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平成31年度

「教科等研究セミナー」
温かく関わることのできる子どもの育成
~サポート活動と感情の交流に重点をおいたよりよい人間関係の形成~
新潟市立曽根小学校
山上 拓紀

  小学校学習指導要領には「学級や学校の生活において互いのよさを見付け、違いを尊重し合い、仲良くしたり信頼し合ったりして生活すること」と記されており、「よりよい人間関係の形成」の重要性が示されています。本研究では冷たい関わり(冷やかす、押しつけるなど)が多かった学級で、問題意識を共有し、解決方法を考えさせながら取り組ませることで、温かい関わり(手伝う、声を掛ける、一緒に楽しむなど)ができる子を育て、よりよい人間関係を形成することを目的としました。問題意識の共有後、実施したことは大きく次の三つです。
①自分が受けたサポートとそのときの気持ちを振り返る場を設定する。
自分の生活をより良くしている要因の一つに友達からのサポートがあることに気付かせ、互いに助け合うことでより良い生活が送れるようになることを実感させました。
②サポート強調週間を設定し、学級全体のサポートを分類させる。
自分が受けたサポート、自分が行ったサポート、そのときの気持ちをカードに記録させました。カードを集約し、学級にはどのようなサポートがあるのか、どんな気持ちになるのかを示して、サポートを分類させました。
③自分が受けたサポートと感謝や喜びの気持ちを伝える場を設定する。
学級終会(帰りの会)に「今日の振り返り」というコーナーを設定し、1日に6~8名ずつ自分の受けたサポートと感謝や喜びの気持ちを伝えさせました。子どもを曜日ごとに割り当て、1週間で全員が発表するようにしました。伝えることがない場合はパスを認め、「パスします」と言えばよいこととしました。また受けたサポートとそのときの気持ちを忘れないようにメモできるサポートカードを用意しました。カードは1枚に6回分のサポートが書けるようになっており、1枚終わるごとに振り返りを書かせて提出させました。振り返りには教師からの励ましのコメントを記述して本人に返却しました。受けたサポートとそのときの気持ちは一回分ずつ切り離してサポートを行った子に渡すことで、受けた子からの感謝や喜びの気持ちが伝わるようにしました。
 このような取組の結果、冷たい関わりが減り、温かい関わりが増え、男女や仲良しグループなどの壁を越えて人間関係を形成するきっかけをつくることができました。また「うれしい」や「ありがとう」など感謝を言葉で伝えにくい子でも、カードに書くことで温かな関わりができることも分かりました。しかし、「手伝う」や「物を拾う」といった物理的なサポートが多くなってしまったので、もっと「声を掛ける」や「一緒に楽しむ」といった情緒的なサポートが増えると人間関係はより良くなると思います。

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「教科等研究セミナー」
文学的な文章を客観的に読み,自分の読みを作り上げる子どもの育成
―作品を俯瞰的に読む中で,複数作品の共通点・相違点を明らかにする対話的活動を通して―
新潟市立曽根小学校
樋口 大輔

  次期学習指導要領では、言語能力がより一層重要な学力であるという認識のもと、国語科を要として言語活動を充実する必要性を述べています。
 しかし、国語科は難しい教科であるという認識が根強いようです。特に、文学的な文章では、何をどのように教えたらよいのかという教師の困り感が、現在も多く聞かれます。
 文学的な文章の特性として、自分の読みを作り上げ言葉で表現する「主観的な読み」と、様々な観点から文章を読み取る「客観的な読み」の二つを大切にしなければならないということが挙げられます。どちらかが欠けても、文学的な文章の学びは成立しません。
 このような、文学的な文章と授業づくりにおける課題から、私は、目指す子ども像を「自分の読みを作り上げようと文学的な文章を客観的に読む中で、物語の展開や登場人物の相互関係について捉え直し、自分の読みを表現する子ども」と設定し、研究を進めることにしました。
 次の三つの手だてを用いた授業実践を行いました。
1 初発の感想と「客観的な読み」につながる読みの観点とを取り入れた学習計画の活用
2 中心人物の変容に迫る発問から、文章を俯瞰して読む授業場面の組織
3 比べ読みにおいて、作品の共通点・相違点を明らかにする対話的活動
 以上三つの手だてについて、授業実践の中で見られた子どもの姿を基に、文学的な文章の授業づくりについて提案します。

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「教科等研究セミナー」
友達の考えに共感する児童の育成
~低学年での学級活動の進め方の工夫を通して~
新潟市立和納小学校
篠木 格

  よりよい人間関係をつくるには、友達の考えに共感する能力が大切です。共感する能力は、友達の考えを理解しようとしたり、友達の考えに寄り添おうとしたりする態度から養われていくと考えます。自分の考えを自由に言い合う集団をつくるだけでは、活動内容を決定するだけの話合いになることがあり、活動中や活動後も対立が続くことがあります。特に低学年児童は、話合いの経験が少ないため、活動内容だけに目が向きがちです。
 学級会の目的は、自分たちが大切にすることを決定することです。自分や友達が大切にしたいと考えていることを伝え合うことで、自他の考え方を客観的に捉えたり、学級集団として大切にすべきことに気付いたりすることができるようになります。
 また、活動後の振り返りでは、楽しかったかどうかという情意面だけでなく、学級集団が大切にすべき姿に近付くために、自分たちが選択した活動が適切であったかどうかを考える視点をもたせることが大切です。そして、その振り返りを学級全体で共有することで、友達の考えを理解できるようになります。特に低学年児童の場合は、振り返りの視点を教師が意図的に限定することも大切です。
 そこで、本研究では、低学年の児童に対して、自分たちが大切にしたいことについて話し合う学級会を設定し、教師が話合いの中で論点を整理したり、活動の振り返りの視点を意図的に限定したりして、低学年児童が友達の考えに共感したり、学級集団が大切にすべきことに気付いたりする実践を行いました。

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「教科等研究セミナー」
書字を苦手とする児童への支援方法について
~漢字テストに焦点を当てて~
新潟市立漆山小学校
井上 和紀

  本研究では、書字を苦手とする児童を対象に、書字に意欲的に取り組ませることをねらいとした漢字テストを用いた支援実践について報告します。
Ⅰ 研究1
1 支援目標
 「漢字テスト」に取り組ませることによって、何も見ないでどのくらい書けるようになるか効果を調べます。また、漢字に対する苦手意識が変わるか、変化を比べます。
2 支援内容
 既習の漢字で本人が使う機会の多い漢字を決め、テスト問題としました。漢字テストは1回分を20問としました。1ページ目に目標と振り返り、2ページ目に練習をします。練習はなぞり書きもあり、本人が必要だと考えるところだけをします。3ページ目がテストです。100点を取ることを目標に、繰り返し取り組みました。家庭学習でも取り組むように声掛けをしました。
3 結果と考察
 はじめは3割強しか正答できませんでしたが、そこでやめることなく続けることができました。最終的には100点を取ることができ、しかもその力が継続しています。また、シールを貼ることにも継続的に取り組みました。そして、家庭学習として継続して取り組みました。練習をする、しないが本人の裁量であることが本人に合っていたようです。
Ⅱ 研究2
1 支援目標 研究1と同じです。
2 支援内容
 研究1と同様の漢字テストを、異なる児童に実施しました。1回のテストの問題数を20問から5問に減らし、出題範囲を市販の漢字練習帳に準じました。
3 結果と考察
 少し頑張ればできそうな量のため、100点を取ることを目標に、意欲的に取り組みました。最初から3問正解できたことに気をよくし、毎日続けることができました。また、11回目で初めて100点を取ることができ、いろいろな先生に見せてまわりました。家にも積極的に持ち帰り、家庭学習として自主的にしてくることが増えました。今後も実践を続け、効果を検証し、改善していきます。

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「教科等研究セミナー」
日常と算数を関連付けた指導
~高さの概念の獲得を通して~
新潟市立新通小学校
宮村 徹

  新学習指導要領では、これまで小学校で「算数的活動」と言われてきたものが、小・中・高等学校を通して行われる活動として「数学的活動」へと統一されました。算数科における数学的活動とは、「事象を数理的に捉え、数学の問題を見いだし、問題を自立的、協働的に解決する過程を遂行すること」と言われています。そして、事象を数理的に捉える場面は、数学の世界と現実の世界の両面に存在します。算数は現実の世界とのつながりが深く、現実の事象をどのようにして数学化するのかが課題となることがあります。
 実際の授業では、特に単元の導入場面で、現実の事象を算数の世界に捉え直すという指導は広く行われています。しかし、算数の世界を現実の事象に照らして捉え直すという指導が行われることは少ないのではないでしょうか。私は、子どもが算数の世界と現実の事象とを往還することによって、数学的な考え方をより深く理解することができるのではないかと考えました。
 そこで私は、「三角形の高さ」に焦点を当て、数学的な高さの概念の理解において,数学的な高さの概念を日常場面(現実の事象)に置き換えて考えることによる理解の深まりについて研究しました。
 まず、数学的な高さの概念を日常場面(現実の事象)に置き換える時間を単元に設定しました。そして、数学的な高さの概念と日常場面(現実の事象)における高さの概念を共通なものとして子どもに捉えさせました。その後、子どもの高さに関する考え方がどのように変容するのかを、事後テストにより継続して調査しました。
 本研究では、子どもが数学的な高さの概念と日常場面(現実の事象)における高さの概念を共通なものとして捉えたことで、日常場面(現実の事象)における高さの概念を数学的な高さの概念が上書きし、理解が深まることが分かりました。そして、このような指導を受けた子どもは、数学的な高さの概念を継続してもち続けることが分かりました。

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「教科等研究セミナー」
具体的事実を基に思考したり、既習事項を活用したりして、知識を概念化して捉える子どもの育成
新潟市立新通小学校
小黒 健太

  私は、社会科の学習で、既習事項や具体的事実を基に思考することを通して、社会的事象の見方や考え方につながり、汎用的に用いることができる概念を獲得する子どもに育ってほしいと願っています。小学校学習指導要領解説社会編には、「主として用語・語句などを含めた具体的な事実に関する知識を習得することにとどまらず、それらを踏まえて社会的事象の特色や意味など社会の中で使うことのできる応用性や汎用性のある概念などに関する知識を獲得するよう、問題解決的な学習を展開することが大切である。」とあります。概念を獲得させることは、新学習指導要領での改訂の要点として取り上げられていることから、実践を行う上でも重視していかなければいけません。
 しかし、これまでの実践では、教科書や資料集から事実を書き抜くだけで、事実から思考している子どもの姿はほとんど見られませんでした。また、学習課題設定や予想を立てる場面では、既習事項を生かして思考する時間を設定してきました。しかし、私の講じた手だてが不十分だったため、追求場面では、資料の読み取りや予想したことの確認に学習活動が留まっていました。そのため、子どもが具体的事実を基に十分に思考しないうちに、授業者自身が一方的に学習のまとめ(概念化)を行っていました。これでは、大切な資質・能力の1つである思考力・判断力・表現力等を育成することは難しいと言えます。また、「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、子どもがこれまで既習事項を基に蓄えた社会的事象の見方や考え方を働かせながら、社会的事象について調べたり、考えたりして学んでいく必要があります。
 そこで、①学習のまとめを端的に答えさせる発問を行う、②考えた理由や考えの具体を引き出すための問い返しを行う、以上の2点を働き掛けます。こうすることで、子どもは社会的事象の見方や考え方を働かせながら、具体的事実を基に思考したり、既習事項を活用したりして、知識を概念化して捉えると考えました。

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「教科等研究セミナー」
子どもが追究意欲を持ち課題解決に向かう指導の工夫
新潟市立立仏小学校
鎌野 雄大

  社会科における歴史学習は、児童にとって身近な生活との関連が薄く、興味や関心をもって考えにくい面があります。児童が追究意欲をもち、課題解決に向けて学習に取り組めるようにするには工夫が必要です。そこで、写真や絵等の資料を比較したり、資料の見せ方を工夫したりして、課題意識をもつことができるようにしました。導入から学習課題設定までに絞り、講じた手だてを紹介します。
1 資料から読み取れる事実を確実に押さえ、そこから分かることを考えさせる。
 6年生の社会科「アジア・太平洋に広がる戦争」について学習しました。始めに、資料1「日本とアメリカの国力のちがい」のグラフを段階的に提示しました。「グラフが何を表しているか」を尋ね、日本を1としたときのアメリカの生産量を表していることを児童に押さえさせました。航空機、船舶、鉄鋼、銅、セメントなどを比較して読み取らせ、使用目的を考えさせました。児童は、「武器をつくることに使う」「飛行機や戦艦をつくることに使う」など、当時の時代背景から戦争との関連で考えていました。次に、資料2「日本における石油・鉄のアメリカ依存度」を提示しました。資料1と同様のやり方で児童に読み取らせ、石油77%、鉄70%をアメリカに依存していることを押さえさせました。さらに、「2つの資料から言えることは何か」を児童に考えさせました。「アメリカとの国力に大きな差がある」「石油も鉄もほとんどアメリカを頼っている」ことを押さえました。さらに、「自分が日本の指導者ならアメリカと戦争をするか」と尋ねると、「国力に差があり過ぎて勝ち目がない」「石油も鉄もアメリカに頼っているから、もらえなくなると困る」と考える児童が多数出ました。
2 課題設定につなげる資料提示をする。
 資料3「日本軍の攻撃を受けた真珠湾のアメリカ艦隊」を提示しました。すると、「えっ?」「無謀だ!」「何で?」という児童のつぶやきが聞かれました。そこで、詳しく説明するよう児童に促すと、「国力に差があるのに、何で日本が攻撃したのか」という疑問が生まれました。そこから、学習課題「国力に差があるのに、アメリカと戦争を始めたのはどうしてだろうか」を設定しました。
 今回設定した学習課題について、児童がアメリカの石油禁輸についての情報を見付けたり、戦争が太平洋まで広がり戦況が不利になったことを調べたりして、考えることができました。資料を読み取らせたり、課題設定につなげたりする発問についても合わせて更に実践を重ねて、研究を進めていきます。

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「教科等研究セミナー」
対話的な学びを促す体育指導の工夫
~対話ボード・シートを活用した対話を通して~
新潟市立五十嵐小学校
藤本 優

  新学習指導要領体育編において、「運動についての課題の解決に向けて、児童が他者との対話を通して、自己の思考を広げ深めていく学びの過程、自他の運動についての課題の解決を目指して、協働的な学習を重視すること」が求められています。
 自身のこれまでの実践を振り返ると、「作戦タイムでゲームを振り返る」「タブレットで自分や仲間の動きを見合う・振り返る」「仲間同士で動きのよい点・直した方がよい点を伝え合う」など、他者との対話を通して技能の向上を図ろうとしてきました。しかし、それが一人一人の深い学び(分かる・できる)に繋がっていないという課題がありました。そこで私は、運動のポイントを押さえ、自己や他者の暗黙知を交流する「対話ボード・シート」を活用し、自己-他者-運動を対話で繋ぎ、より深い学びを促すことを目指し、実践を行いました。
 「対話ボード・シート」の活用によって、①シートを介して技や動きのポイントだけでなく、動きのコツや感覚を可視化・言語化することができ、技や技能の習得の一助となりました。②技能が身に付いている子にとっては、「感覚的にできる」から、「自分の動きを意識してできる」ための手だてとなり、技能が身に付いていない子にとっては「動きのポイントだけでは捉えられない、コツや感覚を身に付ける」手だてになりました。一方で、運動量の確保や技能の高い児童にとっての活用方法、また、対話シートだけでは自分の動きを客観的に見取ることができないという面で課題が残りました。
 今後は、対話ボード・シートの形式や活用方法を他の単元でも再検討し、その有効性を探っていきたいと考えます。

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「教科等研究セミナー」
社会的事象を多角的に捉え、自分事として社会への関わり方を考える子どもの育成
~「ロールプレイ」の活用を通して~
新潟市立坂井輪小学校
髙島 彰裕

 今までの自分の社会科の授業の反省点として挙げられるのは、児童に社会的事象を捉えさせることはできるのですが、児童が自分事として社会的事象を多角的に捉え、選択・判断する力を付けさせる点では、課題が残っていました。そこで、社会的事象を自分事として捉えるために次の手だてをとることにしました。   
① 「ロールプレイ」を単元末に組み入れる。
 単元末に既習事項を生かして選択・判断する場を設けます。社会的事象を多角的に捉え、自分事として考えざるを得ない状況を設定します。
 検証は、児童のノートの振り返りで行います。
 【研究の実際について】
 3年「働く人とわたしたちのくらし」
 単元を貫く学習問題を「買い物名人になろう」としました。
 まず、社会的事象を多角的に捉えるために、販売者側(スーパーマーケット)と消費者側(家の人)の両面の努力や工夫、願いを学習していきました。
 単元末に「ロールプレイ」を行いました。家の人から買い物を頼まれたという状況で、「肉」「白菜」「豆腐」を選択する「ロールプレイ」を行いました。
 児童は、既習事項を生かして、自分が買う食材を選択しました。
 (児童の振り返り)
 ・私は、安さより国産ばっかり考えていたので、これからは、安さ・量・国産・新鮮・安全に気を付けて自分で買い物をしていきたいです。
 5年「工業生産を支える人々」 
 単元を貫く学習問題として「日本のこれからの自動車作りは?」としました。
 3年の単元での反省を踏まえて、販売車側・消費者側の両面を演じる「ロールプレイ」を取り入れました。両者の努力や工夫、願いを学習した児童は、既習事項を多角的に捉えて、自分で売りたい自動車を考えることができました。
 (児童の振り返り)
 ・「みんなが乗れる車」を中心に考えました。リサイクルもあることを知ったので、勉強したことをいろいろ取り入れました。
(成果と課題)
〇自分事として、社会的事象を多角的に捉え、思考し選択・判断するために、「ロールプレイ」は有効でした。児童は既習事項を生かして、自分で選択・判断することができました。
●児童の発達段階を熟考し、社会的事象を多角的に捉えざるを得ない設定を考え修正していく必要があると感じました。

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「教科等研究セミナー」
友達とのかかわりを通して自分の考えを深め、歌唱における音楽表現を工夫する子どもを目指して
新潟市立黒埼南小学校
三浦 美也子

  「歌唱における音楽表現を工夫する」とは、曲の特徴にふさわしい音楽表現を試しながら考え、どのように表現するかについて思いや意図をもつことです。私は「子どもたちは、友達と関わりながら、試行錯誤することを通して、自分の考えを強化したり新しい視点を手に入れたりすることができる」と考え、3つの手だてを講じ、実践を行いました。
1 学習の見通しをもつためのモデル提示
 不完全なモデルを提示すると「もっとこうするといいよ。」とアドバイスすることを通して、自分が何を考えればよいかが明確になりました。また、2つのモデルを提示して比較しながら意見を交換すると、多様な考えが認められ、自分で考えをもつときの参考になりました。ねらいに合ったモデルを適切に示すことで活動への見通しをもたせることができました。
2 付箋を用いたワークシートの工夫
 まず、自分で考えを付箋に書き込ませ、その根拠をワークシートに書かせました。その後、付箋をグループワークシートに貼り合わせながら、話し合う手法をとりました。色違いの付箋を使うことで、誰がどんな考えをもっているかが一目瞭然となり、友達と同じ考えをもっていることや同じ場所に注目しても考えが異なることなどが可視化できました。
3 友達の考えを取り入れて試行錯誤する場の設定
 個からグループへの話合いへと移るときに、考えを書いた付箋のみを貼り合わせ、根拠は自分の言葉で話すようにしました。全部書いて示すよりも、お互いの話を聞き合う必要性が生まれ、「では、その考えを試してみよう」という流れが自然にできました。
 これら3つの手だては、低学年でも高学年でも有効であり、試行錯誤しながら音楽表現を工夫することができました。しかし、このような話合いをするには、学級に共通の「音楽のことば」が必要になります。日々の授業の中で、たくさんの言葉と感性を共有化していくことが肝要です。今後とも実践を積み重ねていきたいと思います。

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「教科等研究セミナー」
話すこと・やり取りを楽しむ児童の育成を目指して
~目的意識をもたせる場面設定とALTとの対話を想定したインタラクションを取り入れた授業づくり~
新潟市立庄瀬小学校
小海 絵美

  新学習指導要領外国語の目標には、「コミュニケーションを行う目的や場面・状況などに応じて、身近で簡単な事柄について、聞いたり話したりするとともに、音声で十分に慣れ親しんだ外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり、語順を意識しながら書いたりして、自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる力を養う。」と示されています。
 児童の中には、「もっと英語を話したり聞いたりしてコミュニケーションを図りたい。」という前向きな思いがある一方、英語を話したり聞いたりすることに不安感を抱いている児童もいます。自信をもってコミュニケーションを図るような手だてを講じれば、児童がより英語を話したり聞いたりする喜びを感じられるようになると考えます。児童が「伝えたい」「伝えなければ」と思えるような身近で必要感のある場を設定することと、会話に必要な表現を身に付ける場を設定することが必要であると考え、研究主題を設定しました。その研究主題の実現のために、以下の二つの手だてを講じ実践を重ねてきました。
1 目的意識をもたせる場面設定                         
 単元ごとに明確なゴールを示し、何を習得すればよいのか見通しをもって取り組ませたり、対話場面で自分の立場を明確にして活動させたりすることで、単元を通して意欲の高まりを持続させることにつながりました。単元の1時間目には、単元の目標を達成するために何ができるようになればよいかを児童に考えさせ、それらを1時間ごとの目標につなげました。また、他教科と関連をもたせたことでより知識が深まり、意欲の高まりとともに自信をもってコミュニケーションを図る姿につながりました。                                 
2 ALTとの対話を想定したインタラクションを取り入れた授業づくり     
 対話場面では、会話の型に自分の気持ちや挨拶、相づち、質問の仕方などの表現方法を入れながら繰り返し練習を重ねたことで、会話を続けたり会話を楽しめたりして達成感を得る児童が増えました。振り返りカードに単元の目標を段階的に示したことは、単元のゴールへの意欲の高まりの持続と見通しをもって取り組むことにつながっていました。また、コミュニケーションの視点を示したり仲間の頑張りを評価させたりしたことにより、次時への意欲付けができました。教師と児童間でのインタラクションを丁寧に行うことが、児童同士が自信をもって対話をする力につながることが分かりました。

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「教科等研究セミナー」
お互いを認め合い、よりよい人間関係育成に向けた学級活動の指導の工夫
新潟市立根岸小学校
板垣 恵理香

  特別活動においては、新学習指導要領改訂に当たって、人間関係の形成・社会参画・自己実現の三つの視点を踏まえて育成する資質・能力を明確化しています。人間関係の形成としては、多様な他者と協働する様々な集団活動を行うことや生活をよりよくするための話合いなどが課題となってきます。
 これまでの自分の実践を振り返ると、全員の意見で話合いを進めることや学級会の中でのよりよい人間関係を育むことについて、十分に達成できていませんでした。そこで、お互いを認め合い、よりよい人間関係を育むことをねらい、学級活動を実践しました。実践では、次の2点の手だてを行いました。
1 お互いを認め合える振り返りの工夫
  事前にカードに自分の考えを書かせてから話合いを行いました。黒板に掲示された全員のカードから、一部の意見だけでなく全体の意見を理解させることができました。話合いを経た振り返りでは、仲間の考えに共感できることや自分と違う意見でもよかった部分をカードに書かせました。仲間の考えと関連付けて書く活動を指導に位置付けたことで、よりよい意見を生み出す意欲をもたせ、自分と違う考えのよさに気付かせることができました。さらに、この振り返りの方法は、実践活動の途中や事後にも取り入れ、継続して行いました。
2 小グループでのトークタイム
  全体の進行の中でなかなか意見を出せない児童もいます。そのため、話合い時に小グループで意見を出し合う場を設定しました。小グループにすることで意見を出しやすく、質問をしやすくすることができました。そのため、どのグループでも進んで仲間の意見を聞き、自分の考えと比べていました。
 本実践を通して、仲間の考えのよさを認め、意見をよりよくしていこうとする児童の姿が見られました。さらに、自分の考えが学級で認められることで「次は、学級でこんなことをやりたい」と新たな課題を見付ける児童もいました。今後も児童同士が関わり合い、認め合うための手だてを中心に研究を進めていきたいです。
<参考文献>
文部科学省 小学校学習指導要領(平成29年度告示)解説 特別活動編

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「教科等研究セミナー」
算数科におけるプログラミング的思考の育成
~アンプラグドの授業を通して~
新潟市立結小学校
後藤 大介

  新学習指導要領では、プログラミング教育が必修化されます。しかし、毎時間コンピュータ室へ行ったり、タブレットPCを用いた授業を行うことは難しいです。そこで、プログラミング的思考の育成には、教室で行うアンプラグド(コンピュータを用いないプログラミング教育)による授業の積み重ねが大切であると考えました。その中でも特に、算数においてシーケンス(順次)の考え方を身に付けることに焦点を当て、実践を行いました。
 実践場面は、3年生「三角形」の学習です。3年生では、二等辺三角形や正三角形の性質、作図の仕方を学習します。そこでプログラミング的思考を用いて、作図方法を説明する活動を単元に取り入れました。一つ一つの作業を言語化し、順序を考えながら相手に伝えることで、思考の深化が図られると考えました。
 まず、リンダ・リウカス著「ルビィのぼうけん」を用い、シーケンスの考え方を確かめました。登場人物のルビィに歯磨きの仕方を伝えたり、先の単元「円と球」の学習でコンパスを使った模様の描き方を皆で考えたりし、順序が大切であることを経験を通して学んでいきました。そして二等辺三角形の作図方法を学んだ後で「正三角形を作図するにはどう説明したらいいか」について考えました。プログラミング学習ソフト「スクラッチ」のコードブロックを模したブロックを操作し、どのような順序で作図をしていたのか振り返り、思考しながら活動を進めました。児童は、作図をするためには「どのような順序で」「どこにかくか」を示す必要があることに気付き、自分たちの作成したシーケンスを基に改めて作図を行うことで、学びの定着を図っていきました。
 自分たちの考えた手順ではうまくいかなかった場合、デバッグ(修正)の考え方が大切になってきます。今後も、デバッグを繰り返しながら、プログラミング的思考を育成し、算数の学びを深めるような実践方法を模索していきます。

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「教科等研究セミナー」
生徒が自己肯定感を高め、意欲的に活動に参加する姿を目指した指導・支援の在り方
新潟県立江南高等特別支援学校
伊藤 宏之

  生徒の自己肯定感を高め、「これをやりたい」という思いや目標をもち、意欲的に取り組む姿や周囲と関わる姿を目指した研究です。
 「構成的グループエンカウンターや教育相談などを通して、自己理解・自己受容を促すことで、生徒の自己肯定感が育まれるであろう」という研究仮説を基に実践を行いました。主な実践は以下のとおりです。
1 「見付けよう!友達の良い所」
 友達同士でお互いの良い所を伝え合う活動を行いました。授業後には、「自分では気が付かなかった良い所を友達に言ってもらえて嬉しかった」と感想を述べていました。
2 「みんなでリフレーミング」
 様々な見方で物事を捉えられるように、自分が短所だと思っている所を教師や友達からの助言を基に前向きに考える活動を行いました。
 例えば「集中力が続かない」という短所を「いろいろなことに興味がある」と考えることができました。授業後には「短所をプラスに考えたことがなかったので、面白かった」と感想を述べていました。
3 認知行動療法の考え方を取り入れた教育相談
 コラム法の理論に沿って、教育相談の中で進路指導を行いました。①不安に思っていること、心配なこと ②どうすればよいか ③これからどうしていくか の3点について視覚的に整理して教師と一緒に考えることで、前向きに挑戦してみようという気持ちをもつことができるようになりました。

本研究を通して、有効だと考えられる支援は以下のとおりです。
1 自己理解を促すために、よいところを友達や教師から伝える活動やよい姿を捉えて称賛や励ましを繰り返し行ったこと
2 様々な見方で物事を考えられるように、様々な見方や考え方があることを示したり、聞いたりする機会を設けて、考え方の幅を広げるようにしたこと

 今後は、それぞれの実践の意義を整理するとともに、他の職員との連携を図りながら計画的に指導・支援を行っていきます。

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「教科等研究セミナー」
多方向からの評価により探究的な学習過程をつなぎ課題意識を高める指導の在り方
新潟市立東曽野木小学校
和田 哲哉

  新学習指導要領では、総合的な学習の時間の目標の一つを「実社会や実生活の中から問いを見いだし、自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現できることができるようにする。」としています。自身もこれまで、児童にとって身近な地域の事象や人を学習対象とし、探究的な学習過程を大切にすることで、児童に主体的な追求活動をさせることに取り組んできました。しかし、探究的な学習過程が、長期間に渡るものであったり、活動が異なる複数サイクルであったりしたために、単元当初に設定された課題とそれを基にした活動の方向性が十分に焦点化されないまま活動が進み、「まとめ・表現」に至ってしまうこともありました。これは、単元を進める中で児童の課題意識を高められなかったことに原因があると考えます。
 そこで、本研究では以下の三つの手だてにより、児童が課題意識を高め、課題解決の方向を十分に焦点化しながら活動する姿の実現を目指しました。
1 身近な「地域に貢献する人々」に出会わせその思いや願いに触れさせるとともに、その人々の日常的な活動の場に参加しながら単元を通して活動を共にする。
2 前出1において「①課題の設定」「②情報の収集」「③整理・分析」「④まとめ・表現」という探究的な学習過程を繰り返す。
3 前出2の「④まとめ・表現」の活動を多方向から評価する場面を設ける。そしてその評価を次の学習過程の「①課題の設定」へと結び付けることで、探究的な学習過程をつなぐ。
 本研究では、地域の人々が運営する「放課後ふれあいスクール」に継続的に関わり、その活動に児童がスタッフとして関わることを「④まとめ・発表」とする学習過程を4サイクルで行いました。
 その結果、同じ活動において同じ学習過程を繰り返す単元構成により、前サイクルの「④まとめ・表現」に対する評価が次サイクルの「①課題の設定」において課題を焦点化することにつながりました。そして四つの探究的な学習過程が連続性をもち、児童は単元を通して課題意識を高め、主体的に課題解決の方向を焦点化しながら活動することができました。

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「教科等研究セミナー」
社会的事象を多角的に捉える児童の育成
~「問い直し」の手立てを通して~
新潟市立上所小学校
牛膓 昌克

  ずれを生む問題の提示により問題意識を醸成し、学習課題をつくり調べて、話し合って問題解決をします。しかし、一面的な理解にとどまり、子どもたちは分かったつもり、知っているつもりの状態で特色や本質的な意味に迫らせることができずに単元が終了してしまいがちです。この課題は予想や問いを調べた事実に対する自分なりの考えを「吟味」する過程がないままにまとめに至ることにあると考えました。そこで、学習過程に問い直しを位置付けることでこの課題を解決したいと考えました。
 予想したことや調べた事実を異なる立場からの見解や複数の立場の関連から問い直し、社会的事象の特色や意味を多角的に考えさせる方法を探りました。具体的な方法は次の二点です。
1 学習過程での問い直しの位置付け
 【問題-学習課題-自分なりの考え】の後に【問い直し-判断-解決】を位置付けます。
2 問い直しを促す発問・資料提示
 調べた事実に対して、異なる立場や矛盾する事実を提示し、揺さぶりを掛けてそれまでの考えを問い直させます。これまで調べてきた事実に対して多角的な視点で検討し、社会的事象の特色や意味を理解させます。
 実践1、6学年「願いを実現する政治」では駅設置要望に関わる複数の立場から働きかけを検討する中で、反対する立場から見て問い直しを行い、一部の住民だけではなく、より様々な立場の人たちの願いに基づき、行政・議会・税金が住民の願いの実現に向けた働きをすることを捉えさせることができました。
 実践2、3学年「スーパーマーケットのひみつ」では販売側の工夫を「誰にとってのことなのか」問い直し、整理させることで、消費者からの視点に気付き、消費者の願いに応える工夫が集客につながっていることを説明させることができました。
 この二実践から調べた事実に対して、新たな情報や異なる立場からの見解や矛盾する事実を提示し、児童に問い直しを促すことで、複数の立場の関連に気付かせ、社会的事象の特色や意味をとらえさせることができることが分かりました。

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「教科等研究セミナー」
地域への思いを高める総合的な学習の時間
~「知る」「深める」「広げる」探究活動の構成と、追究意欲を高める人との出会いを通じて~
新潟市立白山小学校
内山 雅俊

  新学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程の実現」を目指しています。この全面実施に向けて、本校においても地域教育プラグラム「ふるさと白山」がスタートしました。全国学力・学習状況調査の結果から、白山小学校の約7割を占めるマンション居住児童の地域行事への低い参加状況を受けて、全校の総合的な学習の時間を、地域への思いを高めるために、地域と関わる単元に改編しました。
 私は、4学年の担任として、「寄居かぶ」を「地域の対象」として選び、新単元を開発しました。「寄居かぶ」は、300年以上前から旧寄居村(現新潟市中央区寄居町)で作られていた、伝統野菜です。近年は、畑がマンションなどに土地改良されて、旧寄居村の近隣でも、育てられていません。地域に深く関わる歴史があり、かつ地域の都市化において品種の継続の厳しさという問題があります。この二つの点から、年間を通じて、子どもが「自分たちが守っていかなければならない」と感じる良い「地域の対象」であると考えました。しかし、単に「地域の対象」について調べ学習するだけでは、地域への思いを高めることはできません。
 地域への思いを高めるためには、「地域の対象」について知るだけではなく、対象との関わりを深め、それを媒介として、他の対象へと広げていくという探究活動の構成が必要だと考えました。そのために、私は次のような手だてを考えました。
①課題設定で、「地域の対象」について子どもの知りたいという思いを高める「自分に身近な人」と出会わせます。
②情報収集や整理分析をしたいという子どもの思いを基に、「地域の対象」について、「専門的な知識をもつ人」と出会わせます。
③「地域の対象」について地域に表現するために、子どもに「協力してくれる地域の人」と出会わせます。
上記の①~③の手立てで出会う人を「追究意欲を高める人」として設定し、地域への思いを高める探究活動の実践を行いました。

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「教科等研究セミナー」
「対話」を通して理解を深める生徒の育成
~ICTの特性を生かした授業実践を通して~
新潟市立白新中学校
藤田 夏樹

  昨年度、勤務校の生徒に実施したアンケートの結果、学年が上がるごとに話し合う活動が好きな生徒が減少傾向にあることが分かりました。その背景には、わたしのこれまでの指導で、話合いの場面を設定しても、深まりのある充実した活動になっていなかったことが考えられます。
 このような実態を受け、本研究では、<対象との対話><仲間との対話><自分との対話>の3つの「対話」を授業の中に位置付けることにしました。<対象との対話>とは、導入場面で学習課題を基に、学習する対象を理解し、自分の考えをもつことです。<仲間との対話>とは、学習課題を追求する場面で互いの考えを伝え合うことです。<自分との対話>とは、終末の場面で自分の学びを振り返ることです。対話に際しては、ICTを活用して事象や生徒の考えを可視化することで対話が促進され、深まるようにしました。それによって、生徒が学習内容の理解を深め、仲間と関わることのよさを実感できるようにしました。
 実践の検証として、質問紙により実践前後の生徒の変容を分析した結果、手だてにより「イメージしやすかった」「自信が付いて積極的に発言できた」ことで、「いつもより相手に分かりやすく説明することができた」という記述がありました。また、これまでの授業では、分かる生徒が分からない生徒に教えるだけの班活動になっていたものが、本実践では、生徒が「対話」を通して、別の考え方があることに気付いたり、自分の考えを修正したりしていました。こうした姿から、生徒は「対話」を通して理解を深めることができたと考えます。
 さらに、アンケートでは「話し合うことが好き」に対する肯定的な回答の割合が、実践の前後で20%以上増える結果となりました。このことから、本実践で生徒は仲間と関わることのよさを実感できたと考えます。
<参考文献>神林信之 風間寛司 星野将直 井口浩 小嶋修 渡部智和『教えたくなる数学 学びたくなる数学』.考古堂.2012.

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「教科等研究セミナー」
運動する楽しさ「できた!」を感じられる子どもを育成する体育科学習指導
新潟市立鏡淵小学校
宮本 裕介

  新学習指導要領の全面実施に伴って、「主体的・対話的で深い学び」をキーワードとした授業改善が強く求められています。運動や健康についての課題解決に向けて、子どもが他者との対話を通して自己の思考を広げたり深めたりするなど対話的な学びを促してきました。そして、運動の得意な子どももそうではない子どもも、自己の適性に応じて「楽しさや喜び」を感じることができる授業づくりが求められていると考えました。
 これまでの私の授業では、運動が得意な子どもとそうでない子どもをペアにすることにより関わりをもたせるよう実践してきました。そのかかわりは補助やアドバイスを必然と生み出し、技能習得につながっていくと考えていました。しかし、実践を続けても技能を習得する子どもは少なく、関わりも希薄な感じがしました。
 そこで今回の研究では、ペアで補助をしながら行う、関わりの場面での課題を明確にして解決に取り組みました。主として子ども同士のペアで補助をし合う関わり方が、楽しさを伴った運動技能の獲得にどのような効果があるか検証しました。
 手だてとして以下の三点に視点を絞り解決に迫りました。
1 学習計画(単元計画 全6時間)の工夫
 運動の系統性をスモールステップにて習得させました。
2 ペアで正しく補助し合う活動場面の設定
 子どもたちに正しい補助の仕方を教え、仲間と対話を通して教え合いながら技をできるようにしました。また、ペアをグループで見合うなどして正しく補助がされているかを確認したり、こつやポイントを教え合ったりするようにしました。
3 視点を明確にして相互に観察し合う場面の設定
 運動の視点を絞って技を見合いました。視点を二つから三つに絞ることで教え合いがしやすいようにしました。
 以上のようにして、『小学生の運動する楽しさ「できた!」を感じられる子どもを育成する体育科学習指導』についての教育を今後も研究していきます。

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「教科等研究セミナー」
誤答を考え出し検討する授業を通して、 根拠をもって、更に考えを深める力を育てる
新潟市立新潟小学校
鈴木 暁子

  誤答を提示し、「なぜそれが誤りであるのか」を考える学習活動は、児童にとって既習内容とのズレを明確にしたり、既習内容を根拠に説明したりする必要性が生まれ、論理的思考力が高まると考えます。しかし、児童の誤答を授業で取り上げるには、十分な配慮が必要となります。そこで、これまでは、教師が意図的に誤答を提示したり、教科書の問題として提示したりして、「なぜそれが誤りなのか」を考えさせる授業を行ってきました。
 本実践は、児童の考えを誤答として取り上げるのではありません。また、教師の側から与えるのでもないのです。子ども自らが誤答を考え出し、なぜその誤答が出されるのかの根拠について検討する授業を行いました。研究仮説を「子どもが自ら誤答を考え出し、検討する活動を行うことで既習とのズレを意識したり、多面的な見方・考え方を発揮させたりすることができ、考えの根拠をより深めることができる」とし、次のように実践を行いました。
1 児童が誤答を作る。
 単元の終末において、つまずきの多いと考えられる問題を提示します。そして、「テストの出題者になったつもりで、みんながつまずきやすい選択肢を作ろう」と投げ掛け、児童に誤答作りを行わせます。
2 誤答の「引っかかりポイント」と「解決技」を聴き合いの中で明確にする。
 「引っかかりポイント」とは、児童の誤った考え方です。児童が考えた誤答を小グループや学級全体での検討の場に出し合い、「この答えには、どんな『引っかかりポイント』があるか」と、問いとその問題の正しい解き方となる「解決技」について考え、説明させることで、誤答の根拠を全体で共有させます。
3 学習後に、誤答を提示し、正解とその誤答の「引っかかりポイント」を確認する。
 ワークシートに誤答と「引っかかりポイント」の選択肢を載せ,学習後に確認します。正答を求めるだけでなく、誤答の根拠にも気付かせます。
 このように実践したことで、児童に正しい解法とその根拠をより深く理解させることができたと考えます。今後も、他単元においても実践を重ね、児童の学びの様子を検証していきます。

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「教科等研究セミナー」
柔軟に発想し完成まで構想を深め続ける授業の工夫
新潟市立木戸中学校
山川 みずえ

  新しい題材に取りかかると、美術が好きな生徒、得意な生徒は意欲的に取り組むが、美術に苦手意識があったり意欲的でなかったりする生徒は、発想のアイディアスケッチなどの段階で安易にインターネットなどを使って検索し、得られた画像とほぼ同じものを描いていることが少なくありません。そういった経緯を経て作品に採用された案は、制作が進んでも見直されることはほとんどなく、発想や構想に深まりや練り上げが不十分なまま作品となってしまいます。このように主題の追求が授業で十分に行われていない状態では、発達段階においての学びが不十分であると感じます。創造的な技能を働かせて実際に形にしていく中で発想や構想を再度見直したり、構想を練る中で新たな表現方法を考えたりする学びが大切です。つまり、発想、構想は制作の初期段階ではもちろんのこと、生徒が自分の作品に納得し完成を迎える時まで継続して深めていくものと考えます。そこで、制作中も意図的に見直しの活動を取り入れていくことで、生徒が最後まで試行錯誤して考えを深めていくことができるのではないかと考えました。
 そのため「表現の活動において、制作活動の間にワークシートの活用や相互鑑賞を通して、自分の主題や造形的要素の観点から作品について継続的に見直しをしていくことで完成まで発想や構想を深め、表現を工夫し続けていけるだろう」という研究仮説を立て、自分の作品を継続的に再確認する場面を設定し、手だてを講じました。
具体的な手だてとしては次の2点を講じました。
手だてa;振り返りの際に自分の考えの変容をワークシートに記入していく活動を行う。
手だてb;グループで相互鑑賞を行い、仲間の意見から新たな視点を見付け、主題の再確認を行う。 
 自分の作品の変容を自覚させたり、主題に近付いているかどうかを確認させたりするため授業の最後に振り返りを行うようにしたことにより、様々な表現方法を試し、試行錯誤するなど自分の作品をより深く追求する生徒が増えました。授業中の教師への質問も主題に向かうためにどんな表現をしたら効果的かなど具体的なものとなりました。これからも生徒がもつ力を十分に引き出せるような方策を考えていきたいと思います。

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「教科等研究セミナー」
子どもが自分の思いを豊かにふくらませて表現するための題材の在り方
新潟市立南中野山小学校
渡邊 ゆかり

  新学習指導要領の「図画工作科」の目標の中に「感性を働かせ生活や社会の中の形や色などと豊かに関わる資質・能力を次のように育成することを目指す」とあります。私は「生活や社会の中の色や形などと豊かに関わる資質・能力」という部分に注目し、子どもたちに自分の思いを表現し、形や色などの造形的な見方・考え方を働かせながら、生活を楽しいものにしたり、身の周りにあるものに意味や価値を見いだして造形活動を楽しんだりすることができるようにしたいと考えました。そこで研究テーマを基に、次のような手だてを講じました。
1 子どもの生活経験・体験活動から生み出す題材
 教師が子どもと一緒に活動したり過ごしたりする中で、子どもの興味・関心があるものを捉えて題材化しました。すると、題材が教師から一方的に提示されたものよりも、子どもたち自らの中から生まれた題材となり、制作意欲が高まっている様子が見られました。
2 学級経営を基盤とした相互鑑賞
 制作途中で子ども同士の相互鑑賞を取り入れました。黒板に全員の絵画などを貼り、仲間の表現のいいところを付箋に書いて貼り合いました。また教師が全体に提示してみんなで鑑賞しました。このようなことで、自分の表現に自信がもてずにいた児童が、自信をもち、別の場面でもその表現方法を使う様子がありました。また仲間の表現の気に入ったところを自分も取り入れる姿もありました。一方、教師が「こうしたほうがいいよ。」「ここは色を塗らないの。」などとアドバイスすると、子どもは困った顔をするときがありますが、子ども同士の対話から生まれたことは、子どもが自分に必要と感じた場合は、自ら工夫に取り入れていきます。
 これらの手立てを通して、私は、子どもが自ら思いを豊かにふくらませて表現するためには、思い(主題)をもたせることが大切であり、思い(主題)を表現したいという気持ちが、つくる意欲となり、仲間との相互鑑賞によって、自信を付けたり、新しいことを思い付いたりして、つくりかえ、またつくり続けることができるのだと考えています。
 これらの手立てによって子どもの表現に変容がみられることは確かですが、今後も実践を積み重ね、事例を豊富に示していくことが必要と考えています。

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「教科等研究セミナー」
深い学びの実現を目指した体育科学習指導(2年次)
~中学年マット運動における口伴奏の効果~
新潟市立早通南小学校
三宮 真澄

  体育科の究極的な目標は、「生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成すること」 です。私は、運動が苦手な児童にもこの資質・能力を育成することを目指して、1年次では、4年生「大の字回り」において視点を明確にした口伴奏の手だてを講じ、実践研究を行いました。その結果、グループ内のアドバイスが促され、自分の考えを学習カードに書かせることができました。しかし、中学年児童の発達段階では、自分で見付けたこつと仲間からしてもらったアドバイスを明確に区別することが難しく、仲間のアドバイスを生かして自分の考えをもつといった、深い学びへの様相を見取ることができませんでした。
 そこで2年次は、壁倒立につながる運動、3年生「だんごむし逆立ち」において、運動の行い方を取り入れた口伴奏の手だてを講じ、体育科における深い学びへの様相を明らかにすることにしました。この手だてにより、児童は、ポイントやこつを意識しながら口伴奏に合わせて運動したり友達の動きを見たりし、仲間のアドバイスを生かして自分の考えを学習カードに書くことで、深い学びを実現すると考えました。手だてである「運動の行い方を取り入れた口伴奏」とは、「だんごむし逆立ち」の動きを着手・脚の振り上げ・姿勢保持の3つの局面に分け、それぞれの局面に「手を着いて」「おしりを上げて」「だんごむし」と口伴奏を添えたことです。学習カードには、3つの局面と口伴奏を絵と共に提示し、自分で見付けたこつや仲間のアドバイスを書き込ませました。
 上記の手だてを講じた結果、自分で見付けたこつや仲間からのアドバイスなどの書き込みが増え、振り返りの質が高まりました。また、単元の終わりには95%の児童がだんごむし逆立ちができるようになりました。このことから、口伴奏は、友達のアドバイスを生かして自分の考えをもつといった深い学びを実現し、技能を高める有効な手だてであると考えます。
 今回の2年間の実践研究では、振り返りの書き方を限定せず、自由記述により手だての効果を検証しました。深い学びを実現した姿を「アドバイスを生かして自分の考えをもつ姿」とするならば、振り返りの書かせ方の工夫もあるでしょう。今後も深い学びを追求していきたいと思います。

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「教科等研究セミナー」
子どもが主体的に学習する姿を実現する、子どもによる問いづくりと、対話による授業の工夫
佐渡市立真野小学校
川上 大雅

  学習指導要領解説「特別の教科 道徳編」の道徳科における質の高い多様な指導方法には「教材や日常生活から道徳的な問いを見付ける」「自分たちのこれまでの道徳的価値の捉え方を想起し、道徳的価値の本当の意味や意義への問いをもつ」と例示されています。私は、どのようにしたら、子ども自身から道徳的な「問い」が生まれ、その問いを基に学習を進めることができるのか、どのように工夫すれば子どもたちが自ら対話しながら学習を進め、思考を深める道徳の時間となるのかについて考えたいと思い、次の三点から解決に迫りました。
1 問いの焦点化と問いづくり
 授業開始と同時に教材を提示し、全員で一度読み、その後教師から、学習のテーマとしてキーワードを提示します。「テーマについて、みんなで話し合ってみたいことや、考えてみたいことがあると思う。これからテーマについて問いを作っていこう。」と伝え、問いづくりを行いました。
2 対話する問いの選択
 子どもが問いを作った後、全員で円座になります。そして、自分が作った問いを自分の前に置きます。その後、数分間時間を取り、他の子どもが作った問いを自由に見て回ります。一通り見て回った後、一人に付箋を2~3枚渡し、学級で対話したいと思った問いに、自分の付箋を貼っていきます。付箋の多かった問いが、対話する問いとなります。
3 安心して意欲的に対話に参加できる環境づくり
 対話の際、子どもが安心して対話に参加できるように、7つの約束事を教師が示します。また、対話中には、話し合われている問いについて、自分はどう思っているか、立場はどのような立場なのか等を問う質問をし、一人一人が質問に答えるように促しました。
 子ども自らが問いづくりを行い、対話する問いを自分たちで選択することは、子どもの学習意欲を高めるきっかけになると考えます。実践を重ねていますが、問いを選択する際は、じっくりと仲間の問いを読んでいる姿、与えられた付箋を熟慮して貼る姿があり、学習に対する動機が高まる可能性を感じています。

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「教科等研究セミナー」
生徒に郷土の音楽との結び付きを実感させる授業づくり
~ゲストティーチャーの活用を通して~
佐渡市立真野中学校
石川 雄一

  新しい学習指導要領の音楽科の目標として「生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と豊かに関わる資質・能力」の育成が求められています。これらを育成する上で、地域をよく知り、郷土の音楽の音楽を継承するゲストティーチャーを招き、共に授業をつくることによって、より深く生徒が郷土の音楽のよさに気付き、その特徴を肌で感じることができるのではないかと考え、本研究を行いました。本研究は、佐渡市真野地区に伝わる民謡「豊田音頭」(対象学年中学1年)および佐渡で盛んに演じられている能楽から「羽衣キリ」の謡(対象学年中学2年)を教材としました。内容は次のとおりです。
1 ゲストティーチャーと授業者の発声を比較聴取する。
 本研究の中で教材にした曲の一節を授業者とゲストティーチャーの比較聴取で聴き取らせました。
2 ゲストティーチャーの口頭伝承で特徴を捉える。
 生徒は前述1の活動によりゲストティーチャーの唄の特徴を感じ取らせます。その上でグループで検討し、口頭伝承による直接指導によって「どのようにしたらゲストティーチャーのような発声ができるのか」を試し、思考しながら練習させました。
3 発表会をゴールに設定する。
 グループで練習を行い、相互に聴き合う場面を取り入れ、工夫を重ねながら練習させました。発表会をゴールに設定し、ゲストティーチャーを招き行いました。授業後には、地域の祭りに招かれたり、郷土の音楽の祭典に出演依頼があったりしました。
 本研究を行う上では、ゲストティーチャー、生徒、教師の三者の関係性を円滑にコーディネートする教師の役割の重要性と、内容に入る前の導入において、いかに生徒に興味をもたせるような働き掛けを行うかも重要であることが分かりました。今回の研究によって得られた成果に更に研きをかけて、今後も研究を重ねていきます。

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「教科等研究セミナー」
自分の考えと理由、事例との関係を明確にして書く児童の育成
~三つの「つながり」を位置付けた国語科単元構成の工夫~
村上市立村上南小学校
髙橋 真徳

  新小学校学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」のもと、児童の学びの過程を質的に高めていくことが求められています。教育界の動向とこれまでの自身の課題を踏まえて、国語科単元を工夫し、授業を実践しました。
1 研究内容
 自分の考えと理由、事例との関係を明確にして書く児童を育成するために、次の三つの「つながり」を位置付けた国語科単元を構成しました。一つ目は、総合的な学習の時間と国語科を関連付けた「教科のつながり」です。それにより、相手や目的意識の設定、情報収集、考えの形成、記述の過程で、学びの質的向上を図りました。二つ目は、思考ツールを活用して考えを形成させる「思考のつながり」です。授業では、コアチャートという思考ツールを活用しました。コアチャートの中心部分には自分の調べたい題材や考えの概略、周辺部分にはそれに対する事例を書かせました。三つ目は、読むことと書くことを関連付けた「思考力、判断力、表現力等のつながり」です。考えの記述の前に、児童に別の題材を基に授業者が自作したモデル文を示し、自分の考えとそれを支える理由、事例に関わる文章表現を読み取らせ、書くことに活用させました。
2 研究の実際と成果・課題
 授業実践1では、書籍や博物館での見学を通して村上の鮭について分かったことを報告文にまとめて、お世話になった博物館の職員の方々に届けるという単元を構成しました。総合的な学習の時間に収集した事実を扱ったことで、複数の事実を関連付けたり、数値を含んだ具体的な事実を扱ったりする児童の姿を引き出すことができました。授業実践2では、鮭産漁業協同組合での見学を通して分かった鮭に関わる課題とそれに対する自分の考えを提案文にまとめて、村上市役所に届けるという単元を構成しました。授業実践1の課題を踏まえて、コアチャートを板書して全体像を共通理解させたり、接続する語句や文末表現に違いを付けた2種類のモデル文を比較して読み取らせたりしたことで、児童にはより一貫性があり、自分の考えと理由、事例との関係を明確にした文章を書かせることができました。
<参考文献>
 田村学,黒上晴夫『田村学・黒上晴夫の「深い学び」で生かす思考ツール』,小学館,2017,2

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「教科等研究セミナー」
言語障害通級指導教室におけるマルチメディアデイジー教科書を用いた音読指導
~読み飛ばしや読み誤りの多い児童2名への指導を通して~
村上市立村上小学校
八藤後和男

  言語障害通級指導教室で指導する児童の中に、聴覚的なワーキングメモリの弱さがあり、読む箇所を正しく目で追うことができないため、読み誤りや読み飛ばしが多い児童がいます。本実践では、個々の能力の底上げを図るとともに、読みの困難さを代替する手段を活用することで、読み誤りや読み飛ばしを減らしたいと考えました。解決に迫るための手だては次の3点です。
① 対象児(A児・B児)の個々の実態把握から読みの困難さの原因を明らかにする。
② 個々の能力の底上げを図るためのビジョントレーニングや特殊音節の読み書き指導
③ 読みの困難さを代替するためのマルチメディアデイジー教科書(以下デイジー教科書)を活用した音読指導
 本実践を通して、A児は、ビジョントレーニングに取り組むことで、形を正確に捉えて書き写す力が高まり、以前は苦手だった漢字練習に意欲的に取り組むようになりました。また音読指導では、デイジー教科書の音読にかかった時間と紙の教科書の音読にかかった時間を比較することで、「ちょっと速かった」「もう少しゆっくり読もう」など読む速さを意識した振り返りを行うA児の姿が見られました。B児は、特殊音節の読み書き指導に取り組むことで、特殊音節の想起にかかる時間が短くなり、正確に書けるようになりました。また、音読指導では、B児からの要請でハイライトに合わせた音読する場面で音声を小さめに出力することにしました。B児は「『、』や『。』や空いているところでは一個休んで読む」と話し、それらの箇所で間を空けて読むことができました。
 以上の姿から、ビジョントレーニングや特殊音節の読み書き指導を通して、個々の能力を底上げすることができたと考えます。またデイジー教科書を用いることで読む速さをコントロールする力を高めたり、文章の内容の理解を深めたりすることにつながったと考えます。今後も、読み誤りや読み飛ばしを減らすための指導を継続し、在籍学級で存分に力を発揮する姿を目指します。

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「教科等研究セミナー」
生徒が自ら筋道を立てて証明できる力を身に付ける指導の工夫
~視覚化したサブゴールの設定を中心として~
関川村立関川中学校
田島 隆之

  「図形での証明について、どのように書き進めていけば説明ができていると言えるのかよく分からない。」「そもそも、結論を導くために何を調べればいいのかが分からない。」私が今回研究主題を設定したきっかけとなった生徒の発言です。
 中学2年生で学ぶ図形領域においての証明は、性質等様々な事柄の調べ方における子どもの思考が、これまでの具体物を利用した操作活動等の実験的操作活動に基づいた帰納的推論から、既に正しいと認められている事柄を用いて根拠を明らかにしながら論理的に説明を行う理念的操作活動に基づいた演繹的推論へと推移する大切な分野です。よって、上記のような質問をする生徒がいるのは、当校の生徒だけでなく誰にでも起こり得る疑念です。
 この事柄の解決を図るため、私は全国学力・学習状況調査を読み解くことを通して改善策を模索することにしました。平成29年度全国学力・学習状況調査の報告書を分析していくと、その正答率や誤答率、解答類から、生徒が図形の性質を考察する場面において、筋道を立てて考え、証明することについて課題があることを読み取ることができます。その後、様々な指導教材より、生徒が仮定から主体的に多様な結論を見いだし、自分で筋道を立てて証明していくような応用発展の場が乏しいことが分かりました。
 これらの改善のため、図形の証明指導において、筋道を立てて証明を考えていくための方略の理解を十分に深める工夫が必要です。そこで三角形の合同の単元において、求めたい新たな事柄の証明をゴールとしたとき、その新たな事柄を示すために用いる二つの三角形の合同をサブゴールとして、合同の証明の習得を十分させることにより、筋道を立てて考える力を伸ばすことにしました。特にその工夫としてサブゴールをICT機器を用いて、生徒の意識に残り、証明の方略に関して生徒の理解の助けとなるような視覚化できる教材を提示することを考えました。
<参考文献>
「平成29年度全国学力・学習状況調査 報告書」
 文部科学省 国立教育政策研究所
「教えたくなる数学 学びたくなる数学~思考力・判断力・表現力を育成する教材解釈・構成~」
 神林信之/風間寛司/星野将直/井口浩/小嶋修/渡部智和 考古堂書店

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「教科等研究セミナー」
論点の明確化とモデル実験を通して、「学習内容」を「生活や経験」と関連付けて理解する子の育成
~資料を活用する単元における授業改善の試み~
村上市立小川小学校
稲葉 正路

  本研究で扱った単元「人のたんじょう」は、直接、実験や観察を行うことが難しいです。そこで、多くの場合、資料を活用して問題を解決していくことになります。これまでの私の実践を振り返ると、こうした資料を活用する単元では、疑問や調べたいことを全体で共有・焦点化させたのち、疑似体験やインターネットなどの情報を基に問題の解決を図ってきました。しかし、予想を交流する場面での対話があまり弾まなかったり、単元終末時の振り返りで断片的な知識や資料をそのまま書き写したりするなど、学びを深めているとは言えませんでした。そこで、次の2点からその解決に迫りました。
1 論点を明確にして少人数グループで予想させること
 妊娠後期(出産間近)の子宮内における胎児の様子について、想像図を描かせて予想させます。これに2時間を充てました。第1時では、個人で想像図を描かせ、それらを共通点や相違点といった視点から分類・整理して論点を共有しました。第2時では、その論点に沿って少人数のグループで対話させることで、より妥当な想像図の形成を図りました。
2 「学習内容」と子どもの「生活や経験」をつなぐモデル実験を行うこと
 第2時の対話で、羊水の存在や胎児の呼吸などについて問題意識をもった子どもに、第3時と第4時で合わせて三つのモデル実験を行いました。第3時では、妊婦体験や抱っこ体験、そして羊水の機能実験を行い、羊水の存在や役割を理解させました。児童からは、「だから、産まれるときに水みたいなものが出てくるんだ」や「だから、妊娠後期のお母さんは安静にしなくてはいけないんだ」という気付きを生むことができました。また、第4時では、モデル実験で胎盤の働きを確認しました。ここでも、児童から、「だから、妊娠中のお母さんはたばこを吸ってはいけないんだ」というつぶやきが見られました。
 このように、ただ資料で調べるだけでなく、論点の明確化とモデル実験によって、「学習内容」と「生活や経験」で得た知識を関連付けて理解した姿が見られました。
 今後も、主体的・対話的で深い学びを具現するため、研鑽を積んでいきたいと思います。

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「教科等研究セミナー」
グループ活動で歌唱の表現を高める
~学習過程の工夫と、場面の限定を通して~
胎内市立きのと小学校
大川原 伸

  新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」が求められています。しかし、これまでの私の音楽指導を振り返ると、子どもの主体的な学びに弱さがありました。子どもたちに、「こうしたい」という思いが生まれず、教師の思いや解釈を一方的に説明することが多く、楽譜をなぞる授業をしていました。一斉指導では教材曲をすぐに歌うことができる子どもと、時間がかかる子どもに歌唱の技能の差が出てしまい、意欲が低下することもありました。
 音楽科において、子どもの学びに向かう力を高めながら、歌唱の表現を高めることができるようにしたいと考えました。子どもが生き生きと自分の能力を生かしながら練習に取り組んだり、すぐに問題解決できなくても仲間の励ましを通して根気強く練習したりと、どの子も満足しつつ、表現の楽しさや高まりを感じることができるような授業を実現したいと考えました。
 そのためには、普段実践している授業の過程や問題のもたせ方を見直し、子ども同士が話し合い、活躍する場面を増やしていく必要があると考え、本主題を設定しました。
1 学習過程の工夫(「いいところさがし」や「教師の価値付け」を行う。)
 1時間の授業の学習過程を「めあて設定」「見通しをもつ」「グループ練習、追求」「発表」「振り返り」と組み立てます。その中で、次のようことを行います。
 (1)「グループ練習、追求」の過程において、教師が、望ましいかかわりや、ねらいに迫る追求をしているグループを見付けて賞賛し、全体に伝える。(教師の価値付け1)
 (2)「発表」の過程で、教師が、発表の前に「どんな工夫をしたか」と聞き、工夫を言わせてから発表させる。(教師の価値付け2)
 (3)発表のあと、聴き手によいと感じたことや、工夫していると思ったことを発表させる。(いいところさがし)
 「いいところさがし」や「教師の価値付け」を常時行うで、以下の点が期待できると考えます。
 ①子どもが、音楽授業の見通しをもって活動できる。
  特に、話合いが進んでいる班は自信をもち、停滞している班には良きモデルとなる。
 ②「いいところさがし」をすることで、発表での聴く意欲が高まる。
 ③聴いてもらえる前提があることで、よりよいものをつくろうと追求の質が高まる。

 ただ、①②③のことが子どもの姿として現れるには、1回限りの授業では身に付きません。年度始めから経験させていく必要があります。

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「教科等研究セミナー」
段落相互の関係や段落の役割を理解する力を育てる指導方法の工夫
~説明的な文章における「考え・根拠・理由の3点セット」と「知識の活用場面」を取り入れた授業改善を通して~
新発田市立東豊小学校
名塚 裕樹

  次期小学校学習指導要領における中学年の目標では、「段落の役割について理解すること」、「段落相互の関係に着目しながら、考えとそれを支える理由や事例との関係などについて、叙述を基に捉えること」が挙げられました。また、上記の総則によると、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の配慮事項として、以下のようなことが取り上げられています。
1 各教科等の特質に応じた(言葉による)見方・考え方を働かせること
2 身に付けた知識及び技能を活用すること
 しかし、学級に見られる児童の姿として、以下のようなものがありました。
  ・作文を書く際に段落を分けずに書く。
  ・一つの段落に様々な内容を入れて書く。
 このことから、段落に関する知識が定着していないことが伺えました。その原因として、早く理解した子の発言を基に進める授業形式を重ねてきたことが考えられます。この展開では、一人一人が言葉に着目してじっくりと考える時間が取れず、文章の構成や段落についての知識を全員に理解させることができなかったのです。
 本研究では、指導要領に示された目標に迫るために、児童の実態を踏まえ、二つの手だてを用いた実践を行いました。
手だて1
  段落相互の関係や役割についての知識を習得させる際に、「考え・根拠・理由の3点セット」の記述で答え、交流する場を設ける(じっくりと言葉に着目させる)。
手だて2
  単元の終末に、「習得した知識及び技能」を活用して取り組む活動を設定する(知識・技能を場面や価値とつなげ、定着させる)。

そして、授業の様子や成果物、単元末に行う段落配列テストの結果から、手だての有効性について検証しました。
  「考え・根拠・理由の3点セット」を取り入れた授業では、本文の言葉や段落の内容に着目し、言葉の意味やつながりを捉え直す姿がありました。そのことが、段落相互の関係や段落の役割を理解する力の向上につながりました。また、単元末に「習得した知識及び技能」の価値に気付かせた後、それを活用させる課題を取り入れたことで、教材文以外の文章でも獲得した知識を発揮させることができました。
 実践前後に行った段落配列テストの結果を比較すると、正答率の向上や記述量の増加が見られました。今後は、「考え・根拠・理由の3点セット」を取り入れた記述や話合いの中での個別指導や、グループ活動の在り方など有効な授業展開について探っていきます。
<参考文献>
 ・文部科学省「小学校学習指導要領解説 国語篇」 東洋館出版社 2018
 ・岸学「説明文理解の心理学」 北大路書房 2003
 ・佐藤佐敏「思考力を高める授業~作品を解釈するメカニズム~」 三省堂 2013
 ・田村学「深い学び」東洋館出版社 2018
 ・鶴田清司「論理的思考力・表現力を育てる三角ロジック」図書文化社 2017

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「教科等研究セミナー」
拡張による統合を促す算数指導の一考察
~拡張のモデルと統合的な考え方に着目して~
新発田市立住吉小学校
邊見 孝太郎

  小学校学習指導要領(平成29年告示)解説算数編では、数学的に考える資質・能力の育成を目指す観点から、実社会との関わりと算数・数学を統合的・発展的に構成していくことに重点が置かれています。そのため、系統性の強い算数という教科において、子どもの数学的概念の拡張を意識し、学習をつなげる指導の在り方が課題です。
 次の3点からその解決に迫りました。
1 拡張のモデルの活用
 拡張のモデルを用いて、子どもの数学的概念の拡張の様相を捉えます。
2 新しい考えを生み出す必要がある学習場面の設定
 既習内容では説明できない問題や処理に労力がかかる問題を提示することで、子どもに新しい考えを生み出す必要性をもたせました。
3 新しい考えで既習の内容を説明し直す学習活動の設定
 新しい考えを生み出しただけでは、系統的な学習のつながりは希薄です。そこで、新しい考えを用いて既習の内容を説明し直す活動を行いました。
 新しい考えの意味理解を充実させる手だてや汎用性のある領域、拡張による統合については、今後も研究を重ねていきます。

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「教科等研究セミナー」
場面や状況に応じて慣れ親しんだ表現をやり取りに用いることができる児童の育成
~場面や状況設定を工夫したインタビュー活動を通して~
五泉市立五泉小学校
加藤 大祐

 1 主題設定について
 私のこれまでの外国語活動の授業を振り返ると、その単元で扱う表現ややり取りだけを指導していることが多かったです。そのため、児童は外国語活動を楽しんでいるものの既習表現を忘れてしまったり、活用できなかったりするという実態がありました。そこで、「①英語表現を用いる目的を明確にした単元構成」と「②既習表現を用いる場面や状況設定を工夫したインタビュー活動」をすることを通して、場面や状況に応じて慣れ親しんだ表現をやり取りに用いることができる児童の育成を目指しました。
2 手だての有効性の検証
(1)研究1年次 「ALTに学校の先生を紹介しよう」(特設単元)
 ①ALTから「学校の先生を紹介してほしい」という依頼を受け、目的達成のために学校の先生に英語でインタビューをして情報を集めたり、ALTに伝えたりする単元を構成しました。
 ②先生を紹介するために必要な情報を集めるためにインタビューを行うという状況を設定しました。
→○単元を通してlikeやcanなどの既習表現を振り返り、インタビューや発表に用いる姿が見られました。
  △日本人の先生に英語でインタビューするという違和感がありました。
(2)研究2年次 「相手がほしいと思う外国のお土産をプレゼントしよう」(Hi,friends!1 What do you want?)
 ①「英語ができるようになったらしたいこと」アンケートの結果と関連付け、それが「できるようになるために」という目的意識をもって取り組める単元を構成しました。
 ②「事前に友達の好みをインタビューして、旅行先(外国)でそれに合ったお土産を買ってくる」という状況を設定しました。
→○アンケート結果と関連付けた単元構成をすることで、日本人同士でも英語でやり取りをする必然性が生まれました。「友達の好みに合ったお土産を選びたい」という目的意識をもち、新出表現や既習表現を用いてやり取りする姿が見られました。
  △一単元だけで行うのではなく、継続して、様々な場面で既習表現を用いる必要があります。
3 成果と課題
 単元を進めるにつれてアンケート項目「英語を話す自信が付いた」に対する児童の肯定的評価が高くなっていきました。また、日頃の児童の姿からも、場面や状況に応じて慣れ親しんだ表現をやり取りに用いることができる児童の育成に迫ることができたと考えます。今後は児童が慣れ親しんだ表現を様々な場面や状況で用いることができるように、年間の学習を俯瞰して単元を計画していく必要があります。

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「教科等研究セミナー」
数学的に説明する力を伸ばす指導の工夫
~一次関数の利用の実践を通して~
燕市立燕中学校
髙橋 将也

  これまでの指導を通して、根拠を基に数学的に説明することを苦手としている生徒が多いことが分かりました。特に、関数の単元において、根拠を基に数学的に説明することに苦手と感じています。
 平成29年度全国学力・学習状況調査で『ダムの貯水量が一定の割合で減少していると仮定し、貯水量が1500万立方メートルになるまでにかかる日数を求める』という問題が出題されました。全国平均で正答率19.1%、無解答32.8%、誤答率48.1%であること、そして自校の生徒にも同様の傾向があることから、生徒は問題解決を図る方法を説明することに困難を感じていると考えました。
 そこで、関数の学習は現象から2変数を取り出すことを出発点とされるべきであり、2変数の関係を表やグラフを用いて分析しようとする営みそのものが解決の方法や理由を説明する活動であるという視点から、仮説を立て、実践研究を進めました。
 「保冷バッグ内にある飲料水の水温が20℃になるまでにかかる時間を求めること」や「標高2500mの気温を求める方法を説明すること」など、身近な科学的事象を対象に、生徒との対話を通して2変数を抽出し、「Aを決めるとBが決まる」の対応関係が成り立つことを確認しながら学習を進めました。小学校で学習した「Aが変わるとBが変わる」などなじみのある表現も用いることで、生徒が進んで学習課題に取り組めるよう工夫しました。そして、対応表・グラフ・式を関連付けて能動的に分析しようとする姿を育みました。
 対象クラスにおいて、同じく平成29年度全国学力・学習状況調査問題を実施したところ、全国に比べて正答率が高く、無解答率が低い結果となりました。また、誤答の内容はグラフ等の用い方について説明が部分的に不足している程度であり、「一定の割合で減少すると仮定している」ことを根拠にして変化の割合を求めるなど、一次関数の見方・考え方を働かせている記述が多く見られたことが成果です。
 本実践を通して、根拠を基に解決の方法や理由を説明する力が身に付いたといえます。

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「教科等研究セミナー」
仲間同士のやり取りの向上を目指した交流および共同学習
燕市立燕西小学校
吉田 晴彦

  我が国では、障害のある者とない者が、できるだけ同じ場で活動していくことを目指していく方向性を定めました。仲間意識を生むことができる状況が少しずつ整ってきた一方で、特別支援学級児童は、交流学級児童に「~してもらうこと」が多くなり、特別支援学級で学んだことを交流学級の場で発揮する機会が少ない様子が見られました。
 そこで、相手とうまくやり取りできた体験を積み上げるために、特別支援学級児童と交流学級児童が一緒に活動する、生活単元学習『わくわくランドで遊ぼう』(ボッチャやフライングディスクなどで遊ぶ)を実践しました。活動の中で特別支援学級児童が活躍できる場を意図的に設定することで自尊感情が高まり、特別支援学級児童と交流学級児童のやり取りの向上が見られるのか、5年生と1年生の2人の対象児童の変容を追いました。
 単元の始め頃は、自信がもてず不安な表情でいた対象児童でしたが、説明カードを使うことができることや、普段接している教師、保護者、隣りの学級と練習する時間があることを伝えると、不安な気持ちが少しずつ消えていきました。また、良かった点や改善点を毎時間話し合うことで、「もっとゆっくり読もう」「大きい声を出そう」と、次回に向けて目標をもてるようになりました。「看板を作りたい」「招待状も書きたい」など、新しいアイデアも加え、わくわくランドで楽しみたい気持ちが一層高まってきました。交流活動では、堂々と説明する姿や、自然に仲間を応援する姿が見られました。
 『自尊感情 他者評価シート』を基に、対象児童の変容を見ると、特に「人への働き掛け」「友達との関係」の観点が大きく伸びました。実践中、実践後には、昼休みに交流学級児童を誘って一緒にボッチャで遊ぶ姿が見られるなど、交流学級児童とやり取りする時間が増えてきました。

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「教科等研究セミナー」
自然現象のしくみを、根拠をもとに説明できる生徒の育成
~「図」や「キーワード」を用いた考察場面を通して~
燕市立燕中学校
岡村 博史

  平成29年度告示の新学習指導要領では、「理科の目標」として、(3)自然の事物・現象に進んで関わり、科学的に探究しようする態度を養う」とあります。しかし、これまでの私の実践を振り返ると、実験や観察が好きな生徒は多いものの、考察の場面では、何を書いたら良いか分からず、言葉でうまく表現できないために、白紙で提出したり、班員の答えを写して提出したりと、科学的に探求しようとする姿勢とは遠い姿となってしまっていました。また自分の意見に自信がもてないため、考察場面における意見交流が消極的になってしまっている場面も見受けられました。
 そこで次の二点を具体的な手だてとして、その課題解決に迫りました。
(1) 生活体験に関連した教材を提示し、自然現象への働き掛けを喚起すること
(2) 考察場面において、「図」や「キーワード」を使い、図と言葉の両方で現象を説明させること
 例えば、雲ができる仕組みを考える実践では、映像だけでなく、実際にドライアイスで空気中の水蒸気を冷却し、それを雲と見立て、導入を図りました。その後、「雲はどのようにできるのか」を生徒に考えさせ、それを追究する構成としました。各班で違った種類の実験を行い、結果をタブレット端末で録画し、実験結果の共有、交流がしやすいように工夫しました。その後、「気圧」「温度」「膨張」の三つのキーワードを指定し、図と言葉を使用して雲ができる仕組みを記入し、書いたものを仲間に説明する活動を行いました。図とキーワードの両方で仕組みを記入させることで、理科が苦手な生徒も雲のでき方について、空気の中に入っている目に見えることができない水蒸気に注目して記入することができました。
 今後は、「生徒の表現力がどのように高まっていったのか」を明らかにしていきたいと考えています。また、現象に対して根拠をもってワークシート上で説明するだけではなく、相手への伝え方、相手の考えを聞いて思考を深めるといった「対話的で深い学び」にも視野を当て、実践を続けていきます。

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「教科等研究セミナー」
明確な根拠に基づき、論理的に社会的事象を説明できる生徒の育成
~ 根拠と意見の可視化を通して ~
弥彦村立弥彦中学校
井上 北斗

   「生き方モデルのない社会」を幸福に生きる上で重要なのは、知識の量よりも、「未知の課題に対して、どのように知識や技能を適合し、解決に導くか」です。そこで必要なのは、情報を適切に取捨選択し、それを根拠として判断・行動できる力であり、その中核をなすのが、思考の論理性だと考えます。
 本研究では、「学習の過程に、根拠と意見を可視化する場面を設定するならば、根拠と意見の関係を整理することができ、社会的事象を論理的に説明する力が育つだろう」という仮説を立てました。この仮説に基づき、根拠と意見の関係を可視化するワークシートやフレームワークを利用することで、論理的な思考ができる生徒の育成を図りました。
 実践は、二つの単元で行いました。
 「現代社会の見方と考え方」(第3学年公民的分野)の単元では、対立する三つの部活動の主張を基に、学校のグラウンドの割り振りを考えさせました。この際、ワークシートの構成を工夫し、
 ・三つの運動部の主張や特性を根拠として整理する部分
 ・整理した根拠を基に、グラウンドの割り振りプランを可視化する部分
の二つを用意しました。
 「中国・四国地方」(第2学年地理的分野)の単元では、「過疎化が進む今、新たな本州四国連絡ルートを作るべきか」という課題を設定しました。この際、
 ・学習の過程で発見した事実を根拠として可視化し、積み重ねていくワークシートの導入
 ・単元のまとめで、それまでの学習の過程で得た根拠を、イメージマップの形式で可視化させるなどの工夫を試みました。
 いずれの実践でも、根拠との因果関係を明確にして意見を形成する生徒が多く、根拠が薄弱だったり、情緒的だったりする生徒は少なかったです。特に有効だと考えられるのは、図や表による可視化です。これにより、情報を視覚的に整理できるため、思考を段階的・論理的に整理しやすくなることが明らかになりました。
 今後は、「根拠を見いだせても、それを意見にうまく結び付けて表現することが難しい生徒に対し、どのようにして力を身に付けさせるか」という点を課題にして、更に研究を深めていきます。

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「教科等研究セミナー」
目的や意図に応じて情報を取捨選択し、論理的に書く力を育む指導の工夫
燕市立吉田小学校
松田 健太

  児童が書いた文章を読むと、一貫した論理が読み取れないことがあります。論理に対する捉えが未熟であることや、意図に合わせて適切に表現できないことが原因と考えます。内田(2017)によると、文章産出では、書く過程において、書き手の意図と表現の間で往復運動が起き、表現が決まることや、個々の書き手が保持する基準によって見直しが図られることが述べられています。ここから、書き手が「何のために書くのか」「書きたいことは何か」と、自ら目的と意図を問い直すこと、さらに、書き手の基準に論理性が加わることで、問い直しの質が向上し、論理的な文章が書けるのではないかと考えました。
 そこで本研究では、小学校第6学年国語科「書くこと」領域の単元を対象に、以下の手だてを講じ、その有効性を探りました。
1 目的や意図に応じて書かせるための「観点」を整理し、示す。
 小学校学習指導要領国語「思考力・判断力・表現力等」に関わる事項を取り上げ、文章構成や表現をより明快にするための観点として整理しました。
2 モデルを比較する活動を通して、具体的な表現から読み手側の観点に整理する。
 児童の実態を踏まえて作成した構成段階のモデルを複数示し、それぞれの特徴を比較させました。どのような観点で文章の見直しが図られるとよいのか、具体的な記述を通して気付かせました。 
3 観点を基に自らの文章を見直す活動を単元の中で複数回取り入れる。
 新たな観点や、既習の観点を自分の文章に適用したり、他者から見直してもらったりする活動を設定し、論理性を意識しながら文章を作成できるようにしました。さらに、構想、構成、記述、推敲という文章産出の過程に柔軟性をもたせ、それぞれの段階に戻って検討がなされるようにしました。
 成果物や振り返り記述を分析したところ、論理性のある文章のよさに気付いていることを読み取ることができました。また、観点を基に見直しや検討がなされ、論理性のある構成や記述が書かれるようになりました。書き手が読み手の立場を繰り返し経験し、自分の中に優れた読み手を作ることによって、より論理性のある文章が書けるようになっていきます。書くことと読むことのつながりを意識した授業とはどのようなものか、今後の実践で明らかにしていきたいです。
〈参考文献〉
秋田喜代美 学びの心理学-授業をデザインする 東京:左右社、2012年
内田伸子 発達の心理-ことばの獲得と学び 東京:サイエンス社、2017年

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「教科等研究セミナー」
鑑賞と創作の一体化を目指した授業づくり
燕市立燕中学校
早川 克善

  平成20年に施行された学習指導要領の中学校音楽科では、表現及び鑑賞に関する能力を育成する上で必要となる共通事項が新設され、これにより、「表現」と「鑑賞」の一体化を図った指導が求められるようになりました。平成29年3月に公示された新学習指導要領でも、同様の趣旨で共通事項は位置付けられており、音楽の構造についても、表現活動と関連付けながら学習することが求められています。
 そこで、表現活動の中の創作によって、旋律など音楽を形作っている要素についての構成上の特徴を理解し、それらと関連付けながら鑑賞活動することで、音楽に対する理解を一層深めることができると考え、二つの授業実践を行いました。
1 「小フーガト短調」での創作活動
 小フーガを1時間目で鑑賞した後に、創作教材である「動機を生かした旋律をつくろう」を、楽譜作成ソフト「MuseScorePortable」を活用して行いました。バッハが多くの楽曲で用いている主題の模倣、反復、逆行、反行、縮小、拡大を、創作活動を通して理解を図りました。創作活動後、再度小フーガを鑑賞し、曲の聴き方がどのように進歩(進化)したのかを考える時間を設定しました。振り返りシートでは、多くの生徒が「主題を意識することができた」「音の高さの変化に着目しながら聴けるようになった」などと記入し、創作活動前後での変容が見られました。
2 「シェエラザード」での創作活動
 1時間目は、リストとリヒャルトシュトラウスの交響詩を比較鑑賞し、交響詩における標題と音楽の諸要素の関係を理解することを授業のねらいとしました。それに続く創作活動では、与えられた標題(表題)をもとに、8小節(2拍子で1小節に1つのコードを置く)の旋律を、楽曲作成ソフト「Domino」を使用して作成しました。生徒アンケート結果によると、その後の鑑賞では、以前より興味をもった状態でシェエラザードを聴くことができましたが、創作活動での経験を鑑賞に生かすことができた生徒は、50%程度であったため、課題提示の工夫を今後研究していきます。

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「教科等研究セミナー」
地域への誇りから、自分の将来や生き方に指針をもつ児童の育成
~「地域」を広く捉えて地場産業から学ぶ、キャリア教育の取組~
三条市立須頃小学校
天木 享

  社会構造や雇用環境の激変が予想されている今、児童が自分の将来や生き方について考える機会の必要性が高まっています。また、児童が年代や立場の異なる人と触れ合う機会が減っています。そのため、文化や産業、人のつながりなどの地域のよさをよく知らず、地域に誇りをもつことができない児童が増えていると感じられます。地域に誇りをもつことは、児童がこれから生きていく上での心の支えになり得るとともに、地域の活性化にもつながると考えます。
 では、児童が学習し、誇りをもつべき「地域」とは、一体どこでしょうか。そう考えて児童の将来に目を向けた時、小学校区の地域資源や人材に限定せずに、児童が住み、活動する燕三条地域を広く「地域」と捉えて、地域と連携したキャリア教育を行うことにも価値があると考え、当校6年生を対象に実践しました。主な手だては以下のとおりです。
(1)児童が主体的に学べるように、学習課題や場面を設定する。
 ・地域を「燕三条地域」と広く捉え、児童が本当に調べたい産業を学習テーマに選べるようにする。
 ・地場産業に携わる人と1対1で関わる場面を設定する。(児童一人一人が保護者引率の元、各企業・施設で見学やインタビューをする。)
(2)学習成果の共有と振り返りのために、凝縮ポートフォリオを作成して伝え合う場面を設定する。
※ 凝縮ポートフォリオ…本研究では、児童が学んだことや考えたことを仲間、保護者、地域に伝えるために、パワーポイントにまとめた資料とする。
 実践の結果、全ての児童が燕三条地域の地場産業やそれに携わる人の魅力を発見し、今後の自分の生き方について考えることができました。また、学区外の企業にも快く協力していただくことができました。燕三条地域の地場産業と、それを作る職人の生き方・考え方から、多くのことを学び、憧れをもつことのできる学習となりました。本研究ではできませんでしたが、実践の最後にもう一度、小学校区である須頃地域を捉え直して、よさを再発見したり、未来について考えさせたりすることで、より自分事として地域を見る目が養われたのではないかと思います。

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「教科等研究セミナー」
子どもの学ぶ意欲の向上と知の定着を目指して
~授業と家庭学習をつなぐ「理科レポート」「理科リーフレット」の試み~
三条市立井栗小学校
丸山 哲也

  子どもは、理科の法則を見付ける過程を経験しただけでは不十分であり、学んだことを自分の言葉で表現する経験をしなければ、知の定着が十分図られないのではないかと考えました。
 そこで、本研究は、直接、教師が指導しにくい家庭学習という学習場面において、意欲的で質の高い学習をどう具現するか、授業とその家庭学習をどうやってつなげていけばよいかを考え実践したものです。
次の三つの手だてを講じました。
1 理科の授業で学んだことを家庭学習の場で再構成する「理科レポート」の指導
 理科の学習で学んだことを自分の言葉でまとめるA4判1枚のレポート用紙にしました。子どもがよいレポートのイメージと書く見通しがもてるように、レポートの形式を具体的に示したり、レポートにコメントを入れ、励ましたりしながら評価し、よいレポートや成長した子どものレポートを取り上げ、全員に紹介しました。
2 家庭学習とつなぐ授業の工夫
 子どもが意欲的に「理科レポート」に取り組むためには、子どもにとって分かりやすい授業、レポートを書く見通しがもてる授業を工夫することが必要です。また、子どもの書いたレポートの内容が、次の授業に活かされるような場面をつくることも大切です。このことが、日々の授業への意欲の向上にもつながり、相乗効果を生むと考えます。そのために、授業において、レポートの構成を意識した授業の流れとしました。そして、レポートに書かれた子どもの疑問を取り上げ、授業に活かすようにしました。
3 単元を通したまとめの仕方の工夫
 レポートを見返したり、つながりを考えたりできるような単元のまとめに取り組ませるようにしました。また、レポートをそのまま書き写せないようなリーフレット形式にし、学習内容を再構成できるように工夫しました。
 その結果、子どもの家庭学習や授業への意欲の向上、市販テストの成績の向上など、知の定着についても成果が見られました。

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「教科等研究セミナー」
学習者同士の関わり合いによる相互作用を生かした課題設定の効果に関する事例的研究
~5年生算数「体積」を通して~
三条市立森町小学校
野口 大樹

  文部科学省によるSociety5.0における学びの在り方として、一斉一律授業から読解力など基盤的な学力を確実に習得させつつ、個人の進度や能力、関心に応じた学びへ転換を求めています。現状の課題としては、「他者と協働しつつ自ら考え抜く自立した学びが不十分」と指摘しています。
 児童が他者と協働しながら個に応じた資質・能力を育成できるよう、教師が単元を設計していく必要があります。
 藤村(2012)は、心理学の観点から、様々なタイプの算数・数学の問題の解決には、必要な認知プロセスが異なると述べています。計算能力のようなスキルの学力形成は反復練習や個に応じた指導が必要だとし、概念理解や思考力の形成には協同的探究学習が必要だと述べています。
 さらに、西川(2014)は、算数の陶冶価値について「教師の管理下のもとに能力差の現実に向き合わせ、いっぱい問題を起こさせ、その問題を乗り越えられる子ども、子ども集団を育てる」ことだと述べています。
 授業場面における課題は、様々な知識やスキルを総合して使いこなし学習者同士の関わる必然性があることが重要です。そこで、課題設定を「他者を納得させる方法を工夫し説明ができる」というような学習者同士の関わり合いによる相互作用を生かしたものが有効だと考えました。
 また、個人の進度や能力、関心に応じて学びを深めていけるように、単元設計も工夫しました。教師の一斉授業形式の介入をできるだけ減らし、単元の全ての課題を単元計画とともに単元の最初に児童に全て与えました。
 本研究は、小学校5年生の「体積」の単元を対象に、児童同士の相互作用を生かした課題を単元を通して行うことで、学力への効果や教科に対する意識にどのような影響を及ぼすかを検証しました。
 検証の結果、「算数の授業で問題を解くとき、もっと簡単に解く方法がないか考えますか。」や「算数の授業の後、学習したことが生活の中で使われていないかと探しますか。」といった算数に対する課題の向き合い方や生活の中での算数のつながりについての意識に一定の効果が実証されました。
<参考文献>
文部科学省:「Society 5.0 に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」、 2018
藤村 宣之:「数学的・科学的リテラシーの心理学」、有斐閣、2012
西川純:「『学び合い』から見た算数を学ぶ意義」、新しい算数研究、№521、pp.10-11、東洋館出版社、2014

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「教科等研究セミナー」
児童が主体的に課題を乗り越え、意欲的に表現する授業づくり
~児童が主体的に課題解決方法を見出し、深い学びを得ることができる図画工作科指導を目指して~
三条市立大崎学園
家老 尊則

  児童が表現の途中で、課題にぶつかり表現が停滞してしまう「つまずき」の状態になることがあります。例えば「何を表現したらよいか分からない」「どうやって表現したらよいか分からない」「ここから先どのように改善していけばよいか分からない」等です。
 そのような状態を「児童が課題をもっている状態」と捉え、その課題を児童が主体的に乗り越えていけるような支援を行っていきたいと考えました。そこで、児童がもつ課題に寄り添うためのワークシートを活用した個別指導、さらに表現途中での相互鑑賞を取り入れた実践を行い、その効果を検証していくことにしました。
1 「振り返りシート」による児童の困り感に寄り添った個別指導
 毎時間児童に「振り返りシート」で今日の表現についての感想やうまくいったこと、困っていること等を記述させました。教師は児童の状況を把握しコメントによってアドバイス、励まし、称賛を継続しました。また、児童の表現過程を把握し、次時の授業の目標設定や課題解決に生かしました。
2 相互鑑賞、記録の蓄積
 他者との交流による相互鑑賞として児童が表現過程で鑑賞し合い、「よさ」についての評価や「アドバイス」を付箋で記入し交換し合えるようにしました。その後、自身の構想の見直しや今後の表現の工夫に反映できるようにし、またそれらの記録をポートフォリオとして蓄積して、変容や成長を教師や児童自身が確認できるようにしました。
 振り返りシートを活用することにより、児童の表現における進捗状況やつまずきを把握することができました。教師は児童の状況に応じてコメントによるアドバイスや直接の声掛けを行い、より多くの児童に助言をすることができました。振り返りシートによる自己評価と教師のコメントによるアドバイスの継続により、多くの児童が最初の構想(アイディアスケッチ)から改善を重ねることができました。また相互鑑賞を通して、更に改良したり付け足したりするとよいところを明確にし、意欲的に工夫を重ねていく児童の姿が見られました。

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「教科等研究セミナー」
学級経営における育てる教育相談
三条市立大島中学校、新潟市立小新中学校
川上綾子、丸山一仁

  社会的能力の未学習や誤学習による学校への不適応や様々なストレスを抱える児童・生徒が多くなる中、学校教育全体を通して「育てる教育相談」の必要性を感じ、実態に応じた実践を進めてきました。
 本実践では、学級経営における「育てる教育相談」の取組や気になる子への個別支援について、発表をします。
実践① 向社会的能力を高める支援のあり方
 褒められたり、感謝されたりすることで周囲から認められていると感じられ、様々なことへの意欲が高まるのではないかと考え、他者から感謝されるような行動(向社会的行動)を増やすために、二つの実践を行いました。一つ目は、向社会的行動を行おうとする意欲を高めるために、教師や周囲による称賛や承認を伝える取組。二つ目は、向社会的行動を意識させるために、生徒がその行動のよさや意義について考える取組です。
 教師の言葉掛けのもつ効果と、生徒が関わりの中で学ぶ力を実感することができました。
実践② 「自己カウンセリング力」の育成
 自分の思い通りにいかずに落ち込んだり、イライラに振り回されて失敗したりすることがあります。感情に振り回されずに、自分自身で困難を乗り越える力を「自己カウンセリング力」といいます。自己カウンセリング力を身に付けるために、三つの取組を行いました。一つ目は、自分の性格や得意不得意を自らが知る「自己理解」の活動。二つ目は、喜怒哀楽の「哀しみ」に対して、物事の捉え方を変えてみる「リフレーミング」。三つ目は、「怒り」に振り回されないようにする「アンガーマネジメント」。
 自分の性格を知った上で、生活の中で「リフレーミング」と「アンガーマネジメント」を適切に行える「自己カウンセリング力」を身に付けるための、学級での取組を紹介します。

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「教科等研究セミナー」
地域全体で支える生徒の通信機器への依存防止並びに自立への取組
三条市立栄中学校
幸田 真樹

  昨今、パソコンや携帯電話、家庭用ゲーム機を用いたインターネットトラブルが社会問題化しています。しかしながら、それらは表面上の問題で、根本は「生徒の自立」の問題ではないかと考えます。そこで、まず、トラブルの予防・対処的な指導だけでなく、子ども・保護者・地域が一体となって問題意識を共有します。その上で、生徒の普段の生活や常識を考慮した上で、望ましい生活習慣を基盤としたルールづくりを支援し、「生徒の自立」を支える体制づくりが必要であると考えます。
 そのために、次の2点からその解決に迫っていきます。
1 通信機器・ゲーム機の背後にある様々な問題を生徒の普段の生活や常識と照らし合わせ、使用時のルールや危険性を段階的に考える場面を設定します。
 具体的には、小・中学校の携帯電話の所持率や利用時間を調査し、その実態を提示し、自分たちの問題点を考え、話し合います。次に、通信機器の利用時間と定期テストの相関関係を提示し、自己の生活習慣を振り返ります。さらに、インターネットアドバイザーなどの指導により、より分かりやすい授業内容を追求します。
2 学校・保護者・地域社会の子どもを支える組織の協力を得られる活動をします。 
 具体的には、PTA総会や地域懇談会、中学校入学説明会や地区育成協議会等で、保護者だけでなく、地域全体で問題意識を高めます。同時に、教員間で情報交換を行い、実践事例を共有し、精度を高めていきます。さらに、生涯学習センターと連携し、情報モラル指導者講習会で指導を受け、改善していきます。
 実践から、様々な方々とつながり、いろいろな学校や地域の方々と問題意識を共有し、改善の方策について確かめました。今後もこの輪を更に広め、通信機器に振り回されない生活習慣の育成、そして「生徒の自立」を支えたいと思います。

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「教科等研究セミナー」
三段論法をもとに論理的に説明できる子どもの育成
加茂市立加茂小学校
廣野 達也

  私は、児童の自然の事物や現象に対する「おや?」「なぜ?」を、「そうなんだ!」「おもしろい!」という気持ちを高めたい、「科学的な面白さ」を感じてもらいたいという気持ちで理科授業を実践してきました。しかし、知的好奇心や探求心を基に、科学的な見方や考え方を高めていたか、本当の意味での「面白さ」を味わわせることができていたか等、反省点もあります。
 そこで、児童の気付きや疑問を基に、根拠や理由を明確にしながら順序立てて記述できるようにしたり、論理的に説明する活動を組織したりすることで、科学的思考力・表現力を高めようとして授業改善を行ってきました。そのために、次の二点から解決に迫りました。
1 パフォーマンス課題の設定
 児童の科学的で論理的な深い理解を引き出すために、パフォーマンス課題を設定します。領域や単元ごとの「本質的な問い」と「永続的理解」を得られるように課題を設定します。「身の回りの事象や自然現象はどのような仕組みか?(概念理解を扱うもの)」といった「本質的な問い」と、「どのように探究できるか?(方法論を扱うもの)」といった「探求的思考過程・永続的理解」に対応した課題を設定することで、思考を活性化させ深い理解へとつながることをねらいとしました。
2 思考を補助するシンキングツール・ワークシートの活用
 アーギュメント指導〔「理由付け」:「既習事項や生活経験・体験」→「証拠」:「実験結果」→「主張」:「結論・考察」〕の観点で、段階を追った思考ツールを活用します。一実験及び単元を通して継続して活用することで、自他の考えの共通点や差異点を比較したり、予想と仮説の見通しをもったり、既習と結果・考察を明確にしたりすることをねらいとしました。
成果と課題
・段階を追って観点毎にまとめることで思考の流れを促し、整理して自分の考えを表現することができました。
・予想・仮説場面において、科学的に論を組み立てるための手だてが弱いと感じました。児童の思考を基にした考えのもたせ方と共有の仕方、設定の仕方を再検討する必要性があります。
理由、根拠、主張を明確にしながら、論理的・科学的に説明する力を高める指導の内容と方法の妥当性を更に検討し、児童に「科学的な面白さ」を味わわせることができるよう、これからも研究していきます。

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「教科等研究セミナー」
単元を貫く課題を通して事象に対する理解を深める生徒の育成
加茂市立加茂中学校
松原 智加

  既習事項から事象についての根拠をはっきりさせ、自分の考えをもって他に説明できることをねらいとしました。そのために学習内容に関する身近な事象について各自が最初の考えと学習後の考えを可視化し、他と関わらせました。
(1)手だて1「興味をひく課題設定」 そういえばどうしてだろう、と疑問をもつ身の周りの事象から、内面から湧き出る知的好奇心を促す課題を「before⇒after問題」として小単元を貫く課題とします。学習前後に同じ課題に取り組むことで、課題(事象)についてより確かな根拠をもって説明できるようにします。
(2)手だて2「対話の場の設定」  before⇒after問題をそれぞれ自分で考え、その後グループで話し合い他の考えを聞きます。afterではグループでの話合いを重視し、対話によってそれぞれがもう一度自分の考えを見直す場とします。
(3)手だて3「ミニホワイトボードの活用」 1人1枚のミニホワイトボードを使い、問題についての自分の考えを書かせた後、班内で考えを見せながら話すことにより視覚的に他の考えを見ることができ、より考えを深める手段とします。
 上記の実践により、生活の中の身近な現象を課題としたことで、相手の考えを聞きたいという意欲的な姿勢が見られました。またホワイトボードの使用で「書く」ことへのハードルが下がり、書くことが苦手な生徒もキーワードで表すことができました。また、書いたものを見せ合いやすいことからもホワイトボードは非常に有効でした。定期テストでは全体の70%以上の生徒が課題に対して自分の言葉で説明することができました。しかし、課題が学習内容に対して適切なものか、より興味を引くものか、before⇒after問題を実施するかどうかで理解度に違いがみられるかなど今後検証する必要があります。
<学習指導要領>、<新しい科学>東京書籍、<授業を変える課題提示と発問の工夫50>山口晃弘著 明治図書

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「教科等研究セミナー」
「話す」「聞く」活動の工夫や振り返りシートの活用を通して書くことに慣れ親しむ児童の育成
長岡市立青葉台小学校
白井 啓太

  新学習指導要領「外国語」では、「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、外国語による聞くこと、読むこと、話すこと、書くことの言語活動を通して、コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力を育成すること」を目指しています。私は、英語を書く活動の充実が、児童の英語への興味・関心の向上につながると考えています。
 「書くこと」にスムーズに入るためには、前段階の「聞く・話す」活動を充実させていくことが重要だと考えます。それに加え、児童が外国語の授業における成長に気付けるようにすることも大切だと考えます。これらのことを意識して授業づくりをすれば、書く活動にスムーズに入ることができ、英語への興味・関心が向上するだろうと考えました。
 書くことに慣れ親しむ児童の育成を目指し、以下の二つの手だてを講じました。
(手だて1)「書く」活動を取り入れた単元計画を立て、「書く」ことに慣れ親しめるように「聞く」「話す」活動を充実させる。
 新出単語に慣れる手順として、「①絵を見て言える。 ②単語を見て言える。 ③絵と単語をつなげることができる。」の三つのステージを考えました。この三つのステージを踏むことで、新出単語に慣れ親しむことができ、書く活動にスムーズに入れるだろうと考えました。
(手だて2)自己の成長を自覚し、蓄積できる振り返りシートを作成し、授業内における自己の成長に気付かせる。
 1単元で1枚の振り返りシートを作成します。「新しく習った単語や表現を言えるようになったか。」等を自己評価する欄と、授業の中でできるようになったことや次回がんばりたいことを記述する欄を設けました。また、単元のゴールまでに必要なスキルをCan-do listとして記載し、できるようになったところに色を塗らせるようにしました。
 以上の二つの手だての有効性を実証するために、二つの実践を行い、検証しました。
 初めに絵と単語が書かれているものを提示し、慣れてきた段階で「絵のみ」「単語のみ」「絵と文字合わせ」とステージアップしていくことで、児童は意欲的に活動することができました。さらに、毎時間の終末で、学習した表現を使った文を書き写すことも有効だったと考えます。また、めあてを意識した振り返りを行い、その授業での自己の成長や、課題に気付かせていくようにすることが、次時の活動につながっていくことが分かりました。
 今後も、児童が書くことに親しみ、楽しみながら英語を学べる授業づくりを研究していきたいと考えています。

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「教科等研究セミナー」
予想と実験結果を照らし合わせた考察ができる子の育成
~論拠のある予想を立てさせることを通して~
長岡市立越路小学校
大平 正則

  本研究では、観察や実験における子どもの目的意識に着目し、学習課題を主体的に追究する過程を通して、観察、実験の結果を基に、子どもが自らの考えを導き出し、自分なりの考察ができるようにすることを目指しました。そのためには、子どもに根拠の明確な予想や仮説をもたせる指導の工夫をする必要があります。また、子どもの意識を問題解決の流れに沿ってつなぐ指導の工夫をする必要があると考えます。このような工夫をすることで、子どもは観察、実験中に目的意識をもち続け、自ら考察することができるようになると考え、本主題を設定しました。
 観察、実験の目的は、自分の学習課題に対する予想や仮説が正しいかを確かめることです。具体的には、次の二点について子どもが意識しながら観察、実験に取り組むことであると捉えました。
(1)学習課題に対する予想や仮説の妥当性
(2)予想と結果から得られる事実との整合性
 子どもに、事象を引き起こしている要因を把握させ、解決できる問題として意識させることで、どのような学習課題にすればよいかを考えやすくさせます。そして、学習課題を考えさせ、この考えを基に設定することで、子どもに自ら考えて解決すべき問題であるという意識をもたせます。
 次に、学習課題に対する予想や仮説を考えさせることで、この考えが正しいかを確かめるという目的を明確に把握させます。予想や仮説には、その根拠となる考えを付け加えさせます。さらに、予想や仮説の妥当性を検討する手段となる観察、実験の計画を立てさせたり、予想や仮説を観察、実験に当てはめたときの結果を予想させたりすることで、目的を達成するための見通しをもたせます。
 この過程を経て子どもが目的意識をもって観察、実験に取り組むことで、子どもの問題解決の意識が高まり、得られた結果をもとに正しく考察ができるようになると考えました。

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「教科等研究セミナー」
方向性が同じ作品の比べ読みで、自分と重ねながら思いをもって作品を読む子どもの育成
長岡市立寺泊小学校
山田 真弘

  次期学習指導要領において「知識及び技能」に、「共通、相違」「原因と結果」等、「情報と情報との関係」などの「情報の整理の仕方」に関する項目が立てられました。これまでの子どもの様子では、人物、出来事・事件や結末など物語の構成要素は知っているのですが、それらを活用した読みができていないことに加え、登場人物と自己を重ね合わせて共感して読む経験をさせていないことから、思いをもって作品を読む子どもも多くはありませんでした。物語の構成要素を活用した本の読み方を獲得し、作品の方向性を自ら見いだして、自分が共感できる話や登場人物を見付ける力と態度を子どもたちに付けたいと願いました。
 本研究では次の二つを研究内容としました。
(1) 方向性が同じ作品からの選書によって比べ読みをする活動の組織
 これまでの比べ読みに見られるシリーズ作品や、同一作者の作品でなく、方向性が同じ作品からの選書によって比べ読みをする活動を行います。このことにより、読書を通してそれぞれの本から読み取ったことについて登場人物同士、登場人物と自分とを重ね、共感しながら読むことで、より豊かな読みにつなげる姿を期待しました。
(2) 自分で選書した作品の比べ読みによって「マイコレクション」を作る活動の組織
 方向性が同じ作品の中から子どもが自ら選書し、「登場人物」「始めと終わり」「きっかけになる出来事」の観点に照らして共通点を探します。見付けた共通点から「○○なお話」とタイトルを付けた「マイコレクション」を作る活動を組織します。このことにより、選んだ作品が自分にとってどのような意味をもったのか、自分が最も共感できる作品の方向性を自覚し、シリーズや同一作者以外の本の選び方や読み方を獲得する姿を期待しました。
 今後は、子どもが主体的に読み取り、学んで表現したことを交流し合い、自己の学びに還るような学習の工夫をしていきます。

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「教科等研究セミナー」
地域素材を手がかりとして、学びを深める単元構成の工夫
長岡市立越路小学校
佐藤 康子

  小学校社会科の歴史学習において、どこの地域でも多くの先生方の手で、 地域の歴史を取り扱うことが試されていることと思います。しかし、身近な素材故に児童の共感的な理解で満足してしまい、教科書で取り扱う事象との繋がりが薄く、社会的な事象の意味付けまで子どもの理解が及ばないことが私自身の課題でした。こどもが、社会的事象の意味について実感をもって捉えるためには、身近な事象と一般的な事象すなわち地域と社会全体の動向を関連付けながら学ぶことが大切ではないかと考えました。
 そこで本研究では、「身近な地域素材を窓口として学び、その意識や問いを日本を象徴する事象で繰り返し学習できるように単元を構成するならば、子どもは相互の事象を比較・関連させることを通して、地域と全体の繋がりの中で社会的事象を捉えることができるだろう。」という研究仮説を設定し、以下の二点の手だてを通して上記の仮説に迫るものとしました。
 ①単元構成の工夫 …… 単元の中で取り扱う題材を、身近な地域素材と全国的なあるいは社会的動向の象徴となる素材の二重構成にして、子どもの問いや思考がつながるように単元を構成します。それによって、子どもは地域素材で学んだ手法や経験を手がかりに、自分の地域や生活経験と離れた内容に対しても解決までの見通しをもって学ぶことができると考えました。
 ②子どもの意識に必然性と連続性を与える発問 …… 地域素材の学びを通して子どもが獲得した視点や考えを、広げたり繋げたりする発問を行うことで、子どもが次の学習へと連続性を意識しながら向かうことができるようにします。
 本研究では2実践を用いて、6年生の歴史学習において地域教材から日本全体あるいは他地域の事象へと学びを連続させることにより、子どもが、学び方の手法を獲得して自ら使うこと及び両者を比較・関連させることを通して、当時の人々の願いや努力を様々な立場や視点の繋がりの中で捉えることができる姿の獲得について検証しました。

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「教科等研究セミナー」
多角的に考えることで、社会的事象の意味を捉える力の育成
長岡市立千手小学校
櫻井 諒

  社会科は、社会的事象について多角的に考え、その意味を捉えることが大切です。社会的事象を多角的に考えることで、自分の立場だけでなく、複数の立場で物事を見る目が養われます。その見方・考え方は、将来、子どもたちが社会に参画していく上で必要であると言えます。しかし、これまでの自分の実践では、多角的に考える姿を実現できないこともありました。それは、子どもが、社会的事象について考える際の視点がはっきりしていなかったことに原因があると考えました。そこで本研究では、子どもが多角的に考える視点をつくり、資料を基に話し合うことで、社会的事象の意味を捉える姿を実現していきます。
 次の2点から実現に迫りました。
1 社会的事象と子どもの生活とをつなげる単元の導入の工夫
 子どもたちにとって身近な社会的事象を教材として取り上げます。その上で、社会的事象と自分の生活とのつながりが意識できるように、単元の導入を構成していきます。取り上げる事象が、自分の生活に深く関わっていることを意識することで、社会的事象を自分の立場を通して考えることができると考えます。例えば、5年生の「日本の工業」についての学習では、自分たちは工業製品を使う消費者であり、その消費者という立場から生産者の願いを考え、日本の工業生産を多角的に捉えられるようにします。
2 複数の立場から社会的事象について考えられる資料提示の工夫
 社会的事象を2つの立場から考えられる資料を提示します。本研究では実物、写真、インタビュー資料を用います。学習問題を解決するために、例えば「生産者と消費者」のような2つの立場から考える姿を生み出します。そうすることで、多角的に考え、社会的事象の意味を捉える子どもの姿を実現します。
 以上2つの手だてを講じることで、自分の立場だけでなく、複数の立場で物事を見る目を養っていきます。

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「教科等研究セミナー」
事象の多面性・多角性を基に、批判的に追求する生徒の育成
~「批判的思考による問い直し」の手だてを通して~
新潟大学教育学部附属長岡中学校
恩田 隆介

  現代社会は多くの情報があふれ、様々な要因が複雑に絡み合い、簡単には答えを出すことができない問題が山積しています。これからの社会を切り開いていくためには、たとえ答えのない問いに対しても、より妥当な納得解・最適解を他者と共に粘り強く見いだしていく力が求められています。一面的な情報を鵜呑みにせず、様々な資料を基に、いかに論理的に自分の考えを構築できるか、他者の考えを共感的に捉え、省察的に自身の考えを見直すことができるかが重要です。そのためには、事象の多面性・多角性を認識しつつ、根拠(資料・事実)と論拠(解釈)を明確にして自分の考えをもつことと、互いの主張の根拠と論拠に焦点を当てた話合いをすることが必要です。自他の考えを十分に吟味することで、初めて納得解や最適解が導き出せると考えています。
 本研究ではこれらの力を育むために「批判的思考による問い直し」に焦点を当てています。批判的思考とは、自他の主張の説得力や妥当性を総合的に吟味することであり、批判的に思考するためには、自他への問い直しが不可欠です。これらを単元の中に位置付け、実践を行いました。地理的分野「モンゴルの砂漠化を食い止めるには?」(実践1)と、歴史的分野「蘇我氏が絶大な権力をもつに至った理由とは?」(実践2)の2つの実践で、以下の3つの手立てを講じ、検証しました。
①根拠と論拠を明確にする思考の可視化
 自分の考えの根拠と論拠を明確にさせるために、トゥールミンモデルを参考にしたワークシートを活用し、思考の可視化を図りました。これにより、話合いで自他の差異が視覚的に認識しやすくなり、問い直しが効果的に行われました。
②話合いで批判的思考を育むためのフレームワークの導入
 実践1では、知識構成型ジグソーを取り入れました。4つの視点で資料を分け、生活班(4人)で分担して追求させました。同じ視点を追求したエキスパートで主張の妥当性を検討し、その後、生活班で交流を行いました。話合いの活性化を図るとともに、他者と自己の視点を比較・検討しながら課題解決に向かって吟味する姿を期待しました。実践2では、実践1と同様に4つの視点で資料を用意しましたが、役割分担はせずに全ての資料を全員に提示しました。その上で、ランキングを活用することで、理由付けの必然性を生み、自他の主張を吟味しやすくなるような場を設定しました。
③問い直しを促す型の提示
 話合いで意識させたい「問い直しの型」を示し、議論の焦点化と活性化をねらいました。型を積極的に活用させることで、省察的に自他の考えを見直す姿勢がより一層促されると考えました。
 今後も、批判的思考による問い直しに焦点を当てて、研究を進めていきます。

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「教科等研究セミナー」
複数の叙述を基に人物像を捉える文学的文章の指導のあり方
長岡市立黒条小学校
桑原 正大

  平成28年度全国学力・学習状況調査において、「登場人物の人物像について、複数の叙述を基にして捉える」設問の全国正答率は6割でした。登場人物の人物像の読み取りについては、国立教育政策研究所が平成19年度から平成22年度の調査結果をまとめた「4年間のまとめ【小学校編】」において課題とされ、物語の登場人物を把握するために叙述内容を分析的に読むこと、登場人物の心情を表現や叙述と関係付けて読むことを指導することが求められていました。
 全国学力・学習状況調査においては、平成20年度「登場人物の特徴を捉える」の設問で正答率が5割、平成22年度「登場人物を関係付けて読む」の設問で正答率が6割と低く、平成28年度になっても変わらぬ正答率であることから依然として登場人物の人物像の読み取りが「読むこと」における課題です。そこで、本研究では、文学的文章の学習指導において、子どもが登場人物の行動や会話などの叙述に着目し、複数の叙述を関係付けて人物像を捉える姿を目指して研究を推進しました。
1 複数の叙述を手掛かりに、登場人物の人物像を捉えるための工夫
 登場人物の行動や会話などの叙述に着目し、複数の叙述を関係付けたり、解釈したりしながら登場人物の心情を捉えます。登場人物の人物像を深く捉えさせるために、挿絵の吹き出しに捉えた心情を書く活動を設定しました。
2 同一テーマにおけるビブリオバトル的な読書活動の工夫
 同一テーマの作品を並行読書し、本を紹介するビブリオバトル的な読書活動を行います。ここでのビブリオバトルは、「ビブリオバトル」の公式ルールを基に、子どもの実態や発達段階に応じてルールを変更した学級独自のものです。表面的な面白さだけでなく、解釈や読み取った物語の深さを仲間に伝えることを目指し、ビブリオバトル的な読書活動を行いました。

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「教科等研究セミナー」
自分に合った学び方を理解し、主体的に学ぶ子の育成
長岡市立阪之上小学校
上野 保治

  学習指導要領(平成29年3月公示)の各教科の「指導計画の作成と内容の取扱い」で、「障害のある児童などについては、学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと」としています。
 特別支援学級の児童は、同年代の児童と関わりながら、様々な活動に参加し、児童に関係する全ての人が支援者となっています。個々の障害の特性を考慮した支援の構想を行い、特別支援学級児童が交流する学級担任と共に単元や教材を開発することで、教科の目標に迫ることができると考え、実践に取り組みました。
 研究を進めるに当たり、3年社会「未来につなぐ長岡花火」の単元で、次の3点の支援を構想しました。
1 板書をノートに書き写すことへの意識付け
 板書が学習したことの要約であることを伝えます。交流学級担任に注目することを伝えたり、注目して書き始めることができたことを称賛したりします。また、振り返りの際、自分のノートや資料を読み直し、分かったことを自分の言葉で表現できたことも称賛します。
2 毎時間の振り返り方の固定化
 振り返りの際「ぼくは、〇〇が分かりました。」と書くように伝え、毎時間同じ振り返り方をします。その際、振り返りの内容を特別支援学級担任が問い返し、必要に応じてノートを読み直すように伝えます。
3 交流学級担任と協働の教材づくり
 交流学級担任から学習で使う教材を前日までにもらい、特別支援学級児童が使いやすいように教材を改変します。また、交流学級担任から授業の流れを聞き取り、交流が生まれるように必要に応じて教材を提案します。
 上記の支援を行ったことで、自分から板書に注目したり、板書をノートや資料に書き写したりできるようになりました。また、振り返り方を固定し内容を問い返したことで、学習して分かったことを自分なりの言葉を使って、問い(◎)に正対した振り返りをすることができるようになり、教科の目標に迫ることができました。

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「教科等研究セミナー」
葛藤場面の展開方法を工夫して、道徳的価値の理解を深める授業
~ウェブマップ上の共通部分を見いだすことで考えを深める~
長岡市立堤岡中学校
小倉 徳子

  私は、自身の道徳授業において、ねらいに迫るような意見を生徒からなかなか引き出せず、道徳的価値の理解を深めるための授業構成ができないことがありました。他者の様々な意見に触れ、多面的・多角的に物事を捉えることができる授業、それらの意見を更に深く吟味することで道徳的価値の理解を一層深めることができる授業、そんな授業を実現すべく、次の手だてで実践を行いました。
 *1「二つの意見」(2017中野)を研究のベースとし、思考ツール(ウェブマップ)を用いて意見交流させることで多面的・多角的な思考を促します。更に、それぞれの意見の共通部分を考察させることで、ねらいとする道徳的価値をより深く理解させるような学習活動を組織することとしました。
1 「二つの意見」の提示
 AとBどちらの意見を支持するかを決め、その支持の理由を付箋に書き、個人マップに貼らせました。なお、AとBの意見を作る際に、実はよく考えると共通点があるという内容になるようにし、ねらいとする道徳的価値を導き出せる意見づくりを心掛けました。
2 ウェブマップの工夫
 「二つの意見」に対する自分の考えを深めたり広げたりする手段として、ウェブマップを使用しました。ウェブマップ上に意見を可視化することでそれぞれの立ち位置が分かり、また、意見の内容を色別の付箋で示させることで、自分と異なる意見をもつ人への疑問点をもちやすくさせました。互いの意見に対して疑問に思ったことや、感じたことについて、クラス全体で意見交流を進めました。意見交流後、再度各自意見を書いた付箋を貼りました。
3 共通部分を見出す
 「二つの意見」の共通部分として考えられることを本時の授業のタイトルとして付け、振り返りシートに授業で学んだことを記述させました。

 ねらいとする道徳的価値の理解を深めるために、ウェブマップを使用して多面的・多角的に考え、さらに「二つの意見」の共通部分を考える活動を取り入れることで、生徒に道徳的価値の本質を捉えさせることにつながったと考えます。道徳的価値の理解を深めるきっかけとなる「二つの意見」を更に探っていきたいと思います。
<引用文献>
 *1 研究代表者:中野啓明(新潟青陵大学) 研究協力者:中越道徳教育研究会
  平成26年度~平成28年度 科学研究費研究成果報告書
 「PISA読解リテラシーを育成する道徳授業モデルの開発研究」(2017)p38 l.7

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「教科等研究セミナー」
獲得した知識を活用して学び合い、課題解決に取り組む体育授業
~走りの局面ごとに思考ツールの活用を取り入れた短距離走の実践を通して~
魚沼市立須原小学校
松井 祐太

  小学校学習指導要領(29年度告示)解説体育編では、第5学年及び第6学年の内容「思考力、判断力、表現力等」に関する記述で、「自己やグループの運動や健康に関する自己の課題を見付け、その解決方法を工夫する」とあります。
 また、高田・横嶋(2018)は、『初等教育資料』で「思いや願い、目標等の実現に向けて、自分の課題は何かを見付けることができるような活動を充実する。その際、課題の例示や児童相互の見合い、学習資料やICT機器の活用等により、自己の課題を明確にすることが大切である。次に、課題の解決に向けた活動を選ぶことができるようにするには、子ども一人一人の課題に応じた練習の場や活動を確実に確保する」と述べています。
 過去の短距離走の実践では、グループでの学び合い活動を通して技能の習得を目指してきました。グループでの学び合いでは、「熊手チャート」を活用することで、動きを見る視点を獲得しながら多面的に動きを捉え、多くの児童が、獲得した知識を自分たちの動きと結び付けながら練習に取り組むことができました。しかし、知識と動きをうまく結び付けられない児童は、自己や仲間の課題を的確に捉えないまま走りを改善する練習に取り組んだり、解決方法があいまいな状態で練習に取り組んだりする姿が多く見られました。
 そこで本研究では、走りの局面ごとに疾走動作の観察をすることで、児童が改善すべき走りの場面を焦点化させました。さらに、思考ツール「熊手チャート」を活用することで、局面ごとに「動きを見る視点」を獲得しながら多面的に運動を観察し、児童一人一人が自己や仲間に合った課題をより獲得できるようにしました。さらに、「走力アップカード」を活用することで、自己の課題に合った解決方法を考えたり、選択したりしながら練習に取り組むことができると考え、実践しました。
 児童は、自分たちで作成した「熊手チャート」を基に局面ごとに走りを観察し、より自己の能力に合った課題を見付け、それに合った課題解決方法を考えたり、選択したりしながら練習し、技能(動きの質)を向上させることができました。

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「教科等研究セミナー」
主体的・対話的で深い学びの実現を目指した国語科単元のデザイン
~子どもの意識を大切にした2段階の発問による確かな読みの創造~
小千谷市立小千谷小学校
嵐 直人

  国語科で物語を教材として扱う単元をつくる際、子どもの意識に沿った学習課題の設定が、子どもが「確かに読んだ」状況になると考えています。これまでの自実践を振り返ると、以下の2点が課題でした。
 ・ 子どもにとって、読みのゴールが明確でないこと
 ・ 子どもにとって、発問が自分が考えたいことでないこと
 そこで、子どもの意識を大切にするために発問の研究を行いました。45分の授業の導入における発問(1段階目の発問)と、子どもの解釈のズレから生まれる追求課題となる発問(2段階目の発問)の、2段階の発問です。
1 1段階目の発問
  選択型(AorBなど)発問、登場人物の言動を問う発問です。
2 2段階目の発問
  登場人物の言動の意味や意図を問う発問です。
 主体的・対話的で深い学びの実現を目指す上で、深い学びとは何かを考えました。私は、「気付かなかったことに気付くこと」が深い学びと捉えています。上記のような発問を位置付け、単元内で繰り返し授業を行ったことで、子どもの読みは深まりました。
 なお、本研究の対象は小学校第6学年、教材は「海のいのち」です。

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「教科等研究セミナー」
生徒の科学的思考力の育成を目指した理科授業の工夫
~ 生徒自らが立案した実験計画を基に臨む、課題解決学習を通して~
魚沼市立入広瀬中学校
風間 真寿美

  新学習指導要領では、見通しをもって観察や実験を行い、科学的に探求する学習活動の充実を図るなど指導の改善が求められています。生徒の実態より、観察や実験には意欲的に参加できるが、根拠に基づいた予想や説明などは苦手という課題が見えてきました。
 そこで、生徒が根拠のある予想を行い実験計画を立案し、課題解決に取り組む授業を展開することで、生徒の科学的思考力の育成を目指しました。2年生では、決まった回路で電流や電圧を測定する実験が多い「電流のはたらき」でⅠ、Ⅱに、また3年生では教師主導の授業になりがちな「天体の満ち欠け」で実践Ⅲに取り組みました。
 次に本研究における手だてを示します。
1 課題設定の工夫 
 ① 実践Ⅰ「豆電球の明るさは、何によって変わるのだろうか」                
 ② 実践Ⅱ「扇風機の風力が変わるしくみを考え、説明しよう」               
 ③ 実践Ⅲ「金星の満ち欠けの特徴を実験で証明しよう」
2 根拠ある予想、実験計画立案のための手だて
 ① 学習履歴カードの活用 
  既習事項を「学習履歴カード」としてまとめ、予想や実験計画立案、考察時に根拠として利用します。
 ② ヒントカードの活用 
  これまでの学習に基づいた内容をヒントとし、予想や実験計画立案、考察時に提示します。
3 根拠ある考察のための手だて
 思考の交流をねらいファシリテーションの手法を活用しました。考え方が同じまたは異なる班同士で交流を行うなど、授業のねらいに合わせて取組方を工夫しました。                                           
 今回の研究から得られた課題を改善した上で、更に様々な単元で生徒の科学的思考力の育成を目指した研究に取り組んでいきたいと考えています。
< 引用,参考文献 >  
「中学校学習指導要領解説 理科編」(文部科学省) 2017.3

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「教科等研究セミナー」
意見(主張)と根拠のつながりがある文章(意見文)を書くための単元作り
十日町市立上野小学校
五十嵐 潔美

  自分の意見とその根拠を明確にして文章に表すことは、これから先とても大切な力となっていくと考えています。しかし、意見はもてるが、その根拠を具体的に表すことができない児童は多いです。
 そこで、自分の意見(主張)をはっきりともち、それを支える根拠となるものを資料等から見付けたりまとめたりする力を育てていく必要があると考えました。そのために、どのような単元を構成していけばよいのか、自分の考えと資料等から得た情報を結び付けて書くことを支えるワークシートは、どのような形がよいのかを明らかにしたいと考え、実践を行いました。
 本実践での具体的な手立ては、以下の2点です。
1 オーセンティック・ラーニングに依拠した観点を取り入れた単元構成
 「オーセンティック・ラーニング」とは、「本物の、意味ある活動をしたとき、本当に学ぶことができる」という考え方であり、「状況・文脈のある課題、児童にとって意味ある課題を設定することで、より深く学ぶことができる」という考え方に基づくものです。その考えを取り入れて単元構成を行うことで、児童が意欲的に、より深く学ぶことができるのではないかと考えました。
2 思考を整理するためのワークシートの作成・活用
 「何を、どのような順序で書けばよいのか」を明確にすることと、「意見文を書くことにつながること」を大切にしたワークシートを作成しました。児童が、何を書けばよいのかが分かるように、単元の最初では、書き出しの言葉を明記しておき、単元を追うごとに明記する言葉を減らし、自分で考えて書くようにしました。
 本実践を通して、単元を通して意欲的に書く児童の姿が見られ、意見と根拠をつなげて書くことへの意識の高まりが見られました。しかし、根拠の部分が、事実のみの羅列になり自分の考えが明記されない等、得た情報を自分の考えと結びつけて書くまでには至らない様子が見られました。根拠の書き方に絞り、今後も実践を行っていきたいと思います。
〈参考文献〉
・兵庫教育大学教育実践学論集第16号 2015年3月 pp.139-147「オーセンティック・ラーニングに依拠した理科授業が科学・理科学習態度に与える効果-小学校第5学年理科『天気の変化』を事例として-」小川博士、松本伸示、桑原不二朗、平田豊誠
・フレッド・M・ニューマン 訳者:渡部竜也 堀田論『真正の学び/学力ー質の高い知をめぐる学校再建』春風社(2006)

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「教科等研究セミナー」
「疑問」を「問い」に高め、主体的に読み、自分の読みを形成する子の育成
~初発の感想をもとにした課題と学習マップを用いて~
湯沢町立湯沢小学校
髙橋 圭祐

  新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を推進することが求められています。「主体的な学び」を目指して文学的文章を読む学習活動を考えた場合、「読み手が問題意識をもち主体的に文章を読むこと」が大切だと考えました。
 平成28年度の中教審答申「国語ワーキンググループにおける審議のまとめ」の資料「国語科における学習過程のイメージ」に、「学習の目的の理解」と示されているように、単元を見通した学習計画を作成し、その中に単元(次)を貫く「学習課題(問い)」を設定することは、「主体的・対話的で深い学び」を意識した取組になると考えました。そこで、児童の初発の感想をもとに、解決したい課題を決定し、学習計画のゴールに位置付け、学習マップを作成し、学習の成果を書き加えながら単元の学習を進めていく授業実践を行いました。
 本研究の具体的な手だては以下のとおりです。
①初発の感想を基に、児童の疑問を単元全体の課題として設定する。
②学習マップを作成し、学習のゴールに向けて課題を解決していく学習過程を組織する。
 実践を通して、児童の初発の感想に書かれた疑問から解決したい課題を設定し、教師の働き掛けを加えることで、学習を進める上での課題が明確となり、主体的に読む姿につながることが分かりました。また、初読で疑問をもてない児童も、疑問を共有することで読むための課題をもって学習を進めることができるようになりました。
 今後はさらに、問いの共有場面での有効な手立ての開発・検証や「対話的」な学習を成立させる上でどのような活動を組織し、手だてを講じていくと有効なのかを探っていきます。

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「教科等研究セミナー」
観点を与えて式をよむ活動によって数量を正しく把握する指導
南魚沼市立城内小学校
佐藤 俊

  算数や数学の問題を解決するとき、多くの場合は式を立てます。私は、数学特有の言葉である式に着目しました。式を立てる活動だけでなく、観点を与えて式をよむ活動を続けることで、状況や過程を捉え、数量の関係を正しく把握する力の育成することを目指し、研究を進めました。
 研究内容は、以下のとおりです。式をよむ活動を設定する際に、観点(式の計算の説明でなく、その式が表す状況や場面を関連付けるもの)を与えました。観点を基に、児童の思考がどのように変容したかを児童の発話記録、ノートやワークシートにある数や言葉、言葉の式、図などを使った記録や振り返りの記述から考察しました。
 研究を進めていき、以下のような成果がありました。
 一つ目は、式を具体的場面と関連付けて考えることで、式の中の( )の意味の理解を深めたことです。4年生の「式と計算」の学習において、買い物場面で代金を求める計算の順序性と、式中に( )を使った理由を観点として、式をよむ活動を設定しました。児童は、式で表記される数の順序や計算の可否と、その根拠を基に式をよみ、よんだことを伝え合って、( )の意味に気付くことができました。
 二つ目は、式を図形の「底辺」や「高さ」と関連付けて考えることで、「底辺(上底や下底を含みます)」と「高さ」によって面積が定まるということに気付いたことです。5年生の「図形の面積」の学習(平行四辺形の面積、三角形の面積)を進めていくと、児童は、他の図形も「底辺」と「高さ」が分かれば面積を求めることができるのではないかという予想を立てました。予想を確かめるために、「底辺」と「高さ」を観点として、式を図形と関連付けながらよむ活動を設定しました。児童は、台形やひし形においても、「底辺」と「高さ」で面積が決まることを発見しました。式をよむ観点は、より明確であるほど児童の気付きがよくなることが分かりました。
 今後も継続的に取り組み、式をよむ観点をより明確にして、研究の質を高めていきたいです。

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「教科等研究セミナー」
イメージ図を使った考えの妥当性の検討を通して表現力を高める子の育成
柏崎市立日吉小学校
若井 辰馬

  私はこれまで、児童に実験や観察をさせる際、常に「課題」「予想」「結果」を意識させ、見通しをもって活動が進められるように指導してきました。その結果、児童は「課題」「予想」「結果」と順を追って、ノートに記述することができるようになってきています。一方で、実験や観察の結果を基に、まとめを記述する力はまだ十分とはいえない状況です。これは、教師の働き掛けとして、一人一人の子どもに実験結果などを検討する場面を確保していなかったことが要因と考えます。
 そこで、児童同士で結果を検討する場面を意図的に設け、得られた結果を児童自身に考察させ、表現する活動を行うことで、事象を科学的に考察する力を育成することを意図して、以下の2つのことに取り組みました。
1 イメージ図による児童の思考の表現を高める手だて
 児童が実験の結果から考えたことを他の児童に分かりやすく伝えるために、イメージ図を活用させるようにしました。イメージ図とは、児童が頭の中で思い描いている事象を実際に図で表現したものです。こうした活動を行うことで、一人一人の子どものイメージが児童同士で共有され、話合いが活発になるとともに、実際には目に見えないものを可視化することで、視覚情報を基に検討し、考えを深めることができると考えます。
2 児童相互に結果の妥当性を検討する場の設定
 児童が実験を通して得たり、考えたりした結果を、グループや全体で集約し、検討させます。検討の視点として、本時の学習課題に対して、自分が得た結果に妥当性があるかどうかに焦点化し、児童がお互いに確認することで、本時の学習課題に対してのまとめを自分なりに表現することができると考えます。
 イメージ図をかかせることで、一人一人の児童の考えを可視化することができました。そして検討する場を設けることで、発言や記述では他の児童と同様の内容であっても、考えていることが違っていることを児童同士が知ることができました。また、その考えが、適当であるか、そうでないかを他者の発言で気付き、考えを修正することもできました。妥当性を検討することが児童の表現力の向上につながると考えます。

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「教科等研究セミナー」
通常学級における発達障害の特性をもつ児童の「困難」
―教師による働きかけの「意図せざる帰結」に着目して―
新潟県立上越特別支援学校
鹿目 功二

 1 はじめに
 本研究は、筆者が「発達障害境界児童」と呼ぶ児童にどのような「困難」が、いかにして生じているかを明らかにすることを目的とします。筆者が「発達障害境界児童(以下、境界児童)」と呼ぶのは、文科省の「学習面又は行動面で著しい困難を示す児童(以下、グレーゾーン児童)」の判定基準を満たしてはいないものの、同省(2012)のチェック・リストを基に筆者が観察する限りは発達障害の特性が見られ、かつ、その児童を知る教師たちの間でも発達障害の有無の認識が分かれると筆者が判断した児童です。そのために、境界児童の「困難」は周囲の児童集団との相互作用によって生じるとする「社会モデル」としての「障害観」に立って考えます。その上で、教師の働きかけが児童集団に及ぼす影響に着目して「境界児童」の「困難」が生じるメカニズムを考察します。
2 問題設定
 本研究で、「境界児童」に着目するのは、障害特性の現れ方が軽度である彼/彼女らの経験する「困難」は軽度ではないにもかかわらず、それに見合うだけの注目や配慮がなされていないと考えるからです。これまで通常学級における発達障害児やグレーゾーン児童の理解や支援に関しては多くの研究がなされてきました(品川2003、関戸・安田2011など)。しかし、「境界児童」の経験する「困難」に着目した研究は十分になされていません。また、彼/彼女らが学校生活で経験する人間関係上のトラブルや学業不振などの「困難」は、その要因が本人の性格に起因すると理解されがちでした。例えば、学習意欲の低下を改善するための指導法に関する研究(若松ら2004)など、多くの知見が積まれてきました。しかし、これらの研究は、「困難」を個人の内面の問題として捉えることが前提となっています。この視角に立つ以上、「困難」の要因として、教師の教育活動そのものが児童集団に及ぼす影響やその「意図せざる帰結」としての児童同士の相互作用が浮かび上がることはありません。「社会モデル」の視角に立つことで、「困難」が生じる要因として「教師の教育活動」や「子ども社会」が浮かび上がります。そこで本研究では、「境界児童」の「困難」を「社会モデル」で捉え、その上で、教師の働きかけが児童集団に及ぼす影響に着目し、境界児童の「困難」が生じるメカニズムを考察します。
<参考文献>
1)文部科学省 2012 「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」
2)品川裕香 2003 『怠けてなんかない!―ディスレクシア 読む・書く・記憶するのが困難なLDの子どもたち』岩崎書店
3)関戸英紀、安田知枝子 2011 「通常学級に在籍する5名の授業参加に困難を示す児童に対する支援―クラスワイドな支援から個別支援へ-」特殊教育学研究 49(2)
4)若松養亮ら 2004 「小・中学生における学習の有効性認知と学習意欲の関連」教育心理学研究,52, 219-230

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