強くなるほど行動がエスカレートするなどが主な問題行動である。
 これらの問題行動を改善するために4つの取組を行い、その後に周囲の児童に対し、対象児童ともう一度遊んでもらえるよう促す授業を行った。
1 トークンエコノミー法を用いた。人に対してよい行動をしたときに、スマイルマークというカードを渡した。スマイルマークを貯めると、シールと交換できたり、学級で飼う新しい魚を選ぶことができたり、お楽しみ会をすることができたりする。
2 日常指導及びSST(ソーシャルスキルトレーニング)を行った。他の児童に不快な思いをさせる言動があったときに、活動の場から離して言動を振り返らせた。また、どうすればよかったかを考え、よいと思われる行動をロールプレイで実際にやってみる活動を行った。
3 活躍の場を提供した。教師のお手伝いや活動の準備などで仕事をお願いし、そのことについて帰りの会などでみんなに伝えながら褒めた。
4 学校であった良い行動を保護者に伝え、家庭でも褒めてもらえるよう促した。
 これらの取組の結果、児童は言葉を口に出す前に少し考える姿が見られるようになったり、話合いで人の意見にも耳を傾けるようになったり、人がやりたがったことを譲ってあげたりするようになった。
 このような行動の改善が見られたため、周囲の児童にもう一度対象児童と遊んでもらえるよう促す授業を行った。その結果、集団の中に入って、一緒に遊びを楽しめるようになった。

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「教育実践」
ADHDのある児童の通常の学級への適応を目指した取組
〜自己肯定感を高める三つの手だて〜
新潟市立大形小学校
武田 守広

  ADHDのある児童のS児は、衝動性や多動性の強さに起因する行動上の問題により、通常の学級にうまく適応することができず、教室から頻繁に飛び出していた。そして、通常の学級でうまく活動できたという経験をすることができず、失敗経験が積み重なった結果、他者と攻撃的な姿勢で関わるという二次的な障害が見られるようになってきていた。S児の日頃の言動から自己肯定感が低い様子が伺われた。
 本研究では、S児の自己肯定感を高めることで、通常の学級で学習する機会が増え、通常の学級に適応できるようになるのではないかと考えた。そのために次のような手だてを講じた。
<手だて>
1 目標をもって活動に取り組むための「トークンエコノミー法」の活用
 通常の学級での活動に参加できた際に、シールを獲得することができ、更に決められた数のシールを集めると自由時間と交換したり、実験が中心のお楽しみ理科に参加できたりするようにした。
2 自分の行動を振り返ることができる「できたことシート」の活用
 通常の学級での学習に参加した際、S児が「できたことシート」にできたことを記入して、自分の良い行動を振り返ることができるようにした。更に、周りの友達が学習に参加したS児のことをどのように思っているのかS児から想像して書いてもらい、友達のことを肯定的に受け取れるようにした。
3 保護者と連携してS児の自己肯定感を高める「みっけ!ノート」の活用
 家庭への連絡ノート「みっけ!ノート」を作成し、S児の良い行動を家庭と共有し、家庭でも良い行動をほめてもらえるようにした。良い行動を家庭と連携してほめていくことで、S児の自己肯定感が相乗的に高まっていくと考えられた。
 以上のような手だてを講じ、児童の変容と手だての有効性を探っていった。

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「教育実践」
在学中から利用できる福祉サービスの充実を目指して
〜学校・家庭・関係機関の連携・協働による取組〜
新潟県立はまぐみ特別支援学校
井口 貴雄

  子どもたちは地域で多くの人と関わりながら、暮らし、成長していく。当校の子どもの多くは在学中から地域の医療や福祉等の支援サービスを利用している。地域の関係機関との早期からの情報共有やニーズの確認は、本人や家族の卒業後の生活を確実に支えることにもつながると考える。当校においても近年、福祉サービス等に関する保護者からの相談が増えている。放課後や長期休業中を地域で有意義に過ごしたいという本人や保護者の願いが高まり、実際に利用する動きが盛んになってきた。
 そこで、以下のような取組を家庭、関係機関と連携・協働して取り組んだ。
1 「福祉サービス等の充実に向けたアンケート調査」の作成・実施
 保護者の具体的なニーズを把握し、関係機関と情報共有していくことを目的としてアンケート調査を実施した。作成に当たり、保護者や福祉行政、福祉事業所、相談支援事業所、訪問看護ステーション等の関係機関と連携・協働で作成した。学校が中心となり、「保護者の思いや伝えたいこと」と「関係機関の見解や知りたい情報」を相互に確認、理解し合い、合意形成を図るプロセスを大切にし、学校と関係機関の双方にとって有意義なアンケート調査の実施を目指した。
2 「からだの不自由な子どもが在学中から利用できるサービガイド」の作成・配付
 保護者への地域の福祉サービス等に関する情報提供を目的とした当校独自のサービスガイドを関係機関と連携・協働で作成した。実際にサービスを利用した生活をイメージできるように具体的で分かりやすい表現やサービス利用につながるような情報内容の精選に努めた。
 アンケート調査結果は「調査報告書」としてまとめ、行政、福祉事業所、相談支援事業所等、地域の関係機関へ情報提供を行うことで情報の共有やニーズの確認につなげた。サービスガイドは保護者への福祉サービスに関する理解・啓発につながり、実際に地域の福関係機関や福祉サービスの利用につなげたケースもあった。
 今後も一人一人の地域での充実した生活の実現に向けて家庭や関係機関と連携した研究を重ねていきたいと考えている。

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「教育実践」
全員で創りあげる学年目標とその達成に向けて
新潟市立白新中学校
伊藤 雅仁

  集団がよりよい活動をしていくためには、目標が必要だ。目標は、全ての教育活動において、活動を振り返る大きな柱になる。しかし、多数決などで決めた目標は、全員の思いが反映されていない可能性があり、その役割を十分に果たすことができないと考える。
 そこで、集団全員で学年・学級目標を創りあげることが必要であると考えた。全員の想いが反映された目標であるならば、その達成に向けても集団が一つの方向を向いていくのではないか。また、その目標達成に向けて、話合い活動やプロジェクト活動などを取り入れることで集団として高まっていくのではないかと考える。そこで以下のような手だてを講じて取り組んだ。

1 ファシリテーションを取り入れて学年・学級目標を作成する
(1)自分たちの学年・学級の現状を話し合う
 4月は目標を設定せずに、自分たちの集団の現状を話し合う活動を取り入れる。個人で付箋に書き、その後で4人グループで話し合い、それを全体でシェアする。
(2)どのような学年・学級にしたいかを話し合う
 (1)の話を受けて、どのような学年・学級にしたいのかを付箋に書く。その後で、4人グループで話し合い、全体に提案する。
(3)多数決は行わず、話し合いで目標を決定する
 学年・学級のリーダーは、出た意見を集約し共通点などに線を引き、多くの生徒の願いが入るように話し合う。ただし、少数の意見にも目を向けさせ、全体が納得いく目標をみんなで創りあげる。
(4)話合いで全体を巻き込む工夫
 一人の生徒が発表した意見と同じ考えの生徒に手をあげてもらい、付け足しをさせる。これを、学年委員が主導する全体の話合いのときに行い、学年全員を巻き込み目標を決められるようにした。
2 目標を全員で創りあげる
 アンケートで募り決定したレイアウトを班の数で割り振り、その部分を4人グループで作成するようにする。マス目模造紙を配り、色紙を貼っていく。最終的に全班のものをつなぎ合わせて、学年・学級全体で目標を創りあげる。
3  短期目標を設定する
 学年・学級目標を達成するために2〜3ヶ月ごとに特に頑張る短期目標を設定する。2〜3ヶ月後に振り返りを行い、次の短期目標を設定するというように、振り返りと短期目標設定を回していき、生徒の目的意識を高める。
4 目標達成のためのプロジェクトを立ち上げる
 学年委員が中心になり、学年目標を意識できるプロジェクトを立ち上げる。プロジェクトをした後に、アンケートをとり、その結果も学年全体に返す。
5 異学年交流の場面を設ける
 異学年の生徒と、目標達成に向けてどのような活動を行っているか、意見交換をする場を設ける。

 以上の取組を行い、生徒が目標を大切にしながら日常生活を過ごし、集団として高まることを期待して実践を行った。

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「教育実践」
小学校入門期における自治的集団づくり
新潟市立青山小学校
坂井 孝太郎

  私は、新学習指導要領の中の、「担任の学級経営、学級の課題を自分たちで見いだして解決に向けて話し合う活動を仕組むこと」、学級活動は「特に自治的能力の育成を重視し、課題の発見を含めて児童主体の話合い活動を通じて行うこと」に特に注目している。そこで私は、小学校低学年、特に1年生の入門期の児童に対し、どのような手だてを講じると、自治的能力の育成につながるのかに着目して、研究することとした。
 自治的能力を一人一人及び学級全体に高めるために、私は、定期的に児童の悩みや願いを表出する場をつくり、学級活動の授業において、課題設定へつなぐよう意識している。特に以下の3点について、意識して授業研究を行っている。

1 1年間を通して、スローガンで学習内容を意識させる。
 学級活動の学習を、「よ・い・こ・た・ち」というスローガン(合言葉)で捉え、一時間ごとに何を学ぶのかを明らかにする。「よいこたち」については、以下のとおりだ。
 よ ・・・ 良いところを見付けて、もっとよくする。
 い ・・・ いけないところを見付けて、直していく。
 こ ・・・ 困ったことを相談して、解決する。
 た ・・・ 楽しいことを考えて、みんなでやる。
 ち ・・・ 力を合わせることの素晴らしさを学ぶ。
 年間を通してスローガンを意識させることで、見通しをもたせ、学級の諸活動・問題に主体的に向き合う姿を目指す。また、「よいこたち」の「こ」については、週に3回以上児童同士で話し合う、クラス会議の場を設け、一人一人の児童が安心して学級集団に所属し、授業に参加できるようにする。
2 ねらいとする活動と児童の実態を結び付けて授業を展開する。
 教師がねらう、児童に身に付けさせたい力と、児童の実態とが乖離しないよう、児童の思いを定期的に表出させる。1年生の児童は、発達段階から課題を発見する力が十分ではない。そのため、児童の実態を把握し、児童自ら課題に気付くような授業展開を工夫する。
3 学級の課題を自分事として一人一人に意識させる手だてを工夫する。
 児童の学級に対する課題意識や願いについて、学級の児童が他者の思いに共感したり寄り添ったりして自分事とするには、手だてが必要だ。1年生でも1時間の学習を具体的に見通しをもつことができるよう、児童の思考と学習内容をつなぎ、問いとなる学習課題の設定までの手だてを工夫する。

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「教育実践」
学級の諸問題に子ども自らが気付き解決する話合い活動の在り方
新潟市立五十嵐小学校
村越 千紋

  新学習指導要領の特別活動編では、「学級や学校での生活をよりよくするための課題を見いだし、解決するために話し合い、合意形成し(略)」と学級活動の目標に書かれている。
 小学校中学年の学級活動では、「互いを尊重し、協力し合って学級の生活づくりに主体的に参画するようにする」ことが大切とされている。しかしながら、中学年の子どもが教師の手だてなく、自ら学級生活をよりよくするための課題を見いだし、解決するために話し合うことは困難だ。
 そこで、教師が計画的・意図的に介入することによって子ども自らが学級の実態に気付いたり、諸問題を明らかにして解決したりできるように取り組む。
 本実践では、特に、問題発見から解決のための話合いにおいて、教師が意図的に以下の手だてを講じる。
1 これらの場を設定することにより、学級の諸問題に子ども自らが気付き解決する力を育成する。
2 児童一人一人に活動のプランを立案させる。
3 プロジェクトチームを編成し、活動を二つに絞る。
4 意見カードを書かせて分類・掲示し、子ども一人一人の考えが分かるようにする。
5 掲示してある意見カードを見て、話合いで問題になりそうなことや実態を踏まえた反対意見などを予め考えさせる。
6 話合い中に、学級の実態や活動の意味を考えさせる場をつくり、考えを再構築させる。
7 活動後に振り返りを書かせ、次回の活動に生かせるように学級の実態や活動の意味を改めて考えさせる。
 これらの場を設定することにより、学級の諸問題に子ども自らが気付き解決する力を育成する。

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「教育実践」
道徳授業で役割演技を用いる教師の技量を高める研修の在り方についての研究
新潟市立五十嵐小学校
菅原 友和

  道徳科における「質の高い多様な指導方法」として、「体験的な学習」が挙げられている。その例示とされている役割演技については、これまでも様々な実践が行われ、児童がねらいとする道徳的価値を実感的に理解するために有効な指導方法であることが検証されてきた。しかしながら、その指導方法の複雑さにより、敬遠する教師も多く、なかなか道徳授業で有効に用いられてこなかった経緯がある。
 本研究では、役割演技を用いる教師に必要とされる「監督としての技量」を高める研修の在り方を、以下のように探ってきた。

1 役割演技に関する校内研修の実施
 道徳科で求められる「質の高い多様な指導方法」について説明
 役割演技を用いた道徳授業の進め方について概要説明
 役割演技を用いた模擬授業「貝がら」の実施
2 同僚教師の教室での道徳授業の実施
 実践者による役割演技のウォーミングアップ授業の実施
 実践者による授業「お母さんはヘルパーさん」の実施(同僚教師にお母さん役として演者体験をしてもらう)
 同僚教師による授業実施(指導案、教材は実践者が提供する)
3 同僚教師、児童へのアンケートの実施
 1、2の取組で、教師や児童が役割演技を用いた道徳授業に対する印象に関する継続的な調査

 本取組の結果、校内研修だけでは理解が不十分だった点を同僚教師の実践に対して手厚くサポートすることにより、同僚教師は、役割演技場面で果たす監督役割をより深く理解することができた。また、今後も役割演技を用いてみたいという教師の意欲を高めることにもつながった。更に、児童アンケートから、「役割演技は楽しい」「役割演技があると、登場人物の気持ちが分かりやすい」といった反応もあった。
 多くの教職員が更に技量を高め、役割演技を道徳授業で積極的に用いることができるよう、今後も継続的にサポートしていきたいと考えている。

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「教育実践」
選手の力を引き出す運動部活指導のあり方
〜陸上競技を通じて人間的成長を〜
新潟市立早通中学校
渡邊 祐哉

  JOC強化部では「人間力の向上なくして競技力の向上なし」をスローガンに掲げてオリンピックに向けて選手強化に取り組んでいる。
 中学時代の指導においても、人間力の向上を促すことが競技力の向上には欠くことのできないものであり、私は人間力の向上には選手の自立が不可欠であると考え、選手とのコミュニケーションを基に内面的な力を引き出す部活改革を試みた。具体的には次のような実践を行った。

1 子どもたちに夢を語る
 自分がなりたい姿や目標をイメージさせる。
2 自分を出す指導
 話すこと、書くこと、挨拶、返事などのトレーニングで自分の内面を表現させる。
3 ティーチングとコーチング
 押さえるべきポイントは反復練習で身に付けさせる。また、考えさせる場面を設定し、ポイントを意識して練習に取り組ませる。
4 練習方法の工夫
 定期的な記録の計測、BPMやマークを設定したトレーニングにより、自己の成長を感じさせる。

 日々実践を積み重ねていくことで、話を聴き、自分の考えを伝えることができるようになって、練習の質が高まってきた。その結果、北信越大会、全国大会に出場する選手が育ってきた。

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「教育実践」
リレーにおけるバトンパス技能を高める指導の工夫
新潟市立松浜中学校
梅津 雅史

  これまで自分が行ってきたリレーの授業は、バトンパスの練習を繰り返した後、ただタイムを計測させたり、チーム同士で競争させたりする授業であった。
 これらの取組では、生徒の運動量は確保されていたが、明確な課題(自分の課題・ペアの課題)をもたせて解決させたり、バトンパスの技術の向上を生徒たちに実感させたりすることが、十分できていなかった。
 そこで、本研究ではこのような授業を改善するため次のことを実践した。
1 リレーのバトンパスにおいて、明確な課題をもたせ、課題解決に向けて活発に関わり合う場面を設定した。
2 50mリレーのタイム短縮により、技能の伸びを実感させるために、「バトンパス技術の向上」=「50mリレータイムの短縮」と捉えさせ、ペアで協力して取り組ませた。
 手だては、以下の二つである。
1 バトンパスの局面において、「三つの観察ポイント」を与えて、自分たちの動きをデジタルビデオカメラで撮影し、その映像から動きを分析させ、ペアでの対話を通して実際の動きを修正させる。
2 利得距離を生かしたバトンパスを行うための段階的な指導の工夫を行う。
 これらの手だてによって、「生徒が自ら課題をもって意欲的に学ぶとともに、バトンパスの技能の高まりを実感することができる」のではないかと考え、検証を試みた。
 実際の結果、動画を撮影・分析する際に、「三つの観察のポイント」を明確に提示したことで、動画を分析するポイントが絞られ、バトンパスの局面で自分たちの課題をはっきりさせることにつながった。生徒が明確な目標をもつことで、バトンパスの技能を高めるための練習方法を工夫するなどの姿が見られた。

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「教育実践」
生徒が理科好きになる指導方法の工夫
〜エネルギーの単元における問題解決的な学習の事例を通して〜
新潟市立光晴中学校
石井 雄介

  生徒が理科を好きになるためには、生徒が問題意識をもち、解決に向かって試行錯誤しながらも観察・実験に取り組めるような授業を行う必要がある。私の今までの授業実践を振り返ってみると、生徒の問題意識を十分に高めないまま学習を進めていることが多々あった。特に、3年生の「エネルギー」の単元では、「エネルギー」が目でとらえにくい事象であることもあり、導入から教科書通りに進め、教師主導の授業になっていた。このように生徒が受動的に授業を受けているようでは、理科好きな生徒を増やしていくことはできないだろう。
 そこで、生徒の興味・関心を引くような事象を提示し、問題解決的な学習の過程を経ることで、理科好きな生徒を増やすことができると考え、次のような手だてにより、エネルギー単元での授業改善を図った。

1 導入部分において生徒の興味関心を引く「事象の提示」
 AコースとBコースという経路は異なるが、スタートとゴールの高低差が同じ二つの経路を提示する。そして、同時に球をスタートさせて、Bコースの球の方が先にゴールに達することを見せる。
2 問題意識を醸成する「発問の工夫」
 実験結果から考えられる問題点を焦点化し理由を簡潔に考えることができるような発問を工夫する。
3 生徒が自由に試行することができる「教材の工夫」
 自由に変形できる経路を各班に配り、Aコースよりも先にゴールに達することができるBコースの経路を何回も試せるようにする。
4 エネルギーを比較するための「表し方の工夫」
 速さを測定する機器を用いてコースを移動する球の速さを測ったり、位置エネルギーと運動エネルギーをマグネットに置き換えて可視化したりすることで、情報を共有しやすくするとともに、思考のイメージ化をしやすくする。
5 生徒の活動の様子や質問紙調査から手だての有効性について検証する。

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「教育実践」
ジグソー法を通して、生徒が主体的に学ぶ社会科の授業
新潟市立東新潟中学校
山貝 洋輔

  生徒が課題解決に向かって主体的に取り組んだり、他者との対話を通して自分の考えを深めたりする授業が求められている。このような授業を目標に授業改善に取り組んできたが、話合い活動が限られた生徒の発言にとどまり、すべての生徒が主体的に課題解決しようとする姿が見られなかった。
 そこで中学校社会科公民的分野において、ジグソー法の手法を取り入れた授業改善を試みた。学習課題に対して、多面的・多角的にアプローチできる複数の資料を用い、異なる立場から分担して追求させた。そうすることで話合い活動が活性化し、考えを深める対話が生まれるように工夫した。
 主体的に活動が進んだグループもあったが、話合いに対する取組にグループ差があった。追求段階での資料からの読み取りに個人差があったことが原因の一つだと考えられる。今後も生徒が主体的に学習を進めることができるように、研究を進めたい。

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「教育実践」
学校発!地域との連携・協働に向けた取組
〜R−PDCA 地域の課題をともに考え、活動、そして発信〜
新潟市立白新中学校
小塚 忠昭

  本校は新潟市の中心部に位置し、新潟市の政治、文化の中心ともいえる場所にあり、「共に歩む地域の学校」として様々な地域とかかわる活動を年間を通して行ってきた。しかし、生徒アンケートでは、これらの活動を行ってきたにも関わらず、地域に対する思いや、魅力を感じるかといった項目において低い評価となっていた。
 そこで、生徒たちが実際に地域に出て、地域の現状を把握し、課題意識をもたせることにした。そして、その後の様々な教育活動を、地域を学びの場、活動の場として行うことで、「自分たちに何ができるか」といった地域に対する思いをはぐくむことができ、さらに今後の地域の在り方、自分たちの生き方にまで有効に作用していくと考えた。
 本実践では既に教育活動に位置付けられていた地域とかかわる活動を再構成したり、地域をステージとした新たな活動を企画したりして、自校の地域教育プログラムを構築した。特に地域で活動する際には単なるPDCAサイクルではなく、その前提となる『R』こそが重要な要素となり、『R−PDCAサイクル』をベースとした活動を組織していくことが有効であると考えた。地域での活動ではその前提となる綿密な『R』が特に重要であると考える。
 『R』とは何か。私が考える『R』とはResearch(調査)とReal(現状)だ。生徒の現状、課題意識、地域の思い、地域の抱える課題などが今回の『R』に該当する。その地域の特徴、現状を知ることなく他地域で行ったPDCAサイクルを元にして活動を組織しても意味はないと考える。そこで、地域の現状、生徒の地域についての思いを十分に把握し活動を考え実施した。また、同時に私たち自身の『R』に対する意識、『Rを見抜く力』も大切になってくるはずであると考える。
 本実践ではこれらを踏まえ地域を学びの起点として、そこから様々な活動を企画し実践を重ねていく中でどのような生徒の変容が見られたかを検証していく。

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「教育実践」
生徒が向上心をもって作業学習に取り組むための支援について
新潟大学教育学部附属特別支援学校
土屋 賢一

  当校では、作業学習を中学部の中心的な指導の形態の一つと捉えて教育実践を行っている。
 当校の中学部の作業学習では、「働くことへの前向きな思いや考えといった価値を見出し、自分の役割となる活動に意欲をもって取り組む」ことをねらいとしている。すなわち「自分のために」という意識だけでなく、「他人のために」という意識を育てる必要がある。
 自分たちが使うものを作ることを目的にした2年前の研究では、意欲的に取り組む姿が見られたが、取組への興味が薄れると意欲が低下してしまう姿があった。そこで、以下のような手だてを講じ、生徒が学習への意欲を継続するだけでなく、「もっといい仕上がりにしたい」「もっといい製品を作りたい」といった向上心をもって活動できるようにしたい。
1 生徒の意欲を高めるための単元構成
 生徒の思いに着目し、単元を「生徒の興味・関心や得意なことを生かし、楽しさを十分に味わうことができる活動」「序盤で学んだことを生かしながら製品を自分たちで使うことで自分の取組の良さに気付くことができる活動」「身近な人に自分たちの取組を承認・称賛してもらったり、作った製品を使ってもらったりすることで自分の取組の良さを味わうことができる活動」の三つの段階で構成した。意欲を継続させ、向上心をもたせるためには、活動自体の楽しさだけでなく、活動の結果にも目を向け、結果に良さを感じることが必要であると考えた。そこで、「活動自体の楽しさを味わう段階」「出来上がった製品の良さを自分たちが味わう段階」「出来上がった製品を他人に使ってもらう段階」の三つを順に追って実践することで、生徒が向上心をもって取り組むことができるだろうと考えた。
2 意欲を後押しする支援
 意欲を継続させ、向上心をもつためには、生徒一人一人の取組の支援とは別に、作業意欲を後押しする支援が必要だろうと考えた。生徒一人一人には、自分の工程が自分からできるようにするための支援具を用意したり、自分ができたことが分かるための支援具を用意したりする。それ以外に製品であるプランターにグループの生徒全員が好きな苺を植える活動や、生徒にとって身近な教師から取組の様子を承認・称賛してもらったり、製品を頒布したりする活動を行う。「全体の支援」と「意欲を後押しする支援」の適宜見直しを図り、担当者間で精選して実践していく。
 以上の2点を中心に実践を行う。実践を通して、生徒は自分の目の前の作業に「もっとやりたい」「もっといい仕上がりにしたい」という思いで生徒一人一人がめあてをもって取り組むだろうと考える。生徒の思いの変容を取組の様子から分析する。
 

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「教育実践」
学校運営の改善と教頭の役割
〜ビジョンをどう実行・実践していくか〜
新潟市立東石山中学校
本多 豊

 学校が抱える様々な問題は、一人一人の教職員の努力だけでは解決が難しい。校長のリーダーシップの下、学校全体で組織的・計画的・継続的に取り組んでこそ子どもたちの学び方が変容し、目指す姿を具現することができ、職員も取組の成果を実感することができる。
 しかし、学校全体で組織的・計画的・継続的にビジョンを実行・実践できる学校と、一部職員の取組で留まっている学校があるのが現実である。当校も後者のような実態があった。
 教頭として、校長が描いた学校経営ビジョンの内容を職員一人一人が理解できるようにし、力を結集して組織的に教育活動が行われるよう意図的・戦略的に職員の意識改革・行動改革を進める取組を行った。                         
 1 日々の教育・運営活動の形成的・総括的評価の改善
 2 指導体制と運営体制、経費や時間の工夫・改善
 3 人材育成や意識改革のための研修の改善
 4 家庭・地域及び外部機関との連携・協力の積極的な推進
 実践を通して、全職員が当事者意識をもち、組織的に取り組むためには次のことが重要であることが分かった。
 @ ビジョンのよさを伝え、見通しがもてるように実現に向かう道筋を明示する。
 A 実践の中で成功体験をもたせ、価値を実感させる。
 B チームで考える体制づくりで、職員一人一人の交流欲求と承認欲求の充足を図る。
 C 中心となる推進リーダーを育成し、枠組みを与えて具体は考えさせる。

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「教育実践」
校長のリーダー・シップを支え、学校を着実に変える校内研修の取組
新潟市立青山小学校
本田 和彦

  「教育は、意図的・計画的な営みである。」学校で行われる教育活動の全てには、「ねらい」と「評価」がある。「ねらい」は、前年度の実践の「評価」を踏まえたものであるが、目の前の子どもの実態を十分把握した上で、今年度の教育活動を実施しなければならない。ゆえに、「『前年度どおり』という活動はないのだ」と、当校の校長は言う。
 私は、教務室の担任として教職員の日々の取組を支えながら、以下のような視点で校長の方針を支え、やりがいのある職場づくりの核となるよう取り組んでいる。
1 授業力向上を目指した取組を行う
 授業力改善の核は、研究体制にある。当校は、伝統的に年1回の学校公開を行ってきたが、研究内容と職員の意識の深まりをねらって現在は行っていない。研究内容は、一人年2回(前期・後期1回ずつ)行い、今まで算数に特化してきた体制を、担任の希望による全教科を対象とした。また、もっとも大きな変革は、「仕掛けのある学習課題」をつくり出すことを主眼に置いたことである。児童が「あれ?」「え?」と既習や生活経験とのズレを見いだす課題をつくりだすために、意図的に仕掛けをつくり出すことに主眼を置いた。
2 特別支援学級の授業を支え共につくる
 当校は、特別な支援を要する児童の中でも虐待等深刻な課題を抱える児童をどう支えていくかが大きな課題となっている。その児童に学習を成立させるために、学校体制として特別支援学級の授業の質を向上させ、全校に広げていく取組を行っている。
3 地域と連携した授業を提案し、学びの深まりを目指す
 青山大好き隊と言われる地域ボランティアが、積極的に活動している。そのボランティアを意図的に配置し、効果を上げるには計画段階での打ち合わせが重要である。中でも、地域の大学教授OBと協働した「植物は、数学を知っている」という授業を紹介する。子どもたちは、習った数学と理科の力を合わせ、植物の世界も数学でできているという事実の一端を知ることができた。

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「サークル活動」
コンパスの会
新潟市立巻南小学校
本間 陽平

 当会は平成16年度に結成したサークルです。研修主題を「児童・生徒が生き生きと学ぶ算数・数学的活動の追究」として活動しています。
 このサークル名の『コンパス』には、「自分たちで創り上げるサークル」「会員の輪=和を大切にながら研修する」という意味が込められています。
 毎月第1火曜日に研修会を行い、@公開授業に向けた指導案検討A各種発表会に向けた原稿内容の検討B講演会などを行っています。11、12月には全会員による実践発表会を行い、小グループでざっくばらんな意見交換を行います。様々な角度からの実践で、会員一人一人にとってたくさんの発見があります。講演会では、素晴らしい指導者を招いて講義とともに演習を行うなど算数・数学のとても楽しい内容の研修を行っています。毎年、その成果を年度末の研修誌にまとめています。
 当会の最大の特徴は、小学校会員と中学校会員が半々の割合で在籍していることです。このことにより、小中9か年を見通した算数・数学の学習指導・授業改善を研修することができます。指導者として校長先生をはじめ、新潟市マイスターなど、経験豊富な会員が多数在籍しています。研究授業や公開授業前の指導案検討では、これらの先生方から的確な助言をいただけることが、大きなメリットです。
 算数・数学が大好きな会員の皆様、是非ご参加ください。必ず新しい「何か」を得ることができるはずです。

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「サークル活動」
新潟授業実践研究会
新潟市立潟東小学校
伊藤 祐輝

 当サークルでは、一人一人が自分の授業テーマに基づき、アクションリサーチの手法を取り入れ、継続的な実践研究に取り組んでいます。
 例会では毎回、取組の成果や課題を発表し合い、会員がお互いに改善への手だてを検討します。検討した手だてを日々の授業で実践し、検討します。このように、例会を通して、継続的に自分の授業改善の方向を探ります。
 研究の成果について、学会等で発表している会員もいます。平成23年度からは、県内大学の研究者から会員の一人一人の研究や当会の研修に関して、指導・助言をいただいています。

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「サークル活動」
新潟自然科学を語る会
新潟市立巻北小学校
江端 卓

 新潟市の理科指導発展に資するため、自然科学に関する指導内容について研究を進めてきました。各自の実践を持ち寄って、研修を深めたり、一緒に教材研究をしたりしながら、互いの指導力の向上を目指して活動しています。
 ここ数年は、これまでの活動で学んだことを「子どもたちに自然科学の楽しさを伝えたい」「地域に貢献したい」という思いで、星空観察や科学実験イベントの企画・運営に携わったり、指導者として活動を支えたりするなど、積極的に取り組んでいます。この夏行った地域の青少年育成協議会「こども夏まつり」では、150名近くの児童、保護者、地域住民の皆さんに喜んでいただきました。講師の依頼も増えました。
 今後も自身の資質を高める研修と地域貢献に取り組みます。

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「サークル活動」
新潟学校教育相談を考える会
新潟市立曽根小学校
山上 拓紀

 私たちのサークルは今年度で9年目を迎えました。不登校、学校不適応、学級崩壊等の様々な学校現場の問題について、心理、臨床、教育の多分野から総合的にアプローチし、日々の実践に取り組み、学校現場に活かせる教育相談の在り方を探っています。
 定例会では、学級・学校で困っている事例について検討する「事例検討会」を行っています。事例は不登校、発達障害、愛着障害、非行など様々です。難しい問題もありますが、明日からの支援策が見付かるように話し合いをしています。会員は、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校、行政など様々な校種で構成されているため、今まで自分が思ってもみなかった有効な支援策が出されることがよくあります。最後には「明日からこれをやる」という具体的な解決策が見付かるように指導者からご指導をいただくようにしています。難しい問題について話し合うからこそ、お茶とお菓子をつまみながら、明るく気軽な雰囲気で行うようにしています。

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「サークル活動」
新潟社会科の会
新潟市立新通小学校
小黒 健太

 当サークルは、今年度で発足34年を迎える伝統あるサークルです。活動は、1か月に1回、新潟市を会場に活動しています。
 当サークルの一番の特徴は、新潟市内外の社会科指導を引っ張っている若手からベテランの先生方まで多くの先生方が参加し、実践を検討したり、発表したりしていることです。また、指導者の先生方からは、毎回厳しくも温かい的確なご指導をいただき、大変勉強になっています。実践発表を聞くことも刺激になります。
 子どもたちに社会科の力を付けることができるように、社会科の学習って楽しいな、次の社会科の時間が楽しみだなと子どもたちが思えるように、今後も活動を続けていきます。
 「社会科は苦手、難しい」と思われている方、大歓迎です。一緒に楽しく、力の付く社会科授業を考えてみませんか。

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「サークル活動」
みなみ生徒指導を考える会
新潟市立白根北中学校
小林 和栄

 当サークルは平成25年度より正式に発会しました。活動は、年5回程度。さらに年1回は「東生徒指導を考える会」と連携して活動しています。
 一番の特徴は、南区を中心に、会員はもとより多くの会員外の方にも参会の呼びかけを行っていることにあります。
 また、生徒指導上の諸問題に精通した専門家アドバイザーからあらゆる面での助言をいただくことができます。

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「サークル活動」
サークルさんすう
新潟市立矢代田小学校
間 大也

 新潟市を中心に活動する算数のサークルです。月に1回程度、主に秋葉区の会場で活動しています。
 私たちのサークルは、次の2点を中心に取り組んでいます。
➀各自の設定したテーマによる実践発表や指導案検討
 算数授業における実践発表や指導案検討を通じて、算数の授業力をアップしています。ベテラン教員から若手教員まで幅広い層で構成されており、互いに刺激し合いながら高め合っています。
A「算数連続講座」の開催
 年に3回程度、算数指導のスペシャリストをお招きし、講座を開いています。
 ノート指導、学習課題の設定、授業づくりのポイント、算数教育の最近の動向など、あらゆる側面から算数教育を知ることができます。
 私たち「サークルさんすう」は、算数好きな子どもを一人でも多く育てるために、研修を通して「楽しい授業」「分かる授業」が実現できるように取り組んでいます。

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「サークル活動」
新潟子どもの心を語る会
新潟市立高志中等教育学校
永田 文子

 平成16年度に発足したサークルです。見えにくくなっている子どもの心の理解に努め、指導に活かすために、ケーススタディ(事例検討)を中心に取り組んでいます。最近は、教育相談だけでなく、生徒指導や特別支援教育の視点からも考えています。
 原則、月1回定例会を開催し、会員が抱えている事例を基に研修を進めています。そして、「参加してよかった」と思えるような活動を地道に続けていきたいと思います。

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「サークル活動」
蒲原国語教育研究会
新潟市立上所小学校
本宮 直樹

 平成15年のサークル発足以来、毎年度会員による実践発表や授業の提案などの活動を行ってきました。私たちのサークルは、「児童生徒に力を付ける国語教育の在り方を探る」をテーマにして活動を行っています。国語教育に対して高い志をもった教員が集まり、児童生徒の国語力を向上させるためにはどうしたらよいだろうという問題意識をもって取り組んでいます。当会員の中には、スーパーティーチャー認定者や新潟市マイスターなど優れた実践者が多数おり、自ら学ぶ意欲をもつ会員ばかりです。また、年に1回県内大学等から講師を招聘して講演会も行っています。
 国語についての研究や深い見識に触れることで、国語教育についてさらに高い志をもつことができます。児童生徒にしっかりとした国語の力を付けるために、専門性と多様性を兼ね備えた教員を目指して、会員同士切磋琢磨しながら取り組んでいます。

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「サークル活動」
幼小接続を考える会
新潟市立沼垂幼稚園
根岸 恵美

 新潟市、下越地域の幼稚園、小学校に勤務する教諭と管理職でつくっているサークルです。
 新幼稚園教育要領では、新しい時代の変化に対応して、将来を担う子どもたちの人格形成の基礎を養うために「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」や「幼稚園等の教育ではぐくみたい資質・能力」が明確化されました。これらを受け、本サークルでは、幼稚園と小学校の子どもの学びをつなぐ幼小接続はどうあったらいいのか、保育や授業などの教育活動からの視点、幼児・児童理解からの視点で考えていきます。
 幼稚園と小学校の相互理解を推進することを大切にしながら、具体例を持ち寄って話し合います。
 幼稚園、小学校低学年を担当したことのない先生方も大歓迎です。

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「サークル活動」
外国語教育を考える会
新潟市立鳥屋野中学校
南場 健一

 " 外国語活動における小・中学校間のよりよい接続を実現させるために、小学校教員と中学校教員とが互いに意見交換をすることのできるサークルです。また毎回教育の専門家の皆様をサークルにお招きし、最新の教育事情についての知見を深めたり、教育実践に対するご助言をいただいたりすることができます。
 「ハイフレンズ」を基にした授業構想を、小中教員とで共に立てていく研修を継続して行っています。平成32年度より小学校英語が教科化され、今まで以上に小学校教員による英語の授業力向上が求められます。また中学校教員にとっても、小学校教員からどのようにして生徒の情意性を高めるような学習課題を設定していくのかを学ぶ良い機会となっています。小中教員とが共に授業構想を練り上げていくという研修を通して、互いの教育観を共有し、よりよい小中連携を目指すことができるサークルです。
 今年度は小・学校会員が教育研究発表会で実践発表を行います。サークルとして支援していきたいと考えています。

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「サークル活動」
ICT教育を考える会
新潟市立上所小学校
林  俊行

 「情報をよりよく利用できる児童生徒を育てたい。」「未来を見据えた授業デザインに挑戦したい。」私たちのサークルは、そんな願いをもった教師の集まりです。
 活動の中心は、会員が、それぞれの勤務校で日々行っている授業実践・教育実践の報告とそれに基づく議論です。
 例えば、学校に導入されている機器の機能を紹介し合ったり、効果的な使用方法を考えたりしています。機器が更新された学校の情報を報告し合ったり、有効活用できるWEBサイトを紹介し合ったりすることも多くあります。その他、近年では、プログラミング教育やVR(ヴァーチャルリアリティ)についても取り組んでいます。
 また、授業のどの場面で、どんなICT機器やデジタル教材を使うのが有効なのかを考えています。児童生徒の主体的・対話的で深い学びを支えるツールとして、どのように活用するか実践を通して検討しています。
 更に、大学とのつながりも大切にしています。県内外の大学より講師を招聘し、最新の教育情報についての講義も行っています。
 各会員が実践し、発表し、意見交換をすることで、会員一人一人の力を高め、それを児童生徒に還元しようと取り組んでいます。
 

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「サークル活動」
体育科学の会
新潟市立新潟小学校
高野 義友

 当サークルは平成19年度に発足し、体育授業を科学的に研究することを目的とした会です。科学的な分析の仕方や専門的な知識を得るために、大学の先生方からもご指導をいただきながら活動しています。
 会員一人一人が、研究発表を行うための授業実践力や研究デザイン力を身に付けることをテーマに活動を行っています。月1回の活動では、小グループでの授業実践についての検討や、研究のまとめ方についての検討、発表方法の検討などを行っています。年度末には、サークルの全会員による個人研究発表会を行っています。また、大学の先生を講師としてお迎えし、研究の組み立て方や統計分析に関する研修も行っています。そして、サークル活動の成果を発信する取組として、新潟県体育学会や日本体育学会等での発表も行っています。
 新潟市のみならず、新潟県、全国にも「体育科学の会」の会員による実践、研究が広く知られるようになってきています。会員一人一人が体育授業に対する情熱をもち、児童生徒たちの成長のために意欲的に活動しています。

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「サークル活動」
総合的な学習を語る会
新潟市立東山の下小学校
小林 厚司

 " 私たちのサークルは、平成16年度に発足し、「社会教育」「民間」の立場のメンバーも加わり、地域と学校をつなげる総合の実践を通して、よりよい総合の授業の在り方を探ってきました。
 また、意欲的に探究する児童生徒の姿を求めて、児童生徒の課題意識を高める単元構想の在り方を学んできました。その中でも、ファシリテーションを用いた授業の有効性を学び、会員も実践を積んできました。
 平成27年度は、県内の教員や教育関係者に呼び掛け、3回目の「総合的な学習の時間フォーラム」を長岡のサークル「生活総合実践研究会」と共同して開催することができました。そこでは、文科省の初等中等教育局視学官を講師としてお招きして、ご講演をしていただくことができました。多方面から80名以上の参加者があり、会員以外の教員や教育関係者も多く参加され、活発な情報交換があり、有意義な研修会となりました。
 今後も、児童生徒が学びの充実感を味わえる総合学習の在り方を探究していきたいと思います。

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「サークル活動」
体育サークル「未来」
新潟市立木戸小学校
野上 丈成

 新潟市、五泉市を中心に勤務されている方々が、運動好きな児童生徒をはぐくんでいこうと、授業力を高め合っています。主に、新潟市江南区を会場に活動しています。
 今年度の研究テーマは「児童生徒の健やかな成長を促す体育科の役割〜進んで運動する児童生徒を育てる体育経営・授業実践の在り方〜」です。会員一人一人が個人テーマを設定し、授業実践を行い、児童生徒の動きを高めるための手だての有効性などを検証しています。
 月一回の研修会では、実践発表や研究発表の検討、公開授業の指導案検討、研究会の参加報告などを中心に行っています。その中から、日々の体育経営や体育授業に使えるアイディア、教材・教具についても学び合っています。
 運動好きな児童生徒をはぐくんでいくために、よりよい体育経営や体育授業について一緒に考えていきませんか。

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「サークル活動」
子どもの健康・体力を語る会
新潟市立下山小学校
阿部 敏也

 新潟市連合会サークルに所属する、体育サークルです。体育授業の充実こそが児童生徒の体力向上、及び健康増進につながると捉え、授業実践を基に研修を進めています。
 『楽しく学ぶ体育授業 〜「できる」「わかる」「かかわる」学習を通して〜』を共通テーマに、学習指導案や授業実践のまとめ等を持ち寄り、会員同士の意見交換を通して切磋琢磨しています。サークルから大学院修了者、新潟市マイスター、スーパーティチャー等を多く輩出しており、人材が豊富です。体育専門の立場から、適切なアドバイスを受けられるので、とても勉強になります。
 近年、メンタリング(経験を積んだ教師〔=メンター〕が若手を育成する制度)の考えに依拠し、若手会員の「授業力」や「実践を学術的にまとめる力」の向上を目指してチームを編成し、継続して支援をしています。また、最新の情報を手に入れる手段として、大学の教員を講師としてお招きし、講演会や実技講習会等も行っています。
 体育に興味がある方、体育を勉強したい方、大歓迎です。

 

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「サークル活動」
東生徒指導を考える会
新潟市立東新潟中学校
若木 聡

 私たちのサークルは、生徒指導に関する様々な課題を克服するために、中学校及び小中学校の連携による取組が重要と考え、サークル結成に至りました。
 結成以来、東区だけでなく、他地区の会員も増えています。年齢層も20代から50代まで幅広くいます。
 各校の情報交換だけでなく、より専門的な知識をおもちの方(講師)からアドバイスをいただくことができます。   
 『合理的配慮』、『基礎的環境整備』、『発達障がいに関わること』、『ネット上から起こるトラブル』をキーワードに、日頃生徒に関わっていくうえで、なかなか上手くいかない点について、気軽に意見を出し合い、実践に役立つ会を目指しています。
会に参加することによって、お互いに元気をいただいたり、与えたりしながら明日への活力を養っています。

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「サークル活動」
学び合いの仕組みと不思議
新潟市立葛塚東小学校
勝部 新

 新潟市を中心とした『学び合い』と呼ばれる手法について学ぶサークルです。活動は月1回、主に新潟市東区プラザを会場に活動しています。
 教育界には様々な学び合いがあります。私たちは県内の教育大学の先生が提唱している『学び合い』について研修を深めています。26年度は「授業作りネットワーク新潟大会」において2名の会員が講師として登壇し、日頃の『学び合い』の実践を発表しました。
 子ども同士が深くつながり合うと学力がアップし、教室の絆も深まります。従来の受動的な授業から子どもたちが能動的に活動する学習へ、まさにアクティブ・ラーニングを具現化した姿が教室で見られることを目指しています。
 会員は若手からベテランまで幅広く在籍しており、毎回の活動では会員からの発表について熱い議論が交わされ、多くの学びがあります。まずは教師自身が能動的に学ぶ姿勢が大事だと考えます。
 全ての校種、全ての教科で実践可能な『学び合い』。たくさんの方々の参加をお待ちしています。

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「ときわ教育奨励賞」
「新潟」代表の意識を大切にした豊かな人間形成に繋がる生涯スポーツの推進
〜本県自転車競技の普及・強化・発展のシステム構築を通じて〜
新潟県立はまぐみ特別支援学校
権瓶 修也

 自らの選手経験と反省をバネにして本県自転車競技の振興のために指導者・監督として尽力し、郷土愛や情熱を大切にして地域と共に未来を担う人材を育てている。
 成果主義に陥ることなく競技者の自主性・主体性を引き出すコーチングを志向した指導は、授業や部活動指導の改革に参考となるものである。

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「ときわ教育奨励賞」
喜びと夢を育み,魅力的な人に学ぶ道徳授業の実践的探求
新潟市立早通南小学校
渡邉 泰治

 魅力的な人物を取り上げたオリジナル授業を開発・実践し、子どもたちの道徳的価値への理解と強化を促している。
 ときわ道徳サークルを立ち上げ、牽引役として実践交流の場を組織したり、講師を務めたりしており、今後も、地域の道徳教育の充実・発展への貢献が期待できる。

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「教科等研究セミナー」
教育相談的手法を用いた児童の学びを確かなものにする授業づくり
〜ピア・サポートモデルをスパイラル化させた算数科授業について〜
新潟市教育相談センター
伊石 良博

  生徒指導上の問題行動に発展するケースの一つとして、学習上の不適応が挙げられる。また、対人関係の不和からも同様である。特別な支援が必要な児童もおり、児童同士がうまくかかわる術をもち合わせておらず、どのように関わったらよいか分からない児童がいる。
 授業のとりわけ少人数指導においては、教師が理解に苦しむ児童へ個別に対応し、確実に学習内容を分からせるきめ細やかな策をとる。これは、よくとる策である。そこには、教師と児童の一対一のかかわりは存在するが、更なる児童の社会性(関わり合う力)を育てる限界がある。少人数指導においても、児童同士による教え合いや考えの関わり合いを取り入れる。それによって、児童の社会性(関わり合う力)の育成と児童の学びを確かなものにすることを同時にねらう授業を、大胆に仕組めないかと考えた。
 そこで、本研究は第4学年算数科少人数指導の1単位授業の中に、ピア・サポートモデル(トレーニング→パーソナルプランニング→サポート活動→スーパービジョン)を取り入れる。この一連の流れを、授業ごとに繰り返し行うことで、児童の社会性(関わり合う力)を育てるとともに、児童の学びを確かなものにしていくことを目指していく。特に、授業のねらいに即して、サポート活動に使う話し方、聞き方練習をトレーニングの段階で仕組んだことが研究の核心部分である。授業と生徒指導の一体化の一例として、生徒指導上の諸問題の解決に資するものであると考える。
 研究の結果、学習内容の定着は図れた。さらに、トレーニングの段階で意図的に練習した話し方や聞き方を取り入れたこと、集団でサポートしたことや考えをかかわらせたことで、問題解決の過程を説明する力は有意な差をもって向上した。
 また、集団で関わることを苦手と感じていた児童も、実際に繰り返し関わらせることで、楽しさが生じてくることが分かった。このような、社会性(関わる力)の向上が多くの児童に見られた。

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「教科等研究セミナー」
学校発!地域との連携・協働に向けた取り組み
〜R−PDCA 地域の課題をともに考え活動、そして発信〜
新潟市立白新中学校
小塚 忠昭

  学区には市役所、白山神社、新潟市芸術文化会館、新潟県民会館、新潟市陸上競技場、県政記念館をはじめとする新潟市の政治、文化の中心ともいえる施設が数多くある。経済に目を向けると、古町・本町といった昔からの大きな商業地域が広がっている。歴史的に見ても、古くは柳都新潟の象徴ともいえる堀が張り巡らされ、新潟湊の発展とともに賑わいをみせて日本海側最大の都市として発展してきた。
 しかし、近年、万代地区の再開発や郊外の大規模ショッピングセンターの開発などにより、地域の商店街はかつての活気を見ることが難しくなっている。また生徒の意識調査では現在、自分たちが生活している「地域」に魅力を感じると答える生徒の割合は非常に少なく、将来にわたって「地域」で生活していきたいと考える生徒の割合も高くないという現状があった。
  そこで、次の点から本研究を進めた。
1 既に中学校の教育活動に位置付けられていた地域とかかわる活動を見直したり、地域をステージとした新たな活動を組織立てたりして、「白新中学校版 地域教育プログラム(仮称)」を構築する。そして、それらを実際に進めていく中で、生徒の地域に対する思いに変化が育まれ、今後、自分たちができることを考えたり、更には自分たちのこれからの生き方を考えたりすることにも有効に作用すると考えた。

2 地域で活動する際には単なるPDCAサイクルではなく、その前提となる『R』こそが重要な要素となり、地域や学区と学校が『R』を共有する重要性、生徒や地域の『R』を見抜くことがポイントなっていくと考え実践した。

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「教科等研究セミナー」
自閉症児のコミュニケーション手段獲得に向けた指導の工夫
〜タブレット端末による視覚的支援を通して〜
新潟県立江南高等特別支援学校
笠井 翔太

   近年、学校教育において、タブレット端末等のICT活用が進み、児童生徒の主体的な学習や認知・理解に効果を上げてきている。特別支援教育においてもその効果が期待され、UDLや合理的配慮の観点からも重要と認識され、活用が進んできている。本研究では、特別支援学校小学部に在籍する自閉症の児童のコミュニケーション指導において、視覚的な入力に優位性がある認知特性に合わせてタブレット端末を活用し、会話の意味理解を促しながら会話の成立を目指した。
 まずは、パワーポイントを使って会話文に合わせて写真やイラストを表示する自作教材「レッツトーク」を作成し、タブレット端末上で操作しながら学習を進めるようにした。簡単なタップ操作で主だった日常会話の練習ができるため意欲的に学習を続けることができ、実際の会話場面で教師の支援を受けながら練習を積んだことで、タブレット端末がなくても他者とスムーズに会話できる姿が見られるようになった。そして、質問に返答する会話から要求表現へと学習する会話文を計画的に増やしていき、PDCAサイクルで、評価・改善を図るようにした。学習の進度を丁寧に見とりながら支援を段階的に減らすなどの工夫を行って一人でも学習が進められるようにしたことで、より多くの会話を習得できるようになってきた。
 本研究を通して、認知特性に合わせてICT活用を進めることで、コミュニケーション指導が効果的に進められることが分かった。この成果を生かして、引き続き特別支援教育においてICT活用について研究を進めていきたい。

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「教科等研究セミナー」
協調性に課題のある児童の行動改善
新潟市立大野小学校
澤田 哲寛

  協調性を保てない児童の言動を改善するために、4つの取組を行った。また、その取組で言動の改善が見られた後に、周囲の児童に対して、対象児童との関わりを促す授業を行った。この2段階の取組を行うことで、周囲の児童との人間関係の回復を図った。取組の内容は、以下のとおりである。
1 トークンエコノミー法を用いた。人に対してよい行動をしたときに、スマイルマークというカードを渡した。スマイルマークを貯めると、シールと交換できたり、学級で飼う新しい魚を選ぶことができたり、お楽しみ会をしたりすることができ。この取組によって、よい行動を意識するようになり、自然に適切な言葉や行動を選ぶようになっていった。
2 日常指導及びSST(ソーシャルスキルトレーニング)を行った。他の児童に不快な思いをさせる言動があったときに、活動の場から離して言動を振り返らせた。また、どうすればよかったかを考え、よいと思われる行動をロールプレイさせた。指導の直後は、行動が顕著に改善され、学んだことを生かそうとする姿が見られた。また、言葉を口に出す前に、少し考えてから言う姿も見られるようになった。
3 活躍の場を提供した。教師のお手伝いや活動の準備などで仕事を頼み、そのことについて帰りの会などでみんなに伝えながら褒めた。これを励みにして、意欲的・積極的に人のためになることをしようとする姿が見られるようになった。また、他の児童に仕事を譲れた行為を褒めるたところ、それを誇りに思って人に譲ることが抵抗なくできるようになった。
4 学校であったよい行動を保護者に伝え、家庭でもその行動を褒めるよう促した。この結果、褒められたことを嬉しそうに教師に伝える姿が見られるなど、自己肯定感の高まりが感じ取られるようになった。気持ちが安定し、優しい言動が自然に出るようになった。
 これらの4つの取組による行動の改善を受けて、周囲の児童に対し対象児童への関わりを促す授業を実践した。
 以上の2段階の取組によって、集団の中に入って一緒に遊びを楽しめるようになり、その友情関係を維持できるようになった。

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「教科等研究セミナー」
特別な支援を必要とする児童の学習活動への参加を目指した取り組み
新潟市立大形小学校
武田 守広

  特別な支援を必要とする児童のA児は、衝動性や多動性が強いために、学習や対人関係上、成功体験が積み重ならず、学校生活にうまく適応できない状態にあった。A児の日頃の言動から自己肯定感が低い様子が伺われた。
 本研究では、A児の自己肯定感を高めることで、学習活動へ参加する機会を増やしていく。そのために次のような手立てを講じる。
<手立て>
@自己決定の場面を設定する
 特別支援学級で個々の学習に取り組ませる際に学習の内容や量を選択させたり、通常の学級で一日何時間学習するのか決めさせたりして、本人が納得した形で学習させる。
A学習意欲を高める
 本人の知的好奇心をくすぐるような操作的な活動や体験的な活動を取り入れる。また、対人関係上、不安に思っていることを解決して、安心して参加できるようにする。
B称賛の機会を位置付ける
 学習に参加できた際に、具体的にうまく活動できた場面を取り上げて称賛する。さらに、トークンシステムを取り入れ、事前に約束したことが守れた際に、シールを渡すようにする。シールがたまったら自由時間と交換できるようにする。
 以上のような手立てを講じ、児童の変容を探っていった。

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「教科等研究セミナー」
全員で創りあげる学年目標とその達成に向けて
新潟市立白新中学校
伊藤 雅仁

  集団がよりよい活動をしていくためには、目標が必要である。日常における活動や学校行事、すべての活動において振り返ることのできる大きな柱は大切である。学級目標や学年目標がそれにあたるが、多数決などで決めた目標に対しては、全員の想いが入っていない可能性があり、その役割を十分に果たすことができないのではないだろうか。
 そこで、集団全員で学年・学級目標を創りあげることが必要であると考えた。全員の想いが入っている目標ならば、その達成に向けても集団が一つの方向を向いていくのではないだろうか。また、その目標達成に向けても、話し合い活動やプロジェクト活動などを取り入れていくことで集団として高まっていくのではないかと考えた。
 そこで、次の点から本研究を進めた。
1 ファシリテーションを取り入れた学年・学級目標作成
(1)自分たちの学年・学級の現状を話し合う
(2)どのような学年・学級にしたいかを話し合う
(3)多数決はなるべく行わず、話し合いで決定する
(4)話し合いで全体を巻き込む工夫
2 目標を全員で創りあげる
   モザイクアートを行い、学年みんなで目標を創る。
3  短期目標を設定する
   学年・学級目標が長期目標なので、それを達成するために2〜3ヶ月ごとにとくに頑張る短期目標を設定する。
4  目標達成のためのプロジェクトを立ち上げる
   学年委員が中心になり、学級目標を意識できるプロジェクトを立ち上げる。
5  異学年交流の場面を設ける
   異学年の生徒と、目標達成に向けてどのような活動を行っているか、意見交換をする場を設ける。

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「教科等研究セミナー」
主体的に活動する児童を育てる学級活動
新潟市立赤塚小学校
早川 英佑

  これまで私が学級の問題だと考えることを児童に伝えて、進む方向性を示しながら、児童が「よくなった」「できた」と成長を実感できるように指導してきた。これは児童の主体的な活動とは言えない。そこで、よりよくなろうと話し合い、学校生活の向上を実感し、課題に気付き、次の活動の目標をもつことができるようなサイクルを繰り返し作っていく児童を「主体的に活動する児童」とする。そのような学級活動のサイクルを以下のように設定した。
 →P(学級会)話合い活動により、よりよい集団決定をする
 →D(実践活動)Pで決まったことを実践する
 →C(事後指導)Dの達成度の評価と振り返りをする
 →A(事前指導)Cによる振り返りから新たな目標や改善策をもつ
 このような学級活動のサイクルを繰り返すことによって、児童にはよりよい人間関係や生活の充実について考えさせたい。
 しかしながら、これまでの自分の実践ではC(事後指導)からA(次の活動の事前指導)へとつなぐことに課題を感じている。学級の現状を課題として捉えることができない児童や、自分の思いをもっているのに表現することが苦手な児童もいる。
 以上のことから、児童一人一人の思いが学級全体に共有されるような支援、工夫をし、振り返りを丁寧にすることで、主体的に活動する児童が育つと考える。研究テーマ達成に向けて次の手だてを実施し、その有効性を検証した。
1 一人一人の思いが学級全体に共有されるアシスト発言
 少人数での話合い後は、自分の考えと友達の意見を比べながら発言させる。
2 児童の思いの視覚化
 様々なアンケートの結果を数値化したりグラフ化したりして示す。また、振り返りの記述を児童全員が読めるように配付したり、掲示したりして示す。
3 振り返りの書き方の提示
 振り返りを記述する際に次の3点を示す。
 @最初の自分の考えA考えの変化と理由B次の活動に向けて

<参考文献>
文部科学省国立教育政策研究所教育課程研究センター
「楽しく豊かな学級・学校生活をつくる特別活動小学校編」
 

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「教科等教育セミナー」
バドミントンにおけるコート縮小による影響と思考力・技術力の向上
新潟市立濁川中学校
相場 則男

  バドミントンの授業では、技能レベルの同程度の者でグループを作り、ゲームを行わせることが多かった。しかし、技能がともに未熟である場合は逆にゲームの質的向上は期待し難く、また種々の技能レベルの仲間とコミュニケーションが図れないこと等の問題が考えられた。以上のことから、限られた授業時間の中で技能的特性に触れるゲームの楽しさを味わわせ、ゲーム内容の質的向上を図り、技能格差のある学習集団での仲間意識を醸成するために、技能差を補うための工夫が必要と考えた。
 本研究では以下のような手だてを講じて解決に迫った。
1 コート縮小によるハンディキャップ制の導入
 通常コートでのゲームにおける点差の程度の違いを技能レベル差と見て、両サイドラインから内側30cmをカットしたコートと、面積を1/2にしたコートの2種類のハンディキャップコート制を導入した。
2 スキルアップゲーム
 ハンディキャップコート制を導入したゲームを「スキルアップゲーム」として、ねらった場所に正確に打つという課題をもたせた。技能上位者には狭いスペースに打つよりレベルの高いシャトルコントロール技能を求め、技能未熟者に対しては限られたスペースに飛んでくるシャトルを正確に打ち返す技能を求めた。
 実際の結果、コート縮小によるハンディキャップゲーム制の導入は、全ての生徒に楽しさを保障できるものではないが、ゲームの楽しさを向上させる可能性が高く、ラリー回数を増加させるた。ただし、コート縮小の割合や男女の対戦の仕方など工夫が必要だと感じた。「ねらった場所に正確に打つには」という課題をもたせたハンディキャップゲームは、ラリー回数の増加からシャトルコントロール技能を向上させ、ゲームの質的向上につながることが分かった。

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「教育実践」
ベースボール型ゲームにおける技能の向上と思考を促す授業の工夫
新潟市立新津第三小学校
若槻 満

  今年度の研修のテーマを「ベースボール型ゲームにおける技能の向上と思考を促す授業の工夫」とした。中学年のベースボール型ゲームでは、思い切りボールを遠くに飛ばし得点する喜びが期待できる。しかし、中学年の児童にとって、投球されたボールを打つことは難しい。また、経験差や技能差が生じやすいと考えた。そこで、ハンドベースボールの授業での技能の向上、思考を促す授業づくりの2点から、その解決に迫る。
1 技能の向上
 ハンドベースボールに必要な「投げる」「捕る」「打つ」という技能が確実に身に付くようにする。これら3つの動きを高められるように、ミニゲーム(キャッチボール競争・ゴロフライキャッチ・フリーバッティング)を設定したり、打つための補助運動を工夫したりしながら、技能の向上を図る。そして、これらの手だてが有効であったかどうかを考察していく。
2 思考を促す授業づくり
 思考を促す手だてとして、異質グループでの学習を中心に進める。試しのゲームを行い、自分たちのチームに合った攻撃や守備を考えさせ、協力し励まし合ってゲームを進められるようにする。その際、学習形態や学習カード等を工夫して、思考を促すようにする。そして、これらの手だてが有効であったかどうかを考察していく。
 上記のように、確かな技能の向上が期待できる体育授業、思考を促し学習した内容が着実に身に付く体育授業の2点に絞り、今後も体育の授業の資質向上を目指し研究を進めていく。

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「教科等研究セミナー」
思考と技能を大切にする体育授業
〜思考の見える化によって技能の向上につなげる実践を通して〜
新潟市立曽野木小学校
増井 英輔

  体育が好きな児童は多いが、器械運動では思い通りに体を動かせないことや回転することへの恐怖感や不快感からあまり好んでいないという児童もいる。そこで、まずは、児童が器械運動の動きのおもしろさを感じられるような学習課題を工夫していきたい。そして、その中で感じたコツ、手本や友達の試技を見て感じたコツを気付きとして意識させ、自分の体をコントロールするためには、どのようなことに気を付ければよいのかを児童一人一人に考えさせ、技能の向上につなげていきたいと考えている。
 そこで、「器械運動について、自分たちの課題をとらえ、全体でのこつの共有化や視聴覚教材の活用、小グループでの連想シートを使った学び合いをすることによって、課題を解決させるポイントが分かり、そのために必要な技能を身に付けることができるだろう。」という研究仮説を立て実践を行った。
 次の4点の実践からその検証を行った。
1 連想シートを使って、動きの「感じ」→「気付き」へ技のコツを追求させる。
 児童には、目標とする技が何となくできた、できなかったではなく、しっかりと意識した
動きの中で「できた」を感じてほしい。そのため、技に対して、どのような点に気を付ければうまくいくのかを意識させる必要がある。そこで単元を通して、連想シートを使い、練習の中で感じたことをどんどん連想させていき、うまくいった動きをコツ(気付き)として追求させたい。その際、うまくいかなった動きも大切にし、自分はどのような動きをして、どうだったのかという練習内容全体を「見える化」させていく。
2 視聴覚教材によるお手本を提示する。
 技のイメージをもたせるため、児童には動画によるお手本を提示する。お手本を見ることにより、どんなところに気を付ければよいのかを視覚的に理解できる。また、動画であるため、気になる局面に着目し繰り返し見ることができたり、スローモーション機能を活用したりすることもできる。また、連想シートとあわせて提示し、練習だけでは気付かないコツを見付ける手段としても活用していく。導入時だけでなく展開時でも児童が自由に操作し、確認できるようにする。
3 練習内容をステップ化して提示する。
 学級の実態に即して、練習内容をスモールステップしたものを学習カードとして提示す
る。いきなり技の完成を目指すのは難しいが、少しずつ技が完成に近づいていくというプロセスを経ることで達成感を得ることができる。また、技の局面や部位を限定して示しているので、連想シートとも関連させることができ、コツを見つけるために有効な手段であると考えられる。チェック項目を「できた」「いつでもできる」「友だちのOK」という3項目設定し、自己評価だけでなく、他者評価させることにより、他の人の技を見る機会も意図的に設定する。
4 4〜5人の小グループごとに練習をさせ、ミニ先生を配置する。
基本の形として練習の形態を4〜5人の小グループで行うものとする。その中で、技を上手にできる児童をミニ先生として配置する。また、グループ内にミニ先生がいない場合は、他のグループから自由に行き来させ、グループに1人以上ミニ先生を配置できるようにする。ミニ先生には「どのようなポイントに気を付ければ技が上手にできるのか」「教えたポイントで有効だったものは何か」を意識させ、それ以外の児童には「教えてもらったポイントで有効だったものは何か」を意識させ、連想シートを記入していくように声を掛ける。

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「教科等研究セミナー」
体つくり運動において、技能と仲間同士の信頼関係を高めるための関わらせ方について
新潟市立上所小学校
室橋 辰宏

  学力や体力の向上を図るには、土台となる学級が、児童同士、担任と児童による信頼関係によって支え合う雰囲気で満たされていなければならない。信頼関係を築くには、温かい言語活動による交流が大切である。また、身体感覚を伴う経験を、学級全体または小グループ単位で味わわせることも大切である。体育科の授業は、協働する場面が多く、達成度の確認も児童にとって分かりやすい。
 そこで、体育科の授業を通して、技能の向上を図りながら学級力を高めていくために、グループによるスモールステップを設定したチャレンジ学習を取り入れる単元構成を試みた。
1 6学年における、ダブルダッチへのチャレンジ学習
 高学年であっても運動能力に差があるため、ダブルダッチを成功させることは難しい。そこで、さまざまな長縄の運動から、徐々にダブルダッチへとチャレンジしていく単元構成にする。ダブルダッチの学習場面では、教える部分(どの場所で踏み切るか・どちらの足で着地するか)と、児童に考えさせる部分(どの縄がどこを通過したときに入ればよいか)を分けて授業を構成した。
2 1学年における、スモールステップのペア・グループによるチャレンジ学習
 道具を操作する運動遊びで、主に長縄跳びの8の字跳びができるようになるために、タイミングを友達と合わせるスモールステップでの活動を通して、技能の向上を図ると共に、友達同士の信頼関係の向上も図る。友達のことを考えて自分のもっている道具を操作しないと成功しない。友達と一緒に掛け声を合わせて、動きをそろえないと成功しないような活動を、スモールステップで取り組む。また、どのような声掛けが必要か、声掛けのどのタイミングで動くとよいかなど考えさえ、成功体験を共有できる授業を構成した。
 どちらの活動においても、友達と力を合わせること、タイミングを合わせることの気持ちよさを味わうことができ、そのことが信頼関係の構築にもつながった。学級の雰囲気もよくなり、どの学習にも意欲的に取り組むことができる学級集団に成長することができた。
 今後も体育の学習を通して、児童同士、担任と児童の信頼関係を構築するために、「声や動きを合わせる」「友達のことを考えて動く」などの活動を取り入れた授業構成・単元構成や学習形態の在り方を追求していく。

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「教科等研究セミナー」
会話継続目指した指導
新潟市立味方中学校
本図 直美

  次期学習指導要領では、「互いの気持ちや考えなどを外国語で伝え合う対話的な言語活動を重視する」こととしている。(中教審第197号)そこで、授業の初めに毎時行っている会話活動に焦点を当て、会話を継続させる力を養いたいと考えた。
  生徒に自己表現のためのトピックを与えて会話させても、日本語が混ざったり、伝えたい内容を表す単語がわからないとそこで止まってしまったりする姿が実態としてあった。それは、何とか英語で自己表現をしたいという情意面の欠如や、会話を継続させるための表現が身に付いていないことから起こると考えられる。そこで、次の2点からその解決に迫った。                                                       (1)「Helping listの活用」 
  生徒の会話をICレコーダーに録音し、日本語が出てしまう場面を取り出し、生徒全員で共有した。また、そのような時に英語でどう表現したらよいかが日本語と英語両方で書かれたリスト(helping list)を提示し、ペアで問題を出し合う活動をくり返し行った。また、その際に部分的にヒントをみることができるような工夫をして、段階的に覚えさせた。
(2)「さいころトーク」
  文型ドリルで出てきた表現をアレンジさせ、友達に聞きたい質問を一人6つ作らせた。「自分のことを一文で紹介してから相手に質問をする」という流れで会話するよう指示をした。4人グループを作り、さいころをふって出た目の番号の質問をグループメンバーにさせた。返答+1文、できればもっと長く会話を続ける、と回を重ねるごとにハードルを上げた。(1)のICレコーダーで会話を録音して聞かせたことで生徒が自身をメタ認知でき、それが「英語で会話をしたい」という動機付けにつながった。 また、生徒の困り感に沿った表現が提示されているので、日本語や沈黙を回避でき、流暢さを増すことができた。(2)で、聞いてみたい質問を用意させたことで情意面の向上が見れた。また、表現が苦手な生徒も仲間の発話を参考に質問に答えていた。今後、一つのトピックについて何度も会話を往復させて話せるための方策について探っていきたい。

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「教科等研究セミナー」
まとまった英文を能動的に読み取るリーディング指導過程の工夫
〜コミュニケーション達成のためのリーディングタスクと、関連したサブスキルの設定を通して〜
新潟市立亀田西中学校
間 美和

  英語が苦手な生徒をいかにやる気にするかが、英語学習における重要課題である。英語の「聞く・話す・読む・書く」の4技能別にみると、まとまった英文を読むことを苦手と感じる生徒が多いという中学生の一般的な傾向が、各種アンケートから捉えられる。そこで、本研究では、4技能のうち、「読むこと」=「リーディング」に焦点をあてる。まとまった英文を読むことに生徒が意欲的に取り組み、読む技能を身に付けることができるようになることをねらいとしている。
 具体的な手だてとして、次の3点を研究内容として取り組んできた。
1 読む目的の提示
 コミュニケーション達成の視点から「何のために読むのか」を、読む活動に入る前に明確に生徒に提示する。これにより、生徒が目的意識を明確にもち、コミュニケーション達成のために意欲的にリーデイングに取り組むようになることをねらっている。
2 リーディングに取り組む際の*1)タスグの工夫
 リーディングタスクを工夫することが、生徒の読む力を伸ばすことにつながる。読み物のジャンルや活動形態との組み合わせにより、様々なタスクを検証する。また、本研究では、それぞれのリーディングタスクに*2)サブスキルを関連付けて設定する。
3 リーディングの指導過程の提案
 コミュニケーション達成の観点から、リーディングのそれぞれの指導過程(pre-reading、 while-reading、 post-reading)を研究実践し、提案する。
 これらの実践研究を通して、生徒がまとまった英文を読むことに以前より能動的に取り組むようになり、生徒一人一人に読む力の高まりを実感させることができた。
    *1)タスク:まとまった英文を読む際に提示する、読む目的を示す学習課題   
    *2)サブスキル:英文を読み取る際に役立つ、具体的な技能

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「教科等研究セミナー」
誤概念定着を解消する理科指導
新潟市立巻北小学校
江端 卓

 これまで、理科の実践をしていく中で感じられた児童の姿は以下の通りである。
 「見ることができる現象だけに目を向けてしまい、そこにとどまってしまう。自然の事物・現象に詳しく迫ろうとしたり、それらの仕組みについて考えたりすることがないと、表面的な理解で満足してしまう。そのため、条件が変わったり、場面が違ったりしてしまうと、説明できなくなる。」
小学校4年で学習する目に見えない事象の理解は、実験結果を説明するだけでは十分ではない。また、児童がもつ誤概念は日常生活から得られたものが多く、なかなか変容しにくい。
これを解消する手だてとして、小学校4年理科「水の3つのすがた」「ものの体積と温度」において、観察実験を行うとき、次のような働き掛けを行った。
1 予想や結果を吟味させるために、比較する観点を提示する。
2 目に見えない変化は、ホワイトボード上で、モデル図を用いて表現させ、その内容を説明させる。モデル図は粒(大きさや形の変化)と矢印(動く方向と強さ)で表す。
3 予想や結果について、小集団でリレー形式の説明活動を行わせる。
4 実験結果とその説明をもとに、他の関連する事象へ適用させる。
比較する観点をもとに、個人でモデル図を作成させ、小集団の中でそれらを検討させたことで、児童の思考が修正されたり、補完されたりした。また、リレー形式で説明活動を行わせたことで、全員参加の意識が高められ、学習を自分事として捉えさせることができた。さらに、他の事象へ適用させることで、児童は、新たに獲得した概念を確かなものにすることができた。
一方で、課題は以下のことが考えられる。
・導入場面で学習課題の共通理解を図ること。
・机間指導での児童理解と、教師の言葉掛けの精度を上げること。
・児童同士が、互いの考えを聞き合い、妥当性を検討できるような小集団の仕組みを作っていくこと。

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「教科等研究セミナー」
中高の学びの連続性を意識した中学校数学の授業づくり
〜関数において高校数学への接続を意識した取組〜
新潟市立高志中等教育学校
神蔵 康紀

  中高一貫校で学ぶよさは、数学を学ぶ大切さや、次にどのように発展していくのか、数学が社会の発展や自分の将来のためにどう役立つのかについて、継続的に学ぶことができることである。実際の授業の場においては、高校の内容を意識した試行錯誤や、実験、観察、資料を収集整理することで数学的活動を促していくことができる。
 中学校3年で学ぶ関数y=ax^2(以下、^2は2乗を表す。)は、一般に2次関数と包含関係があるが、そのことには触れられずに単元の学習が終わる。その後、高校数学Tで、2次関数の一般式y=ax^2+bx+cをy=a(x−p)^2+qと式変形して放物線が移動することを学ぶ。関数y=ax^2と2次関数の共通点や相違点に気付くと、関数y=ax^2のグラフの特徴や値の変化の様子が鮮明になると考えた。また、中学校3年で一度触れておくことで、グラフの平行移動と式との関係の原理について、高校で学ぶ段階での理解も助けるようになると考える。
 授業の取組では、y=ax^2のグラフについて2次関数のグラフとの比較により、放物線の頂点はいつも原点にあるものという思い込みを揺さぶる。生徒たちはいくつかの2次関数(今回は、y=x^2−4とy=x^2−4x+4)について作図することで表やグラフで値の変化やグラフの様子を観察し、それらを比較検討することで、帰納的に一般的な2次関数のグラフについて学ぶ。課題解決に向け、仲間との協働的な活動により理解を促した。
 数学Tの学習内容は、中学校の内容からの接続を考えて構成されている。この実践により、生徒にとっては、既習事項だけのつながりよりも、将来学ぶべき内容についても触れることにより、今学んでいることについての理解を深めやすいことが確認できた。生徒の学習内容の理解レベルに応じて適切で、将来につなげられる発展を扱っていくことは有効である。

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「教科等研究セミナー」
協同学習を取り入れた授業の工夫
〜1年方程式の単元において〜
新潟市立大形中学校
本間  寛之

  2021年度全面実施される学習指導要領では、初等中等教育において、何を教えるかという知識の質や量の改善に加え、どのように学ぶかという学びの質や深まりを重視し、主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆるアクティブ・ラーニング)やそのための指導の方法を充実させていく必要性について言及している。
アクティブ・ラーニングの学習スタイルとして、これまでにもファシリテーション、構成的エンカウンター、ピア・サポートなど、生徒間の相互作用を重視したものが多く扱われてきている。中でも生徒間のかかわりを重視した授業設計である、協同学習の基本技法に注目した。協同学習は、生徒が更に効果的に一緒に勉強するのを手助けするための原理と技法(JACOBS et al. 2002)であり、様々な技法がある。
1年生の方程式の単元を通して、協同学習のスタイルと技法を計画的に組織し、実践を行う。主体的・協働的に学ぶアクティブ・ラーニングの手法を取り入れることで、学習意欲と学力の向上につなげたいと考えた。
  本実践では「協同学習の技法」(バークレイほか、2009)、先生のためのアイデア・ブック-協同学習のための基本原則とテクニック-(ジェイコブス 2002)を参考に技法を採用した。方程式の単元において、問題の質に応じて次の@〜Cの技法を用いた。@相談タイム、Aお隣に聞こう、Bラーニングセル、Cテスト=テイキング=チームである。これ以外にも多くの技法があるが、1年生なので、基本的な技法に絞って採用した。
  実践を通して、生徒の学習意欲や学力の向上を図ることができたかを検証していく。また、協同学習の効果的な取り入れ方について分析をする。

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「教科等研究セミナー」
多様な考えを生かし、児童の考えを深め広げる算数授業の具現を目指して
新潟市立小針小学校(大学院)
齋藤 誠也

  これからの算数・数学教育において、「主体的・対話的で深い学び」を実現することが求められる。児童が「深い学び」を感じるためには、他者との協働が必要である。
 今までの私の授業を振り返ると、一斉での授業を中心としながら授業者が仲介役となり、児童の話をつなげたり児童同士の話合いを促したりすることが多かった。多くの授業が一斉指導を中心とした授業だった。このような授業では、数人の児童の考えしか取り上げることができなかった。また、授業のねらいに沿った考えのみを取り上げてしまい、児童の素朴な考えを生かすことができなかった。さらに、「友達の話を聞く」「黒板に書かれたことをノートに写す」のみで授業を終える児童や学び合いに参加することのできない児童が存在した。
 そこで、児童同士が主体的にかかわり、学級の児童全員が学習活動に参加し、他者との協働を通して学びを深め広げていく授業の具現を目指した。
1 ファシリテーションの手法を取り入れた学習活動
 「付箋と模造紙を用いたグループでの話合い」を行った。ファシリテーターやライターといった役割は与えず、全員が同じ立場で話合いをするようにした。発表の順番や心構えは確認し、話合いにおける視点を明確にして話し合わせ、模造紙に記録させながら、児童同士の交流を生み出した。
2 ジグソーの手法を取り入れた学習活動
 「同質集団での話合い(エキスパート活動)と異質集団での話合い(ジグソー活動)」を行った。エキスパート活動で、自分の考えを確立させ、ジグソー活動の中での主体的・協働的な交流につなげた。
 本実践を通して、児童同士が相互に作用し合う手法を意図的に取り入れた学習活動が、児童の学びの深まりや広がりを具現する上での有効な手段となり得ることが分かってきた。今後もよりよい指導の在り方を探っていく。

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「教科等研究セミナー」
学びの自覚を促すかかわりの場と振り返りの工夫
新潟市立新津第二小学校
佐藤 晶子

  「算数が楽しい」というアンケート項目に否定的に答えている児童にとって、算数の学習は「嫌い」「楽しくない」と感じる教科である。このような児童が多い学級では、普通に算数の学習を行っても児童は算数を楽しく感じない。
 そこで、算数の授業では特に、学習問題の提示の仕方、問題解決の見通しのもたせ方、ペアや班でのかかわり方など様々な取組を行ってきた。児童は算数の授業中は楽しんで学習に取り組んでいた。しかし、各単元が終了した後のアンケートでは、「算数が楽しい」と答える児童の割合は大きく変化しなかった。
 私はその原因を、「授業で何が分かったのか」「どんな考えのよさに触れたのかと」いった「学びの自覚」がないからではないかと考えた。算数の学習で「何を学び何ができるようになったのか」という「学びの自覚」をすると算数の楽しさが分かるようになるだろう。そのことで、「算数が楽しくない」という児童は減り、「楽しい」と感じる児童が増えると考えた。
 本研究では、学びの自覚をもたせるために、学んだことや新たに手に入れた考えを学習後に振り返り、文章によって表現させる。そのため、振り返りの視点を示して指導するとともに、意図的なかかわりの場を設定した。かかわりの場を工夫した授業後、振り返りを書かせることで学びの自覚を促せるかを、単元終了後のアンケートの結果と振り返りの内容をもとに検証した。

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「教科等研究セミナー」
筋道を立てて考えたり、自分の考えを表現したりする力を育成するための指導のあり方
〜説明し、伝え合う活動を通して〜
新潟市立南万代小学校
船越 朗

  全国学力・学習状況調査のB問題は、「筋道を立てて説明したり、論理的に考えたりして、自ら納得したり、他者を説得したりできることが大切である」とされている。
 しかし、担任した学年の児童の約4割が児童質問用紙において「自分の考えを他の人に説明したり、文章に表したりすることが難しい」と答えた。また、授業では、答えが分かるものの考えに自信がもてなかったり、分かりやすく表現できなかったりする児童の様子が見られた。
 以上の実態から、日頃の授業において、自分の考えを説明し伝える活動を取り入れていく必要性を感じた。その際、根拠を明確にしたり、実際に作業をしたり、視覚的な図を用いたりすることでより説得力が高められる。説得力が高まれば、他者と解決方法を共有しやすくなると考える。
そこで、説明の仕方を身に付け、相手意識をもって説明できるよう、以下の手だてを講じた。
1 図や式を言葉と対にし、手順を分けて書かせる工夫
 根拠を明らかにしながら、筋道を立てて考え説明できるよう、図や式と手順を分けて書かせる。順序や根拠、用語の使い方のポイントを示し、それらを踏まえながら文章表現ができるようにする。
2 相手意識をもたせた言語活動の設定
 筋道を立てて自分の思考を書いた児童は自分の考えに自信をもつだろう。しかし、全体での練り上げ活動だけでは全員に自分の考えを伝える場が保障されているとは言い難い。そこで、自分の考えをペアで説明し合う場を設定する。相手意識や目的意識をもつことで、説明の仕方を考え、書き表す力を身に付けることができると考える。
 進んで自分の考えを他の人に説明したり、文章に表したりする児童が多くなるよう今後も研究を重ねていく。

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「教科等研究セミナー」
子どもが夢中になって考え、理解を確かなものにするための数学的誤概念を生かした授業づくり
新潟市立新潟小学校
佐藤 諒子

  児童の理解は、分っているつもりでも、経験をもとにして考えがちである。このような経験的、自然発生的にもつイメージや思い込みのことを、「数学的誤概念」と呼ぶこととする。児童に夢中になって考えさせるためには、経験とのズレを感じさせる手だてが必要である。そのズレから、児童が「なぜだろう。」と学習課題をもち、集中力を持続させて思考するようになり、友達と考え合うことで理解を確かなものにしていくと考える。
 そこで私は、第4学年の単元「角」と「小数」の実践を通して、次の2点から検証した。
1 数学的誤概念が表出する問題提示
 「角」では、パックマンを児童に作らせ、一番大きな口を開けているパックマンはどれかという問いに、180°が一番大きいと捉えている児童が多く、これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないという数学的誤概念を表出させた。また、「小数」では、小数第二位までの数+小数第一位までの数の筆算において、小数点の位置を揃えずに、末尾を揃えてしまう数学的誤概念を表出させた。
2 揺さぶりをかける発問から作る、数学的誤概念をもとにした学習課題
 「角」では、180°口を開けているパックマンを指して、「これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないよね。」と揺さぶりをかけると、「作れない。」という児童と、「あごがはずれちゃうけど、できるよ。」という児童に分かれ、『一番大きな口を開けているパックマンは、どんなパックマンなのかな』という学習課題が生まれた。「小数」では、教師が間違えた方法で計算して見せ、「これでいいよね。」という問いに、児童は、「違う。」「なんで違うか言える。」と話し始めた。『小数どうしのたし算は、どうやって計算すればよいのかな。』という学習課題が生まれた。児童は、学習課題がはっきりすると、夢中になって考え始め、話合いを通して数学的概念を獲得し、理解を確かなものにしていった。
 このような授業を進めていくには、教師が児童の数学的誤概念を把握しておく必要があると考える。今後は、児童がどんな誤概念をもっているのかを探していきたい。

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「教科等研究セミナー」
読む意欲を高め、考えを広げたり深めたりする児童の育成
〜「リテラチャー・サークル」の手法を生かして〜
新潟市立中野山小学校
相馬 朋美

  これまでの物語文の授業では、登場人物の心情やその変化と場面の様子を、発問を通して全体で読み進めることがあった。そして、発言する児童の考えだけで授業が進んでしまうことがあった。そのため、児童一人一人に、登場人物の心情やその変化を主体的に捉えさせることができず、「国語は、どうやって考えればよいか分からない」「つまらない」という思いをもたせることも多かった。
 そこで、本研究では、読書指導法「リテラチャー・サークル」(読んだことと、他のこと(自分の体験等)とのつながりを発見する、読んだ中から自分の好きなことや場面などを、絵に表す等の役割にもとづき、教材文を読む)の手法をもとにした学習活動を組み、児童一人一人が、主体的に教材文にかかわって登場人物の心情やその変化をとらえ、自分の考えを広げたり深めたりできるようにした。 
1 主体的に教材文にかかわらせる工夫
 それぞれの役割をもとに教材文を読む。その際、役割の視点にそって読むことで、教材文に主体的にかかわり、自分の考えをもてるようにした。
2 自分の考えを広げたり深めたりするための工夫
 同じ役割で交流することで、自分の考えを見直したり付け足したりした。その後、異なる役割での話し合いの場を設定し、友達の考えを聞いたり自分の考えを話したりする中で、新たな気付きを得たり自分の考えを深めたりした。

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「教科等研究セミナー」
学習活動を支える国語科書写指導の工夫
〜書字場面に応じた書く「速さ」と「丁寧さ」の意識化〜
新潟市立東山の下小学校
橋本 佳恵

  文字を書く力は、多くの学習活動を支える重要な力の一つである。しかしながら、書写の授業において学習した内容や身に付けた力が、日常の文字を書く活動に生かし切れないという課題がある。日々の学習において、ノートに書く活動で時間がかかったり、速く書けるが字が雑であったりする児童が多い。そこで、書写の学習指導を日常の文字を書く活動につなげる工夫が必要であると考えた。
 書写に関する事項について小学校学習指導要領を見ると、第5学年及び第6学年において「書く速さを意識して書く」ことが示されている。この点に関して小学校学習指導要領解説国語編においては、「書く場面の状況によって速さが決まってくることを意識すること」や「速く書くことが求められるだけでなく、ゆっくりと丁寧に書くことが求められる場面もある。」としている。このことから、学習指導要領に示されている「書く速さを意識して書く」とは、「速く」あるいは「ゆっくりと」といった速度のみではなく、丁寧さについても併せて指導する必要があることが分かる。先行研究においてはこれらの学習の必要性について触れられているものの、具体的な指導に関して日常化の視点から言及しているものは見られない。
 そこで、本研究では、書字場面に応じて適切に書く力を高めるため、高学年の書写指導において、文字を書く速さと丁寧さについて取り上げて指導した。具体的には、児童が文字を書く際に「速さ」「丁寧さ」を意識させるために「速さのものさし」「丁寧さのものさし」を活用した。文字を書く際の速さや丁寧さを意識させる上で、2つのものさしが有効であるかどうかについて検証し、有効性を確認することができた。

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「教科等研究セミナー」
考えを整理して書くための思考の仕方を獲得させる指導法
〜「思考ツール」を用いて〜
新潟市立上山小学校
山本 啓介

  「書くこと」の指導において、次のような問題がある。
○児童は、様々な種類の文章を書くが、単元や文章の種類が変われば、書く内容も使うワークシートも変わってしまうため、年間を通じて書き方が活用されることがなく、忘れてしまう。
○多くの児童が単元で目標とする文章を書けたとしても、どんな方法で書いたか、どんな思考をして書いたかが意識化されていないため、活用や応用ができない。
 上記の問題に対して、本研究では、「書くための思考の仕方」と「繰り返し使用すること」に焦点を当てる。つまり、文種に応じた指導を行いつつ、年間を通して「思考ツール」を用いて文章を書くこととする。「思考ツール」は「読むこと」で活用されることが多く、「書くこと」で有効性が示されている研究が少ない。意見文を書く学習において、毎回使える「思考ツール」を活用して文章を書くことで、思考の整理ができ、継続した学習ができるようになる。思考の仕方が分かれば、自力で文章を書けるようになるはずである。
 数多くある「思考ツール」の中で、H27年度の6学年に実施した研究結果から、児童は簡単な「思考ツール」ほど積極的に使うことが分かった。そこで本研究は、ツールを「ウェビングマップ」「ステップチャート」「付箋」に絞り、書く過程を意識させることで、文章を書くための思考の仕方を獲得させることを主張する。
 本研究は、5年生を対象に、年間を通して「思考ツール」を使い続けるため、3つの単元で研究を続けた。
@ 女池上山の環境を全校に伝えよう(意見文)6月実施
A 物語作家になろう(物語づくり)9月実施
B ALTの先生に和の文化を紹介しよう(プレゼンテーション:原稿づくり)11月実施
 単元構成を考える際には、いずれの単元も、書く活動を3段階に分けることで、書くための思考を理解しやすくした。1段階目に「ウェビングマップ」を、2段階目に「ステップチャート」を、3段階目に「付箋」を活用して、書く活動を行った。
 その結果、順序立てて書くことができるようになっただけでなく、Bの実践では、教師の指示がなくとも、児童は「思考ツール」を活用し、プレゼンテーションを作り上げた。児童がそのよさを実感し、自分の意見を文章化するための思考の仕方を獲得したのである。

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「教育実践」
子どもの学びをつなぐ保幼小連携の在り方
〜「学びに向かう力」を育む低学年期の指導とは〜
新潟市立新津第一小学校
近藤 和徳

  昨今、学校間の連携・接続の重要性が叫ばれている。保幼小の連携・接続では、幼児期の教育と小学校教育との内容的・方法的な違いにより、厳然とした段差が存在する。その段差を児童にとって無理のないスムーズな連携・接続にすることが課題である。
 そこで中教審教育課程企画特別部会の「論点整理」に示された「学びに向かう力」(「意欲」、「自己調整力」、「協調性」などの非認知的能力のことを言う)の育みを核とした実践に取り組み、保幼小連携の課題解決に迫った。
1 個を受け止め、個と個とをつなぐ支援的姿勢
 児童は、幼稚園や保育園での遊びを通して、「学びに向かう力」を育んできた。しかし、小学校に入学し、新たな環境や人間関係の中では、その力を十分に発揮することが難しい。これは、私が7年間幼稚園に勤務し、園児の実態を知った上での実感である。そこで、まず教師は、児童一人一人との信頼関係をベースにした安心感の醸成を図った。また、休み時間に起きたいざこざは、「自己調整力」を育むチャンスと捉え、一人一人の話を聞きながら、お互いの思いを受け止め、思いをつないだ。さらに、困っている児童がいれば、「協調性」を育む場と捉え、全員で自分のこととして考える、話合いの場を設けた。
2 「やってみたい」「もっとやりたい」という児童の思いを育てる授業
 入学したばかりの児童は、どの教科であれ、「やってみたい」「楽しそう」と意欲的に取り組む。しかし、教師主導の一方的に教える授業だけだと、その意欲は低下していくことがある。そこで、生活科の「わたしのあさがお」では、五感を使って観察することや比較して考えることを教師が前もって教えるのではなく、それらの視点で観察していた児童のつぶやきや記録をピックアップし、何がすごいのか考えさせる場を設定した。さらに、他の児童がそれらの視点に気付き、発見したことを認め、「意欲」の向上を図った。
 私の保幼小連携の取組は道半ばである。「学びに向かう力」で幼保小の学びをつなぎ、さらなる育みを保障するスタートカリキュラムの作成を目指し、今後も研究していく。

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「教育実践」
なわ跳びの技能を向上させる授業に関する研究
〜効果的なBGMのある場を取り入れた実践〜
新潟市立巻北小学校
小林 優介

  短なわで二重跳びを行うには120回/分の速さで前回し跳びをする必要があると言われている。できる技を増やすためは前回し跳びの技能向上が必要である。
 これまでのなわ跳び指導では、児童一人一人の跳ぶ様子を見て、体の一部(手首、膝、足など)のよりよい使い方をアドバイスすることが多かった。個別指導中心で、学級全体に対する働き掛けが十分ではなかった。また、できる技を増やすことだけを意識するあまり、技の紹介や学習カードを活用した個人練習に注力し、跳び方の精度を高める指導をしてこなかった。
 三宅一郎は「BGMが運動技能獲得時に及ぼす影響〜縄跳び運動において〜」(2002)の中で保育所の5歳児を対象に、「運動速度に適していると思われるBGMを有効に活用しながら練習を実施することによって、より効果的な技能の獲得が可能になる」と述べている。
 そこで、小学校低学年でBGMを活用した学習を進めた。その際、適切なテンポの選択が指導上重要なポイントと言える。本実践では、4カ所に異なるテンポ(80回/分、100回/分、120回/分、140回/分)のBGMが流れる場を設定した。
 どのテンポのBGMにも合わせて跳べるようになった児童は単元前と単元後の前回し跳びを比べると、跳んだ回数が増えた。その要因として、手首の回旋範囲が狭くなったり、ジャンプの高さが低くなったりしたことが考えられる。異なるテンポのBGMを授業に取り入れることで個別に指導しなくても、効率的ななわ跳びのフォームが身に付き、前回し跳びの技能を向上させることができた。
 今回の実践では、前回し跳びの技能について効果を検証したが、BGMを使うことで短なわでの他の効果についても追究していきたい。さらに、他の運動でBGMを活用した場面を設け、その効果を検証していく。

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「教育実践」
確かな技能の向上と思考を促す授業づくり
〜1年生 マットを使った運動遊びを通して〜
新潟市立越前小学校
我妻 善和

  小学校学習指導要領解説体育編より、「積極的に運動する子どもとそうでない子どもの二極化」が改善すべき事項としてあげられている。子どもたちが、体育授業においてどのようにすれば意欲的に運動に取り組み、そして、技術の向上につながるかが課題であると考える。そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 ストーリー性を盛り込んだ授業構成
 子どもの意欲向上につなげるため、マットランドの大冒険というストーリーを作り、マットランドを制覇していくという内容で授業を進めた。各ランドは設定された運動をすることでポイントを得ていくという内容にする。高いポイントを得るために、児童相互でアドバイスをして、動きのポイントを探っていく場を設定した。
 動きのポイントを探る際は、全体でポイントを共有しながら自分の言葉でまとめさせ、動きの宝箱にして掲示をしていった。
 自分たちの動きを高め、マットランドを制覇していくおもしろさを設定し児童の意欲の向上を図った。
2 個人に合っためあての設定
 毎時間、「でわかカード」を書かせ、「できたこと」「わかったこと」「かんそう」を記録させる。その中から、次時のめあてを決めさせる。自分にあっためあてを設定することは、意欲の向上につながり、できた時の喜びにつながると考える。
 また、「でわかカード」を記録する時に、自分の動きを言葉で表現させる。言葉にすることで、イメージをもたせ、目指している動きをさらに明確にできると考える。
 自分の動きを振り返り、また足りない部分をグループでアドバイスさせることで技術向上を図った。
 低学年から、「運動は楽しい」と思わせることが大切だと考える。そのために、楽しみながら運動能力が向上できる体育授業を今後も研究していく。

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「教育実践」
跳び箱運動「かかえ込み跳び」の学習における「うさぎ跳び」の有効性について
新潟市立鎧郷小学校
神子島 強

  高橋ら(2013)による器械運動に関する調査結果(24小学校の中学年・高学年1884名と、8中学校の1928中学生を対象)⁽¹⁾によると、開脚跳びと台上前転が70%の平均達成率であるのに対して、かかえ込み跳びの平均達成率は跳び箱横置きで60%、縦置きでは47%と報告されている。かかえ込み跳びの練習として「うさぎ跳び」が挙げられ、様々な文献で有効性が指摘されている。しかしながら、うさぎ跳びの動きの習熟度が、かかえ込み跳びの習得にどのように影響しているのかは明らかにされていない。本研究では、「うさぎ跳びの動きの質を高め、応用していくことで、かかえ込み跳びの技能が高まるであろう」という仮説のもとに、目指すうさぎ跳びの姿に近づけるための学習ステップ(ステップ1〜3)と、うさぎ跳びをかかえ込み跳びに応用させるための学習ステップ(ステップ4〜7)を用いた授業実践を行い、検証した。
 全7時間の授業実践におけるかかえ込み跳びの達成率は、横置き(3段50cm)で93%(27名)、縦置き(4段60cm)で62%(18名)であった。ステップ2にとどまった児童は4名、ステップ3にとどまった児童は2名であった。この6名以外の児童は、ステップ7までを滞りなく達成し、体の投げ出しと手の突き放しが大きいうさぎ跳びに近づいた。また、児童の内観記録からも、ステップ2〜5でうさぎ跳びの動きのコツをつかんだことが、その後のステップやかかえ込み跳びにつながったことが確認された。なお、第4時終了時点で学習ステップの中途にとどまった児童6名については、第5時から跳び箱の横跳び越しからの学習方法に変更して指導を行い、第6時で1名、第7時で3名が横置きでのかかえ込み跳びを達成した。
 これらの結果より、本研究で考案した学習ステップに基づく授業実践は、うさぎ跳びの動きの質を高め、かかえ込み跳びの技能向上につながるものであったと言える。授業でかかえ込み跳びを達成できなかった2名の児童の学習過程を検討し、学習ステップを充実させることが今後の課題である。
【文献】
(1)高橋健夫(2010)「体育科のナショナルスタンダード策定の試みとその妥当性の検証,科学研究費基盤研究A研究成果報告書」,pp.199−243

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「教育実践」
投力の向上及びネット型ゲームへの発展を想定した新教材の有効性
〜小学校1年生ゲーム領域におけるボールゲームの実践を通して〜
新潟市立新潟小学校
橋 正志

  子どもたちの運動能力の低下が言われるようになって久しい。特に投力は、低下及び個人差が著しい。そのため、高学年で行われるドッジボールやベースボール型ゲーム等の授業で「ボールを持っても投げようとしない児童の姿」が、よく見られることにつながると考える。また、ゲーム領域の系統的な学びを考えたとき、中学年のネット型ゲームへ発展するような低学年での教材がないという問題点がある。その結果、高学年で行われるソフトバレーボールの授業で「棒立ちでボールを見送る児童の姿」が、よく見られることにつながると考える。
 上記の2つの課題の解決を目指し、本実践では、主に次の3つの指導の手だてを講じた。
1 教具の工夫
 ボールの代わりに、ビニール袋に緩衝剤を入れた物(マシュマロボールと児童が命名)を使用した。通常のボールよりも落下速度が落ち、捕球するための落下地点への移動が容易となる。また、180cmのネットを越えて、ねらった所へマシュマロボールを落とすためには、肘を高く上げた状態から振り下ろして投げる必要性が生じた。
2 簡易化した規則の提示
 チーム戦であるが、コート内で1対1となる規則を提示した。相手が投げ込んだマシュマロボールを捕球し、相手コートへマシュマロボールを投げたらコート外で待つ同チームの人と交代する。これにより、全員に「投げる」「キャッチする」機会を保証した。
3 「動きのコツ」の共有化
 単元を通して、「投げるコツ」を問い、思考する場面を設定した。さらに児童の見付けたコツを全員で試した。投力の技能の向上と共に、単元の途中から、「キャッチするコツは何か。」を問い、思考する場面を設定した。「投げるコツ」と同様に「キャッチするコツ」を全員で試した。
 本実践の結果、投力の向上及びボールの落下点へ移動する動きの習得に、一定の成果が見られた。今後も、投力の向上とネット型ゲームへの発展を想定した新教材の開発を研究していく。

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「教育実践」
低学年の器械・器具をつかっての運動遊びにおける思考を伴う感覚づくりの工夫
〜オノマトペと運動の組み合わせを手だてとした鉄棒を使った運動遊び〜
新潟市立東山の下小学校
近藤 拓自

  器械運動領域においては、非日常的な運動で構成されているため、主運動につながる易しい感覚づくりの運動を行い、技を行う前段階としての基礎的な感覚づくりを意図的に取り入れていく必要がある。これまでの実践では、教師が様々な感覚づくりの運動を設定し、ゲーム化・得点化することで、子どもたちは楽しみながら運動に取り組み、その後の器械運動の技の習得に必要とされる多くの感覚を身に付けていくことができた。
 しかし、これまでの私の授業では、子どもたちが遊びの中で楽しみながら感覚を身に付けていくことを重点として捉えていたため、教師主導で運動を行わせることが多く、体育における思考する力を育てることに対しては意識が薄かったように思われる。そこで、低学年の「鉄棒を使った運動遊び」の授業において、思考する力を高める実践ができないかと考えた。
 本研究では、低学年の器械運動領域における思考を「自分の体の動かし方に目を向け、そのときの状態を簡単な言葉で表現できること」「自分の力に合った運動を選択し、遊び方を工夫すること」とし、それらを高める2つの手だてを考えた。
1 自分の動きをオノマトペ化する「まほうのことば」
 低学年のうちから思考をはたらかせながらよい動きを追究していくことができるように、自分の動き方の感じを「オノマトペ」で表現していく活動を取り入れていく。自分の課題となる運動のオノマトペを考えることで、体で感じた自分なりの運動のコツ(タイミング、力の入れ具合、体の動き)に目を向け、思考していく姿が見られると考えられる。
2 感覚づくりの運動を組み合わせて行う「変身鉄棒」
 感覚づくりの運動の組み合わせを考え、様々な動物に変身していく動きを発表する活動を組む。自分の力に合わせて動きを選択し、試しながら順序を考えることにより、感覚づくりの運動遊びを工夫しながら取り組み、思考する力を高めることができないかと考えた。
 これらの手だてにより、低学年の器械・器具を使った運動遊びにおいて、思考を伴った運動をする姿が見られた。

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「教育実践」
体育「表現」を苦手にしている児童が、自信をもって表現することができる指導
〜「アイディアボード」と三つの「間」の活用を通して〜
新潟市立葛塚小学校
本間 伸吾

  表現は、数値的な「できた・できない」の優劣がないため、運動が得意な児童もそうでない児童も自信をもって自己表現したり、活発にかかわり合ったりして取り組める魅力的な領域であると私は思っている。しかし、これまでの私の指導では、どう動けばよいか分からずに動けなくなり、表現を「苦手」と感じる児童が少なからずいた。その原因は「自分の動きが明確になっていない」「どう動けばよいかを思考する力が足りない」の2点であると分析した。そこで、本研究では、自分の動きを明確にさせるための「アイディアボード」と、よい動きについて思考を促すための3つの「間」の2点の手だてを取り入れて指導した。
1 「アイディアボード」について
 「アイディアボード」とは、ホワイトボードを活用して、自分たちが考えた表現の動きを記す教具である。「走る」「跳ぶ」などの基本的な表現の動きはあらかじめマグネット板にしておく。その他の動きは直接書くようにする。「アイディアボード」で動き方を考えたり動く順番を検討したりすることで、自分の動きを明確にすることができる。
2 3つの「間」
 3つの「間」とは、「空間」「時間」「仲間」のことである。これらを「低く⇔高く」「速く⇔遅く」「一人の動き⇔相手に合わせた動き」などと対比した変化のある動きとして意識させる。動きを工夫する時の視点を与えることで、「どう動いたらよいか」という思考を促す手だてとなる。その結果、三つの「間」を意識して動くことで、児童一人一人の動きが広がると考える。
 これら2点の手だてを取り入れて指導した結果、以下の点が明らかになった。
 「アイディアボード」を活用することで、動きの材料が増え、動きが明確になり、児童が自信をもって表現する上で有効であった。但し、3つの場面をつなげて発表の場面にする活動では、「アイディアボード」の活用に工夫が必要であった。
 3つの「間」を意識させることが、よい動きについて思考を促し、自分の動きを広げることにつながった。動きが広がった児童は、自信をもって表現できるようになった。

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「教育実践」
生活経験に基づいた授業づくりと指導の工夫
〜生徒の自立を目指した献立づくりと調理〜
新潟市立小針中学校
諸橋 利香

  私たちの生活を支える技術や知恵の伝承は、かつては、その多くが家庭や地域において行われ、様々な人とかかわり、実体験を通して生活に必要な知識や技能、判断力などを身に付けてきた。しかし、社会生活は日々変化し、それに伴って家庭生活も多様化している。食生活においては、ライフスタイルの変化から、外食産業に頼ることも多く、食品の選択や調理、食事の取り方に大きな変化が見られる。これらのことから、生徒が自立して生活を営むためには、基礎的な知識・技術を身に付けることに加えて、生活に必要な技術や情報を自己の生活の状況に応じて適切に判断し、選択することが必要となる。そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 調理実習における学習内容(知)と実習内容(技)を結び付ける「学びの足跡シート」の活用
 生徒は、これまでの調理実習と経験を通して、調理技術を高め、自立した日常食の調理が出来ることを目指している。授業では、自立のために一人で調理を行うマイクッキングにおいて、調理技術のレベルアップを目指した献立を考えている。しかし、今までの調理場面では、調理手順や、段取りに整理がつかず、作業に無理や無駄がある。そこで、これまでの調理実習の学習内容(知)と実習内容(技)を結び付け、今後の学習への見通しを立てるための「学びの足跡シート」を用いる。それを用いることは、今までの学びや自分の課題や考えを可視化させ、学習内容が整理しやすくなると考える。また、自己の知と技の成長を実感し、新たな課題を見いだすことで、より現実的で自立した日常食の調理に向かう意欲と技術を高めることが出来ると考え、「学びの足跡シート」を活用した。
2 協働学習の充実
 献立を作成、決定するまでの学習活動では、班で交流・検討する場面を設定する。これらの協働学習は、個人の生活経験から学ぶ知識や技能の差を、仲間同士で補完し合うことができる。そして、仲間と様々な観点を基に、合意形成を図ることで、自分たちの調理技術を向上させるためのより現実的な献立の作成や、それに伴う食品の選択などを予想し、提案することができると考える。学習活動の終末には、個の生活に返して、自分の食生活にとって「今出来ること」と「必要なこと」を整理させる。そうすることで、自分の生活環境や食生活、調理技術に合った献立に修正を加え、班で話し合ったことを根拠に、自分の献立について説明することができるよう、協働学習の充実を図った。
 研究を進める中で、生徒は成果と次の課題に対する、確かな実感をもって学習に臨んでいる。生徒の生活がより自立し、生活の多くの場面で自分にとって適切な判断ができたり、仲間と共に、最適解を創り出することができたりするよう、今後も研究を継続させたい。

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「教育実践」
音色や語感を大切にした「音楽づくり」を通して音に敏感な子どもを育てる
〜1年生の音楽づくりの実践を通して〜
新潟市立巻南小学校
渡辺 ゆみ子

  小学校1年生の音楽では、即興的につくった音をまとまりのある音楽に構成する「音楽づくり」の指導が難しいと感じている。私は、1年生の子どもたちにとって親しみやすい声や身の回りの音を使って音楽づくりを行った。
 1年生がまとまりのある音楽を構成するために、4つの手だてを講じてた。
【手だて1】常時活動で音に対する関心を高めて、音遊びを楽しませる。
【手だて2】オノマトペを用いる。
【手だて3】鑑賞曲から速度やリズム、音色など、音楽を形づくっている要素や反復、問いと答えなどの音楽の仕組みに気付かせる。それらを生かしながら、音のモチーフをまとまりのある音楽へと構成させる。
【手だて4】段階を踏んでワークシートを用いて、音楽を可視化する。
 それらの手だてを講じて行ったのが、以下の実践である。
【実践1】「いろいろな声にしたしもう」〜動物がお話をしているかんじの音楽をつくろう〜動物の鳴き声や動く様子を擬音語に表して、動物がお話をしているような音楽をつくる学習。ワークシートを用いて可視化した。(平成26年度)
【実践2】「おいしい音の音楽」自分の好きな食べ物を食べているときの様子や音を擬音語で表す。それを音楽へと構成する学習。鑑賞曲から音楽の要素を聴き取らせた。(平成28年度)

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「教育実践」
即興的な表現活動を位置付けた旋律づくり
新潟市立亀田東小学校
山田 やしほ

  「児童が様々な音と新鮮な気持ちをもってかかわり、音の面白さに気付いたり、その響きや組合わせを楽しんだりしながら、様々な発想をもって音遊びをしたり即興的に表現したりする能力及び音を音楽へと構成していく能力を高める」ことが大切である。小学校学習指導要領解説音楽編においては、音楽づくりの活動の指導について以上のように明記されている。つまり、音を音楽へと構成することと同時に音と触れ合い様々な発想をもたせることが重要であるということである。
 しかし、これまでの私の音楽づくりの授業では、思いや意図をもたせて音を音楽へと構成することに重点を置いた授業が多かった。その反面、音とたっぷり触れ合う活動が不十分であり、発想を十分に広げる前に音楽づくりに入ることが多かった。そこで、発想を十分に広げるために、音楽づくりの活動に即興的な表現活動を位置付ける。今回は音楽づくりの中の旋律づくりに絞った実践とする。
 即興的な表現活動のどのような位置付け方が、旋律づくりにおいて発想を広げるために有効なのかを視点として、次の仮説と手だてで解決に迫った。
 <仮説>
 即興的な表現活動を位置付けることで、児童は様々な発想をもち、旋律をつくることができるだろう。 
1 音を順番に増やした旋律づくり(中学年前期)
2 価値付けや旋律のモデル提示(中学年前期・中学年後期)
3 拍の流れに乗った表現活動(中学年後期)
 即興的な表現活動を以上の3点の手だてを組み込んで行うことで、旋律づくりにおける発想を広げるための有効性を検証していきたい。

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「教育実践」
ロールプレイを核にした段階的な指導を通し、自分の思いや考えを伝え合い、会話を継続できる生徒の育成
新潟市立東新潟中学校
西片 宣明

  2013年12月に文部科学省が公表した「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」における「グローバル化に対応した新たな英語教育の在り方」で、中学校では「身近な話題についての理解や簡単な情報交換、表現ができる能力を養う」とあり、それに対応した指導が求められる。
 これまでの私の指導を振り返ると、生徒が相手の発話に応じて対話を続けるという活動がなされておらず、パターン・プラクティス化した活動にウエイトを置いていた。また、その活動は目標言語材料を習得させるための会話の活動にとどまっていて、コミュニケーションのための会話の活動ではなかった。その結果、生徒が単語や文法を理解できてもそれらをコミュニケーションの中で活用できていなかった。
 そこで、コミュニケーション活動の指導方法を見直した。毎時間の帯活動としてショート・カンヴァセーションタイム(SCT)と名付けた時間を設け、「弾丸インプット」を行う。この「弾丸インプット」は質問とそれに対する答えから成り、さらにその発展練習として一方が質問し、もう一方は直接的な答えとそれに関連した文をもう一文言う。そして、単元ごとに話し相手が言った内容を考えた上で答え、さらに対話を続ける「ロールプレイ」を行う。それによって、自分の考えや思いを伝え合い、会話を続けられるようになるであろうと考えた。
 生徒が自分の考えを述べることができるようなモデル対話を「弾丸インプット」で行い、そこで身に付けた事柄をもとに「ロールプレイ」をする。「弾丸インプット」を継続的に行うことで対話を続ける素地を養い、「ロールプレイ」で長い対話の「やりとり」(TurnTaking)ができることを目指した取組である。

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「教育実践」
児童の思いや願いを大切にしながら、生命の尊さを実感させる飼育・栽培活動
新潟市立山田小学校
二野 憲子

  児童の直接的体験が減っている。その中で、生きた教材である動物・植物の飼育栽培活動は、意義深い。このことは中教審のまとめにも明示されている。
 しかし、長期間の飼育・栽培単元では、児童の興味・関心がとぎれやすくなる。また、教師は、世話をさせるだけ、自由に観察させるだけの漫然とした指導をしがちである。そのため、一人一人の個別的な気付きは生まれるものの、他とのかかわりによる学びが深まりにくい。
 そこで、モルモットの飼育、アサガオ・野菜栽培活動において、次の2点からその解決に迫った。
1 思いや願いを実現する活動を適切に位置付ける
@個々の思いや願いを表出する活動を位置付ける
 モルモット引継ぎ時の1・2年交流で思いや願いを伝える。モルモットの誕生日パーティーでモルモットへの親しみの気持ちを表出させる。
A個や集団で選択・意思決定する場を設ける
 モルモットを飼いたいのか、引継ぎをしたいのかについて学級で話し合う。また、アサガオの種、野菜の種類、種から育てるか苗から育てるか、鉢の形や大きさを選択させたり、アサガオの間引き・つるでのリース作りの意思決定をさせたりする。
B生き物のためによいことを考え、進んで行う活動を位置付ける
 植物の成長の状態に合わせた適切な世話をさせる。
2 自然の不思議さや面白さに気付かせる活動を位置付ける
 獣医師による健康診断に立ち会ったり、モルモットの心音を聞く体験をしたりする。アサガオの種の中やアサガオ・野菜の体の観察をしたり、野菜の秘密クイズ大会をしたりする。
 これらの手だてにより児童は生き物への親しみをもち、生命の尊さを実感することができる。

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「教育実践」
専門性を生かし、学校を活性化させる「サイエンスコーディネーター」
〜意欲的な職員集団の育成と理科好きの児童を目指して〜
新潟市立早通小学校
斎藤 隆

  新潟市立早通小学校は、昨年度まで新潟県小学校教育研究会から理科の指定研究を受けていた。私は、教務主任をしながら「サイエンスコーディネーター」という立場で理科教育の推進に力を入れている。「サイエンスコーディネーター」とは、理科の指導経験が少ない職員や理科指導に苦手意識をもっている職員を支援する役割を担う校務分掌である。各学級の支援ができるよう、生活科・理科にTTとして入る時間を確保している。実践を通して、意欲的な教師と理科好きの児童を育てたいと考えた。
 「サイエンスコーディネーター」としての取組は以下の視点で実践してきた。
1 職員の負担を軽減する取組
 教材園整備の支援・観察の支援・授業準備の支援
2 職員の指導力向上と理科の授業を充実させる取組
 単元を通したTTで担任の指導力向上を図る・部分TTで担任の指導を支援
3 意欲的な職員集団の育成を図る取組
 教材研究を一緒に行うことやバックアップの会で担任の思いを具体化し授業をつくる支援
4 理科好きな児童を増やす取組
 教務室前の廊下に「理科コーナー」を設け、季節の変化に応じた展示の継続サイエンスコーディネーターとして実践したことについて、研究大会でアンケートを行った結果、参加者から100%の肯定評価を得ることができた。さらに、次のような成果が見えてきた。
1 意欲的な職員集団を育成することができた。
2 自然に興味・関心をもつ児童を増やすことができた。

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「教育実践」
生徒の思考力・判断力・表現力を高める指導
〜予想の交流場面の工夫を通して〜
新潟市立光晴中学校
山田 裕

  生徒が理科の実験・観察に主体的に取り組むためには、生徒に目的意識をもたせることが大切だと考える。私の授業を振り返ると、実験・観察の目的が分からず結果を見落としたり、考察で何を考えてよいか分からなくなったりする生徒がいた。このような目的意識をもてずに実験・観察に取り組ませていると、生徒の思考力・判断力・表現力を高めることは難しい。
 そこで、生徒に目的意識をもたせ、思考力・判断力・表現力を高めることを目的として、実験・観察の予想を交流する場面を次のような手だてで工夫することとした。
1 予想の交流方法の工夫
 まずは生徒の立てた予想を交流させる。予想の違いから、根拠や考え方の違いに注目させ、根拠や考え方も交流させる。交流によって自分の考えを強化したり、考え方の妥当性を判断したり、自分の表現を工夫したりするなどして、説得力のある説明に変わっていく。
 また、ワークシートを工夫し、じっくりと考えられるようにした。交流後の考えを記入する欄を設け、意見の変更を肯定的に捉えられるようにした。
2 予想を仮説に高める手だて
 実験や観察で生徒全員が仮説を立てられるわけではなく、なんとなくそう思った、という生徒も必ずいる。この生徒に既習事項を確認させたり、生活体験で似たようなものがないかという視点を与えることで仮説を立てる支援とした。
 また、予想の交流を行わせることで予想の違いに気づかせ、その予想を考えた理由を引き出し、予想を仮説に高められるように指導した。
 交流後には自分の予想や仲間の考えに対して根拠を探したり求めたりする姿が見られ、思考力や判断力の高まりが見られた。ワークシートの記述も理科用語などを適切に用いて表現する生徒が増加した。

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「教育実践」
考える足場のある授業づくりをすることで、見通しをもって自力解決できる子どもを育てる算数指導
新潟市立巻南小学校
本間 陽平

  私が担任している児童は、算数において活用力を問われる問題を解決するときに、今まで使った知識を積極的に使って考えていける児童と、誰かが答えを導き出すことを待ち、その後ノートに写すなどで学習を進める児童とに二極化している。どちらも学習内容を習得することはできるが、活用力を必要とされる問題では、前者はよく考え今までの知識を使うなどして意欲的に解いている。一方、後者は全く手を出さずに手が止まってしまっている状況が見られた。この状況を何とか解決するには「考える足場」を意識した解決方法を身に付け、どう考えればよいのか見通しをもって問題を解く必要があると感じた。
 本実践では、『算数科における「考える足場」をつくる算数科授業の創造(石田淳一、2006)』に着目し、児童が問題を自力解決していく算数授業のあり方を提案する。
【手だて】
1 主問題1を解く・・・学習内容の基礎を身に付ける
 1単位時間の中で学ぶべき学習内容や、活用問題を解く際の考える足場となる問題を用意し、解きながら、基礎・基本を身に付ける。解く際に、子どもと教師で集団解決する。
2 主問題2を解く・・・活用問題を自力解決する
 学習内容の問題を考える足場を使いながら、自力解決で問題を解く。問題を解くときに、数学的な考え方(一般化など)を使って解けるような問題を設定することで、+αの力を身に付けることができる。

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「教育実践」
算数科における授業のフレームワークを活用した授業改善
〜二次元表を用いた考えの整理を中心として〜
新潟市立小針小学校
柳 健

  確かな学力を身に付けさせるために日々の授業改善を欠かすことができない。しかし、それが特殊な方策であったり、特定の教師にしかできないものでは意味がない。問題解決学習を柱に経験を問わず、特殊な方策に頼らない授業改善の方策を提案したいと考えた。
 そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 授業のフレームワークの定着
 展開のさせ方(授業のフレームワーク)をある程度固定し、繰り返し授業を行う。これにより、「次にグループ学習に入るからそこで同じグループの仲間に聞いてみよう。」「全体発表が終わったら復習の問題を解くだろうから、次は別の〇〇の方法でやってみよう。」児童は次の展開を踏まえて学習に臨むことができる。
2 二次元表を用いた考えの整理
 問題解決に当たり、縦に解決の方法、横に考え方を項目立て、二次元表の形で提示する。児童自ら黒板上に提示されたこの二次元表に自力解決のワークシートを分類・整理させる。これにより自身が選択した解決の方法と考え方が全体の中でどう位置付けられるのかについて気付かせると同時に俯瞰的な見方を促していく。
 問題解決学習を通し、学び方を身に付けられるような授業改善を今後も研究していく。

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「教育実践」
主体的・協働的な算数授業へのアプローチ
〜類比的推論の3つのタイプに着目して〜
新潟市立亀田小学校
梅津 祐介

 次期学習指導要領に向けての教育課程改革の動向は、諸能力育成に重点を置いたものとなっている。このような動向の中で学校教育に期待されていることは、課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学習を重視した教育の展開である。つまり、授業の流れのどこでも全ての児童が自分の考えを表明でき(主体的な参加)、児童同士で話し合う中で自分の考えをつくっていく(協働的な学び)ことができる授業への転換を図ることが求められているのである。
 通常、当面した問題解決のためには、自分がもっている既習事項をうまく活用する作業がなされる。そこで働く思考は、帰納的推論と並び発見的推論と呼ばれている類比的推論である。「全ての児童」の授業への参加を目指すには、類比的推論が必須となる。ただし、この類比的推論には3つのタイプがあり、タイプによって教師の働き掛けも異なるだろう。
 以上のことから、主体的・協働的な学びを実現するためのアプローチを類比的推論に求め、教師の働き掛けのあり方を明らかにすることを研究の主題とし、以下の3点について考察を進める。
1 児童の類似性の判断はどのように行われるか。
2 1にかかわって、教師の働き掛けはどうあればよいか。
3 2にかかわって、児童の授業への参加の仕方はどう変わるか。

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「教育実践」
算数的表現力を高める指導の工夫
〜ユニット式説明で論理的思考力を鍛える〜
新潟市立鏡淵小学校
田村 健志

  「児童の算数的表現力を高めるにはどうすればいいか」を算数指導の柱としてこれまで実践してきた。その意義は、次の2点である。
1 学習指導要領の算数的活動の中に、説明する活動が具体的に示された。また、全国学力・学習状況調査のB問題では、自分の考えを説明する問題を中心として出題されている。以上のことから、算数的表現力は、今日の算数指導において、強く求められている力である。
2 自分の考えを友達に分かるように説明できるようになった時が、児童にとって確実な理解がなされた時である。
 しかし、算数的表現力を高める指導法は、教師の高い力量が必要だったり、導入するに当たって時間を大きく割かなければならなかったりするため、誰もがすぐに実践できるものではない。
 そこで、誰もが容易に導入していける指導法を次の2点を切り口にして探ることにした。
1 算数的表現力を高めるために有効な説明のさせ方の工夫
 話し言葉での説明(リレー説明)を鍛える場と書き言葉での説明(ユニット式説明)を鍛える場を区別し、意図的・計画的に設定する。
2 算数的表現力を高めるための指導過程の工夫
 ユニット式説明を導入し、論理的思考力を確実に鍛えられるように一単位時間内の指導過程を適切に設定する。
 以上の手だてを4学年の2単元で実践し、有効性を検証した。その結果、次の成果が見られた。
・ユニット式説明法をすることは、算数的表現力を高めることにつながると考えられる。特に、難しい説明ほど有効である。
・全く説明ができない児童を大幅に減らすことができる。
・ユニット式説明をさせる手順を示したことや、準備が大変簡単になったことから、誰もがすぐに実践できる。
 今後も実践を重ね、改善を加えていきたい。
※本研究では、「算数的表現力」を「数、式、図、表、グラフ、言葉、操作などを用いながら、自分自身の思考の過程や結果を他者に説明する力」と捉える。

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「教育実践」
小学校高学年「分数の乗除」や「割合」において、問題構造をつかんで演算決定する指導の工夫
新潟市立東中野山小学校
内山 大樹

  小学校高学年の算数「分数の乗除」「割合」単元の指導は難しい。私のこれまでの指導を振り返ると、問題構造をつかめず立式できない児童、演算決定で間違えてしまう児童がいた。全国学力・学習状況調査の結果からも、小学校高学年で問題構造をつかめていない児童、演算決定で間違えてしまう児童の割合が多いことが分かる。問題構造をつかめなかったり、演算決定で間違えたりしてしまう原因の根本には、次の2つにあると考えた。「文章題を端的に表した図(ここではテープ図、対応線分図を扱う)を読む経験量の少なさ」と、「図と問題文と式を関連させて考える経験量の少なさ」である。そこで、以下の2つの手だてを単元の中で繰り返し設定し、その解決に迫った。
1 選択肢から正しい図を選ばせる
 問題文と一緒に3つの図を提示し、問題に適した図はどれかを問う。「単位が違うので、この数があるのはおかしい」「もとになる量は1になるはずだからこの図は違う」など、児童は選択肢の図の中の間違いを指摘し、図の見方を獲得していく場面、問題文と図を関連させていく場面を設定する。
2 なぜその式が正しいのか、問題文や図と関連させて説明させる
 式の正しさを、問題文や図を根拠に説明させる。演算決定の根拠を問題文の中から探したり、問題文を言葉の式に言い換えたりさせることで、式と問題文を関連させていく場面を設定する。また、同様に「比べられる量」「もとになる量」「割合」が図のどこに当たるのか考えさせることで、式と図を関連させていく場面を設定する。具体的には、選んだ図を使って説明する活動を取り入れる。
 この2つの手だてを、「分数の乗除」「割合」単元の中で繰り返し設定し、文章題の問題構造をつかんで演算決定する姿を目指した。

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「教育実践」
ジグソー法を用いた社会的事象の追究
〜事象を多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成〜
新潟市立白新中学校
山田 耀

 これまで社会科の授業で「ジグソー法」を活用してきた。「ジグソー法」とは、ある課題を解決するために、複数の追求する面を設定し、それぞれを分担して追求した上で、話合いの中で共有、統合することで答えを導き出す手法である。「ジグソ−法」は社会科で不易である社会的事象を多面的・多角的に考える力を育むことに有効である。また、この「ジグソー法」は中央教育審議会(諮問)「初等中等教育におけるアクティブ・ラーニングの取組例」の「ペア学習・グループ学習等の推進」の中で例示されており、現在注目を浴びている手法である。
 これまでの実践で、生徒は社会的事象を多面的に把握し、考えを「広げる」ことができた。しかし、思考の「深まり」については課題が見られた。(ここでの「広がり」とは社会的事象について考える際の“面”が増えること、「深まり」とは社会的事象について考える際の“視点”が増えることとする。)事象について複数の面から考えられるようにはなったが、その考え方、獲得した知識を活用する場面がなかったことが原因の1つとして考えられる。
 そこで本研究では、「ジグソー法」を用いた授業に、多角的に考察する場面として意思決定、問題解決場面を設ける。これにより、生徒の思考に深まりが生まれ、社会的事象を多面的に把握した上で、多角的に考察することができるという仮説を立てた。以下の手法を用いて検証していく。
1 生徒が授業を通して社会的事象に対する見方、考え方をどのように広げ深めたかの変容を追う
 授業前の生徒の見方と考え方、授業中における生徒の発言やノート記述、振り返りを比較することで、手だての有効性を図る。
2 複数の意思決定場面の設定
 実践の中で、意思決定場面を設けるが、1実践目では1つの立場を基にした意思決定場面、2実践目ではそれぞれの立場を基にした意思決定場面を設ける。これにより、両者を比較することで、より子どもの思考が深まる手だてを検証する。
 上記の方法を用いて検証することで、社会的事象をより多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成を目指す。また、「ジグソー法」のより有効な活用につながり、課題解決を図るアクティブ・ラーニングとしての授業改革の実例となるところにも本研究の意義がある。

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「教育実践」
叙述をもとにして読む力を高める物語文の指導
新潟市立上山小学校
伊比 祥子

 教育課程企画特別部会における論点整理(平成27年8月)では、育成すべき資質・能力の1つとして、「学びに向かう力」が挙げられた。国語科においても、学習活動を次へとつなげる主体的な学びの実現が重要となる。
 「読むこと」の物語文の学習においては、児童が主体的に読み、自分の考えを表現できるようにしていくことが大切である。しかし、叙述を基にして考えることへの個人差は大きく、何に着目したらいいか分からなかったり、根拠をもたずに読み進めたりする児童も少なくない。そこで、次の2点から課題の解決に迫った。
1 読みを広げたり深めたりするための工夫
 それぞれが役割をもって物語を読む「リテラチャー・サークル」の手法を用いた。グループでかかわり合いながら読みを広げたり深めたりすることで、個人差への対応を図った。また、物語文を読む際の手掛かりを知り、主体的に読む力の土台とした。
2 学びを生かす機会の設定
 並行読書を行い、共通教材での学びを生かせる機会を設定した。今後の学習や読書につながるよう、手掛かりをもって読んでいく経験を積んだ。
 国語の能力は、各教科の学習の基礎となる。一つ一つの取組を次へと生かし、粘り強く学びを積み重ねていかなければならない。「主体的な学び」をキーワードに、実生活に生きて働くような国語教育を今後も研究していく。

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「教育実践」
通信機器の問題と生徒の自立に関する一考察
〜小・中学生の通信機器の問題の予防・指導の実践を通して〜
新潟市立巻東中学校
幸田 真樹

  昨今、パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機を用いたインターネットトラブルが社会問題化している。メールやLINEを利用した言葉によるいじめ、悪ふざけ写真の投稿によるツイッターの炎上、個人情報の漏洩、なりすましによる性犯罪など枚挙に暇がない。しかしながら、通信機器のトラブルは目に見える表面上の部分でしかない。根本は「生徒の自立」の問題ではないかと考える。つまり、トラブルの予防・対処的な指導だけでなく、子ども・保護者・地域が一体となって問題意識を共有し、生徒の普段の生活や子どもの中の常識を考慮した上で、主体的なルールづくりを支援し、望ましい生活習慣を基盤とした「生徒の自立」を支える体制づくりが必要ではないかと考えた。
 次の2点からその解決を迫った。
1 通信機器・ゲーム機の背後にある様々な問題を生徒の普段の生活や常識と照らし合わせ、使用時のルールや危険性を段階的に考える仕組みをプログラムする。
@生徒の携帯電話(所持率37%)、ゲーム機(所持率86%)の状況をアンケートで集計し、その実態を提示し、自分たちの問題点を考え、話し合わせる。
A小学校授業で、中学校現場での実態を伝え、考える場面を設定する。
B通信機器と定期テストの相関関係を生徒に提示し、意識を高くもたせる。
Cインターネット普及の歴史的背景(法整備が追い付かない)から「トラブルは起こって当然」という考えをもって、その使い方について学ぶ場を設定する。
2 学校・保護者・地域社会での子どもを支える既存の組織の協力を得る。
@PTA総会や地域懇談会、中学校入学説明会や地区育成協議会で、保護者だけでなく、買い与えている家族(主に祖父母)にも意識を高くもたせる。
A保護者アンケートを実施(生徒は過少申告)し、使用時間を明確にすることで、無駄に過ごした時間の多さを実感し、保護者の困っている様子を伝える。
 インターネットの世界も含め、いつの時代も人はつながりを求めている。今後も「あなたが大切」と心に訴える部分と、目に見える記録を取ること(無駄にした時間を記録する「家計簿」のような「時間簿」)を組み合わせることで、自分の生活を主体的に見直し、友人相互の関係から望ましい通信機器・ゲーム機との付き合い方の支援をしていきたい。

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「教育実践」
児童の学ぶ意欲を高めるための研究
〜受容感のある集団づくりを通して〜
新潟市立桃山小学校
佐久間 甲

  本実践では、意欲的に学ぶ児童の育成を目指す。そのために、心理教育を用いたアプローチと相互理解を深める教科指導の手だてを講じ、児童が学級への受容感を高めていくことをねらいとする。
 学習意欲の重要性についてはこれまでの研究やデータ、様々な書籍に散見されるものである。その中では、生徒指導の三機能を生かした学習指導が意欲の向上に有効であることが明らかにされている。また、この学ぶ意欲を支える三要素は並列ではなく、「他者受容感」の高まりに支えられて、「自己決定感」「有能感」が高まっていく関係性にあることも指摘されている。そこで私は、心理教育を用いたアプローチと相互理解を深める教科指導の手だてを講じることとした。学校生活の大半の時間を占める授業の中でも2点を大切にしていくことで、授業の中でも他者受容感を高めていくことができると考えた。相互理解を深める教科指導の手だては以下の2点である。
1 学ぶ姿勢「学び名人の3つの力」
 3つの望ましい姿勢(言葉や態度)を児童に示した。その際、児童が理解できるようにイラストを交えてなぜそのような力が必要なのかを説明した。3つの力とは「区切って伝える力」「反応する力」「自分のもやもやを聴く力」である。
 授業の振り返りの中で、上記の学びの姿を自己評価させることで、3つの力を使うことを意識化させた。また、友達とのかかわりについての振り返りを書いた記述は、コピーして友達の用紙の裏面に貼ることで、意欲のさらなる向上を図った。
2 授業中の児童の発言の扱い
 授業の中での発言やつぶやきに対して、「解釈を促す聴き返し」と「再現を促す聴き返し」を聴き手である児童に行った。そうすることで発言内容を全体に広げ、学習内容の理解につなげた。
 なお、友達の言いたいことを「解釈」したり、友達の考えを「再現」したりした児童は、大いに認めることで、望ましい学び(学び名人)であることを学級に価値付け定着させた。
 上記の手だての効果を、アンケート紙と児童記述の両方から検証をした。

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「教育実践」
アセスメントと指導協力体制構築にもとづく生徒指導のあり方
新潟市立早通中学校
見田 雅史

  生徒指導において発達障害特性をもった生徒が校内外で様々な生徒指導上の問題を起こすことが増えている。発達的な問題や家庭環境など要因は様々であるが、教師や周囲が本人に対して不適切な対応をすることがきっかけとなることも増えている。校内での生徒指導を考えた場合、問題行動の未然防止を含めたチームでの適切な指導や支援を行うことが喫緊の課題となっている。そこで、本実践ではアセスメントと指導協力体制構築に基づく指導の実践を進め、発達障害特性をもつ生徒への適切な指導や支援について迫っていく。
1 生徒に対するアセスメントの実施
 生徒の多面的な理解を図るために複数の教員からの情報を基に次の3つの視点からアセスメントを行った。
@能力面の把握(聞こえ方、理解力、学力)
Aリスク要因の把握(問題行動の発生や可能性を増大させるもの)
B保護要因の把握(問題行動の発生や障害の悪化を緩衝させるもの)
2 指導協力体制の構築
 関係する職員が同じ方向に向かって生徒への対応を行うため、適時修正を図りながら次の3点を基に指導協力体制を構築した。
@該当生徒の課題整理
A指導体制の課題整理
B到達目標の設定

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「教育実践」
デジタルネイティブの児童の情報モラルの意識調査及び意識向上に向けた実践検証
〜概念メタファーとILASの活用〜
新潟市立上所小学校
林 俊行

  総務省の情報通信白書によると、情報モラルなどの向上を図ることが重要であると示され、国全体の動きとして情報モラルの重要性が叫ばれている。また、文部科学省でも、道徳の内容の一つして情報モラルが位置付けられた。
 しかし、児童のIT環境やトラブルも日々変化している。生まれながらSNSなどのICTが生活の一部として育ってきた児童は、第二世代デジタルネイティブとも言われている。そのデジタルネイティブの児童に、どのように情報モラルの育成を図っていくかが課題となる。
 次の2点から、その課題に迫った。
1 デジタルネイティブに対する児童の情報モラルの意識調査
 インターネットを介したトラブルの認識性
 インターネットトラブルへの対応性
2 意識調査を基にした授業デザインの構築
 インターネットトラブルへの注意喚起
 インターネットトラブルの概念メタファー化による認知
 ILASを用いた情報モラル意識変容の評価
 今後も、ICT技術が進み、従来の情報モラルでの指導内容が変わらざるを得ない状況である。そこで、いかに児童の情報モラルの意識向上を図るか試みを続けていく。

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「教育実践」
通常学級に在籍する特別支援を要する生徒への対応
〜指導連携と保護者対応〜
新潟市立上山中学校
橋 大輔

  文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(2012)によると、知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒は、推定値で6.5%と報告され、その中の38.6%の児童生徒は支援されていない可能性があることを指摘している。
 当校でも研究の対象となった生徒は障がい傾向により周りの生徒と良好な人間関係を保つことができないばかりか、阻害され排斥されるような状況にあった。また、生徒を通じて周囲の保護者にも学校の様子が伝わり、学校の対応等に対する不満から問題が複雑化し、学級担任一人での解決が困難になった。本研究はこうした事例が生じてから一定の解決がなされるまでの間で、教職員が何を困難として感じたのか(生徒や保護者のクレーム処理できないことへの困難、困難が重なることへの困難、同僚への遠慮からくる困難など)、そして、その時どのような対応をとることで生徒の様子が変容してきたのかを総括し報告することとした。

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「教育実践」
記録に基づいた生徒の対応
新潟市立鳥屋野中学校
五十嵐 勝彦

  様々な発達障がい(発達障がい傾向)を抱え、失敗や問題行動を繰り返し起こしてしまう生徒がいる。そのような様々な生徒への対応がうまくいかず、その後、さらに大きな問題へとつながることも多い。そこで、そのような生徒への対応方法を蓄積することで、その生徒または同じような発達障がい(発達障がい傾向)を抱えている生徒への適切な対応の仕方・働き掛け方を見つけることができないかと考えた。具体的には、以下の3つの取組を行い、その成果を検証した。
1 担任、学年主任、養護教諭、学年生徒指導、生徒指導主事、教頭がその日に起こったことや対応方法、気付いたこと、本人の言葉で気になったことを記録し、蓄積する。
2 1で記録したものを職員同士の共通理解資料として役立てたり、親との面談資料や外部機関への提出資料として活用したりする。
3 蓄積した資料を基に、対象生徒の抱えている悩みや繰り返される問題行動への適切な対応の仕方・働き掛け方について職員間で分析し、共通理解を図る。
 生徒は、成長の中で失敗や問題行動を起こしてしまう。そこで、蓄積した記録を教師が常に振り返り、生徒の言葉や行動の傾向を確認したり、対象生徒が考えていることを推測したりすることで、その生徒に合った声の掛け方や適切な対応の仕方が分かるようになってくる。こういった一連の取組が、問題行動への予防につながり、同じ失敗や問題行動を減らすことができると考える。

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「教育実践」
1年生における協同的学級集団の育成
〜ハッピーアプローチを取り入れたクラス会議の実践を通して〜
新潟市立大通小学校
吉澤 優

  学習指導要領では、「望ましい人間関係を形成し、集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し、諸問題を解決しようとする自主的、実践的な態度や健全な生活態度を育てる」ことを、学級活動の目標に掲げている。学級で育てたい「望ましい人間関係」とは、楽しく豊かな学級生活づくりのために、互いのよさを認め合える人間関係である。そのような人間関係が、学習や生活において課題解決に向けて協同して取り組むことができる学級集団の基盤となる。
 互いのよさを認め合えるような関係をつくるため、昨年度、高学年でクラス会議を実施した。思春期で人間関係に悩んだり、目標がもてず自分の力を発揮し切れなかったりと、課題が多かったが、以下のような成果があった。
・友達を信頼し、悩みを話したり解決方法を考え合ったりすることができた。
・学級のために、一人一人が役割をもって当番活動や係活動(会社活動)に励んだ。
・不登校の児童が、教室に入りたいと願いをもって登校し、クラス会議や児童会祭りに参加することができた。
・協同学習に進んで取り組み、友達と学ぶことを楽しむ児童が増えた。
 クラス会議を通して、自分ができることに取り組み、個々が役割をもって学級のために活動することができる「協同的学級集団」へ成長することができた。
 さて、人間関係形成が不得意な低学年では、クラス会議を通して、互いのよさを認め合える人間関係を構築し、協同的学級集団へ成長することはできるのだろうか。その手だては、どのようにすればよいのだろうか。
 クラス会議は、児童に社会で生きる力を育てるための方法の1つであると考える。そして、「ポジティブディシプリン」に基づく働き掛けであることを、教師が理解して取り組む必要がある。学校生活の課題に、教師が児童と同じ目線に立って向き合い、児童が主体的に課題を解決していくことを支援して自信と力を伸ばしていく指導法である。児童は、できることを認められたり、可能性があると励まされたりすることを通して安心感を感じ、やる気をもって問題を解決しようとしたり、友達の役に立つことに挑戦したりできると考える。
 本実践では、話合いの経験が未熟な1年生に、教師の肯定的な働き掛け(「ハッピーアプローチ」)を通してどんな学級にしたいか、どんなことをすれば友達のために活動できるか具体的に考えさせながら、友達と望ましい関係を築きながら成長する姿を目指す。

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「教育実践」
問題解決的な学習を取り入れた道徳授業の指導法の工夫
〜シンキングツールを用いて問題場面を多面的・多角的にとらえ最適解を考える児童を目指して〜
新潟市立関屋小学校
滝澤 隆幸

  問題場面に遭遇した際、一つの立場からだけでなく複数の立場から問題場面について捉え、「Win-Win」の解決方法または解決までのプロセスを思考できる子どもを育てる。
 そこで、問題場面を捉える学習活動において、シンキングツールを用いて思考させることを通して問題場面を多面的・多角的に捉え、その上で最適解を吟味する授業を行う。
 そのために、次の手だてを講じて授業研究を継続する。
1 子どもが課題に向き合い、教員や他の子どもとの対話や討論などを行うことを通して、内省し、熟慮し、自らの考えを深めていく学習プロセスである「問題解決的な学習」の継続実施
2 子ども一人一人の思考を可視化し、共有化するための「シンキングツール」の使用
3 授業後、子どもに「どうしてその解決方法(または解決までのプロセス)を選択したか」を問い、子どもが記述した中にねらいとする道徳的価値が表れてるかの評価
 こうすることで、子どもは問題場面に対し一つの立場からだけでなく、いろいろな立場に立ち、問題について多面的・多角的に思考し、「Win-Win」の解決方法、または、解決までのプロセスを思考し、かつ吟味することができる。
 このような道徳授業を継続することを通して、自ら問題解決に取り組もうとする子どもを育てる。

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「教育実践」
中学校における授業改革を目指した職員研修の取組
新潟市立小須戸中学校
古市 茂

  「何を追究するのか」を生徒が意識できるとともに、授業の終末においては「何を学んだのか」も自覚できる授業を目指して、無理なく継続した取組が進められるよう、職員研修の内容を工夫してきた。その実践について述べる。
【取組の具体例】
1 職員が授業改善の研修へ取り組みやすくするための環境整備
2 職員が何のために研修するのかを考え、思いを共有するためのファシリテーション
3 職員が疑問を解決したり、新しい考えや方法を共有したりするための研修会の設定
4 職員が教科の壁を取り払い、継続した研修を進めるためのチーム編成の工夫
5 職員が教科や経験の差を埋めて検討できる協議題の設定
6 職員に生徒との放課後活動を補償する20分ファシリテーションの実施
7 生徒・教師による学校評価の実施と結果(成果と課題)の共有
【取組による成果】
1 「学習課題」と「まとめ」を取り入れた授業改善が進んできた。
2 課題解決のための「かかわり合い活動」を行う授業が増えてきた。
3 授業改革に対する職員の意識変化が進み、授業をつくる観点が全職員で共有されてきた。
4 3によって教科の枠を越えた授業検討が可能になった。
5 普段から教務室での授業の話題が多くなった。
【取組による課題】
1 各教科で身に付けるべき力を明確にした「ねらい」や「まとめ」の設定を工夫する。
2 学習のねらいに向かうような「かかわり合い活動」を位置付ける。
 研修会などでは、何よりも職員がよい表情でグループ協議を行う姿が見られ、短時間の検討が可能になった。また、様々な教育活動でも、抵抗なく生徒にファシリテーションの手法を取り入れた活動を展開している。
 また、生徒の意識調査からも、授業が変わったことを実感している生徒が多いことが分かった。それらを再び全職員で共有、検証しながら、更に生徒の成長につなげられるように研修を推進している。

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「ときわ教育奨励賞」
専門性を生かし,学校を活性化させる「サイエンスコーディネーター」
〜意欲的な職員集団の育成と理科好きの子どもを目指して〜
新潟市立早通小学校
斎藤  隆

 長年にわたり,天文分野を中心として理科指導の研究実践を積み重ねてきており,新潟県,新潟市の理科教育振興にも授業実践の発表,指定研究の牽引役として貢献しており,「サイエンスコーディネーター」としての実践と成果はその集大成ととらえることができる。
  理科指導に苦手意識をもっている職員を支援することにより理科の授業を充実させ,理科好きな子どもを育てることに大きく貢献しており,「チーム早通小学校」としての職員集団の意識の高揚にも寄与している。今後の成果と普及が大いに期待できる実践である。

TAGS ;  新潟    小学校    理科    ときわ教育奨励賞    平成27年度



「ときわ教育賞」
子どもを笑顔にするために
〜意識的に教育活動に「出会い」を組み込み、子どもたちに意味ある経験(学び)をもたらす〜
新潟市立江南小学校
井口 昭夫

 JICA,新潟県青年海外協力協会,NPO法人やNPO等,関係する諸団体への活動に参画したり連携したりしながら,組織的に研究・実践を進めており,国内外への社会貢献度が高い。
 勤務校においても,実際に海外の子どもたちと交流する活動を継続して実践しており,子どもの創意工夫を大切にしながら「出会い」体験での学びを経験化している実践は高く評価できる。

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「教育実践」
対人関係がうまくいかない児童への理解と対応
〜学校適応感から糸口を探る〜
新潟市立東山の下小学校
竹松 譲

 これまで担任してきた学級の中に、いつも気になる児童が存在する。それらの児童は共通して、学校生活で他者との関わりがうまくいかず悲観的になり自分の殻に閉じこもったり、逆に攻撃的な言動をしたりしていた。このような経験から、私は、対人関係における児童の「自己肯定感」を育んでいく必要性と重要性を身をもって実感してきた。
 そこで、本研究では自己肯定感を「自己の存在や言動、他者からの支えや受け入れを肯定的に感じる感覚」と捉え、児童の対人関係における「自己肯定感の育成」を目的とし、研究を進めることとした。
 文部科学省は9歳以降の小学校高学年の児童の重視すべき課題の1つとして、「自己肯定感の育成」(2009)を挙げている。私は中学年においても、これから迎える思春期に向けて、自己肯定感を現段階から育んでいきたいと考えた。
 研究を進めるに当たり、客観的・多面的に児童の内面を理解する手立てとして学校適応感尺度アセスを活用し、支援の手がかりを探ることとした。具体的には、アセスの結果を手がかりに、児童を見立て直し、児童の行動に対する価値付けや振り返りといった、情緒的発達に目を向けた教育相談的アプローチによる予防的介入を試みる。
 本研究では、個別の教育相談的・予防的介入が児童の自己肯定感や学校適応感にどのような効果をもたらしたかについて考察する。

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「教育実践」
相手の立場に立った行動を増やすための支援の工夫
〜「接客」の学習を通して〜
新潟県立江南高等特別支援学校
谷内田 繁

 職業学級では、企業就労に必要な力を身に付けることををねらい、「接客」の学習を設定している。飲食店の従業員の方をゲストティーチャーとして招いて、ホスピタリティの重要性等、接客の心得について指導を受けた。ホスピタリティとは「お客様、スタッフのために考えて行動すること」であり、そのことをキーワードとして指導を進めた。生徒には、マニュアル通りの基本的な技術で接客すれば良いだけではなく、表情や声のトーン、気遣いなど、相手のことを考えた言動が大切であることを強調した。本研究では、ホスピタリティを意識して相手の立場に立った行動ができるように、接客行動と接客意識という視点で、主な支援方法を以下のように構想した。
1 ファシリテーショングラフィックの活用(接客行動)
 接客行動の改善に向けて、プレオープン時のアンケートを基にファシリテーショングラフィックを行った。事前に意見を付箋に記入する時間を設けたり、アンケート結果の一覧を参照用に配付したりする等、生徒が参加しやすいよう工夫をした。適宜、話合いのポイントを示すことで、全員で方向性を共有しながらお客様への接し方やスタッフ同士の連携等の改善につなげることができた。
2 自己評価カード「ホスピタリティカード」の活用(接客意識)
 @「お客様の気持ちを考える」→A「行動に移す」→B「お客様がどのように感じたかを聞く」→C「振り返り」の順に自己評価を進められるカードを作成し、自己評価を行うとともに、生徒同士でも評価を行うようにした。お客様に喜んでもらいたいという意識が高まり、ホスピタリティの向上につなげることができた。
 相手の立場を考えることは、特別な支援を要する生徒には難しい面はあるが、今後も本実践の成果を生かしながら支援の工夫を続けていきたい。

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「教育実践」
中学部における新しい作業学習の提案
新潟大学教育学部附属特別支援学校
齋藤 文一

  当校中学部の作業学習における実践を取り上げる。
 現在の社会の情勢やニーズとして生徒の主体性を育むことが重視されている。私も生徒一人一人が卒業後、社会の中で自分の力を発揮し、充実感をもち続けてほしいと願っている。そのために、主体性を育むことを目指した授業づくりの在り方を、抽出生徒の姿を通して、明らかにしていきたい。
 中学部生徒の実態として、教師から指示されたことに素直に取り組む姿が見られる。しかし、それを終えると、次の指示を待つ姿が見られ、自分から主体的な思いを抱きながら意欲的に取り組む姿は見られない。そこで、生徒が目の前の作業に対して、「こうしたい」という思いをもって意欲的に取り組み、思い描いたことを実現する姿を目指したい。そのためには、生徒が授業の中でしっかりとした目的意識を高めるための支援を工夫する必要がある。授業づくりに向けては、生徒の興味・関心がある学習活動を設定する必要がある。そこで、生徒がどのようなことに興味・関心があり、どのようなことを得意としているのかなどを個別の指導計画を基に検討する。その際、生徒が課題を解決するときにどのようなプロセスを経ていくのかをよく話し合い、学習活動に反映させていく。さらに、生徒が学習活動に取り組んだ結果、生徒が感じた「できた」という思いから「もっとやりたい」「こうしたい」という思いに高まるように支援を構想し、学習活動を発展させていきたい。その取組を繰り返し行うことで、生徒の目的意識を高め、目の前の作業に意欲的に取り組む姿を目指したい。
 上記のような実践に取り組み,得られた成果や課題を紹介することができればと思っている。

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「教育実践」
小学校中学年の発達障害児童を対象とした通常学級における他者との相互作用の変容に関する研究
新潟市立松浜小学校
加茂 勇

 問題と目的
 文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会は,2010年7月に「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」を設置し,同12月にはインクルーシブ教育システムの理念とそれに向かっていく方向性を打ち出している。インクルーシブ教育の目的の一つが,特別なニーズのある子どもが健常児や教師との相互作用の中で社会的関係を経験し行動を学習していくことであるとすれば,特別支援教育を推進する上で統合された教育環境の授業場面における発達障害児童の支援方法の研究は緊急かつ重要であるといえる。
 本研究では,小学校中学年の発達障害児童が,学校生活における他者との相互作用の中で,教室という場でどのように活動し,関係性を築こうとしているかについて明らかにする。そして,発達障害児童の相互作用を分析的に整理・記述することにより,通常の学級における発達障害児童の教育実践に関する仮説を生成する。
結果と考察
 発達障害児童には学校での生活場面や学習場面において様々な困難があった。発達障害児童は,成功へつながりにくい場面に出くわすと,回避や放棄の方略をとることが多くあった。そこでは,他の児童が用いるような原因を探りもう一度行うという認知的再評価という方略を示そうとはしなかった。できないから回避という方略をとる発達障害児童のことを周りの児童は「ふざけているからできない」と評価していた。これは,他者である中学年の児童が行動の原因を客観的に認識できなかったからであると考える。
 しかし,授業者が良かった行為や発言等を言語化しながら,感情や行動を他者が認め意味を与えることができれば,認知的再評価の方略を示すことができた。
 本研究を通して,通常の学級における発達障害児童の教育実践では,個のニーズに合致する小集団等の活動を媒介にして,発達障害児童と他者である児童の認知的な発達に配慮しながら,快や不快を共に感じあうような情動共有がなされる相互作用場面をつくることが有効であるという仮説を生成した。

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「教育実践」
児童の力を最大限に引き出す学校づくり
〜学びの充実に向けた環境整備を通して〜
新潟市立上山小学校
田邊 裕一

 学校の重要な役割は学ぶ場をきちんと整備することである。その中で、「しっとりと落ち着いて学ぶ」ことが大切であると考える。このしっとりと落ち着いた雰囲気の中で、集中し、自信に支えられた環境を整備すれば、児童は自分の力を最大限に発揮できると考える。そこで、以下のような手立てを講じ、全校体制で取り組んでいる。
1 しっとりとした学びの場づくりのための環境整備
  「命のあるものはすべて環境に左右される」という考えのもと、学習環境の整備を通して、学びの場の雰囲気を醸成するとともに、「ヒヤリ、ハッと」を減らす。これらを、学校経営方針の「知」の充実に位置付け、教職員への意識付けを図る。また、学習用具の整理整頓を全学級で意識化することを通して、落ち着いて取り組む指針とした。
2 集中できる学びの場の構成
 日々の授業において、「学びやすさ」の視点から工夫を行う必要がある。それが集中につながる。そこで、UDLの視点を大事にした環境構成や授業の工夫、デジタル教科書を活用した授業の推進に取り組んでいる。また、授業における「学習課題の設定」と「学習課題に正対したまとめ」の日常的な実施に努め、学びの道筋を明確にした授業の工夫を行っている。
3 自信を育てる場の工夫
 自己肯定感を高めることにより自信をもたせ、よい行動への連続・発展につなげた。そのため、全職員で、「よい行動は褒め、自分に自信をもてる子を増やす」「自分に自信をもてる子は、まわりから非難される行動はしない」を念頭に取り組む。この理念のもと、全校縦割り活動を充実させ、最高学年を生かすことを大事にしている。
 以上3点を学校づくりの柱として取り組んでいるところである。
 未来を担う、上山小児童の豊かな成長を願い、学びの環境整備を通して自らの力を最大限に発揮できる児童の育成を目指す。

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「教科等研究セミナー」 
ラリーをつなげることに着目したバドミントンの授業
新潟市立新潟柳都中学校
小柳 翔太

  中学校学習指導要領解説のバドミントンの1・2年生の内容には、「ラリーを続ける」ことがねらいの一つとして記されている。自校の課題として、また自身の課題としても、仲間と協力し合うことでより学習が深められたり、全員が一つの目標や課題に向かい、挑戦し合ったり高め合うことが課題であると捉えている。
 本研究では、協同的な学びを通してこの「ラリーを続ける」ことを学習できるよう、次のような手立てを行った。
○3対3のラリーゲーム
 自陣に3人、相手陣地にも3人。このネットを挟んで向かい合った6人をひとつのチームと捉え、どれだけラリーがつながるかという課題を行う。
 制限時間を設け、その一定時間内にラリーがどれだけつながったかを計測する。その際、ポジションや誰がシャトルを打つかに関しては特に制限を設けず、「チームのみんなで一体となってラリーをつなげる」という目標とした。
○研究の実際
 チームによって横一列に並んだチームもあれば、三角形や逆三角形にしているチームもあった。またラリーの得意な生徒を中心におくことで、ラリーを安定させていた姿があった。技能としては、シャトルの方向に体やラケットを向けておき、「構え」の姿勢をとっていた。また、相手の返しやすいように山なりのシャトルを返球している姿もあった。

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「教科等研究セミナー」 
児童の活力を引き出す地域連携のあり方
〜地域連携で児童の自己肯定感を高める〜
新潟市立東曽野木小学校
佐藤 智範

  学校の教育活動を充実・活性化させるのに有効なのは、学校外の様々な力を活用していくことである。新潟市教育ビジョン(後期実施計画)の5つの「学びの扉」の一つに、「学・社・民の融合による教育を進めます。」とあり、今年度、市内の全小中学校に地域教育コーディネーターが配置された。つまり、地域の活力を取り込んでの特色ある学校づくりは新潟市全体でも重要な課題である。
 本研究では、地域を活用した学習活動を通し、児童が教員や保護者以外の地域の人々とコミュニケーションをとる機会を多くし、さらに、地域の人々から称賛を受けられる機会を多くするなど、児童の自己肯定感をさらに高める有効な活用、連携について考えたい。

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「教科等研究セミナー」 
地域と児童の結びつきを深める活動の展開
〜児童の地域への思いを高めるために〜
新潟市立入舟小学校
池田 央

  児童はこれまで、自分から積極的に地域とかかわろうとしたり、自分たちから地域に働きかけて活動したりすることがほとんどなかった。そこで、自分たちと地域とのかかわり方について現状を把握させ、課題を明確にさせた上で、児童たちから地域に声をかけ、はたらきかける活動を展開することで、児童と地域の絆をより深め、児童の地域に対する思いを高めていけるのではないかと考えた。
 児童や学校だけが助けていただく関係ではなく、地域、児童、学校といったかかわり合った全ての人が何かを得ることができる「Total Win」の関係の構築を目指していきたい。

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「教科等研究セミナー」
 意欲を高め,表現力を向上させるタブレットの活用方法についての研究
新潟市立新津第一小学校
橋 遼太郎

  総務省のフューチャースクール事業や,文部科学省の教育の情報化ビジョンでは,今後,児童生徒が専用の端末を持ち,普通教室で使用できる環境が整備されていくことを想定している。新潟市でも順にタブレットの導入が進み,従来とは異なる新しい学びや新しい学習支援の可能性が広がっている。
 ところで,自学級の実態を考えたときに,ペアまたはグループの話合い活動場面において,どちらか一人が話し続けたり,何を話してよいかわからず黙ったままになったりして,かかわり合いが薄くなることが多くあった。ここに,自分自身の課題と授業改善の必要を感じている。
 そこで,本実践では,タブレットを活用して,児童同士のかかわりを深めることで,相手意識を高めることをねらいとして取り組んだ。
 児童にタブレットを使って友達とかかわらせることで,試行錯誤しながら課題を解決することができた。その中では,言葉で表せなかった部分も図に示したり,友達の意見を確認し合ったりしていた。それは,タブレットの大きな画面に複数人が寄り添え,タブレットの特性である「再現性」と「即時性」を生かして,自分の考えと相手の考えを比べたり,表現を直したりすることができたからである。「動きの可視化」が相手意識をもって表現することにつながったと考えられる。
 よって,本実践を通して,タブレットを話合い活動に組み込むことによって,数人で知恵を出し合い問題解決を行うことができたり,自己を振り返ることができたりした。「みんながわかる」というユニバーサルデザインの観点からは,タブレットの「可視化」「共有化」が大変有効であることが明らかになった。

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「教科等研究セミナー」
 みんなが分かる学習活動を支える授業の情報化
〜自ら考え,表現する力を育てる理科の学習を通して〜
新潟市立小針小学校
小庄司 一泰

  新学習指導要領では、PISAや全国学力調査の検査結果から各教科において児童の「思考力・判断力・表現力」にはまだまだ課題があると述べている。そこで本研究では、理科の観察・実験などを通した問題解決活動において、問題の解決までを見通し、科学的思考力と表現力を育成するために、ICTを用いる。事象に対する予想から実験、結果をまとめ考察する場面にICTを用いることにより協働学習での言語活動にどのような効果があり、科学的思考力や表現力が高まるのかを検証する。
 今回のテーマは「みんなが分かる学習活動を支える授業の情報化」である。今後ICTの中でもタブレットの導入が進むことを見据え、どんな場面でどのようにタブレットを活用すればよいのかを考え、2年間実践を進めてきた。
 昨年度の実践ではグループに1台のタブレットを配付した。主に既習事項や生活経験を生かして予想をさせる場面と実験結果をもとに考察する場面において、タブレットと大型液晶テレビなどのICT機器を用いた。成果として児童への事前事後アンケートの結果からICTを用いると学習に対する意欲が向上したり、学習内容の理解が深まったりするなどの効果が見られた。また、実験においてタブレットを使うことにより、役割分担が明確になり、主体的に学習に取り組める効果も明らかになった。課題として、事前事後のアンケート結果からでは、児童の思考力の高まりや児童がねらいを達成できたかどうか実態が今一つ把握できなかった。
 そこで、今年度は児童一人一人の思考力の高まりをみるために事前事後にコンセプトマップを取り入れた。また、児童が自分が決めたねらいを達成できたかをみるために毎時間ごとの能動的自己評価(ASE)を取り入れることにした。
 デジタルとアナログの比較をするため、@タブレットを中心に使用するクラスAコンセプトマップを中心に使用するクラスBノートを中心に使用するクラスの3つのパターンに分け実践を進めてきた。
 教科等研究セミナーでは、ICT・コンセプトマップ・ノートのそれぞれの使用時における児童の科学的思考力・表現力の高まりについて能動的自己評価やアンケート結果をもとに発表する。

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「教科等研究セミナー」
 他害行動のある生徒が落ち着いて学校生活を送るための支援
新潟大学教育学部附属特別支援学校
齋藤 文一

  本研究では,他害行動のある生徒に対する場合,イライラしてきたときに自分の気持ちに気付かせる等の支援をすることで,落ち着いて生活する時間を増やすことができるかを検証する。支援の方策としては,アンガーマネジメントの手法を用い,そこに特別支援教育の視点から迫る。
1 イライラしてきた様子を捉え気持ちを整理する(アンガーマネジメント)
 生徒の表情や話し言葉からイライラしてきた様子を捉え,今が「どういう感じ」かを言葉で表現させる。そして,言葉から怒りの度合いをグラフに表し,その怒りがどの程度のものなのかを分かるように示していく。表現した言葉や表情,行動を記録し,感情を明確にして表出された言葉で,感情をコントロールできるか検証していく。
2 代替行動としてイライラしない方法を探る
 気持ちをコントロールしながら,ABC分析を用いてイライラしない方法を探っていく。アンガーマネジメントを用いて,気持ちをコントロールしつつ,イライラの原因を探りイライラさせないようにすることで,他害を減少することができるか検証していく。また,その際には,自己肯定感を下げることがないように特別支援教育の視点からアプローチする。
 他害行動をすることにより,自己肯定感が低下していく。イライラすることが原因で他害行動につながる様子からイライラした気持ちをコントロールしつつ別の適切な行動を身につけることで,他害行動を減少することができるか検証する。

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「教科等研究セミナー」
 望ましい行動変容を目指した支援のあり方
新潟大学教育学部附属特別支援学校
田中 健太郎

  応用行動分析は,行動の前後の出来事に着目することで,人の行動を変容させたり, 新しい行動を教えたり,不適切な行動をなくしたりといったことが可能である。これまで,多くの研究によって科学的に示されてきた。 職員や友達が嫌がる行動を故意に起こす子供に対して,応用行動分析に基づき,以下の支援を行い解決を迫った。
1 不適切行動から適切な代替行動への置換
 対象とした子供は,職員や友達の注目を集めるために,不適切な行動をとっていた。そのため,話すきっかけとなるスキルを身に付けることができれば,適切な注目の引き方を獲得でき,問題行動は減少すると考えた。
2 問題行動以外の行動をしているときに注目する
 対象とした子供にとっては,注意をされることも楽しいかかわりの一つとなっている様子が見られた。このことから,正しい行動をしたり,集中したりしている場面をたくさん見付け,即時的に称賛するようにした。教師が子供の良い行動に注目し強化していくことで,対象とした子供は,問題行動を意識しなくなるのではないかと考えた。 
 問題行動は,子供が内面に抱えている要求を,実現できないことで出てくる行動だと考える。問題行動の消去のみを指導の目標にするのではなく,問題行動を必要としない子供の内面を形成していくことを大事にしていきたい。

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「教科等研究セミナー」
 ボール運動において、思考と技能を高めるための個人チャートの活用について
新潟市立中野山小学校
高野 義友

  ボール運動の授業では、意欲的に動ける児童と動けない児童の差が大きい。技能の差だけでなく、どのように動いたらよいか分からず、ゲームに関われないという思考面での差も大きい。どの子も進んで運動に関わり、楽しさを味わうために、どう動いたらよいかを考え、判断する力を養うことが必要であると考える。そこで、高学年「サッカー」と「ハンドボール」の2実践において、次の2つの手立てを行った。
1 状況を判断する力を高める学習課題の設定
 児童の運動への思考や技能の高まりに即した課題を設定した。単元の前半は個人の動きに焦点化して設定した。ボールを持っている時の動き、ボールを持っていない時の動きに分けて、学習課題を設定することで、どう動いたらよいか分からない児童も、考えてから動く経験をすることができた。単元後半は、個人の動きとチームの動きをつなげる学習課題を設定した。
2 状況判断を意識化する個人チャートの作成
 一人一人が自分の運動能力に合わせた個人チャートを作成した。児童が自分で考え、必要だと思う動きやそのわけを書き込んでいく。各時間の学習課題に合わせて、見つけた動きを選択したり、矢印でつないだりして書き込んでいくことで、動ける児童も、なかなか動けない児童も、自分なりのチャートを作成できた。このチャートを手掛かりに、状況を判断して動く場面を経験することができた。
 2つの手立てにより、動きを意識してゲームに参加し、状況を判断する力が高まり、フリーになってパスをもらったりシュートしたりする動きを高めることができた。児童の状況を判断する力を高めることを学習の入り口として、動きを選択できるようにゲームを設定することは、ゲームでの動きの質の向上につながることが分かった。今後も、サッカー、ハンドボール以外の種目でも、同様に成果が表れるか研究していく。

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「教科等研究セミナー」 
感性を働かせ,自分の思いを豊かに表現する授業づくり
〜「思い」を引き出し,「かかわり」を生かした授業〜
新潟市立浜浦小学校
生原 芳美

 これまでの授業を振り返ると,「この後どうしたらいいですか」「何をしたらいいですか」と自己決定の意識が低く,課題に受動的に取り組んでいる児童の姿が見られた。このことから,学習課題につながるような思いを児童から引き出す授業の工夫が必要であると考えた。
 また,アンケート結果から,多くの児童が,友達とかかわりながら造形活動をすることを楽しく感じていることが分かった。このことから,集団で学び合う良さを生かし,意見を交換したり,悩みを気軽に相談したり,アドバイスしたりする場がさらに必要であると感じた。
 そこで,主体的な表現活動を自ら展開しようとするエネルギーをもつ姿や,互いに認め合い,自分の表現に自信をもってイメージを膨らませる姿を目指し,次のような手立てを講じて,実践を行った。
手立て1 「思い」を引き出すための手立てを設定する
自分自身の様々な感覚を大切にして想像を巡らせる姿は,感性を働かせている姿といえる。そこで,児童の感覚を刺激する手立て(既習内容とのズレ,友達との考え方のズレ,日常の感覚とのズレなど)を設定した。その中で児童から出てきた「思い」を教師が取り上げて学級全体で共有化し,本時の課題へとつなげていった。感覚を刺激する手立て(ズレ)を設定することで,児童は想像を巡らせて課題に向かい,主体的に表現活動に取り組んだ。
手立て2 造形活動を活発にするような「かかわり」の場を設定する
かかわる活動を基に自分なりの表現で作品をつくる姿は,自分の思いを豊かに表現する姿につながるといえる。そこで,想像を巡らせている児童に対して,インタビューやアドバイス,グループ内での意見交換など,造形活動を活発にするようなかかわりの場を設定した。自分が気付かなかった視点や自分との共通な視点に触れることで,児童はさらにイメージを広げたり,イメージを変更したり,イメージを確立したりすることができた。
 これらの学習活動を行ったことで,児童は感性を働かせて主体的に活動するようになり,自分の思いを豊かに表現する姿が見られるようになった。

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「教科等研究セミナー」 
目的意識をもち、進んでコミュニケーションを図ろうとする児童の育成
新潟市立庄瀬小学校
山際 奈穂子

  外国語活動では,児童が本気で話したい,聞きたいという目的意識がなければ,進んでコミュニケーションを図ろうとはしない。
 本研究では,目的意識をもち,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育成するために、以下の2つの手立てを考え実践を行った。
@ 児童が自分から進んで,話したい,聞きたいと思えるように,単元の終末には本気になれる本物を取り入れたコミュニケーション活動を設定する。
A 児童が「本物を取り入れたコミュニケーション活動」に自信をもって臨むことができるような,スモールステップの慣れ親しみの活動を設定する。
 なお「本物」を以下のように定義した。
ア 実際のもの
イ 児童の本心(話したいこと、聞きたいこと 等)の表現
 実際に自分の口の中に入ったり,手に入ったりする本物があると,児童の本気度が圧倒的に高くなった。できる限り実際の物を活動に取り入れて実践することが望ましい。
 児童が本当に話したり,聞いたりしたいことは何なのかを見極めて,目的意識をはっきりもたせることができれば進んでコミュニケーションを図ろうとすることも明らかになった。またコミュニケーションをとる相手は学級の友だち,ALT(外国の人),先生,家族,上級生(6年生)と様々に活動を設定することができる。
 終末の本気になれる本物を取り入れたコミュニケーション活動にいたるまでに,スモールステップで慣れ親しめる活動を設定していくことは有効であった。(児童の活動の様子や自己評価から)
 Hi,friends!1に示されてある活動はあくまでも例であり,それをアレンジしたり,あるいは別の活動に置き換えたりして,いかに児童の興味関心をひき,楽しく活動できるようにしていくかが,児童の普段を知っている担任の工夫できるところであると考える。できるだけルールが分かりやすく,おもしろいゲームを組織する。また,表現を繰り返し聞いたり,言ったりすることができる活動を引き続き開発していきたい。

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「教科等研究セミナー」 
式を生かして問題解決する指導
〜式の読みに着目して〜
新潟市立東青山小学校
伊藤 祐輝

 式は表現であるとともに思考の手段になる。しかし、多くの児童にとっては、式は答えを導く過程であり、問題解決の手段としてはとらえられていない。児童が式を生かして問題解決するためには式を読むことを中心として、意図的な指導が必要である。そこで、次の2点から研究を進めた。                 
1 オープンな問題場面を与え、それぞれの場合を式に表す
 問題の数値を自由に変え、式が幾通りにも表せるようにオープンな問題場面を提示した。そして、いくつかの例をもとに1つ1つの場合について式に表した。問題把握しやすいように図も活用した。
2 式の提示方法を工夫する
 幾通りもの式が出たら式を並列して提示し、式の数の変化を見やすくした。順序よく変化している部分は下学年の児童でも発見しやすかった。また、変化を見やすくするために図と関連させた。
 このような研究を通して、図と関連させて式を読む活動で児童は、数の変化をもとにきまりを見いだし、また、そのきまりを用いて他の式を作ろうとする姿が見られた。しかし、きまりがどんな場合にも成り立つという理解は不十分であり、そのためには問題場面をさらに発展させるなどの働きかけが必要だった。式を読み、式を問題解決や発展的に考える手段として生かす指導は学年や内容に応じて今後も継続して行う。

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「教科等研究セミナー」 
小学校低学年において、自ら図をかき、説明する力を高める指導の工夫
新潟市立巻北小学校
樋浦 教之

  数学的な思考力・表現力を育成するために、算数的活動及び言語活動の充実が求められている。授業では、自分の考えを説明する活動が行われることが多く、そのため児童は、自分の考えを説明するために具体物、半具体物の操作、図、式、算数的用語など様々な数学的な表現方法を用いている。その表現方法は学年や学習内容が進むにつれて、徐々に抽象化されていく。数学的な思考力・表現力が高まった姿とは、児童が表現方法を抽象化できたり、自分で表現したことを用いて他者に説明したりできる姿であると考える。しかし、小学校低学年の児童は「具体物→半具体物→図→言語化→式」と表現方法の抽象度が上がるにつれて、抵抗感をもつことがある。特に半具体物から図に移行するときは、その抵抗感は大きい。しかし、図を用いることで、解法を導き出したり、自分の考えを説明したりしやすくなることから、自ら図をかき、説明できることは非常に重要なことである。そのために、次のような手立てを用いて、半具体物操作から図に移行する際の抵抗感を減らし、図を用いて自分の考えを説明する姿を目指した。

1 半具体物の操作場面に近い図の提示
半具体物の操作場面をそのまま図にしたものを与えた。
2 思考を可視化するための図の指導
 自分が考えていることを、図の中に表す際に用いる表現方法を指導した。
3 他者の表現の意図を読み取る場の設定
 途中までかいた児童の図を提示し、「なぜ、このようなことを書いたのか」と全体に問い、その表現の意図を明らかにした。また、その図の続きを考えさせた。
 
児童が図という数学的な表現を用いて、問題を解決したり、自分の考えを他者に説明したりすることができる姿を目指して、今後も研究を継続していく。

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「教科等研究セミナー」
問題に対し見直しを基に探求し、自力解決できる児童を育てる算数指導
新潟市立新津第二小学校
牛腸 賢一

  答えは導き出せるがそれが正しいのか、他のやり方でもできないかなど、自分が納得するまで問題に対し向き合おうとする児童を育てたい。既習の知識・技能を活用して、自分なりに問題を解決しようとする自力解決力を身に付けさせたい。そのためには、児童にとって興味・関心があり、多少の困難さが伴う適切な課題とともに、獲得したストラテジーの活用が必要であると考えた。そこで、研究内容として次の2点を設定し、問題に対し見直しをもとに探求し、自力解決できる児童の育成を目指した。
1 適切な課題の設定と提示の工夫
 適切な課題とは、
@児童にストラテジーのよさが明らかに分かるもの 
A既習の知識・技能で解決可能であるもの 
B児童が興味をもって取り組めるもの
 と定義した。
 また、課題の一部を隠して提示したり、隠した部分の数値や言葉を入れ替えて難易度を上げていったりしながら、見通しをもたせるとともに興味関心を引きつけられるように工夫した。
2 自力解決に必要なストラテジーの有用性に気付かせる授業の工夫
 簡単な場合から考えさせたり、図や表を用いて考えさせたりすることで、導いた答えが正しいのかを吟味させる活動を設定した。様々な解法を共有することでストラテジーのよさに気付き、使ってみたいという気持ちをもたせることができた。
 粘り強く考えたり、問題に立ち返って考えたりしながら答えを導き出す楽しさに気付かせることができる算数授業を今後も研究していく。

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「教育実践」
「運動の楽しさ」を実感するための要素分析
〜「友達や担任とのかかわり合い」の在り方を追究して〜
新潟市立松浜小学校
本間 直樹

  小学校学習指導要領解説「体育編」の各学年の目標には,「運動を楽しく」とか「運動の楽しさ」という記述がある。では,「運動の楽しさ」を実感するために重要な要素は何であろう。
 私は,「技能獲得・技能向上」,「達成感」,「友達や担任とのかかわり合い」の3つの要素を体育の授業に盛り込んだなら,児童は「運動の楽しさ」を実感するであろうと仮説を立て,研究を進めてきた。
 これまでの自身の研究から「運動の楽しさ」を実感するには,「技能獲得・技能向上」,「達成感」の要素は重要であり,「友達や担任とのかかわり合い」は重要ではないという結果を得た。
 小学校学習指導要領解説「体育編」の各学年の内容には,「かかわり合い」を大切にした運動の例示が複数ある。このことからも,上述の「友達や担任とのかかわり合い」と「運動の楽しさ」の結果に納得することができない。
 「運動の楽しさ」を実感するには「友達や担任とのかかわり合い」が重要であることを立証するため,これまでの「友達や担任とのかかわり合い」の定義を変更(一方向で無作為であったもの「かかわり」を,双方向で意図的なもの「かかわり合い」に)したり,これまでの研究に対する指導や助言に基づきかかわり合いの在り方を改善したりしながら追究した実践の一考察である。

<引用文献>
小学校学習指導要領解説 体育編  文部科学省 平成20年8月


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「教育実践」
投力を高めるための効果的な指導のあり方
〜新聞スティックを用いた授業実践を通して〜
新潟市立横越小学校
布施 和法

   体育科において,子どもたちが体を動かして「楽しい」というのはもちろん,「できる」「分かる」と実感できることが大切である。また,投げる物(教具)も投力向上につながる物でなくてはならない。投力向上には,投げ方のポイントを教えるとともに,子どもに遠くに投げるコツを考えさせることが重要である。本実践では,新聞スティックを用い,トレーニングではなく,友だちとかかわりながら,遠くに投げるコツを見つけ,工夫していく授業のあり方を提案した。
  中心となる具体的な指導の手立ては次の2点である。
@体力テストで使用するソフトボールは,子どもにとって馴染みがなく,投げにくい。そこで,子どもが投げやすく,投げ方を習得しやすい「新聞スティック」を教具として活用する。新聞スティックとは,新聞を筒状に丸め,周りをテニスのグリップのようにガムテープで巻いて作成したオリジナルの教具。
A遠くに投げるポイントを教え,その後,子どもが楽しみながら,自ら投げるコツを見つけ,工夫していく学習活動を位置づける。
  本実践により,以下のような成果が得られた。
@新聞スティックは子どもの投げる動作の質を高めることができる。新聞スティックを持って,手のひらを下にして後方に引いた状態から,投げる動作を始めることで,肘を90度に曲げたり振りかぶって投げたりする動作を身につけることができた。
A 新聞スティックは投力の低かった子どもの投力向上に役立つ。投げ方が分からずソフトボール投げの記録が低かった子どもは,新聞スティックを使うことで投げ方のこつを身につけ,記録を向上させることができた。
   今回,4・5・6年生を対象に,肘の角度や位置に着目して,実践を行った。今後も,低学年を含め,全学年の発達段階を踏まえた系統的な指導のあり方について研究を進めたい。また,科学的に投げる動作の分析を行い,指導法をさらに工夫していきたい。

<参考文献>
体力向上に向けた学校の取組について〜投力向上を目指したN市小学校の事例から〜 脇野哲郎(新潟市立総合教育センター)体育科教育学2012,P293
野球における,遠投力と上半身のIsokinetic Strength 黒岩真澄,吉松俊一,堀内忠一,中嶋学,山崎和美(更埴中央病院,整形外科,リハビリテーション科)日本体育学会大会号(4013)1989,P743
小学校における体力向上に関する一考察―体育生活の実態調査及びん投力に着目した授業実践を通して― 網中明仁(銚子市立清水小学校)廣橋義敬(清和大学)  日本体育学会大会号(55)2004,P620    


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「教育実践」
ボールを持たないときの動きを高める中学年ゴール型ゲームの指導
新潟市立東曽野木小学校
和田 哲哉

 ゴール型ゲームの入門期である中学年では,運動教材に対してマイナスイメージを持たせずに,どの子も楽しみながら意欲的に学習する姿を大切にしたい。苦手な児童はゲーム中に「どうしたらよいか分からない状態」に陥りがちである。その状態がマイナスイメージにつながり,意欲や学習成果の高まりを妨げていると考える。
 私は,中学年のゴール型ゲームにおいて,「どうしたらよいか分からない状態」の児童を減らし,ゲームの中で自ら動き出すことができる児童にを育てることが必要だと考える。そこで,以下の2つの方法で解決を目指した。
1.「ボールを持たないときの動き」を身に付け,「どう動いたらよいか分からない状態」を解消できる運動教材と指導の工夫。
2.身に付けた「ボールを持たないときの動き」を次の運動教材に生かしながら動きを高められる単元配列の工夫。
 同一学級の複数年にわたる実践から,以下の2点についてそれぞれ検証する。
(1)実践前半で行う単元「ディスクゲーム」が,「ボールを持たないときの動き」及びゴール型ゲームに対するマイナスイメージの変容に有効であったか。
(2)ボール操作技能の難度を段階的に高めた実践後半の2つの単元において,「ディスクゲーム」で習得した動きを発揮し,またそれを高めることができたか。
 それぞれについて,学級全体及び苦手意識を持つ女子児童を抽出し,ビデオによる個々の動きの分析や学習カードの記述の分析,アンケートによる意識の変化の分析を通して検証する。

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「教育実践」 計測・制御の学習における言語活動の設定とその工夫
新潟市立上山中学校
倉島 陽介

 言語活動の充実は、各教科等を貫く重要な視点となっている。技術・家庭科における言語活動としては言葉だけではなく、設計図や献立表といった図表及び衣食住やものづくりに関する概念などを用いて考えたり、説明したりすることもあげられる。そこで、本研究では技術・家庭科の技術分野における内容D情報に関する技術の項目(3)プログラムによる計測・制御の学習場面で実践に取り組んだ。また、以下のような仮説を立て、実践の中で手立てを講じ、その検証を試みた。
 仮説は、「図表やフローチャートを使って計測・制御のプログラムがどのように利用されているかを考え、他者へ説明することで、目的や条件に応じた情報処理の手順を理解することができる。」である。また、手立ては、@言語活動と関連づけたプログラム作成ソフト及び教材の選択A話し合いを保障した課題追求活動B興味・関心を高め思考を深める教具の活用の3つである。
 これらの手立てを実践して、次のような成果が得られた。
 手立て@では、プログラム学習用ロボットビュートレーサー(ヴィストン株式会社)を選択することで、フローチャートからプログラムを作成できるソフトウェアを利用した。これにより、生徒はフローチャートを適切に用いることができるようになった。
 手立てAでは、生徒はまわりと相談しながら課題に取り組み、検討を重ねてプログラムを作成する姿が見られた。
 手立てBでは、ホワイトボードとマグネットを利用した自作の教具を活用することで、自分の考えを試行錯誤しながらまとめ上げてまわりに説明する姿が見られた。
 検証では、アンケート調査から学習内容への興味・関心の向上が確認され、わかるようになった・できるようになったという理解度の高まりも見られた。また、ワークシートの記述内容や授業の見取りからは、言語活動への肯定的な意見や生徒の発言やコミュニケーションの場面増加も確認できた。

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「教育実践」
感性を働かせて,自分の思いを豊かに表現する子ども
〜「問い」「かかわり」を位置付けた授業づくり〜
新潟市立浜浦小学校
生原 芳美

 学習指導要領では,児童の感覚や感じ方などを一層重視することを明確にするために,「感性を働かせながら」という文言を示している。「感性」は,様々な対象や事象を心に感じ取る働きであるとともに,知性と一体化して創造性をはぐくむ重要なものである。そして「豊かに表現する姿」とは,自分自身の様々な感覚を大切にして想像を巡らせて作品をつくる姿と考える。
 これまでの私の授業では,子どもは「与えられた課題」をもとに作品づくりをしていた。そのため,何をつくるか決められない姿や,どうつくったらいいか分からなくて,つくるものを変更する姿が見られた。そこで,子どもが主体的に課題を見付けるような姿や,他者のよいところを認めながら,自分の見方を広げ,自分に自信をもって表現していく姿を目指し,表現および鑑賞の領域で次のような手立てを講じて,実践を行った。
1 問いを子どもから引き出すための手立てを設定する。
 教師の手立てによって,子どもは感覚を刺激されてイメージをもち,感じたことをつぶやく。そのつぶやきを教師が取り上げて共有化し,全体での活動に広げていく。これを「子どもが問い(学習課題を追究しようとする思い)をもつ姿」と位置付けた。既習とのズレや友達との考え方のズレを与えたり,材料に浸らせる時間を確保したり,仕組みを提示したりすることで,つぶやきが問いにつながるような手立てを設定した。
2 目的を明確にした「かかわり」の場を設定する。
 まずは,問いを引き出す手立てによって自分のイメージをもつ。その後に,友達からアイデアをもらったり,意見をもらったりする。自分が気付かなかった視点や自分との共通な視点に触れることで,イメージを広げたり,変更したり,確立したりする。たくさんのアイデアの中から選べるようにしたり,友達の意見を生かしてつくるような題材の設定をしたり,グループで意見をまとめるような課題を設定したりすることで,何のためにかかわるのかを明確にした活動を設定した。
 また,活動の最後には,思考の足跡が残るようなワークシートに自分の思いをまとめることで,自分の見方や自分の表現に立ち返ることができるようにした。
 これらの学習活動を行うことで,子どもたちは感性を働かせて主体的に活動するようになり,自分の思いを豊かに表現する姿が見られるようになった。

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「教育実践」 音楽の苦手な生徒でも夢中になれる創作授業の研究
新潟市立西川中学校
宮下 秀樹

 過去10年以上に渡り、様々な学校で創作の授業の研究を行ってきた。ある時はコンピュータを使ったり、ある時は鍵盤ハーモニカを使ったりした。リコーダーや歌、キーボード、箏を使ったこともあった。ただ、どのような手法をとったにせよ、実践後にいつもこのような疑問をもって授業を終えていた。
 「はたして、生徒はこの授業を面白いと感じてくれただろうか」
 その答えは、生徒の表情を見れば一目瞭然であった。音楽が得意な生徒の表情は、授業後に明るい表情を見せたこともあったが、音楽の苦手な生徒の表情はいつもさえなかった。「創作は難しい」という思いが、生徒にとっても私にとっても共通していた。
 これでは駄目だと思った。たとえ一部の生徒がすごい旋律を作るような授業ができたとしても、音楽の苦手な生徒が創作に対して苦手意識をもつような授業では、授業を行う意味がないと思った。
 そこで、研究主題を「音楽の苦手な生徒でも夢中になれる創作授業の研究」と題した。研究では、次の仮説を立てた。
○ 以下の4つの要件を満たした授業を行えば、生徒は楽しさを感じながら音楽をつくることができるだろう。
@ 生徒自身が音楽づくりをすることに対する必要性を感じられる題材設定であること
A 生徒の音楽的技能に見合った学習課題が設定されてあること(生徒の実態に応じた学習課題であること)
B 創作のプロセスが明確に提示されてあること
C つくった音楽が仲間から承認される(かもしれない)場が設定されてあること
 そこで、学校行事の「運動会」に着目して、題材設定を行い、次のようなねらいで実施した。
(1)題材名
  「運動会の応援歌をつくろう」(3年生)
(2)題材のねらい
 リズム、形式、強弱、速さなどの諸要素に着目して運動会の応援歌(作品)をつくる活動を通して、反復、変化、対称などの構成を工夫したり、表したいイメージと実際の作品とを互いに連動させながら表現を深めたりすることができる。

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「教育実践」
モデルの分析とパラレルな課題を通して,書く力の高まりを実感できる授業
新潟市立白根北中学校
山口 麻子

  すべての生徒に「自分にもまとまりのある文章※1を書くことができた」と実感させたい。これまで,自分の作品を仕上げ,読み手に伝える場面を学習課題として設定してきたが,「まとまりのある文章を書くことができた」と実感できない生徒の姿が多く見られた。生徒にモデル文を提示しただけでは,提示したモデル文のどこをどのように活用してよいかが分からず,ねらいに合った文章を書くポイントが理解されていなかったのである。そこで,モデル文を提示した後に生徒にモデルの分析※2をさせ,書くべき文章の型を明らかにしたり,明らかにした型を活用できるようにするために,パラレルな課題※3を設けたりした。その結果,生徒は自分の考えをまとまりのある文章で書くことができるようになり,一人ひとりに書く力の高まりを実感させることができるようになった。
@ モデルの分析
 モデル文を生徒自身に分析させる活動を通して,書くべき文章の型(構成・内容・言語)を明らかにする。明らかにした文章の型は,同時に評価の観点となり,生徒が評価の観点と基準を理解し,一貫した基準で学習を進めることができる。
A パラレルな課題の設定
 自分の作品を書く段階と総括的評価の前に,全員が同じ課題で練習する段階を設ける。実際に書くことで,文章の型をさらに理解し,自分の作品や総括的評価に向けてのスモールステップを踏むことができる。形成的評価を通して,その段階での成果と課題を生徒自身が把握し,学習に役立てることもできる。
※1「まとまりのある文章」とは,テーマに基づいて文と文の順序や相互の関連にも注意を払い,全体として内容に一貫性のある文章のこと。
※2「モデルの分析」とは,生徒に書いてほしいモデル文を提示し,構成・内容・言語を生徒自身に明らかにさせること。
※3「パラレルな課題」とは,自分の作品を書く前や総括的評価の前に,全員が同様の型で共通の文章を練習すること。

<参考文献>
・Hyland, Ken. (2004). Genre and second language writing. Ann Arbor, MI: The University of Michigan Press.
・Kuwabara, Aki. (2013) A case of study of genre-based writing instruction to Japanese junior high school. A thesis in partial fulfillment of the requirements for the degree of Master of Education Graduate School of Education Niigata University.


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「教育実践」 自他の強みを追究していくキャリア教育の展開
新潟市立大形小学校
佐藤 裕基

 ポジティブ思考によって問題解決を図る体験をすることで,自分の強みに目を向け,追究していくことのできる児童を育てたい。そのような思いからこの単元を構想した。
 これまでのキャリア教育は,職場体験をしたり様々な職業従事者に学んだりすることにより,よき職業従事者あるいは従業員としての義務感や労働感を学ぶような実践ばかりになりがちであった。そういった課題を解決するために,児童に会社の起業・運営を体験させる起業家教育(アントレプレナーシップ教育)が様々な形で実践されている。しかし,先行実践の多くは,既存の市場において地域特産の商品などを販売する実地の活動を通して経済活動の意義について学ぶという性格が強かった。
 小学校のキャリア教育では,職業や経済の仕組みといった外部要因に向けた学びのみをさせることは望ましいことではない。小学校段階では自分の強みを知り,自己の強みを生かせる場面を追究し,更新していくことが何よりも重要である。
 そこで,本実践では,自己及び自学級の強みを模擬会社の商品力の元と捉えさせ,それをどのような形で具体化していくことができるかを考えさせる中で,自己の強みについての追究を繰り返させることとした。また,その際には,自分の考えを思考ツールを用いながら可視化させ,客観的に捉えていけるように工夫することとした。また,問題解決場面では,問題解決のための観点やスキルを与えてくれる人材を活用し,自己の強みをどのように模擬会社に生かせるかについての観点を得られるようにした。
 常に課題を自他の強みを根拠にして考える活動を繰り返すことで,単元の初めで自己の強みについて具体的に記述することのできなかった児童も,次第に自分の強みを具体化し,その強みに基づいて考えを進めることができるようになっていった。

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「教育実践」
対象への思いや願いを高め,探究を通して気付きの質を高める子どもの育成
〜1年「そだててあそぼう〜ひろがる わたのせかい〜」の実践を通して〜
新潟市立浜浦小学校
青池 智美

  これまでの実践を振り返ると,子どもの興味・関心が薄れて活動が長続きしなかったり, 子どもの意識が次の活動へとうまくつながらなかったりすることがあった。子どもの対象への思いや願いを高められず,子ども自身が活動を発展させていくような単元になっていないからである。
 そこで,次の2つの手だてを講じて,実践を行った。
(1)多様な活動を組織することができる学習材を選ぶこと
 1年生でも栽培可能で,収穫後も活動に発展性がある綿を学習材とした。栽培活動だけで終わるのではなく,種から育てて収穫した綿を使って遊んだり,自分の手元に残るものをつくったりすることや,生活の中にある綿製品の存在に気付くことは,子どもに自然の面白さや不思議さを感じさせ,綿への見方や考え方をぐんと広げるだろうと考えた。そこで,綿を育てる,遊ぶ・つくる,調べるの3つの活動を柱とした単元構成にし,子どもが綿を多面的にとらえながら繰り返しかかわり,綿への思いや願いを高めていけるようにした。
(2)個の思いや願い,疑問を取り上げ,共通課題を設定すること
 子どもから出てきた個の思いや願い,疑問を取り上げ,全体に共有させ,共通課題にして次の活動へつなげるようにした。これにより,子どもが自分で見付けた課題から,活動を発展させていくようにした。また,課題をもって活動し交流するという一連の流れを繰り返すことにより,子どもが探究を通して気付きの質を高めることを目指した。

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「教育実践」 科学的な判断を促す思考活動の工夫
新潟市立白新中学校
齋藤 大紀

 学習指導要領解説理科編の改訂の基本的な考えとして,「科学的な見方や考え方,総合的なものの見方の育成」,「科学的な思考力,表現力の育成」が挙げられている。しかし,これらを達成しようとしたとき,子どもたちがもつ素朴概念が大きな弊害となっている現状がある。
 そこで,素朴概念と科学概念が対立し,主張が対立するような課題を生徒に与え,その理由を根拠をもとに思考させる仮説実験型の授業を行った。
 また,自らの考え(主張と理由)を表現する場を設定するが,表現することに重きが置かれがちで発表会にとどまってしまうことも課題であった。理科における表現力とは,あくまでも科学的な思考に基づいた自らの考えを表現することで培われるものと考える。たとえば,自分とは異なる考えに出会ったとき,どこが違うかを比較したり,その違いが生じる要因を分析したり,反論したりすることができる力である。
 このように,考えが異なる生徒同士で互いの考えを検討するにあたって最も大切なことは,互いが互いの考えをきちんと理解することである。しかしながら,多くの生徒が言葉による説明だけでは理解しづらい現状がある。結果として,その後の検討がちぐはぐなやり取りになりがちである。
 そこで,白新中学校理科部では,考えをチャート図(理由づけチャート)にして表現させている。主張とその理由を結び,その理由の根拠をつなぐことで,個々の生徒の考えが可視化されるのである。
 子どもたちは,互いの考えを「理由づけチャート」を見ながら理解し,根拠と理由とのつながりに反論したり,理由の妥当性を検討したりしながら科学的な思考力と表現力を身につけていく。そして,この検討を経て,最終的に予想される結果を判断するのである。
 本研究では,科学的な思考に基づいた検討を重ねながら,根拠とともに科学的な理由づけをして自らの主張を決定することで,「科学的な見方や考え方,総合的なものの見方の育成」,「科学的な思考力,表現力の育成」をねらう。

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「教育実践」 素朴概念の変換を図る理科指導の取組
新潟市立上山小学校
豊岡 篤

 理科の学習では,問題解決の過程を経て知識を獲得したにもかかわらず,時間が経過すると獲得した知識を忘れてしまったり,学習前の考えに戻ってしまったりすることがある。その原因の1つとして,児童が日常生活の積み重ねで形成・獲得した自然事象に対する誤った知識や見方・考え方である素朴概念が残っていることが考えられる。正しい知識を定着させ,科学的な見方・考え方を養うためには,素朴概念を科学的な概念に変換させることが必要である。その手立てとして,初めに素朴概念を確実に崩し,その後,新たに正しい知識を与えることで素朴概念を正しい科学的な概念に変換させる。
 本研究では,2つの事象を比較し,明らかに素朴概念では説明できない事象を示すことで,まずは素朴概念を崩す。そして新たな考え方をしなければならない場面を意図的に作り概念変換を図る。まず,4年「水の3つのすがた」では,水が沸騰して出てくる泡の正体について水蒸気と空気を比較させることで概念変換を図った。その結果,明らかに違う2つの事象を提示することで,児童の思考に揺さぶりをかけることができ,正しい知識の獲得に繋がった。また,追調査の結果,正しい知識の定着について一定の成果を得られた。また,3年「昆虫を調べよう」では,概念変換の過程に焦点をあて,昆虫と昆虫ではない虫を比較した実践を行った。素朴概念としてもっていた曖昧な昆虫の定義ではバッタなどの体のつくりを正しく示すことができない。昆虫と昆虫ではない虫を比較し,違いを明らかにすることで素朴概念を崩す。その後,正しい昆虫の定義を明らかにすることで,科学的で正しい昆虫の定義を理解させた。
 これらの実践から,児童の素朴概念を変換するための手立てとして,明らかに異なる2つの事象を提示する手立てと,素朴概念を崩した後に新たに正しい知識を与える授業の流れが児童に与えた成果と,その授業の課題を明らかにした。

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「教育実践」
「数と式の証明」において“も”「ならば文」と「追究マップ」を用いることを通して分かる授業を目指す指導の工夫
新潟市立白新中学校
伊藤 雅仁

  本研究は,3学年の文字式の証明において,「ならば文」を用いて仮定・結論を明確にして証明を行い,明らかになった事柄を順次「追究マップ」にまとめていくことを通して分かる授業を目指していくものである。2学年の図形分野においては「ならば文」と「追究マップ」を使っての実践は多いが,3学年の文字式の分野においてもこの手だてを使って分かる授業を目指した。
 生徒は,2学年・3学年で学習する『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』において,苦手意識をもっている。基本の計算部分はできていても,説明・証明になると説明の形になっていない誤答であったり,何を書いたらよいか分からないといった実態がみられる。しかし,2学年で学習する『図形の証明』は『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』より実態調査において正答率が高かった。そこから私は,『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』の正答率がなかなか上がらない原因として,以下の2つの困難性があるのではないかと推測した。
ア 図形では,仮定・結論を明確にして証明しているのに対して,文字式の証明は仮定・結論を明確にしていないこと
イ 図形では,視覚的に考えられるのに対して,文字式の証明は視覚的に考える事ができないこと
 この2つの困難性を解消するために,次の手だてを講ずることにした。
@ 「ならば文」を用いて,仮定・結論を明らかにする。
 このことによって,仮定の一部を条件変更することで,生徒は既習事項と新たに分かったこととのつながりを意識しながら新たな問題を設定していき,活発な授業展開ができる。
A 明らかになった事柄を順次「追究マップ」にまとめていく。
 このことによって,学習した内容を時系列で記述し,視覚的に理解を深めていくことができる。
 この2つの手だてにより,『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』においても,『図形の証明』と同様に生徒が分かる授業を目指したものが本研究である。

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「教育実践」
計画的な資料配置と学習活動の構成を行うことにより,思考力・表現力を高める工夫
新潟市立高志中等教育学校
諸本 健

  中学校社会科学習指導要領の地理分野では,「日本の様々な地域の指導に当たっては,地域の特色ある事象や事柄を中核として,それを他の事象と有機的に関連付けて,地域的特色を追究するようにすること」とあり,改訂の要素の一つとして,動態地誌的な学習による国土認識の充実が求められている。
 そこで,日本の諸地域の学習において,各単元の中核となる資料を計画的に提示し,それに基づいた思考の場面を大切にし,発問を工夫することで,動態地誌的な学習を可能とし,思考力・表現力を育成することができるだろうと考え,実践を進めた。

 実践に取り入れた,具体的な方策は以下の3点である。
@ 日本の諸地域の学習における各地方の考察の視点及び,とらえさせたい地域の姿が明確となる資料を精選し,意図的・計画的に単元に盛り込む。
A 日本の諸地域の全単元を貫く共通の学習活動と,地域ごとの考察の視点に基づく学習課題を設定する。
B ファシリテーションを主に,主体的な意見交流・考察のまとめの場面設定をする。

 検証では,個人のワークシートの記述分析及び,ファシリテーションによるグループ討議の記述分析を行った。成果としては,与えられた視点から考察を深化させることができた。一方,課題は生徒自身が問題意識を持った主体的な学習活動とならなかった点である。この点について今後さらに研修を進めていきたい。


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「教育実践」 時代の特色を大きくとらえさせる歴史の単元づくり
新潟市立鳥屋野中学校
田中 良成

 学習指導要領の歴史的分野では、「各時代の大きな特色をとらえさせること」が新しい目標として設定された。研究の1年目、従来通りの授業を行った後の単元末に、時代の特色を説明させる活動を加えた。しかし、生徒はほとんど説明できなかった。学習した時代を1つのまとまりと捉えられなかったからである。目標を達成するためには単元全体の指導計画の組み直しが必要であると考えた。そこで、「時代の転換点を考える活動を取り入れた単元構成を行うことで、生徒は時代を1つのまとまりとしてとらえ、特色を説明できるようになる。」という研究仮説を立てた。
 この仮説を検証するため、古代の単元で次のような手立てを行った。@単元全体を貫く中心課題を設定する。A時代の転換点を捉えることができるよう単元構成を見直す。B単元末でまとめの時間を設定する。
 @では、単元全体の導入となる時間を設定した。「古代は、天皇や貴族がどのような国をつくろうとした時代なのだろうか」という単元全体を貫く中心課題の設定を行い、毎時間黒板に掲示した。生徒に単元のゴールを常に意識させることができた。
 Aでは、聖徳太子など古代に登場する6人に重点化し、6人の政策をまとめていく単元構成にした。6人を時系列に並べることで、共通する特色があることや、時代とともに特色が変化していることに気付かせることができた。
 Bでは、「6人を前半と後半に分けるとすると、どこで分けるか。」という課題を設定した。特色が変化していく転換点を探ることを通して、時代の特色が長い年月の中で少しずつ形作られていったものであることに気付くとともに、そのきっかけとなったできごとを具体的にとらえさせた。
 実践の結果、生徒たちは古代の中で天皇を中心に国が1つにまとまり、律令国家のしくみができ上がっていった流れに気づくことができた。また、政治だけでなく、外交、文化、仏教などの様々が要素が関わり合っていることに気づき、古代の特色を多面的に捉えて説明することができた。よって、この実践で用いた手立ては、古代の特色を大きく捉えさせる上で有効であった。

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「教育実践」
子どもに問いをもたせ,意欲的な追求を促し,思考力・判断力を高める資料提示の工夫
新潟市立上所小学校
星野 翔

  私は,子どもの思考力・判断力を高めるには,以下の2点が大切だと考えている。@子どもが社会的事象と出会うことで追求したい問いをもち,そこから学習課題を設定する。A複数の資料を比較したり,関連させたりして考えさせる。
 しかし,これまでの私の授業では,資料選定や提示の仕方に関して社会的事象と子どもの知識にずれ(既有の知識,経験,感覚とのずれ)を生むことが十分考えられていなかった。また,児童の実態として,課題に対して資料を根拠に自分の考えを述べることができるが,複数の資料を比較したり,関連付けたりして考えることに弱さがあった。
 そこで,本研究では,「課題を設定する場面」で社会的事象と子どもの知識にずれを生む資料を提示し,「課題を解決する場面」で比較,関連付けができる資料提示を行った。そうすることで,子どもは追求したい問いをもち,課題を解決しようと比較,関連付け,などを活用して,思考力・判断力を高めることができると考えた。
 5学年と6学年の2つの実践で,資料提示の際の児童の反応やノート・ワークシートによって仮説の有効性を検証した。
 「課題を設定する場面」での資料提示では,資料の事実を示すと子どもたちは自分の知識や感覚とのずれから驚きを感じ,追求したい問いをもつことができた。そして,子どもの問いを集約することで「〜なはずなのに,なぜ〜なのだろうか」という学習課題を設定することができた。
 「課題を解決する場面」での資料提示では,意図的に複数の資料を提示することで,子どもたちは自分の考えの根拠を複数の資料に求めて考えていた。ワークシートやノートの記述には,資料と資料とを関連付けて考えを深めている姿が多く見られた。

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「教育実践」
因果関係の追究から未来への思考を深め,公民的資質の基礎を育む社会科授業
〜産業単元における指導の在り方について〜
新潟市立木戸小学校
鈴木 貴之

   めまぐるしく変化する今日の時代を生き抜くためには,子どもたちが社会の現状や問題点を正しく把握して,自分がどうすべきかの判断を適切にできる力を身に付け,行動してほしいと願っている。不可欠な力が時代の流れを読み取った根拠ある判断をもとにした主体的に行動しようとする提案力であると考える。その力を高めるためには,現在と過去の事象についての因果関係を追究することで獲得する知識や現状把握をもとに,そこから未来への正しい自己表現をする経験が大切だと考える。
 社会科指導に,過去・現在・未来の3つの場面に分けて取り扱う活動と場面を結び付けるために人々がどのように取り組んできたのかを考えたり,知ったりする活動を取り入れることで,これからの自分がどのように行動しなければいけないのかを提案する場を設定する。そうすることで,これからの社会を主体的に行動しようとする未来への提案力※1(公民的資質の基礎)を身に付けることができると考える。
 以下の2点から実践的な研究を行う。
@過去・現在・未来を結びつけて考えるために,どのような学習課題が目指す提案力を高める上で有効か。
A未来につながる効果的なアイデアを提案する場はどのようなものが有効か。
 研究単元は5学年の農業と漁業とする。どちらも,従事者の努力や工夫が多く見られるものの,現状に課題があり,持続可能な産業を目指している。そのような単元で,子どもが従事者・消費者の立場に立ち,よりよい社会に向けて考えていくことは,未来への提案力を高めるために適切である。
 このように,教室と社会とを結び付けて,社会参加したいという意欲を大切にしていきながら目指す力を高めていく。
※1…10年後を未来とし,これからの社会をどのようにしていくかを思考・判断し,よりよいものを提案する力

<参考文献>
子どもの社会参加と社会科教育〜日本型サービス・ラーニングの構想〜 唐木 清志 著 2008 


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「教育実践」
子どもが自ら問題意識をもち,主体的に課題を設定していく指導の在り方
〜2つの事例を扱う指導を通して〜
新潟市立新通小学校
小黒 健太

 私は,社会科の学習を通して,実社会で起こっていることに関心をもち,将来よりよい社会をつくる一員になろうという思いをもつ子どもを育てたいと考えている。
 そのためには,問題解決的な学習を基に更に授業改善を進める必要があると考えた。つまり,子ども自らが解決していくため問題をもち,課題を追究し,解決した結果をまとめるといった学習過程を大切にしたい。本研究では,学習課題の設定に焦点を当てた実践を発表する。
 子どもに問題をもたせるためには,既習事項や生活経験に起因する子どもの思考とずれが生じる資料を提示する必要がある。しかし,実際には,学習内容につながる社会経験が乏しかったり,個々の差があったりすることが多く,子どもの思考とずれを生じさせる資料を提示することが難しいと感じていた。そこで,社会科の学習で2つの事例を順次扱い,2つの事例の相違点を活かすことで,子どもが問題意識を高め,主体的に学習課題を設定することができるようになると考えた。研究仮説を検証するために,以下の2実践を行った。
 1つ目は,沖縄県と北海道の2つの事例を扱った実践である。沖縄県を事例に,人々が自然環境に適応した暮らしをしていることについて,家の造り,農業,水産業,観光を観点に学習した。本時では,沖縄県について学習したことや生活経験に起因する子どもの思考と,北海道民の暮らしぶりとの間にずれを生じさせることにより,問題意識をもたせ,学習課題の設定につなげていった。
 2つ目は,米作りが盛んな地域と柿づくりが盛んな地域の2つの事例を扱った実践である。南魚沼市を事例に,自然環境や地理的条件を生かして米を生産していることや,生産量を高めるため,日本の農業の問題点を克服するための工夫や努力について学習した。本時では,米作りが盛んな地域の学習に起因する子どもの思考と,柿づくりが盛んな地域の土地の特徴との間にある相違点を活かすことで,子どもが問題意識をもち,学習課題の設定につなげて学習を進めた。

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「教育実践」 あらすじを書くことができる児童の育成
新潟市立桃山小学校
坂下 祐

 学習指導要領の改訂により,本や文章を読んで感じたことや思ったこと,考えたことなどを一人一人の児童がまとめ,発表し合う指導事項が,新設されている。特に,中学年の読むことの指導事項エ・オでは,「自分の考えをまとめるために,文章の要点や細かい点に注意しながら読み,引用や要約することを示している。」とあり,あらすじをまとめることの意味が示されている。自分の考えや感想を組み立てるためには,文章の中心や大事な事柄を抜き出したり,まとめたりできる力が必要であると言える。
 しかし,文学的文章の学習において,あらすじを書かせる際に次のような児童の実態が見られた。
 ・本文を抜き書きし,だらだらと文章が続いてしまい長くなってしまう。
 ・話の中心となる筋を捉えられず,どの出来事を書いていいか分からなくなってしまう。
 学習指導要領解説の要約の説明を見ると,「『要約』とは,目的や必要に応じて,話や本,文章を短くまとめることである。元の文章の構成や表現をそのまま生かして短くまとめる要約と,自分の言葉で短くまとめる要約とがある。要約は,要約するときの目的や必要に応じて元の文章のどの部分を取り上げるかが変わってくる。」と書かれてある。ここでは,「元の文章の構成や表現をそのまま生かして短くまとめる」要約と,「自分の言葉で短くまとめる」要約の2種類の方法があることが示されている。特に,「目的や必要」に応じてまとめ方が変わってくることをおさえる必要がある。
 あらすじを書くことができるようにするためには,あらすじを書くための「目的や必要」を明確に設定していくことが大切である。
 本研究では,文学的文章の指導において,あらすじを書くことができる児童の育成を目指す。そのために,2つの手だてを重んじ実践を積み重ねた。
 1つ目は,あらすじを書く目的を明確にすることである。2つ目は,相手意識や分量を意識した枠を提示することである。
 これらの手だてにより,児童は目的に応じたあらすじを書く力を高めることができる。児童はあらすじを書くことを活かして,作品について自分の考えや思いを形成していくことができると考える。

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「教育実践」
「食」に関心と感謝の心をもち,よりよい食生活を実践する子どもの育成
〜自分でつくる体験「弁当の日」の取組を通して〜
新潟市立中之口西小学校
早川 直美

   中之口地区は,平成25,26年度新潟市学校給食研究推進校の指定を受け,幼・小・中の連携による食育の推進に取り組むこととなった。そこで,児童の食生活に関する実態と意識を把握するため,児童と保護者にアンケート調査を行った。結果から次の3つを課題として捉えた。@食材や「食」にかかわる人への関心が低い。A自分でつくる力が付いていない。B食事のマナーやよい姿勢が定着していない。
   自分の健康な心と体をつくるためには,健全な食生活は欠くことができない。とりわけ,当校の児童には,食生活の改善に向けての主体的な態度を身に付けさせることが必要であると考えた。そこで,「弁当の日」の取組を通して,課題を解決し,よりよい食生活を実践する子どもの育成を目指した。
 まず,中之口地区小学校バージョンの「弁当の日」を設定した。この取組は,全校児童の参加と,弁当づくりの「ポイント」と学年部別「自分でできる内容の目安」を提示することが特色である。取組に併せて,中之口地区食育部事務局から「食育だよりSip」を地域に配付した。校内においても,たよりや懇談会を通して,「弁当の日」を含め食育の取組を家庭と共有できるように努めた。
 また,弁当の日に向けて,全学年で担任と栄養教諭のTT授業を行った。食材・おかずシートで児童に自分の食べたい弁当をシミュレーションさせたり,弁当計画シートで実際につくる弁当の計画を立てさせたりした。家庭には,親子での食材の購入や弁当づくりの見守りなどの協力を依頼した。児童は,「弁当づくりの目安」をもとに自分の力に合わせた弁当づくりに楽しんで取り組むことができた。ランチルームでの会食は,どの学年も,満足そうな笑顔にあふれていた。
 2回目の「弁当の日」の後,実施したアンケート調査結果では,食や食材,生産者への関心・感謝の心,そして,「自分でつくる力」について,改善の傾向が顕著に見られた。今後,「弁当の日」の取組はもとより,保護者の食育に対する理解や姿勢を深め,学校と家庭の連携による食育の取組をより推進していく。

<参考文献>
・食に関する指導の手引き−第1次改訂版− 文部科学省
・始めませんか「弁当の日」   鎌田 實,竹下和男 (自然食通信社)


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「教育実践」
家庭・地域と連携した食育の推進
〜5学年 アグリスタディ・プログラムを取り入れた実践〜
新潟市立庄瀬小学校
金子 徹

 近年,偏った栄養摂取,朝食欠食など食生活の乱れや肥満・痩身傾向など,子どもたちの健康を取り巻く問題が深刻化している。子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるよう,学校においても積極的に食育に取り組んでいくことが重要である。
  当校でも,朝食を食べてくる子どもの割合は,ほぼ100%に近いが,朝食にラーメンや菓子パンしか食べてこないなど質的な問題があり,望ましい食習慣の形成に努めなければならない現状がある。
  このような実態を受け,庄瀬小学校では,「家庭と連携した食育の推進」を柱に子どもたちの食生活の改善に取り組んできた。具体的には,「弁当の日」を設定したり,生活科,総合的な学習の時間等で野菜や米作りに取り組んだりしてきた。また,栄養教諭と各担任が連携して定期的に食に関する指導も行ってきた。しかし,子どもたちは,望ましい栄養や食事をとることの大切さは感じることができても,実際の食生活の改善にはなかなか結びついてはいないという課題が残った。
  この課題の解決策の一つとして,今年度は,日本初の公立「教育ファーム」として6月に開園した新潟市南区のアグリパークでの農業体験学習(アグリスタディ・プログラム)を活用することとした。アグリパークで野菜を実際に採ってみる,牛の世話体験や家畜農家の方のお話を実際に聞いてみる,ソーセージを作ってみる体験を通して,子どもたちは,生命の仕組みや生産の工夫を直に学ぶことができた。この体験こそが,「食育」の根底を支える,食べ物を大切にする心や生産にかかわる人へ感謝する心を今以上に育み,食べること,生きることの意味を自分事としてとらえ,自ら主体的に食生活の改善を図ろうとする子どもを育てると考え,実践に取り組んだ。

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「教育実践」
人間関係づくりを支援する学級経営
〜アセス,ファシリテーショングラフィックを活用して〜
新潟市立小針中学校
金田 良哉

  中学校において,学級は教育活動を進める上で,重要な集団の1つである。学級への不適応は一般的に,学級集団あるいはその成員である級友や教師との関係において,親近感,満足感,帰属感をもつことができない状態として捉えられている(越,2007)。つまり,学級への適応にはその成員との関係が影響するといえる。特に新潟市では,「多面的な幼児児童生徒理解に基づく,一人一人の幼児児童生徒と教師の信頼関係を基盤に『自立性』と『社会性』を育む教育を推進する」としている。さらに「幼児児童生徒一人一人の『目指す姿』や具体的方策を明確にした個別の指導計画等の作成により,一人一人の力を着実に高める教育活動を推進」するとしており(新潟市教育委員会,2013),教師の生徒一人一人の理解とその対応が求められている。本研究では,担任学級においてQ-Uテスト,ASSESS(Adaptation Scale for School Environments on Six Spheres)を複数回実施し,学級集団と一人一人の生徒の状況を把握する。その中で,教師との関係,教師サポートに注目し,担任教師が日々実践している学級便り,ファシリテーショングラフィック,教育相談との関連を検討する。また,学級内の不登校生徒及びその保護者への対応,外部機関との連携を通した担任教師の対応について考察する。

<文献>
河村 茂雄・小野寺 正巳・粕谷 貴志・武蔵 由佳・NPO日本教育カウンセラー協会(2004).Q‐Uによる学級経営スーパーバイズ・ガイド 中学校編.図書文化.
栗原 慎二・井上 弥(2012).アセスの使い方・活かし方.ほんの森出版.
越 良子(2007).中学生の所属集団に基づくアイデンティティに及ぼす集団内評価の影響.上越教育大学研究紀要,26,357-365.
新潟市教育委員会(2013).平成25・26年度「新潟市の学校教育の重点」.


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「教育実践」 携帯・ネット問題と向き合う
新潟市立鳥屋野中学校
乙川 仁

 本来、携帯電話は単なる通信機器である。この機器の何が問題なのか。携帯電話が一般に普及し始めてまだ10数年。様々な問題が発生してきた。時代と共に携帯も進化し、インターネットの接続機能を備えコンピュータと変わらなくなり、ますますインターネットが身近なものとなった。最近ではスマートフォンが登場し、アプリの導入によって性能が向上することで、問題も多様化している。携帯電話をはじめとするインターネット網を使ったコミュニケーションは、あまりにも多くの情報を操る機会を子どもたちに提供し、マスメディア並の情報発信能力を備えているという点で考えると、判断力に限りがあり、暴露性や露出性が高く、情報モラルの身についていない子どもには手に余る道具である。
 元新潟市生徒指導主任連絡会(現新潟市生徒指導主事会)の事務局長や前任校・現任校の生徒指導主事の立場から、生徒と携帯電話・インターネットについて様々な形で指導・啓発を行ってきた。そこで今までの取組を振り返りながら、携帯電話やインターネットで「何が問題なのか」「問題の本質はなのか」「今後、どのように付き合っていくべきなのか」について考察していく。
(1)自己や主任会での取組
・利用状況の把握
・情報、問題点の共有化
・PTA、他校への啓発活動 
 (2)携帯電話・インターネットの問題は何か
・情報の特殊性による危険性
・相手を意識したコミュニケーション力の不足
・ネットの世界は、法のおよぶ現実の世界
(3)ネット利用問題の行方
・スマホの登場によってに無効化されたフィルタリング利用の義務化や、不十分なアプリの評価や有害アプリの利用制限
・アプリによるネット利用の変化と、保護者のペアレンタルコントロール能力の低下
・LINEの台頭よる閉鎖的なネット環境と、ネットいじめや危険な出会いなどのリスクの高まり
・LINEの閉鎖的サービスの急速普及から、深刻なネット依存傾向の出現

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「教育実践」
地域と学校、地域と児童の結びつきを深める活動の展開
〜児童の地域への思いを高めるために〜
新潟市立入舟小学校
池田 央

 地域と学校パートナーシップ事業のパイロット校としてスタートした当校においては、あらゆる活動で地域の方々に参加(参画)していただいている。そんな学校ではあるが、児童の中には、長年お世話になっている方の名前を覚えていなかったり、失礼な振る舞いをしたりするなど、地域の方に対する思いが今ひとつ見えてこない姿が見られる。児童と地域が多くの場面でかかわっており素晴らしい学校に見えるのだが、もっと児童の地域に対する意識を高め、お互いにとってよりよいかかわり方をしていけるようにしたいと考えた。
 児童には、自分たちのアンケート結果を見せることで、自分たちの実態を知り、どうしていくべきかを考えさせた。すると児童からは、「これまでの感謝の気持ちを形にしたい。」という声が挙がり、年度末の「卒業を祝う会」を「感謝会」に変えて、計画を立てることになった。教師は、児童が考えた活動へのアドバイザーに徹しながら、コーディネーターと連携して、地域の方々への参加を働きかけた。案内状を配布しながら、今回の活動の趣旨を説明してもらうなどして、可能な限り参加していただけるように声をかけたところ、案内状を送ったうちの約9割の方から参加いただくことができた。
 活動後、児童にいくつかの変容が見えた。感想作文には、地域の方々の名前がしっかり書かれていたこと、そして、「地域に出かけて、清掃活動をしてきたい」といった、地域に対して自分からアクションを起こしたいという思いをもつようになったことである。一方で、このような心の耕しは、卒業間際にやるのではなく、もっと幼い頃から継続して行うべきだ、という声を、同僚からもらった。まったくその通りであり、こうした取組について、全校体制で取り組んでいくための組織作りをしていくことが必要であるという課題も見えた。

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「教育実践」
ICTを活用した授業の研究
〜タブレット端末を使用した指導の有効性の工夫〜
新潟市立巻北小学校
大関 正人

 情報教育の在り方に大きな波が押し寄せ始めている。全国ではタブレット端末を授業に活用する数々の実証実験が行われており,身の回りでも,にわかに導入の動きが始まっている。タブレット端末の利点は,指先だけで直感的に操作ができることをはじめ,使う場所を選ばないこと,起動までの時間が短いことなどが挙げられる。
 それらの利点を生かしたICT活用の授業の研究に算数を取り上げた。算数は,図と式を結びつけて考える場面がたくさんあるものの,なかなか指導が難しい教科である。結果的に,計算問題を解くことならば得意であるが,演算決定をすることを苦手とする児童が少なくない。特に,割合の学習では,公式をせっかく覚えても,「比べられる量」が何で,「もとにする量」が何かが分からなければ,公式を使うことができない。
 そこで,学習者自らに,数量間の関係を構築していく過程をタブレット端末上で試行錯誤させ,その効果を検証した。
 授業では,「1(倍)はどこか」という考え方が児童の声から多く聞かれ,「比べられる量」や「もとにする量」といった用語はほとんど使われなかった。タブレット端末のデジタルテープ図と4マス関係表が上手にリンクしたことで,児童のもっていた「関係をとらえることの難しさ」や,「用語の意味を理解することへの負担」が減っていき,公式にこだわらなくても立式することが可能になった。
 本研究の授業スタイルから,「児童が必要と感じた時に,それを使って考えてみる」というスタイルへシフトすることが児童のニーズにより近付くと考える。どの学習のどの場面でどのような使い方をすればタブレット端末がより有効に働くのかをさらに追究していきたい。

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「教育実践」
意欲を高め,表現力を向上させるタブレット端末の活用方法についての研究
新潟市立新津第一小学校
橋 遼太郎

 これまで教育現場に導入されてきたプロジェクタや電子黒板,実物投影機などのICTは主に「教師」の活用を想定して導入されてきた。今,さまざまな地域,学校,自治体単位で「タブレット端末」という新しいICTの導入が進んでいる。これにより,「教師」だけでなく「児童生徒」にも,ICTを活用することへ比重が移りつつある。
 また,現行の学習指導要領では,言語活動の充実が求められている。そのために,私は,各教科等の指導で身に付けた内容を表現したくなる意欲を高め,的確に表現する力を育成するために,授業でICTを実践的に活用していくことを大切にしたい。
 そこで,言語活動の充実をねらい,授業の中での話合い活動においてタブレット端末を活用する実証研究を行った。画面にある図形に書きこんだり,図形を基に話し合ったりして,グループで試行錯誤しながら問題解決を行った。他にも,発表のリハーサルを自分たちで撮影し,その動画を基に話し合ってよりよいものに直す活動を行った。この実践から児童の意欲を高め,表現力の向上を図ることができるのか,話合いの様子の分析と児童のアンケートを基に,効果を検証した。
 その結果,タブレット端末を活用した話合いでは,発言数が増えたり,授業のねらいに迫る発言がより多くの児童に見られたりすることが明らかになった。児童の自己評価においても,タブレット端末を活用することで,自己の表現力の高まりを実感していることが明らかになった。また,話すことに苦手意識をもっている児童に対しては,学習を支援するツールになることも明らかになった。
 本実践を通して,児童がタブレット端末を活用することは,学習の意欲を高めるだけでなく,どの児童にとっても「わかる」学習活動になると,確信している。

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「教育実践」
最高学年としての自覚をもち下級生を思いやる学級集団の育成
〜年間を見通して意図的に関連させた学級活動の展開を通して〜
新潟市立和納小学校
篠木 格

 6学年の児童には,最高学年として下級生をまとめることが求められる。自分たちの行動をよりよくし,下級生を思いやる学級集団を育てるためには,年間を見通した計画的・意図的な学級活動を展開することが大切である。そこで,活動と活動を教師が意図的に結び付け,最高学年としての自覚を徐々に高めていく。それによって,児童は自分たちの経験に自信をもち,満足して卒業の日を迎えることができる。
 5年生担任のとき,年間を通じて学級目標を自己評価の拠り所にして指導した。行事を通して,学級集団が一つの目標に向かって行動し,協力することのよさを学んだ。しかし,行事では協力したものの,日常生活では自分の思いを優先させる児童が見られた。全校のサブリーダーとして,下級生の面倒を見ようとする態度もあまり見られなかった。
 6年生を担任したとき,児童には,最高学年としての自覚をもち,下級生の思いを大切にして行動できるようになってほしいと願った。そのためには,まずは,学級内の児童同士の人間関係を向上させ,自分たちの成長を実感させることが大切である。そして,次のステップとして,互いの思いを認め合う学級集団に成長させる。この段階をスタートとして,全校の前でリーダーシップを発揮して行動できるようになれば,卒業時には,自分たちの成長を共に喜び,自信をもって進学することができる集団になるだろう。
 本研究では,学級の実態を踏まえて学級活動の年間活動計画を作成し,実践した。時期ごとに取り組むべき課題を設定し,それに向けて意図的に学級活動を展開していく。それぞれの活動を,次の課題解決の活動につなげ,卒業時の理想的な児童の姿に近付けていく。

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「教育実践」
話合い活動に視点を当てた道徳の授業改善
〜いじめについて考える〜
新潟市立新津第三小学校
乙川 大

 道徳の授業において,各自の考えや思いを表出させたいと願い実践した。私の授業では,考えが書かれていても発言しない,主張の強い児童の考えに流される等の様子があった。改善策として,@「安心して自分の考えが表出できる雰囲気作り」とA「いじめという実際に遭遇する可能性の高い,自分のこととして考えられる題材」を用いた。
 @については,ファシリテーションの手法を参考にした。人の考えや意見を否定しないことを基本に,次に挙げた話し合う時のスキルを用いた。
 ・考え(発言)を掘り下げる質問   ・すでに出た考えとつなげる質問
 ・発言の少ない友達に問う言い方 ・まとめ(要約)に向けた言い方
である。(参考文献:みんなが主役!わくわくファシリテーション授業 新潟日報事業者)
 Aについては,教師のいじめに遭遇した体験をもとに話し合わせたり,「私のせいじゃない」(岩崎書店)等の絵本を用いて考えさせたりした。最後は,いじめをなくすために自分たちにできることを考えさせる。そこに,内面的な道徳的実践力はもちろん,行動に結びつくような強い思いの表出を求める。
 秋葉区の研修会では,話合いは目的ではない,本音や葛藤の出る道徳的価値が求められる,各班の話合いをもとに全体で価値を確認する場面が必要であると助言をいただいた。その後,修正の授業を行っている。9月上旬現在の成果として以下の2点の様子が見られた。
 ・話し合いに消極的で面倒がる児童2人に,話合いをリードするような積極的な態度。
 ・「〜する」と言い切ったり,発言や行動の方向性を示したり,実際の行動にうつそうとしたりする記述(児童の94%)。
 これは,人の考えや意見を否定しないというルールの外に,互いの考えのよさを認め合う話合いのスキルが影響したと考える。また,授業の手法として,@最初の考え,A話合い,B最後の考えを基本としたため,考えが補足・強化されたり,認められて自信をもったりしたと分析している。
 課題としては,話し合いの進み具合の把握,教師の全体へのかかわり(価値の共有)のあり方だ。机間支援時の話合いの整理,論点の確認,そしていじめに関する確固たるメッセージを教師がもっていることが必要であると考える。今後さらに実践を重ねていこうと思う。

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「教育実践」
道徳の時間における評価の工夫 
〜思考ツールを活用した交流・検討を通して〜
新潟市立鳥屋野中学校
渡部 智和

 本研究の目的は,道徳の時間における生徒の「思考・判断・表現」に着目し,その適切な評価のあり方と評価方法の工夫を明らかにすることで,道徳の時間における授業改善の示唆を得ることである。
 多くの道徳の時間では,ワークシートやノートに自分の考えや意見を記述させたり,立場を明確にして討論をさせたりすることはあっても,思考ツールを用いて生徒の思考を可視化して,交流・検討を組織させることはなかった。そこで新たに上記テーマをもとに研究を行うことにした。
 思考ツールとは,黒上(2012)の述べている思考ツールを援用し,「思考を書き込むための図や枠組みであり,考えを可視化するための図」と定義した。
 中学1年で授業を実践し,その効果を検証した。主として,次の2点の手立てを講じた。
ア 「価値の明確化」理論に基づき,学習過程を構想し,意図的に評価場面を位置付ける。
イ 評価場面で,「思考ツールを用いて自分の意見や考えを表現すること」と「可視化したツールを用いて他者と交流・検討を行うこと」を設定する。
 分析としては,生徒は道徳的な価値を理解し,自分自身の変容を自覚することができた。一方,資料や発問に応じて,適切な思考ツールを選択することが重要になることや思考ツールを用いて交流・検討させる際に議論点をどのようにして焦点付けるかが課題として見えてきた。

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「教育実践」
主体的に活動する生徒を育てる部活動運営
〜女子バレーボール部の活動を通して〜
新潟市立葛塚中学校
畠山 淳

  はじめに 
 着任して1年目、それぞれの選手のやる気に大きな差があり、チーム全体のやる気を高める難しさを感じながら日々の練習が続いた。このチームは最終的に目標を達成できなかった。この経験から、生徒がやらされていると感じる練習を脱却し、意欲的かつ主体的に活動に取り組むことが目標達成のために重要だと考えた。そこで、生徒の実態を把握し、指導課題を明確にし自らの指導力を高めることで生徒たちの目標を達成させてあげたいと心に誓った。
2 実践の概要
 チームの実態から、「やる気を多角的な方法で伸ばすこと」を課題として捉えた。具体的な課題解決の方法は、「学級経営」の手法が有効であると考え、「学級経営ハンドブック」を活用して、実践を試みた。
 学習意欲の構成要素(興味・関心、目的意識、方法理解、進歩感)に基づき実践した。
@ 興味・関心(練習内容を魅力的なものにする)
A 目的意識(集団目標を理解させる)
B 方法理解(目標達成の方法を理解させる)
C 進歩感(肯定的な評価を与える)
3 結果と考察
 今回このような実践で「選手が今まで以上に意欲的に練習に取り組むことができたか」という課題について、私自身の見とりでは選手の成長を感じることができた。一番先に練習に取りかかる生徒が複数に増えたり、こんな練習がしたいと申し出をしたりするようになった。このような意欲の高まりが、競技力向上につながり、生徒たちが目標を達成できるよう今まで以上に自分を磨く努力をしていきたい。

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「教育実践」
市内大会1回戦負けでも100%の生徒・保護者が満足する部活動経営
新潟市立小針中学校
桑原 通泰

 私は教員生活のほとんどでソフトテニス部の指導を行ってきた。今も総勢73人の女子ソフトテニス部の顧問である。
 若いころはとにかく勝ちたかった。しかし、ある指導者の一言が私を変えた。
 ずっと尊敬し、お世話になっていた岩手県の先生が全国大会で3位に入った。自分のことのようにうれしく、準決勝で敗退した後、その先生と生徒の元へ駆けつけた。生徒は準決勝で敗れ泣きじゃくっていた。おめでとうございますという私にその先生は決して浮かれることなく、穏やかに話してくれた。
「ありがとうございます。でも、本当の勝負は10年後です。この子がこの涙を乗り越え10年後に立派な大人に成長して初めて勝利です。市内大会1回戦で負けて流す涙を乗り越え、もっと立派に成長する子がいるとしたらその子が本当の勝者になります。」
 部活動は中学3年間で勝利することだけが目的ではない。生徒のほとんどがどこかで負けて泣いて終わっていく。その涙を乗り越え、10年後、20年後に大きく成長していくことが部活動の大切な目的ではないだろうか。 
 しかし、部活動運営は年々厳しさや難しさが増している。交流欲求を十分満たされていない生徒たちは未熟なスキルでかかわりを求め、トラブルが頻発する。教師も疲弊している。
 そこで、日ごろの部活動にピア・サポートやSEL(社会性と情動の学習)などの理論を元にした、様々なスキルトレーニングを取り入れ、良質なコミュニケーションの機会を提供する部活動を実践した。部長や副部長にはピアメディエイショントレーニングを行い、トラブル回避のスキルを身に付けさせた。
 その結果、1面のテニスコートで73人が活動するソフトテニス部が市内大会1回戦負けでも、退部者0(ゼロ)、部活満足度100%を実現できた。さらに10年後、この生徒たちが部活の経験を元に立派な大人に成長してくれることを確信している。

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「教育実践」
授業改善をやり切る研修システムの確立
新潟市立亀田東小学校
伊藤 隆之

 @学力向上を図るためには,日々の授業改善を組織的に行っていくことが求められる。
 当校のような大規模校においては,授業を改善するにあたり,次のようなことが課題となっている。
● 授業改善についての趣旨と推進する方法の共通理解が難しい。
● 職員の転出入も多く,研修の成果が積み上がっていきにくい。
● 授業研修の大研では,代表者が偏りがちとなる。小研はスケジュール設定の難しさがあることに加え,外部講師からの指導を受けられないため新たな知見を得にくい。授業研修が「やって終わり」となりがちであり,授業を公開したことが確実に授業改善につながっていると言えない。
 授業改善の趣旨と推進の方法をどのように共通理解するか。研修が確実に授業改善につながるようにするためにはどうしたらよいか。これらの課題を解決するために当校の従来の研修システムを見直し,授業改善をやり切るシステムを確立する必要があると考えた。
 本発表において 「研修システム」とは,(1)研修の目標設定と評価,(2)授業研修,(3)授業研修以外の職員研修の3つを指す。
(1)の「研修の目標設定と評価」では,授業改善に確実につながる目標項目を精選し,ゴールイメージを職員にも示し,達成状況が可視化できるものに改善する。
(2)の授業研修では,大研,小研の授業研修の形ではなく,新潟市の「計画訪問」に準じた形で,短い時間であっても全員が外部指導講師から参観を受け指導を受けることができるものに改善する。
(3)の授業研修以外の職員研修では,「学習課題とまとめの設定の意義や具体的な方法」「板書研修」「UDL」など当校の授業改善のために必要な研修を,@での達成状況を確認しつつ設定し,授業改善の趣旨や研修の積み上げを図ることをねらう。
 上記の3つを組み合わせ方を工夫し,「授業改善をやり切る」ことをねらう。「授業改善をやり切る」とは,授業改善に継続して取り組み,確実に研修の成果を積み上げていくことを指す。

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「教育実践」
チーム巻南の軌跡
〜学校経営方針「命を大切にする教育活動」を受けて〜
新潟市立巻南小学校
笹崎 義隆

 総合的な学習の時間では「協同」、新潟市の生徒指導ハンドブックでは「協同性」、そして芸能界やスポーツ界でも「チーム」や「チーム力」、「組織力」と、目指す姿や目的に同一歩調で向かっていくことが大切だと言われている。現任校の巻南小学校も、校長の学校経営方針を受け、「協同性」「チーム力」「組織力」によって、その方針を具現化しようと教育活動を行っている。私は、生活指導主任の立場で「チーム巻南」のミドルリーダーとして、校長の指導の下、学校課題にどのように取り組んできたかについて述べる。
<生徒指導上の課題>
  学校生活アンケートの結果や児童との面談、学校生活の様子から、特に「言葉が原因となってのトラブルが多いこと」、そして「人の気持ちを考えて行動することが苦手な児童が多いこと」が課題として明らかになった。
<生活指導主任としての取組>
 @「みんなでかかわろうカード」
 自学級をもちながらの生活指導主任のため問題行動が発生していても、その事案を知るのは放課後などの遅い時間となり、解決が後手に回ることが考えられた。その解決のために、「担任→学年主任→生指→管理職」という報告経路を示した「みんなでかかわろうカード」を提案した。
  A「思いやりの木」
  思いやりの心を育てようと巻南小学校で長年継続してきた取組で、「やってもらってうれしかったこと」や「言われてうれしかった言葉」を一人一人が葉っぱの用紙に記述し、「学級の木」に思いやりの葉っぱを茂らせる取組である。前述のように言葉によるトラブルが多かったことや「言われてうれしかった言葉」の紹介に特化した取組にしたいという校長の指導を受け、年度末に次年度の生活目標を設定する際に、いきいき生活プロジェクト(生活指導部)の会議で「思いやりの木」について、それぞれの意見を出し合った。その話し合いで、次年度の方向性をまとめた。
  B「山びこタイム」
  これまでは児童朝会で年間2回程度の「山びこ遊び(縦割り班遊び)」だった取組を「協同性」を目的とした縦割り班活動を定期的に実施し、活動を通して「互いの良さを認め合う」場にしたいと考えた。そこで「山びこ遊び」を担当している特別活動部の主任と話し合った。また、話し合う中で、運動会でも縦割り班種目が可能かどうかについて、体育主任を交えて話し合い、次年度の方向性を決めた。
 <生活指導主任としての取組から見えてきたこと>
@「みんなでかかわろうカード」→生活指導主任の考えによるトップダウン型
A「思いやりの木」→プロジェクトの総意によるボトムアップ型
B「山びこタイム」→様々な部と連携し段階的に拡大していくエスカレーション型
 <考察>
 校長の経営方針の下、生活指導主任という「チーム巻南」のミドルリーダーとしての取組から分かってきた成果は次のことである。職員が「チーム」として協同性を発揮できるようにするためには3つの型がある。「トップダウン型」は、喫緊の課題を解決しなければならい場合や、ある程度職員に浸透している取組を「やりきる」方法として有効であることが分かった。「ボトムアップ型」は、新しく作り上げる場面や、職員の課題意識が高い時に有効であることが分かった。また、「エスカレーション型」は、「誰でも活用したり、応用したりできそうなモデル」を1つの軸として示すことで、段階的に拡大させることに有効であることが分かった。今後の課題としては、常に校長の経営方針や思いや願いを受ける感受の高いアンテナを持つこと。そして、校長の意を具現化するために、3つのどの型で取り組むことが「チーム」として有効かを適切に判断することである。

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「教育実践」
学校課題の解決に向けたアプローチ
〜教職員の意識改革を求めて〜
新潟市立岡方中学校
渡邉 昌彦

 当校は豊かな自然環境のもと、清掃の行きとどいたきれいな校舎で落ち着いた学校生活を送っている。全国学力学習状況調査の意識調査からも、基本的な生活習慣や規範意識,自尊感情などは全国水準を超えており、生徒の心の安定が図られてきている。一方で学力数値については実施初年度から大きく上下する振幅の大きい実態があり、近年は国語は安定しているが、数学が下降傾向となっている。数学の学力向上は、喫緊の課題であることは明らかである。また、家庭学習の習慣化、個に応じた指導,家庭学習,教員研修などの課題も見えてきた。
 このような学校課題を解決する取組を進める上で、考えなければならないことの一つに学校規模がある。小規模の学校は、教科担任がほぼ一人で、校務分掌も複数抱えるなど一人一人の教職員の力量や頑張りに頼るところが大きい。一方で小回りが利き、新たな取組も徹底できる良さがある。
 私は,校長としてこのような実態、状況を踏まえ,教職員の意識改革を図り、直面している学校課題の解決に向けて次のような方策で取り組むことにした。
(1) 学校教育ビジョン・校長の経営の方針の周知と教職員評価の工夫
・ファシリテーションによる学校づくり
・教職員面談を有効に活用した目標づくり
(2) 全校体制による学力向上に向けた取組の推進
・全校体制によるWeb配信問題の実施
・生活習慣を確立するためのメイクプランタイムの実施
(3)一人一人の力量をアップするための教職員研修の推進
・小グループ編成による授業研究グループでの研修会の実施
 本実践はまだ途中であるが,次第に成果が出てきていると感じている。一人一人の教職員が自分の思いや考えを経営の方針や学校教育ビジョンと関連させて取り組むこと、全校体制による学力向上への取組を推進すること、小グループ単位で互いの授業力を磨き合うことで,学校課題の解決に確かな成果を上げたい。
 教職員の輝きは、確かな子どもの耀きを導くはずである。

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思いや意図をもって主体的に表現する子どもを目指して
新潟市立浜浦小学校
大滝 和子

  学習指導要領では「思いや意図をもって表現する力」の育成が求められている。「思いや意図をもって表現する力」とは、「こんなふうに表現したい」という自分の願いをもち、それを実現するためにはどのように表現したらよいのかを音楽の要素を手掛かりにして考え、自分にとって価値のある表現をつくりあげていく力であると考える。これは、音楽科における思考・判断の力である。
 私は、子ども自身が根拠を明らかにして、「こう表現してみよう」「次はこうしてみよう」とどのように表現したらよいかを主体的に考えて表現していく姿を目指し、歌唱表現の領域で次のような手立てを講じて、実践を行った。
1 旋律やリズム、速度や強弱、和声の響きや調などの共通事項について、それぞれの音楽の要素の特徴に気付かせ、音楽の要素と曲想とのかかわり合いをとらえさせる。そしてこれを、「こんなふうに歌いたい」という願いや歌い方を考える根拠とする。
2 曲の一部分で歌い方を試させ、自分の願いと音楽の要素とを結び付けて歌い方を考えるという方法を全体で共有する。そして、それを基に曲全体の歌い方を考えさせる。
 また、これらの活動の中で、ワークシートの工夫や理由の問いかけなどにより、言語活動を充実させ表現の根拠を明らかにし、よりよい表現につなげていくことができるようにした。 
 

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「教育実践」 
生徒の多様な考えを導き出す学習過程の工夫
〜ファシリテーション・グラフィックの効果的な活用をとおして〜
新潟市立白根北中学校
坂井 孝行

 私は,生徒自身が運動の目的や意味,どうしたら技能を高められるかを理解し,主体的に運動に参加する保健体育授業づくりを目指している。そのために,ファシリテーション・グラフィック(以下FG法)を活用し,生徒一人ひとりの多様な考えや思いを導き出し,整理して論点を明らかにしていく活動を学習過程の場面に取り入れることが有効であると仮説を立てた。したがって,保健体育授業におけるFG法の有効性と活用方法について研究する。

 生徒の実態としては,保健体育授業についての生徒アンケート結果において83%の生徒が「授業に意欲的に取り組んでいる。」と回答している。しかし,運動が得意・不得意の二極化がはっきりとしており,身体能力的に優れ,発言力が大きい生徒だけが中心となって活動が成り立っているという様子が随所に見られる。さらに,コミュニケーション能力が低く,他者とかかわり合うようなグループ活動を好まない生徒が多い。また,96%の生徒が「授業内容はわかりやすい。」と肯定的に回答しているが,運動の目的や意味や方法について問うと多くの生徒が十分に理解しているとは言えない実態がある。どちらかというと,受け身の生徒が多い。これらの生徒の実態を踏まえて自己分析すると,教師主導の詰め込み型の授業展開となっており,生徒が本当の意味で十分に理解していないままの状況で課題設定がなされている場合が多かった。そして,与えられた技能や知識を活用し,課題達成に向けて生徒達が運動をこなしているだけにすぎない授業展開が繰り返されているということが推測される。

 この自己分析結果より,生徒一人ひとりの考えや思いを引き出す中で,問題意識を喚起し,課題を共有化する。それにより,主体的に運動にかかわろうとする意欲を高め,基本的な技能や知識の習得を目指す。保健体育授業の学習過程でFG法を効果的に活用するために,子ども同士が主体的にかかわり合いながら言語活動(話す・聞く・書く・読む)をするスキルを身につけさせること。また,自分の考えや思いを気兼ねなく表出できる,良好な人間関係づくりを構築することも視野に入れながら丁寧に指導していきたい。

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「教育実践」 
目的意識をもち,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童をめざして
〜「伝えたい」「聞きたい」,自己表現と他者理解を体験する外国語活動〜
新潟市立小針小学校 
山田 里恵子

 外国語活動における自ら学ぶ姿とは,慣れ親しんだ外国語を使って自らの思いを相手に伝わるように工夫してコミュニケーションを図ろうとする姿である。しかし,高学年における週1時間の外国語活動だけでは容易なことではない。簡単な語彙や表現を使ったコミュニケーション活動の実際は,伝えたいことをどのように表現すればいいのだろうと戸惑ったり,一方通行になったりする姿が見られる。そこで,この姿を打破するために,以下の「授業を行う上で大切な4つのポイント」を踏まえた授業が有効と考え,授業を展開することとした。
【活動設定】単元で扱う語彙や表現等に出会う場面の設定
【気付き】言語や文化について気付くような活動の設定
【慣れ親しみ】児童が繰り返し話したり聞いたりしたくなる活動の設定
【コミュニケーション】児童が単元で扱う語彙や表現等を話したり聞いたりする必然性
のある活動の設定
 本研究では,上記の4つのポイントを踏まえ,目的意識をもち,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育成するために,単元の活動構成のあり方に主眼を置き,実践を通した。
ア 言語や文化についての気付きをコミュニケーション活動で生かすことができるように,慣れ親しむ活動と言語や文化について気付く活動をスパイラルさせて構成する。
イ 単元の導入段階で,目指すコミュニケーションの姿を提示し,目的意識をもたせる。
ウ 児童が単元で扱う語彙や表現等を話したり聞いたりする必然性を生むために,児童のオリジナリティーを表出できるようなコミュニケーション活動を設定する。
 上記のように,授業のポイントを踏まえ,児童の実態に合った単元の活動構成を吟味して行えば,単元終末のコミュニケーション活動において,自分の伝えたいことを伝えるために言葉を使ったり,相手の伝えたいことに真剣に耳を傾けたりして,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育成することができると考えた。

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「教育実践」 
感性を働かせて,自分の思いを浮キ力を育てる図画工作科指導の工夫
〜アーティストと連携した授業実践を通して〜
新潟市立亀田小学校
磯部 征尊

 1.問題の所在と研究目的
 新潟市内の小学校研修会の一つである図画工作部(以下,図画工作部)では,平成21〜23年度,造形活動の過程で意図的に人・もの・こととのかかわりの場を設定し,人・ものなどの学習対象とかかわる実践例を蓄積してきた。特に,こととかかわる実践では,美術館を活用し,見方や感じ方を豊かにする活動を行った。美術館では,「何を材料として作られたか」「作者の作品に込める思いとは」という学芸員の焦点化した問いかけにより,子どもに「こと(作品に込める作者の思い等)」とかかわらせることができた。このような作品との出会いが,「見つけ,考え,話す」という主体的な鑑賞姿勢を促した。そこで,本研究では,図画工作部の課題を解決するため,「こと」とのかかわりを工夫した実践例を増やし,豊かに発想したり,表したりする子どもを目指す。
2.題材について
 本研究では,「こと」を「事象や現象,出来事など(例:水たまりに入った色水の変化や光などの事象,風や林,川のせせらぎなどの自然現象,その地域の歴史・風土・伝承・行事などの出来事,作品に表現された芸術家の思い・語り・つくる行為)」ととらえる。
 平成24年度は,7月14日から12月24日まで,「開港都市にいがた水と土の芸術祭2012」が開催された。同芸術祭の「みずつち こどもプロジェクト(工夫された楽しい造形活動と人と触れ合う体験を通して,子どもたちの感性に直に働きかける企画)」では,希望により芸術家(以下,アーティスト)による出前授業を受けたり,教員とアーティストとの授業を行ったりすることができる。そこで,この機会を活用し,「こと(作品に表現されたアーティストの思い・語り・つくる行為)」とのかかわりに着目した授業実践を行った。
3.実践の概要(小学校第1学年「ならべて,かさねて,つんでみると」,全4時間)
1時間目
○みずっちタンク(旧浄水場)に行き,アーティストが人工物を組み合わせて制作した作品を鑑賞し,作品について疑問に思ったり,質問を考えたりする。
・テーブルの上に色々なものがならべてあるよ。弁当箱みたい。
・ぼくも,並べたり,積んだりできるよ。
○アーティストに自分たちが考えた作品の質問をする。
・どうして,テレビが付いているのですか。
・どうして,屋上にペットボトルを並べたのですか。
2時間目
○アーティストに質問したいことを考える。
・なぜ,芸術家になったのですか。
○アーティストと教室での再会後,複数の質問をする。
○机の中にあるもの(筆箱やノートなど)を並べたり,重ねたり,つんだりする。
・筆箱の上に鉛筆を置いたよ。
・定規や鉛筆を重ねたよ。
3〜4時間目
○校内鑑賞ツアーに行き,アーティストの作品を鑑賞する。
・バランスよく並んでいるよ。
・何かの生き物みたいだね。
○アーティストから,適宜,作品について,コメント(バランスよく並べているね。左右対称に積んでいるね。など)をしてもらう。
4.実践のまとめ
 成果は,児童がアーティストと直に接し,同じ時間・場を共有したことで,感性がダイナミックに動きだし,今までとは異なる発想や構想の力を働かせることができたことである。また、アーティストと教育者という異なる側面を持つ二人がコラボレーションして授業を創り上げることで、新しい美術教育の可能性を探ることが出来たことである。 
 課題は,授業に対する共通認識を協働でつくりあげるに当たっての方法論の構築である。

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「教育実践」 
お互いが高め合うチームづくりを基軸とした部活動指導
新潟市立鳥屋野中学校
堀 里也

 1.はじめに

 「何でこんな簡単な事もできないんだ」「この前教えたはずだろ」そして、最後には「やる気あるのか」
 部活動指導の現場で、過去私が多用していた言葉である。思い返してもひどいものである。指導すればするほど、生徒達の表情は曇り、結果も思うようにでない。指導者の熱意とは裏腹に、このような負の連鎖に陥るチームづくりをした経験は、私だけではないはずである。
 私は、自分の専門種目であるバスケットボールを指導していたことが、逆に、生徒の実態に合わない、独善的な指導となっていた。私は、生徒に、一生懸命になることを強要し、生徒は、一生懸命に「はい」という返事を繰り返し、叱責されないようにしていただけだった。私は、指導の熱意を、自分の考え通りに生徒が行えばよいと勘違いしていた。様々な出会いから、自分自身の指導の間違いに気づき、修正していくことが、目の前にいる生徒達の将来ためにも重要なことであると考えた。<

2.実践の概要
 今年度、私は、下記に示す指導原則の3点を意識し、部活動指導を改めた。そして、その実践が軌道に乗りはじめたと実感している。
(1) お互いが高め合うチーム作りには、指導者の熱意が必要である。
 集団スポーツは、構成員一人一人に当事者意識を芽生えさせ、集団(チーム)の目標を、一つの大きなベクトルにしなければならない。集団が大きなベクトルとなって、お互いを高め合う集団(チーム)となるためには、構成員に、お互いを高め合う必要感を抱かせることが重要である。そのためには、やはり指導者の熱意が何よりも重要である。
(2) 目的にそって練習するためには、指導者の準備が必要である。
 そのベクトルによって、練習の質が大きく変わるはずである。一つの練習ドリルの目的を集団で共有することが、日々、目的にそって練習することにつながる。練習ドリルの目的を集団に伝えるためには、指導者の準備が求められる。指導内容を厳選し、効果的に伝わるための指導言語も厳選する。そして、指導者の意図する練習となっているか確認をする。
(3) 生徒は、指導者の態度を映す「鏡」である。
毎日の準備の結果が、試合の結果を決定するといっても過言ではない。以前は、大会直前に、集団の雰囲気を盛り上げようとしていた。しかし、その雰囲気は、生徒達の本来の力ではない。メッキは、苦しい場面では必ずはがれる。雰囲気は、生徒達の困難に打ち克とうとする勇気によって醸し出されるものである。そして、その勇気は、指導者の日々の表情や言動によりつくられるものである。
3.おわりに
 新潟県には、全国に名を轟かす強豪校とトップの指導者が多く存在する。つまり、指導者として学ぶ場は、他県よりも恵まれている。重要なのは、指導者の学び続ける姿勢である。部活動指導において、目先の勝利以上に大切なことが、この出会いに隠されている。
 伝統ある新潟県バスケットボールの競技力向上に貢献することは、私の使命である。

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「教育実践」 
系統性をもった小・中学校5か年の家庭科教育の創造
〜C領域の実践を通して〜
新潟市立大通小学校
渡辺 明子

 

 学習指導要領の改訂で小学校と中学校の内容の系統性や連続性を重視し、生涯にわたる家庭生活の基盤となる能力と実践的な態度を育成する観点から内容構成がA〜D同一の枠組みになった。

 家庭科においても小・中を見通した指導をすることは必須課題である。五年生で家庭科の学習を始めた児童の5年後の自立した姿をイメージし、それぞれの場面で学ぶべき基礎的・基本的事項を明確にする。さらに小・中の教師が互いに連携をとりながら指導する姿につなげる必要があると考えた。

 そこで,授業を核にした次の3点を手立てとして小・中5か年の系統性をもった家庭科指導のあり方を探った。

○中学校区においての小・中の教師間の交流

 それぞれの校種の特性を理解し,校種を越えた授業の改善を図るために小・中の交流会を行う。その際に,児童・生徒の実態や互い学校の学習指導の重点(研究主題など)、取組の概要を確認する。

○教科経営案の作成

   教科の基礎的・基本的な学習内容の確かな定着に向けた教科経営案を作成する。内容は5か年の指導計画の系統性を明確にしたり、評価規準を比較し,学習内容の違いや連続性を明確にしたりする。

○授業の実践

 教科経営案に基づいた5か年の系統性をもたせ、さらに児童生徒の実態に即した指導の構想をし授業改善を図る。指導のポイントとしては子どもの課題意識を連続させるストーリー性を大切にする。科学的な体験活動を取り入れることで児童が実感をともなった理解をし実践に結びつけやすくする。課題解決の方法を探っていく過程がわかるように、学習全体図を作成する。そこにも5年生での学習したことや中学校で学習することも加える。

 取組の成果として、教科経営案を作成することを通して小・中の相互の学習内容の理解を深め,小学校での指導内容と中学校での指導内容がどのようなつながりをしているのか明らかにできた。そのことは、小学校の基礎的・基本的な学習内容を明確にでき、焦点づけた授業づくりや児童の5か年のストーリー性をもった学習へと結びつけることができた。


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「教育実践」 
「共通事項」を手がかりに音楽のよさを捉えて表現追求させる指導のあり方
新潟市立小須戸中学校
和田 麻友美

 

 「こういうふうに歌いたい!」「○○してみるともっとよくなるかもしれない。やってみよう。」私はこのように、子どもに楽曲に対して明確な思いや意図をもたせたい。そして、その思いや意図を演奏として表現できるように仲間とともに主体的に追求活動に取り組ませたい。それは、子どもにとって、「自分たちがつくりあげた音楽なんだ」と音楽表現の根本の喜びを感じることにつながると考える。

 「なんとなくこうしてみる」「音楽記号で指示されているからとりあえず指示に従ってみる」でなく、音楽をかたちづくっている要素〔共通事項〕を手がかりに、その要素が曲に対して生み出す効果的な働き(=音楽のよさ)を捉えることができれば、「楽譜では〜だから・・・にして歌いたい」と思いや意図が明確になり、子どもはその思いや意図の実現に向けて表現追求活動を主体的に取り組むのではないだろうか。

 本実践では、子どもが「共通事項」を手がかりに音楽のよさを捉えられる活動の組織として、以下の内容を組み込んだ授業を構想し、実践、検証していく。

(1) 楽曲の内容を捉える活動の組織

・歌詞の意味を問い、子どもに曲に対するイメージを膨らまさせる。

・楽譜に書かれている強弱記号・速度標語を確認させ、意味を理解させる。

(2) 「共通事項」を手がかりに「考えるポイント」を提示し、思いや意図をもたせる活動の組織

・教師が、手がかりとする「共通事項」の中から絞った要素を中心に考えさせる。

・考える際に、順序立てて整理させるため、「考えるポイント」を提示し、子どものもつ思いや意図を明確にさせる。 

(3) 仲間と相互評価しながら練習させる活動の組織

(2)で明確にした表現意図を実際の演奏に表現できるように練習をさせる。
・自分たちの思いや意図が、聴いている人にもしっかりとわかるような演奏するため、グループで聴き役を立ててアドバイスし合い、相互評価させる。


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「教育実践」 
キャリア教育を中心に据えた特色ある学校づくり
〜総合的な学習の時間と社会貢献活動を通して〜
新潟市立小須戸中学校
高橋 丈男

 当校の学校教育目標である「知性・創造」・「自主・協同」の実現を目指すためには、キャリア教育の推進は必要不可欠である。特に、「自己の生き方」を考え、望ましい職業観や勤労観を育むために、当校のグランドデザインの中に「夢」・「あこがれ」というキーワードを設定した。この二つの語句をグランドデザインの中核に据えて、「学力向上」・「社会性の育成」・「心身の健康・安全」の3つのブロックに教職員が分かれて教育活動を展開している。キャリア教育は各教科・道徳・学活・総合的な学習の時間(以下「総合学習」)など全教育活動を通して行うものであるが、当校では一昨年度までは総合学習を中心に、地域の「ひと・こと・もの」との関わりを通じてキャリア教育を推進してきた。しかし、学校教育活動の時間の範囲内だけでは地域との関わりを十分生かし切れず、「地域を愛する心」を育てることができないと考えた。そこで昨年度から、総合学習での活動を踏襲しつつ、校外のゴミ拾いなどの奉仕活動や祭りなど地域の行事に、中学生がボランティアとして参加する「地域貢献活動」を取り入れた。
 総合学習の活動の具体例として、地域のNPOの方々の協力を得て、中学生が保育園児や小学生に花植えのやり方を教えながら、一緒に花植えを行う。この活動は、幼(保)・小・中の連携を深め、園児から児童・生徒まで
12年間を見据えた教育活動を、「地域で子どもたちを育てる」という観点から展開しようとする活動である。「地域の大人から学ぶ」・「社会貢献活動を通して地域から学ぶ」活動を通して、「地域を愛する心」を育み、「地域の一員」として地域や社会に参画する態度を養い、「自己の生き方」を考える生徒の育成を図りたいと考え、以下の研究仮説を設定した。
 「地域の大人から学ぶ」及び「地域から学ぶ」活動を総合学習や社会貢献活動で多く設定し、園児から児童・生徒までの12年間を見据えた教育活動を展開すれば、「地域を愛する心」が芽生えるとともに、地域社会へ参画する態度が養われ、「自己の生き方」を考える生徒を育成できるだろう。
 教育研究実践発表では、地域教育コーディネーターの活用を図りながら、地域のコミュニティ協議会、NPO、幼稚園(保育園)、小学校、公民館、商工会、新潟市環境政策課等と連携して行っている総合学習や地域貢献活動の内容と、生徒の活動の様子、生徒の感想や評価の仕方等を紹介する。キャリア教育を中核に据えた当校の特色ある学校づくりの実践発表をしたいと考える。

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「教育実践」 
児童同士のかかわりを促す情報機器活用についての研究
新潟市立西内野小学校
本田 英雄

 

 言語活動の充実は,各教科等を貫く重要な視点として位置付けられている。授業における言語活動としては会話や意見交換があげられる。情報機器を有効に活用することで,児童同士の会話や意見交換などを促すことができると考える。そこで,どのように活用すればよいかを検証することとした。

 各教科において図表や絵,写真などの具体的例示を読み取る学習活動がある。これら具体的例示には児童に着目させたい点(以下,着目点)がある。情報機器を工夫して活用することで,この着目点をより妥当に捉えさせることができるのではないかと考えた。着目点を捉えることができれば,児童はそれを基に友達と話合いをしながら学びを深めるだろう。そこで6年生の社会科で,情報機器を活用したグループと印刷物を活用したグループに分けて実践を行った。工夫の具体例としては,「アニメーションによる強調」や「拡大表示による詳細化」などを用いた具体的例示の提示を行った。

 その結果,情報機器を活用したグループの方が着目点を妥当に読み取ることができていた。また,それぞれのグループの発言の様子を分析したところ,情報機器を活用したグループの方が,全員が多く話合いに参加していたことが分かった。さらに十分話し合う時間を確保した上でねらいの達成状況を見てたところ,情報機器を活用したグループの方がより多くねらいを達成することができていた。

 「授業者が具体的例示のどこに着目をさせるかを明確にもつこと」により,具体的例示を情報機器でどのように示せばよいかが見えてくる。そして「話し合う時間を十分に確保すること」で多くの児童がねらいを達成し,学びを深めていくことができると考える。


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「教育実践」 
理科におけるタブレット型端末活用の効果についての研究
新潟市立根岸小学校
石月 直敬

 

 PISAのデジタル読解力の調査(2009年)では、日本の子どもたちは学校の教科学習においてコンピュータをあまり使用していないという結果が報告された。コンピュータ室への移動や普通教室での準備に時間がかかるためである。一方で教育環境に,タブレット型端末の導入が始まった。タブレット型端末は可搬性に優れ,教室でも校外でも使用できる。また,ボタン一つですぐに起動し,準備に時間がかからない。日常の学習では使用しやすい。

 そこで,理科における観察画面においてタブレット型端末のカメラ機能とビューア機能を活用する実証研究を行い,その効果を検証した。グループの話合いの中で発言数が増えたり,観察対象の特徴をとらえた言葉が表出したりする効果と、学習の満足度が高まる効果を,児童へのアンケートと話合いの様子の分析をもとに明らかにした。

 その結果,デジタルカメラを活用した話合いとタブレット端末を活用した話合いでは発言数に違いがあることや,タブレット型端末を活用すると観察対象の特徴をとらえた言葉が表出する効果があることが明らかとなった。また、学習の満足度が高まる効果も明らかになった。

【参考文献】

小学校学習指導要領 文部科学省 2008

小学校学習指導要領解説総則編 文部科学省 2008

小学校学習指導要領解説理科編 文部科学省 2008

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2009)「デジタル読解力調査」国立教育行政研究所 2009
「新訂ユーザーのための教育・心理統計と実験方法」 田中敏 山際勇一郎 1992


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「教育実践」 
大型TV・教材提示装置・電子黒板を子どもが操作し,考えを発表し合うことで,かかわり合いを活発化し,自分の考えを深めさせる算数指導の工夫
新潟市立小須戸小学校
山本 英司

  新学習指導要領では,思考力・判断力・表現力が重視されている。本研究では,この3つの力の中から,特に思考力に着目し,研究を進めることにした。算数の授業において,子ども自身がICTを操作し,自分の考えを発表する過程を通して,子どもがかかわり合い,思考が深まっていくかどうか研究する。
 子ども自身がICTを使って自分の考えを発表することにより,多くの子どもに視覚化して具体的に示すことが容易になる。ICTを使って自分の考えを発表するために,子どもは,課題について考え,式や図,表,グラフ,言葉で分かりやすく表現しようとする。聞き手の子どもは,ICTを使って示された考えに注目し,友達の考えのよさに気付いたり,自分の考えとの相違に気付いたりすることと考える。
 これまで,授業におけるICT活用は,教師がICTを活用して指導する場合が多かった。新学習指導要領により,教育の情報化が挙げられる中,時代の要請から,子どもがICTを使って,お互いにかかわり合い,自分の考えを深める授業を目指すことが必要である。
 4年生「2けたでわるわり算」では,黒板とICTを使った発表を子どもが選択できるようにした。大型TVと教材提示装置を使い,ワークシートに記述した子どもの考えを,自分で説明できるようにした。また,電子黒板とノートPCで,子どもの考えを発表できるようにした。子どもの考えを予想し,スマートノートブックで必要なパーツを作っておくことにより,子ども自身が電子黒板を操作して発表することができた。一部の発表については用意された適切なパーツがなく,授業中にその場で作成した。
 友達の考えを全体で知る場面において情報機器を子ども自身が操作したことは,子どもの興味・関心を高めただけでなく,考えを共有化することにおいても有効であった。
 また,全体で確かめる予定だった筆算については,ワークシートに筆算のアルゴリズムを説明している子どもがいたので,その子ども自身に電子黒板を使って説明させた。教師が一方的に説明するよりも,子どもの言葉でまとめることができた。聞き手の子どもから,「分かりやすい。」,「1けたのわり算のやり方と同じだ。」といった声が聞かれた。
 本実践では,教材提示装置と電子黒板を子どもが使って発表することにより,アレイ図から商を求めるよりも筆算で商を求める方がより簡単で速いことに,多くの子どもが気付くことができた。今後の課題として,かかわり合いを活発にし,自分の考えを深めるために,友達の考えとの相違に気付くことができるような課題やICT活用の方法を工夫していく必要がある。

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「教育実践」 
学習者の意欲を高める“Hi,friends!”デジタル教材活用の事例的研究
〜小学校外国語活動における英語劇活動を通して〜
新潟市立上所小学校
林 俊行

 

 本研究は、文部科学省が作成した“Hi,friends!”デジタル教材の電子紙芝居を用いて、学習者同士が協働して英語の物語の台詞を聞き取り英語劇を行う教育実践とその評価を行った。

 「教育の情報化ビジョン」(文部科学省2011)において、主に教員が子どもたちに指導するためのデジタル教科書を指導者用デジタル教科書、主に子どもたちが個々の情報端末で学習するためのデジタル教科書を学習者用デジタル教科書として定義づけられた。指導者用デジタル教科書を活用することについては、多くの研究から学習者の理解度や楽しさ・満足度を高めることが明らかにされている。一方、学習者が主体的に活用する学習者用デジタル教科書についての研究や実践の報告は少なく、平成23年度から施行された小学校外国語活動においての活用に関する研究や実践はほとんど検討されていない。

 以上のことにより、本研究は、小学校外国語活動において、学習者が主体的にデジタル教科書を活用する効果の検証を目的とした。なお、小学校外国語活動は各教科としての扱いではなく、文部科学省が作成した“Hi,friends!”は教材扱いとなっている。しかし、全国の公立小学校の96%が“Hi,friends!を活用しているという実態から、本研究では“Hi,friends!を教科書として捉え、“Hi,friends!”デジタル教材をデジタル教科書として定義する。

 研究の方法として、調査対象を公立小学校6学年(35名)に、週に1単位時間の授業を3時間行った。学習単元は、『Hi, friends! 2 Lesson7「We are good friends.」』を取り扱った。桃太郎の昔話を、英語やジェスチャーを用いて劇をすることが内容である。また、デジタル教科書は、デジタル教科書のデータをSDカードに移して、タブレット型端末で起動するようにした。

 その結果、学習者は協働してデジタル教科書の電子紙芝居の英語を聞き取り、その英語をもとにして、劇を行った。発音については、ALT1名と中学校英語教諭2名から、適当であると評価された。また、林ら(2013)による外国語活動へのアンケート調査、ARCS動機づけモデルに基づくアンケート(松崎2008)により、5%の有意水準で優位に向上がみられた。したがって、学習者が主体的にデジタル教科書を活用することは、外国語活動における学習者の意欲を高めることが期待できることが明らかとなった。

【参考文献】

「小学校外国語活動におけるタブレット型端末の音声認識機能による翻訳活動に関する事例的研究」林俊行・水落芳明・桐生徹・神崎弘範 日本教育工学会論文誌,36巻-Suppl,pp.45-48. 2013

「基礎的知識の定着と自己調整学習力を培うことを目的とした総合的な学習の時間の授業実践とその効果−ポートフォリオを教授ツールとして活用して−」松崎邦守 日本教育工学会論文誌,32巻-Suppl,pp.149-152. 2008


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「教育実践」 
情報モラル育成の工夫
新潟市立浜浦小学校
齋藤 裕一

 

 社会の情報化が進む中,子どもたちがパソコンや携帯電話などを活用する場面が増えてきている。簡単に情報を取り入れたり,共有したりすることができ,授業での学習効果が期待できる反面,情報モラルの育成が十分にされていない現状がある。学習指導要領において,道徳や学級活動をはじめ,全教育課程において情報モラルを指導することが位置付けられている。

 そこで,子どもたちの実態を踏まえながら,以下の手だてを用いて,実践を行った。

1 「情報モラル指導モデルカリキュラム表」の見直し・修正

 既存の「情報モラル指導モデルカリキュラム表(JAPET作成)」を基に,各学年の指導内容に適する教材(デジタルコンテンツやソフト)を洗い出す。

2 情報モラルに対する意識が持続し,実践力がより発揮できるような指導の工夫

 指導内容に対する正しい情報モラルを身に付け,実践力が効果的に発揮できるように,指導時期や時間などを弾力的に設定し,指導する。

 2つの手だてから,既存のモデルカリキュラム表を見直したことで,指導内容をどの学年で,どんな教材を用いて指導したらよいかを明確にすることができた。情報モラルの指導に結び付く具体的かつ実践的なモデルカリキュラム表となった。また,発達段階に応じて,指導する内容を精選したことで,指導に適切な時期や指導時間などの妥当性を検証することができた。

 情報モラルの指導においては,何か問題が起こってからの対処療法的な指導に陥りがちである。だが,正しい情報モラルを身に付け,実践力へとつなげていくには,問題行動を未然に防ぐための先行指導的な授業も取り入れ,有効な教材を用いながら指導することが必要である。


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「教育実践」 
卒業後のより良い生活を目指して
〜生徒の実態と進路先を考えた「職業生活」の取組〜
県立西蒲高等特別支援学校
高橋 悟

 

 「学校でやっていることが卒業後どれだけ生かされるか疑問だ。」 この言葉は、昨年の作業学習保護者説明会後に、保護者にアンケートをしたときの意見である。

特別支援学校高等部を卒業すると、ほとんどの生徒は社会人として働きながら生活を送ることになる。当校在籍の生徒は、多くの介助を必要とする生徒から企業就労を目指す生徒まで実態に幅があり、生徒の実態が「3極化」している。そのため、学習内容を生徒の実態に合わせて取り組む必要がある。

 そこで、従来行ってきた「作業学習」の在り方を見直し、社会情勢や多岐に渡る進路先の状況を見据えながら、生徒の実態や進路希望先に合わせた類型化された「職業生活」を立ち上げた。「職業生活」の学習グループ(職業班)を3類型4区分(T類型:生活自立型、U類型−1:作業基礎型、U類型―2:作業自立型、V類型:職業自立型)に分類し、7つの班(環境エコ班、資源・回収班、ものづくり班、まき農班、委託班、クリーンサービス班、職業自立班)に改編した。実態別にグループ編成した作業内容の設定、所属班を決めるためのアセスメントの実施、地域や企業と連携した取組(自動販売機を活用した学習、毎週水曜日に実施のデュアルシステム等)、共通理解を図るための職員研修などを行った。

 このような取組により、職員間の共通理解が深められ、生徒の実態に合った類型化された「職業生活」の学習を構築することができた。また、生徒が早期に複雑な進路について考えたり、様々な体験を通して自己理解を深め、就労意欲を高めたりすることができる生徒が増えた。

 学校での学習が卒業後の生活に生かされることを目指し、生徒が卒業後により良い豊かな生活を送ることを願った実践である。


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「教育実践」 
特別支援学校高等部における職業教育の実践
新潟大学教育学部附属特別支援学校
伊藤 宏之

  私は,特別支援学校高等部の職業教育の実践を通して,生徒が卒業後の働く生活に対するイメージをふくらませ,自らの課題に挑戦し続けようとする姿を目指している。
 昨年度までの実践を通して,自分の取組に良さを感じながら,指示された手順や方法に従って作業に取り組む姿や「卒業したらこんな仕事をしてみたい。」など働くことへの意欲を支援者に語る姿など,卒業後に働くことに対して前向きな思いが高まってきている生徒の姿を確認することができた。
 しかし,その一方で,指示された内容には従いながらも漠然と作業に取り組んだり,教師の指示や支援を待ちながら作業に取り組んだりする様子が見られた。これは,生徒自身に働くことのイメージが十分に身に付いていないことが要因であると捉えた。
 今年度の実践では,高等部卒業後,企業就労を目指す生徒が所属する学習コースで,「物流サービス」を題材として取り上げた。そして,企業や市役所からの受託作業や校外への出向作業を通して,作業に取り組む必要性や作業の目的,仕事に取り組む意味などをより確かなものにしてきた。さらに,担当する作業や仕事の成果が実感できるように指導・支援を工夫することで,「自分はできる。」といった自信や「担当する作業をしっかりとやりたい。」といった仕事への意識を高め,目標に向かって,身に付けた力を発揮しながら作業に取り組もうとする姿を目指した。
 実践を通して,目の前の作業に正確に取り組もうとする姿や,良い製品を出荷しようと,繰り返し検品作業に取り組む姿が見られた。また,学年やこれまでのインターンシップなどの経験に応じて,働くことに対する自分なりの思いをもちはじめている姿が見られてきた。

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「教育実践」 
軽度知的障がいの児童における生活力を育てるための効果的な金銭指導
〜実生活の中で金銭を使うことを通して〜
新潟市立栄小学校
川瀬 雅人

 

 私は、現在、特別支援学級の担任をしている。児童は生活単元学習に興味・関心を示して活動しているが、知識やスキルを十分身に付けさせることができないでいた。軽度知的障がいの児童が学校卒業後、地域の中で生活してくために必要な知識やスキル、習慣などを学校教育において可能なだけ身に付けておくことが重要であると考えている。
 生活単元学習は、このような知識やスキル、習慣などを身につけるために最も適した指導形態であると思われるので、指導内容を設定する際には、将来の地域生活をしっかり見据えることが重要であると考えた。
 そこで、今回は生活単元学習の中で特に金銭指導に焦点を当てて取り組むことにした。その理由をいくつか述べる。
 金銭指導には、
@どの段階の児童でもできる。
A算数科の力をのばすことができる。
B「スモールステップ」で児童の課題が見え、成長が分かる。
C金銭処理は、児童が実際の生活の中で経験している、あるいは将来の生活の中で経験するであろう活動であり、児童にとって取り組みやすい学習内容であるため生活の中で活かすことができる。
 などのよさがあると考えたからである。


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「教育実践」 
自己の生き方についての考えを深める児童の育成
〜「自己決定」と「自己評価」を取り入れた学級活動の指導〜
新潟市立東青山小学校
野澤 諭史

  学習指導要領の改訂に伴い,特別活動では新たに目標に「自己の生き方についての考えを深め,自己を生かす能力を養う」という文言が加えられた。私は,知識や技能の習得に留まらず,自己の生き方についての考えを深める児童を育成することが,今、特別活動に求められていると考える。
 そのために、小学校の学級活動において大切なのは,学級の問題解決に向けた集団活動を通して,児童自らが自分の行動をより望ましい方向に決定する力を養うことである。児童が自分自身の態度や考え方、行動をより変容させる力を身に付けさせることができれば,「自己の生き方」を見つめる力を深めることにつながると考える。
 これまで私は、学級担任として,学級集団の育成に関して,教師が学級の問題点を指摘したり,解決の方向を示したりしながら,問題解決を児童に求めるという指導に終始してきた。そこからは,児童が自ら問題を見付け,進んで解決に向かう姿は見られなかった。いわば「受け身」の問題解決を児童に求めてきた。
 そこで、児童に次のような力を付けることで、「自己の生き方についての考えを深める児童」の育成を図った。
@学級の問題から自分の課題を見出す力
A課題解決に向け,自分の態度や行動の方向性を決める「自己決定」の力
B振り返り活動や他者とのかかわりを通して自己の認識や行動をより良く変容させる「自己評価」の力
 研究実践では、6年生と3年生という発達段階の異なる2つの学級に対して行った取組の検討及び分析を通してその有効性を検証した。
 手立てとして、「課題を見出すための活動」「自己決定する活動」「自己評価する活動」という一連のサイクルを、学級活動のなかに位置付けた。それにより、自ら前向きに課題解決に取り組む姿が多く見られるようになった。また、活動の振り返りでは、自らの成長を実感し、肯定的に自己をとらえる記述も多く見られるようになった。
 研究実践の分析を通して、自らの行動を自己決定し、それを振り返ることでより良く認識と行動を変容させていくことが、「自己の生き方についての考えを深める子ども」の育成につながることが分かった。

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「教育実践」 
保護者との連携で強化する道徳教育の実践
新潟市立新津第三小学校
乙川 大

   かつて,学級崩壊後のクラスを担任した時,担任だけでの力では改善できないと考え,保護者に連携を呼びかけた。その経験から,道徳教育における保護者との連携の在り方を模索した。


 学習指導要領には「道徳教育は,あらゆる教育活動を通じて,適切に行われなければならない。」「道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うもの」とある。


 保護者には,道徳の時間はもちろん,様々な学校生活の様子を発信し,連携できるよう努力した。学級便りで,「保護者の窓」なる保護者の声を吸い上げる場を設け,「児童への温かいメッセージ」を求め,児童の自己肯定感が増えることをねらった。


 保護者との連携の仕方として,二つのパターンがあると考える。


 一つは,道徳の時間の事前連携である。例えば,発達障がいをもつ児童の保護者から,教師の知らない児童の様子を知り,保護者の願い,クラスメイトへの協力など考えた。保護者と共につくった授業により,クラスメイトの変容があった。


 二つ目は,「道徳の時間の事後発信」と「様々な学校生活にかかわる児童の様子の発信」による連携である。保護者からは,児童の成長に気付きそれを喜ぶ声が届いたり,児童への道徳的な呼び掛けや資料の提示があったりした。児童には,それらの内容を伝えることで,児童自らの行動や考え方に,少しずつよい変化が生まれていった。


  以上の実践を通して,教師の知り得ない児童の成長を保護者の目線で知ることができたり,保護者の思いや要請から,教師の道徳指導や日常的な教育活動によい影響を与えることができたと考える。 

 反省としては,授業の事前・事後の連携はあるものの,授業の展開の中での連携もあり得たということ。今後,保護者とともに考える授業の展開など,考えていく必要がある。

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「教育実践」 
楽しく運動しながら達成感を高める体育授業の工夫 
〜マット運動の実践から〜
新潟市立東曽野木小学校
小瀬 保夫

   器械運動は,他の運動領域に比べできる,できないの差がはっきりと分かる領域である。また,技を行っている時の動きも分かりにくく,技ができたのか,どこを直せばよいのか分かりにくい運動でもある。よって,運動技能の低い児童にとっては,自分の課題が分からず,楽しさや技ができた達成感を味わえないまま授業を終えることとなる。
 そこで本実践では,次のような手立てで授業を行い,達成感を味わわせたいと考える。
@場の工夫:個人技能の習熟だけでなく,友だちと技を合わせたり,グループの友だちと一緒に技を行ったりする。
Aゴールの設定:単元の最後には,グループで演技を発表することを伝え,練習する必要感を与える。
B「見つけたよ伝言板」の設置:連続技や友だちとの組み合わせ技,ペアやグループで演技をするには,いろいろな工夫が考えられる。そこで,その練習での気づきや発見を書き込める伝言板を用意し,技のコツをみんなで共有できるようにする。
Cペア・グループ学習を行う:単元を通して,ペアやグループでの活動を取り入れ,お互いの技を見合うことで,良いところを話し合ったり,アドバイスをし合ったりし,課題解決=技能の向上を図っていく。
 さらに,達成感を検証する方法として,次の二つの方法で行う。
@単元の始めとグループ演技を終えたときにアンケートをとり,技や演技ができたときの達成感を子どもの記述から見取る。
A毎時間の学習カードの振り返りから,授業評価を行い検証する。

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「教育実践」 
タスクゲームで思考力を育てるボール運動の指導
新潟市立白山小学校
小山 映

 

 本校の児童の実態は、ベースボール型ゲームは未体験の子供が多く、ルールに関する知識や経験が不足している。特に、守備の面では、ボールを複数人で追いかけたり、どこでアウトにするか混乱して動けなかったりするなど課題が多い。また、練習の段階では動けても、ゲームになると動き方が分からなくなり、動きが止まってしまうこともある。
 そこで、本研究では、子供たちの話合いや練習したことがメインゲームで生かせるように、次の2つの手立てを講じた。
1 ゲーム中に戸惑いの見られる場面におけるタスクゲームを導入した。
2 単元の前半では、[タスクゲーム@→振り返り→タスクゲームA→振り返り]のように、一時間の流れを構成し、話し合ったことがタスクゲームに生かせるようにした。
 1の手立てでは、外野にボールが飛んだ場面のタスクゲームを行った。このタスクゲームにより、確実に外野にボールを捕りに行く場面の練習ができ、チームの課題だった守備の動きに注目して、話合いをする姿が見られた。特に、センターに置かれたボールを取りに行く場合には、どのアウトゾーンに集まるのかを判断することが難しく、誰がどのように動くのかが話合いの中心となった。
 2の手立てでは、守備側の動きを改善するために、個々の役割分担に焦点を当てた。子供たちは、できるだけ早くアウトにするために、捕球、中継、ベースカバーなど、必要な役割を考え、タスクゲームの中で試していた。役割がはっきりしたことで、守備の動きがスムーズになり、特にアウトゾーンに集まる子供の動きが洗練され、前時よりも失点が少なくなる場面が増えた。
 場面を限定したタスクゲームを行わせることで、子供たちは自分のチームの課題に合った練習に重点的に取り組むことができ、守備の動きに焦点化してじっくり考えることができた。また、チームの動きを見直すための観点を示し、振り返りの場面を設定することで、話し合いながら動きを見直すことができ、スムーズな守備の動きにつながった。


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「教育実践」 
小集団の学び合いから主体的に考えを練り上げ、自分の思いを語ることができる生徒の育成
新潟市立白新中学校
石川 みどり

 生徒の気になる言葉に「どうしたらいいですか?」という質問がある。この言葉の裏には、「教師の指示が分かりづらかった」、「これでよいのか自信がない」という事だけでなく、「今後自分の作品をどのように進めたらよいのか、自分で分からなくなっている」という意味がある。このような実態を踏まえ、本研究を通して、「自分の思いを効果的に表現するためにどうしたらよいか、主体的に考えを練り上げ、作品についての自分の思いを語ることができる」生徒の姿を目指した。 
 特に版画では、下絵に描いたものがそのまま出来上がっていくのではなく、「彫る」「刷る」という工程が加わるため、凹版画の経験がない生徒は出来上がりのイメージがもてず、すぐにどうしたらよいか不安になることが予想される。また、限られた時間の中、表現したい感じを出すためにどうしたらよいか試行錯誤するためには、「こうするとこのようになる」という情報や経験を得る活動を計画的に組織することが必要である。そこで、小集団で学び合いをすれば、他の生徒の作品や考え方から新しい視点を得て、自分の作品を見直すことができるため、より自分の思いに近い表現に練り直すことができるのではないかと考えた。そのための手だては、以下の3つである。
 手だて1は、〔共通事項〕を意識した学びを1年生の初めに行うことである。形や色彩から受ける感じを共有したり、気持ちを形として表したりすることで、生徒は学んだことを鑑賞や構想に生かすことができる。
 手だて2は、下絵から版画に移る前に版画の鑑賞をし、〔共通事項〕を意識した話合いをすることである。色が限定されている中、形や色彩を観点にもう一度話し合わせることで、1年生の時の学びを思い出し、「このようにすると、こんな感じがする」と、主体的に感じ取り、版の制作に生かすことができる。
 手だて3は、グループでいろいろな彫りを試し、それをお互いが共有し合うことで、学びを広めることである。それぞれの試作品を見えるようにしておくことで、より自分の思いに近いものを選びとることができるようにしていく。
 これらの手だてを通して、「どうしたらいいかわからない」という生徒が、主体的に考えを練り上げ、自分の思いを語ることができるように変容させていきたい。

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「教育実践」 
科学的思考力を高めるために表現活動を重視した学習モデル
新潟市立葛塚中学校
坂井 友紀

 

 理科に対する自信や学ぶ必要性を高めるには,生徒自身が「分かる」体験を積み重ねていくことが必要であると考える。「分かる」ための手立てとして「かかわり合い」と「粒子モデル」を用いながら学習を進めていった。

 学習指導要領では、『粒子などの基本的な見方や概念を柱として内容を構成し、基本概念の一層の定着を図る』とあり、中学校の化学分野では、粒子概念を取り入れて学習することになる。2年生の「化学変化と原子・分子」3年生の「化学変化とイオン」では、まさに粒子概念が必要になってくる。しかしこの考え方に抵抗を持つ生徒は少なくない。物質が粒子で構成されていることを目できちんと確認することはできないことが、粒子概念の習得の難しさの原因になっていると考えた。

 粒子概念の獲得に有効な手立てとして「粒子モデル」がある。粒子モデルは物質の諸現象を半具体物で表すことができ、自分たちの目で確認しながら考えを深めることができる思考ツールである。粒子モデルを使いながら諸現象を説明したり理解を深めたりできる授業に取り組んだ。粒子モデルを授業で繰り返し行ったことで、生徒は書くことに対して自信をもち、自分の考えに間違いを恐れずに書くことができるようになる変容がみられた。生徒自身が自分の考えを表現する活動では、粒子モデルが有効であり、自分の考えを整理する上で欠かすことができないものであることがわかった。
 また、生徒の思いや考えを広げたり深めたりするには,書いたものをもとに「かかわり合う」活動が重要である。授業では課題の初めに自分の考えを粒子モデルを用いて表し、その考えをもとに教師と生徒や生徒同士の対話を行う活動を行った。対話をする活動の中で生徒は自分の考えを確信に変えたり、考えの矛盾に気付き考えを改めたりする姿がみられた。「かかわり合う」活動を通して、生徒自身が考えたことを粒子モデルを用いてより具体的に表現できるようになったことから科学的な思考力を高めるために有効であることがわかった。


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「教育実践」 
音を可視化することで管楽器の音の出る仕組みを探究する学習
〜中学校第1学年「音の性質」の実践〜
新潟市立女池小学校
澤栗 賢一

  中学校学習指導要領解説理科編には,ものづくりは「科学的な原理や法則について実感を伴った理解を促すものとして効果的であり,学習内容と日常生活や社会との関連を図る上でも有効である。」とされ「楽器などのものづくりを取り入れ,原理や仕組みの理解を深めさせる。」と示されている。管楽器は身近で,生徒にとって慣れ親しんだ存在であるため,ものづくりの学習と日常生活をつなげる効果が期待できる。しかし,中学校では,管楽器の音の出る仕組みの学習はしない。現在のように,管楽器の音の出る仕組みを学習せずにものづくりのみを行うのであれば,それは単に興味・関心を高めるための工作に終わり,活動の意味が薄れてしまう懸念がある。ものづくりを通して,科学の有用性や学習の身近さを実感させるために,管楽器の音の出る仕組みを扱うことが必要だと考えた。
 本研究の目的は,中学校の理科の音の単元において,生活と結び付きやすい管楽器のものづくりを行う。ものづくりから,管楽器の科学的な原理や法則の理解を促すために,教材および授業デザインを検討し,授業の効果を検証する。なお,一般的にものづくりは,単元の導入の意欲付けや,既習事項の活用の場面で行われる。本研究のものづくりは,管楽器の音の出る仕組みの理解という発展的な学習として位置付ける。
 管楽器の音が出る仕組みである気柱共鳴を指導するために,気柱管の定在波を可視化するクントの実験を取り入れた。クントの実験は管の中の発泡ビーズの動く様子で,空気の振動する様子が分かる。また,クントの実験はピストンで気柱管の長さを変えたり,コンピュータソフトで複数の周波数の混じった音を出したりできるようにした。
 授業は,空き缶トロンボーンを作成し鳴らすことで,音の響きや高さの特徴を体験から捉えさせた。そして,「音が響くのはなぜか。」「管の長さを変えると音の高さが変わるのはなぜか。」「マウスピースの『ブー』の音がいろいろな音に変わるのはなぜか。」の3点を課題とした。課題を解決するために,クントの実験を行い,空き缶トロンボーンの音の出る仕組みを考えた。
 評価は,授業に関する意識調査(4件法),クントの実験及び空き缶トロンボーンの理解調査(記述)で行った。また,ワークシートの記述,会話記録の分析を行った。
 授業に関する意識調査(関心・意欲,日常への発展,学習理解)の平均点は3.4点であった。また,授業後の感想に「空気のふるえる様子が実際に目の前で見れて実験がおもしろかった。」「他の楽器のしくみも調べてみたい。」といった記述が見られた。クントの実験を取り入れた授業は,生徒の興味・関心を高め,日常生活との関連を高めることができたと考える。
 クントの実験の理解(共鳴,管の長さと音程,複数の周波数の混在)の平均正答率は80%であった。音の出る仕組みを考えている場面では,教師の「(空き缶の)音がなぜ響く。中がどうなっていると思う。」の発問に対して「空き缶の中も同じ。」「クントの実験と同じで,クントの山ができると思う。」「管の長さが合うと響く。」といった生徒の発話があった。また,生徒のワークシートに,クントの実験を基にした気柱共鳴をイメージする図や「スピーカーから出た音の波がピストンに跳ね返ってきた音の波と重なると共鳴する。」といった記述が見られた。クントの実験は,気柱管の長さを変えたり,複数の周波数の混じった音を出したりすることで管の長さと共鳴,管の長さと音程について実感を伴った理解を促すものとして効果があったと考える。一方で,「複数の周波数の混在」の正答率は70%と低いことが課題である。教材の共鳴音がはっきり聞き取れる工夫と共に,その現象が起こる理由を生徒同士で議論する場面を設定することが大切だと考える。
 空き缶トロンボーンの理解(管の長さと音程,マウスピース,空き缶トロンボーンとクントの実験の対応)の平均正答率は70%であった。「管の長さと音程」の正答率は87%と高く,ものづくりで管の長さと音程を体験から理解したことが,クントの実験の理解を促進させたと考える。一方で,「空き缶トロンボーンとクントの実験の対応」の正答率は59%と低かった。生徒の関心を高めるために,授業の導入で,本物のトロンボーンを演奏させた。しかし,これによって,開管と閉管の管楽器が混在してしまった。難易度の高い活動であるため,同じ条件の楽器を提示する必要があると考える。
【参考文献】
笹川民雄:「クントの実験における粒子の運動」,物理教育 ,Vol.57,No3,pp.201-208,2009.
上野佳奈子:「クントの実験による定在波の可視化」,日本音響学会誌,Vol.63,No2,p.116,2007.
勝野孝・川上紳一:「音を視覚的に捉えるクントの実験装置の開発と中学校理科第1学年「身近な物理現象」における活用」,岐阜大学教育学部研究報告.自然科学,Vol.35, pp.87-92, 2011.

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「教育実践」 
「ならば文」による命題化を通した,数学的活用力を伸ばす指導法の工夫
新潟市立下山中学校
竹内 仁

 「全国学力調査B問題を解答できる力を伸ばしたい」という思いから本研究を始めた。全国学力調査のB問題では,数学的活用力が問われる。つまり,実生活などの様々な場面において,数学を活用する力である。数学的活用力を伸ばすためには,
@その状況(問題や文脈)の正確な理解,
A規則性や原理・定理などの発見的な学習と,それを検証する経験,
が必要である。
 既習の内容を使い新たな法則を発見する経験を繰り返しすることによって,既習事項を活用する力や,新たな法則を発見する手順を身につけることができると考えた。
 数学的活用力を育成する手段として,「ならば文」を用いた。「○○ならば○○である」という『ならば』を使った文は,課題の前提条件・仮定・結論を明確にする。実生活の場面では『ならば』が使われた表現はほとんどないが,解決すべき状況や問題を,意図的にならば文で表す(命題化する)ことによって,仮定や結論がはっきりし,生徒の理解が明確になる。また,命題化することにより条件変更が容易になる。条件を変えて新たな課題を作り,その結論を予想することや検証することを通して,発見的な学習の経験を多く積むことができると考えた。
 本研究では論証問題を中心に,@ならば文による問題のとらえ直し,A仮定を一部変更した新たな課題を提示,B新たな結論を見いだす活動と,その結論が成り立つ理由を考え伝える活動,の流れで実践をした。条件変更によって現れる新たな結論を,自分の力で見いだせた生徒は約1/4程度であった。しかし,他に伝わる発表を意識して伝え合い活動を行うことにより,ほとんどの生徒が新たな結論を理解した。同時に,生徒が他に分かりやすい表現をしようと試行錯誤する姿も多く見られた。
 本実践の後,今年度の全国学力調査「数学B」における論証問題では,若干ではあるが,正答率が上昇し,無答率が減少した。

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「教育実践」 
友達とかかわりながら、自分の考えを深めていく算数授業の在り方
〜「ふきだし法」を活用して〜
新潟市立横越小学校
佐藤 努

  私は、算数科において『考えを深める』ことの具体を、「多様なやり方で課題解決ができる」、「自分の考えを分かりやすく説明できる」の二つであると捉えている。しかし、担任している子どもたちを見ると、答えの正誤に強く意識が向いてしまい、考え方を吟味するところまで意識が向かない子が多い。これでは、考えを深めることができない。また、新学習指導要領の中には、『見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てる』とある。明確な自分の考えをもち、それを図や表や式、言葉等で表現しながら友達とかかわることを通して、考えを深めることができるようにしたい。
 そこで、本研究では、「子どもが、『ふきだし』をもとにしながら自分の考えを明確にもち、考えを出し合って多様なやり方で課題解決をさせれば、自分の考えを深める子どもを育てることができる」を研究仮説とし、次の二つの手立てを中心に実践を行った。
@見通しを共有する「ふきだし法」
 個人解決に入る前に、やり方の見通しをふきだしの形で記述させ、共有化を図る。
Aかかわりの手助けとなる「ホワイトボードの活用」
 一人一人の考えをホワイトボードに書かせ、それをもとに考え方を吟味する。
 過去2年間の授業実践から、少しずつではあるが、子どもの変容がノートの記述から見られるようになってきた。3年目の今年度も7月に授業研究を行い、さらなる子どもの変容を探っている。
【参考文献】
「算数科 言語力・表現力を育てる ふきだし法の実践」亀岡正睦   明治図書 2009

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「教育実践」 
主体的に社会的事象を追求するための地域教育コーディネーターとの連携の工夫
新潟市立漆山小学校
本間 和寛

  社会科では、子どもが社会的事象に関心をもって進んでかかわることが一層求められている。しかし、これまでの私の社会科の授業では、子どもたちは、教師から与えられた課題を考えるだけというパターンが多かった。そのため、自ら進んで課題を見付けたり、その課題を解決しようとしたりして取り組む姿が見られなかった。
 子どもたちが、社会的事象に進んでかかわる姿を求めるには、その興味関心に沿うことが何より必要である。そこで、新潟市が「地域と学校パートナーシップ事業」の一環として配置している「地域教育コーディネーター」(以下、コーディネーターとする)との連携を工夫することで、それが可狽ノなるのではないかと考えた。
 これまで、私の社会科の授業におけるコーディネーターとの連携は、ゲストティーチャーをお願いすることのみに留まっていた。本研究では、連携する場面に、ゲストティーチャーをお願いすることだけでなく、単元告ャの打合わせや、子どもと直接かかわる場をつくるなど、多角的に設定する。
 教師とコーディネーターがかかわる場はこれまでもあったが、コーディネーターと子どもが直接かかわる場面はあまり見掛けない。コーディネーターと子どもが直接かかわる場を設定することで、子どもが社会的事象と主体的にかかわることができるのではないかと考え、重点を置いて実践した。
 実際は、子どもが興味を持って調べている内容や、進捗状況を細かくコーディネーターに伝え、事前に相応しいゲストティーチャーを検討した。その後、子どもが調べてきた内容から、どのような人を呼びたいかコーディネーターに直接伝える時間を取った。
 子どもたちの姿から、疑問を解決するために相応しいゲストティーチャーを自分たちで呼べるという体験を通して、これまでの与えられた課題を考える受け身の姿勢ではなく、進んで調べ学習に取り組む姿につながった。そして、自分が調べてわかったことを事細かく、発浮フための原稿に書き込み、相手に伝えようとする子どもを育てることができた。

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「教育実践」 
児童の意識にずれを生む資料提示及び発問の工夫
新潟市立栄小学校
山口 洋一

  私は,児童が社会的事象について深く考えたり理解したりしていくにあたり,その事象について「深く知りたい・調べたい」という追究意欲を強くもたせる必要があると考える。これが児童が単元を学習していく推進力となり,児童は思考力・判断力を自発的に駆使して学習を進めていくことにより,思考力・判断力を高めていくことができると考えた。
 そこで,追究意欲をもたせるきっかけとして,児童の意識に「自分が当たり前と思っていたことがそうでない,不思議だ」と感じさせる『ずれ』を生むことが有効な手段であると考えた。そしてそれを,児童に強く印象付けるために,『ずれ』を生むための資料の提示方法を工夫することによってさらに効果的なものにすることができ,高い学習意欲のもとに個々の児童の思考力・判断力が駆使された授業・単元が展開できると考えた。そして研究仮説を「学習の導入時に比較資料を効果的に提示すると,児童の意識に『ずれ』を生み,思考力・判断力を高め単元をつらぬく問いをもたせることができる。」として実践を重ね,その有効性を検証してきた。
 その後実践を重ねる中で,以下のような成果を得ることができた。
・教師が資料提示によって児童に問いをもたせたい場面で,教師が考える間を取りながら児童の根拠を資料から導き出させることにより,児童にもたせたい問いを児童自身に自覚させ表出させることができる。
・資料の提示の仕方や読み取り方を工夫することによって,児童の驚きが大きくなったり,児童から主体的に問いを表出させたりすることができる。
・児童に『ずれ』を生みたい場面で,まず児童が既習内容や生活経験をよく振り返る中で,それらと資料の示す事実がおおむね符合していることに納得し意識が安定したところに,それと相反する資料を示し納得を覆すことで,児童に大きな驚きを生み,学習への意欲を効果的に高めることができる。
・指導案作成時に授業が児童の思考の流れに合うように,今の児童の実態をよくとらえ,そこから資料提示・発問などの手だてをどうつなげていけば児童一人一人が問いをもてるかを考えることが大切である。(フローチャートなどの活用が有効)

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「教育実践」 
小学生の作文における共同編集の効果について
新潟市立東青山小学校
大島 崇行

  作文の学習においてなかなか思うように書けず、学習につまずく児童は少なくない。そこで、このような児童が、進んで文章を書けるような実践を構想した。
 一般的に、作文を書く活動は、「課題設定や取材-構成-記述-推敲-清書-交流」という過程で展開される。活動をしていると、どの過程においても児童のつまずきは現れる。そのつまずきを学習者同士のかかわりによって解決していくことで、どの子も自分の思いを伝えるにふさわしい文章を書くことができると考えた。
 そこで本研究では,どの活動におけるつまずきにも対応できるよう、全ての過程において学習者間の交流を可能にした「共同編集作文」の学習形態を開発した。「共同編集作文」とは次のような学習形態である。
・「課題設定や取材」の段階から共同編集グループを作り、いつでも相談・助言をしてよい環境を作る。
・それぞれが目的に合った文章を書くことを目指し、かつ、班のメンバー全員も目的に合った文章を書くことができることを目指す。
・お互いが「執筆者」と「編集者」になり、積極的に協力し合ってよりより文章をつくることを目指す。
 この実践を通して明らかになったのは、次の3点である。
1 どの活動段階においても、児童はグループ内で相談し合うことによってより相手に伝わる表現を見つけたり、新たなアイディアを生み出したり、修正し合ったりしている。
2 作文の清書の後には、自分の納得のいく文章を書けたと感じていた児童は多い。
3 全部の過程において交流を可能にする「共同編集作文」の学習形態を、子どもたちはよりよい作文を書ける学習形態だという思いをもっている。
 これらにより、「共同編集作文」の学習形態が、児童の創作意欲を持続させ、表現活動を豊かにし、また児童の学習に対する満足度も高めていくことが分かった。

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「教育実践」 
演劇的活動を取り入れた文学教材の読解指導
新潟市立味方小学校
引場 裕子

  登場人物の心情には,暗示的に表現されていたり,前後の文脈をもとに想像することで理解できたりするものがある。しかし暗示的に表現されている内容まで想像して読むことが難しいという児童の実態がみられた。
 本研究では,子どもが想像豊かに読んだり暗示的に表現されている内容まで読んだりすることができるための働きかけとして,次の二つに取り組んだ。
1 読解の指導過程に演劇的活動を取り入れる。
 ある場面を実際にやってみることにより,読解の段階では気付かなかった表現やその表現のもつ異なる意味に気付き,描写をもとに想像豊かに読んだり,暗示的に表現されている内容まで読んだりすることができると考えた。本研究では,登場人物の行動と心情に着目させることをねらい,「役割演技」を取り入れた。
2 最初の読みと演劇的活動を取り入れた後の読みとを比較し,自分の読み方を振り返る。
 最初の読みと「役割演技」を見合った後の読みとを比較させ,文章だけの時に読めなかったのはなぜなのかを振り返らせることで,自分の読み方の足りなかった部分に気付くことができると考えた。
 今回の実践では,1つ目の取組については,「役割演技」をしたりお互いに見合ったりする活動を通して,改めて叙述に目を向けて登場人物の行動を考えたり,今まで気付かなかった表現に気付いたりすることができた。書かれていない登場人物の心情に気付き,想像することができた子どもの姿も見られた。2つ目の取組については,「役割演技」後に役割演技を見て分かったことは何かを振り返らせることを通して,主人公の心情が変化した場面が分かるようになったという児童もいた。しかし,どの叙述の読みが足りなかったのかを振り返らせる手立てが不足していたため,自分の読み方の足りなかった部分に気付くところまでには至らなかった。今年度は,これらの課題をふまえ,さらに検討していく。

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「教育実践」 
自分の立場や根拠を明確にして説明できる子どもの育成
〜ディベート的手法をとおして、批判的思考力を育てる〜
新潟市立竹尾小学校
山田 雄一

  子どもたちは「AかBか」の選択を迫られる場面になると、両者を十分に検討することなく安易に決めてしまうことが多い。また、決めた理由についても説明することができない傾向がある。
 そこで、様々な観点から論理的に考えを検討していく「批判的思考力」を身に付けさせ、問題解決を図っていかせることが必要である。自分の主張を根拠を示しながら相手に伝えるとともに、相手の主張に耳を傾け、両者の考えを多角的に検討する。このような力を身に付けさせていくために、本実践では以下の仮設を立てて検証を行った。
@ディベートの手法を用いたゲーム的要素のある討論会を行うことで、自らの立場や根拠を明確にして相手に伝えようとする表現力が向上するであろう。
Aテーマに対して「肯定」「否定」の両方の立場からの主張を書くことで、多角的に検討する力が育つであろう。
 本実践の討論会は、一般的なディベートをシンプルにアレンジしたものであり、肯定派4人、否定派4人、ジャッジ2人という10人グループを作り活動した。ジャッジの判定基準に「話し方(『〜ですよね』『さっき〜といいましたよね』など、聞き手を引き込むような話し方)」や「資料・根拠の確かさ、わかりやすさ」などの4点を示した。このディベート的な活動によって、次の成果が見られた。
@自分の立場の意見だけでなく、反対の立場からも意見を書くことができるようになった。(視点変換の力が向上した)
A意見にふさわしい根拠を資料や体験などから選択して話したり書いたりすることができるようになった。
B反論を予想することで、討論会の際には相手の意見に耳を傾け、質問したり反論したりする姿が見られるようになった。
 一方、聞き方の指導とジャッジの仕方の2点が課題として残った。ジャッジの得点基準を明確にしたり、話し方と同様に聞き方にも視点を示したりと、今後も改善を加えてよりよい実践にしていきたい。

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「教育実践」 
両方の立場から読み取ることで、自分の考えを明確に書くことができる指導法の研究
〜「アイディアシート」の活用を通して〜
新潟市立葛塚小学校
本間 伸吾

  本研究では、資料を読み取って自分の考えを書く活動において、自分と逆の立場の考えにも触れさせ、両方の立場から読み取らせることで、自分の考えを明確に書くことができる指導法を明らかにする。
 両方の立場から読み取らせることで、子どもは、「本当にこれでいいのか。」「もっと詳しい内容はないか。」と自問自答しながら考えることができる。そこで、この思考を目に見える形にするために「アイディアシート」を使用する。「アイディアシート」は、「両方の立場を対比して書けるもの」「対比した意見の長所と短所をまとめて、改めて自分の立場を考えることができるもの」の2種類がある。
 さらに、まとまった語句を読み取る力や文章の構成力、表現力を身に付けさせるために、新聞のコラム欄を視写する活動を継続して行う。
 これらのことに着目して実践した結果、以下の2点が明らかになった。
@ 自分の立場だけで資料を読み取らせると、子どもは、自分が賛成する立場の内容しか理解しようとしない。そこで、「アイディアシート1」を活用して、両方の立場に立って考えさせ、記事をより深く読み取らせた。
 しかし、「アイディアシート1」を活用することで、両方の立場について納得してしまい、自分の立場が揺らいでしまった。そこで、「アイディアシート2」を活用して、両方の立場の長所と短所をまとめさせた。その結果、子どもは、改めて自分の立場について考えることができ、自分の考えを明確にすることができた。
A 新聞のコラム欄の視写を継続的に行うことで、子どもは、一文字一文字を読み取るのではなく、まとまった語句を読み取り書き写すことができるようになった。さらに、意見文でよく使われる語句や適切な文章表現を学び、書く力の基礎が身に付いた。

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「教育実践」 
相手意識をもち、目的や意図に応じて書く力を付ける作文指導の工夫
〜三段階の推敲活動をとおして〜
新潟市立岡方第一小学校
平野 俊郎

 <研究テーマについて>
 高学年の「書くこと」においては、目的や意図に応じて、書く事柄を収集・整理し、自分の考えが明確に伝わるように文章全体の構成の効果を考えながら適切に文章を書く力が求められている。しかし、児童の実態を見ると、読み手や目的をあまり考えずに書く事柄を並べ、文章全体の段落構成も意識せずに書いている児童が多い。
 そこで、本研究では、「課題設定・取材→構成→記述」のそれぞれの段階で、書く相手や目的に照らし合わせ、目標を達成しているかどうかを吟味する推敲活動を行う。推敲活動を行う際には、学級の「共通のものさし」が必要になる。それぞれの段階で、共通のものさしとなる「推敲の観点」を明らかにし、その観点に沿って推敲することで、目的や意図に応じて書く力を付けることを目指す。
<研究実践の概要>
 5学年、意見文を書く単元において、上記の研究の視点で実践を行った。
○単元名  「立場を明確にして書こう〜先生からの提案 マンガ禁止」
○三段階の推敲について
(1)  課題設定・取材段階での推敲
 教師自作の意見文「マンガ禁止」に反論する意見文を書くという目的意識をもたせた。児童は、教師の意見に反論するために、多くの理由を考えた。しかし、児童が考えた理由全てが説得力のあるものではない。そこで、取材段階では、「教師を説得できる理由になっているか」を推敲の観点とし、3人組で相互推敲を行わせた。友達と推敲し合う中で、友達の意見も取り入れながら、より説得力のある理由を選ぼうとする姿が見られた。しかし、観点があいまいな面があり、推敲する児童の主観的な判断になりがちであった。
(2) 構成段階の推敲
 構成段階では、教師自作の意見文から、児童に相手を説得するための工夫を読み取らせ、読み取った点を推敲の観点とした。推敲段階での推敲の観点は、次の2点。@序論(はじめ)‐本論(中)‐結論(おわり)の三部構成になっているか。 A本論には、相手を説得するための事例(具体)が入っているか。この観点をもとに、まずは1人で、意見文の構成を構成メモ(※意見文の構成をメモ書きして図式化したもの)にまとめ、その後、3人組で相互推敲を行った。推敲の観点が明確かつ具体的であったため、相互推敲が有効に働いた。
(3) 記述段階での推敲
 記述段階では、誤字・脱字等の表記、文の長さ、原稿用紙の使い方などが推敲の観点となる。教師自作のプリント(※児童が表記や原稿用紙の使い方等で間違えやすい点をあえて間違えた作文)から間違いを見付けさせて表記や原稿用紙の使い方に目を向けさせた。さらに、「見直しチェックシート」の観点に沿って、自分と友達2人の三重でチェックを行った。複数の目で見直すことで、自分では気付かない点に気付くことできるよさがあった。推敲するポイントが多すぎて、児童の実態に合っていない面があった。
 今回の実践の成果と課題を踏まえて、次の実践では、「推敲の観点」を書く相手や目的と照らし合わせ、具体的かつ明確にし、できるだけ絞って示す。そうすることで、推敲活動がさらに有効に働くと思われる。

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教育奨励賞 科学が好きな子どもを育てる理科教育の推進
新潟市立白新中学校
山内 伸二

 受賞理由
 科学が好きな生徒を育てたいという信念と確かな理科教育理論に基づいて,質の高い実践を積み重ねている。とりわけ,仮説実験授業を基にした理科授業の実践を長年継続していることは注目に値する。

ガリレオクラブ」で指導した生徒の科学研究作品が,平成19年度から6年もの長きに渡り,毎年高い評価を受けている。自身もその指導者として,「日本学生科学賞優秀指導者賞」を受賞している。また,今年度は「第56回日本学生科学賞中央審査」中学校の部において「内閣総理大臣賞」に輝くなど,全国的にもレベルの高い研究活動を生徒に促しており,その指導力は高く評価できる。

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教育奨励賞 子どもの全人的発達を促すための教育相談の活用
新潟市立万代長嶺小学校
門野 慎一

 受賞理由
 臨床心理士としての専門性を生かして,数多くのカウンセリング面接やコンサルテーション,また100回を超えるカウンセリング研修講師や発達障がい・いじめ・不登校研修講師等,教育相談分野の実践を20年以上の長期に渡り継続している。さらには,書籍への執筆も数多く行っている。小・中学校において喫緊の課題となっている生徒指導上の問題解決に向けた専門的な取組は評価に値する。

東日本大震災の後,ただちに被災地に赴き児童生徒の心のケアを行ったり,地元教育委員会に資料提供を行ったりするなど,社会への貢献も評価できる。

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勤労観・職業観を高め、自らの夢を豊かに表現する子どもの育成
新潟市立女池小学校
脇野 義久

 小学校6年生のキャリア教育の実践において、次のように体験活動を充実させ言語活動を工夫すれば、自分なりの勤労観・職業観を高め、自らの夢を豊かに表現する子どもを育成することができると考え、実践研究に取り組んだ
 体験活動の充実については、キッザニア体験学習を通して、子どもたちの仕事に対する否定的・義務的なイメージが、体験後、「大変だけど楽しい」「あいさつや笑顔が大切」といった肯定的なものに変容し、結果として自分なりの勤労観・職業観をもたせることができた。また、地域の職場体験学習を3回位置付けることで、勤労観・職業観をその都度高め、確かにしていくことに結びつけることができた
 国語科との関連を意識した言語活動については、不特定多数の読者を想定したり、将来就きたい職業調べで得た情報をあらためて整理・再告ャしながらまとめさせ、文章化させたりしたことは、子どもが将来の夢や勤労観・職業観を明確にする上で有効であった。

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グループウェアによる教員間での情報の共有についての研究
新潟市立上所小学校
片山 敏郎

  学校現場は多忙であり、子どもと関わる時間を生み出す必要がある。一方で、教育の情報化が進展し、情報コミュニケーション技術を活用しやすい環境が整備されてきた。
 そこで、校務支援システムの一部であるグループウェアを活用して校務情報と子どもに関わる情報を教職員間で共有する実証研究を行い、その効果を検証した。教員の多忙化を解消し教員が子どもと関わる時間を生み出す効果と、様々な教員がグループウェアを通して子どものよさを交流し合う効果、及び、グループウェア運用上の課題を、教員への質問紙調査とシステムの活用状況の分析を基に明らかにした。
 その結果、校務情報の共有については、分掌によるグループウェアでの時間削減効果に違いがあることや、学級担任への効果があることが明らかとなった。また、子どもに関わる情報の共有については、専科教員から担任への情報提供が有効であることなどが明らかとなった。

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3人組による、焦点化した交流を位置付けた作文指導の工夫
新潟市立中之口西小学校
市橋 良太

 本研究では、児童が3人組で文章を読み合い、交流に用いる観点を理解した上でアドバイスし合うという活動を位置付ける。そして、そのことが作文指導に有効に働くことを明らかにする。
作文指導において、読み合う活動を行う時に、児童が思いつきだけで自由に感想を述べ合う交流や、相手の文章の誤字脱字のみを指摘する交流があった。これでは、児童が書く意欲を無くしたり、表現の仕方を書き直すことができなかったりする。
 そこで、次の仮説を立て検証した。
1 交流で用いさせたい観点を含んだモデル文と含まないモデル文を比較させる中で、その観点の効果を理解させれば、その観点から交流時に指摘や賞賛を行うだろう。
2 異なる観点を用いて書いている児童による3人組を編成し、交流で指摘や賞賛を行わせれば、自分で用いていない観点のよさに気付き、自分の文章に用いるだろう。
 実践の結果、モデル文を読み比べて交流で用いる観点を見付けることは、交流時に書き直しの指摘や文章のよさを賞賛する上で有効であった。また、観点が異なる3人組を編成して相手のよさや改善点について話し合うことは、自分の文章にはない観点のよさに気付くことができ、書き直そうとする態度を促し、新たな観点を用いて文章を書き直す姿に結びついた。

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資料の読み取りをとおして考えをもち、思考力・判断力を高める社会科の授業づくり  
〜資料の「射程範囲」と「役割」を意識した資料選定・資料提示の工夫〜
新潟市立東曽野木小学校
石塚 智久

 社会科における思考力・判断力の高まりは、把握させたい社会的事象の部分である資料の読み取りから始まる。それゆえどのような資料をどのような形で子どもに与えるかという資料選定と資料提示の手立てが、思考力・判断力育成の鍵となる。その手立てを考える際に、資料の「射程範囲」と「役割」という二つの視点をもつことが有効である。
「射程範囲」とは資料がもつ情報の意味合いや限界性であり、主に資料選定の視点である。ねらいや実態から考えて、「射程範囲」が適切かを吟味することで、読み取りを深める資料選定につながる。また、「役割」とは主に資料提示の視点である。ねらいに則して「興味を喚起する資料」「気付きを促す資料」「考えを裏付け、深める資料」という「役割」を明確にし、意図的・計画的に提示する。思考の高まりを促す単元や本時の構想につながる。
複数年に渡る同一単元の修正実践とその比較から、「射程範囲」と「役割」を意識した資料選定と資料提示がいかに思考力・判断力の高まりに作用するかを検証した。修正実践後の子どものノートからは、資料を比較したり関係付けたりして考えを深め、社会的事象を正しく把握している記述が見られた。

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人間性と競技力の向上を目指す部活動指導の在り方  
〜小針中学校陸上競技部の実践を通して〜
新潟市立小針中学校
本間 謙一

 受賞理由
 20年間にわたり複数の中学校での陸上競技部の指導に携わり、その結果、県・北信越大会等々数々の好成績を上げてきた。特に、現任校での数年間の取組が注目される。
競技成績の結果だけに注目するのではなく、「人間性と競技力の向上」を目指す部活動指導の在り方というテーマに相応しく、基本的生活習慣の徹底、定期的な保護者会の開催、専門家による栄養セミナーなど、教育理念とその指導の具体的な取組が明確である。また、部活動における教育活動を通して、生徒が学校生活で重要な役割を果たすように育っている姿が見える。

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道徳の時間における情報モラル育成の工夫  
〜指導内容の整理及びそれに基づいた情報モラル育成の試み〜
新潟市立新津第二小学校
島津 弘次

 情報モラルの指導内容と道徳の指導内容との関連を整理し、「学習内容一覧表」を作成することで道徳の時間に取り上げる情報モラルの内容を明らかにした。そして、「学習内容一覧表」に基づいて道徳の授業を行い、その妥当性を探った。
おもいやり」を通して「著作権」の指導を試みた小学校第3学年の実践では、児童に2つのデジタルコンテンツを段階的に視聴させた。それにより、インターネットの使用経験が少ない児童でも、著作物の無断使用で生じるトラブルの過程が分かり、インターネット上でも相手を思いやる気持ちが大切であることに気付いた。
その他の実践においても、情報を正確に判断しようとする姿やネットワークが共用のものであることに気付く姿が見られた。
これらの実践から、整理した「学習内容一覧表」がほぼ妥当であるということを確認することができた。しかし、授業の実践数が少なく、より多くの授業実践を経て、「学習内容一覧表」の妥当性を高める必要があるという課題も残った。

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お互いを支え合う人間関係力の育成  
〜第6学年におけるピア・サポートプログラムの取組〜
新潟市立亀田小学校
遠藤 美紀

 一人一人は好ましい人間関係を築きたいと思っていても、毎日トラブルが起きる6年生。スキルトレーニングとサポート活動を行うピア・サポートプログラムに取り組むことにより、子どもたちが友達と仲良く、お互いを支え合うことができるようになると考えた。
スキルトレーニングは、日本ピアサポート学会から出版されている「ピア・サポートワークブック(小5〜中1用)」を参考に実践した。学級活動や道徳の時間を使い、活動の終わりにはシェアリングを必ず行い、一人一人の気付きを認め合うようにした。
サポート活動は、子どもたちが自主的に1・2年生と遊ぶ活動(昼休み)と3年生に算数を教える活動(朝学習)を行った。4人のグループごとで自主的・協力的に活動した。その際、「計画→準備・練習→実践→ふり返り」を繰り返し取り組ませていった。
 その結果、1年を通して、友達と仲良くする姿、友達をサポートする姿、友達のことを考えた言動をする姿が多く見られるようになった。

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生徒の主体的な造形活動を支援する指導法の工夫  
−共同での制作活動を学習過程に生かした習得・活用に関する一考察−
新潟市立東新潟中学校
渡邉 敏尚

 美術科において、「主体的に造形活動に取り組む生徒の姿」とは、他者のよさやその多様性も認めつつ、「自分の発想や表現に自信をもって取り組む姿」であると考えている。
  学習過程を通して、生徒が豊かに発想し、作品完成時に自己表現ができたという喜びや達成感を十分に味わうことが次への学びの意欲を生む。そのため、発想・構想の段階を特に重視し、手立てを講じることによってこれらの姿を具現化しようと考えている。
「個の発想を保証しつつ、共同で行う制作活動を通して、学習内容や基礎技能の習得や活用を促したり、学習過程に適切に交流活動を設定したりすると、生徒は自分自身の表現のよさに気付いたり他者の表現のよさから自分では気付き得なかった着想を得たりして発想力や構想力をより伸ばし、主体的な造形活動を展開するであろう。」という研究仮説のもと、本実践では、次の3つを手立てとして実践した。
1 学習過程に共同制作の段階を設け、習得した学習内容の活用を促す
2 試行錯誤する試しの制作の重視
3 学習過程に交流活動を設け、多様な表現のよさに触れさせていく
 具体的には、「伝達の機能性の理解と画面構成の基礎的技能の向上」を学習内容として、新聞記事を用いたポスター制作を行う新たな題材の提案と、「構成美の要素」を学習内容とする平面構成の制作における、手立ての一般化を試みている。

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状況を判断する力を高めることで動きを引き出すハンドボールの授業
新潟市立中野山小学校
高野 義友

 ボール運動の授業では、意欲的に動ける児童と動けない児童の差が大きい。その差を縮めるためにまず高めたい力は、どう動いたらよいかという状況を判断する力ではないかと考える。そこで、ハンドボールの授業において、学習課題の設定と個人チャートへの記入によって考えてから動くということを繰り返し経験させる。
@児童の実態に即した学習課題の設定は、無理のない運動への思考を生み、状況を判断しながら動きを決定することにつながった。
Aチャートへの書き込みによって、児童が動きを意識しながらゲームに臨む姿が見られた。
B児童の運動技能の高まりに応じて、自分なりに動きを広げることができ、動きを意識してゲームに参加することで、サポートの動きやパス、シュートの質が向上した。
 このように、児童の運動への思考や技能の高まりに即した課題を設定し、個人チャートに記入しながらゲームに臨ませ、状況を判断する力を高めることは、サポートの動きや味方のサポートへのパス、フリーでのシュートの動きを引き出すのに有効である。

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