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平成28年度

「地域教育プログラム」
学校と地域のかけ橋に
~ふるさとを愛する思いが生んだ「鯖カッパ」~
柏崎市立鯖石小学校

 人口減少で元気がなくなってきた地域を自分たちの手で盛り上げたいという願いからゆるキャラ「鯖カッパ」が誕生。地域の水神伝説をヒントに全てが子どもたちの手作りで完成した。以来、毎年6年生が受け継ぎ、特産物のPR、地域の行事やあいさつ運動などで活躍し、今では地域になくてはならない存在になった。地域とのかかわりを生み、地域を笑顔にする「鯖カッパ」と鯖石小学校は、今日も前を向いて地域とともに歩んでいる。 

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「地域教育プログラム」
「湯沢町を誇りに思い、次代を担う」生徒の育成
湯沢町立湯沢中学校

 湯沢学園を形成する認定こども園、湯沢小学校と連携しながら教育活動を進めるとともに、地域の支援を受けながら、オール湯沢での教育活動に日々取り組んでいる。越後湯沢秋桜ハーフマラソンをはじめ、小・中学生と地域との湯沢っ子絆活動(地域貢献活動)を進めるなど、町の様々なイベントに参加し地域との連携を深めている。5つの小学校が統合したため、中学生をリーダーとして地域と児童生徒がふれあう貢献活動は地域から好評価であった。中学生が地域のリーダーとしての自覚を深めた。

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「地域教育プログラム」
地域を愛し、誇りに思う子どもを育てる
十日町市立川治小学校

 本校では、生活科、総合的な学習の時間(以下、総合)を中心に地域素材を用いた学習を行ってきた。しかし、地域素材がもつ教育的価値をより多くの場面で生かす必要を感じ、地域教育プログラムの編成に取り組んだ。地域素材と生活科、総合だけでなく各学年の教科内容とのつながりを見直し、「地域を学ぶ段階」、「地域で学ぶ段階」、「地域につなげる段階」に分けて整理を行った。段階に応じた学びの積み重ねにより、地域を愛し、誇りに思う子どもが育ってきている。

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「地域教育プログラム」
児童が自ら地域課題に気付き、地域と協働して問題解決する姿を目指して
~第4学年総合的な学習の時間「地域の茶の間づくり」の実践を通して~
魚沼市立須原小学校

 少子高齢化が進む守門地区の課題である「お年寄りの孤独感の解消」に4学年児童が取り組んだ。「地域の茶の間」は、6月、12月、3月の3回実施した。児童は、「問題発見の4P(Purpose、Perspective、Position、Period)」を活用しながら、回を重ねるごとに解決すべき問題や解決のための方策を自分たちで明らかにして活動した。2回目、3回目とお年寄りの参加人数も増え、内容もとても好評であった。お年寄りは、「茶の間」に参加する喜びを感じ、孤独感を解消しつつある。児童は、問題発見力やお年寄りとの人間関係構築力を高めることができた。

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「地域教育プログラム」
ふるさとの特産を学び発信する「はなはす・れんこん・上通プロジェクト」
長岡市立上通小学校

 大口れんこんの産地にある上通小学校は、古くから特産物を媒介に農家と密接な関係を築いてきた。しかし、未来社会に対応できるコミュニケーション能力の向上と学区の地域融合が課題であった。そこで、食用蓮根の学習に観賞用花蓮を加え、全校児童により、花蓮鉢の手入れや鑑賞、食用蓮根の植え付けから販売、公共施設等でのPR活動を行った。この活動を通して、学校と地域の絆が一層深まるとともに、発信力、上通への愛着と誇りを高めることができた。

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「地域教育プログラム」
地域の誇り“長岡花火”を核にした「ふるさと大島学習」の推進 
長岡市立大島小学校

 本校は“長岡花火”の打ち上げ場所に近く、長岡花火は地域の誇りである。これを学びの核に据え、人・もの・こととかかわりながら、本校児童の課題である自己肯定感や自尊感情を高めたいと考え、「ふるさと大島学習」をスタートした。低・中学年は長岡花火を知る活動(長岡町探検、花火ミュージアムの見学等)、高学年は長岡花火の知識を深め発信する活動(図工作品市内展示、大花火大会PR活動等)に取り組んだ。この学習により、地域への誇りや自己肯定感、次の学びへの意欲が高まった。

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「地域教育プログラム」
大凧合戦を中核とした地域教育プログラムの推進
見附市立今町中学校

 360年の歴史をもつ「今町・中之島大凧合戦」。この伝統行事の着実な継承と郷土愛の育成をねらう取組である。学校支援地域本部の要請で、大凧合戦協会や町内会ごとの凧組が協力してくれる。学年の発達段階に応じた凧揚げのプロセスを学び、3年生はその集大成として大凧合戦最終日に刈谷田川堤防で「地がらめ」を体験する。事後は全校で会場を清掃して感謝を伝えている。郷土愛や将来の夢を問う意識調査結果は年々向上し、自己有用感の醸成にもつながっている。

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「地域教育プログラム」
ふるさと加茂への愛着と将来の夢を育む「ふるさと学習」
加茂市立加茂小学校

 これまで伝統的に取り組んできた「ふるさと学習」にキャリア教育の視点を取り入れ、子どもの夢の創造を目指した。そのために、「ふるさと加茂で働く人に焦点を当て、その姿や思いに触れさせること」を大切にし、単元をつくった。第4学年「ふるさと加茂川大発見」、第5学年「お年寄りの喜びがわたしの喜び」などの学習を通して、地域で働く人の姿や思いから職業観や生き方を学んだ子どもは、夢の実現に向けて必要なことを考えたり、実践したりできるようになった。

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「地域教育プログラム」
「地域」を「郷土」に
~大河津分水路の発信~
燕市立分水小学校

 新潟県の宝である大河津分水路。学区に存在しているものの、その価値や偉大さに児童が気付いていないという実態があった。そこで、大河津分水路の歴史的経緯や先人の努力、価値を学び、内外に発信していく学習の充実を図ることにした。大河津分水路を歩く全校遠足、児童による大河津資料館案内、大河津分水カルタの作成と発表会等により郷土の誇りであるという認識を深めることができた。今後は5年後の「通水100周年」に向けて、地域・関係機関と一体となって学習を進めていきたい。

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「地域教育プログラム」
地域の特性を学び、将来にわたって地域とかかわる人を育てる
五泉市立橋田小学校

 学区は土砂災害危険区域にある。そこで、山の「脅威」と「恩恵」を学ぶ学習を構想した。児童は地域住民から土砂災害と闘ってきた歴史を学んだ後、災害時に自分たちにできることを考え、地域防災訓練に参画する。そこでは、防災食の調理・配付を担って、避難した住民と直接かかわりながら、避難所運営の一部を経験する。住民からの感謝で、地域に貢献できた喜びを感じ、より強く地域を思うようになってきている。今年度は地域住民と現地調査を行い、詳細な土砂災害ハザードマップの作成に取り組んでいる。

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「地域教育プログラム」
地域との結び付きを深め、社会性を育成するために
~災害復興支援活動を通して~
阿賀町立三郷小学校

  小規模校であるが故に児童同士の結び付きは強い。その反面、固定化された人間関係からくる社会性の低さが課題であった。東日本大震災の発生当時5年生だった児童が、6年生に進級したとき、被災した福島県の熊町小・大野小へ支援することを決めた。そして、その資金を得るために学区全体に呼び掛け、「震災復興支援資源回収活動」を始めた。これまで6年間の取組を通し、地域の方々や支援先の児童と深くかかわる中で、たくましい社会性が育まれるとともに、強い絆が生まれた。

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「地域教育プログラム」
地域と連携・協働した「『いのち』を大切にし、守る」教育活動
新発田市立二葉小学校

  地域は過去に水害による浸水を受け、避難や集団移転を経験している。その教訓を風化させないよう、子どもが「いのち」の大切さについて学習する機会を教育課程に位置付けた。ここで地域の力を活用するため、散在する主体をネットワーク化した「二葉ネット」を組織し、学校・地域一斉避難訓練や1泊2日の防災キャンプ等を実施した。これらの活動が、地域に愛着と誇りをもつ子どもの育成と地域の自主防災組織の組織率100%につながっていると考えている。

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「地域教育プログラム」
地域と協働し、ふるさとへの思いを高める子どもの育成
胎内市立中条小学校

 学校は地域と協働し、ふるさと胎内を愛し、誇りに思い、ひいては胎内市の未来について自分の考えをもてる子どもを育てなければならない。そこで、①総合的な学習の時間における探求的な学習過程の組織と単元開発②毎年延べ二千人以上が活動に参加する「つばさっ子ボランティア」の取組を継続してきた。今、子どもたちがふるさとのよさとして最も多く挙げるのは、胎内市の「ひと」である。地域の人に感謝し、地域のために何かしたいと考える子どもが育ってきている。

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「地域教育プログラム」
ふるさとへの愛着と誇りをもった児童を育てる取組
~4年生阿賀野市の湧き水調べ~
阿賀野市立笹岡小学校

 豊かな自然と歴史に恵まれた笹岡小学校は、児童数の減少や学区の広域化による、児童の社会性の育成と学校を支える地域の教育力の維持・向上が課題である。そこで、「地域連携推進会議」を組織し、学校と地域の熟議と協働によりその解決に取り組んでいる。4年生の「湧き水調べ」の学習では、調査結果の市民への発信や関係飲食店への取材、湧き水のPR動画の作成、県主催の発表会への参加等を通して、児童の社会性や郷土愛の向上に加え、学校と地域の連帯の輪を大きく広げることができた。

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「地域教育プログラム」
地域と進んで交流し、地域への愛着を深める生徒の育成
新潟市立濁川中学校

 当校では、男女や学年の別なく生徒の良好な人間関係が保たれている。反面、積極的に物事に挑戦したり、新しい環境下での「仲間づくり」や「人との交流」を積極的に行ったりすることが課題である。そこで、教育課程を見直し、これまで地域の自治会ごとに行われていたクリーン作戦を、交流活動をベースにした「地域貢献活動」として実施した。この活動を通して自己有用感をもった生徒は、さらに深く人とかかわろうとする態度に変容した。

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「地域教育プログラム」
地域に働き掛けることで地域を愛する心を育む「総合的な学習の時間」
新潟市立木戸小学校

 学校に隣接する商店街は、当校のシンボル「はちのす校舎(旧校舎)」から、その名称を「中山はちのす商店街」と名付けられている。しかし、現在は、閉店を余儀なくされている店舗も多い。子どもの力で商店街を活性化させようと、3学年は、地域から学ぶ総合的な学習の時間を設定した。「一日店員」として各店舗で元気に活動する子どもに、商店街は活気付けられた。子どもも改めて商店街のよさを実感できた。

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「地域教育プログラム」
地域を愛し、地域を誇りに思い、よりよい地域を創ろうとする子どもの育成を目指して
~地域とともに歩む学校づくり~
新潟市立関屋小学校

 地域や保護者は協力的で「子どもたちを地域で守り育てる」という意識が強い。しかし、子どもたちの「地域から学んでいる意識」は高くなかった。そこで、総合的な学習の時間を中心に「地域とかかわり、地域から学び、地域のことを考える活動」を更に充実させた。どの活動でも、子どもたちと学校と地域の「Win-Winの関係」を生み出し、意識調査結果では、子どもたちの「地域への関心や地域から学んでいる意識」が前年度より7ポイント向上した。

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「地域教育プログラム」
「夢を描く力」「夢を育む力」の育成に向けて
新潟市立上所小学校

 当校は新潟市内でも歴史のある学校である。学校に協力を惜しまない地域住民が多い。児童は明るく素直で、学力も高い。反面、自主的・創造的な行動を苦手としている児童が多いことが課題であった。そこで、地域交流委員会を発足させ、「上所夏まつり」や「上所小キャラクターづくり」など、児童が関係機関とつながり、かかわり合いながら企画や運営を行う経験を積ませた。児童は様々な問題にぶつかりながらも、「願いの実現の糸口は、人々とのかかわりの中から見えてくる」ことを学ぶことができた。

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「地域教育プログラム」
地域と共に紡ぐ「わたしたちの阿賀野川物語」
新潟市立横越小学校

 校区を流れる「阿賀野川」の自然や歴史・環境保全について、児童が学ぶ機会が乏しい状況が見られた。そこで、4・5・6年生で「阿賀野川」をメインとした活動を展開し、その成果を広く発信して、地域貢献につなげていくこととした。この一連の教育活動の総称が「わたしたちの阿賀野川物語」である。児童は、幼い頃から「阿賀野川は危険だから近づくな」と言われながら育ってきた。「阿賀野川物語」により、その認識を変え、児童・保護者・地域住民が、ともに阿賀野川のよさや愛着を感得した。

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「地域教育プログラム」
ふるさと矢代田への愛着と誇りをもった子どもの育成
新潟市立矢代田小学校

 宅地化に伴い他地域からの転入世帯が増加する中、住民の思いや願いは多様化し、住民同士のつながりが希薄になってきたという地域の声が聞かれる。そこで、学校とコミュニティ協議会が話し合い、「花は人を育て、地域を育てる」を合い言葉に「ふれあい花いっぱい運動」を実施した。児童と地域住民が一緒に花植え活動を行うことを通して、学校と地域、住民同士のつながりが深まるとともに、児童は地域のよさに気付き、自分も地域の一員であることを実感した。

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「地域教育プログラム」
グローバルな視点をもち地域の次世代を担う子どもの育成
新潟市立味方小学校

 当校では、10年前から、地域連携組織「おむすびクラブ」を中心に活動内容の充実を図りながら、地域との連携づくりに努めてきた。しかし、小規模校のため、児童は人間関係が狭く、積極的に自己表現し、他と関係をつくることを苦手としている。そこで、地域の次世代を担う味方の子の育成のために、平澤  興 氏(元京都大学総長)の精神を教育活動の基盤として地域連携による取組を行った。グローバルな視点での教育活動に対する保護者や地域の意識が高まり、児童の可能性を最大限に伸ばすことが、学校と地域の共通の目標になっている。

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「地域教育プログラム」
「食」で地域貢献を 
~「KOBA弁」開発プロジェクト~
新潟市立小針小学校

 当校は、地域から愛され、保護者や地域住民が学校に対してとても協力的であり、ボランティア活動に熱心に参加する方が多い。一方で、子どもから地域へかかわる意識が弱い面があった。そこで、付けたい力を明確にし、これまでの生活科や総合的な学習の時間の取組を系統立てて整理して「地域貢献」と「食」を柱に実践した。全学年が地域と連携し、地域への愛着を深めることができた。特に6年生が行った「KOBA弁」では、自ら提案したメニューが実際に弁当として販売され、自己有用感や「食」に対する意識を高めることができた。

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「地域教育プログラム」
ふるさとに愛着をもつ浜っ子を育てる地域教育プログラム
新潟市立越前小学校

 地域の方々は、学校に大変協力的である。地域で子どもを育てようという気運が高いとともに、学力向上や豊かな心の育成等、学校に寄せる期待は大きい。一方で、子どもたちは、地域に根差して生活する意識が弱くなり、地域の自然や文化、伝統についての知識が乏しく、愛着が薄れてきている。そこで、学校、保護者、地域が一体となり、全校児童による「浜っ子味噌造り」及び「冬咲きチューリップ栽培」の実践を行った。子どもたちは、地域の文化の良さを実感し、地域への愛着を深めていった。

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「教科等研究セミナー」
教育相談的手法を用いた児童の学びを確かなものにする授業づくり
~ピア・サポートモデルをスパイラル化させた算数科授業について~
新潟市教育相談センター
伊石 良博

  生徒指導上の問題行動に発展するケースの一つとして、学習上の不適応が挙げられる。また、対人関係の不和からも同様である。特別な支援が必要な児童もおり、児童同士がうまくかかわる術をもち合わせておらず、どのように関わったらよいか分からない児童がいる。
 授業のとりわけ少人数指導においては、教師が理解に苦しむ児童へ個別に対応し、確実に学習内容を分からせるきめ細やかな策をとる。これは、よくとる策である。そこには、教師と児童の一対一のかかわりは存在するが、更なる児童の社会性(関わり合う力)を育てる限界がある。少人数指導においても、児童同士による教え合いや考えの関わり合いを取り入れる。それによって、児童の社会性(関わり合う力)の育成と児童の学びを確かなものにすることを同時にねらう授業を、大胆に仕組めないかと考えた。
 そこで、本研究は第4学年算数科少人数指導の1単位授業の中に、ピア・サポートモデル(トレーニング→パーソナルプランニング→サポート活動→スーパービジョン)を取り入れる。この一連の流れを、授業ごとに繰り返し行うことで、児童の社会性(関わり合う力)を育てるとともに、児童の学びを確かなものにしていくことを目指していく。特に、授業のねらいに即して、サポート活動に使う話し方、聞き方練習をトレーニングの段階で仕組んだことが研究の核心部分である。授業と生徒指導の一体化の一例として、生徒指導上の諸問題の解決に資するものであると考える。
 研究の結果、学習内容の定着は図れた。さらに、トレーニングの段階で意図的に練習した話し方や聞き方を取り入れたこと、集団でサポートしたことや考えをかかわらせたことで、問題解決の過程を説明する力は有意な差をもって向上した。
 また、集団で関わることを苦手と感じていた児童も、実際に繰り返し関わらせることで、楽しさが生じてくることが分かった。このような、社会性(関わる力)の向上が多くの児童に見られた。

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「教科等研究セミナー」
学校発!地域との連携・協働に向けた取り組み
~R-PDCA 地域の課題をともに考え活動、そして発信~
新潟市立白新中学校
小塚 忠昭

  学区には市役所、白山神社、新潟市芸術文化会館、新潟県民会館、新潟市陸上競技場、県政記念館をはじめとする新潟市の政治、文化の中心ともいえる施設が数多くある。経済に目を向けると、古町・本町といった昔からの大きな商業地域が広がっている。歴史的に見ても、古くは柳都新潟の象徴ともいえる堀が張り巡らされ、新潟湊の発展とともに賑わいをみせて日本海側最大の都市として発展してきた。
 しかし、近年、万代地区の再開発や郊外の大規模ショッピングセンターの開発などにより、地域の商店街はかつての活気を見ることが難しくなっている。また生徒の意識調査では現在、自分たちが生活している「地域」に魅力を感じると答える生徒の割合は非常に少なく、将来にわたって「地域」で生活していきたいと考える生徒の割合も高くないという現状があった。
  そこで、次の点から本研究を進めた。
1 既に中学校の教育活動に位置付けられていた地域とかかわる活動を見直したり、地域をステージとした新たな活動を組織立てたりして、「白新中学校版 地域教育プログラム(仮称)」を構築する。そして、それらを実際に進めていく中で、生徒の地域に対する思いに変化が育まれ、今後、自分たちができることを考えたり、更には自分たちのこれからの生き方を考えたりすることにも有効に作用すると考えた。

2 地域で活動する際には単なるPDCAサイクルではなく、その前提となる『R』こそが重要な要素となり、地域や学区と学校が『R』を共有する重要性、生徒や地域の『R』を見抜くことがポイントなっていくと考え実践した。

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「教科等研究セミナー」
青少年教育施設におけるUDL(ユニバーサルデザインフォーラーニング)のあり方
~UDLの視点から体験活動等を見直すことを通して~
新潟県少年自然の家
笠原 良樹

  現在、多くの学校で、UDLの考えに基づいた「だれもが分かる授業づくり」が行われている。UDLの考え方を青少年教育施設に取り入れ、これまでの体験活動等を見直し、どのような手だてが有効かを検証し、学校の宿泊体験学習等で生かせる場面を考察した。
 UDLの視点から、当施設の特徴的な体験活動の「カヌー活動」と、主催事業の「はつらつ体験塾」を見直し、課題解決のために次の2点の手だてを講じた。
1 活動に見通しをもたせるための工夫
2 視覚化や音声の拡大による確実に情報が伝わるための工夫
【カヌー活動において】
 カヌーの準備から後片付けまでの活動の一連の見通しを、これまで実習者に示してたことがなかったが、活動の冒頭に一連の流れが分かるような紙芝居を提示して、活動の見通しをもたせるようにした。また、実習者がカヌーに乗る時には、ホワイトボードでコースを示した。加えて、ポータブルアンプを活用して音声を拡大し、指導に当たる所員の音声情報が確実に実習者に伝わるようにした。
【はつらつ体験塾において】
 初日のオリエンテーションで、1泊2日(もしくは、2泊3日)の日程を拡大したものを提示し、どのような日程で事業が進められるかを示し、参加児童生徒が見通しをもつことができるようにした。また、参加児童生徒に、次の活動の情報を伝える際には、活動の内容と開始時刻、場所、持ち物等を端的に文字情報に表し、聞き手の注意を引き付けたり視覚的手がかりを与えたりして、必要な情報がより確実に伝わるようにした。
 今後は、その他の体験活動等もUDLの視点から見直し、利用者の満足度を高められるようにしたい。また、施設環境のUDL化についても継続的に取り組み、分かりやすい・使いやすい青少年教育施設を目指していく。

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「教科等研究セミナー」
インターネット上でのコミュニケーションに関する情報モラルの育成
~追跡調査を生かした継続的な指導の工夫~
十日町市立中条小学校
吉田 真也

  情報モラル教育の必要性が説かれて久しい。中学校では、SNS関連のトラブルに対応することに大きな負担感があるとも聞く。小学校でも中学校でも、指導が行われているのにトラブルは無くならない。今の小中学生は、生まれたときからデジタル機器に身近に接しており、今後ますます生活に身近なものになって行くはずである。禁止をしても、トラブルそのものを無くすことはできない。危険を先延ばしにしているだけである。だからこそ児童に正しい知識と、安全に使うためのモラルを身に付けさせるためには何が必要かを考え実践に取り組んだ。児童の課題は、トラブルに対して「無知」であること、仲間とのかかわりの中で流されてしまうことであると考えた。
 そこで、次の2点からその課題に迫った。
1 児童の実態を基にした事例を活用し、児童自身が解決策を探る授業構成の工夫 
 児童アンケートを基にして、担任する学年のメディアに関する実態を把握する。ネット依存や誹謗中傷など、実態に応じた事例を扱い、何が問題でどうしたら解決できるか、自分たちならどのように気を付けていくのかを話し合い、目標や約束を児童自身で話し合う場面を設定する。
2 卒業生への追跡調査を基にした継続した指導 
 中学校と連携を図り、進学後の生徒の様子を聞いたり、アンケートをとったりして、指導の成果と課題を把握し、小学校においての指導方法の工夫・改善に生かす。
 児童にネットトラブルの怖さだけでなく、改善策や目標まで話し合わせることで、中学校進学後も意識している様子が見られた。今後は、小中9年間を見通した全体計画の作成、地域・家庭と連携しながら学年に応じた情報モラル教育を計画的に行うことができるように実践を続けていく。

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「教科等研究セミナー」
自閉症児のコミュニケーション手段獲得に向けた指導の工夫
~タブレット端末による視覚的支援を通して~
新潟県立江南高等特別支援学校
笠井 翔太

   近年、学校教育において、タブレット端末等のICT活用が進み、児童生徒の主体的な学習や認知・理解に効果を上げてきている。特別支援教育においてもその効果が期待され、UDLや合理的配慮の観点からも重要と認識され、活用が進んできている。本研究では、特別支援学校小学部に在籍する自閉症の児童のコミュニケーション指導において、視覚的な入力に優位性がある認知特性に合わせてタブレット端末を活用し、会話の意味理解を促しながら会話の成立を目指した。
 まずは、パワーポイントを使って会話文に合わせて写真やイラストを表示する自作教材「レッツトーク」を作成し、タブレット端末上で操作しながら学習を進めるようにした。簡単なタップ操作で主だった日常会話の練習ができるため意欲的に学習を続けることができ、実際の会話場面で教師の支援を受けながら練習を積んだことで、タブレット端末がなくても他者とスムーズに会話できる姿が見られるようになった。そして、質問に返答する会話から要求表現へと学習する会話文を計画的に増やしていき、PDCAサイクルで、評価・改善を図るようにした。学習の進度を丁寧に見とりながら支援を段階的に減らすなどの工夫を行って一人でも学習が進められるようにしたことで、より多くの会話を習得できるようになってきた。
 本研究を通して、認知特性に合わせてICT活用を進めることで、コミュニケーション指導が効果的に進められることが分かった。この成果を生かして、引き続き特別支援教育においてICT活用について研究を進めていきたい。

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「教科等研究セミナー」
中学校における通常の学級への特別支援教育の体制づくり
長岡市立旭岡中学校
鷹野 千加子

  近年、特別支援教育に対するニーズは多様化し、支援のあり方に一層専門性が求められるようになってきている。また、生徒の実態によって多様な進路先が考えられ、多くの情報や多数の選択肢について理解を深めていかなければならない。担当する教師はチームとして共通理解のもと、生徒自身の判断力を伸ばす視点で進路指導や学習指導に当たらなければならないと考えた。
1 個別の指導計画の作成及び評価
 通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする生徒に関する実態把握を行っている。発達障害の可能性のある生徒や医師の診断を受けている生徒については、担任を中心に個別指導計画を作成し、各学年で検討し、年度末に評価を行っている。個別の指導計画は次年度に引き継がれ、継続した支援を行うようにしている。
2 研修会の企画・運営
 通常の学級に在籍する生徒の個別指導計画を作成し始めてから、5年目に突入する。最初は担任の負担が強いのではないかということで、試行しながらのスタートであった。指導計画を作成することだけに労力を費やすのではなく、研修会を行うことで指導計画の効率的な活用を呼びかけてきた。特別支援教育部が中心になって行う研修会は3年目になる。1・2年目の研修会はインシデント・プロセス法を用いて個別指導計画の充実を図り、3年目の研修会は個別に支援が必要な生徒だけでなく、全体にも有効であるUDLを中心とした研修会を行った。
3 特別支援教育コーディネーターの役割
 週1回の適応指導部会(就学指導委員会を兼ねる)に特別支援教育コーディネーターとして参加している。適応指導部会では、情報交換だけでなく、生徒への支援策について協議し、具体的な対応について校長の指導のもと決定している。その後、生徒の実態や各学年の要望により必要に応じて特別支援教育コーディネーターがサポートに入っている。本人や保護者の要望によりWISC検査等を行い、検査結果を保護者・本人に伝え自己理解へとつなげた。また、その情報を職員全体で共有し、学習や進路の支援の手だてとした。

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「教科等研究セミナー」
協調性に課題のある児童の行動改善
新潟市立大野小学校
澤田 哲寛

  協調性を保てない児童の言動を改善するために、4つの取組を行った。また、その取組で言動の改善が見られた後に、周囲の児童に対して、対象児童との関わりを促す授業を行った。この2段階の取組を行うことで、周囲の児童との人間関係の回復を図った。取組の内容は、以下のとおりである。
1 トークンエコノミー法を用いた。人に対してよい行動をしたときに、スマイルマークというカードを渡した。スマイルマークを貯めると、シールと交換できたり、学級で飼う新しい魚を選ぶことができたり、お楽しみ会をしたりすることができ。この取組によって、よい行動を意識するようになり、自然に適切な言葉や行動を選ぶようになっていった。
2 日常指導及びSST(ソーシャルスキルトレーニング)を行った。他の児童に不快な思いをさせる言動があったときに、活動の場から離して言動を振り返らせた。また、どうすればよかったかを考え、よいと思われる行動をロールプレイさせた。指導の直後は、行動が顕著に改善され、学んだことを生かそうとする姿が見られた。また、言葉を口に出す前に、少し考えてから言う姿も見られるようになった。
3 活躍の場を提供した。教師のお手伝いや活動の準備などで仕事を頼み、そのことについて帰りの会などでみんなに伝えながら褒めた。これを励みにして、意欲的・積極的に人のためになることをしようとする姿が見られるようになった。また、他の児童に仕事を譲れた行為を褒めるたところ、それを誇りに思って人に譲ることが抵抗なくできるようになった。
4 学校であったよい行動を保護者に伝え、家庭でもその行動を褒めるよう促した。この結果、褒められたことを嬉しそうに教師に伝える姿が見られるなど、自己肯定感の高まりが感じ取られるようになった。気持ちが安定し、優しい言動が自然に出るようになった。
 これらの4つの取組による行動の改善を受けて、周囲の児童に対し対象児童への関わりを促す授業を実践した。
 以上の2段階の取組によって、集団の中に入って一緒に遊びを楽しめるようになり、その友情関係を維持できるようになった。

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「教科等研究セミナー」
特別な支援を必要とする児童の学習活動への参加を目指した取り組み
新潟市立大形小学校
武田 守広

  特別な支援を必要とする児童のA児は、衝動性や多動性が強いために、学習や対人関係上、成功体験が積み重ならず、学校生活にうまく適応できない状態にあった。A児の日頃の言動から自己肯定感が低い様子が伺われた。
 本研究では、A児の自己肯定感を高めることで、学習活動へ参加する機会を増やしていく。そのために次のような手立てを講じる。
<手立て>
①自己決定の場面を設定する
 特別支援学級で個々の学習に取り組ませる際に学習の内容や量を選択させたり、通常の学級で一日何時間学習するのか決めさせたりして、本人が納得した形で学習させる。
②学習意欲を高める
 本人の知的好奇心をくすぐるような操作的な活動や体験的な活動を取り入れる。また、対人関係上、不安に思っていることを解決して、安心して参加できるようにする。
③称賛の機会を位置付ける
 学習に参加できた際に、具体的にうまく活動できた場面を取り上げて称賛する。さらに、トークンシステムを取り入れ、事前に約束したことが守れた際に、シールを渡すようにする。シールがたまったら自由時間と交換できるようにする。
 以上のような手立てを講じ、児童の変容を探っていった。

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「教科等研究セミナー」
全員で創りあげる学年目標とその達成に向けて
新潟市立白新中学校
伊藤 雅仁

  集団がよりよい活動をしていくためには、目標が必要である。日常における活動や学校行事、すべての活動において振り返ることのできる大きな柱は大切である。学級目標や学年目標がそれにあたるが、多数決などで決めた目標に対しては、全員の想いが入っていない可能性があり、その役割を十分に果たすことができないのではないだろうか。
 そこで、集団全員で学年・学級目標を創りあげることが必要であると考えた。全員の想いが入っている目標ならば、その達成に向けても集団が一つの方向を向いていくのではないだろうか。また、その目標達成に向けても、話し合い活動やプロジェクト活動などを取り入れていくことで集団として高まっていくのではないかと考えた。
 そこで、次の点から本研究を進めた。
1 ファシリテーションを取り入れた学年・学級目標作成
(1)自分たちの学年・学級の現状を話し合う
(2)どのような学年・学級にしたいかを話し合う
(3)多数決はなるべく行わず、話し合いで決定する
(4)話し合いで全体を巻き込む工夫
2 目標を全員で創りあげる
   モザイクアートを行い、学年みんなで目標を創る。
3  短期目標を設定する
   学年・学級目標が長期目標なので、それを達成するために2~3ヶ月ごとにとくに頑張る短期目標を設定する。
4  目標達成のためのプロジェクトを立ち上げる
   学年委員が中心になり、学級目標を意識できるプロジェクトを立ち上げる。
5  異学年交流の場面を設ける
   異学年の生徒と、目標達成に向けてどのような活動を行っているか、意見交換をする場を設ける。

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「教科等研究セミナー」
主体的に活動する児童を育てる学級活動
新潟市立赤塚小学校
早川 英佑

  これまで私が学級の問題だと考えることを児童に伝えて、進む方向性を示しながら、児童が「よくなった」「できた」と成長を実感できるように指導してきた。これは児童の主体的な活動とは言えない。そこで、よりよくなろうと話し合い、学校生活の向上を実感し、課題に気付き、次の活動の目標をもつことができるようなサイクルを繰り返し作っていく児童を「主体的に活動する児童」とする。そのような学級活動のサイクルを以下のように設定した。
 →P(学級会)話合い活動により、よりよい集団決定をする
 →D(実践活動)Pで決まったことを実践する
 →C(事後指導)Dの達成度の評価と振り返りをする
 →A(事前指導)Cによる振り返りから新たな目標や改善策をもつ
 このような学級活動のサイクルを繰り返すことによって、児童にはよりよい人間関係や生活の充実について考えさせたい。
 しかしながら、これまでの自分の実践ではC(事後指導)からA(次の活動の事前指導)へとつなぐことに課題を感じている。学級の現状を課題として捉えることができない児童や、自分の思いをもっているのに表現することが苦手な児童もいる。
 以上のことから、児童一人一人の思いが学級全体に共有されるような支援、工夫をし、振り返りを丁寧にすることで、主体的に活動する児童が育つと考える。研究テーマ達成に向けて次の手だてを実施し、その有効性を検証した。
1 一人一人の思いが学級全体に共有されるアシスト発言
 少人数での話合い後は、自分の考えと友達の意見を比べながら発言させる。
2 児童の思いの視覚化
 様々なアンケートの結果を数値化したりグラフ化したりして示す。また、振り返りの記述を児童全員が読めるように配付したり、掲示したりして示す。
3 振り返りの書き方の提示
 振り返りを記述する際に次の3点を示す。
 ①最初の自分の考え②考えの変化と理由③次の活動に向けて

<参考文献>
文部科学省国立教育政策研究所教育課程研究センター
「楽しく豊かな学級・学校生活をつくる特別活動小学校編」
 

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「教科等研究セミナー」
自己の生き方について考え、よさや可能性を自覚する道徳科の教材開発
~内容項目「D-(22)よりよく生きる喜び」において~
阿賀野市立水原小学校
山田 潤

  小学校では平成30年度から道徳が教科化される。それに伴い学習指導要領の改訂も行われ、小学校の高学年では「D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること」において、「よりよく生きる喜び」の内容項目が新たに設定された。平成28年度現在、「よりよく生きる喜び」に合わせた教材や実践はほとんどなく、小学校高学年段階において、どのように指導すればよいか明確な指針は存在しない。そこで、本研究では、学習指導要領解説から本内容項目における求める児童の姿を定義し、どのような教材で、どのような指導をすれば、ねらいが達成されるのかを考えていきたい。
 「小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編」の68貢には、「…誇りや愛情、共によりよく生きていこうとする強さや気高さを理解することによって自分の弱さを乗り越え、人間として生きる喜びを感じることになる。ここでいう人間として生きる喜びとは、すばらしさを感得し、よりよく生きていこうとする深い喜びである。」と書かれている。そして、同「(2)指導の要点」には、「…指導に当たっては、まず自分だけが弱いのではないということや、人間がもつ気高さについて自分自身を振り返ることで理解できるようにすることが大切である。」と記述されている。
 このことから、本内容項目における児童の目指す姿を、「価値(「家族愛、家庭生活の充実」「友情、信頼」等)のよさに気付き、自己を見つめながら、学んだことをこれからの生き方に生かそうとする姿」と設定する。
 また、ねらいとする道徳的価値についての考えを深めるために「多様な教材を活用した創意工夫ある指導」が求められている。そこで、本研究は様々な指導法の中から、実在した(している)人物を扱った教材での指導を提示したい。実在した(している)人物を扱った教材は、自己の生き方のモデルとなりやすく、「よりよく生きる喜び」に適している他、関連した資料の準備が比較的容易に行えるため、、多様な指導を展開しやすく、価値への理解を深めることができる。
 「特別の教科 道徳」完全実施に向け、先行実践を待つのではなく、一実践者として児童の道徳性を高める教材、指導方法を追究していきたい。

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「教科等研究セミナー」
自分の「今」の姿を見つめ直す道徳
~心の直線で可視化された思いをもとに共に考え、新たな道徳的価値の気付きを促す~
五泉市立五泉小学校
髙野 華子

  「特別の教科 道徳」では、「自己を見つめ物事を多面的・多角的に考えることを通して、自己の生き方についての考えを深める学習」を目標として強調している。そこに必要となってくるのは、自分の「今」を見つめ直したり、仲間と意見交流する中で新たな価値に気付き見い出したりする力であると考えた。
 そこで、本研究では、次の3点について授業改善を行い、その解決に迫った。
1 心の直線の活用
 交流テーマがぶれないように問いを焦点化する必要がある。そのために最初の問いは二択とし、一直線の心の直線に自分の思いを可視化させた。(例:主人公の行動を、「許す」       「許せない」)
 次に、上記の心の直線を黒板にも提示し、ネームプレートで自分の思いを明示させた。また同時に学級全体で互いの思いを共有・確認し、次の交流につなげた。
2 自分とは違う価値観に触れる交流の場の設定
 交流において相手に聞いてくる内容を絞り込んだ。(例:行動決定の根拠、その時心を占めていた感情、など)また交流と同時に相手の話を聞いて、自分がどう思ったかのかを記録させた。(ワークシート・指示の工夫)
 交流後の発表は、他者の意見を代弁する形とし、その際に自分の感想も付け加えさせた。
3 振り返りの視点
 振り返りは、本時のテーマにそって「今の自分」と「こうなりたい自分」の2つの側面から記述させた。
 今後も、児童が自分自身を自分の言葉で語れる道徳について研究していく。

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「教科等研究セミナー」
相手の立場に立って考える力を育てる道徳授業の工夫
~葛藤場面におけるよりよい言動を吟味する授業展開を通して~
小千谷市立小千谷小学校
上村 進一

  本研究では、自分の気持ちを大切にしつつ、相手の気持ちも考慮した言動をとれる力をはぐくむことをねらいとした。そのために、葛藤場面において、どの言動がよりよいか吟味する活動に重点を置いた授業展開を行った。工夫した点は以下の3点である。
1 事前準備の工夫
 話合いの時間を十分に確保するため、事前に朝学習などの時間を活用して、資料の読解とともに、葛藤場面においてどのような言動をすべきかについて、児童個々の考えの記述を済ませておく。教師は児童の意見を集約しておき、本時の最初に提示する。このような手だてによって、本時の展開で一つ一つの課題解決のよさや正しさの吟味に十分時間をかけられるようにした。
2 意見提示の仕方の工夫
 事前に集約した意見をもとに、最初は一人の登場人物にしか注目していない意見から提示し、その意見のメリット・デメリットを話し合う。次に、複数の登場人物の立場を考慮した様々な意見を提示し、それぞれのメリット・デメリットを話し合う。これにより、様々な人の立場に立って考えることの大切さに気付けると考えた。
3 自己決定の場の工夫
 意見を発表できる人数は限られており、聞き役に回る児童も出てくることが予想される。そこで、話合いが収束しそれぞれの意見のメリット・デメリットが明らかになったところで、再度どのような言動を取るべきか一人一人が考える時間を設けた。これにより、一人一人が聞き役としても主体的に話合い活動に参加することを期待した。
 事前に資料提示や個々の意見を記述する時間を設けたことで、それぞれの行為の道徳的価値について吟味する時間を十分に確保することができた。そのため、児童は授業の中で、相手の立場に立って行動することのよさに気付き、相手がどう思うかを意識した上で自分の行動を考えようとする姿勢が育っていった。
 授業後のアンケートでも、このような授業展開に好意的な回答をする児童が多く、児童の意欲面でも有効性が感じられた。

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「教科等研究セミナー」
集団演技を取り入れたマット運動の取組
~シンクロマットを通しての関わり合いから、個人技能を向上させる授業の工夫~
加茂市立葵中学校
田中 伸一

  マット運動では、一人一人の挑戦する技の種類などに対応できるように場の設定を増やしたり工夫したりしてきた。しかし、マット運動はできるできないがはっきりしており、苦手意識が高い生徒も多く、新しい技をなかなか習得できない生徒も見られる。
 そこで、運動する意欲を高めるために関わり合いをマット運動に取り入れた。生徒は能力に関係なく、友達と関わり合いながら運動することを好む傾向がある。個人的な運動の領域であるマット運動も、仲間と関わり合う活動を取り入れることで活動意欲が高まり、主体的に練習に取り組むことが考えられる。また、運動量が増え、技能の向上が図れるのではないかと考える。
 本研究では、仲間との関わり合いを増やす工夫として次の手だてを講じる。
1 シンクロマットの導入
 シンクロマットは、マット運動の技を複数でタイミングを合わせたり、ずらしたりして行う運動である。シンクロマットの演技を創り上げるには、チームの仲間と話し合い、補助し合って協力するなど、関わり合う必要がある。チームの仲間とシンクロマットの演技を構成して完成させていく活動は、マット運動の苦手な生徒も活動の意欲が高まり、積極的に練習することで技能の向上につながると考える。
2 練習における場面設定の工夫
 授業では、部分練習コーナー、通し練習コーナー、ミーティングコーナーを設置して、ローテーションしながら練習に取り組ませていく。それぞれのコーナーで何をするのかを明確にして、チームの演技を構成していくための過程を踏ませていく。また、資料や映像を十分に準備して、必要な情報を随時得られるようにする。
3 焦点化されためあての提示
 シンクロマットの演技構成をより具体的に考えていけるように、シンクロマットの演技構成を考える小単元時に、具体的な動きを示しめあてを焦点化する。適切な情報を提示することで、完成演技を意識した適切な関わり合いが生まれ、よりよい演技構成を創り上げることができる。

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「教科等教育セミナー」
バドミントンにおけるコート縮小による影響と思考力・技術力の向上
新潟市立濁川中学校
相場 則男

  バドミントンの授業では、技能レベルの同程度の者でグループを作り、ゲームを行わせることが多かった。しかし、技能がともに未熟である場合は逆にゲームの質的向上は期待し難く、また種々の技能レベルの仲間とコミュニケーションが図れないこと等の問題が考えられた。以上のことから、限られた授業時間の中で技能的特性に触れるゲームの楽しさを味わわせ、ゲーム内容の質的向上を図り、技能格差のある学習集団での仲間意識を醸成するために、技能差を補うための工夫が必要と考えた。
 本研究では以下のような手だてを講じて解決に迫った。
1 コート縮小によるハンディキャップ制の導入
 通常コートでのゲームにおける点差の程度の違いを技能レベル差と見て、両サイドラインから内側30cmをカットしたコートと、面積を1/2にしたコートの2種類のハンディキャップコート制を導入した。
2 スキルアップゲーム
 ハンディキャップコート制を導入したゲームを「スキルアップゲーム」として、ねらった場所に正確に打つという課題をもたせた。技能上位者には狭いスペースに打つよりレベルの高いシャトルコントロール技能を求め、技能未熟者に対しては限られたスペースに飛んでくるシャトルを正確に打ち返す技能を求めた。
 実際の結果、コート縮小によるハンディキャップゲーム制の導入は、全ての生徒に楽しさを保障できるものではないが、ゲームの楽しさを向上させる可能性が高く、ラリー回数を増加させるた。ただし、コート縮小の割合や男女の対戦の仕方など工夫が必要だと感じた。「ねらった場所に正確に打つには」という課題をもたせたハンディキャップゲームは、ラリー回数の増加からシャトルコントロール技能を向上させ、ゲームの質的向上につながることが分かった。

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「教科等研究セミナー」
駅伝競走を取り入れた長距離走への取組
-仲間とのかかわり合いから意欲を喚起し、持久力を向上させる手だての工夫-
長岡市立刈谷田中学校
清水 孝

  私は意欲的に長距離走を行う手だてとして駅伝競走を取り入れた。様々な手だての中に仲間同士での励ましや応援によって生徒の意欲を喚起し、長距離走に興味や関心をもたせ、発展的な課題として、駅伝競走を行うことでチームとしての達成感や個人としての満足感を味あわせたいと考えた。
 本研究では駅伝競走を最終的な目標として、様々な手だてを工夫し、長距離走に対する嫌悪感を取り除き、生徒が意欲的に長距離走に取り組むことができるよう、次のような手だてを行った。
1 駅伝競走を取り入れることで仲間とのかかわり合い(応援や励まし)を感じ、自分の力を最大限発揮する。
(1)チーム状況に配慮したコース選択
 Aコース(第1走者)1.6km、Bコース(第2・3走者)1.1km、Cコース(第4走者)1.4kmを設定し、1チーム4名での駅伝大会を2回行い、1回目と2回目の記録を比較する。
(2)コース試走を兼ねた集団走による持久力の向上
 一番遅い生徒のペースに合わせ、チームとして集団走を行う。コースの状況確認や走り方のアドバイスを行い、駅伝競走大会へ向けた作戦を考えながら走るように指導する。
(3)プレ駅伝大会によるチーム力(結束力)の育成
 体育館でのプレ駅伝大会を行い、1周(100m)ごとのラップや周回数を仲間が教えてあげることで安心して走ることができる。また応援や励ましによってチームとしての結束力が高まる。
2 様々な取組過程を工夫することにより、長距離走に対しての苦しさや辛ささの軽減を図る。
(1) 持久力を高める適切な脈拍とペースタイムの設定
 体育館で実施。1周100mのコースで、120回~140回/分の脈拍数まで上げ、持久力向上に適したペースをつかむ。(5分を3セット、計15分実施)
(2)ウォーミングアップの工夫
 ウォーミングアップ時に100mを何秒で走っているかをスポーツタイマーで確認したり、ペース表を用いて、自分のペースを把握させたりする。終了後必ず脈拍を測り、120回~140回/分の脈拍で走ることができたか確認する。
(3)学習カードや長距離記録表、ペース表、駅伝作戦シートなどにおける意欲喚起の工夫
 個人やチームの課題を共有する資料として、それを基に技能の向上や結束力を高める。より駅伝競走への興味・関心を引き出すことで、長距離走への意欲喚起につなげる。
 様々な手だてを実践することによって、長距離走をただ単に長距離を走るだけの苦しいスポーツでなく、ペースを考えて走ってみたり、フォームを考えて走ったり、仲間の応援や励ましによって苦しくても頑張って走ったり、様々な走り方を経験することでほとんどの生徒が長距離走に意欲的に取り組むことができた。そこには生徒の達成感や満足感があったのだと考える。今後も体育授業では集団の力を学ぶ力(興味・関心・意欲)に変えて他の単元でも実践していきたい。

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「教育実践」
ベースボール型ゲームにおける技能の向上と思考を促す授業の工夫
新潟市立新津第三小学校
若槻 満

  今年度の研修のテーマを「ベースボール型ゲームにおける技能の向上と思考を促す授業の工夫」とした。中学年のベースボール型ゲームでは、思い切りボールを遠くに飛ばし得点する喜びが期待できる。しかし、中学年の児童にとって、投球されたボールを打つことは難しい。また、経験差や技能差が生じやすいと考えた。そこで、ハンドベースボールの授業での技能の向上、思考を促す授業づくりの2点から、その解決に迫る。
1 技能の向上
 ハンドベースボールに必要な「投げる」「捕る」「打つ」という技能が確実に身に付くようにする。これら3つの動きを高められるように、ミニゲーム(キャッチボール競争・ゴロフライキャッチ・フリーバッティング)を設定したり、打つための補助運動を工夫したりしながら、技能の向上を図る。そして、これらの手だてが有効であったかどうかを考察していく。
2 思考を促す授業づくり
 思考を促す手だてとして、異質グループでの学習を中心に進める。試しのゲームを行い、自分たちのチームに合った攻撃や守備を考えさせ、協力し励まし合ってゲームを進められるようにする。その際、学習形態や学習カード等を工夫して、思考を促すようにする。そして、これらの手だてが有効であったかどうかを考察していく。
 上記のように、確かな技能の向上が期待できる体育授業、思考を促し学習した内容が着実に身に付く体育授業の2点に絞り、今後も体育の授業の資質向上を目指し研究を進めていく。

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「教科等研究セミナー」
思考と技能を大切にする体育授業
~思考の見える化によって技能の向上につなげる実践を通して~
新潟市立曽野木小学校
増井 英輔

  体育が好きな児童は多いが、器械運動では思い通りに体を動かせないことや回転することへの恐怖感や不快感からあまり好んでいないという児童もいる。そこで、まずは、児童が器械運動の動きのおもしろさを感じられるような学習課題を工夫していきたい。そして、その中で感じたコツ、手本や友達の試技を見て感じたコツを気付きとして意識させ、自分の体をコントロールするためには、どのようなことに気を付ければよいのかを児童一人一人に考えさせ、技能の向上につなげていきたいと考えている。
 そこで、「器械運動について、自分たちの課題をとらえ、全体でのこつの共有化や視聴覚教材の活用、小グループでの連想シートを使った学び合いをすることによって、課題を解決させるポイントが分かり、そのために必要な技能を身に付けることができるだろう。」という研究仮説を立て実践を行った。
 次の4点の実践からその検証を行った。
1 連想シートを使って、動きの「感じ」→「気付き」へ技のコツを追求させる。
 児童には、目標とする技が何となくできた、できなかったではなく、しっかりと意識した
動きの中で「できた」を感じてほしい。そのため、技に対して、どのような点に気を付ければうまくいくのかを意識させる必要がある。そこで単元を通して、連想シートを使い、練習の中で感じたことをどんどん連想させていき、うまくいった動きをコツ(気付き)として追求させたい。その際、うまくいかなった動きも大切にし、自分はどのような動きをして、どうだったのかという練習内容全体を「見える化」させていく。
2 視聴覚教材によるお手本を提示する。
 技のイメージをもたせるため、児童には動画によるお手本を提示する。お手本を見ることにより、どんなところに気を付ければよいのかを視覚的に理解できる。また、動画であるため、気になる局面に着目し繰り返し見ることができたり、スローモーション機能を活用したりすることもできる。また、連想シートとあわせて提示し、練習だけでは気付かないコツを見付ける手段としても活用していく。導入時だけでなく展開時でも児童が自由に操作し、確認できるようにする。
3 練習内容をステップ化して提示する。
 学級の実態に即して、練習内容をスモールステップしたものを学習カードとして提示す
る。いきなり技の完成を目指すのは難しいが、少しずつ技が完成に近づいていくというプロセスを経ることで達成感を得ることができる。また、技の局面や部位を限定して示しているので、連想シートとも関連させることができ、コツを見つけるために有効な手段であると考えられる。チェック項目を「できた」「いつでもできる」「友だちのOK」という3項目設定し、自己評価だけでなく、他者評価させることにより、他の人の技を見る機会も意図的に設定する。
4 4~5人の小グループごとに練習をさせ、ミニ先生を配置する。
基本の形として練習の形態を4~5人の小グループで行うものとする。その中で、技を上手にできる児童をミニ先生として配置する。また、グループ内にミニ先生がいない場合は、他のグループから自由に行き来させ、グループに1人以上ミニ先生を配置できるようにする。ミニ先生には「どのようなポイントに気を付ければ技が上手にできるのか」「教えたポイントで有効だったものは何か」を意識させ、それ以外の児童には「教えてもらったポイントで有効だったものは何か」を意識させ、連想シートを記入していくように声を掛ける。

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「教科等研究セミナー」
体つくり運動において、技能と仲間同士の信頼関係を高めるための関わらせ方について
新潟市立上所小学校
室橋 辰宏

  学力や体力の向上を図るには、土台となる学級が、児童同士、担任と児童による信頼関係によって支え合う雰囲気で満たされていなければならない。信頼関係を築くには、温かい言語活動による交流が大切である。また、身体感覚を伴う経験を、学級全体または小グループ単位で味わわせることも大切である。体育科の授業は、協働する場面が多く、達成度の確認も児童にとって分かりやすい。
 そこで、体育科の授業を通して、技能の向上を図りながら学級力を高めていくために、グループによるスモールステップを設定したチャレンジ学習を取り入れる単元構成を試みた。
1 6学年における、ダブルダッチへのチャレンジ学習
 高学年であっても運動能力に差があるため、ダブルダッチを成功させることは難しい。そこで、さまざまな長縄の運動から、徐々にダブルダッチへとチャレンジしていく単元構成にする。ダブルダッチの学習場面では、教える部分(どの場所で踏み切るか・どちらの足で着地するか)と、児童に考えさせる部分(どの縄がどこを通過したときに入ればよいか)を分けて授業を構成した。
2 1学年における、スモールステップのペア・グループによるチャレンジ学習
 道具を操作する運動遊びで、主に長縄跳びの8の字跳びができるようになるために、タイミングを友達と合わせるスモールステップでの活動を通して、技能の向上を図ると共に、友達同士の信頼関係の向上も図る。友達のことを考えて自分のもっている道具を操作しないと成功しない。友達と一緒に掛け声を合わせて、動きをそろえないと成功しないような活動を、スモールステップで取り組む。また、どのような声掛けが必要か、声掛けのどのタイミングで動くとよいかなど考えさえ、成功体験を共有できる授業を構成した。
 どちらの活動においても、友達と力を合わせること、タイミングを合わせることの気持ちよさを味わうことができ、そのことが信頼関係の構築にもつながった。学級の雰囲気もよくなり、どの学習にも意欲的に取り組むことができる学級集団に成長することができた。
 今後も体育の学習を通して、児童同士、担任と児童の信頼関係を構築するために、「声や動きを合わせる」「友達のことを考えて動く」などの活動を取り入れた授業構成・単元構成や学習形態の在り方を追求していく。

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「教科等研究セミナー」
教え合いは「できた・分かった」を増やし、「楽しさ」の向上につながるか
佐渡市立河崎小学校
小田 俊裕

  「すべての児童が運動を好きになってほしい。」この願いはすべての教師がもっているものである。しかし、技能面での「できる」「できない」がはっきりしている体育科においては、運動嫌いの児童が少なからずいるのが現実である。私は体育授業の中で「できた」だけでなく「分かった」という体験を児童がすることによって、運動好きの子どもが増えると考える。そして、子どもたちの「できた」「分かった」という気持ちは友達との関わり合いの中でこそ生まれるものであると考え、体育授業の関わり合いを活性化するための手だてを模索する。今回の研究では高学年「器械運動」の実践において、次の手だてを検証した。
1 確かな運動技能を身に付けるために
 マット運動で行う様々な技ができるためには、その基となる基礎感覚が必要である。繰り返し経験させ、基礎感覚を養うことが、マット運動における技能の向上へとつながる。本単元では毎時間基礎感覚づくりの運動に取り組ませ、そこで身に付けた感覚や、動きのコツを技の練習に生かせるようにした。
2 友達との関わり・学び合いを活性化するために
 単元を通した小グループでの学び合いを取り入れた。グループ内でのめあての共有や見合う際の視点の共有を行い、焦点化された教え合いができるようにした。また、技のポイントを明確にするためにコツを言語化して表現させた。それにより、学習の中での教え合いが活性化するようにした。さらに、学習作文で学びを表現させる活動を取り入れ、「分かった」ことを明確化し、次時の教え合いに生かせるようにした。
 学習の中で、児童は自らの見付けたコツを自分なりの言葉で表現し、友達と教え合い練習に取り組んだ。運動が苦手で、自分では技ができなくとも、友達の動きにアドバイスする姿も見られ、体育授業に対する「楽しさ」は向上したと言える。
 今後も他の領域で、児童同士が関わり合い、学び合えるための手だてを模索していく。

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「教科等研究セミナー」
思考を発展させながら、技能を向上させる体育授業
~キャッチバレーボールとペースシャトルラン(体つくり運動)の実践から~
村上市立神納東小学校
小野 浩由

  体育授業において大切にしたいことは、児童が「その運動の何を、どのように身に付けるのか」ということである。そのためには、教師が、課題に応じた運動の取組方を工夫する課題解決的な学習を展開する必要がある。これが充実した体育授業は、児童自らがチームや個人の課題の発見、課題に向けた運動の場や練習方法を工夫し、グループでの活発な意見が飛び交うだろう。そして生き生きと学習することで、技能を高めていく。それは決して児童任せなのではなく、そこに至るまでに技能に対しての基礎的知識を基盤として、考え、工夫するための思考が発展していくからであると考える。
 そこで、本研究では、ボール運動(キャッチバレーボール)と体つくり運動(ペースシャトルラン)の領域において、思考を発展させながら、技能を向上させる体育授業を求め、次の2つの手だてからその解決に迫った。
1 「関連付ける」「関係性を見付ける」「序列化する」3つの活動を、毎時間サイクルで行うこと
 児童はその運動の何をどのように身に付けたらよいのか知識が十分ではない。そこで、教師から児童に、戦術的・技術的な気付きに必要な新たな知識や発問を与えた。そして、児童にこの新たな知識と既習の知識を組み合わせて、作戦や練習方法を考える時間を与えた。このように知識を関連付け、組み合わせて考える活動を3つに分類し、「関連付ける→関係性を見つける→序列化する」ことを、毎時間サイクルで繰り返した。すると、児童は作戦や練習方法をより高次なものにし、思考を発展していった。
2 ゲーム様相や身体への気付きの発展段階を想定した学習内容の単元計画を設定すること
 より思考を発展させていくためには「何について考えるのか」「どのように考えるのか」「何を結び付けるのか」の具体的な発問が重要であると考えた。そこで、キャッチバレーボールの単元では、ゲーム様相の発展段階を想定し、単元計画を立てた。例えば「ボールコントロール」と「アタック」の動きを結び付ける=攻めを組み立てる段階などである。
 ペースシャトルランでは、身体への気付きの発展段階を想定した。「ペース」→「リズム」→「フォーム」を身に付ける段階を想定した。
 これらの段階に合わせた課題をそれぞれの単元で設定し、指導した。 
 これら2つの手だてにより、児童は、毎時間学ぶべき内容を明確に捉え、思考を発展させながら、技能を向上させていくことができた。

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「教科等研究セミナー」
伴奏と集団演技を通して、思考と技能を高めるマット運動の指導
新発田市立外ヶ輪小学校
髙澤 元

  私は、マット運動において以下の二つの手だてを講じることで思考と技能が高まると仮説を立て、実践研究を行った。
手だて1 「技のイメージとリズムを言語化した口伴奏を提示し、選択・発展させる」
 子どもたちに口伴奏を二つ提示した。開脚前転では「ピン(脚を伸ばす)、パカ(開脚する)!バン(力強く着手する)」と「ピーン(脚を伸ばす時間を長くする)、パカ!バン!」の二種類を提示し、脚を開くタイミングを思考させた。声を掛け合いながら練習し、回転の後半に脚を開いた方が勢いがつくことに気付いた。また、技のポイントを意識し、思考しながら運動している姿が見られた。
手だて2 「身に付けたい技や発展的な技を集団で行う場の設定」
 口伴奏を用いて練習する段階と音楽に合わせて即興で集団演技を行う場を往還的に行った。音楽に合わせて心と体を開放的にした状態で行うことで、意欲が高まり、技能の定着だけでなく発展的な技(バンという口伴奏を無くし、着手なしの開脚前転や仲間とシンクロさせた開脚前転)に取り組んでいる姿も見られた。
 子どもたちは口伴奏を通して思考し、そのよさを実感していた。また、形成的授業評価や教師の見とりからも技能の高まりが見てとれた。
 2年目も同様の手だてで、倒立前転、伸膝後転で実践を行った。今後も、他の学年や他の技での実践を積み重ねていく。

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「教科等研究セミナー」
低学年「ボール投げゲーム」における技能を高める授業の工夫
~第2学年「シュートボール」の実践を通して~
五泉市立愛宕小学校
大関 一教

  新体力テストの結果から、依然として小学校高学年から中学校の「ボール投げ」の項目において落ち込みが見られる。また、低学年児童のボールの投げ方を見ると、投げる腕と同じ方の足が前に出る児童や、両足が平行となって前後に開かない児童が多くいる。このような実態から、低学年期から「投げる・当てる」という楽しさを十分に味わわせ、中学年・高学年につながる「ボール運動」の技能の基礎を養わせたいと考えた。そこで、低学年「ボール投げゲーム」において、次の3つの手だてを行った。
1 運動の場の工夫
 コーンや壁に向かってボールを投げたり、チームでパスを回したりするドリルゲームで、投げる場や活動時間を十分に確保する。その中で、ボールの投げ方・捕り方の指導を継続して行う。
2 ルールの工夫
 4対3のアウトナンバーになるゲームを設定し、攻める側が有利となって得点しやすいようにする。その中で、児童一人一人の投げる機会を増やすために、チームの全員が得点できたら「ボーナス得点」を与える。
3 作戦の提示、学習カードの活用
 作戦(おとり、速攻パス、山なりパス)を提示し、その中からチームの力に合ったものを選ばせ、練習したりゲームをしたりする。また、学習カードを活用し、1単位時間の学習を振り返らせる。
 実践の結果、児童に「投げる・当てることの楽しさ」を実感させ、「ねらったところに力強く投げる・当てる」という技能を向上させることができた。また、投げ方の指導と楽しみながら繰り返し投げる遊びを通して、投動作の向上につながった。

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「教科等研究セミナー」
「倒立」を中心にしたマット運動指導
加茂市立加茂南小学校
杉山 豊和

  マット運動は、一人一人が自分の能力に応じためあてをもちながら、いろいろな回転技や倒立技に挑戦し、できなかった技ができるようになったときに大きな喜びや楽しさを味わえる運動である。
 回転技においては、足でマットを強く蹴ることで回転の勢いを強めたり、両手の押しを利用して技の終末で「しゃがみ立ち」や「開脚立ち」になったりすることが重要となる。倒立技においては、逆位の姿勢になった自分の体を、自分の腕でしっかりと支持することが重要となる。
 つまり、マット運動では、「腕支持感覚」「逆さ感覚」などの運動感覚や、「足で強く蹴る」などの運動技能が求められる。
 そこで、これらの運動感覚や運動技能を養うために、単元の中心技を「倒立」と位置付け、単元を通して「倒立」の練習に取り組ませることとした。「倒立」の練習を通して、①勢いよく脚を振り上げるための「足の強い蹴り」が身に付いたり、②自分の体をしっかりと支えるための「腕支持感覚」が養われたり、③日常生活ではあまり経験しない「逆さ感覚」に慣れさせたりすることができると考える。
 本研究では、児童が「前転」「開脚前転」「後転」「開脚後転」「壁倒立」「側方倒立回転」の6つの技を安定して行えるようにすることを最終目的とし、それに必要な運動感覚や運動技能を養わせるために行う「倒立の習得」を中間目的とする。
 そして、次の仮説を立てて検証することとした。
<研究仮説> 
 『マット運動において、「倒立」を中心にした単元を構成することで、「腕支持感覚」「逆さ感覚」などの運動感覚や、「足で強く蹴る」などの運動技能が養われ、倒立や倒立以外の技の技能が向上するだろう』
 主な手だては次の通りである。
1 感覚つくりの運動
 主運動の「倒立」につながる感覚つくりの運動として、「台に足を乗せてその場回り」、「川跳び」、「手でジャンプ」、「手と足でジャンプ」、「手押し車(補助つき斜め立ち歩き)」、「かえるの足打ち」の6つの運動を取り上げる。
2 「倒立」の習得に向けた系統的な学習
 「背支持倒立」、「かえるの逆立ち」、「頭倒立」、「壁(肋木)登り倒立」、「壁倒立」、「補助倒立」、「倒立」など、難易度の異なる様々な倒立を児童に紹介し、倒立の習得に向けて系統的に練習させる。
 本研究では、児童の技能調査、学習カード(振り返りの記述・形成的授業評価)、教師の見取り(行動観察・発言など)をもとに研究仮説を評価する。

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「教科等研究セミナー」
水泳における一斉指導充実のための工夫
~正しい姿勢を意識したドリルと教え合いの実践~
十日町市立吉田小学校
田中 豪

  学習指導要領では、「自由形や平泳ぎで続けて長く泳ぐこと」を目標にしている。自学級の実態として、50mを泳ぐことができる児童は多い。しかし、50mを泳ぎ切った時点で体力を使い切っている児童が多い。技術的な要因として、正しい姿勢が身に付いていないため体が沈み、ひとかきで進まないことが挙げられる。
 また、自身の授業実践上の課題として、児童が、「なぜ泳ぎ続けられないか」について考え、自分の泳ぎを見直す経験が不足していた。
 そこで、「自ら正しい姿勢を意識して、長く続けて泳ぐこと」を目指して、本研究テーマを設定した。正しい姿勢とは、「ストリームラインに限定しない、水面に体が真っ直ぐに浮いている状態」とする。
<研究の取組>
 本実践では、以下の2点の具体的な取組を行った。
1 泳ぎのポイントの共有化
 「どうすれば正しい姿勢で泳ぐことができるか」のポイントを提示した。児童同士が泳ぎのポイントを共有し、教え合いが成立するようにした。また、泳ぎのポイントをもとに、自分の泳ぎを見直すことができるようにした。
2 「正しい姿勢」を意識させる練習メニューの提示
「50mイルカ跳びの回数」「50m自由形で心拍数を計測する」「ストローク数を数える」など、正しい姿勢が身に付くと、数値や回数が少なくなっていくメニューを提示した。具体的な「数値」という指標を用いることで、児童が自ら正しい姿勢を意識できるようにした。
<成果>
 上記2つの取組を繰り返し行うことで、正しい姿勢を身に付け、長い距離を泳ぐことができるようになるとともに、タイムも縮めることができた。

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「教科等研究セミナー」
デジタル作品の設計・制作を通した情報活用能力の実践
燕市立小池中学校
河村 宏樹

  技術・家庭科の技術分野では、D「情報に関する技術」における「デジタル作品の設計・制作」を通してメディアを複合し表現する実践を紹介する。作品制作に関わって、タブレットを使い動画や静止画を撮影し、ムービーメーカーで編集を行った。画像の編集や組み合わせなど、創意や高い技能を求められるが、生徒たちは意欲をもち続け、作品を完成させることができるようになる。
1 研究のねらい
 メディア機器の発達により、テレビドラマやCMのような映像を家庭でも容易に作ることが可能となった。そこで生徒は、生活の中にある”happy”を題材に動画作品作りに取り組む。制作の過程で映像加工のスキルを学ぶとともに、思いを伝える表現方法の工夫や視聴者の視点に立った作品づくりを心掛けることで豊かな内容の作品を完成させることができるようになる。
2 研究の方法
 ・WEB上の画像を使い画像を加工しアニメーションを加えながらスライドやその画像をつなぎ合わせ一つのストーリーを制作する。この過程でスキルを学習し表現の楽しさを感じさせる。
 ・タブレットを使って、動画や静止画を撮影、加工し作品を制作する。その作品を途中評価し合うことで、表現を工夫した作品作りにつなげていく。
3 成果と課題
 今回使用したアプリケーションソフトは、ペイント、ムービーメーカーの二つである。この二つはWindows搭載マシンであれば無料で使用できる。学習内容が家庭でも継続しながら取り組むことができるので、学習したことを生活の中でも生かしていくためにふさわしい題材であったと言える。また、他の生徒と制作過程の作品を見せ合うことで会話が生まれ、他者の評価を取り入れながらよりよい作品を作ることができた。今後の課題として、情報活用能力を育成する観点から、情報モラルの学習状況を踏まえるとともに、他教科や道徳等における情報教育との連携・接続にも配慮する必要がある。

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「教科等研究セミナー」
新たな見方や考え方をつくり出し表現の思いを共有する児童の育成
~ 地域イベントに向けた大漁旗づくりを通して ~
佐渡市立内海府小学校
若月 良允

  児童は、他との交流など様々な経験によって形成された見方や考え方を使って表現や鑑賞を行う。しかし、それらの経験が不十分だと、作品に対し「描き方が上手」「本物みたい」などの表面的な見方や考え方しかできない。
 そこで、児童に身近な地域素材を題材に取り上げた。児童同士の対話を整理しながら、児童なりの見方を引き出すとともに、地域の人が自らの経験を示したり語りかけたりする場を設定し、児童に対象を見つめ直させることにした。このような鑑賞や対話を経験させることで、児童は多面的、多角的な視点で対象を捉え、新たな見方や考え方をつくり出し、表現の思いを共有することができると考えた。本研究では、以下4点の手だてを講じた。
1 「大漁旗」や「波の写真」を鑑賞して、感じたことや考えたことを言語化させる。児童が言及した部分を指で指し示したり、他の児童の発言とつないだりしながら、発見を協働で積み重ねる場を設定する。
2  題材のことをよく知っている人や思いをもっている人と対話して心情に寄り添うことにより、地域の人の目線に近付けさせる。
3 児童が形や色から捉えたことやイメージを言葉にさせ、児童が気付いたところを教師が指で指し示すことで「見える化」し全体で共有する。
4 地域イベントで発表し、地域の人に認めてもらう場を設定する。
 児童は、これまでの表面的な見方や考え方だけでなく、「思い」といった見方や考え方ができるようになった。児童同士の交流の場では、友人の作品から思いを読み取ろうとする姿を見ることができるようになった。また、普段の生活や図画工作科の学習においても、表現の思いを考えながら鑑賞や表現を行うようになった。
 他の題材を設定したとき、どのように地域の人と交流させればよいか、検討が必要である。また、他学年において、この手だてが有効であるか今後も研究していく。

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「教科等研究セミナー」
思いを伝え合い、想像を広げる鑑賞活動の工夫
長岡市立川崎東小学校
堀田 祐嗣

  次期学習指導要領等に向けた「審議のまとめ」の中の造形的な見方・考え方に「感性や想像力を働かせ、対象や事象を、形や色などの造形的な視点で捉え、自分のイメージをもちながら意味や価値をつくりだすこと」とある。自学級の児童を見てみると、作品を鑑賞する時に、色や形など造形的な視点をもって鑑賞したり、言語表現したりすることができない傾向があった。
 そこで、低学年の段階から造形的な視点をもち、対話的な学びを重視した鑑賞活動を積極的に取り入れることが必要であると考えた。児童は、作品について自由に語り合う経験を積み重ねていくことで、見方・考え方が定着し、作品から感じ取ったことを造形的な視点をもって、言語表現することができるのではないかと考え、次のような手だてを講じた。
1 アートカードを活用した鑑賞活動
 色や形などの造形的な視点を捉えて、様々な美術作品を鑑賞することができるように、複数枚のアートカードを活用した。児童は、アートカードを介して他者と対話をしながら鑑賞することで、自分の思いを語ったり、共に考えたり、感じたことを確かめ合ったりする姿が見られた。
2 考える過程を大切にする学習課題
 想像力を働かせ、主体的に鑑賞活動に取り組むことができるように、クイズの要素を取り入れた学習課題を設定した。児童は、グループの中で「自分の思いを伝える」、「友達の考えを聴く」ことを繰り返し行うことで、作品の多様な見方や考え方を身に付けることができた。また、教師が主体となって児童の思いや考えを比べたり、価値付けたりすることで、深い学びへとつなげることができた。
 これらの鑑賞活動を通して、児童は造形的な視点を根拠としながら、自分の思いを他者に進んで伝えようとする姿が見られた。また、作品の見方や考え方を楽しみながら交流し合うことで、想像を広げて言葉に表したり、文章に書き表したりすることができるようになった。

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「教科等研究セミナー」
思いや意図をもって主体的に音楽づくりに取り組む児童の育成
~第3学年「燕の自慢ばやしをつくろう」の実践を通して~
燕市立燕南小学校
平出 久美子

  我が国や郷土の伝統音楽に親しみ、よさを一層味わえるようにしていくことが音楽科では求められている。各教科の授業において、地域の人材・工業・商業等を教材として活用しているが、地域の伝統文化についての教材化は自校において未開発であった。そこで、地域の祭りで演奏された魅力的な和太鼓の音楽「金山神太鼓」を教材化し、児童が思いや意図をもって主体的に音楽づくりに取り組む姿をねらい実践した。                                                                             1 鑑賞と表現を関連付ける題材構成の工夫
 ①魅力的な楽曲との出合い②楽曲の魅力を探る③楽曲の魅力を生かし思いや意図をもって音楽をつくる④もう一度鑑賞曲を聴き、楽曲のよさを味わったり、自分たちの音楽づくりに生かしたりする題材構成。
2 聴き取ったことと、感じ取ったことを伝え合う活動の工夫
 地域の魅力的な楽曲を鑑賞し、 聴き取ったことと感じ取ったことを「楽曲の魅力」にまとめ、音楽づくりに生かす。つくった音楽を聴き合う場を設定し、「楽曲の魅力」がどのように生かされているか伝え合う。
3 総合的な学習の時間の学びを音楽づくりに繋ぐ
 総合的な学習の時間に発見した、地域の自慢の一つである「飛燕太鼓保存会」の和太鼓の音楽を聴き、よさを味わい、音楽をつくり上げる。総合的な学習の時間で生まれた思いと、音楽の授業で生まれた思いや意図を往還させる。
 音楽的な見方・考え方を働かせ、表現及び鑑賞の活動を通して、生活や社会の中の音や音楽と豊かに関わる資質・能力を育成できるよう、実践を積んでいく。                          

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「教科等研究セミナー」
音楽の要素と結び付けながら鑑賞に取り組む子どもの育成
見附市立見附小学校
酒井 規子

  本研究では、「体を動かしながら聴く」鑑賞活動を通して、児童の意欲を高め、曲の要素をより深く感じ取る姿を具現したいと考えた。2学年の「2びょうしと3びょうしのちがいをかんじとりながらきこう」の単元で、「拍」の違いを具体的に感じられるような活動を組んだ。
 本単元では、2拍子の教材として「トルコ行進曲」(ベートーベン作曲)を選んだ。➀手拍子をしながら ②全員で行進しながら ③指揮をしながら ④ステップを踏みながらの4つのやり方で聴かせた。「拍」の特徴を中心に、「強弱」「速度」「旋律の変化」など、音楽の要素をより深く体感させた。
 その後、3拍子の曲「メヌエット」(ペツォルト 作曲)を、➀~➃のやり方で聴かせたところ、児童の中から「できない」という声が次々に上がった。そこで、できない理由と、3拍子に合う動きを考えさせた。曲を聴き様々な動きを試行錯誤したり話し合ったりした結果、児童は次の2つのことに気付くことができた。
○手拍子やステップの数は「1、2」でなく「1、2、3」なので、1つずつ増やせばいい。
○行進では「1、2」の拍なら右足、左足と交互に出すとリズムが合うが、「1、2、3」の拍だと「右、左、右」になり、リズムがとりにくい。」この解決法として「右、左、止まる、左、右、止まるを繰り返す」動きを、自分たちで考えて歩くことができた。
 指揮は、2拍子の指揮でも、3回くり返すと6拍目に3拍子と合うことに気付いた児童がいた。「指揮が合わないので2拍子と3拍子は違う」ことを、感じ取らせることが難しくなったため、私から3拍子の指揮を教えた。指揮の際に描く曲線の形や数の違いから、児童は2拍子と3拍子の違いを確認することができた。
 以上の実践から、体を使って音楽の要素を味わいながら聴くことで、2拍子と3拍子の違いだけでなく、「3拍子は2拍子よりも1つ拍が多い」ということを、実感を伴って理解させることができた。今後は拍子や要素から、楽曲の曲想を感じ取らせ、感じたことをどう表出させるかが課題である。

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「教科等研究セミナー」
会話継続目指した指導
新潟市立味方中学校
本図 直美

  次期学習指導要領では、「互いの気持ちや考えなどを外国語で伝え合う対話的な言語活動を重視する」こととしている。(中教審第197号)そこで、授業の初めに毎時行っている会話活動に焦点を当て、会話を継続させる力を養いたいと考えた。
  生徒に自己表現のためのトピックを与えて会話させても、日本語が混ざったり、伝えたい内容を表す単語がわからないとそこで止まってしまったりする姿が実態としてあった。それは、何とか英語で自己表現をしたいという情意面の欠如や、会話を継続させるための表現が身に付いていないことから起こると考えられる。そこで、次の2点からその解決に迫った。                                                       (1)「Helping listの活用」 
  生徒の会話をICレコーダーに録音し、日本語が出てしまう場面を取り出し、生徒全員で共有した。また、そのような時に英語でどう表現したらよいかが日本語と英語両方で書かれたリスト(helping list)を提示し、ペアで問題を出し合う活動をくり返し行った。また、その際に部分的にヒントをみることができるような工夫をして、段階的に覚えさせた。
(2)「さいころトーク」
  文型ドリルで出てきた表現をアレンジさせ、友達に聞きたい質問を一人6つ作らせた。「自分のことを一文で紹介してから相手に質問をする」という流れで会話するよう指示をした。4人グループを作り、さいころをふって出た目の番号の質問をグループメンバーにさせた。返答+1文、できればもっと長く会話を続ける、と回を重ねるごとにハードルを上げた。(1)のICレコーダーで会話を録音して聞かせたことで生徒が自身をメタ認知でき、それが「英語で会話をしたい」という動機付けにつながった。 また、生徒の困り感に沿った表現が提示されているので、日本語や沈黙を回避でき、流暢さを増すことができた。(2)で、聞いてみたい質問を用意させたことで情意面の向上が見れた。また、表現が苦手な生徒も仲間の発話を参考に質問に答えていた。今後、一つのトピックについて何度も会話を往復させて話せるための方策について探っていきたい。

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「教科等研究セミナー」
まとまった英文を能動的に読み取るリーディング指導過程の工夫
~コミュニケーション達成のためのリーディングタスクと、関連したサブスキルの設定を通して~
新潟市立亀田西中学校
間 美和

  英語が苦手な生徒をいかにやる気にするかが、英語学習における重要課題である。英語の「聞く・話す・読む・書く」の4技能別にみると、まとまった英文を読むことを苦手と感じる生徒が多いという中学生の一般的な傾向が、各種アンケートから捉えられる。そこで、本研究では、4技能のうち、「読むこと」=「リーディング」に焦点をあてる。まとまった英文を読むことに生徒が意欲的に取り組み、読む技能を身に付けることができるようになることをねらいとしている。
 具体的な手だてとして、次の3点を研究内容として取り組んできた。
1 読む目的の提示
 コミュニケーション達成の視点から「何のために読むのか」を、読む活動に入る前に明確に生徒に提示する。これにより、生徒が目的意識を明確にもち、コミュニケーション達成のために意欲的にリーデイングに取り組むようになることをねらっている。
2 リーディングに取り組む際の*1)タスグの工夫
 リーディングタスクを工夫することが、生徒の読む力を伸ばすことにつながる。読み物のジャンルや活動形態との組み合わせにより、様々なタスクを検証する。また、本研究では、それぞれのリーディングタスクに*2)サブスキルを関連付けて設定する。
3 リーディングの指導過程の提案
 コミュニケーション達成の観点から、リーディングのそれぞれの指導過程(pre-reading、 while-reading、 post-reading)を研究実践し、提案する。
 これらの実践研究を通して、生徒がまとまった英文を読むことに以前より能動的に取り組むようになり、生徒一人一人に読む力の高まりを実感させることができた。
    *1)タスク:まとまった英文を読む際に提示する、読む目的を示す学習課題   
    *2)サブスキル:英文を読み取る際に役立つ、具体的な技能

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「教科等研究セミナー」
英語プレゼンテーションを柱にした授業の試み
村上市立山北中学校
石黒 豊

  文部科学省がH26年度に実施した英語力調査(高校3年生)では、「話すこと」に関して、英語でスピーチやプレゼンテーションをした経験が少ないということが明らかとなっている。一方で、「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「英語でスピーチやプレゼンテーションをしていたと思う」生徒の割合が高いことが分かった。眞田(2010)は高等学校で英語プレゼンテーションに特化した授業に取り組んだ。実践後、眞田(2010)は「自ら情報を発信し、自分の考えを論理的に英語で発表する力が向上した(p. 161)」としている。これらのことから、当校生徒の課題である自分の考えや思いを表現することができる生徒の育成を目指し、単元を貫く言語活動として英語プレゼンテーションを設定し、その効果を検証していくこととした。
 英語プレゼンテーションは単元の目標言語材料を習得・活用する場面として設定され、生徒はプレゼンテーションの準備を進める過程で、目標言語材料も繰り返し学習した。また、プレゼンテーションに必要な技能やスライドの作成方法なども指導した。
 結果として、英語プレゼンテーションは目標言語材料の習得に肯定的な影響を与えるということが明らかとなった(p<.01)。これは生徒が単元を通じて多くのインプットが与えられ、アウトプットすることによって習得が促されたのだと考えられる。また、リハーサル時には教師からの明示的なフィードバックも与えられるため、生徒は振り返る場面が多く与えられた。従って、英語プレゼンテーションをする際には、目標言語材料と関連付けることのできるトピックを選択し、生徒がスパイラルに学習できるように単元構成をすることが大切である。
 また、英語プレゼンテーションで生徒の英語でスピーチすることに対する抵抗を和らげるとともに、英語学習に対する意欲も高めることができた(p<.01)。プレゼンテーションの準備段階ではペアで活動することが多く、協力しながら進めることが多くなる。仲間の存在が英語学習に対する意欲を高めてくれたのだろう。

〈参考文献〉
眞田弘和 (2010).「英語プレゼンテーションに特化した授業による論理的思考能力を高める試み【共同研究】」『STEP BULLETIN vol.22、 pp. 161-181』東京:EIKEN BULLETIN

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「教科等研究セミナー」
ライティング活動における正確性を支援する指導の工夫
―コレクションコードの活用を通して―
十日町市立南中学校
小磯 雅浩

 生徒たちは、ライティング活動の際に、英文に赤を入れて指導すると、添削されたとおりに一生懸命英文を直すが、英文を書き写す行為で終わってしまう。自分が書いた英文を振り返ることがなく、同じテーマでもう一度取り組んだとしても同じような間違いを繰り返し、英文の正確性の向上に繋がっていない。そこで、継続的に行う3文ライティングの活動において、生徒の英文を単純に赤で訂正して指導するのではなく、コレクションコードを与えることで、生徒の気付きを促すことができれば、自身の英文を推敲することができ、正確性が向上するのではないかと考えた。
 3つの実践を通して、以下のような手順で指導を行った。
1 英作文指導で用いるコレクションコードの提示
2 テーマに沿った3文ライティング(下書き)とコレクションコードによる添削
3 与えられたコードをヒントに、ペアで原稿の推敲
4 課題英作文や定期テストにおける3文ライティング(本番)
 直接赤ペンで修正する添削指導と、コレクションコードによるフィードバックを比べた。コレクションコードをヒントとして与えたことで、生徒たちが自分の英文をもう一度振り返ったり、ペアでの指摘によって間違いに気付いたりする様子が見られた。中学生の指導において、学習者の気付きを促す指導法として、コレクションコードの活用は少なからず有効であったと考える。

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「教科等研究セミナー」
「どの児童にとっても楽しく分かりやすい外国語活動の指導の工夫」
~小学校中学年の外国語活動におけるUDL~
聖籠町立亀代小学校
高綱 敬

  2018年より、小学校中学年から外国語活動を開始し、高学年から教科として行われる。しかし、中学年の児童にとって外国語は身近ものではなく、普段から慣れ親しんでいる児童は多くない。どの児童にとっても楽しく、分かりやすい外国語活動を行うことが、積極的に互いの考えや気持ちを理解し、自分の考えを伝え合う能力の基礎となると考え、二つの手だてを考え、実践を行った。
1 毎時間、授業の始めに活動の流れをホワイトボードで示したり、前時までに行ったことのある活動を取り入れたりし、活動に見通しがもてるようにする。
2 活動に変化をもたせ、5~10分程度の短時間の活動を組み合わせた構成の授業を行う。
 授業の流れを示したり、前時までに取り扱った活動を取り入れたりすることで、児童は活動に見通しをもって積極的に参加する姿が見られた。
 しかし、一つ一つの活動が10分を超えてくると活動に集中できなくなる児童が出てきた。また、発話する内容が文章になると、うまく覚えられず発話することに消極的になる児童が出てきた。扱う表現はなるべく減らし、簡単なやりとりで活動ができるように、短時間の活動を積み上げて、主活動に繋げられるような活動の内容と構成を錬る必要がある。児童に飽きさせず、テンポよく活動を進められるように、どのような授業の手法があるか、今後も研究を続けていきたい。

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「教科等研究セミナー」
コミュニケーションを図る意欲を高める絵本を用いた活動の在り方
湯沢町立湯沢小学校
田村 千秋

  中央教育審議会で、「中学年においては、外国語に慣れ親しみ、『聞く』『話す』の2技能を中心に外国語学習への動機付けを高めるための外国語活動を行うことが求められる。」ということが提言された。中学年における外国語活動では、興味をもって「聞く」「話す」活動を充実させていくことの重要性が高まっている。
 そこで、絵本の読み聞かせを中心にした単元を構成した。絵本は、英語が分からなくても、挿し絵を見ればある程度ストーリーを想像することができ、日本語を介さずにストーリーを頭に作り上げることができる。また、口ずさむことが簡単なリズミカルな表現が繰り返し使われていて、その表現は覚えやすく、記憶に残りやすい。以上のことから、絵本の読み聞かせを通して、「英語で何と言っているか分かった。」「やってみたらできちゃった。」という小さな成功体験を積み重ねていくことができると考え、以下の手だてを講じて実践を行った。
1 絵本のストーリーを活かしたクイズやゲーム等のコミュニケーション活動の設定
2 キーセンテンスを用いる場面に気付くデモンストレーションや絵本の読み聞かせの場の設定
 その結果、単元の導入に絵本を用いて場面設定を行い、キーセンテンスを使って児童とやり取りをしながら絵本の読み聞かせを行うことは、興味をもって聞くために有効であることが明らかになった。ただ、絵本に使われている英語表現そのままでは、コミュニケーション活動として中学年にとって難しいものもあった。そこで、活動に見通しをもち、意欲的に英語を発話したり英語を使って活動したりすることに楽しさを感じることができるよう、使用する英語表現を精選し、コミュニケーション活動を工夫していきたい。

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「教科等研究セミナー」
思いや願いを適切に伝え合うことで課題意識を高める児童の育成を目指して
~ 3学年 総合的な学習の時間「キラリ 胎内市の自まん」の実践を通して ~
胎内市立中条小学校
神田 章

  総合的な学習の時間では、児童が自ら課題を見付け、自ら課題を解決する力の育成が求められている。そのために、学習を通して発見した問題を自分事として捉え、解決の必要感を伴う課題意識にまで児童の意識を高めることが重要だと考える。
 体験活動等を通して、児童は対象に対して様々な気付きを得るとともに、思いや願いをもつ。しかし、そこで得た気付きは、そのままでは無自覚なものである場合が多い。そのような児童の無自覚な気付きを、自覚化された気付きへと高めていくことで、課題意識が高まると考える。なぜなら、気付きが自覚化されることで、課題解決の必要感をもったり、解決への見通しをもったりすることができるからである。そのためには、児童がもつ思いや願いを適切に伝え合うことが大切だと考える。思いや願いを適切に伝え合うとは、自分の考えを主張したり、相手の考えを受け入れたり、互いの考えに折り合いを付けたりすることと捉える。
 本研究では、児童が互いの思いや願いを適切に伝え合うコミュニケーションスキルの育成に着目し、実践を行った。本研究におけるコミュニケーションスキルは、以下3点のように捉える。
1 オープン・クエスチョン等、思考を広げたり深めたりする質問の仕方
2 あいづち等、好意的な態度を示す聞き方
3 アサーションスキル等、自分と相手の思いとの折り合いのつけ方
 児童の課題意識を高めるために、上記のようなコミュニケーションスキルを意図的・段階的に児童に育成し、話合いの際、それらを活用させることでの指導効果を検証した。

<参考文献>
「自尊感情をもたせ、きちんと自己主張できる子を育てるアサーションスキルトレーニング40」 リサ・M・シャーブ著 上田勢子訳 黎明書房 2011
「信頼ベースのクラスをつくる よくわかる学級ファシリテーション② 子どもホワイトボード・ミーティング編」 岩瀬直樹・ちょんせいこ共著 解放出版社 2011

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「教科等研究セミナー」
主体的・対話的な学習を目指した手立ての工夫による表現力の育成
新発田市立本丸中学校
長谷川 直紀

  これまでの私自身の授業を振り返ると、生徒の目的意識が不十分なまま授業を進めていることが多く、結果としてノートやレポートの考察の記述に深まりが見られないといった課題を感じていた。そこで、この現状に対し本研究では、理科における「探究する」ことをアクティブ・ラーニングの視点でとらえ、以下に示す手だてを講じて生徒の表現力の育成を目指した。
1 W型問題解決モデルをもとにした課題設定(主体的な学習へ向けて)
 W型問題解決モデルをもとに、学習内容に関する事象の情報を得るための「観察」と、獲得した情報から仮説を立てて検証する「実験」の2段階に活動を分けて授業を計画した。
2 課題に正対したまとめを考えさせる(対話的な学習へ向けて)
 学習を通して課題を常に意識し続けるために、ノートやレポートの指導においては、課題とまとめ(考察)が正対するように指導をした。また、書くことが苦手な生徒に対しては、まとめに何を記述すべきか班内で話し合う場を設定し、他者の考えを聞くことで手がかりを得られるようにした。
3 自身の学びを振り返る場面を設定(自身の学びのメタ認知へ向けて)
 自分自身の学びを振り返る場面を設定するために、章の前後で行う「before&after」と授業での学びを継続的に記録する振り返りシートを用意した。日々点検しコメントを返すことで、学びの振り返りを習慣付けるようにした。
 以上の手だてにより、レポートの考察欄や章末の振り返りシートの記述を分析したところ、授業で得た知識を盛り込みながら課題と正対した記述ができる生徒が全体の9割程度まで増加した。今後も継続して実践を続け、長期的な指導による成果について検証していきたい。

<参考文献>「発想法」/川喜田二郎.中央公論社.1967
<参考文献>「W型問題解決モデルに基づいた科学的リテラシー育成のための理科教育に関する一考察―問題の把握から考察・活用までの過程に着目して―」/五島政一・小林辰至.理科教育学研究 vol.50.№2.2009

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「教科等研究セミナー」
科学的な根拠を明確にし、現象を説明できる生徒の育成を目指して
~中学校3年「化学変化とイオン」において4つの手だてを用いた実践~
五泉市立山王中学校
荻野 伸也

  理科の学習において、科学的思考力・表現力・判断力の育成は重要な要素である。しかし、本校生徒の実態をレポート記述やアンケートから分析すると、考察時に直感や既有の科学的概念と観察・実験結果を結び付けていない実態が明らかになった。
 そこで、生徒が根拠を明確にできると考える手だてを4点を導入することにした。導入した手だては、「1枚ポートフォリオ評価」、「スモールステップのワークシート」、「ワールドカフェ」、「視覚的に捉えられるツール」の4点である。2年間、中学校3年「化学変化とイオン」の単元において、この4点を用いた実践を行った。

1 研究1年次(手だての有効性の検証)
 手だて4点を取り入れた授業において、生徒のワークシート記述を分析すると、根拠となる知識や科学的概念が全て記述されていた生徒の割合が、平均80%以上であった。さらに、各手だての有効性を、ワークシート記述との相関や、プロトコル分析から行った。その結果、それぞれの手だてを活用して、生徒が現象の根拠を見いだしていることが明らかになった。生徒が、現象の根拠を明確にする上で、手だて4点は有効であると立証できた。
2 研究2年次(手だてを利用した説明活動の充実)
 2年次は、手だて4点を活用しながら、生徒一人一人が他者に説明する活動を導入した。他者への説明活動は、「主体的・対話的で深い学び」を促すことにつながる。評価方法を工夫しながら実践を重ね、生徒の変容を分析した。分析の結果、多くの生徒が、現象の根拠を明示しながら他者に説明していく姿に変容していった。
 本研究で、導入した手だて4点は根拠を見いだす上で有効であると立証できた。さらに、説明活動を充実させることで、生徒が根拠を意識して事象を捉える姿に変容していくことが明らかになった。今後、他の単元でも実践を積み重ね、「主体的・対話的で深い学び」を促していく。

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「教科等研究セミナー」
誤概念定着を解消する理科指導
新潟市立巻北小学校
江端 卓

 これまで、理科の実践をしていく中で感じられた児童の姿は以下の通りである。
 「見ることができる現象だけに目を向けてしまい、そこにとどまってしまう。自然の事物・現象に詳しく迫ろうとしたり、それらの仕組みについて考えたりすることがないと、表面的な理解で満足してしまう。そのため、条件が変わったり、場面が違ったりしてしまうと、説明できなくなる。」
小学校4年で学習する目に見えない事象の理解は、実験結果を説明するだけでは十分ではない。また、児童がもつ誤概念は日常生活から得られたものが多く、なかなか変容しにくい。
これを解消する手だてとして、小学校4年理科「水の3つのすがた」「ものの体積と温度」において、観察実験を行うとき、次のような働き掛けを行った。
1 予想や結果を吟味させるために、比較する観点を提示する。
2 目に見えない変化は、ホワイトボード上で、モデル図を用いて表現させ、その内容を説明させる。モデル図は粒(大きさや形の変化)と矢印(動く方向と強さ)で表す。
3 予想や結果について、小集団でリレー形式の説明活動を行わせる。
4 実験結果とその説明をもとに、他の関連する事象へ適用させる。
比較する観点をもとに、個人でモデル図を作成させ、小集団の中でそれらを検討させたことで、児童の思考が修正されたり、補完されたりした。また、リレー形式で説明活動を行わせたことで、全員参加の意識が高められ、学習を自分事として捉えさせることができた。さらに、他の事象へ適用させることで、児童は、新たに獲得した概念を確かなものにすることができた。
一方で、課題は以下のことが考えられる。
・導入場面で学習課題の共通理解を図ること。
・机間指導での児童理解と、教師の言葉掛けの精度を上げること。
・児童同士が、互いの考えを聞き合い、妥当性を検討できるような小集団の仕組みを作っていくこと。

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「教科等研究セミナー」
観察・実験の結果に即した考察が書ける理科指導
新潟市立漆山小学校
豊岡 篤

  TIMSS2011では、理科において記述式の問題の正答率は51.4%で、半数近くが正答できていない結果となった。また、平成24年度に実施された理科における全国学力・学習状況調査では、「科学的な思考・表現」に関する評価が重視され7割の問題がこの評価に当てられていたが、平均正答率は57.8%であった。この調査の報告書の中で、理科において「観察・実験の結果などを整理・分析した上で、解釈・考察し、説明することなどに課題がみられる」と示された。
 知識はしっかりと身についているが、それを用いて科学的に説明したり、論述したりすることを苦手とする児童は多い。特に考察場面では、実験・観察で得られたデータを使っていなかったり、科学的な用語を正しく使えずに、論理的な文章になっていなかったりしている。
 そこで、考察において実験・観察から得られた結果を正しく使い、科学的な論述が書ける児童を育てるために、データの読み取りの工夫をしたり、話合いを通してデータと文章の整合性を確認したりして、考察を書くことができるようにする。
 次の3点から解決に迫った。
1 結果の整理
 これまでの実践から、予想や結果の整理の場面で、他者の結果と比較をしやすくすると規則性や法則を見付けやすいことが分かった。他の単元でも同様にまとめることができるか検証するとともに、考察への記述につなげるために実験結果にある共通の数値や現象に着目させた。
2 話合い活動
 話し合うときに、自分の考えを伝え合うだけの話合いになっていることがあった。そこで、話合う論点を、「実験の結果が正しく述べられているか」「結果から分かったことが妥当か」として、話し合いを行う目的を明確にした。
3 「科学のことばブック」の作成
 振り返りの場面で、新たに出てきた科学用語を単元ごとにまとめた。単元を通して繰り返し科学用語を確認し、使用することで知識の定着につなげた。
 児童の考察を書くための支援となったが、まだ論理的でない考察を書いている児童もいる。実験結果を正しく解釈し、考察を書くことができる児童を育てるために、これからも研究を続けていく。

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「教科等研究セミナー」
どの子も自分の考えを記述できる理科指導
長岡市立大河津小学校
吉田 航

  国際学力調査の結果から、思考力・判断力・表現力を問う、記述式問題に課題があることが指摘されている。これまでの私の指導は、考察等の記述の場面に力を入れてきたが、不十分な記述が多い状況であった。また、理解は十分であっても、なかなか記述ができないという児童も多く見られた。
 これらから、児童全員が自分の考えを記述できることを目指し、次の2点から解決に迫った。
1 単元を貫く言語活動の設定
 何のための実験か、何のために考えを記述するのかが明らかになるよう、単元を貫く言語活動を設定した。単元の導入時に中心課題を設定し、振り返りの際には中心課題についての考えを書かせるようにしていった。書く目的を明らかにすることで、見通しをもたせることと意欲の継続を図った。
2 つぶやき(自分の思い、考え)を記述できる付箋の活用
 実験や観察をする際、縦2.5cm、横7.5cmの大きさの付箋を用意し、1枚の付箋に1文か1単語を記述するようにした。記述の内容を、事実・感情・疑問に分類し、付箋の端に記号を書かせた。簡単にメモできることから、書くことへのハードルを下げ、考察や振り返りでの記述の材料となることをねらった。書いた付箋はグループ内で見せ合うことも行った。
 単元を貫く言語活動を設定したことで、児童は目的意識をもって実験に臨むことができた。実験場面だけでなく、考えを記述する場面や考えを交流する場面でも意欲的に取り組む様子が見られた。付箋を活用したことで、普段はなかなか考えを記述できない児童が積極的に記述していく姿が見られた。また、記述の内容を分類させたことで、児童は、実験結果を予想と繋げて考えたり、次時への見通しをもったりすることができた。付箋に1文、1単語という制限を設けたことで、書いた内容を整理しやすくなり、まとめて記述する際に有効であった。
 児童全員が記述できるようになってきたが、「科学的」という点で不十分な児童もいる。また、単元を貫く言語活動は有効に働く場面もあるが、児童に身に付けさせたい力や考え方から、更に有効なものになるよう、活動内容を熟考していく必要がある。

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「教科等研究セミナー」
習得した知識・技能を活用する児童をはぐくむ理科指導
燕市立燕東小学校(上越教育大学大学院)
橋本 直信

  中教審の教育課程企画特別部会は、新しい時代に必要となる資質・能力の1つとして、「知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)」を挙げている。つまり、習得した知識・技能を活用する力が求められている。私は、次の2つの手だてを用いて実践を行った。
1 児童に見通しをもたせる課題提示と教具の工夫
 私の今までの経験では、習得した複数の知識を組み合わせて考える問題や日常生活に置き換えて考える問題になると、答えられない児童が多かった。これは、児童が学習した知識・技能をどう使っていいのか見通しをもつことができていないことが原因であると考えられる。児童は見通しをもつことができれば、課題解決に向かうことができる。そのためには、課題やその提示方法を工夫し、見通しをもたせる必要がある。また、課題を解決するためのツール(教具)があればなおさらである。そして、課題を解決していく中で、習得した知識・技能が課題の解決に役立つよさや日常生活との結びつきを実感することができると考えた。
2 自分の考えを深める3つの説明活動
 1つ目の説明活動は、個人➡班(教師)➡全体とスモールステップで行う説明活動である。班での話合い、または教師への説明を挟むことで、自分の意見に自信がもてなくても、班の友達の意見を聞いて自信を得たり、意見を変えたりしながら自分の考えを確定することができる。2つ目の説明活動は、ネームプレートを活用し、自分の立場を示して行う説明活動である。ネームプレートを活用することで、全員が自分の立場を明確にし、課題解決を行うことができる。3つ目は、班で協力し、全員が参加する状態を作り出す説明活動である。教師に説明し、合格をもらわないと実験できないというルールを作る。教師に説明する際、班の誰が指名されても説明できるようにしておくことを事前に話し、他人事ではいられない状況を意図的に作る。
 以上の3つの説明活動を状況に応じて選択したり、組み合わせたりすることで、自分の考えを深め、習得した知識を活用する力をはぐくむことができると考えた。

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「教科等研究セミナー」
中高の学びの連続性を意識した中学校数学の授業づくり
~関数において高校数学への接続を意識した取組~
新潟市立高志中等教育学校
神蔵 康紀

  中高一貫校で学ぶよさは、数学を学ぶ大切さや、次にどのように発展していくのか、数学が社会の発展や自分の将来のためにどう役立つのかについて、継続的に学ぶことができることである。実際の授業の場においては、高校の内容を意識した試行錯誤や、実験、観察、資料を収集整理することで数学的活動を促していくことができる。
 中学校3年で学ぶ関数y=ax^2(以下、^2は2乗を表す。)は、一般に2次関数と包含関係があるが、そのことには触れられずに単元の学習が終わる。その後、高校数学Ⅰで、2次関数の一般式y=ax^2+bx+cをy=a(x-p)^2+qと式変形して放物線が移動することを学ぶ。関数y=ax^2と2次関数の共通点や相違点に気付くと、関数y=ax^2のグラフの特徴や値の変化の様子が鮮明になると考えた。また、中学校3年で一度触れておくことで、グラフの平行移動と式との関係の原理について、高校で学ぶ段階での理解も助けるようになると考える。
 授業の取組では、y=ax^2のグラフについて2次関数のグラフとの比較により、放物線の頂点はいつも原点にあるものという思い込みを揺さぶる。生徒たちはいくつかの2次関数(今回は、y=x^2-4とy=x^2-4x+4)について作図することで表やグラフで値の変化やグラフの様子を観察し、それらを比較検討することで、帰納的に一般的な2次関数のグラフについて学ぶ。課題解決に向け、仲間との協働的な活動により理解を促した。
 数学Ⅰの学習内容は、中学校の内容からの接続を考えて構成されている。この実践により、生徒にとっては、既習事項だけのつながりよりも、将来学ぶべき内容についても触れることにより、今学んでいることについての理解を深めやすいことが確認できた。生徒の学習内容の理解レベルに応じて適切で、将来につなげられる発展を扱っていくことは有効である。

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「教科等研究セミナー」
協同学習を取り入れた授業の工夫
~1年方程式の単元において~
新潟市立大形中学校
本間  寛之

  2021年度全面実施される学習指導要領では、初等中等教育において、何を教えるかという知識の質や量の改善に加え、どのように学ぶかという学びの質や深まりを重視し、主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆるアクティブ・ラーニング)やそのための指導の方法を充実させていく必要性について言及している。
アクティブ・ラーニングの学習スタイルとして、これまでにもファシリテーション、構成的エンカウンター、ピア・サポートなど、生徒間の相互作用を重視したものが多く扱われてきている。中でも生徒間のかかわりを重視した授業設計である、協同学習の基本技法に注目した。協同学習は、生徒が更に効果的に一緒に勉強するのを手助けするための原理と技法(JACOBS et al. 2002)であり、様々な技法がある。
1年生の方程式の単元を通して、協同学習のスタイルと技法を計画的に組織し、実践を行う。主体的・協働的に学ぶアクティブ・ラーニングの手法を取り入れることで、学習意欲と学力の向上につなげたいと考えた。
  本実践では「協同学習の技法」(バークレイほか、2009)、先生のためのアイデア・ブック-協同学習のための基本原則とテクニック-(ジェイコブス 2002)を参考に技法を採用した。方程式の単元において、問題の質に応じて次の①~④の技法を用いた。①相談タイム、②お隣に聞こう、③ラーニングセル、④テスト=テイキング=チームである。これ以外にも多くの技法があるが、1年生なので、基本的な技法に絞って採用した。
  実践を通して、生徒の学習意欲や学力の向上を図ることができたかを検証していく。また、協同学習の効果的な取り入れ方について分析をする。

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「教科等研究セミナー」
表、式、グラフのそれぞれのよさを実感し、主体的に課題解決に生かそうとする生徒の育成
~「表・式・グラフシート」を用いた一次関数での実践を通して~
見附市立南中学校
鈴木 克佳

  過去の全国学力・学習状況調査の数学の結果から、関数領域の指導に大きな課題があることが分かる。また、学習指導要領解説数学編では、表、式、グラフを相互に関連付けて関数の特徴を調べる能力を伸ばすことを重視している。しかし、これまでの私の指導を振り返ると、式に関する知識や技能を習得させる指導に偏っていた。
 このような実態を踏まえ、本研究では、2年生の一次関数の指導において、生徒自らが選択する「表・式・グラフシート」を用いた実践を行った。この実践で、表、式、グラフの考えをそれぞれ比較、検討することで、それぞれのよさを実感し、課題解決に生かそうとする力を高めることができるかを検証した。
 授業中の生徒の様子や単元後のアンケートから、表、式、グラフのそれぞれのよさを理解しながら課題解決に取り組む様相が見られた。また、単元後の評価問題の結果から、表、式、グラフを相互に関連付けて課題解決する力の向上が見られた。

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「教科等研究セミナー」
生徒の学びに向かう力を引き出す手だての工夫
~「確率」商品当てゲーム問題において、対比的に課題を提示することを通して~
新潟大学教育学部附属長岡中学校
宮田 雅仁

  商品当てゲームとは、次のような問題である。「挑戦者の前に3つの箱が置かれている。その1つは、賞品が入っている当たりの箱である。司会者はどれが当たりの箱かを知っている。ゲームの進め方は①挑戦者は、最初に1つの箱を選ぶが、中を見ることはできない。②司会者は、残った箱のうち、はずれの箱を1つ開けて見せる。③挑戦者は、最初に選んだ箱を変更する、または、変更しない、のいずれかを選択する。」である。
 直観として、2択になるわけだから変更してもしなくても当たる確率は1/2になると思われるが、実際は変更した場合、当たる確率が2/3となる。
 この授業において、これまでの自分自身の指導を振り返ると、次のような流れであった。
1 教師が商品当てゲーム問題を示す。生徒は数学的に変更してもしなくても当たる確率は1/2と考える。
2 教師が実験をして確かめるよう指示する。
3 教師が実験結果をまとめ、変更した方が当たる確率が2倍高くなることを確認する。
4 生徒がどうして2倍高くなるのか疑問に思い、数学的に追求する。
 この流れの問題点として、ほとんど教師主導になっていることが挙げられる。
 そこで、本実践では、ゲームの進め方で②を抜いた「進め方1」と通常の進め方である「進め方2」を対比的に提示した。このことにより、上記の流れが次のように変化した。
1' 教師が「進め方1」と「進め方2」の2パターンを提示した。「変更しない場合、当たる確率はどちらの進め方でも1/3になるはずだから、進め方2で変更しない場合の当たる確率が1/2になるのはおかしい。」と生徒は考えた。
2' 生徒は、統計的に確かめてみたいと思い、実験した。
3' 生徒が実験結果をもちより、変更した方が確率が高くなるという評価をした。
4' 生徒は、変更した方が確率が高くなることを数学的に追求した。
 課題を対比的に提示したことにより、問題解決のプロセスを生徒主導で進展させることができた。しかし、「3'」では、実験方法が適切でない班もあったため、変更した方が高くなるという評価にとどまり、2倍という数値に着目できなかった。今後は「2'」に教師がどの程度介入していくべきかを検証していきたい。

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「教科等研究セミナー」
多様な考えを生かし、児童の考えを深め広げる算数授業の具現を目指して
新潟市立小針小学校(大学院)
齋藤 誠也

  これからの算数・数学教育において、「主体的・対話的で深い学び」を実現することが求められる。児童が「深い学び」を感じるためには、他者との協働が必要である。
 今までの私の授業を振り返ると、一斉での授業を中心としながら授業者が仲介役となり、児童の話をつなげたり児童同士の話合いを促したりすることが多かった。多くの授業が一斉指導を中心とした授業だった。このような授業では、数人の児童の考えしか取り上げることができなかった。また、授業のねらいに沿った考えのみを取り上げてしまい、児童の素朴な考えを生かすことができなかった。さらに、「友達の話を聞く」「黒板に書かれたことをノートに写す」のみで授業を終える児童や学び合いに参加することのできない児童が存在した。
 そこで、児童同士が主体的にかかわり、学級の児童全員が学習活動に参加し、他者との協働を通して学びを深め広げていく授業の具現を目指した。
1 ファシリテーションの手法を取り入れた学習活動
 「付箋と模造紙を用いたグループでの話合い」を行った。ファシリテーターやライターといった役割は与えず、全員が同じ立場で話合いをするようにした。発表の順番や心構えは確認し、話合いにおける視点を明確にして話し合わせ、模造紙に記録させながら、児童同士の交流を生み出した。
2 ジグソーの手法を取り入れた学習活動
 「同質集団での話合い(エキスパート活動)と異質集団での話合い(ジグソー活動)」を行った。エキスパート活動で、自分の考えを確立させ、ジグソー活動の中での主体的・協働的な交流につなげた。
 本実践を通して、児童同士が相互に作用し合う手法を意図的に取り入れた学習活動が、児童の学びの深まりや広がりを具現する上での有効な手段となり得ることが分かってきた。今後もよりよい指導の在り方を探っていく。

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「教科等研究セミナー」
学びの自覚を促すかかわりの場と振り返りの工夫
新潟市立新津第二小学校
佐藤 晶子

  「算数が楽しい」というアンケート項目に否定的に答えている児童にとって、算数の学習は「嫌い」「楽しくない」と感じる教科である。このような児童が多い学級では、普通に算数の学習を行っても児童は算数を楽しく感じない。
 そこで、算数の授業では特に、学習問題の提示の仕方、問題解決の見通しのもたせ方、ペアや班でのかかわり方など様々な取組を行ってきた。児童は算数の授業中は楽しんで学習に取り組んでいた。しかし、各単元が終了した後のアンケートでは、「算数が楽しい」と答える児童の割合は大きく変化しなかった。
 私はその原因を、「授業で何が分かったのか」「どんな考えのよさに触れたのかと」いった「学びの自覚」がないからではないかと考えた。算数の学習で「何を学び何ができるようになったのか」という「学びの自覚」をすると算数の楽しさが分かるようになるだろう。そのことで、「算数が楽しくない」という児童は減り、「楽しい」と感じる児童が増えると考えた。
 本研究では、学びの自覚をもたせるために、学んだことや新たに手に入れた考えを学習後に振り返り、文章によって表現させる。そのため、振り返りの視点を示して指導するとともに、意図的なかかわりの場を設定した。かかわりの場を工夫した授業後、振り返りを書かせることで学びの自覚を促せるかを、単元終了後のアンケートの結果と振り返りの内容をもとに検証した。

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「教科等研究セミナー」
筋道を立てて考えたり、自分の考えを表現したりする力を育成するための指導のあり方
~説明し、伝え合う活動を通して~
新潟市立南万代小学校
船越 朗

  全国学力・学習状況調査のB問題は、「筋道を立てて説明したり、論理的に考えたりして、自ら納得したり、他者を説得したりできることが大切である」とされている。
 しかし、担任した学年の児童の約4割が児童質問用紙において「自分の考えを他の人に説明したり、文章に表したりすることが難しい」と答えた。また、授業では、答えが分かるものの考えに自信がもてなかったり、分かりやすく表現できなかったりする児童の様子が見られた。
 以上の実態から、日頃の授業において、自分の考えを説明し伝える活動を取り入れていく必要性を感じた。その際、根拠を明確にしたり、実際に作業をしたり、視覚的な図を用いたりすることでより説得力が高められる。説得力が高まれば、他者と解決方法を共有しやすくなると考える。
そこで、説明の仕方を身に付け、相手意識をもって説明できるよう、以下の手だてを講じた。
1 図や式を言葉と対にし、手順を分けて書かせる工夫
 根拠を明らかにしながら、筋道を立てて考え説明できるよう、図や式と手順を分けて書かせる。順序や根拠、用語の使い方のポイントを示し、それらを踏まえながら文章表現ができるようにする。
2 相手意識をもたせた言語活動の設定
 筋道を立てて自分の思考を書いた児童は自分の考えに自信をもつだろう。しかし、全体での練り上げ活動だけでは全員に自分の考えを伝える場が保障されているとは言い難い。そこで、自分の考えをペアで説明し合う場を設定する。相手意識や目的意識をもつことで、説明の仕方を考え、書き表す力を身に付けることができると考える。
 進んで自分の考えを他の人に説明したり、文章に表したりする児童が多くなるよう今後も研究を重ねていく。

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「教科等研究セミナー」
子どもが夢中になって考え、理解を確かなものにするための数学的誤概念を生かした授業づくり
新潟市立新潟小学校
佐藤 諒子

  児童の理解は、分っているつもりでも、経験をもとにして考えがちである。このような経験的、自然発生的にもつイメージや思い込みのことを、「数学的誤概念」と呼ぶこととする。児童に夢中になって考えさせるためには、経験とのズレを感じさせる手だてが必要である。そのズレから、児童が「なぜだろう。」と学習課題をもち、集中力を持続させて思考するようになり、友達と考え合うことで理解を確かなものにしていくと考える。
 そこで私は、第4学年の単元「角」と「小数」の実践を通して、次の2点から検証した。
1 数学的誤概念が表出する問題提示
 「角」では、パックマンを児童に作らせ、一番大きな口を開けているパックマンはどれかという問いに、180°が一番大きいと捉えている児童が多く、これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないという数学的誤概念を表出させた。また、「小数」では、小数第二位までの数+小数第一位までの数の筆算において、小数点の位置を揃えずに、末尾を揃えてしまう数学的誤概念を表出させた。
2 揺さぶりをかける発問から作る、数学的誤概念をもとにした学習課題
 「角」では、180°口を開けているパックマンを指して、「これ以上大きな口を開けたパックマンは作れないよね。」と揺さぶりをかけると、「作れない。」という児童と、「あごがはずれちゃうけど、できるよ。」という児童に分かれ、『一番大きな口を開けているパックマンは、どんなパックマンなのかな』という学習課題が生まれた。「小数」では、教師が間違えた方法で計算して見せ、「これでいいよね。」という問いに、児童は、「違う。」「なんで違うか言える。」と話し始めた。『小数どうしのたし算は、どうやって計算すればよいのかな。』という学習課題が生まれた。児童は、学習課題がはっきりすると、夢中になって考え始め、話合いを通して数学的概念を獲得し、理解を確かなものにしていった。
 このような授業を進めていくには、教師が児童の数学的誤概念を把握しておく必要があると考える。今後は、児童がどんな誤概念をもっているのかを探していきたい。

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「教科等研究セミナー」
意味と手続きを関連させた算数指導
新発田市立御免町小学校
岩﨑 賢一郎

  算数科における考え、表現する手だては、具体物の他、言葉、数、式、図、表、グラフなどである。また、「考える能力と表現する能力とは互いに補完しあう関係」(学習指導要領)である。これまでを振り返ると「ある問題に出合ったときに、頭の中で考える児童が多い」という印象が残る。手続き(立式や答えに至る一定の形式や順序)ばかりが先行して、意味(立式や答えに至る根拠)が伴っていないのである。つまり、立式したり計算したりするときに、直感的、形式的に考えていて、立式や解に至る根拠が見えないのである。
 以上のことから、計算や立式をするときに、意味と手続きを関連させて考えさせることにより、児童たちは考え、表現し、理解がより深まっていくのではないかと考え、次の2点から課題の解決に迫った。
1 モデルの共有化
 2桁×1桁の筆算において、「位ごとに計算する」という筆算の原理(意味)を図式化したモデルを示し、共有化を図った。この図式を使うことにより、繰り上がりの仕方や3桁×1桁の計算(手続き)が意味を伴ってできるようになった。
2 モデル図の活用
 2段階の式で答えを求める問題は、学力テストで正答率が低かった。複雑な問題場面を図化することが重要と考え、モデルの図を示した。児童は、別の問題でモデルの図(意味)を問題場面に合わせて新しく構成して正しく立式(手続き)することができた。
 今後も、問題解決場面で様々な方法が選択できるよう、場面に応じたモデルを示し、活用させることによって、児童が意味を伴った手続きをできるよう研究していく。

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「教科等研究セミナー」
考える楽しさを実感する児童の育成
~6年「分数の除法」の学習を通して~
魚沼市立須原小学校
安原 雄貴

  全国学力・学習状況調査において、算数・数学の学習に対する関心・意欲・態度についてのアンケート結果が示されている。そこでは、各質問に対する肯定的評価が軒並み80%を超える中、「算数の勉強は好きですか」の質問に対する肯定的評価のみが7割を切り、66.7%となっている。
 当学級では、昨年から「算数の授業が楽しいか」のアンケートを行っている。そこで、肯定的評価をした7割の児童は、課題を解決することに、楽しさを感じていることが分かった。課題について考えを巡らし、解を得ることが喜びにつながっていることを確認した。また、「数と計算」の領域が他の領域よりも、考える楽しさを感じる児童が少ないことが分かった。このことから、算数の「数と計算」の領域で、考える楽しさを実感する児童を育成したいと考えた。
 6年生では、「分数の除法」について学習する。「分数の除法」では、演算決定が難しいことが広く指摘されている。当学級の児童も、分数の除法の学習で考える手だてをもてず、演算決定につまずき、楽しさを感じることができないと考えられる。
 そこで、本研究では、「分数の除法」の学習において、演算決定するための手だてを用い、思考を促すことが、考える楽しさを実感することに有効かを検証する。

【手だて】
1 数の関係を比例的に捉えさせるために、対応数直線を用いる
 対応数直線図を使って、数の関係を捉えたり分からない数を推測したりすることによって、演算決定を容易にすることができると考える。
2 数直線の数学的表記に対する意味付けや見直しを行う場面を設定する
 数直線上に表わした数や矢印、比例的に捉えた数の関係を示す数学的表記について、考えの根拠を説明したり、他者の考えを知ったりすることで、演算決定における過程について考えを深めたり、演算決定の種類を拡張したりすることができると考える。
<参考文献>
分数の乗除法の意味指導に関する一考察 田端輝彦 宮城教育大学 2010
比例的推論の進展を促す数学的表記の探求による授業の開発と評価 日野圭子 宇都宮大学 2010

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「教科等研究セミナー」
自分の考えを説明し、他者と比較することで個の理解を深める工夫
~生徒が思考しやすい資料の内容と意見の比較に重点を置いて~
見附市立南中学校
桶谷 圭介

  生徒が社会的事象を深く理解していくためには、資料から得た事実を基に自分の考えをもち、自分が考えなかった(考える時点で思いつかなかった)視点と出合い、考えを強化したり加えたり、再認識したりする必要がある。資料から読み取った事実が考える出発地点になるので、生徒が考えたくなる(手軽、身近、生々しい)資料と出合うことが必要である。
 今回は以上のことを意識して二つの実践を行った。
 実践①「地方自治と住民参加」
 実践②「第二次世界大戦と国民生活~見附町の様子と長岡空襲を通して考える~」
 実践の中で二つの手だてを用いて、この理解を深めることを目指した。
1 手軽で、身近で、生々しい資料との出合い
 生徒が社会的事象について考えていく出発点となるのが資料である。今回は、生徒にとって手軽に手に入り、身近で、生々しい資料を使うことを意識した。実践①では「広報見附」を用いて、見附市の財政について考えた。実践②では「昭和20年の新潟日報と昭和35年の見附新聞」を用いて、戦中の人々の生活について考えた。
2 自分と他者の意見を比較する
 自他の意見を比較することで、自分には無かった考えを知ることができ、自分の考えを再認識することが出来た。また、資料から読み取り、自分の考えをもった上で、他者との比較の中で思考していくことで、社会的事象について個の理解が深まると考えた。

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「教科等研究セミナー」
資料の読み取りに基づいて思考を深める授業づくり
十日町市立十日町中学校
村山 和弘

  中学校学習指導要領解説社会編では、キーワードとして「思考力・判断力・表現力」の育成が示されている。また、次期学習指導要領に向けた、社会・地理歴史・公民ワーキンググループにおける論点整理においても、「思考力・判断力・表現力」は引き続き重要視されている。これは、社会的事象を単に「知る」だけでなく、その背景や理由を根拠をもって自分なりに表現する力を伸ばすことが今後も重視されていくことを意味している。
 そこで、私は、単元構成を見直し、単元のねらいに即した資料を提示し、多面的・多角的に考察する場面を設定することで、生徒の「思考力・判断力・表現力」が高まると考え、研究テーマを「資料の読み取りに基づいて思考を深める授業づくり」とした。
 また、上記の研究テーマに迫る手だてを、以下の3点とした。
1 単元を貫く学習課題の設定(=単元構成の工夫)
 単元の始めに学習課題を提示し、生徒にゴールイメージをもたせる。1単位時間で習得した知識・技能を単元のまとめで活用できるため、社会的事象を多面的・多角的に捉え、根拠をもって自分の考えを表現することにつながる。
2 学習課題に迫るための資料の精選
 次の3点を意識して資料の精選を図る。①教科書の記述を再確認できる資料、②教科書の内容を深化・発展させる資料、③教科書と違った視点の資料
 これらの資料を比較・関連付けさせ、自分の考えを深めさせる。
3 小グループによる学び合いの設定
 学習課題の追求のため、個人での読み取りを小グループで発表し合う場面を設定する。これにより、様々な見方・考え方に気付き、自分の考えを再構成することにつながる。
 生徒の「思考力・判断力・表現力」を育成するためには、日々の授業を充実させることが必要である。今後も、単元構成の工夫や学習課題の設定、資料の精選を自らの研究課題として追求していきたい。

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「教科等研究セミナー」
比較・関連付けして社会的事象の意味を捉える子どもの育成
~ クラゲチャートの活用を通して ~
佐渡市立金井小学校
椎井 慎太郎

  「比較・関連付けして社会的事象の意味について考える力」は、社会科で育てたい思考力の一つである。しかし、現行学習指導要領の課題に挙げられているとおり、その指導は難しい。これまでの指導を振り返っても、「関連付けて考えましょう。」と、付けたい力を意識して声を掛けるようにしてきたが、一部の児童にしか関連付けを促すことができなかった。その結果、社会的事象の意味を明確に捉えさせることができなかった。
 そこで、本実践では、児童の自発的な「比較・関連付け」を促し、その結果として社会的事象の意味を捉えさせるために、思考ツールを活用する。思考ツールには、「情報の可視化と操作性」といった特性や「促す」「気付きやすくする」という役割がある。このような思考ツールのよさを最大限に生かすことによって、上述した思考力を育てることができるのではないかと考えた。
 そこで、本実践では次の手だてを講じた。
1 比較・関連付けをさせる場面において、同じ観点の足をもったクラゲチャートを2つ並べる
 社会的事象の意味を捉えさせるために、思考ツールの1つである「クラゲチャート」を活用し、2つ並べて比較しやすくする。さらに、比較した後の自発的な関連付けを促すために、クラゲの足を同じ観点で並べるようにする。このようにすることで、クラゲチャートAの足と、クラゲチャートBの足を比較しやすくするとともに、観点をそろえた足があることで、児童からの自発的な関連付けが促されると考えた。
2 関連付けを促し、相違点を明確にするための学習活動を設定する
 2つのクラゲチャートを比較・関連付けする際に、その相違点が明確になることによって、社会的事象の意味が捉えやすくなると考えた。そこで、そのための学習活動を設定する。具体的には、全体共有場面→自力解決場面→グループ検討場面の3つの学習活動を設定することによって、関連付けを促し、相違点を明確にさせるようにした。
 以上の手だてを行うことによって、6年生「新しい時代の幕開け」の第5時では、クラゲチャートを活用することによって社会的事象の意味を捉える児童が増えた。今後は、政治単元において手だての有効性を検証していきたい。

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「教科等研究セミナー」
社会的事象を多面的に考える力をはぐくむ社会科授業
五泉市立五泉南小学校
番場 裕輔

  学習指導要領では、「公民的資質の基礎を養うこと」が明記され、これから国家・社会の形成者として行動していく上で、児童が社会的事象について自分の考えをもち、多面的に考える力が必要とされることが示されている。         
 そこで、以下の方策を用い、社会的事象を多面的に考える力をはぐくむ授業の在り方を研究した。単元名は、「世界とつながる日本の工業」(5年生)である。                                          
1 価値判断を問う課題を提示する。
    「(自動車の)国内生産と海外生産、どちらを大切にしたら日本の自動車産業は明るいと思いますか。」                           
2 調査活動を行い、事実を集めさせる。
    資料を用いて情報収集をしたり、ゲストティーチャーの話を聞いたりする。                         
3 集めた事実をもとに、自分の考えをもたせる場を設ける。
    討論を前に、自分の立場を決め、集めた事実をもとにして考えをもつ。              
4 討論を行い、考えを交流させる。                             
    討論を通して、多様な考えに触れる。
5 自分の考えをまとめさせる。                               
    これまでの学習を総合して、自分が考えたことをゲストティーチャーに手紙を書く。
 このような方策により、それまでとは児童の発言内容や記述内容に変化が見られ、多くの児童が社会的事象を多面的に考える力が付いた。成果とともに以下の課題もあった。
 ・資料をもとにした事実を自分の考えに反映さえるところにやや弱さが見られた。 
 ・5が自由記述だったため、児童の考えが表出されにくかった。          
 課題を修正し、より児童の社会的事象を多面的に考える力をはぐくむ授業の在り方の研究を今後も進めていく。      

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「教科等研究セミナー」
社会的事象や考えをつなぎ、多角的に考える子どもの育成
~イメージマップの活用を通して~
長岡市立千手小学校
冨澤 智宏

  社会科の授業では、事象と事象とを関連付けて考えたり、仲間の考えと自分の考えを関連付けたりしながら、社会的事象を多角的に捉えていくことが大事であると考える。
 教育課程部会 社会・地理歴史・公民ワーキンググループの「資料14 社会、地理歴史、公民で育成すべき資質・能力の整理(案)」においても、「社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考える力」を一層重視する方向が示された。
 そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 イメージを膨らませるために、事象をつないでいく
毎時間、授業の終末に分かったことや考えたことをイメージマップに記入させていく。事象と事象を関連付けながらつながりを可視化していくことで、社会的事象を多角的に考えられるようにした。
2 個々の考えの関連や違いを可視化するために、考えをつないでいく
 学習問題を追求する場面で、グループで考えを伝え合う時間を設定する。その際に各自の考えを短い言葉でイメージマップに記入していく。多様な考えを関連づけながら1枚のイメージマップに表すことで、共通点や相違点を可視化させる。できたイメージマップをもとに、社会的事象を多角的に考えられるようにした。
 上記の手だてを講じ、6年生の戦争単元で手だて1について、3年生の買い物単元で手だて2について実践を行った。イメージマップを活用することで、社会的事象に対する認識の広がりを可視化したり、他者の考えにつなげて考え、共通点や相違点を可視化したりすることができた。
 今後も社会的事象について多角的に考えることができる児童の育成を目指して研究していく。

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「教科等研究セミナー」
子どもの追求意欲を高め 事実と事実を関連付ける力をはぐくむ社会科授業
~比較を促す資料提示の工夫~
小千谷市立小千谷小学校
石井 寛二

  教育課程部会の社会・地理歴史・公民ワーキンググループでは、「育成すべき資質・能力の整理」で、社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考える力、社会に見られる課題を把握し、社会へのかかわり方を選択・判断する力、そして、思考・判断したことを説明する力を挙げている。これらの力を高めるためには、児童が社会的事象に対して「なぜ」「どうして」という問題意識をもち、「調べてみたい」「知りたい」という追求意欲が高い状態にあることが必要である。
 そこで、児童の思考力・判断力・表現力を高める過程を、次の3つの段階に分けて、それぞれに手だてを講じた。
1 問題意識を高める段階
 2つの資料を提示することで、比較を促し、違いや変化に着目させる。児童が気付いた違いや変化から、「なぜ」「どうして」という問題意識を高める。
2 事実と事実を関連付ける段階
 児童の問題意識が高まった状態で、関連付けさせたい資料を提示する。児童が課題解決のために、社会的事象の特色や相互の関連を考察する姿を期待する。
3 思考・判断したことを説明する段階
 学習のまとめとして、課題に対して自分の考えを記述する。学んだことを自分なりにまとめ直す中で、思考・判断したことを説明する力を高める姿を期待する。
 以上の3つの段階を踏むことで、児童は、社会的事象の特色や相互の関連に気付き、事実と事実を関連付けて記述することができた。
 今後も、追求意欲や問題意識を高める手だてについて研究し、児童の思考力・判断力・表現力を高めていきたい。

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「教科等研究セミナー」
中学生における書字練習指導の工夫
~主に学力低位の生徒に対して~
三条市立本成寺中学校
吉澤 仁志

  多くの中学校では基礎テストと称した漢字テストを行っているが、そのための指導は十分ではなかったという反省がある。また、基礎テストの結果は生徒の自尊感情と密接に結びつくものである。そこで、主に反復学習等を苦手とした学力低位の生徒に対して、漢字の書字練習のワークシートを工夫し、どのような方法が効果的であるかを研究した。
 最終的に作成したワークシートの工夫は、以下の6点である。
・教科書体を用いる。
・音読みと訓読みの漢字を分ける。
・漢字に対応する読みを明確にする。
・漢字の構成要素単位の一部を消しておく。
・漢字は横書きとして、縦に練習する形式にする。
・書字練習は2回とする。
 実践の結果、難しい漢字であっても効果的であると確認できた。しかしながら、長期記憶に対応できるかは今後も検討する必要がある。

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「教科等研究セミナー」
説明的文章をクリティカルに読む学習指導法の研究
~三角ロジックを活用した1.2年説明的文章のクリティカル・リーディング指導のあり方についての一考察~
長岡市立江陽中学校
伊藤 裕

  現在、私たちを取り巻く社会は高度に情報化され、常に情報が自分にとって価値のあるものなのかを主体的に判断しなければならない状況にある。これは、これからの社会を創造する生徒たちも例外ではない。私は、生徒が困難な課題や状況に直面したとき、そこから目を背けるのではなく、自ら考え行動できる主体者に成長してほしいと願っている。困難な課題や状況に直面したとき、それを解決する方法として「本当にそうなのか?」「もっと違う方法はないのか?」と物事をクリティカル(下記※参照)に捉え考えることが有効であると考える。
 国語科において生徒がテキストをクリティカルに読むということは、前述した捉えや考えを活用している姿と考える。しかし、クリティカルに読むといっても、その実際をイメージすることは難しい。本研究では、次の2点に重点を置き研究を推進した。
1 クリティカルな読みを実感しやすくするための工夫
 本研究では、データや事実の客観性、筆者の主張に向かう論理の整合性などから生徒が情報をクリティカルに読むことを実感させるのに適した説明的文章を教材として、それらを読む過程に三角ロジックの活用を位置付けた。また、生徒が実感を伴ってクリティカルな読みを実現していくために、中学校国語教科書に収録されている説明的文章教材を「三角ロジックを活用してクリティカルに読む」という観点で教材研究・分析し、生徒のクリティカルに読む力の伸長を図るにはどのような学習が適しているのかを検討した。
2 クリティカルな読みの系統性の検討
 中学校国語科でのクリティカルな読みをどのように系統立てて指導することができるかについて研究を深めるため、2年間の研究の蓄積をもとに、担当する1・2学年において教材の特性や学習内容の系統性を検討した。
※「クリティカル」とは「批判的」と訳される。しかし、「批判的」という言葉には一般的な理解として「他人の考えや意見の誤りや欠落を指摘する」という意味が含まれる。本研究では、そのような一般的な意味を超えた「課題を自らのものと捉え主体的・創造的に自身の考えを変容させていく生徒の姿」の具現化を目指しているため、「批判的」という語を用いずに「クリティカル」という語を用いた。

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「教科等研究セミナー」
読む意欲を高め、考えを広げたり深めたりする児童の育成
~「リテラチャー・サークル」の手法を生かして~
新潟市立中野山小学校
相馬 朋美

  これまでの物語文の授業では、登場人物の心情やその変化と場面の様子を、発問を通して全体で読み進めることがあった。そして、発言する児童の考えだけで授業が進んでしまうことがあった。そのため、児童一人一人に、登場人物の心情やその変化を主体的に捉えさせることができず、「国語は、どうやって考えればよいか分からない」「つまらない」という思いをもたせることも多かった。
 そこで、本研究では、読書指導法「リテラチャー・サークル」(読んだことと、他のこと(自分の体験等)とのつながりを発見する、読んだ中から自分の好きなことや場面などを、絵に表す等の役割にもとづき、教材文を読む)の手法をもとにした学習活動を組み、児童一人一人が、主体的に教材文にかかわって登場人物の心情やその変化をとらえ、自分の考えを広げたり深めたりできるようにした。 
1 主体的に教材文にかかわらせる工夫
 それぞれの役割をもとに教材文を読む。その際、役割の視点にそって読むことで、教材文に主体的にかかわり、自分の考えをもてるようにした。
2 自分の考えを広げたり深めたりするための工夫
 同じ役割で交流することで、自分の考えを見直したり付け足したりした。その後、異なる役割での話し合いの場を設定し、友達の考えを聞いたり自分の考えを話したりする中で、新たな気付きを得たり自分の考えを深めたりした。

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「教科等研究セミナー」
学習活動を支える国語科書写指導の工夫
~書字場面に応じた書く「速さ」と「丁寧さ」の意識化~
新潟市立東山の下小学校
橋本 佳恵

  文字を書く力は、多くの学習活動を支える重要な力の一つである。しかしながら、書写の授業において学習した内容や身に付けた力が、日常の文字を書く活動に生かし切れないという課題がある。日々の学習において、ノートに書く活動で時間がかかったり、速く書けるが字が雑であったりする児童が多い。そこで、書写の学習指導を日常の文字を書く活動につなげる工夫が必要であると考えた。
 書写に関する事項について小学校学習指導要領を見ると、第5学年及び第6学年において「書く速さを意識して書く」ことが示されている。この点に関して小学校学習指導要領解説国語編においては、「書く場面の状況によって速さが決まってくることを意識すること」や「速く書くことが求められるだけでなく、ゆっくりと丁寧に書くことが求められる場面もある。」としている。このことから、学習指導要領に示されている「書く速さを意識して書く」とは、「速く」あるいは「ゆっくりと」といった速度のみではなく、丁寧さについても併せて指導する必要があることが分かる。先行研究においてはこれらの学習の必要性について触れられているものの、具体的な指導に関して日常化の視点から言及しているものは見られない。
 そこで、本研究では、書字場面に応じて適切に書く力を高めるため、高学年の書写指導において、文字を書く速さと丁寧さについて取り上げて指導した。具体的には、児童が文字を書く際に「速さ」「丁寧さ」を意識させるために「速さのものさし」「丁寧さのものさし」を活用した。文字を書く際の速さや丁寧さを意識させる上で、2つのものさしが有効であるかどうかについて検証し、有効性を確認することができた。

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「教科等研究セミナー」
文学的な文章を解釈する力を高める指導
~思考ツールを活用したグループ検討を通して~
阿賀町立西川小学校
中野 裕己

  文学的な文章における解釈は、読み手の既有知識や既有経験による大きな影響を受けており、同じ文章であっても捉え方に違いが生じることがある。したがって、文学的な文章を解釈する力を高めるためには、文章を多面的な見方で捉えさせることが重要であると考え、グループで解釈を交流する学習を行ってきた。しかし、文章をどのように捉えて解釈を導いているのか理解し合うことが難しく、新たな気付きが生まれて解釈が変容するような深まりは見られなかった。
 そこで、解釈を導く思考過程を明確にして可視化すること、「より納得できるのはどのような解釈か」という問題意識をもたせてグループ検討させることが必要であると考えた。小学校6年生を対象として、次の3つの手だてを用いて授業実践を行った。
1 「AorB」選択式の発問
 解釈を「AorB」で選択させる発問を行った。これによって、児童は「どちらの解釈が納得できるか」という問題意識をもち、主体的に作品の解釈や検討に向かうと考えた。
2 解釈を導く思考過程を可視化するツールの活用
 思考過程を、根拠(教材文)-理由(児童の既有知識や既有経験)-解釈(AorB)の3つの段階に整理した。そして、そのような思考を促し可視化するための思考ツール「キノコチャート」を開発し、児童に活用させた。
3 思考ツールを活用したグループ検討 
 各自が作成した「キノコチャート」を媒介とし検討することで、グループ内の児童が互いの思考を容易に共有することができた。そのことで、AorBどちらの解釈が納得できるか、根拠と理由に焦点化して検討させた。
【研究の成果と課題】
 「どちらの解釈がより納得できるか」をグループで検討する中で、新たな文章に目を向けたり、文章の新たな読みに気付いたりして解釈が変容する姿が見られた。
 その一方で、場面の移り変わりを考慮せずに検討を進める様子も見られた。場面の移り変わりを考慮して検討を進めさせる手だてが必要であると感じた。
 今後も、文学的な文章を解釈する力を高める指導について研究を深めていきたい。そして、文学作品の面白さを感じ取って意欲的に読書に向かう児童を育てたい。

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「教科等研究セミナー」
表現のよさを実感させる指導 小学校低学年の「書くこと」において
燕市立吉田南小学校
松井良江

  すべての言語能力は、充実した言語活動を通して学習者のものとなる。これまでの実践から、小学校低学年の「書くこと」においては、児童の表現意欲を高める単元づくりを国語科と他教科の関連を意識して行うことが有効であると考える。
 特に、豊かな体験は書くことの意欲を高め、児童は進んで自分の思いを表現しようとする。さらに、低学年児童は表現したものを身近な人に見てもらい、心に残った表現を褒めてもらうと「表現できたこと」や「相手に伝わったこと」の喜びや実感を得ることができる。
 しかし、「表現できたこと」や「相手に伝わったこと」の喜びや実感を得るだけでは、児童が「表現方法のよさ」を十分に実感するには至らない。そこで、児童が自らの課題を中心に協働的な交流活動を行い、主体的に課題を追求し、解決していく過程を、学習活動として組織することができれば、「表現方法のよさ」を十分に実感することができると考えた。また、繰り返しの学習を通して、低学年児童が「表現方法のよさ」を実感していくものと考えた。
 近頃、みんなで意見を出し合って学び合ったり、教え合ったりして学習することが困難な状況が見られる。低学年においても、「自分に自信がもてない」「安心感のない雰囲気は嫌だ。心配だ」という児童はいる。このような現状において、まず一人一人に自信をもたせて仲間と関わろうとする児童を育成し、安心感のある雰囲気をつくることが前提にあると考える。そして、児童の思考を広げ、深め、高める指導について「交流」をすることの意義と「書くこと」の力の高まりとを関連させて検証したい。どのような指導方法が、小学校低学年が「書くこと」に対する意欲をもち、表現方法のよさを実感させる指導なのかを、本研究を通して明らかにしていく。
 

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「教科等研究セミナー」
全員が、問いに向かって主体的に考え、わかる喜びを実感する国語授業
~UDLの視点を取り入れた支援を通して~
三条市立三条小学校
佐藤 亮一

  これまで、一部の児童だけが活躍する国語授業からの脱却を図るため、UDLの視点を取り入れた学習支援を大切にしてきた。しかし、児童が生き生きと学習する姿が見られた一方で、単元を通して教師主導の授業になりつつあった。これからの未来を担う児童にとって、自分で問いを発見し、その解決に向かって主体的に学ぶことが大切である。そうなり得る単元をつくる必要性を感じた。
 次の2点から、その解決に迫った。
1 活動の中で問いが生まれる単元を構成する
 「ペープサート紙芝居」や「音読劇」など、児童が相手意識をもって取り組むことができるゴールを設定した。そこへ向かうために必要な活動を児童と話し合って、学習計画を立てた。児童は、動作化しながら活動を進める中で、「どこで気持ちが変わるのだろう」など、主体的に問いを見いだしていく。そうした問いを新たな学習課題として設定することで、単元を通して必要感をもって問いを解決していく姿が見られるようにした。
2 問いの解決に必要な情報を視覚化する
 「教材文」「板書」「動作化」という3つの視点で視覚化した。「教材文」では、全文を1枚にまとめたものと、場面ごとに分けたものの2種類を用いて、常に全体を通した気付きと部分的な気付きとを書き込むことができるようにした。「板書」では、必要な情報を色分けしたり、焦点化したりして提示し、問いの答えを捉えやすくした。「動作化」では、互いに見合い、叙述に即した表現ができているかをアドバイスさせた。
 活動の中で生まれた問いを全員で共有すること、問いの解決に必要な材料を焦点付けて視覚化することが、児童の主体性と理解度を高める上で有効である。単元のすべての時間で問題意識と整合した「学習問題」を設定することや、意見が対立したときの話し合い方・決め方を指導することで、これらの手だての有効性を更に高めていくことができると考える。

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「教科等研究セミナー」
考えを整理して書くための思考の仕方を獲得させる指導法
~「思考ツール」を用いて~
新潟市立上山小学校
山本 啓介

  「書くこと」の指導において、次のような問題がある。
○児童は、様々な種類の文章を書くが、単元や文章の種類が変われば、書く内容も使うワークシートも変わってしまうため、年間を通じて書き方が活用されることがなく、忘れてしまう。
○多くの児童が単元で目標とする文章を書けたとしても、どんな方法で書いたか、どんな思考をして書いたかが意識化されていないため、活用や応用ができない。
 上記の問題に対して、本研究では、「書くための思考の仕方」と「繰り返し使用すること」に焦点を当てる。つまり、文種に応じた指導を行いつつ、年間を通して「思考ツール」を用いて文章を書くこととする。「思考ツール」は「読むこと」で活用されることが多く、「書くこと」で有効性が示されている研究が少ない。意見文を書く学習において、毎回使える「思考ツール」を活用して文章を書くことで、思考の整理ができ、継続した学習ができるようになる。思考の仕方が分かれば、自力で文章を書けるようになるはずである。
 数多くある「思考ツール」の中で、H27年度の6学年に実施した研究結果から、児童は簡単な「思考ツール」ほど積極的に使うことが分かった。そこで本研究は、ツールを「ウェビングマップ」「ステップチャート」「付箋」に絞り、書く過程を意識させることで、文章を書くための思考の仕方を獲得させることを主張する。
 本研究は、5年生を対象に、年間を通して「思考ツール」を使い続けるため、3つの単元で研究を続けた。
① 女池上山の環境を全校に伝えよう(意見文)6月実施
② 物語作家になろう(物語づくり)9月実施
③ ALTの先生に和の文化を紹介しよう(プレゼンテーション:原稿づくり)11月実施
 単元構成を考える際には、いずれの単元も、書く活動を3段階に分けることで、書くための思考を理解しやすくした。1段階目に「ウェビングマップ」を、2段階目に「ステップチャート」を、3段階目に「付箋」を活用して、書く活動を行った。
 その結果、順序立てて書くことができるようになっただけでなく、③の実践では、教師の指示がなくとも、児童は「思考ツール」を活用し、プレゼンテーションを作り上げた。児童がそのよさを実感し、自分の意見を文章化するための思考の仕方を獲得したのである。

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「教科等研究セミナー」
考えを可視化し、文章構成の検討を促す「思考ツール」を活用した感想文指導
上越市立稲田小学校
伊藤 和人

 これまでの自身の指導を振り返ると、児童が自分の考えや主張を書き表したり他の情報と比較して異同を述べたりすることに、課題があった。また、書きたいことをどのように書いてよいか分からない児童もいた。これらは、書く内容に関する思考の方法や手順を学習する機会が少なかったことに起因する。感想文を書く前に「思考ツール」を活用し、自分の思いや考えを可視化してまとめることで、文章構成を考えて感想文に書き表すことができるようになると考えた。そこで、感想文に焦点化して書く力の向上を図った。
 「思考ツール」は、使い慣れてくることで児童にとって使いやすいように変更したり、文章構成を考えたりしやすい容易なものとなる。自分の思いや考えを可視化させ、より多く書き出すために「イメージマップ」を用い、順序や内容といった文章構成を考えさせるために「ボーン図」を用いた。
 2種の「思考ツール」を使って書かせ、児童の書いた感想文を、①相手や目的に合わせ、テーマに沿って一貫した内容で書いているか、②学んだ知識や考え方・見方を、比較・関連・分類させるなどして書いているかの2つの観点で評価した。
 実践から、「イメージマップ」は事実と感想や考えを分けて書くように二重円で可視化することで、書く内容を整理しやすいことが分かった。また、「ボーン図」は習熟が必要であるが文章構成を考える手だてとなることが分かった。これら2つの「思考ツール」を連動させて用いることで、関連して書く、分類して書くことを意識化できることが分かった。
 一方、「イメージマップ」から「ボーン図」へと移行する際に、書く目的が薄れてしまう様子が見られた。思いや考えを可視化するためには有効であるが、書くことに苦手意識のある児童には手間となってしまうことが原因である。どのように書き換えていくのか、どのような手だてをとるべきか今後探っていきたい。

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「教育実践」
子どもの学びをつなぐ保幼小連携の在り方
~「学びに向かう力」を育む低学年期の指導とは~
新潟市立新津第一小学校
近藤 和徳

  昨今、学校間の連携・接続の重要性が叫ばれている。保幼小の連携・接続では、幼児期の教育と小学校教育との内容的・方法的な違いにより、厳然とした段差が存在する。その段差を児童にとって無理のないスムーズな連携・接続にすることが課題である。
 そこで中教審教育課程企画特別部会の「論点整理」に示された「学びに向かう力」(「意欲」、「自己調整力」、「協調性」などの非認知的能力のことを言う)の育みを核とした実践に取り組み、保幼小連携の課題解決に迫った。
1 個を受け止め、個と個とをつなぐ支援的姿勢
 児童は、幼稚園や保育園での遊びを通して、「学びに向かう力」を育んできた。しかし、小学校に入学し、新たな環境や人間関係の中では、その力を十分に発揮することが難しい。これは、私が7年間幼稚園に勤務し、園児の実態を知った上での実感である。そこで、まず教師は、児童一人一人との信頼関係をベースにした安心感の醸成を図った。また、休み時間に起きたいざこざは、「自己調整力」を育むチャンスと捉え、一人一人の話を聞きながら、お互いの思いを受け止め、思いをつないだ。さらに、困っている児童がいれば、「協調性」を育む場と捉え、全員で自分のこととして考える、話合いの場を設けた。
2 「やってみたい」「もっとやりたい」という児童の思いを育てる授業
 入学したばかりの児童は、どの教科であれ、「やってみたい」「楽しそう」と意欲的に取り組む。しかし、教師主導の一方的に教える授業だけだと、その意欲は低下していくことがある。そこで、生活科の「わたしのあさがお」では、五感を使って観察することや比較して考えることを教師が前もって教えるのではなく、それらの視点で観察していた児童のつぶやきや記録をピックアップし、何がすごいのか考えさせる場を設定した。さらに、他の児童がそれらの視点に気付き、発見したことを認め、「意欲」の向上を図った。
 私の保幼小連携の取組は道半ばである。「学びに向かう力」で幼保小の学びをつなぎ、さらなる育みを保障するスタートカリキュラムの作成を目指し、今後も研究していく。

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「教育実践」
アクティブ・ラーニング型の社会科をめざして
~生活経験を利用した授業の実践~
弥彦村立弥彦中学校
井上 北斗

  教員は、生徒が幸せに生きていけるように、適切なキャリア発達を支援する必要がある。しかしながら、各種の国際的な調査や研究が指摘するのは、現在の学校教育がキャリア発達と必ずしも結び付いていないという実態である。
 適切なキャリア発達に欠かせない基礎的・汎用的能力を育てるためには、知識伝達型の授業よりも、生徒の生活経験が生かされた授業が効果的である。これは、各種の学習意欲モデルによって、生活経験が学習者の関心や意欲を高めることが分かっているためである。
 そこで、本研究では、「生活経験を利用したアクティブ・ラーニング型の授業を実施するならば、生徒の関心や意欲は高まるだろう」という仮説を立てた。この仮説に基づき、生徒の関心や意欲を喚起・増進させることによって、能動的な学習を発生させ、基礎的・汎用的能力の育成を図ることとした。
 研究内容としては、「知識伝達型(ワンウェイ)の授業と、アクティブ・ラーニング型の授業」「アクティブ・ラーニング型の授業と、生活経験が生かされたアクティブ・ラーニング型の授業」を、「基礎的・汎用的能力の育成に寄与するかどうか」という視点に基づいて比較した。
 実践例としては、対立する3つの部活動の主張をもとに、学校のグラウンドの割り振りを考えさせる活動や、身近な年中行事を宗教という観点から分類し、その結果から日本人の宗教観に迫る活動などを行った。そして、それぞれの活動を、リフレクション・カードを通して生徒に評価させ、どのようなタイプの授業が基礎的・汎用的能力の育成に効果があるのかを検証した。
 全体を通して、アクティブ・ラーニング型の授業をどのように展開するか、生活経験をどのように生かすべきか、その効果はどのようなところにあるのか等を研究した。

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「教育実践」
ふるさと加茂に関わって学び、地域への愛情と将来の夢を育むふるさと学習
加茂市立加茂小学校
笠原 崇

  新潟県の学校教育の重点事項6「郷土愛を軸としたキャリア教育の推進」の柱の1つに「全校でキャリア教育を推進する体制づくり」がある。その内容の中に「児童生徒一人一人の夢の創造と実現に向けた取組の推進」が挙げられている。ふるさとへの愛着や誇りを育む教育活動の充実に加え、これからは児童生徒の夢の創造と実現を支援する取組が求められている。
 次の2点から、その取組の推進を試みた。
1 ふるさと加茂の人の生き方に学ぶ場の設定
 生活科や総合的な学習で加茂にかかわって学ぶ内容を、ふるさと学習として編成した。全学年のふるさと学習の中で、加茂の人の生き方に触れる場を意図的に設定した。それにより、児童が自分自身の生き方を見つめ直すことができるようにした。
2 キャリアプランニング能力を育むキャリアカウンセリングの実施
 全校児童に自分の将来の夢について作文を書かせた。家の人等に働くことについてインタビューする活動も実施した。これら2つの活動に加え、児童に5年後・10年後の自分の姿を考えさせるキャリアカウンセリングを実施した。将来の夢に向かってどのように進むか具体的にイメージさせることで、児童のキャリアプランニング能力の育成を図った。
 夢の実現に向けて児童が自分の生き方を考えられるキャリア教育、児童と地域の双方に有益なキャリア教育を今後も研究していく。

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「教育実践」
なわ跳びの技能を向上させる授業に関する研究
~効果的なBGMのある場を取り入れた実践~
新潟市立巻北小学校
小林 優介

  短なわで二重跳びを行うには120回/分の速さで前回し跳びをする必要があると言われている。できる技を増やすためは前回し跳びの技能向上が必要である。
 これまでのなわ跳び指導では、児童一人一人の跳ぶ様子を見て、体の一部(手首、膝、足など)のよりよい使い方をアドバイスすることが多かった。個別指導中心で、学級全体に対する働き掛けが十分ではなかった。また、できる技を増やすことだけを意識するあまり、技の紹介や学習カードを活用した個人練習に注力し、跳び方の精度を高める指導をしてこなかった。
 三宅一郎は「BGMが運動技能獲得時に及ぼす影響~縄跳び運動において~」(2002)の中で保育所の5歳児を対象に、「運動速度に適していると思われるBGMを有効に活用しながら練習を実施することによって、より効果的な技能の獲得が可能になる」と述べている。
 そこで、小学校低学年でBGMを活用した学習を進めた。その際、適切なテンポの選択が指導上重要なポイントと言える。本実践では、4カ所に異なるテンポ(80回/分、100回/分、120回/分、140回/分)のBGMが流れる場を設定した。
 どのテンポのBGMにも合わせて跳べるようになった児童は単元前と単元後の前回し跳びを比べると、跳んだ回数が増えた。その要因として、手首の回旋範囲が狭くなったり、ジャンプの高さが低くなったりしたことが考えられる。異なるテンポのBGMを授業に取り入れることで個別に指導しなくても、効率的ななわ跳びのフォームが身に付き、前回し跳びの技能を向上させることができた。
 今回の実践では、前回し跳びの技能について効果を検証したが、BGMを使うことで短なわでの他の効果についても追究していきたい。さらに、他の運動でBGMを活用した場面を設け、その効果を検証していく。

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「教育実践」
確かな技能の向上と思考を促す授業づくり
~1年生 マットを使った運動遊びを通して~
新潟市立越前小学校
我妻 善和

  小学校学習指導要領解説体育編より、「積極的に運動する子どもとそうでない子どもの二極化」が改善すべき事項としてあげられている。子どもたちが、体育授業においてどのようにすれば意欲的に運動に取り組み、そして、技術の向上につながるかが課題であると考える。そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 ストーリー性を盛り込んだ授業構成
 子どもの意欲向上につなげるため、マットランドの大冒険というストーリーを作り、マットランドを制覇していくという内容で授業を進めた。各ランドは設定された運動をすることでポイントを得ていくという内容にする。高いポイントを得るために、児童相互でアドバイスをして、動きのポイントを探っていく場を設定した。
 動きのポイントを探る際は、全体でポイントを共有しながら自分の言葉でまとめさせ、動きの宝箱にして掲示をしていった。
 自分たちの動きを高め、マットランドを制覇していくおもしろさを設定し児童の意欲の向上を図った。
2 個人に合っためあての設定
 毎時間、「でわかカード」を書かせ、「できたこと」「わかったこと」「かんそう」を記録させる。その中から、次時のめあてを決めさせる。自分にあっためあてを設定することは、意欲の向上につながり、できた時の喜びにつながると考える。
 また、「でわかカード」を記録する時に、自分の動きを言葉で表現させる。言葉にすることで、イメージをもたせ、目指している動きをさらに明確にできると考える。
 自分の動きを振り返り、また足りない部分をグループでアドバイスさせることで技術向上を図った。
 低学年から、「運動は楽しい」と思わせることが大切だと考える。そのために、楽しみながら運動能力が向上できる体育授業を今後も研究していく。

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「教育実践」
跳び箱運動「かかえ込み跳び」の学習における「うさぎ跳び」の有効性について
新潟市立鎧郷小学校
神子島 強

  高橋ら(2013)による器械運動に関する調査結果(24小学校の中学年・高学年1884名と、8中学校の1928中学生を対象)⁽¹⁾によると、開脚跳びと台上前転が70%の平均達成率であるのに対して、かかえ込み跳びの平均達成率は跳び箱横置きで60%、縦置きでは47%と報告されている。かかえ込み跳びの練習として「うさぎ跳び」が挙げられ、様々な文献で有効性が指摘されている。しかしながら、うさぎ跳びの動きの習熟度が、かかえ込み跳びの習得にどのように影響しているのかは明らかにされていない。本研究では、「うさぎ跳びの動きの質を高め、応用していくことで、かかえ込み跳びの技能が高まるであろう」という仮説のもとに、目指すうさぎ跳びの姿に近づけるための学習ステップ(ステップ1~3)と、うさぎ跳びをかかえ込み跳びに応用させるための学習ステップ(ステップ4~7)を用いた授業実践を行い、検証した。
 全7時間の授業実践におけるかかえ込み跳びの達成率は、横置き(3段50cm)で93%(27名)、縦置き(4段60cm)で62%(18名)であった。ステップ2にとどまった児童は4名、ステップ3にとどまった児童は2名であった。この6名以外の児童は、ステップ7までを滞りなく達成し、体の投げ出しと手の突き放しが大きいうさぎ跳びに近づいた。また、児童の内観記録からも、ステップ2~5でうさぎ跳びの動きのコツをつかんだことが、その後のステップやかかえ込み跳びにつながったことが確認された。なお、第4時終了時点で学習ステップの中途にとどまった児童6名については、第5時から跳び箱の横跳び越しからの学習方法に変更して指導を行い、第6時で1名、第7時で3名が横置きでのかかえ込み跳びを達成した。
 これらの結果より、本研究で考案した学習ステップに基づく授業実践は、うさぎ跳びの動きの質を高め、かかえ込み跳びの技能向上につながるものであったと言える。授業でかかえ込み跳びを達成できなかった2名の児童の学習過程を検討し、学習ステップを充実させることが今後の課題である。
【文献】
(1)高橋健夫(2010)「体育科のナショナルスタンダード策定の試みとその妥当性の検証,科学研究費基盤研究A研究成果報告書」,pp.199-243

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「教育実践」
投力の向上及びネット型ゲームへの発展を想定した新教材の有効性
~小学校1年生ゲーム領域におけるボールゲームの実践を通して~
新潟市立新潟小学校
髙橋 正志

  子どもたちの運動能力の低下が言われるようになって久しい。特に投力は、低下及び個人差が著しい。そのため、高学年で行われるドッジボールやベースボール型ゲーム等の授業で「ボールを持っても投げようとしない児童の姿」が、よく見られることにつながると考える。また、ゲーム領域の系統的な学びを考えたとき、中学年のネット型ゲームへ発展するような低学年での教材がないという問題点がある。その結果、高学年で行われるソフトバレーボールの授業で「棒立ちでボールを見送る児童の姿」が、よく見られることにつながると考える。
 上記の2つの課題の解決を目指し、本実践では、主に次の3つの指導の手だてを講じた。
1 教具の工夫
 ボールの代わりに、ビニール袋に緩衝剤を入れた物(マシュマロボールと児童が命名)を使用した。通常のボールよりも落下速度が落ち、捕球するための落下地点への移動が容易となる。また、180cmのネットを越えて、ねらった所へマシュマロボールを落とすためには、肘を高く上げた状態から振り下ろして投げる必要性が生じた。
2 簡易化した規則の提示
 チーム戦であるが、コート内で1対1となる規則を提示した。相手が投げ込んだマシュマロボールを捕球し、相手コートへマシュマロボールを投げたらコート外で待つ同チームの人と交代する。これにより、全員に「投げる」「キャッチする」機会を保証した。
3 「動きのコツ」の共有化
 単元を通して、「投げるコツ」を問い、思考する場面を設定した。さらに児童の見付けたコツを全員で試した。投力の技能の向上と共に、単元の途中から、「キャッチするコツは何か。」を問い、思考する場面を設定した。「投げるコツ」と同様に「キャッチするコツ」を全員で試した。
 本実践の結果、投力の向上及びボールの落下点へ移動する動きの習得に、一定の成果が見られた。今後も、投力の向上とネット型ゲームへの発展を想定した新教材の開発を研究していく。

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「教育実践」
低学年の器械・器具をつかっての運動遊びにおける思考を伴う感覚づくりの工夫
~オノマトペと運動の組み合わせを手だてとした鉄棒を使った運動遊び~
新潟市立東山の下小学校
近藤 拓自

  器械運動領域においては、非日常的な運動で構成されているため、主運動につながる易しい感覚づくりの運動を行い、技を行う前段階としての基礎的な感覚づくりを意図的に取り入れていく必要がある。これまでの実践では、教師が様々な感覚づくりの運動を設定し、ゲーム化・得点化することで、子どもたちは楽しみながら運動に取り組み、その後の器械運動の技の習得に必要とされる多くの感覚を身に付けていくことができた。
 しかし、これまでの私の授業では、子どもたちが遊びの中で楽しみながら感覚を身に付けていくことを重点として捉えていたため、教師主導で運動を行わせることが多く、体育における思考する力を育てることに対しては意識が薄かったように思われる。そこで、低学年の「鉄棒を使った運動遊び」の授業において、思考する力を高める実践ができないかと考えた。
 本研究では、低学年の器械運動領域における思考を「自分の体の動かし方に目を向け、そのときの状態を簡単な言葉で表現できること」「自分の力に合った運動を選択し、遊び方を工夫すること」とし、それらを高める2つの手だてを考えた。
1 自分の動きをオノマトペ化する「まほうのことば」
 低学年のうちから思考をはたらかせながらよい動きを追究していくことができるように、自分の動き方の感じを「オノマトペ」で表現していく活動を取り入れていく。自分の課題となる運動のオノマトペを考えることで、体で感じた自分なりの運動のコツ(タイミング、力の入れ具合、体の動き)に目を向け、思考していく姿が見られると考えられる。
2 感覚づくりの運動を組み合わせて行う「変身鉄棒」
 感覚づくりの運動の組み合わせを考え、様々な動物に変身していく動きを発表する活動を組む。自分の力に合わせて動きを選択し、試しながら順序を考えることにより、感覚づくりの運動遊びを工夫しながら取り組み、思考する力を高めることができないかと考えた。
 これらの手だてにより、低学年の器械・器具を使った運動遊びにおいて、思考を伴った運動をする姿が見られた。

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「教育実践」
体育「表現」を苦手にしている児童が、自信をもって表現することができる指導
~「アイディアボード」と三つの「間」の活用を通して~
新潟市立葛塚小学校
本間 伸吾

  表現は、数値的な「できた・できない」の優劣がないため、運動が得意な児童もそうでない児童も自信をもって自己表現したり、活発にかかわり合ったりして取り組める魅力的な領域であると私は思っている。しかし、これまでの私の指導では、どう動けばよいか分からずに動けなくなり、表現を「苦手」と感じる児童が少なからずいた。その原因は「自分の動きが明確になっていない」「どう動けばよいかを思考する力が足りない」の2点であると分析した。そこで、本研究では、自分の動きを明確にさせるための「アイディアボード」と、よい動きについて思考を促すための3つの「間」の2点の手だてを取り入れて指導した。
1 「アイディアボード」について
 「アイディアボード」とは、ホワイトボードを活用して、自分たちが考えた表現の動きを記す教具である。「走る」「跳ぶ」などの基本的な表現の動きはあらかじめマグネット板にしておく。その他の動きは直接書くようにする。「アイディアボード」で動き方を考えたり動く順番を検討したりすることで、自分の動きを明確にすることができる。
2 3つの「間」
 3つの「間」とは、「空間」「時間」「仲間」のことである。これらを「低く⇔高く」「速く⇔遅く」「一人の動き⇔相手に合わせた動き」などと対比した変化のある動きとして意識させる。動きを工夫する時の視点を与えることで、「どう動いたらよいか」という思考を促す手だてとなる。その結果、三つの「間」を意識して動くことで、児童一人一人の動きが広がると考える。
 これら2点の手だてを取り入れて指導した結果、以下の点が明らかになった。
 「アイディアボード」を活用することで、動きの材料が増え、動きが明確になり、児童が自信をもって表現する上で有効であった。但し、3つの場面をつなげて発表の場面にする活動では、「アイディアボード」の活用に工夫が必要であった。
 3つの「間」を意識させることが、よい動きについて思考を促し、自分の動きを広げることにつながった。動きが広がった児童は、自信をもって表現できるようになった。

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「教育実践」
「思考力」を向上させるための水泳授業に関する研究
~技能差のあるバディシステムによる「学び合い」を取り入れた実践~
佐渡市立金井小学校
三本 雄樹

  2013年、国立教育政策研究所より、思考力を中核に位置付けた21世紀型能力が示された。
 関西体育授業研究会(2015)は、「学校での体育授業ならではのよさは、仲間とともに学び合い、高め合えること・・・他の領域と違って、水泳学習では、技能差が大きいです。しかし、そのことにより学び合う活動が可能になります。」と述べている。
 そこで、本研究では、技能差のあるバディシステムによる「学び合い」を取り入れた水泳授業を実施した。これにより、「21世紀型能力に示されている思考力」を向上させることができるようになると考えたからである。
 具体的な手だては以下の3点である。
1 技能差のあるバディシステムによる「学び合い」
 5年時の児童の泳力を参考に、クロールで25m以上泳げた児童とクロールで25m泳げなかった児童とに分け、技能差のある男女別のバディシステム(2人1組)を編成した。
2 「学び合い」を可能にする「ゆったり泳ぐ」泳ぎのイメージの共有
 まずは「ゆったり泳ぐ」泳ぎと「速く泳ぐ」泳ぎの2つのイメージで授業者が泳いで見せた。その後、「ゆったり泳ぐ」泳ぎのイメージを児童に言語化させた。そして、児童が言語化したイメージや手と足をゆっくり動かすことを単元を通して意識させた。
3 「学び合い」を活性化させる「水泳攻略カード」の活用
 それぞれの「水泳攻略カード」に「レベル(難易度)」を付け、段階的に泳力が向上するようにした。また、「運動のポイント」や「こんなふうになっていませんか?(運動を見る際の視点)」を付け、これを基に学び合いながら泳ぎを評価することができるようにした。
 今後も体育授業に「学び合い」を取り入れ、「21世紀型能力に示されている思考力」の向上を目指して研究を進めていく。

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「教育実践」
場の工夫で生徒のつまずきを克服するマット運動の授業
~できる・できない二極化の解消を目指して~
五泉市立山王中学校
小野 祥寛

  文部科学省から「子どもの体力向上」が示され、その中でも運動習慣の二極化が問題視されている。養成研修や一校一取組などの成果で数値上は体力低下に若干の歯止めはかかっているが、運動への意欲的な参加についての二極化はますます進んでいる。
 技ができる生徒は意欲的に授業に参加し、技ができない生徒は授業に消極的という二極化が顕著に表れやすい器械運動の単元において、技ができる喜びを感じさせることで運動好きの生徒を一人でも多く増やすことが課題である。
 そのための手だてとして以下の点から解決に迫った。
1 恐怖心を緩和させる場の工夫
 マット運動において「痛い」「怖い」という精神的なつまずきから消極的になる生徒が多い。そこで、生徒の精神的なつまずきを緩和するための場の工夫と段階的な指導、評価方法を取り入れた。
2 技のつまずきを修正するための場の工夫
 初期段階での技のつまずきがその後の活動に大きく影響する。「後転」「開脚前転」「倒立」の基本技でのつまずきの原因をいくつか捉え、考察することでそのつまずき合わせた場の工夫を行い、課題解決を図った。
 児童・生徒の運動離れは本単元に限らず、どの種目においても喫緊の課題である。どの種目についても、生徒のつまずきの原因を捉え、適切な場の工夫を取り入れ運動好きの生徒を一人でも多く育てていきたい。

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「教育実践」
投力を高める指導の工夫
~ハンドボールの実践を通して~
五泉市立巣本小学校
山田 雄一

  小学校学習指導要領解説体育編には、ゴール型のゲームとして「ハンドボール」が例示されている。児童の投力が向上するよう、以下の手だてで実践を行った。
1 「投球フォーム診断書」により、自分のフォームの改善点を考えさせる
 「投球フォーム診断書」で、手本となる投球フォームと自分の投球フォームの連続写真を比較し、気付いたことを記述させることで自分のフォームの改善点を考えさせる。
2 シュート・パスの個人技能を向上させるためのドリルゲームを行う
 「壁ドンシュート」(壁に向かってシュート。跳ね返ったボールを次の子がキャッチ。すぐにシュート。次の子がキャッチ…と繰り返す。)と、「ランランパス」(2~3人で走りながらパスをまわす。パスの回数やタイムを制限し、シュートに至るまでにクリアすべきミッションを設ける。)の2つのドリルゲームを繰り返し行う。
3 タスクゲームで有効なパス回しや動きを考えさせる
 ディフェンスの動ける範囲に制限をつける「突破ハンドボール」を行う。オフェンス側に数的優位が生まれる3対2の状況でゲームを行い、ディフェンスを突破しシュートに結びつけるための動きを思考させることで、動きの質を高めさせる。次第にディフェンスが動ける範囲の制限をなくすなど、児童の上達に合わせ変化させていく。
4 全員のシュートチャンスを増やすためのルールの工夫
①3対3でゲームを行う。キーパーは設置しない。ドリブルはなくし、パスでつなぐ。
②ゴールに入るか、ぶら下げたボードに当たるかすれば1点、ボードを落とせたら2点。
③最終得点は、(合計得点)×(シュートを決めた人数)で算出する。
 これらの手だてを通し、本実践では次のような成果があった。
1 ゴール型に苦手意識をもっていた児童も、単元終盤には積極的にパスをしたり、 シュートを決めたりすることができた。
2 76.2%の児童のソフトボール投げの記録が向上(+1~14m)した。
 特に実践前にソフトボール投げの記録が新潟県平均値以下だった児童の伸びの平均値は+3.7mと、投げ方が分からなかったり、投げる経験が少なかったりした児童への効果が大きかった。一方で、記録が伸び悩んだ児童もいた。さらに研究を進めることで、こうした児童の記録の向上を目指していきたい。

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「教育実践」
児童に「できた」を実感させる体育科学習指導
~ボールを持たない時の動きに着目した第4学年「ハンドボール」の実践~
長岡市立大島小学校
猪爪 正樹

  ゴール型ゲームは、攻守が入り交じって、ボールを手や足で操作したり、空いている場所に素早く動いたりして行うゲームである。特に手でボールを操作するゲームでは、投げる・捕るといった基本的なボール操作の技能が必要である。また、攻守が入り交じることから、仲間や相手の動きに合わせてボールを投げたり、スペースへ動いたりするための状況を判断する力が必要になる。この2つの力を同時に発揮しながら行うゲームは、児童にとって難しい。しかし、ゴールにシュートするためには、ボールをつないでシュートを打ちやすい場所へ運ばなければならないことから、やはり児童にとって状況を判断してパスをつなぐためにどう動くかが重要である。この点を本研究で最重要課題とした。
 この課題を解決するために、評価方法を工夫した。その評価方法の工夫とは、「コウケンプレー」の設定である。コウケンプレーとは以下の通りである。
1 児童が学習評価として振り返る視点になる動き
2 ボールを持っていないときの動きであり、ゲーム中に自分が動いたチームのための動き
3 児童により分かりやすいようにした3つの動き
4 3つの動きは、常に児童が立ち返ることができる基本的なポイントとなる動き
 3つのコウケンプレーは次の動きである。
1 相手のいない所への動き
2 ボールをもらいに行く動き
3 相手を引き付ける動き
 このコウケンプレーを視点として、ゲーム毎に学習カードへ動きを自己評価させる。
 このように、ゴール型ゲームにおいて、ゲーム中の自分の動きを「チームのためにどう動いたか」という「コウケンプレー」に着目した振り返りを繰り返し行えば、意図的なボールを持たない時の動きへと高めることができ、児童は自分の動きの伸びを実感することができるであろう。以上の仮説を検証していく。

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「教育実践」
関わり合いを通して技能を向上させるシンクロマット運動の指導
~グループ活動の中に4つの言語活動サイクルを取り入れた実践~
十日町市立川治小学校
松井 祐太

  小学校学習指導要領解説体育編の高学年マット運動に、「ペアやグループで動きを組み合わせて演技をしたりすることができるように配慮する。」という言葉が記されている。そこで、全国的にも多くの実践がなされている「シンクロマット運動」を取り上げて授業を実践した。先行研究では、児童の学び合いを通して、意欲や技能の向上を明らかにしたものが報告されている。しかし、意欲や技能の向上に至るまでの過程や話合いの質に言及した研究は少ない。また、今までの実践を振り返ると、ペアやグループでの話合いにおいて、運動が得意な児童がアドバイスし、苦手な児童はアドバイスされるだけで、自ら運動のコツなどを考えたり、提案したりする場面が少なかった。
 そこで、昨年度は以下の手だてを講じ、シンクロマット運動を指導することで、グループの中で協働的な学びを生み、技能を高めることを目指した。
1 単元の中で毎時間4つの言語活動のサイクル(「知る→つくる→つなげる→深める」の言語活動を繰り返すこと)を導入する。
2 各グループに兄弟グループを設けて技を見せ合い、グループ同士の課題を共有したり、お互いのグループにアドバイスをしたりできるようにする。
3 児童の見る視点を焦点化し、児童相互がアドバイス活動をしやすくする。
 以上の手だてを講じたところ、マット運動の技能の差に関係なく児童が話合いに参加し、グループの課題を獲得して練習し、技能を向上することができた。

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「教育実践」
自分に合ったよりよい動きを考えながらかかわり合う子どもの育成
~4スタンス理論を活用した短距離走とハードル走の実践~
上越市立春日小学校
宮田 泰人

  陸上運動では、技能の向上が記録の向上に直結する特性がある。1学期に行ったリレーの学習では、バトンパスの練習に加え、4スタンス理論を用いた短距離走の走り方の指導を行った。個々に動きを意識して練習をして、多くの子どものタイムが向上した。しかし、個々の子どもの意識にまかせた学習が主になったことが課題として残った。そこで、ハードル走の単元において、4スタンス理論に基づく視点をもとに、友達とのかかわり合いを設けた。そうすることで、ハードルの技能向上に加え、ハードリングに関する思考も深まると考えた。
 具体的に以下の3つの手だてを講じた。
1 一人一人に合った場とグルーピングの設定
 子ども一人一人の体格からそれに合ったハードルの高さやインターバルの長さの目安を示し、実際に走らせ、体格に合ったハードルの練習コースを決める。また、4スタンスで同じタイプの友達とグループにして練習する。
2 身に付ける技能の段階的な授業展開
 「1台目の入り方」「振り上げ足の使い方」「抜き足の使い方」「上体の上下動の抑え方」など、子どもの実態と意識を大切にしながら、課題を設定する。
3 友達とかかわり合うための視点の明確化
 「1台目のハードルまで何歩か」「振り上げ足が真っ直ぐ上がっているか」といった一般的な視点と、4スタンス理論に基づくタイプ別の視点を場面ごとに提示し、それを基に見合う活動を進める。
 実践の結果、子どもがハードルの動作を見る視点がより明確になり、具体的なアドバイスをし合う姿が見られた。また、自分に合った動きの具体的な記述が多く見られた。そして、50mハードルのタイムが向上し、ハードリングのフォームが改善する子どもも多く見られた。

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「教育実践」
生活経験に基づいた授業づくりと指導の工夫
~生徒の自立を目指した献立づくりと調理~
新潟市立小針中学校
諸橋 利香

  私たちの生活を支える技術や知恵の伝承は、かつては、その多くが家庭や地域において行われ、様々な人とかかわり、実体験を通して生活に必要な知識や技能、判断力などを身に付けてきた。しかし、社会生活は日々変化し、それに伴って家庭生活も多様化している。食生活においては、ライフスタイルの変化から、外食産業に頼ることも多く、食品の選択や調理、食事の取り方に大きな変化が見られる。これらのことから、生徒が自立して生活を営むためには、基礎的な知識・技術を身に付けることに加えて、生活に必要な技術や情報を自己の生活の状況に応じて適切に判断し、選択することが必要となる。そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 調理実習における学習内容(知)と実習内容(技)を結び付ける「学びの足跡シート」の活用
 生徒は、これまでの調理実習と経験を通して、調理技術を高め、自立した日常食の調理が出来ることを目指している。授業では、自立のために一人で調理を行うマイクッキングにおいて、調理技術のレベルアップを目指した献立を考えている。しかし、今までの調理場面では、調理手順や、段取りに整理がつかず、作業に無理や無駄がある。そこで、これまでの調理実習の学習内容(知)と実習内容(技)を結び付け、今後の学習への見通しを立てるための「学びの足跡シート」を用いる。それを用いることは、今までの学びや自分の課題や考えを可視化させ、学習内容が整理しやすくなると考える。また、自己の知と技の成長を実感し、新たな課題を見いだすことで、より現実的で自立した日常食の調理に向かう意欲と技術を高めることが出来ると考え、「学びの足跡シート」を活用した。
2 協働学習の充実
 献立を作成、決定するまでの学習活動では、班で交流・検討する場面を設定する。これらの協働学習は、個人の生活経験から学ぶ知識や技能の差を、仲間同士で補完し合うことができる。そして、仲間と様々な観点を基に、合意形成を図ることで、自分たちの調理技術を向上させるためのより現実的な献立の作成や、それに伴う食品の選択などを予想し、提案することができると考える。学習活動の終末には、個の生活に返して、自分の食生活にとって「今出来ること」と「必要なこと」を整理させる。そうすることで、自分の生活環境や食生活、調理技術に合った献立に修正を加え、班で話し合ったことを根拠に、自分の献立について説明することができるよう、協働学習の充実を図った。
 研究を進める中で、生徒は成果と次の課題に対する、確かな実感をもって学習に臨んでいる。生徒の生活がより自立し、生活の多くの場面で自分にとって適切な判断ができたり、仲間と共に、最適解を創り出することができたりするよう、今後も研究を継続させたい。

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「教育実践」
生活を工夫し、創造する能力を育む授業づくり
長岡市立旭岡中学校
大野 敏法

  「材料と加工に関する技術」の内容において、生活を工夫し創造する能力を育むために、自らの生活を振り返り、検討させるための題材設定を行った。その中で、生徒が「材料と加工に関する技術」を評価し、活用する能力を高めることで、生活を工夫し、創造する能力を高めることに繋がると考えた。そして、授業実践を基に、その有効性を検証した。
 題材は、自らの生活を振り返らせ、生活の中で、ものを整理したり、便利にしたりするものを1枚の板材から自由に設計し、作品の製作を行うものである。生徒が生活を便利にしたり、使いやすかったりするための工夫を行えるように、グループでの発表、話合い活動を以下の2つの場面に取り入れた。
1 製作品の構想
 製作品の構想を行うに当たり、①使用目的②使用場所③機能④材料・部品の4つを明確にさせた。そこに、大まかな作品の完成スケッチを描かせ、構想用紙にまとめさせた。構想が出来上がった段階で、自分の製作品の機能や構造をグループ内で発表し、改善点などを検討した。ここで、自他の製作品の良い点や改善が必要な点などの意見を参考に、スケッチを含めた自分の製作品について再検討させる時間を設けた。再検討した構想を基に、設計を行い製作を進めた。
2 完成作品の紹介
 製作終了後、再度グループ内で自分の製作した作品について発表し、検討を行う活動を取り入れた。自分の製作した作品の機能や工夫したところを発表し、お互いに評価し合う時間を設定した。
 1での場面では、生徒は、自分の作品や他の生徒の作品を比較し、機能や構造、使いやすさを再検討して設計に生かす生徒が多く見られた。2の場面では、実物を見ながら行ったため、機能や工夫した点がより分かりやすく伝わり、周りからの評価もより具体的な意見が多くなった。
 これらの検証から、生徒同士で構想の検討や作品の評価を発表し合うことで、工夫できるころや作品の使いやすさに気付きやすく、よりよい作品づくりに繋げることができたと考えられる。しかし、中には、見た目の美しさや技能の高さだけに目が向いている生徒も多くいた。他の生徒から得たヒントや情報をしっかり自分の作品に生かすために、作品を評価する観点をもっと具体的なものにする必要がある。

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「教育実践」
音色や語感を大切にした「音楽づくり」を通して音に敏感な子どもを育てる
~1年生の音楽づくりの実践を通して~
新潟市立巻南小学校
渡辺 ゆみ子

  小学校1年生の音楽では、即興的につくった音をまとまりのある音楽に構成する「音楽づくり」の指導が難しいと感じている。私は、1年生の子どもたちにとって親しみやすい声や身の回りの音を使って音楽づくりを行った。
 1年生がまとまりのある音楽を構成するために、4つの手だてを講じてた。
【手だて1】常時活動で音に対する関心を高めて、音遊びを楽しませる。
【手だて2】オノマトペを用いる。
【手だて3】鑑賞曲から速度やリズム、音色など、音楽を形づくっている要素や反復、問いと答えなどの音楽の仕組みに気付かせる。それらを生かしながら、音のモチーフをまとまりのある音楽へと構成させる。
【手だて4】段階を踏んでワークシートを用いて、音楽を可視化する。
 それらの手だてを講じて行ったのが、以下の実践である。
【実践1】「いろいろな声にしたしもう」~動物がお話をしているかんじの音楽をつくろう~動物の鳴き声や動く様子を擬音語に表して、動物がお話をしているような音楽をつくる学習。ワークシートを用いて可視化した。(平成26年度)
【実践2】「おいしい音の音楽」自分の好きな食べ物を食べているときの様子や音を擬音語で表す。それを音楽へと構成する学習。鑑賞曲から音楽の要素を聴き取らせた。(平成28年度)

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「教育実践」
即興的な表現活動を位置付けた旋律づくり
新潟市立亀田東小学校
山田 やしほ

  「児童が様々な音と新鮮な気持ちをもってかかわり、音の面白さに気付いたり、その響きや組合わせを楽しんだりしながら、様々な発想をもって音遊びをしたり即興的に表現したりする能力及び音を音楽へと構成していく能力を高める」ことが大切である。小学校学習指導要領解説音楽編においては、音楽づくりの活動の指導について以上のように明記されている。つまり、音を音楽へと構成することと同時に音と触れ合い様々な発想をもたせることが重要であるということである。
 しかし、これまでの私の音楽づくりの授業では、思いや意図をもたせて音を音楽へと構成することに重点を置いた授業が多かった。その反面、音とたっぷり触れ合う活動が不十分であり、発想を十分に広げる前に音楽づくりに入ることが多かった。そこで、発想を十分に広げるために、音楽づくりの活動に即興的な表現活動を位置付ける。今回は音楽づくりの中の旋律づくりに絞った実践とする。
 即興的な表現活動のどのような位置付け方が、旋律づくりにおいて発想を広げるために有効なのかを視点として、次の仮説と手だてで解決に迫った。
 <仮説>
 即興的な表現活動を位置付けることで、児童は様々な発想をもち、旋律をつくることができるだろう。 
1 音を順番に増やした旋律づくり(中学年前期)
2 価値付けや旋律のモデル提示(中学年前期・中学年後期)
3 拍の流れに乗った表現活動(中学年後期)
 即興的な表現活動を以上の3点の手だてを組み込んで行うことで、旋律づくりにおける発想を広げるための有効性を検証していきたい。

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「教育実践」
表現を主体的・創造的に高めていく児童を育てる授業の工夫
長岡市立阪之上小学校
長谷川 美恵

  音楽の特徴を感じ取りながら、思いや意図をもって表現する学習を展開する上で、児童が主体的・創造的に学習に取り組むための指導が求められている。
 昨年度までの実践では、練習メニュー表を提示し、児童がそれぞれのグループの課題解決に合った練習方法を選択して試す中で、自他の歌声を聴き合いながら、表現を高めていく姿を目指した。自分たちで選択した方法で練習する場面では主体的な姿が見られたが、その一方で、自他の歌声を聴き取る場面では追求において弱さが見られた。
 そこで、児童が、自分の歌声を客観的に捉え、願う表現に高めようと主体的・創造的に取り組むために、楽曲を特徴付けている要素に着目した音と言葉を使って表現を可視化、共有化できるようにする。特に、研究対象の1年生では、次の2点を手だてとして、その有効性を検証していく。
1 互いの歌い方をまねる活動の組織
 自分と仲間との歌声がぴったり合っているかいないかを聴き取るために、同じ旋律を交互唱したり、向かい合って歌ったりして互いの歌い方をまねる活動を行う。
2 表現を高めるための効果的な練習方法を選択する場の設定
 自分と仲間との歌声が合っていない要因を、発音と音程、リズムから聴き取り、練習方法を選択して練習する。練習後に、練習の成果について話し合う。
 児童がこのように歌いたいと思いをもち、自分の表現が高まったという実感が得られる歌唱活動を工夫し、実践を積み重ねていく。

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「教育実践」
ロールプレイを核にした段階的な指導を通し、自分の思いや考えを伝え合い、会話を継続できる生徒の育成
新潟市立東新潟中学校
西片 宣明

  2013年12月に文部科学省が公表した「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」における「グローバル化に対応した新たな英語教育の在り方」で、中学校では「身近な話題についての理解や簡単な情報交換、表現ができる能力を養う」とあり、それに対応した指導が求められる。
 これまでの私の指導を振り返ると、生徒が相手の発話に応じて対話を続けるという活動がなされておらず、パターン・プラクティス化した活動にウエイトを置いていた。また、その活動は目標言語材料を習得させるための会話の活動にとどまっていて、コミュニケーションのための会話の活動ではなかった。その結果、生徒が単語や文法を理解できてもそれらをコミュニケーションの中で活用できていなかった。
 そこで、コミュニケーション活動の指導方法を見直した。毎時間の帯活動としてショート・カンヴァセーションタイム(SCT)と名付けた時間を設け、「弾丸インプット」を行う。この「弾丸インプット」は質問とそれに対する答えから成り、さらにその発展練習として一方が質問し、もう一方は直接的な答えとそれに関連した文をもう一文言う。そして、単元ごとに話し相手が言った内容を考えた上で答え、さらに対話を続ける「ロールプレイ」を行う。それによって、自分の考えや思いを伝え合い、会話を続けられるようになるであろうと考えた。
 生徒が自分の考えを述べることができるようなモデル対話を「弾丸インプット」で行い、そこで身に付けた事柄をもとに「ロールプレイ」をする。「弾丸インプット」を継続的に行うことで対話を続ける素地を養い、「ロールプレイ」で長い対話の「やりとり」(TurnTaking)ができることを目指した取組である。

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「教育実践」
学んだことを生かして、積極的にコミュニケーションを図るための帯活動のあり方
阿賀野市立保田小学校
戸松 隆行

 中央教育審議会の特別部会では、「小学校高学年において、英語を教科として系統的な指導を行うためには、年間70単位時間程度の時数が必要」とし、「知識・技能の定着等を図るため、ICT等も活用しながら10~15分程度の短時間学習として実施する検討が必要となる」と示した。
 Hi,friends!を用いて授業実践を行っているが、その活動だけでは受け身的で、限られた英語表現でのコミュニケーション活動となっている。さらに、前後の単元で英語表現の関連性がなくなることもあり、関連する英語表現を学習する頃には、児童は以前の英語表現を忘れてしまうこともあった。
 目指す児童は、「既習内容から、自分で言葉を選択して自己表現し、言語を実践的に使用する児童」である。外国語活動に対する不安を少なくし、自信をもつことができるような活動を積み重ねていくことで、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が育成されると考える。
 そのために、以下の2つの手だてを講じた。
1 既習表現の定着や活用を促すような帯活動を継続的に設定する
 Hi,friends!の単元の主教材とは独立して、既習表現の定着や活用を促し、児童同士のインタラクションがある帯活動を授業導入の10~15分程度行った。
2 できるようになったこと・分かったことを積み重ねるために、振り返りを行う
 活動後に「分かったことやできるようになったこと」等について観点をもたせて、振り返らせた。
 成果として、帯活動を繰り返すことで、既習表現の発話数が増えた。また、9割以上の児童から「使えなかった英語を使えるようになった」という肯定的評価を得た。しかし、一方で週1回の帯活動では限界があることも把握できた。別の時間での帯活動が必要になるということが課題としてあげられた。
 今後の外国語活動のあり方を探るためにも、現在、帯活動を朝学習に実施して、研究を続けている。

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「教育実践」
小中のつながりを意識した見通しのある英語教育
~PDCAサイクルを活用してステップアップする授業展開へ~
三条市立第一中学校
鎌田 雅俊

  三条市は小中一貫教育を推進している。そして、「つなぐ」をキーワードとした取組を展開し、自分のよさを発揮してたくましく生きる児童生徒の育成に励んでいる。私はキーワードである「つなぐ」に着目をし、以下の点において継続した取組を行った。
1 小中における外国語の学びのつながりを意識した授業の構想
 小学校には外国語活動があり、中学校には教科としての英語がある。学習指導要領に明記されている目標は異なるが、義務教育9年間を見通した指導の工夫が最重要課題であると考える。小学校と中学校の円滑な接続を念頭におき、日々の授業に取り組んだ。具体的には、小学校と中学校で提示する教材の共有・新文法導入時の工夫・外国語科カリキュラムの見通し等である。
2 授業を通じての異学年交流活動
 第一中学校は小中一体校であるため、小学生と中学生が同じ校舎で毎日生活している。この校舎の利点を生かし、授業での小中交流も教師側が仕掛けることで、すぐに実践が可能である。私は、中学3年生と小学5年生の異学年交流を行った。通常授業では見せることのない頼もしい姿を中学生は見せてくれた。小学生も本授業の目標を達成しようと英語を使って、前向きに活動に取り組んでいた。
3 PDCAサイクルを回し続ける授業改善と実践
 「PDCAサイクル」の本来の在り方を学ぶ上でも、実際の教育活動に生かし、取組を行うことができた。生徒アンケートからも、前向きに活動に取り組めるようになったと感じる生徒が増えたことがわかった。授業をひとつ展開したら、それで満足することなく、「つなぐ」ことを意識して、評価・改善という姿勢をもつことができた。
 全ての教育活動に「つなぐ」という視点をイメージした実践を取り入れた。他にも様々な手法が数多くあると思うが、今できる最大限のことを行うことができた。これからも英語に対する小中連携に力を注いでいく。

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「教育実践」
温かい気持ちでコミュニケーションを図ろうとする児童を育てる外国語活動
長岡市立大島小学校
河本 朋也

  児童は外国語活動において「ALTや先生が話していることを、自分だけが分からないのではないか」「うまく発音できなかったらどうしよう」という不安を抱えている。失敗や不安を積み重ねてしまうことで積極性を失い、進んでコミュニケーションを図ろうとする態度の育成は困難になるであろう。児童の不安をなるべく減らし、外国語活動に積極的に取り組むことができるようにするために、クラス全体の「温かい気持ちでコミュニケーションを図ろうとする態度」を育てる必要がある。
 本研究では、「温かい気持ちでコミュニケーションを図ろうとする態度」を育成するために以下の2つの手だてについて考え実践した。
1 「育てたい児童像」を明確にした1年間の単元構成
 1年間の外国語活動を通してどのような力を育てたいかを明確にすることは大切なことであり、そのゴールに向かって小単元を構成していく。Hi,friends!2に示されているものはあくまでも活動例であり、学級の児童の実態や育てたい児童像に合わせてアレンジしたり、置き換えたりする工夫ができる。そこで「温かい気持ちでコミュニケーションを図ろうとする態度」を育成するために「聴き手(聞き手)」の育成に力を入れて一年間の単元を構成していく。
2 「聞きたい」「伝えたい」を生かす活動の選定
 これまでの私の実践を振り返ると、決められた型の中でのやり取りに終始し、その中に児童の思いや考えが入りづらかった。コミュニケーションとは本来「聞きたい」と「伝えたい」の思いの連続から成り立つものだと考える。児童が「聞きたい」「伝えたい」と感じる活動を外国語活動単独で築き上げることは困難さがある。そこで、他教科・他領域との関連性をもたせた活動を設定する。
 コミュニケーション活動を行う中で、意図的に自分が受け止められる場面を設定することで、友達を受け止めることの大切さに気付き、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度が育成されると考える。

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「教育実践」
英語をスムーズに書く力を育成する指導の工夫
~「ジャーナル」を継続的に用いたライティング活動~
長岡市立南中学校
佐藤 正秀

  与えられた内容について英語の単文で正しく書くことができる一方で、自分の考えや意見などをある程度まとまった量の英文で書く活動では手が止まってしまうような生徒をこれまで多く目にしてきた。私の実践を振り返ると、書く活動について正確さ(accuracy)に重点を置いていたことで、間違うことを恐れて手が止まる生徒が多くなった可能性がある。これまでと同様の活動だけでは、スムーズに書く力、つまり書くことの流暢さ(fluency)が十分育成されないと考えた。書く活動に差別化を図り、正確さに重点を置くこれまでの活動に加え、流暢さに重点を置く活動を行うことで、こうした課題を克服できると考えた。
 「ジャーナル」とは、日記のように自分の考えや感情を思いついたまま書いていくものであり、文の構造や正確さにはあまり注意が払われないものである。先行研究では、生徒の書いたジャーナルに教員がコメントを返す取組を継続したことで、書くことの流暢さが高まった。したがって、英語の授業内で生徒にジャーナルを書かせ、それに対して教師がコメントを返す取組を継続することで、生徒は自分の考えや気持ちなどについて英語で書くことに慣れ、スムーズに英語を書くことができるようになると考えられる。本研究では、以下のような方法で実践を行った。
1 テーマを与え、小さいノートに継続してジャーナルを書かせる
 英語の授業内で定期的にジャーナルを書く場面を設定し、それを継続した。生徒全員にA6判の小さなノートを配布し、毎回テーマを与えてジャーナルを書かせた。小さいノートを使用することで、ノートのページが埋まっていく感覚が得られやすくなり、書くことに対する生徒の精神的な負担が少なくなることが期待される。また、過去に書いた内容や書いた分量を比較することもできる。
2 フィードバックとして、生徒の書いた内容に対し、前向きなコメントを返す
 先行研究では、生徒の書いた内容に対し教師がコメントを返すという取組を継続したことで生徒の意欲向上につながり、流暢さが高まった。本研究でも英文や単語の誤りについては特に訂正せず、コメントを返していくこととした。
 以上の方法で、2年間にわたって実践を行い、検証を行った。

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「教育実践」
自己表現への自信と意欲を高めるペア活動と協働学習の工夫
上越市立吉川中学校
久保 成毅

  昨年度行った自己表現活動の様子から、多くの生徒が対話をしたり、その場で考えを述べたりすることができないことが分かった。もう一つの課題として、自己表現活動を行う上で、英語に自信をもてなかったり、意欲的に参加できなかったりする生徒が多くいた。原因として、その活動を見通した自己表現活動を段階的に行っていなかったことが考えられる。また、生徒が実際に英語を使って対話をする機会が少なかった。したがって、生徒は英語での会話に慣れていなかったり、やり方が分からなかったりした可能性が高い。また、生徒同士で教え合ったり、考えを深めたりする協働の場面がほとんどなく、生徒が自分の知識を使わずにいた。さらに、昨年行った自己表現活動の内容が生徒自身にとって意味があり、魅力的な活動になっていなかったと思われる。以上のことから、本実践では以下の研究仮説を立て、次の手だてを講じた。
 研究仮説:ペア活動で対話練習を日常的に行い、協働する場面を設け、生徒自身による自己表現活動への意味付けを行えば、英語の対話に対する生徒の自信や意欲は向上するであろう。
 手だて1 日常的なペア活動
 Who Am I? クイズを様々なパターンで行い、聞き手を意識した初歩的な対話練習を行った。この対話練習の延長に、My Projectの活動があるように活動の内容を工夫した。
 手だて2 協働的な学習場面の設定
 基本の対話文は暗唱させ、テストをした。その際、必ずジェスチャーをつけさせた。ジェスチャーなどはペアで考えさせた。そして、暗唱で忘れてしまうときは、ジェスチャーを交えて教え合わせた。
 自己表現活動(有名人とインタビューする人に分かれて、英語でインタビュー活動をする)の内容はお互いにアイデアを出させた。聞き手にとっておもしろく、分かりやすい内容になるようにお互いに工夫するように指示をした。そして、活動が全て終わった後には、振り返りを行い、より良い発表になるようなアイデアを共有させた。
 手だて3 自己表現活動への自己関連性
 学期末に行った自己表現活動ではインタビューをする相手として、生徒が興味のある有名人をペアで選択させた。また、その人物に近付けるための衣装やお面なども用意させ、より実際のインタビューに近付けるようにした。
 自己表現活動後に英語のスピーキングに対する自信や意欲について質問をしたところ、半数以上の生徒が肯定的な回答をした。このことから、生徒は英語を話すことに少しずつ自信を付けてきていることが分かった。

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「教育実践」
地域の学習材を生かした総合的な学習の進め方
~主体的に地域の歴史を学び、地域を愛する子の育成~
柏崎市立内郷小学校
宇佐美 崇

  小学校学習指導要領解説総合的な学習の時間編には、目標の一つに『自己の生き方を考えることができるようにすること』と示されている。また、児童が地域に学び、学校と地域がつながり、未来を創る地域教育の活性化が社会では求められている。これらのことより、私は、児童に生き方を考える力を育むためには、地域(人)と学校(児童)がどのようにつながるかということが大切だと考えている。教師がどうコーディネートするかによって総合的な学習の時間の活動の広がりが変わってくる。
 地域の歴史について児童自身が主体的に学び、多様な人とつながっていくことが、地域を愛し、未来に向けて進む希望と力をもつ児童の育成につながると考え、以下の二つの方策で実践を行った。
1 地域の学習材を生かし、多様な人たちとつながるように単元構成を工夫すること
 地域の学習材として、西山の石油を取り上げる。西山ではかつて石油産業が盛んであった。明治・大正時代には石油産業が発達し、西山の石油産出量は国内の7割を占めていたという歴史がある。また、学習材との出会いやかかわらせ方を工夫し、必要感をもって多様な人たちとつながるような単元構成にしていく。
2 自分たちの思いを劇にして地域に発信すること
 調べてきたこと、考えてきたことを基に生まれた思いを発信することが、自分にできることを実践していこうという態度を育むことになると考える。本実践では、学習発表会を発信の場として、自分たちの思いを劇にして伝えていく。
 この取組は地域への愛着と誇りをもった児童の育成を目指すこと、加えて地域活性化にもつながると考え、今後も実践を継続していく。

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「教育実践」
児童の思いや願いを大切にしながら、生命の尊さを実感させる飼育・栽培活動
新潟市立山田小学校
二野 憲子

  児童の直接的体験が減っている。その中で、生きた教材である動物・植物の飼育栽培活動は、意義深い。このことは中教審のまとめにも明示されている。
 しかし、長期間の飼育・栽培単元では、児童の興味・関心がとぎれやすくなる。また、教師は、世話をさせるだけ、自由に観察させるだけの漫然とした指導をしがちである。そのため、一人一人の個別的な気付きは生まれるものの、他とのかかわりによる学びが深まりにくい。
 そこで、モルモットの飼育、アサガオ・野菜栽培活動において、次の2点からその解決に迫った。
1 思いや願いを実現する活動を適切に位置付ける
①個々の思いや願いを表出する活動を位置付ける
 モルモット引継ぎ時の1・2年交流で思いや願いを伝える。モルモットの誕生日パーティーでモルモットへの親しみの気持ちを表出させる。
②個や集団で選択・意思決定する場を設ける
 モルモットを飼いたいのか、引継ぎをしたいのかについて学級で話し合う。また、アサガオの種、野菜の種類、種から育てるか苗から育てるか、鉢の形や大きさを選択させたり、アサガオの間引き・つるでのリース作りの意思決定をさせたりする。
③生き物のためによいことを考え、進んで行う活動を位置付ける
 植物の成長の状態に合わせた適切な世話をさせる。
2 自然の不思議さや面白さに気付かせる活動を位置付ける
 獣医師による健康診断に立ち会ったり、モルモットの心音を聞く体験をしたりする。アサガオの種の中やアサガオ・野菜の体の観察をしたり、野菜の秘密クイズ大会をしたりする。
 これらの手だてにより児童は生き物への親しみをもち、生命の尊さを実感することができる。

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「教育実践」
専門性を生かし、学校を活性化させる「サイエンスコーディネーター」
~意欲的な職員集団の育成と理科好きの児童を目指して~
新潟市立早通小学校
斎藤 隆

  新潟市立早通小学校は、昨年度まで新潟県小学校教育研究会から理科の指定研究を受けていた。私は、教務主任をしながら「サイエンスコーディネーター」という立場で理科教育の推進に力を入れている。「サイエンスコーディネーター」とは、理科の指導経験が少ない職員や理科指導に苦手意識をもっている職員を支援する役割を担う校務分掌である。各学級の支援ができるよう、生活科・理科にTTとして入る時間を確保している。実践を通して、意欲的な教師と理科好きの児童を育てたいと考えた。
 「サイエンスコーディネーター」としての取組は以下の視点で実践してきた。
1 職員の負担を軽減する取組
 教材園整備の支援・観察の支援・授業準備の支援
2 職員の指導力向上と理科の授業を充実させる取組
 単元を通したTTで担任の指導力向上を図る・部分TTで担任の指導を支援
3 意欲的な職員集団の育成を図る取組
 教材研究を一緒に行うことやバックアップの会で担任の思いを具体化し授業をつくる支援
4 理科好きな児童を増やす取組
 教務室前の廊下に「理科コーナー」を設け、季節の変化に応じた展示の継続サイエンスコーディネーターとして実践したことについて、研究大会でアンケートを行った結果、参加者から100%の肯定評価を得ることができた。さらに、次のような成果が見えてきた。
1 意欲的な職員集団を育成することができた。
2 自然に興味・関心をもつ児童を増やすことができた。

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「教育実践」
生徒の思考力・判断力・表現力を高める指導
~予想の交流場面の工夫を通して~
新潟市立光晴中学校
山田 裕

  生徒が理科の実験・観察に主体的に取り組むためには、生徒に目的意識をもたせることが大切だと考える。私の授業を振り返ると、実験・観察の目的が分からず結果を見落としたり、考察で何を考えてよいか分からなくなったりする生徒がいた。このような目的意識をもてずに実験・観察に取り組ませていると、生徒の思考力・判断力・表現力を高めることは難しい。
 そこで、生徒に目的意識をもたせ、思考力・判断力・表現力を高めることを目的として、実験・観察の予想を交流する場面を次のような手だてで工夫することとした。
1 予想の交流方法の工夫
 まずは生徒の立てた予想を交流させる。予想の違いから、根拠や考え方の違いに注目させ、根拠や考え方も交流させる。交流によって自分の考えを強化したり、考え方の妥当性を判断したり、自分の表現を工夫したりするなどして、説得力のある説明に変わっていく。
 また、ワークシートを工夫し、じっくりと考えられるようにした。交流後の考えを記入する欄を設け、意見の変更を肯定的に捉えられるようにした。
2 予想を仮説に高める手だて
 実験や観察で生徒全員が仮説を立てられるわけではなく、なんとなくそう思った、という生徒も必ずいる。この生徒に既習事項を確認させたり、生活体験で似たようなものがないかという視点を与えることで仮説を立てる支援とした。
 また、予想の交流を行わせることで予想の違いに気づかせ、その予想を考えた理由を引き出し、予想を仮説に高められるように指導した。
 交流後には自分の予想や仲間の考えに対して根拠を探したり求めたりする姿が見られ、思考力や判断力の高まりが見られた。ワークシートの記述も理科用語などを適切に用いて表現する生徒が増加した。

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「教育実践」
コンセプトマップを用いた根拠に基づく考えを引き出す指導の工夫
聖籠町立聖籠中学校
石井 喬志

  本研究で用いたコンセプトマップとは概念地図のことである。概念につけられている言葉を「概念ラベル」、そのつながりを表す言葉を「リンクワード」として、この2つを用いて図式で視覚的に表したものである。作成する活動を通して、語句と語句の関連性が整理され、既習事項の習得につながると考えた。また、本研究では科学的に探求する能力の考え方として、「根拠をもって自分の考えを表現すること」とし、それができていけば科学的に探求する能力の基礎と態度を育てられるとした。
 しかし、これまでの私自身の授業を振り返ると、一方的な知識の伝達になっていたり、観察・実験で考えをまとめる時間を十分に取らなかったりと科学的に探求する能力を育てるための授業とは言えなかった。そのため何のための観察・実験か分からずに活動を進めていたり、得られたデータをもとにした考えをまとめられなかったりしていた。結果として仮説や考察に対する考えの根拠ももてていない生徒が多かった。そこで、本研究では以下の手だてを講じ、研究を進めた。
1 既習事項を整理させるためのコンセプトマップの作成
 手順として、まずは各自で考えをまとめる。次に班で見せ合い、参考になったことを書き加えていくといった「個→グループ→個」といった流れを大切にして行った。
2 根拠に基づく考えを引き出す課題設定の工夫
 課題解決の際に、既習事項を用いて考えることができる課題設定を心掛けた。そうすることで、既習事項を整理したコンセプトマップを利用し、根拠を明確にして、自分の考えを述べられるように工夫した。
 これらの実践を通し、生徒の理解に対する自己評価や定期テストでの結果、そしてワークシートの記述にも変化が見られていった。生徒の中で既習事項が整理されていけば、既習事項を用いて新しい課題に対して取り組もうとする姿勢が育まれ、根拠に基づく考え方を引き出せると言えるであろう。

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「教育実践」
化学変化を粒子で語ることができる生徒の育成
~対話の多様性とメタ認知を通して~
加茂市立加茂中学校
松原 智加

  これからは学んだ内容を活用する力を身に付け、変化の中に活きる社会的存在としての生徒を育成していく必要がある。生徒が主体的に学習に取り組み、学んだことを生徒自身の中で内面化させ確かな学力とするために、段階的な学びの確認(振り返り)を行い、客観的に自分自身の考えを認識するメタ認知をうまく働かせていく。肯定的なメタ認知ができていけば、自己肯定感が育まれ、学習意欲も持続されると考える。また、生徒の発言や授業ごとの振り返りを基に生徒に対応した単元構成を行い、より学習内容の深い理解につなげていく。
 これらを基に本実践では、化学の分野で「粒子」という概念を柱に、実験で目の前に起こる化学変化の事象を原子分子という粒子で考え、語ることができる生徒の育成を目指した。
 具体的には次の3点から取り組んだ。
1 「粒子」を柱とした単元構成と教材の工夫
 「粒子の存在」から始め、物質が全て原子や分子でできていて記号で表すことができ、次の「粒子の結合」では化学反応全てが化学反応式で表される。しかしここで次に「粒子とエネルギーの関係」の学習が入ると、原子の種類や数が変わらないから「質量が保存される」までの理解につながりにくいと考えた。以上のことから、「粒子とエネルギーの関係」を間にはさめずに、「粒子の結合」から「粒子の保存」へと授業をすすめた。
 また、予想の段階で原子カードを使って考え、実験で検証し、原子モデルで考察を行い言葉でも表現させる。この学習の流れをセットにして単元の学習を進めた。そして化学変化による質量の関係を粒子で考えられるようにし、化学変化を粒子で語れるようにした。
2 段階的な学びの確認
 振り返りを重ね、肯定的なメタ認知を行い、次の学びへの意欲をもたせるために段階的に学びの確認を行った。授業ごとの「1分振り返り」、単元の途中での「イメージマップ」、単元後の「イメージマップ」「振り返りレポート」である。生徒自身が学びの確認を行うとともに、教師自身も生徒の思考の変化や深まりをみて授業や単元構成を考える基とした。
3 多様な対話
 他者との対話の中で自分を見つめることで学びの確認ができメタ認知につながる。「1分振り返り」で教師がコメントを返すことで自分の学びの確認を行う。また、グループでの話合いやクラスでの発表を見たり聞いたりして他の考えに触れることで自分の考えの広がりや深化を図らせる。そしてそれらを振り返りで表出することでメタ認知し、化学変化の事象を粒子で語ることができるようにさせた。

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「教育実践」
身近なものに目を向け、学んだことを活用する生徒の育成をめざして
~学習内容と日常生活を関連付ける学習場面の工夫~
見附市立南中学校
早田 浩延

  国立教育政策研究所が示した、「教育課程の編成に関する基礎的研究」の報告書において“21世紀型能力”が提案され、これからの教育の課題として、「知識・技能の習得だけでなく、日常生活において、知識・技能を活用して問題を解決できる力」を育成することが重要だと言われてる。そこで単元の終末に、身近な自然や日常生活の中にある自然事象とのかかわりを設定し、学び得たことを活用する生徒を育成するために次の3点の手だてを講じた。
1 学び得たことを活用するための課題の設定
 単元を通して学習してきたことを、身近なものに目を向け、活用するための場を設定した。またそれをグループでの課題解決に努めた。
2 仲間とのかかわりを通して、理解を深め、新しい発見ができるための工夫
 グループでまとめる活動を通して、考えを交流させて、課題解決をするために話合いを行った。また他のグループとの交流の時間を確保し、意見交流から理解を深め、新しい発見ができる場を設定した。
3 自分の見方や考え方が変化した視点について考える個の振り返り
 学習前の日常生活での見方と学習後の見方を自分の言葉で振り返る活動を取り入れ、グループごとに交流させ、見方や考え方が変化した視点を基にグループの発表を行った。
 日常生活の中に、理科の学習で養うことができる「もの」の見方や考え方を生かせる場面はたくさんある。知識だけでなく、実際の生活の中で考えたり、活用したりすることができる理科教育を、今後の研究で目指していく。

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「教育実践」
粒子モデルを使いながら、自分の考えを確かにしていく授業の取組
長岡市立旭岡中学校
櫻井 真郷

  「粒子」にかかわる学習を2年間にわたり授業実践した。その取組ついて報告する。対象の生徒は、粒子にかかわる分野に苦手さを感じている。また、自分の考えを図や言葉にすること、それを用いて相手に伝えることに苦手さを感じている。このような生徒の実態を受け、「粒子」にかかわる学習を通して、生徒がこれまでの学習を生かし、自分の考えを表現し、相手に伝えることができる授業づくりに取り組んだ。
 1年目は中学校区の小学校と連携し、小学4年と中学1年が「粒子」を題材に授業を行った(ただし、小学4年から中学1年まで継続して指導した実践ではない)。中学1年で学習する状態変化にかかわる単元では、小学校の学習内容を振り返ったり、必要に応じて確認したりする場面を設けながら学習を進めた。この取組から、次の2つの成果が得られた。
1 これまでの学習を振り返ることの有用性
 小学校の学習の振り返りの場面では、生徒の出身小学校が異なっていることから、振り返りを通して小学校で学習したことを確認し、また、必要に応じて補足した。これにより、これから始める学習のスタートをそろえ、学習内容を意識させることができた。
2 繰り返し学習して、見通しをもつ
 生徒が学習への見通しをもつことができるよう、学習の進め方をパターン化し、繰り返し取り組ませた。状態変化の学習では、物質の状態を粒子モデルを使って説明することが大切なので、次のような手順で学習を行った。
 ①自分の考えをもつ
 ②実験班で考えを発表する、自分の考えをもてなかった生徒がいた場合は生徒同士で教える
 ③考えを発表する場面を実験班から学級へと拡大する
 ④自分の考えを整理する
 パターンを繰り返し、固体から液体、液体から気体への状態変化の学習を行った。また、粒子モデルを使う場面を増やしたり、「みんなで分かるようになろう」と繰り返し生徒に働き掛けたりした。
 2年目は、1年目の成果を、原子・分子の学習へと適用した。化学変化にかかわる単元では、生徒実験が増えることから、実験結果を予想したり、実験の手順を考えたり、結果を整理や考察したりすることを個人や実験班で繰り返し行った。また、実験結果を振り返り、次の実験を行うことを意識させた。
 この2年間の取組を通しての成果として、これまでの学習を生かし、学習のパターンを繰り返すことで、次第に見通しをもち自分の考えを表現することができるようになってきた。また、自分の考えに自信がもてる生徒も増えてきた。その一方で課題も明らかになった。ある程度のパターンの中では、自分の考えを表現できるが、結果を組み合わせて新たな考察を組み立てるには十分ではなかった。

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「教育実践」
俯瞰的な視点で生命維持の仕組みを理解させる指導
~消化・吸収・排出を「細胞呼吸」と結び付ける学習を通して~
長岡市立南中学校
宇尾野 卓巳

  生命尊重の概念は教科をはじめ、あらゆる教育活動の中で育んでいくべき重要なものである。中学校2年「動物の体のつくりと働き」においても消化・吸収・排出の学習を通して生命維持に目を向けさせることとなっている。生徒にとって覚える用語が多く、断片的な知識の記憶になりがちな本単元で、全身の器官が関係して生命を維持していることを理解させることを目的とし、次の2つの手だてからその解決に迫った。
1 毎時間の学習を「細胞呼吸」と結び付けてワークシートに記録させる
 各器官の働きがすべて生命維持につながっていることを理解させるため、細胞がエネルギーを取り出すこととどのように関係しているかを毎時間記録させた。
2 モデルを操作して消化・吸収・排出の流れを説明させる
 ブラックボックスである体内で起こる消化・吸収・排出を、細胞がエネルギーを取り出すための一連の流れとして理解させるために、モデルを操作して食物を取り込んでから排出されるまでの流れを説明する場面を設定した。
 生徒のワークシートの記述内容や発表の様子から、各器官の働きと「細胞がエネルギーを取り出すこと」が関係していることを結び付けることができているかを見取り、検証した。

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「教育実践」
思考ツールを活用した、多面的に推論する力を高める指導の工夫
小千谷市立南中学校
石田 幸弥

  「平成27年度全国学力・学習状況調査」の結果では、基礎的・基本的な知識・技能を活用し、グラフ・資料などに基づいて、自らの考えや他者の考えを検討して改善することに課題があると報告されている。当校でも、実験・観察を行う場面では、意欲的に取り組む生徒が多数いる反面、問題解決への見通しがもてず、実験結果を整理し、実験結果からの分析、解釈に不十分さを感じる生徒がいる。
 また、アンケートの結果から、生徒の実態として、話合いを行うことで理解が深まると肯定的な回答する生徒は44%であった。しかし、自分の考えに自信がもてなかったり、課題に対し意欲をもって取り組めなかったりし、発言や考察をしようとする生徒の割合は28%と低くなっていることが分かった。それらの要因として、事象に対して自身の考えが混沌とし、考えが整理されていないことが考えられる。そこで、次の2点から解決に迫った。
1 思考ツールを用いた思考の表出
 主に実験の予想場面、実験方法や観察方法の検証場面、結果の分析・考察の場面で、思考ツールをくり返し用いた。自分の考えを視覚化することにより、活動への自信をもたせる工夫を行った。
2 他とかかわる場の設定
 思考ツールなどを用いながら、ホワイトボード等を利用し、他とかかわる場面を意図的に設定した。主に実験の予想、実験方法や観察方法、結果の分析・考察の場面で、個人で考えた思考ツールを基に、班で話合いを行った。
 生徒は、思考ツール等をくり返し使用することにより、自身の考えを視覚化し、多面的に推論することが容易になった。思考ツールを用いての話合い活動が、多面的に推論する力を高める効果を生み出していることが見えてきた。
 今後は、第2学年「化学変化と原子・分子」の実践を繰り返し、より効果的な指導方法を追求していく。

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「教育実践」
理科を学ぶ意義と社会生活とのつながりを考えた授業の工夫
~理科教育におけるキャリア教育の実践を通した基礎的・汎用的能力の育成~
新潟県立柏崎翔洋中等教育学校
石田 渓介

  現代の生徒が成人して社会で活躍する頃には、生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会や職業の在り方そのものが大きく変化する可能性がある。厳しい挑戦の時代を乗り越え、伝統や文化に立脚し、高い志や意欲をもつ自立した人間として、他者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り拓く力が必要になってくる。そのために、学校教育を通じて、組織的・体系的なキャリア教育の必要性が挙げられている。
 キャリア教育の中でも、私は「基礎的・汎用的能力」の育成が重要であると考えている。「基礎的・汎用的能力」として、多様な生き方に関する様々な情報を適切に取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく力(キャリアプランニング能力)や、仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を立ててその課題を処理し、解決することができる力(課題対応能力)などが挙げられる。これらは、学校教育の中ではもちろん、学校教育の後に迎える社会生活に欠かせない力であると考える。
 本校中学校2年生は「今やっている理科の学習は自分の将来や社会生活に役立つと思いますか」という質問に対して、36%の生徒(81名中26名)が「役立たないと思う」「あまり役立たないと思う」と回答している。その理由としては、「自分の将来就きたいと思う職業(文系)とのつながりを感じない」「一部の職業では役立っても、他の職業では役立たない」「理科の公式を知っていても普段の生活で考えることはない」などが挙げられた。約1/3の生徒が、学校での理科の学習と社会生活とのつながりをイメージできていないと感じている。
 そこで、本研究では、理科の学習において、キャリア教育の視点を取り入れ、観察・実験の場面で、理科と社会生活とのつながりを考えさせながら授業を展開していくことで、生徒に「基礎的・汎用的能力」を身に付けさせることを目指した。

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「教育実践」
考える足場のある授業づくりをすることで、見通しをもって自力解決できる子どもを育てる算数指導
新潟市立巻南小学校
本間 陽平

  私が担任している児童は、算数において活用力を問われる問題を解決するときに、今まで使った知識を積極的に使って考えていける児童と、誰かが答えを導き出すことを待ち、その後ノートに写すなどで学習を進める児童とに二極化している。どちらも学習内容を習得することはできるが、活用力を必要とされる問題では、前者はよく考え今までの知識を使うなどして意欲的に解いている。一方、後者は全く手を出さずに手が止まってしまっている状況が見られた。この状況を何とか解決するには「考える足場」を意識した解決方法を身に付け、どう考えればよいのか見通しをもって問題を解く必要があると感じた。
 本実践では、『算数科における「考える足場」をつくる算数科授業の創造(石田淳一、2006)』に着目し、児童が問題を自力解決していく算数授業のあり方を提案する。
【手だて】
1 主問題1を解く・・・学習内容の基礎を身に付ける
 1単位時間の中で学ぶべき学習内容や、活用問題を解く際の考える足場となる問題を用意し、解きながら、基礎・基本を身に付ける。解く際に、子どもと教師で集団解決する。
2 主問題2を解く・・・活用問題を自力解決する
 学習内容の問題を考える足場を使いながら、自力解決で問題を解く。問題を解くときに、数学的な考え方(一般化など)を使って解けるような問題を設定することで、+αの力を身に付けることができる。

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「教育実践」
算数科における授業のフレームワークを活用した授業改善
~二次元表を用いた考えの整理を中心として~
新潟市立小針小学校
柳 健

  確かな学力を身に付けさせるために日々の授業改善を欠かすことができない。しかし、それが特殊な方策であったり、特定の教師にしかできないものでは意味がない。問題解決学習を柱に経験を問わず、特殊な方策に頼らない授業改善の方策を提案したいと考えた。
 そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 授業のフレームワークの定着
 展開のさせ方(授業のフレームワーク)をある程度固定し、繰り返し授業を行う。これにより、「次にグループ学習に入るからそこで同じグループの仲間に聞いてみよう。」「全体発表が終わったら復習の問題を解くだろうから、次は別の〇〇の方法でやってみよう。」児童は次の展開を踏まえて学習に臨むことができる。
2 二次元表を用いた考えの整理
 問題解決に当たり、縦に解決の方法、横に考え方を項目立て、二次元表の形で提示する。児童自ら黒板上に提示されたこの二次元表に自力解決のワークシートを分類・整理させる。これにより自身が選択した解決の方法と考え方が全体の中でどう位置付けられるのかについて気付かせると同時に俯瞰的な見方を促していく。
 問題解決学習を通し、学び方を身に付けられるような授業改善を今後も研究していく。

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「教育実践」
主体的・協働的な算数授業へのアプローチ
~類比的推論の3つのタイプに着目して~
新潟市立亀田小学校
梅津 祐介

 次期学習指導要領に向けての教育課程改革の動向は、諸能力育成に重点を置いたものとなっている。このような動向の中で学校教育に期待されていることは、課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学習を重視した教育の展開である。つまり、授業の流れのどこでも全ての児童が自分の考えを表明でき(主体的な参加)、児童同士で話し合う中で自分の考えをつくっていく(協働的な学び)ことができる授業への転換を図ることが求められているのである。
 通常、当面した問題解決のためには、自分がもっている既習事項をうまく活用する作業がなされる。そこで働く思考は、帰納的推論と並び発見的推論と呼ばれている類比的推論である。「全ての児童」の授業への参加を目指すには、類比的推論が必須となる。ただし、この類比的推論には3つのタイプがあり、タイプによって教師の働き掛けも異なるだろう。
 以上のことから、主体的・協働的な学びを実現するためのアプローチを類比的推論に求め、教師の働き掛けのあり方を明らかにすることを研究の主題とし、以下の3点について考察を進める。
1 児童の類似性の判断はどのように行われるか。
2 1にかかわって、教師の働き掛けはどうあればよいか。
3 2にかかわって、児童の授業への参加の仕方はどう変わるか。

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「教育実践」
算数的表現力を高める指導の工夫
~ユニット式説明で論理的思考力を鍛える~
新潟市立鏡淵小学校
田村 健志

  「児童の算数的表現力を高めるにはどうすればいいか」を算数指導の柱としてこれまで実践してきた。その意義は、次の2点である。
1 学習指導要領の算数的活動の中に、説明する活動が具体的に示された。また、全国学力・学習状況調査のB問題では、自分の考えを説明する問題を中心として出題されている。以上のことから、算数的表現力は、今日の算数指導において、強く求められている力である。
2 自分の考えを友達に分かるように説明できるようになった時が、児童にとって確実な理解がなされた時である。
 しかし、算数的表現力を高める指導法は、教師の高い力量が必要だったり、導入するに当たって時間を大きく割かなければならなかったりするため、誰もがすぐに実践できるものではない。
 そこで、誰もが容易に導入していける指導法を次の2点を切り口にして探ることにした。
1 算数的表現力を高めるために有効な説明のさせ方の工夫
 話し言葉での説明(リレー説明)を鍛える場と書き言葉での説明(ユニット式説明)を鍛える場を区別し、意図的・計画的に設定する。
2 算数的表現力を高めるための指導過程の工夫
 ユニット式説明を導入し、論理的思考力を確実に鍛えられるように一単位時間内の指導過程を適切に設定する。
 以上の手だてを4学年の2単元で実践し、有効性を検証した。その結果、次の成果が見られた。
・ユニット式説明法をすることは、算数的表現力を高めることにつながると考えられる。特に、難しい説明ほど有効である。
・全く説明ができない児童を大幅に減らすことができる。
・ユニット式説明をさせる手順を示したことや、準備が大変簡単になったことから、誰もがすぐに実践できる。
 今後も実践を重ね、改善を加えていきたい。
※本研究では、「算数的表現力」を「数、式、図、表、グラフ、言葉、操作などを用いながら、自分自身の思考の過程や結果を他者に説明する力」と捉える。

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「教育実践」
思考力・表現力を高める算数科学習指導の工夫
~「聴く-思考-表現」のサイクルに注目して~
新潟市立新潟小学校
石塚 正人

  小学校学習指導要領解説算数編には、「数学的な思考力・表現力は、合理的、論理的に考えを進めるとともに、互いの知的なコミュニケーションを図るための重要な役割を果たすもの」とある。また、次期学習指導要領改訂に向けて、小学校においては「見通しをもち筋道立てて考察する力」「統合的・発展的に考察する力」「数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表したり柔軟に表したりする力」を育成するとある。知識基盤社会を生き抜くために、算数科においては思考力・表現力を高めることが課題である。
 ただし、知識・技能の教え込みや講義型の授業ではこのような力を高めるには十分ではない。いわゆるアクティブ・ラーニングの手法を取り入れた不断の授業改善が、我々教師の課題である。
 そこで、次の3点からその解決に迫った。
1 課題発見力の強化
 授業の導入において、課題提示を工夫することで様々なズレを引き起こし、児童に問いを生み出させた。このような授業を日常的に繰り返すことで、児童の課題発見力を強化することができると考えた。
2 「思考・表現の手段」の共有化
 算数の学習では、日常の話言葉だけでなく、数、式、図、表、グラフなど様々な表現の手段がある。これらは、表現だけでなく、思考の手段としても大変重要である。そこで、「思考・表現の手段」として児童全員が必要に応じて使うよう指導した。
3 「聴く-思考-表現」のサイクルを学習場面に設定する
 単元を通して、「聴く-思考-表現」のサイクルを学習場面に設定した。他の児童の考えを聴き、思考したことを説明したり、ノートに記述したりして表現させた。
 本実践の結果、思考力・表現力を高めることに一定の成果が見られた。今後も、思考力・表現力を高める学習指導の研究を重ねていく。

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「教育実践」
小学校高学年「分数の乗除」や「割合」において、問題構造をつかんで演算決定する指導の工夫
新潟市立東中野山小学校
内山 大樹

  小学校高学年の算数「分数の乗除」「割合」単元の指導は難しい。私のこれまでの指導を振り返ると、問題構造をつかめず立式できない児童、演算決定で間違えてしまう児童がいた。全国学力・学習状況調査の結果からも、小学校高学年で問題構造をつかめていない児童、演算決定で間違えてしまう児童の割合が多いことが分かる。問題構造をつかめなかったり、演算決定で間違えたりしてしまう原因の根本には、次の2つにあると考えた。「文章題を端的に表した図(ここではテープ図、対応線分図を扱う)を読む経験量の少なさ」と、「図と問題文と式を関連させて考える経験量の少なさ」である。そこで、以下の2つの手だてを単元の中で繰り返し設定し、その解決に迫った。
1 選択肢から正しい図を選ばせる
 問題文と一緒に3つの図を提示し、問題に適した図はどれかを問う。「単位が違うので、この数があるのはおかしい」「もとになる量は1になるはずだからこの図は違う」など、児童は選択肢の図の中の間違いを指摘し、図の見方を獲得していく場面、問題文と図を関連させていく場面を設定する。
2 なぜその式が正しいのか、問題文や図と関連させて説明させる
 式の正しさを、問題文や図を根拠に説明させる。演算決定の根拠を問題文の中から探したり、問題文を言葉の式に言い換えたりさせることで、式と問題文を関連させていく場面を設定する。また、同様に「比べられる量」「もとになる量」「割合」が図のどこに当たるのか考えさせることで、式と図を関連させていく場面を設定する。具体的には、選んだ図を使って説明する活動を取り入れる。
 この2つの手だてを、「分数の乗除」「割合」単元の中で繰り返し設定し、文章題の問題構造をつかんで演算決定する姿を目指した。

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「教育実践」
数学的活動における生徒の課題意識を高めるための手法の考察
~ジグソー法を用いた学び合い活動を通して~
佐渡市立金井中学校
阿部 早和

  これまでも数学的活動の場面で学び合い活動を行ってきたが、上位の生徒が主体となって問題を解き、周りの生徒はそれを聞くだけ、写すだけになる場面が多く見られた。全ての生徒が主体的に課題解決に向かうためには、これまで学習した内容に自信をもつとともに、一人一人が本時の課題に対する明確な課題意識をもつことが重要であると考えた。そこで、アクティブ・ラーニングの具体的なあり方やその方法を充実させるための指導案検討、学び合い活動の効果的な活用について探求を続けてきた。数学的活動の場面において、アクティブ・ラーニングの一環として「ジグソー法」による学び合い活動を実践することで生徒の学力や学習意欲を高めたいと考え、本研究実践を行った。
 様々な単元や内容において実践を行い、ジグソー活動を効果的に作用できるのはどの単元や内容かを検討した。また、ジグソー法を取り入れた授業では、導入部で行うヒント問題と課題をいかに設定すればより効果的に活用できるかについても検討した。
 ジグソー法を有効に活用して課題意識を高められたことで、次の成果があった。
1 各単元の活用において、生徒の意欲的な様子が見られ、自己評価も高く、ジグソー法における課題設定が有効であった。
2 オープンエンドな課題を設定した場面において、生徒の取組の様子、自己評価から課題意識を高くもって意欲的に取り組む姿が見られた。
3 ヒント問題と本時の課題の意図的なつながりを重視し、エキスパート活動からジグソー活動を設定することで、2つの活動のつながりを生徒が実感しやすく、課題解決までの道筋がはっきりしたため、課題意識が高まったのだろうと考えられる。
 また、計算や証明の内容では有効に活用することが難しいことも分かった。これらの分野でいかにジグソー法のヒント問題と本時の課題を設定し、生徒に働き掛けることで有効に活用できるかについて、今後も研究を続ける。

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「教育実践」
児童が主体的・対話的に課題を解決するグループ学習の指導法
~思考を共有する「つぶやき君(共有シート)」を用いて~
阿賀野市立分田小学校
川口 弘泰

  これからの児童の学習の在り方として望まれるのは、課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを目指す「アクティブ・ラーニング」であると言われている。そのための指導の方法等を充実させていくことが求められている。
 今年度、「グループ学習の充実」をテーマとして研究を進めている。石田淳一氏は、「学び合いのある算数授業づくりに取り組む上で、グループ学習は欠かせない。」と、グループ学習の重要性を説いている。
 しかし、グループ学習の質が高くなければ、算数の得意な一部の児童が主導権をにぎって課題を解決し、グループの全員が理解しないまま学習が進んでしまいがちである。一方、算数の苦手な児童は、分からないことを同じグループの児童にそのことを伝えることができずに学習が進むことから、個人で問題を解く場面になると手が止まってしまうことがある。課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学びを実現するためには、グループ学習の質をいち早く高める必要がある。
 グループ学習を行わせる時に、まずは授業者が「グループ学習のもつ役割や質」を十分に理解する必要がある。そして、「ねらいをはっきりさせたグループ学習」「1単位時間のグループ学習の取り入れ方の工夫」を行うことで、児童に横のつながりが構築され、課題発見・解決に向けた主体的・対話的で深い学びに変化すると考えた。
 本研究では、思ったこと・分からないこと・相談したいこと・自分の考えなどを自由に書き込むことができ、かつその情報が常に開かれた状態となる「つぶやき君(共有シート)」を、グループに1枚ずつ配付する。児童一人一人の思考が明確になる「つぶやき君(共有シート)」を用いることが、グループ学習の質の高まりに有効であったか否かを明らかにする。

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「教育実践」
継続的な言語活動を通した数学的な表現力の育成
~式と言語を往還させる活動を通して~
新発田市立本丸中学校
皆川 俊勝

  当校の生徒は問題を解くことはできるが、自分の考えを伝えたり、解法や思考の流れを説明したりすることが苦手である。また、数学的用語を正しく理解していない生徒、自分の考えやその根拠を伝えることが苦手な生徒も多い。そこで、問題解決の過程や思考の流れなどについて、数学的用語を用いて適切に表現する活動を意図的に設定し、仲間とかかわり合う活動を通して数学的な表現力の育成を目指すことにした。さらに、式と言語を往還させる言語活動を日々の授業の中に継続的に行うことで、生徒が自分の考えを根拠をもって説明することができるようにする。
 本研究では、次の手だてを意識しながら授業を行った。
1 授業において課題提示をする際には前時の学習や既習事項との比較を行わせ、本時の課題との違いや既習事項との関連を見付けさせる。本時の学習は既習事項に到達するまでの部分であることを伝え、学習内容を明確にさせる。
2 課題解決の方法について他者に説明をする機会を意図的に設ける。自分の思考の流れを説明する際に、数学的用語を意識して使わせるようにする。生徒には適切な説明をした生徒をモデルにするように働き掛ける。自分だけで説明することができない生徒には教師や他の生徒の説明をモデルに復唱させ、説明の仕方や考え方の根拠等の理解を深めさせる。
3 互いに課題解決の手助けをしたり、質問し合ったりする場を設定し、生徒同士がかかわり合って学ぶ機会をつくる。問題演習等を行った後には全体での答え合わせの前に近くの生徒同士で答え合わせをさせたり間違った箇所の訂正をさせたりするなど、分からないことを教えあったり聞きあったりする場面を意図的に設定する。また、かかわり合いのキーワードを提示し、かかわり合うスキルを身に付けるきっかけをつかませる。
 以上の手だてを計画的・意図的に実践し、生徒の変容を検証した。

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「教育実践」
算数教育における「ミスコンセプション」の解消を目指した学習指導の工夫
~コンセプションの静態の四面体モデル(大滝、2013)と否定論(岩崎、1992)を用いて~
新発田市立東豊小学校
伊藤 孝希

  系統的展開の強い現在の算数教育において、児童は既有の知識に基づいて新たな知識を創りだす(阿部、2013)。
 しかしながら、その新しい知識を創りだした後でも、既有の知識に固執してしまう児童が現れる。例えば、「平行四辺形の面積」では、その公式を言葉で記述することやそれを用いて求積することはできても、多くの児童が「高さ」を斜辺と混同することが指摘されている(清野、2011;辻、2012)。また、平成19年度の全国学力・学習状況調査においても、多様な情報が示された中で平行四辺形の面積について考える問題では、(底辺の長さ)×(斜辺の長さ)で求めている解答が34.4%も表れた(国立教育政策研究所、2007)。
 このような「ミスコンセプション」(平行四辺形の求積を、長方形の求積のように『辺×辺』で求めてしまう)の解消は、算数教育における重要な課題の1つといえる。
 そこで本研究では、この「ミスコンセプション」の解消を図るために、2つの理論を用いる。1つ目は、コンセプションの静態の四面体モデル(大滝、2013)である。このモデルでは、既有知識から新しい知識への発展性を明らかにすることができ、新しい知識のもとで既有知識が残ることを「ミスコンセプション」として捉えることができる。ゆえにこのモデルを用いて、児童の概念形成の状態と「ミスコンセプション」の要因を明らかにする。
 2つ目は、数学的概念形成理論である否定論(岩崎、1992)である。この否定論は、「1 今までの方法ではできないことを意識させる段階(限界の認識)」「2 どうやったらできるか考えさせ、共通点を見いだし、新しい概念を捉えさせる段階」「3 なぜ今までの方法ではできなかったのか考え、比較しながら、概念間の関係性を捉えさせる段階」の3段階で構成されている。これらの過程を経て、ミスコンセプションの解消を図る。
 この2つのモデルを用いて児童のミスコンセプションが解消される様相を2実践で示し、学習の振り返りの記述を分析して、ミスコンセプションの解消と研究方法の妥当性を検証する。
<引用・参考文献>
阿部好貴(2013).「数学的モデル化からみた数学的リテラシーの捉え方」,日本数学教育学会『数学教育学論究 臨時増刊』,第95巻,pp.9-16.
岩崎秀樹(1992).「数学学習における「否定」の研究(1)」,日本数学教育学会『第25回数学教育論文発表会論文集』,pp13-18.
国立教育政策研究所(2007).『平成19年度 全国学力・学習状況調査 調査問題 小学校算数B』,p.13.
大滝孝治(2013).「確率ミスコンセプションの克服に関する否定論的考察:小数の法則を事例として」,全国数学教育学会『数学教育学研究』,第19巻,第2号,pp.109-115.
清野佳子(2011).「面積の概念の統合的な理解を図る指導の工夫‐図形の性質に着目した変形操作を通して‐」,日本数学教育学会『算数教育』,第93巻,第2号,pp.2-10.
辻宏子(2012).「平行四辺形の求積問題の解決にみる子どもの「高さ」の理解」,日本数学教育学会『算数教育』,第94巻,第4号,pp.2-10.

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「教育実践」
文章問題の場面把握ができる子どもの育成を目指した算数授業
~テープ図を作り出す場面を取り入れて~
三条市立上林小学校
御子柴 直之

  児童が文章問題に取り組むとき、問題の中で数値がどのような意味があるのか把握できていないことがある。そのため、正しく式を立てられず、答えが求められないことがある。その問題を解決する手掛かりが、文章問題の場面を図に表す指導にあると考えた。児童は、第2学年において、たし算とひき算の文章問題を取り組む際、テープ図に表してから式を立て、問題を解いている。
 文章問題の場面に沿ったテープ図をかき文章問題の場面把握ができる児童を目指し、第3学年においてもテープ図を作り出す場面を取り入れた指導が必要であると考えた。
 そこで、次の2つの手だてをとる。
1 文章問題の場面を数値の入ったテープ図に表す活動の組織
 文章問題に取り組む際、すぐに式を立てるのではなく、テープ図に表す活動を取り入れる。数値の意味を意識できるように、テープ図には、文章の中の数値を必ず書き入れて表すようにした。
2 作り出したテープ図をグループ全体で検討する場の設定
 各自がかいたテープ図は、まず、4~5人のグループ内で見せ合い、文章問題の場面に沿っているか検討した。検討においては、文章の数値がテープ図のどの部分にあたるのか説明し合った。また、児童によってテープの数にも違いがあり、場面に沿ったテープ図はどのように表せるか考えさせる場とした。次に、各グループの代表的なテープ図を全体で検討する場を設定した。文章問題の場面に沿ったテープ図を明確にして、より正確な場面把握ができるようにした。
 これらの手だてにより、たし算とひき算の文章問題において、正しく場面を把握できる様子が見られるようになった。今後も、児童が様々な文章問題において、テープ図などの図を活用できるように実践を続けていきたい。

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「教育実践」
数学的な思考力、判断力、表現力を支える効果的なICT活用法の研究
三条市立森町小学校
野口 大樹

  「算数を好きになって欲しい」という願いが根本にある。今まで子ども自身に、学習意欲をもって課題に取り組んでもらいたいと、ICT機器を活用した実践を行ってきた。その結果、ICTの活用により「子どもの視線が集中した」「問題場面のイメージがしやすくなった」という効果があることが分かったものの、以下のような課題が見られた。
(課題)
・教師側が与えたものを基に考えるため、思考に制限がかかる。
・タブレットやタッチペンの操作が直観的でなく、ノートや黒板の方が表現しやすい。
・書画カメラでは異なる意見を並べて提示できない。縮小して並べて表示では見えにくい。
・最後に教師がきれいに整理したアニメーションを見せたのでは、児童に考えさせた意味がなくなり、自分で考える意欲態度をかえって削いでしまう。
 これらの課題解決のため、「どの場面やタイミングでどんなICTを活用すればねらい達成に有効に働くか」「学級の実態を踏まえ、児童の意欲付けを大事にした有効な活用法は何か」を考えた。その結果、「授業導入場面での学習課題の提示にこそ、ICTが生きる」ということが見えてきた。そこで私は、「スモールステップでのフラッシュカードの提示による導入」を取り入れた授業を組み立てた。
 「スモールステップでのフラッシュカードの提示による導入」とは、まず、ホワイトボードにパワーポイントで作成したコンテンツをプロジェクターで投影する。次に、授業導入時に、本時の課題で、自力解決につながる重要な既習事項を、フラッシュカード形式で組み立てて進めていく授業方法である。その際、スモールステップを大切にする。
 この方法を通して児童の学習意欲を促し、数学的な思考力、判断力、表現力を深める支えとなることができたかを検証していく。

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「教育実践」
論理的思考力を育む授業展開の工夫
~「問題づくり」を取り入れた単元構成を通して~
長岡市立山古志中学校
大田 克

 数と式の領域において、文章問題を苦手としている生徒は少なくない。文章問題をよく読もうとせず問題を解こうとするか、あきらめてしまう傾向がある。しかし、立式さえできれば解くことができる生徒が多い。そこで、いろいろな解法でアプローチできる「問題づくり」を取り入れた単元構成を行うことによって、数学の面白さや楽しさを味わうことができれば、数学への興味・関心が高まり、その結果、事後の学習は生徒の積極的な学びへと変容していくものと考える。
 「問題づくり」の授業は、単元全てを学習した最後に発展課題として取り扱われることが多い。しかし本研究では、その単元での解き方をひと通り学習した直後の「利用」の第1次で行うことで、今までの既習内容を確認でき、文章問題の問題構造を知り、さらに発展的な問題に取り組もうとする生徒の姿を目指す。
 また、生徒が作成した問題をお互いに解き合ったり、変更した条件が問題として成り立たなかったものをグループで協力しながら問題づくりをしたりすることで、生徒は自ら課題を見付け、課題を追求できるようになると考える。
 それにより、具体的な整数の計算式から答えの規則性を機能的に見いだし、それがいつでも成り立つことを演繹的に証明していく流れを大切にし、文字や式を利用することのよさや論理的思考力の伸長を図る。
 2年「連立方程式」では、身の回りの問題(代金)を例題として問題づくりを行ったため、自由に問題をつくることができていた。生徒の中には割合を用いた問題(割引セール)をつくったり、3種類の商品を用いた問題(3元1次方程式)をつくったりする生徒が見られた。3年「式の計算」では、2次方程式を用いて整数の性質を調べる問題を例題として「問題づくり」を行った。こちらは問題の条件変更によって、新たな問題をつくりあげる活動とし、どの生徒も参加できるような手だてを取り入れた。
 このように「問題づくり」の授業を「利用」の第1次で行うという実践をし、その有効性を考察する。

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「教育実践」
言語活動の充実による 一人一人の分かり方を認め、考えを広げ深める授業づくり
~5学年「図形の面積」、6学年「拡大図と縮図」の実践を通して~
魚沼市立小出小学校
藤井 大輔

 文部科学省「教育課程企画特別部会における論点整理について(報告)」(2015)では、「多様な表現を通じて、教師と児童や、児童同士が対話し、それによって思考を広げ深めていくことが求められる」と言語活動の充実の必要性を述べている。私のこれまでの算数授業では、子ども同士の協働的な学習場面の設定や、身に付けさせたい数学的な見方・考え方を焦点化する教師の働きかけが不十分であるために、帰納的な考え方や類推的な考え方などのよさを感じさせたり、理解を深めさせたりすることが十分にできていないことが課題であった。
 そこで、本研究では、多様な表現の交流を通じて、互いの考えを共有し、考えを広げ深める授業づくりを試みることとし、次の2点から研究を進めた。
1 角度や辺の長さに着目しやすい特徴をもつ図形を教材とする
 原問題として、角度や辺の長さに着目しやすい特徴をもつ図形から導入する。特徴のある既習の図形を教材とすることで、特徴が調べやすく既習の知識と結びつけて考え、解決の見通しをもったり、相異点と類似点に着目して考えたりすることができる
2 複数の図形を比較させ、数学的な見方・考え方に迫る段階的な発問をする
 複数の図形を比較させながら、感覚的な捉えから一般化に結びつける段階的な発問をする。実践1では、鋭角三角形の求積方法を直角三角形の求積方法と比較して一般化に結びつけていく発問をする。実践2では、拡大図・縮図の導入場面において複数の平行四辺形にどんな共通点があるかを演繹的に考えさせる発問をする。
 本研究において、特徴をもつ既習の図形を教材とすることにより、児童が既習の知識と関連付けて考え、解決の見通しをもったり、共通点に着目して考えたりする姿を生み、児童の数学的な見方・考え方への着目を促すことができた。また、段階的な発問により、児童が問題解決における数学的な発想や思考方法に気付いていく姿を生み出し、自分の考えを広げ深めることができた。

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「教育実践」
具体的事象を取り入れた一次関数の指導
~アクティブな授業づくりの工夫を通して~
十日町市立水沢中学校
白井 康智

 関数領域における指導では、表・式・グラフの相互的な関連が重要視されている。一方で、今年度行われた全国学力・学習状況調査における中学2年生の一次関数では、「変化の割合」と「変域とグラフ」に全国的に課題がみられた。本研究では、この2つの単元に焦点を当てる。この単元の指導で、具体的事象を取り入れ、その意味理解を深めさせることがねらいである。
 次の2つの手だてからねらいに迫った。
1 知識習得場面における具体的事象の導入
 具体的事象における「変化の割合」の意味を明らかにし、それらと式・表・グラフとの関係性について理解を深めていく。「変域とグラフ」では、具体的事象から変域を考察していく。その上で、座標平面上での変域を視覚的に提示し、グラフと変域との関係性の理解につなげていく。
2 ICTを活用した授業過程と形態の工夫
 ICTを活用することで、グラフの変化の様子などを動的に提示し、視覚的な理解を深め、学習内容のイメージをつかみやすくする。授業導入場面では、教師と生徒とのやり取りの中で指導内容を生徒が確認する。この場面では、生徒はノートへの記述は一切しない。黒板やスクリーンを見ながら、板書やスライドの次の内容を自ら声に出しながら答えていく。生徒が考え発言していくため、集中させることができる。また、ノート記述がないことで、教師の問いかけや話している内容を集中して聴くことができる。
 本研究では中教審答申に則り、アクティブ・ラーニング型の授業を構成した。授業全体を、①教師による説明・生徒との受け答え・生徒同士の対話、②生徒同士による問題演習、③確認問題、④振り返りの4段階に分ける授業過程の工夫を行った。
 これらの手だてを本研究で意図的・継続的に取り入れることで、その有効性を検証していく。

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「教育実践」
生徒が途中式のよさを感じる指導の工夫
~文字式と1次方程式の授業を通して~
南魚沼市立城内中学校
村山 佳宏

 全国学力・学習状況調査の質問紙の結果からも分かるように、数学の授業で問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いている生徒はさほど多くない。途中式を書かずにうっかりミスをしてしまう生徒が多く、Web配信問題を見ても、基本の計算で単純なミスをしてしまい、途中式を見直そうとしない生徒が目立った。
 この課題に対して、日々の授業を振り返った時に、生徒が途中式のよさを感じ、価値を見いだすような指導が不足していたことに気付いた。そこで1年生、文字式と1次方程式の授業を中心に次の2点から課題解決に迫った。
1 設題の仕方の工夫
 一般的には、「次の計算をしなさい」というように解を求めさせる設題が主流である。過去の私の授業も、一般的な設題が多かった。そこで、知識や解法を解説した授業の後に、「途中式を考えなさい」というような、途中式を問う設題を意図的に取り入れる。途中式に意識を向けさせることで、その大切さを感じ、価値気付くだろうと考えた。そして、間違った際、自分の途中式を見直し、問題解決につながるのではないかと考えた。
2 式変形の理由を考える活動の設定
 途中式を考える際に、どうしてそのような途中式を書いたのかを理解する必要がある。そのため、ペアでの説明活動を取り入れる。説明することで、より理解が確実なものになるのではないかと考えた。
 上記の2点を授業で実践していくことで、生徒が途中式の価値に気付き、途中式を生かして計算過程を振り返るようになったかを検証する。

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「教育実践」
ジグソー法を用いた社会的事象の追究
~事象を多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成~
新潟市立白新中学校
山田 耀

 これまで社会科の授業で「ジグソー法」を活用してきた。「ジグソー法」とは、ある課題を解決するために、複数の追求する面を設定し、それぞれを分担して追求した上で、話合いの中で共有、統合することで答えを導き出す手法である。「ジグソ-法」は社会科で不易である社会的事象を多面的・多角的に考える力を育むことに有効である。また、この「ジグソー法」は中央教育審議会(諮問)「初等中等教育におけるアクティブ・ラーニングの取組例」の「ペア学習・グループ学習等の推進」の中で例示されており、現在注目を浴びている手法である。
 これまでの実践で、生徒は社会的事象を多面的に把握し、考えを「広げる」ことができた。しかし、思考の「深まり」については課題が見られた。(ここでの「広がり」とは社会的事象について考える際の“面”が増えること、「深まり」とは社会的事象について考える際の“視点”が増えることとする。)事象について複数の面から考えられるようにはなったが、その考え方、獲得した知識を活用する場面がなかったことが原因の1つとして考えられる。
 そこで本研究では、「ジグソー法」を用いた授業に、多角的に考察する場面として意思決定、問題解決場面を設ける。これにより、生徒の思考に深まりが生まれ、社会的事象を多面的に把握した上で、多角的に考察することができるという仮説を立てた。以下の手法を用いて検証していく。
1 生徒が授業を通して社会的事象に対する見方、考え方をどのように広げ深めたかの変容を追う
 授業前の生徒の見方と考え方、授業中における生徒の発言やノート記述、振り返りを比較することで、手だての有効性を図る。
2 複数の意思決定場面の設定
 実践の中で、意思決定場面を設けるが、1実践目では1つの立場を基にした意思決定場面、2実践目ではそれぞれの立場を基にした意思決定場面を設ける。これにより、両者を比較することで、より子どもの思考が深まる手だてを検証する。
 上記の方法を用いて検証することで、社会的事象をより多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成を目指す。また、「ジグソー法」のより有効な活用につながり、課題解決を図るアクティブ・ラーニングとしての授業改革の実例となるところにも本研究の意義がある。

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「教育実践」
事実の読み取りや解釈を通して思考を深め、自分の言葉で表現できる生徒の育成
~単元の再構成とまとめ活動の位置付けの工夫を通して~
村上市立山北中学校
渡辺 利一

  学習指導要領では、生徒の思考力・判断力・表現力を確実に育むことが重要となっている。観点別評価においても「思考・判断・表現」となっており、思考・判断するためには言語活動(表現する活動)を行わなければ評価もできないことになる。つまり、生徒が机に座って教師の講義を聴いて暗記する授業から、生徒が考え判断し表現する社会科授業に改革していかなければならない。
 そこで、以下の方策を使い、社会科的な思考力・表現力を高める授業のあり方を研究した。
1 単元の再構成
 2単位時間を1つの授業とし、そこに、まとめ活動を位置付け、繰り返し行う。
2 事実の読み取りや解釈の活動
 資料から事実を読み取り、解釈させ、グループ活動により意見を練り上げまとめさせる。
3 まとめ活動の工夫
 立場を変えて考えさせることによって、解釈した意見を整理するとともに多角的に事象を捉えさせる。
 今後も授業改革を進め、生徒の主体的な活動の質と量を確保していくことで、生徒の社会科的な思考力・表現力を高める努力を続けていく。

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「教育実践」
中心概念を一般化する単元構成の工夫
胎内市立黒川小学校
本間 裕

 1 これまでの私の指導の課題
 5学年単元「米作りの盛んな地域」における中心概念は「農家の人たちは、地域の自然条件を生かしながら、さまざまな工夫や努力をして、おいしく安心して食べられる米を作り、国内での米作りを続けていこうとしている。」である。
 教科書では1次で日本全体の稲作の概観を指導し、2次で一農家の事例を検討させる。また、単元の終末には、それまでの学習を通して習得した具体的知識を基に「日本全国の農家の人たちの工夫や努力も同様である」と工夫や努力を一般化させて、中心概念に迫ることが多い。しかし、これまでの私の指導では身近な一農家の事例を追究させることに終始し、そこで身に付けた具体的知識と日本全体とのつながりについて、深く考えさせる手だてが不足していた。結果として、中心概念に迫るために、「日本全国の農家の人たちも同様に工夫や努力をしている」と一方的な教師の説明を聞かせ、児童に飛躍した考えをさせて一般化させていた。そのため、どうしても実感的に理解したと考えられる中心概念を記述させることができなかった。
2 研究の手だてと結果
 上記の課題を改善するために、身近な事例である黒川の稲作を検討させた後に、南魚沼の稲作を検討させることを試みた。これにより児童は「新潟県内の農家も黒川の農家の方と同じように工夫や努力をしている」と県内の稲作の工夫や努力を一般化することができた。次に、身近ではない事例として、近年、味覚、評判ともに知名度を上げている山形県の稲作を取り上げ、新潟県の稲作と比較検討させた。児童は身近な事例の検討で一般化した新潟県の稲作の工夫や努力をもとに、山形県の工夫や努力を一般化することができた。単元終末の児童は具体的な事実をあげながら「日本全国の農家の人たちも同じように工夫や努力をしている」という中心概念に迫る記述ができた。
 今後は他の単元や他学年の内容についても、転移・応用ができないか研究を行っていきたい。

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「教育実践」
実感を伴った自分の考えを、深めていく子の育成
湯沢町立湯沢小学校
井上 大輔

 小学校学習指導要領解説社会編では、社会科の学習では「国家・社会の形成者として、その発展に貢献しようとする態度や能力を育てようとしているのである。」と述べられている。これを受け、私は児童が社会的事象を多面的な視点で考え、自分の考えをもつ力を育てることが必要だと考えた。そこで、児童を育てる過程を、次の2つの段階に分けて、それぞれ手だてを講じた。
1 実感を伴った考えをもつ段階
 社会的事象に触れ、一人一人が自分の考えをもつためには、社会的事象と自分とのかかわりに気付き、実感を伴った考えを形成することが大切である。そのための手だてとして、体験的な活動や社会的事象にかかわりの深い人から話を聞く活動を設定した。また、扱う社会的事象が自分の生活とどのようにかかわっているかを考える活動を取り入れ、社会的事象について、当事者意識をもって考えられるようにした。これにより単元で扱う社会的事象について、児童一人一人が自分の考えをもつ姿を目指した。
2 かかわり合い、考えを深める段階
 社会的事象について自分の考えをもった児童には、互いの考えを交流し、多面的な考えを獲得していくことが大切となる。そのための手だてとして、資料提示のタイミング・発問・板書を工夫した。問題解決をしていく中で、追求課題に対して結論が出て思考が収束しそうなときに、既習事項とは別の資料を提示し、再度児童の思考を促した。そのときに既習事項と新たな事実が示す事象とのズレに気付かせる発問をし、追求課題を設定した。また、ズレや思考の流れが明確になるよう構造的に板書をした。先の段階で自分の考えをもった児童が、それぞれの考えをいきいきと話し、問題を解決していく姿を目指した。
 学年が上がるにつれて、扱う社会的事象が、自分の生活から離れたものになっていく。上述のステップにより、体験的な活動や話を聞く活動で実感を伴った自分の考えをもち、その考えを交流することにより、自分と異なる考えに触れ、多面的な視点をもち、自分の考えを練り上げていく姿を目指し、2つの段階における手だての有効性を検討した。

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「教育実践」
地域を愛する子どもの育成
~自分の地域と他地域との比較を通して、思考力を高める指導の工夫~
柏崎市立内郷小学校
櫻井 諒

 柏崎市は、年々人口が減少しており、当校が位置する市内西山町も同じく人口が減少している。特に20代の女性の人口流出が目立つなど、若者世代の人口流出が課題の1つとなっている。これは柏崎市だけではなく、全国各地で課題となっていることである。この課題を解決するためには、将来の社会を支える子どもたちに地域愛を育むことが必要だと考える。
 社会科は、主体的に社会の形成に参画しようとする態度や資料から読み取った情報を基にして社会的事象について考察し表現する力を育む教科である。社会科の学習を通して、子どもたちに思考力と地域愛を育みたいと考え、以下の2点で研究を進めている。
1 自分の地域と他地域とを比較する活動を取り入れた単元構成にする
 児童は、何かを学習する際に、常に自分の知っていることと比べながら学習している。自分の住む地域のよさを明らかにして、他地域のよさと具体的に比べることで、自分の住む地域により愛着をもつようになる。
2 自分の地域と他地域とを比較して考えたくなるような学習課題を提示する
 自分の地域と他地域とを比べさせたいときには、児童に「比べてみなければ分からない」という思いを抱かせるような学習課題の提示を行う。そうすることで、資料を読み取る目的が明確になり、自分の地域のよさに気付くことができる。
 本研究は地域活性化の基盤をつくり、「持続可能な社会」を実現するためにも価値のあるものだと考え、これからも研究を続けていく。

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「教育実践」
叙述をもとにして読む力を高める物語文の指導
新潟市立上山小学校
伊比 祥子

 教育課程企画特別部会における論点整理(平成27年8月)では、育成すべき資質・能力の1つとして、「学びに向かう力」が挙げられた。国語科においても、学習活動を次へとつなげる主体的な学びの実現が重要となる。
 「読むこと」の物語文の学習においては、児童が主体的に読み、自分の考えを表現できるようにしていくことが大切である。しかし、叙述を基にして考えることへの個人差は大きく、何に着目したらいいか分からなかったり、根拠をもたずに読み進めたりする児童も少なくない。そこで、次の2点から課題の解決に迫った。
1 読みを広げたり深めたりするための工夫
 それぞれが役割をもって物語を読む「リテラチャー・サークル」の手法を用いた。グループでかかわり合いながら読みを広げたり深めたりすることで、個人差への対応を図った。また、物語文を読む際の手掛かりを知り、主体的に読む力の土台とした。
2 学びを生かす機会の設定
 並行読書を行い、共通教材での学びを生かせる機会を設定した。今後の学習や読書につながるよう、手掛かりをもって読んでいく経験を積んだ。
 国語の能力は、各教科の学習の基礎となる。一つ一つの取組を次へと生かし、粘り強く学びを積み重ねていかなければならない。「主体的な学び」をキーワードに、実生活に生きて働くような国語教育を今後も研究していく。

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「教育実践」
相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝える児童の育成
~文章構成を意識して書く活動を通して~
粟島浦村立粟島浦小学校
松岡 誠

 学習指導要領解説国語編3・4年生の「書くこと」においては、相手や目的に応じ、調べたことなどが伝わるように、段落相互の関係などに注意して文章を書く能力を身に付けさせるとともに、工夫をしながら書こうとする態度を育てることが重要であると述べられている。
 しかし、書くこと自体に抵抗感をもっている児童がいる。また、工夫して書こうとせずにただなんとなく書けばいいと考えている児童も多い。
 そこで、児童にモデル文を提示し、その文を真似しながら書かせることで書くことに対する抵抗感をなくそうとした。回を重ねるごとに書くことに対する抵抗感が減ってくるとともに、文のイメージをつかむことができた。しかし、工夫して相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝えようとすることに課題が残った。
 その課題を解決するために、文章構成を理解させ、その理解のもと文章構成を考えて表現できるようにする必要がある。そこで、目指す児童を次の2つに設定した。
1 「始め-中-終わり」の文章構成で文が書ける児童
2 文章構成の仕組みに適した内容で文が書ける児童
 そして、相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝える児童を育成するために2つの手だてを行った。
ア 児童が文章構成を理解しやすいように、自作のモデル文を児童に示す。
イ 児童が文章構成を意識して書くように、バラバラ説明文の修復活動を何度も繰り返す。
 自作のモデル文を提示したことにより、文章構成の基本の型を模倣し、「始め-中-終わり」の文章構成で書くことができた。このことは、モデル文と児童の説明文の構成が同じになっていることからも分かる。また、バラバラの説明文の修復活動を何度も繰り返したことによって、「始め-中-終わり」の文章構成の仕組みを学習し、その仕組みに適した内容の文章を書くことができた。特に中の具体的な例を書く場面では、時系列で示したり、身近なものから身近でないものという順番で相手に分かりやすく書いたりすることができるようになった。

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「教育実践」
文学的な文章の学習において、観点をもって読み、自分なりの解釈をもつ子どもの育成
新発田市立御免町小学校
山田 雄太

 文学的な文章の学習において、「物語をどのように読んだらよいか分からない」という児童が多い。授業で扱った教材文は読むことができても、別の作品になると、どのように読んでよいのか分からないのである。私のこれまでの指導を振り返ってみると、教材文を正確に読み取らせるための発問や指示に留まっていた。しかし、「教材文を教える」のではなく、「教材文で教える」ことが大切であり、そのポイントは、読みの観点を児童に身に付けさせることであると考える。
 本研究では、文学的な文章の学習において、児童に観点をもって作品を読ませることを通して、児童が自ら読み、自分なりの解釈をもつ姿を目指す。そのために、2つの手だてを講じる。
1 教師が児童に読みのモデルを示す
 観点を児童に示す際には、教師が一人の読み手としての読みのモデルを示す。観点を教え込むのではなく、モデルを手掛かりとして児童に自ら読みの観点に気付かせる。また、単元の導入で教師が読みのモデルを示すことで、身に付けさせたい読みの観点を意識しながら教材文を読み進める。この活動を通して読み方の習得を図る。
2 自分なりの解釈を表現する活動を設定する
 本研究は、2つの単元での実践を基に検証する。1つ目は、5年生「大造じいさんとガン」、2つ目は、6年生「やまなし」である。「大造じいさんとガン」では、情景描写を読みの観点として、物語の魅力を本の帯にまとめさせる。「やまなし」では、比較(対比・類比)を読みの観点として、単元の終末では、「作品の心」を自分の言葉で表現させる。観点に沿って読み進めた自分なりの解釈を表現させることで、自分の読みの変容を自覚させる。
 これらの手だてを通して、児童一人一人に読みの観点を身に付けさせる。そして、自分の力で意欲的に読み、作品を味わう姿を期待して研究を進める。

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「教育実践」
説得力のある意見文を書くための指導過程の工夫
~経験を生かして書く児童の育成を目指して~
五泉市立五泉南小学校
山川 奈津子

 自分の伝えたいことを、自分自身の経験や、グラフ、図などの資料を効果的に使い文章にしていくという単元がどの学年にも設定されている。しかし、実際伝えたいことがなかなか伝わらない文章になったり、取り入れた経験や資料が内容と合っていなかったりということがある。そして、それに児童も気付いておらず、書き上げた事実だけで満足してしまっていることが多い。もっと、書くということの様々な工夫を自覚しながら、自分の文章を練り上げていくことが必要ではないかと考えた。そこで、伝えたいことが伝わる文章に必要な経験を選択し、伝わるための工夫を自覚しながら書くことができるような児童を育成したいと考え本実践に取り組んだ。
 本実践で設定した手だては、下記の3点である。
1 どの児童にとっても身近で考えやすいテーマについて話し合い、自身の経験を掘り起こしてから意見文に取り組ませる
 対象学年が6年生であることから、卒業にあたり5年生に対してぜひ引き継いでほしい五泉南小学校のよさについて話し合いを行った。
2 モデル文を自分のお試し意見文と比較することで、自分の意見文に足りないところに気付かせ、それらを取り入れて書かせる
 話し合いの結果を基に、まず自分で書いた意見文(=お試し意見文)と教師のモデル文との比較を行った。
3 モデル文の検討で見つけた工夫を意識させるため、チェック表を活用し意見文を書いたり評価したりする
 児童が見付けた工夫を表にし、取り入れたい工夫を意識させてから書いた。隣同士読み合う時には、その工夫が伝わったかどうかを表を基にチェックさせた。

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「教育実践」
「比べ読み」を通して、読む力を高める指導の工夫
見附市立名木野小学校
坂井 大空

 今までの国語授業は、1つの教材に対して、その教材だけを丁寧に教えていく形で学習を進めてきた。私は、こういった指導の仕方で、文章を読む力を高めることができるのか疑問に思っていた。
 全国学力・学習状況調査の国語B問題に着目すると、「まどみちお」の詩集、「ごんぎつね」の意見文など、複数の資料や文章から必要な情報を読み取ったり、それらを比べたりして答えを導くという内容の問題が出題されている。文学的文章を読んで、登場人物の心情や相互関係を捉えたり、説明的文章から、目的に応じて必要な情報を取り出したりして、それらを関連付けて読む力が求められているのである。
 今までの国語授業のように、1つの教材だけでは、こういった問題に対応できる力はなかなか身に付かないのではないか。また、宮沢賢治の「やまなし」に代表されるように、教材によってはその物語の世界や作者のメッセージを十分に読み取りにくいものがある。また、説明的文章の指導においても、その教材だけでの学びでは、作品の構成や書き方などの良さに気付きにくい。
 これらの課題を受け、複数の教材を活用し、それらを読み比べることで、教材間の共通点や相違点から、書かれ方の良さや作者のメッセージに気付くことができるのではないか。そして、その結果、今まで以上に文章を読む力を高められるのではないか、と考えた。
 そこで、文学的文章、説明的文章に対する「比べ読み」の実践を行う。文学的文章に対しては、同一作者の他の作品と読み比べる学習を通して、作者が作品に込めたメッセージに迫っていく。説明的文章に対しては、類似した文章と読み比べる学習を通して、文章の構成やそれぞれの良さを捉えていく。これらの実践を通して、実践の成果と課題を明らかにしながら、上記の仮説の有効性を検証していく。
 そして、児童が読む力を高める姿を実現していきたい。

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「教育実践」
「自らの学び」を大切にする子どもを育む国語教室づくり
~次期学習指導要領の視点を見据えて~
長岡市立宮内小学校
相澤 勇弥

 次期学習指導要領に向け、大切な視点として、アクティブ・ラーニングやカリキュラム・マネジメントが挙げられる。子どもが主体的に、前のめりになって学習する姿。子どもが、仲間と進んで協力して学ぶ姿。授業者として、教室に実現させたい子どもの姿である。
 では、どうやったら、そういった子どもの姿が実現するのだろうか。特に、国語科では困難さを想像する方も多いのではないだろうか。
 そこで、「単元をデザインする」という視点をもつことで、前のめりに、協力し合う子どもの学びの表出を求めた。次の3点から、子どもと行う学習活動を見直した。
1 子どもの実生活や実態に合わせること
2 子どもとともに学習を計画すること
3 かかわり合いたくなる仕掛けを教材に合わせて用いること
 これらを「3Sデザイン」と名付け、このデザインの仕方で単元をつくり、子どもと学習活動を展開した。今回の発表では、そのデザインのうち、「話す・聞く」の領域から1つ、「読むこと」の領域から2つの実践について紹介・考察を発表する。
 「3Sデザイン」で、どのように単元を作るのか。「3Sデザイン」で、どのように子どもが動くのかを提案する。

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「教育実践」
児童の自己有用感を高める取組
新発田市立東豊小学校
佐藤 俊介

  近年、対人関係において困難さを抱える児童が増えている。私は、対人関係において困難さを抱える児童に欠けている要素の1つに自己有用感があると考える。そして、児童が自己有用感を高めていけば、望ましい人間関係を築くことができると考える。そこで本研究では、児童が自己有用感を高めることができるように以下の2つの手だてを行った。
1 学級の児童全体への教育相談的かかわり
 児童への声掛けの視点を明確にし、学級の児童とかかわるようにする。
2 気になる児童に対するブリーフセラピー(心理療法技法の1つであり、解決に焦点を当てて行う教育相談のこと)の技法を用いた教育相談
 集団活動を行う際、児童の自己有用感獲得のタイプを4つに分類し、タイプに合わせた教育相談を行う。
 2つの手だてが自己有用感を高める上で有効であるか、自己有用感の高まりが望ましい人間関係を築くことにつながっているか、自己有用感アンケート、Q-U、児童の振り返りを用いて検証した。

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「教育実践」
短期療法(ブリーフセラピー)の活用
~問題行動への効果的な対応を目指して~
田上町立田上小学校
田中 晃

 「不登校」や「問題行動」に対応していると、“「原因」は何か”と尋ねられることが多い。しかし、想定される「原因」は多岐にわたる。「発達障がい」「児童の心理」「担任や職員の対応」「保護者のしつけ」「家族関係」「保護者と学校職員の関係」・・・等々。“原因”と思われそうな要因が多く、さらにどれが最も重大な要因か決めることは難しい。また、往々にして「原因探索」は、「犯人捜し」になることが多く、事態の進展につながらないことが、私には多かった。
 学校現場では、迅速な変化が求められ、対応できる時間も限られている。保護者との長期にわたる教育相談を継続する時間・機会を確保することも困難である。そう考えていた私にとって、最も現場で用いやすかったのは、「短期療法(ブリーフセラピー)」と呼ばれる支援方法であった。「原因」と「結果」を“相互に循環するもの”と見なすこの方法では、「原因」を特定することに時間やエネルギーを割かない。問題の原因は個人にあるのではなく、""問題""は、それを取り巻く“対人関係”から生まれると見なし、次のような考え方を原則とする。
1 「原因」を探さなくても、「問題」は解決できる。
2 「問題が起こらない」例外的な状況を探す事が役に立つ。
3 対象児童や保護者の「もつ力」に焦点を当てる。
4 うまくいかないことは続けない。「別のこと」をやってみる。もし、それがうまくいけば、その「別のこと」を続けてみる。
5 「解決しよう」として行っている「こと」自体が、「問題」を維持し続けていることがある。
 これまでの実践をまとめ、このアプローチの有効性と実践上の課題を提案する。

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「教育実践」
通信機器の問題と生徒の自立に関する一考察
~小・中学生の通信機器の問題の予防・指導の実践を通して~
新潟市立巻東中学校
幸田 真樹

  昨今、パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機を用いたインターネットトラブルが社会問題化している。メールやLINEを利用した言葉によるいじめ、悪ふざけ写真の投稿によるツイッターの炎上、個人情報の漏洩、なりすましによる性犯罪など枚挙に暇がない。しかしながら、通信機器のトラブルは目に見える表面上の部分でしかない。根本は「生徒の自立」の問題ではないかと考える。つまり、トラブルの予防・対処的な指導だけでなく、子ども・保護者・地域が一体となって問題意識を共有し、生徒の普段の生活や子どもの中の常識を考慮した上で、主体的なルールづくりを支援し、望ましい生活習慣を基盤とした「生徒の自立」を支える体制づくりが必要ではないかと考えた。
 次の2点からその解決を迫った。
1 通信機器・ゲーム機の背後にある様々な問題を生徒の普段の生活や常識と照らし合わせ、使用時のルールや危険性を段階的に考える仕組みをプログラムする。
①生徒の携帯電話(所持率37%)、ゲーム機(所持率86%)の状況をアンケートで集計し、その実態を提示し、自分たちの問題点を考え、話し合わせる。
②小学校授業で、中学校現場での実態を伝え、考える場面を設定する。
③通信機器と定期テストの相関関係を生徒に提示し、意識を高くもたせる。
④インターネット普及の歴史的背景(法整備が追い付かない)から「トラブルは起こって当然」という考えをもって、その使い方について学ぶ場を設定する。
2 学校・保護者・地域社会での子どもを支える既存の組織の協力を得る。
①PTA総会や地域懇談会、中学校入学説明会や地区育成協議会で、保護者だけでなく、買い与えている家族(主に祖父母)にも意識を高くもたせる。
②保護者アンケートを実施(生徒は過少申告)し、使用時間を明確にすることで、無駄に過ごした時間の多さを実感し、保護者の困っている様子を伝える。
 インターネットの世界も含め、いつの時代も人はつながりを求めている。今後も「あなたが大切」と心に訴える部分と、目に見える記録を取ること(無駄にした時間を記録する「家計簿」のような「時間簿」)を組み合わせることで、自分の生活を主体的に見直し、友人相互の関係から望ましい通信機器・ゲーム機との付き合い方の支援をしていきたい。

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「教育実践」
児童の学ぶ意欲を高めるための研究
~受容感のある集団づくりを通して~
新潟市立桃山小学校
佐久間 甲

  本実践では、意欲的に学ぶ児童の育成を目指す。そのために、心理教育を用いたアプローチと相互理解を深める教科指導の手だてを講じ、児童が学級への受容感を高めていくことをねらいとする。
 学習意欲の重要性についてはこれまでの研究やデータ、様々な書籍に散見されるものである。その中では、生徒指導の三機能を生かした学習指導が意欲の向上に有効であることが明らかにされている。また、この学ぶ意欲を支える三要素は並列ではなく、「他者受容感」の高まりに支えられて、「自己決定感」「有能感」が高まっていく関係性にあることも指摘されている。そこで私は、心理教育を用いたアプローチと相互理解を深める教科指導の手だてを講じることとした。学校生活の大半の時間を占める授業の中でも2点を大切にしていくことで、授業の中でも他者受容感を高めていくことができると考えた。相互理解を深める教科指導の手だては以下の2点である。
1 学ぶ姿勢「学び名人の3つの力」
 3つの望ましい姿勢(言葉や態度)を児童に示した。その際、児童が理解できるようにイラストを交えてなぜそのような力が必要なのかを説明した。3つの力とは「区切って伝える力」「反応する力」「自分のもやもやを聴く力」である。
 授業の振り返りの中で、上記の学びの姿を自己評価させることで、3つの力を使うことを意識化させた。また、友達とのかかわりについての振り返りを書いた記述は、コピーして友達の用紙の裏面に貼ることで、意欲のさらなる向上を図った。
2 授業中の児童の発言の扱い
 授業の中での発言やつぶやきに対して、「解釈を促す聴き返し」と「再現を促す聴き返し」を聴き手である児童に行った。そうすることで発言内容を全体に広げ、学習内容の理解につなげた。
 なお、友達の言いたいことを「解釈」したり、友達の考えを「再現」したりした児童は、大いに認めることで、望ましい学び(学び名人)であることを学級に価値付け定着させた。
 上記の手だての効果を、アンケート紙と児童記述の両方から検証をした。

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「教育実践」
アセスメントと指導協力体制構築にもとづく生徒指導のあり方
新潟市立早通中学校
見田 雅史

  生徒指導において発達障害特性をもった生徒が校内外で様々な生徒指導上の問題を起こすことが増えている。発達的な問題や家庭環境など要因は様々であるが、教師や周囲が本人に対して不適切な対応をすることがきっかけとなることも増えている。校内での生徒指導を考えた場合、問題行動の未然防止を含めたチームでの適切な指導や支援を行うことが喫緊の課題となっている。そこで、本実践ではアセスメントと指導協力体制構築に基づく指導の実践を進め、発達障害特性をもつ生徒への適切な指導や支援について迫っていく。
1 生徒に対するアセスメントの実施
 生徒の多面的な理解を図るために複数の教員からの情報を基に次の3つの視点からアセスメントを行った。
①能力面の把握(聞こえ方、理解力、学力)
②リスク要因の把握(問題行動の発生や可能性を増大させるもの)
③保護要因の把握(問題行動の発生や障害の悪化を緩衝させるもの)
2 指導協力体制の構築
 関係する職員が同じ方向に向かって生徒への対応を行うため、適時修正を図りながら次の3点を基に指導協力体制を構築した。
①該当生徒の課題整理
②指導体制の課題整理
③到達目標の設定

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「教育実践」
地域を愛する気持ちを育てる、生徒主体の活動の工夫
村上市立平林中学校
岸 茉由子

  全校生徒数が市内で一番少ない平林中学校。生徒と地域の方々は、よくあいさつを交わし、学校行事にもたくさんの方に足を運んでいただいている。その規模と特性を生かして、今よりももっと地域と生徒が密にかかわっていく活動を工夫した。生徒会執行部が中心となりながら、生徒発信・主体となる活動を実践し、生徒も地域の方々も、「この地域が大好き」と言える姿を目指した。
1 アンケートによる意識調査
 地域行事に参加することへの意欲と、学校行事に参加することへの意欲、またその理由を知るために、全校生徒へアンケートを行った。その結果から、学校行事は全校生徒が一丸となって取り組めるので、非常に意欲的な姿が見られた。一方で、地域行事に対しては、同年代の生徒が少ないことや強制参加であることへの抵抗感から、意欲的ではない傾向が見られた。
 また、本校卒業生である保護者へも協力していただき、生徒へ望むことを調査したところ、ボランティア活動や地域行事への積極的参加を要望する声が聞かれた。また、学年を超えた縦のつながりも、昔と比べると密になっていることが分かった。
 地域行事に参加するには、学校行事のように、同学年の仲間や先輩とともに目標をもって参加し、達成感を味わわせることが大切である。また、強制参加ではなくとも、「中学生として地域に貢献する」という意思をもち、自ら進んで参加する姿勢を育成する必要がある。
2 生徒会執行部主体の、学校と地域の連携活動
 アンケート結果を受けて、生徒が自主的に地域活動に参加できるように、生徒会執行部が中心となり、学校と地域の連携活動を始めた。
 まずは、月1回の生徒会朝会の時間を利用して、縦割り班4名程度で「平中生として地域のために何ができるか」を話し合った。専門委員会の活動に関連することでできることや、専門委員会に限らず平中生としてできることなどを自由な発想で話し合った。ここで出た意見を基に、執行部が代表して各区長さんの基へ伺って、話し合った上で、可能なものから実行し、学校と地域の連携を深めていく。そして、この活動の成果も含め、9月18日に行われる「環境フェスタ村上」において発表し、広く地域へ発信していく予定である。

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「教育実践」
デジタルネイティブの児童の情報モラルの意識調査及び意識向上に向けた実践検証
~概念メタファーとILASの活用~
新潟市立上所小学校
林 俊行

  総務省の情報通信白書によると、情報モラルなどの向上を図ることが重要であると示され、国全体の動きとして情報モラルの重要性が叫ばれている。また、文部科学省でも、道徳の内容の一つして情報モラルが位置付けられた。
 しかし、児童のIT環境やトラブルも日々変化している。生まれながらSNSなどのICTが生活の一部として育ってきた児童は、第二世代デジタルネイティブとも言われている。そのデジタルネイティブの児童に、どのように情報モラルの育成を図っていくかが課題となる。
 次の2点から、その課題に迫った。
1 デジタルネイティブに対する児童の情報モラルの意識調査
 インターネットを介したトラブルの認識性
 インターネットトラブルへの対応性
2 意識調査を基にした授業デザインの構築
 インターネットトラブルへの注意喚起
 インターネットトラブルの概念メタファー化による認知
 ILASを用いた情報モラル意識変容の評価
 今後も、ICT技術が進み、従来の情報モラルでの指導内容が変わらざるを得ない状況である。そこで、いかに児童の情報モラルの意識向上を図るか試みを続けていく。

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「教育実践」
通常学級に在籍する特別支援を要する生徒への対応
~指導連携と保護者対応~
新潟市立上山中学校
髙橋 大輔

  文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(2012)によると、知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒は、推定値で6.5%と報告され、その中の38.6%の児童生徒は支援されていない可能性があることを指摘している。
 当校でも研究の対象となった生徒は障がい傾向により周りの生徒と良好な人間関係を保つことができないばかりか、阻害され排斥されるような状況にあった。また、生徒を通じて周囲の保護者にも学校の様子が伝わり、学校の対応等に対する不満から問題が複雑化し、学級担任一人での解決が困難になった。本研究はこうした事例が生じてから一定の解決がなされるまでの間で、教職員が何を困難として感じたのか(生徒や保護者のクレーム処理できないことへの困難、困難が重なることへの困難、同僚への遠慮からくる困難など)、そして、その時どのような対応をとることで生徒の様子が変容してきたのかを総括し報告することとした。

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「教育実践」
記録に基づいた生徒の対応
新潟市立鳥屋野中学校
五十嵐 勝彦

  様々な発達障がい(発達障がい傾向)を抱え、失敗や問題行動を繰り返し起こしてしまう生徒がいる。そのような様々な生徒への対応がうまくいかず、その後、さらに大きな問題へとつながることも多い。そこで、そのような生徒への対応方法を蓄積することで、その生徒または同じような発達障がい(発達障がい傾向)を抱えている生徒への適切な対応の仕方・働き掛け方を見つけることができないかと考えた。具体的には、以下の3つの取組を行い、その成果を検証した。
1 担任、学年主任、養護教諭、学年生徒指導、生徒指導主事、教頭がその日に起こったことや対応方法、気付いたこと、本人の言葉で気になったことを記録し、蓄積する。
2 1で記録したものを職員同士の共通理解資料として役立てたり、親との面談資料や外部機関への提出資料として活用したりする。
3 蓄積した資料を基に、対象生徒の抱えている悩みや繰り返される問題行動への適切な対応の仕方・働き掛け方について職員間で分析し、共通理解を図る。
 生徒は、成長の中で失敗や問題行動を起こしてしまう。そこで、蓄積した記録を教師が常に振り返り、生徒の言葉や行動の傾向を確認したり、対象生徒が考えていることを推測したりすることで、その生徒に合った声の掛け方や適切な対応の仕方が分かるようになってくる。こういった一連の取組が、問題行動への予防につながり、同じ失敗や問題行動を減らすことができると考える。

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「教育実践」
「自己理解」の視点を大切にした自立活動の取組
新発田市立外ヶ輪小学校
大滝 西一郎

  私は、特別支援学級を担任している。特別支援学級では、特に個々の児童の教育的ニーズや実態に合わせた指導・支援が大切である。児童の実態に合わせた教育活動を支える特徴の1つとして、自立活動が挙げられる。自立活動とは、特別支援学校の教育課程において特別に設けられた指導領域であるが、特別支援学級においても、児童の実態に応じて自立活動を取り入れた特別な教育課程を編成することができると位置付けられている。
 これまでも、児童の実態を考え、それに合わせて自立活動の取組を行ってきた。手先が不器用な児童、あいさつが苦手な児童に対して練習の場を設定することで、それぞれの児童の力の高まりを感じることができた。児童は、教師の指示に対して素直に取り組むことが多かったが、主体的に活動に取り組む中で、自らの成長に喜びを感じたり、自己の課題を意識して行動したりする姿はなかなか見られなかった。教師が活動を指示し、児童がそれに落ち着いて取り組むことで力を付けていけばよいという意識が強かったこともあるが、児童自身にも「こうなりたい」というめあてや目標をもたせる工夫が足りなかったと振り返る。
 児童が自立に向けて成長していくためには、自らの得手不得手を理解し、主体的に活動に取り組むことで力を付けていくことが大切である。そのためにも、「自己理解」を深める工夫が必要だったと考える。児童が自己理解の視点をもって気持ちを言葉で伝えたり成長を振り返ったりする活動に取り組むことで、情緒的に安定し、安心して学校生活を送る力を高めることができると考える。以上のような自立活動の取組について提案する。

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「教育実践」
知的障害者の課題達成過程における実行機能の特性に基づく支援の効果に関する事例的研究
県立月ヶ岡特別支援学校
中村 潤一郎

  対象生徒は、特別支援学校中学部に在籍し、知的障害の診断を受けている。課題に困難や不満を感じると、指示されたことと異なった行動をとったり、活動場所から離れたりする傾向がある。
 児童生徒が課題を達成するためには、自らが文脈に合わない行動を抑制し、適切な行動を促進させることが重要である。このような行動の調整には、実行機能が深く関連していると言われている。実行機能とは、ある目標の達成のために行動や思考を制御する心理機能といわれている。
 不必要な情報を抑制する「抑制機能」、ある次元から別の次元へ思考を切り替える「シフティング」、情報を正しく保持し、必要な時にその情報を活性化させて使用する能力「アップデーティング」などが重要とされている。
 知的障害者において実行機能の弱さが指摘されているが、対象生徒の特性を分析し、その特性に基づいた支援方法を策定することとした。
 研究前や2回の活動において、対象生徒は、課題から逸脱はあっても、サブ・ティーチャーの演示や視覚的な支援があると、課題に立ち戻り、最後まで取り組み続ける姿が見られた。これらのことから、対象生徒の実行機能の特性について、「抑制機能の弱さをアップデーティングで補うことで課題目標を達成させることができる」と分析した。
 このことから、以下の2点を支援の柱とした。1つは他者とのかかわりによる知識の獲得や他者の介入による事物の操作方法の習得をねらい、STを導入し、対象者と同じ立場として活動する。もう1つは、活動に対するプランが立てやすいように視覚的情報や支援具を積極的に提示することである。
 策定した支援方法の下、活動を展開し、課題を終えるまでその活動に従事すること、もしくは逸脱しても再び課題に立ち戻って取り組むことに関する支援方法の効果を検討した。

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「教育実践」
障害のある児童・生徒に対するコミュニケーションギャップ解消の試み
小千谷市立総合支援学校
風間 大助

  本研究は、年齢も特性も異なる児童生徒を対象に、指導者とのコミュニケーションギャップ解消に向けて取り組んだ2つの事例研究である。
<研究Ⅰ>
 対象:昨年度担任した小学部重複障害学級に在籍する児童
 指導者の受信行動の改善と、生活の中で児童が選択する機会を設定することで、表出言語の増加、不適切な行動の減少が見られた。
<研究Ⅱ>
 対象:今年度担任した高等部普通学級に在籍する生徒
 昨年度の取組から得られた知見を基に取組を行った。実態は異なるものの、受信行動の改善と、選択の機会を設定することで、日常生活の場面での大きな改善が見られた。
 2つの事例研究を通して、指導者の受信行動の改善は、相互の信頼関係構築につながることが認められた。その際、対象となる児童・生徒の行動だけに着目せず、周囲の環境や行動の前後に見られる状況の変化との関連性を把握することが、その行動の意図や機能の正確な読み取りにつながることが分かった。また、日常生活における選択の機会を通して、児童生徒は発信意欲を高めるとともに、コミュニケーションスキルの獲得、さらにはQOL(QualityOfLife:生活の質)の向上へとつながることが明らかとなった。

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「教育実践」
1年生における協同的学級集団の育成
〜ハッピーアプローチを取り入れたクラス会議の実践を通して〜
新潟市立大通小学校
吉澤 優

  学習指導要領では、「望ましい人間関係を形成し、集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し、諸問題を解決しようとする自主的、実践的な態度や健全な生活態度を育てる」ことを、学級活動の目標に掲げている。学級で育てたい「望ましい人間関係」とは、楽しく豊かな学級生活づくりのために、互いのよさを認め合える人間関係である。そのような人間関係が、学習や生活において課題解決に向けて協同して取り組むことができる学級集団の基盤となる。
 互いのよさを認め合えるような関係をつくるため、昨年度、高学年でクラス会議を実施した。思春期で人間関係に悩んだり、目標がもてず自分の力を発揮し切れなかったりと、課題が多かったが、以下のような成果があった。
・友達を信頼し、悩みを話したり解決方法を考え合ったりすることができた。
・学級のために、一人一人が役割をもって当番活動や係活動(会社活動)に励んだ。
・不登校の児童が、教室に入りたいと願いをもって登校し、クラス会議や児童会祭りに参加することができた。
・協同学習に進んで取り組み、友達と学ぶことを楽しむ児童が増えた。
 クラス会議を通して、自分ができることに取り組み、個々が役割をもって学級のために活動することができる「協同的学級集団」へ成長することができた。
 さて、人間関係形成が不得意な低学年では、クラス会議を通して、互いのよさを認め合える人間関係を構築し、協同的学級集団へ成長することはできるのだろうか。その手だては、どのようにすればよいのだろうか。
 クラス会議は、児童に社会で生きる力を育てるための方法の1つであると考える。そして、「ポジティブディシプリン」に基づく働き掛けであることを、教師が理解して取り組む必要がある。学校生活の課題に、教師が児童と同じ目線に立って向き合い、児童が主体的に課題を解決していくことを支援して自信と力を伸ばしていく指導法である。児童は、できることを認められたり、可能性があると励まされたりすることを通して安心感を感じ、やる気をもって問題を解決しようとしたり、友達の役に立つことに挑戦したりできると考える。
 本実践では、話合いの経験が未熟な1年生に、教師の肯定的な働き掛け(「ハッピーアプローチ」)を通してどんな学級にしたいか、どんなことをすれば友達のために活動できるか具体的に考えさせながら、友達と望ましい関係を築きながら成長する姿を目指す。

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「教育実践」
学級活動において意欲的に話合い活動に参加する生徒の育成
~話合い活動の充実を目指すサイコロトーキングの活用~
村上市立村上第一中学校
鈴木 幸喜

  話合い活動を充実させることは、より良い人間関係を築く力、協力して集団の生活を充実・向上させようとする態度を育てることにつながる。(国立教育政策研究所教育課程研究センター「学級・学校文化を創る特別活動」)アンケートの結果、本学級では「学級全体の前で自分の考えや意見を発表することができる」と自信をもって答える生徒は少なかった。実際の学級活動でも、いつも決まった生徒だけが発言を繰り返す傾向が見られた。
 そこで、毎日の終学活時に、構成的グループ・エンカウンター「サイコロトーキング」を実施した。親和的な雰囲気の中、誰もが自然に話したり聞いたりできるエクササイズを行うことで、話し方や聞く態度を身に付けたり、話合い活動への意欲を高めたりすることができると考えた。時間は3分間で担任がサイコロをふり、出た項目について、5、6人の生活班で話し合うエクササイズである。9回実施した後のアンケート結果や担任の観察から、話すことに対する抵抗感が減り、意欲的に話合い活動に参加する生徒が増えたことが明らかとなった。
 今後、「サイコロトーキング」の効果について、学級活動における実際の話合い活動においても検証していく。9月の体育祭、10月の合唱コンクールに向けた学級での話合い活動において、生徒の話合いの様子を観察したり事後アンケートを実施したりしていく。また、事前アンケートで「学級全体の前で自分の考えや意見を発表することができない」と答えた生徒を抽出し、その生徒が学級での話合い活動においてどのように変容したのかを追っていく。

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「教育実践」
問題解決的な学習を取り入れた道徳授業の指導法の工夫
~シンキングツールを用いて問題場面を多面的・多角的にとらえ最適解を考える児童を目指して~
新潟市立関屋小学校
滝澤 隆幸

  問題場面に遭遇した際、一つの立場からだけでなく複数の立場から問題場面について捉え、「Win-Win」の解決方法または解決までのプロセスを思考できる子どもを育てる。
 そこで、問題場面を捉える学習活動において、シンキングツールを用いて思考させることを通して問題場面を多面的・多角的に捉え、その上で最適解を吟味する授業を行う。
 そのために、次の手だてを講じて授業研究を継続する。
1 子どもが課題に向き合い、教員や他の子どもとの対話や討論などを行うことを通して、内省し、熟慮し、自らの考えを深めていく学習プロセスである「問題解決的な学習」の継続実施
2 子ども一人一人の思考を可視化し、共有化するための「シンキングツール」の使用
3 授業後、子どもに「どうしてその解決方法(または解決までのプロセス)を選択したか」を問い、子どもが記述した中にねらいとする道徳的価値が表れてるかの評価
 こうすることで、子どもは問題場面に対し一つの立場からだけでなく、いろいろな立場に立ち、問題について多面的・多角的に思考し、「Win-Win」の解決方法、または、解決までのプロセスを思考し、かつ吟味することができる。
 このような道徳授業を継続することを通して、自ら問題解決に取り組もうとする子どもを育てる。

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「教育実践」
道徳的行為を行う意欲を高める指導の工夫
~安心してロールプレイを行い、行為の意味や感情を共感することを通して~
佐渡市立真野小学校
川上 大雅

  学習指導要領解説特別の教科道徳編では、指導のねらいに即して「道徳的行為に関する体験的な学習等を取り入れる工夫」などの指導方法の工夫が示されている。
 私はモラルスキルトレーニングと社会性と情動の学習の手法を取り入れた新しい学習指導過程を作成し、その有効性を実践で検証した。
 作成した学習指導過程の主な手だては次の3点である。
1 社会性に関するスキルの提示
 キャラクター化され、語呂合わせで覚えやすくなっている社会性に関するスキルを提示する。提示したスキルの視点を生かしてロールプレイを行うことで、行為の視点を焦点化することができ、児童が何を意識して活動すればよいかが、分かるようになる。
2 教師のモデリングの後、ペアでロールプレイ
 ロールプレイの前に教師が行動のモデルを示す。スキルを備えていない児童も、真似をすることで、演技ができるようになる。また、即興的な演技にしないことは、児童が安心して活動を行うことにもつながる。ロールプレイでは行動する役と相手役のどちらの立場も経験する。多様な感じ方に接することができ、物事を多面的・多角的に捉えることができる。
3 感想のシェアリング
 感想は行動する側の児童全員と、される側の児童全員に聞く。自分のペア以外の感想を聞くことで、様々な思いに気付き、さらに自分の行為を価値付けることができる。どのような心情の変化が起こったのかを聞くことは、自らの道徳的行為を行おうとする意欲を強くすることにつながる。
 実践を検証した結果、児童はロールプレイに意欲的に取り組んでいた。また、スキルを理解し、それが行動に表れたことも、活動の分析から確認できた。感想のシェアリングでは、相手の気持ちを知り、自分の行為に価値付けをしていたことも分かった。このことから手だては有効であり、児童は授業を通して道徳的行為を行う意欲を高めようとしたと言える。

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「教育実践」
自己の生き方について考え、よさや可能性を自覚する道徳科の教材開発
~内容項目「D-(22)よりよく生きる喜び」において~
阿賀野市立水原小学校
山田 潤

 小学校では平成30年度から道徳が教科化される。それに伴い学習指導要領の改訂も行われ、小学校の高学年では「D 主として生命や自然、崇高なものとのかかわりに関すること」において、「よりよく生きる喜び」の内容項目が新たに設定された。平成28年度現在、「よりよく生きる喜び」に合わせた教材や実践はほとんどなく、小学校高学年段階において、どのように指導すればよいか明確な指針は存在しない。そこで、本研究では、学習指導要領解説から本内容項目における求める児童の姿を定義し、どのような教材で、どのような指導をすれば、ねらいが達成されるのかを考えていきたい。
 「小学校学習指導要領解説特別の教科道徳編」の68貢には、「…誇りや愛情、共によりよく生きていこうとする強さや気高さを理解することによって自分の弱さを乗り越え、人間として生きる喜びを感じることになる。ここでいう人間として生きる喜びとは、すばらしさを感得し、よりよく生きていこうとする深い喜びである。」と書かれている。そして、同「(2)指導の要点」には、「…指導に当たっては、まず自分だけが弱いのではないということや、人間がもつ気高さについて自分自身を振り返ることで理解できるようにすることが大切である。」と記述されている。
 このことから、本内容項目における児童の目指す姿を、「価値(「家族愛、家庭生活の充実」「友情、信頼」等)のよさに気付き、自己を見つめながら、学んだことをこれからの生き方に生かそうとする姿」と設定する。
 また、ねらいとする道徳的価値についての考えを深めるために「多様な教材を活用した創意工夫ある指導」が求められている。そこで、本研究は様々な指導法の中から、偉人を扱った教材での指導を提示したい。偉人を扱った教材は、自身の生き方のモデルとなりやすく、「よりよく生きる喜び」に適している他、関連した資料の準備が比較的容易に行えるため、多様な指導を展開しやすく、価値への理解を深めることができる。
 「特別の教科道徳」完全実施に向け、先行実践を待つのではなく、一実践者として児童の道徳性を高める教材、指導を追究していきたい。

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「教育実践」
「特別の教科道徳」を見据えた授業改善
阿賀町立日出谷小学校
渕田 徹

  今までの私の授業では、主人公の気持ちばかりを問う、資料読み取り型の道徳であった。さらに児童は、身に付けさせたい道徳的価値と児童個々や学級の実態にずれがあった。そのため、主体的に考えることができず、主張の強い児童の考えに流されたり、日常生活で学んだことを実践できなかったりした。そこで、道徳の時間において、問題解決型の授業を行い、言語活動を充実させる手だてをとる。このことにより、身に付けさせたい道徳的価値について主体的に考え、行動できる児童の育成を目指した授業改善を図った。
1 児童の実態把握
 担任による見取りや質問紙による分析を通して、児童の実態に合った資料を選択する。
2 主体的に考えるための発問の工夫
 「自分ならどうするか」、「自分がされてもよいか」、「みんなが幸せになるためにどうすることができるか」等の発問をして、登場人物を自分に重ねられるようにする。
3 解決策を構想させる際に、本音を児童から導き出すための工夫
 2枚の付箋を用意し、1枚目の付箋に、初めに思ったことを書かせ、2枚目の付箋には「もしかしたら◯◯してしまうかもしれない」や「初めの考えと反対の考え」を書かせる。
4 多様な考えにふれる交流の工夫
 付箋の内容ごとに時間を区切って交流させる。全児童と話し合い、多様な考えにふれて、意見交換をして考えを深めさせる。
 実践の結果、児童全員が意見を言うことができ、いきいきと交流することができた。振り返りでは友達の意見にふれ、考えを深めたり、友達の行動を手本にして、日常生活に活かす児童の姿があった。今後は、児童が課題を自己の問題と捉えるための提示方法や交流時の教師のかかわり方等を改善して、実践を積み重ねていく。

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「教育実践」
学び合い活動を通した、豊かな心を育む道徳教育の工夫
五泉市立川東中学校
鈴木 隆士

  当校では「心豊かな生徒の育成」を目指して、いじめ防止学習プログラムを自校化した「PEACEメソッドカリキュラム」を中核にした教育課程を編成している。各学校行事に連続性をもたせ、感動体験できる場として活動内容を設定し、自己有用感を高めていくためのプログラムである。カリキュラム導入6年目を迎え、生徒の実態や身に付けさせたい能力を精査し、改善と工夫を加えながら進めている。
 一小一中という環境により、人間関係が固定化している。研究対象の学年は、入学時から粗暴な言動の生徒が数名いる集団である。こういった背景から、他人の気持ちを考えない言動や小さな人間関係のトラブルがある。また、苦手とすることに対して強く抵抗を示す集団である。そこで、私は本校のカリキュラムに道徳授業を位置付けた。「地域への感謝」を大きなテーマとした授業を行事前に取り入れ、効果的な学び合いを行うことで、生徒の自己有用感の向上を図った。
 次の2点を重点に置き、より豊かな心の育成を図った。
1 道徳の授業を位置付けた全体計画の作成
 6つある中心的行事に合わせて事前に総合や学活とも関連させて、道徳の授業を位置付ける。これにより、生徒はより確かな目的意識をもって行事に主体的に取り組むようにさせる。
2 効果的な学び合いを行うための環境の整備
 学習ツール(エンタくん、ホワイトボード)
 語り(地域の方や高校生との連携)
 学び合いを充実させるために教科における指導を工夫する。地域コーディネーターや、卒業生との連携を図ることで、様々な人の思いに触れさせていく。

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「教育実践」
「2つの意見」を用いた道徳授業の有効性の検証
長岡市立大島小学校
山畑 浩志

  昨年度の教育研究発表会では、新潟青陵大学の中野啓明教授と中越道徳教育研究会及びときわ道徳サークル「こころ」が共同で研究・開発を進めている「2つの意見」を用いた道徳授業(PISA型の道徳授業)について発表した。多くの参会者から、「新しい道徳授業のスタイルとして期待がもてる」「ぜひやってみたい」といった肯定的な意見が挙がった。一方で、「子どもの具体的な姿がよく見えなかった」「理論は分かったが実際はどうか」といった意見も多かった。
 そこで、今年度は、この春から道徳を研究教科として研修を積んでいる若手教員とその同僚の学級で実施された「2つの意見」を用いた道徳授業について、具体的な子どもの姿を分析することで、その有効性を検証することとした。
1 子どもの意識調査
 「2つの意見」を用いた道徳授業の有効性を検証する上で、従来の道徳授業との比較が不可欠である。また、提示した「二つの意見」が子どもの思考にどのような影響を与えているのかを明確にする必要がある。
 そこで、「2つの意見」を用いた道徳授業を受けた子どもたちに意識調査を実施し、その結果をデータ化した。
2 若手教員の学級での実施
 「2つの意見」を用いた道徳授業が、教員の指導力格差を埋めることを検証したいと考えた。
 そこで、若手の教師が担任する学級とベテラン教師が担任する学級において、在籍する子どもたちのワークシートの記述にどれほどの違いがあるかを分析した。

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「教育実践」
中学校における授業改革を目指した職員研修の取組
新潟市立小須戸中学校
古市 茂

  「何を追究するのか」を生徒が意識できるとともに、授業の終末においては「何を学んだのか」も自覚できる授業を目指して、無理なく継続した取組が進められるよう、職員研修の内容を工夫してきた。その実践について述べる。
【取組の具体例】
1 職員が授業改善の研修へ取り組みやすくするための環境整備
2 職員が何のために研修するのかを考え、思いを共有するためのファシリテーション
3 職員が疑問を解決したり、新しい考えや方法を共有したりするための研修会の設定
4 職員が教科の壁を取り払い、継続した研修を進めるためのチーム編成の工夫
5 職員が教科や経験の差を埋めて検討できる協議題の設定
6 職員に生徒との放課後活動を補償する20分ファシリテーションの実施
7 生徒・教師による学校評価の実施と結果(成果と課題)の共有
【取組による成果】
1 「学習課題」と「まとめ」を取り入れた授業改善が進んできた。
2 課題解決のための「かかわり合い活動」を行う授業が増えてきた。
3 授業改革に対する職員の意識変化が進み、授業をつくる観点が全職員で共有されてきた。
4 3によって教科の枠を越えた授業検討が可能になった。
5 普段から教務室での授業の話題が多くなった。
【取組による課題】
1 各教科で身に付けるべき力を明確にした「ねらい」や「まとめ」の設定を工夫する。
2 学習のねらいに向かうような「かかわり合い活動」を位置付ける。
 研修会などでは、何よりも職員がよい表情でグループ協議を行う姿が見られ、短時間の検討が可能になった。また、様々な教育活動でも、抵抗なく生徒にファシリテーションの手法を取り入れた活動を展開している。
 また、生徒の意識調査からも、授業が変わったことを実感している生徒が多いことが分かった。それらを再び全職員で共有、検証しながら、更に生徒の成長につなげられるように研修を推進している。

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「教育実践」
中一ギャップの解消・軽減をはじめとした小中一貫教育の実践
~小中一体校の開校一年目の取組から~
三条市立嵐南小学校
石川 岳人

  当中学校区は、平成21年度より小中一貫教育に取り組んできた。初めの5年間は3小学校、1中学校による「校舎分離型」で取り組み、平成26年度から「校舎一体型(小中一体校)」で取り組んできた。
 小中一貫教育に取り組んだ主な理由は、小学校から中学校へのスムーズな接続である。これを実現することで、中一ギャップの解消・軽減をはじめ、不登校・いじめの減少、また、小学生が中学生にあこがれ感を抱いたり、中学生の自己有用感を高めたりすることができるようになる。
初めの5年間の交流活動や小中学校教員による協働授業を通して、次の成果を挙げた。
・交流活動を通して、中学校進学に対する不安を大幅に軽減することができた。
・9年間を見通した教材研究を行い、授業づくりを行うことで、児童生徒の学習への興味・関心を高めることができた。
 一方、課題として、次の点が挙げられた。
・小中学校の教職員が打合せをする時間を確保すること。
・中一ギャップを解消・軽減し、学力を向上させるための、より効果的な授業づくりを行うこと。
 私は、小中一体校が開校した平成26年度に小中一貫教育の推進リーダーとして取り組み、打合せの時間を確保することで次の成果を挙げることができた。
・小中学生の交流活動が、自然発生的にいくつも生まれるようになった。
・指導の型を意識した、効果的な授業が次々と生まれた。
 この成果は開校2年目、3年目と引き継がれ、当校における小中一貫教育は、より質の高いものとなってきている。

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「教育実践」
「生徒が学ぶ」学校を目指し、「省察」-「実践」-「創造」を経て、新たな教育課程の編成
胎内市立中条中学校
野澤 一吉

  私が、平成28年度に赴任したその年は、創立70年目に当たる。当校は、以前、生徒指導上の問題を抱えていた。生徒を学校の教育活動に意欲的に参加させるために、生活規律やいじめ・不登校の予防や対策、そして、学校生活に意義を見いださせるために部活動の指導が中心であった。その成果が表れ、生徒は、教育活動に積極的に取り組み、特別活動など、生徒が活躍する場面が多くなった。私は、これまで教職員の指導が効果的であり、保護者の協力もあり、素直で向上心のある生徒により、安定した教育が実現できていると考えた。
 少子高齢社会、科学技術の進展、地域創生の時代を生き抜く生徒たちは、教育者である私たちの想像もできないほどの課題に正対することになる。したがって、私は、教育者が主導して、生徒が、考え、行動すべきことを示唆することだけではなく、生徒自ら気付き、考え、判断し、実行する教育活動を系統的・組織的に行うことにより、真の「生きる力」を身に付けさせる必要があると考えた。
 そこで、当校創立の節目の年、次期学習指導要領を見据え、平成28年度と平成29年度で、当校の教育活動の成果を実践しながら検証することにした。そして、平成30年度から、「生徒が自ら学ぶ」新たな教育課程の基で、「中条中教育」をスタートさせる。
 教育課程を編成する視点は、次の2つである。
 「教師の意識変革」と「生徒が学ぶ活動」の実現である。

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「教育実践」
閉校に向けて
~ひまわりプロジェクトなどを通して~
南魚沼市立大巻中学校
村山 勉

 大巻中学校は、平成30年3月末で閉校し、4月から近隣3中学校が統合し、新制中学校がスタートする。
 地域から温かく支援をいただいてきた70年以上の歴史を閉じるに当たり、生徒、保護者、地域住民とかかわり、地域の中学校としての存在感を示しながら、閉校に向けた取組と、新制中学校移行のための準備を進めている。
1 閉校に向けた取組
 平成27年度から、地域のシンボルであり、校章のデザインにも使われ、校歌の3番でも唱われている「ひまわり」を、保護者、地域の協力を得ながら校舎周りに増やす活動を始めた。
 ひまわりを地域に咲き誇らせ、中学校をいつまでも心に留めて置いてほしいこと、中学校がなくなっても、地域と子どもの応援のシンボルとして地域に咲かせ続けたいという願いを込めている。
 「ひまわりプロジェクト」と名付けたこの活動を3年の計画で進めている。
2 新制統合校の準備活動
 統合校の準備組織として教職員協議会がある。30年度の開校とともにスムーズに教育活動がスタートできるよう、統合する3中学校の全教職員が教育課程づくりに参加している。また、並行して、交流活動などを進めている。

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