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中学校

「教科等研究セミナー」
「対話」を通して理解を深める生徒の育成
~ICTの特性を生かした授業実践を通して~
新潟市立白新中学校
藤田 夏樹

  昨年度、勤務校の生徒に実施したアンケートの結果、学年が上がるごとに話し合う活動が好きな生徒が減少傾向にあることが分かりました。その背景には、わたしのこれまでの指導で、話合いの場面を設定しても、深まりのある充実した活動になっていなかったことが考えられます。
 このような実態を受け、本研究では、<対象との対話><仲間との対話><自分との対話>の3つの「対話」を授業の中に位置付けることにしました。<対象との対話>とは、導入場面で学習課題を基に、学習する対象を理解し、自分の考えをもつことです。<仲間との対話>とは、学習課題を追求する場面で互いの考えを伝え合うことです。<自分との対話>とは、終末の場面で自分の学びを振り返ることです。対話に際しては、ICTを活用して事象や生徒の考えを可視化することで対話が促進され、深まるようにしました。それによって、生徒が学習内容の理解を深め、仲間と関わることのよさを実感できるようにしました。
 実践の検証として、質問紙により実践前後の生徒の変容を分析した結果、手だてにより「イメージしやすかった」「自信が付いて積極的に発言できた」ことで、「いつもより相手に分かりやすく説明することができた」という記述がありました。また、これまでの授業では、分かる生徒が分からない生徒に教えるだけの班活動になっていたものが、本実践では、生徒が「対話」を通して、別の考え方があることに気付いたり、自分の考えを修正したりしていました。こうした姿から、生徒は「対話」を通して理解を深めることができたと考えます。
 さらに、アンケートでは「話し合うことが好き」に対する肯定的な回答の割合が、実践の前後で20%以上増える結果となりました。このことから、本実践で生徒は仲間と関わることのよさを実感できたと考えます。
<参考文献>神林信之 風間寛司 星野将直 井口浩 小嶋修 渡部智和『教えたくなる数学 学びたくなる数学』.考古堂.2012.

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「教科等研究セミナー」
柔軟に発想し完成まで構想を深め続ける授業の工夫
新潟市立木戸中学校
山川 みずえ

  新しい題材に取りかかると、美術が好きな生徒、得意な生徒は意欲的に取り組むが、美術に苦手意識があったり意欲的でなかったりする生徒は、発想のアイディアスケッチなどの段階で安易にインターネットなどを使って検索し、得られた画像とほぼ同じものを描いていることが少なくありません。そういった経緯を経て作品に採用された案は、制作が進んでも見直されることはほとんどなく、発想や構想に深まりや練り上げが不十分なまま作品となってしまいます。このように主題の追求が授業で十分に行われていない状態では、発達段階においての学びが不十分であると感じます。創造的な技能を働かせて実際に形にしていく中で発想や構想を再度見直したり、構想を練る中で新たな表現方法を考えたりする学びが大切です。つまり、発想、構想は制作の初期段階ではもちろんのこと、生徒が自分の作品に納得し完成を迎える時まで継続して深めていくものと考えます。そこで、制作中も意図的に見直しの活動を取り入れていくことで、生徒が最後まで試行錯誤して考えを深めていくことができるのではないかと考えました。
 そのため「表現の活動において、制作活動の間にワークシートの活用や相互鑑賞を通して、自分の主題や造形的要素の観点から作品について継続的に見直しをしていくことで完成まで発想や構想を深め、表現を工夫し続けていけるだろう」という研究仮説を立て、自分の作品を継続的に再確認する場面を設定し、手だてを講じました。
具体的な手だてとしては次の2点を講じました。
手だてa;振り返りの際に自分の考えの変容をワークシートに記入していく活動を行う。
手だてb;グループで相互鑑賞を行い、仲間の意見から新たな視点を見付け、主題の再確認を行う。 
 自分の作品の変容を自覚させたり、主題に近付いているかどうかを確認させたりするため授業の最後に振り返りを行うようにしたことにより、様々な表現方法を試し、試行錯誤するなど自分の作品をより深く追求する生徒が増えました。授業中の教師への質問も主題に向かうためにどんな表現をしたら効果的かなど具体的なものとなりました。これからも生徒がもつ力を十分に引き出せるような方策を考えていきたいと思います。

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「教科等研究セミナー」
生徒に郷土の音楽との結び付きを実感させる授業づくり
~ゲストティーチャーの活用を通して~
佐渡市立真野中学校
石川 雄一

  新しい学習指導要領の音楽科の目標として「生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と豊かに関わる資質・能力」の育成が求められています。これらを育成する上で、地域をよく知り、郷土の音楽の音楽を継承するゲストティーチャーを招き、共に授業をつくることによって、より深く生徒が郷土の音楽のよさに気付き、その特徴を肌で感じることができるのではないかと考え、本研究を行いました。本研究は、佐渡市真野地区に伝わる民謡「豊田音頭」(対象学年中学1年)および佐渡で盛んに演じられている能楽から「羽衣キリ」の謡(対象学年中学2年)を教材としました。内容は次のとおりです。
1 ゲストティーチャーと授業者の発声を比較聴取する。
 本研究の中で教材にした曲の一節を授業者とゲストティーチャーの比較聴取で聴き取らせました。
2 ゲストティーチャーの口頭伝承で特徴を捉える。
 生徒は前述1の活動によりゲストティーチャーの唄の特徴を感じ取らせます。その上でグループで検討し、口頭伝承による直接指導によって「どのようにしたらゲストティーチャーのような発声ができるのか」を試し、思考しながら練習させました。
3 発表会をゴールに設定する。
 グループで練習を行い、相互に聴き合う場面を取り入れ、工夫を重ねながら練習させました。発表会をゴールに設定し、ゲストティーチャーを招き行いました。授業後には、地域の祭りに招かれたり、郷土の音楽の祭典に出演依頼があったりしました。
 本研究を行う上では、ゲストティーチャー、生徒、教師の三者の関係性を円滑にコーディネートする教師の役割の重要性と、内容に入る前の導入において、いかに生徒に興味をもたせるような働き掛けを行うかも重要であることが分かりました。今回の研究によって得られた成果に更に研きをかけて、今後も研究を重ねていきます。

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「教科等研究セミナー」
生徒が自ら筋道を立てて証明できる力を身に付ける指導の工夫
~視覚化したサブゴールの設定を中心として~
関川村立関川中学校
田島 隆之

  「図形での証明について、どのように書き進めていけば説明ができていると言えるのかよく分からない。」「そもそも、結論を導くために何を調べればいいのかが分からない。」私が今回研究主題を設定したきっかけとなった生徒の発言です。
 中学2年生で学ぶ図形領域においての証明は、性質等様々な事柄の調べ方における子どもの思考が、これまでの具体物を利用した操作活動等の実験的操作活動に基づいた帰納的推論から、既に正しいと認められている事柄を用いて根拠を明らかにしながら論理的に説明を行う理念的操作活動に基づいた演繹的推論へと推移する大切な分野です。よって、上記のような質問をする生徒がいるのは、当校の生徒だけでなく誰にでも起こり得る疑念です。
 この事柄の解決を図るため、私は全国学力・学習状況調査を読み解くことを通して改善策を模索することにしました。平成29年度全国学力・学習状況調査の報告書を分析していくと、その正答率や誤答率、解答類から、生徒が図形の性質を考察する場面において、筋道を立てて考え、証明することについて課題があることを読み取ることができます。その後、様々な指導教材より、生徒が仮定から主体的に多様な結論を見いだし、自分で筋道を立てて証明していくような応用発展の場が乏しいことが分かりました。
 これらの改善のため、図形の証明指導において、筋道を立てて証明を考えていくための方略の理解を十分に深める工夫が必要です。そこで三角形の合同の単元において、求めたい新たな事柄の証明をゴールとしたとき、その新たな事柄を示すために用いる二つの三角形の合同をサブゴールとして、合同の証明の習得を十分させることにより、筋道を立てて考える力を伸ばすことにしました。特にその工夫としてサブゴールをICT機器を用いて、生徒の意識に残り、証明の方略に関して生徒の理解の助けとなるような視覚化できる教材を提示することを考えました。
<参考文献>
「平成29年度全国学力・学習状況調査 報告書」
 文部科学省 国立教育政策研究所
「教えたくなる数学 学びたくなる数学~思考力・判断力・表現力を育成する教材解釈・構成~」
 神林信之/風間寛司/星野将直/井口浩/小嶋修/渡部智和 考古堂書店

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「教科等研究セミナー」
数学的に説明する力を伸ばす指導の工夫
~一次関数の利用の実践を通して~
燕市立燕中学校
髙橋 将也

  これまでの指導を通して、根拠を基に数学的に説明することを苦手としている生徒が多いことが分かりました。特に、関数の単元において、根拠を基に数学的に説明することに苦手と感じています。
 平成29年度全国学力・学習状況調査で『ダムの貯水量が一定の割合で減少していると仮定し、貯水量が1500万立方メートルになるまでにかかる日数を求める』という問題が出題されました。全国平均で正答率19.1%、無解答32.8%、誤答率48.1%であること、そして自校の生徒にも同様の傾向があることから、生徒は問題解決を図る方法を説明することに困難を感じていると考えました。
 そこで、関数の学習は現象から2変数を取り出すことを出発点とされるべきであり、2変数の関係を表やグラフを用いて分析しようとする営みそのものが解決の方法や理由を説明する活動であるという視点から、仮説を立て、実践研究を進めました。
 「保冷バッグ内にある飲料水の水温が20℃になるまでにかかる時間を求めること」や「標高2500mの気温を求める方法を説明すること」など、身近な科学的事象を対象に、生徒との対話を通して2変数を抽出し、「Aを決めるとBが決まる」の対応関係が成り立つことを確認しながら学習を進めました。小学校で学習した「Aが変わるとBが変わる」などなじみのある表現も用いることで、生徒が進んで学習課題に取り組めるよう工夫しました。そして、対応表・グラフ・式を関連付けて能動的に分析しようとする姿を育みました。
 対象クラスにおいて、同じく平成29年度全国学力・学習状況調査問題を実施したところ、全国に比べて正答率が高く、無解答率が低い結果となりました。また、誤答の内容はグラフ等の用い方について説明が部分的に不足している程度であり、「一定の割合で減少すると仮定している」ことを根拠にして変化の割合を求めるなど、一次関数の見方・考え方を働かせている記述が多く見られたことが成果です。
 本実践を通して、根拠を基に解決の方法や理由を説明する力が身に付いたといえます。

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「教科等研究セミナー」
自然現象のしくみを、根拠をもとに説明できる生徒の育成
~「図」や「キーワード」を用いた考察場面を通して~
燕市立燕中学校
岡村 博史

  平成29年度告示の新学習指導要領では、「理科の目標」として、(3)自然の事物・現象に進んで関わり、科学的に探究しようする態度を養う」とあります。しかし、これまでの私の実践を振り返ると、実験や観察が好きな生徒は多いものの、考察の場面では、何を書いたら良いか分からず、言葉でうまく表現できないために、白紙で提出したり、班員の答えを写して提出したりと、科学的に探求しようとする姿勢とは遠い姿となってしまっていました。また自分の意見に自信がもてないため、考察場面における意見交流が消極的になってしまっている場面も見受けられました。
 そこで次の二点を具体的な手だてとして、その課題解決に迫りました。
(1) 生活体験に関連した教材を提示し、自然現象への働き掛けを喚起すること
(2) 考察場面において、「図」や「キーワード」を使い、図と言葉の両方で現象を説明させること
 例えば、雲ができる仕組みを考える実践では、映像だけでなく、実際にドライアイスで空気中の水蒸気を冷却し、それを雲と見立て、導入を図りました。その後、「雲はどのようにできるのか」を生徒に考えさせ、それを追究する構成としました。各班で違った種類の実験を行い、結果をタブレット端末で録画し、実験結果の共有、交流がしやすいように工夫しました。その後、「気圧」「温度」「膨張」の三つのキーワードを指定し、図と言葉を使用して雲ができる仕組みを記入し、書いたものを仲間に説明する活動を行いました。図とキーワードの両方で仕組みを記入させることで、理科が苦手な生徒も雲のでき方について、空気の中に入っている目に見えることができない水蒸気に注目して記入することができました。
 今後は、「生徒の表現力がどのように高まっていったのか」を明らかにしていきたいと考えています。また、現象に対して根拠をもってワークシート上で説明するだけではなく、相手への伝え方、相手の考えを聞いて思考を深めるといった「対話的で深い学び」にも視野を当て、実践を続けていきます。

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「教科等研究セミナー」
明確な根拠に基づき、論理的に社会的事象を説明できる生徒の育成
~ 根拠と意見の可視化を通して ~
弥彦村立弥彦中学校
井上 北斗

   「生き方モデルのない社会」を幸福に生きる上で重要なのは、知識の量よりも、「未知の課題に対して、どのように知識や技能を適合し、解決に導くか」です。そこで必要なのは、情報を適切に取捨選択し、それを根拠として判断・行動できる力であり、その中核をなすのが、思考の論理性だと考えます。
 本研究では、「学習の過程に、根拠と意見を可視化する場面を設定するならば、根拠と意見の関係を整理することができ、社会的事象を論理的に説明する力が育つだろう」という仮説を立てました。この仮説に基づき、根拠と意見の関係を可視化するワークシートやフレームワークを利用することで、論理的な思考ができる生徒の育成を図りました。
 実践は、二つの単元で行いました。
 「現代社会の見方と考え方」(第3学年公民的分野)の単元では、対立する三つの部活動の主張を基に、学校のグラウンドの割り振りを考えさせました。この際、ワークシートの構成を工夫し、
 ・三つの運動部の主張や特性を根拠として整理する部分
 ・整理した根拠を基に、グラウンドの割り振りプランを可視化する部分
の二つを用意しました。
 「中国・四国地方」(第2学年地理的分野)の単元では、「過疎化が進む今、新たな本州四国連絡ルートを作るべきか」という課題を設定しました。この際、
 ・学習の過程で発見した事実を根拠として可視化し、積み重ねていくワークシートの導入
 ・単元のまとめで、それまでの学習の過程で得た根拠を、イメージマップの形式で可視化させるなどの工夫を試みました。
 いずれの実践でも、根拠との因果関係を明確にして意見を形成する生徒が多く、根拠が薄弱だったり、情緒的だったりする生徒は少なかったです。特に有効だと考えられるのは、図や表による可視化です。これにより、情報を視覚的に整理できるため、思考を段階的・論理的に整理しやすくなることが明らかになりました。
 今後は、「根拠を見いだせても、それを意見にうまく結び付けて表現することが難しい生徒に対し、どのようにして力を身に付けさせるか」という点を課題にして、更に研究を深めていきます。

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「教科等研究セミナー」
鑑賞と創作の一体化を目指した授業づくり
燕市立燕中学校
早川 克善

  平成20年に施行された学習指導要領の中学校音楽科では、表現及び鑑賞に関する能力を育成する上で必要となる共通事項が新設され、これにより、「表現」と「鑑賞」の一体化を図った指導が求められるようになりました。平成29年3月に公示された新学習指導要領でも、同様の趣旨で共通事項は位置付けられており、音楽の構造についても、表現活動と関連付けながら学習することが求められています。
 そこで、表現活動の中の創作によって、旋律など音楽を形作っている要素についての構成上の特徴を理解し、それらと関連付けながら鑑賞活動することで、音楽に対する理解を一層深めることができると考え、二つの授業実践を行いました。
1 「小フーガト短調」での創作活動
 小フーガを1時間目で鑑賞した後に、創作教材である「動機を生かした旋律をつくろう」を、楽譜作成ソフト「MuseScorePortable」を活用して行いました。バッハが多くの楽曲で用いている主題の模倣、反復、逆行、反行、縮小、拡大を、創作活動を通して理解を図りました。創作活動後、再度小フーガを鑑賞し、曲の聴き方がどのように進歩(進化)したのかを考える時間を設定しました。振り返りシートでは、多くの生徒が「主題を意識することができた」「音の高さの変化に着目しながら聴けるようになった」などと記入し、創作活動前後での変容が見られました。
2 「シェエラザード」での創作活動
 1時間目は、リストとリヒャルトシュトラウスの交響詩を比較鑑賞し、交響詩における標題と音楽の諸要素の関係を理解することを授業のねらいとしました。それに続く創作活動では、与えられた標題(表題)をもとに、8小節(2拍子で1小節に1つのコードを置く)の旋律を、楽曲作成ソフト「Domino」を使用して作成しました。生徒アンケート結果によると、その後の鑑賞では、以前より興味をもった状態でシェエラザードを聴くことができましたが、創作活動での経験を鑑賞に生かすことができた生徒は、50%程度であったため、課題提示の工夫を今後研究していきます。

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「教科等研究セミナー」
学級経営における育てる教育相談
三条市立大島中学校、新潟市立小新中学校
川上綾子、丸山一仁

  社会的能力の未学習や誤学習による学校への不適応や様々なストレスを抱える児童・生徒が多くなる中、学校教育全体を通して「育てる教育相談」の必要性を感じ、実態に応じた実践を進めてきました。
 本実践では、学級経営における「育てる教育相談」の取組や気になる子への個別支援について、発表をします。
実践① 向社会的能力を高める支援のあり方
 褒められたり、感謝されたりすることで周囲から認められていると感じられ、様々なことへの意欲が高まるのではないかと考え、他者から感謝されるような行動(向社会的行動)を増やすために、二つの実践を行いました。一つ目は、向社会的行動を行おうとする意欲を高めるために、教師や周囲による称賛や承認を伝える取組。二つ目は、向社会的行動を意識させるために、生徒がその行動のよさや意義について考える取組です。
 教師の言葉掛けのもつ効果と、生徒が関わりの中で学ぶ力を実感することができました。
実践② 「自己カウンセリング力」の育成
 自分の思い通りにいかずに落ち込んだり、イライラに振り回されて失敗したりすることがあります。感情に振り回されずに、自分自身で困難を乗り越える力を「自己カウンセリング力」といいます。自己カウンセリング力を身に付けるために、三つの取組を行いました。一つ目は、自分の性格や得意不得意を自らが知る「自己理解」の活動。二つ目は、喜怒哀楽の「哀しみ」に対して、物事の捉え方を変えてみる「リフレーミング」。三つ目は、「怒り」に振り回されないようにする「アンガーマネジメント」。
 自分の性格を知った上で、生活の中で「リフレーミング」と「アンガーマネジメント」を適切に行える「自己カウンセリング力」を身に付けるための、学級での取組を紹介します。

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「教科等研究セミナー」
単元を貫く課題を通して事象に対する理解を深める生徒の育成
加茂市立加茂中学校
松原 智加

  既習事項から事象についての根拠をはっきりさせ、自分の考えをもって他に説明できることをねらいとしました。そのために学習内容に関する身近な事象について各自が最初の考えと学習後の考えを可視化し、他と関わらせました。
(1)手だて1「興味をひく課題設定」 そういえばどうしてだろう、と疑問をもつ身の周りの事象から、内面から湧き出る知的好奇心を促す課題を「before⇒after問題」として小単元を貫く課題とします。学習前後に同じ課題に取り組むことで、課題(事象)についてより確かな根拠をもって説明できるようにします。
(2)手だて2「対話の場の設定」  before⇒after問題をそれぞれ自分で考え、その後グループで話し合い他の考えを聞きます。afterではグループでの話合いを重視し、対話によってそれぞれがもう一度自分の考えを見直す場とします。
(3)手だて3「ミニホワイトボードの活用」 1人1枚のミニホワイトボードを使い、問題についての自分の考えを書かせた後、班内で考えを見せながら話すことにより視覚的に他の考えを見ることができ、より考えを深める手段とします。
 上記の実践により、生活の中の身近な現象を課題としたことで、相手の考えを聞きたいという意欲的な姿勢が見られました。またホワイトボードの使用で「書く」ことへのハードルが下がり、書くことが苦手な生徒もキーワードで表すことができました。また、書いたものを見せ合いやすいことからもホワイトボードは非常に有効でした。定期テストでは全体の70%以上の生徒が課題に対して自分の言葉で説明することができました。しかし、課題が学習内容に対して適切なものか、より興味を引くものか、before⇒after問題を実施するかどうかで理解度に違いがみられるかなど今後検証する必要があります。
<学習指導要領>、<新しい科学>東京書籍、<授業を変える課題提示と発問の工夫50>山口晃弘著 明治図書

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「教科等研究セミナー」
事象の多面性・多角性を基に、批判的に追求する生徒の育成
~「批判的思考による問い直し」の手だてを通して~
新潟大学教育学部附属長岡中学校
恩田 隆介

  現代社会は多くの情報があふれ、様々な要因が複雑に絡み合い、簡単には答えを出すことができない問題が山積しています。これからの社会を切り開いていくためには、たとえ答えのない問いに対しても、より妥当な納得解・最適解を他者と共に粘り強く見いだしていく力が求められています。一面的な情報を鵜呑みにせず、様々な資料を基に、いかに論理的に自分の考えを構築できるか、他者の考えを共感的に捉え、省察的に自身の考えを見直すことができるかが重要です。そのためには、事象の多面性・多角性を認識しつつ、根拠(資料・事実)と論拠(解釈)を明確にして自分の考えをもつことと、互いの主張の根拠と論拠に焦点を当てた話合いをすることが必要です。自他の考えを十分に吟味することで、初めて納得解や最適解が導き出せると考えています。
 本研究ではこれらの力を育むために「批判的思考による問い直し」に焦点を当てています。批判的思考とは、自他の主張の説得力や妥当性を総合的に吟味することであり、批判的に思考するためには、自他への問い直しが不可欠です。これらを単元の中に位置付け、実践を行いました。地理的分野「モンゴルの砂漠化を食い止めるには?」(実践1)と、歴史的分野「蘇我氏が絶大な権力をもつに至った理由とは?」(実践2)の2つの実践で、以下の3つの手立てを講じ、検証しました。
①根拠と論拠を明確にする思考の可視化
 自分の考えの根拠と論拠を明確にさせるために、トゥールミンモデルを参考にしたワークシートを活用し、思考の可視化を図りました。これにより、話合いで自他の差異が視覚的に認識しやすくなり、問い直しが効果的に行われました。
②話合いで批判的思考を育むためのフレームワークの導入
 実践1では、知識構成型ジグソーを取り入れました。4つの視点で資料を分け、生活班(4人)で分担して追求させました。同じ視点を追求したエキスパートで主張の妥当性を検討し、その後、生活班で交流を行いました。話合いの活性化を図るとともに、他者と自己の視点を比較・検討しながら課題解決に向かって吟味する姿を期待しました。実践2では、実践1と同様に4つの視点で資料を用意しましたが、役割分担はせずに全ての資料を全員に提示しました。その上で、ランキングを活用することで、理由付けの必然性を生み、自他の主張を吟味しやすくなるような場を設定しました。
③問い直しを促す型の提示
 話合いで意識させたい「問い直しの型」を示し、議論の焦点化と活性化をねらいました。型を積極的に活用させることで、省察的に自他の考えを見直す姿勢がより一層促されると考えました。
 今後も、批判的思考による問い直しに焦点を当てて、研究を進めていきます。

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「教科等研究セミナー」
葛藤場面の展開方法を工夫して、道徳的価値の理解を深める授業
~ウェブマップ上の共通部分を見いだすことで考えを深める~
長岡市立堤岡中学校
小倉 徳子

  私は、自身の道徳授業において、ねらいに迫るような意見を生徒からなかなか引き出せず、道徳的価値の理解を深めるための授業構成ができないことがありました。他者の様々な意見に触れ、多面的・多角的に物事を捉えることができる授業、それらの意見を更に深く吟味することで道徳的価値の理解を一層深めることができる授業、そんな授業を実現すべく、次の手だてで実践を行いました。
 *1「二つの意見」(2017中野)を研究のベースとし、思考ツール(ウェブマップ)を用いて意見交流させることで多面的・多角的な思考を促します。更に、それぞれの意見の共通部分を考察させることで、ねらいとする道徳的価値をより深く理解させるような学習活動を組織することとしました。
1 「二つの意見」の提示
 AとBどちらの意見を支持するかを決め、その支持の理由を付箋に書き、個人マップに貼らせました。なお、AとBの意見を作る際に、実はよく考えると共通点があるという内容になるようにし、ねらいとする道徳的価値を導き出せる意見づくりを心掛けました。
2 ウェブマップの工夫
 「二つの意見」に対する自分の考えを深めたり広げたりする手段として、ウェブマップを使用しました。ウェブマップ上に意見を可視化することでそれぞれの立ち位置が分かり、また、意見の内容を色別の付箋で示させることで、自分と異なる意見をもつ人への疑問点をもちやすくさせました。互いの意見に対して疑問に思ったことや、感じたことについて、クラス全体で意見交流を進めました。意見交流後、再度各自意見を書いた付箋を貼りました。
3 共通部分を見出す
 「二つの意見」の共通部分として考えられることを本時の授業のタイトルとして付け、振り返りシートに授業で学んだことを記述させました。

 ねらいとする道徳的価値の理解を深めるために、ウェブマップを使用して多面的・多角的に考え、さらに「二つの意見」の共通部分を考える活動を取り入れることで、生徒に道徳的価値の本質を捉えさせることにつながったと考えます。道徳的価値の理解を深めるきっかけとなる「二つの意見」を更に探っていきたいと思います。
<引用文献>
 *1 研究代表者:中野啓明(新潟青陵大学) 研究協力者:中越道徳教育研究会
  平成26年度~平成28年度 科学研究費研究成果報告書
 「PISA読解リテラシーを育成する道徳授業モデルの開発研究」(2017)p38 l.7

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「教科等研究セミナー」
生徒の科学的思考力の育成を目指した理科授業の工夫
~ 生徒自らが立案した実験計画を基に臨む、課題解決学習を通して~
魚沼市立入広瀬中学校
風間 真寿美

  新学習指導要領では、見通しをもって観察や実験を行い、科学的に探求する学習活動の充実を図るなど指導の改善が求められています。生徒の実態より、観察や実験には意欲的に参加できるが、根拠に基づいた予想や説明などは苦手という課題が見えてきました。
 そこで、生徒が根拠のある予想を行い実験計画を立案し、課題解決に取り組む授業を展開することで、生徒の科学的思考力の育成を目指しました。2年生では、決まった回路で電流や電圧を測定する実験が多い「電流のはたらき」でⅠ、Ⅱに、また3年生では教師主導の授業になりがちな「天体の満ち欠け」で実践Ⅲに取り組みました。
 次に本研究における手だてを示します。
1 課題設定の工夫 
 ① 実践Ⅰ「豆電球の明るさは、何によって変わるのだろうか」                
 ② 実践Ⅱ「扇風機の風力が変わるしくみを考え、説明しよう」               
 ③ 実践Ⅲ「金星の満ち欠けの特徴を実験で証明しよう」
2 根拠ある予想、実験計画立案のための手だて
 ① 学習履歴カードの活用 
  既習事項を「学習履歴カード」としてまとめ、予想や実験計画立案、考察時に根拠として利用します。
 ② ヒントカードの活用 
  これまでの学習に基づいた内容をヒントとし、予想や実験計画立案、考察時に提示します。
3 根拠ある考察のための手だて
 思考の交流をねらいファシリテーションの手法を活用しました。考え方が同じまたは異なる班同士で交流を行うなど、授業のねらいに合わせて取組方を工夫しました。                                           
 今回の研究から得られた課題を改善した上で、更に様々な単元で生徒の科学的思考力の育成を目指した研究に取り組んでいきたいと考えています。
< 引用,参考文献 >  
「中学校学習指導要領解説 理科編」(文部科学省) 2017.3

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「教育実践」
心の回復力を高める健康教育の工夫
新潟市立白根第一中学校
田村 憲子

  思春期は心身ともに成長が著しい反面、自分自身の様々な変化や周りの環境に対して敏感となる時期である。生徒たちは一見、この多感な時期に直面する困難や挫折に、自分なりの対処方法で適応しているようにみえる。しかし、「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(文科省、2017)によると、不登校児童生徒数の割合は増加傾向にあり、その要因の一つに「不安」傾向があることが明らかになっている。
 保健室においては誰もが抱きやすい「不安」に対し、日頃から個別に対応している。しかし、今後は「不安」への対処方法を相互に理解し、助け合える集団づくりを健康教育の視点から積極的に介入していくことが重要だと考える。その授業づくりに当たっては、認知行動療法の「その人のもののとらえ方(考え、認知)が、気分(感情)とからだの反応・行動に大きく影響する」という原理を応用するとともに、新学習指導要領で求める「学びに向かう力・人間性等」に着目し、自己の課題解決に前向きに取り組めるよう以下の点に留意した。
1 不安の予防段階で「辛い気持ち」になる場面を取り上げ、「辛い気持ち」を軽くする手法として、出来事をプラスに受け止めることの有効性に気付かせること。
2 悩んでいる友達へのアドバイスを考えさせることで、自分が他者の力になれることに気付かせること。
3 話し合い活動においては、一人一人が主体的に学びに向かえるよう自己評価を取り入れること。 
 今回、健康教育「心の健康づくり」を視点に授業づくりを試みた。その結果、生徒が「不安」への対処方法を身に付け「心の回復」を理解することが、今後直面し得る困難や挫折に自らの力を生かしてよりよく生き抜こうとする行動につながると確信し、その成果を発信する機会としたい。

<参考文献>「しなやかなこころをはぐくむ こころのスキルアップ教育の理論と実践」/大野裕・中野有美.大修館書店

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「教育実践」
マット運動における大きな前転の習得から発展技につなげる指導
~前転系の技の「回転力」に着目した指導を通して~
南魚沼市立八海中学校
堀 圭佑

  マット運動における前転系の技に着目し、五十嵐の「みかん型とバナナ型」を基に、基本的な技「前転」の回転力を高める指導を行う。回転力を高めることは、基本的な技から発展技まで共通したポイントであり、発展技でも起き上がることにつながると考える。そこで、前転の回転力を高めるために「大きな前転」の習得を目指す。(回転力は『自分の足で蹴り出し、腰角度を大きくした状態から一気に減少させ、順次接触する』ことで高めることができる。)
【みかん型】:身体をボールのように終始小さく回転する
【バナナ型】:身体を途中で伸ばし最後に小さく回転する
※「大きな前転」は五十嵐の「バナナ型」を指している。
 発展技は起き上がることが難しくなり、「できない」、「楽しくない」、「やりたくない」といった子どもたちの現状がある。「系統性を意識した段階的指導」、「付せんを用いたファシリテーション」、「タブレットの活用」、「落差法を用いた場の工夫」の四つの手だてを用いて、発展技に積極的に挑戦する姿や、技能向上を目指す。
1 手だての有効性
 仲間と話し合う活動を通して、回転力を高めるためのポイントを具体的に考えることができ、実践する姿が見られた。また、自分だけでは見付けられなかったことを仲間の意見からを見つけることができた。
 自分の技を見ることで改善点を見いだすことができ、技をよりよくすることができた。また、仲間からの助言がより効果的になった。
 難しいと感じる発展技でも、落差があれば起き上がることができた。「できた」という成功体験を得ることができ、「次は落差なしで成功したい」といった運動意欲の向上が見られた。
2 成果と課題
 マット運動における大きな前転の習得から発展技へつなげる指導を通して、技能向上の実感の喜びや仲間の技能向上を称賛し合う姿が見られた。
 回転力を高めることは前転に限らないので、他の技でも実践していく。
<参考文献>
「たのしいマット運動」 五十嵐久人 不昧堂出版 1997

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「教育実践」
生物育成に関する技術における、より主体的で深い学びにつながる授業
長岡市立江陽中学校
加藤 尚徳

  現在技術分野で行われている生物育成は、実践的・体験的な学習活動を通して生物の育成や成長・収穫の喜びを体験させる内容である。しかし、栽培場所や時間の問題から、室内で行ったり手のひらサイズの小規模になったりと本来の農業とはかけ離れてしまう。人工的に栽培環境の条件を変えた生物育成は実験的な要素が多く、生徒が主体的に取り組みにくいと考えた。そこで、生徒を農業に携わる生産者に置き換えて生物育成の学習を進め、生産者の立場としての喜びと苦労を体験することで、生徒がより主体的に生物育成に取り組めるのではないかと仮説を立てた。
1 生徒が農業そのものを理解するための題材の設定
 生物育成については小学校でも経験するが、生物の成長の様子を観察することが目的であり、農業本来の生産性についての技術指導はあまり受けていないのが現状である。そこで、昨年度の学習の様子を写真等で見せたり、生物の成長の様子を順番に説明したりするなどして、全体の見通しをもたせた。特に農業の全体(土づくり~植物の片付け)を捉えているケースが事前のアンケートから少ないことが分かった。そこで、農業の1年間の作業を説明することで、不足していた作業や場面に気付かせることができた。実践後、アンケート結果より「これまでの生物育成とは管理技術が異なった」と答える生徒が約93%と多いことが明らかになった。具体的には、土づくりや摘芽、摘芯、誘引などの作業は初めて体験する生徒が多かった。これは生産性を上げるための管理技術であり、これまでの生物育成とは大きな相違点となった。
2 選択を増やす教師からの技術指導
 今回は育成する品種をミニトマト(アイコ)に限定し、栽培中に想定される状況を種類別に分けて指導した。特に、栽培時期の5月~8月は、天候によって様々な管理技術が考えられ、状況に応じた技術の施行が必要となる。教師側からはより具体的な状況を想定した技術指導を複数回行った。具体例として、葉に穴が開いているという問題に対して、①病気か害虫かの判断、病気の場合は、②その原因と③対処方法、害虫の場合は、④その害虫の特定と⑤駆除方法など場面の設定を明確にして指導を行った。実際、畑で作業する生徒の姿は植物に施す管理技術が明確で手際よく作業していた。特に今夏の猛暑は生物に大きな影響を与えたため、生徒たちの関心も一層高まったと推測できる。実践後「今後、ミニトマトを栽培するときに、どんなときにどんな作業が必要か判断することができるか」という質問に対して約98%の生徒が肯定的に答えた。
3 成果と課題
 1、2の手だてを用いて学習を終えた後、生徒からの感想には、育成に関する技術の大切さを体感した生徒が多数いたことが明らかになった。また、生産物は学校給食の材料として使用し全校生徒に振舞われ、生産者の喜びを実体験できた。以上の成果より、今回の生産者の立場として学習を行うことで、生徒がより主体的に生物育成に取り組めることが実証できた。課題としては2の手だてを行う際、生徒も膨大な知識が必要となってくる。経験不足を補うためにも、理科の学習内容や生活経験からの知識が集約できる教科横断的な事前学習が大切である。

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「教育実践」
即興で伝え合う力の素地の育成
~中学1年生における教科書指導の工夫を通して~
十日町市立吉田中学校
中川 大地

  これまでの授業で、与えられたテーマについて即興で伝え合う活動を継続的に取り入れたことで、生徒は徐々に間違いを恐れずに発話できるようになり、コミュニケーションへの意欲も高まった。しかし、表現したいことが増えるたびに、自身のもつ語彙や表現と意欲との間にギャップが生まれ、発話が途切れたり、日本語を使用したりしてしまう生徒が増えてしまった。
 そこで、本研究では、教科書指導のまとめ活動として「リプロダクション活動」を取り入れ、それに向けたインプットの工夫をすることで、「既習表現を含めて、身に付けている英語を用いて、同じような内容の表現を言い換えるスキル」の習得を目指した。
1 リプロダクション活動
 教科書をモデルに「説明」「やりとり」を行う活動を、各セクション、単元の終わりに行った。
2 インプットをアウトプットにつなげる教科書指導の工夫 
 教科書指導の「Oral Introduction」、「本文の内容把握」の方法、表現活動に必要な語彙や表現方法を工夫して、インプット活動を行った。
 これらを継続して行うことで、生徒は即興的に話す活動において、教科書をモデルにしながら、難易度を徐々に上げて表現の幅を広げ、伝え方のスキルを確実に習得していくことができた。また、既習表現を活用して言い換える姿が多く見られるようになり、沈黙なく会話を続けられる生徒が増えた。
 今後の課題としては、語彙力の向上をどのように目指すかである。言い換えるスキルを高めるための実践を継続すると同時に、表現に必要な語彙を身に付けていくために有効な方法を検討していきたい。

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「教育実践」
英語で表現する力を高めるための工夫
~英語の発音を理解し、自分で発音できる生徒の育成を通して~
佐渡市立高千中学校
本間 哲郎

  言語習得において、「音が分からない言語」は習得が困難である。日本語でも、私たちは「読めない言葉」を普段使っていない。思い出せるもの、使えるものは全て「その音が分かっており、自分もその音を出せる」はずである。さらに言えば、言葉を覚えるときに、「読み方」を必ず覚えるはずである。英語の単語はアルファべットの組み合わせで決まった音を出すものがほとんどである。文字が表す音を理解すれば、「読む」「音を聞く」「話す」の助けになる。そして、文字と音の関係が分かれば、書くべきアルファベットをイメージしやすくなり「書く」の助けにもなると考えた。
 そこで、英語学習において「単語の発音と文字の関係」の理解を重視した学習を繰り返し行うことで、「単語の定着や発音に良い効果をもたらすだろう」また、「4技能にも好影響が出るだろう」という仮説を立て、以下の方法で指導を行った。
1 「発音と文字の関係に注目しながら単語練習をするプリント」の使用
 授業のはじめ、15分ほどを使って、単語の発音をイメージし、正しい発音を聞き、単語を覚えて書く練習をし、自分で発音する、という流れのプリントを用いた学習を行った。
2 ICT機器の積極的な活用
 授業をコンピューター室で行うことを基本とし、パソコンやICレコーダーを積極的に用いた。具体的には、生徒が使えるパソコン内に、教科書の音声(会話文等)を入れておき、生徒たちが自分のタイミングで聞くことができるようにしたり、録音ソフトを使用し、生徒が自分の声で発音したものを記録しておくようにしたりした。ICレコーダーには、教科書の音声等、参考にできる音声を録音し、授業外でも聞くことができるようにした。
 以上の取組を通して、既習の単語を英語らしい音で発音できるようになってきている生徒が増えてきた。それに伴い、発音できる単語を正確に書けるようになってきている生徒も増えてきた。4技能については、英文を読む力(読解力)において、顕著な伸びを見せる生徒がいた。だが、すべての生徒がこのように発音の学習が成果に結びついている生徒がいるわけでなく、より効果的な指導の在り方を検討していく必要がある。

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「教育実践」
根拠をはっきりとさせた考えをもち、考えを人に伝える生徒の育成
~知識や理科の見方・考え方を働かせ、課題に取り組む実践より~
阿賀町立阿賀津川中学校
長谷川 大輔

  現行の学習指導要領から新学習指導要領への改訂の項目の一つとして、見方・考え方が「目的」から「手段」として定義された。これまでの実践では、見方・考え方を「手段」として意識していなかった。また、本校生徒の実態をアンケートから分析すると、「考えをもつこと」「考えを人に伝えること」に苦手意識があることが分かった。この原因として、考えをもつための根拠となる知識や理科の見方・考え方の定着が課題であると考えた。
 そこで、考えの根拠となる知識や理科の見方・考え方を定着させていくための手だてとして,次の2点を考えた。「個人課題とグループ課題の設定」および「理科の見方・考え方を働かせるための段階的な支援」である。中学校3年「化学変化とイオン」の単元において、この手だてを用いて実践を行った。
1 個人課題とグループ課題の有効性
 単元の中の三つの学習内容の中で、個人課題とグループ課題を設定した。個人課題では、主にグループ課題で活用するための知識や理科の見方・考え方の獲得を目指した。グループ課題では、個人課題で獲得した知識や理科の見方・考え方の活用を目指した。また、グループ課題で他者と関わることによって、知識や理科の見方・考え方に対する理解が深まっていくことを期待した。
2 理科の見方・考え方を働かせるための段階的な支援
 理科の見方・考え方を最後は生徒自らが活用することができるようにするために、段階的に支援した。①ヒントカードを示す。②ワークシートに図を示す。③何もなし。最後は、教師の支援なしでも学んできた知識や理科の見方・考え方を活用して考えをまとめていくことができた。
3 成果と課題
<成果>
 獲得から活用を繰り返す中で、理解度が深まり、知識や理科の見方・考え方が定着していった。それを基として根拠のはっきりとした考えをもつことができるようになってきた。理科の学習が苦手な生徒も、少しずつ知識を得ていることを確認できた。学習アンケートの「考えをもつことができる」「考えを発表できる」の数値が上昇した。
<課題>
 グループ課題において、どのような過程で知識や理科の見方・考え方を活用し問題を解決させていっているのかを明確に見取ることができていない。また、個人課題とグループ課題がよりよく関連付けられるように検討することも必要である。

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「教育実践」
一元一次方程式の文章題における立式指導の工夫
~偽仮定法による立式と単位を意識させた指導を通して~
新潟市立鳥屋野中学校
長部 賢

  全国学力・学習状況調査の結果から、具体的な場面で、一元一次方程式をつくることに課題が見られた。また、今までの指導の中で、過不足に関する問題への苦手意識をもつ生徒が高いと感じている。
 本研究では、文章題の逆思考から順思考への転換場面において、そのギャップを埋めるため、偽仮定法を導入する。その後、真仮定法を導入することで、順思考で考えるよさを実感させる。また、表した式の単位を問うことで、その式がどのような数量を表しているか、そして、二つの式の数量関係を意識して立式することができると考えた。
 授業では、文章題の1時間目で偽仮定法の導入を行った。2時間目に過不足問題を取り扱い、偽仮定法を用いて式の検討を行った。また、式の単位を問い、たてた式の数量関係を意識させた。
 本研究で、生徒は過不足問題について正しい数量関係を捉え、立式できる力をつけることができた。今後も、偽仮定法が過不足問題の立式に有効であることを追究していきたい。

「教えたくなる数学 学びたくなる数学~思考力・判断力・表現力を育成する教材解釈・構成~」
 神林信之/風間寛司/星野将直/井口浩/小嶋修/渡部智和 考古堂書店 

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「教育実践」
自立した読み手を育てるリーディング・ワークショップの実践
新潟市立早通中学校
青田 美香

  中央教育審議会答申において「読書は、国語科で育成を目指す資質・能力をより高める重要な活動の一つである」とされ、読書指導が国語科において重要な役割を担っていることから、本研究は、中学校国語授業における読書指導の充実・改善を目的としている。
 生徒(中学1年生)は小学校での「図書の時間」を通して、かなりの読書量が確保されていた。子どもたちが生涯において、読書生活を充実させ、自立した読み手となるためには、中学校においても読書の授業を行う必要がある。そこで、リーディング・ワークショップの手法を用いた授業を行うこととした。
 リーディング・ワークショップとは、吉田(2010)によれば、「読むことをワークショップ形式で学ぶ」「読書家になる体験を読むことを通して学ぶ」ことである。まず、教師のミニレッスンを5~10分で行う。次に、生徒は30分のひたすら読む時間を確保する。最後に、班で読んだ本について話し合う。
 本実践は、リーディング・ワークショップのお試し読書において、次の2点の工夫をすることで、話合い活動の充実を図った。
  ① ミニレッスンで話合いのきっかけを作る
  ② 読書中の思考を可視化させる
 これらの手だてを取り入れた授業において、生徒の振り返りシートに書かれた感想から、話合いによって他者との違いを好意的に受け止めることができた記述が見られた。また、ミニレッスンで紹介した本と出合うことのできた喜びの記述も見られた。
 本研究を通して、取り入れた手だては学習者同士の話合いの充実を図る上で有効であると立証できた。他者と交流しながら今後も継続して実践することにより、生涯において読書生活を充実させることができる、自立した読み手になれるよう促していく。
<参考文献>
『「読む力」はこうしてつける』吉田新一郎.新評論
『読書家の時間 自立した読み手を育てる教え方・学び方【実践編】』プロジェクト・ワークショップ編.新評論

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「教育実践」
地域に愛着と誇りをもち、主体的に課題解決に取り組む児童の育成
~甘酒づくりを出発点として~
三条市立大島中学校
川上 綾子

 1 研究の概要 成果と課題
 他者から感謝されるような行動(向社会的行動)が増加すれば、様々なことへの意欲が高まるのではないか。そのための手だてとして、次の二つを考えた。一つ目は、向社会的行動を行おうとする意欲を高めるために、教師や周囲による称賛や承認を増やす取組。二つ目は、向社会的行動を意識させるために、生徒がその行動の良さや意義について考える取組である。
2 研究の実際
(1)教師や周囲による称賛や承認
 教師の言葉掛けを承認や称賛を意識したものに変えることと、学級の仲間からのありがとうメッセージの取組を行った。
 これによって最も変化したデータはASSESSの教師サポートの数値である。「担任の先生は私のいいところを認めてくれている」が肯定評価だった生徒は全体の7割で、4分の1の生徒の評価が上昇した。加えて、友人からの認める言葉掛けの取組によって学級の半数以上の生徒の友人サポートの数値が上昇している。また、教師の呼び掛けに応じて手伝いをしたり、困っている友達を助けようとしたりする姿も多く見られた。
(2)生徒がその行動の良さや意義について考える
 プロジェクトアドベンチャーでの異学年との課題解決活動や短学活での「今日のヒーロー紹介」の取組を行った。
 これによって「人を助けると周囲が見ていてくれる」「こういう声掛けをされるとうれしい」といったことを生徒は意識していくようになった。学校評価アンケートで清掃や係活動、地域ボランティア活動に意欲的に取り組んでいると回答した生徒も増えた。ASSESSの向社会的スキルの数値が7割の生徒で上昇し、また、学校生活生活満足度も向上した。
3 成果と課題
 取組を通して、生徒のボランティア等の向社会的行動が増加し、ASSESSの学校生活満足度も数パーセントではあるが上昇した。
 手だてが向社会的行動の増加にどのように作用したか、数値データで証明することができなかったことと、言葉掛けの内容や実践できた頻度等の記録がとれていないことが課題として挙げられる。今後も生徒との日々の関わりの中で有効だと思われる方法を実践し、効果を検証していく。

<参考文献>
『アセスの使い方・活かし方』栗原慎二・井上弥.ほんの森出版、
『アドベンチャープログラムトレーニングマニュアル』プロジェクトアドベンチャージャパン、
『いまどきの子を「本気」に変えるメンタルトレーニング』飯山晄朗.秀和システム、
『アドラー流一瞬で心をひらく聴き方』岩井俊憲.かんき出版
 

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「教育実践」
思春期の難聴生徒たちへの支援を考える
~自立活動と障がい理解授業の取組から~
新潟市立白新中学校
野住 明美

  通常の学校・学級で学ぶ難聴児は増えてきている。これは、新生児聴覚スクリーニング検査の導入による難聴の早期発見と早期補聴・療育の効果、そしてインクルーシブ教育システムへの潮流によるものである。当校には昭和50年開設の難聴学級があり、生徒たちは広く市内外から通学してくる。そこで、障がいの社会モデルを理念とするICF(国際生活機能分類)をもとに、聴覚障がいへの支援を整理し、中学校に在籍する難聴生徒への支援のあり方について検討した。
1 研究の実際
(1)ICFから聴覚障がいへの支援を考える。
 ICFモデルを用いて「聞こえにくさ(難聴)」による障がいを捉えると、その支援は次の①~③に分けられると考える。①活動と参加への支援や働きかけ、②環境因子への働きかけ、③個人因子への働きかけである。この三つの枠組から、中学校における難聴生徒への支援を整理した。
(2)支援の実際
① 活動、参加へのアプローチ
 情報保障について検討し、全校朝会や生徒会朝会などの集会では、スクリーンを立ててPCによる文字入力を投影することにした。
② 環境因子へのアプローチ
[障がい理解授業の実施]
 平成29年度の2学年2クラスの道徳の時間に難聴疑似体験を取り入れた難聴理解授業を、学級担任と連携して行った。
[難聴への理解・啓発活動]
 全ての学年の学年朝会において難聴理解・啓発の講話を実施することにした。
③個人因子へのアプローチ
[自立活動の指導の工夫]
 自立活動の指導のうち1時間を集団での活動とし、ファシリテーションの手法を用いて自分たちの日常生活での困難をどうやって解決していくかを考えていった。また、7月には難聴である大学院生の方から自身の経験を語ってもらう「先輩と語る会」を行った。
3 成果と課題
 全校朝会や集会などでのスクリーンによる情報保障は、当校では当たり前になりつつある。スクリーンによる文字の情報保障は、難聴児だけではなく、聞くことに困難をもつ生徒にも、話をうっかり聞き逃した場合にも便利なものであり、視点を変えるとユニバーサルデザインの支援にもなると考える。
 今年度入学してきた難聴生徒3名は、徐々にではあるが興味のあることに積極的に取り組み、自身に必要な支援を周囲に伝えることができるようになってきた。
 安定した人間関係があるからこそ、人は自己実現に向かっていけると考える。「難聴があるからできない」とあきらめるのではなく、「難聴がある自分だから○○したい。こうなりたい」と自己実現していける生徒の力を育てられるように、試行錯誤しながら日々の支援を充実させていきたい。

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「教育実践」
ONE FOR ALL、ALL FOR ONE
~仲間とともに目標に向かって努力する生徒の育成を目指して~
新潟市立南浜中学校
渡辺 光

  中学校学習指導要領に特別活動の目標として「自主的、実践的な集団活動の姿」とある。この姿を私なりに「仲間とともに目標に向かって努力する生徒の姿」と定義し、部活動に真剣に取り組む選手の姿と競技力向上を目指し次の実践を行った。
1 選手の「その気」にさせるために(自主的、実践的な集団を目指して)
 (1)集団としての指導方針の明示と部の規律の徹底
    指導方針と単純明快な部の規律を定め、徹底する。
 (2)サッカーノートを活用した日常のPDCAチェック
    長期目標(plan)・行動目標(do)・振り返り(check/action)をサッカー
   ノートに記入し、目標に向かって努力する態度や考え方を育てる。
 (3)開始30分間のルーティン化
    部活動開始30分間のメニューをルーティン化し、選手同士で切磋
    琢磨しながら練習に取り組むことで自主性や自律性を育てる。
2 競技力を高めるために
 (1)トレーニングの効率化
    ボールを使ってフィジカル・テクニック・戦術的理解のトレーニン
    グを効率的に行う。
 (2)「理想の試合」をイメージした練習
    全中優勝チームの試合を映像編集し、理想のプレーを共有すること
    で練習や試合の質の高まりを目指す。
 (3)リーダーの育成
    リーダーが部員全員を気に掛けることで「ONE FOR ALL、ALL FOR
    ONE」の意識や雰囲気をチームに育む。
 これらの実践を行うことで選手一人一人の態度が変わり、競技に対するモチベーションの高まりが見られた。日々の練習や試合に全力を尽くすことで着実に選手は力を付け、その結果県大会準優勝、北信越大会8位という結果を収めることができたと考えている。

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「教育実践」
「主体的・対話的で深い学びのある授業づくり」
~校内研修の活性化を目指した研究主任としての取組~
新発田市立第一中学校
今野 由紀子

  教育基本法はじめ各種の法令にあるように研修は教職員の必須事項であり、特に校内研修は教職員の研修の中核を担うものである。当校においては、平成26年度に「共に学び合う授業の創造」を研究主題に、生徒同士の学び合いを全教科で成立させるために授業のスタンダード化を図ってきた。そして、新学習指導要領の全面実施をひかえ、平成29年度より「主体的・対話的で深い学びのある授業づくり」を研究主題に、これまでの校内研修の在り方を見直し、活性化を図ってきた。研究主任としての取組は次のとおりである。
1 校内研修活性化のための手だて
(1)モデル授業の提示
 「主体的・対話的で深い学びのある授業」といっても、各教科や領域で受け止めが異なり、具体化に困難が生じる。そこで、研究推進部が自教科で「主体的・対話的で深い学びのある授業」の一例をモデルとして授業公開し、その公開授業に基づいて、研究協議し、理解を図った。
(2)思考ツールの紹介
 「主体的・対話的で深い学びのある授業」の実現のためには、必要な思考のためのツールが必要である。研究主任として、ホワイトボードやワークシート等の各種の思考ツールの使い方を紹介したり、教具を用意したりした。
(3)プロジェクトチームの編成
 中学校においては、教科の壁があり、教科を越えて検討することに苦手意識がある。そこで、道徳の授業において、「主体的・対話的で深い学びのある授業」の具体化に向けて、学年を単位としたチームを編成し、公開授業に向けて検討を進めた。
(4)情報提供の工夫
 情報の共有化に向けて、定期的に研推だよりを発行し、他教科の実践を学ぶことができるようにした。また、職員室の一角に「研究コーナー」を設け、授業実践の様子や最近の研修に係る情報を掲示した。
2 成果と課題
 教職員へのアンケートにより、上記の手だてが研修の活性化に効果があったことが分かった。課題としては、研修のための教職員の時間の確保が挙げられた。「働き方改革」の一層の推進を図りながら、部活動休止日の有効利用や研究推進委員会の効果的な活用が今後の課題である。

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「教育実践」
小中一体型校舎における教頭としての取組
~小中連携の一層の充実・発展に向けて~
小千谷市立南中学校
佐々木 一夫

  当校の一体型校舎の出発は新しく5年前である。1981年に統合された当中学校に32年後の平成25(2013)年4月、4小学校が統合し、乗り入れる形で小中一体型校舎となった。来年度中学校へ入学する生徒は、1年生から一体型校舎に入学した生え抜きの児童として、中学校へ入学する。小中一体型校舎で過ごしている当小中学校は新たな局面を迎えようとしている。
 「小中共に活動する」小中連携から、小中の違いを踏まえ、小中職員の一人一人を基盤とした活動を展開することを通して「児童生徒共に成長できる質の高い小中連携」への転換が児童生徒数の更なる減少を迎える今後の当校の小中の連携の方向であると考えている。
 小中連携活動の過程で、互いの文化を理解する場(ミーティング)を組織し、違いを踏まえ、児童生徒の育成のための協調した小中連携活動を展開することが、活動を充実・発展させより質の高いものにするための道筋となると考え実践を行った。
1 課題解決のための教頭としての方策
 ア 小中連携活動のスタートにおいて、小中教頭・担当者でミーティングを組織する。
 イ ミーティングでは、児童生徒の発達段階の違いや状況、職員の考え方、学校の状況等を明確にして、共有する。(活動の過程で適宜、ミーティングを取り入れる。)
 ウ 活動終了後には振り返りの記録を考察し共有する。
 エ 小中合同研修会で生まれたアイデアの具現化に向けて、組織を整える。
2 成果と課題
 例えば、小中合同避難訓練では、小中職員の考えを十分引き出し、互いに考えを受け入れ、「先ずは、避難する“型”を定着させることを優先」の考えを共有できた。反面、ミーティングに想定より時間を費やしたため連携活動のスムーズさにやや欠けた。
 小中文化の違いは、児童生徒の発達段階の違いから生じるものであると考えている。小中職員両者の考えや違いを十分に引き出すこと。共有することが不足していると判断される場合は、前述の例のように、多少時間を費やすことになったとしても、ある程度まで行う事が必要である。しかし、時間を費やせばいい訳でもない。ミーティングに費やす時間、人数、参加者の意識等のことを勘案しながら、組織を編成し、小中の職員各々の質の高い連携を図る必要がある。
 今後も、小中の橋渡(教頭)として、小中文化の違いを、職員が互いに認識し、協調して連携活動を一つ一つ丁寧に展開することで、ボトムアップを果たし、小中連携活動の充実・深化と質の向上を目指していきたい。

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「教育実践」
即興的に身の周りのものを説明する力を向上させる授業
~知識・技能の不足を補完するインプットを通して~
新潟市立東新潟中学校
水島 太一

 1 主題設定について
 学習指導要領改訂により、「話す」技能が「やりとり」と「発表」に分かれる。「発表」では、準備した原稿を暗記して話すのではなく、即興で身近なことについて話すことが求められている。また、生徒に実施したアンケートの中で、生徒が最も高めたいと思っている力が「即興的に説明する力」であった。以上のことを踏まえて、本研究主題を設定した。
2 手だてと研究仮説
 本研究では、身の周りのものを即興で説明する表現力と、「もっと多く表現したい。知りたい。」という意欲の、両面の向上をねらっている。講じた手だてと研究仮説は以下のとおりである。
①その場で指定されたものを相手にクイズ形式で説明する活動(Guessing Game)を、各授業の帯活動として行う。4回のGuessing Gameの後に、得てきた表現を駆使して、指定された県について即興的に紹介する帯活動(Mini Speech)を設定する。ここまでを1サイクルとし、これを4月から7月までに3サイクル行う。
②各活動をアウトプット(表現)から行わせ、うまく言えないモヤモヤ感や疑問を生じさせた上で、様々な形で必要とされる表現のインプット(表現の導入)を行う。
【研究仮説】
 「指定されたものを即興で説明する活動と、そこで不足していた表現の提示を継続的に行うことで、英語表現に対する知的好奇心と表現力が高まり、即興的に身の周りのものを紹介する力が向上するであろう。」
3 仮説・手だての有効性の検証
 4月最初と7月最終日に、「新潟県の名所名産のパンフレットを見ながら、新潟がどんな場所かを海外からの観光客に紹介しよう。」というMini Speechと同様の評価用のタスクを与えた。その様子をタブレットに保存し、4月~7月までの手だての有効性と、即興的な表現力の向上を見取った。7月時には英語の使用量(総英文数)が平均で4月の10.4文から13.24文に上昇した。3秒以上のpause(間の長さ)に関しても4月の12.4秒から8.3秒に減り、良好な結果であった。また、生徒の活動の様子、事後アンケート、振り返りシートから生徒の意欲的な様子や向上心、知的好奇心を見とることができた。
 7月の評価タスクにおける発話スクリプトの分析より、30人中29人の生徒がこれまでインプットした表現をアウトプットしていた。以上のことより、手だての有効性と仮説を検証することができた。
4 成果と課題
 英語の使用量・間の長さ・インプットしたものがアウトプットできているか、の3観点で個々の生徒を数値化・記号化すると、97%の生徒がA、B評価であり、表現力の向上が見られた。反面、即興的な部分に焦点を当てていたため、英文の正確性を欠く表現が多く見られた。

<参考文献>「新学習指導要領の展開・外国語編」 /金子朝子・松浦伸和、明治図書

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「教育実践」
まとまりのある英文を主体的に読む生徒の育成
新潟市立亀田西中学校
間 美和

  新学習指導要領では、「コミュニケーションの目的を理解し、目的を実現するために、簡単な情報や考えなどを能動的に読み取ることができる資質・能力」の育成を目指している。
 生徒の実態から、「長文を読むことに意欲がもてない」という点と、「読み取り方が分からない」という点に着目し、まとまりのある英文を主体的に読む生徒を育てるため、三つの手だてを講じた。

(1) ジャンル準拠指導をフレームワークとする。
読み取る際にヒントとなる英文の構造・言語を、①教科書本文で理解し(学習タスク)、②本文と形式的・内容的に似た文章の読み取り(練習タスク)で理解を深め、③テスト(評価タスク)でその定着を見取る、という指導過程を踏む。
(2) コミュニケーションを目的とするプロジェクト型の単元構成とする。
単元のゴールにコミュニケーションを図る表現活動を設定する。単元の最初に目的を生徒に明示することで、読む活動に生徒が目的意識をもって取り組むことができるようにする。
(3)「読みを助けるスキル」を取り入れる。
まとまりのある英文を読む手順・手だてを「読みを助けるスキル」としてあらかじめ提示し、生徒に読み方を意識させる。さらに「振り返り」でそのスキルの活用について生徒に振り返らせることで、生徒がスキルの活用を自分で意識して行えるようにする。

 以上の手だてを用いた結果、まとまりのある英文を読むことに生徒の意欲の向上が見られた。成功経験を積み、英語を読むことに自信をもち、意欲的に英語を読むことに取り組むようになった。
 同時に、生徒が英文を読み取る方法を身に付けることができた。一文ずつ訳す訳読式でなく、文章全体→段落→文と、構成をおさえた上で読み進めることができるようになり、概要把握の力が伸びたのは大きな成果である。

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「教育実践」
科学的思考力を高める工夫
~結論シートを用いた分析・解釈能力の向上~
小千谷市立小千谷中学校
菅家 佑介

  新学習指導要領理科の目標(2)には、「観察、実験などを行い、科学的に探究する力を養う」とある。そのためには、「思考力、判断力、表現力」を育成することが重要である。
 当校の実態として、実験観察から結果を導いた後、その結果から考察して結論を導くことが苦手な生徒が多い。その理由として、①課題に対して見通しをもって観察、実験を行っていない②得られた結果に対し自信がもてない③分析・解釈する力(思考力、判断力、表現力等)が十分身についていないことなどが挙げられる。実験や観察を行ってその現象面のみを捉えただけでは、真に理解したことにはならい。
 本実践では、実践1として、実験を行う前に、何を調べるのかを明確化し、仮説・検証計画を導きやすくするために「4QS(フォークス)」(※1)という指導法を用いた。そして、生徒が課題解決のために考えた条件と予想される結果との因果関係を見通せるようにした。
 また、実践2として、実験結果から結論を導く力を向上させるために、実験結果を可視化し、ピラミッドストラクチャー(※2)の手法を取り入れた結論シートを活用し、結果から結論を導き出ように工夫した。結論シートを使うことで実験データの解釈の仕方や結論の導き方を知ることができ、新たな解釈や実験の検証についても、情報を共有できた。また、結果の妥当性を吟味することで、実験から得られた実験データの信頼度に対する不安をなくすことができた。

※1:「The Four(4つ)Question(問題)Strategy(戦略・戦術)」の略称でCothron、j.hらが2000年に提唱した「子どもの疑問を科学的に検証可能な問題に高めるための指導方略」のことであり、日本では、上越教育大学 小林辰至教授が研究を進めている。
※2:自身が伝えたい主張とその根拠となる事実を図式化したもの。ピラミッドを床に横に分割したような形となるため、ピラミッド構造とも呼ばれている。

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「教育実践」
「理科の見方・考え方」を働かせた授業の工夫
~協調学習を通した科学的思考力・表現力の育成~
南魚沼市立塩沢中学校
山田 幸平

  私はこれまでの理科の授業では、授業に無気力な生徒や理科があまり得意ではない生徒がきちんと授業に参加することを目的として、映像資料やパワーポイント等のICTを活用したり、考察などを班で協力して考える時間を多く設けたりしてきた。しかし、班活動を行ったとしても、自分の意見をもっている生徒に任せ、それ以上話し合いがなく、考えや意見が深まらない場面が見られたり、教師が答えを言うまで待っていて、考えるのを放棄してしまったりする場面がある。 
 その理由として、科学的思考力・表現力が育成できていないからだと考えた。そこで本研究では、問題解決的な課題のもと、一人一人の分かり方、考え方の多様性を生かす協調学習に着目した。そのための手法としてジグソー活動を活用し、「理科の見方・考え方」を働かせることで、「得られた結果を分析して解釈するなど、科学的な根拠を基に表現する力」である科学的思考力・表現力が育成できると考え、以下のように研究を進めた。
1 班で協力し合う必要がある課題の設定
  一人の生徒で解決する課題ではなく、班で協力する必要性がある課題を設定して、全ての生徒が話し合いながら考えるようにする。
2 ジグソー活動を組織する(多角的な追求)
  協調学習の方法としてCoREFが提案している「知識構成型ジグソー法」を活用する。班ごとに課題を解くための鍵となる資料を学習する。そのときに実際に実験を行ったり、班内で話し合ったりしながら、理解を深める。ジグソー活動の特性を生かし、多角的な追求となるように支援した。またホワイトボード等を利用し、思考の過程が見えるように発表の仕方を工夫させた。学習は、以下のような流れを基本とした。
(ア)提示した課題に対する解答を、個人で考える。(イ)資料ごとに、グループに分かれて理解を深める。(エキスパート活動)(ウ)理科の活動班に戻り、話合い活動を行う。(ジグソー活動)(エ)班で話し合った結果を発表する。(クロストーク)(オ)個人で課題に対する解答をまとめる。
上記の方法で研究を行い、実践前後の生徒のアンケート結果、ワークシートの記述内容の変容、班活動時のまとめの内容を検証した。その結果、以下のことが明らかになった。
(1) 授業実践から
① 自分の意見をもっている生徒は、最初より深く納得するために、無気力な生徒は自分の役割を全うするために、積極的に考え、授業に取り組む場面が多くなった。
② 各領域で必要となる「理科の見方」や集まった資料を比較したり自分の資料と班の他の人の資料を関連付けたりすることができた。また、「理科の考え方」を働かせて、課題を説明し、まとめることができた。更に、決まった道筋で話し合うことで思考することができたため、普段は友達の考えをノートに写していた生徒も自らの言葉で課題をまとめることができるようになった。そのため得られた結果を分析して解釈するなど、「科学的な根拠を基に表現する力」が身に付き、科学的思考力・表現力が向上したと言える。
(2) アンケートから
①生徒アンケートの結果では、全ての項目において肯定的な回答をした割合が上昇した。特に実践前に苦手にしていた「科学的思考力・表現力」に関する項目は大きな上昇が見られた。
(3) 抽出生徒の変容
 始めの段階では自分の考えを文章で表記していた生徒が、実践を重ねていくうちに絵ときちんとした文章で表現することができるようになった。
 以上の(1)、(2)、(3)の成果より、問題解決的な課題のもと、 一人一人の分かり方、考え方の多様性を生かし、課題を多角的に追求することにより、「理科の見方・考え方」を働かせて、科学的思考力・表現力を育成するには、ジグソー活動を活用した協調学習は効果があると考えられる。

 <引用・参考文献> 
 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(平成28年12月21日中央教育審議会答申)
 協調学習授業デザインハンドブックー知識構成型ジグソー法の授業づくりー(東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構 CoREF)

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「教育実践」
生徒の目的意識を醸成するための問題提示の工夫と、自己の変容の自覚を促す「振り返り」の充実による深い学びのある授業の実現
新潟市立上山中学校
青木 健

 本校生徒の理科における実態は、定期テストから分析すると知識・理解を問う問題については高い正答率を得ている。一方で、科学的思考力を問うものについては知識・理解を問う問題よりも低い正答率である。これまでの授業では、知識注入型の授業に偏ることなく、問題解決型の授業も展開してきた。しかし、この生徒の実態を受け、さらなる授業改革を行う必要があることを実感した。改めてこれまでの問題解決型の授業を振り返ると、解決した結果に主眼を置いていた。また、ややもすると教師主導の問題解決型の授業となっていた。そこで次の2点の手だてを講じることで深い学びをのある授業を実現し、知識・理解の定着を図り、思考力についても育成していくこととした。

(1) 問題提示を工夫することで生徒の目的意識を醸成する。
 ・ 導入時、事象や現象を提示する前に、生徒の素朴概念や既習事項を問題提示により引き出した。
 ・ 事象・現象の仕組みについて、素朴概念や既習事項と関連付けさせ、多様な仮説を挙げさせた。
 ・ 授業毎、または単元毎冒頭に「問題提示」を行い、授業の見通しをもたせた。

(2) 解決に至る過程を大切にし、振り返りを行うことで思考力を育成する。
 ・ 課題を解決する前と解決後の変容が見えるワークシートのレイアウトにした。
 ・ 学習過程を可視化した。
 ・ 解決に至った過程における「各自の考え方」について、自覚させるための振り返りの言葉を提示した。

成果と課題
(1) 成果
 問題提示と振り返り時の生徒の考えを併記させることで、自己の表現の変化を自覚し思考力の高まりを実感することができた。振り返りの言葉を提示することで、自分の思考の流れを客観的に見ることができた。

(2) 課題
 振り返りの活動で、課題が知識・理解を問う内容であったり、思考の流れを導く支援が不十分であったりした場合は、生徒の変容や思考の深まりが見られない。課題の精選と、生徒が思考の流れを示す事が困難なときの支援の方策を複数用意しておかなければならない。

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「教育実践」
学び合いながら文章題に取り組むことで自力解決する生徒の育成
~「方程式の利用」で説明し合う活動を通して~
長岡市立南中学校
大橋 潤

  文章題を苦手としている生徒は多く、工夫した授業展開と個別に支援していくことの必要性を感じている。そこで、文章題を解く際に、班で説明しあう学び合いの場を設定し、「三つの視点(問題文の理解、既習内容の復習、数量関係の整理)を意識した取組」と「より分かりやすく説明するために図表を活用した取組」を行った。
1 取組の有効性の検証(実践1「一次方程式の利用」)
 4人班で活動し、説明が可視化できるようにFB(ファシリテーションボード)を活用して説明を書き込めるようにした。最初は、分かっている人が分からない人への一方的な説明だった。しかし、三つの視点を確認し、図を使いより分かりやすく説明するように働き掛けた。その結果、授業の中でFBに書かれた線分図を基にして4人の中でAはBへ説明し、Bはそこで教わったことをさらに分かりやすく生徒Cや生徒Dへと説明する姿があり、二つの取組の有効性が実証された。
2 説明し合う活動の充実(実践2「連立方程式の利用」)
 本実践の前に、小学校の学習内容を「既習内容の復習」として扱い、文章題を解くために必要である内容を班でまとめ、それを拠り所とした。さらに、どの文章問題でも対応できる汎用性が高い表で数量の関係を整理することを確認した。そして、二つの取組により知識を基にして表に整理できれば文章題が解けることから、表の作成について説明することが目標となり意欲の向上に繋がっていた。その結果、表を媒介しながら「・・・だから~になる」と生徒が活発に説明し合う姿が見られた。
3 成果と課題
 本実践では、方程式の文章題に「分かりやすく説明する」ことを意識して取り組み、「3つの視点」「説明するための図表」が有効であることが分かった。本実践での学び合いの場は、意見交流、比較・検討が行われ、この過程を経験することが自力での文章題の解決へと繋がった。文章題を解くために他者に「分かりやすく説明する」という経験は、1次方程式から連立方程式、二次方程式を利用することだけでなく、他領域にとっても応用可能なことである。そのため、他領域でも実践し「主体的・対話的で深い学び」を実現していく。

< 参考文献 >「学びの数学と数学の学び」/金子忠雄監修井口浩・小田暢雄・風間寛司・星野将直・宮宏之・神林信之.明治図書
「対話と探求を求める数学科授業の構築」/金子忠雄監修酒井勝吉・長谷川浩司.教育出版
「南研16」長岡市立南中学校

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「教育実践」
論理的に説明する力を伸ばす方程式指導の工夫
~解決の手順をフローチャートにまとめる活動を通して~
県立佐渡中等教育学校
梶原 敦

 1 主題設定の理由
 これまでの授業の中で生徒たちに物事を論理的に説明したり、記述したりする力を付けてやれなかった。このことを反省し、応用や活用の場面のみならず、計算などの場面においても、なぜその方法を使うのか理由を明らかにし、説明したり記述したりできるように授業を展開していきたいと考えている。
 そのためには、様々な問題においてその問題の特徴を的確に捉え、どの解法が適しているのかを判断することが必要であり、そこにフローチャートが有効なのではないかと考えた。生徒同士の対話的な学習の中で、自分自身の手でフローチャートを作成することができれば、計算方法についての理解が深まり、その過程で物事を論理的に説明したり、記述したりする力が伸びると考え、本研究主題を設定した。
2 研究仮説
 方程式の指導において、様々なパターンの問題を解く方法を事象に応じて整理し、解法の手順をフローチャートにまとめることができれば、説明したり記述したりする力が高まるであろう。
3 研究内容と手だて
(1)実践を行った単元
 計算領域においてもフローチャートは有効であると考え、第1学年「式の計算」、第1学年「方程式」、第3学年「2次方程式」において実践を行った。
(2)手だて1 【質問カード】を使った説明練習
(3)手だて2 フローチャートの作成
4 成果と課題
(1)成果
① 手だて1 「質問カード」を使った説明
○聞き手はカードを使いそびれることがないよう、相手の説明をよく聞いて活動していた。
○説明側は、聞き手が出したカードに対して戸惑いを見せつつも根拠を示して論理的に説明しようとする様子が見られ、意欲も高まったと考えられる。
○使う枚数を「○種類以上」とすることで、説明を聞いてそれで終わり、上手だったねとはならず、関わり合いをもたせるツールとして有効である。
② 手だて2 解き方をフローチャートにまとめる
○アルゴリズムを視覚的にフローチャートにまとめることは、理解を深める上で有効である。
○問題を解く上で、なぜこのような処理をしなければならないのかが明確になるので、根拠を明らかにしながら論理的に説明したり記述したりする力が高まると考えられる。
(2)課題
 「質問カード」について、今後はカードがなくても根拠が明らかでなかったり、説明が不十分でなかったりしたときに進んで質問できる生徒になるよう目指していきたい。
 また、フローチャートを作成することが目的ではなく、フローチャートを使って課題解決ができることが目的である。実際にフローチャートを使いながら問題を解かせ、根拠を明らかにしてどのような処理をする必要があるかを説明できるようにしていきたい。

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「教育実践」
統合的な考える力を高めて、基礎的・基本的な内容の定着を図る指導
~乗法公式を利用した展開及び因数分解の学習を通した実践~
三条市立第一中学校
仲村 健一

  今回の学習指導要領の改訂で、中学校数学科の、「数学的な見方・考え方」とは「事象を、数量や図形及びそれらの関係等に着目して捉え、論理的、統合的・発展的に考えること」となっている。今回はこの「統合的な考え方」を授業に取り入れていこうと考えた。
 「統合的な考え方」とは、多くの事柄を個々ばらばらにしておかないで、より広い観点から、それらの本質的な共通性を抽出し、それによって、同じものとしてまとめていこうとする考え方である。
 3学年の式の計算の分野で「統合的な考え方」のアプローチの仕方を工夫することで、公式を構造的に理解させることにより、基礎基本の定着を促し、苦手意識がなくなり、意欲的に課題に取り組むことができると考えた。
1 研究の概要
 統合的な考え方を取り入れる方法として、テストの無答率が高いクラスには、暗記する内容を減らせるように一つの公式を教えそれが変化していく方法で指導した(アプローチa)。もう一方にはそれぞれの公式を教え、最後にまとめる指導の仕方で指導した(アプローチb)。
2 有効性、変容の検証
 確認テストや、基礎学力テスト、定期テストの正答率や無答率、考え方などそれらの変容を見て今後の指導に生かしたいと考え、二つのアプローチの仕方を設定し、実践を行った。
3 成果と課題
 成果
 「アプローチa」では展開から因数分解に変わっても一つの公式を継続的に使っていたので、点数が大きく下がらず、無答率も低いことがわかった。
「アプローチb」では展開、因数分解の覚える公式が増えるにつれて、点数が下がる傾向にあった。最終的に統合的な見方を取り入れることで、点数も「アプローチa」に近づいた。
 課題
 「アプローチa」ではxに係数がついた因数分解の正答率が低かった。一般の形とxに係数形を関連付けて考えさせる、定着させる工夫が必要である。
 「アプローチb」では、公式の共通性に気付かせ、関連付けて、考えさせる工夫が必要であった。公式と問題、公式と公式を関連付ける場面を工夫することが正答率を上げることになると思われた。
4 今後の指導
  統合的な考え方は、『関数』、『図形』の分野でも活用できると考える。関数では、比例、反比例と同じような考え方でy=ax²を考えることができる。他の分野でも、統合的な考え方、それを 関連付ける工夫を行い、基礎基本の定着を目指していきたい。

〈参考文献〉 (1) 「数学的な考え方の具体化」 /片桐重雄 
         (2) 中央審議会 (平成28年度) 

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「教育実践」
問題解決型学習における思考力・表現力を育む学習指導法
~ワールドカフェ形式の協働学習を通して~
新発田市立本丸中学校
五十嵐 正明

  平成19年度から実施された全国学力・学習状況調査の数学B問題の結果を分析すると、毎年、選択式・短答式の問題に比べて記述式の問題の正答率が低い。また、無答率も高いことから、事象を数学的に捉え、数学的に考察する力が不足しているのではないかと考えた。
 新学習指導要領の改訂のポイントは、平成28年8月の中央教育審議会答申では「主体的に学び続けて自ら能力を引き出し、自分なりに試行錯誤したり、多様な他者と協働したりして、新たな価値を生み出していくこと」の必要性が提言され、「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業改善の視点が取り上げられている。
 そこで、各単元の指導に問題解決型学習を取り入れ、その学習を「ワールドカフェ形式」の学習指導法で行うことにより、数学的な思考力や表現力等を育成しようと考えた。この「ワールドカフェ形式」の学習の特徴は、話し合う班のメンバーを入れ替えながら、課題解決を行い、特に生徒に役割を持たせず、必ず全員が2回は考えを説明する場面を設定しているという点である。
 実際の実践では、初めは課題を解決できなかった班も話し合い活動を通して課題を解決しており、どの班も一つの解決方法にとどまることなく、複数の解決方法に言及できていた。本研究の学習活動を通して、生徒が自然と複数の解法を探ったり、新たな見方を習得したりできるようになったと考えられる。これは、自分たちの班が気付かなかった見方に触れ、その根拠も確認することで思考力が身に付いたと考えるからである。また、他者の説明を通してその根拠や解答の妥当性について班で吟味したり、交流活動において考えを比較・検討したりする中で、根拠が不十分なものや誤答については修正を加えることで、数学的な思考力や批判的思考力の育成につながったと考える。
 本研究の3年間の実践を通して、生徒に数学的思考力・表現力を身に付けさせるためには課題が重要であることが分かった。特に、多様な解決方法が期待できる問題解決場面や複数の手順を踏む課題、条件が含まれる課題解決場面において、有効な指導法であることが明らかになった。更に、この活動の根底には、「忌憚なく、誰とでも対話できる雰囲気(学級)づくり」「生徒同士が認め合う雰囲気(学級)づくり」を普段から意識しておかなければならないことも課題として明確になった。

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「教育実践」
数学好きな生徒を増やす工夫
新潟市立新津第一中学校
古川 智子

  中学校では、数学が嫌いな生徒が多い、というイメージがある。実際 に「数学が好きか?」と生徒に聞くと、「証明があるから嫌い」「分からなくてつらい」という声があった。自分の担当クラスでは数学が嫌いな生徒が多く、授業改善の必要を感じた。
 そこで、「数学が好き」と関連することを実行しようと、H30年3月に生徒のアンケートから実態を把握、参考文献等で研究されている項目をもとに問題点と仮説を考えた。
 嫌いな理由のほとんどは、数学が分からなくて授業に参加できないこと、難しそうで面倒くさそうと感じること(数学ができる生徒も含む)であった。自分の指導を振り返ると、問題点は、その授業の目標が不明確であること、特定の生徒が発言するだけで、意見交換が少ないこと、生徒が達成度を実感できる機会が少ないこと、生徒の興味・関心を引き出すことが出来ていないこと、生徒が「分からない」を教師に伝えられないことだと感じた。
 以上のことから、「数学の授業において、興味・関心を促しながら達成感を持たせる授業を続ければ、数学が好きになる生徒が増えるだろう」という仮説を立てた。
 手だては以下の3点で、中学1年生の2クラスの好きの割合の変化と、抽出生徒の変容を調べた。
① 授業ごとに目標を決め、振り返りと自己評価を付ける。
② 興味・関心を促す授業実践を行う。
 正の数・負の数の単元で、トランプを使った正負の計算ゲームを行った。複数のカードの合計を求めるときに、簡単に求められるように工夫した様子が見られた。また、「中学校の最初の計算がぱっとできて嬉しかった」という感想もあった。
③ 意見交換が活発にでき、達成感が得られる授業実践を行う。
 文字の式の単元で、1列n個並んだ碁石の数を表す式を考える授業を行った。解答が何種類かあり、すべて見付けようとする生徒や、見付けた解答を班のメンバーに嬉しそうに説明する生徒の姿が見られた。
成果と課題
 中学1年生の、「数学が好き・少し好き」と答えた生徒の割合は、4月63.9%から7月84.3%に上昇した。抽出生徒も「嫌い」から「少し好き」、「少し好き」から「好き」に変化した。このことから、手だては有効であったと考える。しかし、今後、関数や図形の分野に進むため、苦手分野がある生徒の好きの割合が下がることが予想される。それぞれの単元で実践②③のような授業を今後も行っていく。

<参考文献>「算数・数学教育学会誌『パピルス』第7号」/岡山理科大学 洲脇史朗 
「教科の好き嫌い」/ベネッセ教育総合研究所

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「教育実践」
小学校との接続を視野に入れた関数指導の工夫
~思考ツールを活用した学び合い活動を通して~
五泉市立五泉中学校
石田 勇弥

  関数指導は数学教育の中核である。しかし、関数領域の学習に対して困難を抱える生徒は多い。現行の指導において、小学5年から中学1年にかけてスパイラルに「比例」の単元を学習する。また中学2年では一次関数の学習が始まり、関数を深く学習する入口ともなっている。本研究では、関数指導における小学校と中学校の現状を分析し、小学校から中学校への接続における子どものつまずきを、「変化と対応」の関係から明らかにした。そのつまずきに対するアプローチを一次関数の導入場面で具体化し、実践を行った。変化の割合に焦点を当て、生徒の学び合いを促進する思考ツールを活用し、生徒自ら考え方を見出す過程を経ることから小・中の接続をスムースにするという提案である。
1 変化の割合を自然と見出す課題の設定
 小数値や離散値を扱った表を用い、変化の割合の考え方を用いなければ解決できない課題を設定した。比例的推論では解決できないため、生徒自らが変化の割合の考え方に行きついた。変化の割合は変化と対応を同時に見なければ考察できないため、小・中の接続に効果的に働いたと考える。
2 思考ツール「おでん型チャート」の活用
 本実践では、自作の思考ツールである「おでん型チャート」を用いた。根拠や論拠を書くフレームワークを用いることにより、他者との考え方の共通点や相違点を見えやすくした。生徒自らが変化の割合を見出す展開に効果を上げた。
3 成果と課題
 二つの手だてを用いることにより、生徒自らが変化の割合を見出し、小・中の接続をスムースにする授業展開を構成することができた。しかし、思考ツールについては、さらに学び合いを促進する活用方法を再考する必要がある。
<参考文献>
田村学、黒上晴夫(2017)田村学・黒上晴夫の「深い学び」で生かす思考ツール
礒田正美(1987)「関数の思考水準とその指導についての研究」『日本算数・数学教育学会誌』
礒田正美(1998)「関数領域のカリキュラム開発の課題と展望」、産業図書.
三輪辰郎(1974)「関数的思考」『Ⅴ 算数・数学における思考と教育』

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「教育実践」
説明的文章の構成を明確にし、主張を捉えることができる生徒の育成
~ピラミッド型思考ツールの活用を通して~
胎内市立乙中学校
佐藤 峻資

  これまで自身の実践では、文章作成のための「構想メモ」は、全員が同じ形式のプリントに時系列に思いついたエピソードを書く程度の構成で内容をまとめさせるものが多かった。しかし、そのような「曖昧な構想メモ」では、生徒が意欲的に活動し、見通しを立てて文章の執筆に臨むことはできなかった。
 そこで、説明的文章の構成を「主張」「小見出し」「例示」の要素で階層別に可視化することのできる思考ツール「ピラミッド型構成図」を説明的文章の単元において用い、実践を行った。
1 手だての有効性の検証
 1年時は、説明的文章を要約する際に、次の流れで授業を展開した。 
  ① 筆者の主張を要約し、構成図の頂点に記入する。
  ② 意味段落に「小見出し」を付けて構成図の上から2段目に記入する。
  ③ 意味段落ごとに「例示」を要約し、構成図の上から3段目に記入する。
  ④ ①~③の手順を行った後に筆者の主張に立ち返る。
 以上の流れで説明的文章の単元を行い、生徒記述の振り返りからの結果を見ると、文章を「まとめる」「統一する」機能として、「ピラミッド型構成図」が活用されたことが分かった。
2 手だてを活用した説明活動の充実
 2年時は「ピラミッド型構成図」を用い、「主張文」の構想メモとして活用し、次の流れで授業を展開した。
  ① 主張文の結論をまず決定し、構成図の頂点に配置する。
  ② 主張文の意味段落に「小見出し」を作成し、上から3段目に配置する。
  ③ 小見出しから「序論」「本論」に分類し、上から2段目に配置する。
  ④ 小見出しから80字で「例示」を作成し、上から4段目に配置する。
 以上の流れで主張文の構想を立て、その後原稿用紙に執筆を行った。
3 成果と課題
 前年度の主張文との比較等、実践の分析を行った結果、多くの生徒が昨年度より充実した内容で、かつ短い執筆時間で主張文を記述することができた。本研究から、可視化によって構想段階で文章構成を確立し、本論の吟味を充分行うことが質の高い文章を作成するために重要であることが明らかになった。今後は様々な文章ジャンルにおいても構成図活用の機会を設定し、汎用性が高められるよう、実践を積み重ねていきたい。

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「教育実践」
文章の内容や表現の仕方に注意して読む学習形態の工夫
~ジグソー学習を取り入れた文学的文章の指導を通して~
魚沼市立入広瀬中学校
村山 大樹

  本校生徒の国語科授業に対する実態を各種テスト結果やアンケートから分析すると、「文学的文章への苦手意識」が強く、「グループ学習への意欲」が高いということ明らかになった。
 「グループ学習への意欲」の高さを活用して「文学的文章への苦手意識」という課題を解決するために、「知識構成型ジグソー法」を取り入れた授業を行った。様々な視点から教材を読み解き、生徒一人一人が自分の意見を仲間に伝える場をつくることができる「知識構成型ジグソー法」を行うことで、学習意欲を高めながら、文学的文章への苦手意識をなくし、読解力の向上を図ることができると考えた。
 「知識構成型ジグソー法」を取り入れた授業展開については、東京大学CoREF「協調学習授業デザインハンドブック第2版―知識構成型ジグソー法を用いた授業づくり―」を参考にして、具体的には次の五つの学習場面を意識した授業実践を複数回行った。
1 課題について各自が自分で考えを持つ学習場面
2 小グループ(エキスパートグループ)に分かれて、課題解決につながる部品について学び、一人一人が「私には言いたいことがある」という自覚をもたせる学習場面(エキスパート活動)
3 それぞれ異なる部品を持ったメンバーでグループ(ジグソーグループ)を作り、それぞれの持つ異なる視点を出し合い課題を解決していく学習場面(ジグソー活動)
4 それぞれのジグソーグループがジグソー活動で作り上げた考えを教室全体で交流する学習場面(クロストーク)
5 課題について、最後にもう一度自分で答えを出す学習場面
 成果としては、「知識構成型ジクソー法」には「自分の意見を誰かに伝えたくなる、仲間の意見を聞きたくなる主発問」の設定が重要であり、小説教材においては様々な視点から文章を読み直す必要がある主発問が効果的であることが明らかになったことが挙げられる。課題としては、今回の実践が二つの教材に留まってしまったことだ。どの文学的文章にも対応できる効果的な「知識構成型ジグソー法」の要件は何なのか、今後あらゆる教材での実践を通して整理していきたい。
〈参考文献〉
エリオット・アロンソン(2016)『ジグソー法ってなに?』丸善プラネット株式会社
三宅なほみ、東京大学CoREF、河合塾(2016)『協調学習とは: 対話を通して理解を深めるアクティブラーニング型授業』北大路書房
三宅なほみ 飯窪真也 杉山二季 齊藤萌木 小出和重(2015)『自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト 協調学習 授業デザインハンドブック –知識構成型ジグソー法を用いた授業づくり-』東京大学CoREF
白石始 飯窪真也 齊藤萌木 三宅なほみ (2017)『自治体との連携による協調学習の授業づくりプロジェクト 協調学習 授業デザインハンドブック 第2版 –知識構成型ジグソー法を用いた授業づくり-』東京大学CoREF
友野 清文(2016)『ジグソー法を考える―協同・共感・責任への学び 』丸善プラネット株式会社
難波博孝、 尾道市立因北小学校(2010)『ジグソー学習を取り入れた文学を読む力の育成 』明治図書

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「教育実践」
生徒一人一人の居場所となる学級づくりの工夫
~自己有用感に裏付けられた自尊感情を高めるために、互いの良さを認め合う活動を通して~
村上市立村上東中学校
五十嵐 雅人

  生徒が安心して他者と関わることができ、また安心して過ごせる学級は、生徒にとって居心地の良い場所となるはずである。そのためには、生徒一人一人が自分に自信をもって他者と関わることが必要であり、自信をもつためには、自尊感情の高まりが大切である。しかし、「私は頑張っているのに、周りは分かってくれない」というような、自己評価を中心とする自尊感情だけでは、他者との関わりにおいて必ずしも自信につながるとは限らない。
 そこで、必要になるのが「自己有用感に裏付けられた自尊感情」である。自己有用感は、他者から認めてもらうなどの他者評価を前提として生まれる感情であるため、「私は周囲から認められている」という自己有用感に裏付けられた自尊感情の方が、自己評価を中心とする自尊感情より強い自信につながると考えた。そこで、生徒が集団の中で自己有用感を感じ、自尊感情を高めることをねらって本実践を行った。
1 手だてについて
 「1-1のいい人」活動:生徒が終学活時に振り返りノートに、その日良いことをした人の名前、行動、感想を短く記述する。その内容を学級だよりに掲載し、生徒にフィードバックする。
2 評価について
 「学校評価アンケート」「学級アンケート」「Q-Uテスト」等を用いた。特に、抽出生を2名挙げて変容を追うことに重点を置き、判断することとした。
3 成果
 抽出生Aは、黒板をきれいにしたことが学級だよりに載ったのをきっかけに、周囲から認められる経験を何度も繰り返すことで、更に人の役に立ちたいという気持ちが芽生え、自分に自信をもつことができた。 
 抽出生Bは、級友に認められた経験を基に生徒会書記局員に立候補するまでに自信をもつことができた。さらに、級友の良いところを振り返りノートに記述するなど、他者に対してより肯定的に接するようになった。
 学級だよりに掲載されるという評価方法は、「誰が書いてくれたのか分からない」という点がかえって「良い行いは誰かが見ていれくれる」というプラスの効果を生んでいるように感じる。想定外の効果としては、生徒が学級だよりをよく読むようになった。金曜日の終会で配られると多くの生徒はすぐに読み始めるようになった。保護者からも学級だよりについてコメントもらう機会が増えた。さらに、生徒から報告される良い行いの数々は、担任の目の届かない場面でのことも多く、これまで見えていなかった生徒の様子を知れるようになった。

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「教育実践」
その気にさせてハードトレーニング
~内発的動機付けを高め、主体的に活動に取り組む選手の育成~
上越教育大学大学院 小千谷市立小千谷中学校
山本 仁士

 1 研究の概要
 学校教育活動として運動部活動を捉えた場合、生徒の自立や相互の連帯感、社会性の育成など、「人間的な成長」を目的として活動が行われるべきである。しかし、実際には、大会で勝利することを、指導者も保護者も、そして選手も一番に考えているという現実があるのではないか。それ自体を否定するのではなく、二つのニーズを高いレベルで融合させようと試みた。「競技力向上」には「人間的成長」が欠かせない。「人間的成長」が「競技力向上」につながるという考えのもと指導をしてきた。また「人間的成長」は曖昧な表現であるため、この研究においては、「人間的成長」を、「自ら適切に目標を設定し、仲間と協力してその目標達成に向け、主体的に活動する」という、「内発的動機付けを基にした自立型人格形成」とした。駅伝指導において、特に以下を意識して活動をしてきた。指導方針を一言で言うと「その気にさせてハードトレーニング」である。
 (1)選手を「その気」にさせるために(内発的動機付けを高めるために)
  ① 目標設定能力の向上
  ② 小さな成功体験を積み上げること(自己肯定感・有用感・自尊心を育てる)
  ③ 連帯感の中で努力を継続させること
 (2)競技力を高めるために
  ① 様々な運動を組み合わせた「クロストレーニング」の考えで、「運動量」を確保
  ② 「ドリル」化することで、生徒が自主的に取り組みやすくする工夫
  ③ 合宿や高地トレーニング、ウッドチップコース作成など練習環境の工夫
2 成果と課題
 選手をその気にさせる、つまり内発的動機を高めることにより、主体的に連帯感をもって練習に取り組むことでできた。その結果、練習効果が上がり、選手の潜在能力を引き出すことにつながった。もちろん「内発的動機の高まり」だけではなく、「効果的な練習方法」そのものも研究を続けてきた。平成26年には新潟県としては史上初となる全国駅伝準優勝という成果を上げることができた。また高校進学後も競技を続ける選手が多く、活躍している。さらに地元陸上競技協会と連携し、県縦断駅伝や県女子駅伝などの陸上競技協会主催の大会にも多くの選手が活躍していることで、選手の自立型人格の育成、地域とのつながりを感じる。
 これからも「駅伝」のもつ魅力を大切にしながら、人材を育成し、地域に貢献していけるよう、研鑽を積んでいきたい。

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「地域教育プログラム」
地域の教育資源を活用し、生徒の自己有用感を高める
新潟市立西川中学校

 〇学校・地域の課題
 地域行事への参加者の減少が見られる。地域への愛着や誇りを育むとともに、生徒の自己有用感を高めることが課題である。
〇地域教育プログラムの概要
 地域の方を講師に招き、西川まつりと地域おこしについて話していただいた。後日、盆踊りや傘ぼこの指導をしていただき、西川まつりでは、民謡流しとみこし渡御の際、傘ぼこの持ち手となって参加した。
〇成果
 地域の方に大変喜ばれた。生徒の地域に対する思いや自己肯定感の向上が見られた。

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「地域教育プログラム」
地域と共によりよい中野小屋を創り上げようとする生徒の育成
~創立70周年記念事業を通した地域活性化と未来への展望~
新潟市立中野小屋中学校

 〇学校・地域の課題
 生徒数が少ない分、学校に対する地域の愛情が大きい。地域に感謝し、共に創り上げようとする気概をもたせたい。
〇地域教育プログラムの概要
 「70周年記念書道パフォーマンス」「中学校に10倍の人を招くプロジェクト」「記念エンブレム、中野小屋地区ゆるキャラグランプリ」など、3年間にわたって地域と共に周年事業を進めた。記念式典では、「中学生の未来への主張」として、10年後の中野小屋について演劇形式で提案した。
〇成果
 取組を通して、地域に支えられていることを実感し、地域とのつながりをさらに深めることができた。

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「地域教育プログラム」
地域を知り、地域に誇りをもち、自分の生き方を考える生徒の育成
新潟市立小合中学校

 〇学校・地域の課題
 地域の学校への思いに比べ、生徒の地域に対する愛着が弱い実態があった。また、生徒の自己肯定感が低く、表現力や積極性にも弱さが見られた。
〇地域教育プログラムの概要
 総合的な学習の時間で、地域の偉人である吉田千秋と郷土の産業である花卉栽培について学ぶプログラムの充実を図った。また、地域のイベントや地域のFM放送で学校や地域の魅力についてPRする機会をつくり、生徒による情報発信を行った。
〇成果
 取組により、生徒の地域への理解や思いを深めることができた。また、取組の達成感や地域住民からの評価により生徒の自己肯定感が高まった。

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「地域教育プログラム」
地域と学校の互恵関係を築く
~取組の再評価と小中一貫した教育活動を目指す体制づくり~
新潟市立亀田西中学校

 〇学校・地域の課題
 地域コミュニティと連携した活動は多彩であるが、活動のマンネリ化や活動そのものが目的化するなどの弊害も見られるようになってきた。
〇地域教育プログラムの概要
 地域の中で、冬期間のゴミ出しが困難な家庭に対し、中学生が登校時にゴミ出しを代行するゴミ出しボランティアを実施。希望家庭を上回るボランティア生徒が集まった。
〇成果
 生徒たちが地域から認められ期待されることで自己有用感を高め、地域への所属感を強めた。

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「地域教育プログラム」
地域とともに生徒の自尊感情を育む取組
新潟市立東石山中学校

 〇学校・地域の課題
 学校と地域が目標を共有し、教育課程に位置付けた協働活動を具体化すること。
〇地域教育プログラムの概要
 平成27年度から自尊感情を自ら育んでいく生徒の育成を目標として次の活動を行ってきた。
・命の尊さを実感させ自己肯定感を育むことをねらいとした赤ちゃんふれあい体験
・防災意識を高め自己有用感を育むことをねらいとした地域との合同防災訓練
〇成果
 生徒会が中心となり、環境整備活動や自治会行事への積極的な参加など、地域とのつながりを深め、貢献する自発的な活動へと広がりを見せている。
平成28年度からは、年2回、地域住民代表と小中学生、学校職員が一緒に学校と地域の未来について語り合う「未来づくり委員会」という新たな活動を立ち上げ展開している。

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「地域教育プログラム」
「課題解決型職場体験」による「社会に開かれた教育課程」の実現
~地域企業のリアル・ミッションに応えて、学校(生徒)も地域(企業)もWin-Winに~
佐渡市立畑野中学校

 〇学校・地域の課題
 人口減少が進み、産業も厳しい状況にある。キャリア教育を通して、郷土愛を育み、佐渡に貢献しようとする人材の育成が求められている。 
〇地域教育プログラムの概要
 従来のお手伝い程度の職場体験ではなく、企業のミッションに応える提案型の職場体験を実施した。事前学習・体験・発表のサイクルを教育課程に位置付け、持続可能な活動にした。
〇成果
 企業のミッションに対する生徒の提案を企業が受け止めてくれ、生徒は成就感や自己有用感、地域貢献の意識と地域への愛着を高めた。

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「地域教育プログラム」
地域との連携・協働による「ふるさとを誇りに思う生徒」の育成  
~キャリア教育の取組を通して~
胎内市立築地中学校

 〇学校・地域の課題
 地域から多くの支援、協力をいただいている。地域づくりへの貢献活動を工夫し、Win-Winの関係としていく必要がある。
〇地域教育プログラムの概要
 小中合同海岸清掃での意識の高まりを受け、生徒の自発的な声から新たな地域貢献活動も始まった。「子どもハローワーク」のボランティア等でも活躍し、地域に貢献している。
〇成果
 新たな地域貢献活動で区長会との協働の在り方を学ぶなど、各種活動を通して生徒の地域貢献への意欲、郷土愛が高まった。

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「地域教育プログラム」
「食とみどりの新発田っ子プラン」を活かした地域教育プログラムの創造
新発田市立第一中学校

 〇学校・地域の課題
 かつての城下町新発田の賑わいも、現在は人口減少の波に抗しがたく、年々活気が失われている。
〇地域教育プログラムの概要
 新発田の風土と伝統を受け継いだ郷土料理を作ることを通して、食に対する興味・関心を高め、郷土愛を育んでいる。
〇成果
 郷土に対する愛着が深まり、ボランティア活動への参加者が増えるとともに、地域や社会をよくするために何をすべきかについて考える生徒の比率が高まっている。

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「地域教育プログラム」
地域と協働して育む「未来社会を切り拓く力」
~地域への感謝と貢献「五泉中学校きなせや祭」の取組~
五泉市立五泉中学校

 〇学校・地域の課題
 地域同士がつながる組織がなく、学校の活動と地域の活動が連携しにくい。
〇地域教育プログラムの概要
 地域・保護者の方々と協働して行う伝統行事「きなせや祭」に向けて行う教育活動が、プログラムの中心である。総合的な学習の時間において、全校生徒が各部門に分かれて活動した。
〇成果
 「きなせや祭」では、地域に感謝する姿、地域へ貢献する姿が随所に見られた。生徒が主体的に考え、行動する活気あふれるものとなった。

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「地域教育プログラム」
主体的に地域、仲間と関わり、自分に自信をもち、たくましく生きる生徒
三条市立栄中学校

 〇学校・地域の課題
 「主体性、人と関わる力」を育てるという思いを地域と学校で共有していくことが課題である。
〇地域教育プログラムの概要
 地域のよさを発信する栄地区探検、住民と小学生と共に植栽でつくるフラワーロード、地域にあいさつの輪を広げるあいさつ運動などで、地域に貢献する生徒を育てた。
〇成果
 生徒は地域のために役立っていると感じ、自分のよさの発見につながっている。地域住民は「自分たちで子どもたちを育てる」という意識が高まっている。

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「地域教育プログラム」
地域課題の解決を通して、自己有用感や郷土愛の育成を目指す
田上町立田上中学校

 〇学校・地域の課題
 地元を離れ就職していく生徒が多い。将来田上町に残り、田上町を盛り上げてくれる生徒の育成が不可欠である。
〇地域教育プログラムの概要
 各学年が総合的な学習の時間において「地域をテーマとした探究的な学習」に積極的に取り組んだ。1年生は「るるる 田上」による田上町の紹介、2年生は「田上町元気にし隊大作戦」による町への提言、3年生は「ひと肌脱ぎ隊大作戦」による田上町への恩返しである。
〇成果
 地域の人々から、各学年の取組を高く評価していただいた。生徒は、認め褒められる体験を通して自己有用感を高め、田上愛を育むことができた。

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「地域教育プログラム」
学校課題解決のための「地域教育プログラム」の推進
長岡市立青葉台中学校

 〇学校・地域の課題
 学区内3小学校と当該地域の結び付きが強いが、中学校区全体を地域と捉え、地域全体で子育てしようとする意識は強くない。
〇地域教育プログラムの概要
 小中連携教育の組織改革や活動の充実を図りつつ、連携教育についての周知(地域連携カレンダー・小中連携便り・HP等)を強化するとともに、小中合同の「学校運営協議会」的な組織(未来を語る会)をつくり、協働意識の醸成に努めた。
〇成果
 情報共有や総がかり教育の意義についての理解が深まっていることを地域の声から実感する。「語る会」の提案により、児童生徒と全地域住民が参画する活動をスタートできた。

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「地域教育プログラム」
地域を愛し、活性化のために創造し活動する生徒の育成
~とちお夜のランプまつりの取組~
長岡市立刈谷田中学校

 〇学校・地域の課題
 由緒ある地域であり住民の誇りも高く、様々な祭りや伝統行事に生徒も参加している。しかし、若手の人口流出が止まらず、生徒数は減少傾向にある。
〇地域教育プログラムの概要
 地域学習の一環として応募した平成27年度長岡市アイディアコンテストで「ランプまつり」が最優秀賞を受賞した。大学生や観光協会、地域団体と協力し実現。1万人規模の一大イベントとなり、継続して中学生が参加している。
〇成果
 年々規模や関わる人が拡大し、地域活性化の可能性を感じる。生徒の地域への関心が高まっており、より積極的に地域行事に参加する様子が見られる。

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「地域教育プログラム」
ふるさと片貝に誇りをもち、夢に向かって進む生徒の育成
~地域とともにある「ふるさと学習」の取組~
小千谷市立片貝中学校

 〇学校・地域の課題
 片貝まつり・四尺玉煙火で有名な片貝町は、人口減少により歴史と文化の継承に課題を抱えていた。生徒には様々な困難を乗り越え、持続可能な社会の形成者となるための資質が求められている。
〇地域教育プログラムの概要
 「ふるさと学習」を通して、片貝への愛着と誇りを醸成し、生徒のアイデンティティを育むことに取り組んだ。また、将来の夢に向かって進む意欲と視野を広める「夢づくり」の取組を行った。 
〇成果
 生徒は学びの集大成を「再現劇」として発表し、自己有用感を得るとともに、表現力を向上させた。「夢づくり」の取組は生徒の視野を広げている。また、地域講師等の関わり方が明確となり、学校との一体感が生まれている。

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「地域教育プログラム」
行政、関係機関と連携した地域教育プログラムの創成
十日町市立十日町中学校

 〇学校・地域の課題
 地域行事やボランティアに参加する生徒、将来の夢をもっている生徒を育成することが課題である。地域では、市街地の活性化が課題とされている。
〇地域教育プログラムの概要
 各学年の総合では、「知ろう十日町 つくろう十日町!」をテーマに地域と連携した取組を行った。3年生は、「十中発!未来の十日町プラン」をテーマに青年会議所と連携し、学習の成果を地域に発信した。
〇成果
 行政や関係機関からの「生の声」を聴くことができたことで課題に対しての意識を高くもつことができた。調査活動のまとめでは、地域の魅力を再認識し、郷土への愛着や誇りが高まった。発表する段階では、マスコミや関係機関の方々に参加していただいたことで、自分たちの提案をより深化することができた。

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「地域教育プログラム」
大和地区で「時代」と「世代」をつなぐ
南魚沼市立大和中学校

 〇学校・地域の課題 
 平成27年6月に魚沼基幹病院が開院し、周辺環境が大きく変化した。新たな時代に対応した人材育成が求められている。
〇地域教育プログラムの概要
 日本三大奇祭、「越後浦佐毘沙門堂裸押合大祭」に2年生男子が参加し、水行や押合を通して祭りを盛り上げている。この大祭は平成30年3月に「重要無形民俗文化財」の指定を受けた。 
〇成果
 生徒は、地域の貴重な伝統文化を知り、強烈な体験を通して、過去と現在そして未来の自身の生き方を考え、地域を支える人材であることを自覚することができた。

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「地域教育プログラム」
学校課題の解決を目指した防災学習
~知識構成型ジグソー法による主体的・対話的で深い学びを通して~
新潟市立白南中学校

 〇学校・地域の課題
 生徒は素直で穏やかな気質をもつ。反面、自分の考えや行動に自信がもてず、指示待ちや自分から他者とかかわることを不得手とする生徒の姿がある。また、地域は地域防災の担い手としての中学生に大きな期待を寄せている。
〇地域教育プログラムの概要
 知識構成型ジクソー法を用いて、地域と協働した防災学習を行い、その成果を地域へ発信することを通して学校課題の解決を目指す。具体的には、学びのステップを「過去に学ぶ」→「現地に学ぶ」→「自分たちにできることを考える」で構成し、学びの最終段階として、『白南中学校防災ハンドブック』を作成し、地域への提言とともに、校区内全戸に配布した。
〇成果
 この活動を通して、「自分も地域防災を担う大切な一員である」という生徒の自己有用感の向上につながった。また、地域の防災訓練に自主的に参加する生徒が増加し、地域からの中学生に対する信頼が高まった。

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「サークル活動」
みなみ生徒指導を考える会
新潟市立白根北中学校
山口 俊介

  当サークルは平成25年度より正式に発会しました。活動は、年5回程度。さらに、年1回は「東生徒指導を考える会」と連携して活動しています。(参加者 例年 約80名)
 一番の特徴は、南区を中心に、会員はもとより多くの会員外の方にも参会の呼びかけを行っていることにあります。
 また、生徒指導上の諸問題に精通した専門家アドバイザーからあらゆる面での助言をいただくことができます。

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「サークル活動」
二王子の会
胎内市立中条中学校
星野 勝紀

  「二王子の会」は、新発田市・胎内市・阿賀野市・聖籠町の中学校に勤務する理科教師を中心とした研修サークルです。
 「自然に触れることを通じて、理科教師としての資質を高める」こと、そして、「理科を教える者同士のネットワークを広げ、教材や地域教材に関わる情報交換を行う」ことを目的として、平成15年に発足しました。
 地域の自然の特色を活用し、生徒の自然に対する見方や考え方が豊かになる指導ができるように、地質、植物などの野外研修を行っています。
 また教材研究を行い、教材の製作や生徒の学力向上に有効な教材の使用方法などについて検討を行っています。
 最新の情報や今日的話題の情報交換をするとともに、生徒の学力や科学リテラシーの向上につなげられるように研究を進めています。

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「ときわ教育奨励賞」
地域全体で支える生徒の通信機器への依存防止並びに自立への取組
三条市立栄中学校
幸田 真樹

  昨今、通信機器によるインターネットトラブルが社会問題化している。ただ、それは表面上のことで、根本には「生徒の自立」の問題がある。
 そこでトラブルの予防・対処的な指導と共に、子ども・保護者・地域が一体となって問題意識を共有し、望ましい生活習慣を基盤とした「生徒の自立」を支える体制づくりが必要である。
 そのために、「使用時のルールや危険性を段階的に考える工夫」「学校・保護者・地域社会での子どもを支える既存の組織との連携」という視点で取り組み、指導している。 
 今後も通信機器に振り回されない生活習慣の形成を進め、更に「生徒の自立」を支援していきたい。

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「ときわ教育奨励賞」
自発的に活動できる生徒の育成
~言語活動を活かした部活動指導~
新発田市立本丸中学校
皆川 俊勝

  私はこれまで学習指導で学んできたことと部活動指導で学んできたことを往還させながら、自分なりの指導の形を探ってきた。特に現任校に着任してからは、「モチベーションの向上」「自主性の引き出し方」「言語活動の活用」に焦点を当て、コーチングスキルや学習指導で学んできたことを活用しながら実践を重ねてきた。生徒が何気なく行っていることを言語化し、対話することで「目的の自覚化・明確化」「スキル・技能の定着と再生力の強化」に大きな効果が見られた。生徒が他者との関わりの中で自分の学びを再構築していく過程を大切にし、これからも主体的に学ぶことができる生徒を育てていきたい。

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「ときわ教育奨励賞」
運動部活動(駅伝)における効果的な指導方法の研究
小千谷市立小千谷中学校
山本 仁士

  部活動、特に駅伝において、「内発的動機を高め主体的に取り組むことで、パフォーマンスが向上する」という仮説を立て、以下の3点について意識し実践を重ねてきた。
1 目標設定能力を高めること
2 小さな成功体験を積み上げ
3 連帯感の中で努力を継続
 これらの実践の基盤として指導者の自己研鑽、選手との信頼感の構築が重要になる。指導者自身が目標を明確にもち、その達成にむけた道筋をイメージし、情熱をもつことが重要である。
 平成26年度には全中駅伝において男子準優勝という成果をあげることができた。選手との出会い、関係の皆さまの協力に感謝するとともに今後も研鑽を積んでいきたい。

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「地域教育プログラム」
地域の教育資源を生かした教育活動
~「郷育(さといく)」の取組を通して~
村上市立山北中学校

  当校は、県最北端に位置する。自然環境に恵まれ、各集落には海・山・川の文化が「生業」として息づいている。その一方で「人口減少・少子高齢化」が地域の課題となっている。当校では、市を挙げて推進している「郷育」を中心に、「キャリア教育」と「地域貢献」に地域と共に取り組んできた。生徒は地域との触れ合いを通じて、故郷への愛着を高めるだけでなく、山北地域は誇るべき地域であると8割近くが答えるようになった。

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「地域教育プログラム」
「湯沢町を誇りに思い、次代を担う」生徒の育成
湯沢町立湯沢中学校

 湯沢学園を形成する認定こども園、湯沢小学校と連携しながら教育活動を進めるとともに、地域の支援を受けながら、オール湯沢での教育活動に日々取り組んでいる。越後湯沢秋桜ハーフマラソンをはじめ、小・中学生と地域との湯沢っ子絆活動(地域貢献活動)を進めるなど、町の様々なイベントに参加し地域との連携を深めている。5つの小学校が統合したため、中学生をリーダーとして地域と児童生徒がふれあう貢献活動は地域から好評価であった。中学生が地域のリーダーとしての自覚を深めた。

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「地域教育プログラム」
地域と進んで交流し、地域への愛着を深める生徒の育成
新潟市立濁川中学校

 当校では、男女や学年の別なく生徒の良好な人間関係が保たれている。反面、積極的に物事に挑戦したり、新しい環境下での「仲間づくり」や「人との交流」を積極的に行ったりすることが課題である。そこで、教育課程を見直し、これまで地域の自治会ごとに行われていたクリーン作戦を、交流活動をベースにした「地域貢献活動」として実施した。この活動を通して自己有用感をもった生徒は、さらに深く人とかかわろうとする態度に変容した。

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「教育実践」
2分間チャットで、既習事項を駆使して即興的に会話を継続させる生徒の育成
新潟市立西川中学校
清水 祐一

  自己表現活動において、生徒にトピックを与えて即興で会話をさせると、伝えたいことをどのように表現すればいいか分からなくなることが多い。口を閉ざしてしまったり、一問一答で会話が終わってしまったりする姿が現状としてあった。そこで、即興的な会話を成立させるための力を以下の二つの視点から高めたいと考えた。

〇目的や目標をもって積極的に会話しようとする「意欲」
〇既習事項を即時に取り出して伝えたり、会話をつなげたり、深めたりする「表現力」

 そこで、毎回の授業において帯活動として2分間チャットを設定し、その中で以下の手だてを講じた。

1 明確な目標と目的
 最終的に評価を行う評価タスクを事前に示し、具体的にどのような姿を目指すのか共通理解を図る。自分たちの会話を録音したものを聞き、現状と目標とする姿の違いを感じさせながら活動を継続していく。
2 活発な会話を促すテーマ
 自己関連性が高く、相手に伝えたい、相手の答えを聞いてみたいと思えるようなテーマを設定し、より意欲的な会話を促す。相手と情報ギャップのあるテーマを設定することで会話の活性化を促すことも重要である。
3 振り返りとシェアリング
 振り返りの時間に生徒の疑問を全体で共有し、改善のポイントやヒントを与える。生徒は自分が伝えたいことを英語でどのように表現するのかを教室に常設してある辞書等を使って自主的に調べる。
4 会話のスキルアップ
 話をつなげたり、深めたりするスキルへの気付きを促す。友達や教師の会話モデルを示し、どのようにすればより円滑に、かつ深まりをもって会話が継続していくのかを全体で確認させる。会話特有の表現等を教室掲示することやリストアップすることで個人で確認、練習できるようにする。

 上記の四つの手だてを講じることで、生徒は即興的な会話を継続することができると考えた。

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「教育実践」
自分の考えを英語で表現できる生徒の育成
~単元を貫く帯活動と知識構成型ジグソー法での協調学習を通して~
村上市立荒川中学校
井上 定浩

  これまでの私のスピーキング活動(パフォーマンステスト)に関わる実践では、集中的に数時間スピーキング活動に関わる授業を設定し、その中で辞書などを使って一人で英文を作成させ、発話練習の後、ある程度即興性のあるスピーキング活動に臨ませていた。しかし、この指導では完全に英語が定着したとは言えず、活動終了後には忘れてしまうこともあった。
 そこで、以下の二つの手だてで、「自分の考えを英語で表現する力」を向上させたいと考えた。
1 ワードカウンターを使ったスピーキング活動
 毎時間の授業冒頭に、ペアでのスピーキング活動を行った。指定したトピックスについてペアで会話させ、そこで発話した英単語の数を毎回記録して、自分の成長を可視化させた。トピックスは、これまでに学習した表現でALTとの会話で活用できそうなものを指定した。
2 知識構成型ジグソー法での協調学習
 協調学習の最初と最後に設定したALTとの会話を比較し、表現する力の向上を見とった。
 (1)参考になる会話の映像を視聴させ、自分たちがALTと会話した映像と比較させた。
 (2)4クラスを3グループに分け、それぞれのグループに異なる情報を与え、ALTとの会話で活用できそうな表現をピックアップさせた(エキスパート活動)。
 (3)三つのグループから1人ずつ集め、新たな3人グループを作った。そのグループ内で、それぞれがピックアップした活用できそうな表現を英語で伝え合わせた(ジグソー活動)。
 (4)ALTと生徒2人の3人で英会話をさせた。
 実践の結果、「これまで学習することを活用すること」と「会話を継続すること」について、英語で表現する力を向上させることができた。

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「教育実践」
地域を支える意識をもつ生徒の育成
~防災教育を通して~
新潟市立白南中学校
宮﨑 威治

  当学区の地域的特徴から大きな被害をもたらす災害として、地震、水害、原子力災害が挙げられる。また、家族構成では三世代家族が多く、主な通勤・高校生以上の通学先として、三条市や加茂市、新潟市の他の区と、いずれも川を越えていかなければならない地域がほとんどだ。
 このことから、大きな災害が起こった場合は、高校生以上の生産年齢の方は帰宅が困難になり、地域は高齢者と中学生以下の子どものみになる可能性がある。
 そこで、中学生が防災リーダー的な存在として、率先して地域を支える行動をとる意識を育てる必要があると考えた。この意識をはぐくむために、防災教育の中で、次の3点に取り組んだ。
1 過去から学ぶ
 中越地震や新潟・福島豪雨に関する資料を展示している施設に行って見学したり、被災や救助にあたった方から当時の様子について話を聞いたりした。話の内容としては、災害発生時の様子、停電等で通信手段がない中で被害状況を把握できたのはなぜか、避難所生活の実際、復興過程で生まれた絆、発災前の備えなどだ。
 また、正しい知識や判断力を身に付けるために、行政や救助、大学の教授など各分野の専門家からのお話もいただいた。
2 知識構成型ジグソー法による活動
 今回の学習では、訪問先や専門家の対象数が多いことから、全校生徒を縦割りのグループにし、手分けをして学習した内容を他のグループに伝えたり、意見交換をしたりする活動を取り入れた。
 異学年集団での学習は、リーダーシップとフォロアーシップ、自分が学んできたことを他の異学年の生徒に正しく伝え、質問にも答えられるように準備をするという責任感の意識を高めた。
3 地域に発信する
 中学生に地域を支える意識を育てるには、地域から頼られている感覚を得ることが大切だ。一方、地域住民が中学生を頼りにするには、中学生が学んだ防災学習の内容について知り、新しい発見があったり、地域の防災訓練に多くの中学生が自主的に参加したりするときだ。
 そこで、防災学習で学んだことや地域への提言を「防災ハンドブック」としてまとめ、学区内の全家庭に配布した。各小学校区の区長さんからのお礼の言葉をいただいたり、マスコミにも取り上げられたりして、自己有用感が高まった。その結果、今年度行われた南区総合防災訓練では、中学校区の防災訓練に多くの中学生が参加した。地域の方から、「中学生が参加してくれて頼もしい」との声もいただいた。

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「教育実践」
消臭ビーズを用いた粒子概念の形成と水圧の指導の在り方
魚沼市立堀之内中学校
根津 元

  力について学び、理解するには、自分なりの見方を構築できないと難しい。力の導入では、力の矢印を用いて目に見えない力を可視化しようとしている。しかし、圧力の学習では、面積と力の二つの関係が重要であるため、作用点を設定しなければならない力の矢印はとても扱いづらい。圧力の学習で、自分なりの見方を構築するためには、化学分野で用いた粒子モデルを用いるのが適当であると考える。
1 消臭ビーズを用いた粒子概念の形成
 全ての物質が顕微鏡を使っても見えないほどの小さな粒でできていることを実感させるためには、ノートに2次元的な図を描くだけでは物足りないものだ。粒子概念を形成し、粒子モデルを用いて現象を考察できるようにするために、消臭ビーズを使って現象を考えさせた。
2 単元をまたいだ粒子モデルの活用
 化学分野だけではなく、物理分野でも現象を可視化し、理解しやすくするために粒子モデルを用いた。目に見えない現象を粒子モデルを使うことで考察しやすくなるとともに、意見交流の道具として粒子モデルを捉え、意欲的に話し合い活動ができるようにした。
3 タブレットを用いた考察意欲の向上
 活発な意見交流をするためには、自分自身の考えをもっていなければならない。自分自身の考えをもたせるために、タブレットを用いて、実験の様子を繰り返し映像として流し、考察の手助けとした。また、考察意欲の向上のために、ノートを撮影した。
 上記3点により、現象を考察する意欲を向上させるとともに、消臭ビーズや粒子モデルを現象を説明する際の道具として扱わせ、生徒の科学的思考力を向上させる。

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「教育実践」
なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して
新潟市立岩室中学校
亀屋 友樹

  理科の授業を通して育成したい資質・能力の一つに、自分の意見をもつ力と、意見交換をする力があると考える。さらに、ただ意見をもつだけでなく、根拠を基に相手に論理的に伝えていく力が理科では必要となってくる。そこで「なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して」の研究テーマのもとに、次のような手だてを講じ、授業実践を行っている。
1「自分の意見をもつ」ための手だて
 授業の中で扱う現象や課題が、生徒にとって「身近」なものとなるようにする。「身近」とは、生活体験の中から得られる現象だけでなく、既習内容から得られる現象や課題である。生徒が自分の意見をもつ必要感を感じられる現象や課題を設定している。
2「根拠をもつ」ための手だて
 問いに対して、「勘」「何となく」と答える生徒は多いが、そこには言葉に表わすことができないだけで、何らかの根拠があるはずである。生徒のもつ根拠とは、生活経験や既習内容(既存の知識)か、またはそれらを組み合わせてオリジナルに考え出した根拠である。言葉に表わすことができない生徒が、少しでも表現できるよう、書く時間を多めにとったりワークシートの工夫を行ったりしている。
3「互いに交流し、自分の考えを深める」ための手だて
 小集団での話合いだけでなく、同じ意見をもった人と話合いをし、意見を深めたり、同じ意見ごとに分かれてグループをつくり、「議論」と称してクラス全体で意見をぶつけ合う方法をとったりしている。様々な意見交換の方法を学び、楽しみながら、深い学びになることを大事にしている。
 以上の3点を授業づくりの柱として取り組んでいる。「なぜそう考えたのか、その根拠を踏まえて互いに交流し、自分の考えを深める生徒の育成を目指して」の取組が、最終的には、新しい現象や未知の状況にも、自分なりの根拠をもって考え、判断し、仲間と協力し合いながら、社会の中で生きていく力をもった生徒の育成につながっていってほしいと考える。

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「教育実践」
自然を多角的に追究することで、科学的な思考を深める授業
~ジグソー活動を通して~
新潟市立木戸中学校
大橋 研人

  これまでの授業を振り返ると、じっくり考えたり他の意見を比較したり、他者に説明したりする場面が少ない。そのためか、レポートの考察の記述に思考の深まりが見られない。そこで本研究では、ジグソー活動を取り入れ、下記に示す三つの手だてを講じて思考を深める生徒の育成を目指した。
1 生徒が興味関心をもてる課題の設定
 生徒が思考を深めるためには、生徒が興味関心をもって課題を追究することが大切である。そこで、実社会や実生活に関連付けた題材や課題を設定する。
2 ジグソー活動を組織する(多角的な追究)
・検証実験と考察
 仮説を基に学級全体で検証方法を考えさせる。学習班ごとに検証実験を分担し、検証させる。検証の結果を考察し、課題に対する理解を深める。
・分かったことを交流し深化させる
 ジグソー活動の特性を生かし多角的な追究となるよう支援した。また、ホワイトボードを使い、思考の過程が見えるよう発表の仕方を工夫させる。
3 思考を深めるための考察
 考察では、学習を通して調べたことを活用し、実社会や実生活と関連付けた視点で考察を書くよう指導した。
 上記の手だてにより、レポートの考察や振り返りシートの記述を分析し、実生活や実社会と関連付けて考察しているかどうかを見取り検証した。

<参考文献>協調学習授業デザインハンドブック-知識構成型ジグソー法の授業づくりー東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構

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「教育実践」
中高の学びの連続性を意識した中学校数学の授業づくり
~関数において高校数学への接続を意識した取組~
新潟市立高志中等教育学校
神蔵 康紀

  中高一貫校で学ぶよさは、数学を学ぶ大切さや、次にどのように発展していくのか、数学が社会の発展や自分の将来のためにどう役立つのかについて、継続的に学ぶことができることである。中学校の段階から高校の内容を意識した試行錯誤を積極的に取り入れることができる。すなわち、実際の授業の場において、生徒たちに発展的な実験、観察、資料の収集整理などといった数学的活動を促していくことができる。
 中学校3年で学ぶ関数y=ax^2(以下、^2は2乗を表す。)は、一般に2次関数と包含関係があるが、そのことには触れられずに単元の学習が終わる。その後、高校数学Ⅰで、2次関数の一般式y=ax^2+bx+cをy=a(x-p)^2+qと平方完成してそのグラフはy=ax^2の放物線が平行移動したものであることを学ぶ。今回の研究では、単元の終わりに発展的な課題として、y=ax^2とは別の2次関数のグラフを考えることを通して、関数y=ax^2と2次関数とのグラフの共通点や相違点に気付かせていく。その比較により、関数y=ax^2のグラフの特徴や値の変化の様子について、より鮮明に理解できると考えた。また、中学校3年で一度触れておくことで、グラフの平行移動と式との関係の原理について、高校で学ぶ段階での理解を助けるようになると考えた。
 授業の取組では、y=ax^2のグラフについて2次関数のグラフとの比較により、放物線の頂点はいつも原点にあるものという思い込みを揺さぶる。生徒たちはいくつかの2次関数(今回は、y=x^2-4とy=x^2-4x+4)について作図することで表やグラフで値の変化やグラフの様子を観察し、それらを比較検討する。このことを通して、帰納的に一般的な2次関数のグラフについて学ぶようにした。生徒たちは、課題解決に向け、仲間との協働的な活動により2次関数のグラフについて理解を示した。
 数学Ⅰの学習内容は中学校の内容からの接続を考えて構成することができる。この実践により、生徒にとっては、既習事項だけのつながりよりも、将来学ぶべき内容についても触れることにより、今学んでいる内容についての理解が深めやすいことが確認できた。生徒の学習内容の理解レベルに応じて適切で、将来につなげられる発展課題を扱っていくことは有効であることが分かる。

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「教育実践」
ICTを活用して数学的活動の楽しさを感得し意欲的に学ぶ生徒の育成
新潟市立新津第五中学校
藤田 夏樹

  平成28年度全国学力・学習状況調査では、全国で数学が好きな生徒は56.2%と低い。また、当校で全校生徒を対象に行った調査から、数学が好きな生徒は全国と比べて更に低いことが分かった。この結果は、数学教師として受け止めがたい事実である。このような実態を踏まえ、生徒に今以上に数学の面白さを伝え、考えることの楽しさを味わわせることで、数学が好きな生徒を育てていきたい。そのために、まず、生徒の自ら学びに向かう意欲的な態度を育成するための手だてを講じる必要があると考えた。
 単に出来上がった数学を知るだけでなく、事象の観察や実験を試みて数や図形の性質を見いだしたり、身近な問題を数学を利用して解決したりする数学的活動を通して数学を学ぶことで、その楽しさを実感できると考える。また、「学びのイノベーション事業報告書」(文部科学省、2014)では、ICTを活用することにより、児童生徒の興味・関心を高められることについて言及している。
 上記を踏まえ、本研究では、生徒が数学的活動の中でICTを活用することで興味・関心が高まり、これまで以上に、課題に対して意欲的に取り組むようになると考えた。数学が好きな生徒の割合が全国を上回るように、数学的活動の一層の充実を図りたい。
 授業の取組では、中学校1年「方程式」の初期指導において、数学的活動の中でタブレット端末を活用する。デジタル教材を使って天秤を操作する活動を取り入れることで、生徒が帰納的に等式の性質を見いだせるように促す。数学的活動の中にICTを活用することで、生徒の学習意欲向上にどれだけの効果があるかを検証していく。

<参考文献>学びのイノベーション事業報告書 文部科学省 2014

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「教育実践」
絵画史料と文字史料の複合的な吟味・検討による歴史認識の育成
~絵画「死の勝利」をもとにした中世ヨーロッパの授業を通して~
新潟市立上山中学校
早福 史

  本論の目的は中学校社会科歴史的分野において、絵画史料と文字史料を複合的に用いた授業により、生徒の多面的・多角的な思考の育成方略を明らかにすることにある。
 絵画を用いて生徒に視覚的なイメージをもたせたうえで歴史を考えさせることは、生徒の思考力の育成に有効であり、これまで多くの実践がなされてきた。しかし、絵画史料は写実的ではないため、絵画を通して生徒が獲得する歴史認識は絵画史料の作者の時代像に大きく影響されるという問題点があった。
 そこで、絵画史料の作者がどのように時代を見ていたかを生徒自身が検証するというプロセスを授業に組み込むことで、先行研究・実践の問題点を克服し、より多面的・多角的な思考を育成する。そのために、本時では次の手だてを用いることによって授業を構成する。

【絵画史料と文字史料を複合的に吟味・検討する授業の手だて】
1 絵画の作者がどのように歴史を見たのかを問う
2 絵画で表現された当該期の時代像を文字史料から吟味・検討する 

 1,2の活動を組織するためには、絵画史料の作者の社会の見方が十分に反映されている絵画史料を選定する必要がある。本論では、「中世ヨーロッパとルネサンス」の単元を扱ったが、この時代の資史料で、上記の条件を満たす絵画史料と、それを吟味・検討する文字史料として以下の資史料を用いた。
【絵画史料】ピーテル・ブリューゲル作「死の勝利」
【文字史料】ボッカチオ作「デカ・メロン」

 前時までにヨーロッパ社会はイスラーム圏との接触(十字軍の遠征)によって豊かになったという思考を形成した。本時の授業において、「死の勝利」を提示すると、生徒の中に絵の暗い印象と前時までの時代認識にズレが生じた。絵画史料から読み取れる歴史像は妥当なものなのかを文字史料で吟味した生徒は、他文化との接触によって社会が衰退したとみることもできるという新たな見方の存在に気付いた。生徒は、当該期のヨーロッパ社会を「(イスラーム圏との)交流によって新しい文化が入り良くなったけど黒死病という病が流行した。」と表現した。この記述から、生徒が中世ヨーロッパ社会を文化の流行という社会の繁栄という側面と疫病の流行と混乱という側面から多面的に捉えたことが分かる。
 以上のように、絵画史料に象徴された作者の見方・考え方を文字史料から吟味・検討することで多面的・多角的な歴史認識を育成することができた点に本論の成果がある。

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「教育実践」
関わりを通して生徒の読みの力を育成する
~知識構成型ジグソー法的手法を通して~
湯沢町立湯沢中学校
根津 絵理奈

  次期学習指導要領では、国語科の目標の一部に「伝え合う力を高め、思考力や想像力を養う」ことが記されている。この目標を達成するために国語科の「読むこと」においては、「知識構成型ジグソー法」的手法を用いることが有効であると考えた。ジグソー学習とは生徒自身が多面的な視点を獲得し、考え方を広げ、読む力を付けさせる学習である。そのために以下のような3点を手だてとし、実践を行っている。
 一つ目は、大課題の設定についてだ。物語を知識構成型ジグソー法を用いる際に重要となることは、大課題の設定とその解決のためのエキスパート課題の設定だ。まず、大課題を設定する際には、物語の作品の主題となり得るものに設定する必要がある。その主題を学習者に獲得させるために、指導者自身が教材観を確立させる必要がある。
 二つ目はエキスパート課題の設定についてだ。エキスパート課題は、大課題を解決するために、必要な情報を手分けして集める作業と捉えている。その課題を設定する際には、それぞれ異なる視点となるように設定する必要がある。また、一人が必ず一つ解くべき課題があることで、学習者自身が主体性をもって活動に参加できると考えた。
 三つ目は班分けについてだ。知識構成型ジグソー法的な手法をジグソー班(大課題を解く班)、エキスパート班(エキスパート活動を話し合う班)をそれぞれ3人で構成することを基本としている。班分けに関しても、話合いが円滑に進むように、それを「国語班」として、教師から示す必要があると考えた。
 以上の3点を手だてとし、学習者に物語を「読むこと」の力を付けさせることができると考える。
 これらの活動を通して、学習者自身が読みの多面的な視点を獲得し、より深い読みができるようになることを期待している。

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「教育実践」
全員で創りあげる学年目標とその達成に向けて
新潟市立白新中学校
伊藤 雅仁

  集団がよりよい活動をしていくためには、目標が必要だ。目標は、全ての教育活動において、活動を振り返る大きな柱になる。しかし、多数決などで決めた目標は、全員の思いが反映されていない可能性があり、その役割を十分に果たすことができないと考える。
 そこで、集団全員で学年・学級目標を創りあげることが必要であると考えた。全員の想いが反映された目標であるならば、その達成に向けても集団が一つの方向を向いていくのではないか。また、その目標達成に向けて、話合い活動やプロジェクト活動などを取り入れることで集団として高まっていくのではないかと考える。そこで以下のような手だてを講じて取り組んだ。

1 ファシリテーションを取り入れて学年・学級目標を作成する
(1)自分たちの学年・学級の現状を話し合う
 4月は目標を設定せずに、自分たちの集団の現状を話し合う活動を取り入れる。個人で付箋に書き、その後で4人グループで話し合い、それを全体でシェアする。
(2)どのような学年・学級にしたいかを話し合う
 (1)の話を受けて、どのような学年・学級にしたいのかを付箋に書く。その後で、4人グループで話し合い、全体に提案する。
(3)多数決は行わず、話し合いで目標を決定する
 学年・学級のリーダーは、出た意見を集約し共通点などに線を引き、多くの生徒の願いが入るように話し合う。ただし、少数の意見にも目を向けさせ、全体が納得いく目標をみんなで創りあげる。
(4)話合いで全体を巻き込む工夫
 一人の生徒が発表した意見と同じ考えの生徒に手をあげてもらい、付け足しをさせる。これを、学年委員が主導する全体の話合いのときに行い、学年全員を巻き込み目標を決められるようにした。
2 目標を全員で創りあげる
 アンケートで募り決定したレイアウトを班の数で割り振り、その部分を4人グループで作成するようにする。マス目模造紙を配り、色紙を貼っていく。最終的に全班のものをつなぎ合わせて、学年・学級全体で目標を創りあげる。
3  短期目標を設定する
 学年・学級目標を達成するために2~3ヶ月ごとに特に頑張る短期目標を設定する。2~3ヶ月後に振り返りを行い、次の短期目標を設定するというように、振り返りと短期目標設定を回していき、生徒の目的意識を高める。
4 目標達成のためのプロジェクトを立ち上げる
 学年委員が中心になり、学年目標を意識できるプロジェクトを立ち上げる。プロジェクトをした後に、アンケートをとり、その結果も学年全体に返す。
5 異学年交流の場面を設ける
 異学年の生徒と、目標達成に向けてどのような活動を行っているか、意見交換をする場を設ける。

 以上の取組を行い、生徒が目標を大切にしながら日常生活を過ごし、集団として高まることを期待して実践を行った。

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「教育実践」
生徒の自己肯定感の向上を目指した学級づくり
~互いのよさに気付き、認め合う活動を通して~
阿賀野市立笹神中学校
大竹 希世志

  生徒が自己実現に向けて主体的に学び、行動し、よりよい人間関係を築く土台は、自己肯定感である。自分のよさを知り、自分を好きになってこそ生徒は自信をもって様々なことに挑戦できる。そこで、私は生徒が、高校に進学し周りの環境が変わっても、挑戦意欲をもち続け、自分の人生を前向きに歩んでいけるよう以下の3点を意識して、生徒の自己肯定感の向上を目指した学級づくりに取り組んだ。
1 生活ノートを通して、日常的に生徒を肯定する
 毎日学級の生徒一人一人と話をし、その子のよさを認めていくことは難しい。そこで、生徒が毎日担任に提出する生活ノートに、その日の行動や記述に対する、ほめる言葉や期待している事が伝わる言葉を書く。生活ノートが、単なる日記で終わるのではなく、ほめ言葉や激励の言葉でいあふれるノートになることで、自分の日々の言動に自信をもてるようになると考える。また、この生活ノートは保護者も見ることができるものである。よって、生活ノートが保護者に対しての情報発信の役割も果たしている。生活ノートの記述がきっかけで、家庭でも誉められ、生徒の自己肯定感が更に向上することが期待できる。
2 生徒同士が互いのよさを見取り、認め合う場を日常的に設定する
 担任や保護者だけではなく、生徒同士がよい行動を見取り、認め合うことができれば、生徒の自己肯定感は高まる。そこで、私は、日常的に他の生徒の良い行動を見付けたら、記録し、付箋を書かせ、学級に掲示するようにした。付箋を樹の花びらに例え、学級目標「We are active」と関係付け、昨年度は1年間継続して行った。例えば、「数学の時間、難しい問題を分かりやすく教えてくれた」「掃除の時間、自分の担当場所が終わった後、教室の清掃を手伝っていた」など、具体的な行動を誰が行ったか分かるようにして、学級全体で共有した。担任だけでは、見取りきれない個々の生徒の長所が、付箋を通して共有され、現在も学級の文化の一つとして継続している。
3 学校行事を学級づくりに最大限に生かす。
 体育祭や合唱コンクールなどの全校行事の際、生徒の役割を明確にし、個々の生徒の目標を設定した上で、その目標に対する激励や期待の言葉をクラスメイトが文章にして送る活動を行う。行事終了後は、互いに感謝や努力を認め合う言葉を送り合う。生徒は自分が学級から必要とされている喜びを感じるとともに自分の頑張りや成長を実感する。この喜びは、自己肯定感を高めるだけでなく、自分の可能性を信じ自己決定していく力、つまり、将来のキャリア形成にも強くつながる要素だと考える。

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「教育実践」
選手の力を引き出す運動部活指導のあり方
~陸上競技を通じて人間的成長を~
新潟市立早通中学校
渡邊 祐哉

  JOC強化部では「人間力の向上なくして競技力の向上なし」をスローガンに掲げてオリンピックに向けて選手強化に取り組んでいる。
 中学時代の指導においても、人間力の向上を促すことが競技力の向上には欠くことのできないものであり、私は人間力の向上には選手の自立が不可欠であると考え、選手とのコミュニケーションを基に内面的な力を引き出す部活改革を試みた。具体的には次のような実践を行った。

1 子どもたちに夢を語る
 自分がなりたい姿や目標をイメージさせる。
2 自分を出す指導
 話すこと、書くこと、挨拶、返事などのトレーニングで自分の内面を表現させる。
3 ティーチングとコーチング
 押さえるべきポイントは反復練習で身に付けさせる。また、考えさせる場面を設定し、ポイントを意識して練習に取り組ませる。
4 練習方法の工夫
 定期的な記録の計測、BPMやマークを設定したトレーニングにより、自己の成長を感じさせる。

 日々実践を積み重ねていくことで、話を聴き、自分の考えを伝えることができるようになって、練習の質が高まってきた。その結果、北信越大会、全国大会に出場する選手が育ってきた。

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「教育実践」
選手の力を引き出す部活動指導の在り方
~バスケットボール部の指導を通して~
五泉市立五泉北中学校
澁木 政義

  私の夢は全国大会出場である。赴任して2年目に成果を出せる生徒たちと出会った。また、私の指導が試されると感じた。私が部活指導でいつも心掛けていることがある。それは、生徒たちの「心」の成長をさせることである。私は今まで携わってきたバスケットボールを通して、子どもたちに「五つの心」を身に付けさせたいと考えている。なぜなら、心と体はつながっているからである。
【選手として身に付けたい心】
1 自分のことは自分で行い、人に頼らない心(自立)
2 周りに流されず自らコントロールする心(自律)
3 自分はできる、不可能はないと思える心(自信)
4 自分のことより、まずは人のためにと思う心(感謝)
5 常に目標を高くもって、挑戦しようとする心(向上)
 以上の心の成長を身に付けることで、チームでの目標を達成する力が身に付き、自分たちの夢に近付けると思っている。それをより強く考えさせられた言葉がある。ある人の著書の中に書いてあった「人間的成長なくして技術的進歩なし」という言葉である。
 また、目標達成に向けて、チームと個人のスモールステップによる目標設定を行った。その成果として、初の地区新人大会で優勝をすることができたが、県新人大会では力を発揮することができなかった。心(精神力・忍耐力)の成長が足りないと感じた。そこで、生徒一人一人と面談を行い、個人の課題と目指す姿を一緒に考えた。また、定期的な部活会議を開催し、チームの課題発見と共有を行った。その結果、生徒たちの取り組みが一段と変わり、新人大会とは違った試合内容で下越地区大会で優勝することができた。だが、迎えた夏の県大会では残念ながら、ベスト8という結果になり、生徒たちが目指した成果を出すことができなかった。この結果を受け、私は生徒たちから改めて自分自身に課題を与えられたと感じた。

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「教育実践」
湯沢学園、保小中一貫校においての教頭としての取組
湯沢町立湯沢中学校
久保田 武

  平成26年度に町内の小学校5校が統合し、統合湯沢小学校と湯沢中学校ともに校舎一体型の小中一貫校として開校した。通称は湯沢学園。
 平成28年度には、湯沢町の五つの保育園が統合し、湯沢認定こども園として開園し、保小中一貫の「湯沢学園」が誕生した。更に、湯沢町教育委員会子育て教育部、子育て支援課も同じ建物内に設置され、湯沢町の教育の中枢となっている。開校4年目の現在でも県内外から毎週のように、時には海外からも様々な団体が視察に訪れている。
 そのような恵まれた環境、地域の期待も大きい中、保護者と学校、地域と学校、行政と学校が連携し、保小中一貫の教育活動を円滑に遂行していくために、教頭としての役割や取組はどうあるべきか、また、中学校組織の教頭として、保小中組織の中で、保護者、地域や外部の諸団体と学校をつなぐ役目として、また、行政との連絡調整役としての取組を振り返る。
 統合前の複数の組織が保小中の三つの組織になった。同じ建物の中にあることで、統合前より外部団体との連絡調整は容易になったが、事務局や幹事役が小中2校の教頭に集中してしまい、他の業務に影響なく進めることが課題だ。
 保小中一貫校の中学校の教頭として、中学校の職員がやりがいを感じながら、働きやすい職場となるよう、保小中の職員間の連携もスムーズになるよう、組織間の情報共有、組織内の情報伝達の工夫などに取り組み、教育活動がスムーズに展開できるよう学校を支えていく。

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「教育実践」
リレーにおけるバトンパス技能を高める指導の工夫
新潟市立松浜中学校
梅津 雅史

  これまで自分が行ってきたリレーの授業は、バトンパスの練習を繰り返した後、ただタイムを計測させたり、チーム同士で競争させたりする授業であった。
 これらの取組では、生徒の運動量は確保されていたが、明確な課題(自分の課題・ペアの課題)をもたせて解決させたり、バトンパスの技術の向上を生徒たちに実感させたりすることが、十分できていなかった。
 そこで、本研究ではこのような授業を改善するため次のことを実践した。
1 リレーのバトンパスにおいて、明確な課題をもたせ、課題解決に向けて活発に関わり合う場面を設定した。
2 50mリレーのタイム短縮により、技能の伸びを実感させるために、「バトンパス技術の向上」=「50mリレータイムの短縮」と捉えさせ、ペアで協力して取り組ませた。
 手だては、以下の二つである。
1 バトンパスの局面において、「三つの観察ポイント」を与えて、自分たちの動きをデジタルビデオカメラで撮影し、その映像から動きを分析させ、ペアでの対話を通して実際の動きを修正させる。
2 利得距離を生かしたバトンパスを行うための段階的な指導の工夫を行う。
 これらの手だてによって、「生徒が自ら課題をもって意欲的に学ぶとともに、バトンパスの技能の高まりを実感することができる」のではないかと考え、検証を試みた。
 実際の結果、動画を撮影・分析する際に、「三つの観察のポイント」を明確に提示したことで、動画を分析するポイントが絞られ、バトンパスの局面で自分たちの課題をはっきりさせることにつながった。生徒が明確な目標をもつことで、バトンパスの技能を高めるための練習方法を工夫するなどの姿が見られた。

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「教育実践」
集団演技を取り入れたマット運動の取組
~シンクロマットを通しての関わり合いから、個人技能を向上させる授業の工夫~
加茂市立葵中学校
田中 伸一

  マット運動では、一人一人の挑戦する技の種類などに対応できるように場の設定を増やしたり工夫したりしてきた。しかし、マット運動はできるできないがはっきりしており、苦手意識が高い生徒も多く、新しい技をなかなか習得できない生徒も見られる。
 そこで、運動する意欲を高めるために関わり合いをマット運動に取り入れた。生徒は能力に関係なく、友達と関わり合いながら運動することを好む傾向がある。個人的な運動の領域であるマット運動も、仲間と関わり合う活動を取り入れることで活動意欲が高まり、主体的に練習に取り組むことが期待できる。また、運動量が増え、技能の向上を図ることができると考える。
 本研究では、仲間との関わり合いを増やす工夫として次の手だてを講じる。
1 シンクロマットの導入
 シンクロマットは、マット運動の技を複数でタイミングを合わせたり、ずらしたりして行う運動である。シンクロマットの演技を創り上げるには、チームの仲間と話し合い、補助し合って協力するなど、関わり合う必要がある。チームの仲間とシンクロマットの演技を構成して完成させていく活動は、マット運動の苦手な生徒も活動の意欲を高め、積極的な練習が技能の向上につながると考える。
2 練習における場面設定の工夫
 授業では、部分練習コーナー、通し練習コーナー、ミーティングコーナーを設置して、ローテーションしながら練習に取り組ませていく。それぞれのコーナーで何をするのかを明確にして、チームの演技を構成していくための過程を踏ませていく。また、資料や映像を十分に準備して、必要な情報を随時得られるようにする。
3 焦点化されためあての提示
 シンクロマットの演技構成をより具体的に考えていけるように、シンクロマットの演技構成を考える小単元時に、具体的な動きを示しめあてを焦点化する。適切な情報を提示することで、完成演技を意識した適切な関わり合いが生まれ、よりよい演技構成を創り上げることができる。

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「教育実践」
思いをもって表現しよう
~仲間との対話を通して深め合う表現活動~
十日町市立十日町中学校
丸山 友梨

  こんなふうに音楽を表現したいという「思い」があってこそ、情感あふれる音楽を奏でられるのではないかと考えている。そこで、生徒が「どうしたら、よりよい合唱に近づけるのか」という「共通の思い」をもった上で、よりよい合唱を練り上げていく手だてを講じていく。
 現行の学習指導要領には「音楽的な見方・考え方を働かせた学習活動によって、生活や社会の中の音や音楽、音楽文化と豊かに関わる資質・能力を育成すること」が音楽科の教科の目標であると示している。その上で、新学習指導要領では、育成を目指す資質・能力として(1)「知識及び技能」の習得に関すること、(2)「思考力・判断力・表現力等」の育成に関すること、(3)「学びに向かう力・人間性等」の涵養に関することが示された。その中でも「思いをもつ」という観点から(3)の「学びに向かう力・人間性等」に着目して展開していく。

1 楽曲の背景と自分の思いとを重ね合わせる
 音楽固有の雰囲気や表情、味わいなどを感じ取りながら、自己のイメージや感情の動きと音楽の構造や背景などとの関わりを捉えさせたいと考えている。新学習指導要領で「背景など」としているのは、歌唱分野における「歌詞の内容」も含んでいる。そこで、歌詞への共感を糸口に、自分の経験や心の揺らぎ等を重ね合わせながら、歌詞をより身近に捉えられるような活動を取り入れる。そのことで、誰かが書いた歌詞の旋律をなぞるだけの歌唱から、自分の思いと重なり合った歌詞の旋律に情感を込めた歌唱へと変わるのではないかと考えている。

2 客観的な変容の見取り
 歌いながら客観的に自分たちの合唱を評価することは難しいのではないかと考える。そこで、録音・録画から客観的に自分たちの合唱を聴くことで、自分たちの合唱の変容に気付けるのではないか。また、変容があったことで、「思いをもって歌うこと」の味わい深さを実感でき、学びに向かう力をより育てることができるのではないかと期待している。

 これら二つの手だてから、(3)「学びに向かう力・人間性等」へと迫っていく。

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「教育実践」
地域に住む人材を活用した英語授業の活動
~生徒の表現力と学習意欲を高める工夫~
長岡市立南中学校
富所 宏子

  2021年度から施行される新学習指導要領「外国語」では、「学んだ知識・技能を、コミュニケーションの相手に配慮しながら実際のコミュニケーションの場で積極的・主体的に用いることで、コミュニケーションを図る資質・能力を高めていくこと」を目標としている。しかし、授業の中でALT以外の外国人と英語で話す機会はなかなか無く、生徒が英語を用いて実際にコミュニケーションをとる場が少なかった。そこで、地域に住む人材を活用した活動を「タスク」として設定した。単元の目標を設定し単元計画を立て、生徒表現力向上、及び自分の英語が通じ「タスク」が達成できたという満足感を感じて学習意欲を高めることを目指した。
1 地域の人材を活用した授業づくり
 単元の目標である課題「タスク」として、外国人と話す活動を設定した。ALTでは普段から話し慣れているため、長岡市国際交流センターに在籍する外国人に来てもらい、生徒がインタビューをする活動を設定した。
2 バックワードデザインによる単元計画
 まず、単元のねらいを踏まえてゴールとなる目指す生徒像を設定する。次に、評価の観点と課題を決めて、それを生徒にも知らせる。教師は、ゴールに基づくシラバスを考え、スタートまで遡って指導する内容や方法を計画する。
 以上2点を重点にして、授業づくりを進めている。生徒が「英語が話せた」という達成感や自信をもてるよう、研究を進めていきたい。

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「教育実践」
即興的に話す力を育てる指導の工夫
南魚沼市立大和中学校
猪狩 直哉

  平成27年度英語教育改善のための英語力調査事業(中学校)報告書では、「話すこと」の中で、英語を「与えられた課題について、(特に準備をすることなく)即興で話す活動をしていた」と回答した生徒は30.4%と少ないことが明らかになっている。また、「話すこと」のテストスコアが高いほど即興で話す活動を経験した生徒の割合が高いことも示されている。生徒のコミュニケーション能力を高めていくために、即興で話す活動を積極的に授業に取り入れていく必要がある。
 実践を行った学級の生徒は、英語の力を付けたいという意欲は高いものの、実際の英語能力は高いとは言えない。書くこと、話すこと、読むこと、聞くことの4技能の中では、話すことに関して最も苦手を感じる生徒が多く、簡単な質問に対しても応答に窮する生徒が多くいた。
 そこで、実際に即興的に話す活動を授業の最初10分程度の帯活動として毎時間の授業に取り入れることにした。しかし、単なるドリル的な一問一答の会話練習のみを行って応答の仕方を身に付けただけでは、生徒が本当の意味でのコミュニケーション能力を身に付けたとは言えないと考え、与えられた質問に対しての一問一答ではなく、応答+αで話すこととした。また、同じ内容での会話を複数回繰り返したり、代表生徒の会話を例示して教師がそれに対してフィードバックを加えたりすることで、どのように話をつなげれば良いかを知り、会話を継続させることができるようになると考えた。
 これらの手だてを講じて、生徒がどの程度「話すこと」の力を付けることができるのかを検証していく。

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「教育実践」
正しい発音・強勢・イントネーションを身に付ける指導の工夫
~ペアによる学び合い活動を通して~
上越市立春日中学校
太田 智哉

  航空産業の発展や通信技術の進歩に伴い、日本国内外を問わず、様々な国の人々と国際共通語である英語を媒体としてコミュニケーションをとる機会が増えてきた。英会話においてコミュニケーションが成立するためには、相手の話す内容が理解できること、自分の話す内容が相手に伝わることの条件が必要になる。そこで、重要な要素であると考えたのが発音・強勢・イントネーションである。相手がどんな語彙を使っているのかを具体的に聞き分ける力を身に付けるためには、自分自身がその語彙を正確に発音できなければならず、また相手の話す内容が意図することを理解するためには強勢・イントネーションの用法が正しく理解されていなければならないと考えている。
 しかし、発音・強勢・イントネーションに関する具体的な指導法が確立されていないこと、従来の中学校の英語教育で音声面が軽視されてきたことを挙げている研究者がおり、日本の英語教育において音声に関する指導が適切に行われているとは言えない状況があると考える。私自身もこれまでの授業を振り返ったところ、リスニング指導や発音指導にあまり時間をかけていなかったように感じている。年間指導計画に沿って教科書の内容を淡々と進めることが多く、実践的なコミュニケーションの力を身に付けるために必要な要素を私自身も軽視していたことに気付いた。
 この課題を解決すべく、限られた時間の中で行うことができ、より効果的な音声指導を目指したいと考えた。ただし、教師1人が数十人の生徒に対して個別に音声指導を行うには限界がある。そこで、生徒による学び合いの視点を取り入れ、複数人が同時に発音、強勢、イントネーションを学ぶことができる指導法を提案したい。

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「教育実践」
生徒が理科好きになる指導方法の工夫
~エネルギーの単元における問題解決的な学習の事例を通して~
新潟市立光晴中学校
石井 雄介

  生徒が理科を好きになるためには、生徒が問題意識をもち、解決に向かって試行錯誤しながらも観察・実験に取り組めるような授業を行う必要がある。私の今までの授業実践を振り返ってみると、生徒の問題意識を十分に高めないまま学習を進めていることが多々あった。特に、3年生の「エネルギー」の単元では、「エネルギー」が目でとらえにくい事象であることもあり、導入から教科書通りに進め、教師主導の授業になっていた。このように生徒が受動的に授業を受けているようでは、理科好きな生徒を増やしていくことはできないだろう。
 そこで、生徒の興味・関心を引くような事象を提示し、問題解決的な学習の過程を経ることで、理科好きな生徒を増やすことができると考え、次のような手だてにより、エネルギー単元での授業改善を図った。

1 導入部分において生徒の興味関心を引く「事象の提示」
 AコースとBコースという経路は異なるが、スタートとゴールの高低差が同じ二つの経路を提示する。そして、同時に球をスタートさせて、Bコースの球の方が先にゴールに達することを見せる。
2 問題意識を醸成する「発問の工夫」
 実験結果から考えられる問題点を焦点化し理由を簡潔に考えることができるような発問を工夫する。
3 生徒が自由に試行することができる「教材の工夫」
 自由に変形できる経路を各班に配り、Aコースよりも先にゴールに達することができるBコースの経路を何回も試せるようにする。
4 エネルギーを比較するための「表し方の工夫」
 速さを測定する機器を用いてコースを移動する球の速さを測ったり、位置エネルギーと運動エネルギーをマグネットに置き換えて可視化したりすることで、情報を共有しやすくするとともに、思考のイメージ化をしやすくする。
5 生徒の活動の様子や質問紙調査から手だての有効性について検証する。

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「教育実践」
主体的・協働的な学習を通した分かる授業づくりの工夫
村上市立村上第一中学校
髙橋 一哉

  今年3月に公示された学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びを通して、基礎・基本の確実な定着を図り、新しい時代に求められる資質・能力を育成することが求められている。また、現行の学習指導要領でも生徒の主体的な学習活動を通して、基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させることが示されている。
 それらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力、その他の能力を育むことを重要視し、能力育成のために言語活動を充実させることが重要であるとしている。
 そこで、主体的・対話的な学びを通して、基礎・基本の確実な定着を図るために次の手だてを講じ、授業プロトコルをもとに主体的・対話的な学びが行われているか、また基礎・基本の定着が図られているか分析をした。
【手だて】
1 生徒に明確な課題を伝え、生徒と課題を共有すること
2 課題解決の方法は生徒に任せること
3 生徒の情報を共有すること
 その結果、生徒は課題を達成するために主体的に授業に取り組み、他と協力しながら学習を進めていくことが明らかになった。また、基礎・基本の定着も図られていることが分かった。

<参考文献>
西川純『すぐ分かる!できる!アクティブ・ラーニング』学陽書房、2015
水落芳明・阿部隆幸『成功する『学び合い』はここが違う!』学事出版、2014

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「教育実践」
数学的な表現力を育成する指導の工夫
~自分の考え方を、根拠を明らかにして説明する活動を通して~
佐渡市立真野中学校
村山 貴之

  生徒の実態を見ると、技能を問われる問題は比較的よくできるのに対し、自分の考え方を説明することは苦手としている生徒が多い。これまでの授業を振り返ると、計算技能を高めることに偏った授業を進めていたからではないかと考えている。
 学習指導要領において求められている「知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視する」ためには、与えられた問題から解く手がかりを見付け、どのように考えて解いたのかを表現する必要がある。その力を高めるために、本研究では次のようなステップで取り組んだ。
1 「考え方のモデル」を教師が示す
 自分の考え方をどのようにまとめたらよいかが分からない生徒もいる。そのため、まず教師が自分の考え方をどう表現するかのモデルを示す。モデルには式だけでなく、図や表なども取り入れる。
2 類題に取り組ませ、考え方を表させる
 教師のモデルを基に、考え方や解き方を表現できるようにしていく。書き方を理解した段階で、類題を与える。生徒同士で話し合いながら、考え方を表現させる。
3 発展問題を与え、問題を解く手がかりを説明させる
 今までの問題から少し難易度を上げた問題で、同じように考え方を説明できるかどうかを確認する。
 本実践を通して、計算結果をただ書くだけでなく、どうしてその答えになるのか理由を付けて考える生徒が増えてきたように感じている。今後もより効果的な方法がないか、引き続き実践を行っていく。

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「教育実践」
表、式、グラフを相互に関連付けて考察する指導の工夫
~「表・式・グラフシート」を用いた一次関数での実践を通して~
見附市立南中学校
鈴木 克佳

  全国学力・学習状況調査の結果を見ると、関数領域の指導に大きな課題があることが分かる。また、学習指導要領解説では、表、式、グラフを相互に関連付けて関数の特徴を調べる能力を伸ばすことを重視することが求められている。しかし、これまでの私の指導は式に関する知識や技能を習得させる指導に偏っていた。
 このような実態を受けて、本研究では、2年生の一次関数の指導において、生徒自らが選択する「表・式・グラフシート」を用いた実践を行った。この実践では、表、式、グラフの考えを比較、検討することで、表、式、グラフを相互に関連付けて考察する力を身に付けることができるかを検証した。
 授業中の生徒の様子から「表・式・グラフシート」を用いて、それぞれの考えを比較、検討、共有することが、表、式、グラフの相互関係の理解に有効であることが分かった。また、単元後の評価問題の解法分析の結果から、表、式、グラフを相互に関連付けて考察し、課題解決する力の向上が見られた。

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「教育実践」
ジグソー法を通して、生徒が主体的に学ぶ社会科の授業
新潟市立東新潟中学校
山貝 洋輔

  生徒が課題解決に向かって主体的に取り組んだり、他者との対話を通して自分の考えを深めたりする授業が求められている。このような授業を目標に授業改善に取り組んできたが、話合い活動が限られた生徒の発言にとどまり、すべての生徒が主体的に課題解決しようとする姿が見られなかった。
 そこで中学校社会科公民的分野において、ジグソー法の手法を取り入れた授業改善を試みた。学習課題に対して、多面的・多角的にアプローチできる複数の資料を用い、異なる立場から分担して追求させた。そうすることで話合い活動が活性化し、考えを深める対話が生まれるように工夫した。
 主体的に活動が進んだグループもあったが、話合いに対する取組にグループ差があった。追求段階での資料からの読み取りに個人差があったことが原因の一つだと考えられる。今後も生徒が主体的に学習を進めることができるように、研究を進めたい。

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「教育実践」
社会的な思考力・判断力を育成する社会科授業の工夫
~単元を貫く課題と単元の終末で意思決定する取組を通して~
佐渡市立金井中学校
引野 太

  本研究で、まず、単元を貫く学習課題を設定し、最初の時間にゴールを示す。そして、ワークシートを活用しながら思考を深めるための「知る・分かる・考える」過程と、それを基に、単元の終末で「意思決定」する過程を一つの単元として構成する。それを繰り返すことにより、生徒の学習意欲や課題意識が継続し、思考力や判断力が高まると考える。そこで、次のような手だてを講じる。
1 単元を貫く課題設定の工夫
 単元を貫く学習課題を設定し、単元の終末で意思決定をする場面を設定する。
2 ワークシートの工夫
 各授業の最後に、ワークシートを活用し、単元を貫く課題に関連する主発問に対してのまとめを継続的に行う。単元の終末で意思決定の課題に取り組む際に活用できるワークシートにする。
3 意思決定の際に、根拠や理由付けを明確にする工夫
トゥールミンモデル、ランキング等を活用する。 
 以上により、毎時間のまとめをワークシートを活用しその単元で継続して行ったため、意思決定場面では、複数の社会的事象と社会的事象とを関連付けたり、比較したりして、記述する生徒が見られた。

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「教育実践」
青少年教育施設におけるUDL(ユニバーサルデザインフォーラーニング)のあり方
~UDLの視点から体験活動等を見直すことを通して~
新潟県少年自然の家
笠原 良樹

  現在、多くの学校で、UDLの考えに基づいた「だれもが分かる授業づくり」が行われている。UDLの考え方を青少年教育施設に取り入れ、これまでの体験活動等を見直し、どのような手だてが有効かを検証し、学校の宿泊体験学習等で生かせる場面を考察した。
 UDLの視点から、当施設の特徴的な体験活動の「カヌー活動」と、主催事業の「はつらつ体験塾」を見直し、課題解決のために「活動に見通しをもたせるための工夫」と「視覚化や音声の拡大による確実に情報が伝わるための工夫」の2点の手だてを講じた。
 カヌー活動において、活動の冒頭に一連の流れが分かるような紙芝居プレゼンテーションを提示して、活動の見通しをもたせるようにした。また、実習者がカヌーに乗る時には、ホワイトボードでコースを示した。加えて、ポータブルアンプを活用して音声を拡大し、指導に当たる所員の音声情報が確実に実習者に伝わるようにした。
 「はつらつ体験塾」において、初日のオリエンテーションで、1泊2日(もしくは、2泊3日)の日程を拡大したものを提示し、どのような日程で事業が進められるかを示し、参加児童生徒が見通しをもつことができるようにした。また、参加児童生徒に、次の活動の情報を伝える際には、活動の内容と開始時刻、場所、持ち物等を端的に文字情報に表し、聞き手の注意を引き付けたり視覚的手がかりを与えたりして、必要な情報がより確実に伝わるようにした。
 今後は、その他の体験活動等も、UDLの視点から見直し、利用者の満足度を高められるようにしたい。また、施設環境のUDL化についても継続的に取り組み、分かりやすい、使いやすい青少年教育施設を目指していく。

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「教育実践」
学校発!地域との連携・協働に向けた取組
~R-PDCA 地域の課題をともに考え、活動、そして発信~
新潟市立白新中学校
小塚 忠昭

  本校は新潟市の中心部に位置し、新潟市の政治、文化の中心ともいえる場所にあり、「共に歩む地域の学校」として様々な地域とかかわる活動を年間を通して行ってきた。しかし、生徒アンケートでは、これらの活動を行ってきたにも関わらず、地域に対する思いや、魅力を感じるかといった項目において低い評価となっていた。
 そこで、生徒たちが実際に地域に出て、地域の現状を把握し、課題意識をもたせることにした。そして、その後の様々な教育活動を、地域を学びの場、活動の場として行うことで、「自分たちに何ができるか」といった地域に対する思いをはぐくむことができ、さらに今後の地域の在り方、自分たちの生き方にまで有効に作用していくと考えた。
 本実践では既に教育活動に位置付けられていた地域とかかわる活動を再構成したり、地域をステージとした新たな活動を企画したりして、自校の地域教育プログラムを構築した。特に地域で活動する際には単なるPDCAサイクルではなく、その前提となる『R』こそが重要な要素となり、『R-PDCAサイクル』をベースとした活動を組織していくことが有効であると考えた。地域での活動ではその前提となる綿密な『R』が特に重要であると考える。
 『R』とは何か。私が考える『R』とはResearch(調査)とReal(現状)だ。生徒の現状、課題意識、地域の思い、地域の抱える課題などが今回の『R』に該当する。その地域の特徴、現状を知ることなく他地域で行ったPDCAサイクルを元にして活動を組織しても意味はないと考える。そこで、地域の現状、生徒の地域についての思いを十分に把握し活動を考え実施した。また、同時に私たち自身の『R』に対する意識、『Rを見抜く力』も大切になってくるはずであると考える。
 本実践ではこれらを踏まえ地域を学びの起点として、そこから様々な活動を企画し実践を重ねていく中でどのような生徒の変容が見られたかを検証していく。

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「教育実践」
発達障害のある生徒が示す問題行動の解消を目指した支援のあり方
~認知行動療法を用いて、自己肯定感を高める~
刈羽村立刈羽中学校
小林 素子

  認知行動療法は、当事者が抱える問題について、カウンセラーと当事者が一緒に、客観的に振り返りながら、自身の捉え方(認知)や行動の仕方を変えてみることを提案する技法だ。校内で問題行動を繰り返し示す高機能広汎性発達障害のある生徒に対して、この認知行動療法を用いて以下の支援を行い、問題行動の解消と望ましい行動の獲得を目指した。
1 問題行動に対する振り返り 
 対象生徒は、校内の特定の場所で様々な問題行動を繰り返し起こしていた。そこで、問題行動をするたびに、認知行動療法を用いて行動を客観的に振り返ることを繰り返した。その結果、それまで最も頻回に起こしていた特定の問題行動は解消した。しかし、別の問題行動を起こすようになった。 
2 望ましい行動を教えることとその振り返り
 別の問題行動も合わせて解消するために、望ましい行動を教えて、その行動が見られたときに、振り返りをするようにした。振り返りの際、望ましい行動を取ることができた理由(認知)を、対象生徒との話合いの中で担任が見付け出し、それを言葉にして用紙に書き出した。その結果、特定の場所での問題行動を全て解消することができた。
 振り返る内容を問題行動から望ましい行動へと変更したことで、対象生徒は、「望ましい行動を取れば、自然と周囲が自分を認めてくれること」を体験し、自己肯定感を高めることができた。それが問題行動の抑止につながったと考えられる。また、特定の場所を、「悪いことをして注意されるところ」から「正しく使って褒められるところ」というように、対象生徒の捉え方(認知)を変えたことで、正しい行動をとれるようになったと考えられる。
 生徒は、自分の周囲の状況を変えることはできない。しかし、肯定的な振り返りを繰り返すことで、生徒は自身の捉え方(認知)を変えることができ、さらに、その場に適した行動を取ることができるようになることが分かった。今後も、生徒に対する肯定的なアプローチを探し続け、生徒の支援に当たる。

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「教育実践」
小・中・地域と連携した生徒会活動
胎内市立築地中学校
板垣 健志

  当校の中学校区は一小一中の小規模な学校である。保育園から中学校までの12年間、集団の移り変わりがなく、固定化された人間関係の中で生活をしている。また、中学校生活の中でも、他の集団と交流し、活動する機会は限られている。そのためか、慣れ親しんだ集団の外に出たときに、新たに良好な人間関係を築くことを苦手とする生徒が少なくない。
 平成18年の教育基本法改正により、第13条に「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」が規定され、平成27年12月に発表された中央教育審議会答申では、これからの学校と地域の連携・協働の目指す姿が挙げられた。新潟県教育委員会でも「地域とともに歩む学校づくり」を掲げ、地域と学校とのより一層の連携・協働を推進している。当校にも、今年度より地域コーディネーターが配置された。
 このような状況を踏まえ、異年齢集団や地域との交流の機会を計画的に仕掛け、生徒会を中心にした生徒の手による活動を工夫することを考えた。特に、地域コーディネーターとの連携を図ることによって、中学校内だけでなく、保育園、小学校、地域の方々といった幅広い異年齢集団との交流の機会を新たに実現させる。そして、よりよい人間関係を築く力や集団(社会)の一員としての望ましい資質・態度の育成を目指す。ひいては、こうした生徒会が地域と連携・協働した活動をこれからも進めていくことで、「地域とともに歩む学校づくり」が具現化されていくと考える。

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「教育実践」
学校運営の改善と教頭の役割
~ビジョンをどう実行・実践していくか~
新潟市立東石山中学校
本多 豊

 学校が抱える様々な問題は、一人一人の教職員の努力だけでは解決が難しい。校長のリーダーシップの下、学校全体で組織的・計画的・継続的に取り組んでこそ子どもたちの学び方が変容し、目指す姿を具現することができ、職員も取組の成果を実感することができる。
 しかし、学校全体で組織的・計画的・継続的にビジョンを実行・実践できる学校と、一部職員の取組で留まっている学校があるのが現実である。当校も後者のような実態があった。
 教頭として、校長が描いた学校経営ビジョンの内容を職員一人一人が理解できるようにし、力を結集して組織的に教育活動が行われるよう意図的・戦略的に職員の意識改革・行動改革を進める取組を行った。                         
 1 日々の教育・運営活動の形成的・総括的評価の改善
 2 指導体制と運営体制、経費や時間の工夫・改善
 3 人材育成や意識改革のための研修の改善
 4 家庭・地域及び外部機関との連携・協力の積極的な推進
 実践を通して、全職員が当事者意識をもち、組織的に取り組むためには次のことが重要であることが分かった。
 ① ビジョンのよさを伝え、見通しがもてるように実現に向かう道筋を明示する。
 ② 実践の中で成功体験をもたせ、価値を実感させる。
 ③ チームで考える体制づくりで、職員一人一人の交流欲求と承認欲求の充足を図る。
 ④ 中心となる推進リーダーを育成し、枠組みを与えて具体は考えさせる。

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「サークル活動」
教育相談を学ぶ会
新発田市立本丸中学校
清野 正康

 私たちのサークルは、「学校で使える教育相談、カウンセリングの実際」をテーマに活動しています。
 新発田市、聖籠町、阿賀野市、胎内市の教職員を中心に活動しています。
 毎月の定例会、年1回の公開研修会を行っています。
 活動内容としては主に以下のとおりです。
1 カウンセリングの技法やその考え方を実際の学校現場でどのように活用していくのかについて、事例や演習を通して学んでいます。
2 Q-Uやアセスなどの質問紙調査の分析、活用方法、学級経営への活かし方について学んでいます。
3 生徒指導提要にある教育相談的な様々な手法(構成的グループエンカウンター、アサーションスキルトレーニング、ピア・サポート、ストレスマネジメントなど)について、実践例の紹介や演習を通して学んでいます。
4 メンバー同士で日頃の学級経営の悩みや自分自身のことについて語り、傾聴し合うことで、心をリフレッシュしています。
 教育相談、カウンセリング、学級経営について学んでみようと思う先生方のご参加をお待ちしております。

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「サークル活動」
北新特別支援教育の会
新潟市立東特別支援学校
中村 義和

 北新特別支援教育の会は、新発田、聖籠、胎内、阿賀野の四つの市町のサークルです。
 障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、一人一人の教育的ニーズに応じた支援の在り方について研修を行っています。定期的に、実践発表や事例検討、県内の大学から指導者を招いての座談会などを実施しています。多くの会員が校種を越えて、有効な支援について熱く議論したり、日々の教育活動の中で感じている悩みや疑問点について一緒に解決策を話し合ったりしています。
 また、近年は会員外からの事例検討等の依頼もあり、地域のセンター的な役割も積極的に果たしていきたいと考えています。事例検討や相談等があればいつでも気軽に連絡をください。

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「サークル活動」
北新体育学習研究会
新発田市立東豊小学校
高橋 祐二

 北新体育学習研究会は、今から30年程前に、北新地区在住で体育科の学習指導に情熱を傾けていた数名の教師が、自主的に集まり研修を始めたサークルです。その後、体育学習についての見識を深め、教師としての技量を高めたいと望む教師が数多く結集し、研修を深めてきました。現在の会員数は、70名を超えています。会では、次の三つの理想を掲げ、教育実践や人材育成に取り組んでいます。
○体育の学習指導についての研修を積み重ね、教師としての力量を高める。
○北新地域の体育学習改善の推進役となり、各校の体育学習の充実を図る。
○研修を通しての人とのかかわりを大切にし、豊かな人間性を深める。                          この理想の実現のために、月1回の定例学習会を行い、会員の実践レポートを検討したり、年1回、中央から講師を招聘し、代表者による授業研究会を開催したりしています。
 今後も、会員一人一人、この理想を大切にし自己批正しながら日々の実践を積み重ね、教師としての力量を高めていきたいと考えています。

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「サークル活動」
二王子の会
新発田市立本丸中学校
星野 勝紀

 「二王子の会」は、新発田市・胎内市・阿賀野市・聖籠町の中学校に勤務する理科教師を中心とした研修サークルです。
 「自然に触れることを通じて、理科教師としての資質を高める」こと、そして「理科を教える者同士のネットワークを広げ、教材や地域教材に関わる情報交換を行う」ことを目的として、平成15年に発足しました。
 地域の自然の特色を活用し、生徒の自然に対する見方や考え方が豊かになる指導ができるように、地質、植物などの野外研修を行っています。
 また、教材研究を行い、教材の製作や生徒の学力向上に有効な教材の使用方法などについて検討を行っています。
 最新の情報や今日的話題の情報交換をするとともに、生徒の学力や科学リテラシーの向上につなげられるように研究を進めています。

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「サークル活動」
北新・理科を語る会
新発田市立住吉小学校
渡邊 幸太

 以前から、「理科を語る会」として活動していたサークルです。新発田市の教員が中心となり活動していました。現在は、小学校と中学校で分かれ、月に1回程度、主に新発田市を会場に活動しています。 「新学習指導要領にそった理科学習指導の工夫・改善」~『感じ・考え・実感する』理科授業の創造~をテーマに、指導内容の資料収集、指導案の作成や検討、教材研究、教材開発等の活動を行っています。また、クラブ活動や短時間でできる簡単実験の情報交換や実技実習など、子どもたちの理科への興味・関心がわくような活動もしています。今後、中学校理科サークルと協力・連携し、お互いに学び合う活動も始めていきます。

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「サークル活動」
北新算数・数学サークル研修会
阿賀野市立水原小学校
渡邉 正樹

 当サークルは、新発田市・阿賀野市・胎内市・聖籠町の教員を中心に、月1回集まって研修しているサークルです。若手からベテランまで多様な年代の会員がいます。誰でもいつでも気軽に参加できます。
 基本方針は、「算数・数学を学習していくことの愉しさ、充実感などを児童・生徒が味わえるように」「自分たちの授業力を高めるように」の2つです。
 今年度も各種研究会での発表をはじめとする各自の実践の指導案、研究のまとめ方、発表方法の検討会を行っています。また、昨年度はセミナーの成果発表会で、全県の会員に向けて提案授業を行いました。その他、毎年いくつかのサークル合同の研修会における授業提案も行っています。
 私たちは、児童生徒がもっと算数・数学を好きになってほしい、算数・数学を愉しんでほしいと願っています。そのために私たちができることを発信しながら研修に取り組んでいます。

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「サークル活動」
阿賀北社会科の会
胎内市立黒川小学校
本間 裕

 新発田市・阿賀野市・胎内市・聖籠町に勤務している会員を中心として、社会科に興味のある者が集まり、月1回程度の研修会を新発田市を会場に行っています。研修会では、それぞれの実践紹介や指導案検討等を行っています。社会科授業における情報交換や資料作成をしながら、社会科を熱く、気軽に語り合っています。若い会員も多く、日々の授業で悩んでいることについて、気軽に話し合うことができるところも当サークルのよさです。また、年に1回、講演会または地域巡検を行い、優れた実践を学んだり、実地見学を通して教材研究をしたりしています。今年度は講演会を計画しています。一緒に勉強したい方は、いつでもご連絡ください。
 当会の活動の様子は、毎月発行している会報で会員に知らせています。これまでの活動の様子が載せてありますので、興味のある方はご連絡ください。送付いたします。

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「サークル活動」
北新国語の会
新発田市立七葉小学校
三浦 俊昭

 私たちは、毎月第1火曜日に活動をしています。指導案の検討や授業で使える「小ネタ」の紹介、論文検討など毎月バラエティーに富んだ内容で学び合っています。
 会員内に優れた実践者がおり、毎回指導を受けることができるとともに、会員の熱心な意見交換によって得るものが多い活動になっています。「この教材で学びをつくりたいのですが…。」という一言から、示唆に富む意見・指導をたくさんいただき、授業実践できることが当サークルの自慢です。

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「サークル活動」
あすなろ会
阿賀町立鹿瀬小学校
伊藤 拓也

 あすなろ会は、阿賀町に勤務するときわの中堅若手会員を中心としたグループです。
 各学校で中心的な働きをしている中堅の仲間と若手の仲間が切磋琢磨しながら、教員としての資質や力量を向上させようと研修に励んでいます。
 今年度も、地域教育プログラムをテーマに研修を行います。具体的には、阿賀町で活躍する町おこし協力隊の方々と、町や子どもの未来について意見交換をしたり、学校や学級での地域連携の様子について報告し合ったりする等の活動を予定しています。私たちが研修で得たことを子どもたちに還元し、ふるさとを誇りに思い、ふるさとを大切にする子どもを育成したいと考えています。
 町外の先生方の参加も大歓迎です。

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「サークル活動」
三市中東理科教育研究会
五泉市立村松小学校
菊池 直和

 「いきいき、のびのびを支える教員の手だて」を研究主題とし、一人一人が自己の実践力を高めるため、主体的に研修テーマを設定して日々の指導に励んでいます。今年度は4回の定例会を計画・開催し、日々の実践の成果や課題を発表しています。発表では、新たな視点や、発表者も気付いていなかった成果も教えてもらえます。課題に対しては、参加者全員で解決法を考えたり、過去の実践例などからヒントを得たりすることができます。発表者が一番得をする会となっています。
 また、毎年野外研修を行い、地域の自然を知る機会とするとともに、各会員の見聞を広げています。昨年度は胎内星祭りに参加し、星に関する知識を深めてきました。今年度は、柏崎刈羽原子力発電所を見学し、防災教育の視点からも放射線について学びます。年に一度は野外研修を行い、理科教師としての成長を確認する機会となっています。

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「サークル活動」
西蒲・燕体育研究会
燕市立分水小学校
亀山 正

 当サークルは、体育指導に熱心に取り組む会員の集まりで、会員数は33名、年間8回程度の活動を行っています。主な会場は、燕市立分水小学校です。
 授業実践者の指導案及び論文検討では、若手・中堅・ベテランが互いの立場で自分の意見を言うことで、日々の実践の情報交換のよい機会になっています。
 さらに、年に1回、会員以外の教員にも案内を配付し、実技講習会を開催します。過去にはチアリーダーのダンス講習会や長縄跳びの研修を行いました。参加した教員からは「役に立った。また参加したい。」という声も聞かれました。
 なお、年度末には、お互いの実践を研修誌としてまとめ、今後の指導に役立てています。当サークルは、体育学習における指導力を理論及び実践の両面から学びたい方、大歓迎です。ぜひお声かけください。

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「サークル活動」
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三条市立一ノ木戸小学校
石原 淳一

 三条・見附・加茂・田上を中心に、地元に住む他地域勤務者も参加できる心地よいサークルです。理科教員としての資質向上を図ることを目標に活動しています。
 活動は不定期ですが、今年度は、8月から2月までに年間6回程度の活動を予定しています。主に三条市を会場に活動します。
 例年、教育研究発表会に向けた指導案や授業実践の検討を通して、教材や授業に関する情報交換を行い、授業力向上に努めています。その他、講師を招いて植物や地質などのフィールド研修を行ったり、理科教育に関する講演会で最新の理科教育の方向性を学んだりしています。
 年に1回は懇親会も開催し、指導者の先生も交えながら会員同士で親睦を深め合っています。

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「サークル活動」
三南国語の会
三条市立裏館小学校
六田 将司

 三条・見附・加茂の小・中学校の教員を中心とした国語のサークルです。月に1回程度、三条市を会場に活動しています。
 主な活動は、「指導案検討・実践発表」です。指導案検討は、構想を練る段階から相談に乗ります。小・中学校の会員それぞれの視点から意見が交わされ、活発な話合いが展開されています。実践発表は、日頃の授業実践を会員に紹介し、成果や課題を共有しています。若手からベテランまで幅広い年代の会員が集まっており、様々な視点から考えを出し合い、学び合っています。
 校種は問いません。みんなで国語を学びましょう。

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「サークル活動」
加茂・田上の特別支援教育を考える会
加茂市立葵中学校
吉野 雄一

 当サークルは、加茂市および田上町の特別支援教育に携わる全ての先生方を対象に発足しました。サークルのメンバーはまだ少数ではありますが、通級指導担当や特別支援学級担当が中心となり、地道な活動に取り組んでいます。
 具体的には、通常学級の担任の先生方を対象に、支援内容の検討や個別の指導計画作成の援助を行ってきました。また、加茂・田上の若手中堅教員研修とも連携し、通常学級に在籍する児童生徒の支援の在り方について、講師を招聘した講演会等を開催してきました。
 今後は、学校生活で困っている児童生徒に対して、寄り添える教師を一人でも多く増やしていくことを目指しています。そのためにも、会員のみならず、多くの先生方に情報を発信していきたいと思います。

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「サークル活動」
はくぼくの会
見附市立見附小学校
中川 大樹

 私たちのサークルは、50年以上の歴史がある国語サークルです。活動は2か月に1回程度行っています。毎年、年度末には研究誌を発行し、平成28年度で第56号を数えました。
 サークル活動では、一人一人の個人研修テーマに基づいた実践報告や、指導案検討を中心に交流を続けています。また、教育研究発表会に向けた要項・資料の検討や模擬発表会なども行い、研修を深めています。
 国語教育に精通したベテラン教員やOB教員らと共に、幅広い知識や教材解釈、先進的な実践情報等を共有する機会もあり、充実した研修会となっています。児童生徒の国語力を高めるために、日々取り組んでいます。

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「サークル活動」
音楽を深める会
長岡市立大積小学校
黒崎 千賀子

 私たち音楽を深める会は、「多様な研修を通して授業力を高める」ことを目標に次のような活動をしています。
1 オータムコンサートへの参画・運営・出演
 計画・運営面でのコンサートづくりと表現者として演奏・出演することの両面からオータムコンサートに関わっています。コンサートに向けたセミナーで学んだ技能や指導方法を学校での指導や実践につなげるようにしています。
2 講師を招いた研修の実施
 単元づくり、授業のアイディア、教材の紹介、実践紹介など、日々の授業改善に向けた研修を行っています。2014年からは、中央から合唱指揮者の先生を招き、発声や曲想表現などの研修を実施しています。
 音楽を深める会の会員を中心に、オータムコンサートを通してネットワークを広め仲間の輪を広げています。

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「サークル活動」
木曜会
長岡市立上川西小学校
樋口 大輔

 私たちのサークルは、「児童生徒の今、未来をより豊かにする国語力の育成」を研修テーマに活動しています。歴史ある「木曜会」で、昔も今も変わらずに大切に受け継がれているものがあります。それは、日頃の実践の悩みについて、集まった仲間で気軽にかつ、真剣に検討し合う精神です。会員各自が授業実践を通して相互に錬磨し合っています。
 活動内容としては、各会員が持ち寄った実践や指導案の検討、講師先生をお招きしての講演会などを行っています。今年度は、セミナー受講者の研究についての検討も行っています。
 近年、会員外の参加も増え、門戸を広くして研修をしています。また、活動の拠点である長岡には目標となるベテラン教員の諸先輩方も多くおられます。不易と流行、あるいは得意分野を生かした視点など、様々な切り口でご指導やアドバイスを受けることができることも、木曜会の魅力です。
 これからの時代を生きる子どもたちに必要な国語力は何か、その力を付けるにはどうしたらよいのかを真摯に考えながら取り組んでいます。

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「サークル活動」
中越特別支援教育研究会
長岡市立高等総合支援学校
横田 敏盛

 当研究会には小中学校の特別支援学級や通級指導教室、特別支援学校等、多様な分野で活躍する会員が所属しています。
 専門的な知見をもつ講師による講演や、会員同士による話題提供・実践発表・演習等を通して、よりよい指導・支援の在り方を追求します。 
 また、長岡市や隣接する地域には、本県の特別支援教育を支えてきた人材が豊富です。特別支援教育のパイオニアの方々より、貴重な実践や取組をお聞きし、更なる特別支援教育の発展に生かしたいと思います。

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「サークル活動」
中越英語教育研究会
長岡市立南中学校
佐藤 正秀

 当サークルは、中越地区内のサークル(「小千谷・十日町・南魚英語を語る会」「三南英語教育を語る会」)と連携し、中越地区全体で組織を作って活動しています。中越地区のサークルが合同で研修することにより、ベテランから若手まで会員のネットワークができ、日常的に資料の共有や情報交換を行っています。
 研修会は、会員が実践したコミュニケーション活動を模擬授業で紹介したり、テーマに基づいてグループ協議を行ったりと、様々な形態で行っています。会員の多くは中学校の英語科教員ですが、各地区の小学校の先生方にも声をかけ、小中の枠を越えた活動を目指しています。
 また、昨年度より、会員外の先生方にも声をかけて研修会を行っています。会員外の先生方から参加してもらうことで、研修会がより活気に満ちたものになっています。

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「サークル活動」
長岡社会科研究会
長岡市立千手小学校
冨澤 智宏

 当サークルは中越地区で50年以上にわたるサークル活動を続けています。会員が指導案や授業実践、資料などを持ち寄り、考えを語り合ったり情報交換をしたりしています。
 今年度は、授業を語る会をメインにしながら、先日(7月29日)地域巡検を実施しました。平成30年に長岡開府400年を迎えるに当たり、市内の博物館や史跡を巡って、長岡のあゆみを再確認することができました。これからの授業実践につなげていきます。
 子ども一人一人を個として尊厳し、児童生徒の側に立つ社会科授業を目指して、日々研鑽を積んでいます。

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「サークル活動」
じねんの会
長岡市立南中学校
小林 秀樹

 長岡地区を中心として活動しています。自然に親しみ、今後の理科教育について共に考えるサークルです。春と年度末に総会を開き、年6回程度の活動について会員相互で話し合い、共通理解の基、活動しています。活動は、地域に根差した理科教育の在り方や理科の楽しさや面白さを探究することをねらいとしています。主な活動は、「授業・教材研究」と「フィールドワーク」です。授業・教材研究では、授業実践で成果のあった教材を紹介したり、研究成果を発表したりし、研鑽を積んでいます。また、教育研究発表会の検討会も兼ねて、ファシリテーションの手法を取り入れながら、学び合っています。フィールドワークでは、植物観察を兼ねた登山をしたり、水族館などの施設見学をしたりしています。
 研究教科が理科の方だけでなく、理科に興味をもっておられる方も大歓迎です。

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「サークル活動」
谷うつぎ
小千谷市立小千谷小学校
嵐 直人

 当サークルは、魚沼市と小千谷市に勤務する会員が所属し、国語科の授業づくりや取り組んだことのまとめ方(論文やレポート)について学び合っています。会員相互のニーズに見合うような研修を計画し、年間7回程度の研修機会を設けています。
 国語科教育の使命である児童生徒の「言葉の力」(言語能力)を高めるには、どのような授業を行い、実践を積み重ねていけばよいのかを考えています。「話すこと」「聞くこと」「読むこと」「書くこと」、それぞれの領域において児童生徒が自分の「言葉の力」の高まりを自覚できる授業、高まった「言葉の力」を他の教科・領域において活用できる授業を目指し、実践を持ち寄って報告したり、指導案を検討したりしています。
 また、会員だけでなく、広く会員外の参加も募って講演会を行っています。講師の先生から国語科教育の様々なことを学ばせていただいたり、学んだことを明日の実践に生かしたりしています。今年度も「人とのつながり」を大切にしながら、目の前の児童・生徒の「言葉の力」が高まり、豊かになっていくように取り組んでいます。

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「サークル活動」
魚沼社会科研究会
魚沼市立小出小学校
笠原 健児

 私たちのサークルは、社会科の指導力向上のために活動しています。授業実践、指導案検討、地域の巡検などを行っています。
 地域の小・中学校が広範囲にあるので、中央周辺を会場にするようにして、多くの人が集まりやすいようにしています。
 また、小規模校も多く、社会科を教える教員が一人しかいない学校も複数あります。そのため、研修の場が教科特有の悩みを相談したり情報交換したりする役割を果たしています。研修によって刺激を受けて、実践意欲の向上も高まっています。また、小・中学校の連携を深める役割も担っています。
 今年度は、「つなげて考え続ける子~社会的事象へのこだわりをもち、多様な見方や考えとつなげる学びへ挑戦~」をテーマに研修を行っています。会員の実践を基に、地域教材の良さや児童の追求の様子を学びます。
 研修を通して、互いの力量アップに努めていきます。そして、地域の児童生徒が、もっと社会科を好きになるよう研修をしていきます。

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「サークル活動」
魚沼の結晶
魚沼市立小出小学校
中村 晋二

 魚沼・小千谷地区を中心とした、理科教育のサークルです。2〜3か月に1回、不定期に年6回程度で開催しています。「科学が好きな子どもを育てる」という共通の目的の下、活動をしています。
 今年度は、実践発表とその検討に重点を置いた研修を行います。実践発表を基に、よりよい学習指導を行うにはどうすればよいか、求められる理科授業とは何かを考えるなど、一つ一つの実践を大切にして議論を重ね、より質の高い授業を目指して切磋琢磨し、授業力を高め合います。
 子どもの自然に対する素朴な見方・考え方から、主体的・対話的な学びを通して、子どもの自然についての理解を深めさせ、自然に対する見方を科学的な見方へと変えていきたいです。「科学って面白い」、「理科って楽しい」という子どもを育てたいです。

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「サークル活動」
魚沼体育の会
小千谷市立片貝小学校
坂井 正明

 魚沼・小千谷地区で唯一の体育の研修サークルで、20年以上の伝統があります。日々の実践や研究の情報交換を行うなど、着実な研修活動を進めています。また、若手は指導者から直接指導を受けながら研修を深めています。
 本年度の活動は、「明日から使いたくなる指導法」を学ぶことです。講師を招いた実技研修会を中心に、小中会員が互いに指導法を磨き、授業力向上を目指します。1月にクロスカントリースキー実技講習会を行い、2月には会員の体育実践を集約した冊子を作成予定です。小学校、中学校、特別支援学校の様々な校種で活躍するメンバー同士が互いの実践を学んでいきます。

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「サークル活動」
魚沼算数数学同好会
小千谷市立小千谷小学校
目黒 幸士郎

 今年度のテーマは「児童・生徒主体の算数・数学を目指して~考えたくなる授業づくり~」です。このテーマに迫るために、以下の3点で具現化を図っています。①実践発表(全会員)を中心とした一人一人の問題意識に基づいた指導力・授業力を高める研修、②管理職の先生方による算数の授業力向上のための研修会・講習会の開催、③研修誌の作成です。また、日々の授業の中で悩んでいることや、うまくいかないことなどについても共有し、よりよい手だてについて考え、話し合っています。
 「児童・生徒が算数・数学の面白さや楽しさを感じ、好きになってほしい」「児童・生徒が進んで考えをもってほしい」という願いをもちながら、会員一人一人が問題意識をもち、具体的な授業改善を図ることができるように日々研修に励んでいます。

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「サークル活動」
妻有の地域素材発掘サークル
十日町市立十日町中学校
阿部 勝良

 十日町市、中魚沼郡一帯の地域は、「妻有(つまり)」と呼ばれており、学習材・教材の宝庫です。当サークルは、「妻有」地域の素材の潜在的な魅力を調査・追求して、児童生徒の学びの場へとつなぐ、地域教育プログラムの開発を目指しています。ベテランから若手まで幅広い仲間の集いです。
 私たちのサークル研修は、特定の教科・領域に限定せず、可能な限り多くの地域素材(人・産業・歴史・自然・芸術など)を発掘することを第一の目標に掲げています。フィールドワークに出かけたり、地域人材を招いて講演会やワークショップを開いたりして、自分の目で見、耳で聞き、手に取り、口で味わって、直に地域素材の魅力に触れます。会員以外にも、積極的にPRやアナウンスを行っていきたいと考えています。また、サークル活動を通じて、会員同士の交流はもちろん、地域との人的ネットワークを構築していくことも重要なテーマの一つです。

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「サークル活動」
まんさくの会
十日町市立南中学校
福原 朗

 津南町・十日町市の教員を中心とした理科サークルです。活動は毎月第3木曜日を基本とし、年10回程度集まり研修を行っています。
 研修の主な内容は、地域の自然観察、観察実験体験、授業案の検討です。
 当地域には、苗場山麓ジオパーク、松之山ブナ林、河岸段丘など素晴らしい自然素材が多数あります。観察会では、地域の自然に改めて感動したり、新しい発見をしたりしています。
 観察実験体験では、授業などで児童生徒の興味を引き出し、自ら「やってみよう」と思う観察実験を、講師から教えていただいています。
 そして、ここ数年最も力を入れているのが、授業案の検討です。授業の構想から実際の授業まで、意見を出し合いながら検討しています。

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「サークル活動」
とおか会
十日町市立千手小学校
尾身 聡志

 十日町市、中魚沼郡を中心とした、社会科や生活科、総合的な学習の時間の実践研修を行っているサークルです。とおか会の名称は「十日」を平仮名で表示したものです。毎月の定例会開催日を「十日」頃に計画することや研修会場を主に「十日町」に置くことにちなんでいます。 20年以上の歴史あるサークルで、地域素材や先行実践の蓄積があります。それらを生かし、当地域の社会科教育の充実に向けて活動を進めています。
「若手教職員の育成」と「中魚・十日町の特色を生かした社会科授業の展開」がキーワードです。
 サークル会員外の教職員にも声を掛け、社会科を学ぶ場としても機能できるように活動を広げています。

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「サークル活動」
妻有体育の会
十日町市立吉田小学校
田中 豪

 十日町市で体育授業の研究をしています。基本的に、1つのテーマで2年間の研究を行います。
 今年度は、中学校でのバレーボールについて研究します。妻有体育の会は、小学校での実践を多く行ってきました。その実践が中学校でも生かせるのかを研究します。研修会の内容は、指導案や授業実践の検討、本部発表に向けて要項とプレゼンテーションの検討を行っています。これまで重ねてきた研究の反省を生かし研修会を積み重ね、児童生徒の技能向上を目指していきます。多くの方と情報交換できればと考えているので、他地域の方の参加も大歓迎です。

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「教科等研究セミナー」
学校発!地域との連携・協働に向けた取り組み
~R-PDCA 地域の課題をともに考え活動、そして発信~
新潟市立白新中学校
小塚 忠昭

  学区には市役所、白山神社、新潟市芸術文化会館、新潟県民会館、新潟市陸上競技場、県政記念館をはじめとする新潟市の政治、文化の中心ともいえる施設が数多くある。経済に目を向けると、古町・本町といった昔からの大きな商業地域が広がっている。歴史的に見ても、古くは柳都新潟の象徴ともいえる堀が張り巡らされ、新潟湊の発展とともに賑わいをみせて日本海側最大の都市として発展してきた。
 しかし、近年、万代地区の再開発や郊外の大規模ショッピングセンターの開発などにより、地域の商店街はかつての活気を見ることが難しくなっている。また生徒の意識調査では現在、自分たちが生活している「地域」に魅力を感じると答える生徒の割合は非常に少なく、将来にわたって「地域」で生活していきたいと考える生徒の割合も高くないという現状があった。
  そこで、次の点から本研究を進めた。
1 既に中学校の教育活動に位置付けられていた地域とかかわる活動を見直したり、地域をステージとした新たな活動を組織立てたりして、「白新中学校版 地域教育プログラム(仮称)」を構築する。そして、それらを実際に進めていく中で、生徒の地域に対する思いに変化が育まれ、今後、自分たちができることを考えたり、更には自分たちのこれからの生き方を考えたりすることにも有効に作用すると考えた。

2 地域で活動する際には単なるPDCAサイクルではなく、その前提となる『R』こそが重要な要素となり、地域や学区と学校が『R』を共有する重要性、生徒や地域の『R』を見抜くことがポイントなっていくと考え実践した。

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「教科等研究セミナー」
中学校における通常の学級への特別支援教育の体制づくり
長岡市立旭岡中学校
鷹野 千加子

  近年、特別支援教育に対するニーズは多様化し、支援のあり方に一層専門性が求められるようになってきている。また、生徒の実態によって多様な進路先が考えられ、多くの情報や多数の選択肢について理解を深めていかなければならない。担当する教師はチームとして共通理解のもと、生徒自身の判断力を伸ばす視点で進路指導や学習指導に当たらなければならないと考えた。
1 個別の指導計画の作成及び評価
 通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする生徒に関する実態把握を行っている。発達障害の可能性のある生徒や医師の診断を受けている生徒については、担任を中心に個別指導計画を作成し、各学年で検討し、年度末に評価を行っている。個別の指導計画は次年度に引き継がれ、継続した支援を行うようにしている。
2 研修会の企画・運営
 通常の学級に在籍する生徒の個別指導計画を作成し始めてから、5年目に突入する。最初は担任の負担が強いのではないかということで、試行しながらのスタートであった。指導計画を作成することだけに労力を費やすのではなく、研修会を行うことで指導計画の効率的な活用を呼びかけてきた。特別支援教育部が中心になって行う研修会は3年目になる。1・2年目の研修会はインシデント・プロセス法を用いて個別指導計画の充実を図り、3年目の研修会は個別に支援が必要な生徒だけでなく、全体にも有効であるUDLを中心とした研修会を行った。
3 特別支援教育コーディネーターの役割
 週1回の適応指導部会(就学指導委員会を兼ねる)に特別支援教育コーディネーターとして参加している。適応指導部会では、情報交換だけでなく、生徒への支援策について協議し、具体的な対応について校長の指導のもと決定している。その後、生徒の実態や各学年の要望により必要に応じて特別支援教育コーディネーターがサポートに入っている。本人や保護者の要望によりWISC検査等を行い、検査結果を保護者・本人に伝え自己理解へとつなげた。また、その情報を職員全体で共有し、学習や進路の支援の手だてとした。

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「教科等研究セミナー」
全員で創りあげる学年目標とその達成に向けて
新潟市立白新中学校
伊藤 雅仁

  集団がよりよい活動をしていくためには、目標が必要である。日常における活動や学校行事、すべての活動において振り返ることのできる大きな柱は大切である。学級目標や学年目標がそれにあたるが、多数決などで決めた目標に対しては、全員の想いが入っていない可能性があり、その役割を十分に果たすことができないのではないだろうか。
 そこで、集団全員で学年・学級目標を創りあげることが必要であると考えた。全員の想いが入っている目標ならば、その達成に向けても集団が一つの方向を向いていくのではないだろうか。また、その目標達成に向けても、話し合い活動やプロジェクト活動などを取り入れていくことで集団として高まっていくのではないかと考えた。
 そこで、次の点から本研究を進めた。
1 ファシリテーションを取り入れた学年・学級目標作成
(1)自分たちの学年・学級の現状を話し合う
(2)どのような学年・学級にしたいかを話し合う
(3)多数決はなるべく行わず、話し合いで決定する
(4)話し合いで全体を巻き込む工夫
2 目標を全員で創りあげる
   モザイクアートを行い、学年みんなで目標を創る。
3  短期目標を設定する
   学年・学級目標が長期目標なので、それを達成するために2~3ヶ月ごとにとくに頑張る短期目標を設定する。
4  目標達成のためのプロジェクトを立ち上げる
   学年委員が中心になり、学級目標を意識できるプロジェクトを立ち上げる。
5  異学年交流の場面を設ける
   異学年の生徒と、目標達成に向けてどのような活動を行っているか、意見交換をする場を設ける。

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「教科等研究セミナー」
集団演技を取り入れたマット運動の取組
~シンクロマットを通しての関わり合いから、個人技能を向上させる授業の工夫~
加茂市立葵中学校
田中 伸一

  マット運動では、一人一人の挑戦する技の種類などに対応できるように場の設定を増やしたり工夫したりしてきた。しかし、マット運動はできるできないがはっきりしており、苦手意識が高い生徒も多く、新しい技をなかなか習得できない生徒も見られる。
 そこで、運動する意欲を高めるために関わり合いをマット運動に取り入れた。生徒は能力に関係なく、友達と関わり合いながら運動することを好む傾向がある。個人的な運動の領域であるマット運動も、仲間と関わり合う活動を取り入れることで活動意欲が高まり、主体的に練習に取り組むことが考えられる。また、運動量が増え、技能の向上が図れるのではないかと考える。
 本研究では、仲間との関わり合いを増やす工夫として次の手だてを講じる。
1 シンクロマットの導入
 シンクロマットは、マット運動の技を複数でタイミングを合わせたり、ずらしたりして行う運動である。シンクロマットの演技を創り上げるには、チームの仲間と話し合い、補助し合って協力するなど、関わり合う必要がある。チームの仲間とシンクロマットの演技を構成して完成させていく活動は、マット運動の苦手な生徒も活動の意欲が高まり、積極的に練習することで技能の向上につながると考える。
2 練習における場面設定の工夫
 授業では、部分練習コーナー、通し練習コーナー、ミーティングコーナーを設置して、ローテーションしながら練習に取り組ませていく。それぞれのコーナーで何をするのかを明確にして、チームの演技を構成していくための過程を踏ませていく。また、資料や映像を十分に準備して、必要な情報を随時得られるようにする。
3 焦点化されためあての提示
 シンクロマットの演技構成をより具体的に考えていけるように、シンクロマットの演技構成を考える小単元時に、具体的な動きを示しめあてを焦点化する。適切な情報を提示することで、完成演技を意識した適切な関わり合いが生まれ、よりよい演技構成を創り上げることができる。

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「教科等教育セミナー」
バドミントンにおけるコート縮小による影響と思考力・技術力の向上
新潟市立濁川中学校
相場 則男

  バドミントンの授業では、技能レベルの同程度の者でグループを作り、ゲームを行わせることが多かった。しかし、技能がともに未熟である場合は逆にゲームの質的向上は期待し難く、また種々の技能レベルの仲間とコミュニケーションが図れないこと等の問題が考えられた。以上のことから、限られた授業時間の中で技能的特性に触れるゲームの楽しさを味わわせ、ゲーム内容の質的向上を図り、技能格差のある学習集団での仲間意識を醸成するために、技能差を補うための工夫が必要と考えた。
 本研究では以下のような手だてを講じて解決に迫った。
1 コート縮小によるハンディキャップ制の導入
 通常コートでのゲームにおける点差の程度の違いを技能レベル差と見て、両サイドラインから内側30cmをカットしたコートと、面積を1/2にしたコートの2種類のハンディキャップコート制を導入した。
2 スキルアップゲーム
 ハンディキャップコート制を導入したゲームを「スキルアップゲーム」として、ねらった場所に正確に打つという課題をもたせた。技能上位者には狭いスペースに打つよりレベルの高いシャトルコントロール技能を求め、技能未熟者に対しては限られたスペースに飛んでくるシャトルを正確に打ち返す技能を求めた。
 実際の結果、コート縮小によるハンディキャップゲーム制の導入は、全ての生徒に楽しさを保障できるものではないが、ゲームの楽しさを向上させる可能性が高く、ラリー回数を増加させるた。ただし、コート縮小の割合や男女の対戦の仕方など工夫が必要だと感じた。「ねらった場所に正確に打つには」という課題をもたせたハンディキャップゲームは、ラリー回数の増加からシャトルコントロール技能を向上させ、ゲームの質的向上につながることが分かった。

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「教科等研究セミナー」
駅伝競走を取り入れた長距離走への取組
-仲間とのかかわり合いから意欲を喚起し、持久力を向上させる手だての工夫-
長岡市立刈谷田中学校
清水 孝

  私は意欲的に長距離走を行う手だてとして駅伝競走を取り入れた。様々な手だての中に仲間同士での励ましや応援によって生徒の意欲を喚起し、長距離走に興味や関心をもたせ、発展的な課題として、駅伝競走を行うことでチームとしての達成感や個人としての満足感を味あわせたいと考えた。
 本研究では駅伝競走を最終的な目標として、様々な手だてを工夫し、長距離走に対する嫌悪感を取り除き、生徒が意欲的に長距離走に取り組むことができるよう、次のような手だてを行った。
1 駅伝競走を取り入れることで仲間とのかかわり合い(応援や励まし)を感じ、自分の力を最大限発揮する。
(1)チーム状況に配慮したコース選択
 Aコース(第1走者)1.6km、Bコース(第2・3走者)1.1km、Cコース(第4走者)1.4kmを設定し、1チーム4名での駅伝大会を2回行い、1回目と2回目の記録を比較する。
(2)コース試走を兼ねた集団走による持久力の向上
 一番遅い生徒のペースに合わせ、チームとして集団走を行う。コースの状況確認や走り方のアドバイスを行い、駅伝競走大会へ向けた作戦を考えながら走るように指導する。
(3)プレ駅伝大会によるチーム力(結束力)の育成
 体育館でのプレ駅伝大会を行い、1周(100m)ごとのラップや周回数を仲間が教えてあげることで安心して走ることができる。また応援や励ましによってチームとしての結束力が高まる。
2 様々な取組過程を工夫することにより、長距離走に対しての苦しさや辛ささの軽減を図る。
(1) 持久力を高める適切な脈拍とペースタイムの設定
 体育館で実施。1周100mのコースで、120回~140回/分の脈拍数まで上げ、持久力向上に適したペースをつかむ。(5分を3セット、計15分実施)
(2)ウォーミングアップの工夫
 ウォーミングアップ時に100mを何秒で走っているかをスポーツタイマーで確認したり、ペース表を用いて、自分のペースを把握させたりする。終了後必ず脈拍を測り、120回~140回/分の脈拍で走ることができたか確認する。
(3)学習カードや長距離記録表、ペース表、駅伝作戦シートなどにおける意欲喚起の工夫
 個人やチームの課題を共有する資料として、それを基に技能の向上や結束力を高める。より駅伝競走への興味・関心を引き出すことで、長距離走への意欲喚起につなげる。
 様々な手だてを実践することによって、長距離走をただ単に長距離を走るだけの苦しいスポーツでなく、ペースを考えて走ってみたり、フォームを考えて走ったり、仲間の応援や励ましによって苦しくても頑張って走ったり、様々な走り方を経験することでほとんどの生徒が長距離走に意欲的に取り組むことができた。そこには生徒の達成感や満足感があったのだと考える。今後も体育授業では集団の力を学ぶ力(興味・関心・意欲)に変えて他の単元でも実践していきたい。

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「教科等研究セミナー」
デジタル作品の設計・制作を通した情報活用能力の実践
燕市立小池中学校
河村 宏樹

  技術・家庭科の技術分野では、D「情報に関する技術」における「デジタル作品の設計・制作」を通してメディアを複合し表現する実践を紹介する。作品制作に関わって、タブレットを使い動画や静止画を撮影し、ムービーメーカーで編集を行った。画像の編集や組み合わせなど、創意や高い技能を求められるが、生徒たちは意欲をもち続け、作品を完成させることができるようになる。
1 研究のねらい
 メディア機器の発達により、テレビドラマやCMのような映像を家庭でも容易に作ることが可能となった。そこで生徒は、生活の中にある”happy”を題材に動画作品作りに取り組む。制作の過程で映像加工のスキルを学ぶとともに、思いを伝える表現方法の工夫や視聴者の視点に立った作品づくりを心掛けることで豊かな内容の作品を完成させることができるようになる。
2 研究の方法
 ・WEB上の画像を使い画像を加工しアニメーションを加えながらスライドやその画像をつなぎ合わせ一つのストーリーを制作する。この過程でスキルを学習し表現の楽しさを感じさせる。
 ・タブレットを使って、動画や静止画を撮影、加工し作品を制作する。その作品を途中評価し合うことで、表現を工夫した作品作りにつなげていく。
3 成果と課題
 今回使用したアプリケーションソフトは、ペイント、ムービーメーカーの二つである。この二つはWindows搭載マシンであれば無料で使用できる。学習内容が家庭でも継続しながら取り組むことができるので、学習したことを生活の中でも生かしていくためにふさわしい題材であったと言える。また、他の生徒と制作過程の作品を見せ合うことで会話が生まれ、他者の評価を取り入れながらよりよい作品を作ることができた。今後の課題として、情報活用能力を育成する観点から、情報モラルの学習状況を踏まえるとともに、他教科や道徳等における情報教育との連携・接続にも配慮する必要がある。

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「教科等研究セミナー」
会話継続目指した指導
新潟市立味方中学校
本図 直美

  次期学習指導要領では、「互いの気持ちや考えなどを外国語で伝え合う対話的な言語活動を重視する」こととしている。(中教審第197号)そこで、授業の初めに毎時行っている会話活動に焦点を当て、会話を継続させる力を養いたいと考えた。
  生徒に自己表現のためのトピックを与えて会話させても、日本語が混ざったり、伝えたい内容を表す単語がわからないとそこで止まってしまったりする姿が実態としてあった。それは、何とか英語で自己表現をしたいという情意面の欠如や、会話を継続させるための表現が身に付いていないことから起こると考えられる。そこで、次の2点からその解決に迫った。                                                       (1)「Helping listの活用」 
  生徒の会話をICレコーダーに録音し、日本語が出てしまう場面を取り出し、生徒全員で共有した。また、そのような時に英語でどう表現したらよいかが日本語と英語両方で書かれたリスト(helping list)を提示し、ペアで問題を出し合う活動をくり返し行った。また、その際に部分的にヒントをみることができるような工夫をして、段階的に覚えさせた。
(2)「さいころトーク」
  文型ドリルで出てきた表現をアレンジさせ、友達に聞きたい質問を一人6つ作らせた。「自分のことを一文で紹介してから相手に質問をする」という流れで会話するよう指示をした。4人グループを作り、さいころをふって出た目の番号の質問をグループメンバーにさせた。返答+1文、できればもっと長く会話を続ける、と回を重ねるごとにハードルを上げた。(1)のICレコーダーで会話を録音して聞かせたことで生徒が自身をメタ認知でき、それが「英語で会話をしたい」という動機付けにつながった。 また、生徒の困り感に沿った表現が提示されているので、日本語や沈黙を回避でき、流暢さを増すことができた。(2)で、聞いてみたい質問を用意させたことで情意面の向上が見れた。また、表現が苦手な生徒も仲間の発話を参考に質問に答えていた。今後、一つのトピックについて何度も会話を往復させて話せるための方策について探っていきたい。

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「教科等研究セミナー」
まとまった英文を能動的に読み取るリーディング指導過程の工夫
~コミュニケーション達成のためのリーディングタスクと、関連したサブスキルの設定を通して~
新潟市立亀田西中学校
間 美和

  英語が苦手な生徒をいかにやる気にするかが、英語学習における重要課題である。英語の「聞く・話す・読む・書く」の4技能別にみると、まとまった英文を読むことを苦手と感じる生徒が多いという中学生の一般的な傾向が、各種アンケートから捉えられる。そこで、本研究では、4技能のうち、「読むこと」=「リーディング」に焦点をあてる。まとまった英文を読むことに生徒が意欲的に取り組み、読む技能を身に付けることができるようになることをねらいとしている。
 具体的な手だてとして、次の3点を研究内容として取り組んできた。
1 読む目的の提示
 コミュニケーション達成の視点から「何のために読むのか」を、読む活動に入る前に明確に生徒に提示する。これにより、生徒が目的意識を明確にもち、コミュニケーション達成のために意欲的にリーデイングに取り組むようになることをねらっている。
2 リーディングに取り組む際の*1)タスグの工夫
 リーディングタスクを工夫することが、生徒の読む力を伸ばすことにつながる。読み物のジャンルや活動形態との組み合わせにより、様々なタスクを検証する。また、本研究では、それぞれのリーディングタスクに*2)サブスキルを関連付けて設定する。
3 リーディングの指導過程の提案
 コミュニケーション達成の観点から、リーディングのそれぞれの指導過程(pre-reading、 while-reading、 post-reading)を研究実践し、提案する。
 これらの実践研究を通して、生徒がまとまった英文を読むことに以前より能動的に取り組むようになり、生徒一人一人に読む力の高まりを実感させることができた。
    *1)タスク:まとまった英文を読む際に提示する、読む目的を示す学習課題   
    *2)サブスキル:英文を読み取る際に役立つ、具体的な技能

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「教科等研究セミナー」
英語プレゼンテーションを柱にした授業の試み
村上市立山北中学校
石黒 豊

  文部科学省がH26年度に実施した英語力調査(高校3年生)では、「話すこと」に関して、英語でスピーチやプレゼンテーションをした経験が少ないということが明らかとなっている。一方で、「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「英語でスピーチやプレゼンテーションをしていたと思う」生徒の割合が高いことが分かった。眞田(2010)は高等学校で英語プレゼンテーションに特化した授業に取り組んだ。実践後、眞田(2010)は「自ら情報を発信し、自分の考えを論理的に英語で発表する力が向上した(p. 161)」としている。これらのことから、当校生徒の課題である自分の考えや思いを表現することができる生徒の育成を目指し、単元を貫く言語活動として英語プレゼンテーションを設定し、その効果を検証していくこととした。
 英語プレゼンテーションは単元の目標言語材料を習得・活用する場面として設定され、生徒はプレゼンテーションの準備を進める過程で、目標言語材料も繰り返し学習した。また、プレゼンテーションに必要な技能やスライドの作成方法なども指導した。
 結果として、英語プレゼンテーションは目標言語材料の習得に肯定的な影響を与えるということが明らかとなった(p<.01)。これは生徒が単元を通じて多くのインプットが与えられ、アウトプットすることによって習得が促されたのだと考えられる。また、リハーサル時には教師からの明示的なフィードバックも与えられるため、生徒は振り返る場面が多く与えられた。従って、英語プレゼンテーションをする際には、目標言語材料と関連付けることのできるトピックを選択し、生徒がスパイラルに学習できるように単元構成をすることが大切である。
 また、英語プレゼンテーションで生徒の英語でスピーチすることに対する抵抗を和らげるとともに、英語学習に対する意欲も高めることができた(p<.01)。プレゼンテーションの準備段階ではペアで活動することが多く、協力しながら進めることが多くなる。仲間の存在が英語学習に対する意欲を高めてくれたのだろう。

〈参考文献〉
眞田弘和 (2010).「英語プレゼンテーションに特化した授業による論理的思考能力を高める試み【共同研究】」『STEP BULLETIN vol.22、 pp. 161-181』東京:EIKEN BULLETIN

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「教科等研究セミナー」
ライティング活動における正確性を支援する指導の工夫
―コレクションコードの活用を通して―
十日町市立南中学校
小磯 雅浩

 生徒たちは、ライティング活動の際に、英文に赤を入れて指導すると、添削されたとおりに一生懸命英文を直すが、英文を書き写す行為で終わってしまう。自分が書いた英文を振り返ることがなく、同じテーマでもう一度取り組んだとしても同じような間違いを繰り返し、英文の正確性の向上に繋がっていない。そこで、継続的に行う3文ライティングの活動において、生徒の英文を単純に赤で訂正して指導するのではなく、コレクションコードを与えることで、生徒の気付きを促すことができれば、自身の英文を推敲することができ、正確性が向上するのではないかと考えた。
 3つの実践を通して、以下のような手順で指導を行った。
1 英作文指導で用いるコレクションコードの提示
2 テーマに沿った3文ライティング(下書き)とコレクションコードによる添削
3 与えられたコードをヒントに、ペアで原稿の推敲
4 課題英作文や定期テストにおける3文ライティング(本番)
 直接赤ペンで修正する添削指導と、コレクションコードによるフィードバックを比べた。コレクションコードをヒントとして与えたことで、生徒たちが自分の英文をもう一度振り返ったり、ペアでの指摘によって間違いに気付いたりする様子が見られた。中学生の指導において、学習者の気付きを促す指導法として、コレクションコードの活用は少なからず有効であったと考える。

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「教科等研究セミナー」
主体的・対話的な学習を目指した手立ての工夫による表現力の育成
新発田市立本丸中学校
長谷川 直紀

  これまでの私自身の授業を振り返ると、生徒の目的意識が不十分なまま授業を進めていることが多く、結果としてノートやレポートの考察の記述に深まりが見られないといった課題を感じていた。そこで、この現状に対し本研究では、理科における「探究する」ことをアクティブ・ラーニングの視点でとらえ、以下に示す手だてを講じて生徒の表現力の育成を目指した。
1 W型問題解決モデルをもとにした課題設定(主体的な学習へ向けて)
 W型問題解決モデルをもとに、学習内容に関する事象の情報を得るための「観察」と、獲得した情報から仮説を立てて検証する「実験」の2段階に活動を分けて授業を計画した。
2 課題に正対したまとめを考えさせる(対話的な学習へ向けて)
 学習を通して課題を常に意識し続けるために、ノートやレポートの指導においては、課題とまとめ(考察)が正対するように指導をした。また、書くことが苦手な生徒に対しては、まとめに何を記述すべきか班内で話し合う場を設定し、他者の考えを聞くことで手がかりを得られるようにした。
3 自身の学びを振り返る場面を設定(自身の学びのメタ認知へ向けて)
 自分自身の学びを振り返る場面を設定するために、章の前後で行う「before&after」と授業での学びを継続的に記録する振り返りシートを用意した。日々点検しコメントを返すことで、学びの振り返りを習慣付けるようにした。
 以上の手だてにより、レポートの考察欄や章末の振り返りシートの記述を分析したところ、授業で得た知識を盛り込みながら課題と正対した記述ができる生徒が全体の9割程度まで増加した。今後も継続して実践を続け、長期的な指導による成果について検証していきたい。

<参考文献>「発想法」/川喜田二郎.中央公論社.1967
<参考文献>「W型問題解決モデルに基づいた科学的リテラシー育成のための理科教育に関する一考察―問題の把握から考察・活用までの過程に着目して―」/五島政一・小林辰至.理科教育学研究 vol.50.№2.2009

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「教科等研究セミナー」
科学的な根拠を明確にし、現象を説明できる生徒の育成を目指して
~中学校3年「化学変化とイオン」において4つの手だてを用いた実践~
五泉市立山王中学校
荻野 伸也

  理科の学習において、科学的思考力・表現力・判断力の育成は重要な要素である。しかし、本校生徒の実態をレポート記述やアンケートから分析すると、考察時に直感や既有の科学的概念と観察・実験結果を結び付けていない実態が明らかになった。
 そこで、生徒が根拠を明確にできると考える手だてを4点を導入することにした。導入した手だては、「1枚ポートフォリオ評価」、「スモールステップのワークシート」、「ワールドカフェ」、「視覚的に捉えられるツール」の4点である。2年間、中学校3年「化学変化とイオン」の単元において、この4点を用いた実践を行った。

1 研究1年次(手だての有効性の検証)
 手だて4点を取り入れた授業において、生徒のワークシート記述を分析すると、根拠となる知識や科学的概念が全て記述されていた生徒の割合が、平均80%以上であった。さらに、各手だての有効性を、ワークシート記述との相関や、プロトコル分析から行った。その結果、それぞれの手だてを活用して、生徒が現象の根拠を見いだしていることが明らかになった。生徒が、現象の根拠を明確にする上で、手だて4点は有効であると立証できた。
2 研究2年次(手だてを利用した説明活動の充実)
 2年次は、手だて4点を活用しながら、生徒一人一人が他者に説明する活動を導入した。他者への説明活動は、「主体的・対話的で深い学び」を促すことにつながる。評価方法を工夫しながら実践を重ね、生徒の変容を分析した。分析の結果、多くの生徒が、現象の根拠を明示しながら他者に説明していく姿に変容していった。
 本研究で、導入した手だて4点は根拠を見いだす上で有効であると立証できた。さらに、説明活動を充実させることで、生徒が根拠を意識して事象を捉える姿に変容していくことが明らかになった。今後、他の単元でも実践を積み重ね、「主体的・対話的で深い学び」を促していく。

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「教科等研究セミナー」
協同学習を取り入れた授業の工夫
~1年方程式の単元において~
新潟市立大形中学校
本間  寛之

  2021年度全面実施される学習指導要領では、初等中等教育において、何を教えるかという知識の質や量の改善に加え、どのように学ぶかという学びの質や深まりを重視し、主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆるアクティブ・ラーニング)やそのための指導の方法を充実させていく必要性について言及している。
アクティブ・ラーニングの学習スタイルとして、これまでにもファシリテーション、構成的エンカウンター、ピア・サポートなど、生徒間の相互作用を重視したものが多く扱われてきている。中でも生徒間のかかわりを重視した授業設計である、協同学習の基本技法に注目した。協同学習は、生徒が更に効果的に一緒に勉強するのを手助けするための原理と技法(JACOBS et al. 2002)であり、様々な技法がある。
1年生の方程式の単元を通して、協同学習のスタイルと技法を計画的に組織し、実践を行う。主体的・協働的に学ぶアクティブ・ラーニングの手法を取り入れることで、学習意欲と学力の向上につなげたいと考えた。
  本実践では「協同学習の技法」(バークレイほか、2009)、先生のためのアイデア・ブック-協同学習のための基本原則とテクニック-(ジェイコブス 2002)を参考に技法を採用した。方程式の単元において、問題の質に応じて次の①~④の技法を用いた。①相談タイム、②お隣に聞こう、③ラーニングセル、④テスト=テイキング=チームである。これ以外にも多くの技法があるが、1年生なので、基本的な技法に絞って採用した。
  実践を通して、生徒の学習意欲や学力の向上を図ることができたかを検証していく。また、協同学習の効果的な取り入れ方について分析をする。

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「教科等研究セミナー」
表、式、グラフのそれぞれのよさを実感し、主体的に課題解決に生かそうとする生徒の育成
~「表・式・グラフシート」を用いた一次関数での実践を通して~
見附市立南中学校
鈴木 克佳

  過去の全国学力・学習状況調査の数学の結果から、関数領域の指導に大きな課題があることが分かる。また、学習指導要領解説数学編では、表、式、グラフを相互に関連付けて関数の特徴を調べる能力を伸ばすことを重視している。しかし、これまでの私の指導を振り返ると、式に関する知識や技能を習得させる指導に偏っていた。
 このような実態を踏まえ、本研究では、2年生の一次関数の指導において、生徒自らが選択する「表・式・グラフシート」を用いた実践を行った。この実践で、表、式、グラフの考えをそれぞれ比較、検討することで、それぞれのよさを実感し、課題解決に生かそうとする力を高めることができるかを検証した。
 授業中の生徒の様子や単元後のアンケートから、表、式、グラフのそれぞれのよさを理解しながら課題解決に取り組む様相が見られた。また、単元後の評価問題の結果から、表、式、グラフを相互に関連付けて課題解決する力の向上が見られた。

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「教科等研究セミナー」
生徒の学びに向かう力を引き出す手だての工夫
~「確率」商品当てゲーム問題において、対比的に課題を提示することを通して~
新潟大学教育学部附属長岡中学校
宮田 雅仁

  商品当てゲームとは、次のような問題である。「挑戦者の前に3つの箱が置かれている。その1つは、賞品が入っている当たりの箱である。司会者はどれが当たりの箱かを知っている。ゲームの進め方は①挑戦者は、最初に1つの箱を選ぶが、中を見ることはできない。②司会者は、残った箱のうち、はずれの箱を1つ開けて見せる。③挑戦者は、最初に選んだ箱を変更する、または、変更しない、のいずれかを選択する。」である。
 直観として、2択になるわけだから変更してもしなくても当たる確率は1/2になると思われるが、実際は変更した場合、当たる確率が2/3となる。
 この授業において、これまでの自分自身の指導を振り返ると、次のような流れであった。
1 教師が商品当てゲーム問題を示す。生徒は数学的に変更してもしなくても当たる確率は1/2と考える。
2 教師が実験をして確かめるよう指示する。
3 教師が実験結果をまとめ、変更した方が当たる確率が2倍高くなることを確認する。
4 生徒がどうして2倍高くなるのか疑問に思い、数学的に追求する。
 この流れの問題点として、ほとんど教師主導になっていることが挙げられる。
 そこで、本実践では、ゲームの進め方で②を抜いた「進め方1」と通常の進め方である「進め方2」を対比的に提示した。このことにより、上記の流れが次のように変化した。
1' 教師が「進め方1」と「進め方2」の2パターンを提示した。「変更しない場合、当たる確率はどちらの進め方でも1/3になるはずだから、進め方2で変更しない場合の当たる確率が1/2になるのはおかしい。」と生徒は考えた。
2' 生徒は、統計的に確かめてみたいと思い、実験した。
3' 生徒が実験結果をもちより、変更した方が確率が高くなるという評価をした。
4' 生徒は、変更した方が確率が高くなることを数学的に追求した。
 課題を対比的に提示したことにより、問題解決のプロセスを生徒主導で進展させることができた。しかし、「3'」では、実験方法が適切でない班もあったため、変更した方が高くなるという評価にとどまり、2倍という数値に着目できなかった。今後は「2'」に教師がどの程度介入していくべきかを検証していきたい。

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「教科等研究セミナー」
自分の考えを説明し、他者と比較することで個の理解を深める工夫
~生徒が思考しやすい資料の内容と意見の比較に重点を置いて~
見附市立南中学校
桶谷 圭介

  生徒が社会的事象を深く理解していくためには、資料から得た事実を基に自分の考えをもち、自分が考えなかった(考える時点で思いつかなかった)視点と出合い、考えを強化したり加えたり、再認識したりする必要がある。資料から読み取った事実が考える出発地点になるので、生徒が考えたくなる(手軽、身近、生々しい)資料と出合うことが必要である。
 今回は以上のことを意識して二つの実践を行った。
 実践①「地方自治と住民参加」
 実践②「第二次世界大戦と国民生活~見附町の様子と長岡空襲を通して考える~」
 実践の中で二つの手だてを用いて、この理解を深めることを目指した。
1 手軽で、身近で、生々しい資料との出合い
 生徒が社会的事象について考えていく出発点となるのが資料である。今回は、生徒にとって手軽に手に入り、身近で、生々しい資料を使うことを意識した。実践①では「広報見附」を用いて、見附市の財政について考えた。実践②では「昭和20年の新潟日報と昭和35年の見附新聞」を用いて、戦中の人々の生活について考えた。
2 自分と他者の意見を比較する
 自他の意見を比較することで、自分には無かった考えを知ることができ、自分の考えを再認識することが出来た。また、資料から読み取り、自分の考えをもった上で、他者との比較の中で思考していくことで、社会的事象について個の理解が深まると考えた。

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「教科等研究セミナー」
資料の読み取りに基づいて思考を深める授業づくり
十日町市立十日町中学校
村山 和弘

  中学校学習指導要領解説社会編では、キーワードとして「思考力・判断力・表現力」の育成が示されている。また、次期学習指導要領に向けた、社会・地理歴史・公民ワーキンググループにおける論点整理においても、「思考力・判断力・表現力」は引き続き重要視されている。これは、社会的事象を単に「知る」だけでなく、その背景や理由を根拠をもって自分なりに表現する力を伸ばすことが今後も重視されていくことを意味している。
 そこで、私は、単元構成を見直し、単元のねらいに即した資料を提示し、多面的・多角的に考察する場面を設定することで、生徒の「思考力・判断力・表現力」が高まると考え、研究テーマを「資料の読み取りに基づいて思考を深める授業づくり」とした。
 また、上記の研究テーマに迫る手だてを、以下の3点とした。
1 単元を貫く学習課題の設定(=単元構成の工夫)
 単元の始めに学習課題を提示し、生徒にゴールイメージをもたせる。1単位時間で習得した知識・技能を単元のまとめで活用できるため、社会的事象を多面的・多角的に捉え、根拠をもって自分の考えを表現することにつながる。
2 学習課題に迫るための資料の精選
 次の3点を意識して資料の精選を図る。①教科書の記述を再確認できる資料、②教科書の内容を深化・発展させる資料、③教科書と違った視点の資料
 これらの資料を比較・関連付けさせ、自分の考えを深めさせる。
3 小グループによる学び合いの設定
 学習課題の追求のため、個人での読み取りを小グループで発表し合う場面を設定する。これにより、様々な見方・考え方に気付き、自分の考えを再構成することにつながる。
 生徒の「思考力・判断力・表現力」を育成するためには、日々の授業を充実させることが必要である。今後も、単元構成の工夫や学習課題の設定、資料の精選を自らの研究課題として追求していきたい。

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「教科等研究セミナー」
中学生における書字練習指導の工夫
~主に学力低位の生徒に対して~
三条市立本成寺中学校
吉澤 仁志

  多くの中学校では基礎テストと称した漢字テストを行っているが、そのための指導は十分ではなかったという反省がある。また、基礎テストの結果は生徒の自尊感情と密接に結びつくものである。そこで、主に反復学習等を苦手とした学力低位の生徒に対して、漢字の書字練習のワークシートを工夫し、どのような方法が効果的であるかを研究した。
 最終的に作成したワークシートの工夫は、以下の6点である。
・教科書体を用いる。
・音読みと訓読みの漢字を分ける。
・漢字に対応する読みを明確にする。
・漢字の構成要素単位の一部を消しておく。
・漢字は横書きとして、縦に練習する形式にする。
・書字練習は2回とする。
 実践の結果、難しい漢字であっても効果的であると確認できた。しかしながら、長期記憶に対応できるかは今後も検討する必要がある。

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「教科等研究セミナー」
説明的文章をクリティカルに読む学習指導法の研究
~三角ロジックを活用した1.2年説明的文章のクリティカル・リーディング指導のあり方についての一考察~
長岡市立江陽中学校
伊藤 裕

  現在、私たちを取り巻く社会は高度に情報化され、常に情報が自分にとって価値のあるものなのかを主体的に判断しなければならない状況にある。これは、これからの社会を創造する生徒たちも例外ではない。私は、生徒が困難な課題や状況に直面したとき、そこから目を背けるのではなく、自ら考え行動できる主体者に成長してほしいと願っている。困難な課題や状況に直面したとき、それを解決する方法として「本当にそうなのか?」「もっと違う方法はないのか?」と物事をクリティカル(下記※参照)に捉え考えることが有効であると考える。
 国語科において生徒がテキストをクリティカルに読むということは、前述した捉えや考えを活用している姿と考える。しかし、クリティカルに読むといっても、その実際をイメージすることは難しい。本研究では、次の2点に重点を置き研究を推進した。
1 クリティカルな読みを実感しやすくするための工夫
 本研究では、データや事実の客観性、筆者の主張に向かう論理の整合性などから生徒が情報をクリティカルに読むことを実感させるのに適した説明的文章を教材として、それらを読む過程に三角ロジックの活用を位置付けた。また、生徒が実感を伴ってクリティカルな読みを実現していくために、中学校国語教科書に収録されている説明的文章教材を「三角ロジックを活用してクリティカルに読む」という観点で教材研究・分析し、生徒のクリティカルに読む力の伸長を図るにはどのような学習が適しているのかを検討した。
2 クリティカルな読みの系統性の検討
 中学校国語科でのクリティカルな読みをどのように系統立てて指導することができるかについて研究を深めるため、2年間の研究の蓄積をもとに、担当する1・2学年において教材の特性や学習内容の系統性を検討した。
※「クリティカル」とは「批判的」と訳される。しかし、「批判的」という言葉には一般的な理解として「他人の考えや意見の誤りや欠落を指摘する」という意味が含まれる。本研究では、そのような一般的な意味を超えた「課題を自らのものと捉え主体的・創造的に自身の考えを変容させていく生徒の姿」の具現化を目指しているため、「批判的」という語を用いずに「クリティカル」という語を用いた。

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「教育実践」
アクティブ・ラーニング型の社会科をめざして
~生活経験を利用した授業の実践~
弥彦村立弥彦中学校
井上 北斗

  教員は、生徒が幸せに生きていけるように、適切なキャリア発達を支援する必要がある。しかしながら、各種の国際的な調査や研究が指摘するのは、現在の学校教育がキャリア発達と必ずしも結び付いていないという実態である。
 適切なキャリア発達に欠かせない基礎的・汎用的能力を育てるためには、知識伝達型の授業よりも、生徒の生活経験が生かされた授業が効果的である。これは、各種の学習意欲モデルによって、生活経験が学習者の関心や意欲を高めることが分かっているためである。
 そこで、本研究では、「生活経験を利用したアクティブ・ラーニング型の授業を実施するならば、生徒の関心や意欲は高まるだろう」という仮説を立てた。この仮説に基づき、生徒の関心や意欲を喚起・増進させることによって、能動的な学習を発生させ、基礎的・汎用的能力の育成を図ることとした。
 研究内容としては、「知識伝達型(ワンウェイ)の授業と、アクティブ・ラーニング型の授業」「アクティブ・ラーニング型の授業と、生活経験が生かされたアクティブ・ラーニング型の授業」を、「基礎的・汎用的能力の育成に寄与するかどうか」という視点に基づいて比較した。
 実践例としては、対立する3つの部活動の主張をもとに、学校のグラウンドの割り振りを考えさせる活動や、身近な年中行事を宗教という観点から分類し、その結果から日本人の宗教観に迫る活動などを行った。そして、それぞれの活動を、リフレクション・カードを通して生徒に評価させ、どのようなタイプの授業が基礎的・汎用的能力の育成に効果があるのかを検証した。
 全体を通して、アクティブ・ラーニング型の授業をどのように展開するか、生活経験をどのように生かすべきか、その効果はどのようなところにあるのか等を研究した。

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「教育実践」
場の工夫で生徒のつまずきを克服するマット運動の授業
~できる・できない二極化の解消を目指して~
五泉市立山王中学校
小野 祥寛

  文部科学省から「子どもの体力向上」が示され、その中でも運動習慣の二極化が問題視されている。養成研修や一校一取組などの成果で数値上は体力低下に若干の歯止めはかかっているが、運動への意欲的な参加についての二極化はますます進んでいる。
 技ができる生徒は意欲的に授業に参加し、技ができない生徒は授業に消極的という二極化が顕著に表れやすい器械運動の単元において、技ができる喜びを感じさせることで運動好きの生徒を一人でも多く増やすことが課題である。
 そのための手だてとして以下の点から解決に迫った。
1 恐怖心を緩和させる場の工夫
 マット運動において「痛い」「怖い」という精神的なつまずきから消極的になる生徒が多い。そこで、生徒の精神的なつまずきを緩和するための場の工夫と段階的な指導、評価方法を取り入れた。
2 技のつまずきを修正するための場の工夫
 初期段階での技のつまずきがその後の活動に大きく影響する。「後転」「開脚前転」「倒立」の基本技でのつまずきの原因をいくつか捉え、考察することでそのつまずき合わせた場の工夫を行い、課題解決を図った。
 児童・生徒の運動離れは本単元に限らず、どの種目においても喫緊の課題である。どの種目についても、生徒のつまずきの原因を捉え、適切な場の工夫を取り入れ運動好きの生徒を一人でも多く育てていきたい。

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「教育実践」
生活経験に基づいた授業づくりと指導の工夫
~生徒の自立を目指した献立づくりと調理~
新潟市立小針中学校
諸橋 利香

  私たちの生活を支える技術や知恵の伝承は、かつては、その多くが家庭や地域において行われ、様々な人とかかわり、実体験を通して生活に必要な知識や技能、判断力などを身に付けてきた。しかし、社会生活は日々変化し、それに伴って家庭生活も多様化している。食生活においては、ライフスタイルの変化から、外食産業に頼ることも多く、食品の選択や調理、食事の取り方に大きな変化が見られる。これらのことから、生徒が自立して生活を営むためには、基礎的な知識・技術を身に付けることに加えて、生活に必要な技術や情報を自己の生活の状況に応じて適切に判断し、選択することが必要となる。そこで、次の2点からその解決に迫った。
1 調理実習における学習内容(知)と実習内容(技)を結び付ける「学びの足跡シート」の活用
 生徒は、これまでの調理実習と経験を通して、調理技術を高め、自立した日常食の調理が出来ることを目指している。授業では、自立のために一人で調理を行うマイクッキングにおいて、調理技術のレベルアップを目指した献立を考えている。しかし、今までの調理場面では、調理手順や、段取りに整理がつかず、作業に無理や無駄がある。そこで、これまでの調理実習の学習内容(知)と実習内容(技)を結び付け、今後の学習への見通しを立てるための「学びの足跡シート」を用いる。それを用いることは、今までの学びや自分の課題や考えを可視化させ、学習内容が整理しやすくなると考える。また、自己の知と技の成長を実感し、新たな課題を見いだすことで、より現実的で自立した日常食の調理に向かう意欲と技術を高めることが出来ると考え、「学びの足跡シート」を活用した。
2 協働学習の充実
 献立を作成、決定するまでの学習活動では、班で交流・検討する場面を設定する。これらの協働学習は、個人の生活経験から学ぶ知識や技能の差を、仲間同士で補完し合うことができる。そして、仲間と様々な観点を基に、合意形成を図ることで、自分たちの調理技術を向上させるためのより現実的な献立の作成や、それに伴う食品の選択などを予想し、提案することができると考える。学習活動の終末には、個の生活に返して、自分の食生活にとって「今出来ること」と「必要なこと」を整理させる。そうすることで、自分の生活環境や食生活、調理技術に合った献立に修正を加え、班で話し合ったことを根拠に、自分の献立について説明することができるよう、協働学習の充実を図った。
 研究を進める中で、生徒は成果と次の課題に対する、確かな実感をもって学習に臨んでいる。生徒の生活がより自立し、生活の多くの場面で自分にとって適切な判断ができたり、仲間と共に、最適解を創り出することができたりするよう、今後も研究を継続させたい。

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「教育実践」
生活を工夫し、創造する能力を育む授業づくり
長岡市立旭岡中学校
大野 敏法

  「材料と加工に関する技術」の内容において、生活を工夫し創造する能力を育むために、自らの生活を振り返り、検討させるための題材設定を行った。その中で、生徒が「材料と加工に関する技術」を評価し、活用する能力を高めることで、生活を工夫し、創造する能力を高めることに繋がると考えた。そして、授業実践を基に、その有効性を検証した。
 題材は、自らの生活を振り返らせ、生活の中で、ものを整理したり、便利にしたりするものを1枚の板材から自由に設計し、作品の製作を行うものである。生徒が生活を便利にしたり、使いやすかったりするための工夫を行えるように、グループでの発表、話合い活動を以下の2つの場面に取り入れた。
1 製作品の構想
 製作品の構想を行うに当たり、①使用目的②使用場所③機能④材料・部品の4つを明確にさせた。そこに、大まかな作品の完成スケッチを描かせ、構想用紙にまとめさせた。構想が出来上がった段階で、自分の製作品の機能や構造をグループ内で発表し、改善点などを検討した。ここで、自他の製作品の良い点や改善が必要な点などの意見を参考に、スケッチを含めた自分の製作品について再検討させる時間を設けた。再検討した構想を基に、設計を行い製作を進めた。
2 完成作品の紹介
 製作終了後、再度グループ内で自分の製作した作品について発表し、検討を行う活動を取り入れた。自分の製作した作品の機能や工夫したところを発表し、お互いに評価し合う時間を設定した。
 1での場面では、生徒は、自分の作品や他の生徒の作品を比較し、機能や構造、使いやすさを再検討して設計に生かす生徒が多く見られた。2の場面では、実物を見ながら行ったため、機能や工夫した点がより分かりやすく伝わり、周りからの評価もより具体的な意見が多くなった。
 これらの検証から、生徒同士で構想の検討や作品の評価を発表し合うことで、工夫できるころや作品の使いやすさに気付きやすく、よりよい作品づくりに繋げることができたと考えられる。しかし、中には、見た目の美しさや技能の高さだけに目が向いている生徒も多くいた。他の生徒から得たヒントや情報をしっかり自分の作品に生かすために、作品を評価する観点をもっと具体的なものにする必要がある。

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「教育実践」
ロールプレイを核にした段階的な指導を通し、自分の思いや考えを伝え合い、会話を継続できる生徒の育成
新潟市立東新潟中学校
西片 宣明

  2013年12月に文部科学省が公表した「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」における「グローバル化に対応した新たな英語教育の在り方」で、中学校では「身近な話題についての理解や簡単な情報交換、表現ができる能力を養う」とあり、それに対応した指導が求められる。
 これまでの私の指導を振り返ると、生徒が相手の発話に応じて対話を続けるという活動がなされておらず、パターン・プラクティス化した活動にウエイトを置いていた。また、その活動は目標言語材料を習得させるための会話の活動にとどまっていて、コミュニケーションのための会話の活動ではなかった。その結果、生徒が単語や文法を理解できてもそれらをコミュニケーションの中で活用できていなかった。
 そこで、コミュニケーション活動の指導方法を見直した。毎時間の帯活動としてショート・カンヴァセーションタイム(SCT)と名付けた時間を設け、「弾丸インプット」を行う。この「弾丸インプット」は質問とそれに対する答えから成り、さらにその発展練習として一方が質問し、もう一方は直接的な答えとそれに関連した文をもう一文言う。そして、単元ごとに話し相手が言った内容を考えた上で答え、さらに対話を続ける「ロールプレイ」を行う。それによって、自分の考えや思いを伝え合い、会話を続けられるようになるであろうと考えた。
 生徒が自分の考えを述べることができるようなモデル対話を「弾丸インプット」で行い、そこで身に付けた事柄をもとに「ロールプレイ」をする。「弾丸インプット」を継続的に行うことで対話を続ける素地を養い、「ロールプレイ」で長い対話の「やりとり」(TurnTaking)ができることを目指した取組である。

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「教育実践」
小中のつながりを意識した見通しのある英語教育
~PDCAサイクルを活用してステップアップする授業展開へ~
三条市立第一中学校
鎌田 雅俊

  三条市は小中一貫教育を推進している。そして、「つなぐ」をキーワードとした取組を展開し、自分のよさを発揮してたくましく生きる児童生徒の育成に励んでいる。私はキーワードである「つなぐ」に着目をし、以下の点において継続した取組を行った。
1 小中における外国語の学びのつながりを意識した授業の構想
 小学校には外国語活動があり、中学校には教科としての英語がある。学習指導要領に明記されている目標は異なるが、義務教育9年間を見通した指導の工夫が最重要課題であると考える。小学校と中学校の円滑な接続を念頭におき、日々の授業に取り組んだ。具体的には、小学校と中学校で提示する教材の共有・新文法導入時の工夫・外国語科カリキュラムの見通し等である。
2 授業を通じての異学年交流活動
 第一中学校は小中一体校であるため、小学生と中学生が同じ校舎で毎日生活している。この校舎の利点を生かし、授業での小中交流も教師側が仕掛けることで、すぐに実践が可能である。私は、中学3年生と小学5年生の異学年交流を行った。通常授業では見せることのない頼もしい姿を中学生は見せてくれた。小学生も本授業の目標を達成しようと英語を使って、前向きに活動に取り組んでいた。
3 PDCAサイクルを回し続ける授業改善と実践
 「PDCAサイクル」の本来の在り方を学ぶ上でも、実際の教育活動に生かし、取組を行うことができた。生徒アンケートからも、前向きに活動に取り組めるようになったと感じる生徒が増えたことがわかった。授業をひとつ展開したら、それで満足することなく、「つなぐ」ことを意識して、評価・改善という姿勢をもつことができた。
 全ての教育活動に「つなぐ」という視点をイメージした実践を取り入れた。他にも様々な手法が数多くあると思うが、今できる最大限のことを行うことができた。これからも英語に対する小中連携に力を注いでいく。

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「教育実践」
英語をスムーズに書く力を育成する指導の工夫
~「ジャーナル」を継続的に用いたライティング活動~
長岡市立南中学校
佐藤 正秀

  与えられた内容について英語の単文で正しく書くことができる一方で、自分の考えや意見などをある程度まとまった量の英文で書く活動では手が止まってしまうような生徒をこれまで多く目にしてきた。私の実践を振り返ると、書く活動について正確さ(accuracy)に重点を置いていたことで、間違うことを恐れて手が止まる生徒が多くなった可能性がある。これまでと同様の活動だけでは、スムーズに書く力、つまり書くことの流暢さ(fluency)が十分育成されないと考えた。書く活動に差別化を図り、正確さに重点を置くこれまでの活動に加え、流暢さに重点を置く活動を行うことで、こうした課題を克服できると考えた。
 「ジャーナル」とは、日記のように自分の考えや感情を思いついたまま書いていくものであり、文の構造や正確さにはあまり注意が払われないものである。先行研究では、生徒の書いたジャーナルに教員がコメントを返す取組を継続したことで、書くことの流暢さが高まった。したがって、英語の授業内で生徒にジャーナルを書かせ、それに対して教師がコメントを返す取組を継続することで、生徒は自分の考えや気持ちなどについて英語で書くことに慣れ、スムーズに英語を書くことができるようになると考えられる。本研究では、以下のような方法で実践を行った。
1 テーマを与え、小さいノートに継続してジャーナルを書かせる
 英語の授業内で定期的にジャーナルを書く場面を設定し、それを継続した。生徒全員にA6判の小さなノートを配布し、毎回テーマを与えてジャーナルを書かせた。小さいノートを使用することで、ノートのページが埋まっていく感覚が得られやすくなり、書くことに対する生徒の精神的な負担が少なくなることが期待される。また、過去に書いた内容や書いた分量を比較することもできる。
2 フィードバックとして、生徒の書いた内容に対し、前向きなコメントを返す
 先行研究では、生徒の書いた内容に対し教師がコメントを返すという取組を継続したことで生徒の意欲向上につながり、流暢さが高まった。本研究でも英文や単語の誤りについては特に訂正せず、コメントを返していくこととした。
 以上の方法で、2年間にわたって実践を行い、検証を行った。

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「教育実践」
自己表現への自信と意欲を高めるペア活動と協働学習の工夫
上越市立吉川中学校
久保 成毅

  昨年度行った自己表現活動の様子から、多くの生徒が対話をしたり、その場で考えを述べたりすることができないことが分かった。もう一つの課題として、自己表現活動を行う上で、英語に自信をもてなかったり、意欲的に参加できなかったりする生徒が多くいた。原因として、その活動を見通した自己表現活動を段階的に行っていなかったことが考えられる。また、生徒が実際に英語を使って対話をする機会が少なかった。したがって、生徒は英語での会話に慣れていなかったり、やり方が分からなかったりした可能性が高い。また、生徒同士で教え合ったり、考えを深めたりする協働の場面がほとんどなく、生徒が自分の知識を使わずにいた。さらに、昨年行った自己表現活動の内容が生徒自身にとって意味があり、魅力的な活動になっていなかったと思われる。以上のことから、本実践では以下の研究仮説を立て、次の手だてを講じた。
 研究仮説:ペア活動で対話練習を日常的に行い、協働する場面を設け、生徒自身による自己表現活動への意味付けを行えば、英語の対話に対する生徒の自信や意欲は向上するであろう。
 手だて1 日常的なペア活動
 Who Am I? クイズを様々なパターンで行い、聞き手を意識した初歩的な対話練習を行った。この対話練習の延長に、My Projectの活動があるように活動の内容を工夫した。
 手だて2 協働的な学習場面の設定
 基本の対話文は暗唱させ、テストをした。その際、必ずジェスチャーをつけさせた。ジェスチャーなどはペアで考えさせた。そして、暗唱で忘れてしまうときは、ジェスチャーを交えて教え合わせた。
 自己表現活動(有名人とインタビューする人に分かれて、英語でインタビュー活動をする)の内容はお互いにアイデアを出させた。聞き手にとっておもしろく、分かりやすい内容になるようにお互いに工夫するように指示をした。そして、活動が全て終わった後には、振り返りを行い、より良い発表になるようなアイデアを共有させた。
 手だて3 自己表現活動への自己関連性
 学期末に行った自己表現活動ではインタビューをする相手として、生徒が興味のある有名人をペアで選択させた。また、その人物に近付けるための衣装やお面なども用意させ、より実際のインタビューに近付けるようにした。
 自己表現活動後に英語のスピーキングに対する自信や意欲について質問をしたところ、半数以上の生徒が肯定的な回答をした。このことから、生徒は英語を話すことに少しずつ自信を付けてきていることが分かった。

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「教育実践」
生徒の思考力・判断力・表現力を高める指導
~予想の交流場面の工夫を通して~
新潟市立光晴中学校
山田 裕

  生徒が理科の実験・観察に主体的に取り組むためには、生徒に目的意識をもたせることが大切だと考える。私の授業を振り返ると、実験・観察の目的が分からず結果を見落としたり、考察で何を考えてよいか分からなくなったりする生徒がいた。このような目的意識をもてずに実験・観察に取り組ませていると、生徒の思考力・判断力・表現力を高めることは難しい。
 そこで、生徒に目的意識をもたせ、思考力・判断力・表現力を高めることを目的として、実験・観察の予想を交流する場面を次のような手だてで工夫することとした。
1 予想の交流方法の工夫
 まずは生徒の立てた予想を交流させる。予想の違いから、根拠や考え方の違いに注目させ、根拠や考え方も交流させる。交流によって自分の考えを強化したり、考え方の妥当性を判断したり、自分の表現を工夫したりするなどして、説得力のある説明に変わっていく。
 また、ワークシートを工夫し、じっくりと考えられるようにした。交流後の考えを記入する欄を設け、意見の変更を肯定的に捉えられるようにした。
2 予想を仮説に高める手だて
 実験や観察で生徒全員が仮説を立てられるわけではなく、なんとなくそう思った、という生徒も必ずいる。この生徒に既習事項を確認させたり、生活体験で似たようなものがないかという視点を与えることで仮説を立てる支援とした。
 また、予想の交流を行わせることで予想の違いに気づかせ、その予想を考えた理由を引き出し、予想を仮説に高められるように指導した。
 交流後には自分の予想や仲間の考えに対して根拠を探したり求めたりする姿が見られ、思考力や判断力の高まりが見られた。ワークシートの記述も理科用語などを適切に用いて表現する生徒が増加した。

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「教育実践」
コンセプトマップを用いた根拠に基づく考えを引き出す指導の工夫
聖籠町立聖籠中学校
石井 喬志

  本研究で用いたコンセプトマップとは概念地図のことである。概念につけられている言葉を「概念ラベル」、そのつながりを表す言葉を「リンクワード」として、この2つを用いて図式で視覚的に表したものである。作成する活動を通して、語句と語句の関連性が整理され、既習事項の習得につながると考えた。また、本研究では科学的に探求する能力の考え方として、「根拠をもって自分の考えを表現すること」とし、それができていけば科学的に探求する能力の基礎と態度を育てられるとした。
 しかし、これまでの私自身の授業を振り返ると、一方的な知識の伝達になっていたり、観察・実験で考えをまとめる時間を十分に取らなかったりと科学的に探求する能力を育てるための授業とは言えなかった。そのため何のための観察・実験か分からずに活動を進めていたり、得られたデータをもとにした考えをまとめられなかったりしていた。結果として仮説や考察に対する考えの根拠ももてていない生徒が多かった。そこで、本研究では以下の手だてを講じ、研究を進めた。
1 既習事項を整理させるためのコンセプトマップの作成
 手順として、まずは各自で考えをまとめる。次に班で見せ合い、参考になったことを書き加えていくといった「個→グループ→個」といった流れを大切にして行った。
2 根拠に基づく考えを引き出す課題設定の工夫
 課題解決の際に、既習事項を用いて考えることができる課題設定を心掛けた。そうすることで、既習事項を整理したコンセプトマップを利用し、根拠を明確にして、自分の考えを述べられるように工夫した。
 これらの実践を通し、生徒の理解に対する自己評価や定期テストでの結果、そしてワークシートの記述にも変化が見られていった。生徒の中で既習事項が整理されていけば、既習事項を用いて新しい課題に対して取り組もうとする姿勢が育まれ、根拠に基づく考え方を引き出せると言えるであろう。

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「教育実践」
化学変化を粒子で語ることができる生徒の育成
~対話の多様性とメタ認知を通して~
加茂市立加茂中学校
松原 智加

  これからは学んだ内容を活用する力を身に付け、変化の中に活きる社会的存在としての生徒を育成していく必要がある。生徒が主体的に学習に取り組み、学んだことを生徒自身の中で内面化させ確かな学力とするために、段階的な学びの確認(振り返り)を行い、客観的に自分自身の考えを認識するメタ認知をうまく働かせていく。肯定的なメタ認知ができていけば、自己肯定感が育まれ、学習意欲も持続されると考える。また、生徒の発言や授業ごとの振り返りを基に生徒に対応した単元構成を行い、より学習内容の深い理解につなげていく。
 これらを基に本実践では、化学の分野で「粒子」という概念を柱に、実験で目の前に起こる化学変化の事象を原子分子という粒子で考え、語ることができる生徒の育成を目指した。
 具体的には次の3点から取り組んだ。
1 「粒子」を柱とした単元構成と教材の工夫
 「粒子の存在」から始め、物質が全て原子や分子でできていて記号で表すことができ、次の「粒子の結合」では化学反応全てが化学反応式で表される。しかしここで次に「粒子とエネルギーの関係」の学習が入ると、原子の種類や数が変わらないから「質量が保存される」までの理解につながりにくいと考えた。以上のことから、「粒子とエネルギーの関係」を間にはさめずに、「粒子の結合」から「粒子の保存」へと授業をすすめた。
 また、予想の段階で原子カードを使って考え、実験で検証し、原子モデルで考察を行い言葉でも表現させる。この学習の流れをセットにして単元の学習を進めた。そして化学変化による質量の関係を粒子で考えられるようにし、化学変化を粒子で語れるようにした。
2 段階的な学びの確認
 振り返りを重ね、肯定的なメタ認知を行い、次の学びへの意欲をもたせるために段階的に学びの確認を行った。授業ごとの「1分振り返り」、単元の途中での「イメージマップ」、単元後の「イメージマップ」「振り返りレポート」である。生徒自身が学びの確認を行うとともに、教師自身も生徒の思考の変化や深まりをみて授業や単元構成を考える基とした。
3 多様な対話
 他者との対話の中で自分を見つめることで学びの確認ができメタ認知につながる。「1分振り返り」で教師がコメントを返すことで自分の学びの確認を行う。また、グループでの話合いやクラスでの発表を見たり聞いたりして他の考えに触れることで自分の考えの広がりや深化を図らせる。そしてそれらを振り返りで表出することでメタ認知し、化学変化の事象を粒子で語ることができるようにさせた。

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「教育実践」
身近なものに目を向け、学んだことを活用する生徒の育成をめざして
~学習内容と日常生活を関連付ける学習場面の工夫~
見附市立南中学校
早田 浩延

  国立教育政策研究所が示した、「教育課程の編成に関する基礎的研究」の報告書において“21世紀型能力”が提案され、これからの教育の課題として、「知識・技能の習得だけでなく、日常生活において、知識・技能を活用して問題を解決できる力」を育成することが重要だと言われてる。そこで単元の終末に、身近な自然や日常生活の中にある自然事象とのかかわりを設定し、学び得たことを活用する生徒を育成するために次の3点の手だてを講じた。
1 学び得たことを活用するための課題の設定
 単元を通して学習してきたことを、身近なものに目を向け、活用するための場を設定した。またそれをグループでの課題解決に努めた。
2 仲間とのかかわりを通して、理解を深め、新しい発見ができるための工夫
 グループでまとめる活動を通して、考えを交流させて、課題解決をするために話合いを行った。また他のグループとの交流の時間を確保し、意見交流から理解を深め、新しい発見ができる場を設定した。
3 自分の見方や考え方が変化した視点について考える個の振り返り
 学習前の日常生活での見方と学習後の見方を自分の言葉で振り返る活動を取り入れ、グループごとに交流させ、見方や考え方が変化した視点を基にグループの発表を行った。
 日常生活の中に、理科の学習で養うことができる「もの」の見方や考え方を生かせる場面はたくさんある。知識だけでなく、実際の生活の中で考えたり、活用したりすることができる理科教育を、今後の研究で目指していく。

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「教育実践」
粒子モデルを使いながら、自分の考えを確かにしていく授業の取組
長岡市立旭岡中学校
櫻井 真郷

  「粒子」にかかわる学習を2年間にわたり授業実践した。その取組ついて報告する。対象の生徒は、粒子にかかわる分野に苦手さを感じている。また、自分の考えを図や言葉にすること、それを用いて相手に伝えることに苦手さを感じている。このような生徒の実態を受け、「粒子」にかかわる学習を通して、生徒がこれまでの学習を生かし、自分の考えを表現し、相手に伝えることができる授業づくりに取り組んだ。
 1年目は中学校区の小学校と連携し、小学4年と中学1年が「粒子」を題材に授業を行った(ただし、小学4年から中学1年まで継続して指導した実践ではない)。中学1年で学習する状態変化にかかわる単元では、小学校の学習内容を振り返ったり、必要に応じて確認したりする場面を設けながら学習を進めた。この取組から、次の2つの成果が得られた。
1 これまでの学習を振り返ることの有用性
 小学校の学習の振り返りの場面では、生徒の出身小学校が異なっていることから、振り返りを通して小学校で学習したことを確認し、また、必要に応じて補足した。これにより、これから始める学習のスタートをそろえ、学習内容を意識させることができた。
2 繰り返し学習して、見通しをもつ
 生徒が学習への見通しをもつことができるよう、学習の進め方をパターン化し、繰り返し取り組ませた。状態変化の学習では、物質の状態を粒子モデルを使って説明することが大切なので、次のような手順で学習を行った。
 ①自分の考えをもつ
 ②実験班で考えを発表する、自分の考えをもてなかった生徒がいた場合は生徒同士で教える
 ③考えを発表する場面を実験班から学級へと拡大する
 ④自分の考えを整理する
 パターンを繰り返し、固体から液体、液体から気体への状態変化の学習を行った。また、粒子モデルを使う場面を増やしたり、「みんなで分かるようになろう」と繰り返し生徒に働き掛けたりした。
 2年目は、1年目の成果を、原子・分子の学習へと適用した。化学変化にかかわる単元では、生徒実験が増えることから、実験結果を予想したり、実験の手順を考えたり、結果を整理や考察したりすることを個人や実験班で繰り返し行った。また、実験結果を振り返り、次の実験を行うことを意識させた。
 この2年間の取組を通しての成果として、これまでの学習を生かし、学習のパターンを繰り返すことで、次第に見通しをもち自分の考えを表現することができるようになってきた。また、自分の考えに自信がもてる生徒も増えてきた。その一方で課題も明らかになった。ある程度のパターンの中では、自分の考えを表現できるが、結果を組み合わせて新たな考察を組み立てるには十分ではなかった。

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「教育実践」
俯瞰的な視点で生命維持の仕組みを理解させる指導
~消化・吸収・排出を「細胞呼吸」と結び付ける学習を通して~
長岡市立南中学校
宇尾野 卓巳

  生命尊重の概念は教科をはじめ、あらゆる教育活動の中で育んでいくべき重要なものである。中学校2年「動物の体のつくりと働き」においても消化・吸収・排出の学習を通して生命維持に目を向けさせることとなっている。生徒にとって覚える用語が多く、断片的な知識の記憶になりがちな本単元で、全身の器官が関係して生命を維持していることを理解させることを目的とし、次の2つの手だてからその解決に迫った。
1 毎時間の学習を「細胞呼吸」と結び付けてワークシートに記録させる
 各器官の働きがすべて生命維持につながっていることを理解させるため、細胞がエネルギーを取り出すこととどのように関係しているかを毎時間記録させた。
2 モデルを操作して消化・吸収・排出の流れを説明させる
 ブラックボックスである体内で起こる消化・吸収・排出を、細胞がエネルギーを取り出すための一連の流れとして理解させるために、モデルを操作して食物を取り込んでから排出されるまでの流れを説明する場面を設定した。
 生徒のワークシートの記述内容や発表の様子から、各器官の働きと「細胞がエネルギーを取り出すこと」が関係していることを結び付けることができているかを見取り、検証した。

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「教育実践」
思考ツールを活用した、多面的に推論する力を高める指導の工夫
小千谷市立南中学校
石田 幸弥

  「平成27年度全国学力・学習状況調査」の結果では、基礎的・基本的な知識・技能を活用し、グラフ・資料などに基づいて、自らの考えや他者の考えを検討して改善することに課題があると報告されている。当校でも、実験・観察を行う場面では、意欲的に取り組む生徒が多数いる反面、問題解決への見通しがもてず、実験結果を整理し、実験結果からの分析、解釈に不十分さを感じる生徒がいる。
 また、アンケートの結果から、生徒の実態として、話合いを行うことで理解が深まると肯定的な回答する生徒は44%であった。しかし、自分の考えに自信がもてなかったり、課題に対し意欲をもって取り組めなかったりし、発言や考察をしようとする生徒の割合は28%と低くなっていることが分かった。それらの要因として、事象に対して自身の考えが混沌とし、考えが整理されていないことが考えられる。そこで、次の2点から解決に迫った。
1 思考ツールを用いた思考の表出
 主に実験の予想場面、実験方法や観察方法の検証場面、結果の分析・考察の場面で、思考ツールをくり返し用いた。自分の考えを視覚化することにより、活動への自信をもたせる工夫を行った。
2 他とかかわる場の設定
 思考ツールなどを用いながら、ホワイトボード等を利用し、他とかかわる場面を意図的に設定した。主に実験の予想、実験方法や観察方法、結果の分析・考察の場面で、個人で考えた思考ツールを基に、班で話合いを行った。
 生徒は、思考ツール等をくり返し使用することにより、自身の考えを視覚化し、多面的に推論することが容易になった。思考ツールを用いての話合い活動が、多面的に推論する力を高める効果を生み出していることが見えてきた。
 今後は、第2学年「化学変化と原子・分子」の実践を繰り返し、より効果的な指導方法を追求していく。

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「教育実践」
理科を学ぶ意義と社会生活とのつながりを考えた授業の工夫
~理科教育におけるキャリア教育の実践を通した基礎的・汎用的能力の育成~
新潟県立柏崎翔洋中等教育学校
石田 渓介

  現代の生徒が成人して社会で活躍する頃には、生産年齢人口の減少、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により、社会や職業の在り方そのものが大きく変化する可能性がある。厳しい挑戦の時代を乗り越え、伝統や文化に立脚し、高い志や意欲をもつ自立した人間として、他者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り拓く力が必要になってくる。そのために、学校教育を通じて、組織的・体系的なキャリア教育の必要性が挙げられている。
 キャリア教育の中でも、私は「基礎的・汎用的能力」の育成が重要であると考えている。「基礎的・汎用的能力」として、多様な生き方に関する様々な情報を適切に取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく力(キャリアプランニング能力)や、仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を立ててその課題を処理し、解決することができる力(課題対応能力)などが挙げられる。これらは、学校教育の中ではもちろん、学校教育の後に迎える社会生活に欠かせない力であると考える。
 本校中学校2年生は「今やっている理科の学習は自分の将来や社会生活に役立つと思いますか」という質問に対して、36%の生徒(81名中26名)が「役立たないと思う」「あまり役立たないと思う」と回答している。その理由としては、「自分の将来就きたいと思う職業(文系)とのつながりを感じない」「一部の職業では役立っても、他の職業では役立たない」「理科の公式を知っていても普段の生活で考えることはない」などが挙げられた。約1/3の生徒が、学校での理科の学習と社会生活とのつながりをイメージできていないと感じている。
 そこで、本研究では、理科の学習において、キャリア教育の視点を取り入れ、観察・実験の場面で、理科と社会生活とのつながりを考えさせながら授業を展開していくことで、生徒に「基礎的・汎用的能力」を身に付けさせることを目指した。

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「教育実践」
数学的活動における生徒の課題意識を高めるための手法の考察
~ジグソー法を用いた学び合い活動を通して~
佐渡市立金井中学校
阿部 早和

  これまでも数学的活動の場面で学び合い活動を行ってきたが、上位の生徒が主体となって問題を解き、周りの生徒はそれを聞くだけ、写すだけになる場面が多く見られた。全ての生徒が主体的に課題解決に向かうためには、これまで学習した内容に自信をもつとともに、一人一人が本時の課題に対する明確な課題意識をもつことが重要であると考えた。そこで、アクティブ・ラーニングの具体的なあり方やその方法を充実させるための指導案検討、学び合い活動の効果的な活用について探求を続けてきた。数学的活動の場面において、アクティブ・ラーニングの一環として「ジグソー法」による学び合い活動を実践することで生徒の学力や学習意欲を高めたいと考え、本研究実践を行った。
 様々な単元や内容において実践を行い、ジグソー活動を効果的に作用できるのはどの単元や内容かを検討した。また、ジグソー法を取り入れた授業では、導入部で行うヒント問題と課題をいかに設定すればより効果的に活用できるかについても検討した。
 ジグソー法を有効に活用して課題意識を高められたことで、次の成果があった。
1 各単元の活用において、生徒の意欲的な様子が見られ、自己評価も高く、ジグソー法における課題設定が有効であった。
2 オープンエンドな課題を設定した場面において、生徒の取組の様子、自己評価から課題意識を高くもって意欲的に取り組む姿が見られた。
3 ヒント問題と本時の課題の意図的なつながりを重視し、エキスパート活動からジグソー活動を設定することで、2つの活動のつながりを生徒が実感しやすく、課題解決までの道筋がはっきりしたため、課題意識が高まったのだろうと考えられる。
 また、計算や証明の内容では有効に活用することが難しいことも分かった。これらの分野でいかにジグソー法のヒント問題と本時の課題を設定し、生徒に働き掛けることで有効に活用できるかについて、今後も研究を続ける。

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「教育実践」
継続的な言語活動を通した数学的な表現力の育成
~式と言語を往還させる活動を通して~
新発田市立本丸中学校
皆川 俊勝

  当校の生徒は問題を解くことはできるが、自分の考えを伝えたり、解法や思考の流れを説明したりすることが苦手である。また、数学的用語を正しく理解していない生徒、自分の考えやその根拠を伝えることが苦手な生徒も多い。そこで、問題解決の過程や思考の流れなどについて、数学的用語を用いて適切に表現する活動を意図的に設定し、仲間とかかわり合う活動を通して数学的な表現力の育成を目指すことにした。さらに、式と言語を往還させる言語活動を日々の授業の中に継続的に行うことで、生徒が自分の考えを根拠をもって説明することができるようにする。
 本研究では、次の手だてを意識しながら授業を行った。
1 授業において課題提示をする際には前時の学習や既習事項との比較を行わせ、本時の課題との違いや既習事項との関連を見付けさせる。本時の学習は既習事項に到達するまでの部分であることを伝え、学習内容を明確にさせる。
2 課題解決の方法について他者に説明をする機会を意図的に設ける。自分の思考の流れを説明する際に、数学的用語を意識して使わせるようにする。生徒には適切な説明をした生徒をモデルにするように働き掛ける。自分だけで説明することができない生徒には教師や他の生徒の説明をモデルに復唱させ、説明の仕方や考え方の根拠等の理解を深めさせる。
3 互いに課題解決の手助けをしたり、質問し合ったりする場を設定し、生徒同士がかかわり合って学ぶ機会をつくる。問題演習等を行った後には全体での答え合わせの前に近くの生徒同士で答え合わせをさせたり間違った箇所の訂正をさせたりするなど、分からないことを教えあったり聞きあったりする場面を意図的に設定する。また、かかわり合いのキーワードを提示し、かかわり合うスキルを身に付けるきっかけをつかませる。
 以上の手だてを計画的・意図的に実践し、生徒の変容を検証した。

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「教育実践」
論理的思考力を育む授業展開の工夫
~「問題づくり」を取り入れた単元構成を通して~
長岡市立山古志中学校
大田 克

 数と式の領域において、文章問題を苦手としている生徒は少なくない。文章問題をよく読もうとせず問題を解こうとするか、あきらめてしまう傾向がある。しかし、立式さえできれば解くことができる生徒が多い。そこで、いろいろな解法でアプローチできる「問題づくり」を取り入れた単元構成を行うことによって、数学の面白さや楽しさを味わうことができれば、数学への興味・関心が高まり、その結果、事後の学習は生徒の積極的な学びへと変容していくものと考える。
 「問題づくり」の授業は、単元全てを学習した最後に発展課題として取り扱われることが多い。しかし本研究では、その単元での解き方をひと通り学習した直後の「利用」の第1次で行うことで、今までの既習内容を確認でき、文章問題の問題構造を知り、さらに発展的な問題に取り組もうとする生徒の姿を目指す。
 また、生徒が作成した問題をお互いに解き合ったり、変更した条件が問題として成り立たなかったものをグループで協力しながら問題づくりをしたりすることで、生徒は自ら課題を見付け、課題を追求できるようになると考える。
 それにより、具体的な整数の計算式から答えの規則性を機能的に見いだし、それがいつでも成り立つことを演繹的に証明していく流れを大切にし、文字や式を利用することのよさや論理的思考力の伸長を図る。
 2年「連立方程式」では、身の回りの問題(代金)を例題として問題づくりを行ったため、自由に問題をつくることができていた。生徒の中には割合を用いた問題(割引セール)をつくったり、3種類の商品を用いた問題(3元1次方程式)をつくったりする生徒が見られた。3年「式の計算」では、2次方程式を用いて整数の性質を調べる問題を例題として「問題づくり」を行った。こちらは問題の条件変更によって、新たな問題をつくりあげる活動とし、どの生徒も参加できるような手だてを取り入れた。
 このように「問題づくり」の授業を「利用」の第1次で行うという実践をし、その有効性を考察する。

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「教育実践」
具体的事象を取り入れた一次関数の指導
~アクティブな授業づくりの工夫を通して~
十日町市立水沢中学校
白井 康智

 関数領域における指導では、表・式・グラフの相互的な関連が重要視されている。一方で、今年度行われた全国学力・学習状況調査における中学2年生の一次関数では、「変化の割合」と「変域とグラフ」に全国的に課題がみられた。本研究では、この2つの単元に焦点を当てる。この単元の指導で、具体的事象を取り入れ、その意味理解を深めさせることがねらいである。
 次の2つの手だてからねらいに迫った。
1 知識習得場面における具体的事象の導入
 具体的事象における「変化の割合」の意味を明らかにし、それらと式・表・グラフとの関係性について理解を深めていく。「変域とグラフ」では、具体的事象から変域を考察していく。その上で、座標平面上での変域を視覚的に提示し、グラフと変域との関係性の理解につなげていく。
2 ICTを活用した授業過程と形態の工夫
 ICTを活用することで、グラフの変化の様子などを動的に提示し、視覚的な理解を深め、学習内容のイメージをつかみやすくする。授業導入場面では、教師と生徒とのやり取りの中で指導内容を生徒が確認する。この場面では、生徒はノートへの記述は一切しない。黒板やスクリーンを見ながら、板書やスライドの次の内容を自ら声に出しながら答えていく。生徒が考え発言していくため、集中させることができる。また、ノート記述がないことで、教師の問いかけや話している内容を集中して聴くことができる。
 本研究では中教審答申に則り、アクティブ・ラーニング型の授業を構成した。授業全体を、①教師による説明・生徒との受け答え・生徒同士の対話、②生徒同士による問題演習、③確認問題、④振り返りの4段階に分ける授業過程の工夫を行った。
 これらの手だてを本研究で意図的・継続的に取り入れることで、その有効性を検証していく。

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「教育実践」
生徒が途中式のよさを感じる指導の工夫
~文字式と1次方程式の授業を通して~
南魚沼市立城内中学校
村山 佳宏

 全国学力・学習状況調査の質問紙の結果からも分かるように、数学の授業で問題の解き方や考え方が分かるようにノートに書いている生徒はさほど多くない。途中式を書かずにうっかりミスをしてしまう生徒が多く、Web配信問題を見ても、基本の計算で単純なミスをしてしまい、途中式を見直そうとしない生徒が目立った。
 この課題に対して、日々の授業を振り返った時に、生徒が途中式のよさを感じ、価値を見いだすような指導が不足していたことに気付いた。そこで1年生、文字式と1次方程式の授業を中心に次の2点から課題解決に迫った。
1 設題の仕方の工夫
 一般的には、「次の計算をしなさい」というように解を求めさせる設題が主流である。過去の私の授業も、一般的な設題が多かった。そこで、知識や解法を解説した授業の後に、「途中式を考えなさい」というような、途中式を問う設題を意図的に取り入れる。途中式に意識を向けさせることで、その大切さを感じ、価値気付くだろうと考えた。そして、間違った際、自分の途中式を見直し、問題解決につながるのではないかと考えた。
2 式変形の理由を考える活動の設定
 途中式を考える際に、どうしてそのような途中式を書いたのかを理解する必要がある。そのため、ペアでの説明活動を取り入れる。説明することで、より理解が確実なものになるのではないかと考えた。
 上記の2点を授業で実践していくことで、生徒が途中式の価値に気付き、途中式を生かして計算過程を振り返るようになったかを検証する。

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「教育実践」
ジグソー法を用いた社会的事象の追究
~事象を多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成~
新潟市立白新中学校
山田 耀

 これまで社会科の授業で「ジグソー法」を活用してきた。「ジグソー法」とは、ある課題を解決するために、複数の追求する面を設定し、それぞれを分担して追求した上で、話合いの中で共有、統合することで答えを導き出す手法である。「ジグソ-法」は社会科で不易である社会的事象を多面的・多角的に考える力を育むことに有効である。また、この「ジグソー法」は中央教育審議会(諮問)「初等中等教育におけるアクティブ・ラーニングの取組例」の「ペア学習・グループ学習等の推進」の中で例示されており、現在注目を浴びている手法である。
 これまでの実践で、生徒は社会的事象を多面的に把握し、考えを「広げる」ことができた。しかし、思考の「深まり」については課題が見られた。(ここでの「広がり」とは社会的事象について考える際の“面”が増えること、「深まり」とは社会的事象について考える際の“視点”が増えることとする。)事象について複数の面から考えられるようにはなったが、その考え方、獲得した知識を活用する場面がなかったことが原因の1つとして考えられる。
 そこで本研究では、「ジグソー法」を用いた授業に、多角的に考察する場面として意思決定、問題解決場面を設ける。これにより、生徒の思考に深まりが生まれ、社会的事象を多面的に把握した上で、多角的に考察することができるという仮説を立てた。以下の手法を用いて検証していく。
1 生徒が授業を通して社会的事象に対する見方、考え方をどのように広げ深めたかの変容を追う
 授業前の生徒の見方と考え方、授業中における生徒の発言やノート記述、振り返りを比較することで、手だての有効性を図る。
2 複数の意思決定場面の設定
 実践の中で、意思決定場面を設けるが、1実践目では1つの立場を基にした意思決定場面、2実践目ではそれぞれの立場を基にした意思決定場面を設ける。これにより、両者を比較することで、より子どもの思考が深まる手だてを検証する。
 上記の方法を用いて検証することで、社会的事象をより多面的に把握し、多角的に考察する生徒の育成を目指す。また、「ジグソー法」のより有効な活用につながり、課題解決を図るアクティブ・ラーニングとしての授業改革の実例となるところにも本研究の意義がある。

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「教育実践」
事実の読み取りや解釈を通して思考を深め、自分の言葉で表現できる生徒の育成
~単元の再構成とまとめ活動の位置付けの工夫を通して~
村上市立山北中学校
渡辺 利一

  学習指導要領では、生徒の思考力・判断力・表現力を確実に育むことが重要となっている。観点別評価においても「思考・判断・表現」となっており、思考・判断するためには言語活動(表現する活動)を行わなければ評価もできないことになる。つまり、生徒が机に座って教師の講義を聴いて暗記する授業から、生徒が考え判断し表現する社会科授業に改革していかなければならない。
 そこで、以下の方策を使い、社会科的な思考力・表現力を高める授業のあり方を研究した。
1 単元の再構成
 2単位時間を1つの授業とし、そこに、まとめ活動を位置付け、繰り返し行う。
2 事実の読み取りや解釈の活動
 資料から事実を読み取り、解釈させ、グループ活動により意見を練り上げまとめさせる。
3 まとめ活動の工夫
 立場を変えて考えさせることによって、解釈した意見を整理するとともに多角的に事象を捉えさせる。
 今後も授業改革を進め、生徒の主体的な活動の質と量を確保していくことで、生徒の社会科的な思考力・表現力を高める努力を続けていく。

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「教育実践」
通信機器の問題と生徒の自立に関する一考察
~小・中学生の通信機器の問題の予防・指導の実践を通して~
新潟市立巻東中学校
幸田 真樹

  昨今、パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機を用いたインターネットトラブルが社会問題化している。メールやLINEを利用した言葉によるいじめ、悪ふざけ写真の投稿によるツイッターの炎上、個人情報の漏洩、なりすましによる性犯罪など枚挙に暇がない。しかしながら、通信機器のトラブルは目に見える表面上の部分でしかない。根本は「生徒の自立」の問題ではないかと考える。つまり、トラブルの予防・対処的な指導だけでなく、子ども・保護者・地域が一体となって問題意識を共有し、生徒の普段の生活や子どもの中の常識を考慮した上で、主体的なルールづくりを支援し、望ましい生活習慣を基盤とした「生徒の自立」を支える体制づくりが必要ではないかと考えた。
 次の2点からその解決を迫った。
1 通信機器・ゲーム機の背後にある様々な問題を生徒の普段の生活や常識と照らし合わせ、使用時のルールや危険性を段階的に考える仕組みをプログラムする。
①生徒の携帯電話(所持率37%)、ゲーム機(所持率86%)の状況をアンケートで集計し、その実態を提示し、自分たちの問題点を考え、話し合わせる。
②小学校授業で、中学校現場での実態を伝え、考える場面を設定する。
③通信機器と定期テストの相関関係を生徒に提示し、意識を高くもたせる。
④インターネット普及の歴史的背景(法整備が追い付かない)から「トラブルは起こって当然」という考えをもって、その使い方について学ぶ場を設定する。
2 学校・保護者・地域社会での子どもを支える既存の組織の協力を得る。
①PTA総会や地域懇談会、中学校入学説明会や地区育成協議会で、保護者だけでなく、買い与えている家族(主に祖父母)にも意識を高くもたせる。
②保護者アンケートを実施(生徒は過少申告)し、使用時間を明確にすることで、無駄に過ごした時間の多さを実感し、保護者の困っている様子を伝える。
 インターネットの世界も含め、いつの時代も人はつながりを求めている。今後も「あなたが大切」と心に訴える部分と、目に見える記録を取ること(無駄にした時間を記録する「家計簿」のような「時間簿」)を組み合わせることで、自分の生活を主体的に見直し、友人相互の関係から望ましい通信機器・ゲーム機との付き合い方の支援をしていきたい。

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「教育実践」
アセスメントと指導協力体制構築にもとづく生徒指導のあり方
新潟市立早通中学校
見田 雅史

  生徒指導において発達障害特性をもった生徒が校内外で様々な生徒指導上の問題を起こすことが増えている。発達的な問題や家庭環境など要因は様々であるが、教師や周囲が本人に対して不適切な対応をすることがきっかけとなることも増えている。校内での生徒指導を考えた場合、問題行動の未然防止を含めたチームでの適切な指導や支援を行うことが喫緊の課題となっている。そこで、本実践ではアセスメントと指導協力体制構築に基づく指導の実践を進め、発達障害特性をもつ生徒への適切な指導や支援について迫っていく。
1 生徒に対するアセスメントの実施
 生徒の多面的な理解を図るために複数の教員からの情報を基に次の3つの視点からアセスメントを行った。
①能力面の把握(聞こえ方、理解力、学力)
②リスク要因の把握(問題行動の発生や可能性を増大させるもの)
③保護要因の把握(問題行動の発生や障害の悪化を緩衝させるもの)
2 指導協力体制の構築
 関係する職員が同じ方向に向かって生徒への対応を行うため、適時修正を図りながら次の3点を基に指導協力体制を構築した。
①該当生徒の課題整理
②指導体制の課題整理
③到達目標の設定

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「教育実践」
地域を愛する気持ちを育てる、生徒主体の活動の工夫
村上市立平林中学校
岸 茉由子

  全校生徒数が市内で一番少ない平林中学校。生徒と地域の方々は、よくあいさつを交わし、学校行事にもたくさんの方に足を運んでいただいている。その規模と特性を生かして、今よりももっと地域と生徒が密にかかわっていく活動を工夫した。生徒会執行部が中心となりながら、生徒発信・主体となる活動を実践し、生徒も地域の方々も、「この地域が大好き」と言える姿を目指した。
1 アンケートによる意識調査
 地域行事に参加することへの意欲と、学校行事に参加することへの意欲、またその理由を知るために、全校生徒へアンケートを行った。その結果から、学校行事は全校生徒が一丸となって取り組めるので、非常に意欲的な姿が見られた。一方で、地域行事に対しては、同年代の生徒が少ないことや強制参加であることへの抵抗感から、意欲的ではない傾向が見られた。
 また、本校卒業生である保護者へも協力していただき、生徒へ望むことを調査したところ、ボランティア活動や地域行事への積極的参加を要望する声が聞かれた。また、学年を超えた縦のつながりも、昔と比べると密になっていることが分かった。
 地域行事に参加するには、学校行事のように、同学年の仲間や先輩とともに目標をもって参加し、達成感を味わわせることが大切である。また、強制参加ではなくとも、「中学生として地域に貢献する」という意思をもち、自ら進んで参加する姿勢を育成する必要がある。
2 生徒会執行部主体の、学校と地域の連携活動
 アンケート結果を受けて、生徒が自主的に地域活動に参加できるように、生徒会執行部が中心となり、学校と地域の連携活動を始めた。
 まずは、月1回の生徒会朝会の時間を利用して、縦割り班4名程度で「平中生として地域のために何ができるか」を話し合った。専門委員会の活動に関連することでできることや、専門委員会に限らず平中生としてできることなどを自由な発想で話し合った。ここで出た意見を基に、執行部が代表して各区長さんの基へ伺って、話し合った上で、可能なものから実行し、学校と地域の連携を深めていく。そして、この活動の成果も含め、9月18日に行われる「環境フェスタ村上」において発表し、広く地域へ発信していく予定である。

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「教育実践」
通常学級に在籍する特別支援を要する生徒への対応
~指導連携と保護者対応~
新潟市立上山中学校
髙橋 大輔

  文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(2012)によると、知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒は、推定値で6.5%と報告され、その中の38.6%の児童生徒は支援されていない可能性があることを指摘している。
 当校でも研究の対象となった生徒は障がい傾向により周りの生徒と良好な人間関係を保つことができないばかりか、阻害され排斥されるような状況にあった。また、生徒を通じて周囲の保護者にも学校の様子が伝わり、学校の対応等に対する不満から問題が複雑化し、学級担任一人での解決が困難になった。本研究はこうした事例が生じてから一定の解決がなされるまでの間で、教職員が何を困難として感じたのか(生徒や保護者のクレーム処理できないことへの困難、困難が重なることへの困難、同僚への遠慮からくる困難など)、そして、その時どのような対応をとることで生徒の様子が変容してきたのかを総括し報告することとした。

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「教育実践」
記録に基づいた生徒の対応
新潟市立鳥屋野中学校
五十嵐 勝彦

  様々な発達障がい(発達障がい傾向)を抱え、失敗や問題行動を繰り返し起こしてしまう生徒がいる。そのような様々な生徒への対応がうまくいかず、その後、さらに大きな問題へとつながることも多い。そこで、そのような生徒への対応方法を蓄積することで、その生徒または同じような発達障がい(発達障がい傾向)を抱えている生徒への適切な対応の仕方・働き掛け方を見つけることができないかと考えた。具体的には、以下の3つの取組を行い、その成果を検証した。
1 担任、学年主任、養護教諭、学年生徒指導、生徒指導主事、教頭がその日に起こったことや対応方法、気付いたこと、本人の言葉で気になったことを記録し、蓄積する。
2 1で記録したものを職員同士の共通理解資料として役立てたり、親との面談資料や外部機関への提出資料として活用したりする。
3 蓄積した資料を基に、対象生徒の抱えている悩みや繰り返される問題行動への適切な対応の仕方・働き掛け方について職員間で分析し、共通理解を図る。
 生徒は、成長の中で失敗や問題行動を起こしてしまう。そこで、蓄積した記録を教師が常に振り返り、生徒の言葉や行動の傾向を確認したり、対象生徒が考えていることを推測したりすることで、その生徒に合った声の掛け方や適切な対応の仕方が分かるようになってくる。こういった一連の取組が、問題行動への予防につながり、同じ失敗や問題行動を減らすことができると考える。

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「教育実践」
学び合い活動を通した、豊かな心を育む道徳教育の工夫
五泉市立川東中学校
鈴木 隆士

  当校では「心豊かな生徒の育成」を目指して、いじめ防止学習プログラムを自校化した「PEACEメソッドカリキュラム」を中核にした教育課程を編成している。各学校行事に連続性をもたせ、感動体験できる場として活動内容を設定し、自己有用感を高めていくためのプログラムである。カリキュラム導入6年目を迎え、生徒の実態や身に付けさせたい能力を精査し、改善と工夫を加えながら進めている。
 一小一中という環境により、人間関係が固定化している。研究対象の学年は、入学時から粗暴な言動の生徒が数名いる集団である。こういった背景から、他人の気持ちを考えない言動や小さな人間関係のトラブルがある。また、苦手とすることに対して強く抵抗を示す集団である。そこで、私は本校のカリキュラムに道徳授業を位置付けた。「地域への感謝」を大きなテーマとした授業を行事前に取り入れ、効果的な学び合いを行うことで、生徒の自己有用感の向上を図った。
 次の2点を重点に置き、より豊かな心の育成を図った。
1 道徳の授業を位置付けた全体計画の作成
 6つある中心的行事に合わせて事前に総合や学活とも関連させて、道徳の授業を位置付ける。これにより、生徒はより確かな目的意識をもって行事に主体的に取り組むようにさせる。
2 効果的な学び合いを行うための環境の整備
 学習ツール(エンタくん、ホワイトボード)
 語り(地域の方や高校生との連携)
 学び合いを充実させるために教科における指導を工夫する。地域コーディネーターや、卒業生との連携を図ることで、様々な人の思いに触れさせていく。

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「教育実践」
中学校における授業改革を目指した職員研修の取組
新潟市立小須戸中学校
古市 茂

  「何を追究するのか」を生徒が意識できるとともに、授業の終末においては「何を学んだのか」も自覚できる授業を目指して、無理なく継続した取組が進められるよう、職員研修の内容を工夫してきた。その実践について述べる。
【取組の具体例】
1 職員が授業改善の研修へ取り組みやすくするための環境整備
2 職員が何のために研修するのかを考え、思いを共有するためのファシリテーション
3 職員が疑問を解決したり、新しい考えや方法を共有したりするための研修会の設定
4 職員が教科の壁を取り払い、継続した研修を進めるためのチーム編成の工夫
5 職員が教科や経験の差を埋めて検討できる協議題の設定
6 職員に生徒との放課後活動を補償する20分ファシリテーションの実施
7 生徒・教師による学校評価の実施と結果(成果と課題)の共有
【取組による成果】
1 「学習課題」と「まとめ」を取り入れた授業改善が進んできた。
2 課題解決のための「かかわり合い活動」を行う授業が増えてきた。
3 授業改革に対する職員の意識変化が進み、授業をつくる観点が全職員で共有されてきた。
4 3によって教科の枠を越えた授業検討が可能になった。
5 普段から教務室での授業の話題が多くなった。
【取組による課題】
1 各教科で身に付けるべき力を明確にした「ねらい」や「まとめ」の設定を工夫する。
2 学習のねらいに向かうような「かかわり合い活動」を位置付ける。
 研修会などでは、何よりも職員がよい表情でグループ協議を行う姿が見られ、短時間の検討が可能になった。また、様々な教育活動でも、抵抗なく生徒にファシリテーションの手法を取り入れた活動を展開している。
 また、生徒の意識調査からも、授業が変わったことを実感している生徒が多いことが分かった。それらを再び全職員で共有、検証しながら、更に生徒の成長につなげられるように研修を推進している。

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「教育実践」
「生徒が学ぶ」学校を目指し、「省察」-「実践」-「創造」を経て、新たな教育課程の編成
胎内市立中条中学校
野澤 一吉

  私が、平成28年度に赴任したその年は、創立70年目に当たる。当校は、以前、生徒指導上の問題を抱えていた。生徒を学校の教育活動に意欲的に参加させるために、生活規律やいじめ・不登校の予防や対策、そして、学校生活に意義を見いださせるために部活動の指導が中心であった。その成果が表れ、生徒は、教育活動に積極的に取り組み、特別活動など、生徒が活躍する場面が多くなった。私は、これまで教職員の指導が効果的であり、保護者の協力もあり、素直で向上心のある生徒により、安定した教育が実現できていると考えた。
 少子高齢社会、科学技術の進展、地域創生の時代を生き抜く生徒たちは、教育者である私たちの想像もできないほどの課題に正対することになる。したがって、私は、教育者が主導して、生徒が、考え、行動すべきことを示唆することだけではなく、生徒自ら気付き、考え、判断し、実行する教育活動を系統的・組織的に行うことにより、真の「生きる力」を身に付けさせる必要があると考えた。
 そこで、当校創立の節目の年、次期学習指導要領を見据え、平成28年度と平成29年度で、当校の教育活動の成果を実践しながら検証することにした。そして、平成30年度から、「生徒が自ら学ぶ」新たな教育課程の基で、「中条中教育」をスタートさせる。
 教育課程を編成する視点は、次の2つである。
 「教師の意識変革」と「生徒が学ぶ活動」の実現である。

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「教育実践」
閉校に向けて
~ひまわりプロジェクトなどを通して~
南魚沼市立大巻中学校
村山 勉

 大巻中学校は、平成30年3月末で閉校し、4月から近隣3中学校が統合し、新制中学校がスタートする。
 地域から温かく支援をいただいてきた70年以上の歴史を閉じるに当たり、生徒、保護者、地域住民とかかわり、地域の中学校としての存在感を示しながら、閉校に向けた取組と、新制中学校移行のための準備を進めている。
1 閉校に向けた取組
 平成27年度から、地域のシンボルであり、校章のデザインにも使われ、校歌の3番でも唱われている「ひまわり」を、保護者、地域の協力を得ながら校舎周りに増やす活動を始めた。
 ひまわりを地域に咲き誇らせ、中学校をいつまでも心に留めて置いてほしいこと、中学校がなくなっても、地域と子どもの応援のシンボルとして地域に咲かせ続けたいという願いを込めている。
 「ひまわりプロジェクト」と名付けたこの活動を3年の計画で進めている。
2 新制統合校の準備活動
 統合校の準備組織として教職員協議会がある。30年度の開校とともにスムーズに教育活動がスタートできるよう、統合する3中学校の全教職員が教育課程づくりに参加している。また、並行して、交流活動などを進めている。

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「教育実践」
学習意欲を高める体育授業
~役割を明確にし、ポジションと動きを仲間と共有しながらゲームを楽しむバレーボール~
三条市立本成寺中学校
泉田 靖雄

 保健体育の授業で私は、その楽しさを体感し意欲的に取り組むようになり、「またやりたい、もっとやってみたい」と夢中になって体育に取り組もうとする生徒を育成したいと願っている。私は、そこから一人でも多く保健体育が好きだという生徒を増やしたい。そこで、私はまずは球技でその可能性を見出そうとして実践した。
 バレーボールは、得意、不得意がはっきりと分かれる。不得意な理由として、技能が不十分であること、ミスをしたときにチーム全体に迷惑がかかり、不安になることが考えられる。
 バレーボールは、ネットを挟んで分かれたチームが、状況判断しながら、ボールをつなぎ、相手コートにいかにボールを落とすかを競い合う種目である。これまでの私の実践では、チーム内で遠慮をしてボールに触れなかったり、ゲーム中の動きが不明瞭で戸惑いながら動く生徒がいたりした。そこで、長く続いたラリーを味わうことでチームとしての一体感が増し、グループ全体で喜び合い、より一層授業に夢中になる姿を目指す。
 本研究では、1年生のバレーボール単元において、ラリーを続けるためにグループの仲間の「思考をつなぐ」ことを目標とし、次のような手立てを行った。
1 チーム内の役割の明確化
 バレーボールは、レシーバー、セッター、アタッカーの役割が責任を果たすことで、コート上で動きやすくなり、連携したプレーができるようになる。そこで、チームの状況に応じ、コート上にいる4人の配置を考え、役割をはっきりとさせることで、分担した役割を果たす意欲をもたせた。
2 作戦ボードを用いた動きの視覚化
 触球の順番、難しい位置への返球に対するカバーリングを視覚化することで、生徒たちの動きがよりイメージしやすくなり、思考のつながりが発生するよう取り組んだ。
 また、仲間との関わりにおける賞賛や激励の発言を促すことで、受容的な雰囲気づくりを目指した。

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「教育実践」
ライティング指導における効果的なフィードバックの在り方
聖籠町立聖籠中学校
杉﨑 勝彦

 1 研究主題設定の理由 
ライティング指導においては教師が添削指導に多くの時間を費やすものの、生徒のライティング力が高まった・効果があったと実感することがない。理由として、生徒が書く時点とフィードバックを受ける間には時間差があり、生徒の記憶力が薄れていることと、教師サイドで改訂方法をすべて指示するので生徒が再考する必要がないことが挙げられる。この状況を踏まえて、以下のようなフィードバックをすることで、生徒はまとまりのある文章を読み手や書く目的を意識して書くことができると考え、本主題を設定した。
2 研究仮説  
生徒がモデリングから獲得した「構成」「内容」「言語」を参考にしながら書く練習タスクを設定し、評価基準表を基にピア・フィードバックで改善の方向を明らかにし、ティーチャー・フィードバックを与え、修正したり加筆したりすれば、生徒はまとまりのある文章を読み手や書く目的を意識しながら書くことができるであろう。 
〈フィードバックの在り方〉
①ピア・フィードバック
ピア・フィードバックを行うことによって生徒は読み手を意識し、生徒同士で生徒の目線からアドバイスを与え合っていくことで、書く意欲を高めることができる。また、コメントする際は2stars and a wish(2つの良い点と1つの改善点)の双方を指摘するように指導する。グループ構成も工夫する。
②テイーチャー・フィードバック 
各生徒に応じたフィードバックを授業内で行う。直接的フィードバックとは、主に生徒の書いた文章での使用語彙や文構造などの誤りに対して直接修正を与える方法である。低学力層の生徒に効果的である。一方、間接的フィードバックは、誤りに対して下線を引いたり、あらかじめ定めた記号等を書き込むことで、生徒が自分で考えて誤りを発見し、修正していく方法である。

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「教育実践」
「書くこと」の表現力向上を目指した指導の工夫
~バックワードデザインによる単元計画とルーブリック評価の活用~
燕市立吉田中学校
星 康司

 英語学習で大切なことは、コミュニケーション能力の育成だと考える。しかし、これまでの自分自身の指導を振り返ると、教科書の題材や文法について教えることが多く、生徒に自信をもって英語を使わせるための態度やコミュニケーション能力の育成の指導が不足していた。そのため、生徒に英語を使うことの成就感をもたせることができなかった。
 この課題に対し、本研究では、「書くこと」の表現力向上に目標を絞り、次の2点からその解決に迫ることとした。
1 バックワードデザインによる単元計画
 まず、単元のねらいを踏まえてゴールとなる目指す生徒像を設定する。次に、評価の観点と課題を決めて、それを生徒にも知らせる。教師は、ゴールに基づくシラバスを考え、スタートまでさかのぼって指導する内容や方法を計画する。事前に評価基準や課題を決めて、生徒と共有して学習を進めるという点が、これまでのスタートからゴールまでを示した単元計画とは逆向きである。こうすることで、生徒自身が単元の目標と現在の自身の学習到達度を比べながら、目標達成に向けて課題に意欲的に取り組み、コミュニケーション能力の向上につながると考える。
2 ルーブリック評価の活用
 単元の最初に、生徒に評価規準と基準をルーブリック形式で明示する。その単元のゴールが明確になり、生徒の自律的・主体的な学びにつながると考える。さらに、生徒が毎時間、課題の自己評価をすることが可能となるとともに、教師がコメントや添削などで課題や活動に対し、形成的評価を行うことができるので、学習の成就感が高まると考える。
 今後も、コミュニケーション能力の育成のための効果的な指導の在り方を考え、工夫し、実践していきたい。

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「教育実践」
W型問題解決モデルを用いた生徒の表現力を育成する指導の工夫
胎内市立中条中学校
長谷川 直紀

 W型問題解決モデルとは、文化人類学者の川喜田二郎によって考案された問題解決の手法であり、生徒の活動を思考レベルと経験レベルの2つに分け、「観察」と「実験」の2段階で問題解決を行うものである。これまでの自分の授業を振り返ると、1つの学習内容に対し解決のための活動を1回の観察または実験で進めていた。これに対しW型問題解決モデルをもとに、事象の性質やしくみを把握するための「観察」と、「観察」で獲得した知識をもとに仮説を立て検証する「実験」の2段階に分けて授業展開を見直し課題を設定した。このモデルの活用を通して「観察」の段階で獲得した情報をもとに,生徒自身が課題を自分のものとして捉えた「実験」を行うことができた。
 また、本研究ではレポートの考察欄の記述が生徒の科学的な見方や考え方を最も表出させる部分であると考えた。そこで、レポート指導においては、考察欄に実験結果を根拠として記述し、課題と正対した結論を記述するように指導した。
 研究の結果,実験レポートの考察欄の記述に生徒の表現力の高まりが認められ、W型問題解決モデルの有効性を実証することができた。

<参考文献>「発想法」/川喜田二郎.中央公論社.1967
<参考文献>「W型問題解決モデルに基づいた科学的リテラシー育成のための理科教育に関する一考察―問題の把握から考察・活用までの過程に着目して―」/五島政一・小林辰至.理科教育学研究 vol.50.№2.2009

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「教育実践」
理科におけるグラフ読解能力の育成を目指して
~中学校1年「溶解度」の学習で用いられる曲線グラフと棒グラフによる複合グラフの読解に関する事例研究~
五泉市立山王中学校
荻野 伸也

 本研究は、溶解度の学習などで用いられる、曲線グラフと棒グラフの両方が記載された複合グラフの読解能力に関して調査・分析を行ったものである。
  一般的に生徒は、溶解度曲線などの複合グラフに関する読解が困難な実態がある。読解を困難にする要因として、棒グラフや溶解度曲線の意味理解が不十分であることなど5つの問題点が影響している。
  そこで、問題点の解消をめざし、中学校1年生「水溶液」の単元での指導法を3年間で改善を加えながら考案し、授業を実践した。取り入れた手立ては、実際に溶解度曲線を作成する活動や、複合グラフの説明時は溶解度曲線で区切られた領域に着目させるなど4点である。
 授業実践後、実態調査で用いた複合グラフ問題4問で検証した結果、全問正答率は1~2か月後でも高い正答率を保ち、実践した手立ての効果が立証された。また、グラフ読解能力が向上したことにより、生徒のグラフに対する意識も改革できる可能性も示唆された。

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「教育実践」
科学的な思考力・表現力を高める理科指導の在り方
~他と関わり合いながら学び合う授業を通して~
小千谷市立小千谷中学校
篠田 英

 これまでに私は、科学的な思考力・表現力を育成する手立てとして、生徒の興味関心を惹くような導入を取り入れたり、五感に訴えるようなインパクトのある実験を取り入れたりするなど、「教材」ばかりに焦点を当てすぎてきた。そこで今回の研究では、それに加えて生徒同士の学び合いや関わり合いを意図的に仕組み、様々な交流・意見交換を通じて自分の考えを深化できるような授業構成を考え、実践した。
 具体的には、新潟県中学校教育研究協議会が定めた「学び合い10」の中の、「ア.根拠をもとにした予想理由の検討」と、「イ.結果をもとにした考察の意見交換」の2つを手立てとして焦点を当てた。
 アは1学年の『身のまわりの物質』の中の小単元「物質の状態変化」、イは2学年の『動物の世界』の中の小単元「消化と生命を維持する仕組み」の授業の中で実践し、生徒の科学的な思考力・表現力の更なる向上を目指して、本研究に取り組むこととした。

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「教育実践」
生徒の主体的な学びを促す授業の工夫
~複線型の追究を通して~
佐渡市立両津中学校
堀 喜代子

 理科では、興味・関心をもって主体的に学ぶことが学力向上に大きく関わると考える。「好きだ」「おもしろい」という気持ちは大切だが、さらに強い目的意識をもち、自ら進んで観察・実験に関わり、探究しようとする生徒を育てることが必要である。課題に対して、生徒同士が関わり合い学び合うことが、自ら学ぼうとする気持ちをさらに強くするのに有効な方法である。生徒に、学習意欲を継続させ、自ら進んで観察、実験に取り組む姿勢を身に付けさせるため、次の手立てを講じた。
1 複線型の追究をさせる
 課題に対して、それを検証するための実験を考え、同じ計画を立てた生徒同士でグループを編成し、計画から実験までを行う。多様な実験を行うことができ、それに伴って異なった視点からの発表を聞くことができることで理解を深める。
2 関わり合って学ぶ場の設定
 同じ考えをもつ生徒同士でグループを作って実験を行ったり、それぞれのグループで交流・検討させたりすることで主体的な学びを促す。また、それぞれの実験で出た結果をまとめることで複線を収束させ、学習に対する達成感と知識の定着を図る。
 実験を生徒が考えた計画の基に多様な方法で行わせること、また、同じ計画を立てた生徒同士でグループを再編成することで、より実験計画・実験・考察・発表の過程を協力して行えるようにした。その結果、実験の操作確認や結果をまとめる場面で互いの意見を交換したり相違点を指摘し合ったりするなど意欲の向上が見られた。さらに、実験結果をクラス全体で共有する学び合いから、新たな課題を見つけ主体的に追究活動を継続する展開も生まれた。

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「教育実践」
生徒自ら分析し解釈する力を高める理科指導の工夫
~定性実験における表づくりの在り方と活用方法~
十日町市立十日町中学校
大矢 晃三

 1 課題設定の理由
 中学校学習指導要領理科編では、教科の目標として「『科学的に探究する能力の基礎と態度を育てる』ためには、自然の事物・現象の中に問題を見いだし、目的意識をもって観察、実験などを主体的に行い、得られた結果を分析して解釈するなど、科学的に探究する学習を進めていくことが重要である。」と示されている。
 私のこれまでの指導では、実験や観察に対してとても意欲的に取り組むが、目的を理解せずただ実験を行っているという実態が少なからずある。そのため、得られた結果をもとに考察することができず、同じ班の生徒の考察を書き写したり、未記入だったりする生徒がしばしば見られた。また、定量実験では、得られた結果を表にまとめ、グラフ処理し、そのグラフから傾向を考察することは比較的容易であるが、定性実験において複数の結果が得られた場合、どことどこの結果を比較して考察したらよいのか悩む生徒が多く見られた。そこで、定性実験において生徒自身による表づくりの在り方と活用、そしてそれを活かせる教材を研究し、自ら分析し解釈する生徒の姿を目指した。
2 解決の手立て
(1) 生徒自ら考察を進めていくことのできる表の工夫と活用
 生徒が自ら実験結果を分析し解釈するため、どの条件下での比較なのか、そこから何が分かるのか、というポイントを明確にして実験を進めるようにした。このポイントを考えることで、実験の見通しをもつことができる。また、どのような表にまとめるのが良いのか吟味し、工夫することで、結果を比較して考察しやすくなる。その結果、分析し解釈するための見通しが明確化されると考える。
(2) 結果の妥当性を高めるための教材の工夫
 中学校理科の定性実験では、「反応した」もしくは「反応しなかった」という両極な結果が得られることが多い。事象をより科学的に探究させるためには、両極のみならず、複数の条件下で得られた結果を総合的に考察することで、解釈する際に多くの比較がうまれる。さらに、複数の条件による比較によって結論の妥当性が高まると考える。
 以上のような手だてにより、自ら分析し解釈する生徒の育成を目指して研究を進めた。

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「教育実践」
アクティブラーニングによる化学反応における粒子概念の形成について
長岡市立小国中学校
長束 貴英

 生徒の科学的な概念の形成にあたっては、興味・関心を高める課題提示や事象の観察によって問題を見いだし、生徒が能動的に取り組むことが重要である。生徒の能動的な取組は、継続して意欲をもち続けることで効果的に問題解決に必要な資質・能力を獲得しながら概念の形成を図ることが期待できる。
 これは、国立教育政策研究所が示す「21世紀型能力」の育成に大きく関わると考える。しかし、理科が苦手な生徒にとって、自ら問題を見い出し解決を図る学習はやや抵抗がある。そこで、本研究ではアクティブラーニングの考えを基に、以下の4点を指導過程に導入する。これにより、どの生徒にとっても能動的な取組を可能にし、概念形成を図ることを狙った。
1 単元を貫く課題の設定
 「化学電池はどうして電気を起こすことができるのだろうか」を明らかにすることを単元の課題に設定し、最後まで目的に向かって学習できる学習過程を保証した。
2 イメージマップによる問題解決の過程の視覚化
 単元導入時に提示した現象から、化学電池の仕組みの解明に必要と考えられる実験や疑問をイメージマップの形式で記録させた。個々のイメージマップは、班で集約することで精選され、実験計画も具体的に立てることができる。実験によって明らかになったことや新たな疑問を書き足していくことで、各グループの進捗状況を確認し、情報を学級全体で共有することができる。単元の学習中は常に理科室に掲示し、いつでも誰でも見ることができるようにした。
3 実験の複線化と情報の共有
 観察・実験の方法は、自由度をもたせて各班で検討させた。その際、他の班の生徒と意見交換をする機会を設定することで新たな視点に気付き、班で再検討する必要性を醸成する。結果についても同様な機会を設定した。
4 時間の保証による連続した問題解決の過程
 一年間を通して50分×2の2コマ連続した時間割で理科の授業を行った。このことによって、生徒は一つの実験について予想・仮説を基に計画を立て、実験を行い、結果を整理、考察し、結論を導出することができ、生徒の意識が途切れることなく解決へと向かうことができる。
 本研究では、これらの手立てが粒子概念の形成に有効であったかを検討する。また、他単元へ汎用化できるよう研究を進めたい。

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「教育実践」
化学変化における定量的な思考力を高める指導の工夫
~2年「化学変化と原子・分子」の単元を通して~
湯沢町立湯沢中学校
長谷川 大輔

 本研究は、単元「化学変化と原子・分子」の実践を通して進めるものである。実験を多く行うため、意欲的に授業に取り組む生徒は多いことが予想される。しかし、実験そのものに興味・関心をもつことができても、その結果をまとめたり結果から考察を導き出したりすることについて苦手意識が生じることも考えられる。特に、化学変化を定量的に考えることについては、その傾向が強い。その理由は「粒子の反応自体が目に見えないため、数量として捉えにくい」、「定量的に事象を捉える経験が少ない」などが考えられる。これらの課題解決のため、以下の手立てを講じる。
1 単元を通して化学変化の量的な変化を考える場を設定する。
 単元の中には、質量保存の法則や定比例の法則についての定量的な視点が求められる実験も含まれる。しかし、急にそのような視点が求められることを苦手とする生徒が多いことが予想される。そこで、単元を通して質量の変化に注目するという見方を与えながら進める。
2 量的な関係を考える際に、理論値と反応量による考え方を示す。
 定量的な考え方をする際、計算をして答えを導き出すことが求められる。計算方法がわからずに答えを出せない生徒も多い。そこで、理論値と反応量の考え方を共有し、計算方法を定着させる。
3 視覚的に粒子をイメージさせるための工夫を行う。
 目に見えない粒子を視覚的にイメージするために、原子カードやプラスチック球を用いたモデルを活用して授業を進める。同時に、原子量の考え方をゲーム感覚で覚える活動も行う。
4 より正確な値が出るように実験方法を検証する。
 化学変化において定量的な実験を行うことは意外と困難である。特に、定比例の法則についての金属と酸素の化合の実験では反応がうまく進まないことがある。そのため、加熱の程度や試料の質量を予備実験で検討しておく。
 以上の手立てを用いることで、化学変化における定量的な思考力を高めることにつなげていく。

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「教育実践」
三角ロジックを活用した説明する力の育成
新潟市立濁川中学校
坪川 淳助

 当校では,全国学力・学習状況調査の数学Bの「理由を説明する」内容の改善が課題となっている。
 そこで,本研究では次の手立てを講じ,数学的な表現を用いて筋道立てて説明できる生徒の育成を目指し,実践に取り組んだ。
1 三角ロジックを活用する
2 「事実」と「理由づけ」を明確にする
3 伝え合う活動を設定する
 実践では,個人の考えを整理する場面,生徒同士が互いの考えを伝え合う場面の両方で,「事実」と「理由付け」を明確にするためのツールとして,三角ロジックのワークシートを活用した。また,自分の考えを説明する活動を効率的に進めるため,「事実」と「理由づけ」の内容に焦点化して,伝え合う場面を設定した。
 生徒同士の伝え合う活動を設定したことで,相手を納得させるための説明をする必然性が生まれ,生徒の主体的な活動が促された。また,活発な交流を通して活動意欲も喚起されたことが成果である。
 一方,「事実」「理由付け」が混在した記述のままの生徒も少なからずいた。「事実」と「理由づけ」を明確にできなかった生徒に対する支援をどのように展開していくか,生徒が自分の力で区別できるようにしていくために必要な手立てを探ることが,課題である。さらに,他の学年、他の単元でも繰り返し実施していくことを通して、今後も実践を継続していく。

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「教育実践」
基礎的な知識・技能を定着させ、説明力を向上させる指導の工夫
~「間違い探し」を取り入れた授業を通して~
加茂市立加茂中学校
髙野 有弘

 今までの私の指導を振り返ると、「数と式」の領域の指導において、基礎的な技能の定着のために、類題を何題も解かせている。中位や上位の生徒には、定着が期待できるが、低学力層の生徒にとっては、自力解決が難しく、問題数が多いことで解くことが苦痛になり、数学嫌いにさせていたように感じる。また、間違いやすいポイントについては、ただ説明を聞いただけでは自分で考えていないことが多いので、定着が期待できない。そこで、低位の生徒に、もっと主体的に学習に取り組ませ、基礎的な技能を定着させる方法はないかと考えた。
  本研究では1年生の1次方程式の単元で、次の手立てを講じて授業を行った。
1 生徒がよくやってしまう誤答を取り上げてそれを生徒自らが修正する活動(間違い探し)を行う。
2 協同学習(個人→ペア→班→全体)を行う。
  手立て1については、次のように考える。解答全体が最初から与えられおり、「その中に間違いが1カ所ある」ということがはじめから分かっているので、低位の生徒でも取り組みやすい。自分の間違い例ではないので、安心してどこが間違いなのか探していくことができる。生徒が自分で気付き、考えて誤答を修正することができれば、間違いポイントを自分で整理していくことになるので、定着することが期待できる。
  手立て2については、次のように考える。 自力解決が困難な生徒もペアでかかわり、教えてもらうことで、取り組みやすく、授業に参加しようという意欲を引き出すことにつながる。また、自分の解答や説明に自信のない生徒は、周りの生徒と確認することで、自分の解答や説明に自信をもつことができる。班学習では、ペア学習で解決できなかったことを他の生徒に教えてもらうことができる。班で発表の準備を進めることで、自信を持って全体発表することができる。
  授業実践後、レディネス問題と評価問題の「正答率」と「無答率」の変容を調べ、ワークシートの記述や発表の様子から生徒の変容を調べた。正答率は上昇し、無答率は減少した。また、低位の生徒でも自力解決しようとする様子が見られたり、協同学習を通して、自信をもって発表したりしている姿も見られた。

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「教育実践」
生徒が問いをもち主体的に学びを深める授業
~「ずれ」が生じる教材提示を通して~
新潟市立上山中学校
田村 友教

 本研究は、生徒から問いを引き出し、その問いから学習課題を設定することで、生徒の主体的な学びを深めることをねらった授業実践である。生徒から問いを引き出すために、私は生徒の中に認識の「ずれ」を生じさせる教材提示を行うことが有効であると考えた。ここでいう「ずれ」を、私は次の4つの様相に分類する。
(ア) 事象と自分の認識とのずれ
(イ) 他者の認識と自己の認識とのずれ
(ウ) 事象と定義・定理とのずれ
(エ) 自己の認識と定義・定理とのずれ
このことを踏まえ、研究仮説を「『ずれ』が生じる教材を提示し(手だて1)、その『ずれ』に着目させることを通して、生徒から問いを引き出して学習課題を設定する(手立て2)ならば、生徒は主体的に学びを深めることができるであろう。」とした。
  そこで、「垂直二等分線は2点から等距離にある点の集合である」という垂直二等分線の性質を、生徒に気付かせる場面で課題提示を工夫した。
  教科書では、ひし形の性質を根拠として垂直二等分線の作図方法を導き出している。このことにより生徒は、線分の両端の点A、Bをそれぞれ中心として、等しい半径の円をかき、この2円の交点を通る直線を引くことで作図方法を獲得することになる。
  私は、生徒の学びを深めるために、さらに垂直二等分線の作図において、ひし形を利用して典型的に作図できる場面から、意図的にひし形が利用できない場面に変更(場面変更)した。
このことにより、生徒は事象と自己認識との「ずれ」に直面し、どうしたら垂直二等分線を作図できるだろうかという問いをもつことになる。この問いを学習課題に設定し、様々な作図方法を検討する中で垂直二等分線の性質の意味理解を深めた。
  この学習を通して、生徒は垂直二等分線の性質を利用して様々な問題を解決できるようになった。また他の実践からも、生徒に認識の「ずれ」を生じさせることにより、より一般性のある考え方に高め、数学的知識・技能の意味を獲得させることができた。今後も継続して研究を進めていきたい。

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「教育実践」
証明の意義を実感させる手立ての工夫
長岡市立旭岡中学校
木村 哲

 一般的な生徒の傾向として、黒板に書かれたことはノートにしっかり書き、問題練習にも熱心に取り組む。そのため、ほとんどの生徒が問題の解法を覚え、それを使って解くことはできる。しかし、その解法はどんな原理を使っているか、或いはその解法を使う良さについて答えることができない生徒が多い。このように、生徒は「なんで数学を学ぶのか」「数学を学ぶとどのようないいことがあるのか」というような数学を学ぶ有用性が分かっていない場面が多く見られる。
 全国学力・学習状況調査では、「証明で用いられている図形が考察対象の図形の代表であること」に関する問題が数多く出題されているが、一般的に正答率が低い。そのため、従来の指導では証明の考察対象の図形についての理解が不足していると考えられる。                                                           
 この課題に対して2年生の図形の証明の初期指導における教科書での取り扱いは、すでに条件に合う図が与えられている問題ばかりであり、条件に合う図の作図から導かれることを予想してそれを証明する問題はほとんどない。私の従来の指導でも、辺の向きや角度が教科書にかいてある図とほぼ同様の図を1つだけ作図させた後に、結論をこちらから与えてすぐに証明に取り組ませていた。そこでこのような現状に対して、次の2つの手立てを取り入れることで、証明の考察対象の図形についての理解が深まると考えた。         1 条件に合う図が無数にあることを認識する活動。   条件に合う図を1人1人に複数かかせ、他の人がかいた図も全体で確認する活動を取り入れ,条件に合う図が無数にあることを認識させる。         

2 条件に合う図の場合でのみ例外なく結論が成り立つことを認識する活動。例外なく結論が成り立つのは、仮定を満たす図においてのみであることを認識させる。これらの手立ての有効性を検証した。

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「教育実践」
算数と数学の接続に関する研究
~関数領域の指導に焦点を当てて~
新潟市立白新中学校
石田 勇弥

 小学5年から中学1年にかけて、繰り返し「比例」の単元を学習するが、小学校から中学校への接続には大きな困難性がある。それは、中心として扱う性質が大きく異なるためである。小学校では「変化」、中学校では「対応」の性質を中心として扱うために、生徒に思考の飛躍が生じていると考える。そこで本研究では思考の飛躍を生まないために、以下の手だてを行った。
 接続をスムースにする単元構成と実践の提案
 表→式→グラフの順で指導を展開するのが一般的だが、本研究では表→グラフ→式の順で単元を構成した。グラフは値の変化の様相を直観しうる表現でもあり、 座標の点はxとyの対応を表した表現でもある。つまりグラフは、変化と対応の両方を意識させることができる表現だといえる。グラフから学習することで変化から対応(=式)へのスムースな移行を図った。
 実践を通して、自然と変化の見方から対応の見方へシフトできたことは成果として挙げられる。しかし、式に定義する際に、新たな困難が生じることが明らかとなった。そのため、よりスムースに移行できるような手だてを再考する必要がある。今後も理論と実践を往還することで、関数領域の指導の在り方を追究していく。

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「教育実践」
自分たちの地域と比較・関連させ理解を深める地理学習の工夫
見附市立南中学校
桶谷 圭介

 中学校の地理学習において、地理的事象を意欲的に追求し、地理的特色の理解を深めるには、自分自身の生活や地域での生活を見つめ直す取組が必要である。そこで、日本の諸地域を学習する際に、地理的事象を生徒の生活と比較、関連させることにより、生徒にとって身近な地域教材として意欲的に追求できるのではないかと考えた。今回の授業は九州地方の学習で桜島を取り上げ、桜島が作り出す自然環境が人々の生活にどのように影響しているのかを追求テーマにして、単元計画を作成した。生徒が住む見附市の生活と比較・関連させることにより、九州地方の地域的特徴だけではなく、自分自身の生活や見附市での生活を見つめ直し、自分の生き方を考えてほしいという願いを込めた。その学習過程の中で、九州地方の地理的特色を見附市と比較・関連させながら、より深く理解できると考えた。
 以上のようなことから、授業実践を行う中で、工夫をした手立ては次の2点である。
1 単元構成の工夫
①桜島がもたらす自然環境を中核に据え、自然環境と人々の生活を学習する上で、生徒たちが住む見附市と比較させることで相違点や共通点を意識させる。生徒の生活と関わらせることは、学習を深める効果があると考える。
②生徒にとって学習内容をより身近に感じさせ、追求意欲が高まるように、鹿児島市で生活する人に、授業で生まれた疑問を質問する場面を設定する。現地の人の話を聞くことで、暮らしと自然環境をより密接に関わらせたい。
2 生徒の見取りと教師の働き掛け
①授業の終末には学習のまとめと疑問を書くように意識付け、生徒の問いに沿うような柔軟な単元構成を心掛ける。
②3~4人の班で考えを交流した意見や疑問を全体で共有する場面を設定する。
 生徒は、桜島がもたらす自然環境が人々に噴火などの災害や農産物や温泉などの恩恵を与えることを理解した。その中で、桜島の生活と見附市の生活を比較することで生まれた疑問を桜島ミュージアムの職員にスカイプを通じて質問をした。その回答によって、さらに理解が深まったり、また新たに考えたことを班やクラスで共有したりすることで、自分自身の生活や見附市での生活のことを改めて見つめ直すことができた。

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「教育実践」
資料の比較・検討を通して思考力を育成する授業づくり
~地域史を活用して~
長岡市立青葉台中学校
廣瀬 貴久

 生徒が歴史学習に意欲をもてない要因の1つとして、歴史的事象を自分の生活と結び付けて考えることができない場合が多いことが挙げられる。歴史的事象を少しでも具体的にイメージできるように身近な地域史を活用することとした。身近であるがゆえに生活経験との結び付きが図られイメージしやすくなる。その際、既習事項との結びつきや難易度を考慮し、生徒の興味・関心を高められるように、また生徒が考えやすい学習状況を整備できるように工夫を行った。
 学習指導要領においても地域史の活用は重視されている。また他に重視されていることの一つに、時代の特色を捉える学習がある。単元構成にしっかりと組み込み、時代の特色を捉えることができるような学習課題の工夫が必要である。
 以上のようなことから、地域の歴史を考えるなかで時代を捉える授業実践を行った。手立てとして工夫した点は次の2点である。
1 「情報カード」と「地図資料」を使った地域教材の開発
 発掘成果や地域史の事実を「情報カード」に整理した。生徒が情報の比較や関連付けを行いやすいように、情報カードは小分けにして配付し操作できるようにした。教師が意図をもってエリアを分けた「地図資料」を配付し、生徒が地理的な視点ももって歴史的状況を考えられるようにした。
2 学習課題の工夫
 原始・古代単元の実践では「どのあたり(どのエリア)に人は多くいたのだろう?」、中世単元の実践では「どこ(どのエリア)が栄えていたのだろう?」という学習課題を設定し、思考活動の出発点とした。選択性があり、複数の考えが表れ、地域を地理的・歴史的に俯瞰せざるをえないような質の課題を設定した。全員が情報カードを根拠としてエリアを選択することになるので、低学力層の生徒でも考えを書くことができる。また、エリア分割によりそれぞれの地域性を考えやすくなったことにより、情報の読み取り方(どう解釈し、比較し、関連付けるか)によって、複数の考えが生じる課題でもある。
 上記2つの手立てを講じ「原始・古代」「中世」の単元で授業実践を行った。地図上で情報カードを操作できるので、生徒は情報を比較・検討しやすい状況がつくられた。情報カードを根拠として一人一人の考えが構成され、また班活動においても比較・検討の根拠は情報カードであり、それぞれの捉えを悩みながら迷いながらも活発に話し合う様子が見られた。実践を通して、生徒は全国史とのつながりを感じ、歴史を身近なものとして捉え、地域の歴史の様子を通して時代を捉える姿が見られた。

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「教育実践」
児童が話合い活動の中で考えを練り上げるための指導の工夫
三条市立第三中学校
金泉 翔

 中学校社会科の学習指導要領の地理・歴史・公民各分野の目標には、「多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる」ことが示されている。このような能力と態度を育てるためには、生徒が説明・論述し、話し合う中で自分の考えなかった意見に触れ、その中で何が大事なことなのかを見付け出す活動が必要であると考えた。生徒が自分の考えをもち、話合い活動の中でより自分の考えを練り上げるためには、話合い活動に至るまでの自分の考えをまとめる段階が重要であると考えた。話合い活動までの前段階において、疑問や問題意識を芽生えさせる課題の提示の工夫により、互いに考えを練り上げられる場面の設定が課題である。
 次の2点から、その解決を図る。
1 考えをまとめる活動と話合い活動の場面の設定
 生徒が根拠をもって考えをまとめられるように、また話合い活動では意見を言い合うだけでなく、様々な意見に触れ自分の考えがより練り上げられる場になるように指導計画を工夫する。
2 様々な立場に立って考える課題の設定
 自分以外の考えを理解するためには、それぞれの考えや意見の理由を分かっていないといけない。そのために、様々な考えがあることをそれぞれの立場に立って考えることで、より自分の考えをもちやすくし、多くの理由から自分の考えを練り上げることができると考えた。
 この研究を通して、生徒が自分の意見や考えに自信をもって発言し、他の人の考えを受け入れ、理解しながら物事について考えられるようになることを期待している。

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「教育実践」
課題に主体的に取り組み、話合いの中で考えを深めていく生徒
~単元を貫く学習課題の設定と表現活動の工夫を通して~
長岡市立南中学校
恩田 隆介

 本研究テーマは教科を横断した普遍的な価値をもつと考える。このテーマに迫るために、以下の2つを単元構想の中心に据えた。1つ目は単元を貫く課題を設定し、生徒の学習意欲の喚起と課題追求意欲の持続を図ること。2つ目は多様な表現活動の場を設定し、生徒の考えの深まりをねらうことである。

 これらを踏まえ、以下の3つの手立てを意識し実践を行った。(2014年実践 地理「世界の諸地域 アフリカ州」)

1 (レディネスによる)生徒がもつイメージにギャップを与える課題を設定し、興味関心を引き出すとともに、学習意欲を喚起する。具体的には、アフリカの「魅力」を取り上げ、単元を展開した。

2 課題に応じて話合いの形態を変えることで、多様な考えの表出や考えの深まりをねらった。話し合う集団の工夫として、A(3人)班、B(5,6人)班、そして個、全体で思考する場面を設定した。話合いの形態の工夫としては、自由に発言する意見交換、KJ法、ホワイトボードの使用などを試みた。

3 社会的事象を切り口として、本物に触れさせることで、学習課題を身近に感じさせる。現在起こっている世の中の出来事を取り上げ日本とのつながりを認識させること、アフリカの留学生のVTRを授業で扱うことで、アフリカという地域と自分たちの距離を近付ける手立てを講じた。
 検証方法としては、3名の抽出生の集団における関係性の中で全体を把握することとした。他との関わり合いの中で意見を深める(新しい視点を獲得する等)ことができたかどうかを、生徒の発言内容や記述内容等の授業記録、事後のアンケートの数値から検証した。

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「教育実践」
健康で豊かな食生活を送ろうとする生徒の育成
~朝食の充実を目指した啓発活動~
新潟市立新津第五中学校
堀川 高弘

 当校は平成25、26年度新潟市学校給食研究推進校の指定を受け、食育の推進に取り組んだ。主題を『地域、家庭と連携した食育推進活動の展開~朝食の充実を目指した啓発活動~』とし、「家庭に向けた啓発活動」と「学校給食や教科での食に関わる指導」の2点に重点を置き、研究を進めた。
 まず、小中で食に関する共通項目アンケートを実施し、その結果を小中の職員で共通理解を図った。その中で起床時刻や食事時間が摂取内容に関係があることが分かり、以下の4つの取組に生かした。
1 年度初めのPTA総会で食育推進の取組を紙面とプレゼンテーションで紹介した。
 朝食の摂取率とその摂取内容を示した。
2 PTA保健厚生部と食育マスターによる料理講習会を開催した。
3 PTA主催で給食の試食会を開催し、そこで朝食の食事内容と学力や集中力が大きく関連していることを伝えた。
4 小中学校の保護者、児童・生徒に朝食の充実を呼びかける食育通信を発行し、小中学校の校内にポスターを掲示した。
 また、「学校給食や教科での食に関わる指導」では、生徒会と連携しながら2つの取組を行った。
1 「朝食は学びと部活を制覇する」をスローガンとして、毎日生徒が目にできる場所に掲示するとともに、教科と部活動の指導でしっかり食べることの大切さを呼びかけた。
2 給食委員会の活動として、食事時間を確保し、食べるのが遅い生徒も完食ができるよう給食準備時間短縮運動を実施した。
 「生徒、児童の取組」「PTAとの連携」「小中連携」の3つの柱を意識しながら、活動を展開し、大きな成果を得ることができた。今後も家庭・保護者と連携した取組を大切にしながら、「健康で豊かな食生活を送ろうとする生徒の育成」を目指していきたい。

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「教育実践」
自己有用感を高める生徒指導
南魚沼市立大和中学校
小林 一治

 今日、いじめや不登校の増加、規範意識の低下、さらには、学力や学習意欲の低下などが教育の大きな課題となっている。それらの要因の一つに、自己有用感の低さがあげられる。自己有用感とは、人の役に立った、人から感謝された、人から認められたという感覚である。また、自己有用感は自分に自信を高め、安易に問題行動に走ることを抑止したり、危険なものに近付くことを抑制したりする働きをもつと言われている。
 次の2点を中心に自己有用感を高めるように指導した。
1 全校体制による共通理解
 年に3回行っている生徒理解の会や週一回の生徒指導部会はもちろん、日常の職員室での会話などで、生徒一人一人の理解を深めていった。いろいろな立場で生徒一人一人を見ることにより、生徒の良い面を共通理解でき、認めたり感謝したりするプラスの声を掛けることが多くなった。
2 家庭や関係機関との連携
 家庭には各種便りや個別の連絡を通して、生徒のプラスの情報を積極的に発信した。家庭と学校が協力したことにより、生徒の自己有用感が少しずつ高まっていった。また、特別な支援を必要とする生徒には、積極的に関係機関と連携して生徒指導を行った。
 今後も、自己有用感を体験的に積み重ねていけるように工夫していきたい。

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「教育実践」
地域・保護者を巻き込んだ活気ある学校づくり
~みんなで支える学校 みんなで育てる生徒~
新発田市立第一中学校
前田 敏之

 「地域連携」の意義・目標について、学校と地域・保護者それぞれの活動を互いに支援することで、学校づくりを進めるとともに地域への愛着を育むことと定義する。そこで、当校における「地域連携の学校づくり」の実践を①学校への地域・保護者からの支援、②地域への学校からの支援という視点から、分類した上で、生徒アンケート等をもとに成果と課題を導き出し、地域・保護者を巻き込んだ活気ある学校づくりを目指した課題解決に迫った。
当校では、地域連携を深めるために「学校支援地域本部事業」と「未来を築く子どもを育てる会」の二つの組織がある。「学校支援地域本部事業」は、中学校区の小中3校の地域連携担当職員と地域教育コーディネータが連携して、保護者や地域のボランティアを募集・組織し、学校行事や学習を支援し、生徒を育てる体制を整えている。「未来を築く子どもを育てる会」は、中学校区の小中3校で生徒の健全育成を目指して、各校の担当職員とPTA、町内会長等で構成されている。これらの活動内容を①学校への地域・保護者からの支援と②地域への学校からの支援という視点で分析した結果、地域への学校の支援(地域貢献・地域活動協力)に課題があった。生徒対象のアンケートからも、地域への支援活動を行った生徒は、「地域への愛着」が深まることが導き出されることから、今後もこの分野の活動を充実させるための研究を進めていく。

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「教育実践」
柔道部を好きになることで自分を好きになる
~0(ゼロ)からのスタート、自分に自信をもたせる部活動指導~
新潟市立大形中学校
小林 正樹

 「生きる力」を育むに当たって、重要な要素の一つに自己理解があげられるが、その基盤となるものが自己肯定感であると考える。私が部活動を通して生徒に一番身に付けさせたいことは、「自分に自信をもつ」ことである。なぜなら、自分に自信をもつことで、生涯にわたって力強く生きていくことができるからである。
 部というコミュニティを通して、喜びや充実感を共感し、そこに所属する自分自身の存在を好きにさせたい。柔道部というコミュニティをマネジメントすることで、たとえ個々の能力や練習環境に不備があっても生徒の心身の成長、ひいては競技結果にも大きな成果が得られると考え、次の3点を中心に実践している。

1 人的・物的環境整備
 ①練習環境の整備②人材の確保③応援団をつくる
2 主体的に部活動に取り組むための自己指導能力の育成
 ①自己決定の場を与え、主体的に取り組ませる②相手がいて自分が成り立つという感謝の心をもたせる③一人一人が戦力であるという自己存在感をもたせる
3 競技力向上のための取組
 ①短い時間で効率の良い練習をする②日本一考えて練習する部を目指す③練習時間は余裕をもって終わり、できるだけ楽しい気持ちで帰らせる。

 これまで、多くの部員に恵まれ、「部活動が楽しかった。柔道部で良かった」と語る生徒が多い。また、卒業後、柔道のみならずその後選択した他競技で全国大会への出場を果たし、活躍した生徒もいる。また、進学先の学校で部長や副部長を務める生徒も多く、主体的な練習、考える練習の成果が表れていると実感する。
「柔道部を好きになることで自分が好きになる。ひいては自分に自信をもって自己実現を図ってほしい」
 支えてくださる、学校、保護者、地域、関係各位に感謝しながら、今後もより良い指導を求めて更に努力していきたいと考えている。

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「教育実践」
心の錬成により、自尊感情を高め自主的に活動する部活動指導の工夫
~中学校「サッカー部」の実践を通して~
村上市立朝日中学校
大橋 研人

 本研究では、心を鍛えることによって技術が伸び、さらに大事な試合の場面で力を発揮できると考えアプローチした。本研究は昨年度からの継続で2年目になる。昨年度は心を鍛えるためにチェックシートを活用して取り組んだ。チェックシートとは、部活や学習、学校生活や家庭生活について目標を企て、それを1週間のサイクルで評価していく評価シートである。昨年度の取組により、部活以外のいろいろなことにも積極的に取り組む生徒が多くなった。今年度は、去年までのチェックシートを改良し、さらに仲間から評価をしてもらう欄を設定することで、生徒一人一人の自尊感情を高め、それが自主的に活動する部活動指導へつながると考え、実践した。
 自尊感情を高めるために、次の2つについて実践した。
1 自己評価カード
 自己評価カードにより行動目標を設定することで、自分がやるべきことがはっきりし自主的に行動することができると考えた。目標が達成できれば有能感が高まり、たとえ目標が達成できなくても、自分がやるべき行動が明確であることから、目標達成に向けた努力が継続されることが期待できる。また、チームの仲間や家族、顧問から他者評価をしてもらうことで、さらに有用感が高まることを期待し取り組んだ。
2 振り返りカード
 自己評価カードの取組によって自尊感情が高まったかどうかを調べるために、振り返りカードを用いて評価した。振り返りカードでは自尊感情を18の項目に分類し、評価した。
 今回の実践では、自尊感情としては実践前よりも実践後が若干数値が高くなっただけであまり大きな変化はなかったものの、最初から最後まで高い評価だった。何よりも、目標である「県大会出場」が達成できたのが一番の成果である。このことから、目標を決めて取り組み、自己評価や他者評価をすることで自尊感情が高まり自主的に活動できたと考える。

<参考文献>
中学校における「心の健康」を育む運動部活動の在り方。

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「ときわ教育奨励賞」
夢を実現し、人として成長できる部活動のあり方
新潟市立小針中学校
藤田淳

 複数校において、剣道部の指導に継続的に取り組み、確かな実績を上げている。また、中体連の専門部長として、全県の体育指導に貢献していることも評価に値する。指導理念として、基本的生活の徹底により、生徒の心を強く育てることを中核に置いている。また、長期・中期・短期・一日の目標を明確にさせ、自己評価させる日誌の活用など、生徒を成長させる確かな方法論の上に立った実践であり、今後のさらなる活躍が期待できる。

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「ときわ教育賞」
科学の好きな子どもを育てる理科教育の推進
新潟市立白新中学校
山内伸二

 科学が好きな子どもを育てたいという信念と確かな理科教育理論に基づいて、質の高い実践を積み重ねている。とりわけ、仮説実験授業を基にした理科授業の実践を長年継続しており、一昨年度、「ときわ教育奨励賞」を受賞している。本年度の応募では、さらに全国レベルでの入賞実績を重ねるとともに、中学校教育研究会事務局長という立場から、「学び合う授業づくり」に向けて「授業ナビ」の開発や「ファシリテーション」の導入等に尽力し、全県の授業改善、学力向上にも取り組んでいる。「理由付けチャート」等の開発など長年にわたる理科教育の推進とその確かな成果に対して本賞を与えることとした。

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「教科等研究セミナー」 
豊かに発想し、構想を深める力を伸ばす指導
〜題材提示の工夫とイメージマップの活用を通して〜
新潟市立小新中学校
小川 かほる

 中学校学習指導要領解説美術編では、各学年の内容「A表現」のうち、2つが「発想・構想」に関するものである。創造活動の喜びを得るためには、より発想・構想の力を伸ばしていくことが重視されている。そこで、題材に応じて工夫したワークシート、「イメージマップ」を活用し、生徒が豊かに発想し、自分なりの考え方で構想を深められるような手立てを講じた。 
1 「伝える・使うなどの目的や機能を考え、発想や構想をする力」を伸ばすイメージマップの工夫
 作品を目にする人に何を伝えたいかを意識させ、それを中心に考え、構想を練ることができるようなイメージマップを作成した。「伝えたいこと」からイメージされるキーワード、形、色の順に発想が広がっていくよう工夫した。
2 「感じ取ったことや考えたことなどを基に発想や構想をする力」を伸ばす題材提示の工夫
 生徒自身の思いや願いを主題に結びつけられるような支援を目指した。思いつくままイメージをキーワードにして記入するイメージマップでは、発想が広がることはあるが、作品の構想をまとめることが難しいと感じる生徒もいることが予想される。題材の提示の仕方や導入時の活動を工夫した。
 いかに主題を「自分ごととしてとらえさせるか」が重要である。何故この作品を作るのか、生徒自身が必要に迫られ、納得しないと制作段階における「美術の楽しみ」を得ることができない。授業展開やワークシートの工夫だけでなく、題材に深い理解と愛情をもって今後も研究に臨みたい。

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「教科等研究セミナー」
 生活を工夫し,創造する能力を育む授業づくり
長岡市立旭岡中学校
大野 敏法

 「材料と加工に関する技術」の内容において,生活を工夫し創造する能力を育むために,自らの生活を振り返り,検討するための題材設定を行った。その中で,生徒が技術を評価し,活用する能力を高めることが,生活を工夫し,創造する能力を高めることにつながると考えた。そして,授業実践を基に,その有効性を検証した。
 題材は,1枚の板材から,自らの生活を振り返り,生活の中でものを整理したり,便利にしたりするものを自由に設計し,作品の製作をするものとした。生徒が生活を便利にしたり,使いやすくしたりするための工夫を行えるように,グループ内での発表,話し合い活動を以下の2つの場面に取り入れた。
①製作品の構想
 構想を行うに当たり,使用目的,使用場所,機能,材料・部品の4つを明確にさせた。そこに,大まかな作品の完成スケッチを描かせ,構想用紙にまとめさせた。構想が出来上がった段階で,自分の製作品の機能や構造をグループ内で発表し,改善点などを検討した。ここで,自他の製作品の良い点や改善が必要な点などの意見を参考に,スケッチを含めた自分の製作品について再検討させる時間を設けた。再検討した構想を基に,設計を行い製作を進めた。
②完成作品の紹介
 製作終了後,グループ内で自分の製作した作品について再度発表し,検討を行う活動を取り入れた。自分の製作した作品の機能や構造,工夫した点を発表し,お互いに評価し合う時間を設定した。
 ①の場面では,生徒は,自分の作品と他の生徒の作品とを比較し,機能や構造,使いやすさを再検討して設計に生かす生徒が多くみられた。②の場面では,実物を見ながら行えたため,機能や構造,工夫した点がより分かりやすく伝わり,周りからの評価も具体的な意見が多くなった。
 これらの検証から,生徒同士で,構想の検討や作品の評価を発表し合うことで,工夫できるところや作品の使いやすさに気付きやすく,より良い作品づくりにつなげることができると考えられる。しかし,中には,見た目の美しさや技能の高さだけに目がいっている生徒も多くいた。他の生徒から得たアドバイスや感想を自分の作品に生かすために,作品を評価する観点をもっと具体的なものにする必要がある。

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「教科等研究セミナー」
 「生物育成に関する技術」における環境教育との関わりを意識した学習過程の開発
三条市立下田中学校
鈴木 知宏

  環境教育では、「体験的な活動の重視」と「身近な問題に目を向け、身近な活動から始める」ことをねらいとしている。本研究では、技術科教育の生物育成に関する技術において、環境教育との関わりを意識した教材と学習過程を開発、実践した。内容設定の理由は、環境保全について、授業の中で意識し、実践している例も多いが、改めて時代に合わせた環境保全の取組が必要であると感じていた。その中で、生徒一人一人の日常生活の過ごし方の違いが、環境に大きな影響を与えていることに気付かせ、持続可能な社会を目指す姿を育てたいと考えた。
 単元の構成は、以下の通りである。(全5時間)
<1時間目>小単元名「作物の栽培と水との関わりを知ろう 」
 水への関心を高めるために、身のまわりの水について考えさせた。ここでは、生徒の学習意欲を高めるためゲーム形式で学習を行った。その後、新潟水俣病を例にあげ、水俣病とはどのようなもので、なぜ起こり、その影響はどのようなものだったのかについて考えさせた。そして、水は作物に多大な影響を与えることを学習した。
<2、3時間目>小単元名「われら水質調査員」
 実際に身近な水の水質調査をパックテストで行い、調査記録をまとめて発表し、今後の生活を見直す視点をもつことを主な学習活動とした。さらに、現代の水の洗浄技術や海外の水との比較等も行った。その後、パックテストで得られた値を確認して、それらの水を用いてのスプラウト栽培を用いた栽培実験を行った。
<4時間目>小単元名「立派なカイワレダイコン生産者になろう」
 栽培実験の観察記録発表を行い、作物の栽培と水の関係をまとめた。その後、身のまわりの環境について学習し、今までとこれからの生活について考えた。
<5時間目>小単元名「環境改善案発表会」
 自分が考えたことをグループ内で出し合い、グループでの意見をまとめ、発表した。その後、作物と水の関係を考えながら、持続可能な社会について考え、まとめた。

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「教科等研究セミナー」 
ラリーをつなげることに着目したバドミントンの授業
新潟市立新潟柳都中学校
小柳 翔太

  中学校学習指導要領解説のバドミントンの1・2年生の内容には、「ラリーを続ける」ことがねらいの一つとして記されている。自校の課題として、また自身の課題としても、仲間と協力し合うことでより学習が深められたり、全員が一つの目標や課題に向かい、挑戦し合ったり高め合うことが課題であると捉えている。
 本研究では、協同的な学びを通してこの「ラリーを続ける」ことを学習できるよう、次のような手立てを行った。
○3対3のラリーゲーム
 自陣に3人、相手陣地にも3人。このネットを挟んで向かい合った6人をひとつのチームと捉え、どれだけラリーがつながるかという課題を行う。
 制限時間を設け、その一定時間内にラリーがどれだけつながったかを計測する。その際、ポジションや誰がシャトルを打つかに関しては特に制限を設けず、「チームのみんなで一体となってラリーをつなげる」という目標とした。
○研究の実際
 チームによって横一列に並んだチームもあれば、三角形や逆三角形にしているチームもあった。またラリーの得意な生徒を中心におくことで、ラリーを安定させていた姿があった。技能としては、シャトルの方向に体やラケットを向けておき、「構え」の姿勢をとっていた。また、相手の返しやすいように山なりのシャトルを返球している姿もあった。

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「教科等研究セミナー」 
美術的な鑑賞の力を高める授業の工夫
~感覚的鑑賞と分析的鑑賞を通じて~
長岡市立寺泊中学校
神保 亮介

  鑑賞活動は以前よりあった作品制作中心の授業について改善するという意味でも重要視されている。それは鑑賞という活動が決して「見る」という行為だけにとどまることがなく、表現する活動においても多大な影響をもつと考えられたからである。制作途中に自らの制作を振り返り、時には級友の作品を鑑賞することで新たな試行錯誤が繰り返され、その結果、さらに充実した制作活動へと向上する。つまり、より良い表現活動の裏側には確かな鑑賞力が必要であるといえる。
 そこで、鑑賞力の向上のために、感覚的鑑賞と分析的鑑賞の二つの見方で作品を鑑賞することにする。これによって言葉として作品のよさを明確にすることが可能になり、より深い鑑賞活動ができると考えた。印象を言葉にする活動と、作品を技能的な観点から鑑賞する活動を通して生徒たちの鑑賞の力が高まると考えた。
(1) 感覚的鑑賞と分析的鑑賞
 感覚的鑑賞では、自由な見方と感想を尊重し、言葉や制作で自分の気持ちを表現する力を身に付けさせる意図がある。作品と対面し、その迫力と存在感に揺れ動く心を相手にどのように伝えるかによって、生徒が作品を深く味わうことのきっかけになると考えられる。(ただし、自由な感想を述べあうという活動にとどまり、どこまで深く作品を鑑賞をしたかを評価をすることが難しいという面も併せもつので注意が必要である)
 分析的鑑賞では、作品制作の着眼点についてあらかじめ説明し、生徒たちは評価の観点を理解して鑑賞をする。また、分析的鑑賞については下記の段階をもって授業を進めることによって有効である。焦点化と比較の観点を段階的に示すことにより、よさや違いを分析的に読み解くことができる。
①作品の提示
②作品の見方についての指示(内容・形式的要素の記述と発見、記述以外の作業・比較・模写など)
③発表と討論
④まとめ
(2) 言語活動の充実
 自分なりの意見や考え方を生徒同士で話し合わせることで、さらに考えを広げ深めることができると考えた。美術における言語活動の主たるものとして、制作の意図や工夫したところを説明したり、作品のよさを言葉として伝えたりすることがあげられる。鑑賞の授業で、技術的な特徴や効果や作品から受ける印象を言葉にすることで、どのような心境で作品を鑑賞したのかがいきいきとした言葉で伝達されるように工夫をした。

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「教科等研究セミナー」 
情報を豊かに表現するために、思考力を働かせることができる生徒の育成
南魚沼市立大和中学校
小林 一治

  当校のNRTの結果や自分自身の今までの「書くこと」に関する指導を振り返り、本研究では、情報を豊かに表現するために、思考力を働かせることができる生徒を育成する指導の在り方を以下の2点から考えた。

1 生徒が情報を豊かに表現することができるように、思考力を十分に働かせることができるような活動を設定する。
 思考力を働かせる活動とは、考えや思い、願いを基に、論理的に考え、想像をふくらませ、直感を働かせるなどして英語で表現する活動を言う。単語や1文だけではなく、複数の文でまとまりのある内容を表現する力を高めるために、これを授業の最初に位置付けて毎時間繰り返し行う。さらに、生徒同士が互いの作品を鑑賞し、感想を述べるような場面を設定することで、次への意欲が湧き、思考力が深まっていくであろうと考えた。

2 生徒が表現力を段階的に身に付けることができるように、単語や基本文を書くことを習得する活動、思考力を働かせる活動、まとまりのある英文を書く活動をテスト期ごとに構成する。
 教科書の新出単語を身に付けることができるように、毎時間授業の始めに単語タイムを設定し活動している。また、基本文を身に付けることができるように、家庭学習として、基本文を練習するプリントを課題としている。その後、テスト期ごとにまとまりのある英文を書く活動を行っている。その指導過程を再構成し、上記2つの活動の間に、思考力を働かせる活動を設定する。テスト期ごとにこのサイクルを回すことで、段階的に表現力が身に付いていくであろうと考えた。

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「教科等研究セミナー」 
モデルと既習事項の効果的な活用を通して,生徒の科学的な思考力を高める授業
新潟市立葛塚中学校
坂井 友紀

  授業の中で扱う自然事象には,植物や地層など実際に触れることができて具体的にイメージしやすいものと,原子や分子,電流や電圧のように,触れることができないため具体的にイメージしにくいものとがある。そのような事象に対し,生徒から「どう考えてよいかわからない」「考えることが面倒くさい」とつぶやく声が聞かれることがある。目に見える観察・実験の結果から目に見えない対象のふるまいについて考えなくてはならないところに生徒がつまずく一因があると考える。また,実験の結果は記録できても,考察をどうやって書いたらよいかわからないため書くことをためらう生徒が多くみられた。それは,私が生徒の考えを引き出しながら追究する過程をうまくできていなかったからだと考える。
 そこで,本研究では,目に見えない現象に対して共通のモデルや図を使って生徒が推論し,交流し合うことで,自分の考えを深めたり修正したりしながら,現象の仕組みを説明できる姿を目指したいと考え,次の手立てを講じることとした。
1 粒子モデルを用いて,自分の考えをまとめる活動の組織
2 追究の見通しをもつための既習カードの活用
3 互いの考えを補完・修正するための話合い活動の組織
 現象を自分の考えで説明する際に絵やモデルで説明することは生徒にとってわかりやすくイメージをしやすくする。さらに,自分の考えを互いに発表し合う活動を行い,自分の考えを修正したり補ったりする。具体的には「粒子モデル」「既習カード」「話合い活動」の3つの手立てで実践を行った。まず,現象に対して考えやすくするために「粒子モデル」を操作し,試行錯誤しながら自分の考えを表出しやすくした。その際に今までの既習事項が書いてあり課題に対して筋道を立てやすくなるように「既習カード」も使用しながら考えさせた。次に学びを深めるために自分の考えを発表し合い,修正し合ったり補ったりする「話合い活動」を行った。この活動では,「粒子モデル」「既習カード」を自分の考えを伝える手立てとして利用したり付箋で意見を書き会ったりすることで,班の考えを練り上げていった。このようにして,自ら考え,学びを深めることができる生徒の育成を目指した。

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「教科等研究セミナー」 
資料の比較・検討を通して思考力を高める授業づくり
~地域史を活用して~
長岡市立青葉台中学校
廣瀬 貴久

  生徒が歴史学習に意欲をもてない要因の1つとして、歴史事象を自分の生活と結びつけて考えることができない場合が多いことがあげられる。歴史的事象を少しでも具体的にイメージできるように身近な地域史を活用することとした。身近であるがゆえに生活経験との結びつきが図られイメージしやすくなる。その際、既習事項との結びつきや難易度を考慮し、生徒の興味・関心を高められるように、また生徒が考えやすい学習状況を整備できるように工夫を行った。
 学習指導要領においても地域史の活用は重視されている。また他に重視されていることの一つに、時代の特色をとらえる学習がある。単元構成にしっかりと組み込み、時代の特色をとらえることができるような学習課題の工夫が必要である。
 以上のようなことから、地域の歴史を考えるなかで時代をとらえる授業実践を行った。手立てとして工夫した点は次の2点である。
1 「情報カード」と「地図資料」を使った地域教材の開発
 発掘成果や地域史の事実を「情報カード」に整理した。生徒が情報の比較や関連付けを行いやすいように、情報カードは小分けにして配付し操作できるようにした。教師が意図をもってエリアを分けた「地図資料」を配付し、生徒が地理的な視点ももって歴史的状況を考えられるようにした。
2 学習課題の工夫
 原始・古代単元の実践では「どのあたり(どのエリア)に人は多くいたのだろう?」、中世単元の実践では「どこ(どのエリア)が栄えていたのだろう?」という学習課題を設定し、思考活動の出発点とした。選択性があり、複数の考えが表れ、地域を地理的・歴史的に俯瞰せざるをえないような質の課題を設定した。全員が情報カードを根拠としてエリアを選択することになるので、低位学力の生徒でも考えを書くことができる。また、エリア分割によりそれぞれの地域性を考えやすくなったことにより、情報の読み取り方(どう解釈し、比較し、関連付けるか)によって、複数の考えが生じる課題でもある。
 上記2つの手立てを講じ「原始・古代」「中世」の単元で授業実践を行った。地図上で情報カードを操作できるので、生徒が情報を比較・検討しやすい状況がつくられた。情報カードを根拠として一人一人の考えが構成され、また班活動においても比較・検討の根拠は情報カードであり、それぞれのとらえを悩みながら迷いながらも活発に話し合う様子が見られた。実践を通して、生徒は全国史とのつながりを感じ、歴史を身近なものとしてとらえ、地域の歴史の様子を通して時代をとらえる姿が見られた。

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「教科等研究セミナー」 
言語活動を工夫することにより、社会科的な思考力・表現力を高める授業のあり方
村上市立山北中学校
渡辺 利一

 学習指導要領において、言語活動の充実が挙げられている。言語活動の充実を図ることは、生徒に思考力・表現力等を身に付けさせ、社会の変化に対応する能力やそれに伴う課題を自らの力で解決する能力を育成することを目指していると考えた。そこで、以下の方策を使い、社会科的な思考力・表現力を高める授業のあり方を研究した。
1 言語活動構想図の作成
 言語活動を充実させるために、単元を貫く授業構成を構築した。
2 効果的な資料の提示
 グループ活動を活性化させるために、資料の精選に努めた。
3 三角ロジックの活用
 思考力を高めるために、論理的な考え方の育成を目指した。
 今後も授業改善の核を「言語活動の工夫」とし、言語活動の充実を図ることで、生徒の社会科的な思考力・表現力を高める努力を続けていく。

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「教科等研究セミナー」 
習得したことを自ら活用しようとする学習課題を設定することにより,思考力・判断力を育成する授業の工夫
村上市立村上東中学校
五十嵐 雅人

 中学校学習指導要領では,基本的なねらいの一つとして「知識・技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視すること」が挙げられている。また,社会科の改訂の要点でも「言語活動の充実の観点から,社会的事象の意味,意義を解釈する学習や事象の特色や事象間の関連を説明する活動を通して,社会的な見方や考え方を養うことを一層重視した。」とある。これらは,知識偏重の教科書の網羅的な学習に終始するのではなく,習得した基礎的・基本的な知識,概念や技能をもとに,自ら考える力,判断する力を身につけさせることこそが重要であることの指摘であると捉える。
 しかし,自分の授業を振り返ると,知識の習得が中心となり,社会的な事象の関連や背景の考察など,考えを深めさせる取組が少なかったために学習活動がマンネリ化し,生徒の思考を深めることが不十分であったと考える。そこで,次の2点から生徒の考えを深め,思考力・判断力の育成を図りたい。
①段階的に考えを深めていくための単元構成の工夫   
 基礎的・基本的な学習事項などの習得した知識等をもとに,自分の考えを深める「活用」の場面を意図的に設定する。
②様々な視点から考えを深められる学習課題の設定 
 「社会科における思考力」とは,社会的事象の意義や特色,事象と事象の相互の関連を明確にし,様々な視点から捉えたことをもとに,合理的な根拠をもって自分の考えを構成する力であると考える。思考力または社会的な見方や考え方の育成とは,生徒が習得した知識をもとに,様々な視点をふまえた上での自分の考えをもつことができた状態のことであると捉える。そのために,社会的事象について複数の視点,それぞれの考え方(立場・状況)が異なる教材を準備し,資料をもとに考えさせた上で自分の意見をもたせたい。

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「教育実践」
生徒が夢中になって運動しながら運動技能を高める授業
三条市立大崎中学校
角 直也

 バレーボールは仲間と協力しながら、ボールを落とさずに相手コートへの得点を目指す競技である。生徒一人一人がコートを縦横無尽に動き回り、白熱したラリーを体感することでバレーボールの真の楽しさに触れることができることと考える。そして、そんな生徒はきっとバレーボールに夢中になるはずである。
 今までの実践を振り返るとまとめの試合で生徒が動けず戸惑う場面があった。それには以下のような理由があると考えた。生徒の技能が不十分であること。失敗を恐れて消極的になっていること。自分の取るボールか、相手の取るボールか判断できていないこと。
 本実践ではそれらを解決するために以下のような手立てを講じる。
 1 ボールを打つ感覚を身につけるドリルや素早くボールの下に動く練習ができる学習カードを考案し、単元の最初ではその課題に取り組ませる。課題解決型のペア学習にすることで互いに学び合いながらできるようにする。
 2 小グループで行う様々なパスゲームを考案した。ボールを落とさずにパスを続けられる回数を他のグループと競う。パスの回数を多くしたり、動き方にバリエーションを加えたりして、課題が段階的に高度なものになるようにする。パスを続けるために、味方との関わり方や声のかけ方を指導する。
3 6対6での本来のゲームではなく、小グループでのゲームを行う。また、2球目、3球目のどちらかはワンバウンドしたボールまで有効とする変則ルールを用いたゲームとする。

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「教育実践」 計測・制御の学習における言語活動の設定とその工夫
新潟市立上山中学校
倉島 陽介

 言語活動の充実は、各教科等を貫く重要な視点となっている。技術・家庭科における言語活動としては言葉だけではなく、設計図や献立表といった図表及び衣食住やものづくりに関する概念などを用いて考えたり、説明したりすることもあげられる。そこで、本研究では技術・家庭科の技術分野における内容D情報に関する技術の項目(3)プログラムによる計測・制御の学習場面で実践に取り組んだ。また、以下のような仮説を立て、実践の中で手立てを講じ、その検証を試みた。
 仮説は、「図表やフローチャートを使って計測・制御のプログラムがどのように利用されているかを考え、他者へ説明することで、目的や条件に応じた情報処理の手順を理解することができる。」である。また、手立ては、①言語活動と関連づけたプログラム作成ソフト及び教材の選択②話し合いを保障した課題追求活動③興味・関心を高め思考を深める教具の活用の3つである。
 これらの手立てを実践して、次のような成果が得られた。
 手立て①では、プログラム学習用ロボットビュートレーサー(ヴィストン株式会社)を選択することで、フローチャートからプログラムを作成できるソフトウェアを利用した。これにより、生徒はフローチャートを適切に用いることができるようになった。
 手立て②では、生徒はまわりと相談しながら課題に取り組み、検討を重ねてプログラムを作成する姿が見られた。
 手立て③では、ホワイトボードとマグネットを利用した自作の教具を活用することで、自分の考えを試行錯誤しながらまとめ上げてまわりに説明する姿が見られた。
 検証では、アンケート調査から学習内容への興味・関心の向上が確認され、わかるようになった・できるようになったという理解度の高まりも見られた。また、ワークシートの記述内容や授業の見取りからは、言語活動への肯定的な意見や生徒の発言やコミュニケーションの場面増加も確認できた。

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「教育実践」 音楽の苦手な生徒でも夢中になれる創作授業の研究
新潟市立西川中学校
宮下 秀樹

 過去10年以上に渡り、様々な学校で創作の授業の研究を行ってきた。ある時はコンピュータを使ったり、ある時は鍵盤ハーモニカを使ったりした。リコーダーや歌、キーボード、箏を使ったこともあった。ただ、どのような手法をとったにせよ、実践後にいつもこのような疑問をもって授業を終えていた。
 「はたして、生徒はこの授業を面白いと感じてくれただろうか」
 その答えは、生徒の表情を見れば一目瞭然であった。音楽が得意な生徒の表情は、授業後に明るい表情を見せたこともあったが、音楽の苦手な生徒の表情はいつもさえなかった。「創作は難しい」という思いが、生徒にとっても私にとっても共通していた。
 これでは駄目だと思った。たとえ一部の生徒がすごい旋律を作るような授業ができたとしても、音楽の苦手な生徒が創作に対して苦手意識をもつような授業では、授業を行う意味がないと思った。
 そこで、研究主題を「音楽の苦手な生徒でも夢中になれる創作授業の研究」と題した。研究では、次の仮説を立てた。
○ 以下の4つの要件を満たした授業を行えば、生徒は楽しさを感じながら音楽をつくることができるだろう。
① 生徒自身が音楽づくりをすることに対する必要性を感じられる題材設定であること
② 生徒の音楽的技能に見合った学習課題が設定されてあること(生徒の実態に応じた学習課題であること)
③ 創作のプロセスが明確に提示されてあること
④ つくった音楽が仲間から承認される(かもしれない)場が設定されてあること
 そこで、学校行事の「運動会」に着目して、題材設定を行い、次のようなねらいで実施した。
(1)題材名
  「運動会の応援歌をつくろう」(3年生)
(2)題材のねらい
 リズム、形式、強弱、速さなどの諸要素に着目して運動会の応援歌(作品)をつくる活動を通して、反復、変化、対称などの構成を工夫したり、表したいイメージと実際の作品とを互いに連動させながら表現を深めたりすることができる。

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「教育実践」
ボトムアップのリスニング指導で文法の定着を図る工夫
~ディクテーションとディクトグロスを通して~
長岡市立岡南中学校
藤塚 久美

 主題設定の理由
1 聞く力を高めながら,定着しにくい文法事項の指導を効果的に行いたい。
2 段階的な指導を経て複数の技能を統合した言語活動を行い,実践的コミュニケーション能力を高めたい。
主題に迫る手立て
1 帯学習として毎時間ディクテーションを実施。
2 生徒の明示的な気づきによる文法知識の定着を促進する働きかけ。
3 単元のまとめとしてディクトグロスを実施。
 1)どの習熟度の生徒も一定の成果をあげるための教材の工夫。
 2)ディクトグロス後の活動を充実させ,文法知識の定着を高める工夫。
成果と課題
1 英語を得意とする生徒がディクトグロスに大変好意的な反応を示し,文構造や言語形式に焦点を当てた学習を行うことができた。
2 一方,英語を苦手とする生徒には課題が難しく感じられ,ほとんど成果が見られなかった。
3 現在実践中の第2実践で,特に手立て3を工夫し,ディクトグロスという活動の可能性を探りたい。

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「教育実践」
モデルの分析とパラレルな課題を通して,書く力の高まりを実感できる授業
新潟市立白根北中学校
山口 麻子

  すべての生徒に「自分にもまとまりのある文章※1を書くことができた」と実感させたい。これまで,自分の作品を仕上げ,読み手に伝える場面を学習課題として設定してきたが,「まとまりのある文章を書くことができた」と実感できない生徒の姿が多く見られた。生徒にモデル文を提示しただけでは,提示したモデル文のどこをどのように活用してよいかが分からず,ねらいに合った文章を書くポイントが理解されていなかったのである。そこで,モデル文を提示した後に生徒にモデルの分析※2をさせ,書くべき文章の型を明らかにしたり,明らかにした型を活用できるようにするために,パラレルな課題※3を設けたりした。その結果,生徒は自分の考えをまとまりのある文章で書くことができるようになり,一人ひとりに書く力の高まりを実感させることができるようになった。
① モデルの分析
 モデル文を生徒自身に分析させる活動を通して,書くべき文章の型(構成・内容・言語)を明らかにする。明らかにした文章の型は,同時に評価の観点となり,生徒が評価の観点と基準を理解し,一貫した基準で学習を進めることができる。
② パラレルな課題の設定
 自分の作品を書く段階と総括的評価の前に,全員が同じ課題で練習する段階を設ける。実際に書くことで,文章の型をさらに理解し,自分の作品や総括的評価に向けてのスモールステップを踏むことができる。形成的評価を通して,その段階での成果と課題を生徒自身が把握し,学習に役立てることもできる。
※1「まとまりのある文章」とは,テーマに基づいて文と文の順序や相互の関連にも注意を払い,全体として内容に一貫性のある文章のこと。
※2「モデルの分析」とは,生徒に書いてほしいモデル文を提示し,構成・内容・言語を生徒自身に明らかにさせること。
※3「パラレルな課題」とは,自分の作品を書く前や総括的評価の前に,全員が同様の型で共通の文章を練習すること。

<参考文献>
・Hyland, Ken. (2004). Genre and second language writing. Ann Arbor, MI: The University of Michigan Press.
・Kuwabara, Aki. (2013) A case of study of genre-based writing instruction to Japanese junior high school. A thesis in partial fulfillment of the requirements for the degree of Master of Education Graduate School of Education Niigata University.


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「教育実践」 自分の考えや気持ち、事実を英語で正しく伝えられる生徒の育成
見附市立今町中学校
徳橋 和人

 本研究は、学習指導要領で示す言語活動の「話す」領域に焦点を絞り、「自分の考えや気持ち、事実などを聞き手に正しく伝えること」ができる生徒の育成を目指したものである。 
  この姿を実現するために、私は4つの手立てを考え、実践を行った。
  1つ目は「音読の工夫」である。生徒の中には英語を使って会話をしようとすると、怖じ気づいてしまったり、恥ずかしがって流ちょうに話せなかったりする姿が見られる。自分の考えを相手に伝え、自分が知っていることを知らない人に伝えるには、まずは声量やコミュニケーションを図ろうとする態度が必要だと考え、様々な読み方で楽しく英文を読む方法を試みた。
  2つ目は「Q&Aリストを用いて、定型の疑問文に答える練習」である。聞き手はリストを見ながら練習し、慣れてきたら答えの英文を見ずに、話し手を見ながら英語で対話するようにした。また、話し手も英文を自分の聞きたいことにアレンジしたり、プラスワンの文章を加えて会話を持続、発展させたりするように促した。
  3つ目は、「円滑に会話をつなげるためのスキルを身に付けること」である。相手に自分の伝えたいことが上手く伝わらないことは実際の会話でも多く起こる。そんな時に、どのように会話をつなげば良いかを知り、相手の立場に立って会話を続けることを学習した。 
  そして最後は、「ペアによるインタビュー活動」である。授業内にペア活動を主体としたインタビュー活動を意識して取り入れると同時に、生徒の興味・関心をひくテーマ設定にしたり、インフォメーションギャップのように必要感に迫られるような課題設定を行ったりする事で、話す力の育成を目指した。
  「正しさ」については、中学校の英語学習初期においては内容面を重視し、学習が進むにつれて文法面も求めていくものとして実践を行った。これらの手立てを講じて、生徒の姿が目標とする姿にどの程度、近づいているのかを検証する。

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「教育実践」 学ぶことの意味や意欲を高める理科授業の工夫
長岡市立南中学校
山本 伸寿

 本研究では,電磁調理器による加熱の仕組の謎に生徒が挑戦する形で授業を行った。授業の展開に言語活動を活用し,科学的な思考を深めたり,表現したりする機会を多く設けた。発電機の仕組,誘導電流,直流・交流の性質,電流による発熱等,言語活動の基礎となる思考に必要な知識を効率的に復習し,考えの深化を促した。
 電池がないのになぜ豆電球が光るのかを,個人思考→集団思考の流れで推論させ,今まで考察したことを説明するために,既習の知識を基に発表することが概ねできていた。今回の取組は,既習の知識・技能を活用し,科学的な思考力・表現力を高める取組みとして有効であったといえる。
 生徒は,電磁調理器を用いての学習場面で3回の言語活動を行うことで興味・関心を持つことができた。また,実験の準備や片付けに積極的に取り組み,目の前で起こる現象について深く考えようとする姿が見え,その原理を追究しようとする姿勢が見られた。学習指導要領における弾力的運用の時間を利用して,生徒にじっくりと電流や電磁誘導について考えさせる時間をとったのだが,改めてその大切さを認識させられた。今後も全ての単元においてじっくりと考えさせる授業を仕組み,科学的な思考力・表現力を高めさせるために,日々の授業を効率的に行うことも必要であると考えた。

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「教育実践」
理科の魅力を実感させ、自信を高める電流単元の工夫
~合成抵抗の理解を目指した単元構成と交流を促す教材に着目して~
阿賀野市立笹神中学校
小林 寿

  平成16年2月に実施された小・中学校教育課程実施状況調査では、「電流とその利用」の単元について、7割を超える教師が「生徒が理解しにくい単元」と答えた。また、生徒においても約半数が、この単元を「よく分からない・きらいだった」と報告されている。自分自身にも同様の経験があり、生徒にとって興味をもて、理科の魅力が伝わり、学習が分かるといった単元になるように教授方法を見直す必要があると考えた。
 本研究では、まず、生徒の興味関心を高める課題や学習の積み重ねが活用できるような単元の構成を追求した。具体的には、〔電流を制御しよう〕という“単元を貫く課題”を設定し、合成抵抗の学習までをその課題の達成のために展開するようにした。さらに、合成抵抗の理解を目指す際の動機づけや思考の補助となるように“布石実験”も導入した。一時間ごとの学習の積み重ねを経ながら、単元の終末では合成抵抗を用いた回路を自分で設計し、扇風機づくりにも挑戦させた。もう一つの手立てとして、それぞれの授業で生徒同士の交流が生まれやすいような教材にも着目した。“表現シート”と呼ぶA3白紙にラミネート処理したものを用い、生徒の思考の視覚化や書くことへの負担の軽減、思考の深化をねらった。こうした手立てを通じて、生徒が主体的に参加しながら新たな学びを獲得できる授業・単元を目指した。
 実践前の調査では82%の生徒が苦手意識を抱いていたが、実践後の生徒アンケートでは、「電流の学習が楽しい」、「以前より難しく感じなかった」等と学習に対する自信や理解の深まりを感じた生徒が89%となった。本研究で構成した単元と交流を促す教材の利用を実践することで、これまで多くの生徒に苦手意識をもたせてしまっていた電流単元において、生徒が理科の魅力を実感し、自信をもつことができる単元になり得ることが明らかとなった。

<参考文献>
平成15年度小・中学校教育課程実施状況調査-理科- 国立教育政策研究所教育課程研究センター 2005
中学校学習指導要領解説 理科編 文部科学省 2008


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「教育実践」 科学的な判断を促す思考活動の工夫
新潟市立白新中学校
齋藤 大紀

 学習指導要領解説理科編の改訂の基本的な考えとして,「科学的な見方や考え方,総合的なものの見方の育成」,「科学的な思考力,表現力の育成」が挙げられている。しかし,これらを達成しようとしたとき,子どもたちがもつ素朴概念が大きな弊害となっている現状がある。
 そこで,素朴概念と科学概念が対立し,主張が対立するような課題を生徒に与え,その理由を根拠をもとに思考させる仮説実験型の授業を行った。
 また,自らの考え(主張と理由)を表現する場を設定するが,表現することに重きが置かれがちで発表会にとどまってしまうことも課題であった。理科における表現力とは,あくまでも科学的な思考に基づいた自らの考えを表現することで培われるものと考える。たとえば,自分とは異なる考えに出会ったとき,どこが違うかを比較したり,その違いが生じる要因を分析したり,反論したりすることができる力である。
 このように,考えが異なる生徒同士で互いの考えを検討するにあたって最も大切なことは,互いが互いの考えをきちんと理解することである。しかしながら,多くの生徒が言葉による説明だけでは理解しづらい現状がある。結果として,その後の検討がちぐはぐなやり取りになりがちである。
 そこで,白新中学校理科部では,考えをチャート図(理由づけチャート)にして表現させている。主張とその理由を結び,その理由の根拠をつなぐことで,個々の生徒の考えが可視化されるのである。
 子どもたちは,互いの考えを「理由づけチャート」を見ながら理解し,根拠と理由とのつながりに反論したり,理由の妥当性を検討したりしながら科学的な思考力と表現力を身につけていく。そして,この検討を経て,最終的に予想される結果を判断するのである。
 本研究では,科学的な思考に基づいた検討を重ねながら,根拠とともに科学的な理由づけをして自らの主張を決定することで,「科学的な見方や考え方,総合的なものの見方の育成」,「科学的な思考力,表現力の育成」をねらう。

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「教育実践」
「数と式の証明」において“も”「ならば文」と「追究マップ」を用いることを通して分かる授業を目指す指導の工夫
新潟市立白新中学校
伊藤 雅仁

  本研究は,3学年の文字式の証明において,「ならば文」を用いて仮定・結論を明確にして証明を行い,明らかになった事柄を順次「追究マップ」にまとめていくことを通して分かる授業を目指していくものである。2学年の図形分野においては「ならば文」と「追究マップ」を使っての実践は多いが,3学年の文字式の分野においてもこの手だてを使って分かる授業を目指した。
 生徒は,2学年・3学年で学習する『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』において,苦手意識をもっている。基本の計算部分はできていても,説明・証明になると説明の形になっていない誤答であったり,何を書いたらよいか分からないといった実態がみられる。しかし,2学年で学習する『図形の証明』は『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』より実態調査において正答率が高かった。そこから私は,『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』の正答率がなかなか上がらない原因として,以下の2つの困難性があるのではないかと推測した。
ア 図形では,仮定・結論を明確にして証明しているのに対して,文字式の証明は仮定・結論を明確にしていないこと
イ 図形では,視覚的に考えられるのに対して,文字式の証明は視覚的に考える事ができないこと
 この2つの困難性を解消するために,次の手だてを講ずることにした。
① 「ならば文」を用いて,仮定・結論を明らかにする。
 このことによって,仮定の一部を条件変更することで,生徒は既習事項と新たに分かったこととのつながりを意識しながら新たな問題を設定していき,活発な授業展開ができる。
② 明らかになった事柄を順次「追究マップ」にまとめていく。
 このことによって,学習した内容を時系列で記述し,視覚的に理解を深めていくことができる。
 この2つの手だてにより,『文字と式を使って説明する問題や証明する問題』においても,『図形の証明』と同様に生徒が分かる授業を目指したものが本研究である。

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「教育実践」
生徒の実態把握とそれに応じた指導の工夫
三条市立第三中学校
千田 博照

 全国学力学習状況調査では、関数領域の正答率が特に低いことが取り上げられているが、自校でもその傾向がみられる。その改善を図るために、小学校でどのように学習しているのかを学習指導要領や教科書を見直した。また、三条市では小中一貫教育が平成25年度から本格実施されており、小・中学校での9年間の学びのつながりを考えたカリキュラムがある。
 小学6年「比例と反比例」でグラフが直線になることを、具体的な数量に即して理解できるよう指導することが必要である」とあり、中学1年「比例と反比例」では、「関数関係を表、式、グラフに表すとき、変数や定数を文字で表し、文字を使った式に一般化したり、座標に基づいたグラフをかき、変域は負の数まで拡張される」とある。
 これらをもとにした学びのつながりや、生徒の実態をふまえた指導を行えば関数の理解が深まると考え実践した。
 比例の導入では、小学校の教科書にある、水そうに入れた水の量と深さの関係を表やグラフで表す問題を扱った。ほとんどの生徒が表をつくることができて、グラフをかくことができた。しかし、柱状グラフでかく生徒が予想以上にいることが分かった。小学校では「比例と反比例」の後に、「資料の調べ方」で柱状グラフを学習するためであると考えられる。
 そこで柱状グラフをかいた生徒の考えを取り上げて授業を進めた。単元の終わりに同様な問題を扱ったが、その際は柱状グラフでかく生徒はいなく、ほとんどの生徒は直線でかくことができた。比例のグラフについて、点と点を結んでいくと直線になるという捉え方から、点の集合として比例のグラフが直線になることを捉えられるようになったと考えられる。その反面、直線で表された比例のグラフを具体的な場面で捉えられなくなる面がみられ、それに応じた指導を行う必要がある。

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「教育実践」
連立方程式における単元構成の工夫と指導の深化
長岡市立南中学校
宮田 雅仁

 第1学年では,一次方程式を学習する。この単元においては
ア 文字を使って立式し,課題を解決するよさを学ぶ。
イ 天秤モデルを用いて,等式の性質を理解する。
ウ 天秤モデルを用いて,一次方程式の解き方を導出する。
 以上のような3つの活動を行っている。
 第2学年では,連立方程式を学習する。この単元を第1学年で学習した一次方程式の振り返りと位置づけ,「文字を用いた解決方法を自ら選択し,一次方程式で学んだことを活用・類推し連立方程式の解き方を自ら導出する」場面を設定することが大切である。そのために,連立方程式の導入段階から加減法による解き方に至るまでの単元構成を工夫していく。
 具体的には,上記ア~ウの3つの活動を手立てとして連立方程式の単元に組み込んで,「アの強化」,「イの態度変更」,「ウをもとにした類推」に焦点を当てて本研究を行った。
 手立て1 導入課題において,「小学校で学んだ算術的解法」と「文字を用いた解決方法」を比較検討させ,「文字を用いた解決方法」を選択する態度を養う。(アの強化)
 手立て2 天秤モデルを用いて,2年次で学ぶ等式の性質を理解し,1年次で学んだ等式の性質との違いを明確にさせる。(イにおける態度変更)
 手立て3 天秤モデルを用いて,一次方程式の解き方と対比し,連立方程式の加減法による解き方を導出させる。(ウをもとにした類推)
 これらの有効性について,量的な研究として,評価問題やWebテストの結果の分析を行い,質的な研究として,授業中における生徒の発言や会話をもとに授業を振り返っていった。
 量的な研究の結果として,成果が見られた。また,質的な研究の結果として,生徒が自ら判断する場面や,自分の考えを構築し,それを他者との関わりの中で再構築させていく場面が見られた。

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「教育実践」 時代の特色を大きくとらえさせる歴史の単元づくり
新潟市立鳥屋野中学校
田中 良成

 学習指導要領の歴史的分野では、「各時代の大きな特色をとらえさせること」が新しい目標として設定された。研究の1年目、従来通りの授業を行った後の単元末に、時代の特色を説明させる活動を加えた。しかし、生徒はほとんど説明できなかった。学習した時代を1つのまとまりと捉えられなかったからである。目標を達成するためには単元全体の指導計画の組み直しが必要であると考えた。そこで、「時代の転換点を考える活動を取り入れた単元構成を行うことで、生徒は時代を1つのまとまりとしてとらえ、特色を説明できるようになる。」という研究仮説を立てた。
 この仮説を検証するため、古代の単元で次のような手立てを行った。①単元全体を貫く中心課題を設定する。②時代の転換点を捉えることができるよう単元構成を見直す。③単元末でまとめの時間を設定する。
 ①では、単元全体の導入となる時間を設定した。「古代は、天皇や貴族がどのような国をつくろうとした時代なのだろうか」という単元全体を貫く中心課題の設定を行い、毎時間黒板に掲示した。生徒に単元のゴールを常に意識させることができた。
 ②では、聖徳太子など古代に登場する6人に重点化し、6人の政策をまとめていく単元構成にした。6人を時系列に並べることで、共通する特色があることや、時代とともに特色が変化していることに気付かせることができた。
 ③では、「6人を前半と後半に分けるとすると、どこで分けるか。」という課題を設定した。特色が変化していく転換点を探ることを通して、時代の特色が長い年月の中で少しずつ形作られていったものであることに気付くとともに、そのきっかけとなったできごとを具体的にとらえさせた。
 実践の結果、生徒たちは古代の中で天皇を中心に国が1つにまとまり、律令国家のしくみができ上がっていった流れに気づくことができた。また、政治だけでなく、外交、文化、仏教などの様々が要素が関わり合っていることに気づき、古代の特色を多面的に捉えて説明することができた。よって、この実践で用いた手立ては、古代の特色を大きく捉えさせる上で有効であった。

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「教育実践」
根拠と理由を明確にして読む生徒の育成 
~自他の「ずれ」をきっかけにした読む単元の創造~
見附市立見附中学校
木原 貴徳

 昨年度4月に実施した全国学力・学習状況調査の結果を見ると、特に国語B(活用)の正答率は全国的にも高い水準にあった。しかし、今年度4月に実施した同調査の結果から、全国平均をやや上回る程度であり、相対的にみると、学力は低下していると言える。観点別では、「読む能力」が他の観点に比べてやや弱い。
 設問別に見ると、“描写に注意して読み、内容を理解する”“目的に応じて必要な情報を読み取る”“表現の仕方に注意して読み、その効果を考える”などで正答率が低い。これらを総合して考えると、複数の読みの観点を与え、根拠と理由を明確にして読み取る学習を、本校の研究主題である学び合いを活用したかかわりのある言語活動を通して行っていけば、確かな学力を育成できるのではないかと考えた。
 私のこれまでの学習指導は、全員一斉の講義形式→個人による読み→全体交流→教師のまとめの提示によるものが多かった。その結果、発言力のある生徒の意見を鵜呑みにしたり、ひたすら板書を書き写したりと学習に消極的な生徒も多く見られた。この反省点に立ち、国語科の単元構成の過程では、言語活動の目的意識の醸成、動機付け、何のために読むのか、学習者に動機付けをどう図るかが重要になる。
 その際に、学習集団の中の自他の「ずれ」をきっかけとして、「誰の考えが、本当は正しいのか」「根拠を吟味しよう」という問題意識が生まれ、読む技術を主体的に獲得するようになると考え、上記の主題を設定した。
 本研究では、昨年度実践した「故郷」と今年度実践する「風の唄」(新しい国語3 東京書籍)での実践をもとに、自他の「ずれ」を生む発問の要件は何か、問題点は何かをまとめ、提案したい。

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「教育実践」
人間関係づくりを支援する学級経営
~アセス,ファシリテーショングラフィックを活用して~
新潟市立小針中学校
金田 良哉

  中学校において,学級は教育活動を進める上で,重要な集団の1つである。学級への不適応は一般的に,学級集団あるいはその成員である級友や教師との関係において,親近感,満足感,帰属感をもつことができない状態として捉えられている(越,2007)。つまり,学級への適応にはその成員との関係が影響するといえる。特に新潟市では,「多面的な幼児児童生徒理解に基づく,一人一人の幼児児童生徒と教師の信頼関係を基盤に『自立性』と『社会性』を育む教育を推進する」としている。さらに「幼児児童生徒一人一人の『目指す姿』や具体的方策を明確にした個別の指導計画等の作成により,一人一人の力を着実に高める教育活動を推進」するとしており(新潟市教育委員会,2013),教師の生徒一人一人の理解とその対応が求められている。本研究では,担任学級においてQ-Uテスト,ASSESS(Adaptation Scale for School Environments on Six Spheres)を複数回実施し,学級集団と一人一人の生徒の状況を把握する。その中で,教師との関係,教師サポートに注目し,担任教師が日々実践している学級便り,ファシリテーショングラフィック,教育相談との関連を検討する。また,学級内の不登校生徒及びその保護者への対応,外部機関との連携を通した担任教師の対応について考察する。

<文献>
河村 茂雄・小野寺 正巳・粕谷 貴志・武蔵 由佳・NPO日本教育カウンセラー協会(2004).Q‐Uによる学級経営スーパーバイズ・ガイド 中学校編.図書文化.
栗原 慎二・井上 弥(2012).アセスの使い方・活かし方.ほんの森出版.
越 良子(2007).中学生の所属集団に基づくアイデンティティに及ぼす集団内評価の影響.上越教育大学研究紀要,26,357-365.
新潟市教育委員会(2013).平成25・26年度「新潟市の学校教育の重点」.