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体育・保健

「教育実践」
マット運動における大きな前転の習得から発展技につなげる指導
〜前転系の技の「回転力」に着目した指導を通して〜
南魚沼市立八海中学校
堀 圭佑

  マット運動における前転系の技に着目し、五十嵐の「みかん型とバナナ型」を基に、基本的な技「前転」の回転力を高める指導を行う。回転力を高めることは、基本的な技から発展技まで共通したポイントであり、発展技でも起き上がることにつながると考える。そこで、前転の回転力を高めるために「大きな前転」の習得を目指す。(回転力は『自分の足で蹴り出し、腰角度を大きくした状態から一気に減少させ、順次接触する』ことで高めることができる。)
【みかん型】:身体をボールのように終始小さく回転する
【バナナ型】:身体を途中で伸ばし最後に小さく回転する
※「大きな前転」は五十嵐の「バナナ型」を指している。
 発展技は起き上がることが難しくなり、「できない」、「楽しくない」、「やりたくない」といった子どもたちの現状がある。「系統性を意識した段階的指導」、「付せんを用いたファシリテーション」、「タブレットの活用」、「落差法を用いた場の工夫」の四つの手だてを用いて、発展技に積極的に挑戦する姿や、技能向上を目指す。
1 手だての有効性
 仲間と話し合う活動を通して、回転力を高めるためのポイントを具体的に考えることができ、実践する姿が見られた。また、自分だけでは見付けられなかったことを仲間の意見からを見つけることができた。
 自分の技を見ることで改善点を見いだすことができ、技をよりよくすることができた。また、仲間からの助言がより効果的になった。
 難しいと感じる発展技でも、落差があれば起き上がることができた。「できた」という成功体験を得ることができ、「次は落差なしで成功したい」といった運動意欲の向上が見られた。
2 成果と課題
 マット運動における大きな前転の習得から発展技へつなげる指導を通して、技能向上の実感の喜びや仲間の技能向上を称賛し合う姿が見られた。
 回転力を高めることは前転に限らないので、他の技でも実践していく。
<参考文献>
「たのしいマット運動」 五十嵐久人 不昧堂出版 1997

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「教育実践」
仲間と協力してボールをつなぎ、ゲームを楽しむ児童の育成
〜キャッチのルールを取り入れたソフトバレーボールの実践を通して〜
新発田市立紫雲寺小学校
白井 裕貴

  本研究は、ソフトバレーボール(ネット型)のゲームの際に、チームの仲間で協力し合い、確実にボールをつなぎ相手コートに返したり、ラリーが続いたりすることをねらった研究である。児童の実態で、ゲームになると動き方が分からずに立ったままでいたり、ボール操作に困難さを抱え、うまくつなぐことができずに得点になっていたりしていた。そこで、ボールを持たないときの動き方について単元を通して児童に問い、考えさせていくことにした。ボールを持たないときの動き方を身につけていくことでゲーム中に動きが生まれたり、仲間とボールをつなぐ楽しさを味わわせることができたりするのではないかと考え、次の二つの手だてを講じた。
1 バレーボールの役割を段階的に学ぶ単元構成
 バレーボールはチーム内の連携が大事になるため、誰か一人ができてもボールがつながらず、返せないことを確認し、みんなで協力してつなぎ、返すことをはじめの目標として取り組ませた。そして、バレーボールには「レシーバー」「セッター」「アタッカー」の役割があることを伝え、それぞれのポジションの動き方やボール操作について考えさせた。動き方やボール操作のポイントを全体で共通理解しながら単元を進めた。
2 ファーストキャッチのルール
 レシーブの段階でキャッチをしてもよいというプレイ上の制限を加えた。プレイを簡素化することで技能差をできる限り少なくして、自分たちのチーム内で確実にボールをつなぐことができるようにした。また、レシーブの段階でキャッチできることで周りの人たちが迷わず動き出すことができることをねらった。
 その結果、児童はバレーボールの役割を理解し、チーム内で役割分担をしたり、得意な役割を考えたりしながらゲームに取り組むことができた。コート内を動きボールを追いかける姿が増え、攻防を楽しむゲームを行うことができるようになった。

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「教育実践」
自己の能力と守りの位置からねらう場所を選択し、攻撃につなげる子どもを目指して
新潟市立新津第一小学校
相田 洋輔

 〈研究の概要〉
 ベースボール型ゲームでは、ボールを「遠くへ飛ばす」、「広角に飛ばす」、「守りのいない場所に飛ばす」ことが得点につながる。
本研究では、「ねらう場所を選択し、得点を取ることができる」ことを中学年の攻撃の楽しさと捉える。そして、「空いている空間を見付けること」を中心に学習を展開する。「守りのいない場所」を視覚的に捉えさせることにより、ねらう場所を選択しながらゲームを行う児童が増えると考えた。また、自己の能力から、「前をねらうのか」、「(守りの)もっと後ろをねらうのか」など、自分の蹴り方を思考しながらゲームを行う児童が増えると考え、本主題を設定した。
 次の二つの手だてを講じて、授業を展開した。
1 技能向上と自分の蹴り方を自覚させるドリルゲームの設定
 遠くへ思い切り蹴る技能を向上させる「けっとばしゲーム」と、近くへ正確に蹴る技能を向上させる「ちょこっとゲーム」の二つを実施した。また、ドリルゲームの結果を基にして、自分の蹴り方を自覚させ、メインゲームでねらう場所を選択することができるようにさせた。
2 「守りのいない場所」を視覚的に捉えさせるための工夫
 @ 「守りのいない場所」を視覚的に捉えさせるためのコート図の活用
 A 思考を振り返らせるためのタブレットの活用
〈成果と課題〉
  「けっとばしゲーム」、「ちょこっとゲーム」ともに得点や成功回数が増えたことから、ドリルゲームを通して、技能の向上が見られた。また、ドリルゲームの結果を基に、自分の蹴り方を自覚し、それを意識しながらゲームができるようになった。
 メインゲームの前半は、ほとんどの児童が「(守りの)もっと後ろ」をねらっていたが、後半は、「前」や「横」、「守りと守りの間」をねらいゲームをする児童が増えた。また、「○○に蹴った。」と振り返りを記述した児童が、「守りの位置が□□だったから、○○に蹴った。」と守りの位置を考えながらゲームを行うことができた。
 今後は、ドリルゲームで身に付けた技能をより生かせるメインゲームを行うために、ルール等を工夫していく。

<参考文献>
 学校体育実技指導資料 第8集 ゲーム及びボール運動 文部科学省 他

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「教育実践」
「学習課題」と「動きながら試す場」で技能を高める体育科学習指導
新潟市立青山小学校
熊野 昌彦

  ボール運動の学習において、児童が試行錯誤しながら、「フリーでシュートを打つ」技能を高めていってほしいと考え、ゲームとゲームの間に「動きながら試す場」を設定してきた。この「動きながら試す場」は、いわゆる「作戦タイム」とは異なり、話し合うだけでなく、それぞれのチームが相手のいない易しい条件で試したり、自分たちの理想とする動きを試したりできるよさがある。この「動きながら試す場」を効果的に設定し、ハンドボールのゲームで「フリーでシュートを打つ」技能を高めるにはどうしたらよいか、研究を進めた。
 本実践の手だては、次のとおりである。
1 練習内容を焦点化した学習課題を設定する。
 これまで「動きながら試す場」での動きがゲームにつながりにくかったのは、そこで練習すべき内容が分からないまま、練習する時間となってしまったためと考える。そこで、どんな練習をすればいいのかが分かる学習課題を設定し、練習内容を焦点化する手だてを講じる。
2 焦点化した練習内容を「動きながら試す場」で練習させる。
 何を練習するかが焦点化されたので、それに合わせて話し合ったり動きを試したりしながら練習させる。「フリーでシュートを打つ」ために、パスを出すタイミングを合わせたり、走り込むタイミングを繰り返し調整したりした。
 引き続き、ゴール型ボール運動のよりよい指導法について、研究を進めていきたい。

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「教育実践」
視点の明確化・口伴奏が思考にもたらす効果
〜4年生「大の字回り」における深い学びへの一考察〜
新潟市立早通南小学校
三宮 真澄

  器械運動の授業では、児童に「できない・難しい」という思いや「怖い・痛い」という恐怖感を抱かせないことが、運動に親しむ上で重要であると考える。特に、器械運動が好きではない児童が少なからずいる場合は、指導について工夫する必要がある。
 そこで、本研究では、マット運動が好きではないと答えた児童も主体的に学ぶことで、運動が「できた」と実感する姿を目指した。取り扱う運動は側方倒立回転につながる運動「大の字回り」である。目指す姿を実現するために、次の二つの手だてを講じた。

1 視点の明確化  
 大の字回りの動きを着手・回転・着地の三つの局面に分けた。また、三つの局面を「まず」「次に」「最後に」という言葉に合わせて絵と簡単な言葉で動き方を提示した。
2 口伴奏
 動きを見ている児童が、三つの局面に合わせて「(ギーコ、ギーコ)そ〜おれっ!」とかけ声をかける口伴奏を取り入れた。口伴奏は以下のように行わせた。
  @両手・両足を大の字のように広げて勢いをつける、準備の段階で「ギーコ、ギーコ」
  A前の手から片手ずつマットに着手する「まず」の段階で「そ〜」
  B脚を高く上げて回転する「次に」の段階で「お」
  C片足ずつ着地する「最後に」の段階で「れっ!」

 上記の手だてを講じたことにより、マット運動が好きではないと答えた児童が単元前の25%から9%に減少した。また、運動が上手にできると実感した児童の割合が向上した。アンケートより、がんばる(目標に向かって努力する)意識や決める(目標を自分で決める)意識が高まったことが分かった。児童は、口伴奏をしながら視点に沿って動きを見合い、アドバイスをしたり、アドバイスされたことを試したりしていた。学習カードには、自己の課題やその解決法についての記述が見られた。これは、児童の関わりの中から生まれた「思考」であり、がんばる意識や決める意識を高める結果につながったと考える。
 これらの結果より、視点の明確化と口伴奏は、思考しながら主体的に学び、運動ができたと実感させる上で有効な手だてであると考える。今後も、よりよい解決法に向けて友達と共に思考させる手だてを取り入れることで、主体的に運動に親しむ態度の育成を図りたい。

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「教育実践」
子どもが自ら運動の行い方を発見していく体育授業
〜2つの場面での動画を基に思考させる学習過程を通して〜
新潟市立万代長嶺小学校
鈴木 健太郎

  私は、子どもが自分の体の動きについて何がよくなかったのかを考え、試しながら新たな知識と技能を獲得する体育授業を実践したいと考えている。なぜなら、この体育授業を繰り返した子どもは、今後、様々な運動をする際に、自分の体に目を向け、動きの課題を解決しようと試行錯誤しながら上達していくことができるようになるからである。このことこそ、生涯スポーツに必要な資質だと考えている。
 そこで、単元で目指す姿を意識させたうえで、授業の課題設定と解決過程の二つの場面で動画視聴を基に思考させる学習過程を構成した。子どもは問いを持ち、その解決方法を見付けることができ、分かったことを意識して運動することができるのではないかと考え、本実践に取り組んだ。なお、動画内容は次の通りであり、見る視点を与えて視聴させる。
学習課題成立場面・・・単元で目指す姿(ゴール)に至っていない前時の不十分な動きが発見できる「問題と出合う映像」
解決場面・・・解決に至らない要因が分かる「問題に気付く映像」と解決に必要な姿・動きが発見できる「行い方を発見する映像」
 このように、2段階で動画視聴する学習過程の工夫で授業を行うと、子どもは自ら運動の行い方を発見し、分かったことを意識して運動し、技能を高めることができるだろうと考えた。
1 学習過程の工夫の有効性の検証(実践1年次)
 5年生、キャッチバレーボールの授業において、学習過程の工夫が有効であるかを分析した。学習課題成立過程で「問題と出合う映像」を基に話し合わせたことで問題点が明確になり、解決過程で「問題に気付く映像」と「行い方を発見する映像」を基に運動の行い方について思考させたことにより、分かったことを意識して運動し、技能を高めたと考える。しかし、運動の行い方を分かっても技能発揮できない子にはあまり有効ではなかった。そのため、「問題に気付く映像」と「行い方を発見する映像」を基に思考させた後に、分かったことをできるようにする手だてを講じる必要があると考えた。
2 学習過程の工夫に分かったことをできるようにする手だてを講じた(実践2年次)
 2年次は、6年生ハードル走で、実践1と同様な学習過程で授業を行った。また、解決場面で動画を基に思考させた後に、分かったことをできるようにする手だてを講じることを加えた。1年次と同様に、子どもが学習課題を生み出し、運動の行い方を発見し、その行い方を意識して運動することができた。また、技能を高めることもできた。
3 成果と課題
 学習過程を工夫した授業は、子どもが課題や解決となる運動の行い方を発見し、その行い方を意識して運動し、技能を高めることができた。学習過程の工夫が有効であったといえる。さらに、分かっていてもできない子に対して、分かったことをできるようにする手だてを講じることでできるようになることも分かった。今後も、他の種目で実践を積み重ね、子どもが自ら運動の行い方を発見する、課題解決できる子どもへの育成をしていきたい。

<参考文献>
「アクティブ・ラーニング実践の手引き」/田中博之 教育開発研究所

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「教育実践」
ボール運動領域における学習過程の工夫
〜運動有能感の視点を取り入れ、主体的・対話的で深い学びの実現を目指して〜
三条市立裏館小学校
姉ア 謙

   平成32年度から全面実施される新学習指導要領では、「体育や保健の見方・考え方を働かせ、課題を見付け、その解決に向けた学習過程を通して、心と体を一体として捉え、生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成すること」と述べられている。つまり、問題解決型の学習過程を組織する中で、運動の価値や特性を味わわせたり、他者との対話を通してよりよい解決策を見いだしたりしながら、生涯スポーツの実践者の基礎を育成することが求められている。
 そこで、ネット型ゲームにおいて、どのような学習過程を、どのような視点で組織すれば、児童が運動の特性を味わい、生涯スポーツの実践者の基礎をはぐくむことができるのか検証した。
1 研究内容(手だて)
 1単位時間を、ゲームで挟んだ学習過程で組織し、その中に「運動有能感を高める視点」「学習問題を児童が内発的に生み出す視点」を取り入れて実践した。実践は、小学校4年「キャッチバレー」の単元において行い、以下の四つの視点から、授業の有効性を検討した。
 @形成的授業評価を毎時間測定し、その変容を分析する。
 A「運動有能感測定尺度」を用いて、単元前後の変容を分析する。
 B授業VTRによって学習者の技能の向上を分析する。
 Cチームでの関わりの様子をICレコーダーに録音し、発言内容を分析する。
2 有効性の検証
 手だてを取り入れた授業において、形成的授業評価は右肩上がりに得点が上昇していく傾向が見られた。単元前後の運動有能感の各因子と合計について、対応のあるt検定を行った。すると、すべての因子で有意な向上が見られた。この結果より、児童が運動の特性を十分に味わい、主体的に学習を進めている様子が明らかになった。他者との関わりにも変化が見られ、よりよい解決策を見いだす姿が多く見られた。また、技能レベルの向上も見られ、本単元で実践した学習過程の有効性は立証できた。
3 成果と課題
 本研究で、取り入れた学習過程は、児童の主体性や他者との関わりの質を高めたりすることに有効であると立証できた。運動に対する意欲や肯定感を高めることができれば、生涯スポーツの実践者の育成の基礎につながるだろう。今後は、他の単元でも、実践を積み重ね、「主体的・対話的で深い学び」を目指して実践していく。

<参考文献>
「運動有能感の構造とその発達及び性差に関する研究」 岡沢祥訓・北真佐美・諏訪祐一朗

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「教育実践」
仲間と共に思考を深め、課題解決に向かう子どもの育成を目指した体育授業
燕市立燕東小学校
神田 洋志

  新学習指導要領 体育編では、子どもたちが運動への興味・関心を高め、自ら課題を見付け、課題解決に向けて仲間と話し合い、試行錯誤を重ねながら練習に取り組むことで思考を深め、よりよく解決できるようにするといった主体的・対話的で深い学びへの授業改善を進めていくことが求められている。これまでの私の体育授業において、子どもたちが目指す動きに近付くための考えを話し合っていると、情報量が多くなり、考えを整理しないまま練習するグループが見られた。そのために、話し合ったことを練習に生かすことが困難になってしまい、思考が深まらなかった。
 そこで、本研究の手だてとして、思考ツールの一つである、イメージマップを課題解決に向けた話し合いの場面で取り入れた。課題解決に向けた話し合いの場面でイメージマップを取り入れることで、子どもたちが獲得した知識・技能を活用して、仲間と試行錯誤を重ねることができるようになった。また、思考を深め、技能を高めたり、身に付けたりすることに有効であり、また、教師が効率的にポイントを絞って働き掛けができると考えた。
 成果として、イメージマップを取り入れることで、子どもたちが獲得した知識・技能を活用して話し合い、課題を設定することで、見通しをもって練習に取り組めるようになった。試行錯誤することで思考を深めることができ、技能を高めたり身に付けたりすることができた。しかし、それには、授業導入時や終末時において、課題を焦点化させる教師の働き掛けが必要であることが分かった。今回の実践では各グループでイメージマップを作成したが、個別のイメージマップを作成すると、より深い学びや指導者の見取りができると思われる。また、動きの目標設定がイメージマップの出発点(マップ中央の〇)となるので、考えが広がりやすいように事前の教材研究が大切である。

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「教育実践」
思考力を高めるボール運動の指導
〜オフ・ザ・ボールの動きに主眼を置いて〜
見附市立今町小学校
草野 大樹

  ゴール型ボール運動においては、単元の導入段階から半ばごろまで、技能の高い児童がドリブルを駆使して一人でボールを運ぶ場面が多く見られる。グループ内で動き方の共有を図ったり、チーム内で役割分担を行うといった協働する様相に高めるためには様々な工夫が必要である。
 そこで、局面を限定したり守備側のプレーを制限したりすることにより、攻撃しやすく、また得点が入りやすくなるような簡易化されたゲームを行う。そのことによって、児童の思考力が高まると考え2年間実践を行った。
 1年次では、バスケットボールでオフ・ザ・ボールの動きを身に付けるタスクゲームの有効性について研究した。単元の終末では「友達を助けるために、近寄ったり遠ざかったりする動きが大切」「止まったままだとボールをもらえないから、動きながらボールをもらうと良い」といった児童の気付きがあった。このことからオフ・ザ・ボールの動きに焦点を当てたタスクゲームを行うことは、動きを身に付けるために有効であることが分かった。
 2年次は、サッカーでタスクゲームの実施とボールの修正を行うことでオフ・ザ・ボールの動きを身に付ける事ができるかどうかを研究した。
 手だては次のとおりである。
 手だて1 タスクゲーム(アウトナンバーゲーム)の設定
 オフ・ザ・ボールの動きを身につけられるように、簡易化されたゲームを行った。攻守の切り替えのないアウトナンバーゲームを取り入れ、攻撃側にスペースが多くある状態で、児童がどのように判断すれば得点できるかを考えさせた。
 手だて2 円盤型ボールの使用(通称 パック)
 体育館の床を滑るように移動し、バウンドせず、触れるとすぐに止まるパックを使い、ボールの保持を容易にした。
 実践を通して、授業前のアンケートでサッカーが苦手と答えた児童を対象児とし、単元が進むにつれて気付きや動きがどのように変化したか、検証を行った。単元の第1時では、味方がボールを保持していても、止まっているだけだったが、単元の後半では、味方からボールをもらうために、ゴール方向に向かって動き出しをする姿が確認できた。
 局面を限定し、簡易化されたゲームを行うことは、児童に思考を促すことができることが分かった。サッカーにおいては、簡易化されたゲームとボールを扱いやすいものに修正することが、児童の思考力を高めることに有効であることが分かった。

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「教育実践」
ゴール型ゲームにおけるパスコースの変容を促す授業
新潟市立小針小学校
真柄 貴幸

  今までの私の授業は、ゲーム(ゴール型ゲーム)を行う際、全体の学習課題を設定し、作戦・ゲームを通して全体でまとめて解決に導いてきた。しかし、パスコースを変容させ、自陣からパスをつないでシュートに結び付ける攻撃をさせることができなかった。
 そこで本研究では、第4学年のポートボール単元において、全体で学習課題を設定した後、各チームの実態に合った課題を見付けさせ、それぞれが解決に導いていくいくことで、パスコースの変容を促し、自陣からパスをつないでシュートに結び付ける攻撃ができるよう、単元を構成し授業展開を工夫した。
1 広い学習課題を帯状に設定した単元構成
 本単元では、帯状に設定した課題1「シュートを決めるために、ノーマークの場所にどう動けばよいか」によって、ゴールに近い場所に動くこと、課題2「どのようにボールを運べばよいか」によって、縦のパスと横のパスを使い分け、ディフェンスが来る前にパスを出す動きを習得させることを核とした。この2つの広い学習課題から各チームの実態に応じた攻め方へと落とし、チームそれぞれが改善策を見つけられるような単元を計画し進めた。みんなに共通の学習課題・まとめを受けて、各チームの実態に合った攻め方を考えさせ、修正・改善を繰り返させることで、思考を深めていく授業を目指した。自チームの実態を踏まえた攻め方を考え、改善しさらに動きを焦点化し高めるために練習と試しのゲームを繰り返すことで、技能の高まりを目指した。
2 MTMの手法を用いた授業展開
 「マッチ→トレーニング→マッチ」を繰り返す授業展開をシステム化する。ゲーム@から見出したチームの攻め方についての改善方法を思考し、修正する動きを繰り返させた。ゲーム@後に学習課題に対してのまとめをすることで、本時で改善すべきチームの攻め方を焦点化し明確にさせる。この際のT(トレーニング)時では攻め方の修正をさせ、自チームの実態に応じた改善策を思考させる。MTMの手法を用いることで、前時での学びを生かした攻め方でゲームを展開させ、ゲームでの気付きを生かして次のゲームを展開させる。それにより、前時の学び(攻め方の確認)から本時の攻め方へ、ゲーム@の攻め方からゲームAの攻め方へ、ゲームAの攻め方からゲームBの攻め方へ、本時の学び(攻め方の確認)から次時の攻め方へと、既習を生かした学びの連鎖を起こさせ、「できて・分かる」姿を目指した。
3 成果と課題
 本研究では、ポートボールにおいて、学習課題を帯状にした単元構成とMTMの手法を用いて授業を展開したことで、パスコースの変容が促され、ディフェンスに奪われないようにゲームを展開し、自陣からパスをつないでシュートに結び付ける攻撃ができるようになった。今後、他の単元でも実践を積み重ね、各チームの実態に応じた課題の解決を促す授業を目指していく。

<参考文献>
「体育の教材を創る」2012 岩田 靖 大修館書店
「ボール運動の教材を創る」2012 岩田 靖 大修館書店
「サッカー指導教本」2012 日本サッカー協会

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「教育実践」
主体的・協働的に技能を高めるマット運動
〜シンクロマットとジグソー法を関連させながら〜
新潟市立白山小学校
宮本 俊

  私のこれまでのマット運動の実践では、楽しさに気付き進んで取り組む主体性と仲間と対話し協力して課題解決する協働性を両立させることが難しかった。
 そこで、集団の一体感を味わう楽しさに触れられるシンクロマットと、局面別に教え合い重点的な練習ができるジグソー法を単元計画に組み込んだ。単元序盤では、易しい技を中心にしたシンクロマットの時間を多めに取ることで、楽しさに触れたり、教え合ったりする土台を築く。単元中盤では、側方倒立回転を4局面に分け、局面別の運動ポイントや練習方法に習熟させた後、班に戻って教え合うジグソー法を中心に据えて、技能向上を目指す。単元終盤では、高めた技能をもとにシンクロマットの演技を工夫し、発表する。
 単元を通じて、この二つを関連付けて取り組むことで、両者の良さがそれぞれの課題となる部分を補完し、主体的・協働的に技能を高めることができることが分かった。
1 手だての有効性の検証
(1)主体性・協働性の観点から
 児童の主体性・協働性の高まりを形成的授業評価における「意欲」「協力」で自己評価させた。毎時間の5段階評価の内容を分析すると、単元内において、次のことが分かった。
 @単元序盤(1〜4時間目)は、1・3・4時間目で「意欲」が「協力」を上回っていた。
 これは、易しい技を中心にしたシンクロマットの学習が中心だったためと考えられる。
 A単元中盤(5〜8時間目)は、全ての時間で「協力」が「意欲」を上回っていた。
 ジグソー法を行ったので、局面別に責任をもって教え合って課題解決したためと考えられる。
 B単元終盤(9・10時間目)は、全ての時間で「意欲」が「協力」を上回っていた。
 シンクロマットの演技構成を工夫させたり、発表会を行ったりしたためと考えられる。
(2)技能の高まりから
 教師の見取りによる技の習得状況の変化とともにカード記述や事後アンケートにおける内容を分析した。これらの結果より次のことが分かった。
 @ジグソー法を取り入れた側方倒立回転は、習得人数が39%⇒74%へ増えた。
 Aカード記述から、ジグソー法の効果は、「教える視点の焦点化」「(エキスパート活動時の)課題の重点的練習」が確かめられた。
2 成果と課題
 ○シンクロマットとジグソー法を単元計画に関連・位置付けることで、両者のよさがそれぞれの課題を補完することが分かった。それは、次のような関連性でまとめることができた。
  ・シンクロマットで築いた「楽しさや演技工夫による主体性・協働性の土台」は、ただの練習になりがちなジグソー法を有効に働かせた。
  ・「視点が絞られ教え合いやすく、課題を重点的に練習できる」ジグソー法により、苦手な児童も主体的・協働的にマット運動に取り組み、技能を高めることができた。技能の高まりが望めず、できる児童からの一方通行になりがちなシンクロマットの課題を補った。
 ▲クラス全体の技能の習得率は高まったが、もともと技能が高かった児童のさらなる技能向上が少なかった。技の取り上げ方が今後の課題である。

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「教育実践」
自ら進んで踊る児童を育てる表現運動指導
〜表現運動における「ジグソー学習」を中心にして〜
新潟市立牡丹山小学校
長谷川 順哉

  これまで自分が行ってきた表現運動の授業では、技能の習得を優先した教師主導の授業であったため、児童は表現運動本来の楽しさを味わうことができず、できない児童は恥ずかしさから進んで踊ることができずにいた。
 そこで、本研究では、児童に表現運動の楽しさを感じさせ、自ら進んで踊ることのできる姿を目指した。そのための手だてとして「ジグソー学習」と「四つのくずし」を取り入れ、実践を行った。
1 「ジグソー学習」を取り入れた授業
 ジグソー学習は、主に知識や技能の習得を目的として用いられることが多い。児童たちが自ら進んで踊ることができるようになるには、技能の向上は不可欠であることから、本研究では技能の向上に有効であるとされるジグソー学習を用いることとした。
2 「四つのくずし」の設定
 表現運動の核となる動きとして「四つのくずし」の動きを以下のように設定した。
・空間のくずし:踊る方向や場を変化させ、同じ場所だけでなく、場を広く使って踊る。
・体のくずし:ねじったり、回ったり、跳んだりするなど、体の状態をはっきり変える。
・リズムのくずし:すばやく、ゆっくり、急に止めるなどの動きのリズムを変化させる。
・人間関係のくずし:離れたり、くっついたり、からんだりするなど、いろいろな友達と関わり合いながら踊る。
 それぞれの動きのポイントを示したカードを作成し、各グループに配布した。カードには、それぞれのくずしの動きと、動きからイメージできることを書けるようにし、グループの友達同士で自由に動いたり、動きからイメージできることを考えたりできるようにした。

 授業を実践した結果、ジグソー学習を取り入れたことで、児童同士の関わりが自然と生まれ、友達同士で教え合いながら技能を向上させていくことができた。また、技能が向上したことで、自ら進んで踊ろうとする児童が増えた。今後は、ジグソー学習がもたらす協調性、達成感、自尊心等の効果についても検証していき、ジグソー学習の有効性をより明確にしていくとともに、児童が進んで表現運動以外にも取り組むことのできるような授業づくりを目指していく。

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「教育実践」
既習を活かして運動する児童の育成
〜6年「ハードル走」を通して〜
新潟市立関屋小学校
鈴木 亨

  これまで、私の体育授業では毎時間新しい技術を教えようとするあまり、前時とのつながりや単元のつながりを意識していないことが多く、児童に既習を意識して考えさせることが少なかった。その結果、前時までの動き方を本時で活用させたり、バスケットボールやハンドボールの動き方をサッカーで意識させたりすることができなかった。
 他の教科と同様に、体育の学習も既習の積み重ねで行われている。それを教師が意識して、児童に本時の課題を解決させるために、児童に既習を意識させてペア活動で活用させる。そのことにより、既習を活かして運動し、技能も高まるのではないかと考えた。
 昨年度の研究で、2年生「ボールゲーム」において児童全体の思考の変化を追ったが、教師の主観による評価になりやすく、また、思考の評価が難しかったりした。そこで本年度の研究では、抽出児童の動きの変化と、そのときの授業の様子やノート記述等から、既習を意識させる教師の働き掛けと、児童の変化の関係を調べた。
 既習を活かす手だては以下の通りである。
@既習を意識させる手だて
・「意識させる既習の動き」を入れた単元計画
・課題設定場面での問いで既習を想起させ、見通しをもたせる
・これまでの既習を掲示して蓄積し、児童がいつでも見られるようにする
Aペア活動
 既習を活かすための学習形態の工夫として、第2時以降にペア活動を設定した。既習を意識することができれば、既習の言葉がペアでのアドバイスに表れるはずである。
 @とAを組み合わせることで、児童が本時の課題を解決するために既習を意識し、見通しをもって運動する姿を目指した。

 これらの手だてで得られた成果は以下のとおりである。
@個人の変化
・ペア活動で、既習を用いたアドバイスをする姿が見られた。
・練習の際、アドバイスされたことを意識して練習の場を工夫する姿が見られた。
・アドバイスを意識して、技能を向上させる姿が見られた。
A全体の変化
・第1時と第5時の50mハードル走のタイムでは、平均で0.8秒以上も速くなった。
 以上より、これらの手だてが、児童が既習を活かして運動し、タイムを向上させることにつながると考えられる。既習を活かすためには、教師が動きの系統性を知っていることが重要である。

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「教育実践」
動きの自覚を促しながら動きを高める授業づくり(2年次:共同研究)
〜「鉄棒運動」後方支持回転の実践を通して〜
新潟市立大形小学校
三上 賢二

  1年次「前方支持回転」の実践では、タブレットPCを活用し思考を焦点化させることにより動きの自覚が図られた。また、回転ボードを操作せることで、思考を焦点化させることが可能になり、動きの自覚が図られ、動きの修正の見通しをもつことにつながった。その結果、子どもの動きが高まった姿が多く見られ、手だての有効性が明らかになった。しかし、思考を焦点化させることが、子どもたちにどのような思考を促したか、思考の傾向を明らかにするまでには至らなかった。それを受け、それぞれの手だてによりどのような動きの自覚が促され、動きの高まりにつながったかを明らかにしたいと考え、2年次は2校の実践を比較した。
1 手だての有効性の検証                                             
<手だて>                                                       
@タブレットPCの活用
タブレットPCをグループに1台ずつ使用させた。お互いの動きの動画を横から撮影し合わせた。撮影後、動画を見ることにより自分の動きを客観視させ、動きの自覚を促した。                
A回転ボードの活用
回転ボードをグループに一つずつ使用させた。動画を見て明らかになった個人の課題を、回転ボードを操作しながらどのように動きを修正すればいいのか考えさせた。※回転ボードとは円を8等分に分けたものに、人間の形をしたものが間接で動くようにしたボード                       <有効性>                                                      
@診断的・総括的授業評価の事前・事後の比較                                
 本研究の柱である「学び方(思考・判断)」関わる二つの項目を比較すると「工夫」「めあて」ともに数値が向上した。                                                      A動きの高まり(教師の作成した指標によって教師が評価したものによる)
 技の達成率は11.8%→47.1%に向上 動きの高まりが見られた児童94.1%                                      B抽出児の様子                                                    
 鉄棒運動に苦手意識をもっていた児童。3時間目からタブレットや回転ボードを活用した学習が始まり、動きが確実に高まっていった。タブレットで自分の動きを確認する場面では、自分の課題を的確に捉えることができた。また、回転ボードを使う場面では「技の完成形」をイメージしながら動きの修正について思考していた。技を試す場面では、思考したことを意識しながら練習を重ね、単元の最後には、ひざを伸ばした後方支持回転をすることができた。
3 成果と課題                                               
 後方支持回転において、タブレットPCを活用し自分の動きを客観視させることにより、体の部位に着目した課題把握ができた。課題把握が行われた上で、回転ボードを活用させることで、目指す姿を具体的にもち動きを修正し、動きを高めることができたと考える。共通の課題が達成できていた児童に対して、その子に合った課題をもたせられるような手だてが必要であった。また、二つの実践を比較したことにより、タブレットPCは「自分の動きを客観視でき、体の部位を細かく具体的に意識させながら思考させることができる。」、回転ボードは「目指す動きをイメージさせ、体の使い方を意識させながら思考させることができる。」という思考の傾向が見えてきた。                                                       <参考文献>
1)鈴木聡 岡田和雄(1994)新・絵で見る鉄棒運動指導のポイント 日本標準
2)金子明友 吉田茂 三木四郎(1996)教師のための運動学 運動指導の実践理論 大修館書店
3)木下光正 (2013)できたー!を共有 指導のポイントがわかる器械運動の授業 明治図書
4)藤ア敬 後藤一彦 中川一(2002)小学校体育楽しい学習カード5・6年 体つくり運動・器械運動・水泳 東洋館出版社

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「教育実践」
跳び箱運動における、タブレット型PCが場の選択にあたえる効果
〜見る視点を明確にしたかかえこみ跳びの指導〜
新潟市立早通南小学校
塩田 健太郎

  器械運動の授業では、技のポイントを確認しても、自分の運動している様子が分からずに、自己の課題が正確につかめない児童が見られた。このような児童は、その後の練習の場の選択時において、課題を克服するための自分に適した練習の場を選ぶことができず、技能の習得に効果的な練習につながらなかった。そこで、タブレット型PCを使ってスローで再生したり、途中で止めたりしながら体の動きを確認することができるというメリットを生かし、5年生の跳び箱運動のかかえこみ跳びの実践を行った。タブレット型PCを用いて、自分の動きと模範の動きとの映像比較を通して、自己の課題を見付ける「課題把握」に着目し、以下の流れで実践を行った。
1 ICT機器を用いて、かかえこみ跳びの技のポイントを確認し、カードに書き込む。
 2パターンのかかえこみ跳びの動画を比較しながら、技のポイントを見付ける活動を行った。「手を着く位置」「跳び箱の上で肩と腰の高さが地面と水平になること」「突き放し」の3点をポイントとして全員で確認した。
2 立ち位置に配慮し、運動の様子を動画で撮影する。
 四人一組で動画の撮影を行った。タブレット型PCの画面上にグリッド線を表示させ、9分割された画面の真ん中下のスペースに跳び箱の側面が入るように撮影者の立ち位置を決定した。
3 自分の動きと模範の動きの動画を比較し、自分の課題を明確にする。
 3点のポイントごとに良し悪しを判断する基準を与え、グループで動画を見合いながら課題を見付ける話し合いを行った。その際に、動画を一時停止させたり、スロー再生したりしながら三つのポイントに着目することができるタブレット型PCの操作方法を教えた。 
4 自己の課題解決のための練習の場を選択する。
 連結跳び箱の場、ステージの場、セーフティーマットの場、縦跳び箱の場を用意し、自己の課題解決に適した場を選択し、練習した。
 上記の授業の流れにより、技のポイントに即した自己の課題を把握し、課題解決のために自分に適した場を根拠をもって選択することができた。

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「教育実践」
体育「リズムダンス」を苦手にしている児童が、楽しく踊ることができる指導
〜ノンストップダンスと体の部位を限定した指導を活用して〜
新潟市立潟東小学校
後藤 建也

 これまで私が指導した体育の「リズムダンス」では、踊ることを苦手とする児童が必ずいた。その原因は、「恥ずかしい」という思いや「振付が覚えられない」という2点が主に挙げられる。その先入観によって踊ることの楽しさを感じることができない児童をこれまでにたくさん見てきた。
 そこで、本研究ではリズムダンスの楽しさを実感し、踊ることに抵抗を感じない児童の姿を目指した。その手だてとして、私は「ノンストップダンス」と「部位を限定した指導」を取り入れ実践した。
1 「ノンストップダンス」について
 その名のとおり、止まらずに踊り続ける活動である。やり方は簡単で、体操の隊形に広がり、5〜10分間、教師の動きを見て、真似しながら踊り続ける。教師を真似して踊るというシンプルな活動は誰でも取り組むことができる。教師の動きは、音楽に乗って弾むことを中心とする。簡単なジャンプ→足の開閉→足の前後→左右へのステップなど、簡単なものから難しいステップまでレベルを変えていく。全体の様子を見ながら難易度を変える。本時に気付かせたい動きや体の使い方、音の取り方などを紹介すると児童は気付きやすくなる。
2 体の部位を限定した指導について
 ダンスは複雑な動きが多く、振り付けを見ただけで抵抗を感じる児童も多い。そこで部位を限定して指導する。「まずは手の動きだけを覚えましょう」「次に足の動きだけを覚えましょう」と部位を限定することがスモールステップになると考える。児童にとっても、集中して覚えることができる。最大のよさは、どれか一つでもできていれば「踊っている」という感覚になることである。スモールステップによって全員が踊れるようになる。
 以上2点の手だてを組み合わせて指導した結果、児童は授業の振り返りでリズムダンスの楽しさを容易に感じることができたと記述している。簡単な動きを繰り返すことでリズムに乗ることができ、体の部位を限定する指導で振り付けを着実に覚えることができた。 

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「教育実践」
ネット型ゲーム導入についての一考察
新潟市立有明台小学校
櫻井 朝之

  高学年を担任した際にソフトバレーボールやハンドテニス、プレルボールといったネット型のボール運動に取り組むと、棒立ちの状態でボールを見送ってしまう姿がよく見られる。そのような児童が生まれる背景の一つに、ネット型の系統的な学びが保障されていないことが考えられる。現行の学習指導要領では、低学年のゲーム領域において、ゴール型やベースボール型に発展するゲーム内容の記載はあるものの、ネット型につながる記載は見られない。ネット型が出てくるのは、中学年からである。
 そこで、低学年の段階からネット型の動きにつながるようなゲームを行い、その既習を生かした指導を中学年で継続して行うことで、ネット型の系統的な学びが生まれ、動きの理解や技能の向上が見られるのではないかと考え、本主題を設定した。具体的には、次の三つの手だてを講じた。
1 児童の発達段階に応じたゲームの簡易化と技能の高まりに応じた単元構成
2 前時の児童の姿(課題)に即し、アタックに関連付けた学習課題の設定
3 対話的な学びを重視した授業づくり
 その結果、以下の3点について成果が得られた。
1を講じたことで、既習を生かしながら段階的に指導していくことができ、無理なく児童の技能を向上させることができた。
2を講じたことで、児童の思考の流れに沿った形で進めることができ、ゲーム中の動きの理解につなげることができた。
3を講じたことで、自然に教え合う姿が生まれ、みんなで楽しみながらゲームに参加することができた。
 ネット型の系統的な学びについて今後も検証を進め、それぞれの発達段階においてどのような知識・技能を身に付け、指導していくべきか、研究していきたいと考えている。

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「教育実践」
サッカーが苦手な児童もドリブルが上達する指導の在り方
〜友達から逃げ回る楽しい「ゾンビ鬼ドリブルゲーム」を通して〜
新潟市立葛塚小学校
松本 和大

  昨年度から、サッカーの指導におけるドリブルについて研究を始めた。ドリブルのもつ楽しさを生かせば、サッカーはより魅力的な学習になると考えたからである。昨年度はコーンを使って練習したが、試合形式で相手がいると、十分に技能を発揮できないという課題が残った。そこで今年度は、友達と関わりながら練習する「ゾンビ鬼ドリブルゲーム」を考案し、研究することにした。指導のポイントは以下の三つである。

1 ボールに優しくタッチすること
  ボールタッチの見本を見せながら、ボールタッチの様子を言葉や音で表した。
2 相手がいない方へドリブルすること
 見本を見せながら、「どこにボールを動かせば、相手にボールを取られにくいのかな?」と問いかけ、相手がいないところに気付かせた。そして、優しいボールタッチでドリブルをさせた。
3 相手が近付いたら、体を壁にすること
 相手がいない方へドリブルするときの見本を見せたときに、児童が、「体を壁にしている」と発言したことをもとに、相手が近付いたら体を壁にしてボールを守ることを指導した。

 これらのポイントを押さえながら、「ゾンビ鬼ドリブルゲーム」をした。ゾンビ鬼ドリブルゲームとは、コート内でドリブルをしながら鬼ごっこをするゲームだ。鬼は、ゾンビ鬼となり、片足を床に擦りながら、手でボールを奪いに来る。これだと鬼の追い掛けるスピードが下がり、サッカーが苦手な児童でもドリブルの技能を発揮できるのではないか、また、友達から逃げ回りながら練習することは、コーンを使った練習より楽しくなるのではないかと考えた。
 授業を実践した結果、児童はドリブルの技能を上達させた。ビデオで検証したところ、ドリブルのスピードが上がり、ミスも減ったことが分かった。また、児童は楽しく練習に励んでいたことも分かった。授業後のアンケート結果を見ると、2時間目以降「とても楽しかった」「楽しかった」と全員が答えていたからである。今後は、相手を意識したドリブルを試合中でも発揮できるか、また、ドリブルでできたスペースを使った「ボールを持たないときの動き」の学習について、研究を進めていきたい。

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「教育実践」
思考をうながす友達との関わり合いを通して楽しく水泳学習に取り組む児童の育成
〜同程度の技能の児童が学び合うバディ学習サイクルの実践〜
村上市立神納東小学校
藤山 晶

  全ての児童に「水泳の楽しさ」を味わわせること、また、水泳における自らの課題に気付き、その解決に向けて思考・判断し、他者に伝える力を養うことは、生涯を通じて心身の健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現する上で重要だ。また、新学習指導要領で求められている資質・能力でもある。
 そこで、次の二つをねらった授業の実現を目指すことにした。

○ 水泳の「できる楽しさ」「伸びる楽しさ」「考えて練習する楽しさ」「協力する楽しさ」を実感できる授業
○ 友達と関わり合いながら思考や技能を高めていく授業

 実現に向けては、同程度の技能をもつ児童がペアを組んで主体的・協働的に学ぶ学習過程を2種類(以降、「バディ学習サイクルA」「バディ学習サイクルB」とよぶ)用意し、それを組み合わせていくことにした。具体的には以下のとおりである。
1 基本を学び、定着を図る「バディ学習サイクルA」
 学習課題を達成するために、@「教わる」→A「助け合いながら取り組む」→B「見せ合い、アドバイスし合う」→C「修正する」のサイクルで行いる。このサイクルを繰り返すことで、水泳の楽しさを実感しながら思考や技能を高めていくことにした。
2 動きを深め、上達する「バディ学習サイクルB」
 学習課題を達成するために、@「考える」→A「助け合いながら取り組む」→B「見せ合い、アドバイスし合う」→C「修正する」のサイクルで行う。「バディ学習サイクルA」との違う点は、@「教わる」が「考える」に変わるところである。今までの学習を振り返りながら、ペアで練習方法を考えたり、自分たちがもっと上達するために何を練習すればよいかをペアで話し合って決めていったりする場面がバディ学習サイクルAより多くなる。このサイクルを繰り返すことで、特に「思考・判断し、伝える力」を高めることができると考えた。

 この実践を2年間にわたって行い、次の二つの結論を得た。
○ 「学んだ基本の動きができているか」「自分ができていないところはどこか」をペアとともに考え、伝え合いながら技能の向上を図るには、「バディ学習サイクルA」と「バディ学習サイクルB」の間隔が長くない方がよい。具体的には「バディ学習サイクルA(2時間)」→「バディ学習サイクルB(1時間)」の組合せを繰り返して、泳法の練習をすると効果的であった。
○ 同程度の技能をもつ児童がペアを組むことで、技能面での序列関係が生まれず、教え合いが活性化することが分かった。ただし、技能は練習するごとに個人差が出てくるので、バディ学習サイクルで学習を進めるに当たっては、途中に泳力チェックの時間を設けて、ペア替えの必要がないかを確認する必要がある。なお、ペア編成に当たっては、できるだけ男女別で人間関係も配慮すると一層教え合いが活性化することも実践を通して明らかになった。

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「教育実践」
リレーにおけるバトンパス技能を高める指導の工夫
新潟市立松浜中学校
梅津 雅史

  これまで自分が行ってきたリレーの授業は、バトンパスの練習を繰り返した後、ただタイムを計測させたり、チーム同士で競争させたりする授業であった。
 これらの取組では、生徒の運動量は確保されていたが、明確な課題(自分の課題・ペアの課題)をもたせて解決させたり、バトンパスの技術の向上を生徒たちに実感させたりすることが、十分できていなかった。
 そこで、本研究ではこのような授業を改善するため次のことを実践した。
1 リレーのバトンパスにおいて、明確な課題をもたせ、課題解決に向けて活発に関わり合う場面を設定した。
2 50mリレーのタイム短縮により、技能の伸びを実感させるために、「バトンパス技術の向上」=「50mリレータイムの短縮」と捉えさせ、ペアで協力して取り組ませた。
 手だては、以下の二つである。
1 バトンパスの局面において、「三つの観察ポイント」を与えて、自分たちの動きをデジタルビデオカメラで撮影し、その映像から動きを分析させ、ペアでの対話を通して実際の動きを修正させる。
2 利得距離を生かしたバトンパスを行うための段階的な指導の工夫を行う。
 これらの手だてによって、「生徒が自ら課題をもって意欲的に学ぶとともに、バトンパスの技能の高まりを実感することができる」のではないかと考え、検証を試みた。
 実際の結果、動画を撮影・分析する際に、「三つの観察のポイント」を明確に提示したことで、動画を分析するポイントが絞られ、バトンパスの局面で自分たちの課題をはっきりさせることにつながった。生徒が明確な目標をもつことで、バトンパスの技能を高めるための練習方法を工夫するなどの姿が見られた。

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「教育実践」
集団演技を取り入れたマット運動の取組
〜シンクロマットを通しての関わり合いから、個人技能を向上させる授業の工夫〜
加茂市立葵中学校
田中 伸一

  マット運動では、一人一人の挑戦する技の種類などに対応できるように場の設定を増やしたり工夫したりしてきた。しかし、マット運動はできるできないがはっきりしており、苦手意識が高い生徒も多く、新しい技をなかなか習得できない生徒も見られる。
 そこで、運動する意欲を高めるために関わり合いをマット運動に取り入れた。生徒は能力に関係なく、友達と関わり合いながら運動することを好む傾向がある。個人的な運動の領域であるマット運動も、仲間と関わり合う活動を取り入れることで活動意欲が高まり、主体的に練習に取り組むことが期待できる。また、運動量が増え、技能の向上を図ることができると考える。
 本研究では、仲間との関わり合いを増やす工夫として次の手だてを講じる。
1 シンクロマットの導入
 シンクロマットは、マット運動の技を複数でタイミングを合わせたり、ずらしたりして行う運動である。シンクロマットの演技を創り上げるには、チームの仲間と話し合い、補助し合って協力するなど、関わり合う必要がある。チームの仲間とシンクロマットの演技を構成して完成させていく活動は、マット運動の苦手な生徒も活動の意欲を高め、積極的な練習が技能の向上につながると考える。
2 練習における場面設定の工夫
 授業では、部分練習コーナー、通し練習コーナー、ミーティングコーナーを設置して、ローテーションしながら練習に取り組ませていく。それぞれのコーナーで何をするのかを明確にして、チームの演技を構成していくための過程を踏ませていく。また、資料や映像を十分に準備して、必要な情報を随時得られるようにする。
3 焦点化されためあての提示
 シンクロマットの演技構成をより具体的に考えていけるように、シンクロマットの演技構成を考える小単元時に、具体的な動きを示しめあてを焦点化する。適切な情報を提示することで、完成演技を意識した適切な関わり合いが生まれ、よりよい演技構成を創り上げることができる。

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「教育実践」
みんなでパスをつなぎ、攻撃する児童の育成
〜パスをもらう動きを段階的に身に付けるワンドリブルバスケットボールの実践を通して〜
聖籠町立亀代小学校
渡邊 芳哉

  ゴール型のボール運動では、ドリブルだけでなく、効果的にパスをつなぐことが攻撃の可能性を広げる。しかし、これまでの実践をふり返ると、技能の高い児童が、ドリブルを駆使して一人でボールを運ぶ場面が多く見られた。パスを試みる場面もあったが、カットされたり、パスを出せる場所に味方がいなかったりと、チーム全員が攻撃に参加するような様相は少なく、得点チャンスも少なかった。児童アンケートの記述には、「パスをもらいたい」や「パスを出せるように動いてほしい」などの欲求が書かれていた。
 そこで、「パスをもらう動き」に焦点を当て、みんなが攻撃に参加し、得点チャンスを増やせるようなバスケットボールの実践を試みた。手だては以下の1、2のとおりである。

1 ワンドリブル(ボールを手にしてから1回しかボールをつけない。)
 個人では攻撃が成り立たない状況を作り出すことで、みんなが攻撃に参加する必然性が出てくる。その中でパスが重要な役割をもつようになり、ボールをもらう局面の動きを引き出そうとした。ドリブル無しにしなかったのは、児童の実態から、「パスするためにディフェンスを切り崩すドリブル」、「シュートまでのドリブル」、「ボールをキャッチしてからストップするまでのドリブル」が1回は必要だと考えたからだ。
2 「パスをもらうための動き」を段階的に学ぶ学習過程
※渡邊が考える「パスをもらうための動き」は、以下のとおりである。
(1)「上手にキャッチするための動き」
・守りをふりきる(かわす) ・パスに向かってキャッチ(前でキャッチ)
(2)「ボールを持っている味方に対して縦に攻め込むための動き」
・空いている前のスペースに走る(スペース) ・パスしたら前にすぐ走る(パス&ラン)
(3)「ボールを持っている味方の横や後ろにサポートに行く動き」
・味方が苦しくてパスが出せないときに助けに行く(おたすけ)
 上記内容を児童の欲求の流れに沿って段階的に学んでいった。

 1のルールのもと、2の学習過程で実践を行った。各授業が児童の欲求の流れに沿って段階的に進んでいったことで、学びが焦点化された。児童は、「おたすけ」と縦に攻め込む「スペース」や「パス&ラン」の動きを身に付けることができた。単元の終わりのころには、この二つの動きを結びつけるような連動した動きの出現が多く見られた。結果として、パスや得点チャンスが得られる児童の人数が増えた。また、フリーの状態でシュートが狙える状況が増え、シュート成功率を上げることもできた。

〈参考文献〉
学習指導要領解説体育編 
細江文利他著書「新学習指導要領対応小学校体育における習得・活用・探求のやってみるひろげるふかめる」光文書院2009 
信州大学教育学部付属教育実践総合センター紀要「教育実践研究」No15 2014

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「教育実践」
学び合いにより技能を高めるマット運動の授業づくり(二年次)
〜運動技能差のあるグループによる協働学習を取り入れた実践から〜
燕市立吉田小学校
大谷 暢

  学級内には、運動技能が高い子どもがいれば、低い子どももいる。能力差があることを前提にして、子どもが互いに「学び合う」ことで、体育科における資質・能力を育成することができると考える。特に、マット運動の領域は子どもの技能差が大きい領域だからこそ、「学び合い」を取り入れ、自分の動きの課題に気付かせたり、友達にアドバイスさせたりすることが大切だと考える。
 そこで、マット運動における子ども同士の「学び合い」に焦点を当てて研究を進め、本研究では、4学年マット運動において、技能差のあるグループを編成して協働学習の場の設定を手だてとして講じ、2ヵ年計画で実践を行い、その有効性を検証した。

1 運動技能差があることで、互いの動きを見合う場面で動き方が異なるので、自他の動きを比較することが容易になる。技能の低い子どもは、技能の高い子どもの動きを見ることで成功のイメージがもてる。反対に、高い子どもは自分のアドバイスで他の子どもの動きが良くなる経験を得ることで自己有用感を高めたり、自分の動きのイメージを更に深めたりすることができると考える。そこで、運動技能差のある男女混合4人グループを編成し、課題解決の場面で「協働学習」を位置付けて進めていく。子どもは、互いの動きを見合う中で、動きの状態を確認したり、動きを模倣したりしていく。更に、他の子どもの動きに対してアドバイスするなどの「学び合い」が生まれる。その「学び合い」により、自分の動きの課題や新たな動きのコツに気付くことができると考える。

2 次に、自分の動きの課題やコツに気付いた子どもへ、「技能の段階に応じた練習の場」を提示する。学び合いで得られた気付きを基にして、自分に合った練習の場を選び、その場で個々に試技を繰り返させる。これにより、課題となっている動きを意識して練習することができ、技能の向上を自覚することができると考える。

 上記の手だてにより、グループ内で「学び合い」が生まれ、子どもは自分の技の課題や動きのコツを見いだすことができた。特に技能の低い子どもは、高い子どもからアドバイスを受けたことから技能が向上し、技能の高い子どもは積極的に関わり単元全体を通して意欲的に取り組むことができた。更に、自分の段階に合った異なる練習の場で試技を繰り返すことにより、マット運動の技能が向上した。今後も小学校の他の器械運動領域において、全ての子どもが学び合いにより、技能を高めることができる授業づくりを目指していく。

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「教育実践」
状況を判断する力を高めることでよい動きを引き出すボール運動の授業に関する研究
燕市立燕東小学校
大澤 雄太

  これまでの私のボール運動(ゴール型)の実践では、「どこに動いてパスをもらえばよいか」「今はパスなのかシュートなのか」といった状況を判断する力を高められなかったことが課題であり、子どもにボール運動の楽しさを十分に味わわせることができなかった。
 鬼澤(2009)は、「適切な状況判断力を習得するという学習内容に対して、アウトナンバーゲームはきわめて有効である。」と述べている。しかし、岩田(2016)は「このゲームが有効に機能しない場合がある」と指摘している。それは、アウトナンバーゲームにおいてドリブルを意図的に削除した場合である。ドリブルを削除しパスのみでゲームを行う場合、ボールを保持しているプレイヤーにディフェンスがつかず、ボールを持たないプレーヤ―にディフェンスが張り付いてしまいゲームが停滞してしまうということである。
 そこで、本研究では小学校体育のボール運動領域「ハンドボール」の単元において、ドリブルの技能を簡易化したルールを設定し、タスクゲームとメインゲームを繰り返し行う単元構成を取り入れた授業を実施した。
 具体的な手だては以下の2点である。
1 ドリブルの技能の簡易化
 ドリブルの技能を簡易化するためのルールを工夫した。「ボール保持者はボールを持ったまま動いてよい」というルールである。更に、「ディフェンスにタッチされたら、その場に止まらなければならない」「タッチされたらパスしかすることはできない」というルールを設定し、ワンマンプレーが出にくいようにした。
2 タスクゲームとメインゲームを繰り返し行う単元構成
 3対3のメインゲームを基本として毎時間行った。タスクゲームは3対2のアウトナンバーゲーム(攻撃者が守備者より多い)や2対2のイーブンナンバーゲーム(攻守の人数が同数)を行い、そこで培った状況判断の力をメインゲームで発揮できるようにした。
 この二つの手だてにより、ボールを持っている時、ボールを持っていない時の状況を判断する力が高まり、よい動きを引き出すことができると考えた。

<引用・参考文献>
アウトナンバーゲームを取り上げることの意味は? 鬼澤陽子 体育科教育 2009年
ボール運動の教材を創る 岩田 靖 2016年

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「教育実践」
MTM・条件付きゲーム・サポートプレー・チーム内ゲームを取り入れた ボールを受けるための動き方の学習
−主体的で対話的な深い学びでのサッカーの学習を通して−
三条市立一ノ木戸小学校
古田島 正人

  学習指導要領でも、「ボール操作」と「ボールを受けるための動き」が明示されている。しかし、これらの技能をゲーム中にいつ、どのように使うのかという状況判断が適切でないと、実際にはゲームに実質的には参加しにくい。学習指導要領では、「ボールを受けるための動き」の知識(戦術)が具体的に明示されていない。そのため、教師は指導方法が難しいのだと考えられる。
 そこで、自分自身のサッカー指導者ライセンス取得の経験も生かし、平成23年度〜27年度の実践を通して、児童が「ボールを受けるための動き」を少しでも自然に身に付けられるための工夫として、児童と作り上げた「条件付きゲーム」の様々な条件を考え、担任した4〜6年生の児童で実施してきた。その数年間の中で、効果的な条件をいくつか見付けることができた。そして、今まで教師(私自身)がゲームの中の児童のボールがない動きを見て、必要な条件を加え、条件付きゲームを実施してきた。
 本研究は、これまでに作り上げた条件付きゲームを活用して、児童自身がゲーム分析をし、課題を見付け、必要な条件ゲームを取り組むことで、チームとしてボールを受けるための動き方・味方への協力の仕方を主体的に対話的に学ぶことができるか、また、サッカーに限らず別のゴール型ゲームでも効果があるかどうかを以下の手だてを講じ、取り組んでいる。
1 条件付きゲーム:A〜Iの条件をゲームに取り入れ、ボールを受けるための動きを身に付ける。
2 条件付きゲームの説明書:身に付けるべき力や学ぶべき内容、学び方を見通す「学びの地図」としてこの条件付きゲームの説明書を活用する。活用を通して、自分たちのチームの課題を解決するために、仲間同士の関わりを深め、児童の主体的・対話的な学びを支援する手だての一つとして条件付きゲームの説明書を取り入れる。
3 チーム内ゲーム:競争のみが意識されないように、競争刺激を緩和することやチーム力向上に意識をもたせることを目的で「チーム内ゲーム」という手だてを用いる。ゲームをするときは、チーム内で、メンバーを考え、ゲームをする。毎回のゲームでの課題解決のために、チームのメンバー構成を考えることが「何を学ぶか」に加えて、「どのように学ぶか」を視点に授業に取り組むことができる。
4 サポートプレーの意識付け:「サポートプレー」と名付けたものを意識させる。「サポートプレー」とは、@相手のいないところへ動いた。Aボールをもらいに動いた。B仲間に動き方やプレーについてアドバイスしたことを意味する。自己評価の一つとして「自分の動きがチームのサポートになっているか」という視点をもちながら、ゲーム後に振り返りを繰り返し、ボールを持っていない時の動きを児童自身が意識・判断でき、より動きの向上を図るために「サポートプレー」を導入した。毎回の授業で使用する学習カードの振り返りや条件付きゲームを選ぶ判断材料として「サポートプレー」を意識づける。そのことを通して、児童自身が「何ができるようになるか」の視点で授業に取り組むことができる。また、この「サポートプレー」が、ボールを受けるための動きを身に付けるという一つの目標と評価の観点を一致させる工夫の一つとしている。
5 M-T-Mメソッド(マッチ・トレーニング・マッチ)の活用:課題解決のための方法の一つとして、M-T-Mメソッドを手だてとして取り入れることとした。M-T-Mメソッドとは、Match-Training-Match という意味がだ。まず、ゲーム(Match)を行う。その試合の中から自分たちの課題を見付け、その課題を解決するために、ドリル練習を行ったり、作戦を考えたりする(Training)。そして、それを反映させた試合(Match)を行う。このような練習スタイルのことをM-T-Mメソッドと言う。
 以上の手だてを講じ、ボールを受けるための動き方・味方への協力の仕方を主体的に対話的に学ぶことができる。

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「教育実践」
「倒立」を中心にしたマット運動指導
加茂市立加茂小学校
杉山 豊和

  マット運動は、一人一人が自分の能力に応じ、いろいろな回転技や倒立技に挑戦し、できるようになったときに大きな喜びや楽しさを味わうことができる。回転技では、足でマットを強く蹴ることで勢いを強めたり、両手の押しを利用して技の終末で「しゃがみ立ち」や「開脚立ち」になったりすることが重要だ。倒立技においては、逆位の姿勢になった自分の体を腕で支持することが重要となる。つまり、マット運動では、「腕支持感覚」「逆さ感覚」などの運動感覚と、「足で強く蹴る」運動技能が求められる。
 そこで、これらの運動感覚と運動技能を養うために、単元の中心技を「倒立」と位置付け、単元を通して「倒立」の練習に取り組ませた。「倒立」の練習を通して、次のことが身に付くと考えたからだ。@勢いよく脚を振り上げるための「足の強い蹴り」。A自分の体をしっかりと支えるための「腕支持感覚」。B日常生活ではあまり経験しない「逆さ感覚」。
 本研究では、児童が「前転」「開脚前転」「後転」「開脚後転」「壁倒立」「側方倒立回転」の6つの技を基本的な技として取り上げ、これらの技を児童が安定して行えるようにすることを最終目的とする。そして、それを達成するために「倒立」の練習をさせた。「倒立」の練習を通して、基本的な技の技能が向上するのかについて、次の仮説を立てて検証した。
<研究仮説> 
 『マット運動において、「倒立」の練習に取り組ませることで、「腕支持感覚」「逆さ感覚」などの運動感覚や、「足で強く蹴る」などの運動技能が養われ、基本的な技(「前転」「開脚前転」「後転」「開脚後転」「壁倒立」「側方倒立回転」)の技能が向上するだろう。』
 主な手だては次のとおりだ。
1 感覚つくりの運動
 授業の導入で、手で体を支えたり、腰や脚の位置を高くしたりする運動遊びを行った。具体的には、「台に足を乗せてその場回り」「川跳び」「手でジャンプ」「手と足でジャンプ」「手押し車」「補助つき斜め立ち歩き」「かえるの足打ち」の7つの運動を取り上げた。
2 「倒立」の習得に向けた系統的な学習
 「背支持倒立」、「かえるの逆立ち」、「頭倒立」「壁(肋木)登り倒立」「壁倒立」「補助倒立」「倒立」など、難易度の異なる様々な倒立を児童に紹介し、倒立の習得に向けて系統的に練習させた。単純な技(易しい技)から複雑な技(難しい技)へとできるだけ細かなステップの課題を示し、児童が自分の技能の進歩を僅かでも感じられるようにした。
 これらの手だてにより、補助倒立も、倒立も、安定して行うことができた児童数は増加した。倒立の練習に当たっては、細かなステップの課題を設定し、児童が倒立を系統的に学習できるようにした。マット運動が苦手な児童も次のステップに向けて意欲的に練習を重ねていたことから、スモールステップの学習は、児童の能動的な練習を促したことが分かる。感覚づくりの運動や、系統的なスモールステップの学習が、児童の倒立の技能を向上させることにつながったと考えられる。
 単元後に行った技能調査では、しっかりと両手を着き、マットを強く押しながら立ち上がったり、伸ばした腕で体を支えながら、腰や脚を高く上げることができる児童数が増加した。倒立の技能向上に伴って養われた運動感覚や運動技能が生かされることで、基本的な技の技能も向上した。

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「教育実践」
攻撃する楽しさを味わわせるベースボール型の指導の工夫
長岡市立栃尾南小学校
三膳 利光

  私のこれまでの実践では、ルールや教具の工夫によって全員が参加できるゲームは成立したものの、一部の児童が攻撃において楽しさを感じられていない実態があった。ティーボールを採用することによってボールを打つことはできても、思うような打撃ができずに得点につながらないことが主な要因であった。どの児童にもベースボール型のボール運動の楽しさを味わわせるには、守備中心の学習ではなく、攻撃中心の学習を進めていくことが有効であると考えた。本実践の手だては、以下のように行った。
1 打撃技能を高める指導の工夫
 バットなど用具を使ってボール操作するボール運動は、限られた種目しかない。そのためその操作に慣れている児童も少なく、技能差が大きいのが現状である。この差を埋めるためには、限られた時間の中で一人あたりの練習量を増やすことが有効だと考えた。そこで、新聞紙とガムテープを使って作成したバットやボールの使用、ボールを確実にとらえるためのひも打ち練習、授業始めの10分間をローテーション練習とする帯時間の設定などの工夫を行った。
 また、練習時に意識すべき打撃技能向上のポイントを、良い姿や振り返りから拾い上げて全員で共有し、児童がより主体的に取り組めるようにした。
2 より多くの得点をとる攻撃を考えさせる授業展開 
 これまでの実践では、遠くに飛ばすことができても得点につながらず、楽しさが感じられない児童も見られた。そこで、より多くの得点を取るにはどんな攻撃をしたらいいか、という学習課題を設定し、チームで対話しながら攻撃の作戦を考える時間を設定した。相手の守備位置やアウトゾーンの位置を確認できる作戦ボードを使用し、より視覚的に作戦を共有できるようにした。

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「サークル活動」
体育科学の会
新潟市立新潟小学校
高野 義友

 当サークルは平成19年度に発足し、体育授業を科学的に研究することを目的とした会です。科学的な分析の仕方や専門的な知識を得るために、大学の先生方からもご指導をいただきながら活動しています。
 会員一人一人が、研究発表を行うための授業実践力や研究デザイン力を身に付けることをテーマに活動を行っています。月1回の活動では、小グループでの授業実践についての検討や、研究のまとめ方についての検討、発表方法の検討などを行っています。年度末には、サークルの全会員による個人研究発表会を行っています。また、大学の先生を講師としてお迎えし、研究の組み立て方や統計分析に関する研修も行っています。そして、サークル活動の成果を発信する取組として、新潟県体育学会や日本体育学会等での発表も行っています。
 新潟市のみならず、新潟県、全国にも「体育科学の会」の会員による実践、研究が広く知られるようになってきています。会員一人一人が体育授業に対する情熱をもち、児童生徒たちの成長のために意欲的に活動しています。

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「サークル活動」
体育サークル「未来」
新潟市立木戸小学校
野上 丈成

 新潟市、五泉市を中心に勤務されている方々が、運動好きな児童生徒をはぐくんでいこうと、授業力を高め合っています。主に、新潟市江南区を会場に活動しています。
 今年度の研究テーマは「児童生徒の健やかな成長を促す体育科の役割〜進んで運動する児童生徒を育てる体育経営・授業実践の在り方〜」です。会員一人一人が個人テーマを設定し、授業実践を行い、児童生徒の動きを高めるための手だての有効性などを検証しています。
 月一回の研修会では、実践発表や研究発表の検討、公開授業の指導案検討、研究会の参加報告などを中心に行っています。その中から、日々の体育経営や体育授業に使えるアイディア、教材・教具についても学び合っています。
 運動好きな児童生徒をはぐくんでいくために、よりよい体育経営や体育授業について一緒に考えていきませんか。

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「サークル活動」
子どもの健康・体力を語る会
新潟市立下山小学校
阿部 敏也

 新潟市連合会サークルに所属する、体育サークルです。体育授業の充実こそが児童生徒の体力向上、及び健康増進につながると捉え、授業実践を基に研修を進めています。
 『楽しく学ぶ体育授業 〜「できる」「わかる」「かかわる」学習を通して〜』を共通テーマに、学習指導案や授業実践のまとめ等を持ち寄り、会員同士の意見交換を通して切磋琢磨しています。サークルから大学院修了者、新潟市マイスター、スーパーティチャー等を多く輩出しており、人材が豊富です。体育専門の立場から、適切なアドバイスを受けられるので、とても勉強になります。
 近年、メンタリング(経験を積んだ教師〔=メンター〕が若手を育成する制度)の考えに依拠し、若手会員の「授業力」や「実践を学術的にまとめる力」の向上を目指してチームを編成し、継続して支援をしています。また、最新の情報を手に入れる手段として、大学の教員を講師としてお招きし、講演会や実技講習会等も行っています。
 体育に興味がある方、体育を勉強したい方、大歓迎です。

 

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「サークル活動」
トキ体育の会
佐渡市立高千小学校
本間 智英

 佐渡トキ体育の会は、小学校教員で体育を専門とする人だけでなく、体育の指導が好きな人、学びたい人が集まるサークルです。
 活動は毎月1回程度、模擬授業を中心に指導力を高める研修を行っています。若手教員が模擬授業を行い、管理職等が指導をします。互いに多くのことを学ぶ場となっています。
 このほかにも、佐渡市の先生方を対象に「楽しい体育の授業づくり」研修会を開催し、本サークル会員が講師となって体育指導の提案を行っています。また、この「楽しい体育授業づくり」研修会には、佐渡市以外の体育サークルからゲスト講師を招くなど、他の地域の体育サークルとも交流を図っています。
 これからも佐渡市の体育指導の充実・発展のために、少しでも役に立てるサークルを目指します。

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「サークル活動」
体育の会
村上市立塩野町小学校
佐藤 隆一

 「体育の会」は、村上市・岩船郡を中心に活動しているサークルです。体育の授業を通して、児童の「生涯にわたって運動に親しむ意欲の向上」「思考力・判断力・実践力の育成」を図ることを目指しています。効果的な指導方法を体験をすることができる模擬授業や体育授業についての悩みを相談する会等を実施し、明日からの授業に使える話題をタイムリーに研修しています。

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「サークル活動」
北新体育学習研究会
新発田市立東豊小学校
高橋 祐二

 北新体育学習研究会は、今から30年程前に、北新地区在住で体育科の学習指導に情熱を傾けていた数名の教師が、自主的に集まり研修を始めたサークルです。その後、体育学習についての見識を深め、教師としての技量を高めたいと望む教師が数多く結集し、研修を深めてきました。現在の会員数は、70名を超えています。会では、次の三つの理想を掲げ、教育実践や人材育成に取り組んでいます。
○体育の学習指導についての研修を積み重ね、教師としての力量を高める。
○北新地域の体育学習改善の推進役となり、各校の体育学習の充実を図る。
○研修を通しての人とのかかわりを大切にし、豊かな人間性を深める。                          この理想の実現のために、月1回の定例学習会を行い、会員の実践レポートを検討したり、年1回、中央から講師を招聘し、代表者による授業研究会を開催したりしています。
 今後も、会員一人一人、この理想を大切にし自己批正しながら日々の実践を積み重ね、教師としての力量を高めていきたいと考えています。

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「サークル活動」
西蒲・燕体育研究会
燕市立分水小学校
亀山 正

 当サークルは、体育指導に熱心に取り組む会員の集まりで、会員数は33名、年間8回程度の活動を行っています。主な会場は、燕市立分水小学校です。
 授業実践者の指導案及び論文検討では、若手・中堅・ベテランが互いの立場で自分の意見を言うことで、日々の実践の情報交換のよい機会になっています。
 さらに、年に1回、会員以外の教員にも案内を配付し、実技講習会を開催します。過去にはチアリーダーのダンス講習会や長縄跳びの研修を行いました。参加した教員からは「役に立った。また参加したい。」という声も聞かれました。
 なお、年度末には、お互いの実践を研修誌としてまとめ、今後の指導に役立てています。当サークルは、体育学習における指導力を理論及び実践の両面から学びたい方、大歓迎です。ぜひお声かけください。

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「サークル活動」
三南体育サークル
三条市立大崎小学校
外山 良史

 本サークルは体育を中心として、教師の指導力向上を目的に今年度より活動を再開しました。小・中学校の若手からベテランがそろった、幅広いメンバーで構成され、主に授業実践の指導案検討や論文検討を行っていきます。また、体育の授業や体力向上への取組などの情報交換も行い、小・中学校の交流を通して、小中一貫教育における保健・体育指導についても研修を深めていきます。会員募集中ですので、興味関心のある方はお気軽にご連絡ください。

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「サークル活動」
中越体育研究会
長岡市立黒条小学校
小出 洋介

 中越体育研究会は結成41年目、歴史と伝統のあるサークルです。
 研究主題を「子どもの願いを生かした体育授業の創造」と設定し、研修に励んでいます。会員は中越地区を中心に、広範囲にわたって活動しているため、各地区に幹事を置き、連携を図りながら、質の高い研究実践に取り組んでいます。毎年、会員が授業実践や研究論文等を寄稿し、充実した内容の研修誌を発行しています。
 当サークルでは、@授業を見る機会の充実、A会員の支援体制づくり、B専門性を高めるための学習会の3つを大切にしています。そのため、会員の体育授業を参観したり、指導案や研究発表要項の検討を重ねたり、アスリートをお招きしてご講演いただいたりと、充実した活動が行われています。
 脈々と流れる伝統を踏襲するとともに、さらなる指導力向上を目指して積極的に取り組んでいます。

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「サークル活動」
魚沼体育の会
小千谷市立片貝小学校
坂井 正明

 魚沼・小千谷地区で唯一の体育の研修サークルで、20年以上の伝統があります。日々の実践や研究の情報交換を行うなど、着実な研修活動を進めています。また、若手は指導者から直接指導を受けながら研修を深めています。
 本年度の活動は、「明日から使いたくなる指導法」を学ぶことです。講師を招いた実技研修会を中心に、小中会員が互いに指導法を磨き、授業力向上を目指します。1月にクロスカントリースキー実技講習会を行い、2月には会員の体育実践を集約した冊子を作成予定です。小学校、中学校、特別支援学校の様々な校種で活躍するメンバー同士が互いの実践を学んでいきます。

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「サークル活動」
妻有体育の会
十日町市立吉田小学校
田中 豪

 十日町市で体育授業の研究をしています。基本的に、1つのテーマで2年間の研究を行います。
 今年度は、中学校でのバレーボールについて研究します。妻有体育の会は、小学校での実践を多く行ってきました。その実践が中学校でも生かせるのかを研究します。研修会の内容は、指導案や授業実践の検討、本部発表に向けて要項とプレゼンテーションの検討を行っています。これまで重ねてきた研究の反省を生かし研修会を積み重ね、児童生徒の技能向上を目指していきます。多くの方と情報交換できればと考えているので、他地域の方の参加も大歓迎です。

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「教科等研究セミナー」
集団演技を取り入れたマット運動の取組
〜シンクロマットを通しての関わり合いから、個人技能を向上させる授業の工夫〜
加茂市立葵中学校
田中 伸一

  マット運動では、一人一人の挑戦する技の種類などに対応できるように場の設定を増やしたり工夫したりしてきた。しかし、マット運動はできるできないがはっきりしており、苦手意識が高い生徒も多く、新しい技をなかなか習得できない生徒も見られる。
 そこで、運動する意欲を高めるために関わり合いをマット運動に取り入れた。生徒は能力に関係なく、友達と関わり合いながら運動することを好む傾向がある。個人的な運動の領域であるマット運動も、仲間と関わり合う活動を取り入れることで活動意欲が高まり、主体的に練習に取り組むことが考えられる。また、運動量が増え、技能の向上が図れるのではないかと考える。
 本研究では、仲間との関わり合いを増やす工夫として次の手だてを講じる。
1 シンクロマットの導入
 シンクロマットは、マット運動の技を複数でタイミングを合わせたり、ずらしたりして行う運動である。シンクロマットの演技を創り上げるには、チームの仲間と話し合い、補助し合って協力するなど、関わり合う必要がある。チームの仲間とシンクロマットの演技を構成して完成させていく活動は、マット運動の苦手な生徒も活動の意欲が高まり、積極的に練習することで技能の向上につながると考える。
2 練習における場面設定の工夫
 授業では、部分練習コーナー、通し練習コーナー、ミーティングコーナーを設置して、ローテーションしながら練習に取り組ませていく。それぞれのコーナーで何をするのかを明確にして、チームの演技を構成していくための過程を踏ませていく。また、資料や映像を十分に準備して、必要な情報を随時得られるようにする。
3 焦点化されためあての提示
 シンクロマットの演技構成をより具体的に考えていけるように、シンクロマットの演技構成を考える小単元時に、具体的な動きを示しめあてを焦点化する。適切な情報を提示することで、完成演技を意識した適切な関わり合いが生まれ、よりよい演技構成を創り上げることができる。

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「教科等教育セミナー」
バドミントンにおけるコート縮小による影響と思考力・技術力の向上
新潟市立濁川中学校
相場 則男

  バドミントンの授業では、技能レベルの同程度の者でグループを作り、ゲームを行わせることが多かった。しかし、技能がともに未熟である場合は逆にゲームの質的向上は期待し難く、また種々の技能レベルの仲間とコミュニケーションが図れないこと等の問題が考えられた。以上のことから、限られた授業時間の中で技能的特性に触れるゲームの楽しさを味わわせ、ゲーム内容の質的向上を図り、技能格差のある学習集団での仲間意識を醸成するために、技能差を補うための工夫が必要と考えた。
 本研究では以下のような手だてを講じて解決に迫った。
1 コート縮小によるハンディキャップ制の導入
 通常コートでのゲームにおける点差の程度の違いを技能レベル差と見て、両サイドラインから内側30cmをカットしたコートと、面積を1/2にしたコートの2種類のハンディキャップコート制を導入した。
2 スキルアップゲーム
 ハンディキャップコート制を導入したゲームを「スキルアップゲーム」として、ねらった場所に正確に打つという課題をもたせた。技能上位者には狭いスペースに打つよりレベルの高いシャトルコントロール技能を求め、技能未熟者に対しては限られたスペースに飛んでくるシャトルを正確に打ち返す技能を求めた。
 実際の結果、コート縮小によるハンディキャップゲーム制の導入は、全ての生徒に楽しさを保障できるものではないが、ゲームの楽しさを向上させる可能性が高く、ラリー回数を増加させるた。ただし、コート縮小の割合や男女の対戦の仕方など工夫が必要だと感じた。「ねらった場所に正確に打つには」という課題をもたせたハンディキャップゲームは、ラリー回数の増加からシャトルコントロール技能を向上させ、ゲームの質的向上につながることが分かった。

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「教科等研究セミナー」
駅伝競走を取り入れた長距離走への取組
−仲間とのかかわり合いから意欲を喚起し、持久力を向上させる手だての工夫−
長岡市立刈谷田中学校
清水 孝

  私は意欲的に長距離走を行う手だてとして駅伝競走を取り入れた。様々な手だての中に仲間同士での励ましや応援によって生徒の意欲を喚起し、長距離走に興味や関心をもたせ、発展的な課題として、駅伝競走を行うことでチームとしての達成感や個人としての満足感を味あわせたいと考えた。
 本研究では駅伝競走を最終的な目標として、様々な手だてを工夫し、長距離走に対する嫌悪感を取り除き、生徒が意欲的に長距離走に取り組むことができるよう、次のような手だてを行った。
1 駅伝競走を取り入れることで仲間とのかかわり合い(応援や励まし)を感じ、自分の力を最大限発揮する。
(1)チーム状況に配慮したコース選択
 Aコース(第1走者)1.6km、Bコース(第2・3走者)1.1km、Cコース(第4走者)1.4kmを設定し、1チーム4名での駅伝大会を2回行い、1回目と2回目の記録を比較する。
(2)コース試走を兼ねた集団走による持久力の向上
 一番遅い生徒のペースに合わせ、チームとして集団走を行う。コースの状況確認や走り方のアドバイスを行い、駅伝競走大会へ向けた作戦を考えながら走るように指導する。
(3)プレ駅伝大会によるチーム力(結束力)の育成
 体育館でのプレ駅伝大会を行い、1周(100m)ごとのラップや周回数を仲間が教えてあげることで安心して走ることができる。また応援や励ましによってチームとしての結束力が高まる。
2 様々な取組過程を工夫することにより、長距離走に対しての苦しさや辛ささの軽減を図る。
(1) 持久力を高める適切な脈拍とペースタイムの設定
 体育館で実施。1周100mのコースで、120回〜140回/分の脈拍数まで上げ、持久力向上に適したペースをつかむ。(5分を3セット、計15分実施)
(2)ウォーミングアップの工夫
 ウォーミングアップ時に100mを何秒で走っているかをスポーツタイマーで確認したり、ペース表を用いて、自分のペースを把握させたりする。終了後必ず脈拍を測り、120回〜140回/分の脈拍で走ることができたか確認する。
(3)学習カードや長距離記録表、ペース表、駅伝作戦シートなどにおける意欲喚起の工夫
 個人やチームの課題を共有する資料として、それを基に技能の向上や結束力を高める。より駅伝競走への興味・関心を引き出すことで、長距離走への意欲喚起につなげる。
 様々な手だてを実践することによって、長距離走をただ単に長距離を走るだけの苦しいスポーツでなく、ペースを考えて走ってみたり、フォームを考えて走ったり、仲間の応援や励ましによって苦しくても頑張って走ったり、様々な走り方を経験することでほとんどの生徒が長距離走に意欲的に取り組むことができた。そこには生徒の達成感や満足感があったのだと考える。今後も体育授業では集団の力を学ぶ力(興味・関心・意欲)に変えて他の単元でも実践していきたい。

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「教科等研究セミナー」
思考と技能を大切にする体育授業
〜思考の見える化によって技能の向上につなげる実践を通して〜
新潟市立曽野木小学校
増井 英輔

  体育が好きな児童は多いが、器械運動では思い通りに体を動かせないことや回転することへの恐怖感や不快感からあまり好んでいないという児童もいる。そこで、まずは、児童が器械運動の動きのおもしろさを感じられるような学習課題を工夫していきたい。そして、その中で感じたコツ、手本や友達の試技を見て感じたコツを気付きとして意識させ、自分の体をコントロールするためには、どのようなことに気を付ければよいのかを児童一人一人に考えさせ、技能の向上につなげていきたいと考えている。
 そこで、「器械運動について、自分たちの課題をとらえ、全体でのこつの共有化や視聴覚教材の活用、小グループでの連想シートを使った学び合いをすることによって、課題を解決させるポイントが分かり、そのために必要な技能を身に付けることができるだろう。」という研究仮説を立て実践を行った。
 次の4点の実践からその検証を行った。
1 連想シートを使って、動きの「感じ」→「気付き」へ技のコツを追求させる。
 児童には、目標とする技が何となくできた、できなかったではなく、しっかりと意識した
動きの中で「できた」を感じてほしい。そのため、技に対して、どのような点に気を付ければうまくいくのかを意識させる必要がある。そこで単元を通して、連想シートを使い、練習の中で感じたことをどんどん連想させていき、うまくいった動きをコツ(気付き)として追求させたい。その際、うまくいかなった動きも大切にし、自分はどのような動きをして、どうだったのかという練習内容全体を「見える化」させていく。
2 視聴覚教材によるお手本を提示する。
 技のイメージをもたせるため、児童には動画によるお手本を提示する。お手本を見ることにより、どんなところに気を付ければよいのかを視覚的に理解できる。また、動画であるため、気になる局面に着目し繰り返し見ることができたり、スローモーション機能を活用したりすることもできる。また、連想シートとあわせて提示し、練習だけでは気付かないコツを見付ける手段としても活用していく。導入時だけでなく展開時でも児童が自由に操作し、確認できるようにする。
3 練習内容をステップ化して提示する。
 学級の実態に即して、練習内容をスモールステップしたものを学習カードとして提示す
る。いきなり技の完成を目指すのは難しいが、少しずつ技が完成に近づいていくというプロセスを経ることで達成感を得ることができる。また、技の局面や部位を限定して示しているので、連想シートとも関連させることができ、コツを見つけるために有効な手段であると考えられる。チェック項目を「できた」「いつでもできる」「友だちのOK」という3項目設定し、自己評価だけでなく、他者評価させることにより、他の人の技を見る機会も意図的に設定する。
4 4〜5人の小グループごとに練習をさせ、ミニ先生を配置する。
基本の形として練習の形態を4〜5人の小グループで行うものとする。その中で、技を上手にできる児童をミニ先生として配置する。また、グループ内にミニ先生がいない場合は、他のグループから自由に行き来させ、グループに1人以上ミニ先生を配置できるようにする。ミニ先生には「どのようなポイントに気を付ければ技が上手にできるのか」「教えたポイントで有効だったものは何か」を意識させ、それ以外の児童には「教えてもらったポイントで有効だったものは何か」を意識させ、連想シートを記入していくように声を掛ける。

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「教科等研究セミナー」
体つくり運動において、技能と仲間同士の信頼関係を高めるための関わらせ方について
新潟市立上所小学校
室橋 辰宏

  学力や体力の向上を図るには、土台となる学級が、児童同士、担任と児童による信頼関係によって支え合う雰囲気で満たされていなければならない。信頼関係を築くには、温かい言語活動による交流が大切である。また、身体感覚を伴う経験を、学級全体または小グループ単位で味わわせることも大切である。体育科の授業は、協働する場面が多く、達成度の確認も児童にとって分かりやすい。
 そこで、体育科の授業を通して、技能の向上を図りながら学級力を高めていくために、グループによるスモールステップを設定したチャレンジ学習を取り入れる単元構成を試みた。
1 6学年における、ダブルダッチへのチャレンジ学習
 高学年であっても運動能力に差があるため、ダブルダッチを成功させることは難しい。そこで、さまざまな長縄の運動から、徐々にダブルダッチへとチャレンジしていく単元構成にする。ダブルダッチの学習場面では、教える部分(どの場所で踏み切るか・どちらの足で着地するか)と、児童に考えさせる部分(どの縄がどこを通過したときに入ればよいか)を分けて授業を構成した。
2 1学年における、スモールステップのペア・グループによるチャレンジ学習
 道具を操作する運動遊びで、主に長縄跳びの8の字跳びができるようになるために、タイミングを友達と合わせるスモールステップでの活動を通して、技能の向上を図ると共に、友達同士の信頼関係の向上も図る。友達のことを考えて自分のもっている道具を操作しないと成功しない。友達と一緒に掛け声を合わせて、動きをそろえないと成功しないような活動を、スモールステップで取り組む。また、どのような声掛けが必要か、声掛けのどのタイミングで動くとよいかなど考えさえ、成功体験を共有できる授業を構成した。
 どちらの活動においても、友達と力を合わせること、タイミングを合わせることの気持ちよさを味わうことができ、そのことが信頼関係の構築にもつながった。学級の雰囲気もよくなり、どの学習にも意欲的に取り組むことができる学級集団に成長することができた。
 今後も体育の学習を通して、児童同士、担任と児童の信頼関係を構築するために、「声や動きを合わせる」「友達のことを考えて動く」などの活動を取り入れた授業構成・単元構成や学習形態の在り方を追求していく。

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「教科等研究セミナー」
教え合いは「できた・分かった」を増やし、「楽しさ」の向上につながるか
佐渡市立河崎小学校
小田 俊裕

  「すべての児童が運動を好きになってほしい。」この願いはすべての教師がもっているものである。しかし、技能面での「できる」「できない」がはっきりしている体育科においては、運動嫌いの児童が少なからずいるのが現実である。私は体育授業の中で「できた」だけでなく「分かった」という体験を児童がすることによって、運動好きの子どもが増えると考える。そして、子どもたちの「できた」「分かった」という気持ちは友達との関わり合いの中でこそ生まれるものであると考え、体育授業の関わり合いを活性化するための手だてを模索する。今回の研究では高学年「器械運動」の実践において、次の手だてを検証した。
1 確かな運動技能を身に付けるために
 マット運動で行う様々な技ができるためには、その基となる基礎感覚が必要である。繰り返し経験させ、基礎感覚を養うことが、マット運動における技能の向上へとつながる。本単元では毎時間基礎感覚づくりの運動に取り組ませ、そこで身に付けた感覚や、動きのコツを技の練習に生かせるようにした。
2 友達との関わり・学び合いを活性化するために
 単元を通した小グループでの学び合いを取り入れた。グループ内でのめあての共有や見合う際の視点の共有を行い、焦点化された教え合いができるようにした。また、技のポイントを明確にするためにコツを言語化して表現させた。それにより、学習の中での教え合いが活性化するようにした。さらに、学習作文で学びを表現させる活動を取り入れ、「分かった」ことを明確化し、次時の教え合いに生かせるようにした。
 学習の中で、児童は自らの見付けたコツを自分なりの言葉で表現し、友達と教え合い練習に取り組んだ。運動が苦手で、自分では技ができなくとも、友達の動きにアドバイスする姿も見られ、体育授業に対する「楽しさ」は向上したと言える。
 今後も他の領域で、児童同士が関わり合い、学び合えるための手だてを模索していく。

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「教科等研究セミナー」
思考を発展させながら、技能を向上させる体育授業
〜キャッチバレーボールとペースシャトルラン(体つくり運動)の実践から〜
村上市立神納東小学校
小野 浩由

  体育授業において大切にしたいことは、児童が「その運動の何を、どのように身に付けるのか」ということである。そのためには、教師が、課題に応じた運動の取組方を工夫する課題解決的な学習を展開する必要がある。これが充実した体育授業は、児童自らがチームや個人の課題の発見、課題に向けた運動の場や練習方法を工夫し、グループでの活発な意見が飛び交うだろう。そして生き生きと学習することで、技能を高めていく。それは決して児童任せなのではなく、そこに至るまでに技能に対しての基礎的知識を基盤として、考え、工夫するための思考が発展していくからであると考える。
 そこで、本研究では、ボール運動(キャッチバレーボール)と体つくり運動(ペースシャトルラン)の領域において、思考を発展させながら、技能を向上させる体育授業を求め、次の2つの手だてからその解決に迫った。
1 「関連付ける」「関係性を見付ける」「序列化する」3つの活動を、毎時間サイクルで行うこと
 児童はその運動の何をどのように身に付けたらよいのか知識が十分ではない。そこで、教師から児童に、戦術的・技術的な気付きに必要な新たな知識や発問を与えた。そして、児童にこの新たな知識と既習の知識を組み合わせて、作戦や練習方法を考える時間を与えた。このように知識を関連付け、組み合わせて考える活動を3つに分類し、「関連付ける→関係性を見つける→序列化する」ことを、毎時間サイクルで繰り返した。すると、児童は作戦や練習方法をより高次なものにし、思考を発展していった。
2 ゲーム様相や身体への気付きの発展段階を想定した学習内容の単元計画を設定すること
 より思考を発展させていくためには「何について考えるのか」「どのように考えるのか」「何を結び付けるのか」の具体的な発問が重要であると考えた。そこで、キャッチバレーボールの単元では、ゲーム様相の発展段階を想定し、単元計画を立てた。例えば「ボールコントロール」と「アタック」の動きを結び付ける=攻めを組み立てる段階などである。
 ペースシャトルランでは、身体への気付きの発展段階を想定した。「ペース」→「リズム」→「フォーム」を身に付ける段階を想定した。
 これらの段階に合わせた課題をそれぞれの単元で設定し、指導した。 
 これら2つの手だてにより、児童は、毎時間学ぶべき内容を明確に捉え、思考を発展させながら、技能を向上させていくことができた。

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「教科等研究セミナー」
伴奏と集団演技を通して、思考と技能を高めるマット運動の指導
新発田市立外ヶ輪小学校
澤 元

  私は、マット運動において以下の二つの手だてを講じることで思考と技能が高まると仮説を立て、実践研究を行った。
手だて1 「技のイメージとリズムを言語化した口伴奏を提示し、選択・発展させる」
 子どもたちに口伴奏を二つ提示した。開脚前転では「ピン(脚を伸ばす)、パカ(開脚する)!バン(力強く着手する)」と「ピーン(脚を伸ばす時間を長くする)、パカ!バン!」の二種類を提示し、脚を開くタイミングを思考させた。声を掛け合いながら練習し、回転の後半に脚を開いた方が勢いがつくことに気付いた。また、技のポイントを意識し、思考しながら運動している姿が見られた。
手だて2 「身に付けたい技や発展的な技を集団で行う場の設定」
 口伴奏を用いて練習する段階と音楽に合わせて即興で集団演技を行う場を往還的に行った。音楽に合わせて心と体を開放的にした状態で行うことで、意欲が高まり、技能の定着だけでなく発展的な技(バンという口伴奏を無くし、着手なしの開脚前転や仲間とシンクロさせた開脚前転)に取り組んでいる姿も見られた。
 子どもたちは口伴奏を通して思考し、そのよさを実感していた。また、形成的授業評価や教師の見とりからも技能の高まりが見てとれた。
 2年目も同様の手だてで、倒立前転、伸膝後転で実践を行った。今後も、他の学年や他の技での実践を積み重ねていく。

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「教科等研究セミナー」
低学年「ボール投げゲーム」における技能を高める授業の工夫
〜第2学年「シュートボール」の実践を通して〜
五泉市立愛宕小学校
大関 一教

  新体力テストの結果から、依然として小学校高学年から中学校の「ボール投げ」の項目において落ち込みが見られる。また、低学年児童のボールの投げ方を見ると、投げる腕と同じ方の足が前に出る児童や、両足が平行となって前後に開かない児童が多くいる。このような実態から、低学年期から「投げる・当てる」という楽しさを十分に味わわせ、中学年・高学年につながる「ボール運動」の技能の基礎を養わせたいと考えた。そこで、低学年「ボール投げゲーム」において、次の3つの手だてを行った。
1 運動の場の工夫
 コーンや壁に向かってボールを投げたり、チームでパスを回したりするドリルゲームで、投げる場や活動時間を十分に確保する。その中で、ボールの投げ方・捕り方の指導を継続して行う。
2 ルールの工夫
 4対3のアウトナンバーになるゲームを設定し、攻める側が有利となって得点しやすいようにする。その中で、児童一人一人の投げる機会を増やすために、チームの全員が得点できたら「ボーナス得点」を与える。
3 作戦の提示、学習カードの活用
 作戦(おとり、速攻パス、山なりパス)を提示し、その中からチームの力に合ったものを選ばせ、練習したりゲームをしたりする。また、学習カードを活用し、1単位時間の学習を振り返らせる。
 実践の結果、児童に「投げる・当てることの楽しさ」を実感させ、「ねらったところに力強く投げる・当てる」という技能を向上させることができた。また、投げ方の指導と楽しみながら繰り返し投げる遊びを通して、投動作の向上につながった。

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「教科等研究セミナー」
「倒立」を中心にしたマット運動指導
加茂市立加茂南小学校
杉山 豊和

  マット運動は、一人一人が自分の能力に応じためあてをもちながら、いろいろな回転技や倒立技に挑戦し、できなかった技ができるようになったときに大きな喜びや楽しさを味わえる運動である。
 回転技においては、足でマットを強く蹴ることで回転の勢いを強めたり、両手の押しを利用して技の終末で「しゃがみ立ち」や「開脚立ち」になったりすることが重要となる。倒立技においては、逆位の姿勢になった自分の体を、自分の腕でしっかりと支持することが重要となる。
 つまり、マット運動では、「腕支持感覚」「逆さ感覚」などの運動感覚や、「足で強く蹴る」などの運動技能が求められる。
 そこで、これらの運動感覚や運動技能を養うために、単元の中心技を「倒立」と位置付け、単元を通して「倒立」の練習に取り組ませることとした。「倒立」の練習を通して、@勢いよく脚を振り上げるための「足の強い蹴り」が身に付いたり、A自分の体をしっかりと支えるための「腕支持感覚」が養われたり、B日常生活ではあまり経験しない「逆さ感覚」に慣れさせたりすることができると考える。
 本研究では、児童が「前転」「開脚前転」「後転」「開脚後転」「壁倒立」「側方倒立回転」の6つの技を安定して行えるようにすることを最終目的とし、それに必要な運動感覚や運動技能を養わせるために行う「倒立の習得」を中間目的とする。
 そして、次の仮説を立てて検証することとした。
<研究仮説> 
 『マット運動において、「倒立」を中心にした単元を構成することで、「腕支持感覚」「逆さ感覚」などの運動感覚や、「足で強く蹴る」などの運動技能が養われ、倒立や倒立以外の技の技能が向上するだろう』
 主な手だては次の通りである。
1 感覚つくりの運動
 主運動の「倒立」につながる感覚つくりの運動として、「台に足を乗せてその場回り」、「川跳び」、「手でジャンプ」、「手と足でジャンプ」、「手押し車(補助つき斜め立ち歩き)」、「かえるの足打ち」の6つの運動を取り上げる。
2 「倒立」の習得に向けた系統的な学習
 「背支持倒立」、「かえるの逆立ち」、「頭倒立」、「壁(肋木)登り倒立」、「壁倒立」、「補助倒立」、「倒立」など、難易度の異なる様々な倒立を児童に紹介し、倒立の習得に向けて系統的に練習させる。
 本研究では、児童の技能調査、学習カード(振り返りの記述・形成的授業評価)、教師の見取り(行動観察・発言など)をもとに研究仮説を評価する。

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「教科等研究セミナー」
水泳における一斉指導充実のための工夫
〜正しい姿勢を意識したドリルと教え合いの実践〜
十日町市立吉田小学校
田中 豪

  学習指導要領では、「自由形や平泳ぎで続けて長く泳ぐこと」を目標にしている。自学級の実態として、50mを泳ぐことができる児童は多い。しかし、50mを泳ぎ切った時点で体力を使い切っている児童が多い。技術的な要因として、正しい姿勢が身に付いていないため体が沈み、ひとかきで進まないことが挙げられる。
 また、自身の授業実践上の課題として、児童が、「なぜ泳ぎ続けられないか」について考え、自分の泳ぎを見直す経験が不足していた。
 そこで、「自ら正しい姿勢を意識して、長く続けて泳ぐこと」を目指して、本研究テーマを設定した。正しい姿勢とは、「ストリームラインに限定しない、水面に体が真っ直ぐに浮いている状態」とする。
<研究の取組>
 本実践では、以下の2点の具体的な取組を行った。
1 泳ぎのポイントの共有化
 「どうすれば正しい姿勢で泳ぐことができるか」のポイントを提示した。児童同士が泳ぎのポイントを共有し、教え合いが成立するようにした。また、泳ぎのポイントをもとに、自分の泳ぎを見直すことができるようにした。
2 「正しい姿勢」を意識させる練習メニューの提示
「50mイルカ跳びの回数」「50m自由形で心拍数を計測する」「ストローク数を数える」など、正しい姿勢が身に付くと、数値や回数が少なくなっていくメニューを提示した。具体的な「数値」という指標を用いることで、児童が自ら正しい姿勢を意識できるようにした。
<成果>
 上記2つの取組を繰り返し行うことで、正しい姿勢を身に付け、長い距離を泳ぐことができるようになるとともに、タイムも縮めることができた。

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「教育実践」
なわ跳びの技能を向上させる授業に関する研究
〜効果的なBGMのある場を取り入れた実践〜
新潟市立巻北小学校
小林 優介

  短なわで二重跳びを行うには120回/分の速さで前回し跳びをする必要があると言われている。できる技を増やすためは前回し跳びの技能向上が必要である。
 これまでのなわ跳び指導では、児童一人一人の跳ぶ様子を見て、体の一部(手首、膝、足など)のよりよい使い方をアドバイスすることが多かった。個別指導中心で、学級全体に対する働き掛けが十分ではなかった。また、できる技を増やすことだけを意識するあまり、技の紹介や学習カードを活用した個人練習に注力し、跳び方の精度を高める指導をしてこなかった。
 三宅一郎は「BGMが運動技能獲得時に及ぼす影響〜縄跳び運動において〜」(2002)の中で保育所の5歳児を対象に、「運動速度に適していると思われるBGMを有効に活用しながら練習を実施することによって、より効果的な技能の獲得が可能になる」と述べている。
 そこで、小学校低学年でBGMを活用した学習を進めた。その際、適切なテンポの選択が指導上重要なポイントと言える。本実践では、4カ所に異なるテンポ(80回/分、100回/分、120回/分、140回/分)のBGMが流れる場を設定した。
 どのテンポのBGMにも合わせて跳べるようになった児童は単元前と単元後の前回し跳びを比べると、跳んだ回数が増えた。その要因として、手首の回旋範囲が狭くなったり、ジャンプの高さが低くなったりしたことが考えられる。異なるテンポのBGMを授業に取り入れることで個別に指導しなくても、効率的ななわ跳びのフォームが身に付き、前回し跳びの技能を向上させることができた。
 今回の実践では、前回し跳びの技能について効果を検証したが、BGMを使うことで短なわでの他の効果についても追究していきたい。さらに、他の運動でBGMを活用した場面を設け、その効果を検証していく。

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「教育実践」
確かな技能の向上と思考を促す授業づくり
〜1年生 マットを使った運動遊びを通して〜
新潟市立越前小学校
我妻 善和

  小学校学習指導要領解説体育編より、「積極的に運動する子どもとそうでない子どもの二極化」が改善すべき事項としてあげられている。子どもたちが、体育授業においてどのようにすれば意欲的に運動に取り組み、そして、技術の向上につながるかが課題であると考える。そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 ストーリー性を盛り込んだ授業構成
 子どもの意欲向上につなげるため、マットランドの大冒険というストーリーを作り、マットランドを制覇していくという内容で授業を進めた。各ランドは設定された運動をすることでポイントを得ていくという内容にする。高いポイントを得るために、児童相互でアドバイスをして、動きのポイントを探っていく場を設定した。
 動きのポイントを探る際は、全体でポイントを共有しながら自分の言葉でまとめさせ、動きの宝箱にして掲示をしていった。
 自分たちの動きを高め、マットランドを制覇していくおもしろさを設定し児童の意欲の向上を図った。
2 個人に合っためあての設定
 毎時間、「でわかカード」を書かせ、「できたこと」「わかったこと」「かんそう」を記録させる。その中から、次時のめあてを決めさせる。自分にあっためあてを設定することは、意欲の向上につながり、できた時の喜びにつながると考える。
 また、「でわかカード」を記録する時に、自分の動きを言葉で表現させる。言葉にすることで、イメージをもたせ、目指している動きをさらに明確にできると考える。
 自分の動きを振り返り、また足りない部分をグループでアドバイスさせることで技術向上を図った。
 低学年から、「運動は楽しい」と思わせることが大切だと考える。そのために、楽しみながら運動能力が向上できる体育授業を今後も研究していく。

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「教育実践」
跳び箱運動「かかえ込み跳び」の学習における「うさぎ跳び」の有効性について
新潟市立鎧郷小学校
神子島 強

  高橋ら(2013)による器械運動に関する調査結果(24小学校の中学年・高学年1884名と、8中学校の1928中学生を対象)⁽¹⁾によると、開脚跳びと台上前転が70%の平均達成率であるのに対して、かかえ込み跳びの平均達成率は跳び箱横置きで60%、縦置きでは47%と報告されている。かかえ込み跳びの練習として「うさぎ跳び」が挙げられ、様々な文献で有効性が指摘されている。しかしながら、うさぎ跳びの動きの習熟度が、かかえ込み跳びの習得にどのように影響しているのかは明らかにされていない。本研究では、「うさぎ跳びの動きの質を高め、応用していくことで、かかえ込み跳びの技能が高まるであろう」という仮説のもとに、目指すうさぎ跳びの姿に近づけるための学習ステップ(ステップ1〜3)と、うさぎ跳びをかかえ込み跳びに応用させるための学習ステップ(ステップ4〜7)を用いた授業実践を行い、検証した。
 全7時間の授業実践におけるかかえ込み跳びの達成率は、横置き(3段50cm)で93%(27名)、縦置き(4段60cm)で62%(18名)であった。ステップ2にとどまった児童は4名、ステップ3にとどまった児童は2名であった。この6名以外の児童は、ステップ7までを滞りなく達成し、体の投げ出しと手の突き放しが大きいうさぎ跳びに近づいた。また、児童の内観記録からも、ステップ2〜5でうさぎ跳びの動きのコツをつかんだことが、その後のステップやかかえ込み跳びにつながったことが確認された。なお、第4時終了時点で学習ステップの中途にとどまった児童6名については、第5時から跳び箱の横跳び越しからの学習方法に変更して指導を行い、第6時で1名、第7時で3名が横置きでのかかえ込み跳びを達成した。
 これらの結果より、本研究で考案した学習ステップに基づく授業実践は、うさぎ跳びの動きの質を高め、かかえ込み跳びの技能向上につながるものであったと言える。授業でかかえ込み跳びを達成できなかった2名の児童の学習過程を検討し、学習ステップを充実させることが今後の課題である。
【文献】
(1)高橋健夫(2010)「体育科のナショナルスタンダード策定の試みとその妥当性の検証,科学研究費基盤研究A研究成果報告書」,pp.199−243

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「教育実践」
投力の向上及びネット型ゲームへの発展を想定した新教材の有効性
〜小学校1年生ゲーム領域におけるボールゲームの実践を通して〜
新潟市立新潟小学校
橋 正志

  子どもたちの運動能力の低下が言われるようになって久しい。特に投力は、低下及び個人差が著しい。そのため、高学年で行われるドッジボールやベースボール型ゲーム等の授業で「ボールを持っても投げようとしない児童の姿」が、よく見られることにつながると考える。また、ゲーム領域の系統的な学びを考えたとき、中学年のネット型ゲームへ発展するような低学年での教材がないという問題点がある。その結果、高学年で行われるソフトバレーボールの授業で「棒立ちでボールを見送る児童の姿」が、よく見られることにつながると考える。
 上記の2つの課題の解決を目指し、本実践では、主に次の3つの指導の手だてを講じた。
1 教具の工夫
 ボールの代わりに、ビニール袋に緩衝剤を入れた物(マシュマロボールと児童が命名)を使用した。通常のボールよりも落下速度が落ち、捕球するための落下地点への移動が容易となる。また、180cmのネットを越えて、ねらった所へマシュマロボールを落とすためには、肘を高く上げた状態から振り下ろして投げる必要性が生じた。
2 簡易化した規則の提示
 チーム戦であるが、コート内で1対1となる規則を提示した。相手が投げ込んだマシュマロボールを捕球し、相手コートへマシュマロボールを投げたらコート外で待つ同チームの人と交代する。これにより、全員に「投げる」「キャッチする」機会を保証した。
3 「動きのコツ」の共有化
 単元を通して、「投げるコツ」を問い、思考する場面を設定した。さらに児童の見付けたコツを全員で試した。投力の技能の向上と共に、単元の途中から、「キャッチするコツは何か。」を問い、思考する場面を設定した。「投げるコツ」と同様に「キャッチするコツ」を全員で試した。
 本実践の結果、投力の向上及びボールの落下点へ移動する動きの習得に、一定の成果が見られた。今後も、投力の向上とネット型ゲームへの発展を想定した新教材の開発を研究していく。

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「教育実践」
低学年の器械・器具をつかっての運動遊びにおける思考を伴う感覚づくりの工夫
〜オノマトペと運動の組み合わせを手だてとした鉄棒を使った運動遊び〜
新潟市立東山の下小学校
近藤 拓自

  器械運動領域においては、非日常的な運動で構成されているため、主運動につながる易しい感覚づくりの運動を行い、技を行う前段階としての基礎的な感覚づくりを意図的に取り入れていく必要がある。これまでの実践では、教師が様々な感覚づくりの運動を設定し、ゲーム化・得点化することで、子どもたちは楽しみながら運動に取り組み、その後の器械運動の技の習得に必要とされる多くの感覚を身に付けていくことができた。
 しかし、これまでの私の授業では、子どもたちが遊びの中で楽しみながら感覚を身に付けていくことを重点として捉えていたため、教師主導で運動を行わせることが多く、体育における思考する力を育てることに対しては意識が薄かったように思われる。そこで、低学年の「鉄棒を使った運動遊び」の授業において、思考する力を高める実践ができないかと考えた。
 本研究では、低学年の器械運動領域における思考を「自分の体の動かし方に目を向け、そのときの状態を簡単な言葉で表現できること」「自分の力に合った運動を選択し、遊び方を工夫すること」とし、それらを高める2つの手だてを考えた。
1 自分の動きをオノマトペ化する「まほうのことば」
 低学年のうちから思考をはたらかせながらよい動きを追究していくことができるように、自分の動き方の感じを「オノマトペ」で表現していく活動を取り入れていく。自分の課題となる運動のオノマトペを考えることで、体で感じた自分なりの運動のコツ(タイミング、力の入れ具合、体の動き)に目を向け、思考していく姿が見られると考えられる。
2 感覚づくりの運動を組み合わせて行う「変身鉄棒」
 感覚づくりの運動の組み合わせを考え、様々な動物に変身していく動きを発表する活動を組む。自分の力に合わせて動きを選択し、試しながら順序を考えることにより、感覚づくりの運動遊びを工夫しながら取り組み、思考する力を高めることができないかと考えた。
 これらの手だてにより、低学年の器械・器具を使った運動遊びにおいて、思考を伴った運動をする姿が見られた。

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「教育実践」
体育「表現」を苦手にしている児童が、自信をもって表現することができる指導
〜「アイディアボード」と三つの「間」の活用を通して〜
新潟市立葛塚小学校
本間 伸吾

  表現は、数値的な「できた・できない」の優劣がないため、運動が得意な児童もそうでない児童も自信をもって自己表現したり、活発にかかわり合ったりして取り組める魅力的な領域であると私は思っている。しかし、これまでの私の指導では、どう動けばよいか分からずに動けなくなり、表現を「苦手」と感じる児童が少なからずいた。その原因は「自分の動きが明確になっていない」「どう動けばよいかを思考する力が足りない」の2点であると分析した。そこで、本研究では、自分の動きを明確にさせるための「アイディアボード」と、よい動きについて思考を促すための3つの「間」の2点の手だてを取り入れて指導した。
1 「アイディアボード」について
 「アイディアボード」とは、ホワイトボードを活用して、自分たちが考えた表現の動きを記す教具である。「走る」「跳ぶ」などの基本的な表現の動きはあらかじめマグネット板にしておく。その他の動きは直接書くようにする。「アイディアボード」で動き方を考えたり動く順番を検討したりすることで、自分の動きを明確にすることができる。
2 3つの「間」
 3つの「間」とは、「空間」「時間」「仲間」のことである。これらを「低く⇔高く」「速く⇔遅く」「一人の動き⇔相手に合わせた動き」などと対比した変化のある動きとして意識させる。動きを工夫する時の視点を与えることで、「どう動いたらよいか」という思考を促す手だてとなる。その結果、三つの「間」を意識して動くことで、児童一人一人の動きが広がると考える。
 これら2点の手だてを取り入れて指導した結果、以下の点が明らかになった。
 「アイディアボード」を活用することで、動きの材料が増え、動きが明確になり、児童が自信をもって表現する上で有効であった。但し、3つの場面をつなげて発表の場面にする活動では、「アイディアボード」の活用に工夫が必要であった。
 3つの「間」を意識させることが、よい動きについて思考を促し、自分の動きを広げることにつながった。動きが広がった児童は、自信をもって表現できるようになった。

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「教育実践」
「思考力」を向上させるための水泳授業に関する研究
〜技能差のあるバディシステムによる「学び合い」を取り入れた実践〜
佐渡市立金井小学校
三本 雄樹

  2013年、国立教育政策研究所より、思考力を中核に位置付けた21世紀型能力が示された。
 関西体育授業研究会(2015)は、「学校での体育授業ならではのよさは、仲間とともに学び合い、高め合えること・・・他の領域と違って、水泳学習では、技能差が大きいです。しかし、そのことにより学び合う活動が可能になります。」と述べている。
 そこで、本研究では、技能差のあるバディシステムによる「学び合い」を取り入れた水泳授業を実施した。これにより、「21世紀型能力に示されている思考力」を向上させることができるようになると考えたからである。
 具体的な手だては以下の3点である。
1 技能差のあるバディシステムによる「学び合い」
 5年時の児童の泳力を参考に、クロールで25m以上泳げた児童とクロールで25m泳げなかった児童とに分け、技能差のある男女別のバディシステム(2人1組)を編成した。
2 「学び合い」を可能にする「ゆったり泳ぐ」泳ぎのイメージの共有
 まずは「ゆったり泳ぐ」泳ぎと「速く泳ぐ」泳ぎの2つのイメージで授業者が泳いで見せた。その後、「ゆったり泳ぐ」泳ぎのイメージを児童に言語化させた。そして、児童が言語化したイメージや手と足をゆっくり動かすことを単元を通して意識させた。
3 「学び合い」を活性化させる「水泳攻略カード」の活用
 それぞれの「水泳攻略カード」に「レベル(難易度)」を付け、段階的に泳力が向上するようにした。また、「運動のポイント」や「こんなふうになっていませんか?(運動を見る際の視点)」を付け、これを基に学び合いながら泳ぎを評価することができるようにした。
 今後も体育授業に「学び合い」を取り入れ、「21世紀型能力に示されている思考力」の向上を目指して研究を進めていく。

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「教育実践」
場の工夫で生徒のつまずきを克服するマット運動の授業
〜できる・できない二極化の解消を目指して〜
五泉市立山王中学校
小野 祥寛

  文部科学省から「子どもの体力向上」が示され、その中でも運動習慣の二極化が問題視されている。養成研修や一校一取組などの成果で数値上は体力低下に若干の歯止めはかかっているが、運動への意欲的な参加についての二極化はますます進んでいる。
 技ができる生徒は意欲的に授業に参加し、技ができない生徒は授業に消極的という二極化が顕著に表れやすい器械運動の単元において、技ができる喜びを感じさせることで運動好きの生徒を一人でも多く増やすことが課題である。
 そのための手だてとして以下の点から解決に迫った。
1 恐怖心を緩和させる場の工夫
 マット運動において「痛い」「怖い」という精神的なつまずきから消極的になる生徒が多い。そこで、生徒の精神的なつまずきを緩和するための場の工夫と段階的な指導、評価方法を取り入れた。
2 技のつまずきを修正するための場の工夫
 初期段階での技のつまずきがその後の活動に大きく影響する。「後転」「開脚前転」「倒立」の基本技でのつまずきの原因をいくつか捉え、考察することでそのつまずき合わせた場の工夫を行い、課題解決を図った。
 児童・生徒の運動離れは本単元に限らず、どの種目においても喫緊の課題である。どの種目についても、生徒のつまずきの原因を捉え、適切な場の工夫を取り入れ運動好きの生徒を一人でも多く育てていきたい。

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「教育実践」
投力を高める指導の工夫
〜ハンドボールの実践を通して〜
五泉市立巣本小学校
山田 雄一

  小学校学習指導要領解説体育編には、ゴール型のゲームとして「ハンドボール」が例示されている。児童の投力が向上するよう、以下の手だてで実践を行った。
1 「投球フォーム診断書」により、自分のフォームの改善点を考えさせる
 「投球フォーム診断書」で、手本となる投球フォームと自分の投球フォームの連続写真を比較し、気付いたことを記述させることで自分のフォームの改善点を考えさせる。
2 シュート・パスの個人技能を向上させるためのドリルゲームを行う
 「壁ドンシュート」(壁に向かってシュート。跳ね返ったボールを次の子がキャッチ。すぐにシュート。次の子がキャッチ…と繰り返す。)と、「ランランパス」(2〜3人で走りながらパスをまわす。パスの回数やタイムを制限し、シュートに至るまでにクリアすべきミッションを設ける。)の2つのドリルゲームを繰り返し行う。
3 タスクゲームで有効なパス回しや動きを考えさせる
 ディフェンスの動ける範囲に制限をつける「突破ハンドボール」を行う。オフェンス側に数的優位が生まれる3対2の状況でゲームを行い、ディフェンスを突破しシュートに結びつけるための動きを思考させることで、動きの質を高めさせる。次第にディフェンスが動ける範囲の制限をなくすなど、児童の上達に合わせ変化させていく。
4 全員のシュートチャンスを増やすためのルールの工夫
@3対3でゲームを行う。キーパーは設置しない。ドリブルはなくし、パスでつなぐ。
Aゴールに入るか、ぶら下げたボードに当たるかすれば1点、ボードを落とせたら2点。
B最終得点は、(合計得点)×(シュートを決めた人数)で算出する。
 これらの手だてを通し、本実践では次のような成果があった。
1 ゴール型に苦手意識をもっていた児童も、単元終盤には積極的にパスをしたり、 シュートを決めたりすることができた。
2 76.2%の児童のソフトボール投げの記録が向上(+1〜14m)した。
 特に実践前にソフトボール投げの記録が新潟県平均値以下だった児童の伸びの平均値は+3.7mと、投げ方が分からなかったり、投げる経験が少なかったりした児童への効果が大きかった。一方で、記録が伸び悩んだ児童もいた。さらに研究を進めることで、こうした児童の記録の向上を目指していきたい。

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「教育実践」
児童に「できた」を実感させる体育科学習指導
〜ボールを持たない時の動きに着目した第4学年「ハンドボール」の実践〜
長岡市立大島小学校
猪爪 正樹

  ゴール型ゲームは、攻守が入り交じって、ボールを手や足で操作したり、空いている場所に素早く動いたりして行うゲームである。特に手でボールを操作するゲームでは、投げる・捕るといった基本的なボール操作の技能が必要である。また、攻守が入り交じることから、仲間や相手の動きに合わせてボールを投げたり、スペースへ動いたりするための状況を判断する力が必要になる。この2つの力を同時に発揮しながら行うゲームは、児童にとって難しい。しかし、ゴールにシュートするためには、ボールをつないでシュートを打ちやすい場所へ運ばなければならないことから、やはり児童にとって状況を判断してパスをつなぐためにどう動くかが重要である。この点を本研究で最重要課題とした。
 この課題を解決するために、評価方法を工夫した。その評価方法の工夫とは、「コウケンプレー」の設定である。コウケンプレーとは以下の通りである。
1 児童が学習評価として振り返る視点になる動き
2 ボールを持っていないときの動きであり、ゲーム中に自分が動いたチームのための動き
3 児童により分かりやすいようにした3つの動き
4 3つの動きは、常に児童が立ち返ることができる基本的なポイントとなる動き
 3つのコウケンプレーは次の動きである。
1 相手のいない所への動き
2 ボールをもらいに行く動き
3 相手を引き付ける動き
 このコウケンプレーを視点として、ゲーム毎に学習カードへ動きを自己評価させる。
 このように、ゴール型ゲームにおいて、ゲーム中の自分の動きを「チームのためにどう動いたか」という「コウケンプレー」に着目した振り返りを繰り返し行えば、意図的なボールを持たない時の動きへと高めることができ、児童は自分の動きの伸びを実感することができるであろう。以上の仮説を検証していく。

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「教育実践」
関わり合いを通して技能を向上させるシンクロマット運動の指導
〜グループ活動の中に4つの言語活動サイクルを取り入れた実践〜
十日町市立川治小学校
松井 祐太

  小学校学習指導要領解説体育編の高学年マット運動に、「ペアやグループで動きを組み合わせて演技をしたりすることができるように配慮する。」という言葉が記されている。そこで、全国的にも多くの実践がなされている「シンクロマット運動」を取り上げて授業を実践した。先行研究では、児童の学び合いを通して、意欲や技能の向上を明らかにしたものが報告されている。しかし、意欲や技能の向上に至るまでの過程や話合いの質に言及した研究は少ない。また、今までの実践を振り返ると、ペアやグループでの話合いにおいて、運動が得意な児童がアドバイスし、苦手な児童はアドバイスされるだけで、自ら運動のコツなどを考えたり、提案したりする場面が少なかった。
 そこで、昨年度は以下の手だてを講じ、シンクロマット運動を指導することで、グループの中で協働的な学びを生み、技能を高めることを目指した。
1 単元の中で毎時間4つの言語活動のサイクル(「知る→つくる→つなげる→深める」の言語活動を繰り返すこと)を導入する。
2 各グループに兄弟グループを設けて技を見せ合い、グループ同士の課題を共有したり、お互いのグループにアドバイスをしたりできるようにする。
3 児童の見る視点を焦点化し、児童相互がアドバイス活動をしやすくする。
 以上の手だてを講じたところ、マット運動の技能の差に関係なく児童が話合いに参加し、グループの課題を獲得して練習し、技能を向上することができた。

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「教育実践」
自分に合ったよりよい動きを考えながらかかわり合う子どもの育成
〜4スタンス理論を活用した短距離走とハードル走の実践〜
上越市立春日小学校
宮田 泰人

  陸上運動では、技能の向上が記録の向上に直結する特性がある。1学期に行ったリレーの学習では、バトンパスの練習に加え、4スタンス理論を用いた短距離走の走り方の指導を行った。個々に動きを意識して練習をして、多くの子どものタイムが向上した。しかし、個々の子どもの意識にまかせた学習が主になったことが課題として残った。そこで、ハードル走の単元において、4スタンス理論に基づく視点をもとに、友達とのかかわり合いを設けた。そうすることで、ハードルの技能向上に加え、ハードリングに関する思考も深まると考えた。
 具体的に以下の3つの手だてを講じた。
1 一人一人に合った場とグルーピングの設定
 子ども一人一人の体格からそれに合ったハードルの高さやインターバルの長さの目安を示し、実際に走らせ、体格に合ったハードルの練習コースを決める。また、4スタンスで同じタイプの友達とグループにして練習する。
2 身に付ける技能の段階的な授業展開
 「1台目の入り方」「振り上げ足の使い方」「抜き足の使い方」「上体の上下動の抑え方」など、子どもの実態と意識を大切にしながら、課題を設定する。
3 友達とかかわり合うための視点の明確化
 「1台目のハードルまで何歩か」「振り上げ足が真っ直ぐ上がっているか」といった一般的な視点と、4スタンス理論に基づくタイプ別の視点を場面ごとに提示し、それを基に見合う活動を進める。
 実践の結果、子どもがハードルの動作を見る視点がより明確になり、具体的なアドバイスをし合う姿が見られた。また、自分に合った動きの具体的な記述が多く見られた。そして、50mハードルのタイムが向上し、ハードリングのフォームが改善する子どもも多く見られた。

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「教育実践」
学習意欲を高める体育授業
〜役割を明確にし、ポジションと動きを仲間と共有しながらゲームを楽しむバレーボール〜
三条市立本成寺中学校
泉田 靖雄

 保健体育の授業で私は、その楽しさを体感し意欲的に取り組むようになり、「またやりたい、もっとやってみたい」と夢中になって体育に取り組もうとする生徒を育成したいと願っている。私は、そこから一人でも多く保健体育が好きだという生徒を増やしたい。そこで、私はまずは球技でその可能性を見出そうとして実践した。
 バレーボールは、得意、不得意がはっきりと分かれる。不得意な理由として、技能が不十分であること、ミスをしたときにチーム全体に迷惑がかかり、不安になることが考えられる。
 バレーボールは、ネットを挟んで分かれたチームが、状況判断しながら、ボールをつなぎ、相手コートにいかにボールを落とすかを競い合う種目である。これまでの私の実践では、チーム内で遠慮をしてボールに触れなかったり、ゲーム中の動きが不明瞭で戸惑いながら動く生徒がいたりした。そこで、長く続いたラリーを味わうことでチームとしての一体感が増し、グループ全体で喜び合い、より一層授業に夢中になる姿を目指す。
 本研究では、1年生のバレーボール単元において、ラリーを続けるためにグループの仲間の「思考をつなぐ」ことを目標とし、次のような手立てを行った。
1 チーム内の役割の明確化
 バレーボールは、レシーバー、セッター、アタッカーの役割が責任を果たすことで、コート上で動きやすくなり、連携したプレーができるようになる。そこで、チームの状況に応じ、コート上にいる4人の配置を考え、役割をはっきりとさせることで、分担した役割を果たす意欲をもたせた。
2 作戦ボードを用いた動きの視覚化
 触球の順番、難しい位置への返球に対するカバーリングを視覚化することで、生徒たちの動きがよりイメージしやすくなり、思考のつながりが発生するよう取り組んだ。
 また、仲間との関わりにおける賞賛や激励の発言を促すことで、受容的な雰囲気づくりを目指した。

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「教育実践」
確かな技能の向上と思考を促す授業づくり
新潟市立新津第三小学校
若槻 満

 今年度の研修のテーマを「確かな技能の向上と思考を促す授業づくり」とした。高学年のボール運動では、一人一人の技能差や男女による性差が大きいと感じる。運動を楽しむだけでなく、運動に必要な確かな技能の向上や獲得が求められる。また、教師から与えられた課題をこなすだけでなく、自分たちでチームの実態に応じて作戦を考えたりすること、ルールや場を工夫したりすることが必要となってくる。互いに協力し励まし合って学習を進めることができるよう手立てを講じる必要があると考えた。そこで、確かな技能の向上、思考を促す授業づくりの2点から、その解決に迫る。
1 確かな技能の向上
 ティーボールに必要な「投げる」「捕る」「打つ」という学習内容で確実に技能が身に付くようにする。これら3つの動きを高められるように、段階的に「投げる・捕る・打つ」ゲームを設定したり、ゲーム内容を工夫したりしながら、技能の向上について考察する。
2 思考を促す授業づくり
 思考を促す手立てとして、異質グループでの学習を中心に進める。試しのゲームを行い、自分たちのチームに合った攻撃や守備を考えさせ、協力し励まし合ってゲームを進められるようにする。その際、学習形態や学習カード等を工夫して、思考を促すようにする。そしてこれらの手立てが有効であったかどうか考察していく。
 上記のように、確かな技能の向上が期待できる体育授業、思考を促し、学習した内容が着実に身に付く体育授業の2点に絞り、今後も体育の授業に対する資質の向上を目指し研究を進めていく。

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「教育実践」
運動の楽しさや喜びを実感できる体育授業
〜ミートキャッチとばってん攻撃でつなぐバスケットボールの指導〜
五泉市立大蒲原小学校
小林 亘

 ボール運動で取り上げられる「バスケットボール」の楽しさとは何なのだろうか。ボールを受けるための動きを身に付けさせるにはどう指導したらよいのだろうか。
 1年次の実践では、児童にボールを保持する一連の動作を身に付けさせることで、下半身の力を使った力強いシュートを放つ機会が増え、運動の楽しさを味わわせることができた。また、人のいないスペースを生かした攻撃の仕方を工夫させることで、友達と協力してシュートの機会をつくりだす喜びも味わわせることができた。しかし、ハーフコートでの実践だったため、攻守の切り替えなど、スピーディーな展開は生まれにくいという課題が残った。
 そこで2年次の実践では、バスケットボールの楽しさや喜びをより多くの児童に実感させ、スピーディーな展開を生み出すために、ボールを保持する一連の動作を習得させるだけでなく、友達と関わりながらボールをゴールへ運ぶ動きを身に付けさせることが有効であると考え、次の4つの手立てを講じた。
1 コート図でばってん攻撃のイメージをもたせる。
2 前段運動でボールを保持する一連の動作を習得させる。
3 守る人が少ない練習ゲームで友達とかかわりながらボールをゴールへ運ぶ動きを身に付けさせる。
4 攻めも守りも同じ人数のメインゲームで技能を活用させる。
 オールコートバスケットボールにおいて,これらの手立てを講じると、児童はボールを受けるための技能を向上させ、友達と協力してシュートの機会をつくりだすことができた。また、パスをつなぎ自分のリズムでシュートを放つ楽しさや、友達と協力してシュートをする機会をつくりだす喜びを実感させることができた。さらに、これらの動きを連続して行うことにより、運動量の増加も期待できる。

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「教育実践」
プロジェクト学習を活かした体育授業の在り方について
見附市立見附小学校
神田 洋志

 学習指導要領によると、体育科では、互いに話し合う活動などを通じて論理的思考力を育みながら、基礎的な身体能力や知識を身に付け、生涯にわたって運動に親しむことができるようにすることが求められている。それを受けて、体育科の授業にICT機器を用いた研究が数多く行われている。
 ICT機器を用いることは、児童の動きの言語化を促し,児童同士の関わりの中で技能を身に付けることに有効に働くことが明らかになってきている。一方で、児童がグループで話し合ったことが、動きの高まりや練習方法の工夫につながったことを、はっきりと捉えていることに弱さが見られた。これは、児童がグループで課題を解決する価値を感じることができなかったり、グループの中で一人一人がもつ動きの課題が異なったりしたからではないかと考えた。
 そこで私は、次の2つの手立てから解決を図った。
1 単元を通した目的と目標をもたせる
 単元の初めに、題材(グループで取り組む学習内容)を提示した際に、児童が「こうしたい、こうなりたい」という目的と、そのために「どうするか」という目標をもたせる。そうすることで、児童が課題解決に向けて、その価値を感じながら学習を進めていけるようにした。
2 課題別グループを組織して、話合いを促進させる
 一人一人の動きの課題を明らかにした段階で、課題別グループを組む。そして、タブレットPCを用いて、互いの動きを見ながら、自分たちの動きの課題について話し合い、改善していけるようにする。課題別にグループを組むことで、話し合う方向性を一致させ、一人一人が自分の動きを基にして動き方や練習方法などを伝え合ったり、教え合ったりすることを促進することができるようにした。
 これら2つの手立ては、鈴木敏恵の「プロジェクト学習」を活かしたものである。アクティブラーニングの学習方法として挙げられ、体育科においても大切な考え方の1つである。今後も、体育におけるプロジェクト学習の在り方について研究を進めることで、児童が体育で主体的・協働的に学んでいけるように追求していく。

<参考文献>
課題解決力と論理的思考力が身につくプロジェクト学習の基本と手法、鈴木敏恵

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「教育実践」
ボールを持たないときの動きの質を高める指導の工夫
〜6年ゴール型ゲーム「ハンドボール」の指導〜
阿賀野市立笹岡小学校
佐藤 仁

 学習指導要領では、ゴール型ボール運動の技能として、ボール操作の習熟とともにボールを受けるための動きの習得が示されている。単にゲームをするだけではこの動きは身に付かず、技能が高い少数の児童にゲームを支配されることは少なくない。ボール非保持者の動きを経験させる「スリーサークルボール(攻守交代型)」、「オールコートスリーサークル(攻守切り替え型)」が簡易化されたハンドボールに対して有効に働くかどうか以下の点で検証した。
1 サポート適切率(攻守切り替え時のサポート適切率)
 パスの出し手と受け手の間の守備者の位置によってサポートの適否を判断し、パスが行われた回数に対する適切なサポート数の割合で検証する。
2 動いてのサポート率
 パスの受け手(ボール非保持者)が動いてパスを受けようとサポートした割合で検証する。
3 パスするまでの状況判断時間(攻守切り替え時の状況判断時間)
 ボールを受け取ってからボール非保持者にパスするまでの時間で検証する。
 ボール運動を苦手としている児童が、ボール運動に対する意欲を高め、自信を深められるように今後も研究を進めていく。

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「教育実践」
状況判断する力を高める話合い活動の工夫
〜中学年ゴール型ゲームの実践から〜
新潟市立上所小学校
江口 健

 学習指導要領解説体育編の中学年ゲーム領域の技能において、「ゴール型ゲームでは、基本的なボール操作やボールを持たないときの動きによって、易しいゲームをすること」とある。これまでの私のゴール型ゲームの実践では、「個人技能に長けた児童だけが活躍する」「ゲームの中でどのように動けばよいか分からない児童が、主体的に参加できず、ボールに触る機会も少ない」という二極化した様相になってしまった。ゴール型ゲームでは、攻守が入り乱れ、状況が目まぐるしく変わるため、運動経験の少ない児童にとっては、難しさがあるためだと考える。
 1年目は、どの子も主体的にゲームに参加できるようにするために、3学年児童において、全員参加のためのルールの工夫を取り入れ、タグラグビーの実践を行った。ゲーム中や話合いの時間に児童同士の教え合いが生まれ、児童はボールを持っていないときの動きを理解することができ、主体的にゲームに参加することができるようになった。
 しかし、ゲームの中では、理解した動きを使えていない姿も見られた。これは、動き方は分かっているものの、ゲームの状況判断ができずにいるためだと考える。
 そこで2年目にゴール型ゲームの中において児童が状況判断する力を高めるために「パスの回数と映像資料とを結びつけた話合い」を取り入れる。児童はペアを作り、パスを受けた回数をカウントし、記録していく。ゲーム後にパスを受けた回数を認識させた上でゲームの映像を見せる。パスを受ける回数の多い児童と少ない児童とを比較し、児童の話合いを通して動きのポイントを理解させていく。このことを単元を通して行い、ゲーム中の状況判断する力を高める。
 この手立ての有効性について、ビデオによるゲーム中の児童の動きの変容や学習カードの記述から検証した。

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「教育実践」
思考を発展させながら、技能を向上させる体育授業
〜5、6年ネット型キャッチバレーボールを通して〜
村上市立神納東小学校
小野 浩由

 ボール運動の授業では、「ゲームを楽しむ力」=「ゲームの勝敗をめぐる攻防を楽しむ力」を保障することが重要になる。そのためには、どうやって得点するのか、どうやって勝つのかが「わかる・できる」ための学習をする必要がある。本研究では、勝敗をめぐる様々な「戦術的な気付き(わかる)」に基づいた「パフォーマンス(できる)」を身に付けるために、思考を発展させながら、技能(ネット型パフォーマンス)を向上させる体育授業を求め、2つの手だてからその解決に迫った。
 本単元のキャッチバレーボールでは、「戦術的な気付き(わかる)」を「相手が返せないボールを相手コートに送るために必要な考え方」と捉えて進めた。
1 「関連付ける」「関係性を見つける」「序列化する」3つの活動を、毎時間サイクルで行うこと
 児童はネット型の経験がほとんどない。そこで教師から児童に、戦術的な気付きに必要な新たな知識や発問を与える。そして、児童にこの知識や発問と既習の知識を組み合わせて、練習方法や作戦を考える時間を与えた。このように知識を組み合わせて考える活動を3つに分類し、「関連付ける→関係性を見つける→序列化する」ことを、毎時間サイクルで繰り返した。すると、児童は練習方法や作戦をより高次なものにし、思考を発展していった。
2 キャッチバレーボールのゲーム様相の発展段階を想定した学習内容の単元計画を設定すること
 より思考を発展させていくためには「何について考えるのか」「どのように考えるのか」「何を結び付けるのか」の具体的な発問が重要であった。そこで、キャッチバレーボールのゲーム様相の発展段階を想定し、単元計画を立てた。「ボールコントロール」と「アタック」の動きを結び付ける=攻めを組み立てる段階。「失点を防ぐ動き」と「フォーメーション」を結び付ける=守りを組織化する段階。「相手の守りを崩す」ことと「アタック」の動きを結び付ける=相手の守りに対応する段階と想定し授業を展開した。
 2つの手立てにより、児童は、毎時間学ぶべき内容を明確に捉え、思考を発展させながら、ネット型パフォーマンスを向上させていくことができた。

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「教育実践」
ボールを持たない時の動きを習得し、組織的な攻防を楽しむ児童の育成
〜6年生 ソフトバレーボールの実践を通して〜
新発田市立外ヶ輪小学校
澤 元

 ソフトバレーボールの指導ではプレーの連携による攻撃や守備によって、ネットをはさんだ攻防を楽しむというネット型のゲームの特性を味わわせる必要がある。そのために、視聴覚機器や仲間と共同で作る学習カードを活用して動きを可視化し、ボールを持たない時の動きに着目させた。そしてゲームの中で活用させていった。また、役割固定と1回キャッチを認めるという簡易化したルールを用いて、児童が仲間と関わり合いながら技能を身に付け、ゲームに参加し、楽しむことができる授業を目指して本テーマを設定した。
 具体的な手立ては以下の3点である
1 映像による学習課題の把握
 前時までの授業映像の中から特徴的な場面を切り取って児童に提示した。気付いたことを話し合う中で、本時の学習課題と関わるボールを持たない動きについて児童の言葉で可視化し,チームで共有した。
2 共同して作る学習カードによるボールを持たない動きの可視化
 チームごとに役割をセッター、ライト、レフト、センターの4つに分担した。1つのゲームでは役割を固定して行い、ゲームを通して感じたことや学んだことを学習カードに記述していった。次のゲームで仲間はそのカード参考にして、ゲームを行った。 
3 ボールを持たない動きを引き出すためのゲームの簡易化
 メインゲームにおいて同一ゲームではローテーションは行わず、1試合での個人の役割を固定した。 また、レシーブもしくはトスの段階で、1回のみキャッチを認めるルールとした。
 共同的に作成した学習カードやビデオ映像を利用して、ボールを持たない動きを可視化し、共通理解することで児童はボールを持たない動きについて理解を深めることができた。また、役割固定と1回キャッチを認めるルールを用いることで自分たちの考えた攻撃を遂行することができた。このことにより、実際のゲームでは3段攻撃の出現率やボール返球率、ブロックの回数が増えた。この事実と形成的授業評価から見て、児童はソフトバレーボールのゲームを楽しむことができたと考えられる。

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「教育実践」
仲間とかかわり合いながら、運動技能を高めるマット運動指導
長岡市立東谷小学校
中山 尚人

 今までの指導において、マット運動を好きでないと感じている児童が多かった。その理由として、決まった技しかできないから、技が難しいからなどが挙げられる。また、自分の体を自分の腕で支えることや逆さ感覚などに慣れていない児童が多いからだと考えられる。このことから、児童一人一人にマット運動に必要な基礎感覚を身に付けさせ、楽しさや安心感を味わわせる十分な時間が必要であると感じた。また、スモールステップで少しずつ技を習得していき、自信をもって活動できるように指導をしていく必要があるとも考えた。
 そこで、昨年度の5年生「マット運動」では、@グループ内で互いの技を見せ合いアドバイスする活動 A確実に技ができるようになるためのスモールステップの課題設定 Bデジタルカメラを活用し、自分の動きを確かめ課題をつかむ活動を取り入れた実践を行った。この実践の中で、多くの児童に運動技能の向上が見られた。しかし、一部の児童は、練習のポイントはつかむことはできたが、運動技能の向上までには至らなかった。
 今年度は、昨年度の実践を受け、6年生全員の児童が確実に運動技能を高めることを目指し、仲間同士で技能を高め合う「競い合い」を取り入れた授業構成の工夫に取り組む。技の完成度を競い合うコンテストという「競い合い」を取り入れることで、グループ内では、高得点を獲得するための「仲間同士のアドバイスや支援」が活発に行われる。本研究は、高得点を獲得できる技の完成度を目標に、改善のポイントに基づいた練習に積極的に取り組み、確実に運動技能を高めていく子どもを目指した研究である。

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「教育実践」
種目特性と自己の伸びを実感できる体育授業
〜モチベーションと心地よさを高める8秒間ハードル走の実践〜
湯沢町立湯沢小学校
磯部 健太郎

 これまでのハードル走の授業において、踏み切り時と着地時に減速する児童の姿が見られた。原因として考えられるのが、ハードルを跳び越える際の体重移動がスムーズに行われていないことである。
 そこで、振り上げ足の着地点を意識させ、ハードルを跳び越えてからの1歩目を大きく前に出す走り方を身に付ければ、インターバルをリズミカルに走ることができると考え、先行実践を行った。振り上げ足が着地すると同時に支持足となり、前方への体重移動が起こる。これにより、抜き足が前方に出しやすくなり、加速を生むと考えたからである。その結果、踏み切り時に減速が少なかった児童はインターバル間で加速し、タイムの短縮につながり、一定の成果を得た。しかし、着地点を意識させたことにより、踏み切り時に減速し、高く跳ぶ児童も見られた。
 ハードル走の経験が少ない時期は、踏み切り時の減速を少なくするために前へ進む意識を強く持たせることが必要である。また、高学年では競争型、達成型の運動である陸上運動に楽しさを感じていない児童もいる。これらの課題を解決するために次の手だてを講じ、実践を行った。

1 8秒間ハードル走
 山本貞美氏考案の「8秒間走」は、目標設定が明確なため、楽しんで取り組むことができる教材であり、個を大切にし、運動が得意、苦手に関わらず全ての児童に全力で取り組ませることができる教材といわれている。また、走る距離を伸ばしていくことが目標になるため、前への意識が強くなると考えた。そこで、「8秒間走」をハードルに応用した。
2 主観的心地よさ尺度での振り返り
 ハードル走一本毎に、自分の走りを気持ちよさという観点で数値化した。児童の気持ちよさをスムーズなインターバルと規定し、気持ち悪い時の走り方と気持ちよい時の走り方を数値化することにより、自分の走り方を振り返った。気持ちよい時の走り方を振り返ることで、自分なりのコツを言語化させた。
3 グループ対抗のゲーム
 練習の際の教え合いや励ましの姿を引き出し、「関わる」ことで、「できる」「わかる」姿を導くことができると考え、グループ対抗のゲームを行った。
 苦手な運動でも、運動の楽しさ、喜びを感じさせることで、運動の質を高めていくことを追求した実践である。

<参考文献>
山本貞美『高田典衛の「子どものための体育」と「8秒間走」』鳴門教育大学研究紀要12巻 1997
山本貞美『「8割走」を取り入れた学習プログラムの一考察』鳴門教育大学研究紀要19巻 2004

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「教科等研究セミナー」 
ラリーをつなげることに着目したバドミントンの授業
新潟市立新潟柳都中学校
小柳 翔太

  中学校学習指導要領解説のバドミントンの1・2年生の内容には、「ラリーを続ける」ことがねらいの一つとして記されている。自校の課題として、また自身の課題としても、仲間と協力し合うことでより学習が深められたり、全員が一つの目標や課題に向かい、挑戦し合ったり高め合うことが課題であると捉えている。
 本研究では、協同的な学びを通してこの「ラリーを続ける」ことを学習できるよう、次のような手立てを行った。
○3対3のラリーゲーム
 自陣に3人、相手陣地にも3人。このネットを挟んで向かい合った6人をひとつのチームと捉え、どれだけラリーがつながるかという課題を行う。
 制限時間を設け、その一定時間内にラリーがどれだけつながったかを計測する。その際、ポジションや誰がシャトルを打つかに関しては特に制限を設けず、「チームのみんなで一体となってラリーをつなげる」という目標とした。
○研究の実際
 チームによって横一列に並んだチームもあれば、三角形や逆三角形にしているチームもあった。またラリーの得意な生徒を中心におくことで、ラリーを安定させていた姿があった。技能としては、シャトルの方向に体やラケットを向けておき、「構え」の姿勢をとっていた。また、相手の返しやすいように山なりのシャトルを返球している姿もあった。

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「教科等研究セミナー」
 ボール運動において、思考と技能を高めるための個人チャートの活用について
新潟市立中野山小学校
高野 義友

  ボール運動の授業では、意欲的に動ける児童と動けない児童の差が大きい。技能の差だけでなく、どのように動いたらよいか分からず、ゲームに関われないという思考面での差も大きい。どの子も進んで運動に関わり、楽しさを味わうために、どう動いたらよいかを考え、判断する力を養うことが必要であると考える。そこで、高学年「サッカー」と「ハンドボール」の2実践において、次の2つの手立てを行った。
1 状況を判断する力を高める学習課題の設定
 児童の運動への思考や技能の高まりに即した課題を設定した。単元の前半は個人の動きに焦点化して設定した。ボールを持っている時の動き、ボールを持っていない時の動きに分けて、学習課題を設定することで、どう動いたらよいか分からない児童も、考えてから動く経験をすることができた。単元後半は、個人の動きとチームの動きをつなげる学習課題を設定した。
2 状況判断を意識化する個人チャートの作成
 一人一人が自分の運動能力に合わせた個人チャートを作成した。児童が自分で考え、必要だと思う動きやそのわけを書き込んでいく。各時間の学習課題に合わせて、見つけた動きを選択したり、矢印でつないだりして書き込んでいくことで、動ける児童も、なかなか動けない児童も、自分なりのチャートを作成できた。このチャートを手掛かりに、状況を判断して動く場面を経験することができた。
 2つの手立てにより、動きを意識してゲームに参加し、状況を判断する力が高まり、フリーになってパスをもらったりシュートしたりする動きを高めることができた。児童の状況を判断する力を高めることを学習の入り口として、動きを選択できるようにゲームを設定することは、ゲームでの動きの質の向上につながることが分かった。今後も、サッカー、ハンドボール以外の種目でも、同様に成果が表れるか研究していく。

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「教育実践」
生徒が夢中になって運動しながら運動技能を高める授業
三条市立大崎中学校
角 直也

 バレーボールは仲間と協力しながら、ボールを落とさずに相手コートへの得点を目指す競技である。生徒一人一人がコートを縦横無尽に動き回り、白熱したラリーを体感することでバレーボールの真の楽しさに触れることができることと考える。そして、そんな生徒はきっとバレーボールに夢中になるはずである。
 今までの実践を振り返るとまとめの試合で生徒が動けず戸惑う場面があった。それには以下のような理由があると考えた。生徒の技能が不十分であること。失敗を恐れて消極的になっていること。自分の取るボールか、相手の取るボールか判断できていないこと。
 本実践ではそれらを解決するために以下のような手立てを講じる。
 1 ボールを打つ感覚を身につけるドリルや素早くボールの下に動く練習ができる学習カードを考案し、単元の最初ではその課題に取り組ませる。課題解決型のペア学習にすることで互いに学び合いながらできるようにする。
 2 小グループで行う様々なパスゲームを考案した。ボールを落とさずにパスを続けられる回数を他のグループと競う。パスの回数を多くしたり、動き方にバリエーションを加えたりして、課題が段階的に高度なものになるようにする。パスを続けるために、味方との関わり方や声のかけ方を指導する。
3 6対6での本来のゲームではなく、小グループでのゲームを行う。また、2球目、3球目のどちらかはワンバウンドしたボールまで有効とする変則ルールを用いたゲームとする。

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「教育実践」
「運動の楽しさ」を実感するための要素分析
〜「友達や担任とのかかわり合い」の在り方を追究して〜
新潟市立松浜小学校
本間 直樹

  小学校学習指導要領解説「体育編」の各学年の目標には,「運動を楽しく」とか「運動の楽しさ」という記述がある。では,「運動の楽しさ」を実感するために重要な要素は何であろう。
 私は,「技能獲得・技能向上」,「達成感」,「友達や担任とのかかわり合い」の3つの要素を体育の授業に盛り込んだなら,児童は「運動の楽しさ」を実感するであろうと仮説を立て,研究を進めてきた。
 これまでの自身の研究から「運動の楽しさ」を実感するには,「技能獲得・技能向上」,「達成感」の要素は重要であり,「友達や担任とのかかわり合い」は重要ではないという結果を得た。
 小学校学習指導要領解説「体育編」の各学年の内容には,「かかわり合い」を大切にした運動の例示が複数ある。このことからも,上述の「友達や担任とのかかわり合い」と「運動の楽しさ」の結果に納得することができない。
 「運動の楽しさ」を実感するには「友達や担任とのかかわり合い」が重要であることを立証するため,これまでの「友達や担任とのかかわり合い」の定義を変更(一方向で無作為であったもの「かかわり」を,双方向で意図的なもの「かかわり合い」に)したり,これまでの研究に対する指導や助言に基づきかかわり合いの在り方を改善したりしながら追究した実践の一考察である。

<引用文献>
小学校学習指導要領解説 体育編  文部科学省 平成20年8月


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「教育実践」
体育科教育におけるユニバーサルデザイン
〜特別支援学級の「マット運動」における身体の協応能力を育てる支援〜
胎内市立中条小学校
山 雄一

  特別支援学級における体育授業では、適切で効果的な支援の在り方を探ることや、迷いやパニックを起こさないような学習過程の工夫をすること、教材・教具の在り方等を吟味することが、授業を行う上での課題である。体育の授業では、適切な運動経験を重ねさせ、子どもたちに運動を愛好する態度を育てていくことが大切であることから考えても、体育授業をユニバーサルデザインの観点から考えていくことは、通常学級においても、特別支援学級においても大切な要素である。
 日々の授業において見せる子どもたちの様子を概観すると、身体の動きにぎこちなさを感じることが多い。例えば、リズミカルな身体操作がうまくできなかったり、外的な動きに対する四肢の反応がそぐわないものであったりすること等である。これらは、運動の「協応能力」と呼ばれ、身体発達の観点から考えても、協応能力を高めることが個々の運動能力・技能を向上させ、運動の基礎感覚を獲得していく際に大切なものである。こうした技能は生活の充実にもつながるという効果も大きく、児童の将来的な社会参画に関わる技能向上にも寄与する。つまり身体の協応能力を高める指導・支援を行うことが、体育授業における有効な支援になると考えた。
 身体を操作する能力を高める「マット運動」を中心に教材化し、単元を構成した。動きの経験をたくさんさせ、体育館に「サーキット運動」を行う場を設定し、個々のめあてに沿いながら、それぞれのペースや強度での運動ができるように配慮した。また、ペアを作ってコースを周ることにより、自他の動き、物やまわりの音楽と協応する経験も積ませ、個々の運動技能向上を図るとともに、運動の有能感を高めることをねらいとした。運動技能を測る調査や、質問紙による調査を行い、授業による学習効果を客観的に図り、その結果をもとに考察を加えた。

<参考文献>
M.フロスティッグ「フロスティッグのムーブメント教育・療法 理論と実際」日本文化科学者 2007
J.ウィニック著「子どもの発達と運動教育−ムーブメント活動による発達促進と障害児の体育−」大修館書店 1992


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「教育実践」
シンクロハードル走で記録UP!
見附市立名木野小学校
川井田 忠之

 これまでの自分の実践は、上手にハードリングできている子どもをみんなの見本にして進める授業であった。振り上げ足や抜き足などのポイントを教師側が取り上げて、ひたすら教えできるようにさせる授業である。しかし、これでは子どもの主体的な学びは成立せず、運動が苦手な子どもはますますハードル走が苦手になっていった。できるようになった喜びも、タイムが速くなった達成感も味わわせられない授業であった。
 そこで次の4つの手立てを行った。
1.5m・5.5m・6m・6.5mのインターバルと52p・60pのハードルの高さを組み合わせたコースを設定し、学習の場を選択できるようにする。
2.同じコースを選択した子どもで、50m走のタイムが同程度の子ども同士をペアにし、3〜5歩でのハードル間のリズムを味わうことをねらったシンクロハードル走を行う。
3.タイムを速くするためにどうすればいいか、という課題に目を向けさせることをねらったシンクロハードル走を行う。
4.手立て2・3でのペアを2組合わせて兄弟グループを構成し、子ども同士で相互評価できる学習環境を生み出す。
 その結果、得られた成果は次の2点である。
@シンクロハードル走でのペア学習や兄弟グループとの相互評価が、自分の体の動きを見直したり、タイムを向上させたりする上で効果的だと考える子どもが100%。
A50m走のタイムよりも40mハードル走のタイムが速くなった子どもがほぼ全員。
B単元開始時よりも40mハードル走のタイムが速くなった子どもがほぼ全員。

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「教育実践」
跳び越し技の技能を向上させる指導法の追求
〜第5学年 シンクロ跳びを取り入れた跳び箱運動の実践を通して〜
五泉市立橋田小学校
山ア 翔泰

 私が今まで行ってきた跳び箱運動の授業では,開脚跳びや台上前転などの基本的な支持跳び越し技はできるが,発展技である「首はね跳び」,「頭はね跳び」に取り組もうとする児童の姿がなかなか見られなかった。それは,授業において発展技である「首はね跳び」、「頭はね跳び」ができるようになるための手立てや支援,仕組みが足りなかったと考えられる。そして、私は児童に跳び越し方のイメージをもたせることができず,互いにかかわる機会が少ない授業を展開していたと振り返った。
 そこで、本実践では,児童に跳び箱を跳び越すためのイメージをもたせるための手立てを講じ,互いにかかわり合いながら跳び箱運動に取り組む機会を意図的に設定し,児童が跳び箱運動の楽しさや喜びを味わいながら,跳び越し技の技能を向上させていく指導法の追求を目指し実践を行った。そして、互いにかかわり合いながら跳び箱運動に取り組む機会を生む取組として「シンクロ跳び」を単元構成に入れて授業を展開した。
 本研究では、単元の前半で跳び越すためのイメージをもたせるために、次の4つの手立てを講じた。
@学習カードに跳び越し技に対する気付きや友達へのアドバイスを書き留めさせた。
A跳び越し技のポイントを掲示物に記入して共有させ,いつでも見ることができるようにした。
B開脚跳び・台上前転につながる基本運動を取り入れ,基礎感覚を養った。
C跳び越し技の習得を助けるために,3つの位置(踏み切り,着手,着地)が視覚的に分かるようにカラーテープを貼ったり,易しい場を設定したりした。
 また、単元の後半ではかかわりを生むために「シンクロ跳びの発表会」を行う時間を設定した。そのための手立てとして、次の3つの手立てを講じた。
@児童を5グループ(1グループ4・5人)に分けてグループリーダーを決めさせ、演技の内容を相談させた。
A演技をそろえるポイントを考えさせ、互いの動きを見て動きを合わせるように言葉がけを行った。
Bデジタルカメラを使い、演技や練習風景を撮影し、自分たちの動きを客観的に見ることができるようにした。
 これらの手立てを単元の中で講じていったことで、児童の姿から次のような成果を得ることができた。
@跳び越し技の技能が低い児童にとってのシンクロ跳びのよさは、友達の跳び越し方を観察したり,周囲からのアドバイスを受けたりして,跳び箱運動を楽しみながら行い,技能を向上させるとともに動きがそろった喜びを感じることができるようになることである。
A跳び箱運動を得意とする児童にとってのシンクロ跳びのよさは、友達にアドバイスをすることで客観的な視点で跳び箱運動の技術を理解することができたり,友達の動きにそろえるために自分の体を意識してコントロールしようとしたりすることによって,より完成度の高い技能を習得できる。
 以上2点について成果を得ることができた。しかし、課題も見つかった。シンクロ跳びを取り入れた6時間目(新しいことに取り組んでいく時間)の手立てを今後考えていく必要がある。児童が抵抗感なくシンクロ跳びの学習に取り組めるような手立てや支援を学んでいきたい。

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「教育実践」
投力を高めるための効果的な指導のあり方
〜新聞スティックを用いた授業実践を通して〜
新潟市立横越小学校
布施 和法

   体育科において,子どもたちが体を動かして「楽しい」というのはもちろん,「できる」「分かる」と実感できることが大切である。また,投げる物(教具)も投力向上につながる物でなくてはならない。投力向上には,投げ方のポイントを教えるとともに,子どもに遠くに投げるコツを考えさせることが重要である。本実践では,新聞スティックを用い,トレーニングではなく,友だちとかかわりながら,遠くに投げるコツを見つけ,工夫していく授業のあり方を提案した。
  中心となる具体的な指導の手立ては次の2点である。
@体力テストで使用するソフトボールは,子どもにとって馴染みがなく,投げにくい。そこで,子どもが投げやすく,投げ方を習得しやすい「新聞スティック」を教具として活用する。新聞スティックとは,新聞を筒状に丸め,周りをテニスのグリップのようにガムテープで巻いて作成したオリジナルの教具。
A遠くに投げるポイントを教え,その後,子どもが楽しみながら,自ら投げるコツを見つけ,工夫していく学習活動を位置づける。
  本実践により,以下のような成果が得られた。
@新聞スティックは子どもの投げる動作の質を高めることができる。新聞スティックを持って,手のひらを下にして後方に引いた状態から,投げる動作を始めることで,肘を90度に曲げたり振りかぶって投げたりする動作を身につけることができた。
A 新聞スティックは投力の低かった子どもの投力向上に役立つ。投げ方が分からずソフトボール投げの記録が低かった子どもは,新聞スティックを使うことで投げ方のこつを身につけ,記録を向上させることができた。
   今回,4・5・6年生を対象に,肘の角度や位置に着目して,実践を行った。今後も,低学年を含め,全学年の発達段階を踏まえた系統的な指導のあり方について研究を進めたい。また,科学的に投げる動作の分析を行い,指導法をさらに工夫していきたい。

<参考文献>
体力向上に向けた学校の取組について〜投力向上を目指したN市小学校の事例から〜 脇野哲郎(新潟市立総合教育センター)体育科教育学2012,P293
野球における,遠投力と上半身のIsokinetic Strength 黒岩真澄,吉松俊一,堀内忠一,中嶋学,山崎和美(更埴中央病院,整形外科,リハビリテーション科)日本体育学会大会号(4013)1989,P743
小学校における体力向上に関する一考察―体育生活の実態調査及びん投力に着目した授業実践を通して― 網中明仁(銚子市立清水小学校)廣橋義敬(清和大学)  日本体育学会大会号(55)2004,P620    


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「教育実践」
体育科におけるワークショップ型授業の導入
〜体つくり運動での実践を通して〜
佐渡市立行谷小学校
阿部 義弘

  文部科学省では「体つくり運動」について,「体力の必要性の学習の大切さ」と「仲間との豊かな交流の大切さ」を示している。これまでの私の「体つくり運動」の授業を振り返ると,教師が様々な運動を紹介し,それを子どもにさせるドリル的な活動が多く,子どもが思考する場面や相互に関わる場面が見られなかった。そこで,子どもの関わる力や思考力を高めるのに有効であるとされているワークショップ型授業が,体育科にも有効ではないかと考えた。
 ワークショップとは,「講義などの一方的な知識伝達のスタイルではなく,参加者が自ら参加・体験して共同で何かを学び合ったり作り出したりする学びと創造のスタイル」→「参加体験型グループ学習」である。子どもは教師から与えられた枠の中で,自ら考え創造していくスタイルの授業となる。
 しかし,体育科は他の教科と違い,「運動量の確保」「安全管理」「広大な場」などの要素がある。導入の際には,これまでのワークショップ型授業に改善を加え,思考力や関わり合う力を高めていくことを試みた。
 実践では,「意欲面の上昇」「アドバイスを行うことで,他者の意見を取り入れたより良い動きの追求」「自分たちの動きの前回との違いの認識」「動きの回数や時間への意識の向上」などの成果が得られた。
 課題としては,ねらっている高めたい部分を意識した運動になっていないグループがあったことが挙げられる。そうならないためにも,教師が説明段階で,しっかりとした活動の枠を与える方法をさらに追求していくことが必要である。

<参考文献>
ワークショップ -新しい学びと創造の場 中野民夫 岩波書店 2001
動きの「感じ」と「気づき」を大切にした体つくり運動の授業づくり 細江 文利,鈴木 直樹,成家 篤史 教育出版 2011


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「教育実践」
投力向上のためのドリルゲームの工夫
〜ハンドボールの実践を通して〜
新発田市立猿橋小学校
菊地 康裕

 本校の児童は、毎年行っている体力テストの結果で、ソフトボール投げの記録の低下が見られる。これまで自分の体育授業で、投力向上を意識した活動は行ってきた。しかし、ただ単に投げる練習を行うだけで、児童は意欲的に取り組んでいたかどうかは疑問が残る。そこで、ハンドボールの単元の中で、チーム対抗を取り入れたドリルゲームを多く設定した。そうすることで、児童が意欲的に活動するようになり、投力の向上につながると考えた。
 具体的に以下の3点の取組を行った。
@チーム対抗の投動作を意識したドリルゲームを毎時間行う。
 試合を行う前にドリルゲームを毎回行った。相手チームとの対戦という形式をとることで、児童は遠くに投げようとしたり、強く投げようとしたりする意識が強くなり、意欲的に活動する姿が見られた。
A正しい投げ方を意識した壁当てゲームを行う。
 正しい投げ方の図を提示し、毎時間、それを見せて説明し、正しい投げ方を意識した活動を行った。活動中も児童に声を掛けながら、図を見せて正しい投げ方を意識させた。
Bゴールを段ボールにする。
 試合の中でのゴールを通常のハンドボールのゴールではなく、段ボールを使用した。児童は、段ボールを倒すために強くシュートを打とうとしたり、倒す喜びを味わったりしながら活動していた。
 実践の結果、チーム対抗にすることで、児童は意欲的に投動作の活動を行った。また、投動作が身に付いていなかった児童は、投げ方の改善が見られ、ソフトボール投げの記録も伸ばすことができた。

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「教育実践」
ボールを持たないときの動きを高める中学年ゴール型ゲームの指導
新潟市立東曽野木小学校
和田 哲哉

 ゴール型ゲームの入門期である中学年では,運動教材に対してマイナスイメージを持たせずに,どの子も楽しみながら意欲的に学習する姿を大切にしたい。苦手な児童はゲーム中に「どうしたらよいか分からない状態」に陥りがちである。その状態がマイナスイメージにつながり,意欲や学習成果の高まりを妨げていると考える。
 私は,中学年のゴール型ゲームにおいて,「どうしたらよいか分からない状態」の児童を減らし,ゲームの中で自ら動き出すことができる児童にを育てることが必要だと考える。そこで,以下の2つの方法で解決を目指した。
1.「ボールを持たないときの動き」を身に付け,「どう動いたらよいか分からない状態」を解消できる運動教材と指導の工夫。
2.身に付けた「ボールを持たないときの動き」を次の運動教材に生かしながら動きを高められる単元配列の工夫。
 同一学級の複数年にわたる実践から,以下の2点についてそれぞれ検証する。
(1)実践前半で行う単元「ディスクゲーム」が,「ボールを持たないときの動き」及びゴール型ゲームに対するマイナスイメージの変容に有効であったか。
(2)ボール操作技能の難度を段階的に高めた実践後半の2つの単元において,「ディスクゲーム」で習得した動きを発揮し,またそれを高めることができたか。
 それぞれについて,学級全体及び苦手意識を持つ女子児童を抽出し,ビデオによる個々の動きの分析や学習カードの記述の分析,アンケートによる意識の変化の分析を通して検証する。

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「教育実践」 守備側の役割行動を身に付けさせるベースボール型の学習指導
長岡市立六日市小学校
蔵品 和臣

 過去の私のベースボール型の実践では、守備側に「ボールが飛んだ児童は追いかけるが、他の児童はどう動いてよいか分からず動けない」「ボールを捕球しても、そのボールをどこに送球したらよいか分からず戸惑う」という様子が見られ、児童が思いきり運動し、ゲームの楽しさを味わうことができなかった。
 この課題を解決し、当校児童がベースボール型のゲームの楽しさを味わうことができるようにするため、昨年度は、プレイヤーの数を1チーム4人と修正し、アウトが成立する条件を簡易化し、実践を行った。その結果、アウトを成立させたい塁を4人で判断し、その塁に向けて全力で走る様子が見られ、運動を楽しむ様子が見られた。しかし、その一方、捕球したボールを「どこに送球したらよいか分からず戸惑う」様子が改善されたとは言えなかった。また、ベースボール型の特徴である【走者が速いか、守備側の共同作業が速いかを、特定の塁上で競い合うこと】を、送球を用いたゲームで味わうことができたとは言えなかった。
 そこで、今年度は、ベースボール型の学習内容の一つである「チームとして守備の隊形をとってアウトにする動き」を、「守備における役割行動の分化」と捉えた。そして、児童が、打球に応じて適切な役割行動を判断して動き出せるようになると、ゲームをより楽しむことができるようになると考えた。そこで、ベースボール型のゲームで必要な技能を、個人で発揮可能な技能(個人技能)と、集団で発揮可能な技能(役割行動)とに分け、明確化した。さらに、個人技能と共に、@ベースカバー役の人数を段階的に減らすこと、A役割行動について考えるミニゲームを導入すること、B送球の捕球技能を容易にするための教具を工夫すること、という3つの手立てを用いて、役割行動を学習できるようにした。その結果、児童はベースボール型のゲームをより楽しむことができるようになった。

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「教育実践」 オープンスペースへの意識を高めるセストボールの授業
十日町市立鐙島小学校
込山 翼

 学習指導要領では中学年ゴール型ゲームに「空いている場所(オープンスペース)」という言葉が記されている。そこで「オープンスペースへの動きの獲得」を最大のねらいに,セストボールを取り上げ,授業を実践した。セストボールは360°どこからでもシュートが打て,オープンスペースが作り出しやすい,生まれやすい特性がある。
 子どもたちにとって,オープンスペースへ動き出すことは難しい。そこで下記の手立てを講じ,オープンスペースへの動きを高めることを目指した。
@  ゴール型ゲームを1年間でステップA(ボール運びゲーム),ステップB(セストボール)に分けで段階的指導を行う。
A  学習カードからの記述・前時のVTRから,子どもたちの課題を取り上げ,子どもたちと学習問題(◎)を成立させる。(問題解決学習)
B  1時間の流れをドリルゲーム(ボール操作技能) ⇒ タスクゲーム ⇒ メインゲームとして繰り返す単元構成とし,オープンスペースへの動きを高める指導
 以上のような手立てを講じることで「オープンスペースへの動きの獲得」が図れたとともに,ボール操作技能も向上した。
 セストボールはあまり知られていない。本実践をきっかけに,より多くの人から興味をもってもらえるようになると幸いである。

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「教育実践」 
生徒の多様な考えを導き出す学習過程の工夫
〜ファシリテーション・グラフィックの効果的な活用をとおして〜
新潟市立白根北中学校
坂井 孝行

 私は,生徒自身が運動の目的や意味,どうしたら技能を高められるかを理解し,主体的に運動に参加する保健体育授業づくりを目指している。そのために,ファシリテーション・グラフィック(以下FG法)を活用し,生徒一人ひとりの多様な考えや思いを導き出し,整理して論点を明らかにしていく活動を学習過程の場面に取り入れることが有効であると仮説を立てた。したがって,保健体育授業におけるFG法の有効性と活用方法について研究する。

 生徒の実態としては,保健体育授業についての生徒アンケート結果において83%の生徒が「授業に意欲的に取り組んでいる。」と回答している。しかし,運動が得意・不得意の二極化がはっきりとしており,身体能力的に優れ,発言力が大きい生徒だけが中心となって活動が成り立っているという様子が随所に見られる。さらに,コミュニケーション能力が低く,他者とかかわり合うようなグループ活動を好まない生徒が多い。また,96%の生徒が「授業内容はわかりやすい。」と肯定的に回答しているが,運動の目的や意味や方法について問うと多くの生徒が十分に理解しているとは言えない実態がある。どちらかというと,受け身の生徒が多い。これらの生徒の実態を踏まえて自己分析すると,教師主導の詰め込み型の授業展開となっており,生徒が本当の意味で十分に理解していないままの状況で課題設定がなされている場合が多かった。そして,与えられた技能や知識を活用し,課題達成に向けて生徒達が運動をこなしているだけにすぎない授業展開が繰り返されているということが推測される。

 この自己分析結果より,生徒一人ひとりの考えや思いを引き出す中で,問題意識を喚起し,課題を共有化する。それにより,主体的に運動にかかわろうとする意欲を高め,基本的な技能や知識の習得を目指す。保健体育授業の学習過程でFG法を効果的に活用するために,子ども同士が主体的にかかわり合いながら言語活動(話す・聞く・書く・読む)をするスキルを身につけさせること。また,自分の考えや思いを気兼ねなく表出できる,良好な人間関係づくりを構築することも視野に入れながら丁寧に指導していきたい。

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「教育実践」 
仲間とともに工夫しながら技能を習得する武道(柔道)の授業
〜固め技(おさえ技)を習得する場面での実践〜
新潟市立濁川中学校
渡邊 直樹

 これまでの武道(柔道)における授業では,授業者が「型」を一斉に指導し,生徒は反復練習によって基本動作や技の習得を行ってきた。しかし,「なぜその技が有効なのか」「どうするとより確実に技をきめられるのか」など,生徒が問題意識をもちながら課題に取り組んで技を習得していくという姿が見られなかった。そこで,生徒自らが課題をもって仲間と工夫しながら技を習得し,習得した技を試合に生かしていく授業を目指すこととした。本単元では安全面を考慮して,固め技(おさえ技)を習得する場面で,どのようにしたら一本がとれるおさえ込みができるかを生徒同士で話し合い,仲間とともに工夫しながら練習し,修正する交流活動を組織した。講じた手立ては以下のとおりである。
@ 試合の中でおさえ込みで一本になるシーンを動画で紹介し,関心をもたせる。ただし,おさえ込んでいる様子はモザイクで隠し,どのように相手をおさえ込んでいるか生徒に考えさせる。
A 「おさえ込み」の条件,「解けた」の状態を示した上で,3人一組のグループで,おさえ込む際の『腕の使い方』『胴体の使い方』『脚の使い方』をポイントとして,相手に対してどのように自分の体を使っておさえ込めばよいかを交流させる。
B 交流活動によって考案したおさえ込み(Myおさえ技)によって一本がとれるかを確かめるために,他のグループの生徒と,おさえ技の簡単な試合を行う。
 あらかじめ,おさえ技を「型」として生徒に指導するのではなく,おさえ込みの条件を満たしたおさえ方を考えさせることで,生徒たちは「一本がとれるおさえ込み」を仲間と試行錯誤しながら考案する活動を展開することができた。また相手をおさえるための身体の使い方について考えることにつながり,「型」にとらわれることなく,変化する相手の動きに柔軟に対応できる使い方を学ぶことになり,より実戦的なおさえ技を習得することにつながった。

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「教育実践」 
どの子も3歩でリズミカルに走り、記録を伸ばすことのできるハードル走
新潟市立曽根小学校
宮本 俊

  これまでの自分の実践では、技能の面では「インターバルを3歩でリズミカルに走れない」「自分の記録が伸びない」という子どもがいた。また、思考・判断の面では「より速くなるためのよい動きが分からない」という子どもがいた。
 そこで次の3つの手立てを行った。
1.ハードルの高さ(44cm・56cm)とインターバルの距離(6m・6.5m・7m)を組み合わせた6種類の多様な場の設定。
2.教師が提示した「ハードリングの大切な動き」を基に相互評価させる。
3.@自分に合った「ハードリングの大切な動き」を選択させる。A「自分なりのコツ」を見つけためのカードや発問を工夫する。
 その結果、得られた成果は次の3点である。
@50m走のタイムよりも40mハードルのタイムが速くなった子どもが77%。※差が0.5秒以内の子どもは12%。
A44cmの高さのハードルは47人(2クラス)全員が3歩で走れた。56cmの高さのハードルも70%の子どもが3歩で走れた。
B自分に合った「ハードリングの大切な動き」が分かった子どもは100%。さらに、「自分なりのコツ」を見つけた子どもは66%。

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「教育実践」 
楽しく運動しながら達成感を高める体育授業の工夫 
〜マット運動の実践から〜
新潟市立東曽野木小学校
小瀬 保夫

   器械運動は,他の運動領域に比べできる,できないの差がはっきりと分かる領域である。また,技を行っている時の動きも分かりにくく,技ができたのか,どこを直せばよいのか分かりにくい運動でもある。よって,運動技能の低い児童にとっては,自分の課題が分からず,楽しさや技ができた達成感を味わえないまま授業を終えることとなる。
 そこで本実践では,次のような手立てで授業を行い,達成感を味わわせたいと考える。
@場の工夫:個人技能の習熟だけでなく,友だちと技を合わせたり,グループの友だちと一緒に技を行ったりする。
Aゴールの設定:単元の最後には,グループで演技を発表することを伝え,練習する必要感を与える。
B「見つけたよ伝言板」の設置:連続技や友だちとの組み合わせ技,ペアやグループで演技をするには,いろいろな工夫が考えられる。そこで,その練習での気づきや発見を書き込める伝言板を用意し,技のコツをみんなで共有できるようにする。
Cペア・グループ学習を行う:単元を通して,ペアやグループでの活動を取り入れ,お互いの技を見合うことで,良いところを話し合ったり,アドバイスをし合ったりし,課題解決=技能の向上を図っていく。
 さらに,達成感を検証する方法として,次の二つの方法で行う。
@単元の始めとグループ演技を終えたときにアンケートをとり,技や演技ができたときの達成感を子どもの記述から見取る。
A毎時間の学習カードの振り返りから,授業評価を行い検証する。

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「教育実践」 
タスクゲームで思考力を育てるボール運動の指導
新潟市立白山小学校
小山 映

 

 本校の児童の実態は、ベースボール型ゲームは未体験の子供が多く、ルールに関する知識や経験が不足している。特に、守備の面では、ボールを複数人で追いかけたり、どこでアウトにするか混乱して動けなかったりするなど課題が多い。また、練習の段階では動けても、ゲームになると動き方が分からなくなり、動きが止まってしまうこともある。
 そこで、本研究では、子供たちの話合いや練習したことがメインゲームで生かせるように、次の2つの手立てを講じた。
1 ゲーム中に戸惑いの見られる場面におけるタスクゲームを導入した。
2 単元の前半では、[タスクゲーム@→振り返り→タスクゲームA→振り返り]のように、一時間の流れを構成し、話し合ったことがタスクゲームに生かせるようにした。
 1の手立てでは、外野にボールが飛んだ場面のタスクゲームを行った。このタスクゲームにより、確実に外野にボールを捕りに行く場面の練習ができ、チームの課題だった守備の動きに注目して、話合いをする姿が見られた。特に、センターに置かれたボールを取りに行く場合には、どのアウトゾーンに集まるのかを判断することが難しく、誰がどのように動くのかが話合いの中心となった。
 2の手立てでは、守備側の動きを改善するために、個々の役割分担に焦点を当てた。子供たちは、できるだけ早くアウトにするために、捕球、中継、ベースカバーなど、必要な役割を考え、タスクゲームの中で試していた。役割がはっきりしたことで、守備の動きがスムーズになり、特にアウトゾーンに集まる子供の動きが洗練され、前時よりも失点が少なくなる場面が増えた。
 場面を限定したタスクゲームを行わせることで、子供たちは自分のチームの課題に合った練習に重点的に取り組むことができ、守備の動きに焦点化してじっくり考えることができた。また、チームの動きを見直すための観点を示し、振り返りの場面を設定することで、話し合いながら動きを見直すことができ、スムーズな守備の動きにつながった。


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「教育実践」 
運動の特性に触れさせる体育授業の工夫
〜第6学年「マット運動」の実践から〜
村上市立朝日みどり小学校
駒沢 玲子

 

 学校体育の目的は,「生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てる」ことである。しかし,最近では,「運動をする子」と「運動をしない子」の二極化が問題になっている。本学級の児童も,運動技能に個人差があり,運動嫌いな子がいる。運動嫌いを生み出す一つは,「できないことが多い」ことである。私は,運動嫌いの子にも運動の楽しさを味わわせたい。
 そのためには,一つずつ技能を身につけさせて,できる喜びに浸らせてやることが大切である。そして,できる喜びは,「もっと難しいことにも挑戦しよう。」という思いを生み出すはずである。その循環を体育授業の中に作っていく。
 そこで,次の仮説を立てて検証した。
@教える技をしぼり,一つの技を確実に習得させてから次の技の学習に入る単元構成により,技能が向上するであろう。
Aマットの大きさや設置方法を変化させるなど,児童の能力に応じた練習の場を設定することにより,技能が向上するであろう。
 実践の結果,児童に自信が生まれ楽しく運動することができ,次の技の習得にも無理なく移行することができた。また,個の実態に応じた練習の工夫は,自分の課題に気付かせ,意欲的な練習の原動力となった。そして,さらなる技能の向上につながった。


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「教育実践」 
守備に重点をおくことで、作戦を立てることの大切さを実感させる体育学習
〜6年生タグラグビーにおいて〜
新発田市立米子小学校
菅 祐毅

 

 個々の運動能力は様々である。タグラグビーにおいて、運動能力の高い児童は、一人で守りをかわし、得点を取るという状態が多くある。また運動が得意ではない児童の意識は、タグを取られたくないという思いから横に逃げたり、後ろに下がってしまったり、という動きが見受けられる。そこで、守備に重点をおいて指導を行うことで、運動能力の高い児童一人では攻めることができない、またタグは取られてもいいという意識を児童に定着させたいと考えた。

 そうすることで、児童の中に「どのようにして攻めたらよいのか」という問題意識が生まれ、作戦を立てて攻めなければ、うまくいかないということに気づかせていく。作戦を立て、一人一人が活躍し、全ての児童が運動に意欲的に取り組むことをねらった。

 その手立てとして、守備を行う上での3つのポイントを示した。そのポイントにあった守備を中心としたタスクゲームを工夫して取り入れて授業を行った。
 今回の実践で児童一人一人が意欲的に動くことができるようになった。また、どのようにして攻めたらよいか、児童同士で話をする場面をいくつも見ることができた。また守備に重点をおいて指導を行うことで、運動が得意ではない児童も活躍する場が生まれる。運動能力に差があっても全ての児童が意欲的に学習を行うためには守備の指導が重要である。


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「教育実践」 
動いているボールをバットで打つ技能を習得させる体育授業の工夫
〜6年「ベースボール型ゲーム」の実践を通して〜
阿賀町立三川小学校
吉井 辰成

  ベースボール型ゲームは、一定回数の攻守を規則的に交替しながら、相手チームとの得点の競い合いを課題として行うゲームである。ベースボール型ゲームのこのような特徴を踏まえ、実際に体育授業で行う場合に課題となるのが、ベースボール型ゲームの経験が少ない児童が、ルールがよく理解できなかったり経験の違いから技能が身についていなかったりし、意欲を失っていくことである。
 そこで、昨年度は、守備側が打った打者の塁に集まる形式の「フィルダーベースボール」を基本に、学習が進むにつれ守備側の集まる人数を減らしていったりボールの大きさを小さくしていったりとルールや道具を意図的に設定して行った。
 昨年度の実践から、基礎技能の向上が見られなかった点、チームのめあてが学習課題となり全体で学び場が少なかった点、楽しく活動していたが児童同士の教え合いが少なかった点が課題として残った。
 今年度は、その課題を解決するために、6年生のベースボール型ゲームの実践において次の3点に取り組んだ。
@単元を通して、打撃の基礎技能の向上を図る手立てを設定する。
A6つの打撃のポイントを関連性や順序性で2つに分類し、単元前半と単元後半の学習課題として、単元を構成する。
B教え合いや関わり合いを増やすため、トスバッティングを導入する。
観察的技能評価や形成的授業評価、診断的総括的技能評価を用いて、手立ての有効性や児童の技能の向上の度合いを検証した。検証の結果、6つの打撃のポイントを学習課題と設定し、児童の実態や課題に合わせた手立てを工夫することで、児童が意欲的に学習課題に取り組み、児童のボールを打つ技能は高まることが分かった。
【引用文献】
・「体育科教育学入門」高橋建夫 岡出美則 友添秀則 岩田靖 (大修館書店)
・「学校体育実技指導資料 第8集」 文部科学省
・「小学校における動いてるボールを打つ指導法の考察」栫井大介 光本允
・「ベースボール型ゲームでバッティングを学ぶための学習課題とその適時性」中井隆司 光本允 金森昭憲

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「教育実践」 
仲間とかかわり合いながら技能を高める 「マット運動」の指導
燕市立吉田小学校
林部 雄一

 昨年度は、子ども同士のかかわりから技能向上へつなげることに主眼を置き、以下の2つの手立てを講じ、実践を行った。
@「ねらい1」で全員がスモールステップで倒立に取り組ませ、「ねらい2」では自分の挑戦したい技に取り組ませる単元構成にする。
Aステップアップボードを使用して技のできばえを評価したり、動きの教え合いをしたりする。
 倒立を中心に単元を進めたことにより、「ねらい1」では、倒立を補助し合ったり技を見合ったりすることで協力しようとする姿が見られた。単元前は、倒立で自分の体を支持できる子が少なかったが、自分の体を支持できる子が増えた。また、ステップアップボードを活用し、各技の動きのポイントや練習法を提示したことにより、友達の動きを見るポイントがより明確になり、グループでのアドバイスのし合いが活発になった
 「ねらい2」では、倒立練習で高まった逆さ感覚や腕支持などの動きが生かされる様子が見られたが、児童が挑戦する種目が6種目あり、教師が児童の動きを掌握しきれなかったために、技能の向上につなげられなかった種目があった。特に習得が難しい技については、焦点を絞っての指導が必要であった。
 今年度の実践では、昨年度の実践で生じた課題を生かし、挑戦する技を焦点化し、動きのポイントを共有し、子ども同士のかかわり合いを促し、技能の向上を目指す。

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「教育実践」 
技能の向上と競争の楽しさを味わえるハードル走学習
〜スモールステップによる段階的な指導と対抗戦ゲームでの教材化を通して〜
魚沼市立小出小学校
恩田 真太郎

  陸上運動の学習では、技能を向上させることに重点をおくので、児童が自分に合った課題を決めて主体的に取り組むことが少ない。また、運動能力の差を考慮せず競争する場合が多いため、友達と競い合うことの楽しさを味わいづらい。そこで、ハードル走において、一人一人にできた喜びや競争の楽しさなどの運動特性にふれる楽しさを実感させたいと考えた。そのために、スモールステップによる段階的な練習内容の選択と、記録の伸びの得点化により全員が平等な条件で競争できる場の設定を中心に学習を進めた。その概要は以下の通りである。
@スモールステップの学習過程
 ハードル走の練習内容をカードにして、スモールステップの練習に取り組ませた。カードでは、「インターバル」「踏切・振り上げ足」「抜き足」「着地」の4つの課題について、絵を使って段階的な練習方法を提示し、意識させたいポイントを言葉で示した。
A平等な条件で全員が競争できる場の設定
 全員が同じ条件で競争でき、競争の楽しさを味わうことができるように、40m走の記録と身長をもとに、ハードル4台あたりのロスタイムの縮まりを得点化した。
さらに、基準となる個々のインターバルの長さを身長から算出し、走力や跳躍力を考慮してインターバルの伸びを得点にプラスさせた。その結果、今までできなかった課題に挑戦することで、できた喜びを味わわせることにつながると考えた。加えて、グループの合計得点で競争することで、グループ内で仲間の得点を高めようと、スモールステップのポイントの活発な教え合いがなされるように働きかけた。
こうした学習過程と場の設定により、次の成果が確認できた。
@児童は技能・記録の向上によるできた喜びを味わうことができた。
A技能の低い児童でも競争の楽しさを味わうことができた。
 そしてこの結果から、児童はハードル走の特性にふれる楽しさを味わうことができたととらえた。

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自分に合ったペースを獲得させるための持久走の授業  
〜5・6年生 「主観的運動強度」を用いた持久走の実践〜
五泉市立村松小学校
吉田 研

  学習指導要領解説にもしっかりと明示されている「持久走」。体力やマラソン大会の記録の向上のためにと、やみくもに「がんばれ!がんばれ!」と走らせていないか。それでは、子どもたちは順位などの記録ばかりに意識がいき、無理な走り方をしたり、タイムの遅い子どもはますます運動嫌いになったりする。
 私が紹介する実践は、授業を通して、子どもたちが自分に合ったペースで走ることを体感し、その学習の成果をゲーム的な活動で試すものである。手立ては2つ。
1 6分間走を行い、自分の疲労感(主観的運動強度)を、「ボルグの指標」を用いて数値で表し、走り方を評価・修正する。
2 今までの自分の走り方の評価を基にして、6分間走でどのくらい走れるか予測し、実際の記録との誤差を得点化するゲームをする。
 子どもたちは数値によって学習の成果が比較しやすくなり、ゲーム感覚で運動に取り組むので、意欲面や情意面も向上する。

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記録の向上を目指した短距離走の指導の工夫  
〜ポンピュン走法を取り入れて〜
佐渡市立小木小学校
高橋 高志

  短距離走の指導において、福島大学川本和久教授の提唱する「ポンピュン走法」を以下の3つの手立てから改善し、体育学習に導入した。
 手立て@ 正しい動きを身につけるため、ゲーム的要素を入れた基礎感覚づくり
 手立てA 正しい動きの技術ポイントに気付かせる発問
 手立てB 正しい動きを身に付けさせるための用具や場の工夫
 その結果、得られた成果は以下の4点である。
(1) 69%の子どもに疾走フォームの改善が見られ、65パーセントの児童の記録が向上した。
(2) 基礎感覚づくりによって、疾走時の姿勢が改善した。
(3) 発問を計画的に位置付け、実際にやってみながら考えさせることは、子どもに正しい疾走フォームを意識させ、体感させるために有効であった。
(4) 場や道具を工夫し、ポンピュン走法の動きを含んだ運動をさせることは、子どもの疾走フォームの改善に有効であった。

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安全に留意しながら柔道の楽しさを味わう授業  
〜柔道の基本動作の習得場面において〜
長岡市立南中学校
風間 大助

  本校の柔道の授業では、安全を重視するため、一斉指示の単純な受け身動作の反復練習や補強運動、けがの危険性の比較的低い固め技を中心に学習を進めてきた。そのため、生徒の授業への印象はマイナスイメージが多い。また、学習指導要領においては「相手の動きに応じた基本動作」から、「基本となる技を用いて」と改訂された。そこで、相手の動きに応じた基本動作や技を習得し、その上で柔道の醍醐味を味わうことのできる授業に改善を図っていく必要があると考える。
 この課題を解決するために、本校の柔道の授業計画を見直し、基本動作の習得場面から対人で活動する場面を増やし、投げ技の習得を目指す。しかし、対人での活動場面が増えると、けがの危険性も高まる。そこで、対人で活動する際に互いの安全に留意しながら見守る生徒(コーチ)を必ず配置することにする。また、柔道は小学校で経験していない領域であり、柔道衣(和服)を着ることが初めての生徒も多い。そこで、言葉が適切に伝わるように、柔道衣に直接カラービニールテープを貼ることで、「引き手」や「釣り手」が一目で分かる視覚的な支援を導入し、安全を確保するために必ず意識させるべき事項を明確にする。このような手立てを講じることで、安全に授業を展開しながら、柔道の醍醐味を味わう授業へと改善することができた。

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ベースボール型ゲームにおいて連係プレイを習得できる指導の工夫  
〜守備における主体的判断を高めることをとおして〜
長岡市立川崎小学校
小田 尚和

  5、6年生におけるベースボール型ゲームを楽しむための特性の一つを「攻撃側の走者(走塁)が速いか、守備側の協力した作業が早いかを、特定の塁上で競い合っていること」と設定した。「打球が飛んだ状況に応じた守備側の判断」を攻防の中心としたゲームやその配列の工夫を行った。守備における学習課題を「どこでランナーの進塁を阻止するのか」「どのランナーの進塁を阻止するのか」とした。課題解決に向けてどう守備をしたらよいか考え、判断して動くことができるように、2年間で段階的に指導した。
 1年目は、打者ランナーと打球状況に応じた守備の役割行動をする「フィルダーベースボール」を、2年目には、残塁場面で、残塁ランナーと打者ランナーに対応した守備の役割行動をする「ブレイクベースボール」をゲームに取り入れた。子どもは、ゲームに応じて作戦を考えたり、繰り返し試行したりしながら、チームみんなで守備ができるようになっていった。その過程で、守備側プレイヤーの連係プレイや役割行動が習得され、意図的な判断行動を引き出すことができた。実践の結果、多くの子どもがベースボール型ゲームの攻防を楽しむことができ、学習成果の高まりが認められた。

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状況を判断する力を高めることで動きを引き出すハンドボールの授業
新潟市立中野山小学校
高野 義友

 ボール運動の授業では、意欲的に動ける児童と動けない児童の差が大きい。その差を縮めるためにまず高めたい力は、どう動いたらよいかという状況を判断する力ではないかと考える。そこで、ハンドボールの授業において、学習課題の設定と個人チャートへの記入によって考えてから動くということを繰り返し経験させる。
@児童の実態に即した学習課題の設定は、無理のない運動への思考を生み、状況を判断しながら動きを決定することにつながった。
Aチャートへの書き込みによって、児童が動きを意識しながらゲームに臨む姿が見られた。
B児童の運動技能の高まりに応じて、自分なりに動きを広げることができ、動きを意識してゲームに参加することで、サポートの動きやパス、シュートの質が向上した。
 このように、児童の運動への思考や技能の高まりに即した課題を設定し、個人チャートに記入しながらゲームに臨ませ、状況を判断する力を高めることは、サポートの動きや味方のサポートへのパス、フリーでのシュートの動きを引き出すのに有効である。

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