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平成27年度

「ときわ教育奨励賞」 研究主題: 「長方形への変形」に限定した面積指導の試み
〜5年「図形の面積」・6年「いろいろな形の面積」の学習〜
長岡市立阪之上小学校
川上 節夫

  概念の習得が難しいとされる「単位量」の指導場面に正対し,子どもの思考に沿った教材提示や学習活動を綿密に構成し,具体的な子どもの変容が伝わる質の高い教科研究実践である。
 日々の授業実践を地道に積み重ねるとともに,発表に当たっては自らの指導法の独自性を全国的な動向を視野に入れながら考究する姿は,会員の「本部発表」や論文発表等の実践発信に向けた取組モデルとなるとともに,日常的な実践への意欲を喚起するものである。

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「ときわ教育奨励賞」 国際理解教育・開発教育の単元開発
長岡市立宮本小学校
細谷 賢吾

  国際理解教育の充実・発展のため,積極的に海外視察や海外研修に参加し,見聞を深め,その経験を踏まえた単元開発,教育実践を継続して行い,地球規模で考え,地域で行動しようとする子どもの育成に取り組み,外務省をはじめとする各種団体からも高く評価されている。
 「知る→考える→行動する」という開発教育の手法で,外国と日本を比べながら学習する中で,友達と自分自身についても考えを深めていく授業は,異なる価値観との共生が求められていくであろう今後の学校教育において,教育活動のモデルとしても追試され,普及していくことが期待できる実践である。

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「ときわ教育奨励賞」 専門性を生かし,学校を活性化させる「サイエンスコーディネーター」
〜意欲的な職員集団の育成と理科好きの子どもを目指して〜
新潟市立早通小学校
斎藤  隆

 長年にわたり,天文分野を中心として理科指導の研究実践を積み重ねてきており,新潟県,新潟市の理科教育振興にも授業実践の発表,指定研究の牽引役として貢献しており,「サイエンスコーディネーター」としての実践と成果はその集大成ととらえることができる。
  理科指導に苦手意識をもっている職員を支援することにより理科の授業を充実させ,理科好きな子どもを育てることに大きく貢献しており,「チーム早通小学校」としての職員集団の意識の高揚にも寄与している。今後の成果と普及が大いに期待できる実践である。

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「ときわ教育賞」 自ら課題を追究し,ふるさとの思いを高める子どもの育成
胎内市立中条小学校
池田 裕之

 ふるさとを愛する子ども,ふるさとに生きる子どもの育成を一貫したテーマとしており,児童自らが,問題意識を明確にもち,主体的に追究して,地域のよさや問題状況に触れたり,かかわったり,働き掛けたりする具体的な学びの姿は,「地域に開かれた教育課程」のモデルとなる教育実践である。
 様々な場面での事例発表や原稿執筆など,実践研究の成果を広く,積極的に発信しており,「子ども農山漁村交流プロジェクト」「博報賞」など全国的にも高く評価されている。

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「ときわ教育賞」 子どもを笑顔にするために
〜意識的に教育活動に「出会い」を組み込み、子どもたちに意味ある経験(学び)をもたらす〜
新潟市立江南小学校
井口 昭夫

 JICA,新潟県青年海外協力協会,NPO法人やNPO等,関係する諸団体への活動に参画したり連携したりしながら,組織的に研究・実践を進めており,国内外への社会貢献度が高い。
 勤務校においても,実際に海外の子どもたちと交流する活動を継続して実践しており,子どもの創意工夫を大切にしながら「出会い」体験での学びを経験化している実践は高く評価できる。

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「教育実践」 学習意欲を高める体育授業
〜役割を明確にし、ポジションと動きを仲間と共有しながらゲームを楽しむバレーボール〜
三条市立本成寺中学校
泉田 靖雄

 保健体育の授業で私は、その楽しさを体感し意欲的に取り組むようになり、「またやりたい、もっとやってみたい」と夢中になって体育に取り組もうとする生徒を育成したいと願っている。私は、そこから一人でも多く保健体育が好きだという生徒を増やしたい。そこで、私はまずは球技でその可能性を見出そうとして実践した。
 バレーボールは、得意、不得意がはっきりと分かれる。不得意な理由として、技能が不十分であること、ミスをしたときにチーム全体に迷惑がかかり、不安になることが考えられる。
 バレーボールは、ネットを挟んで分かれたチームが、状況判断しながら、ボールをつなぎ、相手コートにいかにボールを落とすかを競い合う種目である。これまでの私の実践では、チーム内で遠慮をしてボールに触れなかったり、ゲーム中の動きが不明瞭で戸惑いながら動く生徒がいたりした。そこで、長く続いたラリーを味わうことでチームとしての一体感が増し、グループ全体で喜び合い、より一層授業に夢中になる姿を目指す。
 本研究では、1年生のバレーボール単元において、ラリーを続けるためにグループの仲間の「思考をつなぐ」ことを目標とし、次のような手立てを行った。
1 チーム内の役割の明確化
 バレーボールは、レシーバー、セッター、アタッカーの役割が責任を果たすことで、コート上で動きやすくなり、連携したプレーができるようになる。そこで、チームの状況に応じ、コート上にいる4人の配置を考え、役割をはっきりとさせることで、分担した役割を果たす意欲をもたせた。
2 作戦ボードを用いた動きの視覚化
 触球の順番、難しい位置への返球に対するカバーリングを視覚化することで、生徒たちの動きがよりイメージしやすくなり、思考のつながりが発生するよう取り組んだ。
 また、仲間との関わりにおける賞賛や激励の発言を促すことで、受容的な雰囲気づくりを目指した。

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「教育実践」 確かな技能の向上と思考を促す授業づくり
新潟市立新津第三小学校
若槻 満

 今年度の研修のテーマを「確かな技能の向上と思考を促す授業づくり」とした。高学年のボール運動では、一人一人の技能差や男女による性差が大きいと感じる。運動を楽しむだけでなく、運動に必要な確かな技能の向上や獲得が求められる。また、教師から与えられた課題をこなすだけでなく、自分たちでチームの実態に応じて作戦を考えたりすること、ルールや場を工夫したりすることが必要となってくる。互いに協力し励まし合って学習を進めることができるよう手立てを講じる必要があると考えた。そこで、確かな技能の向上、思考を促す授業づくりの2点から、その解決に迫る。
1 確かな技能の向上
 ティーボールに必要な「投げる」「捕る」「打つ」という学習内容で確実に技能が身に付くようにする。これら3つの動きを高められるように、段階的に「投げる・捕る・打つ」ゲームを設定したり、ゲーム内容を工夫したりしながら、技能の向上について考察する。
2 思考を促す授業づくり
 思考を促す手立てとして、異質グループでの学習を中心に進める。試しのゲームを行い、自分たちのチームに合った攻撃や守備を考えさせ、協力し励まし合ってゲームを進められるようにする。その際、学習形態や学習カード等を工夫して、思考を促すようにする。そしてこれらの手立てが有効であったかどうか考察していく。
 上記のように、確かな技能の向上が期待できる体育授業、思考を促し、学習した内容が着実に身に付く体育授業の2点に絞り、今後も体育の授業に対する資質の向上を目指し研究を進めていく。

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「教育実践」 運動の楽しさや喜びを実感できる体育授業
〜ミートキャッチとばってん攻撃でつなぐバスケットボールの指導〜
五泉市立大蒲原小学校
小林 亘

 ボール運動で取り上げられる「バスケットボール」の楽しさとは何なのだろうか。ボールを受けるための動きを身に付けさせるにはどう指導したらよいのだろうか。
 1年次の実践では、児童にボールを保持する一連の動作を身に付けさせることで、下半身の力を使った力強いシュートを放つ機会が増え、運動の楽しさを味わわせることができた。また、人のいないスペースを生かした攻撃の仕方を工夫させることで、友達と協力してシュートの機会をつくりだす喜びも味わわせることができた。しかし、ハーフコートでの実践だったため、攻守の切り替えなど、スピーディーな展開は生まれにくいという課題が残った。
 そこで2年次の実践では、バスケットボールの楽しさや喜びをより多くの児童に実感させ、スピーディーな展開を生み出すために、ボールを保持する一連の動作を習得させるだけでなく、友達と関わりながらボールをゴールへ運ぶ動きを身に付けさせることが有効であると考え、次の4つの手立てを講じた。
1 コート図でばってん攻撃のイメージをもたせる。
2 前段運動でボールを保持する一連の動作を習得させる。
3 守る人が少ない練習ゲームで友達とかかわりながらボールをゴールへ運ぶ動きを身に付けさせる。
4 攻めも守りも同じ人数のメインゲームで技能を活用させる。
 オールコートバスケットボールにおいて,これらの手立てを講じると、児童はボールを受けるための技能を向上させ、友達と協力してシュートの機会をつくりだすことができた。また、パスをつなぎ自分のリズムでシュートを放つ楽しさや、友達と協力してシュートをする機会をつくりだす喜びを実感させることができた。さらに、これらの動きを連続して行うことにより、運動量の増加も期待できる。

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「教育実践」 プロジェクト学習を活かした体育授業の在り方について
見附市立見附小学校
神田 洋志

 学習指導要領によると、体育科では、互いに話し合う活動などを通じて論理的思考力を育みながら、基礎的な身体能力や知識を身に付け、生涯にわたって運動に親しむことができるようにすることが求められている。それを受けて、体育科の授業にICT機器を用いた研究が数多く行われている。
 ICT機器を用いることは、児童の動きの言語化を促し,児童同士の関わりの中で技能を身に付けることに有効に働くことが明らかになってきている。一方で、児童がグループで話し合ったことが、動きの高まりや練習方法の工夫につながったことを、はっきりと捉えていることに弱さが見られた。これは、児童がグループで課題を解決する価値を感じることができなかったり、グループの中で一人一人がもつ動きの課題が異なったりしたからではないかと考えた。
 そこで私は、次の2つの手立てから解決を図った。
1 単元を通した目的と目標をもたせる
 単元の初めに、題材(グループで取り組む学習内容)を提示した際に、児童が「こうしたい、こうなりたい」という目的と、そのために「どうするか」という目標をもたせる。そうすることで、児童が課題解決に向けて、その価値を感じながら学習を進めていけるようにした。
2 課題別グループを組織して、話合いを促進させる
 一人一人の動きの課題を明らかにした段階で、課題別グループを組む。そして、タブレットPCを用いて、互いの動きを見ながら、自分たちの動きの課題について話し合い、改善していけるようにする。課題別にグループを組むことで、話し合う方向性を一致させ、一人一人が自分の動きを基にして動き方や練習方法などを伝え合ったり、教え合ったりすることを促進することができるようにした。
 これら2つの手立ては、鈴木敏恵の「プロジェクト学習」を活かしたものである。アクティブラーニングの学習方法として挙げられ、体育科においても大切な考え方の1つである。今後も、体育におけるプロジェクト学習の在り方について研究を進めることで、児童が体育で主体的・協働的に学んでいけるように追求していく。

<参考文献>
課題解決力と論理的思考力が身につくプロジェクト学習の基本と手法、鈴木敏恵

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「教育実践」 ボールを持たないときの動きの質を高める指導の工夫
〜6年ゴール型ゲーム「ハンドボール」の指導〜
阿賀野市立笹岡小学校
佐藤 仁

 学習指導要領では、ゴール型ボール運動の技能として、ボール操作の習熟とともにボールを受けるための動きの習得が示されている。単にゲームをするだけではこの動きは身に付かず、技能が高い少数の児童にゲームを支配されることは少なくない。ボール非保持者の動きを経験させる「スリーサークルボール(攻守交代型)」、「オールコートスリーサークル(攻守切り替え型)」が簡易化されたハンドボールに対して有効に働くかどうか以下の点で検証した。
1 サポート適切率(攻守切り替え時のサポート適切率)
 パスの出し手と受け手の間の守備者の位置によってサポートの適否を判断し、パスが行われた回数に対する適切なサポート数の割合で検証する。
2 動いてのサポート率
 パスの受け手(ボール非保持者)が動いてパスを受けようとサポートした割合で検証する。
3 パスするまでの状況判断時間(攻守切り替え時の状況判断時間)
 ボールを受け取ってからボール非保持者にパスするまでの時間で検証する。
 ボール運動を苦手としている児童が、ボール運動に対する意欲を高め、自信を深められるように今後も研究を進めていく。

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「教育実践」 状況判断する力を高める話合い活動の工夫
〜中学年ゴール型ゲームの実践から〜
新潟市立上所小学校
江口 健

 学習指導要領解説体育編の中学年ゲーム領域の技能において、「ゴール型ゲームでは、基本的なボール操作やボールを持たないときの動きによって、易しいゲームをすること」とある。これまでの私のゴール型ゲームの実践では、「個人技能に長けた児童だけが活躍する」「ゲームの中でどのように動けばよいか分からない児童が、主体的に参加できず、ボールに触る機会も少ない」という二極化した様相になってしまった。ゴール型ゲームでは、攻守が入り乱れ、状況が目まぐるしく変わるため、運動経験の少ない児童にとっては、難しさがあるためだと考える。
 1年目は、どの子も主体的にゲームに参加できるようにするために、3学年児童において、全員参加のためのルールの工夫を取り入れ、タグラグビーの実践を行った。ゲーム中や話合いの時間に児童同士の教え合いが生まれ、児童はボールを持っていないときの動きを理解することができ、主体的にゲームに参加することができるようになった。
 しかし、ゲームの中では、理解した動きを使えていない姿も見られた。これは、動き方は分かっているものの、ゲームの状況判断ができずにいるためだと考える。
 そこで2年目にゴール型ゲームの中において児童が状況判断する力を高めるために「パスの回数と映像資料とを結びつけた話合い」を取り入れる。児童はペアを作り、パスを受けた回数をカウントし、記録していく。ゲーム後にパスを受けた回数を認識させた上でゲームの映像を見せる。パスを受ける回数の多い児童と少ない児童とを比較し、児童の話合いを通して動きのポイントを理解させていく。このことを単元を通して行い、ゲーム中の状況判断する力を高める。
 この手立ての有効性について、ビデオによるゲーム中の児童の動きの変容や学習カードの記述から検証した。

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「教育実践」 思考を発展させながら、技能を向上させる体育授業
〜5、6年ネット型キャッチバレーボールを通して〜
村上市立神納東小学校
小野 浩由

 ボール運動の授業では、「ゲームを楽しむ力」=「ゲームの勝敗をめぐる攻防を楽しむ力」を保障することが重要になる。そのためには、どうやって得点するのか、どうやって勝つのかが「わかる・できる」ための学習をする必要がある。本研究では、勝敗をめぐる様々な「戦術的な気付き(わかる)」に基づいた「パフォーマンス(できる)」を身に付けるために、思考を発展させながら、技能(ネット型パフォーマンス)を向上させる体育授業を求め、2つの手だてからその解決に迫った。
 本単元のキャッチバレーボールでは、「戦術的な気付き(わかる)」を「相手が返せないボールを相手コートに送るために必要な考え方」と捉えて進めた。
1 「関連付ける」「関係性を見つける」「序列化する」3つの活動を、毎時間サイクルで行うこと
 児童はネット型の経験がほとんどない。そこで教師から児童に、戦術的な気付きに必要な新たな知識や発問を与える。そして、児童にこの知識や発問と既習の知識を組み合わせて、練習方法や作戦を考える時間を与えた。このように知識を組み合わせて考える活動を3つに分類し、「関連付ける→関係性を見つける→序列化する」ことを、毎時間サイクルで繰り返した。すると、児童は練習方法や作戦をより高次なものにし、思考を発展していった。
2 キャッチバレーボールのゲーム様相の発展段階を想定した学習内容の単元計画を設定すること
 より思考を発展させていくためには「何について考えるのか」「どのように考えるのか」「何を結び付けるのか」の具体的な発問が重要であった。そこで、キャッチバレーボールのゲーム様相の発展段階を想定し、単元計画を立てた。「ボールコントロール」と「アタック」の動きを結び付ける=攻めを組み立てる段階。「失点を防ぐ動き」と「フォーメーション」を結び付ける=守りを組織化する段階。「相手の守りを崩す」ことと「アタック」の動きを結び付ける=相手の守りに対応する段階と想定し授業を展開した。
 2つの手立てにより、児童は、毎時間学ぶべき内容を明確に捉え、思考を発展させながら、ネット型パフォーマンスを向上させていくことができた。

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「教育実践」 ボールを持たない時の動きを習得し、組織的な攻防を楽しむ児童の育成
〜6年生 ソフトバレーボールの実践を通して〜
新発田市立外ヶ輪小学校
澤 元

 ソフトバレーボールの指導ではプレーの連携による攻撃や守備によって、ネットをはさんだ攻防を楽しむというネット型のゲームの特性を味わわせる必要がある。そのために、視聴覚機器や仲間と共同で作る学習カードを活用して動きを可視化し、ボールを持たない時の動きに着目させた。そしてゲームの中で活用させていった。また、役割固定と1回キャッチを認めるという簡易化したルールを用いて、児童が仲間と関わり合いながら技能を身に付け、ゲームに参加し、楽しむことができる授業を目指して本テーマを設定した。
 具体的な手立ては以下の3点である
1 映像による学習課題の把握
 前時までの授業映像の中から特徴的な場面を切り取って児童に提示した。気付いたことを話し合う中で、本時の学習課題と関わるボールを持たない動きについて児童の言葉で可視化し,チームで共有した。
2 共同して作る学習カードによるボールを持たない動きの可視化
 チームごとに役割をセッター、ライト、レフト、センターの4つに分担した。1つのゲームでは役割を固定して行い、ゲームを通して感じたことや学んだことを学習カードに記述していった。次のゲームで仲間はそのカード参考にして、ゲームを行った。 
3 ボールを持たない動きを引き出すためのゲームの簡易化
 メインゲームにおいて同一ゲームではローテーションは行わず、1試合での個人の役割を固定した。 また、レシーブもしくはトスの段階で、1回のみキャッチを認めるルールとした。
 共同的に作成した学習カードやビデオ映像を利用して、ボールを持たない動きを可視化し、共通理解することで児童はボールを持たない動きについて理解を深めることができた。また、役割固定と1回キャッチを認めるルールを用いることで自分たちの考えた攻撃を遂行することができた。このことにより、実際のゲームでは3段攻撃の出現率やボール返球率、ブロックの回数が増えた。この事実と形成的授業評価から見て、児童はソフトバレーボールのゲームを楽しむことができたと考えられる。

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「教育実践」 仲間とかかわり合いながら、運動技能を高めるマット運動指導
長岡市立東谷小学校
中山 尚人

 今までの指導において、マット運動を好きでないと感じている児童が多かった。その理由として、決まった技しかできないから、技が難しいからなどが挙げられる。また、自分の体を自分の腕で支えることや逆さ感覚などに慣れていない児童が多いからだと考えられる。このことから、児童一人一人にマット運動に必要な基礎感覚を身に付けさせ、楽しさや安心感を味わわせる十分な時間が必要であると感じた。また、スモールステップで少しずつ技を習得していき、自信をもって活動できるように指導をしていく必要があるとも考えた。
 そこで、昨年度の5年生「マット運動」では、@グループ内で互いの技を見せ合いアドバイスする活動 A確実に技ができるようになるためのスモールステップの課題設定 Bデジタルカメラを活用し、自分の動きを確かめ課題をつかむ活動を取り入れた実践を行った。この実践の中で、多くの児童に運動技能の向上が見られた。しかし、一部の児童は、練習のポイントはつかむことはできたが、運動技能の向上までには至らなかった。
 今年度は、昨年度の実践を受け、6年生全員の児童が確実に運動技能を高めることを目指し、仲間同士で技能を高め合う「競い合い」を取り入れた授業構成の工夫に取り組む。技の完成度を競い合うコンテストという「競い合い」を取り入れることで、グループ内では、高得点を獲得するための「仲間同士のアドバイスや支援」が活発に行われる。本研究は、高得点を獲得できる技の完成度を目標に、改善のポイントに基づいた練習に積極的に取り組み、確実に運動技能を高めていく子どもを目指した研究である。

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「教育実践」 種目特性と自己の伸びを実感できる体育授業
〜モチベーションと心地よさを高める8秒間ハードル走の実践〜
湯沢町立湯沢小学校
磯部 健太郎

 これまでのハードル走の授業において、踏み切り時と着地時に減速する児童の姿が見られた。原因として考えられるのが、ハードルを跳び越える際の体重移動がスムーズに行われていないことである。
 そこで、振り上げ足の着地点を意識させ、ハードルを跳び越えてからの1歩目を大きく前に出す走り方を身に付ければ、インターバルをリズミカルに走ることができると考え、先行実践を行った。振り上げ足が着地すると同時に支持足となり、前方への体重移動が起こる。これにより、抜き足が前方に出しやすくなり、加速を生むと考えたからである。その結果、踏み切り時に減速が少なかった児童はインターバル間で加速し、タイムの短縮につながり、一定の成果を得た。しかし、着地点を意識させたことにより、踏み切り時に減速し、高く跳ぶ児童も見られた。
 ハードル走の経験が少ない時期は、踏み切り時の減速を少なくするために前へ進む意識を強く持たせることが必要である。また、高学年では競争型、達成型の運動である陸上運動に楽しさを感じていない児童もいる。これらの課題を解決するために次の手だてを講じ、実践を行った。

1 8秒間ハードル走
 山本貞美氏考案の「8秒間走」は、目標設定が明確なため、楽しんで取り組むことができる教材であり、個を大切にし、運動が得意、苦手に関わらず全ての児童に全力で取り組ませることができる教材といわれている。また、走る距離を伸ばしていくことが目標になるため、前への意識が強くなると考えた。そこで、「8秒間走」をハードルに応用した。
2 主観的心地よさ尺度での振り返り
 ハードル走一本毎に、自分の走りを気持ちよさという観点で数値化した。児童の気持ちよさをスムーズなインターバルと規定し、気持ち悪い時の走り方と気持ちよい時の走り方を数値化することにより、自分の走り方を振り返った。気持ちよい時の走り方を振り返ることで、自分なりのコツを言語化させた。
3 グループ対抗のゲーム
 練習の際の教え合いや励ましの姿を引き出し、「関わる」ことで、「できる」「わかる」姿を導くことができると考え、グループ対抗のゲームを行った。
 苦手な運動でも、運動の楽しさ、喜びを感じさせることで、運動の質を高めていくことを追求した実践である。

<参考文献>
山本貞美『高田典衛の「子どものための体育」と「8秒間走」』鳴門教育大学研究紀要12巻 1997
山本貞美『「8割走」を取り入れた学習プログラムの一考察』鳴門教育大学研究紀要19巻 2004

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「教育実践」 音楽づくりの系統的な指導法の一提案
〜機能和声による旋律づくりの実践を通して〜
新潟市立曽根小学校
佐藤 史人

 小学校学習指導要領解説音楽編では、領域「A表現」に「音楽づくり」が独立した活動として位置づけられ、重要性が明確化された。音楽づくりの学習の中で、旋律づくりにおいては、児童が初めから数小節の旋律をつくることは難しい。教師にとっても機能和声(和音進行や和音の働きを指す概念)による旋律づくりの指導を苦手とする一面がある。児童の実態を考慮した系統的な指導と、有効な学習活動を明らかにすることが課題である。
 次の3段階からなる指導計画を組み立て実践し、解決に迫った。
1 モデルとなる教材曲を工夫した旋律づくり(中学年)
 モデルとなる4小節の旋律(a)を反復し、4小節目を続く感じにつくり変えることで、8小節の旋律(a4-a'4)をつくる。
2 和音の構成音を生かした旋律づくり(高学年前期)
 教材曲の和音の響きの変化を感じ取ることを通して、和音の構成音を生かした2部形式の3段目の旋律(b4)をつくる。a4-a'4-b4-a'4の2部形式16小節の旋律を仕上げる。
3 グループでコール&レスポンスのある音楽をつくる(高学年後期)
 コール(問い)の旋律を一人でつくり、レスポンス(答え)の合奏をグループでつくる。自分の問いとグループの合奏をつなぎ、イメージを確かめながら問いと答えのある8小節の音楽をつくる。
 児童の実態を考慮し、系統的な3段階からなる指導計画を組み立て、実践した。児童は無理なく音楽づくりに取り組み、音楽の仕組みを生かしながら、思いや意図をもってまとまりと変化のあるa-a'-b-a'の2部形式16小節の旋律をつくったり、8小節の問いと答えのある合奏曲を協力してつくったりすることができた。この取組により、自らの感性や創造性を発揮しながら自分にとって価値のある音や音楽をつくる姿に迫ることができた。
 機能和声による旋律づくりにおいては、和音や和音進行が旋律づくりを導く手立てに大きく関わっている。今後は、和音に関する知識を含めたより具体的な手立ての在り方について研究を深め、明らかにしていきたい。

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「教育実践」 ライティング指導における効果的なフィードバックの在り方
聖籠町立聖籠中学校
杉ア 勝彦

 1 研究主題設定の理由 
ライティング指導においては教師が添削指導に多くの時間を費やすものの、生徒のライティング力が高まった・効果があったと実感することがない。理由として、生徒が書く時点とフィードバックを受ける間には時間差があり、生徒の記憶力が薄れていることと、教師サイドで改訂方法をすべて指示するので生徒が再考する必要がないことが挙げられる。この状況を踏まえて、以下のようなフィードバックをすることで、生徒はまとまりのある文章を読み手や書く目的を意識して書くことができると考え、本主題を設定した。
2 研究仮説  
生徒がモデリングから獲得した「構成」「内容」「言語」を参考にしながら書く練習タスクを設定し、評価基準表を基にピア・フィードバックで改善の方向を明らかにし、ティーチャー・フィードバックを与え、修正したり加筆したりすれば、生徒はまとまりのある文章を読み手や書く目的を意識しながら書くことができるであろう。 
〈フィードバックの在り方〉
@ピア・フィードバック
ピア・フィードバックを行うことによって生徒は読み手を意識し、生徒同士で生徒の目線からアドバイスを与え合っていくことで、書く意欲を高めることができる。また、コメントする際は2stars and a wish(2つの良い点と1つの改善点)の双方を指摘するように指導する。グループ構成も工夫する。
Aテイーチャー・フィードバック 
各生徒に応じたフィードバックを授業内で行う。直接的フィードバックとは、主に生徒の書いた文章での使用語彙や文構造などの誤りに対して直接修正を与える方法である。低学力層の生徒に効果的である。一方、間接的フィードバックは、誤りに対して下線を引いたり、あらかじめ定めた記号等を書き込むことで、生徒が自分で考えて誤りを発見し、修正していく方法である。

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「教育実践」 「書くこと」の表現力向上を目指した指導の工夫
〜バックワードデザインによる単元計画とルーブリック評価の活用〜
燕市立吉田中学校
星 康司

 英語学習で大切なことは、コミュニケーション能力の育成だと考える。しかし、これまでの自分自身の指導を振り返ると、教科書の題材や文法について教えることが多く、生徒に自信をもって英語を使わせるための態度やコミュニケーション能力の育成の指導が不足していた。そのため、生徒に英語を使うことの成就感をもたせることができなかった。
 この課題に対し、本研究では、「書くこと」の表現力向上に目標を絞り、次の2点からその解決に迫ることとした。
1 バックワードデザインによる単元計画
 まず、単元のねらいを踏まえてゴールとなる目指す生徒像を設定する。次に、評価の観点と課題を決めて、それを生徒にも知らせる。教師は、ゴールに基づくシラバスを考え、スタートまでさかのぼって指導する内容や方法を計画する。事前に評価基準や課題を決めて、生徒と共有して学習を進めるという点が、これまでのスタートからゴールまでを示した単元計画とは逆向きである。こうすることで、生徒自身が単元の目標と現在の自身の学習到達度を比べながら、目標達成に向けて課題に意欲的に取り組み、コミュニケーション能力の向上につながると考える。
2 ルーブリック評価の活用
 単元の最初に、生徒に評価規準と基準をルーブリック形式で明示する。その単元のゴールが明確になり、生徒の自律的・主体的な学びにつながると考える。さらに、生徒が毎時間、課題の自己評価をすることが可能となるとともに、教師がコメントや添削などで課題や活動に対し、形成的評価を行うことができるので、学習の成就感が高まると考える。
 今後も、コミュニケーション能力の育成のための効果的な指導の在り方を考え、工夫し、実践していきたい。

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「教育実践」 目的意識をもち、進んでコミュニケーションを図ろうとする児童の育成
新潟市立庄瀬小学校
山際 奈穂子

 外国語活動では、児童が本気で話したい、聞きたいという目的意識がなければ、進んでコミュニケーションを図ろうとはしない。
 本研究では、目的意識をもち、進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育成するために、以下の2つの手立てを考え実践を行った。
1 児童が自分から進んで、話したい、聞きたいと思えるように、単元の終末には本気になれる本物を取り入れたコミュニケーション活動を設定する。
2 児童が「本物を取り入れたコミュニケーション活動」に自信をもって臨むことができるような、スモールステップの慣れ親しみの活動を設定する。
なお「本物」を以下のように定義した。
@ 実際のもの
A 児童の本心(話したいこと、聞きたいこと 等)の表現
  実際に自分の口の中に入ったり、手に入ったりする本物があると、児童の本気度が圧倒的に高くなった。できる限り実際の物を活動に取り入れて実践することが望ましい。
  児童が本当に話したり、聞いたりしたいことは何なのかを見極めて、授業者が目的意識をはっきりもたせることができれば、児童は進んでコミュニケーションを図ろうとすることも明らかになった。またコミュニケーションをとる相手は学級の友だち、ALT(外国の人)、教師、家族、上級生(6年生)と様々に活動を設定することができる。ALTの出番を工夫する等して、更に生きた英語でのコミュニケーション活動を設定していくことが今後の課題である。
  終末の本気になれる本物を取り入れたコミュニケーション活動にいたるまでに、スモールステップで慣れ親しめる活動を設定していくことは有効であった。(児童の活動の様子や自己評価から)
  Hi,friends!1に示されてある活動はあくまでも例であり、それをアレンジしたり、あるいは別の活動に置き換えたりして、いかに児童の興味関心を引き、楽しく活動できるようにしていくかが、児童の普段の姿を知っている担任の工夫できるところであると考える。できるだけルールが分かりやすく、おもしろいゲームを組織する。また、表現を繰り返し聞いたり、言ったりすることができる活動を引き続き開発していきたい。

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「教育実践」 自分の英語表現を見直しながら、より良い英語表現で想いを伝えようとする児童の育成
〜PDCAサイクルを取り入れた単元構成を通して〜
柏崎市立荒浜小学校
山際 卓也

 外国語活動において、児童はチャンツやゲーム要素のある活動により意欲的に取り組むことが多い。しかし、コミュニケーションの素地を養う外国語活動では、単に英語を「好き」にさせることではなく、英語を使って「言いたいことが伝わった時の喜び」を感じさせることが重要だと考える。
  私は次の2つの手だてを用い、児童の英語表現の高まりを狙った。
1 PDCAサイクルを取り入れた単元構成
  単元の活動を計画(Plan)、実行(Do)、見直し(Check)、改善(Action)と位置づけをし、どの単元でもこのPDCAに基づいて授業を進める。その単元構成を繰り返すことで一貫性が生まれ、授業一コマごとのつながりを明確に児童に示すことができる。また、一時間の中にcheck-do-checkといった小さなサイクルを回すことによって児童の英語表現が改善される。
2 ALTからのアドバイスを基に英語表現を「見直す」活動を取り入れる。
  児童が自らの英語表現を見直そうとするには、現在の自分の表現に疑問をもつ、または「このままでは伝わらない」と感じる等、多少のつまずきが必要であると考えた。しかし、教師が「ここをこういう風に直した方が良いよ」と教えるだけでは、主体的に見直すことはしないだろう。そこで、意図的に「上手く伝わっていない」といった状況を活動に組織し、児童自身に「なぜ上手く伝えたいことが伝わらないのか」を考える場を設定する。また、見直す際の視点をALTよりアドバイスをしてもらうことにより、自分の英語表現をより実践に近い形で正確に見直すことにつながると考えた。
  平成26年に文部科学省が示しているように、2020年には外国語活動で求められる指導内容は大きく変わることが予想される。近い将来、小学校段階でもコミュニケーション能力の「素地」から「基礎」が求められていくだろう。私は、児童が「楽しかった」で終わることなく「伝わる喜び」が感じられる授業を今後も実践していく。

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「教育実践」 自己の生き方を見つめ考え続ける指導の工夫
〜ゲストティーチャーとの交流を通して〜
新潟市立葛塚小学校
中村 康

 総合的な学習の時間の目標は、「自己の生き方を考えることができるようにする」ことが明記されている。自己の生き方について探求的に学習を進め、生き方の本質に迫る児童の姿を求めている。手立てとしてゲストティーチャー(以下、GT)を招き、憧れる人の生き方に直接触れたり、将来なりたい自分の姿について考えたりする実践を試みてきた。しかし、児童の憧れや、GTの経験に拠るところが大きいという課題があった。よって、どのGTでも、交流自体を学ぶことはできても、交流を通してこれまでの自己と正対し、これからの自分の姿を描くところまでは迫れなかった。
  そこで本実践は、次の3点から解決に迫った。
1 あらかじめ質問事項を考え、自分の予想を挙げながら質問させる
 「どのような質問をすればGTから、生き方に役立つお話を引き出せるか」を学習課題に設定させ、話合いを通して質問事項を決めた。「大切にしていることは?」「やめようと思ったことは?」「一番落ち込んだことは?」など全部で23に整理し、予想を立てて交流に臨ませた。
2 GTの返答の理由を質問させる
  あらかじめ質問事項を考えて交流すれば、ある程度生き方について考えることはできる。しかし、児童自ら自己と正対し目指す生き方を考るようになるには、返答の背景にあるGTの価値観やGTがそう考えるようになるまでに至る過程、人生の節目となった生々しい経験を直接聞くことが欠かせない。そこで、本実践では、GTが返答したら、次の児童に「なぜそう答えたのか」「どうしてそう考えるようになったのか」「そのとき何があったのか」返答の理由や背景を次々と質問させた。
  GTとの交流は全部で9回行ったが、2回目以降は、出会った直後から児童の質問で進めた。中には、児童の質問に対して、GTが返答に困ってしまう場面が見られたが、その度に児童は「なぜそうしたのですか?」「そのとき何があったのですか?」と追求した。GTは苦い経験を思い返しながら、言葉に詰まりながらも必死に答えていた。まさにこの瞬間こそ、GTの生き様を学ぶことを通して、児童がこれまでの自己を見つめ、これからの自己の生き方を考えている瞬間だった。

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「教育実践」 児童が意欲的に学ぶ防災教育
〜「自分事」と「想い」をキーワードにして〜
新潟市立小林小学校
関根 友真

 近年、日本の各地で自然災害が多発している。記憶に新しい、平成23年3月11日の東日本大震災では、東北地方を中心に多くの被害が出た。しかし、一方で、岩手県の釜石市のように、小中学生を含め、全員が無事に避難した例もあり、防災の知識や意識、避難訓練の重要性などを改めて感じた。
  新潟県でも、昨年、新潟地震から50年を迎え、防災学習への意識が高まっている。いつ自分の周りで起こるかも分からない自然災害に備え、自分の命を自分で守ることができるように、防災の知識を身に付けたり、防災への意識を高めたりする必要がある。それは大人に限らず、児童にも言えることである。
  しかし、児童に、意欲的に防災について学ばせるのは、容易なことではない。なぜなら、多くの児童は被災した経験がなく、災害を自分や家族にもいつ起きるか分からないこと、つまり『自分事』として捉えることができないからだと考える。意欲的に学ぶことができなければ、いざという時に役立つ知識を身に付けることはできないだろう。このことから、防災学習において最も重要なのは、児童が、防災について『意欲的に学ぶ』ことだと考えた。
  では、どのようにすれば、児童が意欲的に防災学習に取り組めるだろうか。私は、下記の二つが必要だと考えた。
(1)危機感を持たせ、災害を『自分事』として捉えさせること
(2)児童の「こんなことをしたい」「こんな風に調べてみたい」などの『想い』を叶えること
本実践では、この二つを達成するための手立てを取り入れることで、児童が意欲的に学ぶ防災学習を目指した。
  学習後のアンケートでは、「防災学習に意欲的に取り組めたか」「学習前に比べて、災害時、自分の命を守れるようになったと思うか」といった項目について、90%以上の児童が肯定的な評価をした。また、学習を進める中で、更に詳しく調べ、追求していく姿やより分かりやすく発信しようと工夫する姿も多く見られ、意欲的に学習していると感じられた。

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「教育実践」 児童の課題意識を高めるファシリテーションの在り方
胎内市立中条小学校
神田 章

 総合的な学習の時間においては、自ら課題を見付け、自ら課題を解決する力の育成が求められている。そのために、課題意識を高めることが重要である。課題意識を高めるとは、問題を自分事として捉え、「どうしても解決したい」という必要感を伴う強い意識にまで高まったことと捉える。
  このような意識にまで児童の意識を高めることこそ、主体的な追求活動を促すと考える。課題意識は、体験活動や教師の指示、声掛けのみで高まっていくものではない。体験活動後に児童から出される考えは、あいまいなものが多く、そのまま活動に及んでも、児童の活動は停滞するからである。課題意識は、児童の漠然とした考えを具体的にしたり(拡散)、広がりすぎた考えを焦点付けたり(収束)することによって、児童の自発的な問いを連続させることで高まっていく。児童の自発的な問いを連続させるために、体験活動後に児童の考えの具体化と焦点化を繰り返す話合い活動をいかに充実させるかが重要であると考えた。
  そこで、本研究では、ファシリテーションをその手だてとして用いた。ファシリテーションは、児童の思考の可視化が可能であり、考えの具体化と焦点化の場面でその効果を発揮することができるとともに、児童が互いに意見を述べ合うという方法によって、協働的な話合い活動を促すことができると考えた。ファシリテーションによって、児童の考えを具体化・焦点化し、協働的な話合い活動を促すことで、課題意識を高めていくことを意図した。本研究では、児童の思考を具体化したり、焦点付けたりする場面でファシリテーションを用いることの指導効果を検証した。

<参考文献>
「信頼ベースのクラスをつくる よくわかる学級ファシリテーションA 子どもホワイトボード・ミーティング編」 岩瀬直樹・ちょんせいこ 解放出版社 2011
「みんなが主役!わくわくファシリテーション授業」 にいがたファシリテーション授業研究会 新潟日報事業社 2013

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「教育実践」 W型問題解決モデルを用いた生徒の表現力を育成する指導の工夫
胎内市立中条中学校
長谷川 直紀

 W型問題解決モデルとは、文化人類学者の川喜田二郎によって考案された問題解決の手法であり、生徒の活動を思考レベルと経験レベルの2つに分け、「観察」と「実験」の2段階で問題解決を行うものである。これまでの自分の授業を振り返ると、1つの学習内容に対し解決のための活動を1回の観察または実験で進めていた。これに対しW型問題解決モデルをもとに、事象の性質やしくみを把握するための「観察」と、「観察」で獲得した知識をもとに仮説を立て検証する「実験」の2段階に分けて授業展開を見直し課題を設定した。このモデルの活用を通して「観察」の段階で獲得した情報をもとに,生徒自身が課題を自分のものとして捉えた「実験」を行うことができた。
 また、本研究ではレポートの考察欄の記述が生徒の科学的な見方や考え方を最も表出させる部分であると考えた。そこで、レポート指導においては、考察欄に実験結果を根拠として記述し、課題と正対した結論を記述するように指導した。
 研究の結果,実験レポートの考察欄の記述に生徒の表現力の高まりが認められ、W型問題解決モデルの有効性を実証することができた。

<参考文献>「発想法」/川喜田二郎.中央公論社.1967
<参考文献>「W型問題解決モデルに基づいた科学的リテラシー育成のための理科教育に関する一考察―問題の把握から考察・活用までの過程に着目して―」/五島政一・小林辰至.理科教育学研究 vol.50.2.2009

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「教育実践」 理科におけるグラフ読解能力の育成を目指して
〜中学校1年「溶解度」の学習で用いられる曲線グラフと棒グラフによる複合グラフの読解に関する事例研究〜
五泉市立山王中学校
荻野 伸也

 本研究は、溶解度の学習などで用いられる、曲線グラフと棒グラフの両方が記載された複合グラフの読解能力に関して調査・分析を行ったものである。
  一般的に生徒は、溶解度曲線などの複合グラフに関する読解が困難な実態がある。読解を困難にする要因として、棒グラフや溶解度曲線の意味理解が不十分であることなど5つの問題点が影響している。
  そこで、問題点の解消をめざし、中学校1年生「水溶液」の単元での指導法を3年間で改善を加えながら考案し、授業を実践した。取り入れた手立ては、実際に溶解度曲線を作成する活動や、複合グラフの説明時は溶解度曲線で区切られた領域に着目させるなど4点である。
 授業実践後、実態調査で用いた複合グラフ問題4問で検証した結果、全問正答率は1〜2か月後でも高い正答率を保ち、実践した手立ての効果が立証された。また、グラフ読解能力が向上したことにより、生徒のグラフに対する意識も改革できる可能性も示唆された。

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「教育実践」 科学的な思考力・表現力を高める理科指導の在り方
〜他と関わり合いながら学び合う授業を通して〜
小千谷市立小千谷中学校
篠田 英

 これまでに私は、科学的な思考力・表現力を育成する手立てとして、生徒の興味関心を惹くような導入を取り入れたり、五感に訴えるようなインパクトのある実験を取り入れたりするなど、「教材」ばかりに焦点を当てすぎてきた。そこで今回の研究では、それに加えて生徒同士の学び合いや関わり合いを意図的に仕組み、様々な交流・意見交換を通じて自分の考えを深化できるような授業構成を考え、実践した。
 具体的には、新潟県中学校教育研究協議会が定めた「学び合い10」の中の、「ア.根拠をもとにした予想理由の検討」と、「イ.結果をもとにした考察の意見交換」の2つを手立てとして焦点を当てた。
 アは1学年の『身のまわりの物質』の中の小単元「物質の状態変化」、イは2学年の『動物の世界』の中の小単元「消化と生命を維持する仕組み」の授業の中で実践し、生徒の科学的な思考力・表現力の更なる向上を目指して、本研究に取り組むこととした。

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「教育実践」 生徒の主体的な学びを促す授業の工夫
〜複線型の追究を通して〜
佐渡市立両津中学校
堀 喜代子

 理科では、興味・関心をもって主体的に学ぶことが学力向上に大きく関わると考える。「好きだ」「おもしろい」という気持ちは大切だが、さらに強い目的意識をもち、自ら進んで観察・実験に関わり、探究しようとする生徒を育てることが必要である。課題に対して、生徒同士が関わり合い学び合うことが、自ら学ぼうとする気持ちをさらに強くするのに有効な方法である。生徒に、学習意欲を継続させ、自ら進んで観察、実験に取り組む姿勢を身に付けさせるため、次の手立てを講じた。
1 複線型の追究をさせる
 課題に対して、それを検証するための実験を考え、同じ計画を立てた生徒同士でグループを編成し、計画から実験までを行う。多様な実験を行うことができ、それに伴って異なった視点からの発表を聞くことができることで理解を深める。
2 関わり合って学ぶ場の設定
 同じ考えをもつ生徒同士でグループを作って実験を行ったり、それぞれのグループで交流・検討させたりすることで主体的な学びを促す。また、それぞれの実験で出た結果をまとめることで複線を収束させ、学習に対する達成感と知識の定着を図る。
 実験を生徒が考えた計画の基に多様な方法で行わせること、また、同じ計画を立てた生徒同士でグループを再編成することで、より実験計画・実験・考察・発表の過程を協力して行えるようにした。その結果、実験の操作確認や結果をまとめる場面で互いの意見を交換したり相違点を指摘し合ったりするなど意欲の向上が見られた。さらに、実験結果をクラス全体で共有する学び合いから、新たな課題を見つけ主体的に追究活動を継続する展開も生まれた。

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「教育実践」 生徒自ら分析し解釈する力を高める理科指導の工夫
〜定性実験における表づくりの在り方と活用方法〜
十日町市立十日町中学校
大矢 晃三

 1 課題設定の理由
 中学校学習指導要領理科編では、教科の目標として「『科学的に探究する能力の基礎と態度を育てる』ためには、自然の事物・現象の中に問題を見いだし、目的意識をもって観察、実験などを主体的に行い、得られた結果を分析して解釈するなど、科学的に探究する学習を進めていくことが重要である。」と示されている。
 私のこれまでの指導では、実験や観察に対してとても意欲的に取り組むが、目的を理解せずただ実験を行っているという実態が少なからずある。そのため、得られた結果をもとに考察することができず、同じ班の生徒の考察を書き写したり、未記入だったりする生徒がしばしば見られた。また、定量実験では、得られた結果を表にまとめ、グラフ処理し、そのグラフから傾向を考察することは比較的容易であるが、定性実験において複数の結果が得られた場合、どことどこの結果を比較して考察したらよいのか悩む生徒が多く見られた。そこで、定性実験において生徒自身による表づくりの在り方と活用、そしてそれを活かせる教材を研究し、自ら分析し解釈する生徒の姿を目指した。
2 解決の手立て
(1) 生徒自ら考察を進めていくことのできる表の工夫と活用
 生徒が自ら実験結果を分析し解釈するため、どの条件下での比較なのか、そこから何が分かるのか、というポイントを明確にして実験を進めるようにした。このポイントを考えることで、実験の見通しをもつことができる。また、どのような表にまとめるのが良いのか吟味し、工夫することで、結果を比較して考察しやすくなる。その結果、分析し解釈するための見通しが明確化されると考える。
(2) 結果の妥当性を高めるための教材の工夫
 中学校理科の定性実験では、「反応した」もしくは「反応しなかった」という両極な結果が得られることが多い。事象をより科学的に探究させるためには、両極のみならず、複数の条件下で得られた結果を総合的に考察することで、解釈する際に多くの比較がうまれる。さらに、複数の条件による比較によって結論の妥当性が高まると考える。
 以上のような手だてにより、自ら分析し解釈する生徒の育成を目指して研究を進めた。

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「教育実践」 アクティブラーニングによる化学反応における粒子概念の形成について
長岡市立小国中学校
長束 貴英

 生徒の科学的な概念の形成にあたっては、興味・関心を高める課題提示や事象の観察によって問題を見いだし、生徒が能動的に取り組むことが重要である。生徒の能動的な取組は、継続して意欲をもち続けることで効果的に問題解決に必要な資質・能力を獲得しながら概念の形成を図ることが期待できる。
 これは、国立教育政策研究所が示す「21世紀型能力」の育成に大きく関わると考える。しかし、理科が苦手な生徒にとって、自ら問題を見い出し解決を図る学習はやや抵抗がある。そこで、本研究ではアクティブラーニングの考えを基に、以下の4点を指導過程に導入する。これにより、どの生徒にとっても能動的な取組を可能にし、概念形成を図ることを狙った。
1 単元を貫く課題の設定
 「化学電池はどうして電気を起こすことができるのだろうか」を明らかにすることを単元の課題に設定し、最後まで目的に向かって学習できる学習過程を保証した。
2 イメージマップによる問題解決の過程の視覚化
 単元導入時に提示した現象から、化学電池の仕組みの解明に必要と考えられる実験や疑問をイメージマップの形式で記録させた。個々のイメージマップは、班で集約することで精選され、実験計画も具体的に立てることができる。実験によって明らかになったことや新たな疑問を書き足していくことで、各グループの進捗状況を確認し、情報を学級全体で共有することができる。単元の学習中は常に理科室に掲示し、いつでも誰でも見ることができるようにした。
3 実験の複線化と情報の共有
 観察・実験の方法は、自由度をもたせて各班で検討させた。その際、他の班の生徒と意見交換をする機会を設定することで新たな視点に気付き、班で再検討する必要性を醸成する。結果についても同様な機会を設定した。
4 時間の保証による連続した問題解決の過程
 一年間を通して50分×2の2コマ連続した時間割で理科の授業を行った。このことによって、生徒は一つの実験について予想・仮説を基に計画を立て、実験を行い、結果を整理、考察し、結論を導出することができ、生徒の意識が途切れることなく解決へと向かうことができる。
 本研究では、これらの手立てが粒子概念の形成に有効であったかを検討する。また、他単元へ汎用化できるよう研究を進めたい。

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「教育実践」 化学変化における定量的な思考力を高める指導の工夫
〜2年「化学変化と原子・分子」の単元を通して〜
湯沢町立湯沢中学校
長谷川 大輔

 本研究は、単元「化学変化と原子・分子」の実践を通して進めるものである。実験を多く行うため、意欲的に授業に取り組む生徒は多いことが予想される。しかし、実験そのものに興味・関心をもつことができても、その結果をまとめたり結果から考察を導き出したりすることについて苦手意識が生じることも考えられる。特に、化学変化を定量的に考えることについては、その傾向が強い。その理由は「粒子の反応自体が目に見えないため、数量として捉えにくい」、「定量的に事象を捉える経験が少ない」などが考えられる。これらの課題解決のため、以下の手立てを講じる。
1 単元を通して化学変化の量的な変化を考える場を設定する。
 単元の中には、質量保存の法則や定比例の法則についての定量的な視点が求められる実験も含まれる。しかし、急にそのような視点が求められることを苦手とする生徒が多いことが予想される。そこで、単元を通して質量の変化に注目するという見方を与えながら進める。
2 量的な関係を考える際に、理論値と反応量による考え方を示す。
 定量的な考え方をする際、計算をして答えを導き出すことが求められる。計算方法がわからずに答えを出せない生徒も多い。そこで、理論値と反応量の考え方を共有し、計算方法を定着させる。
3 視覚的に粒子をイメージさせるための工夫を行う。
 目に見えない粒子を視覚的にイメージするために、原子カードやプラスチック球を用いたモデルを活用して授業を進める。同時に、原子量の考え方をゲーム感覚で覚える活動も行う。
4 より正確な値が出るように実験方法を検証する。
 化学変化において定量的な実験を行うことは意外と困難である。特に、定比例の法則についての金属と酸素の化合の実験では反応がうまく進まないことがある。そのため、加熱の程度や試料の質量を予備実験で検討しておく。
 以上の手立てを用いることで、化学変化における定量的な思考力を高めることにつなげていく。

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「教育実践」 事象の仕組みを根拠をもって説明できる児童の育成
〜イメージ図から練り上げたモデル図を用いて〜
三条市立一ノ木戸小学校
関谷 忠宏

 研究仮説
 実際の観察が困難であったり推論する難しさがあったりする現象について、イメージ図からモデル図へ練り上げ、モデル図を使って話し合うことで、根拠をもって現象を説明することができるだろう。
1 イメージ図の表出と変容
 6年生「人や動物の体」では、デンプンの消化・吸収を扱う。口の中、消化器の中でデンプンがどのような変化が起こっているかは実際に観察することができず、だ液の実験結果などからイメージするほか無い。そこで、児童は予想でのイメージ図、考察でのイメージ図と、イメージ図を変容させていった。
2 イメージ図からモデル図への練り上げ
 不可視の現象や観察が困難な現象を扱う単元では、不可視のものをイメージする力が大切である。そこで、最初からモデル図を提案するのではなく、児童からイメージ図を表出させ、話合いの中でモデル図へと練り上げていった。モデル図とは、児童が考えを交流したり、現象を説明したりすることがしやすいように、表し方を共通化した図である。
 実際には、デンプンの消化・吸収の説明において、吸収される最小単位のモデルを基準に、そのモデルを集めてデンプンとすると説明しやすいと、話合いの中で練り上げた。
3 説明文の推敲
 児童が書いた消化・吸収の仕組みのまとめの文は、不十分なものが多かった。説明しやすい一方、言葉としては不十分で、主語が抜けていたり、既習の科学用語を使っていなかったり、と様々である。児童は分かりきった事として省略していたのである。そこで、児童が書いたまとめの文を、「相手に伝えるには」という視点でグループで推敲した。
 実際には、「主語があるか」「修飾語があるか」などの視点をもち、例えばある児童は、ただ「消化された。」と書かれた表現をグループの仲間に指摘され、「口の中では、だ液によってデンプンが消化された。」と表現方法を見直すことができた。
 以上のことから、イメージ図からモデル図へと練り上げていくことは、児童がモデル図の必要性を理解し、根拠をもって現象を説明することに有効であると言える。しかし、文章を推敲したことは、形式的に言葉を補うことができたが、それによって科学的な思考力が高まったかと言われれば、そうではないだろう。もっと根本的に、問題解決学習の中で言語活動を駆使し、科学的な思考力を高めていかなければならないと感じた。

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「教育実践」 主体的に植物の栽培学習に取り組む児童の育成
〜観察方法の工夫を通して〜
長岡市立山谷沢小学校
高原 学

 植物の栽培という学習は、児童に植物の不思議さやおもしろさ、そして成長の喜びを感じさせることができる。また、継続して観察させることにより実感を伴って、成長の規則性や連続性や種の保存の神秘性に気付かせることができる。
  しかし、これまでの指導では、児童は「元気に大きく育ち、きれいな花を咲かせたい」という願いをもつが、観察学習や植物の世話を面倒だと捉える姿が見られた。
  そこで、「植物はどのように成長していくのかな?(動画的視点で考えよう)」と観察の視点を与え、予想したり確かめたりして学習に取り組んだ。
  その結果、児童ははじめ教師から与えられた問題について取り組むだけだったが、そのうち、「葉が対になって生えてきているみたいだ。」「上から見ると、まるで花火みたいに葉が広がっている。」など少しずつ植物の成長の様子について、視覚的に気付く児童がでてきた。これらの気付きを広げ、実際に確かめに行く前にイメージ図で自分の考えをまとめたり、話し合ったりして、観察への意欲を高めた。この取組を続けていくと、授業時間以外にも、「みんなが気付いていない植物が成長する秘密を見つけたい。」「友だちが見つけた問題の答えを見つけたい。」と意欲をもち、進んで観察や植物の世話に取り組む児童が見られるようになった。 
  また、学習指導要領解説理科編の目標に、「〜科学的な見方や考え方を養う」とある。
  そこで、児童が見つけた気付きを問題として提示した。例えば、「植物を上から見ると花火のように葉が広がっているのは、どうしてかな?」では、児童はすぐ日光のはたらきに気付き、「たくさん日を浴びたいから。」と答えた。また、「根は土の中で花火のように広がっているけど、水をあげるとき、どうする方がいいかな?」では、「葉や茎だけでなく土にも水をあげる」と答えた。科学的な見方や考え方を児童が身に付けることができたといえる。
  本研究では、児童が主体的に栽培活動に取り組むための手立てとして、次の5点を実践した。
1 観察の視点を与える
2 観察する前にイメージ図を描き、検討させる。
3 たくさんの気付きが書けるよう観察カードを工夫する
4 観察カードに観察意欲バロメーターを設け児童の様子を把握する
5 観察して分かったことを発信させる
 どの活動も時間がかかったが、じっくり取り組むことにより、少しずつ児童は植物への興味関心を高め、成長の仕方について理解を深める姿が見られた。

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「教育実践」 三角ロジックを活用した説明する力の育成
新潟市立濁川中学校
坪川 淳助

 当校では,全国学力・学習状況調査の数学Bの「理由を説明する」内容の改善が課題となっている。
 そこで,本研究では次の手立てを講じ,数学的な表現を用いて筋道立てて説明できる生徒の育成を目指し,実践に取り組んだ。
1 三角ロジックを活用する
2 「事実」と「理由づけ」を明確にする
3 伝え合う活動を設定する
 実践では,個人の考えを整理する場面,生徒同士が互いの考えを伝え合う場面の両方で,「事実」と「理由付け」を明確にするためのツールとして,三角ロジックのワークシートを活用した。また,自分の考えを説明する活動を効率的に進めるため,「事実」と「理由づけ」の内容に焦点化して,伝え合う場面を設定した。
 生徒同士の伝え合う活動を設定したことで,相手を納得させるための説明をする必然性が生まれ,生徒の主体的な活動が促された。また,活発な交流を通して活動意欲も喚起されたことが成果である。
 一方,「事実」「理由付け」が混在した記述のままの生徒も少なからずいた。「事実」と「理由づけ」を明確にできなかった生徒に対する支援をどのように展開していくか,生徒が自分の力で区別できるようにしていくために必要な手立てを探ることが,課題である。さらに,他の学年、他の単元でも繰り返し実施していくことを通して、今後も実践を継続していく。

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「教育実践」 基礎的な知識・技能を定着させ、説明力を向上させる指導の工夫
〜「間違い探し」を取り入れた授業を通して〜
加茂市立加茂中学校
野 有弘

 今までの私の指導を振り返ると、「数と式」の領域の指導において、基礎的な技能の定着のために、類題を何題も解かせている。中位や上位の生徒には、定着が期待できるが、低学力層の生徒にとっては、自力解決が難しく、問題数が多いことで解くことが苦痛になり、数学嫌いにさせていたように感じる。また、間違いやすいポイントについては、ただ説明を聞いただけでは自分で考えていないことが多いので、定着が期待できない。そこで、低位の生徒に、もっと主体的に学習に取り組ませ、基礎的な技能を定着させる方法はないかと考えた。
  本研究では1年生の1次方程式の単元で、次の手立てを講じて授業を行った。
1 生徒がよくやってしまう誤答を取り上げてそれを生徒自らが修正する活動(間違い探し)を行う。
2 協同学習(個人→ペア→班→全体)を行う。
  手立て1については、次のように考える。解答全体が最初から与えられおり、「その中に間違いが1カ所ある」ということがはじめから分かっているので、低位の生徒でも取り組みやすい。自分の間違い例ではないので、安心してどこが間違いなのか探していくことができる。生徒が自分で気付き、考えて誤答を修正することができれば、間違いポイントを自分で整理していくことになるので、定着することが期待できる。
  手立て2については、次のように考える。 自力解決が困難な生徒もペアでかかわり、教えてもらうことで、取り組みやすく、授業に参加しようという意欲を引き出すことにつながる。また、自分の解答や説明に自信のない生徒は、周りの生徒と確認することで、自分の解答や説明に自信をもつことができる。班学習では、ペア学習で解決できなかったことを他の生徒に教えてもらうことができる。班で発表の準備を進めることで、自信を持って全体発表することができる。
  授業実践後、レディネス問題と評価問題の「正答率」と「無答率」の変容を調べ、ワークシートの記述や発表の様子から生徒の変容を調べた。正答率は上昇し、無答率は減少した。また、低位の生徒でも自力解決しようとする様子が見られたり、協同学習を通して、自信をもって発表したりしている姿も見られた。

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「教育実践」 生徒が問いをもち主体的に学びを深める授業
〜「ずれ」が生じる教材提示を通して〜
新潟市立上山中学校
田村 友教

 本研究は、生徒から問いを引き出し、その問いから学習課題を設定することで、生徒の主体的な学びを深めることをねらった授業実践である。生徒から問いを引き出すために、私は生徒の中に認識の「ずれ」を生じさせる教材提示を行うことが有効であると考えた。ここでいう「ずれ」を、私は次の4つの様相に分類する。
(ア) 事象と自分の認識とのずれ
(イ) 他者の認識と自己の認識とのずれ
(ウ) 事象と定義・定理とのずれ
(エ) 自己の認識と定義・定理とのずれ
このことを踏まえ、研究仮説を「『ずれ』が生じる教材を提示し(手だて1)、その『ずれ』に着目させることを通して、生徒から問いを引き出して学習課題を設定する(手立て2)ならば、生徒は主体的に学びを深めることができるであろう。」とした。
  そこで、「垂直二等分線は2点から等距離にある点の集合である」という垂直二等分線の性質を、生徒に気付かせる場面で課題提示を工夫した。
  教科書では、ひし形の性質を根拠として垂直二等分線の作図方法を導き出している。このことにより生徒は、線分の両端の点A、Bをそれぞれ中心として、等しい半径の円をかき、この2円の交点を通る直線を引くことで作図方法を獲得することになる。
  私は、生徒の学びを深めるために、さらに垂直二等分線の作図において、ひし形を利用して典型的に作図できる場面から、意図的にひし形が利用できない場面に変更(場面変更)した。
このことにより、生徒は事象と自己認識との「ずれ」に直面し、どうしたら垂直二等分線を作図できるだろうかという問いをもつことになる。この問いを学習課題に設定し、様々な作図方法を検討する中で垂直二等分線の性質の意味理解を深めた。
  この学習を通して、生徒は垂直二等分線の性質を利用して様々な問題を解決できるようになった。また他の実践からも、生徒に認識の「ずれ」を生じさせることにより、より一般性のある考え方に高め、数学的知識・技能の意味を獲得させることができた。今後も継続して研究を進めていきたい。

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「教育実践」 証明の意義を実感させる手立ての工夫
長岡市立旭岡中学校
木村 哲

 一般的な生徒の傾向として、黒板に書かれたことはノートにしっかり書き、問題練習にも熱心に取り組む。そのため、ほとんどの生徒が問題の解法を覚え、それを使って解くことはできる。しかし、その解法はどんな原理を使っているか、或いはその解法を使う良さについて答えることができない生徒が多い。このように、生徒は「なんで数学を学ぶのか」「数学を学ぶとどのようないいことがあるのか」というような数学を学ぶ有用性が分かっていない場面が多く見られる。
 全国学力・学習状況調査では、「証明で用いられている図形が考察対象の図形の代表であること」に関する問題が数多く出題されているが、一般的に正答率が低い。そのため、従来の指導では証明の考察対象の図形についての理解が不足していると考えられる。                                                           
 この課題に対して2年生の図形の証明の初期指導における教科書での取り扱いは、すでに条件に合う図が与えられている問題ばかりであり、条件に合う図の作図から導かれることを予想してそれを証明する問題はほとんどない。私の従来の指導でも、辺の向きや角度が教科書にかいてある図とほぼ同様の図を1つだけ作図させた後に、結論をこちらから与えてすぐに証明に取り組ませていた。そこでこのような現状に対して、次の2つの手立てを取り入れることで、証明の考察対象の図形についての理解が深まると考えた。         1 条件に合う図が無数にあることを認識する活動。   条件に合う図を1人1人に複数かかせ、他の人がかいた図も全体で確認する活動を取り入れ,条件に合う図が無数にあることを認識させる。         

2 条件に合う図の場合でのみ例外なく結論が成り立つことを認識する活動。例外なく結論が成り立つのは、仮定を満たす図においてのみであることを認識させる。これらの手立ての有効性を検証した。

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「教育実践」 算数と数学の接続に関する研究
〜関数領域の指導に焦点を当てて〜
新潟市立白新中学校
石田 勇弥

 小学5年から中学1年にかけて、繰り返し「比例」の単元を学習するが、小学校から中学校への接続には大きな困難性がある。それは、中心として扱う性質が大きく異なるためである。小学校では「変化」、中学校では「対応」の性質を中心として扱うために、生徒に思考の飛躍が生じていると考える。そこで本研究では思考の飛躍を生まないために、以下の手だてを行った。
 接続をスムースにする単元構成と実践の提案
 表→式→グラフの順で指導を展開するのが一般的だが、本研究では表→グラフ→式の順で単元を構成した。グラフは値の変化の様相を直観しうる表現でもあり、 座標の点はxとyの対応を表した表現でもある。つまりグラフは、変化と対応の両方を意識させることができる表現だといえる。グラフから学習することで変化から対応(=式)へのスムースな移行を図った。
 実践を通して、自然と変化の見方から対応の見方へシフトできたことは成果として挙げられる。しかし、式に定義する際に、新たな困難が生じることが明らかとなった。そのため、よりスムースに移行できるような手だてを再考する必要がある。今後も理論と実践を往還することで、関数領域の指導の在り方を追究していく。

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「教育実践」 関数の考えを育てる低学年「数と計算」領域における算数指導の工夫
〜第1学年「ひきざん(2)」の実践を通して〜
新潟市立巻北小学校
樋浦 教之

 小学校においては、学年が進むにつれて、「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係」という関数の考えを用いて問題解決する場面が増えていく。その考えは各学年において着実に指導を積み重ねることで身に付く考えであるが、小学校第1学年では、関数の考えを意図的に指導する場面が少ない。
 一方、第2学年や第3学年では、関数の考えを用いて学習する場面があり、その学習を理解することに難しさを感じる児童が多い。そこで、第1学年「数と計算」領域において「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係」の指導を工夫して行うことで、学年が上がっても関数の考えを用いて問題解決することが容易になると考える。
 本研究では、小学校第1学年『A 数と計算』領域「ひきざん(2)」において、以下の手立てを用いて授業を進めることで、「差が等しい減法は、減数が1つ増減すれば、被減数も1つ増減する」という依存関係に着目し、対応のルールを明らかにしようとする姿の育成を目指した。

1 規則正しく式を並べ替える活動
  答えが2、3になる引き算を児童に考えさせたところ、「11−9」「10−8」「11−8」「10−7」「12−9」が出された。それらを掲示した後、「どうすれば、これらの引き算をきれいに並べ替えることができるかな。」と問うた。「きれいに並べ替える」とは、「数字の順に並べ替えれば良い」と児童は考えた。すると、減数と被減数との間の変化や対応の規則性が分かりやすくなり、「片方の数が変わると、もう一つの数も同じように変わるのではないか。」という見通しをもたせることができた。
2 並べ替えた後、11−6となる式から他の引き算の式を見付ける活動
 並び替えた後、「減数や被減数に1ずつ足すと答えが同じ引き算の式ができる。」ということに気付いた。そこで「11−6」をもとになる式とした。これを基に答えが「5」になる引き算同士の関係を確認した。このことで、11−6の式から「減数や被減数から1ずつ引けば、10−5ができる。」ということに気付かせた。

 12−7=(12+1)−(7+1)=13−8  11−6=(11−1)−(6−1)=10−5
のように、+□や−□がどんな数でも、引き算の答えは変わらないことを捉えさせた。「数字が規則的に並んでいる」「一方が変わると、他方も同じ数ずつ変わる」といった関数の考えが身に付いた授業であった。小学校第1学年から、「変化や対応の規則性」「伴って変わる2つの数量関係という」関数の考えを扱うことは、その後の学習に大きくプラスに働く。

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「教育実践」 解法を自分の言葉で書くことで数学的な考え方を高める授業づくり
新潟市立下山小学校
井畑 悟

 私は算数の授業で数学的な考え方を高めることを特に大切にしている。数学的な考え方を高めることによって、計算の答えを導くだけでなく、どうしてその答えになるのかという意味を理解することができるからである。
 児童の学びは多様であり、すべての児童が同じ学び方をしているわけではない。児童によって、どの言葉が心に残り、どの言葉によって学びが確かなものになったのか違いがある。そこで、本時で深めた見方や考え方、また、新たに知り得た方法について再構築しながら、その時間の学びを自分の言葉で書き表すことで、数学的な考え方を高めていくことができると考えた。
 書くことで思考力を働かせ、またそれを表現することで数学的な考え方も高まっていく。しかし、答えを求めることができても、思考の過程をうまく表現できず、数学的根拠に基づいていない解法を書く児童もいる。そこで、次の2つの手立てを行ったあと、解法を自分の言葉で書かせた。
 1つ目の手立ては、「多様な考えの共通点や相違点を明確にする話合い」を授業場面に取り入れたことである。児童の中から出てきた考えの共通点や相違点を問う発問をすることで数学的根拠を明確にすることができると考えた。
 2つ目の手立ては、「解法を書くときのキーワードとなる言葉の提示」である。1つ目の手立ての話し合いで出てきたキーワード(数学的根拠)を板書しておくことで、解法を自分の言葉で書けるようにした。
 本実践の結果、多数の児童が解法を自分の言葉で書くことができた。解法を記述したノートを分析すると、自力解決できなかった児童が、授業終末では数学的根拠に基づいて解法を書くことができた姿が見られた。また、ある児童は、自力解決した考え以外の考え方も取り入れ、自分の考えを再構築して解法を書いていた。また、児童の中には同じ数学的根拠に基づいて解法を書いたものもあったが、各自が自分にとって理解しやすい言葉で書いている記述がみられた。
 よって、本実践では、解法を書かせるために2つの手立てを行い、数学的な根拠を明確にしてから自分の言葉で書かせたことで、数学的な考え方を高めることができた。

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「教育実践」 図形の性質への気付きを促す指導の工夫
長岡市立新町小学校
松井 衛 

 学習指導要領では、「学ぶことの楽しさ」「考えることの楽しさ」が強調されている。図形領域でそれらの「楽しさ」を味わわせるには、ハンズ・オンといわれる手を使った活動が有効といわれる。 低学年のうちは、何か教具などに触れ、手を動かすことに興味をもち、楽しいと感じる。しかし、高学年になると、ただ教具を与えておくだけでは、児童は感心を示さない。児童の知的好奇心を喚起する何かがそこになければならない。「あれ?」と思える「意外性」を感じさせる学習を設定する必要がある。高学年の図形指導では、教具を使っての試行錯誤による意外性のある事象との出会いを重視していく必要がある。
 高学年の児童は、長方形や正方形が平面に敷き詰められることは体験的に知っている。しかし、これがどんな四角形でも平面を敷き詰められるということに気付くならば、それは不思議なことであり、「なぜ」「どうして」という疑問が生まれる。また、それを解決することで敷き詰めを美しいと感じるようになると考える。しかし、一般の四角形が敷き詰められると認識している児童は少ない。これは、授業の中において敷き詰めの経験に乏しいことが原因と思われる。具体物を用いて実際に敷き詰めてみるといった、操作的な活動を大切にした指導が必要である。
 本研究では、試行錯誤を伴う敷き詰めの活動を設定することにより、児童の四角形に対する認識がどのように深まるかを考察した。第5学年「図形の角」の単元において、図形の敷き詰めを計画的に組織し実践を行った。その実践の中から、敷き詰めの活動でどのように四角形に対する認識が深まるかを検証し、敷き詰めの活動はどのように進めていったらいいのか方法を探った。

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「教育実践」 算数科における学習意欲を高める指導の工夫
〜学ぶ目的や目標、理解度を可視化することを通して〜
佐渡市立両津吉井小学校
藤井 憲之

 学力に関する各種国際調査の結果をみると、日本においては、知識・技能、思考力・判断力・表現力に比べて、学習意欲が低い傾向が見られる。この原因としては、学ぶ目的と学んだ結果、どう高まったかをあまり伝えることがないまま進めている日々の授業もその要因の一つであると考える。即ち、学習意欲を高めるためには、なぜ学ぶのか、何を学ぶのか、そして、学んだことがきちんと身に付いているのか、いないのかを明らかにすることこそ重要である。
  そこで次の三つの手立てを講じ、その有効性を検証する。
1 単元の指導計画の工夫
  導入時に、単元のねらいに迫ることができる問題を提示し、この問題を解くために必要なことを児童自身に考えさせ、1時間毎に何を学んでいくのかを明らかにし、単元全時間分の学習計画を作成し、可視化した。
2 めあてとまとめの明確化と可視化
  手立て1で作成した学習計画を基に学習計画に毎時間のめあてを明らかにした。授業の終末には、めあてに正対したまとめを書かせ、まとめたものを教室の壁面に掲示し可視化した。
3 理解度の可視化(全員ができるようになることを学習の目的として意識付ける。)
  児童にとって1時間の学習内容が身に付いたのか、付いていないのかが明らかにならなければ、自分の力を判断することはできない。教師にとっても、1時間できちんと児童に力を付けることができたのか、できなかったのかを把握することができない。そこで、毎時間評価テストを行い、児童の定着度を把握し、教室背面に山登りのように掲示することで可視化した。
  単元末児童アンケートと、単元末テストの結果から、三つの手立てが有効に働き、学習意欲が向上した児童が多く見られた。特に、特別な支援を要する児童に効果的であった。
  今後は、有効に働く単元の導入問題の条件や、領域における相違点についても研究を進め、多様な領域で活用できるように汎用性を高めていきたい。

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「教育実践」 長方形の変形に限定した面積指導の試み
長岡市立阪之上小学校
川上 節夫

 これまでの面積指導では、公式を用いて面積を求めることはできるが、辺の長さと面積の関係を正しく捉えて面積を求められない児童が多い傾向が見られた。
「単位面積のいくつ分かで表せる量」という面積の概念のもと、暗記に頼らず汎用性のある思考方法による公式の意味理解を目指した学びが求めらている。
 そこで、本研究では、長方形への変形に限定して公式を導き出していくという指導を試みることとし、次の2点から研究を進めた。
1 どの図形も面積の公式を導く場面で、三つの長方形への変形にパターン化する
 面積を求める公式の指導において、長方形への変形方法を等積・倍積変形により三種類にパターン化した。そして、長方形の縦と横の長さと対応する垂直な2本の直線に着目させ、単位面積の広がりを意識しながら公式を導き出すようにした。
2 求積に必要な長さの視覚化を図る教具の工夫
 自由に切ることが可能で、かつ、求積に必要となりうる長さを強調した図形教具を提示した。この教具を操作させ、元の図形と変形した長方形と対応する長さを視覚的に捉えさせ、容易に公式を導き出せる工夫をした。
 
 本研究を通して、多数の児童がどの図形でも垂直に交わる2本の直線を見いだし、その2本の直線の積によって公式を作ろうとする姿が見られた。また、学習後のテストでは、情報過多の問題に対しても垂直な2本の直線を選び、公式を使って問題を解く姿が多く見られた。
 面積指導に限らず、共通する見方・考え方や系統性を重視した指導を他の単元でも取り組んでいく必要がある。

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「教育実践」 児童が式を生かして問題解決する力を育てる指導の工夫
新潟市立東青山小学校
伊藤 祐輝

 式は形式的に処理ができ、一般化を図る手段となるというよさがある。この式表現のよさを進んで問題解決に生かす力を育てたいと考える。しかし、実際の授業では、式が表れると児童によって理解度の差が大きく表れてしまう。また、式のよさを生かすために式のみを用いる活動では、児童にとって難しさだけが強調され、理解度の差も大きくなる。そこで、式をよむ活動において図を関連させて用いる展開を構想し、児童にとって図を足がかりにして式をよむ活動になるように授業を構成する。そのために次の手だてをとる。
1 図と式を関連させてよむ活動を工夫する。
  4年「式と計算」では,計算のきまりが図にも示されるようにする。例えば、かけ算の分配法則に関するきまりは、アレイ図を用いると式の関係が見えやすい。問題場面をアレイ図が用いやすい場面に設定し、児童が簡単に図に表し、また、その図をもとにして式化できるようにする。式が表れたら、式の数や演算が図ではどの部分に表れているかをよむ活動を行う。このように、図と式を関連付けてよむ活動を通して,児童は式が問題場面や図に即して表現されていることを理解する。そうすることによって児童は式をより身近なものに感じる。
2 式をよむことが問題解決につながる活動を設定する。
  4年「面積」では、問題解決に公式が手段として使われているが、求積できても公式が長方形の縦横の関係を表しているという式の理解が深まっているとは言い難い。
 そこで、ある求積の式を提示し、どのような図形の面積を求めた式かを問う問題を設定する。例えば3×5+4×8という式だったら、かけ算の部分「3×5」「4×8」はそれぞれ縦3cm横5cmの長方形、縦4cm横8cmの長方形を想起でき、それらの長方形の和を表す式であることをよめると、二つの長方形の複合図形であることが分かる。このように、式の数の関係をよんで図をイメージする活動を通して、児童は式が図と関連していることや式の表す意味を理解できる。

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「教育実践」 文章題指導の工夫
〜問題づくりの活動を通して〜
上越市立北諏訪小学校
泉田 悠貴

 文章題で問題の文章を正しく読み取ったり、正しい式を立てたりすることは個人差が大きく、つまずいてしまうことが多い。計算はできるのに文章題を解く事ができない児童に対して、問題づくりを取り入れることで、その解決に迫った。
 私は、「式に単位を付ける」「絵や図に表す」という2つの活動を取り入れた問題づくりの指導を行うことで文章題を解く力が付くのではないかと考えた。そこで、小学校3年生の計算領域の授業実践を通して、上記の学習過程の有効性を検証する。
1 式を立てる
 問題づくりの最初に自分で数字を当てはめて式を立てる。
2 式の数字に単位を付ける
 式の中の数字に付く単位は何か、その単位から考えられる場面はどんな場面かを考えさせていくことで、児童は式を立てる際に数字の単位に注目したり、問題場面をイメージできたりするようになる。
3 絵や図に表す
 式を見たときにどんな場面を想像するのか。その想像した場面を絵や図で表す。問題場面が正しく表現できるようになれば立式することは難しくないであろう。そこで、式から図や絵をかかせ、その場面把握をしっかりさせることで文章題を解く力を高めていく。
4 問題文をつくる
 最後に式と絵や図に合う問題文をつくる。自分で文章を書くことを通して、文章題の理解につなげていく。
 問題づくりを通して、児童に文章題を解決するために必要なことを獲得させることで、自信をもって友達に説明したり楽しく算数を学んだりできると考える。

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「教育実践」 自分たちの地域と比較・関連させ理解を深める地理学習の工夫
見附市立南中学校
桶谷 圭介

 中学校の地理学習において、地理的事象を意欲的に追求し、地理的特色の理解を深めるには、自分自身の生活や地域での生活を見つめ直す取組が必要である。そこで、日本の諸地域を学習する際に、地理的事象を生徒の生活と比較、関連させることにより、生徒にとって身近な地域教材として意欲的に追求できるのではないかと考えた。今回の授業は九州地方の学習で桜島を取り上げ、桜島が作り出す自然環境が人々の生活にどのように影響しているのかを追求テーマにして、単元計画を作成した。生徒が住む見附市の生活と比較・関連させることにより、九州地方の地域的特徴だけではなく、自分自身の生活や見附市での生活を見つめ直し、自分の生き方を考えてほしいという願いを込めた。その学習過程の中で、九州地方の地理的特色を見附市と比較・関連させながら、より深く理解できると考えた。
 以上のようなことから、授業実践を行う中で、工夫をした手立ては次の2点である。
1 単元構成の工夫
@桜島がもたらす自然環境を中核に据え、自然環境と人々の生活を学習する上で、生徒たちが住む見附市と比較させることで相違点や共通点を意識させる。生徒の生活と関わらせることは、学習を深める効果があると考える。
A生徒にとって学習内容をより身近に感じさせ、追求意欲が高まるように、鹿児島市で生活する人に、授業で生まれた疑問を質問する場面を設定する。現地の人の話を聞くことで、暮らしと自然環境をより密接に関わらせたい。
2 生徒の見取りと教師の働き掛け
@授業の終末には学習のまとめと疑問を書くように意識付け、生徒の問いに沿うような柔軟な単元構成を心掛ける。
A3〜4人の班で考えを交流した意見や疑問を全体で共有する場面を設定する。
 生徒は、桜島がもたらす自然環境が人々に噴火などの災害や農産物や温泉などの恩恵を与えることを理解した。その中で、桜島の生活と見附市の生活を比較することで生まれた疑問を桜島ミュージアムの職員にスカイプを通じて質問をした。その回答によって、さらに理解が深まったり、また新たに考えたことを班やクラスで共有したりすることで、自分自身の生活や見附市での生活のことを改めて見つめ直すことができた。

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「教育実践」 資料の比較・検討を通して思考力を育成する授業づくり
〜地域史を活用して〜
長岡市立青葉台中学校
廣瀬 貴久

 生徒が歴史学習に意欲をもてない要因の1つとして、歴史的事象を自分の生活と結び付けて考えることができない場合が多いことが挙げられる。歴史的事象を少しでも具体的にイメージできるように身近な地域史を活用することとした。身近であるがゆえに生活経験との結び付きが図られイメージしやすくなる。その際、既習事項との結びつきや難易度を考慮し、生徒の興味・関心を高められるように、また生徒が考えやすい学習状況を整備できるように工夫を行った。
 学習指導要領においても地域史の活用は重視されている。また他に重視されていることの一つに、時代の特色を捉える学習がある。単元構成にしっかりと組み込み、時代の特色を捉えることができるような学習課題の工夫が必要である。
 以上のようなことから、地域の歴史を考えるなかで時代を捉える授業実践を行った。手立てとして工夫した点は次の2点である。
1 「情報カード」と「地図資料」を使った地域教材の開発
 発掘成果や地域史の事実を「情報カード」に整理した。生徒が情報の比較や関連付けを行いやすいように、情報カードは小分けにして配付し操作できるようにした。教師が意図をもってエリアを分けた「地図資料」を配付し、生徒が地理的な視点ももって歴史的状況を考えられるようにした。
2 学習課題の工夫
 原始・古代単元の実践では「どのあたり(どのエリア)に人は多くいたのだろう?」、中世単元の実践では「どこ(どのエリア)が栄えていたのだろう?」という学習課題を設定し、思考活動の出発点とした。選択性があり、複数の考えが表れ、地域を地理的・歴史的に俯瞰せざるをえないような質の課題を設定した。全員が情報カードを根拠としてエリアを選択することになるので、低学力層の生徒でも考えを書くことができる。また、エリア分割によりそれぞれの地域性を考えやすくなったことにより、情報の読み取り方(どう解釈し、比較し、関連付けるか)によって、複数の考えが生じる課題でもある。
 上記2つの手立てを講じ「原始・古代」「中世」の単元で授業実践を行った。地図上で情報カードを操作できるので、生徒は情報を比較・検討しやすい状況がつくられた。情報カードを根拠として一人一人の考えが構成され、また班活動においても比較・検討の根拠は情報カードであり、それぞれの捉えを悩みながら迷いながらも活発に話し合う様子が見られた。実践を通して、生徒は全国史とのつながりを感じ、歴史を身近なものとして捉え、地域の歴史の様子を通して時代を捉える姿が見られた。

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「教育実践」 児童が話合い活動の中で考えを練り上げるための指導の工夫
三条市立第三中学校
金泉 翔

 中学校社会科の学習指導要領の地理・歴史・公民各分野の目標には、「多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる」ことが示されている。このような能力と態度を育てるためには、生徒が説明・論述し、話し合う中で自分の考えなかった意見に触れ、その中で何が大事なことなのかを見付け出す活動が必要であると考えた。生徒が自分の考えをもち、話合い活動の中でより自分の考えを練り上げるためには、話合い活動に至るまでの自分の考えをまとめる段階が重要であると考えた。話合い活動までの前段階において、疑問や問題意識を芽生えさせる課題の提示の工夫により、互いに考えを練り上げられる場面の設定が課題である。
 次の2点から、その解決を図る。
1 考えをまとめる活動と話合い活動の場面の設定
 生徒が根拠をもって考えをまとめられるように、また話合い活動では意見を言い合うだけでなく、様々な意見に触れ自分の考えがより練り上げられる場になるように指導計画を工夫する。
2 様々な立場に立って考える課題の設定
 自分以外の考えを理解するためには、それぞれの考えや意見の理由を分かっていないといけない。そのために、様々な考えがあることをそれぞれの立場に立って考えることで、より自分の考えをもちやすくし、多くの理由から自分の考えを練り上げることができると考えた。
 この研究を通して、生徒が自分の意見や考えに自信をもって発言し、他の人の考えを受け入れ、理解しながら物事について考えられるようになることを期待している。

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「教育実践」 課題に主体的に取り組み、話合いの中で考えを深めていく生徒
〜単元を貫く学習課題の設定と表現活動の工夫を通して〜
長岡市立南中学校
恩田 隆介

 本研究テーマは教科を横断した普遍的な価値をもつと考える。このテーマに迫るために、以下の2つを単元構想の中心に据えた。1つ目は単元を貫く課題を設定し、生徒の学習意欲の喚起と課題追求意欲の持続を図ること。2つ目は多様な表現活動の場を設定し、生徒の考えの深まりをねらうことである。

 これらを踏まえ、以下の3つの手立てを意識し実践を行った。(2014年実践 地理「世界の諸地域 アフリカ州」)

1 (レディネスによる)生徒がもつイメージにギャップを与える課題を設定し、興味関心を引き出すとともに、学習意欲を喚起する。具体的には、アフリカの「魅力」を取り上げ、単元を展開した。

2 課題に応じて話合いの形態を変えることで、多様な考えの表出や考えの深まりをねらった。話し合う集団の工夫として、A(3人)班、B(5,6人)班、そして個、全体で思考する場面を設定した。話合いの形態の工夫としては、自由に発言する意見交換、KJ法、ホワイトボードの使用などを試みた。

3 社会的事象を切り口として、本物に触れさせることで、学習課題を身近に感じさせる。現在起こっている世の中の出来事を取り上げ日本とのつながりを認識させること、アフリカの留学生のVTRを授業で扱うことで、アフリカという地域と自分たちの距離を近付ける手立てを講じた。
 検証方法としては、3名の抽出生の集団における関係性の中で全体を把握することとした。他との関わり合いの中で意見を深める(新しい視点を獲得する等)ことができたかどうかを、生徒の発言内容や記述内容等の授業記録、事後のアンケートの数値から検証した。

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「教育実践」 追求の視点を明確にし、社会的事象を関連付けて考える力の育成
新発田市立外ヶ輪小学校
佐野 亮太

 小学校学習指導要領解説社会編の中で第3・4学年の能力の目標として「地域における社会的事象を観察・調査するとともに,地図や各種の具体的資料を活用し,地域社会の社会的事象の特色や相互の関連などについて考える力,調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする。」とある。
  下線部の「考える力」について「 (〜中略〜) 願いを実現していく地域の人々の工夫や努力,協力と生活や生活環境の維持と向上との関連,地域の人々の生活や産業と国内の他地域や外国との結び付きなどについて考える力」と述べられている。 社会的事象に対して,観察・調査して気付いた「地域の人々の工夫や努力,協力」や「生活や生活環境の維持と向上」という事実を関連付けて考えていく。つまり社会的事象に対して多面的に考えていくことが第3・4学年で求められる能力の一つである。
 そこで次の点を重点に,第4学年社会科「ごみはどこへ」の単元において実践をした。

〇追求の視点を明確にして単元の学習を進めていく
  単元導入時に追求の視点を明確にする。追求の視点とは児童から出た疑問を学習課題にしたものであり,単元で押さえるべき学習内容である「廃棄物の処理にかかわる対策や事業は地域の人々の健康な生活や良好な生活環境の維持と向上に役立っていることを考える」を網羅するものである。
 本研究では,「なぜ分別をする必要があるのか」を追求の視点として,廃棄物処理場や再資源化工場を調査したり,資料を活用したりして気付いた事実を関連付けることで,多面的な考え方を身に付けられるよう実践を行った。

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「教育実践」 児童が資料を活用して、確かな考えをもつ社会科指導
〜資料提示、選択、関連付けを工夫した6年「長く続いた戦争と人々の生活」の指導を通して〜
魚沼市立小出小学校
川ア 智也

 教師が明確な意図をもって資料作成・提示することが、児童が調べたい、考えたいと思える学習問題づくりに有効かどうか、平成24年度に研究した。この研究により、教師が明確な意図をもって作成した資料の提示は、児童の認識のズレを生んだり、新たな問いを生んだりして、児童の問題意識を高めることに有効に働くことが分かった。しかし、教師の意図が強調されている分、限定的な読み取りや思考を生み、児童が事象について、考えを確かにするまでには至らなかった。そこで、資料提示によって児童の問題意識を高め、児童が資料を目的に応じて選択、関連付けて問題解決を図る学習を取り入れることで、資料を根拠に考える力を高めることができると考え、本研究を行った。具体的な研究内容は大きく次の2点である。
1 児童の問いを生む資料提示
 日本史と児童を教師が結び付ければ、児童は歴史的事象に関心をもち、資料をもとに考えようとする意識を高めると考える。そのために、地域教材を単元の導入に取り入れ、児童の中での認識のズレ、まだ解決していないことを教師が取り上げたり、揺さぶりをかけたりして学習問題づくりを行う。
2 資料を選択、関連付けて問題解決を図る学習
 問題意識が高まった児童に、以下の手立てで問題解決に取り組ませる。
 @複数の資料提示
 A学習形態の工夫「ア資料選択(グループ)」「イ読み取り(個人)」「ウ思考(個人)」「エ検討(グループ)」
 B思考の流れを視覚化したワークシートの活用
1によって、戦争への関心が低い児童は、「戦時中の子どもの生活」という戦争の断片を捉え、自分たちの住む地域も歴史に関わっていると認識し、地域の歴史的出来事が、日本全体にどのように関係しているのか、もっと知りたいと考えるようになった。
2では、個人で問題解決を図る前に、「ア資料選択(グループ)」を行い、教師が提示した複数の資料の中から、必要な資料をグループで選択させた。資料を選択するために、グループ内で自然と資料の読み合いが行われ、多様な考えに触れながら、資料から読み取ったことを共有することができた。次に個人作業で「イ読み取り(個人)」「ウ思考(個人)」を行い、児童は自分の読み取りと、仲間の読み取りを生かしながら、資料を根拠として、または、資料から解釈したことを根拠として、自分の考えを確かにすることができた。自分の考えをまとめやすいように、思考の流れを視覚化したワークシートも、自分の考えを表すことが苦手な児童にとって、有効な支援となった。

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「教育実践」 社会的事象の意味を考える社会科授業
十日町市立上野小学校
水瀬 正大

 学習指導要領改善の基本方針の中では、「各種の資料を効果的に活用し、社会的事象の意味などを解釈したり事象の特色や事象間の関連を説明したりするなどの言語活動を重視している」とある。しかし、これまでの授業を振り返ると、見学に行って分かったことをまとめるだけの授業や、見付けてきた工夫を新聞にまとめるだけの授業、知識を問うだけの授業になってしまうことが多く、気付いたことや分かったことなどをつなぎ合わせ、社会的事象の意味まで考える授業を行うことはできずにいた。そこで本研究では、児童が自分の考えと資料を照らし合わせながら考えを練り上げていく授業を行うことで、自分の意見をより深め、社会的事象の意味を追求していくことができるという仮説のもとで、以下の手法を用いて検証していく。

1 抽出児が授業を通して社会的なものの見方や考え方をどのように広げたり深めたりしていくか探っていく。
 授業での発言やノート記述、小単元ごとのミニ作文などを手掛かりにして、抽出児がどのような社会的なものの見方・考え方をするのかを想定し、そうした社会的なものの見方や考え方の変容を促す授業を構想し、実践する。
2 授業の構想・実践に当たっては、できるだけ問題解決的な学習ができるように配慮し、抽出児を含めた学級の児童が社会的なものの見方や考え方を広げたり深めたりしていけるようにする。
 その時代を象徴する教材を選定し、抽出児の考えを誘発できるような資料提示を行う。そして、抽出児がどのような意見に反応し、考えを深めるかを意識し、机間巡視から探していく。

 上記のような2点を実践することで、児童は授業の中で様々な考えをめぐらせ、自分の考えを深めていくことができる。そうした社会的事象の意味を追求していく授業の中で、児童の社会的なものの見方や考え方を高めていきたい。

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「教育実践」 他教科との関わりの中で、「話す・聞く」力を高める単元構成の工夫
〜「メモの取り方をくふうして聞こう」(東京書籍4年上)の実践〜
新潟市立浜浦小学校
柴澤  明子

 国語科「話すこと・聞くこと」の教科書教材で、話の中心に気を付けて聞いたり、質問したりする方法を児童は学ぶ。さらに、「話す・聞く」力を確実にするために、学んだ内容を活用する経験をたくさん積み重ねることが重要であると考える。
 そこで、教科書教材で設定された活動だけでなく、国語科で付けた力を活用する場面を他教科において意図的に設定し、他教科と連携した単元構成をすることで、児童の「話す・聞く」力を着実に向上させることを目指した実践を提案する。

1 児童から出た「問い」を中心に進める国語科授業
 児童の困り感がどこにあるのか実態を把握したあと、困り感を「問い」として共有させ、児童自ら解決していく授業を構成した。「問い」を解決するために、クラス全体で意見を出し合い、検討しながらまとめ、最後に学習した内容を自分の言葉で表現した。
 
2 他教科の学習と連携した単元構成
 国語科の教科書教材「メモの取り方をくふうして聞こう」(東京書籍4年上)の学習において、単元の初めに、国語科で付けた「話す・聞く」力を社会科「浄水場見学」で生かすことを、児童とともに確認し、めあてとして捉えさせた。
 さらに、社会科においては教科書にある「○○さんの話」を授業者が音読し、読んだ内容をメモに取る活動を積み重ねた。社会科の授業でも聞いたり話したりする活動を取り入れ、その成果を「浄水場見学」で発揮するというめあてを児童がもって学習に取り組んだ。

 児童が自ら「問い」を解決すること、また単元全体の目標を確認することによって、児童自身が単元の見通しをもつことができ、最後まで意欲的に活動することができた。アクティブ・ラーニングの具現・充実を図るために、「話す・聞く」力を高め、コミュニケーションを積極的に取ることができる児童をこれからも育てていきたい。

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「教育実践」 苦手意識・嫌悪感をもちやすい説明文の学習で意欲を高めるには
〜小学校6年生で読んで書く単元構成を工夫して〜
十日町市立東小学校
五十嵐 啓滋

 国語の学習で特に説明文を学習することに苦手意識・嫌悪感をもつ児童が多いように感じている。それは、「1つの答えにならないことが多い」「勉強して何ができるようになったのかよく分からない」という理由があるのではないかと考えた。児童が苦手意識・嫌悪感をもつ理由を改善しつつ、学習指導要領に示してある内容が身に付くように単元を構成していけば、国語を学習する意欲が向上していくのではないかと思いテーマを設定した。
 1学期は@目的意識をもって学びを活かしながら学習するA本時の中で学ぶことをはっきりさせ根拠を明確にするB児童が好む学習スタイル(話合い)を授業で使う、といった3つの柱をもとに単元を構成し実践を行った。
 1学期の実践で、目的をもって学習すること・1時間の中で学ぶことをはっきりさせることの効果は上がったが、学習指導要領に示された内容を話合いで身に付けさせることには課題が残った。
 1学期の実践で効果が上がったことは継続しつつ、課題を解決することで、さらに意欲を向上できるようにしていく。

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「教育実践」 言葉を手掛かりに論理的に思考する児童の育成
〜高学年の物語文における授業実践を通して〜
村上市立保内小学校
橋 真徳

 小学校学習指導要領解説国語編では,国語科の目標の1つとして,「思考力を養う」ことが示されている。解説で,思考力は「言語を手掛かりとしながら論理的に思考する力」とされており,中央教育審議会が示す国語科の改善の基本方針の中にも,その重要性が述べられている。しかし,自学級では,物語文において,会話文の話し手が誰か,登場人物の関係性がどうなっているのかを読み取る問題に弱さが見られた。これは,前述の論理的に思考する力を児童に身に付けさせられていないためだと考える。そこで,次の3つの手立てを通して,言葉を手掛かりに論理的に思考する児童の育成を図ることとした。
1 目的に応じた様々な音読をさせる
 中心人物,登場人物の心情や場面の描写,作者の思いを検討するために,それぞれの目的に応じた様々な音読をさせた。実際に声に出して読むことで,どの児童も論理的に思考する体験をさせられると考えた。
2 自分の考えを書く場面で,思考スキルを提示する
 前述の音読によって明らかになった課題に対して自分の考えをまとめる場面で,仮定・帰納・対比といった6つの思考スキルを児童に示した。児童が見通しをもてるよう,どの思考スキルであれば自分の考えが書けそうなのか予想させたり,友達の記述を実物投影機で映したりした。
3 ペアやグループ活動を取り入れ,活用した思考スキルや自分の考えを深める
 ペアやグループを作り,叙述・活用した思考スキル・自分の考えといった条件を満たして書いているか,活用した思考スキルと自分の考えが整合しているかという観点でお互いの文章を読み合う学習活動を設定した。
 論理的な思考は,児童が教材文を読み取る上で重要である。3つの手立てが児童にしっかりと身に付くよう,物語文だけでなく,説明文,言語事項などの学習にも取り入れ,授業実践を重ねていく。

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「教育実践」 気付きを問い、思考を促す授業構成の工夫
〜二段階の発問によって考えを深め合う子どもを目指して〜
五泉市立五泉南小学校
阿部 央資

 これまで私は、文中の言葉を根拠にして自分の考えを明確にしたり、お互いの考えの妥当性を検討し合ったりする児童の育成を目指し、国語科の授業において討論が起こる発問を用いるようにしてきた。「AかBか。」や「どちらが○○か。」など、答えるべき結論があらかじめ与えられている討論(形式)の授業では、自分の立場をはっきりさせやすいよさがあるからである。そこで、全員が考えをもち、自分の立場を明確にし、考えを深め合う児童の姿をより具体化させようと、次の点からその解決に迫った。
1 「気付きを問う発問」の後に「思考を促す発問」を位置付けた単元構成や授業構成をする。
2 構造化した板書で「情報の見える化」をする。
 「気付きを問う発問」とは、気付いたことをたくさん出させる放射状の発問で、順序性は問題にしない(例:似ているところはどこか、違うところはどこか、○○を読んでどんな言葉が思い浮かぶか、など)。一方、「思考を促す発問」とは、気付きより論理的で順序性のある考えを引き出すための発問で、授業で考えさせたい中心発問とも言える(例:一番○○なのはどちらか、なぜ○○ではないのか、○○の原因は何か、など)。
 最終的に児童に考えさせたいことを見据え、手掛かりとなる材料(根拠)を見付けさせるような「気付きを問う発問」では、すべての児童が自分の率直な気付きを全体の前で発言することができた。また、絞り込んで考えさせるような「思考を促す発問」を併せた学習活動では、本文に正対しながら思考を巡らし合う姿が学級全体に定着した。「気付きを問う発問」と「思考を促す発問」をつなげるものとして、構造化した板書を心掛け、情報を「見える化」したことも、様々な特性をもった児童に対応することができた点で有効だった。今後は、他学年や他教材における二段階の発問の位置付け方やその有効性について研究を進めていきたい。

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「教育実践」 児童が作品のおもしろさを自分の言葉で語るための指導の方法
〜文学的文章における比べ読みの実践から〜
三条市立裏館小学校
豊田 宏輝

 文学的文章を読む意義の一つは、作者が巧みに仕掛けた登場人物の心情描写や表現の工夫の解釈を深め、作品から伝わるものの見方や感じ方、考え方を読み取ることであると考える。「解釈を深める」ことが、文学的文章を読む「おもしろさ」につながっていくと捉える。
私の今までの文学的文章の指導では、深く読み味わうために根拠となる文章に注目させてきた。しかし、児童の実態として、解釈の根拠は文章から挙げられるが、根拠と理由を同一視しているために、理由付けができない姿が見られた。教材文から離れて自分の思いを語る児童への手立てとして、根拠に着目させる指導を重視し、根拠・理由・解釈の3点セットで文章を読む指導を行ってこなかったためである。
 そこで、次の3点の手立てを講じた。
1 根拠と解釈をつなぐ理由を明確にした話合い活動を組織する
「根拠・理由・解釈の3点セット」で文章を読む指導を行う。解釈のずれが生じる発問をすることで、根拠を本文に探らせ、その理由を考えさせるように仕組む。解釈する際は、常に「どこからそう考えたの?」「どうしてそう考えたの?」という教師の問い返しを行い、根拠とその理由を意識できるようにした。これにより児童が理由に着目して関わり合えるようにした。
2 比べ読みを活かして「文章の意味を考える」活動を設定する
 一つの作品だけで文章の特徴に気付かせるのではなく、複数の作品を提示してそれを比べて読ませることで、作品の内容や展開構造、表現の工夫などの特徴をより明確にしたり、想像豊かに解釈したりすることができるよう「文章の意味を考える」場面を設定した。
3 文章から伝わるメッセージを文章の魅力として紹介し合う活動を設定する
 複数の作品を読み、解釈を深めたところで作品から伝わるメッセージを魅力として紹介文にまとめる。その紹介文を学級の仲間と紹介し合う活動を設定した。
 このように、児童が文章のおもしろさを自分の言葉で語る姿を求めた実践である。

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「教育実践」 作品世界を豊かに想像しながら自分の読みをつくりだす文学教材の指導
小千谷市立小千谷小学校
上月 康弘

  近年、「単元を貫く言語活動」が授業改善の視点として多くの国語教室の現場に取り入れられている。だが、「ペープサートをする」「本の小箱を作る」といった「単元を貫く言語活動」を実際に実践する中で、私は次のような問題意識をもちはじめた。それは、児童が文学教材とふれた感動とは離れた目的に向かって読みが行われ、じっくりと読みをつくることが粗雑に扱われているのではないかということである。もっと、児童が自分の読みを大切にし、自らに問い、生活経験や問題意識と結び付けながら、新たな読みを生成する学習こそが大切なのではないだろうかと考えた。そこで、次の2点について取り組んだ。
1 解釈のずれや不十分さが顕在化するような読みの課題の設定
 読みの課題は「〜のに、どうして?」「なぜ、○○は△△したのか。」など、作品中の登場人物の行動をめぐって設定するのがよいと考える。その際、自他の解釈のずれや不十分さが明確になるようなものを設定することで、読みの課題について「どう考えればよいのだろう。」「なぜだろう。」「はっきりさせたい。」といった児童の追求意欲を高めることにつながると考える。
2 登場人物の視点からイメージを具体化する活動の組織
 自他の解釈にずれや不十分さが顕在化してきたときに、登場人物の視点からイメージを具体化する活動を取り入れる。このことにより、自分の読みを見直し、新たにつくりだしていく姿が期待できる。
 自他の解釈についてずれや不十分さが顕在化し、問題意識が高まった状況で、登場人物の視点からイメージを具体化する活動を取り入れることは、自他の解釈を見直し、新たな読みをつくりだしていくことに有効に働く。課題に応じて「現在」、「未来」、「仮定」といった視点の組み合わせ方や、新たな読みをつくる上で有効に機能する条件について更に探っていく必要がある。

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「教育実践」 読みを深める児童の育成
〜登場人物の心情を可視化した矢印関係図、心情円を通して〜
新潟市立鏡淵小学校
阿部 光智子

 児童にとって、物語文を読んで作者の伝えたいことを捉えることは難しい。読後に感想文を書かせてみると、あらすじに終始したり、細部の出来事や登場人物のある側面にのみ感想をもったりと、物語全体を読むことが困難な児童がいる。物語のあらすじ以上に読みを深め、作者の伝えたいことを自分なりに捉えられるような児童を物語文の実践を通して育てていきたいと考え、本研究主題を設定した。目指す子どもの姿は、場面ごとに登場人物の関係を可視化し、登場人物の心情やその変化を読む姿である。そのために、次の2点からその解決に迫った。
1 意図的・計画的な学習課題の設定とまとめ、振り返り
 初発の感想を基に、全文を通しての読みのめあてを提示し、その解決を単元のゴールに位置付けた。各場面でも全文の読みのめあてに関わるものを学習課題とし、まとめていくようにした。それを基に、1時間ごとの振り返りとして登場人物への手紙を書きためさせ、単元末に手紙形式の感想文を書くことをゴールとした。
2 登場人物の心情を可視化する図の活用
 物語文の叙述を基に登場人物の心情を読むことには個人差がある。そこで、人物関係図を使って人と人との関係を叙述をもとに図式化した。図式化とは、登場人物の気持ちを心情円や色矢印で表すことである。このことで、登場人物の気持ちの変化や登場人物同士の関係がどの児童にも理解しやすくなることをねらった。
 これらの実践を通して、登場人物の気持ちを色分けすると、視覚的に分かりやすく捉えることができた。さらに円グラフの色の変化や矢印の長さで表していくと、全文の中で気持ちが大きく変化するところや気持ちの程度の変化を読むことができた。また、 可視化した登場人物の関係図とともに、「読みのめあて」に関わる働き掛けを計画的・意識的にしていくことが読みを深めることにつながることとなった。
 どの児童にとっても分かりやすく、読みを深めるような物語文への関わり方を今後も研究していく。

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「教育実践」 登場人物についての叙述に着目させ、物語の魅力に迫る指導の工夫
〜「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」の実践を通して〜
柏崎市立半田小学校
清野 茜

 学習指導要領解説国語編の文学的な文章の解釈に関する指導事項から、どの学年においても登場人物についての叙述に着目しながら読むことが必要であることが分かる。また、全国学力・学習状況調査の4年間の調査結果から、国語の「読むこと」における課題として、「物語に登場する人物についての描写や心情、人物相互の関係を捉えること」が挙げられた。これらのことから、物語を読む上で登場人物についての叙述に着目することは、児童に物語を読む力を付けるためにも重要であることがうかがえる。しかし、物語の学習になると叙述に着目せずに、自分の想像や感覚だけで解釈をつくる児童が多く、話合いや発表の場面でも内容が深まらなかった。児童が叙述に着目できない原因は、作品を読む目的がはっきりしていないためではないかと考えた。
そこで、本研究では「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」を取り入れた単元を構成した。パンフレットを読んだ人がその作品を読みたくなるようなパンフレットをつくるためには、登場人物やあらすじの紹介だけでなく、作品の魅力について迫る必要がある。このことにより、児童の中で物語を読む目的が明確になる。「パンフレットづくり」を通した活動と同時に、その作品の魅力に迫るため、5つの観点(@登場人物、A中心人物、B出来事、C大きく変わったこと、Dおもしろさ)をもとにした発問とノート指導について工夫することで、児童が登場人物についての叙述に着目しながら作品を読み進め、物語の魅力に迫る姿が期待できる。
  物語の学習になると叙述に着目せずに自分の想像や感覚だけ解釈をつくってしまう児童が多かったが、「作品の魅力を伝えるパンフレットづくり」を単元の柱とし、実践に取り組んだところ、形にして誰かに伝えようとすることで、児童の学習意欲が高まることが分かった。叙述を根拠に自分の意見を発表し、叙述に立ち返りながら学習を進め、自らの言葉で作品の魅力をパンフレットにまとめていこうとする児童の姿が見られた。

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「教育実践」 健康で豊かな食生活を送ろうとする生徒の育成
〜朝食の充実を目指した啓発活動〜
新潟市立新津第五中学校
堀川 高弘

 当校は平成25、26年度新潟市学校給食研究推進校の指定を受け、食育の推進に取り組んだ。主題を『地域、家庭と連携した食育推進活動の展開〜朝食の充実を目指した啓発活動〜』とし、「家庭に向けた啓発活動」と「学校給食や教科での食に関わる指導」の2点に重点を置き、研究を進めた。
 まず、小中で食に関する共通項目アンケートを実施し、その結果を小中の職員で共通理解を図った。その中で起床時刻や食事時間が摂取内容に関係があることが分かり、以下の4つの取組に生かした。
1 年度初めのPTA総会で食育推進の取組を紙面とプレゼンテーションで紹介した。
 朝食の摂取率とその摂取内容を示した。
2 PTA保健厚生部と食育マスターによる料理講習会を開催した。
3 PTA主催で給食の試食会を開催し、そこで朝食の食事内容と学力や集中力が大きく関連していることを伝えた。
4 小中学校の保護者、児童・生徒に朝食の充実を呼びかける食育通信を発行し、小中学校の校内にポスターを掲示した。
 また、「学校給食や教科での食に関わる指導」では、生徒会と連携しながら2つの取組を行った。
1 「朝食は学びと部活を制覇する」をスローガンとして、毎日生徒が目にできる場所に掲示するとともに、教科と部活動の指導でしっかり食べることの大切さを呼びかけた。
2 給食委員会の活動として、食事時間を確保し、食べるのが遅い生徒も完食ができるよう給食準備時間短縮運動を実施した。
 「生徒、児童の取組」「PTAとの連携」「小中連携」の3つの柱を意識しながら、活動を展開し、大きな成果を得ることができた。今後も家庭・保護者と連携した取組を大切にしながら、「健康で豊かな食生活を送ろうとする生徒の育成」を目指していきたい。

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「教育実践」 学習意欲の向上を目指す、食に関する指導の在り方
村上市立村上小学校
川嶋 邦夫

 昨年度文部科学省より「スーパー食育スクール事業」の研究校として指定を受け、全校体制で食育に取り組んだ。「望ましい食習慣が身に付いた児童は、学習意欲(授業に集中して取り組む等)が高まり、結果として学力向上へつながる」と仮説を立て、栄養教諭を中核とした教職員全員で、実践力の育成を意識した食に関する指導を学校の教育活動全体で行うことにより、望ましい食習慣の形成を目指した。
  望ましい食習慣の形成について児童の実態から、朝食摂取率の向上、バランスのよい朝食摂取率の向上、給食残食率減少の向上と捉え、3つの手立てを中心に取り組んだ。
  1つ目は、給食・教科等における指導の充実である。学年部ごとに児童の実態を元に目指す子ども像を設け、それに給食の時間における食の指導を担任教諭が毎日行ったり、食育の全体計画を見直し、計画的に学級活動や道徳、各教科等で食育授業を行ったりした。
  2つ目は、交流、体験学習の充実である。豊かな体験により食への関心や知識を高めたいと考えた。生産者や調理員との交流を図ったり、農業体験、栽培体験を行ったりした。野菜ソムリエ等、外部講師を招いた体験学習も行った。
  3つ目は、家庭や地域への啓発である。食習慣の向上のためには保護者の協力は不可欠である。学校での活動の様子を学校ホームページや栄養教諭が作成する食育新聞で伝えるようにした。地域に向けても食育リーフレットを作成し配付することで啓発活動を行った。
  新潟医療福祉大学が生活実態調査を年に2回実施し、研究成果の検証を行った。当初評価指標としていた朝食摂取率や給食残食率と学習意欲との関連は明確には見られなかったが、家族と共に会話を楽しみながら食事を行うことや間食の摂取状況など、新たに学習意欲と関連する要素を確認することができた。今年度は2年次目研究として,これらの要素を取り上げ、食育と学習意欲との関連を検証している。

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「教育実践」 児童の信頼感を高める学級集団づくり
小千谷市立小千谷小学校
丸山 由希

  学校において、児童は集団生活の中で学習している。所属する集団が居心地のよいものであることが、学習する上でも重要である。担任学級において、当該年度1回目のQ−U検査の結果から、要支援群の子どもたちが明らかになった。目指す学級の姿を具現化するために、よりよい人間関係を形成していくことを目的にした取組の成果をQ−U検査とアセスによって検証した。
 担任と児童のつながりと、児童同士のつながりの双方がある状態を作るため、次の2点において取組を行った。
1 構成的グループエンカウンターによる児童同士のつながりを作る
 グループで協力して取り組む活動、間違えても気にしたり、責めたりしないことを目的とした活動、相手を信頼して取り組む活動など、信頼関係や互いに許容し合う環境を作るための活動を行う。児童が仲間とのつながりを強化していくことをめあてに活動できるよう意識付け、定期的に構成的グループエンカウンターに取り組んだ。
2 カウンセリングマインドとコーチングの視点を取り入れ個別に対応する
 要支援群の児童は特に、自己肯定感が低かったり、友達とのコミュニケーションに難しさを感じたりしている。個で対応する場合は、カウンセリングマインドやコーチングの視点を取り入れた。具体的には、「話を聞き共感する」「自分の行動について、本児の言葉で振り返ったり、目標を立てたりする」ことで、担任の思いだけで指導を優先しすぎない対応を行った。
 2回目のQ-U検査では、要支援群・不満足群の数が減少した。取り組み後、児童からは「みんながまとまって協力するようになった。」「授業態度が良くなった。授業中の発言が増えた。」「みんなの仲がよくなった。」という声が聞かれた。自学級の状況に合わせて、意図的・計画的に活動を組み込みながら、更に各児童の特性に合わせた対応を行うことで、児童の意識や学級の雰囲気をよりよい方向に変えていくことができると考える。

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「教育実践」 対人関係がうまくいかない児童への理解と対応
〜学校適応感から糸口を探る〜
新潟市立東山の下小学校
竹松 譲

 これまで担任してきた学級の中に、いつも気になる児童が存在する。それらの児童は共通して、学校生活で他者との関わりがうまくいかず悲観的になり自分の殻に閉じこもったり、逆に攻撃的な言動をしたりしていた。このような経験から、私は、対人関係における児童の「自己肯定感」を育んでいく必要性と重要性を身をもって実感してきた。
 そこで、本研究では自己肯定感を「自己の存在や言動、他者からの支えや受け入れを肯定的に感じる感覚」と捉え、児童の対人関係における「自己肯定感の育成」を目的とし、研究を進めることとした。
 文部科学省は9歳以降の小学校高学年の児童の重視すべき課題の1つとして、「自己肯定感の育成」(2009)を挙げている。私は中学年においても、これから迎える思春期に向けて、自己肯定感を現段階から育んでいきたいと考えた。
 研究を進めるに当たり、客観的・多面的に児童の内面を理解する手立てとして学校適応感尺度アセスを活用し、支援の手がかりを探ることとした。具体的には、アセスの結果を手がかりに、児童を見立て直し、児童の行動に対する価値付けや振り返りといった、情緒的発達に目を向けた教育相談的アプローチによる予防的介入を試みる。
 本研究では、個別の教育相談的・予防的介入が児童の自己肯定感や学校適応感にどのような効果をもたらしたかについて考察する。

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「教育実践」 インターネットに関わる諸問題の、地域・保護者に向けた啓発活動
〜講演を通して〜
五泉市立川東中学校
佐久間 禎訓

 長年、地域・保護者への啓発活動の一環として、講演会を行ってきた。テーマは、発達障害に関わること、生徒指導全般に関わること、学校再生へ向けた取組などである。しかし近年は、「インターネットに関わる諸問題」に関する講演を求められる場面も少なくない。また、従来の「中学校区」に留まらず、他地域からの依頼も多い。
 インターネットに関わる諸問題は既に喫緊の課題となっており、特に「持たせ始め」にあたる家庭、保護者への啓発が重要である。
 実践は、「保護者が切実な問題として捉え、児童・生徒に本気で目を向けさせるための伝え方の工夫」である。

意識変化をもたらす工夫項目
1 地域・保護者に向けて
 ○今、ネットで何が起きているのか。
 ○現実の小・中学生がどのようにネットを活用しているのか。
 ○何故そのような使い方に走るのか(社会的要因と心理的要因)。
 ○持たせる上での決意と覚悟、問題発生時の親としての対応。
2 児童・生徒に向けて
 ○所持する上での基本的心構えとルール。
 ○困った時の対応策。
 ○本当の喜び=現実世界で他者と関わる中でしか生まれないこと。

 講演には、地域や保護者への啓発活動を通じて、「地域の教育力」を高めるねらいがある。大人が変わることでの、児童・生徒の意識の変化を経験から発表する。

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「教育実践」 自己有用感を高める生徒指導
南魚沼市立大和中学校
小林 一治

 今日、いじめや不登校の増加、規範意識の低下、さらには、学力や学習意欲の低下などが教育の大きな課題となっている。それらの要因の一つに、自己有用感の低さがあげられる。自己有用感とは、人の役に立った、人から感謝された、人から認められたという感覚である。また、自己有用感は自分に自信を高め、安易に問題行動に走ることを抑止したり、危険なものに近付くことを抑制したりする働きをもつと言われている。
 次の2点を中心に自己有用感を高めるように指導した。
1 全校体制による共通理解
 年に3回行っている生徒理解の会や週一回の生徒指導部会はもちろん、日常の職員室での会話などで、生徒一人一人の理解を深めていった。いろいろな立場で生徒一人一人を見ることにより、生徒の良い面を共通理解でき、認めたり感謝したりするプラスの声を掛けることが多くなった。
2 家庭や関係機関との連携
 家庭には各種便りや個別の連絡を通して、生徒のプラスの情報を積極的に発信した。家庭と学校が協力したことにより、生徒の自己有用感が少しずつ高まっていった。また、特別な支援を必要とする生徒には、積極的に関係機関と連携して生徒指導を行った。
 今後も、自己有用感を体験的に積み重ねていけるように工夫していきたい。

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「教育実践」 子どもの活力を引き出す地域連携のあり方
〜地域連携で子どもの自己肯定感を高める〜
新潟市立東曽野木小学校
佐藤 智範

 自己肯定感の低い児童の改善に向けて学級で様々な対応をし、一見改善されたように見えても、アンケート結果では改善されていなかったり、学級以外の関わりで問題行動を起こしたりする児童がいる。つまり、学級・学校での取組だけでは自己肯定感を確実に高めることは困難である。担任や身近な友達、保護者からの称賛が、心の拠り所となるのは確かであるが、 それが常態化すると感覚が薄まってしまったり、「私が誉めてもらえるのは,いつも○○だ」など効果が薄れたりすることも考えられる。また、教師の個々の見取りは完全ではなく、よく見取っているつもりでも、見切れていない、または教師の目から漏れているということもあり得ることである。そこで、教師(学級担任)の学級経営の取組に加え、地域との連携を活用して、児童の自己肯定感を高める方法について考えてみることとした。
【研究仮説】
 地域を活用した学習活動において、児童が地域の人々から認められ、称賛を受ける機会を意図的に設定することで、児童の自己肯定感を高めることができる。
【研究方法】 
 @ 自己肯定感に関わるアンケートの実施
 A 自己肯定感の低い児童の確認
 B 学級において自己肯定感を高める取組の実施
C 自己肯定感に関わるアンケートの実施(再)
D 学級における取組だけでは、自己肯定感の高まっていない児童の確認
E 地域と関わる機会の設定
 F 自己肯定感に関わるアンケートの実施
【成果と課題】
  地域人材と関わる学習活動の目的の1つに、自己肯定感の低い児童の「自己肯定感を高めること」を意図的に設定し、その目的を意識しながら活動することで、学級経営上の努力では、あまり効果が見られなかった児童の自己肯定感を向上させることができた。今後は地域人材から、より深く関わってもらうための打ち合わせや働き掛けの工夫、また、関わった地域の方へのフィードバックの方法を検討する。

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「教育実践」 地域・保護者を巻き込んだ活気ある学校づくり
〜みんなで支える学校 みんなで育てる生徒〜
新発田市立第一中学校
前田 敏之

 「地域連携」の意義・目標について、学校と地域・保護者それぞれの活動を互いに支援することで、学校づくりを進めるとともに地域への愛着を育むことと定義する。そこで、当校における「地域連携の学校づくり」の実践を@学校への地域・保護者からの支援、A地域への学校からの支援という視点から、分類した上で、生徒アンケート等をもとに成果と課題を導き出し、地域・保護者を巻き込んだ活気ある学校づくりを目指した課題解決に迫った。
当校では、地域連携を深めるために「学校支援地域本部事業」と「未来を築く子どもを育てる会」の二つの組織がある。「学校支援地域本部事業」は、中学校区の小中3校の地域連携担当職員と地域教育コーディネータが連携して、保護者や地域のボランティアを募集・組織し、学校行事や学習を支援し、生徒を育てる体制を整えている。「未来を築く子どもを育てる会」は、中学校区の小中3校で生徒の健全育成を目指して、各校の担当職員とPTA、町内会長等で構成されている。これらの活動内容を@学校への地域・保護者からの支援とA地域への学校からの支援という視点で分析した結果、地域への学校の支援(地域貢献・地域活動協力)に課題があった。生徒対象のアンケートからも、地域への支援活動を行った生徒は、「地域への愛着」が深まることが導き出されることから、今後もこの分野の活動を充実させるための研究を進めていく。

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「教育実践」 みんなが分かる学習活動を支える授業の情報化
〜タブレット端末を活用した表現力・思考力の育成〜
新潟市立小針小学校
小庄司 一泰

 学習指導要領解説では、PISAや全国学力・学習状況調査の検査結果から各教科において児童の「思考力・判断力・表現力」にはまだまだ課題があると述べている。そこで本研究では、理科の観察・実験・考察などを通した問題解決的学習において「思考力」「表現力」を養うことが必要であると考え、6年生理科の学習において、以下の手立てを用いて実践を進めてきた。
1 タブレット端末を用いた話合い活動の設定
 タブレット端末を実験前の予想での話合いと実験後の考察を考える話合いの2つの場面で活用した。グループでの話合い活動では、タブレット端末本体に予想を書き込む作業を通して話合いを行った。また、タブレット端末と大型液晶テレビを無線環境で結び、グループから出た考察結果を学級全体で練り上げる話合いを通して、児童の表現力や意欲の高まりの変化を能動的自己評価カード(ASE)を用いて検証した。
2 科学的キーワードを結び付けたコンセプトマップの作成
 思考力の高まりを見るために学習の前後に、何を学習したのか科学的キーワードを結び付けるコンセプトマップ作りを行った。また、デジタルとアナログの差異を見るために学習グループをタブレット端末・付箋・ノートでの学習班に分け、獲得した科学的キーワードと結びつけるリンクワードにどのような変化があるのかコンセプトマップを用いて検証した。  
 2つの手立てを取ることで、個人では発表意欲や実験に参加する態度に肯定的な変容が見られた。また、科学的キーワードやリンクワードといった知識・理解の方においても高まりが見られた。グループでは、タブレット端末を媒介として話合い活動や実験することを通して、協働的に学習できることが明らかになった。
 「アクティブ・ラーニング」「協働学習」で活用が見込まれているタブレット端末の利用法について今後も研究していく。

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「教育実践」 ICTを活用した算数授業の研究
〜オーサリングソフト、一人一台タブレット端末を用いた指導の有効性を探る〜
燕市立吉田南小学校
杉山 一郎

 ICTは視覚的に分かりやすい、再現性に優れるという長所がある。児童の知識理解を助ける場面、筆算や作図などの技能の定着を図る場面での使用に効果がある。また、課題の提示や児童が使う教材としては、デジタル教科書や市販の学習ソフトウェアがある。しかし、デジタル教科書や市販の学習ソフトウェアは、ソフトを制作したものが想定した授業展開に即して設計されているため、内容に変更を加えることができない。従って授業者としては「数値や内容、提示の仕方」などの変更ができない。児童にとって、「自由に試行錯誤することが難しい、思考に制限がかかる」などの弱点がある。
 そこで「視覚的に分かりやすい」、「試行錯誤が容易」というICTの良さを生かしつつ、問題解決の授業に耐え得るようにオーサリングソフト(授業者の意図通りに制作できるソフト)を活用して教師用、児童用の教材を作成する。そして、児童一人一人に算数的活動を保障し、ICTの良さに触れることができるよう、一人一台のタブレットPCを活用する。
 「授業者の意図通り設計できる」、「児童が自由に試行錯誤できる」オーサリングソフトで制作したICT及び児童一人一台のタブレットPCを使用することで、ICTの長所を生かし、児童一人一人にその単元で獲得させたい数学的思考を身に付けさせることができるようにする。

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「教育実践」 通級指導における担任との連携
〜学校生活のエピソードの収集と分析を通して〜
佐渡市立八幡小学校
齋藤 千賀子

 小学校学習指導要領において、「特別支援学級又は通級による指導については、教師間の連携に努め、効果的な指導を行うこと」と示されている。
 金井小学校の通級指導教室では、週2回、他校への巡回指導日がある。自校、他校共に、担当児童の指導時間は、月1〜4時間程度である。限られた時間の中で効果的な指導を行うためには、児童の実態把握、課題の共通理解、分析に基づく意図的な指導、児童に関わる環境への働き掛けなど、担任との連携が不可欠である。そこで、効果的に児童を見取り、指導に活かしていく手立てとして、学校生活における児童のエピソードを手がかりにしたいと考えた。
 実践の内容と方法は次のとおりである。
1 児童の特徴的な行動のエピソードを集めて分析し、エピソードの共通点や背景となっているものを明らかにする。
2 エピソード分析をもとに、課題を明らかにして通級指導教室での指導内容の精選を図るとともに、成果を検証する資料・データとしてエピソードを活かす。
3 担任との面談やアンケートにより、担任の意識の変容を見る。
 
 エピソードの収集方法や分析の仕方に課題は残る。しかし、児童の特徴的な行動に焦点を当てたタイムリーな情報を得ることができたことは、担任との情報交換において有効であった。そして、分析をもとに、児童の状態に合わせて指導内容を柔軟に考え、指導していくことができた。

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「教育実践」 相手の立場に立った行動を増やすための支援の工夫
〜「接客」の学習を通して〜
新潟県立江南高等特別支援学校
谷内田 繁

 職業学級では、企業就労に必要な力を身に付けることををねらい、「接客」の学習を設定している。飲食店の従業員の方をゲストティーチャーとして招いて、ホスピタリティの重要性等、接客の心得について指導を受けた。ホスピタリティとは「お客様、スタッフのために考えて行動すること」であり、そのことをキーワードとして指導を進めた。生徒には、マニュアル通りの基本的な技術で接客すれば良いだけではなく、表情や声のトーン、気遣いなど、相手のことを考えた言動が大切であることを強調した。本研究では、ホスピタリティを意識して相手の立場に立った行動ができるように、接客行動と接客意識という視点で、主な支援方法を以下のように構想した。
1 ファシリテーショングラフィックの活用(接客行動)
 接客行動の改善に向けて、プレオープン時のアンケートを基にファシリテーショングラフィックを行った。事前に意見を付箋に記入する時間を設けたり、アンケート結果の一覧を参照用に配付したりする等、生徒が参加しやすいよう工夫をした。適宜、話合いのポイントを示すことで、全員で方向性を共有しながらお客様への接し方やスタッフ同士の連携等の改善につなげることができた。
2 自己評価カード「ホスピタリティカード」の活用(接客意識)
 @「お客様の気持ちを考える」→A「行動に移す」→B「お客様がどのように感じたかを聞く」→C「振り返り」の順に自己評価を進められるカードを作成し、自己評価を行うとともに、生徒同士でも評価を行うようにした。お客様に喜んでもらいたいという意識が高まり、ホスピタリティの向上につなげることができた。
 相手の立場を考えることは、特別な支援を要する生徒には難しい面はあるが、今後も本実践の成果を生かしながら支援の工夫を続けていきたい。

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「教育実践」 中学部における新しい作業学習の提案
新潟大学教育学部附属特別支援学校
齋藤 文一

  当校中学部の作業学習における実践を取り上げる。
 現在の社会の情勢やニーズとして生徒の主体性を育むことが重視されている。私も生徒一人一人が卒業後、社会の中で自分の力を発揮し、充実感をもち続けてほしいと願っている。そのために、主体性を育むことを目指した授業づくりの在り方を、抽出生徒の姿を通して、明らかにしていきたい。
 中学部生徒の実態として、教師から指示されたことに素直に取り組む姿が見られる。しかし、それを終えると、次の指示を待つ姿が見られ、自分から主体的な思いを抱きながら意欲的に取り組む姿は見られない。そこで、生徒が目の前の作業に対して、「こうしたい」という思いをもって意欲的に取り組み、思い描いたことを実現する姿を目指したい。そのためには、生徒が授業の中でしっかりとした目的意識を高めるための支援を工夫する必要がある。授業づくりに向けては、生徒の興味・関心がある学習活動を設定する必要がある。そこで、生徒がどのようなことに興味・関心があり、どのようなことを得意としているのかなどを個別の指導計画を基に検討する。その際、生徒が課題を解決するときにどのようなプロセスを経ていくのかをよく話し合い、学習活動に反映させていく。さらに、生徒が学習活動に取り組んだ結果、生徒が感じた「できた」という思いから「もっとやりたい」「こうしたい」という思いに高まるように支援を構想し、学習活動を発展させていきたい。その取組を繰り返し行うことで、生徒の目的意識を高め、目の前の作業に意欲的に取り組む姿を目指したい。
 上記のような実践に取り組み,得られた成果や課題を紹介することができればと思っている。

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「教育実践」 小学校中学年の発達障害児童を対象とした通常学級における他者との相互作用の変容に関する研究
新潟市立松浜小学校
加茂 勇

 問題と目的
 文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会は,2010年7月に「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」を設置し,同12月にはインクルーシブ教育システムの理念とそれに向かっていく方向性を打ち出している。インクルーシブ教育の目的の一つが,特別なニーズのある子どもが健常児や教師との相互作用の中で社会的関係を経験し行動を学習していくことであるとすれば,特別支援教育を推進する上で統合された教育環境の授業場面における発達障害児童の支援方法の研究は緊急かつ重要であるといえる。
 本研究では,小学校中学年の発達障害児童が,学校生活における他者との相互作用の中で,教室という場でどのように活動し,関係性を築こうとしているかについて明らかにする。そして,発達障害児童の相互作用を分析的に整理・記述することにより,通常の学級における発達障害児童の教育実践に関する仮説を生成する。
結果と考察
 発達障害児童には学校での生活場面や学習場面において様々な困難があった。発達障害児童は,成功へつながりにくい場面に出くわすと,回避や放棄の方略をとることが多くあった。そこでは,他の児童が用いるような原因を探りもう一度行うという認知的再評価という方略を示そうとはしなかった。できないから回避という方略をとる発達障害児童のことを周りの児童は「ふざけているからできない」と評価していた。これは,他者である中学年の児童が行動の原因を客観的に認識できなかったからであると考える。
 しかし,授業者が良かった行為や発言等を言語化しながら,感情や行動を他者が認め意味を与えることができれば,認知的再評価の方略を示すことができた。
 本研究を通して,通常の学級における発達障害児童の教育実践では,個のニーズに合致する小集団等の活動を媒介にして,発達障害児童と他者である児童の認知的な発達に配慮しながら,快や不快を共に感じあうような情動共有がなされる相互作用場面をつくることが有効であるという仮説を生成した。

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「教育実践」 発達障害のある児童の不適切な行動への取組
新潟県立吉田特別支援学校
木村 浩之

 心身症と発達障害を併せ持つ児童の不適切な行動に対して、以下の2点からその症状の緩和や寛解を図った。                        1 不適切な行動に対する3つのアプローチ
児童の不適切な行動に対して、第1に「不適切な行動への対応」、第2にその背景にある「障害特性からくる困り感への支援」、第3にそれらのべースとしての「自尊感情(自分を価値ある存在としてとらえる気持ち)の育成」を行った。これらは順番に行うというよりも同時期に、児童の状態を把握して行ったものである。                             2 自立活動と各教科の密接な関連                       □
上記の3つのアプローチに当たっては、学校の教育活動全体で行いやすいように、「個別の指導計画」に基づいて自立活動の時間の指導を中心に取り組んだ。主にSSTを中心に計画し、情緒の安定や適切な行動の形成を目指した。さらに、各教科の授業においても指導・評価することで指導内容の活用・汎化を図った。                                □こうした取組を重ねた結果、児童は落ち着きを取り戻し、前籍校へ復帰することができた。これは、児童の不適切な行動に対して、職員間で一致した対応を心掛け、授業で特性を生かした指導・支援を取り入れることで学ぶ意欲が高まり、学習の取組を教師や友達が評価したことで自尊感情が高まったからだと考える。                               今後は、前籍校に復帰してからも継続した指導・支援が受けられるよう引き継ぎやアフターケア等の学校間連携についても研究を進め、小中学校におけるインクルーシブ教育システム構築への一助となればと考えている。

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「教育実践」 一人一人の自立を支援する教材開発システムの構築
〜汎用性の高い教材の開発と教材の個別化をした生活単元学習の実践を通して〜
長岡市立千手小学校
上野 保治

 特別支援教育の推進のためには,自立を促す教育を展開していくことが大切であると考えている。児童の自立を促して,児童が自分から行動できることを目指して研究を進めている。
 多くの児童が使える汎用性の高い教材をベースに,家庭・地域と連携しながら個別に対応する内容を組み込んでいく教材開発システムを構築すれば,それぞれの教育的なニーズに対応することができ,児童の自立を促して,児童は自分から行動できるようになるであろうと考え,研究を進める。
 研究を進めるに当たり,教材開発のシステムを,次の2段階に分けて構成する。
1 ベースとなる教材の開発と個別化の工夫
 児童の発達段階は様々である。児童が自分から行動できるように,汎用性があり形式がそろっているベースの教材を開発し,それを基に児童の実態に応じて対応する内容をその教材に組み込んでいく。
2 家庭実践用カードへの応用の工夫
 実生活に近い環境を教室内に再現して学習できるように,校外学習で利用する地域の公共交通機関や施設の協力を得る。また,家庭でも教材を使って自分から行動できるように,学校での実践を通して使えるようになった教材を,家庭と協働で児童の実態に対応した内容を組み込んだ教材に更新する。その際,家庭・地域連携の具体的な内容や方法,その手順を明確にしていく。児童が教材を使用できるようになったことや,児童が安心して行動するための支援の方法を保護者に伝え,家庭でのその教材の活用を促す。
 生活単元学習の「バスで出かけよう」の実践の中で,多くの児童が使える教材を作成し,その教材の個別化と,家庭・地域との連携の手順を明らかにしたい。更に,児童の自立に向けた保護者の意識改革を進めたい。

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「教育実践」 チームで臨むPDCAサイクルに則った授業改善
〜児童の学ぶ意欲を引き出す授業を求めて〜
新潟県立上越特別支援学校
鹿目 功二

 主張
 担当教員がチームとなり、PDCAサイクルに則った授業改善を行うことで、児童の学ぶ意欲を引き出す授業づくりをすることができ、さらに児童の実態に即した合理的配慮を生み出すことができる。

1 主題設定の理由
 肢体不自由特別支援学校に通う児童は少数ではあるが、一人一人多様な実態がある。上肢下肢の可動具合、姿勢保持ができる体位、指先の器用さ、言語によるコミュニケーションの有無など、肢体不自由の度合いにより、介助や支援の在り方が違ってくる。さらに、児童の実態に応じて、児童の課題や目標を設定し、指導計画を立てて、実行していかなければならない。これらのことを全て一人の教師が行うのは正確さに欠け、限界がある。
 児童の多様な実態を把握して的確な指導計画を立案し、児童の学ぶ意欲を引き出す授業をつくり出すためには、担当教員がチームとなり、PDCAサイクルに則った授業改善が有効であると考える。また、チームで授業改善に臨むことで、「学習活動に取り組むに当たり、合理的配慮は何か」を複数の視点から捉えることができ、より確実な支援体制を生み出すことができると考える。主に次の3つの視点「児童の実態把握」「授業チェックポイント表の活用」「補助具・補助教材の作成」を教員チームで共有し授業改善に臨んだ。

2 PDCAサイクルに則った実践の方法〜児童の実態把握、授業チェックポイント表、補助具・補助教材の視点から〜
(1)Plan
@児童の実態把握・解釈をする。
A自立活動の個別の指導計画を作成し定例会で話し合う。
B個別の指導計画を基にした単元の指導案を作成し定例会で話し合う。
C必要に応じて補助具、補助教材を作成する。
(2)Do
@定例会で確認したMT、STそれぞれの役割、児童の目標を共有して授業実践をする。
A授業チェックポイント表の視点を意識した授業実践をする。
(3)Check
@主担当児童の学習の様子を校内サーバフォルダに記録し、教員チームで共有する。
A授業チェックポイント表を活用し、授業の改善点を定例会で検討する。
(4)Action
@授業チェックポイント表の視点を基に改善点をまとめ、改善指導案を定例会で提案する。
A環境の設定、支援事項、教材教具の改善点を共有し、授業を実践する。
B必要に応じて補助具、補助教材を作成・改良する。
C外部機関と連携し研修を設定する。

 このサイクルに則って授業改善を行い、児童の学ぶ意欲を追求し、検証した。

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「教育実践」 学級の自治的能力を高めるための話合いの工夫
〜小グループでのファシリテーションの要素を用いて〜
聖籠町立山倉小学校
八子 正彦

 学級の自治的能力を高めていきたい。しかし、担任していた学級では、学級で起こる様々な諸問題を、児童の話合いによって解決した経験がほとんどなかった。そのため、教師主導で解決したり、話し合っても全体の4分の1程度の児童しか話し合っていなかったりする実態があった。そこで、学級の児童全員が話合いに参画し、自分たちで問題を解決する経験を重ねていくことで、学級の問題を自分の問題として捉え、自分たちの力で解決できる学級になってほしいと考えた。
1 活動の導入で児童の進む方向をそろえるための話合い
 活動を進めていくときに、一部の児童が中心となるのではなく、一人一人が活動に参画していけるようにしたい。そのために、導入である活動の目標やスローガンを決める場面で、ファシリテーションの要素を用いた話合い活動を行った。
 児童は、これから行う活動に対しての思いや願いを付箋に書く。それを、小グループで1枚の画用紙に、読み上げながら貼っていく。それらをペンで囲んでラベリングする。そのラベリングされた言葉から、学級としての活動の目標やスローガンを全体で考えていった。
2 学級会で集団決定するための話合い
 全体での話合い活動では、発表者が決まっていたり、影響力の強い児童の意見に全体が流されてしまったりすることがある。そこで、学級会の始めに小グループでのファシリテーションの要素を用いた話合い活動を行った。
 まず、自分の考えを付箋に書き、上記1と同様にラベリングしていく。そのラベリングされた言葉を、黒板書記がそれぞれの意見の理由として板書する。その後、合意形成に向けて、全体での意見交換を行った。
 児童に、議題についての自分の考えを書かせ、それを小グループ内で発表させたことで、一人一人を話合いに参画させることができた。また、小グループでの話合いの記録を掲示しておいたことで、活動中に話し合う必要が出てきたときや、自分たちの活動を振り返らせたいときに、一人一人の思いや願いに立ち返らせることができた。

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「教育実践」 道徳の時間における役割演技が支援を要する児童に及ぼす影響
五泉市立五泉小学校
佐藤 将臣

 教育的支援を必要とする児童の中には「相手の立場に立って考えることが苦手」、「自分の考えがなかなかもてない」という児童も少なくない。状況を理解することが苦手な彼らが友達の考えを認めつつ、主体的に判断できるようにするには、どのような指導が有効なのであろうか。
 役割演技を取り入れた道徳授業に詳しい早川(2004)は、役割演技による道徳授業によって、「道徳的な価値のよさについて、単に『知識』としてではなく『実感』として理解することができる」と述べている。また、道徳教育改善研究会(2009)は、「相手の立場を認め、自らを律する態度が生まれてくることが期待できる」と述べている。これらの指摘は、役割演技が、友達の考えを認め、自ら考え判断しようとする態度の育成に有効であることを示唆している。
 そこで本研究では、道徳の時間に役割演技を取り入れることで、支援を必要とする児童が友達の考えを認めることができ,主体的に判断しようとする態度を育成することができるとの仮説に基づき、その結果を明らかにすることを目的とした。
 役割演技を取り入れた道徳授業は、小学校6年生を対象に、計4回実践した。最初は自分の考えをもちやすいように、主にAorBという二者択一の判断を迫られる資料を扱った。こうした資料では、他の児童の考えも分散しにくく、友達の考えに目を向けやすいと考えた。後半では、多様な判断が可能な資料を扱った。言い換えれば、判断に迷う難度の高い資料である。判断に困るからこそ、友達の考えを参考にして自分の考えを深める姿が期待できると考えた。
 実践の結果、実践当初では道徳的価値への気付きが浅く、文量も多いと言えなかったが、実践を重ねていくことで道徳的価値に関する記述が見られるようになってきた。授業記録には、判断に影響を及ぼしたと考えられる場面があり、役割演技をした友達の言動や、他の観客役の児童の発言を参考にしていることがうかがえた。このことから、役割演技を効果的に取り入れることにより、友達の考えを認めながら、主体的に判断しようとする態度を育成できる可能性が高いと言える。また、支援を必要とする児童は、演者よりも観客として参加するほうが新たな考えに気付きやすいことが分かった。

<参考文献>
シリーズ・道徳授業を研究する1 役割演技を道徳授業に 早川裕隆 明治図書 2004
平成20年版 小学校新学習指導要領ポイントと授業づくり  道徳 道徳教育改善研究会 東洋館出版社 2009。

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「教育実践」 2つの意見を用いた道徳授業による道徳的判断力の育成
長岡市立大島小学校
山畑 浩志

 現行学習指導要領作成に当たり、PISA型の学力観が大いに参考にされたことは周知の通りである。このPISA型学力観と道徳授業とを、授業レベルで、または理論レベルで結び付けることは可能か。可能と考えるなら、どのような研究の方向性を打ち出していけばよいか。また、この研究によりいったい何が導き出せるのか。
 これらの課題を解決すべく、新潟青陵大学教授の指導を仰ぎながら、平成23年度より中越道徳教育研究会及びときわ道徳サークル「こころ」の仲間と共に研究に取り組んだ。
1 PISA型の道徳授業とは
 PISA型の道徳授業とは、「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」の問題に見られる思考スタイルを取り入れた道徳授業のことである。
2 PISA型の道徳授業の流れ
 従来の道徳授業では、児童生徒に資料(読み物資料等)を提示し、その後、教師の発問によって意見を求めることが多かった。この場合、児童生徒から挙がる意見は、児童生徒の価値観のみに基づく判断によるものとなる。
 これに対し、PISA型の道徳授業は、資料を提示した後に判断の根拠となる第三者の意見(意見A・B)を提示する。児童生徒は、意見A・Bのうちどちらの意見に賛成するかを理由を加えて判断する。その後、意見交流を経て、最終的に自分はどう考えるかを判断するという流れである。
3 PISA型の道徳授業のこれまでと今後
 私がこれまで実践してきた授業では、児童に提示する資料を読み物資料(主に定番資料)に限定してきた。今後は、提示資料として写真や絵、図表等を用いたPISA型の道徳授業を開発していく。

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「教育実践」 人が人を大切にする教育  
胎内市立きのと小学校
近藤 正毅

 「差別は見ようとしなければ見えない。」ということは、疑いの余地はない。
 昨今、あからさまに差別されることこそ表立って見ることはないものの、「私たちは隔てられている」と肌で感じると、すべての人に等しく備わっている権利を正当に主張することが難しくなる。差別は人間の精神をむしばみ、人間の尊厳を傷つける恐ろしいことだ。
 私は、他児に対して差別をはねのける強く健康で強靱な精神を養わなければならないのだと決意し、どうするべきかを考え、それを実行しようと関わっている。その関わりの中で私が体感的に会得したのは、人権教育、同和教育とは「人が人を大切にする教育」に他ならないということである。
 「人が人を大切にする」この微塵も揺るがない土台の上に「差別をはねのける強く健康で強靱な精神は培われるのだ」と考えている。私は関わりの中でこの事を学んだ。そして「差別をはねのける強く健康で強靱な精神」を育むには、「被差別部落に入ること」と「家庭訪問を行うこと」を継続することが重要であると確信している。

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「教育実践」 自分のよさも友達のよさも認め、共に生きる子どもの育成
新発田市立東豊小学校
弥源治 仁伺

 「差別をしない、許さない」という態度や実践力を育てていくために、児童一人一人の自己肯定感・自己有用感を全校体制で高めていくとともに、児童の心に響く同和教育を進めることが重要であると考え、本実践に取り組んだ。
 研究を進めるに当たり、互いに尊重し合う望ましい人間関係づくりのための取組とともに、同和教育の視点に立った道徳授業における学習過程の工夫の二つを柱に据えた。
 具体的には、まず土台作りとして、望ましい人間関係作りのために「構成的グループエンカウンター」の実施や、異学年交流活動、授業のユニバーサルデザイン化に取り組んだ。その上で同和教育の視点に立った道徳の授業において、全学級で「人と関わり、人や地域に学ぶ授業」を行った。
 同和教育の授業実践では、資料に出会うだけでは児童が差別の実態を十分理解できていない姿が見られたが、ゲストティーチャーを招き、「直接、人や地域、実物に触れて学ぶ」という視点で授業を行ったことで、差別を自分のこととしてとらえる姿が多く見られるようになった。今後も、これまでの取組を見直しながら「人と関わり、人や地域に学ぶ授業」の継続・改善とともに、さらに児童の人権意識を高めていくための学習過程の工夫等について実践していきたい。

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「教育実践」 柔道部を好きになることで自分を好きになる
〜0(ゼロ)からのスタート、自分に自信をもたせる部活動指導〜
新潟市立大形中学校
小林 正樹

 「生きる力」を育むに当たって、重要な要素の一つに自己理解があげられるが、その基盤となるものが自己肯定感であると考える。私が部活動を通して生徒に一番身に付けさせたいことは、「自分に自信をもつ」ことである。なぜなら、自分に自信をもつことで、生涯にわたって力強く生きていくことができるからである。
 部というコミュニティを通して、喜びや充実感を共感し、そこに所属する自分自身の存在を好きにさせたい。柔道部というコミュニティをマネジメントすることで、たとえ個々の能力や練習環境に不備があっても生徒の心身の成長、ひいては競技結果にも大きな成果が得られると考え、次の3点を中心に実践している。

1 人的・物的環境整備
 @練習環境の整備A人材の確保B応援団をつくる
2 主体的に部活動に取り組むための自己指導能力の育成
 @自己決定の場を与え、主体的に取り組ませるA相手がいて自分が成り立つという感謝の心をもたせるB一人一人が戦力であるという自己存在感をもたせる
3 競技力向上のための取組
 @短い時間で効率の良い練習をするA日本一考えて練習する部を目指すB練習時間は余裕をもって終わり、できるだけ楽しい気持ちで帰らせる。

 これまで、多くの部員に恵まれ、「部活動が楽しかった。柔道部で良かった」と語る生徒が多い。また、卒業後、柔道のみならずその後選択した他競技で全国大会への出場を果たし、活躍した生徒もいる。また、進学先の学校で部長や副部長を務める生徒も多く、主体的な練習、考える練習の成果が表れていると実感する。
「柔道部を好きになることで自分が好きになる。ひいては自分に自信をもって自己実現を図ってほしい」
 支えてくださる、学校、保護者、地域、関係各位に感謝しながら、今後もより良い指導を求めて更に努力していきたいと考えている。

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「教育実践」 心の錬成により、自尊感情を高め自主的に活動する部活動指導の工夫
〜中学校「サッカー部」の実践を通して〜
村上市立朝日中学校
大橋 研人

 本研究では、心を鍛えることによって技術が伸び、さらに大事な試合の場面で力を発揮できると考えアプローチした。本研究は昨年度からの継続で2年目になる。昨年度は心を鍛えるためにチェックシートを活用して取り組んだ。チェックシートとは、部活や学習、学校生活や家庭生活について目標を企て、それを1週間のサイクルで評価していく評価シートである。昨年度の取組により、部活以外のいろいろなことにも積極的に取り組む生徒が多くなった。今年度は、去年までのチェックシートを改良し、さらに仲間から評価をしてもらう欄を設定することで、生徒一人一人の自尊感情を高め、それが自主的に活動する部活動指導へつながると考え、実践した。
 自尊感情を高めるために、次の2つについて実践した。
1 自己評価カード
 自己評価カードにより行動目標を設定することで、自分がやるべきことがはっきりし自主的に行動することができると考えた。目標が達成できれば有能感が高まり、たとえ目標が達成できなくても、自分がやるべき行動が明確であることから、目標達成に向けた努力が継続されることが期待できる。また、チームの仲間や家族、顧問から他者評価をしてもらうことで、さらに有用感が高まることを期待し取り組んだ。
2 振り返りカード
 自己評価カードの取組によって自尊感情が高まったかどうかを調べるために、振り返りカードを用いて評価した。振り返りカードでは自尊感情を18の項目に分類し、評価した。
 今回の実践では、自尊感情としては実践前よりも実践後が若干数値が高くなっただけであまり大きな変化はなかったものの、最初から最後まで高い評価だった。何よりも、目標である「県大会出場」が達成できたのが一番の成果である。このことから、目標を決めて取り組み、自己評価や他者評価をすることで自尊感情が高まり自主的に活動できたと考える。

<参考文献>
中学校における「心の健康」を育む運動部活動の在り方。

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「教育実践」 全国学力・学習状況調査過去問題を使った活用力育成の取組
新潟市立荻川小学校
目黒 修

 全国学力・学習状況調査過去問題を国語・算数とも3回ずつ行い、次の点を工夫しながら活用力育成に取り組んだ。
1  誤答分析をその後の指導に生かす
  まず、児童に過去問題を解かせる。児童の解答用紙を採点しながら、「正誤」「誤答」「問題の条件に沿った正誤及び誤答」を名簿に記入していく。そのことにより、1問ごとの正答率や誤答の傾向が分かる。また、個人ごとの間違いの傾向をつかむこともできる。正答率の低い問題や同じ間違い方の多かった問題について重点的に全体指導を行った。また、採点の際、模範解答もチェックしておき、児童に手本として示したり、視写させたりした。
2 活用力の要素を重点的に指導する
 「全国学力・学習状況調査解説資料」(国立教育政策研究所)には、「問題作成の観点」が国語・算数とも4点ずつ載っている。その「問題作成の観点」を「活用力の要素」と捉え、その点を重点的に指導した。
3 取組の様子を学級だよりにまとめ、指導に生かす
 学級だよりに「問題」「正答率」「主な誤答」「分析」「対策」等を書き、保護者に知らせた。保護者の関心を高めるとともに、児童への指導にも活用した。口頭だけの指導でなく、指導内容が児童の手元に残るので、指導の効果が上がったものと思う。
4 学年として組織的に取り組む
 過去問題の実施や事後指導の時期を学年でそろえた。各学級の誤答傾向や今後の指導方針などを学年会で情報交換しながら組織的に取り組んだ。学年合同での過去問指導の授業も行った。学年全体の士気が高まり、指導の効果が上がった。
 本実践は短期の取組である。今後は日常の授業によって、計画的継続的に活用力を育成していきたい。

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「教育実践」 児童と創る地域教育プログラム
新潟市立上所小学校
鷲尾 健仁

 新潟市内各校は、「学・社・民の融合による教育の推進」を根幹に据えて、教育活動を展開している。当校でも、社会科や総合的な学習の時間を中心に、地域に学ぶ教育を実践している。
  しかし、児童が毎年回答している新潟市生活・学習意識調査、保護者等を中心とした関係者評価の集計結果から見ると、「地域との関わり」を問う項目が、極めて低い。
  校区に根付く伝統行事や祭りがないこと、チェーン店を中心とした商業施設が多く建ち並び、他地域からの出入りが激しいこと、転出入が多く人間関係の醸成が不十分であること等が要因として考えられる。
  次の3点からその解決に迫った。
1 地域とつながる活動の工夫
  PTA、コミュニティ協議会、スポーツ振興会、公民館、学校が知恵を出し合い、平成25年度から「上所夏祭り」を開催している。3回目となる今年度は、時間や内容を大幅に見直し、さらなる改善を図った。
2 学校フォーラムの開催
  地域とのより良い関わり方について、5・6年生全学級で話し合い、改善策を考えた。フォーラムでは、代表児童がそれを持ち寄り、地域代表、保護者代表とともに、今後の方向性について話し合い、児童と地域をつなぐ「地域交流委員会」を創設することで一致した。
3 児童目線で学校と地域をつなぐ地域交流委員会
  「上所夏まつり」の課題を、活動のマンネリ化と高学年の参加が少ないことと捉え、企画段階から参画した。地域の大人から様々なアドバイスを受けながら、自分たちの願いを実現していった。互いの意識が大きく変わり、距離が縮まっていった。
  並行して、地域に愛されるマスコット(ゆるキャラ)の誕生に向け、活動している。
  今後も、児童が、保護者・地域と共に学び合い、共につながり、地域力を高めていくための取組に貢献していきたい。

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「教育実践」 学力向上に向けた取組を活性化させるための教頭としての関わり
〜「学び合い」「論理的な記述」を核にした授業改善と4つのタイムを中核に据えて〜
村上市立西神納小学校
石黒 篤志

 西神納小学校では、学力向上に向けた2本の柱を設定し、全校体制で取り組んでいる。
 1つは、校内研究を中核とした授業改善である。「分かる」「できる」喜びを味わう授業の創造という主題で「学び合い」と「論理的な記述」に焦点を当てている。授業実践とファシリテーション形式での研究協議を重ねてきた。もう1つは学習習慣の確立と基礎・基本の確実な習得を目指した4つの「タイム」の推進である。ドリル学習・プリント学習等を行う学びタイム。web配信問題に取り組む西小タイム。学習に必要な技能の意識付けをし、児童自身に力の伸びを確かめさせるための全校スキルタイム。家庭学習の習慣付けのためのプランニングタイムである。
 この学力向上の取組を活性化させるために、職員のイメージ共有と職員の意識向上、さらに学校としての継続性が課題であると考えた。
 そこで、私は教頭として次のように職員に関わってきた。校長が意図する授業改善のイメージを共有できるようにするために、校長の指導をもとに、職員の授業参観を継続し、児童の考えを引き出す働き掛け等について指導した。研究協議会で、発言・指導を行うとともに、校長が意図する授業改善のイメージに沿って職員の取組を評価した。また、教員評価面談・学校だより・日番日誌で一人一人の取組を紹介し、職員の授業改善に向けた意識・意欲を高める働き掛けを行った。さらに、4つの「タイム」が確実に実践されていることを校内巡視による観察・指導により把握した。校務分掌策定に際しての意見具申や学校の学力向上システムの再確認と明文化により、学校の取組が次年度以降も同等のレベルで継続し、発展できるようにも努めた。
結果、児童に基礎的・基本的な学習内容を確実に身に付けさせることができ、職員の意識も高まってきた。道半ばであるが、学校の学力向上の取組を活性化させることができてきた。 

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「教育実践」 小中連携校としての教職員の参画意識を高める組織づくり
阿賀町立三川小学校
藤崎 善之

 小中連携校として三川小学校・三川中学校が現在の同一校舎で学校生活を送るようになってから、10年が経過した。これまで、様々な検討を経て、現在の組織や取組が確立された。一方で、小中連携の目指す方向性が、小中の教職員全体でしっかり共有されないまま取組が行われているために、多忙感につながっていることが大きな課題となっている。今一度、小中連携の在り方を見直し、これからの「三川」を担う人材育成において、目指す児童生徒像を共有し、今後どのような方向で小中連携を進めていくかを、全教職員で考える必要がある。これにより、小中の全教職員がベクトルを一つにして、小中連携に参画しようとする意識とやりがいを高めていきたい。
  そのために、次の3点からアプローチした。
1  小中全教職員による「これからの『三川』を担う児童生徒像」の共有化
 小中の全教職員で、これからの三川を担う児童生徒像やそのための今後の小中連携の取組をファシリテーションの手法を用いて協議した。小中連携の意義や目的について、改めて共有化が図られるとともに、今後の具体策について真剣に考えることができた。
2  小中交流活動の活性化
  教職員の意識を高める上で重要なことは、児童生徒の姿が変容することである。そのために「連携交流部」に働き掛け、小中学生の交流活動の活性化を図った。「継続的な交流遊び」と「児童生徒・教職員のアンケートによる成果の共有」を取り入れることにより、児童生徒の変容を共有でき、やりがいにつながっている。
3  中学校区による学力向上の取組
  当中学校区の課題である家庭学習の習慣化に向けて、「連携学習部」に中学校区学校保健委員会が加わり、生活改善と結び付けた中学校区による学力向上に取り組んだ。また、学力向上の取組では、両校研究推進部による指導案検討や小学校教員と中学校教員によるT・T授業を行う。いずれの取組も、研究主任や養護教諭などのミドルリーダーの考えを、校長を中心とした管理職が支え、環境づくりを行った結果であり、小中連携の推進役としての意識を高めることができた。

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「教育実践」 児童の力を最大限に引き出す学校づくり
〜学びの充実に向けた環境整備を通して〜
新潟市立上山小学校
田邊 裕一

 学校の重要な役割は学ぶ場をきちんと整備することである。その中で、「しっとりと落ち着いて学ぶ」ことが大切であると考える。このしっとりと落ち着いた雰囲気の中で、集中し、自信に支えられた環境を整備すれば、児童は自分の力を最大限に発揮できると考える。そこで、以下のような手立てを講じ、全校体制で取り組んでいる。
1 しっとりとした学びの場づくりのための環境整備
  「命のあるものはすべて環境に左右される」という考えのもと、学習環境の整備を通して、学びの場の雰囲気を醸成するとともに、「ヒヤリ、ハッと」を減らす。これらを、学校経営方針の「知」の充実に位置付け、教職員への意識付けを図る。また、学習用具の整理整頓を全学級で意識化することを通して、落ち着いて取り組む指針とした。
2 集中できる学びの場の構成
 日々の授業において、「学びやすさ」の視点から工夫を行う必要がある。それが集中につながる。そこで、UDLの視点を大事にした環境構成や授業の工夫、デジタル教科書を活用した授業の推進に取り組んでいる。また、授業における「学習課題の設定」と「学習課題に正対したまとめ」の日常的な実施に努め、学びの道筋を明確にした授業の工夫を行っている。
3 自信を育てる場の工夫
 自己肯定感を高めることにより自信をもたせ、よい行動への連続・発展につなげた。そのため、全職員で、「よい行動は褒め、自分に自信をもてる子を増やす」「自分に自信をもてる子は、まわりから非難される行動はしない」を念頭に取り組む。この理念のもと、全校縦割り活動を充実させ、最高学年を生かすことを大事にしている。
 以上3点を学校づくりの柱として取り組んでいるところである。
 未来を担う、上山小児童の豊かな成長を願い、学びの環境整備を通して自らの力を最大限に発揮できる児童の育成を目指す。

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