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国語

「教育実践」
自立した読み手を育てるリーディング・ワークショップの実践
新潟市立早通中学校
青田 美香

  中央教育審議会答申において「読書は、国語科で育成を目指す資質・能力をより高める重要な活動の一つである」とされ、読書指導が国語科において重要な役割を担っていることから、本研究は、中学校国語授業における読書指導の充実・改善を目的としている。
 生徒(中学1年生)は小学校での「図書の時間」を通して、かなりの読書量が確保されていた。子どもたちが生涯において、読書生活を充実させ、自立した読み手となるためには、中学校においても読書の授業を行う必要がある。そこで、リーディング・ワークショップの手法を用いた授業を行うこととした。
 リーディング・ワークショップとは、吉田(2010)によれば、「読むことをワークショップ形式で学ぶ」「読書家になる体験を読むことを通して学ぶ」ことである。まず、教師のミニレッスンを5〜10分で行う。次に、生徒は30分のひたすら読む時間を確保する。最後に、班で読んだ本について話し合う。
 本実践は、リーディング・ワークショップのお試し読書において、次の2点の工夫をすることで、話合い活動の充実を図った。
  @ ミニレッスンで話合いのきっかけを作る
  A 読書中の思考を可視化させる
 これらの手だてを取り入れた授業において、生徒の振り返りシートに書かれた感想から、話合いによって他者との違いを好意的に受け止めることができた記述が見られた。また、ミニレッスンで紹介した本と出合うことのできた喜びの記述も見られた。
 本研究を通して、取り入れた手だては学習者同士の話合いの充実を図る上で有効であると立証できた。他者と交流しながら今後も継続して実践することにより、生涯において読書生活を充実させることができる、自立した読み手になれるよう促していく。
<参考文献>
『「読む力」はこうしてつける』吉田新一郎.新評論
『読書家の時間 自立した読み手を育てる教え方・学び方【実践編】』プロジェクト・ワークショップ編.新評論

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「教育実践」
「主体的・対話的で深い学び」を促す授業展開の研究
〜「2段階で問う」という発想を手がかりに〜
新潟市立大形小学校
岩崎 直哉

 「主体的・対話的で深い学び」が実現されるかどうかは、「発問」という教師の授業行為にかかるところが大きい。しかし、発問一つの善し悪しを検討しても、実際の授業の中では子どもが十分に思考する姿を引き出せないことがあった。その原因は、次のものと考える。
 ・子どもに考える必然性がない(発問で問われることが、子ども自身の問題意識になっていない)。
 ・子どもに考える材料がない(発問に対して、何をもとにして反応すればよいのか分からない)。
 そこで、主発問に至るまでに、問題意識を共有したり、考える材料をもたせたりする1段階目の発問を設定することにした。1段階目の発問と2段階目の発問(主発問)による子どもの反応を基に検討することによって、授業展開論を構築したいと考える。
 研究領域を文学的文章の読みに絞り、次の2実践の事実から考察する。

・実践@ 「ごんぎつね」
 →第6場面の語りの変化(視点の転換)について考えさせ、自分の読みを自覚させる授業。

・実践A 「走れ」
 →クライマックス場面の主人公の変化を捉えさせる授業。

 上記実践から得られた2段階の発問の要件を以下のように整理する。
 ・論理的に読ませるために、まず直観的な反応を引き出す発問をする。
 ・物語の深層を読ませるためには、まず表層に着目させる発問をする。
 今回の実践では、無意識を意識化すること→自覚的に物語世界を捉え直すこと(実践@)、対比により情報を整理すること→情報を統合して物語世界を捉え直すこと(実践A)という2段階の思考過程が観察された。今後は、2段階でどのような思考過程が想定されるか、類型化をすることでより明確な授業展開論を記述したい。

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「教育実践」
説明的文章の構成を明確にし、主張を捉えることができる生徒の育成
〜ピラミッド型思考ツールの活用を通して〜
胎内市立乙中学校
佐藤 峻資

  これまで自身の実践では、文章作成のための「構想メモ」は、全員が同じ形式のプリントに時系列に思いついたエピソードを書く程度の構成で内容をまとめさせるものが多かった。しかし、そのような「曖昧な構想メモ」では、生徒が意欲的に活動し、見通しを立てて文章の執筆に臨むことはできなかった。
 そこで、説明的文章の構成を「主張」「小見出し」「例示」の要素で階層別に可視化することのできる思考ツール「ピラミッド型構成図」を説明的文章の単元において用い、実践を行った。
1 手だての有効性の検証
 1年時は、説明的文章を要約する際に、次の流れで授業を展開した。 
  @ 筆者の主張を要約し、構成図の頂点に記入する。
  A 意味段落に「小見出し」を付けて構成図の上から2段目に記入する。
  B 意味段落ごとに「例示」を要約し、構成図の上から3段目に記入する。
  C @〜Bの手順を行った後に筆者の主張に立ち返る。
 以上の流れで説明的文章の単元を行い、生徒記述の振り返りからの結果を見ると、文章を「まとめる」「統一する」機能として、「ピラミッド型構成図」が活用されたことが分かった。
2 手だてを活用した説明活動の充実
 2年時は「ピラミッド型構成図」を用い、「主張文」の構想メモとして活用し、次の流れで授業を展開した。
  @ 主張文の結論をまず決定し、構成図の頂点に配置する。
  A 主張文の意味段落に「小見出し」を作成し、上から3段目に配置する。
  B 小見出しから「序論」「本論」に分類し、上から2段目に配置する。
  C 小見出しから80字で「例示」を作成し、上から4段目に配置する。
 以上の流れで主張文の構想を立て、その後原稿用紙に執筆を行った。
3 成果と課題
 前年度の主張文との比較等、実践の分析を行った結果、多くの生徒が昨年度より充実した内容で、かつ短い執筆時間で主張文を記述することができた。本研究から、可視化によって構想段階で文章構成を確立し、本論の吟味を充分行うことが質の高い文章を作成するために重要であることが明らかになった。今後は様々な文章ジャンルにおいても構成図活用の機会を設定し、汎用性が高められるよう、実践を積み重ねていきたい。

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「教育実践」
文章の内容や表現の仕方に注意して読む学習形態の工夫
〜ジグソー学習を取り入れた文学的文章の指導を通して〜
魚沼市立入広瀬中学校
村山 大樹

  本校生徒の国語科授業に対する実態を各種テスト結果やアンケートから分析すると、「文学的文章への苦手意識」が強く、「グループ学習への意欲」が高いということ明らかになった。
 「グループ学習への意欲」の高さを活用して「文学的文章への苦手意識」という課題を解決するために、「知識構成型ジグソー法」を取り入れた授業を行った。様々な視点から教材を読み解き、生徒一人一人が自分の意見を仲間に伝える場をつくることができる「知識構成型ジグソー法」を行うことで、学習意欲を高めながら、文学的文章への苦手意識をなくし、読解力の向上を図ることができると考えた。
 「知識構成型ジグソー法」を取り入れた授業展開については、東京大学CoREF「協調学習授業デザインハンドブック第2版―知識構成型ジグソー法を用いた授業づくり―」を参考にして、具体的には次の五つの学習場面を意識した授業実践を複数回行った。
1 課題について各自が自分で考えを持つ学習場面
2 小グループ(エキスパートグループ)に分かれて、課題解決につながる部品について学び、一人一人が「私には言いたいことがある」という自覚をもたせる学習場面(エキスパート活動)
3 それぞれ異なる部品を持ったメンバーでグループ(ジグソーグループ)を作り、それぞれの持つ異なる視点を出し合い課題を解決していく学習場面(ジグソー活動)
4 それぞれのジグソーグループがジグソー活動で作り上げた考えを教室全体で交流する学習場面(クロストーク)
5 課題について、最後にもう一度自分で答えを出す学習場面
 成果としては、「知識構成型ジクソー法」には「自分の意見を誰かに伝えたくなる、仲間の意見を聞きたくなる主発問」の設定が重要であり、小説教材においては様々な視点から文章を読み直す必要がある主発問が効果的であることが明らかになったことが挙げられる。課題としては、今回の実践が二つの教材に留まってしまったことだ。どの文学的文章にも対応できる効果的な「知識構成型ジグソー法」の要件は何なのか、今後あらゆる教材での実践を通して整理していきたい。
〈参考文献〉
エリオット・アロンソン(2016)『ジグソー法ってなに?』丸善プラネット株式会社
三宅なほみ、東京大学CoREF、河合塾(2016)『協調学習とは: 対話を通して理解を深めるアクティブラーニング型授業』北大路書房
三宅なほみ 飯窪真也 杉山二季 齊藤萌木 小出和重(2015)『自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト 協調学習 授業デザインハンドブック –知識構成型ジグソー法を用いた授業づくり-』東京大学CoREF
白石始 飯窪真也 齊藤萌木 三宅なほみ (2017)『自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト 協調学習 授業デザインハンドブック 第2版 –知識構成型ジグソー法を用いた授業づくり-』東京大学CoREF
友野 清文(2016)『ジグソー法を考える―協同・共感・責任への学び 』丸善プラネット株式会社
難波博孝、 尾道市立因北小学校(2010)『ジグソー学習を取り入れた文学を読む力の育成 』明治図書

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「教育実践」
多角的・多面的に読む力を高める文学教材の授業づくり
〜「知識構成型ジグソー的手法」を取り入れた指導を通して〜
新潟市立内野小学校
渡邉 裕矢

  新学習指導要領改訂の方向性の一つである「思考力・判断力・表現力等」について、「これからの子供たちには、創造的・論理的思考を高めるために『情報を多角的・多面的に精査し構造化する力』がこれまで以上に必要とされる」と述べられている。そして、「情報を多角的・多面的に精査し構造化する力」は、「既有知識・経験によってテクストにない内容を補足・精緻化するなどして推論する力」と説明されている。これらのことから、叙述や既習事項などの情報を整理し、関連付けていくことで多角的・多面的に読む力を高めていくことができるのではないかと考えた。
 そこで、私が着目したのが、東京大学CoREFが提唱する「知識構成型ジグソー法」である。立場の異なる視点をもった者同士が考えを交流することで、叙述を関連させながら読みを深めていくことができると考えた。また、佐藤佐敏(2017)は、物語を分析する観点として、「対役が、中心人物(主人公)にどういった影響を与えたかということを考えると作品に流れる一つのメッセージが見えてくる」と対役と中心人物の関係について読んでいくことが大切であると述べている。
 以上をふまえ、本研究では、文学教材の授業において「登場人物の立場別の知識構成型ジグソー的手法」を取り入れた読解指導を試みることとし、次の2つの手だてを講じて実践を行った。
(1)「知識構成型ジグソー的手法」で、複数の登場人物の立場から読みを交流する活動の組織
 複数の登場人物の立場から読みを交流する「知識構成型ジグソー的手法」を組織した。子どもたちは、様々な登場人物の立場から根拠となる叙述を読み取り、それらを交流することによって中心人物の心情の変化の理由を数多く見つけ出すことができた。しかし、グループ交流がただの意見交換で終わってしまい、読みの深まらない子どもたちもいたという課題が浮かび上がった。
(2)多角的・多面的に読む力を高めるための発問の工夫
 上述の課題を受け、それぞれの立場で読みを交流した状況で追加発問を投げかけ、話し合っていく活動を組織した。「中心人物が変化したことに最も影響を与えたのは誰か。」という発問を投げかけ、最も影響が大きいと考えた立場同士でジグソーグループを作り、叙述を根拠として読み取ったことをもとに全体交流を行った。すると、自分が考えつかなかった立場からの意見を取り入れ、新しい読みの気付きを生み出す子どもたちが数多くいた。影響度のレーダーチャートを作り、全体交流の前後で比較すると、数値が変化し新しい読みの気付きを生み出した子どもは88.9%であった。このことから、影響度についての発問をし、ジグソーグループを作って話し合ったことは多角的・多面的に読む力を高めるうえで有効であったと捉える。
 様々な登場人物の立場で読みを交流することにより、多くの叙述を関連させて新しい解釈を導き出し、読みを深めていくことができた。しかし、この手法を学習に取り入れていくためには、物語の設定の条件などが必要となってくる。どんな教材文でこの手法を生かしていくことができるのか、どんな発問をすると子どもたちの考えを深めていくことができるのかを、これからも研究していきたい。

〈参考文献〉
「国語ワーキンググループにおける取りまとめ」文部科学省 2016.8
「協調学習 授業デザインハンドブック 第2版」東京大学CoREF 2017.3
「国語科授業を変えるアクティブ・リーディング」佐藤佐敏 明治図書 2017.9

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「教育実践」
友達との関わりの中で読みを深める子ども
長岡市立川崎小学校
伊丹 穂香

  国語の物語教材において、物語をより多面的に捉え、想像を膨らませながら読むには、友達と解釈を共有することが大切であると考える。しかし、1年生の発達段階では、解釈を言語化し、表現することに難しさがあるため、解釈の共有が困難である。
 そこで本研究では、1年生の発達段階に合わせ、解釈を表現する手段として「朗読」を用いる。友達と朗読の表現の仕方を考える中で共有が図られ、自分の解釈を明らかにしたり新しい解釈を作り出したりすることができると考え、実践を行った。
1 単元・教材との出会い
 単元の導入時、教師が作成した平坦に読まれた朗読を聞かせた。子どもたちは、人物の気持ちや場面の状況が表れない読み方に違和感を覚えた。その後、子どもたちの朗読を録音したものを聞かせ、友達の読み方の工夫を探させた。すると、声の大きさを変えたり、読む速さを変えたりすることで、人物の心情や場面の状況を表すことができるということに気付くことができた。
2 音声表現化と学びのメタ認知
 その後、グループに分かれて朗読を紹介し合った。その活動の中で、児童Aは、友達に朗読の良さを認められたり、友達の朗読を聞いたりしたことにより、最初になかった言葉を付け加え、自分の解釈を説明した。児童Eは、最初は解釈が曖昧で、うまく言葉で言い表すことができなかった。しかし、友達の朗読の工夫を見付けたり、その工夫をした理由をについて考えたりする中で、今まで自分の中にはなかった新しい解釈を見付け出すことができ、それを言葉で説明することもできた。
3 成果と課題
 抽出児の発言や朗読の変容から、解釈を共有する手段として「朗読」を用いたことで、自分の中にあった解釈がより確かなものになったり、今まで自分の中になかった新しい解釈を作り出したりすることができると分かった。解釈を音声表現する経験を積むことで、今後は文章表現できるように促していく。

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「サークル活動」
ルネスE運動IN佐渡 国語
佐渡市立八幡小学校
平澤 大樹

  佐渡市の・小中学校の教員を中心にした国語のサークルです。研究主題は、国語科における主体的・対話的で深い学びの実現です。「学力向上に役立つ情報交換をする」「小・中で学び合えるようにする」「指導案を検討することで指導力の向上を図る」を方針に、月に1回程度活動しています。主な活動内容は模擬授業、実践発表、指導案検討、情報交換などです。指導案検討を通してねらいに迫るための発問を検討したり、実践をもとに有効な手立てを参加者で共有したりしています。小・中学校のそれぞれの視点から意見が活発に交わされ、毎回充実した研修となっています。

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「サークル活動」
むらいわ国語の会
村上市立金屋小学校
渡邉 治樹

  村上市と岩船郡の教員が所属するサークルです。
 活動内容は、主にサークル会員の実践発表や授業の進め方の検討です。サークルには、国語の実践家が多く、会員の発表内容に対して、鋭く的確に、かつ温かく「よさや改善点」を指摘し合います。そのため、会に参加すると毎回刺激を受けるとともに、明日からの授業に生きるようなポイントも分かり、とても勉強になります。
 国語の力を付けたい方はぜひサークルに参加してください。刺激を受けること間違いなしです。
 国語は全ての教科の基になる大切な教科です。私たちと一緒に国語を勉強してみませんか。

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「サークル活動」
北新 国語の会
新発田市立御免町小学校
三浦 俊昭

  私たちは、北新を中心とした国語を研究するサークルです。毎月、第1火曜日に活動をしています。指導案の検討や実践報告、模擬授業など、会員のニーズに応じた内容で学び合っています。
 様々な年代の「国語の授業力を付けたい」という思いをもった会員が集まり、熱心な意見交換が行われています。「この教材でこのような力を付けたいのですが…。」という一言から、多くの先行実践やアドバイスが出され、授業実践に生かせることが当サークルの自慢です。 国語教育に関心がある方は、是非一緒に学びましょう。

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「サークル活動」
三南国語の会
三条市立裏館小学校
佐藤 亮一

  三条・見附・加茂の小・中学校の教員を中心とした国語のサークルです。月に1回程度、三条市を会場に活動しています。
 主な活動は、「指導案検討・実践発表」です。指導案検討は、構想を練る段階から相談に乗ります。小・中学校の会員それぞれの視点から意見が交わされ、活発な話合いが展開されています。実践発表は、日頃の授業実践を会員に紹介し、成果や課題を共有しています。若手からベテランまで幅広い年代の会員が集まっており、様々な視点から考えを出し合い、学び合っています。
 校種は問いません。みんなで国語を学びましょう。

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「サークル活動」
はくぼくの会
見附市立見附小学校
中川 大樹

  私たちのサークルは、50年以上の歴史がある国語サークルです。活動は2か月に1回程度行っています。毎年、年度末には研究誌を発行し、平成29年度で第57号を数えました。
 サークル活動では、一人一人の個人研修テーマに基づいた実践報告や、指導案検討を中心に交流を続けています。また、教育研究発表会に向けた要項・資料の検討や模擬発表会なども行い、研修を深めています。
 国語教育に精通したベテラン教員やOB教員らと共に、幅広い知識や教材解釈、先進的な実践情報等を共有する機会もあり、充実した研修会となっています。児童生徒の国語力を高めるために、日々実践に取り組んでいます。

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「サークル活動」
谷うつぎ
小千谷市立小千谷小学校
嵐 直人

 当サークルは、魚沼市と小千谷市に勤務する会員が所属し、国語科の授業づくりや取り組んだことのまとめ方(論文やレポート)について学び合っています。会員相互のニーズに見合うような研修を計画し、年間10回程度の研修機会を設けています。
 国語科教育の使命である児童生徒の「言葉の力」(言語能力)を高めるには、どのような授業を行い、実践を積み重ねていけばよいのかを考えています。「話すこと」「聞くこと」「読むこと」「書くこと」、それぞれの領域において児童生徒が自分の「言葉の力」(言語能力)の高まりを自覚できるような授業、高まった「言葉の力」を他の教科・領域の学習場面において活用できるような授業を目指し、会員相互に自分の実践を持ち寄って報告したり、これから行う実践の指導案を検討したりしています。
 また、会員だけでなく、広く会員外の方の参加も募って講演会を行っています。講師の先生から国語科教育の様々なことを学ばせていただいたり、学んだことを明日の実践に生かしたりしています。今年度も「人とのつながり」を大切にしながら、目の前の児童生徒の「言葉の力」(言語能力)が高まり、豊かになっていくように取り組んでいます。

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「教育実践」
関わりを通して生徒の読みの力を育成する
〜知識構成型ジグソー法的手法を通して〜
湯沢町立湯沢中学校
根津 絵理奈

  次期学習指導要領では、国語科の目標の一部に「伝え合う力を高め、思考力や想像力を養う」ことが記されている。この目標を達成するために国語科の「読むこと」においては、「知識構成型ジグソー法」的手法を用いることが有効であると考えた。ジグソー学習とは生徒自身が多面的な視点を獲得し、考え方を広げ、読む力を付けさせる学習である。そのために以下のような3点を手だてとし、実践を行っている。
 一つ目は、大課題の設定についてだ。物語を知識構成型ジグソー法を用いる際に重要となることは、大課題の設定とその解決のためのエキスパート課題の設定だ。まず、大課題を設定する際には、物語の作品の主題となり得るものに設定する必要がある。その主題を学習者に獲得させるために、指導者自身が教材観を確立させる必要がある。
 二つ目はエキスパート課題の設定についてだ。エキスパート課題は、大課題を解決するために、必要な情報を手分けして集める作業と捉えている。その課題を設定する際には、それぞれ異なる視点となるように設定する必要がある。また、一人が必ず一つ解くべき課題があることで、学習者自身が主体性をもって活動に参加できると考えた。
 三つ目は班分けについてだ。知識構成型ジグソー法的な手法をジグソー班(大課題を解く班)、エキスパート班(エキスパート活動を話し合う班)をそれぞれ3人で構成することを基本としている。班分けに関しても、話合いが円滑に進むように、それを「国語班」として、教師から示す必要があると考えた。
 以上の3点を手だてとし、学習者に物語を「読むこと」の力を付けさせることができると考える。
 これらの活動を通して、学習者自身が読みの多面的な視点を獲得し、より深い読みができるようになることを期待している。

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「教育実践」
意図的なグループ構成による対話を通して、思考を深める読むことの指導
新潟市立下山小学校
中澤 理恵

  「読むこと」の指導において、児童に、物語文の人物の気持ちの変化を捉える力を身に付けさせたいと考えている。

 自学級の児童は、登場人物の性格等の背景を把握し、変化する気持ちについて、地の文や行動、会話などから関連させて捉える力が十分ではない。その結果、自分の考えに自信がもてない状況がうまれる。この状況は、学習意欲の低下につながる。
 そこで、本研究では、児童が自分の考えと同じ考えをもつ児童とで対話する方法を用いた。

1 課題に対して叙述から根拠を探し、自分の考えをもつ。
2 同じ考えの者同士で意見交流し、より説得力のある根拠を練り上げる。グループは、同じ考えであるが、根拠が異なる者で構成することで、根拠のズレを検討し、考えをより確かにする。
3 違う考えをもつ児童との意見交流を学級全体で行う。

 2の意図的に編成したグループによる対話を行うことで、3の全体交流の中で自信をもって発表できる児童を育てることをねらった。この活動は、意見を形成するための段階的な活動だ。同じ意見の児童との交流を通して自分の意見に自信をもつことができ、主体的に発言するようになったという児童の変容が見られた。

 今後も、自分の意見に自信をもち、皆を納得させようと全体交流の中で発言をする経験を積み重ねさせていく。そして、どのような場であっても考えを相手に伝えられる児童を育てていく。

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「教育実践」
説明文指導における深い学びの実現を目指した国語授業
〜判断型学習課題と再検討活動を通して〜
関川村立関川小学校
大島 貴浩

  新学習指導要領の実施にあたり、「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められている。本研究では、説明文指導における深い学びが実現している児童の姿を「初めの考えと比べ、言葉と言葉や言葉と物事を関係付けた新たな自分の考えを表現している姿」とした。この姿を実現するために、以下の手だてを講じた。
1 児童に判断を促す学習課題「筆者の考えに納得したか」
 児童に判断を促す学習課題は、児童の考えにズレを生じさせる。児童の考えにズレが生まれることで、「友達の考えを聞いてみたい」という学習意欲が向上し、児童の主体的な読みを促すことができる。そのため、話合いに必然性が生まれる。特に、「筆者の考えに納得したか。」という問いは、児童が文章全体を理解した上で、自分の経験と比較しながら、意見を表現することができる。
2 個人→小集団、全体→個人の学習サイクルで授業を進める。
 児童の考えにズレが生まれ、交流をすることで、根拠は同じでも意見が違うことが起こったり、友達の経験を聞いたりすることができる。そのため、交流活動の後に、個人の再検討活動の場を設定することで、自分の考えを言葉と言葉や言葉と物事をより関係づけた考えとして表現することができる。

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「教育実践」
児童の深い学びを促す文学的文章の指導
〜構造・形象・吟味よみの視点を活かした学習過程を通して〜
燕市立吉田小学校
長谷川 仁

  新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現が重視されている。と同時に、その学びを通して何を学び、何を身に付けるかという「資質・能力」を明確にすることも求められている。
 文学的文章を読むことの大きな目的は、最終的に作品のもつメッセージを児童がそれぞれに読み取り、自身の価値観を広げたり深めたりすることであると考える。また、読み取る過程において、文章表現や構造・構成のどこに着目すれば作品のメッセージに辿り着けるのかを自己の学びの手段として蓄積させていくことも非常に重要である。
 そこで、次の二つの手だてを取り入れて研究を進める。
1 「構造・形象・吟味よみ」の視点を学習過程に取り入れた単元計画の作成
 児童が文学的文章を学ぶ学習過程を三つに分けた。一つ目は「クライマックス」などの作品の構成・構造を読む「構造よみ」。二つ目は「比喩・反復・象徴」などの形象・技法を読む「形象よみ」。そして上述した二つを活かしながら作品のメッセージやクライマックス場面について吟味・評価する「吟味よみ」。これら三つ視点を取り入れた単元計画を作成する。さらに主教材と並行して副教材を読み進めることで、文章の内容だけでなく、文章構成・構造や文章表現に着目しながら自分の読みを形成することができると考える。
2 「どちらが…」「もしも…」という思考方法を使った課題の設定
 単元の終末に、「吟味よみ」の一つである「仮に(もしも)…という構成だったら?」や「もしも○○(中心人物)が…していたら?」など、物語の構成・構造や中心人物の行動の別の可能性を提示し、賛成か反対かを問う活動を設定する。すると、逆説的に作者が選んだ文章構成・構造や表現のよさが見えてくる。そこから作品のメッセージに辿り着くことができると考える。

 この二つの手だてを文学的文章の指導の柱として、日々の実践に取り組んでいる。文学を読むことによって言葉への見方・考え方を更新していく児童の育成を目指す。

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「サークル活動」
蒲原国語教育研究会
新潟市立上所小学校
本宮 直樹

 平成15年のサークル発足以来、毎年度会員による実践発表や授業の提案などの活動を行ってきました。私たちのサークルは、「児童生徒に力を付ける国語教育の在り方を探る」をテーマにして活動を行っています。国語教育に対して高い志をもった教員が集まり、児童生徒の国語力を向上させるためにはどうしたらよいだろうという問題意識をもって取り組んでいます。当会員の中には、スーパーティーチャー認定者や新潟市マイスターなど優れた実践者が多数おり、自ら学ぶ意欲をもつ会員ばかりです。また、年に1回県内大学等から講師を招聘して講演会も行っています。
 国語についての研究や深い見識に触れることで、国語教育についてさらに高い志をもつことができます。児童生徒にしっかりとした国語の力を付けるために、専門性と多様性を兼ね備えた教員を目指して、会員同士切磋琢磨しながら取り組んでいます。

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「サークル活動」
ルネス国語in佐渡
佐渡市立八幡小学校
山ア 勝之

 佐渡市で活動する国語科の授業改善について勉強しているサークルです。5月から1月にかけて、月1回程度、公民館等で活動しています。小学校教員と中学校の国語科教員が主に参加しています。
 例年は、論文の検討や実践レポートの検討を主な活動としていました。今年度は、それに加えて、サークル員のうち2名が公開授業を行うことにしました。その2名の公開授業の指導案検討会や授業協議会に参加し、新しく求められている授業像について学んでいます。
 今年度の研修テーマは、新学習指導要領において授業改善の方向性として示されている「主体的・対話的で深い学び」を実現する国語科授業の在り方についてです。
 特に、社会に開かれた教育課程を実現する教科横断的な単元を開発することを大切にしています。その中で、資質・能力をはぐくむ国語科授業はどうあればよいかを学び合っています。

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「サークル活動」
むらいわ国語の会
村上市立金屋小学校
渡邉 治樹

 村上市と岩船郡の職員が所属するサークルです。毎月第3木曜日に活動しています。
 活動内容は、主にサークル会員の指導案検討や実践発表です。サークルには、国語の実践家が多く、会員の発表内容に対して、鋭く的確に、かつ温かく「良さや改善点」を指摘し合います。そのため、会に参加すると毎回刺激を受けるとともに、明日からの授業に活きるようなポイントが分かり、とても勉強になります。
 国語の力を付けたい方は是非サークルに参加して下さい。刺激を受けること間違いなしです。
 国語は全ての教科の基になる大切な教科です。ぜひ私たちと一緒に国語を勉強してみませんか。

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「サークル活動」
北新国語の会
新発田市立七葉小学校
三浦 俊昭

 私たちは、毎月第1火曜日に活動をしています。指導案の検討や授業で使える「小ネタ」の紹介、論文検討など毎月バラエティーに富んだ内容で学び合っています。
 会員内に優れた実践者がおり、毎回指導を受けることができるとともに、会員の熱心な意見交換によって得るものが多い活動になっています。「この教材で学びをつくりたいのですが…。」という一言から、示唆に富む意見・指導をたくさんいただき、授業実践できることが当サークルの自慢です。

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「サークル活動」
三南国語の会
三条市立裏館小学校
六田 将司

 三条・見附・加茂の小・中学校の教員を中心とした国語のサークルです。月に1回程度、三条市を会場に活動しています。
 主な活動は、「指導案検討・実践発表」です。指導案検討は、構想を練る段階から相談に乗ります。小・中学校の会員それぞれの視点から意見が交わされ、活発な話合いが展開されています。実践発表は、日頃の授業実践を会員に紹介し、成果や課題を共有しています。若手からベテランまで幅広い年代の会員が集まっており、様々な視点から考えを出し合い、学び合っています。
 校種は問いません。みんなで国語を学びましょう。

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「サークル活動」
はくぼくの会
見附市立見附小学校
中川 大樹

 私たちのサークルは、50年以上の歴史がある国語サークルです。活動は2か月に1回程度行っています。毎年、年度末には研究誌を発行し、平成28年度で第56号を数えました。
 サークル活動では、一人一人の個人研修テーマに基づいた実践報告や、指導案検討を中心に交流を続けています。また、教育研究発表会に向けた要項・資料の検討や模擬発表会なども行い、研修を深めています。
 国語教育に精通したベテラン教員やOB教員らと共に、幅広い知識や教材解釈、先進的な実践情報等を共有する機会もあり、充実した研修会となっています。児童生徒の国語力を高めるために、日々取り組んでいます。

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「サークル活動」
木曜会
長岡市立上川西小学校
樋口 大輔

 私たちのサークルは、「児童生徒の今、未来をより豊かにする国語力の育成」を研修テーマに活動しています。歴史ある「木曜会」で、昔も今も変わらずに大切に受け継がれているものがあります。それは、日頃の実践の悩みについて、集まった仲間で気軽にかつ、真剣に検討し合う精神です。会員各自が授業実践を通して相互に錬磨し合っています。
 活動内容としては、各会員が持ち寄った実践や指導案の検討、講師先生をお招きしての講演会などを行っています。今年度は、セミナー受講者の研究についての検討も行っています。
 近年、会員外の参加も増え、門戸を広くして研修をしています。また、活動の拠点である長岡には目標となるベテラン教員の諸先輩方も多くおられます。不易と流行、あるいは得意分野を生かした視点など、様々な切り口でご指導やアドバイスを受けることができることも、木曜会の魅力です。
 これからの時代を生きる子どもたちに必要な国語力は何か、その力を付けるにはどうしたらよいのかを真摯に考えながら取り組んでいます。

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「サークル活動」
谷うつぎ
小千谷市立小千谷小学校
嵐 直人

 当サークルは、魚沼市と小千谷市に勤務する会員が所属し、国語科の授業づくりや取り組んだことのまとめ方(論文やレポート)について学び合っています。会員相互のニーズに見合うような研修を計画し、年間7回程度の研修機会を設けています。
 国語科教育の使命である児童生徒の「言葉の力」(言語能力)を高めるには、どのような授業を行い、実践を積み重ねていけばよいのかを考えています。「話すこと」「聞くこと」「読むこと」「書くこと」、それぞれの領域において児童生徒が自分の「言葉の力」の高まりを自覚できる授業、高まった「言葉の力」を他の教科・領域において活用できる授業を目指し、実践を持ち寄って報告したり、指導案を検討したりしています。
 また、会員だけでなく、広く会員外の参加も募って講演会を行っています。講師の先生から国語科教育の様々なことを学ばせていただいたり、学んだことを明日の実践に生かしたりしています。今年度も「人とのつながり」を大切にしながら、目の前の児童・生徒の「言葉の力」が高まり、豊かになっていくように取り組んでいます。

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「ときわ教育奨励賞」
比べ読み・重ね読みで一人読み
〜国語科物語文指導における多読の可能性〜
五泉市立五泉南小学校
川上 弘宜

 多読において「読みの観点」に基づいて作品の読みを深め、学ばせたい「見方・考え方」を獲得させている。
 物語文指導の視点からどの教室においても実戦可能なレベルにまで汎用化しており、多くの教師から追試・普及が期待できる。

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「教科等研究セミナー」
自閉症児のコミュニケーション手段獲得に向けた指導の工夫
〜タブレット端末による視覚的支援を通して〜
新潟県立江南高等特別支援学校
笠井 翔太

   近年、学校教育において、タブレット端末等のICT活用が進み、児童生徒の主体的な学習や認知・理解に効果を上げてきている。特別支援教育においてもその効果が期待され、UDLや合理的配慮の観点からも重要と認識され、活用が進んできている。本研究では、特別支援学校小学部に在籍する自閉症の児童のコミュニケーション指導において、視覚的な入力に優位性がある認知特性に合わせてタブレット端末を活用し、会話の意味理解を促しながら会話の成立を目指した。
 まずは、パワーポイントを使って会話文に合わせて写真やイラストを表示する自作教材「レッツトーク」を作成し、タブレット端末上で操作しながら学習を進めるようにした。簡単なタップ操作で主だった日常会話の練習ができるため意欲的に学習を続けることができ、実際の会話場面で教師の支援を受けながら練習を積んだことで、タブレット端末がなくても他者とスムーズに会話できる姿が見られるようになった。そして、質問に返答する会話から要求表現へと学習する会話文を計画的に増やしていき、PDCAサイクルで、評価・改善を図るようにした。学習の進度を丁寧に見とりながら支援を段階的に減らすなどの工夫を行って一人でも学習が進められるようにしたことで、より多くの会話を習得できるようになってきた。
 本研究を通して、認知特性に合わせてICT活用を進めることで、コミュニケーション指導が効果的に進められることが分かった。この成果を生かして、引き続き特別支援教育においてICT活用について研究を進めていきたい。

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「教科等研究セミナー」
中学生における書字練習指導の工夫
〜主に学力低位の生徒に対して〜
三条市立本成寺中学校
吉澤 仁志

  多くの中学校では基礎テストと称した漢字テストを行っているが、そのための指導は十分ではなかったという反省がある。また、基礎テストの結果は生徒の自尊感情と密接に結びつくものである。そこで、主に反復学習等を苦手とした学力低位の生徒に対して、漢字の書字練習のワークシートを工夫し、どのような方法が効果的であるかを研究した。
 最終的に作成したワークシートの工夫は、以下の6点である。
・教科書体を用いる。
・音読みと訓読みの漢字を分ける。
・漢字に対応する読みを明確にする。
・漢字の構成要素単位の一部を消しておく。
・漢字は横書きとして、縦に練習する形式にする。
・書字練習は2回とする。
 実践の結果、難しい漢字であっても効果的であると確認できた。しかしながら、長期記憶に対応できるかは今後も検討する必要がある。

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「教科等研究セミナー」
説明的文章をクリティカルに読む学習指導法の研究
〜三角ロジックを活用した1.2年説明的文章のクリティカル・リーディング指導のあり方についての一考察〜
長岡市立江陽中学校
伊藤 裕

  現在、私たちを取り巻く社会は高度に情報化され、常に情報が自分にとって価値のあるものなのかを主体的に判断しなければならない状況にある。これは、これからの社会を創造する生徒たちも例外ではない。私は、生徒が困難な課題や状況に直面したとき、そこから目を背けるのではなく、自ら考え行動できる主体者に成長してほしいと願っている。困難な課題や状況に直面したとき、それを解決する方法として「本当にそうなのか?」「もっと違う方法はないのか?」と物事をクリティカル(下記※参照)に捉え考えることが有効であると考える。
 国語科において生徒がテキストをクリティカルに読むということは、前述した捉えや考えを活用している姿と考える。しかし、クリティカルに読むといっても、その実際をイメージすることは難しい。本研究では、次の2点に重点を置き研究を推進した。
1 クリティカルな読みを実感しやすくするための工夫
 本研究では、データや事実の客観性、筆者の主張に向かう論理の整合性などから生徒が情報をクリティカルに読むことを実感させるのに適した説明的文章を教材として、それらを読む過程に三角ロジックの活用を位置付けた。また、生徒が実感を伴ってクリティカルな読みを実現していくために、中学校国語教科書に収録されている説明的文章教材を「三角ロジックを活用してクリティカルに読む」という観点で教材研究・分析し、生徒のクリティカルに読む力の伸長を図るにはどのような学習が適しているのかを検討した。
2 クリティカルな読みの系統性の検討
 中学校国語科でのクリティカルな読みをどのように系統立てて指導することができるかについて研究を深めるため、2年間の研究の蓄積をもとに、担当する1・2学年において教材の特性や学習内容の系統性を検討した。
※「クリティカル」とは「批判的」と訳される。しかし、「批判的」という言葉には一般的な理解として「他人の考えや意見の誤りや欠落を指摘する」という意味が含まれる。本研究では、そのような一般的な意味を超えた「課題を自らのものと捉え主体的・創造的に自身の考えを変容させていく生徒の姿」の具現化を目指しているため、「批判的」という語を用いずに「クリティカル」という語を用いた。

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「教科等研究セミナー」
読む意欲を高め、考えを広げたり深めたりする児童の育成
〜「リテラチャー・サークル」の手法を生かして〜
新潟市立中野山小学校
相馬 朋美

  これまでの物語文の授業では、登場人物の心情やその変化と場面の様子を、発問を通して全体で読み進めることがあった。そして、発言する児童の考えだけで授業が進んでしまうことがあった。そのため、児童一人一人に、登場人物の心情やその変化を主体的に捉えさせることができず、「国語は、どうやって考えればよいか分からない」「つまらない」という思いをもたせることも多かった。
 そこで、本研究では、読書指導法「リテラチャー・サークル」(読んだことと、他のこと(自分の体験等)とのつながりを発見する、読んだ中から自分の好きなことや場面などを、絵に表す等の役割にもとづき、教材文を読む)の手法をもとにした学習活動を組み、児童一人一人が、主体的に教材文にかかわって登場人物の心情やその変化をとらえ、自分の考えを広げたり深めたりできるようにした。 
1 主体的に教材文にかかわらせる工夫
 それぞれの役割をもとに教材文を読む。その際、役割の視点にそって読むことで、教材文に主体的にかかわり、自分の考えをもてるようにした。
2 自分の考えを広げたり深めたりするための工夫
 同じ役割で交流することで、自分の考えを見直したり付け足したりした。その後、異なる役割での話し合いの場を設定し、友達の考えを聞いたり自分の考えを話したりする中で、新たな気付きを得たり自分の考えを深めたりした。

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「教科等研究セミナー」
学習活動を支える国語科書写指導の工夫
〜書字場面に応じた書く「速さ」と「丁寧さ」の意識化〜
新潟市立東山の下小学校
橋本 佳恵

  文字を書く力は、多くの学習活動を支える重要な力の一つである。しかしながら、書写の授業において学習した内容や身に付けた力が、日常の文字を書く活動に生かし切れないという課題がある。日々の学習において、ノートに書く活動で時間がかかったり、速く書けるが字が雑であったりする児童が多い。そこで、書写の学習指導を日常の文字を書く活動につなげる工夫が必要であると考えた。
 書写に関する事項について小学校学習指導要領を見ると、第5学年及び第6学年において「書く速さを意識して書く」ことが示されている。この点に関して小学校学習指導要領解説国語編においては、「書く場面の状況によって速さが決まってくることを意識すること」や「速く書くことが求められるだけでなく、ゆっくりと丁寧に書くことが求められる場面もある。」としている。このことから、学習指導要領に示されている「書く速さを意識して書く」とは、「速く」あるいは「ゆっくりと」といった速度のみではなく、丁寧さについても併せて指導する必要があることが分かる。先行研究においてはこれらの学習の必要性について触れられているものの、具体的な指導に関して日常化の視点から言及しているものは見られない。
 そこで、本研究では、書字場面に応じて適切に書く力を高めるため、高学年の書写指導において、文字を書く速さと丁寧さについて取り上げて指導した。具体的には、児童が文字を書く際に「速さ」「丁寧さ」を意識させるために「速さのものさし」「丁寧さのものさし」を活用した。文字を書く際の速さや丁寧さを意識させる上で、2つのものさしが有効であるかどうかについて検証し、有効性を確認することができた。

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「教科等研究セミナー」
文学的な文章を解釈する力を高める指導
〜思考ツールを活用したグループ検討を通して〜
阿賀町立西川小学校
中野 裕己

  文学的な文章における解釈は、読み手の既有知識や既有経験による大きな影響を受けており、同じ文章であっても捉え方に違いが生じることがある。したがって、文学的な文章を解釈する力を高めるためには、文章を多面的な見方で捉えさせることが重要であると考え、グループで解釈を交流する学習を行ってきた。しかし、文章をどのように捉えて解釈を導いているのか理解し合うことが難しく、新たな気付きが生まれて解釈が変容するような深まりは見られなかった。
 そこで、解釈を導く思考過程を明確にして可視化すること、「より納得できるのはどのような解釈か」という問題意識をもたせてグループ検討させることが必要であると考えた。小学校6年生を対象として、次の3つの手だてを用いて授業実践を行った。
1 「AorB」選択式の発問
 解釈を「AorB」で選択させる発問を行った。これによって、児童は「どちらの解釈が納得できるか」という問題意識をもち、主体的に作品の解釈や検討に向かうと考えた。
2 解釈を導く思考過程を可視化するツールの活用
 思考過程を、根拠(教材文)−理由(児童の既有知識や既有経験)−解釈(AorB)の3つの段階に整理した。そして、そのような思考を促し可視化するための思考ツール「キノコチャート」を開発し、児童に活用させた。
3 思考ツールを活用したグループ検討 
 各自が作成した「キノコチャート」を媒介とし検討することで、グループ内の児童が互いの思考を容易に共有することができた。そのことで、AorBどちらの解釈が納得できるか、根拠と理由に焦点化して検討させた。
【研究の成果と課題】
 「どちらの解釈がより納得できるか」をグループで検討する中で、新たな文章に目を向けたり、文章の新たな読みに気付いたりして解釈が変容する姿が見られた。
 その一方で、場面の移り変わりを考慮せずに検討を進める様子も見られた。場面の移り変わりを考慮して検討を進めさせる手だてが必要であると感じた。
 今後も、文学的な文章を解釈する力を高める指導について研究を深めていきたい。そして、文学作品の面白さを感じ取って意欲的に読書に向かう児童を育てたい。

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「教科等研究セミナー」
全員が、問いに向かって主体的に考え、わかる喜びを実感する国語授業
〜UDLの視点を取り入れた支援を通して〜
三条市立三条小学校
佐藤 亮一

  これまで、一部の児童だけが活躍する国語授業からの脱却を図るため、UDLの視点を取り入れた学習支援を大切にしてきた。しかし、児童が生き生きと学習する姿が見られた一方で、単元を通して教師主導の授業になりつつあった。これからの未来を担う児童にとって、自分で問いを発見し、その解決に向かって主体的に学ぶことが大切である。そうなり得る単元をつくる必要性を感じた。
 次の2点から、その解決に迫った。
1 活動の中で問いが生まれる単元を構成する
 「ペープサート紙芝居」や「音読劇」など、児童が相手意識をもって取り組むことができるゴールを設定した。そこへ向かうために必要な活動を児童と話し合って、学習計画を立てた。児童は、動作化しながら活動を進める中で、「どこで気持ちが変わるのだろう」など、主体的に問いを見いだしていく。そうした問いを新たな学習課題として設定することで、単元を通して必要感をもって問いを解決していく姿が見られるようにした。
2 問いの解決に必要な情報を視覚化する
 「教材文」「板書」「動作化」という3つの視点で視覚化した。「教材文」では、全文を1枚にまとめたものと、場面ごとに分けたものの2種類を用いて、常に全体を通した気付きと部分的な気付きとを書き込むことができるようにした。「板書」では、必要な情報を色分けしたり、焦点化したりして提示し、問いの答えを捉えやすくした。「動作化」では、互いに見合い、叙述に即した表現ができているかをアドバイスさせた。
 活動の中で生まれた問いを全員で共有すること、問いの解決に必要な材料を焦点付けて視覚化することが、児童の主体性と理解度を高める上で有効である。単元のすべての時間で問題意識と整合した「学習問題」を設定することや、意見が対立したときの話し合い方・決め方を指導することで、これらの手だての有効性を更に高めていくことができると考える。

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「教科等研究セミナー」
考えを整理して書くための思考の仕方を獲得させる指導法
〜「思考ツール」を用いて〜
新潟市立上山小学校
山本 啓介

  「書くこと」の指導において、次のような問題がある。
○児童は、様々な種類の文章を書くが、単元や文章の種類が変われば、書く内容も使うワークシートも変わってしまうため、年間を通じて書き方が活用されることがなく、忘れてしまう。
○多くの児童が単元で目標とする文章を書けたとしても、どんな方法で書いたか、どんな思考をして書いたかが意識化されていないため、活用や応用ができない。
 上記の問題に対して、本研究では、「書くための思考の仕方」と「繰り返し使用すること」に焦点を当てる。つまり、文種に応じた指導を行いつつ、年間を通して「思考ツール」を用いて文章を書くこととする。「思考ツール」は「読むこと」で活用されることが多く、「書くこと」で有効性が示されている研究が少ない。意見文を書く学習において、毎回使える「思考ツール」を活用して文章を書くことで、思考の整理ができ、継続した学習ができるようになる。思考の仕方が分かれば、自力で文章を書けるようになるはずである。
 数多くある「思考ツール」の中で、H27年度の6学年に実施した研究結果から、児童は簡単な「思考ツール」ほど積極的に使うことが分かった。そこで本研究は、ツールを「ウェビングマップ」「ステップチャート」「付箋」に絞り、書く過程を意識させることで、文章を書くための思考の仕方を獲得させることを主張する。
 本研究は、5年生を対象に、年間を通して「思考ツール」を使い続けるため、3つの単元で研究を続けた。
@ 女池上山の環境を全校に伝えよう(意見文)6月実施
A 物語作家になろう(物語づくり)9月実施
B ALTの先生に和の文化を紹介しよう(プレゼンテーション:原稿づくり)11月実施
 単元構成を考える際には、いずれの単元も、書く活動を3段階に分けることで、書くための思考を理解しやすくした。1段階目に「ウェビングマップ」を、2段階目に「ステップチャート」を、3段階目に「付箋」を活用して、書く活動を行った。
 その結果、順序立てて書くことができるようになっただけでなく、Bの実践では、教師の指示がなくとも、児童は「思考ツール」を活用し、プレゼンテーションを作り上げた。児童がそのよさを実感し、自分の意見を文章化するための思考の仕方を獲得したのである。

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「教科等研究セミナー」
考えを可視化し、文章構成の検討を促す「思考ツール」を活用した感想文指導
上越市立稲田小学校
伊藤 和人

 これまでの自身の指導を振り返ると、児童が自分の考えや主張を書き表したり他の情報と比較して異同を述べたりすることに、課題があった。また、書きたいことをどのように書いてよいか分からない児童もいた。これらは、書く内容に関する思考の方法や手順を学習する機会が少なかったことに起因する。感想文を書く前に「思考ツール」を活用し、自分の思いや考えを可視化してまとめることで、文章構成を考えて感想文に書き表すことができるようになると考えた。そこで、感想文に焦点化して書く力の向上を図った。
 「思考ツール」は、使い慣れてくることで児童にとって使いやすいように変更したり、文章構成を考えたりしやすい容易なものとなる。自分の思いや考えを可視化させ、より多く書き出すために「イメージマップ」を用い、順序や内容といった文章構成を考えさせるために「ボーン図」を用いた。
 2種の「思考ツール」を使って書かせ、児童の書いた感想文を、@相手や目的に合わせ、テーマに沿って一貫した内容で書いているか、A学んだ知識や考え方・見方を、比較・関連・分類させるなどして書いているかの2つの観点で評価した。
 実践から、「イメージマップ」は事実と感想や考えを分けて書くように二重円で可視化することで、書く内容を整理しやすいことが分かった。また、「ボーン図」は習熟が必要であるが文章構成を考える手だてとなることが分かった。これら2つの「思考ツール」を連動させて用いることで、関連して書く、分類して書くことを意識化できることが分かった。
 一方、「イメージマップ」から「ボーン図」へと移行する際に、書く目的が薄れてしまう様子が見られた。思いや考えを可視化するためには有効であるが、書くことに苦手意識のある児童には手間となってしまうことが原因である。どのように書き換えていくのか、どのような手だてをとるべきか今後探っていきたい。

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「教育実践」
叙述をもとにして読む力を高める物語文の指導
新潟市立上山小学校
伊比 祥子

 教育課程企画特別部会における論点整理(平成27年8月)では、育成すべき資質・能力の1つとして、「学びに向かう力」が挙げられた。国語科においても、学習活動を次へとつなげる主体的な学びの実現が重要となる。
 「読むこと」の物語文の学習においては、児童が主体的に読み、自分の考えを表現できるようにしていくことが大切である。しかし、叙述を基にして考えることへの個人差は大きく、何に着目したらいいか分からなかったり、根拠をもたずに読み進めたりする児童も少なくない。そこで、次の2点から課題の解決に迫った。
1 読みを広げたり深めたりするための工夫
 それぞれが役割をもって物語を読む「リテラチャー・サークル」の手法を用いた。グループでかかわり合いながら読みを広げたり深めたりすることで、個人差への対応を図った。また、物語文を読む際の手掛かりを知り、主体的に読む力の土台とした。
2 学びを生かす機会の設定
 並行読書を行い、共通教材での学びを生かせる機会を設定した。今後の学習や読書につながるよう、手掛かりをもって読んでいく経験を積んだ。
 国語の能力は、各教科の学習の基礎となる。一つ一つの取組を次へと生かし、粘り強く学びを積み重ねていかなければならない。「主体的な学び」をキーワードに、実生活に生きて働くような国語教育を今後も研究していく。

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「教育実践」
相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝える児童の育成
〜文章構成を意識して書く活動を通して〜
粟島浦村立粟島浦小学校
松岡 誠

 学習指導要領解説国語編3・4年生の「書くこと」においては、相手や目的に応じ、調べたことなどが伝わるように、段落相互の関係などに注意して文章を書く能力を身に付けさせるとともに、工夫をしながら書こうとする態度を育てることが重要であると述べられている。
 しかし、書くこと自体に抵抗感をもっている児童がいる。また、工夫して書こうとせずにただなんとなく書けばいいと考えている児童も多い。
 そこで、児童にモデル文を提示し、その文を真似しながら書かせることで書くことに対する抵抗感をなくそうとした。回を重ねるごとに書くことに対する抵抗感が減ってくるとともに、文のイメージをつかむことができた。しかし、工夫して相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝えようとすることに課題が残った。
 その課題を解決するために、文章構成を理解させ、その理解のもと文章構成を考えて表現できるようにする必要がある。そこで、目指す児童を次の2つに設定した。
1 「始め−中−終わり」の文章構成で文が書ける児童
2 文章構成の仕組みに適した内容で文が書ける児童
 そして、相手に自分の思いや考えを分かりやすく伝える児童を育成するために2つの手だてを行った。
ア 児童が文章構成を理解しやすいように、自作のモデル文を児童に示す。
イ 児童が文章構成を意識して書くように、バラバラ説明文の修復活動を何度も繰り返す。
 自作のモデル文を提示したことにより、文章構成の基本の型を模倣し、「始め−中−終わり」の文章構成で書くことができた。このことは、モデル文と児童の説明文の構成が同じになっていることからも分かる。また、バラバラの説明文の修復活動を何度も繰り返したことによって、「始め−中−終わり」の文章構成の仕組みを学習し、その仕組みに適した内容の文章を書くことができた。特に中の具体的な例を書く場面では、時系列で示したり、身近なものから身近でないものという順番で相手に分かりやすく書いたりすることができるようになった。

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「教育実践」
文学的な文章の学習において、観点をもって読み、自分なりの解釈をもつ子どもの育成
新発田市立御免町小学校
山田 雄太

 文学的な文章の学習において、「物語をどのように読んだらよいか分からない」という児童が多い。授業で扱った教材文は読むことができても、別の作品になると、どのように読んでよいのか分からないのである。私のこれまでの指導を振り返ってみると、教材文を正確に読み取らせるための発問や指示に留まっていた。しかし、「教材文を教える」のではなく、「教材文で教える」ことが大切であり、そのポイントは、読みの観点を児童に身に付けさせることであると考える。
 本研究では、文学的な文章の学習において、児童に観点をもって作品を読ませることを通して、児童が自ら読み、自分なりの解釈をもつ姿を目指す。そのために、2つの手だてを講じる。
1 教師が児童に読みのモデルを示す
 観点を児童に示す際には、教師が一人の読み手としての読みのモデルを示す。観点を教え込むのではなく、モデルを手掛かりとして児童に自ら読みの観点に気付かせる。また、単元の導入で教師が読みのモデルを示すことで、身に付けさせたい読みの観点を意識しながら教材文を読み進める。この活動を通して読み方の習得を図る。
2 自分なりの解釈を表現する活動を設定する
 本研究は、2つの単元での実践を基に検証する。1つ目は、5年生「大造じいさんとガン」、2つ目は、6年生「やまなし」である。「大造じいさんとガン」では、情景描写を読みの観点として、物語の魅力を本の帯にまとめさせる。「やまなし」では、比較(対比・類比)を読みの観点として、単元の終末では、「作品の心」を自分の言葉で表現させる。観点に沿って読み進めた自分なりの解釈を表現させることで、自分の読みの変容を自覚させる。
 これらの手だてを通して、児童一人一人に読みの観点を身に付けさせる。そして、自分の力で意欲的に読み、作品を味わう姿を期待して研究を進める。

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「教育実践」
説得力のある意見文を書くための指導過程の工夫
〜経験を生かして書く児童の育成を目指して〜
五泉市立五泉南小学校
山川 奈津子

 自分の伝えたいことを、自分自身の経験や、グラフ、図などの資料を効果的に使い文章にしていくという単元がどの学年にも設定されている。しかし、実際伝えたいことがなかなか伝わらない文章になったり、取り入れた経験や資料が内容と合っていなかったりということがある。そして、それに児童も気付いておらず、書き上げた事実だけで満足してしまっていることが多い。もっと、書くということの様々な工夫を自覚しながら、自分の文章を練り上げていくことが必要ではないかと考えた。そこで、伝えたいことが伝わる文章に必要な経験を選択し、伝わるための工夫を自覚しながら書くことができるような児童を育成したいと考え本実践に取り組んだ。
 本実践で設定した手だては、下記の3点である。
1 どの児童にとっても身近で考えやすいテーマについて話し合い、自身の経験を掘り起こしてから意見文に取り組ませる
 対象学年が6年生であることから、卒業にあたり5年生に対してぜひ引き継いでほしい五泉南小学校のよさについて話し合いを行った。
2 モデル文を自分のお試し意見文と比較することで、自分の意見文に足りないところに気付かせ、それらを取り入れて書かせる
 話し合いの結果を基に、まず自分で書いた意見文(=お試し意見文)と教師のモデル文との比較を行った。
3 モデル文の検討で見つけた工夫を意識させるため、チェック表を活用し意見文を書いたり評価したりする
 児童が見付けた工夫を表にし、取り入れたい工夫を意識させてから書いた。隣同士読み合う時には、その工夫が伝わったかどうかを表を基にチェックさせた。

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「教育実践」
「比べ読み」を通して、読む力を高める指導の工夫
見附市立名木野小学校
坂井 大空

 今までの国語授業は、1つの教材に対して、その教材だけを丁寧に教えていく形で学習を進めてきた。私は、こういった指導の仕方で、文章を読む力を高めることができるのか疑問に思っていた。
 全国学力・学習状況調査の国語B問題に着目すると、「まどみちお」の詩集、「ごんぎつね」の意見文など、複数の資料や文章から必要な情報を読み取ったり、それらを比べたりして答えを導くという内容の問題が出題されている。文学的文章を読んで、登場人物の心情や相互関係を捉えたり、説明的文章から、目的に応じて必要な情報を取り出したりして、それらを関連付けて読む力が求められているのである。
 今までの国語授業のように、1つの教材だけでは、こういった問題に対応できる力はなかなか身に付かないのではないか。また、宮沢賢治の「やまなし」に代表されるように、教材によってはその物語の世界や作者のメッセージを十分に読み取りにくいものがある。また、説明的文章の指導においても、その教材だけでの学びでは、作品の構成や書き方などの良さに気付きにくい。
 これらの課題を受け、複数の教材を活用し、それらを読み比べることで、教材間の共通点や相違点から、書かれ方の良さや作者のメッセージに気付くことができるのではないか。そして、その結果、今まで以上に文章を読む力を高められるのではないか、と考えた。
 そこで、文学的文章、説明的文章に対する「比べ読み」の実践を行う。文学的文章に対しては、同一作者の他の作品と読み比べる学習を通して、作者が作品に込めたメッセージに迫っていく。説明的文章に対しては、類似した文章と読み比べる学習を通して、文章の構成やそれぞれの良さを捉えていく。これらの実践を通して、実践の成果と課題を明らかにしながら、上記の仮説の有効性を検証していく。
 そして、児童が読む力を高める姿を実現していきたい。

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「教育実践」
「自らの学び」を大切にする子どもを育む国語教室づくり
〜次期学習指導要領の視点を見据えて〜
長岡市立宮内小学校
相澤 勇弥

 次期学習指導要領に向け、大切な視点として、アクティブ・ラーニングやカリキュラム・マネジメントが挙げられる。子どもが主体的に、前のめりになって学習する姿。子どもが、仲間と進んで協力して学ぶ姿。授業者として、教室に実現させたい子どもの姿である。
 では、どうやったら、そういった子どもの姿が実現するのだろうか。特に、国語科では困難さを想像する方も多いのではないだろうか。
 そこで、「単元をデザインする」という視点をもつことで、前のめりに、協力し合う子どもの学びの表出を求めた。次の3点から、子どもと行う学習活動を見直した。
1 子どもの実生活や実態に合わせること
2 子どもとともに学習を計画すること
3 かかわり合いたくなる仕掛けを教材に合わせて用いること
 これらを「3Sデザイン」と名付け、このデザインの仕方で単元をつくり、子どもと学習活動を展開した。今回の発表では、そのデザインのうち、「話す・聞く」の領域から1つ、「読むこと」の領域から2つの実践について紹介・考察を発表する。
 「3Sデザイン」で、どのように単元を作るのか。「3Sデザイン」で、どのように子どもが動くのかを提案する。

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「教育実践」
他教科との関わりの中で、「話す・聞く」力を高める単元構成の工夫
〜「メモの取り方をくふうして聞こう」(東京書籍4年上)の実践〜
新潟市立浜浦小学校
柴澤  明子

 国語科「話すこと・聞くこと」の教科書教材で、話の中心に気を付けて聞いたり、質問したりする方法を児童は学ぶ。さらに、「話す・聞く」力を確実にするために、学んだ内容を活用する経験をたくさん積み重ねることが重要であると考える。
 そこで、教科書教材で設定された活動だけでなく、国語科で付けた力を活用する場面を他教科において意図的に設定し、他教科と連携した単元構成をすることで、児童の「話す・聞く」力を着実に向上させることを目指した実践を提案する。

1 児童から出た「問い」を中心に進める国語科授業
 児童の困り感がどこにあるのか実態を把握したあと、困り感を「問い」として共有させ、児童自ら解決していく授業を構成した。「問い」を解決するために、クラス全体で意見を出し合い、検討しながらまとめ、最後に学習した内容を自分の言葉で表現した。
 
2 他教科の学習と連携した単元構成
 国語科の教科書教材「メモの取り方をくふうして聞こう」(東京書籍4年上)の学習において、単元の初めに、国語科で付けた「話す・聞く」力を社会科「浄水場見学」で生かすことを、児童とともに確認し、めあてとして捉えさせた。
 さらに、社会科においては教科書にある「○○さんの話」を授業者が音読し、読んだ内容をメモに取る活動を積み重ねた。社会科の授業でも聞いたり話したりする活動を取り入れ、その成果を「浄水場見学」で発揮するというめあてを児童がもって学習に取り組んだ。

 児童が自ら「問い」を解決すること、また単元全体の目標を確認することによって、児童自身が単元の見通しをもつことができ、最後まで意欲的に活動することができた。アクティブ・ラーニングの具現・充実を図るために、「話す・聞く」力を高め、コミュニケーションを積極的に取ることができる児童をこれからも育てていきたい。

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「教育実践」
苦手意識・嫌悪感をもちやすい説明文の学習で意欲を高めるには
〜小学校6年生で読んで書く単元構成を工夫して〜
十日町市立東小学校
五十嵐 啓滋

 国語の学習で特に説明文を学習することに苦手意識・嫌悪感をもつ児童が多いように感じている。それは、「1つの答えにならないことが多い」「勉強して何ができるようになったのかよく分からない」という理由があるのではないかと考えた。児童が苦手意識・嫌悪感をもつ理由を改善しつつ、学習指導要領に示してある内容が身に付くように単元を構成していけば、国語を学習する意欲が向上していくのではないかと思いテーマを設定した。
 1学期は@目的意識をもって学びを活かしながら学習するA本時の中で学ぶことをはっきりさせ根拠を明確にするB児童が好む学習スタイル(話合い)を授業で使う、といった3つの柱をもとに単元を構成し実践を行った。
 1学期の実践で、目的をもって学習すること・1時間の中で学ぶことをはっきりさせることの効果は上がったが、学習指導要領に示された内容を話合いで身に付けさせることには課題が残った。
 1学期の実践で効果が上がったことは継続しつつ、課題を解決することで、さらに意欲を向上できるようにしていく。

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「教育実践」
言葉を手掛かりに論理的に思考する児童の育成
〜高学年の物語文における授業実践を通して〜
村上市立保内小学校
橋 真徳

 小学校学習指導要領解説国語編では,国語科の目標の1つとして,「思考力を養う」ことが示されている。解説で,思考力は「言語を手掛かりとしながら論理的に思考する力」とされており,中央教育審議会が示す国語科の改善の基本方針の中にも,その重要性が述べられている。しかし,自学級では,物語文において,会話文の話し手が誰か,登場人物の関係性がどうなっているのかを読み取る問題に弱さが見られた。これは,前述の論理的に思考する力を児童に身に付けさせられていないためだと考える。そこで,次の3つの手立てを通して,言葉を手掛かりに論理的に思考する児童の育成を図ることとした。
1 目的に応じた様々な音読をさせる
 中心人物,登場人物の心情や場面の描写,作者の思いを検討するために,それぞれの目的に応じた様々な音読をさせた。実際に声に出して読むことで,どの児童も論理的に思考する体験をさせられると考えた。
2 自分の考えを書く場面で,思考スキルを提示する
 前述の音読によって明らかになった課題に対して自分の考えをまとめる場面で,仮定・帰納・対比といった6つの思考スキルを児童に示した。児童が見通しをもてるよう,どの思考スキルであれば自分の考えが書けそうなのか予想させたり,友達の記述を実物投影機で映したりした。
3 ペアやグループ活動を取り入れ,活用した思考スキルや自分の考えを深める
 ペアやグループを作り,叙述・活用した思考スキル・自分の考えといった条件を満たして書いているか,活用した思考スキルと自分の考えが整合しているかという観点でお互いの文章を読み合う学習活動を設定した。
 論理的な思考は,児童が教材文を読み取る上で重要である。3つの手立てが児童にしっかりと身に付くよう,物語文だけでなく,説明文,言語事項などの学習にも取り入れ,授業実践を重ねていく。

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「教育実践」
気付きを問い、思考を促す授業構成の工夫
〜二段階の発問によって考えを深め合う子どもを目指して〜
五泉市立五泉南小学校
阿部 央資

 これまで私は、文中の言葉を根拠にして自分の考えを明確にしたり、お互いの考えの妥当性を検討し合ったりする児童の育成を目指し、国語科の授業において討論が起こる発問を用いるようにしてきた。「AかBか。」や「どちらが○○か。」など、答えるべき結論があらかじめ与えられている討論(形式)の授業では、自分の立場をはっきりさせやすいよさがあるからである。そこで、全員が考えをもち、自分の立場を明確にし、考えを深め合う児童の姿をより具体化させようと、次の点からその解決に迫った。
1 「気付きを問う発問」の後に「思考を促す発問」を位置付けた単元構成や授業構成をする。
2 構造化した板書で「情報の見える化」をする。
 「気付きを問う発問」とは、気付いたことをたくさん出させる放射状の発問で、順序性は問題にしない(例:似ているところはどこか、違うところはどこか、○○を読んでどんな言葉が思い浮かぶか、など)。一方、「思考を促す発問」とは、気付きより論理的で順序性のある考えを引き出すための発問で、授業で考えさせたい中心発問とも言える(例:一番○○なのはどちらか、なぜ○○ではないのか、○○の原因は何か、など)。
 最終的に児童に考えさせたいことを見据え、手掛かりとなる材料(根拠)を見付けさせるような「気付きを問う発問」では、すべての児童が自分の率直な気付きを全体の前で発言することができた。また、絞り込んで考えさせるような「思考を促す発問」を併せた学習活動では、本文に正対しながら思考を巡らし合う姿が学級全体に定着した。「気付きを問う発問」と「思考を促す発問」をつなげるものとして、構造化した板書を心掛け、情報を「見える化」したことも、様々な特性をもった児童に対応することができた点で有効だった。今後は、他学年や他教材における二段階の発問の位置付け方やその有効性について研究を進めていきたい。

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「教育実践」
児童が作品のおもしろさを自分の言葉で語るための指導の方法
〜文学的文章における比べ読みの実践から〜
三条市立裏館小学校
豊田 宏輝

 文学的文章を読む意義の一つは、作者が巧みに仕掛けた登場人物の心情描写や表現の工夫の解釈を深め、作品から伝わるものの見方や感じ方、考え方を読み取ることであると考える。「解釈を深める」ことが、文学的文章を読む「おもしろさ」につながっていくと捉える。
私の今までの文学的文章の指導では、深く読み味わうために根拠となる文章に注目させてきた。しかし、児童の実態として、解釈の根拠は文章から挙げられるが、根拠と理由を同一視しているために、理由付けができない姿が見られた。教材文から離れて自分の思いを語る児童への手立てとして、根拠に着目させる指導を重視し、根拠・理由・解釈の3点セットで文章を読む指導を行ってこなかったためである。
 そこで、次の3点の手立てを講じた。
1 根拠と解釈をつなぐ理由を明確にした話合い活動を組織する
「根拠・理由・解釈の3点セット」で文章を読む指導を行う。解釈のずれが生じる発問をすることで、根拠を本文に探らせ、その理由を考えさせるように仕組む。解釈する際は、常に「どこからそう考えたの?」「どうしてそう考えたの?」という教師の問い返しを行い、根拠とその理由を意識できるようにした。これにより児童が理由に着目して関わり合えるようにした。
2 比べ読みを活かして「文章の意味を考える」活動を設定する
 一つの作品だけで文章の特徴に気付かせるのではなく、複数の作品を提示してそれを比べて読ませることで、作品の内容や展開構造、表現の工夫などの特徴をより明確にしたり、想像豊かに解釈したりすることができるよう「文章の意味を考える」場面を設定した。
3 文章から伝わるメッセージを文章の魅力として紹介し合う活動を設定する
 複数の作品を読み、解釈を深めたところで作品から伝わるメッセージを魅力として紹介文にまとめる。その紹介文を学級の仲間と紹介し合う活動を設定した。
 このように、児童が文章のおもしろさを自分の言葉で語る姿を求めた実践である。

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「教育実践」
作品世界を豊かに想像しながら自分の読みをつくりだす文学教材の指導
小千谷市立小千谷小学校
上月 康弘

  近年、「単元を貫く言語活動」が授業改善の視点として多くの国語教室の現場に取り入れられている。だが、「ペープサートをする」「本の小箱を作る」といった「単元を貫く言語活動」を実際に実践する中で、私は次のような問題意識をもちはじめた。それは、児童が文学教材とふれた感動とは離れた目的に向かって読みが行われ、じっくりと読みをつくることが粗雑に扱われているのではないかということである。もっと、児童が自分の読みを大切にし、自らに問い、生活経験や問題意識と結び付けながら、新たな読みを生成する学習こそが大切なのではないだろうかと考えた。そこで、次の2点について取り組んだ。
1 解釈のずれや不十分さが顕在化するような読みの課題の設定
 読みの課題は「〜のに、どうして?」「なぜ、○○は△△したのか。」など、作品中の登場人物の行動をめぐって設定するのがよいと考える。その際、自他の解釈のずれや不十分さが明確になるようなものを設定することで、読みの課題について「どう考えればよいのだろう。」「なぜだろう。」「はっきりさせたい。」といった児童の追求意欲を高めることにつながると考える。
2 登場人物の視点からイメージを具体化する活動の組織
 自他の解釈にずれや不十分さが顕在化してきたときに、登場人物の視点からイメージを具体化する活動を取り入れる。このことにより、自分の読みを見直し、新たにつくりだしていく姿が期待できる。
 自他の解釈についてずれや不十分さが顕在化し、問題意識が高まった状況で、登場人物の視点からイメージを具体化する活動を取り入れることは、自他の解釈を見直し、新たな読みをつくりだしていくことに有効に働く。課題に応じて「現在」、「未来」、「仮定」といった視点の組み合わせ方や、新たな読みをつくる上で有効に機能する条件について更に探っていく必要がある。

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「教育実践」
読みを深める児童の育成
〜登場人物の心情を可視化した矢印関係図、心情円を通して〜
新潟市立鏡淵小学校
阿部 光智子

 児童にとって、物語文を読んで作者の伝えたいことを捉えることは難しい。読後に感想文を書かせてみると、あらすじに終始したり、細部の出来事や登場人物のある側面にのみ感想をもったりと、物語全体を読むことが困難な児童がいる。物語のあらすじ以上に読みを深め、作者の伝えたいことを自分なりに捉えられるような児童を物語文の実践を通して育てていきたいと考え、本研究主題を設定した。目指す子どもの姿は、場面ごとに登場人物の関係を可視化し、登場人物の心情やその変化を読む姿である。そのために、次の2点からその解決に迫った。
1 意図的・計画的な学習課題の設定とまとめ、振り返り
 初発の感想を基に、全文を通しての読みのめあてを提示し、その解決を単元のゴールに位置付けた。各場面でも全文の読みのめあてに関わるものを学習課題とし、まとめていくようにした。それを基に、1時間ごとの振り返りとして登場人物への手紙を書きためさせ、単元末に手紙形式の感想文を書くことをゴールとした。
2 登場人物の心情を可視化する図の活用
 物語文の叙述を基に登場人物の心情を読むことには個人差がある。そこで、人物関係図を使って人と人との関係を叙述をもとに図式化した。図式化とは、登場人物の気持ちを心情円や色矢印で表すことである。このことで、登場人物の気持ちの変化や登場人物同士の関係がどの児童にも理解しやすくなることをねらった。
 これらの実践を通して、登場人物の気持ちを色分けすると、視覚的に分かりやすく捉えることができた。さらに円グラフの色の変化や矢印の長さで表していくと、全文の中で気持ちが大きく変化するところや気持ちの程度の変化を読むことができた。また、 可視化した登場人物の関係図とともに、「読みのめあて」に関わる働き掛けを計画的・意識的にしていくことが読みを深めることにつながることとなった。
 どの児童にとっても分かりやすく、読みを深めるような物語文への関わり方を今後も研究していく。

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「教育実践」
登場人物についての叙述に着目させ、物語の魅力に迫る指導の工夫
〜「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」の実践を通して〜
柏崎市立半田小学校
清野 茜

 学習指導要領解説国語編の文学的な文章の解釈に関する指導事項から、どの学年においても登場人物についての叙述に着目しながら読むことが必要であることが分かる。また、全国学力・学習状況調査の4年間の調査結果から、国語の「読むこと」における課題として、「物語に登場する人物についての描写や心情、人物相互の関係を捉えること」が挙げられた。これらのことから、物語を読む上で登場人物についての叙述に着目することは、児童に物語を読む力を付けるためにも重要であることがうかがえる。しかし、物語の学習になると叙述に着目せずに、自分の想像や感覚だけで解釈をつくる児童が多く、話合いや発表の場面でも内容が深まらなかった。児童が叙述に着目できない原因は、作品を読む目的がはっきりしていないためではないかと考えた。
そこで、本研究では「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」を取り入れた単元を構成した。パンフレットを読んだ人がその作品を読みたくなるようなパンフレットをつくるためには、登場人物やあらすじの紹介だけでなく、作品の魅力について迫る必要がある。このことにより、児童の中で物語を読む目的が明確になる。「パンフレットづくり」を通した活動と同時に、その作品の魅力に迫るため、5つの観点(@登場人物、A中心人物、B出来事、C大きく変わったこと、Dおもしろさ)をもとにした発問とノート指導について工夫することで、児童が登場人物についての叙述に着目しながら作品を読み進め、物語の魅力に迫る姿が期待できる。
  物語の学習になると叙述に着目せずに自分の想像や感覚だけ解釈をつくってしまう児童が多かったが、「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」を単元の柱とし、実践に取り組んだところ、形にして誰かに伝えようとすることで、児童の学習意欲が高まることが分かった。叙述を根拠に自分の意見を発表し、叙述に立ち返りながら学習を進め、自らの言葉で作品の魅力をパンフレットにまとめていこうとする児童の姿が見られた。

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「教科等研究セミナー」 
読書指導法「リテラチャー・サークル」の考えを参考にした,文学作品の授業実践研究
県立村上中等教育学校
坂井 昭彦

  これまでの文学作品を題材とした授業は,場面の展開,登場人物やその人柄,心情の変化を読み取らせ,主な問いを通して作品の内容を理解させるという一斉指導で進めてきた。このような授業では黒板に書かれた問いやその答え,他者の意見をノートに写すことが中心となっていた。そこで,読む視点や役割を決めさせて3〜4人のグループで文章を読ませて話し合わせる活動を設定すれば,自身と作品の繋がりを考えられるようになり登場人物のものの見方や考え方,心情の移り変わりをとらえることができるのではないかと考えた。
 上記のことから,本研究では読む視点や役割を基に文学作品を読ませて話し合わせる活動が,登場人物のものの見方や考え方,心情の移り変わりをとらえさせるための手だてとして有効かどうかを検証し,有効であると結論づけた。
なお,手だては,読書指導法「リテラチャー・サークル」の考えを参考にした。「リテラチャー・サークル」とは,読む視点や役割を与えて共同で作品を「読み解く」ことを指す。以下それぞれの役割とその内容である。

・「シーンセッター」とは,時,場所,人物,出来事など場面や段落の特徴をまとめる係。
・「コネクター」とは,自分の経験や体験などと作品を関連づけて読み,感想をまとめる係。
・「クエスチョナー」とは,疑問点をまとめる係。この質問について,グループ内の生徒が文書中の根拠を踏まえて答える。
・「イラストレーター」とは,作品の記述をもとに絵・図にして提示する係。提示する際には文章中のどの部分から,どのようなことを意識して描いたのか作成意図を述べる。
・「リサーチャー」とは,文章中の根拠を明確にしながら人物像をまとめたり,登場人物の心情を図やグラフに表したりする係。

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「教育実践」
根拠と理由を明確にして読む生徒の育成 
〜自他の「ずれ」をきっかけにした読む単元の創造〜
見附市立見附中学校
木原 貴徳

 昨年度4月に実施した全国学力・学習状況調査の結果を見ると、特に国語B(活用)の正答率は全国的にも高い水準にあった。しかし、今年度4月に実施した同調査の結果から、全国平均をやや上回る程度であり、相対的にみると、学力は低下していると言える。観点別では、「読む能力」が他の観点に比べてやや弱い。
 設問別に見ると、“描写に注意して読み、内容を理解する”“目的に応じて必要な情報を読み取る”“表現の仕方に注意して読み、その効果を考える”などで正答率が低い。これらを総合して考えると、複数の読みの観点を与え、根拠と理由を明確にして読み取る学習を、本校の研究主題である学び合いを活用したかかわりのある言語活動を通して行っていけば、確かな学力を育成できるのではないかと考えた。
 私のこれまでの学習指導は、全員一斉の講義形式→個人による読み→全体交流→教師のまとめの提示によるものが多かった。その結果、発言力のある生徒の意見を鵜呑みにしたり、ひたすら板書を書き写したりと学習に消極的な生徒も多く見られた。この反省点に立ち、国語科の単元構成の過程では、言語活動の目的意識の醸成、動機付け、何のために読むのか、学習者に動機付けをどう図るかが重要になる。
 その際に、学習集団の中の自他の「ずれ」をきっかけとして、「誰の考えが、本当は正しいのか」「根拠を吟味しよう」という問題意識が生まれ、読む技術を主体的に獲得するようになると考え、上記の主題を設定した。
 本研究では、昨年度実践した「故郷」と今年度実践する「風の唄」(新しい国語3 東京書籍)での実践をもとに、自他の「ずれ」を生む発問の要件は何か、問題点は何かをまとめ、提案したい。

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「教育実践」
郷土の言葉を大切にして民話を楽しむ子どもの育成
長岡市立上川西小学校
樋口 大輔

 現学習指導要領では,低学年における「伝統的な言語文化ならびに国語の特質に関する事項」において,昔話や神話・伝承を扱うことが明記された。低学年では,伝統的な言語文化にふれることの楽しさが重視されている。そこでは,話の面白さだけではなく,語り口調や言い回しなどにも気付き、親しみを感じていくことが重要であるとされている。このことから,私は,民話自体のもつ内容のおもしろさはもとより,独特な語り口調や,それが醸し出す世界のあたたかさにも気付かせたいと考えた。
 教科書教材「かさこじぞう」を学習した後,長岡に伝わる民話「笠地蔵」を,民話の語り手から聞く活動を行った。方言を交えた独特の語り口調で語られる民話の世界に浸った子どもたちに「私たちも語り手として,学校の仲間に民話を聞かせよう」と単元のゴールを設定した。子どもたちは,語り手へのあこがれから,自分も語り手の人たちのように語りたいと願いをもった。
 子どもたちは,語り手としての立場から,もう一度語り手の語り方に注目するようになった。その結果,民話の中に出てくる方言(長岡弁)や,声の大きさ,話す速さ,間の取り方等の観点をもって音読に取り組んだ。その際,視聴覚機器を用いることにより,語り手自身も参加する相互評価が可能となった。そして,発表会へ向けて練習する中で,長岡弁がもつ言葉のあたたかさを感じることができたのである。
 民話を学習材とし,「語る」ことを中核に,伝統的な言語文化にふれることの楽しさを味わう学習のあり方を,子どもの姿をもとに提案する。

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「教育実践」
論理的思考を伴う読解指導のあり方
上越市立稲田小学校
北澤 慶介

  叙述に即して文章を読むことは,物語文を読んでいく上で大切なことである。しかし,時系列で語られることの多い教材文の読解は,内容の読み取りに終始してしまう傾向がある。このような指導では,児童に他の作品を読むための力を付けていくことは難しい。他の作品で活用できる読みの力を育てるためには,物語文の読み方を教えなければならない。
 例えば,物語の構造を理解することで,児童は物語の展開を予想しながら読むようになり,予想と結末の違いを楽しむ習慣を身に付けていく。このように,考えながら物語を読むことは解釈の深化につながり,児童の読解力を向上させていくと考える。そこで,筑波大学附属小学校白石範孝氏の実践である「逆思考」を取り入れた読解指導を参考に,以下の仮説を立てて実践を行う。
研究仮説
 思考ツールとして,逆思考を活用しながら読解することで,児童の論理的思考力は高まり,読解力が向上する。
逆思考とは
 中心人物の心情変化の原因を読み取っていく活動である。結末部分をスタートとして,冒頭部に向かって「なぜ,そのように変化したのか。」を叙述を根拠としながら考えていく手法である。
実践の概要
@ 4年生「3つのお願い」の読解指導において逆思考を取り入れた読解活動を行う。
A 5年生「大造じいさんとガン」の読解指導において,児童が自力で逆思考を成立させるための手立ての有効性を模索する。

<参考文献>
白石範孝の国語授業の教科書 東洋館出版 白石範孝 2012


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「教育実践」
読解指導と「書く」領域の学習の効果的な関連について
三条市立須頃小学校
清野 英子

 国語の教科書では、言語力向上のために「読む」ことと「書く」「話す」などの他領域の学習を同一単元で学ぶように計画されていることが多い。しかし、私の授業では、児童がそれらの学習内容を関連していると受け止めることがなく、読解で得たことを他の学習に生かし切れていないと感じていた。
 そこで、本研究では、児童を引きつける活動を単元の中核に据え、相手意識や目的意識を明確にしながら、「読む」ことと「書く」ことをより有効に関連させることを重視し、実践を行った。そして、複数領域の学習活動を効果的に関連させることで、「教材文に書くヒントがあるかもしれない。分かりやすく書くために教材文をしっかり読もう」という気持ちで教材文を読んだり、読み取ったことを念頭に置きながら話し合ったりすることが可能になり、児童の学習意欲とともに、読解力や表現力も高まるのではないかと考えた。
 今回の実践では、3年生にクラブ活動について紹介するためのクラブリーフレットを作るという活動を中心にした単元を考えた。最初に相手意識や目的意識をもたせたことで、「3年生に分かりやすくするために、文の書き方や伝え方の工夫を教材文から読み取ろう」という学習意欲につながった。また、教材文を読んで分かったことを時々振り返りながら、より分かりやすい文章に書き直したり、友達に助言したりする姿も見られた。この授業以前の文章と比較すると、文章の量が大幅に増え、教材文から読み取った工夫を生かして紹介文を完成させていることが分かった。
 今後の課題は、表現力を一層高めることである。話し合い活動を練り合いの場とし、友達の表現の「どこが」「どのように」よいのか考える活動を重ねることで、表現力は高まると考える。お互いを高め合う話し合い活動のさせ方について追究し実践を重ねていきたい。

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「教育実践」
ファンタジー作品の魅力に迫る読解指導の在り方 
〜ファンタジー作品のガイド作りを通して〜
長岡市立阪之上小学校
山田 真弘

  現行学習指導要領における改善の基本方針として,文学的文章の詳細な読解指導の見直しがある。特にファンタジー作品を扱った指導では,「ファンタジーという言葉のもつ曖昧さと指導の難しさゆえ,その本質や,表現方法の特質などに一定の共通理解がされないまま,文学教材の中で,リアリズム教材と一くくりにされた指導が行われてきた」(渡辺,松川2004)と指摘されている。
 ファンタジー作品の魅力とは,「たくさん証拠はある。けれども,決定的には答えが書いていない。そこがファンタジー作品の面白さ」(佐藤2013)であると捉える。したがって,ファンタジー作品を扱った読解指導においては,子どもたちに作品の中で不思議に感じる部分を問い,一つの結論に収束していこうとするのではなく,明確に答えが書かれていないからこそ,「そうかもしれないし,そうじゃないかもしれない」というファンタジー作品のなぞを両面的に読んでいくことが大切であると考える。そのような指導の中で,子どもたちは,幅広い考えを受け入れながら作品解釈をより深いものにし,豊かな読み手として育っていくのである。
 そこで,本研究では,ファンタジー作品のシリーズ読みを生かした作品のガイド作りに取り組むこととした。単元の始めには,ファンタジー作品にあるなぞについて考え,子どもたちが話し合ったことを整理した,作品のガイドを教師が作成して提示する。これにより,子どもが,作品のなぞを両面的に読む面白さを捉えていく。そして,その後,同じシリーズのファンタジー作品を提示し,作品のガイドを作成する言語活動を設定する。すると,子どもたちは,その読み手を意識し,ファンタジー作品のなぞを両面的に読み,その面白さを伝えようとしていくと考える。
 以上の活動を行うことで,子どもたちがファンタジー作品の作品解釈を深めていくことができると考えた。

<参考文献>
佐藤佐敏『思考力を高める授業 作品を解釈するメカニズム』三省堂2013.5 P160
渡辺良枝,松川利広「ファンタジー教材の『読み』と『書き』の連動に関する基礎的研究」『教育実践総合センター研究紀要』奈良教育大学2004.3


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「教育実践」
「書く内容を整理すること」を重視した、書くことの指導の工夫
南魚沼市立中之島小学校
若杉 文健

 これまでの自分の国語科の実践では、書くことの学習活動で、「何を書いていいか分からない」「どう書いていいか分からない」「テーマが見つからない」という子どもが多かった。「自分の書きたいことを何でも書いていいんだよ」「自分の思ったとおりに書いていいんだよ」という言葉がけは、一見、書くことへの負担やプレッシャーを和らげているかのようである。しかし、子どもたちには、このような具体的な手立てのない言葉がけは、かえって見通しをもてなくするものであった。
 本研究は、平成25年度、3年生30人の学級で行った。国語科の「報告書」を書く単元の実践である。
 子どもたち一人一人が日常生活についての調べるテーマをもち、全員が自分なりの報告書を完成させることを目指して取り組んだ。「単元全体の見通しをもち、一人一人がそれぞれ自分のテーマを設定する課題設定の工夫」、「KJ法的手法を学習活動の中で繰り返し取り入れること」、「活動の見通しがもてる板書や環境づくり」などの具体的な方策を取り入れた。また、単元作りでは、管理職と連携することも大切にして実践を進めた。
 これらの方策により、子どもたちは報告書作成までの道のりを理解し、一人一人が自分なりのテーマを設定することができた。また、単元の様々な場面でKJ法的手法を取り入れ、少人数グループでの話し合いを繰り返すことによって、単元を通して意欲を継続させ、情報を整理し、分かりやすい書き方やまとめ方を身に付けていった。そして、全員が人まねではない、自分なりにまとめた報告書を作成することができた。全員が満足感や達成感を味わうことができた。

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「教育実践」
資料を引用して意見文を書くことのできる子どもの育成
〜「指摘―受け止め―意見」の文章構成のパターン化を通して〜
見附市立見附小学校
山本 啓介

 どの子も、資料を引用して事実と意見を区別した意見文を書くことができるスキルを身に付けさせることが必要である。そのためには、資料の引用から意見の書き方までの具体的な「型」を示すことが、意見文を全員が書くための支援になると考えた。
○実践単元 6学年国語「平和について考える」
○学習内容
 平和について自分の意見をもち、資料を引用して裏付けしたり、反論想定をしたりして、自分の意見が説得力をもつように文章を書く。
○指導の工夫
 「型」を取り入れたモデル文を提示し、引用の仕方や書く内容を押さえる。
○子どもに指導する「型」
・双括型の三段構成文(序論・本論・結論)
・本論の引用部分の型
「指摘(引用)―受け止め(価値付け)―意見(解釈)」の順に文章を書くようにした。
− − − − − −(児童に提示した本論の引用部分)− − − − − − 
この考えのきっかけとなったのが、沖縄で出会ったおばあさんの言葉だ。【指摘】
おばあさんは、わたしに、 
「戦争は人が人でなくなった時に起こる。」【引用】
と教えてくれた。確かに、人の命を奪ったり、街や家に爆弾を落としたりすることは、思いやりの心をもった人には、できないだろう。【受け止め・価値付け】 だから、人間らしい心、人を思いやれる心を私たちがなくさないことが平和につながると思う。【意見・解釈】
− − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −
○指導の成果
・「指摘(引用)―受け止め(価値付け)―意見(解釈)」の型を意識させるため、色分けした付箋を活用することで「型」が視覚化され、より引用を用いた意見文を書く上で有効であると考える。
・「型」を取り入れたモデル文を参考に、資料に合った書き方にアレンジを加える児童も見られた。「型」の使用により、事実と意見を区別するだけでなく、本論の文章内容が深まった。

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「教育実践」 書く力を付けるための指導法の工夫
新発田市立七葉小学校
三浦 俊昭

 これまでの「書くこと」の指導の結果、日常の様子や行事の作文は、出来事や自分の思いを整理しながら段落ごとに書く力が身に付いているので、多くの児童が意欲的に書くことができる。しかし、活動報告書や意見文などの形式になると、自分の考えがまとまらなかったり、書き方が分からなかったりして、児童に書く意欲をもたせることができなかった。原因は、二つあると考えた。一つめは、教科書の活動ありきの学習になり、明確な書く目的をもたせることなく、意見文や活動報告書の構成や特徴などを一方的に教え、それを使って文章を書かせていたことである。二つめは、教科書の例文を使って、それぞれの文章形式の特徴やその効果を考える活動を取り入れたが、児童はその効果を実感することができなかったことである。
 そこで、目的意識を高め、文章全体の構成やその効果を考えて書かせるために2つの手立てを考えた。
 @文章を書く目的を明確に設定する。活動報告書は「誰」に「何」を報告するのか、意見文では自分はどのような「立場」であり、「誰」に意見をするのかを設定する。
 A教師が作成した複数のモデル文を、1つの視点を基に比較検討させることで構成やその効果を理解する。
 既習の「行事で学んだことについての作文」を基にした活動報告書を書く授業を構成した。全員が抵抗なく文章を書くことができ、話合いで「誰」に報告するのかを検討した。児童自ら書く目的を明確にしていた。
 意見文を書く授業では、1つのテーマについて「AかBか」という立場で討論会を行った。児童一人一人がテーマに対しての考えを深め、テーマについての自分の意見を「誰」に意見をするのかを検討した。
 モデル文の比較検討では、2つのモデル文を提示し、検討する視点を与えることで、児童自らモデル文の違いを見付け、そこから文章の構成やその効果などを理解していた。「自分たちで発見した。」という意識が強く、その後の下書きや清書の段階でも、自ら振り返りながら報告書や意見文を書くことができた。
 この実践後のアンケートでは、活動報告書や意見文の書き方が分かったという児童が約9割ととても多かったが、自分一人で書けると自信をもって答える児童は約7割であった。今回の実践だけではなく、様々な場面で書く時間を設定することで、児童の書く力をさらに伸ばしたい。

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「教育実践」 あらすじを書くことができる児童の育成
新潟市立桃山小学校
坂下 祐

 学習指導要領の改訂により,本や文章を読んで感じたことや思ったこと,考えたことなどを一人一人の児童がまとめ,発表し合う指導事項が,新設されている。特に,中学年の読むことの指導事項エ・オでは,「自分の考えをまとめるために,文章の要点や細かい点に注意しながら読み,引用や要約することを示している。」とあり,あらすじをまとめることの意味が示されている。自分の考えや感想を組み立てるためには,文章の中心や大事な事柄を抜き出したり,まとめたりできる力が必要であると言える。
 しかし,文学的文章の学習において,あらすじを書かせる際に次のような児童の実態が見られた。
 ・本文を抜き書きし,だらだらと文章が続いてしまい長くなってしまう。
 ・話の中心となる筋を捉えられず,どの出来事を書いていいか分からなくなってしまう。
 学習指導要領解説の要約の説明を見ると,「『要約』とは,目的や必要に応じて,話や本,文章を短くまとめることである。元の文章の構成や表現をそのまま生かして短くまとめる要約と,自分の言葉で短くまとめる要約とがある。要約は,要約するときの目的や必要に応じて元の文章のどの部分を取り上げるかが変わってくる。」と書かれてある。ここでは,「元の文章の構成や表現をそのまま生かして短くまとめる」要約と,「自分の言葉で短くまとめる」要約の2種類の方法があることが示されている。特に,「目的や必要」に応じてまとめ方が変わってくることをおさえる必要がある。
 あらすじを書くことができるようにするためには,あらすじを書くための「目的や必要」を明確に設定していくことが大切である。
 本研究では,文学的文章の指導において,あらすじを書くことができる児童の育成を目指す。そのために,2つの手だてを重んじ実践を積み重ねた。
 1つ目は,あらすじを書く目的を明確にすることである。2つ目は,相手意識や分量を意識した枠を提示することである。
 これらの手だてにより,児童は目的に応じたあらすじを書く力を高めることができる。児童はあらすじを書くことを活かして,作品について自分の考えや思いを形成していくことができると考える。

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「教育実践」
言語活動を充実させ、書く力を付ける単元作りの工夫
南魚沼市立五十沢小学校
橋 圭祐

  「書く」単元において、「何をどう書いていいのか分からない」「書きたいと思わない」などの理由で書くことを苦手としている児童は多い。これまでの自分の国語授業を振り返ってみると、「書く」ことについて一方的に説明し、「では、書きましょう。」と学習活動を進めていた。すると、「どう書いていいか分からないから書けない」と書き方を理解していない児童がいたり、「自由に書いてもいいよ」といっても、書きたいものがないから「何を書いていいかわからない」という児童がいたりするという実態があった。
 このことから、授業者が作文等の文章を書かせたいと考えても、児童に書く意欲や書く必要感がなければ書くことはできず、また、その場では文章を完成させたとしても書く力を身に付けたということには繋がらないと考えた。教師の指導目標とは別に児童の学習目標を明確にもたせることで、児童に書く必要感をもたせ、意欲を高めるとともに、書く力を付けるための書く単元づくりができないかと考え、上記のテーマを設定した。
 本研究では、総合的な学習の時間や特別活動の時間と関連させながら、単元を貫く課題を設定して指導することで子どもたちに書く必要感をもたせ、書く意欲を高めることを目指した。また、書く準備段階として、分かりやすく読み手を引き付ける文章の書き方を、実感を伴って理解できるように話し合い活動の場を設定した。その際、例文を示し、子どもが書き方について比較検討できるようにした。その活動を通して、どうしたら分かりやすく読み手を引き付ける文章になるのかという課題について、子どもが文章構成や段落に注目して自分の考えを深め、よりよい書き方に気付いていく姿を期待して研究を進めた。

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「教育実践」 
字形を整えて書く力を高めるための実践
〜 第1学年 楷書作品(毛筆)の制作を通して 〜
県立村上中等教育学校
坂井 昭彦

 

書写授業においては、これまで@手本の字形の特徴を解説する、A練習させる、B教師による添削をする、C清書させる、といった授業展開を行ってきた。このような授業では、生徒はただ手本を見て書くだけで終わりがちである。「手本と自身の作品を比較して、次はどこに気を付けて書けばいいのか」「手本の字形はどのようになっているのか」など生徒自身が自分の課題に気付きその解決を図る授業を目指さなければならない。
 そこで、次の仮説を立てて検証した。
 書写授業において、@文字の整え方の法則性や原理・原則を示し、A手本の字形を細かく観察する活動や模写、B相互評価(批評会)をさせることによって、字形を整えて書く力を高めることができるだろう。
 実践の結果は以下のとおりであった。
@「画と画の間隔が均等であること」、例えば、「青」「書」「若」「車」のように横画が二つ以上あるときは、その一つを長く書くことなどを示した。このことにより、字形を整えて書くことができるようになった。
A手本の文字の縦画や横画の長さや起筆の角度、文字の余白の面積などを定規や分度器などを用いて数値として調べる活動をさせた。この活動を通して生徒は、線の長さ、偏と旁のバランスなどに気付き字形を整えて書くことができるようになった。
B相互評価(批評会)を通して、生徒は他者の意見から自分の課題を明確にして、その課題の解決を図りながら、文字を整えて書けるようになった。
 以上のことから、上記の仮説は字形を整えて書く力を高めるために有効であると結論付けた。


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「教育実践」 
小中一貫教育を生かした古典授業
三条市立下田中学校
横山 重之

  今年度三条市は、小中一貫教育の全面実施を迎えた。三条市の小中一貫教育は、小学1年生から4年生までを前期、5年生から中学1年生までを中期、2・3年生を後期と位置づけている。新学習指導要領により、小学生も古典学習を実施することとなった。4年生までの学習指導要領では「易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること。」とあり、文語調の俳句や短歌の音読・暗唱を中心に行っている。さらに5年生からの学習指導要領では「親しみやすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章について、内容の大体を知り、音読すること。」とあり、『竹取物語』『枕草子』『平家物語』といった本格的な古典に触れている。そして中学1年生の学習指導要領の「文語のきまりや訓読の仕方を知り、古文や漢文を音読して、古典特有のリズムを味わいながら、古典の世界に触れること。」につながっていく。つまり、本格的な古典に触れるこの中期における授業のあり方を工夫することが、その後の児童・生徒の古典学習の基礎や古典に親しむ態度を育むものと考える。
 そこで、小学5年生で学習した『竹取物語』を中学1年生でも学習することを通して、「児童の本格的な古典とのかかわり方」や「小学校での学びを生かした中学校での授業のあり方」を提案する。具体的には、「『竹取物語』の新たな発見を小学5年生に伝えよう!」という単元を設定して、小学校での学習の履歴をもとに、当時の感想や疑問などを想起させながら、今までの理解とは違う「新たな発見」を整理して、小学5年生に伝える。
 この単元によって、中学生は『竹取物語』の理解をより深め、古典に親しむことにつながると考える。また、小学生は疑問が解決したり、新たな発見を知ったりすることで古典の世界を広げていくことにつながると考える。

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「教育実践」 
文学作品への一人一人の読みを深める授業
田上町立田上中学校
森 正樹

  本研究では、中心人物やクライマックスの検討を中心課題として位置付け、それが文学作品への生徒一人一人の読みの深まりにつながることを明らかにしようとした。「読みを深める」とは、話合いを通じて新たな視点を獲得し、その視点から自分の考えを再検討したり、考えを補強したりすることであると考えた。なお、実践では「中心人物」を「最も大きく変化した人物」、「クライマックス」を「中心人物の行動や考え方が最も大きく変化した場面」と定義した。
 私の授業は、題材の内容の理解を促すための質問や解説が中心になりがちであった。文学作品の読み方、読みの深め方の学習指導という点で不十分であった。そこで、「生徒が自分なりの読みをもち、他の生徒の読みとの相違に着目しながら話し合い、自分の考えを深めたり、変容を自覚したりする授業」を目指し、次の手立てを講じた。
1 文学作品の構成の典型を学ぶ。
 文学作品の構成(導入、展開、山場、終結)、設定(時、場所、人物、出来事)をとらえる。生徒が様々な文学作品と出会ったときに、自分の力で読むための土台となる。
2 中心人物やクライマックスの検討を中心課題とし、根拠を明確にしながら話し合う。
 課題の解決に向けて、自他の読みや根拠の相違に着目しながら互いの考えを話し合うことで、生徒は自分の考えの変容を自覚する。
実践の結果を以下に述べる。
 文学作品の構成、設定をとらえる学習を繰り返すことで、生徒に自力で読む力がつき、内容の理解が進むようになった。また、中心人物やクライマックスの検討により、生徒は新たな視点や考え方を獲得し、自らの考えを広げたり、深めたりすることができた。その際、ホワイトボード等にメモをとり、互いの意見や新たな気付きといった話合いの過程を可視化することが話合いの活性化につながった。互いの意見に対する考えを述べ合ったり、新たな意見を出し合ったりする姿が見られるようになったのである。

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「教育実践」 
小学生の作文における共同編集の効果について
新潟市立東青山小学校
大島 崇行

  作文の学習においてなかなか思うように書けず、学習につまずく児童は少なくない。そこで、このような児童が、進んで文章を書けるような実践を構想した。
 一般的に、作文を書く活動は、「課題設定や取材-構成-記述-推敲-清書-交流」という過程で展開される。活動をしていると、どの過程においても児童のつまずきは現れる。そのつまずきを学習者同士のかかわりによって解決していくことで、どの子も自分の思いを伝えるにふさわしい文章を書くことができると考えた。
 そこで本研究では,どの活動におけるつまずきにも対応できるよう、全ての過程において学習者間の交流を可能にした「共同編集作文」の学習形態を開発した。「共同編集作文」とは次のような学習形態である。
・「課題設定や取材」の段階から共同編集グループを作り、いつでも相談・助言をしてよい環境を作る。
・それぞれが目的に合った文章を書くことを目指し、かつ、班のメンバー全員も目的に合った文章を書くことができることを目指す。
・お互いが「執筆者」と「編集者」になり、積極的に協力し合ってよりより文章をつくることを目指す。
 この実践を通して明らかになったのは、次の3点である。
1 どの活動段階においても、児童はグループ内で相談し合うことによってより相手に伝わる表現を見つけたり、新たなアイディアを生み出したり、修正し合ったりしている。
2 作文の清書の後には、自分の納得のいく文章を書けたと感じていた児童は多い。
3 全部の過程において交流を可能にする「共同編集作文」の学習形態を、子どもたちはよりよい作文を書ける学習形態だという思いをもっている。
 これらにより、「共同編集作文」の学習形態が、児童の創作意欲を持続させ、表現活動を豊かにし、また児童の学習に対する満足度も高めていくことが分かった。

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「教育実践」 
演劇的活動を取り入れた文学教材の読解指導
新潟市立味方小学校
引場 裕子

  登場人物の心情には,暗示的に表現されていたり,前後の文脈をもとに想像することで理解できたりするものがある。しかし暗示的に表現されている内容まで想像して読むことが難しいという児童の実態がみられた。
 本研究では,子どもが想像豊かに読んだり暗示的に表現されている内容まで読んだりすることができるための働きかけとして,次の二つに取り組んだ。
1 読解の指導過程に演劇的活動を取り入れる。
 ある場面を実際にやってみることにより,読解の段階では気付かなかった表現やその表現のもつ異なる意味に気付き,描写をもとに想像豊かに読んだり,暗示的に表現されている内容まで読んだりすることができると考えた。本研究では,登場人物の行動と心情に着目させることをねらい,「役割演技」を取り入れた。
2 最初の読みと演劇的活動を取り入れた後の読みとを比較し,自分の読み方を振り返る。
 最初の読みと「役割演技」を見合った後の読みとを比較させ,文章だけの時に読めなかったのはなぜなのかを振り返らせることで,自分の読み方の足りなかった部分に気付くことができると考えた。
 今回の実践では,1つ目の取組については,「役割演技」をしたりお互いに見合ったりする活動を通して,改めて叙述に目を向けて登場人物の行動を考えたり,今まで気付かなかった表現に気付いたりすることができた。書かれていない登場人物の心情に気付き,想像することができた子どもの姿も見られた。2つ目の取組については,「役割演技」後に役割演技を見て分かったことは何かを振り返らせることを通して,主人公の心情が変化した場面が分かるようになったという児童もいた。しかし,どの叙述の読みが足りなかったのかを振り返らせる手立てが不足していたため,自分の読み方の足りなかった部分に気付くところまでには至らなかった。今年度は,これらの課題をふまえ,さらに検討していく。

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「教育実践」 
自分の立場や根拠を明確にして説明できる子どもの育成
〜ディベート的手法をとおして、批判的思考力を育てる〜
新潟市立竹尾小学校
山田 雄一

  子どもたちは「AかBか」の選択を迫られる場面になると、両者を十分に検討することなく安易に決めてしまうことが多い。また、決めた理由についても説明することができない傾向がある。
 そこで、様々な観点から論理的に考えを検討していく「批判的思考力」を身に付けさせ、問題解決を図っていかせることが必要である。自分の主張を根拠を示しながら相手に伝えるとともに、相手の主張に耳を傾け、両者の考えを多角的に検討する。このような力を身に付けさせていくために、本実践では以下の仮設を立てて検証を行った。
@ディベートの手法を用いたゲーム的要素のある討論会を行うことで、自らの立場や根拠を明確にして相手に伝えようとする表現力が向上するであろう。
Aテーマに対して「肯定」「否定」の両方の立場からの主張を書くことで、多角的に検討する力が育つであろう。
 本実践の討論会は、一般的なディベートをシンプルにアレンジしたものであり、肯定派4人、否定派4人、ジャッジ2人という10人グループを作り活動した。ジャッジの判定基準に「話し方(『〜ですよね』『さっき〜といいましたよね』など、聞き手を引き込むような話し方)」や「資料・根拠の確かさ、わかりやすさ」などの4点を示した。このディベート的な活動によって、次の成果が見られた。
@自分の立場の意見だけでなく、反対の立場からも意見を書くことができるようになった。(視点変換の力が向上した)
A意見にふさわしい根拠を資料や体験などから選択して話したり書いたりすることができるようになった。
B反論を予想することで、討論会の際には相手の意見に耳を傾け、質問したり反論したりする姿が見られるようになった。
 一方、聞き方の指導とジャッジの仕方の2点が課題として残った。ジャッジの得点基準を明確にしたり、話し方と同様に聞き方にも視点を示したりと、今後も改善を加えてよりよい実践にしていきたい。

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「教育実践」 
両方の立場から読み取ることで、自分の考えを明確に書くことができる指導法の研究
〜「アイディアシート」の活用を通して〜
新潟市立葛塚小学校
本間 伸吾

  本研究では、資料を読み取って自分の考えを書く活動において、自分と逆の立場の考えにも触れさせ、両方の立場から読み取らせることで、自分の考えを明確に書くことができる指導法を明らかにする。
 両方の立場から読み取らせることで、子どもは、「本当にこれでいいのか。」「もっと詳しい内容はないか。」と自問自答しながら考えることができる。そこで、この思考を目に見える形にするために「アイディアシート」を使用する。「アイディアシート」は、「両方の立場を対比して書けるもの」「対比した意見の長所と短所をまとめて、改めて自分の立場を考えることができるもの」の2種類がある。
 さらに、まとまった語句を読み取る力や文章の構成力、表現力を身に付けさせるために、新聞のコラム欄を視写する活動を継続して行う。
 これらのことに着目して実践した結果、以下の2点が明らかになった。
@ 自分の立場だけで資料を読み取らせると、子どもは、自分が賛成する立場の内容しか理解しようとしない。そこで、「アイディアシート1」を活用して、両方の立場に立って考えさせ、記事をより深く読み取らせた。
 しかし、「アイディアシート1」を活用することで、両方の立場について納得してしまい、自分の立場が揺らいでしまった。そこで、「アイディアシート2」を活用して、両方の立場の長所と短所をまとめさせた。その結果、子どもは、改めて自分の立場について考えることができ、自分の考えを明確にすることができた。
A 新聞のコラム欄の視写を継続的に行うことで、子どもは、一文字一文字を読み取るのではなく、まとまった語句を読み取り書き写すことができるようになった。さらに、意見文でよく使われる語句や適切な文章表現を学び、書く力の基礎が身に付いた。

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「教育実践」 
相手意識をもち、目的や意図に応じて書く力を付ける作文指導の工夫
〜三段階の推敲活動をとおして〜
新潟市立岡方第一小学校
平野 俊郎

 <研究テーマについて>
 高学年の「書くこと」においては、目的や意図に応じて、書く事柄を収集・整理し、自分の考えが明確に伝わるように文章全体の構成の効果を考えながら適切に文章を書く力が求められている。しかし、児童の実態を見ると、読み手や目的をあまり考えずに書く事柄を並べ、文章全体の段落構成も意識せずに書いている児童が多い。
 そこで、本研究では、「課題設定・取材→構成→記述」のそれぞれの段階で、書く相手や目的に照らし合わせ、目標を達成しているかどうかを吟味する推敲活動を行う。推敲活動を行う際には、学級の「共通のものさし」が必要になる。それぞれの段階で、共通のものさしとなる「推敲の観点」を明らかにし、その観点に沿って推敲することで、目的や意図に応じて書く力を付けることを目指す。
<研究実践の概要>
 5学年、意見文を書く単元において、上記の研究の視点で実践を行った。
○単元名  「立場を明確にして書こう〜先生からの提案 マンガ禁止」
○三段階の推敲について
(1)  課題設定・取材段階での推敲
 教師自作の意見文「マンガ禁止」に反論する意見文を書くという目的意識をもたせた。児童は、教師の意見に反論するために、多くの理由を考えた。しかし、児童が考えた理由全てが説得力のあるものではない。そこで、取材段階では、「教師を説得できる理由になっているか」を推敲の観点とし、3人組で相互推敲を行わせた。友達と推敲し合う中で、友達の意見も取り入れながら、より説得力のある理由を選ぼうとする姿が見られた。しかし、観点があいまいな面があり、推敲する児童の主観的な判断になりがちであった。
(2) 構成段階の推敲
 構成段階では、教師自作の意見文から、児童に相手を説得するための工夫を読み取らせ、読み取った点を推敲の観点とした。推敲段階での推敲の観点は、次の2点。@序論(はじめ)‐本論(中)‐結論(おわり)の三部構成になっているか。 A本論には、相手を説得するための事例(具体)が入っているか。この観点をもとに、まずは1人で、意見文の構成を構成メモ(※意見文の構成をメモ書きして図式化したもの)にまとめ、その後、3人組で相互推敲を行った。推敲の観点が明確かつ具体的であったため、相互推敲が有効に働いた。
(3) 記述段階での推敲
 記述段階では、誤字・脱字等の表記、文の長さ、原稿用紙の使い方などが推敲の観点となる。教師自作のプリント(※児童が表記や原稿用紙の使い方等で間違えやすい点をあえて間違えた作文)から間違いを見付けさせて表記や原稿用紙の使い方に目を向けさせた。さらに、「見直しチェックシート」の観点に沿って、自分と友達2人の三重でチェックを行った。複数の目で見直すことで、自分では気付かない点に気付くことできるよさがあった。推敲するポイントが多すぎて、児童の実態に合っていない面があった。
 今回の実践の成果と課題を踏まえて、次の実践では、「推敲の観点」を書く相手や目的と照らし合わせ、具体的かつ明確にし、できるだけ絞って示す。そうすることで、推敲活動がさらに有効に働くと思われる。

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「教育実践」 
読みを深める国語科学習指導
〜根拠と理由を分けて考えをもたせる話合い活動を通して〜
佐渡市立七浦小学校
名塚 裕樹

  「読むことはおもしろい」そのように前向きな気持ちで文学作品と向き合う子どもたちを育てたい。「読むことのおもしろさ」は「読みが深まること」にあると考える。つまり、「作品を読んで得られた考えを交流させることで、物語や登場人物に対する考えが広がったり、深まったりと変容すること」である。
 これまで私が行ってきた物語文の授業での話合い場面では、活発な子の発言のみで授業が進んでいく展開が多かった。子どもたちの考えをうまく交流させられず、教師が整合性があると思われる一つの読みを共有させ、まとめて終結させるような授業であった。
 そこで、本研究では新潟大学の佐藤佐敏准教授が「読みが深まる話合い」として提唱した「解釈のアブダクションモデル」を小学校段階でも工夫して取り入れることを通して、子どもたちの読みの広がりや深まりを検証していった。具体的には、選択式(二者・三者択一)の発問をした後に「立場、証拠、理由」に分けて自分の考えをもたせた上で話合い活動を組織することを手立てとした。
 実践の初期では、「立場、証拠、理由」に分けて自分の考えをもつことに抵抗を示していた児童が多くいた。しかし、単元を通して選択式の発問を繰り返し行ったり、ノートを細かく見取っていったりすることで、教師が期待する筋道の通った考えを書くことができるようになった。
 授業で書いた児童のノート記述を見ると、「私は、○○という立場が強くなった。今日は、○○さんの考えに一番納得した。なぜかと言うと・・・」というように解釈が広がったり深まったりしていく様子が見られた。
 課題としては、選択式の発問の扱い方が挙げられる。教材価値に迫る発問を開発すること、また単元のどの場面で用いることが有効であるのか、今後も追究していきたい。
【参考文献】
「思考力を高める授業〜作品を解釈するメカニズム〜」佐藤佐敏  三省堂 2013

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「教育実践」 
小学校における古典指導のあり方に関する研究
〜中学年 短歌・俳句 「声に出して楽しもう」〜
三条市立一ノ木戸小学校
脇園 学

  現行の学習指導要領が全面実施されて3年目になる。現行の学習指導要領国語科の「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」では、中学年で「易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること」としている。つまり、小学校中学年段階において初めて、文語調の文体を学習することになる。中学校1年生で古典に対する抵抗感を抱かせないために、ここでの古典指導のあり方が重要になる。
 本研究においては、中学年の古典指導のあり方を提案する。古典に親しみをもつことが、小学校の古典学習の目標の中心である。中学年では、文語調の短歌や俳句に親しむことが大切になる。学習指導要領では、「情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をする」とあるが、情景を思い浮かべるとともに、作者の思いなどを想像し、歌や句のおもしろさや美しさまで考えさせたい。そこまで考えるからこそ、表現やリズムのよさを実感して音読できるのである。そして、それらを実感できれば、音読が楽しくなると考える。つまり、「古典に親しみをもつ」とは、ここでは、短歌・俳句の作者の思いや意図を感じて情景を想像し、表現やリズムを楽しみながら音読・暗唱できる姿だと考える。
 そのために、先人の解釈を提示し、その解釈と自分の考えを比較し、検討することで、作者の思いや意図をとらえる。解釈を検討する際には、本文の言葉に着目して考えさせる。子どもは、本文に表れている言葉一つ一つの意味や役割を考えることで、作者の思いに触れ、その表現のよさを実感し、情景を思い浮かべることができるようになる。さらに、表現やリズムのよさを感じ、短歌や俳句のよさ、おもしろさ、美しさに触れ、それらを実感しながら音読・暗唱することで古典に親しみをもつことができると考える。
 このように、古典特有の表現やリズムのよさを実感して、それらを楽しみながら音読・暗唱することによって、古典の世界に触れ、古典に親しみをもつ姿を創造する。

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「教育実践」 
自分の表現のよさを実感させる指導の工夫
津南町立外丸小学校
松井 良江

  子どもたちは,植物や野菜の観察に出かけると「アサガオの花が3つさいている」「トマトの赤ちゃんが帽子をかぶっているみたい」など自分なりの言葉で話すことができる。しかし,絵日記などで書くという場面においては,他者に伝わる文章を書くことが十分にできているとは言えない。
 子どもたちの絵日記を見ると,文章を書く際に,次のような様子が見られる。まず,文章が続かないタイプである。話が骨だけで肉付けができない様子が見られる。次に,文章は続けられるが内容に問題があるタイプである。同じ内容が繰り返し出てきたり,出来事の羅列でおもしろみがなかったりする様子が見られる。いずれのタイプも「書く内容」をもっていても,どのように表現したらよいかがつかめていない状況であると考える。つまり,学習した「書く方法」への意識づけが弱く,子どもに定着していないのである。
 そこで,子どもに書く方法のよさに気付かせ,意識させることで,書く方法を定着させていきたい。子どもは他者に伝わる文章を書き,自分の表現のよさを実感し,書くことに自信をもち,楽しさを感じながら書く方法を身に付けていくだろう。
 実践は,低学年なりに説得力を増す書き方や材料整理の行い方について,教師が具体例としての文章を示し,比較させたり検討させたりする。比較・検討で得た「表現のよさ」は文を書く際に使いたい方法として子どもたちに意識させる。書いた後は発表や振り返りを行い,この表現を使ってよかったという「自分の表現のよさ」を実感させる。これらのサイクルを繰り返すことで「書く」力を身に付けさせ,自分の表現のよさを実感する子どもの姿を具現したい。
 また,本研究では,国語科と生活科を関連させながらテーマに迫る。生活科との関連を図ることで,単元を貫く言語活動が子どもにとってより必然性のあるものになるようにしたい。子どもは,単元を通して豊かな体験から「伝えたい」という思いをもち,相手意識を明確にしながら内容をふくらませ,表現方法を身に付けていくだろう。

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「教育実践」 
書く力をつける指導の工夫
〜一人一人の書く力を伸ばす意見文指導モデル〜
上越市立稲田小学校
伊藤 和人

  意見文は,考えに合わせて取材をし,必要な情報を取捨選択し,筋道を通して,論を組み立てるといった総合的な文章能力が求められる文章である。子どもたちの総合的な文章能力を身に付けさせたいと考え,意見文指導の仕方について実践を繰り返してきた。国語科の学習において,「読むこと・書くこと」の複合単元は,自分の考えをもち,その考えを伝える方法を学んで書くという学習の流れから,意見文学習を行うために最適な単元であると考える。
 これまでの学習指導を振り返ってみると,『資料の文章を段落ごとに読み取り,要旨をつかんでから,考えをもつ。その考えを活かして意見文を書く。』というような流れで学習を進めていた。文章の要旨をつかむことに時間をかけていたが,意見文を書くことに関しては教材文やモデル文を参考に書いてみようというような指導をしていた。しかし,文章を書くことが苦手な子に対しても,得意な子に対しても有効な指導であるかということに課題が残る。また,子どもたちが学習後に単元でねらった力がついたと実感したり,また書きたいという意欲をもてたりする指導であったかということにも課題がある。
 そこで,「読むこと・書くこと」の複合単元における指導計画を見直し,改善したモデルプランを用いて書く力の伸びが感じられるような意見文指導を工夫していく。獲得させたい技能を含んだモデル文との比較の仕方や,書いた自分の文章を比較させる活動を工夫することで,一人一人の書く力を伸ばす指導方法を探る。

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3人組による、焦点化した交流を位置付けた作文指導の工夫
新潟市立中之口西小学校
市橋 良太

 本研究では、児童が3人組で文章を読み合い、交流に用いる観点を理解した上でアドバイスし合うという活動を位置付ける。そして、そのことが作文指導に有効に働くことを明らかにする。
作文指導において、読み合う活動を行う時に、児童が思いつきだけで自由に感想を述べ合う交流や、相手の文章の誤字脱字のみを指摘する交流があった。これでは、児童が書く意欲を無くしたり、表現の仕方を書き直すことができなかったりする。
 そこで、次の仮説を立て検証した。
1 交流で用いさせたい観点を含んだモデル文と含まないモデル文を比較させる中で、その観点の効果を理解させれば、その観点から交流時に指摘や賞賛を行うだろう。
2 異なる観点を用いて書いている児童による3人組を編成し、交流で指摘や賞賛を行わせれば、自分で用いていない観点のよさに気付き、自分の文章に用いるだろう。
 実践の結果、モデル文を読み比べて交流で用いる観点を見付けることは、交流時に書き直しの指摘や文章のよさを賞賛する上で有効であった。また、観点が異なる3人組を編成して相手のよさや改善点について話し合うことは、自分の文章にはない観点のよさに気付くことができ、書き直そうとする態度を促し、新たな観点を用いて文章を書き直す姿に結びついた。

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