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平成25年度

「教育奨励賞」 校内教育相談のコーディネートの在り方
聖籠町立蓮野小学校
金平弘之郎

 受賞理由
 臨床心理士の資格を有し、その専門性を生かして、長年にわたって実践を重ね、校内教育相談体制の在り方、コーディネートの仕方について、連携の失敗と阻害要因を分析し、改善策を具体的に示している。
 教育相談コーディネーターの役割、効果的な連携のためのチェックリストをまとめ、小中学校で喫緊の課題となっている生徒指導上の問題解決に向けて、その知見を自校化し、活用できるようにしたことは高く評価できる。地域の教育課題解決にその力を発揮することを期待したい。

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「教育奨励賞」 科学的な思考力を育む授業の在り方
小千谷市立小千谷小学校
平澤林太郎

 受賞理由
 一貫して、科学的な思考力を育むための授業はいかにあるべきかを探ることを研究のテーマとし、数々の実践を精力的に重ね、その成果を全国規模の教育誌や学会で発表し、日本科学教育学会の科学教育実践賞を受賞した。
 「ものこわし」「学習の壁」を意図的に設定し、子どもたちの興味・関心を最大限に引き出している。また、「設計図」や「話合い」を有効に取り入れ、理科の学習を楽しみながら、知識・技能を確かに習得していく授業実践は、「理科離れ」が叫ばれる昨今の理科授業の改善に大きな示唆を与えるものであり、今後も理科教育の実践研究活動の発展が期待できる。

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「教育奨励賞」 学力向上をめざした中学校数学科授業
福井大学大学院教育研究科准教授(前任:小千谷市立小千谷中学校)
風間寛司

 受賞理由
 県の最重要教育課題を主題におき、その解決に向け、大学の研究者等と連携して、研究、実践を重ね、日々の授業改善の視点を明確にするとともに、その成果を学会等で広く世に問うている。
  個に応じた指導と協働、問題解決能力を試す場の設定についての主張は、現場の数学授業の構想に示唆を与える貴重な提案である。今後の継続的な実践研究活動が期待できる。

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「教育奨励賞」 地域の芸術文化活動を生かしつなぐことによって子どもたちの「生きる力」を育む試み
〜妻有地域の特色ある文化的基盤づくりを担うことを通して〜
十日町市立十日町中学校
田村晃夫

 受賞理由
 県展などの数々の美術展で受賞するなど彫刻における芸術性は高く評価されている。また、論文の執筆、美術教育にかかわる講師や研修推進にも積極的に関わり、美術教育、芸術振興のためにその指導力を発揮している。
 卓越した芸術力を基盤として、20年以上にわたり、地域の芸術・文化活動に積極的に関わり、地域と学校とをつなぐ働き掛けを計画的、組織的に続けており、地域の芸術文化の継承、発展に寄与し、また今後の活躍も期待できる。

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「教育実践」  子どもが夢中になって運動し、着実に技能を高める体育授業
三条市立井栗小学校
白井 明

 T 主題設定の理由
 ボールを使ったゲームの指導においては,どの子にもその運動に必要な基本的な動きや技能をしっかり身に付けさせ,一人一人が技能の向上が見えてくるような手立てやチーム内の雰囲気をよくするための手立てを講じなければならないと考え,本主題を設定した。
U 研究内容
 1 ラリーを続けるルールの工夫
 2 チームの雰囲気をよくするための道徳授業を生かしたコミュニケーションスキルの向上
V実践の概要
@本実践では、どの時間も技能に関する個人及びチームのめあてを確認してから授業に臨んだ。
A本単元のチームミーティングでは,道徳授業で学習したことを生かしながらコミュニケーションを取り合ったり,チーム内のよい雰囲気を高めたりした。
 道徳授業後,児童の振り返りには、
「友達がうれしくなるような言葉をかけて、よいふんい気になるようにすることが大切だと思いました」という記述が見られた。
W 成果と課題
 1ラリーを続けるゲームの工夫
(1) 成果
 ・連続してラリーが成功した回数  第4時の平均84回→第8時の平均174回 
 ・児童の自己評価
 「楽しかった5点」〜「楽しくなかった1点」で数値化し、平均を算出。
 実践前(11月)は平均4.3であったが,第8時には4.6に伸びた。
(2) 課題
 ・キャッチしてからパスをする段階の児童が多く,ボールをたたく練習についてさらに工夫する必要がある。
2チームの雰囲気をよくするための道徳授業を生かしたコミュニケーションスキルの向上について
(1) 成果
 道徳の授業が体育で生かせたかどうかの自己評価
 生かせた24名、83%  やや生かせた2名,7%  どちらとも言えない3名,10%  やや生かせなかった0名  生かせなかった0名
 児童の記述には、
 「しっぱいしても『ドンマイ』と言ってくれてうれしかった。」
 「円じんを組んで『おー!』というと気合いが入った。」と言う記述が見られた。

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「教育実践」  生徒の多様な考えを導き出す学習過程の工夫
〜ファシリテーション・グラフィックの効果的な活用をとおして〜
新潟市立白根北中学校
坂井 孝行

 私は,生徒自身が運動の目的や意味,どうしたら技能を高められるかを理解し,主体的に運動に参加する保健体育授業づくりを目指している。そのために,ファシリテーション・グラフィック(以下FG法)を活用し,生徒一人ひとりの多様な考えや思いを導き出し,整理して論点を明らかにしていく活動を学習過程の場面に取り入れることが有効であると仮説を立てた。したがって,保健体育授業におけるFG法の有効性と活用方法について研究する。

 生徒の実態としては,保健体育授業についての生徒アンケート結果において83%の生徒が「授業に意欲的に取り組んでいる。」と回答している。しかし,運動が得意・不得意の二極化がはっきりとしており,身体能力的に優れ,発言力が大きい生徒だけが中心となって活動が成り立っているという様子が随所に見られる。さらに,コミュニケーション能力が低く,他者とかかわり合うようなグループ活動を好まない生徒が多い。また,96%の生徒が「授業内容はわかりやすい。」と肯定的に回答しているが,運動の目的や意味や方法について問うと多くの生徒が十分に理解しているとは言えない実態がある。どちらかというと,受け身の生徒が多い。これらの生徒の実態を踏まえて自己分析すると,教師主導の詰め込み型の授業展開となっており,生徒が本当の意味で十分に理解していないままの状況で課題設定がなされている場合が多かった。そして,与えられた技能や知識を活用し,課題達成に向けて生徒達が運動をこなしているだけにすぎない授業展開が繰り返されているということが推測される。

 この自己分析結果より,生徒一人ひとりの考えや思いを引き出す中で,問題意識を喚起し,課題を共有化する。それにより,主体的に運動にかかわろうとする意欲を高め,基本的な技能や知識の習得を目指す。保健体育授業の学習過程でFG法を効果的に活用するために,子ども同士が主体的にかかわり合いながら言語活動(話す・聞く・書く・読む)をするスキルを身につけさせること。また,自分の考えや思いを気兼ねなく表出できる,良好な人間関係づくりを構築することも視野に入れながら丁寧に指導していきたい。

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「教育実践」  仲間とともに工夫しながら技能を習得する武道(柔道)の授業
〜固め技(おさえ技)を習得する場面での実践〜
新潟市立濁川中学校
渡邊 直樹

 これまでの武道(柔道)における授業では,授業者が「型」を一斉に指導し,生徒は反復練習によって基本動作や技の習得を行ってきた。しかし,「なぜその技が有効なのか」「どうするとより確実に技をきめられるのか」など,生徒が問題意識をもちながら課題に取り組んで技を習得していくという姿が見られなかった。そこで,生徒自らが課題をもって仲間と工夫しながら技を習得し,習得した技を試合に生かしていく授業を目指すこととした。本単元では安全面を考慮して,固め技(おさえ技)を習得する場面で,どのようにしたら一本がとれるおさえ込みができるかを生徒同士で話し合い,仲間とともに工夫しながら練習し,修正する交流活動を組織した。講じた手立ては以下のとおりである。
@ 試合の中でおさえ込みで一本になるシーンを動画で紹介し,関心をもたせる。ただし,おさえ込んでいる様子はモザイクで隠し,どのように相手をおさえ込んでいるか生徒に考えさせる。
A 「おさえ込み」の条件,「解けた」の状態を示した上で,3人一組のグループで,おさえ込む際の『腕の使い方』『胴体の使い方』『脚の使い方』をポイントとして,相手に対してどのように自分の体を使っておさえ込めばよいかを交流させる。
B 交流活動によって考案したおさえ込み(Myおさえ技)によって一本がとれるかを確かめるために,他のグループの生徒と,おさえ技の簡単な試合を行う。
 あらかじめ,おさえ技を「型」として生徒に指導するのではなく,おさえ込みの条件を満たしたおさえ方を考えさせることで,生徒たちは「一本がとれるおさえ込み」を仲間と試行錯誤しながら考案する活動を展開することができた。また相手をおさえるための身体の使い方について考えることにつながり,「型」にとらわれることなく,変化する相手の動きに柔軟に対応できる使い方を学ぶことになり,より実戦的なおさえ技を習得することにつながった。

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「教育実践」  チームとして戦うサッカー指導から勝利を目指し、努力や仲間の大切さを学ぶ生徒の育成
村上市立村上第一中学校
大坂 圭

 今回の研究は前任校の新潟市立内野中学校サッカー部における部活動指導の実践である。内野中学校サッカー部は私が新採用として赴任する前年度(平成19年度)に全国大会に出場しており、また過去6回も全国大会に出場している歴史のある部活動である。
 私はこの伝統ある内野中学校サッカー部において、目標に向かって諦めずに努力を続けることやチームとして戦うことを大切にしながらサッカー指導してきた。また、「試合に勝つ」という競技スポーツにおける大前提の目標にこだわり、部活動指導を行ってきた。『勝利至上主義』とは違う『勝ちながら学ぶこと』が生徒にとって一番良い影響を与えると考えたからである。私の考える『勝ちながら学ぶこと』ということは、負けても仕方がないという気持ちではなく、常に勝利や優勝を真剣に考え、生徒が悔しい思いをしたり、悩みながらもたくましくなっていくことである。
 具体的には、以下の項目を重点的に取り組み、実践した。
(1) 目標の明確化
 ・コンセプトの提示
 ・長期目標・中期目標・短期目標の設定
(2) 部訓の確立
 ・中学生としてあるべき姿を考える
 ・応援され、愛されるチームづくり
(3) 「勝つ」ための方法を生徒とともに追求
 ・一流選手や一流チームをモデル化
 ・顧問が常に見本になる
(4) 試合に向けた最大限の準備
 ・ありとあらゆる準備を行う
 ・保護者との連携とサポート
 最終的には県大会三連覇・北信越大会優勝・全国大会出場を成し遂げた。勝利という大きな目標に向かって真剣に取り組み、諦めずに努力を続けることで大きな喜びを味わうことができると実感した。
 今後は、「全国大会で勝つことのできるチーム」という新たな目標を目指しながら、さらなる努力を続けていく決意である。

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「教育実践」  目的意識をもち,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童をめざして
〜「伝えたい」「聞きたい」,自己表現と他者理解を体験する外国語活動〜
新潟市立小針小学校 
山田 里恵子

 外国語活動における自ら学ぶ姿とは,慣れ親しんだ外国語を使って自らの思いを相手に伝わるように工夫してコミュニケーションを図ろうとする姿である。しかし,高学年における週1時間の外国語活動だけでは容易なことではない。簡単な語彙や表現を使ったコミュニケーション活動の実際は,伝えたいことをどのように表現すればいいのだろうと戸惑ったり,一方通行になったりする姿が見られる。そこで,この姿を打破するために,以下の「授業を行う上で大切な4つのポイント」を踏まえた授業が有効と考え,授業を展開することとした。
【活動設定】単元で扱う語彙や表現等に出会う場面の設定
【気付き】言語や文化について気付くような活動の設定
【慣れ親しみ】児童が繰り返し話したり聞いたりしたくなる活動の設定
【コミュニケーション】児童が単元で扱う語彙や表現等を話したり聞いたりする必然性
のある活動の設定
 本研究では,上記の4つのポイントを踏まえ,目的意識をもち,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育成するために,単元の活動構成のあり方に主眼を置き,実践を通した。
ア 言語や文化についての気付きをコミュニケーション活動で生かすことができるように,慣れ親しむ活動と言語や文化について気付く活動をスパイラルさせて構成する。
イ 単元の導入段階で,目指すコミュニケーションの姿を提示し,目的意識をもたせる。
ウ 児童が単元で扱う語彙や表現等を話したり聞いたりする必然性を生むために,児童のオリジナリティーを表出できるようなコミュニケーション活動を設定する。
 上記のように,授業のポイントを踏まえ,児童の実態に合った単元の活動構成を吟味して行えば,単元終末のコミュニケーション活動において,自分の伝えたいことを伝えるために言葉を使ったり,相手の伝えたいことに真剣に耳を傾けたりして,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育成することができると考えた。

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「教育実践」  感性を働かせて,自分の思いを浮キ力を育てる図画工作科指導の工夫
〜アーティストと連携した授業実践を通して〜
新潟市立亀田小学校
磯部 征尊

 1.問題の所在と研究目的
 新潟市内の小学校研修会の一つである図画工作部(以下,図画工作部)では,平成21〜23年度,造形活動の過程で意図的に人・もの・こととのかかわりの場を設定し,人・ものなどの学習対象とかかわる実践例を蓄積してきた。特に,こととかかわる実践では,美術館を活用し,見方や感じ方を豊かにする活動を行った。美術館では,「何を材料として作られたか」「作者の作品に込める思いとは」という学芸員の焦点化した問いかけにより,子どもに「こと(作品に込める作者の思い等)」とかかわらせることができた。このような作品との出会いが,「見つけ,考え,話す」という主体的な鑑賞姿勢を促した。そこで,本研究では,図画工作部の課題を解決するため,「こと」とのかかわりを工夫した実践例を増やし,豊かに発想したり,表したりする子どもを目指す。
2.題材について
 本研究では,「こと」を「事象や現象,出来事など(例:水たまりに入った色水の変化や光などの事象,風や林,川のせせらぎなどの自然現象,その地域の歴史・風土・伝承・行事などの出来事,作品に表現された芸術家の思い・語り・つくる行為)」ととらえる。
 平成24年度は,7月14日から12月24日まで,「開港都市にいがた水と土の芸術祭2012」が開催された。同芸術祭の「みずつち こどもプロジェクト(工夫された楽しい造形活動と人と触れ合う体験を通して,子どもたちの感性に直に働きかける企画)」では,希望により芸術家(以下,アーティスト)による出前授業を受けたり,教員とアーティストとの授業を行ったりすることができる。そこで,この機会を活用し,「こと(作品に表現されたアーティストの思い・語り・つくる行為)」とのかかわりに着目した授業実践を行った。
3.実践の概要(小学校第1学年「ならべて,かさねて,つんでみると」,全4時間)
1時間目
○みずっちタンク(旧浄水場)に行き,アーティストが人工物を組み合わせて制作した作品を鑑賞し,作品について疑問に思ったり,質問を考えたりする。
・テーブルの上に色々なものがならべてあるよ。弁当箱みたい。
・ぼくも,並べたり,積んだりできるよ。
○アーティストに自分たちが考えた作品の質問をする。
・どうして,テレビが付いているのですか。
・どうして,屋上にペットボトルを並べたのですか。
2時間目
○アーティストに質問したいことを考える。
・なぜ,芸術家になったのですか。
○アーティストと教室での再会後,複数の質問をする。
○机の中にあるもの(筆箱やノートなど)を並べたり,重ねたり,つんだりする。
・筆箱の上に鉛筆を置いたよ。
・定規や鉛筆を重ねたよ。
3〜4時間目
○校内鑑賞ツアーに行き,アーティストの作品を鑑賞する。
・バランスよく並んでいるよ。
・何かの生き物みたいだね。
○アーティストから,適宜,作品について,コメント(バランスよく並べているね。左右対称に積んでいるね。など)をしてもらう。
4.実践のまとめ
 成果は,児童がアーティストと直に接し,同じ時間・場を共有したことで,感性がダイナミックに動きだし,今までとは異なる発想や構想の力を働かせることができたことである。また、アーティストと教育者という異なる側面を持つ二人がコラボレーションして授業を創り上げることで、新しい美術教育の可能性を探ることが出来たことである。 
 課題は,授業に対する共通認識を協働でつくりあげるに当たっての方法論の構築である。

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「教育実践」 いじめや差別を見逃さない児童の育成
胎内市立中条小学校
石塚 晃一

  「いじめはいけない」と子どもたちは分かっているが、いじめや差別の問題は後を絶たない。
 県は「いじめ見逃しゼロ県民運動」を推進している。学級単位で「いじめ見逃しゼロ」という視点で考えたとき、「傍観者」をゼロにすることが肝要であると考える。学級内では、いじめられる(差別される)側といじめる(差別する)側よりも、傍観者である側の人数が圧倒的に多い。傍観者が理解者となることで、自主的、自治的な学級集団となり、子ども自身が「いじめ見逃しゼロ」の立役者となる。
 道徳の時間を中心として、「生きる」シリーズ等を用いながら、差別者・被差別者・傍観者・理解者を意識した授業を計画的に組織していく。
 年間指導計画には、第1期「何がいじめや差別か」、第2期「いじめや差別をのりこえるために」、第3期「先人に学ぶ」を取り入れ、授業と授業との関連を意識していく。
また、1単位時間の授業では、学習テーマを位置づけた授業展開を組織する。導入では、前時の学習の振り返りをして学習をつなげる。ことで、「分かった」と確かな学びを獲得させたい。

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「教育実践」  かかわる同和教育を中核とした仲間づくりの実践
〜児童や保護者に寄り添って学んだこと〜
新発田市立住吉小学校
渡邊 幸太

  3年前に出会った不登校傾向のある子や保護者とのかかわりを通して、私自身の生き方や考え方を見つめ直すことができた。勝手な思い込みで接しても、目の前にいる子や保護者のかかえる課題を見極めることはできない。学校での活動や家庭訪問を通して、子どもや保護者と深くかかわる中で、願いを正しく見極め、自分の課題として一緒に歩むことが大切であることに気がついた。同和教育を学んだり、かかわる同和教育を実践したりする中で、人のあたたかさを感じることができた。
 子どもたちや保護者とのかかわりを続けていく中で、人のあたたかさを学級の子どもたちに伝えたいという思いを強くもった。また、子どもたちがお互いのよさを認め合うだけでなく、心の痛みや不安、悩み(本音)を共有し、支え合いながら生活する仲間づくりを進めてほしいと願うようになった。
 学級で「生活ノート」を行っている。班で一日一人が書いて次の子へ回す生活ノートには、自分のことを紹介したり、自分の悩みや不安を書いたりする様子が見られる。子どもたちどうしで、悩みを共有したり、解決しようとしたりするつながりができるようになってきている
 また、アレルギーがある子のかかえている悩みや不安について、自作教材を用いた授業を行った。子どもたちはその子の本音を自分の気持ちと向き合わせながら真剣に考えていた。また、自分の不安や悩み(本音)をワークシートに書き、発表する子もいた。分かり合う・分かり合おうとする仲間づくりのきっかけとなる授業だった
 目の前には課題を背負わされているたくさんの子どもや保護者がいる。その課題を受け止めることができるように、自分自身を見つめ直しながらかかわっていきたい。また、かかわる同和教育から実感した人のあたたかさを子どもたちに伝えられるよう、かかわる同和教育の視点に立った授業づくりや子どもたちどうしの仲間づくりを進めていきたい。

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「教育実践」  お互いが高め合うチームづくりを基軸とした部活動指導
新潟市立鳥屋野中学校
堀 里也

 1.はじめに

 「何でこんな簡単な事もできないんだ」「この前教えたはずだろ」そして、最後には「やる気あるのか」
 部活動指導の現場で、過去私が多用していた言葉である。思い返してもひどいものである。指導すればするほど、生徒達の表情は曇り、結果も思うようにでない。指導者の熱意とは裏腹に、このような負の連鎖に陥るチームづくりをした経験は、私だけではないはずである。
 私は、自分の専門種目であるバスケットボールを指導していたことが、逆に、生徒の実態に合わない、独善的な指導となっていた。私は、生徒に、一生懸命になることを強要し、生徒は、一生懸命に「はい」という返事を繰り返し、叱責されないようにしていただけだった。私は、指導の熱意を、自分の考え通りに生徒が行えばよいと勘違いしていた。様々な出会いから、自分自身の指導の間違いに気づき、修正していくことが、目の前にいる生徒達の将来ためにも重要なことであると考えた。<

2.実践の概要
 今年度、私は、下記に示す指導原則の3点を意識し、部活動指導を改めた。そして、その実践が軌道に乗りはじめたと実感している。
(1) お互いが高め合うチーム作りには、指導者の熱意が必要である。
 集団スポーツは、構成員一人一人に当事者意識を芽生えさせ、集団(チーム)の目標を、一つの大きなベクトルにしなければならない。集団が大きなベクトルとなって、お互いを高め合う集団(チーム)となるためには、構成員に、お互いを高め合う必要感を抱かせることが重要である。そのためには、やはり指導者の熱意が何よりも重要である。
(2) 目的にそって練習するためには、指導者の準備が必要である。
 そのベクトルによって、練習の質が大きく変わるはずである。一つの練習ドリルの目的を集団で共有することが、日々、目的にそって練習することにつながる。練習ドリルの目的を集団に伝えるためには、指導者の準備が求められる。指導内容を厳選し、効果的に伝わるための指導言語も厳選する。そして、指導者の意図する練習となっているか確認をする。
(3) 生徒は、指導者の態度を映す「鏡」である。
毎日の準備の結果が、試合の結果を決定するといっても過言ではない。以前は、大会直前に、集団の雰囲気を盛り上げようとしていた。しかし、その雰囲気は、生徒達の本来の力ではない。メッキは、苦しい場面では必ずはがれる。雰囲気は、生徒達の困難に打ち克とうとする勇気によって醸し出されるものである。そして、その勇気は、指導者の日々の表情や言動によりつくられるものである。
3.おわりに
 新潟県には、全国に名を轟かす強豪校とトップの指導者が多く存在する。つまり、指導者として学ぶ場は、他県よりも恵まれている。重要なのは、指導者の学び続ける姿勢である。部活動指導において、目先の勝利以上に大切なことが、この出会いに隠されている。
 伝統ある新潟県バスケットボールの競技力向上に貢献することは、私の使命である。

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「教育実践」  系統性をもった小・中学校5か年の家庭科教育の創造
〜C領域の実践を通して〜
新潟市立大通小学校
渡辺 明子

 

 学習指導要領の改訂で小学校と中学校の内容の系統性や連続性を重視し、生涯にわたる家庭生活の基盤となる能力と実践的な態度を育成する観点から内容構成がA〜D同一の枠組みになった。

 家庭科においても小・中を見通した指導をすることは必須課題である。五年生で家庭科の学習を始めた児童の5年後の自立した姿をイメージし、それぞれの場面で学ぶべき基礎的・基本的事項を明確にする。さらに小・中の教師が互いに連携をとりながら指導する姿につなげる必要があると考えた。

 そこで,授業を核にした次の3点を手立てとして小・中5か年の系統性をもった家庭科指導のあり方を探った。

○中学校区においての小・中の教師間の交流

 それぞれの校種の特性を理解し,校種を越えた授業の改善を図るために小・中の交流会を行う。その際に,児童・生徒の実態や互い学校の学習指導の重点(研究主題など)、取組の概要を確認する。

○教科経営案の作成

   教科の基礎的・基本的な学習内容の確かな定着に向けた教科経営案を作成する。内容は5か年の指導計画の系統性を明確にしたり、評価規準を比較し,学習内容の違いや連続性を明確にしたりする。

○授業の実践

 教科経営案に基づいた5か年の系統性をもたせ、さらに児童生徒の実態に即した指導の構想をし授業改善を図る。指導のポイントとしては子どもの課題意識を連続させるストーリー性を大切にする。科学的な体験活動を取り入れることで児童が実感をともなった理解をし実践に結びつけやすくする。課題解決の方法を探っていく過程がわかるように、学習全体図を作成する。そこにも5年生での学習したことや中学校で学習することも加える。

 取組の成果として、教科経営案を作成することを通して小・中の相互の学習内容の理解を深め,小学校での指導内容と中学校での指導内容がどのようなつながりをしているのか明らかにできた。そのことは、小学校の基礎的・基本的な学習内容を明確にでき、焦点づけた授業づくりや児童の5か年のストーリー性をもった学習へと結びつけることができた。


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「教育実践」  計測・制御分野における課題設定の工夫
〜自動掃除ロボットのナゾを解き明かそう!〜
三条市立本成寺中学校
前田 尊昭

 

実践の概要

 本実践では、生活の中で使われている身近な家庭用電化製品等の制御に目を向けさせることから始める。そこから目的に応じた制御の方法を考えていく中で、プログラムに組み込まれているしくみを学習していくことができるようにする。

 題材としては、現在、一般家庭において普及しつつある自律走行型の自動掃除ロボットを取り上げる。また、動きをプログラムによって制御していくために、計測・制御学習用ロボット「制御学習プロロボUSB」(山崎教育システム株式会社製、以下『プロロボ』という)を自律走行型の自動掃除ロボットに置き換えて使用する。

 題材の目標を「目的や状況に応じたプログラムを試行錯誤しながら工夫して作成することを通して、情報処理の手順を理解する。」と設定し、次の4つの手立てを講じた。

(1) 生徒の興味・関心を高める課題設定

(2) プログラムが容易な教材を使用

(3) 多様なプログラムを保障する状況設定

(4) ペア学習の組織

 これらの手立てを実践し、授業を進めるなかで次のような成果が得られた。

 授業の導入で、自動掃除ロボットのインターネットの動画を視聴させ、さらに実物を生徒に提示し、生徒の目の前で動作する様子を確認させた。これにより、生徒の興味・関心は高まり、プロロボの動きと自動掃除ロボットの動きとを関連付けることができた。

 フローチャートをそのまま命令語として使用できるソフトウェアを利用した。このことで、視覚的な効果が高く、生徒はプログラムと実際の動きを比較しながら何度も試行錯誤し、課題解決しようとした。

 スタートからゴールまで最小限のゴミを拾うプログラムを作成した生徒の中には、発展的課題として全てのゴミを拾ってゴールするという目標にチャレンジする姿も見られた。うまくいかないところを相談しながら問題解決していく姿や、うまくいったプログラムについて教える様子が見られた。

 授業後の評価から、与えられた課題をほとんどの生徒が達成できたと考えられる。しかし、プログラムの複雑化に伴い、課題達成できた生徒の割合は6割にとどまった。

 これらの成果を踏まえ、「生徒が意欲的に課題に取り組み、課題を解決していく状況設定」について今後も研究していくこととする。


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「教育実践」  関係機関と連携した研修空間構築による学校課題解決に向けた協働の活性化
南魚沼市立大巻中学校
喜多 孝行

 

大巻中学校区は旧六日町の北側に位置し、兼業農家が主たる大巻小学校区と農家・商家が混在する五日町小学校区の二つからなる準農村型の地域である。古くからの住民が多く学校に対して協力的であり、特にスポーツ活動に熱心である。反面、学習は学校へお任せの傾向が強く、学習習慣が定着していない生徒が多い。生徒の学習意欲の向上と学習習慣の定着、そのための授業改善が長年の課題である。しかし、本校は一教科一人の小規模中学校であり、授業力向上に向けたOJTには弱さがある。わかる授業づくりを推進し学力向上を図るためには、地域の人材や関係機関と連携した研修空間を穀zし、マンパワーを取り入れることにより学校課題解決に取り組む必要がある

関係機関や地域の人材と連携した研修空間構築の取組は、校長の明確な方針とリーダーシップをもとに、近隣の教職員で組織する授業力向上実践研修会(年8回)を中核とし、市学習支援センター、市総合支援学校、保護者と連携して校内研修を進め、学校課題解決に向けた推進のエネルギーに変えることである。職員の学校課題解決に向けたやる気の高揚、共通認識の醸成、意識の継続、取組方法の交流と相互評価によるC、Aを通して協働で取組を推進する。また、授業開放の取組により『授業』をもとに職員に更なる意識改革を促すとともに、地域・保護者の信頼に応える学校づくりの具現を図る。


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「教育実践」  「共通事項」を手がかりに音楽のよさを捉えて表現追求させる指導のあり方
新潟市立小須戸中学校
和田 麻友美

 

 「こういうふうに歌いたい!」「○○してみるともっとよくなるかもしれない。やってみよう。」私はこのように、子どもに楽曲に対して明確な思いや意図をもたせたい。そして、その思いや意図を演奏として表現できるように仲間とともに主体的に追求活動に取り組ませたい。それは、子どもにとって、「自分たちがつくりあげた音楽なんだ」と音楽表現の根本の喜びを感じることにつながると考える。

 「なんとなくこうしてみる」「音楽記号で指示されているからとりあえず指示に従ってみる」でなく、音楽をかたちづくっている要素〔共通事項〕を手がかりに、その要素が曲に対して生み出す効果的な働き(=音楽のよさ)を捉えることができれば、「楽譜では〜だから・・・にして歌いたい」と思いや意図が明確になり、子どもはその思いや意図の実現に向けて表現追求活動を主体的に取り組むのではないだろうか。

 本実践では、子どもが「共通事項」を手がかりに音楽のよさを捉えられる活動の組織として、以下の内容を組み込んだ授業を構想し、実践、検証していく。

(1) 楽曲の内容を捉える活動の組織

・歌詞の意味を問い、子どもに曲に対するイメージを膨らまさせる。

・楽譜に書かれている強弱記号・速度標語を確認させ、意味を理解させる。

(2) 「共通事項」を手がかりに「考えるポイント」を提示し、思いや意図をもたせる活動の組織

・教師が、手がかりとする「共通事項」の中から絞った要素を中心に考えさせる。

・考える際に、順序立てて整理させるため、「考えるポイント」を提示し、子どものもつ思いや意図を明確にさせる。 

(3) 仲間と相互評価しながら練習させる活動の組織

(2)で明確にした表現意図を実際の演奏に表現できるように練習をさせる。
・自分たちの思いや意図が、聴いている人にもしっかりとわかるような演奏するため、グループで聴き役を立ててアドバイスし合い、相互評価させる。


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「教育実践」  子どもが[共通事項]を手がかりにして表現を工夫する題材のあり方
〜「習得」・「活用」の段階の指導を大切にして〜
村上市立西神納小学校
熊倉 一恵

 学習指導要領では「歌詞の内容、曲想にふさわしい表現を工夫し、思いや意図をもって歌う力」の育成が求められている。「歌詞の内容や曲想にふさわしい表現を工夫する」こととは、リズムや強弱など音楽を形づくっている要素が生み出すよさ、面白さ、美しさなどを感じ取り、それらを生かした表現を自分なりの思いをもって創り出すことであると考える
私は、子どもが自分なりの表現を工夫する力を高めることができるのは、「これならこうしたい。」という見通しや方策をもったときであると考える。そのような見通しや方策をもたせるために、題材の中で「習得」し「活用」するという段階を追った学習過程を位置付けて指導する。音楽を形づくっている要素を「習得」で気付かせ感じ取らせ、手立てをもたせて「活用」で自らの表現の工夫に生かして考えさせる指導構成である。
 音楽を特徴付けている要素や音楽の仕組みを聴き取り、そのよさなどを感じ取ることが〔共通事項〕として新設された。そこで、題材のねらいに照らしながら〔共通事項〕に示された音楽を形づくっている要素を焦点化した。そして、それを子どもに習得させることで、習得したことを手がかりにして自分で考え、表現を工夫していく子どもの育成を目指し、歌唱領域における授業実践を行い、その有効性を検討した。
本実践では、「習得」「活用」を以下のように捉えて実践した。
「習得」…学習前半において、知覚・感受や創意工夫の方策を自分のものとすること。
「活用」…学習後半において、前半で学んだ内容を利用して、表現を工夫すること。

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「教育実践」  野球を学ぶのではなく野球で学ぶ
〜「目的」と「目標」を大切にする部活動指導〜
見附市立見附中学校
松田 祐介

 

1 大切にしていること

 私の尊敬する先生が著書の中で以下のように述べている。

○教育の目的は、

 「自分が良い人生を送るために、競争して他者に勝つこと」ではなく、

 「他者の役に立つ人間になる。役に立つ人間になるために力をつけること」である。

 他者の役に立つ人間になる過程に教育がある。

○教育の目的は、「自立」ではない。自立は前提にすぎない。

 親依存から脱却して自立した後に、「協働」「高度な相互依存」がある!

自分一人だけでは成しえない目標を、仲間とともに助け合い、力を発揮し合って達成する。それでこそ、社会の中で力を発揮できる!どんなにいい仕事をする力をもっていても、他人と協力できなければ、力は活かせないし、目標は果たせない!言われなければ動けない人間でも困る。

 私は、理屈ではなく、部活動の経験を通して、実践的な人間力が身に付くと確信している。いや、実践的な人間力を身に付けさせられる指導をすることだけを考えていると言った方がいいだろう。指導の「目的」は人間力向上。全国制覇は「目標」である。もちろんこれは、部活動に限った話ではない。教育における全場面において、私は「目的」と「目標」を大切にし、生徒に伝えるようにしている。

2 目標のもつ意味

 「負けてもいいから思い切ってやってきなさい」と言う人がいる。「試合になんか勝てなくてもいい。勝負は時の運。」と言う人もいる。私は、そうは思わない。勝って勝って勝ち進む中でしか学べない経験がある。本気で勝利を目指すからこそ学べることがある。

 本当に苦しい場面を乗り越えた者にのみ勝利は訪れる。だから、十分な準備をする。部活動以外の場面でも人間力を高めようと努力する。そして、試合中に幾度も修羅場を経験する。修羅場を乗り越えた者は自信と満足感を得る。準備の貴さを感じる。そして、大きな舞台で勝った時、今まで見えなかったものがより一層見えるようになる。私自身、昨年の夏に経験した。それまでの準備の意味を一層教えてくれるのが大舞台。

 高校野球で言ったら、それがきっと甲子園。だから、甲子園を目指すことに意味があり、行くことにはもっと大きな意味があり、甲子園で勝ったらすごいことが学べるのだろう。

 「時の運」をつかむチームは、部活動以外の場面を大切にしている。言い換えればしっかりと準備をしてきたチームということになる。だから、勝負は時の運と一言で片付けてしまうのは違う。勝負に屈した者は準備不足を痛感するが、負けて分かることはある。全国制覇をする1校を除けば、必ず負ける場面が訪れる。つまり、負けから学ぶことはいつだってできるのである。しかし、最初から負けることを許していたら、本気にはなれない。そこに勝つ意味があり、勝ちを目指す意味がある。だからまた「準備が大切だ」そして「目標が大切だ」と分かるのである。

 私の目標は、常に頂点を目指すこと。結果を求めること。勝利を目指し、自分を見つめ自分を鍛えること。勝つためなら手段を選ばないのとは違う。人を蹴落としてでも勝つことでもない。

3 具体的な指導内容と選手の努力

 前述した目的と目標そして準備。全国制覇を実現させるために、私は「勝てるチーム」と「負けないチーム」になる準備が必要だと思っている。つまり、勝つためには攻撃力。負けないためには守備力。そして、その2つを勝負の場面で実践できる人間力・精神力・体力を身に付けさせたいと私は考えている。そのために、私が選手に伝えていることや選手が積み重ねた努力のキーワードは以下の通りである。

(1) 人間力向上に向けて −普段がすべて−

(2) 冬を制する者は春夏を制す −徹底した下半身・体幹強化、基礎練習−

(3) 月曜日のミーティング −野球を考える時間=体を休める時間−

(4) 全員で戦うために − 一人にしない「常笑野球」 −

 私は、この4つを柱にし、本当に多くの方々のご理解とご協力を得て指導をさせていただいている。今後も常に謙虚さを忘れず、選手とともに成長する指導者であり続ける。そして、夢に向けて全力を尽くす。

【参考文献】
「新潟明訓野球の秘密」佐藤和也


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「教育実践」  キャリア教育を中心に据えた特色ある学校づくり
〜総合的な学習の時間と社会貢献活動を通して〜
新潟市立小須戸中学校
高橋 丈男

 当校の学校教育目標である「知性・創造」・「自主・協同」の実現を目指すためには、キャリア教育の推進は必要不可欠である。特に、「自己の生き方」を考え、望ましい職業観や勤労観を育むために、当校のグランドデザインの中に「夢」・「あこがれ」というキーワードを設定した。この二つの語句をグランドデザインの中核に据えて、「学力向上」・「社会性の育成」・「心身の健康・安全」の3つのブロックに教職員が分かれて教育活動を展開している。キャリア教育は各教科・道徳・学活・総合的な学習の時間(以下「総合学習」)など全教育活動を通して行うものであるが、当校では一昨年度までは総合学習を中心に、地域の「ひと・こと・もの」との関わりを通じてキャリア教育を推進してきた。しかし、学校教育活動の時間の範囲内だけでは地域との関わりを十分生かし切れず、「地域を愛する心」を育てることができないと考えた。そこで昨年度から、総合学習での活動を踏襲しつつ、校外のゴミ拾いなどの奉仕活動や祭りなど地域の行事に、中学生がボランティアとして参加する「地域貢献活動」を取り入れた。
 総合学習の活動の具体例として、地域のNPOの方々の協力を得て、中学生が保育園児や小学生に花植えのやり方を教えながら、一緒に花植えを行う。この活動は、幼(保)・小・中の連携を深め、園児から児童・生徒まで
12年間を見据えた教育活動を、「地域で子どもたちを育てる」という観点から展開しようとする活動である。「地域の大人から学ぶ」・「社会貢献活動を通して地域から学ぶ」活動を通して、「地域を愛する心」を育み、「地域の一員」として地域や社会に参画する態度を養い、「自己の生き方」を考える生徒の育成を図りたいと考え、以下の研究仮説を設定した。
 「地域の大人から学ぶ」及び「地域から学ぶ」活動を総合学習や社会貢献活動で多く設定し、園児から児童・生徒までの12年間を見据えた教育活動を展開すれば、「地域を愛する心」が芽生えるとともに、地域社会へ参画する態度が養われ、「自己の生き方」を考える生徒を育成できるだろう。
 教育研究実践発表では、地域教育コーディネーターの活用を図りながら、地域のコミュニティ協議会、NPO、幼稚園(保育園)、小学校、公民館、商工会、新潟市環境政策課等と連携して行っている総合学習や地域貢献活動の内容と、生徒の活動の様子、生徒の感想や評価の仕方等を紹介する。キャリア教育を中核に据えた当校の特色ある学校づくりの実践発表をしたいと考える。

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「教育実践」  学力向上に向けた全校体制の取組
〜授業モデルを活用した授業改善と家庭学習を定着させる取組の実践〜
燕市立小池中学校
河井 昌之

 学力向上は新潟県の最重要課題である。課題解決のためには、生徒の実態に基づいた有効な学力向上対策を立て、全校体制で組織的に取組を進めることが重要である。
 私は、学力向上を、@学習内容を確実に理解すること、A自ら学ぶ力を身に付けることと捉えた。学習内容を確実に理解するということは、授業で学習したことが分かり、家庭学習(復習や反復練習)によって理解度や確実性を高めるということである。自ら学ぶ力とは、自分に必要な学習内容を考え、計画を立てて学習を進める力である。それを毎日継続し、繰り返すことによって学力は確実に高まってくる。この考えに基づいて、授業改善と家庭学習の定着を図る支援を両輪とした学力向上対策を、全体体制で組織的・継続的に進めてきた。
 授業改善の取組では、学校全体で目指す授業像を『小池中授業モデル』として示し、全教科でモデルに沿った授業を実践した。授業モデルでは、@教師が動き・生徒を動かす(頭脳や体、言葉)こと、A授業を途中で終わらせないこと(完結型の授業)の2点を特に重視した。授業の終末段階で、まとめと振り返りの場面を設定することは、授業を完結させるとともに、授業と家庭学習を滑らかに接続することにもつながる。
 家庭学習の定着を図る支援では、『長善タイム』を教育課程に位置付け、毎日終学活前の15分間を設定した、長善タイムは、その日の授業内容を生徒自らもう一度振り返り、それを受けて自分で家庭学習の計画を立てる時間である。さらに、家庭学習では全校生徒に自主学習ノートを活用した自主学習に取り組ませた。長善タイムを使って自分に必要な学習を考え、自分で計画を立てて自主学習に取り組む。これを継続することにより、自主的・主体的な家庭学習が定着し、生徒が自ら学ぶ力を身に付けていく。
このような授業改善と家庭学習支援の取組を継続してきた結果、全校生徒の家庭学習の定着率が常に高い割合で維持できるようになった。また、学力検査やWeb配信診断問題の正答率も学校の目標値を恒常的に超えるようになった。さらに、取組を通じて教職員の学力向上に対する意識や協働意識が高まるというプラスの波及効果も表れてきている。取組をとおした課題も明らかになってきた。今後も課題の改善を図りながら、自校の実態に基づく全校体制による学力向上対策を推進する。

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「教育実践」  きつねと共にふるさとを学ぶ子どもの育成
阿賀町立津川小学校
松 豊

 現任校は、名峰麒麟山を背景に幻想的な時代絵巻を繰り広げる「狐の嫁入り行列」が毎年行われる地域に位置している。町は、自然豊かで、長い歴史とともに、様々な文化が根付いている。学区の地域住民の中には、自然・歴史・文化に造詣の深い方々も多く、学校の教育活動の受け入れに対して好意的である。このような恵まれた環境を生かし、「地域と共に特色ある学校づくり」に向けて、児童のふるさととのかかわりを深める教育課程の見直しを進めている。
学校では、現在、その一方策として「狐の嫁入り行列」見物のために全国各地から毎年数万人の観光客が来町することに着目している。それは、児童が学んだ地域学習の内容を情報発信する場として、この行事を有効活用することである。「ふるさと津川を全国の人に伝えよう」という大きな目的意識をもたせることで、学習意欲を喚起し、追究意欲の持続を図っていくことが可能なのではないかと考える。
児童の情報発信力を高めていくためには、より高いレベルでの「表現力・思考力・判断力」を育成する教育課程の改善に取り組んでいく必要がある。そこで、3年生以上の総合的な学習の時間では、各学年ごとにふるさとを主体的に学ぶ単元を導入し、探究型の学習展開を図っていくことで、現行学習指導要領で求めている力(表現力・思考力・判断力)の育成を目指したい。
 私は、教務主任として、当校の「ふるさと学習」が、児童に、今求められている力を身に付けさせるとともに、特色ある教育活動と成り得るように尽力したい。そのために、全校体制で組織的、継続的に取り組んでいけるよう全職員の参画意識を高めていく。

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「教育実践」  生徒が活躍する授業を目指す授業改善の推進
〜校長として、授業改善に向けてどうアプローチするか〜
村上市立山北中学校
仙田 健

 学習規律が徹底された中で、生徒は、まじめに授業に取り組み、宿題もきちんとやってくる。教員としては、実にやりがいのある環境が整っているといえる。しかし、授業自体は、教師主導の説明型の授業に終始する教員が多く、生徒の活躍する場面があまり見られない授業となっている。そこで、職員が授業を実質的に変えていこうとする行動を起こすよう、職員の授業改善への意識を高めることが当校の課題である。
課題解決のために、まず、授業改善の重要性を認識させたいと考え、職員会議、職員研修、目標設定面談等で繰り返し語りかけ、共通理解を図った。次に、改善の方向性を明示するために、「話合い」に焦点を当てた校内研修の推進について研究主任に働き掛けを行い、「活用を図る学習活動のある授業」をテーマとし、課題の工夫、学習形態の工夫、板書・ワークシートの工夫の3つを視点にした授業改善研修計画が示され、小グループによる教科の枠によらない研修を進めていくことになった。さらに、改善への意欲付けのために、実際の取組を同僚や生徒から評価される場面をつくりたいと考え、学期毎の生徒アンケートを活用したり、日頃の授業参観を基にした校長だよりを発行したりした。
その結果、職員の自己評価や授業参観から、多くの職員が、「話合い」のある授業を意識するようになってきている。また、校長だよりが、授業に関する職員同士の情報交換のツールの役割を果たすようにもなってきた。内容を工夫し、いっそう授業改善に資するものにしていきたい。さらに、7月の生徒アンケートの結果、「授業がわかる」についての肯定的評価は短期間で数値の向上が見られ、英語、数学を除く教科については、平均すると目標の80%は越えた。しかし、「授業が楽しいか」という質問との関連をみると、「わかるが楽しくない授業」という授業像も一部伺える。今後の研修を通じて、よりいっそうの改善を図っていきたい。

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「教育実践」  3学期制移行に伴う学校経営の「充実」と「洗練」
燕市立吉田南小学校
小島 和浩

  2学期制、3学期制それぞれのメリットやデメリットについては、いまだに議論されている。当校では旧吉田町時代の7年前から2学期制に移行し、授業時数確保や学びの連続性、子どもと向き合う時間の確保といったメリットを大切にしてきた。その後市町村合併で燕市となり、その方針により平成25年度から3学期制へ移行することとなった。
 わたしは校長として、「燕は一つ」という市の方針を真摯に受け止めるとともに、7年前の3学期制にそのまま戻すのではなく、新たな3学期制を職員とともにつくりあげていくことにした。
 まず、2学期制から3学期制に移行し、着実な実践をされている県外の小学校に学ぶことから始めた。その学校は、「教育内容の一層の充実を図り、子どもたちのよさを更に伸ばす」ことを移行のねらいとし、着実な学校経営を進めておられる。
 わたしは、職員に対して、移行に伴う作業の手順、移行のねらいと理由、主たる改善点を示した。また、保護者や学校評議員には説明会を実施し、理解を求めた。異論はなく、子どもたちにしっかりとした指導をしてくれればよい、という声をいただいた。
 教育計画の作成段階では、「教育内容の一層の充実を図り、子どもたちのよさを更に伸ばす」ためにどうすべきか、という議論を職員で重ねた。そして、充実した教育内容を提供するために、洗練された教育システムを構築するという観点から、キーワードを「充実」と「洗練」とした。また、改善の柱は、教育効果を上げるための学校行事の適正配置、目標設定と振り返りの位置付けの明確化、教職員自らが資質向上に向き合う校内研修、これらのことを達成するための校内システムの再構築の四点である。
 この4月から3学期制をスタートさせた。修学旅行の時期の見直し、学期ごとの通知表、意識改革から行動改革の校内研修、校時表や週予定表の見直しについて日々実践に移している。学期末の運営や長期休業の在り方、職員の多忙感解消等の課題はあるが、日々進化する子どもたちの成長に負けないような質の高い教育を保証し続けていきたい。

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「教育実践」  職員一人一人の授業改善に向けた研修システムの工夫
長岡市立阪之上小学校 
矢嶋 義宏

  時代が求める学力、現代的な課題を受けての授業を模索し、提案していく姿勢が求められている。言語活動の充実を図り、思考力・判断力・表現力等をはぐくむことを重視している学習指導要領の趣旨を踏まえ、各自が専門性を生かして授業改善を図り、提案していくことが大切であると考える。研究主任は、そのための研修体制をしっかりと整えていくことが使命である。
 そこで本実践では、「個人研修テーマ」に基づく研修システムを構築していくことを中核に据えた。「個人研修テーマ」とは、学習指導上の課題とそのための教師の主張、具体的な手立ての3点を記述した研究計画である。年度当初に職員一人一人が「個人研修テーマ」を作成し、その提案に基づいて授業公開するとともに、日常の授業の中でも実践を積み重ねていく。その中で、テーマの微調整や実践の修正を重ねながら、さらに研究としての改善を図っていくのである。研究主任は、それぞれの職員の研修テーマの作成から、実践、実践のまとめまで、要請に基づいてかかわっていく
 このような方法で研修を推進していくに当たり、次のような方策を講じた。
(1) 各自の研究教科を窓口にした研修とすること
 「個人研修テーマ」で取り上げる教科・領域は、校内として特定の研究教科に絞らず、各自の研究教科とする。それぞれの専門性を生かすことで主体的な取組を促すとともに、それまでの研究実績に支えられた、より提案性の高い研究となるようにする。とくに国語や算数を専門とする職員は、全国学力・学習状況調査やNRT学力検査、Web配信集計問題等の結果分析を生かして提案するなど、実効性の高いものにしていく。研究主任は、作成の資料となる各教科・領域の動向について、各種通知や雑誌等から随時職員に情報提供する。
(2) 個人研究を支える協力体制と指導体制を整備すること
 学年部(各学年部5名)を研修の母体とし、学年部研推が主となって授業研究を進める。研究主任は、各学年部の部会に参加し、各教科・領域の動向が意識された実践研究となるように助言する。また、公開授業(年15回)では、毎回外部指導者を招へいする。授業とともに、それぞれの「個人研修テーマ」に基づいて各教科・領域の最新の考え方について指導を受ける機会とする。
(3) 研究の成果を論文としてまとめ、評価を得ること
 毎年、校内で研究紀要を作成し、個人研究の成果をまとめるとともに、2年に1度長岡市の研究論文に応募する。執筆に当たっては、教頭、教務主任、研究主任が個別にかかわり、それぞれの研究の主張を補強・修正していくようにする。
 このような研修システムで研修を推進していく中で、全国的な教育雑誌への執筆、長岡市の研究論文の入選など、多くの職員の研究を評価していただくことができた。また、それぞれの専門性を生かした研究に深くかかわることで、互いの研究に学び合うことにもつながっている。昨年度の研修では、言語活動の充実を図りながら子どもの問題解決を促すためには、互いの考えを可視化する教材を開発することが大切であると確認され、多くの教室で日常的に工夫されるようになってきた。年度末の職員アンケートでも「自分の課題解決に向けた授業改善に努めた。」の項目において、すべての職員が肯定的評価をした。職員一人一人が授業改善に向けた具体的な取組を明確にし、新しい教育に向けての授業づくりにひたむきに取り組んでいる。
 今後は、それぞれの研究の成果を学校全体として共有し、日々の学習指導にさらに生かしていけるように、新たなシステムを構築していくことが課題である。

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「教育実践」  校内教育相談体制のコーディネートの在り方
 〜学外援助者との連携を高める取組の工夫〜
聖籠町立蓮野小学校
金平 弘之郎

 

 教育相談主任として、スクールカウンセラーや生徒指導アドバイザー等の学外援助者と学校との連携を図り、教職員への支援、児童への支援に成果を上げてきた。しかし、学外援助者の支援の機会を得ても、問題を抱える教職員のニーズに合っていなかったり、相談時間の調整が不十分で必要な時に相談できなかったりすることもあり、連携に課題を残した。

 そこで、本研究では、学校とスクールカウンセラーや生徒指導アドバイザー等の学外援助者との効果的な連携の在り方を探った。

 実際に連携するにあたって、以下の段階をとおして教育相談を進めた。

1 教職員の抱える問題の整理

2 問題解決のための学外援助者との連絡・調整

3 教職員と学外援助者との教育相談の実施

4 問題解決の視点からの連携の評価・改善

 これらの取組から、相談初期で教職員の困り感、支援のニーズ、相談時間調整等を明確にすることで、学外援助者の支援がスムーズに行えるようになった。また、相談過程では、教職員と学外援助者の認識のズレが生じる場合があり、教育相談担当者が、その都度調整することも必要であった。学外援助者の支援が継続的に行われることで、教職員の抱える問題の解決、児童の学校での姿の改善が見られるようになった。

 学外援助者と連携する際は、支援の目標、支援方法、評価を明確にし、定期的に方向性を調整しながら継続していくようにコーディネートすることが大切である。


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「教育実践」  学校・家庭・学校間の連携した教育活動
〜いじめ見逃しゼロ県民運動の取組を中心に〜
新発田市立猿橋小学校
鈴木 智博

 猿橋中学校区では、昨年度、文部科学省「生徒指導・進路指導総合推進事業」の委託を受けて、学校・家庭・地域が一体となって人とのかかわり合い・絆づくりに取り組んできた。小中及び地域連携を教育活動に意図的に位置づけたことによって、社会的資質・能力は確実に育成されたといえる。さらに、今年度から県の「深めよう 絆 県民運動」から「いじめ見逃しゼロ県民運動」に名称が変わった。これまでの社会性育成にかかわる活動を継続しつつ、いじめの早期発見・即時対応・未然防止するために学校・家庭・小中学校間が連携していく教育活動を探っていく。
 具体的には、社会性育成は「人間関係づくり(いじめゼロスクール集会の開催及び強調週間の充実など)」「規範意識(毎月のめあての振り返りなど)」を、いじめ見逃しゼロ意識は「家庭・地域との連携強化(すこやかあいさつ運動、教育相談や個別懇談会の開催など)」「小中連携(三校連絡協議会など)」を重点活動として取り組んでいく。
 そのために、Q−Uアンケート、保護者アンケート、児童対象の各種アンケート、学級経営案及び学校評価等で、客観的に成果と課題を把握し検証していく。現在、取組途中であるために昨年度の成果と課題を整理しつつ、今年度の「いじめ見逃しゼロ県民運動」の趣旨と照らし合わせながら、活動を展開している。特に、「マイナスイメージよりもプラスイメージをもたせる」「規範意識を高めることがいじめ防止につながる」という視点を意識しながら教育活動を推進していきたい。

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「教育実践」  中学生リーダーシップ研修を通したリーダーの育成
〜追跡アンケートの導入・活用を中心にして〜
県立青少年研修センター
佐藤 裕貴

 

 当センターでは、中学校の新生徒会リーダーを対象に「中学生リーダーシップ研修」を開催している。この事業では、グループワークトレーニングや生徒会行事の企画・運営の疑似体験を通して、話合いの進め方やまとめ方、行事の企画・運営の方法などを身に付けることをねらいとしている。

 中学校生徒会リーダーに求められる力は様々であるが、私が特に身に付けてほしいと思っている力は、

@高いコミュニケーション能力

A多様な考えを受け入れられる受容力

B決断力

である。

 なぜなら、これらの力は学校生活のあらゆる話合いの場面において必要になってくる要素であると考えるからである。

 そこで、当センターで研修を受講した生徒会リーダーに対し、実際に学校に戻った後の活動の様子や、研修内容がどのように生かされたかということについての調査を行い、研修の成果と問題点を探り、研修プログラムの見直しを図りたいと考えた。

 過去の参加者への追跡調査も含め、2年間の継続調査で、研究の成果を検証する。


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「教育実践」  新潟県少年自然の家が、学校・関係機関と連携して進める不登校・不登校傾向児童生徒対策事業「はつらつ体験塾」の有効性
新潟県少年自然の家
中谷 記子

  「はつらつ体験塾」は不登校の解消、学校復帰を目指して、新潟県教育委員会と新潟県少年自然の家が実施している事業である。参加児童生徒が、キャンプで出会った友達や大学生ボランティアとの共同生活を通して、社会性を身に付け、自信を回復することをねらいとしている。学校復帰には、集団の一員として他者との信頼関係を築き、自己肯定感や自己有用感を体得して、自分に自信を持つことが不可欠だからである。
 「はつらつ体験塾」の有効性向上を図るため、各市町村設置の適応指導教室に依頼し、通級児童生徒を対象に「はつらつ体験塾」に関する意識調査を行った。調査結果を基に、プログラムの内容や構成を工夫し、大学生ボランティアの関わり方を意図的・計画的に仕組んだ。参加児童生徒は、体験を通し、豊かな関わり合いの中でコミュニケーション能力を伸ばし、自己肯定感や自己有用感を獲得することができた。
 「はつらつ体験塾」活動終了後、参加児童生徒の在籍校や関係機関にはつらつ体験塾通信等を送付している。資料がどのように活用されているかについて調査した。学校復帰に当たっては、「はつらつ体験塾」で獲得した力が日々の生活で充分生かされることが重要であり、そのためには学校・関係機関等との連携が欠かせないと考えるからである。調査結果からは、保護者・学校・適応指導教室等の関係機関が、「はつらつ体験塾」という共通の話題でつながり、新たな本人の姿を知る手がかりとして有効に活用されていることが分かった。更に、連携による見通しを持った発展的支援につながっていることも分かった。
「はつらつ体験塾」は、参加児童生徒の社会性を育み自信を回復することはもちろんのこと、保護者・学校・関係機関の双方向の連携を、より一層効果的に高めているものと考えられる。

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「教育実践」  タブレット型端末を活用した算数科授業改善の方策
新潟市立巻北小学校
大関 正人

  近年における情報通信技術(Information and Communication Technology:以下ICT)の進展は目覚ましく,スマートフォンやタブレット型端末などの情報端末が日常生活の中に溢れてきている。
 教育界においても,総務省の「フューチャースクール推進事業」や文部科学省の「学びのイノベーション事業」を中心に,一人一台のタブレット型端末が児童に行き渡った環境における実証研究が繰り広げられてきた。 
 その効果は、授業の在り方自体に大きな変化を起こそうとしている。それは、コンピュータ室から普通教室へ、教師中心から児童中心へとシフトしたICTを活用する授業づくりである。具体的には、普通教室でタブレット型端末を活用する場面と方法を明確にした授業改善について探ることである。
 着目したのは算数の教科書である。算数の教科書に登場する乗除法に関する学習内容と使用される図的表現について調べると,乗除法の計算においては,テープ図や線分図が学年を追って系統的に登場している。しかし,演算決定に苦手意識をもっており,これらの図的表現を有効に活用できていない児童は意外に多い。この理由を,教科書に出ている図的表現は完成された静止画であるからだと捉えてみた。
 そこで本実践では、テープ図のデジタルコンテンツを作成し、学習者である児童自身が「式と図と操作とを結び付ける過程」をタブレット型端末上で経験することを通して,解決の手続きを学べるようにした。
 その結果、動的なテープ図が演算決定の場で有効であるとともに、児童が数値の対応関係をつかみやすくなったことが分かった。今後、算数の教科書の図的表現を有効に学ばせるための手立てとして、どんな要件が必要かについて明らかにしていきたい。

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「教育実践」  児童同士のかかわりを促す情報機器活用についての研究
新潟市立西内野小学校
本田 英雄

 

 言語活動の充実は,各教科等を貫く重要な視点として位置付けられている。授業における言語活動としては会話や意見交換があげられる。情報機器を有効に活用することで,児童同士の会話や意見交換などを促すことができると考える。そこで,どのように活用すればよいかを検証することとした。

 各教科において図表や絵,写真などの具体的例示を読み取る学習活動がある。これら具体的例示には児童に着目させたい点(以下,着目点)がある。情報機器を工夫して活用することで,この着目点をより妥当に捉えさせることができるのではないかと考えた。着目点を捉えることができれば,児童はそれを基に友達と話合いをしながら学びを深めるだろう。そこで6年生の社会科で,情報機器を活用したグループと印刷物を活用したグループに分けて実践を行った。工夫の具体例としては,「アニメーションによる強調」や「拡大表示による詳細化」などを用いた具体的例示の提示を行った。

 その結果,情報機器を活用したグループの方が着目点を妥当に読み取ることができていた。また,それぞれのグループの発言の様子を分析したところ,情報機器を活用したグループの方が,全員が多く話合いに参加していたことが分かった。さらに十分話し合う時間を確保した上でねらいの達成状況を見てたところ,情報機器を活用したグループの方がより多くねらいを達成することができていた。

 「授業者が具体的例示のどこに着目をさせるかを明確にもつこと」により,具体的例示を情報機器でどのように示せばよいかが見えてくる。そして「話し合う時間を十分に確保すること」で多くの児童がねらいを達成し,学びを深めていくことができると考える。


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「教育実践」  理科におけるタブレット型端末活用の効果についての研究
新潟市立根岸小学校
石月 直敬

 

 PISAのデジタル読解力の調査(2009年)では、日本の子どもたちは学校の教科学習においてコンピュータをあまり使用していないという結果が報告された。コンピュータ室への移動や普通教室での準備に時間がかかるためである。一方で教育環境に,タブレット型端末の導入が始まった。タブレット型端末は可搬性に優れ,教室でも校外でも使用できる。また,ボタン一つですぐに起動し,準備に時間がかからない。日常の学習では使用しやすい。

 そこで,理科における観察画面においてタブレット型端末のカメラ機能とビューア機能を活用する実証研究を行い,その効果を検証した。グループの話合いの中で発言数が増えたり,観察対象の特徴をとらえた言葉が表出したりする効果と、学習の満足度が高まる効果を,児童へのアンケートと話合いの様子の分析をもとに明らかにした。

 その結果,デジタルカメラを活用した話合いとタブレット端末を活用した話合いでは発言数に違いがあることや,タブレット型端末を活用すると観察対象の特徴をとらえた言葉が表出する効果があることが明らかとなった。また、学習の満足度が高まる効果も明らかになった。

【参考文献】

小学校学習指導要領 文部科学省 2008

小学校学習指導要領解説総則編 文部科学省 2008

小学校学習指導要領解説理科編 文部科学省 2008

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2009)「デジタル読解力調査」国立教育行政研究所 2009
「新訂ユーザーのための教育・心理統計と実験方法」 田中敏 山際勇一郎 1992


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「教育実践」  大型TV・教材提示装置・電子黒板を子どもが操作し,考えを発表し合うことで,かかわり合いを活発化し,自分の考えを深めさせる算数指導の工夫
新潟市立小須戸小学校
山本 英司

  新学習指導要領では,思考力・判断力・表現力が重視されている。本研究では,この3つの力の中から,特に思考力に着目し,研究を進めることにした。算数の授業において,子ども自身がICTを操作し,自分の考えを発表する過程を通して,子どもがかかわり合い,思考が深まっていくかどうか研究する。
 子ども自身がICTを使って自分の考えを発表することにより,多くの子どもに視覚化して具体的に示すことが容易になる。ICTを使って自分の考えを発表するために,子どもは,課題について考え,式や図,表,グラフ,言葉で分かりやすく表現しようとする。聞き手の子どもは,ICTを使って示された考えに注目し,友達の考えのよさに気付いたり,自分の考えとの相違に気付いたりすることと考える。
 これまで,授業におけるICT活用は,教師がICTを活用して指導する場合が多かった。新学習指導要領により,教育の情報化が挙げられる中,時代の要請から,子どもがICTを使って,お互いにかかわり合い,自分の考えを深める授業を目指すことが必要である。
 4年生「2けたでわるわり算」では,黒板とICTを使った発表を子どもが選択できるようにした。大型TVと教材提示装置を使い,ワークシートに記述した子どもの考えを,自分で説明できるようにした。また,電子黒板とノートPCで,子どもの考えを発表できるようにした。子どもの考えを予想し,スマートノートブックで必要なパーツを作っておくことにより,子ども自身が電子黒板を操作して発表することができた。一部の発表については用意された適切なパーツがなく,授業中にその場で作成した。
 友達の考えを全体で知る場面において情報機器を子ども自身が操作したことは,子どもの興味・関心を高めただけでなく,考えを共有化することにおいても有効であった。
 また,全体で確かめる予定だった筆算については,ワークシートに筆算のアルゴリズムを説明している子どもがいたので,その子ども自身に電子黒板を使って説明させた。教師が一方的に説明するよりも,子どもの言葉でまとめることができた。聞き手の子どもから,「分かりやすい。」,「1けたのわり算のやり方と同じだ。」といった声が聞かれた。
 本実践では,教材提示装置と電子黒板を子どもが使って発表することにより,アレイ図から商を求めるよりも筆算で商を求める方がより簡単で速いことに,多くの子どもが気付くことができた。今後の課題として,かかわり合いを活発にし,自分の考えを深めるために,友達の考えとの相違に気付くことができるような課題やICT活用の方法を工夫していく必要がある。

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「教育実践」  学習者の意欲を高める“Hi,friends!”デジタル教材活用の事例的研究
〜小学校外国語活動における英語劇活動を通して〜
新潟市立上所小学校
林 俊行

 

 本研究は、文部科学省が作成した“Hi,friends!”デジタル教材の電子紙芝居を用いて、学習者同士が協働して英語の物語の台詞を聞き取り英語劇を行う教育実践とその評価を行った。

 「教育の情報化ビジョン」(文部科学省2011)において、主に教員が子どもたちに指導するためのデジタル教科書を指導者用デジタル教科書、主に子どもたちが個々の情報端末で学習するためのデジタル教科書を学習者用デジタル教科書として定義づけられた。指導者用デジタル教科書を活用することについては、多くの研究から学習者の理解度や楽しさ・満足度を高めることが明らかにされている。一方、学習者が主体的に活用する学習者用デジタル教科書についての研究や実践の報告は少なく、平成23年度から施行された小学校外国語活動においての活用に関する研究や実践はほとんど検討されていない。

 以上のことにより、本研究は、小学校外国語活動において、学習者が主体的にデジタル教科書を活用する効果の検証を目的とした。なお、小学校外国語活動は各教科としての扱いではなく、文部科学省が作成した“Hi,friends!”は教材扱いとなっている。しかし、全国の公立小学校の96%が“Hi,friends!を活用しているという実態から、本研究では“Hi,friends!を教科書として捉え、“Hi,friends!”デジタル教材をデジタル教科書として定義する。

 研究の方法として、調査対象を公立小学校6学年(35名)に、週に1単位時間の授業を3時間行った。学習単元は、『Hi, friends! 2 Lesson7「We are good friends.」』を取り扱った。桃太郎の昔話を、英語やジェスチャーを用いて劇をすることが内容である。また、デジタル教科書は、デジタル教科書のデータをSDカードに移して、タブレット型端末で起動するようにした。

 その結果、学習者は協働してデジタル教科書の電子紙芝居の英語を聞き取り、その英語をもとにして、劇を行った。発音については、ALT1名と中学校英語教諭2名から、適当であると評価された。また、林ら(2013)による外国語活動へのアンケート調査、ARCS動機づけモデルに基づくアンケート(松崎2008)により、5%の有意水準で優位に向上がみられた。したがって、学習者が主体的にデジタル教科書を活用することは、外国語活動における学習者の意欲を高めることが期待できることが明らかとなった。

【参考文献】

「小学校外国語活動におけるタブレット型端末の音声認識機能による翻訳活動に関する事例的研究」林俊行・水落芳明・桐生徹・神崎弘範 日本教育工学会論文誌,36巻-Suppl,pp.45-48. 2013

「基礎的知識の定着と自己調整学習力を培うことを目的とした総合的な学習の時間の授業実践とその効果−ポートフォリオを教授ツールとして活用して−」松崎邦守 日本教育工学会論文誌,32巻-Suppl,pp.149-152. 2008


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「教育実践」  情報モラル育成の工夫
新潟市立浜浦小学校
齋藤 裕一

 

 社会の情報化が進む中,子どもたちがパソコンや携帯電話などを活用する場面が増えてきている。簡単に情報を取り入れたり,共有したりすることができ,授業での学習効果が期待できる反面,情報モラルの育成が十分にされていない現状がある。学習指導要領において,道徳や学級活動をはじめ,全教育課程において情報モラルを指導することが位置付けられている。

 そこで,子どもたちの実態を踏まえながら,以下の手だてを用いて,実践を行った。

1 「情報モラル指導モデルカリキュラム表」の見直し・修正

 既存の「情報モラル指導モデルカリキュラム表(JAPET作成)」を基に,各学年の指導内容に適する教材(デジタルコンテンツやソフト)を洗い出す。

2 情報モラルに対する意識が持続し,実践力がより発揮できるような指導の工夫

 指導内容に対する正しい情報モラルを身に付け,実践力が効果的に発揮できるように,指導時期や時間などを弾力的に設定し,指導する。

 2つの手だてから,既存のモデルカリキュラム表を見直したことで,指導内容をどの学年で,どんな教材を用いて指導したらよいかを明確にすることができた。情報モラルの指導に結び付く具体的かつ実践的なモデルカリキュラム表となった。また,発達段階に応じて,指導する内容を精選したことで,指導に適切な時期や指導時間などの妥当性を検証することができた。

 情報モラルの指導においては,何か問題が起こってからの対処療法的な指導に陥りがちである。だが,正しい情報モラルを身に付け,実践力へとつなげていくには,問題行動を未然に防ぐための先行指導的な授業も取り入れ,有効な教材を用いながら指導することが必要である。


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「教育実践」  児童のイメージ化を促し、思考を整理する視聴覚機器の活用について
長岡市立宮内小学校
佐藤 俊

 

  算数の学習において、具体物や半具体物を操作する活動は大きな意味をもつ。それは、問題を把握したり見通しを立てて解決したりすることに加えて、新たな性質や考え方を見い出したりすることができるからである。

  しかし、操作したことでどのようなことが言えるのかという具体的なイメージができず、操作したことを理解につなげることができない子どもがいる。

  そこで、本研究では、たし算とひき算の筆算を初めて学習する2年生において、操作したことと筆算で表すことの間をつなぐ手段としてパワーポイントのスライド機能を使い、その効果について研究した。

 その結果、操作の根拠や意味が明らかになり、繰り上がりと繰り下がりのしくみを理解することができた。また、指導の繰り返しが容易てあることやユニバーサルデザインの授業づくりの視点においても有効であることが分かった。


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「教育実践」  卒業後のより良い生活を目指して
〜生徒の実態と進路先を考えた「職業生活」の取組〜
県立西蒲高等特別支援学校
高橋 悟

 

 「学校でやっていることが卒業後どれだけ生かされるか疑問だ。」 この言葉は、昨年の作業学習保護者説明会後に、保護者にアンケートをしたときの意見である。

特別支援学校高等部を卒業すると、ほとんどの生徒は社会人として働きながら生活を送ることになる。当校在籍の生徒は、多くの介助を必要とする生徒から企業就労を目指す生徒まで実態に幅があり、生徒の実態が「3極化」している。そのため、学習内容を生徒の実態に合わせて取り組む必要がある。

 そこで、従来行ってきた「作業学習」の在り方を見直し、社会情勢や多岐に渡る進路先の状況を見据えながら、生徒の実態や進路希望先に合わせた類型化された「職業生活」を立ち上げた。「職業生活」の学習グループ(職業班)を3類型4区分(T類型:生活自立型、U類型−1:作業基礎型、U類型―2:作業自立型、V類型:職業自立型)に分類し、7つの班(環境エコ班、資源・回収班、ものづくり班、まき農班、委託班、クリーンサービス班、職業自立班)に改編した。実態別にグループ編成した作業内容の設定、所属班を決めるためのアセスメントの実施、地域や企業と連携した取組(自動販売機を活用した学習、毎週水曜日に実施のデュアルシステム等)、共通理解を図るための職員研修などを行った。

 このような取組により、職員間の共通理解が深められ、生徒の実態に合った類型化された「職業生活」の学習を構築することができた。また、生徒が早期に複雑な進路について考えたり、様々な体験を通して自己理解を深め、就労意欲を高めたりすることができる生徒が増えた。

 学校での学習が卒業後の生活に生かされることを目指し、生徒が卒業後により良い豊かな生活を送ることを願った実践である。


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「教育実践」  特別支援学校高等部における職業教育の実践
新潟大学教育学部附属特別支援学校
伊藤 宏之

  私は,特別支援学校高等部の職業教育の実践を通して,生徒が卒業後の働く生活に対するイメージをふくらませ,自らの課題に挑戦し続けようとする姿を目指している。
 昨年度までの実践を通して,自分の取組に良さを感じながら,指示された手順や方法に従って作業に取り組む姿や「卒業したらこんな仕事をしてみたい。」など働くことへの意欲を支援者に語る姿など,卒業後に働くことに対して前向きな思いが高まってきている生徒の姿を確認することができた。
 しかし,その一方で,指示された内容には従いながらも漠然と作業に取り組んだり,教師の指示や支援を待ちながら作業に取り組んだりする様子が見られた。これは,生徒自身に働くことのイメージが十分に身に付いていないことが要因であると捉えた。
 今年度の実践では,高等部卒業後,企業就労を目指す生徒が所属する学習コースで,「物流サービス」を題材として取り上げた。そして,企業や市役所からの受託作業や校外への出向作業を通して,作業に取り組む必要性や作業の目的,仕事に取り組む意味などをより確かなものにしてきた。さらに,担当する作業や仕事の成果が実感できるように指導・支援を工夫することで,「自分はできる。」といった自信や「担当する作業をしっかりとやりたい。」といった仕事への意識を高め,目標に向かって,身に付けた力を発揮しながら作業に取り組もうとする姿を目指した。
 実践を通して,目の前の作業に正確に取り組もうとする姿や,良い製品を出荷しようと,繰り返し検品作業に取り組む姿が見られた。また,学年やこれまでのインターンシップなどの経験に応じて,働くことに対する自分なりの思いをもちはじめている姿が見られてきた。

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「教育実践」  企業就労に向けた支援の在り方
県立村上特別支援学校
小柳 正樹

 

 当校は、障がいの特性上、人とうまく関わることができない生徒が多い。しかし、企業就労を目指すには、人と関わる「挨拶・報告・連絡・相談」の基本的なスキルは絶対必要である。そこで、人との関わりの場を意図的に設定し、場を意識した就労に必要な基本的なスキルを向上させたいと考える。

 従業員56人以上の企業は、総従業員数の2%以上の障がい者を雇用することが法律で定められている。そのため、全国的にも障がい者の求職者数は過去最高を記録しており、就労ニーズへの対応が関係機関に求められている。しかし、新潟県の2012年の雇用率は、全国で41位1.59%と低い水準である。

 改善のためには、事業主や行政の努力はもちろんであるが、事業主等のニーズに応じた力を学校で育成することも大切である。ニーズの中で一番多いのは、仕事の態度よりコミュニケーションに関することである。また、せっかく就労できても、勤続年数が全国平均6年10ヶ月という現実もある。この主な理由にも企業での対人関係がうまくいかなかったことがあげられている。

 私は、人と関わる基本的なスキルであり、作業学習の中で行っている「あいさつ・報告・連絡・相談」を主に取り上げる。そして、これまでの指導の経過から問題点や課題を整理する。そこから、企業就労を目指す生徒に、「挨拶・報告・連絡・相談」がうまくできるための効果的な活動を工夫する。

 大切なことは、生徒が自ら判断し会話することである。ともすると、活動に合わせたパターン化した言動が身に付くようになるが、もう一段階上の、場を意識して、相手を考えた関わりを少しでもできるようにさせたいと思い、以下の取組を行う。

@事前ミーティング・事後ミーティングで考える力を育てる。
 これまで作業後の振り返りとして反省用紙に自己評価と感想を書かせて、相手にきちんと伝える力を育ててきた。その成果を基に、ミーティングで事前に見通し(めあて)を考えたり、事後に活動の振り返りを評価したり、活動をその場で考えて発表したりして、考える力を育てる。

Aトラブルスキルカードを活用する。
 作業場面では、いろいろなトラブルが生じる。そのために、トラブルを理解し、自ら判断し解決する力を育てることが大切である。そこで、「仕事で使う道具を壊してしまった。」「頼まれた仕事が時間内に終わらない。」など、生徒たちに想定されるトラブルを分かりやすいカードにする。そのカードを使ってロールプレイを行い、どのような行動をとるとよいか、また、どのように報告すればよいのかを考えて解決する力を育てる。


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「教育実践」  聴覚障がいのある生徒に対する指導の工夫 
〜理科の授業を通して〜
県立長岡聾学校
 河本 康介

 

 長岡聾学校は、聴覚障がいの部門と知的障がいの部門(高等部のみ)から成り、聴覚障がいの部門は、幼稚部、小学部、中学部、高等部および専攻科まで、幅広い年齢の聴覚に障がいのある幼児、児童・生徒の教育を行っている。そして、教科学習とともに、語彙の習得、コミュニケーション方法、職業教育などの指導を行っている。通常の学校に準じた教育を行うとともに、聴覚障がいに対する専門的な指導が求められる。

 当校生徒の実態として、聴覚に障がいがあるために、日本語の習得の遅れや抽象的な概念の発達に遅れがある。そのため、教科指導においては、指導方法や指導内容の精選、教材教具、そして生徒への働きかけなど、様々な配慮・工夫が必要である。

 まず、その1つは、視覚的な支援などによる情報保障である。特に、パワーポイントを活用した視覚的・動的教材を作成することにより、音による情報の制約を視覚的に補い、聴覚障がい生徒の理解の手助けとなる。このことで、理科の教科学習に必要な概念や意味の理解など、教科指導上での生徒が感じる困難性を克服することができる。視覚的に理解が困難な抽象的な概念の操作が必要とされる内容について大いに活用してきた。

 2つ目は、教科指導の中での言語指導である。聴覚障がいのある生徒は、音や音声言語による情報を受け取りにくいので、結果として言語発達が遅れる場合が多い。発達段階で考えると、幼少期からの生活言語の習得の遅れにより、教科学習を十分に展開できる言語発達の段階に達していないことが学習の遅れの一つの要因になっていると考えられる。「9歳の壁」という問題があり、読書力・文章力が小3〜4年程度で停滞してしまっている聴覚障がい者が多いことが報告されている。よって、体験的な活動ややりとりを通して内容を理解しながら、言葉を正しく理解したり表現したりする力、言葉で考える力、文章を正確に読んだり書いたりする力を育成することが大切である。体験と言葉が一体化するような支援が必要不可欠である。

 3つ目は、理科の学習と聴覚障がい理解とを関連付けた授業展開である。中学校理科の指導内容には、1年生「音」、2年生「感覚神経・聴神経」など、聴覚障がいによりなかなか体験的な理解に困難を示す単元がある。そのような内容について、指導方法や教材教具を工夫することで理解につながり、また自身の障がい理解にもつながるものと期待している。

 長岡聾学校に赴任して3年目。上記に挙げた支援の視点について、私が今までに行ってきた数々の実践を今回発表する。


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「教育実践」  働く上で必要な力の育成
〜生徒が職場で主体的に考え、意欲的に仕事に取り組む姿を目指して〜
県立吉川高等特別支援学校 
帆苅 健

 1 実践テーマ設定の理由
 当校は、軽度の知的障がいのある生徒たちが多く学んでいる特別支援学校である。職業学級在籍の生徒が多く、卒業後の就労を目指している。
 生徒が現場実習先で働く中、一般企業先から次のような生徒像を求められている。
○素直で元気良く挨拶できる。
○やる気があって一生懸命働く。
○周囲の人とうまくかかわって、自主的に考えながら行動できる。
 これを受けて本実践では、作業学習や校内実習等での清掃活動を通して、「意欲的に仕事に取り組み、周りの状況を見極めながら行動できる生徒」を育てていきたい。
2 本校の作業学習や実習について
 本校の作業学習では清掃・接客・福祉・物流等の作業種があり、3学年の生徒はこれらのいずれか一つを選択履修している。水曜日を除く平日の午後、毎日作業学習がある。水曜日は企業内実習があり、生徒は終日企業で働いている。また、春と秋のそれぞれに校内実習と現場実習がある。校内作業では作業種ごとに分かれて2週間終日働き、現場実習では2週間一般企業や施設で働いている。
3 3学年の作業学習に求められる生徒像
 本校の研究推進計画を受けて、3学年部では次のような生徒の姿を期待し研究を進めている。
○仕事の手順や時間配分を考えながら、効率よく作業を進める。
○周囲の状況に注意を向け、協力し合ったりたり助け合ったりして作業をする。
○周りの人と好ましいコミュニケーションがとれる。
4 実践の構想
 本実践では実践テーマの姿に迫るため、指導内容や手立てに次の要件を考えている。作業の見通し、自ら考える場面と内容の設定、グループ構成の工夫、話合いの場面と内容の工夫、協力・助け合いが生まれる活動内容の工夫などである。
 その要件から、以下の4項目について活動や支援の工夫をしていく。 
(1) 打合せ会、作業場所での調整ミーティング、作業終了後の反省会など、話合いの場の設定や活動内容を工夫する。
(2) 打合せ会や調整ミーティング等で使用するホワイトボードの活用方法など、教材教具の工夫をする。    
(3) 作業場所に応じた仕事の段取りができるような場の保障と清掃活動の工夫をする。
(4) 自信や信頼関係が構築できるメンバー構成の工夫をする。
 1学期が終了した現在、こうした実践を通して、生徒たちには主体的にコミュニケーションする姿が増えてきた。また、作業に工夫が生まれるようになってきた。今後さらに取組を進めて、生徒たちを伸ばしていきたい。

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「教育実践」  軽度知的障がいの児童における生活力を育てるための効果的な金銭指導
〜実生活の中で金銭を使うことを通して〜
新潟市立栄小学校
川瀬 雅人

 

 私は、現在、特別支援学級の担任をしている。児童は生活単元学習に興味・関心を示して活動しているが、知識やスキルを十分身に付けさせることができないでいた。軽度知的障がいの児童が学校卒業後、地域の中で生活してくために必要な知識やスキル、習慣などを学校教育において可能なだけ身に付けておくことが重要であると考えている。
 生活単元学習は、このような知識やスキル、習慣などを身につけるために最も適した指導形態であると思われるので、指導内容を設定する際には、将来の地域生活をしっかり見据えることが重要であると考えた。
 そこで、今回は生活単元学習の中で特に金銭指導に焦点を当てて取り組むことにした。その理由をいくつか述べる。
 金銭指導には、
@どの段階の児童でもできる。
A算数科の力をのばすことができる。
B「スモールステップ」で児童の課題が見え、成長が分かる。
C金銭処理は、児童が実際の生活の中で経験している、あるいは将来の生活の中で経験するであろう活動であり、児童にとって取り組みやすい学習内容であるため生活の中で活かすことができる。
 などのよさがあると考えたからである。


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「教育実践」  児童の実態に合わせた支援体制の構築
〜関係者との連携を通して〜
阿賀野市立保田小学校
田辺 美紀

 特別な支援を要する児童には、その児童の実態に合わせて支援体制を構築することが必須である。その際、児童・保護者と密接に関わりながら学校と連携をとる「キー・パーソン」の存在が重要である。
 私は、有効に働く「キー・パーソン」を、次のように考えた。
@児童・保護者との関係が良好である人物。特に、保護者との信頼関係があること。
A専門的知識を有し、適切な情報を提示できる人物。
B継続的に児童・保護者との関係を維持できる人物。
「キー・パーソン」となるのは、特別支援コーディネータとは限らない。本実践で適用した事例では、外部機関(児童デイサービス事業)相談員を「キー・パーソン」とした。
 もちろん「キー・パーソン」の設定だけでは、支援体制を構築できない。特別支援コーディネータが、情報を共有できるようなシステムを動かすことが必要である。この情報共有システムには、次のようなものがある。
@担任を含めた学校内の情報共有(校内ケース会議)
A保護者と担任を含めた学校関係者との情報共有(保護者との面談)
Bキー・パーソンとの情報共有(校内ケース会議への招聘)
 上記の「キー・パーソン」の設定と、情報共有システムを事例に適用したところ、児童の実態に合わせた支援体制を構築することができた。

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「教育実践」  保護者や担任との連携による問題行動の改善と学校生活への適応
〜通級児童の実践を通して〜
新発田市立御免町小学校
須貝 雅浩

 

 通級指導教室は,通級する児童生徒が学校で適応できるよう特別の指導を行う場である。通級指導教室での専門的な指導が,日常生活の場で生かされるためには,子どもへの指導とともに保護者への支援,在籍学級担任との連携がたいへん重要になってくる。連携することで保護者や在籍学級の担任が正しい問題意識と適切な対応を身に付け,よりよい関係がつくられることで子どもは安定していくからである。

 在籍学級での離席や暴言,教室からの飛び出しなどの問題行動が理由で通級指導教室において指導を受けている児童がいた。在籍学級担任や保護者もその児童とどうかかわればよいのか分からず困っていたことから,通級指導教室担当が働き掛け,学校や保護者と連携して問題行動の改善に取り組んだ。連携にあたっては,行動改善のための支援モデル「教師や保護者がコンサルタントと協働して個別の指導計画の作成や校内委員会の運営にあたるコンサルテーションモデル」(COMPAS)の手続きを取り入れた。

@複数のアセスメントの実施

A有効な指導方法をできるだけ取り入れる

B個別の指導計画の作成と共有

 指導前,児童は在籍学級教室から飛び出し教室にはほとんどいなかったが,指導後はいる時間が増えていった。通級の連絡ファイルには在籍学級担任から「今週はほとんど教室で過ごしました。途中心を痛めることがあったのに、強い心で立ち直り,とてもすばらしい,かっこいいところも見せてくれました。」との記述があった。ソーシャルスキル尺度や学校適応感尺度(アセス)でも改善が見られた。

 今回の実践では,保護者、学校、通級指導教室が連携して取り組むことで行動面の改善が図られ,集団適応につなげていくことができた。今後は,在籍学級での生活の質の向上が課題となる。そのためには,授業のユニバーサルデザイン化を図り,誰もが参加できる授業への転換が求められる。通級指導教室担当は連携の際に,こうした相談や提案ができるような知識や技能が必要となるだろう。

【参考文献】

「LD・ADHD<ひとりでできる力>を育てる」指導・支援・個別教育計画の作成の実際 長澤正樹 川島書店 2007

「ソーシャルスキルマニュアル」上野一彦 岡田智 明治図書 2006

「新たな行動コンサルテーションモデル:COMPASによる問題行動の支援」古田島恵津子・長澤正樹・松岡勝彦

「通常学級に在籍するADHDのある児童を対象に‐LD研究 第15巻 第2号」 2006
「特別支援教育を支える行動コンサルテーション―連携と協働を実現するためのシステムと技法」加藤哲文 大石幸二 学苑社 2002


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「教育実践」  リーダー育成を計画的に仕掛ける生徒会活動
〜黒川中学校での取組〜
胎内市立黒川中学校
山口 和芳

 学校は「小さな社会」とよく言われる。社会生活を営むためには生徒相互がより好ましい人間関係を築いていく必要がある。しかし、当校の学区には小規模な学校ばかりで、学級編成による集団の移り変わりがほとんど見られない。そのため、小学校段階から少しずつ築き上げられた人間関係に縛られ、新たな人間関係を築くことを苦手にしている生徒が多くいる。これを解決するために、異年齢集団による交流を計画的に仕掛け、学年という横の関係から縦の関係へと目を移していけば、上級生としての自覚や責任、下級生としての役割を考え、生徒同士の密接なかかわりを通し、人間関係について気づいたり学んだりしていけると考えた。

 これを受け、生徒会活動から「よりよいリーダー的な姿を効果的に示すピア・サポート活動」を意図的に組織し、「@リーダー条件の分析」、「Aリーダー条件の精査」、「Bリーダースキルの抽出」、「Cリーダー育成の場の確保」と段階を踏んで取り組んできた。

その結果、リーダーの自己有用感が高まり、後輩もその姿を見て憧れる様子が見られるようになった。また、異年齢集団で安心して活動することができるようになった。

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「教育実践」  自己の生き方についての考えを深める児童の育成
〜「自己決定」と「自己評価」を取り入れた学級活動の指導〜
新潟市立東青山小学校
野澤 諭史

  学習指導要領の改訂に伴い,特別活動では新たに目標に「自己の生き方についての考えを深め,自己を生かす能力を養う」という文言が加えられた。私は,知識や技能の習得に留まらず,自己の生き方についての考えを深める児童を育成することが,今、特別活動に求められていると考える。
 そのために、小学校の学級活動において大切なのは,学級の問題解決に向けた集団活動を通して,児童自らが自分の行動をより望ましい方向に決定する力を養うことである。児童が自分自身の態度や考え方、行動をより変容させる力を身に付けさせることができれば,「自己の生き方」を見つめる力を深めることにつながると考える。
 これまで私は、学級担任として,学級集団の育成に関して,教師が学級の問題点を指摘したり,解決の方向を示したりしながら,問題解決を児童に求めるという指導に終始してきた。そこからは,児童が自ら問題を見付け,進んで解決に向かう姿は見られなかった。いわば「受け身」の問題解決を児童に求めてきた。
 そこで、児童に次のような力を付けることで、「自己の生き方についての考えを深める児童」の育成を図った。
@学級の問題から自分の課題を見出す力
A課題解決に向け,自分の態度や行動の方向性を決める「自己決定」の力
B振り返り活動や他者とのかかわりを通して自己の認識や行動をより良く変容させる「自己評価」の力
 研究実践では、6年生と3年生という発達段階の異なる2つの学級に対して行った取組の検討及び分析を通してその有効性を検証した。
 手立てとして、「課題を見出すための活動」「自己決定する活動」「自己評価する活動」という一連のサイクルを、学級活動のなかに位置付けた。それにより、自ら前向きに課題解決に取り組む姿が多く見られるようになった。また、活動の振り返りでは、自らの成長を実感し、肯定的に自己をとらえる記述も多く見られるようになった。
 研究実践の分析を通して、自らの行動を自己決定し、それを振り返ることでより良く認識と行動を変容させていくことが、「自己の生き方についての考えを深める子ども」の育成につながることが分かった。

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「教育実践」  個と集団の成長を目指した学級づくり
〜学級に対する肯定感を高める学級内プロジェクト活動の取組を通して〜
新発田市立五十公野小学校
臼井 政之

 

1.主題設定の理由

 学級活動の目標は、望ましい集団活動を通して、望ましい人間関係を形成することである。また、集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し、学級集団育成上の課題や諸問題を解決しようとする自主的、実践的な態度を育成することである。

 私は、このような望ましい人間関係や自主的、実践的な態度は、学級に対する愛着や誇りに支えられていると考える。「自分たちの学級は、自慢の学級である。」という自信や「自分たちの学級を自慢の学級にしたい。」という願いの高い学級は、集団活動への意欲も高い。

 学級の現状を学級全体で共有し(R)、目標を設定し(P)、達成に向けたプロジェクト活動を推進し(D)、成果や課題を共有し(C)、活動を改善する(A)。このようなR-PDCAサイクルを学級内に定着させていくことにより、学級集団の支持的風土を高め、愛着や誇りといった学級に対する肯定感を高めていく。集団の一員としての自分の役割を積極的に果たすことで、子どもたち自身も自己肯定感や生活満足感を高めていくことを期待した。

2.研究仮説

 学級生活の向上を目指した短期目標の達成に向けて、全員で役割を担う「学級内プロジェ クト活動」を推進し、成果や課題を共有していけば、児童の学級に対する肯定感が高まり、個々の自己肯定感や生活満足感が高まるであろう。

3.研究内容

(1) アンケート調査により、学級の現状を数値化して提示することで、短期目標を設定する。

(2) 目標達成に向けてた取組を学級の会社活動(創造的な活動に取り組む係)ごとに担当し、企画、実践、評価、共有していく。また、このような取組を2週間を1サイクルとして取り組み、短期目標にどれだけ近づくことができたか振り返る。

(3) アンケート調査や子どもたちの記述から、学級に対する子どもたちの意識と行動の変容、そして、個々の自己肯定感や生活満足感の変容を探る。

4.研究の方法

(1) 2種類のアンケート(ASESS、学級力アンケート)による現状の認識と変容の分析

(2) 学級の短期目標達成を目指す会社活動の取組と児童の振り返りによる考察

(3) 観察対象児Aの日記記述と学級活動への取組状況の考察


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「教育実践」  人間関係づくりを意図的・計画的に仕組むことでよりよい学級づくりを目指す
〜縦糸・横糸論の取組から〜
三条市立大崎小学校
星 康司

 

 本研究は、どのような手順で教師対子ども、子ども対子どもの信頼関係を築き、「望ましい集団活動」へとつなげていくかを明らかにしようとするものである。

 学習指導要領の特別活動の目標では、「望ましい集団活動」を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図るものとしている。ただ、「望ましい集団活動」に至るまでには、教師対子ども、子ども対子どもの信頼関係の醸成が不可欠である。信頼関係の醸成の実践として、ピアサポートやソーシャルスキル、構成的エンカウンター、クラス会議など数多くの成果が報告されている。しかし、それらの実践を無計画に単発で行っても成果は限定的である。それらの実践を、年間を通じて意図的・計画的に仕組むことでこそ、安定的な学級づくりができると考える。

 今までの自身の学級経営を振り返ると、よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケート(hyper-QU)では、いつも管理型という結果になってしまった。つまり、学校生活全般のルールは定着しているが、子どもたち同士の人間関係が弱いということが指摘されてきた。そこで、学級経営を3つの段階に分け、計画的に学級づくりを進めた。まず、第1段階として、教員と子どもの信頼関係をつくる縦糸を張る段階、第2段階として、子ども同士をつなげる横糸を張る段階、第3段階として、縦糸と横糸をつなげ、教師と子どもが一体となって、望ましい集団活動をつくっていく、縦糸と横糸を紡ぐ段階と定めた。そして、その計画通りに人間関係づくりを進め、その成果を検証した。

 実践の検証方法としては、量的データとして、よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケート(hyper-QU)により、学級生活満足群、非承認群、侵害行為認知群、学級生活不満足群の推移とソーシャルスキルの定着具合を検証した。また、質的データとして、本研究実践後の子どもの記述の変化を検証した。

 このように、本研究は、子どもとの信頼関係を築く上で、活動そのものよりも、どのような手順で学級経営を行うべきかを明らかにしようとするものである。

【参考文献】
スペシャリスト直伝「学級づくり成功の極意」 赤坂真二   明治図書 2011


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「教育実践」  自他の考えのよさや違いに気づき、よりよい集団決定をしながら意欲的に活動していく子どもの育成
〜第6学年「大地の芸術祭・世界かかしコンクールPR大作戦!」の取組〜
十日町市立水沢小学校
片桐 里香

  今、特別活動において、望ましい集団活動を通して、『自主的、実践的な態度や思考力、判断力、表現力などの育成』が求められている。これらの育成を図っていくために、学級活動においては、「自他の考えのよさに気付くこと」「よりよい集団決定を行って、意欲的に活動に取り組むこと」が大切であると考えた。
 本活動では、十日町市で3年に1度行われている「大地の芸術祭・世界かかしコンクール」に参加し、自分たちもコンクールに出品するところからスタートする。この芸術祭は、国内はおろか外国からの参加者や観光客も多い市を代表する一大イベントである。この活動により「たくさんの人たちに自分たちの作品を見てもらいたい」という強い願いが生まれ、自分たちの願いを実現するためにはどうしたらよいか、そのPR活動を検討する中で、自他の考えのよさに気付いていくことを期待する。
 子どもたちが願いを共有した段階で、全国からたくさんの観光客が訪れるにもかかわらず、地域の人たちの関心や参加率がとても低いという実態を伝える。子どもたちは、この実態を踏まえて自分たちの作品のPRだけではなく、大地の芸術祭についても広くPRするための方法を考え、話合い活動を活発に進めていくことを期待した。互いの考えのよさを繋いでいくことにより、自分たちの願いを具現するためのよりよい集団決定がなされることをも期待する。
 また、子どもたちの話合いの深まりや意欲の高まりを促すねらいから、学級で決定したPR方法を学年全体に伝える場を設定する。この活動によって、自分たちの話合いの内容を再確認することができ、「大変な作業かもしれないけれど、みんなで頑張ればできそうだ」という活動の見通しをもつことができる。そして、みんなで協力して活動しようとする意欲の高まりも期待できる。集団決定したことを実践していく過程において、子どもたちの自主性や実践的な態度が発揮されていく。
 さらに、活動のふりかえり(学級会カードやふりかえりカードを活用)を計画的に設定することにより、集団に対する所属感、集団としての高まりを感じることができる。「たくさんの人に自分たちの作品を見てもらいたい」という願いを、仲間と協力してやり遂げたという成就感は、次の活動に向けて、意欲を高めることにつながっていくのではないかと考え、本実践を試みた。

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「教育実践」  保護者との連携で強化する道徳教育の実践
新潟市立新津第三小学校
乙川 大

   かつて,学級崩壊後のクラスを担任した時,担任だけでの力では改善できないと考え,保護者に連携を呼びかけた。その経験から,道徳教育における保護者との連携の在り方を模索した。


 学習指導要領には「道徳教育は,あらゆる教育活動を通じて,適切に行われなければならない。」「道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うもの」とある。


 保護者には,道徳の時間はもちろん,様々な学校生活の様子を発信し,連携できるよう努力した。学級便りで,「保護者の窓」なる保護者の声を吸い上げる場を設け,「児童への温かいメッセージ」を求め,児童の自己肯定感が増えることをねらった。


 保護者との連携の仕方として,二つのパターンがあると考える。


 一つは,道徳の時間の事前連携である。例えば,発達障がいをもつ児童の保護者から,教師の知らない児童の様子を知り,保護者の願い,クラスメイトへの協力など考えた。保護者と共につくった授業により,クラスメイトの変容があった。


 二つ目は,「道徳の時間の事後発信」と「様々な学校生活にかかわる児童の様子の発信」による連携である。保護者からは,児童の成長に気付きそれを喜ぶ声が届いたり,児童への道徳的な呼び掛けや資料の提示があったりした。児童には,それらの内容を伝えることで,児童自らの行動や考え方に,少しずつよい変化が生まれていった。


  以上の実践を通して,教師の知り得ない児童の成長を保護者の目線で知ることができたり,保護者の思いや要請から,教師の道徳指導や日常的な教育活動によい影響を与えることができたと考える。 

 反省としては,授業の事前・事後の連携はあるものの,授業の展開の中での連携もあり得たということ。今後,保護者とともに考える授業の展開など,考えていく必要がある。

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「教育実践」  誰もが考えを深める道徳授業の工夫〜「PISA型の道徳授業」の実践〜
柏崎市立日吉小学校
土田 健太郎

 

 私の今までの道徳授業は、子どもに資料を与え、それをもとにして自分の考えを書かせ、発表するというスタイルで行っていた。しかし、資料から、場面状況等を子どもたちと確認しながら指導を進めていくと、この段階で時間を費やすことが多く、話合いに時間をかけることができなくなった。その結果、子どもたちの考えも深めることができなくなった。2時間扱いで授業を行っても、なかなか自分の考えをもてない子がいて、決まった子だけの意見交流で終わっていた。

 そこで「PISA型の道徳授業」を取り入れ、1時間でねらいに迫り、だれもが考えをもつことができる道徳授業の実践を試みた。

 「PISA型の道徳授業」は、ねらいとする価値を含む2つの意見文を示し、その関係性を検討し、自らの考えをつくるスタイルである。この道徳的価値を含む意見文を手がかりにすることで、だれもが自分の考えをもつことができると考えた。意見文には判断の理由も記述されているので、自分の考えをもてなかった子もそれを参考にしながら考えることができる。その後の意見交流の時間をたっぷりとることができるため意見文と自分の考えを比べたり参考にしたりすることで、自分の考えを深めることができる。

 本実践により、これまで自分の考えをなかなかもてない子どもも、意見文を頼りに考えをもつことができ、話合いに参加することができるようになり、自他の考えを比べながら、よりよい考えにしていこうとする子どもに変わってきている。


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「教育実践」  どの子も3歩でリズミカルに走り、記録を伸ばすことのできるハードル走
新潟市立曽根小学校
宮本 俊

  これまでの自分の実践では、技能の面では「インターバルを3歩でリズミカルに走れない」「自分の記録が伸びない」という子どもがいた。また、思考・判断の面では「より速くなるためのよい動きが分からない」という子どもがいた。
 そこで次の3つの手立てを行った。
1.ハードルの高さ(44cm・56cm)とインターバルの距離(6m・6.5m・7m)を組み合わせた6種類の多様な場の設定。
2.教師が提示した「ハードリングの大切な動き」を基に相互評価させる。
3.@自分に合った「ハードリングの大切な動き」を選択させる。A「自分なりのコツ」を見つけためのカードや発問を工夫する。
 その結果、得られた成果は次の3点である。
@50m走のタイムよりも40mハードルのタイムが速くなった子どもが77%。※差が0.5秒以内の子どもは12%。
A44cmの高さのハードルは47人(2クラス)全員が3歩で走れた。56cmの高さのハードルも70%の子どもが3歩で走れた。
B自分に合った「ハードリングの大切な動き」が分かった子どもは100%。さらに、「自分なりのコツ」を見つけた子どもは66%。

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「教育実践」  楽しく運動しながら達成感を高める体育授業の工夫 
〜マット運動の実践から〜
新潟市立東曽野木小学校
小瀬 保夫

   器械運動は,他の運動領域に比べできる,できないの差がはっきりと分かる領域である。また,技を行っている時の動きも分かりにくく,技ができたのか,どこを直せばよいのか分かりにくい運動でもある。よって,運動技能の低い児童にとっては,自分の課題が分からず,楽しさや技ができた達成感を味わえないまま授業を終えることとなる。
 そこで本実践では,次のような手立てで授業を行い,達成感を味わわせたいと考える。
@場の工夫:個人技能の習熟だけでなく,友だちと技を合わせたり,グループの友だちと一緒に技を行ったりする。
Aゴールの設定:単元の最後には,グループで演技を発表することを伝え,練習する必要感を与える。
B「見つけたよ伝言板」の設置:連続技や友だちとの組み合わせ技,ペアやグループで演技をするには,いろいろな工夫が考えられる。そこで,その練習での気づきや発見を書き込める伝言板を用意し,技のコツをみんなで共有できるようにする。
Cペア・グループ学習を行う:単元を通して,ペアやグループでの活動を取り入れ,お互いの技を見合うことで,良いところを話し合ったり,アドバイスをし合ったりし,課題解決=技能の向上を図っていく。
 さらに,達成感を検証する方法として,次の二つの方法で行う。
@単元の始めとグループ演技を終えたときにアンケートをとり,技や演技ができたときの達成感を子どもの記述から見取る。
A毎時間の学習カードの振り返りから,授業評価を行い検証する。

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「教育実践」  タスクゲームで思考力を育てるボール運動の指導
新潟市立白山小学校
小山 映

 

 本校の児童の実態は、ベースボール型ゲームは未体験の子供が多く、ルールに関する知識や経験が不足している。特に、守備の面では、ボールを複数人で追いかけたり、どこでアウトにするか混乱して動けなかったりするなど課題が多い。また、練習の段階では動けても、ゲームになると動き方が分からなくなり、動きが止まってしまうこともある。
 そこで、本研究では、子供たちの話合いや練習したことがメインゲームで生かせるように、次の2つの手立てを講じた。
1 ゲーム中に戸惑いの見られる場面におけるタスクゲームを導入した。
2 単元の前半では、[タスクゲーム@→振り返り→タスクゲームA→振り返り]のように、一時間の流れを構成し、話し合ったことがタスクゲームに生かせるようにした。
 1の手立てでは、外野にボールが飛んだ場面のタスクゲームを行った。このタスクゲームにより、確実に外野にボールを捕りに行く場面の練習ができ、チームの課題だった守備の動きに注目して、話合いをする姿が見られた。特に、センターに置かれたボールを取りに行く場合には、どのアウトゾーンに集まるのかを判断することが難しく、誰がどのように動くのかが話合いの中心となった。
 2の手立てでは、守備側の動きを改善するために、個々の役割分担に焦点を当てた。子供たちは、できるだけ早くアウトにするために、捕球、中継、ベースカバーなど、必要な役割を考え、タスクゲームの中で試していた。役割がはっきりしたことで、守備の動きがスムーズになり、特にアウトゾーンに集まる子供の動きが洗練され、前時よりも失点が少なくなる場面が増えた。
 場面を限定したタスクゲームを行わせることで、子供たちは自分のチームの課題に合った練習に重点的に取り組むことができ、守備の動きに焦点化してじっくり考えることができた。また、チームの動きを見直すための観点を示し、振り返りの場面を設定することで、話し合いながら動きを見直すことができ、スムーズな守備の動きにつながった。


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「教育実践」  運動の特性に触れさせる体育授業の工夫
〜第6学年「マット運動」の実践から〜
村上市立朝日みどり小学校
駒沢 玲子

 

 学校体育の目的は,「生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てる」ことである。しかし,最近では,「運動をする子」と「運動をしない子」の二極化が問題になっている。本学級の児童も,運動技能に個人差があり,運動嫌いな子がいる。運動嫌いを生み出す一つは,「できないことが多い」ことである。私は,運動嫌いの子にも運動の楽しさを味わわせたい。
 そのためには,一つずつ技能を身につけさせて,できる喜びに浸らせてやることが大切である。そして,できる喜びは,「もっと難しいことにも挑戦しよう。」という思いを生み出すはずである。その循環を体育授業の中に作っていく。
 そこで,次の仮説を立てて検証した。
@教える技をしぼり,一つの技を確実に習得させてから次の技の学習に入る単元構成により,技能が向上するであろう。
Aマットの大きさや設置方法を変化させるなど,児童の能力に応じた練習の場を設定することにより,技能が向上するであろう。
 実践の結果,児童に自信が生まれ楽しく運動することができ,次の技の習得にも無理なく移行することができた。また,個の実態に応じた練習の工夫は,自分の課題に気付かせ,意欲的な練習の原動力となった。そして,さらなる技能の向上につながった。


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「教育実践」  守備に重点をおくことで、作戦を立てることの大切さを実感させる体育学習
〜6年生タグラグビーにおいて〜
新発田市立米子小学校
菅 祐毅

 

 個々の運動能力は様々である。タグラグビーにおいて、運動能力の高い児童は、一人で守りをかわし、得点を取るという状態が多くある。また運動が得意ではない児童の意識は、タグを取られたくないという思いから横に逃げたり、後ろに下がってしまったり、という動きが見受けられる。そこで、守備に重点をおいて指導を行うことで、運動能力の高い児童一人では攻めることができない、またタグは取られてもいいという意識を児童に定着させたいと考えた。

 そうすることで、児童の中に「どのようにして攻めたらよいのか」という問題意識が生まれ、作戦を立てて攻めなければ、うまくいかないということに気づかせていく。作戦を立て、一人一人が活躍し、全ての児童が運動に意欲的に取り組むことをねらった。

 その手立てとして、守備を行う上での3つのポイントを示した。そのポイントにあった守備を中心としたタスクゲームを工夫して取り入れて授業を行った。
 今回の実践で児童一人一人が意欲的に動くことができるようになった。また、どのようにして攻めたらよいか、児童同士で話をする場面をいくつも見ることができた。また守備に重点をおいて指導を行うことで、運動が得意ではない児童も活躍する場が生まれる。運動能力に差があっても全ての児童が意欲的に学習を行うためには守備の指導が重要である。


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「教育実践」  動いているボールをバットで打つ技能を習得させる体育授業の工夫
〜6年「ベースボール型ゲーム」の実践を通して〜
阿賀町立三川小学校
吉井 辰成

  ベースボール型ゲームは、一定回数の攻守を規則的に交替しながら、相手チームとの得点の競い合いを課題として行うゲームである。ベースボール型ゲームのこのような特徴を踏まえ、実際に体育授業で行う場合に課題となるのが、ベースボール型ゲームの経験が少ない児童が、ルールがよく理解できなかったり経験の違いから技能が身についていなかったりし、意欲を失っていくことである。
 そこで、昨年度は、守備側が打った打者の塁に集まる形式の「フィルダーベースボール」を基本に、学習が進むにつれ守備側の集まる人数を減らしていったりボールの大きさを小さくしていったりとルールや道具を意図的に設定して行った。
 昨年度の実践から、基礎技能の向上が見られなかった点、チームのめあてが学習課題となり全体で学び場が少なかった点、楽しく活動していたが児童同士の教え合いが少なかった点が課題として残った。
 今年度は、その課題を解決するために、6年生のベースボール型ゲームの実践において次の3点に取り組んだ。
@単元を通して、打撃の基礎技能の向上を図る手立てを設定する。
A6つの打撃のポイントを関連性や順序性で2つに分類し、単元前半と単元後半の学習課題として、単元を構成する。
B教え合いや関わり合いを増やすため、トスバッティングを導入する。
観察的技能評価や形成的授業評価、診断的総括的技能評価を用いて、手立ての有効性や児童の技能の向上の度合いを検証した。検証の結果、6つの打撃のポイントを学習課題と設定し、児童の実態や課題に合わせた手立てを工夫することで、児童が意欲的に学習課題に取り組み、児童のボールを打つ技能は高まることが分かった。
【引用文献】
・「体育科教育学入門」高橋建夫 岡出美則 友添秀則 岩田靖 (大修館書店)
・「学校体育実技指導資料 第8集」 文部科学省
・「小学校における動いてるボールを打つ指導法の考察」栫井大介 光本允
・「ベースボール型ゲームでバッティングを学ぶための学習課題とその適時性」中井隆司 光本允 金森昭憲

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「教育実践」  仲間とかかわり合いながら技能を高める 「マット運動」の指導
燕市立吉田小学校
林部 雄一

 昨年度は、子ども同士のかかわりから技能向上へつなげることに主眼を置き、以下の2つの手立てを講じ、実践を行った。
@「ねらい1」で全員がスモールステップで倒立に取り組ませ、「ねらい2」では自分の挑戦したい技に取り組ませる単元構成にする。
Aステップアップボードを使用して技のできばえを評価したり、動きの教え合いをしたりする。
 倒立を中心に単元を進めたことにより、「ねらい1」では、倒立を補助し合ったり技を見合ったりすることで協力しようとする姿が見られた。単元前は、倒立で自分の体を支持できる子が少なかったが、自分の体を支持できる子が増えた。また、ステップアップボードを活用し、各技の動きのポイントや練習法を提示したことにより、友達の動きを見るポイントがより明確になり、グループでのアドバイスのし合いが活発になった
 「ねらい2」では、倒立練習で高まった逆さ感覚や腕支持などの動きが生かされる様子が見られたが、児童が挑戦する種目が6種目あり、教師が児童の動きを掌握しきれなかったために、技能の向上につなげられなかった種目があった。特に習得が難しい技については、焦点を絞っての指導が必要であった。
 今年度の実践では、昨年度の実践で生じた課題を生かし、挑戦する技を焦点化し、動きのポイントを共有し、子ども同士のかかわり合いを促し、技能の向上を目指す。

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「教育実践」  技能の向上と競争の楽しさを味わえるハードル走学習
〜スモールステップによる段階的な指導と対抗戦ゲームでの教材化を通して〜
魚沼市立小出小学校
恩田 真太郎

  陸上運動の学習では、技能を向上させることに重点をおくので、児童が自分に合った課題を決めて主体的に取り組むことが少ない。また、運動能力の差を考慮せず競争する場合が多いため、友達と競い合うことの楽しさを味わいづらい。そこで、ハードル走において、一人一人にできた喜びや競争の楽しさなどの運動特性にふれる楽しさを実感させたいと考えた。そのために、スモールステップによる段階的な練習内容の選択と、記録の伸びの得点化により全員が平等な条件で競争できる場の設定を中心に学習を進めた。その概要は以下の通りである。
@スモールステップの学習過程
 ハードル走の練習内容をカードにして、スモールステップの練習に取り組ませた。カードでは、「インターバル」「踏切・振り上げ足」「抜き足」「着地」の4つの課題について、絵を使って段階的な練習方法を提示し、意識させたいポイントを言葉で示した。
A平等な条件で全員が競争できる場の設定
 全員が同じ条件で競争でき、競争の楽しさを味わうことができるように、40m走の記録と身長をもとに、ハードル4台あたりのロスタイムの縮まりを得点化した。
さらに、基準となる個々のインターバルの長さを身長から算出し、走力や跳躍力を考慮してインターバルの伸びを得点にプラスさせた。その結果、今までできなかった課題に挑戦することで、できた喜びを味わわせることにつながると考えた。加えて、グループの合計得点で競争することで、グループ内で仲間の得点を高めようと、スモールステップのポイントの活発な教え合いがなされるように働きかけた。
こうした学習過程と場の設定により、次の成果が確認できた。
@児童は技能・記録の向上によるできた喜びを味わうことができた。
A技能の低い児童でも競争の楽しさを味わうことができた。
 そしてこの結果から、児童はハードル走の特性にふれる楽しさを味わうことができたととらえた。

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「教育実践」  小集団の学び合いから主体的に考えを練り上げ、自分の思いを語ることができる生徒の育成
新潟市立白新中学校
石川 みどり

 生徒の気になる言葉に「どうしたらいいですか?」という質問がある。この言葉の裏には、「教師の指示が分かりづらかった」、「これでよいのか自信がない」という事だけでなく、「今後自分の作品をどのように進めたらよいのか、自分で分からなくなっている」という意味がある。このような実態を踏まえ、本研究を通して、「自分の思いを効果的に表現するためにどうしたらよいか、主体的に考えを練り上げ、作品についての自分の思いを語ることができる」生徒の姿を目指した。 
 特に版画では、下絵に描いたものがそのまま出来上がっていくのではなく、「彫る」「刷る」という工程が加わるため、凹版画の経験がない生徒は出来上がりのイメージがもてず、すぐにどうしたらよいか不安になることが予想される。また、限られた時間の中、表現したい感じを出すためにどうしたらよいか試行錯誤するためには、「こうするとこのようになる」という情報や経験を得る活動を計画的に組織することが必要である。そこで、小集団で学び合いをすれば、他の生徒の作品や考え方から新しい視点を得て、自分の作品を見直すことができるため、より自分の思いに近い表現に練り直すことができるのではないかと考えた。そのための手だては、以下の3つである。
 手だて1は、〔共通事項〕を意識した学びを1年生の初めに行うことである。形や色彩から受ける感じを共有したり、気持ちを形として表したりすることで、生徒は学んだことを鑑賞や構想に生かすことができる。
 手だて2は、下絵から版画に移る前に版画の鑑賞をし、〔共通事項〕を意識した話合いをすることである。色が限定されている中、形や色彩を観点にもう一度話し合わせることで、1年生の時の学びを思い出し、「このようにすると、こんな感じがする」と、主体的に感じ取り、版の制作に生かすことができる。
 手だて3は、グループでいろいろな彫りを試し、それをお互いが共有し合うことで、学びを広めることである。それぞれの試作品を見えるようにしておくことで、より自分の思いに近いものを選びとることができるようにしていく。
 これらの手だてを通して、「どうしたらいいかわからない」という生徒が、主体的に考えを練り上げ、自分の思いを語ることができるように変容させていきたい。

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「教育実践」  意欲的に「話す」「書く」活動に取り組む生徒の育成  
〜学び合いの活動を通して〜
阿賀野市立京ヶ瀬中学校
富樫 慶

  英語を学習していく中で、自分の伝えたいことを英語で表現できること、つまり、英語で話したり書いたりできることが大切だと考える。なぜなら、英語が話せた、書けた、ということが実感できると喜びを感じ、学習意欲にもつながるからである。しかし、英語が苦手な生徒にとって、これまでの教師主導の一斉指導だけでは、受け身になってしまったり、学習内容がきちんと理解できなかったりして、これらの力を伸ばして学習意欲につなげることは難しい。
 そこで、グループでの生徒同士の学び合いを取り入れることで、英語を話す、書くことに自信をもたせ、意欲的に学習に取り組む生徒を育成したいと考えた。本研究では、1年生の自己紹介活動(実践ア)、グループでのクイズ活動(実践イ)において以下の手だてを講じ、実践を行う。
 手だて@として、個で書いたり話したりした英語を、生徒同士で相互評価やアドバイスをしたり、より良い内容になるように、グループで話合いをしたりする場面を設定する。
 手だてAとして、生徒同士での相互評価、アドバイス、話合いをもとに、自分の表現を振り返り、修正したり深化したりする場面を設定する。
 手だてBとして、修正、深化した表現を発表する場面を設定する。
 個で書いたり話したりした英語を、お互いに評価やアドバイスをしたり、話合いをしたりすることで、自分の英語を振り返り、より良い内容にすることができ、それを発表することで自信につながると考える。また、仲間に評価やアドバイスをする場面を設定することで、学習への意欲付けになり、より主体的に学習できると考える。
 実践アにおいては、ワークシートやアンケートの結果、授業の様子などから生徒が意欲的に活動に取り組む姿が多く見られたので、学び合いによる上記の手だては有効であった。
 実践イにおいては、これからの取組になるので現段階では検証にいたっていない。実践アの取組とも比較しながら検証していきたい。
 今後は、実践を重ねていき、学習意欲や表現力の向上に、より有効な学び合いのスタイルを探っていきたい。

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「教育実践」  小中連携によるローマ字を活用した文字指導単元の開発研究
南魚沼市立大和中学校
廣川 統

 

 本研究では、小学校外国語活動におけるローマ字を活用した3時間からなる文字指導単元を開発した。単元を通して、ローマ字(日本語)と英語の違いについて気付くこと、アルファベットがもつ音に慣れ親しむこと、及びローマ字の定着が目標である。

 1時間目は、ローマ字がアルファベットを使用して日本語を表していることを学習した。そして、アルファベットには名前と音があること、ローマ字が母音と子音から構成されていることを学習し、子音の発音練習を行った。2時間目は、ヘボン式ローマ字について音からその意味を学習した。そして、ローマ字では使用されない4文字のアルファベット(子音)を加え、適宜日本語の音との違いを学習した。3時間目は、日本語と英語の母音の違い、リズムの違いなどを学習し、ヘボン式で自分の名前とクラスメイトの名前を読んだり書いたりする学習を行った。

 分析には、言語に対する意識の変容などを見るアンケート、ローマ字テスト、英単語の読みテスト、英語の音を認識する力に関するテストを用いた。また、学習者及び授業参観者へのアンケートを実施し分析を行った。

 その結果、本研究で開発された文字学習単元のプログラムは、児童から好意的な反応が得られ、英語の音を認識する力の向上に一定の効果があることが示唆された。また、ローマ字の読み・書き及び英語の単語の読みにも一定の効果があることが示唆された。

 本研究の文字学習プログラムは、ローマ字の活用という点で小学校国語科との連携が、また、英語の音を認識する力を高める文字指導という点では中学校外国語科との連携の可能性が期待される。


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「教育実践」  平和実現のために実践的に行動する生徒の育成
〜地域とともに進める平和教育〜
長岡市立南中学校
元井 啓介

 

研究実践の内容

 戦後68年を経て戦争経験者の高齢化が進み、戦災体験者から学ぶ平和教育の充実が求められている。しかし、従来の平和教育では戦争の悲惨な事実を学ぶだけにとどまることが多かった。それだけでなく、平和な社会を実現するための建設的で実践的な態度を育成するために、以下の3点を指導の軸として本実践を行った。

1 意識調査アンケートを年間を通じて行い、生徒の平和に対する意識を把握しながら実践を行う

2 戦災体験者だけでなく、他地域に住む中学生、行政関係者など様々な立場の人々と意見を交流させる場を設定する

3 市民対象の発表を行うことをゴールとして設定し、相手意識のある表現活動を行うことで平和実現への手ごたえを感じさせる

 1は、「現在の日本は平和だと思うか」「人は戦争のない世界を実現できると思うか」など5項目のアンケート(回答数約130)である。「人は戦争のない世界を実現できると思うか」という項目では、学習前には「はい」と答えた生徒は54%と約半数であったが、実践終了時点では80%となった。

 2は、戦災経験者からの講話を2回行った。また戦災経験者との小グループでの座談会、修学旅行先の広島在住中学生との交流会、ハワイ在住中学生との交流会、行政関係者との意見交換会などを行った。

 3では、発表会終了後、参加者対象のアンケート(回答数423)「平和実現への希望が見えたか」において肯定的な評価が96%となった。アンケート結果を生徒自身に示すことで自分たちの活動の意義と手ごたえを感じさせることができた。

 実践を通じ、地域で行われる平和に関連するイベントに生徒が積極的に参加する姿が見られた。戦争や平和について生徒自らが考え、主体的に行動しようとする態度を育成する上で、有効な実践であったと考えられる。


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「教育実践」  「ふるさとに学び、ふるさとに発信できる総合学習の在り方」
新発田市立川東小学校
金子 亘

 1 取組主旨
 「ふるさと」辞書を引くと「生まれた土地。幼い頃育った土地」とある。
 しかし、「ふるさと」はそれだけではない。例えば、アメリカに生まれれば母国語は英語になり、食べ物はパンや肉が主になる。例えば、沖縄に生まれれば真冬でも肌寒い程度、青い海、青い空がふるさとの風景になる。
 つまり、「ふるさと」とは単に生まれ育った土地と言うことではなく、その人自身の人格形成に少なからず影響を与えるものである。私という人間はふるさとに育てられる。だからこそ「ふるさと」を学ばせたい。ふるさとを学ぶことで、私という人間の根っこであるふるさとを好きになってもらいたい。誇りをもってもらいたい。
 今回の総合学習は、上記した理由からスタートした。
 また、本実践を行うことで、探究的な活動を行うために必要な力が育ち、総合学習の目標である「自己の生き方を考えることができる」子どもに育てられるであろうという思いもある。
2 具体的な取組(単元構成)
(1)課題設定
 「生き物調査」に出かけ、ふるさとの自然にどっぷりと浸る活動を計9回行った。その結果、子どもたちは以下の三点に気付くことができた。
@ふるさとには、絶滅危惧種を含むたくさんの小さな命が存在すること。
Aふるさとには、これらの命を育む豊かな自然があること。
B豊かな自然は最高の遊び場であること。
子どもたちは、ふるさと川東の自然を体験することで、ふるさとの素晴らしさに気付き、「大好きなふるさとの自然をずっと残したい」という気持ちをもつようになった。これが、課題となる。
(2)情報収集(・生き物の実態調査  ・NPOに協力依頼)
 ところが、大好きなふるさとの自然が急速になくなりつつある。人間の暮らし優先で、他の生き物の存在を考えない工事が進行中。「大好きなふるさとの風景がなくなるかも…」、「自然は人間だけのものではないのでは?」そういう「共生」という考え方が子どもたちの中で生まれた。
 また、今ある自然は、今の世代だけのものではない、と「次の世代」のことまで考えられるようにもなった。
 さらに、佐渡へ修学旅行に行くにあたって、トキと共生するための佐渡の農業についても学んだ。「生き物を育む農法」という佐渡認証米の取組が川東でもできればいいのではないか。人間にとっても、自然やそこに暮らす生き物にとってもいいふるさとにしていくためには、佐渡のやり方が参考になるのではないか、という考えにたどり着いた。
(3)整理・分析
 学習してきたことをメリット・デメリットの視点から整理・分析を行った。メリットは、生産性・効率性のアップ。デメリットは環境破壊・二次災害の危険ということになった。 
 しかし、将来大人になる子どもの視点から見ると、デメリットの方が大きいのではないかという考えに至った。                                 
 自分たちが大人になった時、自分たちの子どもが、ふるさとの自然の中で遊べるようなそんな環境を残していきたい。子どもたちは整理・分析することで、新たな視点からふるさとを見つめることができるようになった。
(4)まとめ・表現(・多様な表現方法の選択)
 子どもたちは今までの体験を通して、たどり着いた考えをなるべく多くの人に伝えたいと思うようになった。
 そこで、プレゼンを主体としつつ、第一部「ふるさと川東の自慢」、第二部「このままでいいの?ふるさと川東」、第三部「小さな命と仲よくするために」という三部構成でまとめたものを市の環境学習発表会で発表した。より分かりやすい説明となるよう劇を取り入れたり、より思いを伝えられるよう歌を取り入れたりと工夫を凝らした。
3 今後の方向性
 内海状態だった越後平野を干拓し、豊かな土地に生まれ変わらせた新発田藩溝口公の干拓事業や、ふるさと川東の土台を築いた本間百在門のことについて学習していく。
 先人たちの苦労や願いを学ぶことで、現在のふるさとの土地改良などについて考えさせたい。
 また、修学旅行で佐渡に行ってきた。トキと共生できる農業の在り方を模索、実践している。
大好きなふるさとの自然を守るため、子どもたちの視点から大人たちに提案できるような発表内容および、方法を考え、実践していく。

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「教育実践」  科学的思考力を高めるために表現活動を重視した学習モデル
新潟市立葛塚中学校
坂井 友紀

 

 理科に対する自信や学ぶ必要性を高めるには,生徒自身が「分かる」体験を積み重ねていくことが必要であると考える。「分かる」ための手立てとして「かかわり合い」と「粒子モデル」を用いながら学習を進めていった。

 学習指導要領では、『粒子などの基本的な見方や概念を柱として内容を構成し、基本概念の一層の定着を図る』とあり、中学校の化学分野では、粒子概念を取り入れて学習することになる。2年生の「化学変化と原子・分子」3年生の「化学変化とイオン」では、まさに粒子概念が必要になってくる。しかしこの考え方に抵抗を持つ生徒は少なくない。物質が粒子で構成されていることを目できちんと確認することはできないことが、粒子概念の習得の難しさの原因になっていると考えた。

 粒子概念の獲得に有効な手立てとして「粒子モデル」がある。粒子モデルは物質の諸現象を半具体物で表すことができ、自分たちの目で確認しながら考えを深めることができる思考ツールである。粒子モデルを使いながら諸現象を説明したり理解を深めたりできる授業に取り組んだ。粒子モデルを授業で繰り返し行ったことで、生徒は書くことに対して自信をもち、自分の考えに間違いを恐れずに書くことができるようになる変容がみられた。生徒自身が自分の考えを表現する活動では、粒子モデルが有効であり、自分の考えを整理する上で欠かすことができないものであることがわかった。
 また、生徒の思いや考えを広げたり深めたりするには,書いたものをもとに「かかわり合う」活動が重要である。授業では課題の初めに自分の考えを粒子モデルを用いて表し、その考えをもとに教師と生徒や生徒同士の対話を行う活動を行った。対話をする活動の中で生徒は自分の考えを確信に変えたり、考えの矛盾に気付き考えを改めたりする姿がみられた。「かかわり合う」活動を通して、生徒自身が考えたことを粒子モデルを用いてより具体的に表現できるようになったことから科学的な思考力を高めるために有効であることがわかった。


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「教育実践」  既習事項の活用を促す工夫で、科学的な考え方の定着を図る授業
〜イオンの考え方の定着を図る活動を通して〜
五泉市立五泉中学校
庭田 雅範

 主題設定の理由
○実験・観察の結果や知識のみの理解にとどまっており、それを他の現象と関連付けて「だからこのときはこうなるのか」と現象のしくみを再認識していく科学的な考え方の経験の少なさが原因で学習内容の定着が十分ではない。
○小学校の分野目標である対比や関連付けが、いまだ十分に身に付いていない。
以上2つの背景から、いくつかの既習事項や実験結果を関連付けて現象のしくみを説明する経験によって、科学的な考え方を身に付けさせることができると考えた。そして、一度限りではなく、これらの活動を何度も繰り返すことで科学的な考え方が定着させられると考えた。
主題にせまる手立て
@既習事項を繰り返し活用し、現象のしくみを説明する場面を設定した単元構成と互いに関連性のある複数の課題提示
・イオンの考え方を習得させる前でも電気分解の実験結果からイオンの考え方の一部を自ら気づくことができる。
・イオンの考え方を用いると電流が流れるしくみを説明することができ、その良さを実感することができる。
・新しく獲得したイオンの考え方(既習事項)を繰り返し活用し、科学的な考え方を身につけることができる。
A既習事項と課題を対比させることで、共通点を見いだしやすいワークシートの作成
・塩化銅を水に溶かすと電流が流れるしくみの説明と対比させることで共通点が見出しやすいようにし、他の水溶液でも電流が流れるしくみを説明できるようにワークシートの形式を工夫する。
成果
『手だて@ 既習事項を繰り返し活用し、現象のしくみを説明する場面を設定した単元構成と互いに関連性のある複数の課題提示』は有効であった。
・イオンの考え方を習う前でもイオンの考え方の一部を生徒は自ら導き出すことができた。
・イオンの考え方を用いて、塩化銅を水に溶かすと電流が流れるしくみをモデルや文字で正しく表現し、導線内に電流が流れると結論づけることに大きく近づいた。
・他の水溶液で同じような思考のパターンを3回繰り返させることで、生徒のワークシートの記述に成長が見られた。
『手だてA 既習事項と課題を対比させることで共通点を見いだしやすいワークシートの作成』
・生徒全員のワークシートの記述からイオンの考え方である6項目の既習事項すべての項目において、図や文字を用いた記述が85%以上あった。

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「教育実践」  既習事項を基に、実生活での活用を目指した指導の工夫
〜天気とその変化、気象予報の実践より〜
長岡市立青葉台中学校
古川 俊輔

 平成24年度実施の全国学力・学習状況調査の中学校「理科」の結果より、「活用」に課題があることが明らかになった。中学校理科3(3)の正答率は、全国では11.3%、本校は12.8%であった。本設問では、他者の考察を検討し、根拠を示して改善した考察を説明することが求められる。既習事項を理解した上で、他者の考察を検討し、自らの考えを改善していくことに課題がある。そこで、B区分「天気とその変化」において、既習事項を基に科学的根拠を明らかにしながら、天気の予報について考察を行う。自らの考えや、他者の考えについて、科学的な知識や概念と天気図の変化などの結果を根拠に、その妥当性などを検討する。この活動を通して、多面的、総合的に思考させ、自らの考えや他者の考えを改善する学習活動を導入し、科学的な思考力や表現力を育成する。
 天気の学習は、実生活との結び付きが強い内容である。しかし、実際には、生徒は何気なく天気の予想を行っており、科学的に考えることには関心が低い。そこで、生徒にとって特に関心の高い行事について、天気の予想を行い、互いの考察を検討し合った。活動を通して、その原因について考えを深めるとともに、主体的に天気に対して備えるようにもなり、実生活に生かす姿が見られた。
【実践の実際】
○習得を図る手立て(1年次)
@気象観測の実施:1週間継続しての気象観測(天気・気温・湿度・気圧・雲量について観測)
A天気図の立体モデルの作成
BIT機器の活用
○活用を図る手立て(2年次)
・春:市内大会 梅雨:通信陸上大会 夏:体育祭 それぞれの天気について予報・考察
・天気・気温・風向それぞれについて、科学的根拠を基に互いの考察の検討

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「教育実践」  目的意識をもたせ、科学的思考力を高める指導の工夫
長岡市立東中学校
石田 幸弥

  日常生活に即したり、解決したいと思ったりするような課題を提示することで、生徒は目的意識を高めて実験観察を行うと考えた。また、この目的意識は、課題解決のための実験計画を練り上げる場面や、結果を分析・解釈する過程で、生徒の探究心を深く持続させる。このことにより、実感を伴った理解が可能となり、科学的な思考力が向上するのではないかと考え、本研究を行った。
 目的意識をもたせる手立てとして、次の4つを行う。
@生徒のレディネスを把握する。
AICT機器を利用した視覚的なアプローチを行う。
B手で触れることのできる実物教材を使用する。
C日常生活に即したり、解決したいと思ったりするような課題を提示する。
 科学的思考力を高める手立てとして、次の3つを行う。
@ワークシートの実験計画を、言葉だけでなく図や絵で表現するよう書き方の指導を行う。
A見本となる生徒の記述や図などワークシートの内容をスキャンして画像資料にし、タブレット端末とプロジェクターで映し、全体に紹介しながら称賛する場面を取り入れる。
B発表が苦手な生徒が自信をもって発表できるよう、説明文の型を示し、予想や実験結果を穴埋め形式に記入できる発表原稿カードを使用する。
 実践として第一学年、変動する大地の単元で研究を行った。ICT機器を活用し、マグマが噴火口から吹き出ている映像を示した後、「火山の形は何によって決まるか?」という課題を全体課題として提示した。ワークシートをB4サイズにし、課題、予想、指定された器具を使用した実験計画、実験結果、考察、まとめを一枚にまとめ、図や絵で考えを書くように支援した。授業では、予想の段階で10班ある班のうち、6班がマグマの粘性によって火山の形が決まると予想した。実験装置は、袋の中に小麦粉と水の混合液体でつくったマグマモデルを入れ、袋の口を板に固定し、手で混合液体を袋の上から押し出すことで、マグマが噴火したモデルを表現した。水の量を調節することでマグマモデルの粘性が変わることを利用し、マグマの粘性が大きければ溶岩ドーム型の火山ができ、粘性が小さければ楯状火山型の火山ができるということを考察することができた。また、発表原稿カードを用いて実験結果と考察を発表したことで、論理的な発表を行うことができ、生徒は耳を傾けて内容を聞いていた。実践の次時では、生徒のワークシートをスキャンして画像化したものを、全体に紹介して称賛した。
 今後は、第二学年「電流とそのはたらき」、第三学年「運動とエネルギー」の実践を通し、生徒の発言や記述、変容をとらえることでどのように科学的思考力が高まっていったのかを検証する。更に実践を繰り返し、より効果的な指導方法を追究していく。

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「教育実践」  科学的な言語を用いた伝え合う活動による粒子概念の獲得の工夫
長岡市立南中学校
倉町 宏治

 

 これまでの授業を振り返ると、原子・分子などの粒子概念は実感を伴って理解することが難しいため、分かりにくいと感じている生徒が多かった。その原因として、実験結果などの具体的な事象を基にしても、それについて抽象的科学的概念である粒子で解釈することに難しさがあることが挙げられる。つまり、生徒は、具体的な事象について科学言語を用いて解釈することに難しさを感じているといえる。しかし、それ以上に粒子概念の有用性を実感しにくい授業を展開してきていることも一因と考える。例えば、実験方法や使用する薬品を教師が準備・説明し、求めた結果を基に粒子についての説明を教師が行って理解させていくような授業が多かった。
 そこで、生徒が予想を立て、その予想を確かめる実験方法を考える授業の展開を考えた。それぞれの実験結果からの考察を集約し、科学的な言語を用いて解釈し伝え合う場を設定する。その過程で、粒子概念は実験結果を説明したり、他の意見を思考する際に必要となってくることが実感できると考えた。具体的に操作できる科学的なモデルとして粒子モデルを用いるなど、科学言語を用いて伝え合う活動を取り入れることによって、粒子概念を学習する有用性を実感し、生徒自身の手で具体的な事象と抽象的な概念をつなげることにより、これまでより効果的に粒子概念が獲得できるのではないかと考えて実践を行った。


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「教育実践」  粒子概念を定着させるための指導の工夫
魚沼市立小出中学校
北村 弘行

  中学2年生で指導する「化学変化と原子・分子」の単元は、生徒にとって初めて物質を粒子としてみる単元であり、単元を学習した後に、化学反応式を正しく書けず苦手とする生徒が多かった。また、現象の理由を説明できない生徒や考察場面で意見交流を意欲的に行えない生徒も多かった。これは、知識として形式的に伝えるだけの指導になっていたこと、考えを周りと交流させる場面が少なかったこと、過去の学習内容を活用する場面が不足していたことに問題があると考えた。
 そこで、目に見える物質の性質や反応を、目に見えない原子や分子の概念を用いて考察させることで、化学変化をより深く理解できるよう試みた。
 具体的には、まず、目に見えない原子・分子のふるまいを想像しやすくするために原子カードや粒子モデルを活用した。化学反応式の書き方の学習以外に、実験の予想、考察場面においても原子カードを用いて考えさせた。化学反応式の学習の際には、班ごとに紙粘土で作った粒子モデルで様々な反応式を作成した。その結果、多くの生徒が化学反応式を書く時のきまりを理解して正しく浮ケた。質量保存の法則が成り立つ理由も多くの生徒が説明できた。
 次に、過去の学習内容の活用や仲間との協力を必要とする探求的な学習活動を設定した。その結果、過去の学習内容を仲間と振り返りながら、明確な根拠をもって卵zしたり、考察できた生徒が多かった。自力ではできないことに気付き、必然的に仲間と協力しようとする姿もたくさん見られた。
 そして、個人の考えを共有し、練りあげるために班ごとにホワイトシートを活用した。その結果、書いたり消したりしながら考えを整理したり、より分かりやすい表現にまとめ直したりするなど、仲間と意欲的に意見交流をしながら、より鋭い考察を行うことができた。
 このような手立てを講じることで、粒子概念を定着させるための授業へと改善することができた。

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「教育実践」  科学的な根拠を示しながら自分の考えを表現する生徒の育成
〜根拠の分類と話型を用いた指導を通して〜
十日町市立南中学校
平野 雄介

 OECDのPISA調査において、思考力・判断力・表現力等を問う読解力や記述式問題、知識・技能を活用する問題に課題があることが明らかになっている。また、科学的な思考力、表現力の育成を図るためには、観察・実験の結果を分析して解釈する能力や、導き出した自らの考えを表現する能力の育成が重要である。教科の特性から、レポート作成、仮説・考察の発表時にそれらの能力を育てることができる。問題解決場面で、根拠を示しながら自分の考えを表現することが必須だからである。根拠を示しながら自分の考えを表現することは、事物・現象を分析、解釈して他者に伝えることであり、日常的な積み重ねにより育成される能力である。また、これまでの授業を振り返ると、観察・実験で得られた事実を客観的にとらえ、科学的な知識や概念を用いて合理的に判断し、それらを活用するまでは到っていない。これは、根拠に基づいて意思決定する経験が不足しているためと考えられる。
 そこで、根拠を示しながら自分の考えを表現することを繰り返し経験させる。問題解決場面で使用する根拠を『データに基づく根拠』『既習した知識や体験による根拠』『たとえ話や仮説に基づいた根拠』『友達の考えに基づいた根拠』の4つに分類する。自分の考えを表現する際には、どの根拠にあてはまるのかを選択させる。このことで、事物・現象に対して、どの生徒も根拠をもつことができた。さらに、根拠を含んだ話型を用いて、表現する活動を充実させた。多くの根拠を考えることができるようになり、発表や説明する活動が充実した。また、根拠を示しながら他者と意見交流をすることで、仲間と共に自分の考え方の変容を実感することができるようになった。
 これらの経験を繰り返し行うことで、理科の目標である科学的な見方や考え方を養うことにつながり、事物・現象から科学的な根拠を見つけ出すことができる生徒が増える。

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「教育実践」  音を可視化することで管楽器の音の出る仕組みを探究する学習
〜中学校第1学年「音の性質」の実践〜
新潟市立女池小学校
澤栗 賢一

  中学校学習指導要領解説理科編には,ものづくりは「科学的な原理や法則について実感を伴った理解を促すものとして効果的であり,学習内容と日常生活や社会との関連を図る上でも有効である。」とされ「楽器などのものづくりを取り入れ,原理や仕組みの理解を深めさせる。」と示されている。管楽器は身近で,生徒にとって慣れ親しんだ存在であるため,ものづくりの学習と日常生活をつなげる効果が期待できる。しかし,中学校では,管楽器の音の出る仕組みの学習はしない。現在のように,管楽器の音の出る仕組みを学習せずにものづくりのみを行うのであれば,それは単に興味・関心を高めるための工作に終わり,活動の意味が薄れてしまう懸念がある。ものづくりを通して,科学の有用性や学習の身近さを実感させるために,管楽器の音の出る仕組みを扱うことが必要だと考えた。
 本研究の目的は,中学校の理科の音の単元において,生活と結び付きやすい管楽器のものづくりを行う。ものづくりから,管楽器の科学的な原理や法則の理解を促すために,教材および授業デザインを検討し,授業の効果を検証する。なお,一般的にものづくりは,単元の導入の意欲付けや,既習事項の活用の場面で行われる。本研究のものづくりは,管楽器の音の出る仕組みの理解という発展的な学習として位置付ける。
 管楽器の音が出る仕組みである気柱共鳴を指導するために,気柱管の定在波を可視化するクントの実験を取り入れた。クントの実験は管の中の発泡ビーズの動く様子で,空気の振動する様子が分かる。また,クントの実験はピストンで気柱管の長さを変えたり,コンピュータソフトで複数の周波数の混じった音を出したりできるようにした。
 授業は,空き缶トロンボーンを作成し鳴らすことで,音の響きや高さの特徴を体験から捉えさせた。そして,「音が響くのはなぜか。」「管の長さを変えると音の高さが変わるのはなぜか。」「マウスピースの『ブー』の音がいろいろな音に変わるのはなぜか。」の3点を課題とした。課題を解決するために,クントの実験を行い,空き缶トロンボーンの音の出る仕組みを考えた。
 評価は,授業に関する意識調査(4件法),クントの実験及び空き缶トロンボーンの理解調査(記述)で行った。また,ワークシートの記述,会話記録の分析を行った。
 授業に関する意識調査(関心・意欲,日常への発展,学習理解)の平均点は3.4点であった。また,授業後の感想に「空気のふるえる様子が実際に目の前で見れて実験がおもしろかった。」「他の楽器のしくみも調べてみたい。」といった記述が見られた。クントの実験を取り入れた授業は,生徒の興味・関心を高め,日常生活との関連を高めることができたと考える。
 クントの実験の理解(共鳴,管の長さと音程,複数の周波数の混在)の平均正答率は80%であった。音の出る仕組みを考えている場面では,教師の「(空き缶の)音がなぜ響く。中がどうなっていると思う。」の発問に対して「空き缶の中も同じ。」「クントの実験と同じで,クントの山ができると思う。」「管の長さが合うと響く。」といった生徒の発話があった。また,生徒のワークシートに,クントの実験を基にした気柱共鳴をイメージする図や「スピーカーから出た音の波がピストンに跳ね返ってきた音の波と重なると共鳴する。」といった記述が見られた。クントの実験は,気柱管の長さを変えたり,複数の周波数の混じった音を出したりすることで管の長さと共鳴,管の長さと音程について実感を伴った理解を促すものとして効果があったと考える。一方で,「複数の周波数の混在」の正答率は70%と低いことが課題である。教材の共鳴音がはっきり聞き取れる工夫と共に,その現象が起こる理由を生徒同士で議論する場面を設定することが大切だと考える。
 空き缶トロンボーンの理解(管の長さと音程,マウスピース,空き缶トロンボーンとクントの実験の対応)の平均正答率は70%であった。「管の長さと音程」の正答率は87%と高く,ものづくりで管の長さと音程を体験から理解したことが,クントの実験の理解を促進させたと考える。一方で,「空き缶トロンボーンとクントの実験の対応」の正答率は59%と低かった。生徒の関心を高めるために,授業の導入で,本物のトロンボーンを演奏させた。しかし,これによって,開管と閉管の管楽器が混在してしまった。難易度の高い活動であるため,同じ条件の楽器を提示する必要があると考える。
【参考文献】
笹川民雄:「クントの実験における粒子の運動」,物理教育 ,Vol.57,No3,pp.201-208,2009.
上野佳奈子:「クントの実験による定在波の可視化」,日本音響学会誌,Vol.63,No2,p.116,2007.
勝野孝・川上紳一:「音を視覚的に捉えるクントの実験装置の開発と中学校理科第1学年「身近な物理現象」における活用」,岐阜大学教育学部研究報告.自然科学,Vol.35, pp.87-92, 2011.

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「教育実践」  関係付けながら調べる理科学習の工夫
〜第4学年『水の3つのすがた』より〜
佐渡市立沢根小学校
大蔵 武彦

 

 本単元は,水の状態変化を温度変化と関係付けながらとらえさせることがねらいである。しかし,これまでの私の実践では,「水は100℃で沸騰して水蒸気に変化する。」という関係付けで終わっていたため,沸騰実験の最中にフラスコの底から出てくるあわが水蒸気であることや,水蒸気が冷やされて湯気になることを十分に説明することができなかった。この要因は,「水←→水蒸気」の状態変化を温度変化と関係付け,意識させながら考えさせる手だを講じてこなかったことにある。

 そこで私は,水の状態変化を『水モデル』で表すだけでなく,水を100℃にする熱量を『熱モデル』として与え,水の状態変化と熱量の変化を2種類のモデルを使って考えさせた。

 熱量を表す赤色マグネットの提示により,水の状態変化と温度変化を関係付けた事象解釈をさせることができた。さらに,水の状態変化について,熱量の働きをイメージさせることができた。また,モデルは,可視化や操作性に優れつつ,統一された表現のため,互いの考えを比較しやすい。そのため,お互いの考えの比較・検討を通してより妥当なモデル表現や事象の説明へと高めることができた。
 モデル操作と言語を結び付けて文章化する場面の設定では,モデル操作そのものを文章化させるのではなく,科学的な言語に置き換えて説明させることで,事象理解をより確かにさせることができた。


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「教育実践」  科学的な思考力・表現力を高めるための指導の工夫
〜共通の表現方法によるモデル図を活用した指導〜
田上町立羽生田小学校
本田 勇輝

  これまで理科の「もののとけ方」や「電流のはたらき」等、目に見えない世界を扱う単元では、子どもたちに自由にイメージをさせて図を用いて予想を立てたり実験結果をまとめたりする活動を取り入れてきた。しかし、予想や考察をグループやクラス全体で交流する際、図の表現方法が多様になってしまい、互いのイメージ図を理解することが難しく、互いの考えを深めることが難しかった。
 そこで、子どもたちが考えたイメージ図をもとに、共通の表現方法によるモデル図を用いることで、自分の考えをよりよく表現し、互いに交流し合うことができ、科学的な思考力や表現力を高めるのではないかと考えた。5年生の「もののとけかた」の単元で実践を進めた。
 第一実践では、子どもたちのイメージ図からクラス共通の図(モデル図)へ表現方法を統一して予想や考察を考えさせる活動を行った。クラス統一の図を用いることで自分なりの予想を表現できるようになった。しかし、子どもたちのイメージ図から作り上げたために単元を通して図を活用することが難しかった。また、「考察」を図を用いて表現することができない児童が見られた。ものが溶ける様子と図を結び付けて考えることできない。そこで、きちんとモデル図を子どもたちが理解し、使いこなせるようにする手立てが必要だと考えた。
 第二実践では、初めに表現の方法を教師側から提示して学習を進めた。単元を通して用いることができる図にしたため、予想を立てる場面、実験結果から考察を考える場面で子どもたちは図を用いて表現できるようになってきた。また、単元の初め「食塩やミョウバンが水に溶ける量に限度があるか」の学習では、実験でものを溶かしていく過程に沿って図に描く活動を取り入れた。
 表現方法を統一したモデル図を描かせることで、子どもたちに「見えない世界」についてしっかりと考えさせ、自分の考えを表現させることができた。さらに、以前より互いの考えを交流ができるようになった。

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「教育実践」  「ならば文」による命題化を通した,数学的活用力を伸ばす指導法の工夫
新潟市立下山中学校
竹内 仁

 「全国学力調査B問題を解答できる力を伸ばしたい」という思いから本研究を始めた。全国学力調査のB問題では,数学的活用力が問われる。つまり,実生活などの様々な場面において,数学を活用する力である。数学的活用力を伸ばすためには,
@その状況(問題や文脈)の正確な理解,
A規則性や原理・定理などの発見的な学習と,それを検証する経験,
が必要である。
 既習の内容を使い新たな法則を発見する経験を繰り返しすることによって,既習事項を活用する力や,新たな法則を発見する手順を身につけることができると考えた。
 数学的活用力を育成する手段として,「ならば文」を用いた。「○○ならば○○である」という『ならば』を使った文は,課題の前提条件・仮定・結論を明確にする。実生活の場面では『ならば』が使われた表現はほとんどないが,解決すべき状況や問題を,意図的にならば文で表す(命題化する)ことによって,仮定や結論がはっきりし,生徒の理解が明確になる。また,命題化することにより条件変更が容易になる。条件を変えて新たな課題を作り,その結論を予想することや検証することを通して,発見的な学習の経験を多く積むことができると考えた。
 本研究では論証問題を中心に,@ならば文による問題のとらえ直し,A仮定を一部変更した新たな課題を提示,B新たな結論を見いだす活動と,その結論が成り立つ理由を考え伝える活動,の流れで実践をした。条件変更によって現れる新たな結論を,自分の力で見いだせた生徒は約1/4程度であった。しかし,他に伝わる発表を意識して伝え合い活動を行うことにより,ほとんどの生徒が新たな結論を理解した。同時に,生徒が他に分かりやすい表現をしようと試行錯誤する姿も多く見られた。
 本実践の後,今年度の全国学力調査「数学B」における論証問題では,若干ではあるが,正答率が上昇し,無答率が減少した。

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「教育実践」  「数量関係」から「関数」への接続に関する考察
〜 中学1年 関数概念の指導の在り方について 〜
小千谷市立小千谷中学校
中澤 徹也

  小学校の算数では,第4学年から「数量関係」の学習がはじまる。このとき小学校では,二つの数量の関係を「一方が増えれば,もう一方も増える」,「一方が増えれば,もう一方は減る」というように共変関係を捉えることに力点をおいて,変化の特徴を読み取っている。ところが中学校になると,領域名が「関数」に変わる。そして,伴って変わる二つの数量については,「xの値を決めると,yの値も決まる」という対応関係を捉えることに力点が移り,関数が定義される。「xを決めると,yがただ1つ決まる」という関数の意味を理解し,小学校で学習した比例や反比例を関数の仲間と捉え直したり,関数関係を表現・考察の対象とすることを認知したりする。このようなギャップのある場面において,教師は授業でどのような指導を講じると,態度変更がスムーズにいくのか。本研究では、この態度変更に焦点を当てた。
 まずは態度変更によって生徒に身に付けさせたい力を次の4つにまとめた。
<関数の導入場面で生徒に身に付けさせたい関数概念の形成に関わる力>
ア 事象の中の2変量x,yを選択・抽出し,その順序性を捉えることができる。
イ xに具体的な数を当てはめて,対応するyの値を確認することができる。
ウ 関数の意味を理解しており,x−yの対応関係が関数かどうかを判断することができる。
エ 関数の変化や対応を対応表で分析し,解析の対象となるルールを発見しようとする。
そして,これらを育成するための手立てを3つ考え,中学1年「比例・反比例の導入」の場面で2時間扱いの授業を構想し,実践した。
手立て1
 日常的かつ操作的な活動によって起こる事象から2変量を抽出し,対応表を用いて考察する ナラバ ア,イの技能が高まる ダロウ
手立て2
 yはxの関数である対応関係と関数ではない対応関係(「not関数」とよぶ)を図式化し,関数関係の特徴を顕在化する ナラバ ウの判断力が高まる ダロウ
手立て3
 比例や反比例でない事象で,変化や対応に数学的ルールが潜在している事象を考察対象とする ナラバ エの態度が強化される ダロウ
 これらの有効性について,量的研究として生徒の評価問題の結果を分析し,質的研究として映像などによる授業記録や生徒の発話プロトコルに基づく,授業リフレクションを行った。
 その結果,本実践の対象クラスと非対象クラスでは,評価問題の正答率に大きな開きが認められるなど,手立て1と手立て2についてはその有効性が認められ,手立て3については改善の余地が認められた。
【参考文献】
学びの数学と数学の学び」金子忠雄 監修 井口浩 小田暢雄 風間寛司 星野将直 宮宏之 神林信之 明治図書 2002
「教えたくなる数学 学びたくなる数学」神林信之 風間寛司 星野将直 井口浩 小嶋修 渡部智和 考古堂 2012

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「教育実践」  友達とかかわりながら、自分の考えを深めていく算数授業の在り方
〜「ふきだし法」を活用して〜
新潟市立横越小学校
佐藤 努

  私は、算数科において『考えを深める』ことの具体を、「多様なやり方で課題解決ができる」、「自分の考えを分かりやすく説明できる」の二つであると捉えている。しかし、担任している子どもたちを見ると、答えの正誤に強く意識が向いてしまい、考え方を吟味するところまで意識が向かない子が多い。これでは、考えを深めることができない。また、新学習指導要領の中には、『見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てる』とある。明確な自分の考えをもち、それを図や表や式、言葉等で表現しながら友達とかかわることを通して、考えを深めることができるようにしたい。
 そこで、本研究では、「子どもが、『ふきだし』をもとにしながら自分の考えを明確にもち、考えを出し合って多様なやり方で課題解決をさせれば、自分の考えを深める子どもを育てることができる」を研究仮説とし、次の二つの手立てを中心に実践を行った。
@見通しを共有する「ふきだし法」
 個人解決に入る前に、やり方の見通しをふきだしの形で記述させ、共有化を図る。
Aかかわりの手助けとなる「ホワイトボードの活用」
 一人一人の考えをホワイトボードに書かせ、それをもとに考え方を吟味する。
 過去2年間の授業実践から、少しずつではあるが、子どもの変容がノートの記述から見られるようになってきた。3年目の今年度も7月に授業研究を行い、さらなる子どもの変容を探っている。
【参考文献】
「算数科 言語力・表現力を育てる ふきだし法の実践」亀岡正睦   明治図書 2009

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「教育実践」  図や表と関連付けて筋道立てて説明できる子どもの育成
新潟市立東中野山小学校
内山 大樹

  学習指導要領改訂で,「筋道を立てて考え,表現する能力を育てる…」と,算数科の目標に表現力が加わった。言葉や式・図・表を用いて,自分の考えを分かりやすく表現する力であり,他教科の学習,さらに生活場面にも活用できる力である。
 しかし,私のこれまでの指導では,式と答えのみを書くだけで上手く説明できない児童や,図や表を式と関連付けて表現できない児童が多かった。
 そこで,図を使って考えたり表現したりする「体積」の学習,図や表をもとに式を考える「高さくらべ」の学習で,自分の考えを説明したり,友達の考えを図や式と関連付けて考えたりする活動をすることで,式・図・言葉を関連付けて表現する力を育むことができるのではないかと考え,研究を進めることにした。
「体積」の単元では,次の過程で授業を進めた。
@既習内容を想起させ,見通しをもたせる
A自力解決させる
Bどのように考えたのか,ノートの図や表に矢印や言葉を書き込ませる
C友達のノートを見て,どのように考えたのかグループで説明させる
D考えを全体で交流させる
 その中で,特に重視したのが「C友達のノートを見て,どのように考えたのかグループで説明させる」活動である。「体積」の複合図形の学習では,矢印・言葉・補助線を図に入れて表現された友達の考えを,式と関連付けてもう一度説明させた。矢印や補助線を見て説明できた児童もいる一方,説明できず活動を終えた児童もいた。グループ内で順番に説明する,グループで考えを一つ選ぶ,その考えをワークシートにまとめ直す等,指示した活動の内容が多すぎて,児童が混乱していた。特に,複合図形の学習では様々な考え方が生まれるので,やるべき活動を絞る必要を感じた。
 そこで,9月に行う「高さくらべ」の学習では,問題場面を読み,用意した選択肢の中から適切な図を選ばせる。なぜその図を選んだのか説明させる中で,図に矢印・言葉を書き込ませていき,表現力を高めていきたい。
 自分の考えを式・図・言葉を関連付けて表現したり,友達の考えを図や式だけを見て説明できたりする児童が増えたことを成果として挙げられるよう,9月の実践に臨む。

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「教育実践」  学ぶ意欲を高める指導法の工夫
 〜「帰納的な考え方」を育てる授業を通して〜
新発田市立東豊小学校
伊藤 孝希

 

 平成25年度全国学力・学習状況調査【都道府県別】調査資料において、「算数の勉強は好きですか」という質問に、「当てはまる」と答えた新潟県の児童は33.9%と、全国より3%下回った。また、「算数の授業で新しい問題に出合ったとき、それを解いてみたいと思いますか」という質問に「当てはまる」と答えた児童は49.4%とこれも全国を3.6%下回った。新潟県の児童における算数を学ぶ意欲の低さが心配される結果となった。

 また、「算数の勉強は好きですか」と自校の子どもたちに聞いたところ、34.5%の児童が「好き」、13.8%の児童が「好きではない」と答えた。新潟県全体と同じような状況が見られた。その理由を聞いてみると、好きではない子は「いろいろな方法があって頭がこんがらがる」「頭がごちゃごちゃして意味が分からなくなる」と答えていた。これに対して,好きな子は「発見することが好き」「きまりを見つけると、もっと見つけたいと思う」と答えている。

 この結果から、算数を学ぶ際に、きまりを発見するなどの数学的な考え方に着目して学習のあり方を見直すことで、算数を学ぶ意欲を高めることにつながるのではないかと考えた。数学的な考え方には様々なものがあるが、本研究では「帰納的な考え方」に焦点づけた授業実践により、その有効性を児童の様子から検証することとした。なぜなら、帰納的な考え方は「きまりをみつけることのたのしさ」や「きまりを使うことのよさ」を味わうことができるからだ。

 そこで本研究では、帰納的な考え方を育て、学ぶ意欲を高めるために、「分数×分数」、「分数÷分数」の発展課題において「問いが生まれる課題の提示」と「帰納的な考え方を育てる発問」を行う。考えてみたい・解いてみたいという意欲を高めるために必要なことは、子どもたちに「問い」をもたせることである。「どうしてだろう。」「何か決まりがありそうだ。」という「問い」が生まれる課題を提示することで、子どもたちの意欲を高めていく。そして、「次はどんな式がここにくるかな?」「どうやって式を考えたの?」「どうやってそのきまりに気付いたの?」「他の式でもできるかな?」という発問をし、「きまりをみつけることのたのしさ」や「きまりを使うことのよさ」を味わえるようにする。そのことが「帰納的な考え方を育てることにつながり、学ぶ意欲を高めること」に有効であったかを検証する。

【参考文献】

「数学的な考え方の具体化」片桐重男 明治図書 1988

「算数研究で授業が学校が変わる −授業改革から学校改革へ」田中博史 新潟市立浜浦小学校 東洋館出版社 2010

「「数学的な考え方」を育てる授業」 盛山隆雄 東洋館出版社 2013


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「教育実践」  根拠をもって考える子どもを育てる算数指導
五泉市立村松小学校
熊倉 祐之

 

「根拠をもって考える」とは,既習の見方や考え方を活用して問題を解決する際に,子どもが理由となる根拠をあげ,判断したことを説明していくことである。

 例えば,計算では,公式に数値を当てはめ機械的な操作で答えを求めるだけでなく,なぜそのやり方なのか,またその過程の意味を説明できることである。文章問題であれば,立式した際に前に学習したことをつなげたり組み合わせたりしながら友だちに納得のいく説明ができる姿である。

 このようなことから,どうしてこうなるのか・どうやって考えようかという態度を身につけさせていくために次の2つのことを中心に指導を行った。

@友だちの考えを解釈する場の設定

 一人一人に学びを保障し,箔ョ的に取り組むためにも,問題解決過程における検討場面では全体の場の話合いだけでなく,ペアやグループで友だちの考えを解釈する場を設ける。考えの正誤にかかわらず,友だちの考えを解釈することは自分の考えと比較したり新たな気付きを生んだりすることにつながるからである。

A絵図や線分図等を使った説明
 立式し答えを導き出すために線分図や対応数直線,テープ図や表などの算数的活動を取り入れ,自分の考えの根拠をもたせるとともに文章や音声言語で阜サできるようにしていくことが大切である。そのためには,答えを導き出す過程において自分の考えの阜サ方法として子どもがそれらを扱えるようにしておかなければならない。絵図に描き浮楾ことで視覚化され,問題の意味が分かりやすくなり,理解の助けになると考える。具体的な場面を浮キ際には,できるだけ簡単に浮キようにすることが大切である。


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「教育実践」  話合い活動で筋道立てて考える力を育む算数指導
三条市立条南小学校
元川 一典

 

 限られた時間の中で、効率よく学習を進めようとするあまり、公式や計算の仕方(筆算のアルゴリズムなど)を教え込み、問題を演習することで、習熟を図るといった技能の獲得のみに重きが置かれがちである。その結果子どもたちには、「やらされている感」が強く残り、達成感や成就感が得られることは少ない。そこには、「どうして」「なぜ」といった疑問が生まれる余地もなく、解法の意味がよく理解されないまま漠然と繰り返し暗記することで学習しているという誤った認識がある。そのような学習には限界があり、確かな学力の定着からかけ離れていくばかりである。

 算数科は、「筋道を立てて考え、表現する迫ヘを育むこと」を目標としている。考える力と表現する力は互いに補完し合う関係である。そこで、筋道を立てて考える力を育むために、既習事項を生かし目的意識をもって積極的に関わり合う話合い活動を取り入れたいと考えた。

 本実践では、4学年の「小数のかけ算・わり算」と「式と計算」の単元で行った。

 話合い活動をただ形式的に取り入れるのではなく、「自ら作問する」ことで意欲付けを図り、その上で行っている。さらに、計算の仕方や考え方を他者に説明する際に「ホワイトボード」を用いている。簡単に書いたり消したりすることができるペンで、気軽に絵や図をかき込み、考えを分かりやすく伝えることができる。また、論理言語や接続語を用いることで、考えをすっきりと整理して説明することができる。

 このような活動を単元の指導計画に位置付けていくことにより、主体的に話合いに参加し、筋道を立てて考える力が身に付いていくことが期待できる。そして確かな学力の定着につながっていく。


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「教育実践」  子どもが問いをもち,考えを深め合う授業
三条市立栄中学校
関 拓也

 本研究内容は,平成24年度に行った中学3年生社会科実践を基にしている。また,これまで既に幾つかの社会科の研究会等で発表している内容も含むものである。
 本研究テーマは,社会科教育において普遍的な価値をもっており,このテーマに迫るために,私は次の2点を大切にしたいと考えた。1つ目は「問題解決の過程を通して,追求の柱となる『問い』を創り出すこと」。2つ目は「子どもが考えを深め合う手だてを,仕掛けること」である。これらの方策を支えるものは,「単元づくり」であり、単元構成こそ、研究テーマの命と考えている。
 これらを踏まえ,以下の3点の手だてを意識した授業実践を2つ試みた。
(2012年実践 公民「現代社会単元」と公民「経済単元」)
@生徒の日常にある社会的事象を切り口として,内在する問題の意識化を図る
A立場の異なる者同士の意見交流の場面を設定する
B小集団での意見を学級全体で共有し,再び個へと返す学びの流れを設定する
 検証の方法として,学級集団の特徴を示す代表的な生徒(抽出生)を2,3名設定した。他とのかかわりの中で意見を深める(変容させる,広げる等)ことができたかどうか,生徒達の記述内容や学級全体の数値の変化など授業記録から検証した。ただ,新たな課題もいくつか生まれた。生徒が問題解決的な学習を通して得られる「達成感・楽しさ」と「学習内容の理解・定着」との関連性であり、この関連性が時間軸の中でどのように子どもたちの変容に影響を与えて行くか、日々の授業の中で,さらに追求していきたいと考えている。

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「教育実践」  地図を有効に活用して、地域的特色を明らかにする生徒の育成
〜思考力・判断力・表現力を育成する一つの活動として〜
長岡市立江陽中学校
高橋 信之

 新学習指導要領の社会科改訂のポイントに「思考力・判断力・表現力の育成を重視すること」があげられる。その達成には、社会的事象や問題を「知る」(資料活用の技煤j活動とともに「わかる」(思考力)ことと「社会に生きる」(判断力)ための問題を解決していく活動、そして解決した情報を発信していく(表現力)活動が必要である。

 そこで、「思考力・判断力・表現力」を育む一つの活動として、様々な地図から地理的事象を読み取り、それを比較したり関連付けたりする、すなわち地図を有効に活用することで、世界の諸地域の地域的特色を理解することに重点を置きたい。

 地図は、問題意識のもとに選択された地理情報からなっている。情報間の関連を探ったり(読図)、関係を明らかにしたりするために情報を抽出することが「地図化」(作図)である。地図を有効に活用して、取り上げた具体的な事象をまとめることで、その地域の特色として一般化することもできる。
 さらにそれを仲間に発信したり、学び合い活動を行ったりする活動を充実させて、思考力・判断力・表現力の育成に資する。

【参考文献】
「言語力をつける社会科授業モデル」岩田一彦 米田豊 明治図書 2011

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「教育実践」  主体的に社会的事象を追求するための地域教育コーディネーターとの連携の工夫
新潟市立漆山小学校
本間 和寛

  社会科では、子どもが社会的事象に関心をもって進んでかかわることが一層求められている。しかし、これまでの私の社会科の授業では、子どもたちは、教師から与えられた課題を考えるだけというパターンが多かった。そのため、自ら進んで課題を見付けたり、その課題を解決しようとしたりして取り組む姿が見られなかった。
 子どもたちが、社会的事象に進んでかかわる姿を求めるには、その興味関心に沿うことが何より必要である。そこで、新潟市が「地域と学校パートナーシップ事業」の一環として配置している「地域教育コーディネーター」(以下、コーディネーターとする)との連携を工夫することで、それが可狽ノなるのではないかと考えた。
 これまで、私の社会科の授業におけるコーディネーターとの連携は、ゲストティーチャーをお願いすることのみに留まっていた。本研究では、連携する場面に、ゲストティーチャーをお願いすることだけでなく、単元告ャの打合わせや、子どもと直接かかわる場をつくるなど、多角的に設定する。
 教師とコーディネーターがかかわる場はこれまでもあったが、コーディネーターと子どもが直接かかわる場面はあまり見掛けない。コーディネーターと子どもが直接かかわる場を設定することで、子どもが社会的事象と主体的にかかわることができるのではないかと考え、重点を置いて実践した。
 実際は、子どもが興味を持って調べている内容や、進捗状況を細かくコーディネーターに伝え、事前に相応しいゲストティーチャーを検討した。その後、子どもが調べてきた内容から、どのような人を呼びたいかコーディネーターに直接伝える時間を取った。
 子どもたちの姿から、疑問を解決するために相応しいゲストティーチャーを自分たちで呼べるという体験を通して、これまでの与えられた課題を考える受け身の姿勢ではなく、進んで調べ学習に取り組む姿につながった。そして、自分が調べてわかったことを事細かく、発浮フための原稿に書き込み、相手に伝えようとする子どもを育てることができた。

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「教育実践」  児童の意識にずれを生む資料提示及び発問の工夫
新潟市立栄小学校
山口 洋一

  私は,児童が社会的事象について深く考えたり理解したりしていくにあたり,その事象について「深く知りたい・調べたい」という追究意欲を強くもたせる必要があると考える。これが児童が単元を学習していく推進力となり,児童は思考力・判断力を自発的に駆使して学習を進めていくことにより,思考力・判断力を高めていくことができると考えた。
 そこで,追究意欲をもたせるきっかけとして,児童の意識に「自分が当たり前と思っていたことがそうでない,不思議だ」と感じさせる『ずれ』を生むことが有効な手段であると考えた。そしてそれを,児童に強く印象付けるために,『ずれ』を生むための資料の提示方法を工夫することによってさらに効果的なものにすることができ,高い学習意欲のもとに個々の児童の思考力・判断力が駆使された授業・単元が展開できると考えた。そして研究仮説を「学習の導入時に比較資料を効果的に提示すると,児童の意識に『ずれ』を生み,思考力・判断力を高め単元をつらぬく問いをもたせることができる。」として実践を重ね,その有効性を検証してきた。
 その後実践を重ねる中で,以下のような成果を得ることができた。
・教師が資料提示によって児童に問いをもたせたい場面で,教師が考える間を取りながら児童の根拠を資料から導き出させることにより,児童にもたせたい問いを児童自身に自覚させ表出させることができる。
・資料の提示の仕方や読み取り方を工夫することによって,児童の驚きが大きくなったり,児童から主体的に問いを表出させたりすることができる。
・児童に『ずれ』を生みたい場面で,まず児童が既習内容や生活経験をよく振り返る中で,それらと資料の示す事実がおおむね符合していることに納得し意識が安定したところに,それと相反する資料を示し納得を覆すことで,児童に大きな驚きを生み,学習への意欲を効果的に高めることができる。
・指導案作成時に授業が児童の思考の流れに合うように,今の児童の実態をよくとらえ,そこから資料提示・発問などの手だてをどうつなげていけば児童一人一人が問いをもてるかを考えることが大切である。(フローチャートなどの活用が有効)

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「教育実践」  社会的事象の意味を考え、表現する子どもの育成
〜ICTの有効活用で多様な気付きを生む授業〜
関川村立関川小学校
加藤 僚

  社会科の授業において、これまで以上に児童の思考力・判断力・表現力を高めることが求められている。そこで、2つの手立て「ICTを活用した資料の提示」「資料を比較させることによる考えの焦点化」を取り入れた授業を行う。それにより、児童の思考力・判断力・表現力が高まった姿、すなわち社会科では、社会的事象の意味を考え、表現する子どもの姿につながるだろうと考えた。
 「ICTを活用した資料の提示」では、拡大機能やカラーで鮮明に資料を見られるメリットや自分のタイミングで見たい資料が見られるメリットに注目した。これらを生かした資料を提示することで、児童が資料に注目し、多くの気付きを生むことができると考える。
 「資料を比較させることによる考えの焦点化」では、まず、提示した資料から気付いたことを書き出させる。次に、複数の資料を比較させるための観点を示す。そして、書き出した気付きの中から、必要な情報を取り出させる。これにより、課題に対する自分の考えを焦点化させることができると考える。また、最終的な自分の考え(まとめ)を一人一人に書かせる活動を取り入れる。その際、友達の考えを聞く活動を取り入れ、課題に対する自分の考えを強化したり、追加したりさせる。その後、文型にあてはめてまとめを書かせる。それにより、思考力・判断力を働かせることができると考える。
 2度の実践を通して、6年生の社会科において、タブレット端末や電子黒板で資料を読み取らせ、文型にあてはめて考えをまとめさせることによって、多くの気付きを生み、思考を働かせ、情報を精選して、社会的事象の意味を全体的に捉えるようになるかを検証した。児童の授業プリントの記述からは、資料を見てたくさんの気付きを書く姿、資料を比較する観点に従って必要な情報を取り出す姿が見られた。また、まとめを書く際に、様々な気付きから自分が特に重要だと思う情報を選択し、端的に一文にまとめる姿が見られた。
【参考文献】
「小学校学習指導要領解説 社会編」文部科学省 
「社会科のめざすもの Vol.3」日本文教出版 
「図解社会科授業」安野功 廣嶋憲一郎 相原雄三 東洋館出版社
「小学校社会 板書で見る全単元・全時間の授業の全て」安野功 東洋館出版社
「社会科『言語活動の充実』事例」大谷和明 明治図書
「学事ブックレット 社会セレクト3 話し合いたくなる課題づくり5つのステップ」山邊文洋 学事出版

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「教育実践」  連続した単元のスパイラル化により、社会的な見方や考え方を育成する
〜3年生 導入期における社会科の実践を通して〜
胎内市立中条小学校
五十嵐 俊一

  中央教育審議会答申(※1)に、「(前略)社会的事象に関心をもって多面的・多角的に考察し、公正に判断する能力と態度を養い、社会的な見方や考え方を成長させることを一層重視する方向で改善を図る」とある。ここでは、社会的な見方や考え方が、基本方針として、第一に挙げられていることに注目したい。この力を、北(※2)は、「社会的事象を比較・関連・統合して見たり、考えたりすること」としている。この力が社会科で求められている「見方・考え方」である。本研究では、この力を獲得させ、他の事象に転移・活用できるようにすることを「社会的な見方や考え方を育成する」としてとらえる。
 この「見方・考え方」を育成するために、実践を重ねてきた。しかし、振り返ってみると、社会科導入期における3年生の社会科の授業では、地域を探検し、絵地図づくりに終始したり、方位や地図記号を暗記させることに偏ったりすることがあった。また、単元終末には、事象を比較したり、関連付けたり、統合したりして考えることができても、それを次の単元の社会的事象への見方・考え方に生かすことができなかった。それは、単元がそれぞれに分断され、社会的な見方や考え方を転移・活用させる場をつくり出すことができなったからである。
 そこで、本研究では、連続した単元をスパイラル化し、その中で、身に付けた社会的な見方や考え方を転移・活用して社会的事象を考察させる単元を構成した。はじめの単元で、学習活動をスパイラル化し、社会的事象を比較・関連・統合させることで、社会的な見方や考え方を獲得させる。そして、次の単元へスパイラル化し、獲得した見方や考え方を転移・活用する場を意図的に設定することで、「社会的な見方や考え方」を育成できると考えた。
 このように社会的な見方や考え方を育成することを意識した単元を構成することで、子どもは、事実の関連に気付いたり、事象の成立要因を見出したりできるようになる。そして、その「見方や考え方」を転移・活用して、事象の意味や意義を解釈したり、事象の特色や事象間の関連を説明したりできるようになると考える。
【参考文献】
※1 中教審答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」 2008
※2 「生きる力を育てる社会科授業」 北俊夫 明治図書 1997
「平成20年版学習指導要領と社会科授業改善の視点」松岡尚敏 2008
「小学校 新学習指導要領の展開 社会科編 平成20年版」北俊夫 片上宗二 明治図書 2008
「社会科授業のユニバーサルデザイン」村田辰明 東洋館出版社 2013

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「教育実践」  社会的な思考力を伸ばす指導の工夫
〜「事実の意味を考えること」と「伝え合うこと」を軸にした学習活動〜
五泉市立五泉南小学校
番場 裕輔

  新学習指導要領では、「思考力」「判断力」「表現力」の育成が求められている。児童の実態から、思考力を育てる必要性を感じた。「思考力・判断力・表現力をつける社会科授業デザイン」(小原友行著 明治図書)で小原は社会的な思考力を「社会的事象になぜかと問いかけ、事象相互の関係やその意味を考える力」と定義している。そこから、3年生に育てたい社会的な思考力を「問題意識をもって追求し、事実と事実を関連付けてその意味を考える力」とした。
 そこで、「問題意識をもって事実を集め、視点をもたせて事実の意味を考え、事実にもとづいた考えを伝え合う活動を行えば、社会的な思考力を伸ばすことができるだろう。」という仮説を立てて検証した。
 社会的な思考力を伸ばすために以下の方策を行った。
@問題意識をもたせて調べ活動をして、事実を集めさせる。
A問題解決の視点を与え、事実の意味を考えさせる。
B事実にもとづいた考えの伝え合いをさせる。
 本実践では、「見直そう わたしたちの買い物」の単元で、抽出児の追求の様相やワークシートの記述から児童の変容を見取り、仮説を検証した。また、スーパーマーケットとコンビニエンスストアの見学を行ったが、これは、児童に身近な2つの店の見学を行い、それぞれの店の特徴について学び取らせる意図があった。
 実践の結果、以下のことが分かった。
 「@問題意識をもたせて調べ活動をして、事実を集めさせる。」では、問題意識をもち、実際にスーパーマーケットやコンビニエンスストアで見学や聞き取り調査を行ったことで、児童は事実を集め、事実の意味を考え、伝え合う活動に意欲的に取り組むことができた。児童の気付きや疑問がもとになった学習問題を設定することによって、単元を通して意欲的な追求を促すことができたと言える。
 「A問題解決の視点を与え、事実の意味を考えさせる。」では、「店の工夫はそのお客さんにとってどういうよさがあるか。」という視点を与えた。そうすることで、事実と事実を関連付けて、意味を考えようとしていた児童が多かった。単元の中で、スーパーマーケットとコンビニエンスストアに見学に行き、事実の意味を考えさせる活動を2度させたことがよかった。問題解決の視点を与え、事実の意味を考えさせる活動は有効だったと言える。
 「B事実にもとづいた考えの伝え合いをさせる。」では、伝え合いを通して、新たな事実に気付いたり、分からなかったことが分かったりする児童の姿が見られた。グループでの伝え合いを通して見方を広げることができたと言える。男女混合の4人というグループ編成は、多様な考え方が交流された点で有効であったと言える。
 @ABのような方策を行うことにより、抽出児の記述の変容が見られた。この記述から社会的な思考力が伸びたと判断でき、仮説の有効性が検証できた。

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「教育実践」 子どもの考えを比較・関連させ,思考力・判断力を高める板書の工夫
長岡市立越路小学校
籠宅 巧

  子どもが社会的事象と出会い,今までの認識とのずれから,調べたことや経験・知識をもとに自分なりの問いをもつ。そして,自他の考えの類似点や相違点に気付いたりすることで,納得のいかない部分を確かめたいという思いをもつ。今までの自分の見方・考え方を見直したり,問題を解決したりして,学習を深めていき,友達とのかかわりの中で考えることを経て,子どもが広く,深い見方・考え方を獲得していく。これが,私にとって理想とする授業中の子どもの姿である。
 これまでの自分の授業を振り返ると,子どもたち同士に自分の考えをかかわらせ合う手立てが足りないと感じる。授業では,要点を羅列した板書を書いていることが多い。そこで,子どもたちの考えを可視化し,自他の考えの重なりやずれを生む板書にすることで,子どもが考えを深め,新たな見方・考え方を獲得する姿を目指した。
 実践は,『板書で見る全単元・全時間のすべて 6年』(2011年 東洋館出版 安野功編著)にある3つの板書パターンをもとにして行った。3つのパターンとは,「時系列型」,「中心資料提示型」,「対比型」であり,実践を重ねることで,それぞれの板書パターンの特性が見えてきた。
 「時系列型」は,時間の流れを整理して学習を進めることができるため,ある程度まとまった時間や事象を一般化して考えさせる際に有効である。6年生の歴史の授業などでは,この時系列型を用いることが多い。しかし,実践してみると,子どもの考えの重なりやずれを可視化したり,学習問題を生み出したりすることは難しい板書であるとわかった。
 「中心資料提示型」は,一つの教材に対して多面的な見方をすることができるため,子どもの見方や考え方を広げさせる学習に有効である。小学校3年「わたしたちのまちはどんなまち」や「さぐってみよう昔のくらし」の単元で実践を行った。子どもにとっては同じものに対して考えの重なりやずれが見えやすく,授業後には教材に対してより深い考えをもちやすいことがわかった。
 「対比型」は,複数の教材を比較することができるため,それぞれを結び付けて一般化する学習に有効である。小学校6年「身近な暮らしと政治」や小学校3年「私たちの市の様子」の単元で実践を行った。子どもにとっては教材間の共通点や相違点を見つけやすく,また自分の考えがもちやすいので,授業後には教材やその背景になっていることに対してより深い考えをもちやすいことがわかった。
 このように,その授業のめあてに適していると思われる板書パターンで実践を行い,その板書の有効性を子どものノートの記述等から考察する。

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「教育実践」  思考力・判断力・表現力を高める社会科授業の在り方
〜知識の国「図の活用と問題意識を高める導入の工夫〜
十日町市立千手小学校
尾身 聡志

  思考力・判断力・表現力を高めるためには、次のことが必要であると考える。
@ 問題解決型の学習を行うこと。そして、問題解決型の学習を成立させるための、児童が「解決したい」という問題意識の高まり。
A 1単位時間の中に思考・判断をし、「わかったこと」を表現する(書く、述べる)活動の設定。
B 単元終末の「わかったこと」を明確にし、それを目指して、毎時間の「わかったこと」が積み重なるような単元構成の工夫。
 これまでの教材研究を振り返ると、教材の提示方法やタイミングを考えるばかりで、その教材から何を気付かせたいのかを意識せずに行ってきた。また、教師が学ばせたい気持ちが強くなり、児童の思考の流れを予測することが不十分であった。その結果、授業では児童の多様な反応を引き出せず、強引に課題を提示したり、発言を待たずに教師が教えたりすることが多かった。つまり、教師主導の授業を行い、問題解決型の学習を行ってこなかったのである。そのため、思考力・判断力・表現力を高めることが不十分であった。
 そこで、次のように改善したいと考えた。
@ 学習内容を整理し、教師が「学ばせたいこと」と、児童が「学びたいこと」がずれないようにすること。
A 学習活動が、単元の終末の「わかったこと」に結びついているか確認すること。
B 問題意識が高まる導入にすること。
 以上のことから、「知識の構造図」を活用し、学習内容、教材・資料、単元で目指す児童の姿などを明確にしながら単元構成を行う。そして、単元構成のもと、教材や資料を意図的に提示するなどし、児童の問題意識を高める導入を行う。このようにして問題解決型の学習を繰り返し行うことで、児童の思考力・判断力・表現力を高めていきたい。
【参考文献】
「社会科学力をつくる“知識の構造図”―“何が本質か”が見えてくる教材研究のヒントー」北俊夫 明治図書 2011

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「教育実践」  歴史的事象の実感的な理解を目指して
〜地域教材を活用した歴史的事象の多面的理解〜
南魚沼市立上関小学校
冨沢 一紀

 1 実践の概要
 6年生社会科「15年続いた戦争と平和を目指した日本の再出発」という単元で、地域教材を活用した授業実践を行った。児童が地域から歴史を考えることができるように単元を再構成した。単元構成は以下のとおりである。
 1次 忠魂碑で知る15年戦争 
 2次 アジア諸国と日本〜戦争の広がり〜
 3次 上関地区と15年戦争
 4次 空襲の恐怖と疎開
 5次 日本の敗戦
 6次 日本の再出発と上関の教育・暮らし
 6次では上関小学校校歌を活用した。今も歌われるこの校歌は、終戦後2番が歌われなくなっており、当時の平和を目指した国民生活をよく表している。また、自分の通う学校の校歌という点で児童の興味を大いに引き、戦争から平和へと転換する時代について学習を進める上での核となった。
2 単元を貫く地域教材の活用
 大単元(「戦争から平和へ」)を貫く地域資料を準備できたことが、児童の学びを支えたと考える。また、前単元(「2つの戦争と日本・アジア」)から引き続いて、地域に残る戦争の跡と当時の世界情勢や歴史事象を関連付けて学習していったことで、児童は学習活動に深く入り込むことができた。
 「実際にあったこと」「自分たちの地域も関わっていること」として歴史事象をとらえ、これからの平和な社会の主体であるという気持ちをもたせるように単元を構成した。これにより、中央史的な事象を児童の身近に引き寄せることで、表面的で浅い理解からより深い歴史理解へと児童の学びの質を変容させることができた。
3 児童の思考の流れを追う授業構成
 単元における児童の思考の流れを明確にするために、毎回前時の児童のふり返りから授業を始めた。ここでは、ふり返りシートを活用したり前時の板書を撮影して配布したりすることで思考の共有を行った。提示する資料も児童の思考に合わせて少しずつ提示方法を変えたり提示のタイミングを計ったりした。単元における児童の思考の流れを掲示物を用いて視覚化した。
4 成果と課題
 これらの手立てにより、児童の実態は次のように変化した。単元が始まる前は、戦争単元ということで「(日本が)勝ったか負けたか」に興味をもって感想を書く児童がほとんどであった。これは、前単元で主眼とした「欧米列強と比肩する国家へ変貌しようとする日本の歩み」に影響を受けていたと思われる。
 それに対して本単元では、「戦時中の子どもたちの生活」や「平和な社会を目指す日本」を主眼として地域教材や外部講師を準備した。児童は「戦争中の生活の大変さ」「平和の尊さ」に気付き、平和を目指すことの大切さを作文に表すことができた。
 本単元のねらいは、歴史的事象を児童が実感として理解することであった。その手立てとして、地域教材を活用し、歴史的事象を児童の身近に引き寄せることに取り組んだ。地域の教材から考え、戦争をより身近なものとしてとらえ、人ごとでなく自分自身のこととして平和な社会の構築を目指そうと児童一人一人が思い、考えることができたことは大きな成果であった。
 また、本単元では、学習形態を従来の黒板前に集まる形態で行い、自由に話しやすい雰囲気作りを行った。これにより、児童の関わりが活発になった。1人の児童の考えを全員で広げたり深めたりしながら学習が進んでいった。友達と関わることで思考が深まったり多面的な視点を得ることができたりし、戦争や平和について自分の考えをもつことができた。
 また、児童が自分の考えをもつための手立てとしては、外部講師との連携が挙げられる。本単元では、戦時中に上関地区で少年時代を過ごした方を2人招いた。これもまた児童に多面的な視点から戦争について考えさせるためであった。事前に十分な打ち合わせ(1人に月2回以上)を行って授業に臨んだ。戦時中の年齢が違う2人の外部講師から戦争への思いを聞くことで、児童は戦争の色々な面を受け取ることができた。
 課題としては、毎回の授業の中で児童に自分の考えを丁寧に整理させる時間を取ることができなかったことが挙げられる。振り返りや疑問に思ったことなどは書きためて次時に生かすようにしていたが、自分の心と向き合わせる時間を十分に取ることができなかった。戦争単元であるので、心の面も耕していくよい機会ととらえていた。結果として、国語との合科で時数を確保した形となったのだが、両教科ともに時数を圧迫してしまった。単元に入る前の見通しが甘かったと反省している。これは、予め国語との合科として単元を構成することで解決できるであろう。
5 地域教材一覧
・地域に残る忠魂碑(1次)
・学校沿革誌(2次)
・外部講師1:満蒙開拓青少年義勇軍と上関小学校(3次)
・外部講師2:上関地区での空襲、長岡空襲映像資料(4次)
・外部講師2:戦後の上関での暮らし、当時の新潟日報、上関小学校校歌、終戦後の通知表実物(6次)

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「教育実践」  字形を整えて書く力を高めるための実践
〜 第1学年 楷書作品(毛筆)の制作を通して 〜
県立村上中等教育学校
坂井 昭彦

 

書写授業においては、これまで@手本の字形の特徴を解説する、A練習させる、B教師による添削をする、C清書させる、といった授業展開を行ってきた。このような授業では、生徒はただ手本を見て書くだけで終わりがちである。「手本と自身の作品を比較して、次はどこに気を付けて書けばいいのか」「手本の字形はどのようになっているのか」など生徒自身が自分の課題に気付きその解決を図る授業を目指さなければならない。
 そこで、次の仮説を立てて検証した。
 書写授業において、@文字の整え方の法則性や原理・原則を示し、A手本の字形を細かく観察する活動や模写、B相互評価(批評会)をさせることによって、字形を整えて書く力を高めることができるだろう。
 実践の結果は以下のとおりであった。
@「画と画の間隔が均等であること」、例えば、「青」「書」「若」「車」のように横画が二つ以上あるときは、その一つを長く書くことなどを示した。このことにより、字形を整えて書くことができるようになった。
A手本の文字の縦画や横画の長さや起筆の角度、文字の余白の面積などを定規や分度器などを用いて数値として調べる活動をさせた。この活動を通して生徒は、線の長さ、偏と旁のバランスなどに気付き字形を整えて書くことができるようになった。
B相互評価(批評会)を通して、生徒は他者の意見から自分の課題を明確にして、その課題の解決を図りながら、文字を整えて書けるようになった。
 以上のことから、上記の仮説は字形を整えて書く力を高めるために有効であると結論付けた。


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「教育実践」  小中一貫教育を生かした古典授業
三条市立下田中学校
横山 重之

  今年度三条市は、小中一貫教育の全面実施を迎えた。三条市の小中一貫教育は、小学1年生から4年生までを前期、5年生から中学1年生までを中期、2・3年生を後期と位置づけている。新学習指導要領により、小学生も古典学習を実施することとなった。4年生までの学習指導要領では「易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること。」とあり、文語調の俳句や短歌の音読・暗唱を中心に行っている。さらに5年生からの学習指導要領では「親しみやすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章について、内容の大体を知り、音読すること。」とあり、『竹取物語』『枕草子』『平家物語』といった本格的な古典に触れている。そして中学1年生の学習指導要領の「文語のきまりや訓読の仕方を知り、古文や漢文を音読して、古典特有のリズムを味わいながら、古典の世界に触れること。」につながっていく。つまり、本格的な古典に触れるこの中期における授業のあり方を工夫することが、その後の児童・生徒の古典学習の基礎や古典に親しむ態度を育むものと考える。
 そこで、小学5年生で学習した『竹取物語』を中学1年生でも学習することを通して、「児童の本格的な古典とのかかわり方」や「小学校での学びを生かした中学校での授業のあり方」を提案する。具体的には、「『竹取物語』の新たな発見を小学5年生に伝えよう!」という単元を設定して、小学校での学習の履歴をもとに、当時の感想や疑問などを想起させながら、今までの理解とは違う「新たな発見」を整理して、小学5年生に伝える。
 この単元によって、中学生は『竹取物語』の理解をより深め、古典に親しむことにつながると考える。また、小学生は疑問が解決したり、新たな発見を知ったりすることで古典の世界を広げていくことにつながると考える。

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「教育実践」  文学作品への一人一人の読みを深める授業
田上町立田上中学校
森 正樹

  本研究では、中心人物やクライマックスの検討を中心課題として位置付け、それが文学作品への生徒一人一人の読みの深まりにつながることを明らかにしようとした。「読みを深める」とは、話合いを通じて新たな視点を獲得し、その視点から自分の考えを再検討したり、考えを補強したりすることであると考えた。なお、実践では「中心人物」を「最も大きく変化した人物」、「クライマックス」を「中心人物の行動や考え方が最も大きく変化した場面」と定義した。
 私の授業は、題材の内容の理解を促すための質問や解説が中心になりがちであった。文学作品の読み方、読みの深め方の学習指導という点で不十分であった。そこで、「生徒が自分なりの読みをもち、他の生徒の読みとの相違に着目しながら話し合い、自分の考えを深めたり、変容を自覚したりする授業」を目指し、次の手立てを講じた。
1 文学作品の構成の典型を学ぶ。
 文学作品の構成(導入、展開、山場、終結)、設定(時、場所、人物、出来事)をとらえる。生徒が様々な文学作品と出会ったときに、自分の力で読むための土台となる。
2 中心人物やクライマックスの検討を中心課題とし、根拠を明確にしながら話し合う。
 課題の解決に向けて、自他の読みや根拠の相違に着目しながら互いの考えを話し合うことで、生徒は自分の考えの変容を自覚する。
実践の結果を以下に述べる。
 文学作品の構成、設定をとらえる学習を繰り返すことで、生徒に自力で読む力がつき、内容の理解が進むようになった。また、中心人物やクライマックスの検討により、生徒は新たな視点や考え方を獲得し、自らの考えを広げたり、深めたりすることができた。その際、ホワイトボード等にメモをとり、互いの意見や新たな気付きといった話合いの過程を可視化することが話合いの活性化につながった。互いの意見に対する考えを述べ合ったり、新たな意見を出し合ったりする姿が見られるようになったのである。

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「教育実践」  小学生の作文における共同編集の効果について
新潟市立東青山小学校
大島 崇行

  作文の学習においてなかなか思うように書けず、学習につまずく児童は少なくない。そこで、このような児童が、進んで文章を書けるような実践を構想した。
 一般的に、作文を書く活動は、「課題設定や取材-構成-記述-推敲-清書-交流」という過程で展開される。活動をしていると、どの過程においても児童のつまずきは現れる。そのつまずきを学習者同士のかかわりによって解決していくことで、どの子も自分の思いを伝えるにふさわしい文章を書くことができると考えた。
 そこで本研究では,どの活動におけるつまずきにも対応できるよう、全ての過程において学習者間の交流を可能にした「共同編集作文」の学習形態を開発した。「共同編集作文」とは次のような学習形態である。
・「課題設定や取材」の段階から共同編集グループを作り、いつでも相談・助言をしてよい環境を作る。
・それぞれが目的に合った文章を書くことを目指し、かつ、班のメンバー全員も目的に合った文章を書くことができることを目指す。
・お互いが「執筆者」と「編集者」になり、積極的に協力し合ってよりより文章をつくることを目指す。
 この実践を通して明らかになったのは、次の3点である。
1 どの活動段階においても、児童はグループ内で相談し合うことによってより相手に伝わる表現を見つけたり、新たなアイディアを生み出したり、修正し合ったりしている。
2 作文の清書の後には、自分の納得のいく文章を書けたと感じていた児童は多い。
3 全部の過程において交流を可能にする「共同編集作文」の学習形態を、子どもたちはよりよい作文を書ける学習形態だという思いをもっている。
 これらにより、「共同編集作文」の学習形態が、児童の創作意欲を持続させ、表現活動を豊かにし、また児童の学習に対する満足度も高めていくことが分かった。

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「教育実践」  演劇的活動を取り入れた文学教材の読解指導
新潟市立味方小学校
引場 裕子

  登場人物の心情には,暗示的に表現されていたり,前後の文脈をもとに想像することで理解できたりするものがある。しかし暗示的に表現されている内容まで想像して読むことが難しいという児童の実態がみられた。
 本研究では,子どもが想像豊かに読んだり暗示的に表現されている内容まで読んだりすることができるための働きかけとして,次の二つに取り組んだ。
1 読解の指導過程に演劇的活動を取り入れる。
 ある場面を実際にやってみることにより,読解の段階では気付かなかった表現やその表現のもつ異なる意味に気付き,描写をもとに想像豊かに読んだり,暗示的に表現されている内容まで読んだりすることができると考えた。本研究では,登場人物の行動と心情に着目させることをねらい,「役割演技」を取り入れた。
2 最初の読みと演劇的活動を取り入れた後の読みとを比較し,自分の読み方を振り返る。
 最初の読みと「役割演技」を見合った後の読みとを比較させ,文章だけの時に読めなかったのはなぜなのかを振り返らせることで,自分の読み方の足りなかった部分に気付くことができると考えた。
 今回の実践では,1つ目の取組については,「役割演技」をしたりお互いに見合ったりする活動を通して,改めて叙述に目を向けて登場人物の行動を考えたり,今まで気付かなかった表現に気付いたりすることができた。書かれていない登場人物の心情に気付き,想像することができた子どもの姿も見られた。2つ目の取組については,「役割演技」後に役割演技を見て分かったことは何かを振り返らせることを通して,主人公の心情が変化した場面が分かるようになったという児童もいた。しかし,どの叙述の読みが足りなかったのかを振り返らせる手立てが不足していたため,自分の読み方の足りなかった部分に気付くところまでには至らなかった。今年度は,これらの課題をふまえ,さらに検討していく。

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「教育実践」  自分の立場や根拠を明確にして説明できる子どもの育成
〜ディベート的手法をとおして、批判的思考力を育てる〜
新潟市立竹尾小学校
山田 雄一

  子どもたちは「AかBか」の選択を迫られる場面になると、両者を十分に検討することなく安易に決めてしまうことが多い。また、決めた理由についても説明することができない傾向がある。
 そこで、様々な観点から論理的に考えを検討していく「批判的思考力」を身に付けさせ、問題解決を図っていかせることが必要である。自分の主張を根拠を示しながら相手に伝えるとともに、相手の主張に耳を傾け、両者の考えを多角的に検討する。このような力を身に付けさせていくために、本実践では以下の仮設を立てて検証を行った。
@ディベートの手法を用いたゲーム的要素のある討論会を行うことで、自らの立場や根拠を明確にして相手に伝えようとする表現力が向上するであろう。
Aテーマに対して「肯定」「否定」の両方の立場からの主張を書くことで、多角的に検討する力が育つであろう。
 本実践の討論会は、一般的なディベートをシンプルにアレンジしたものであり、肯定派4人、否定派4人、ジャッジ2人という10人グループを作り活動した。ジャッジの判定基準に「話し方(『〜ですよね』『さっき〜といいましたよね』など、聞き手を引き込むような話し方)」や「資料・根拠の確かさ、わかりやすさ」などの4点を示した。このディベート的な活動によって、次の成果が見られた。
@自分の立場の意見だけでなく、反対の立場からも意見を書くことができるようになった。(視点変換の力が向上した)
A意見にふさわしい根拠を資料や体験などから選択して話したり書いたりすることができるようになった。
B反論を予想することで、討論会の際には相手の意見に耳を傾け、質問したり反論したりする姿が見られるようになった。
 一方、聞き方の指導とジャッジの仕方の2点が課題として残った。ジャッジの得点基準を明確にしたり、話し方と同様に聞き方にも視点を示したりと、今後も改善を加えてよりよい実践にしていきたい。

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「教育実践」  両方の立場から読み取ることで、自分の考えを明確に書くことができる指導法の研究
〜「アイディアシート」の活用を通して〜
新潟市立葛塚小学校
本間 伸吾

  本研究では、資料を読み取って自分の考えを書く活動において、自分と逆の立場の考えにも触れさせ、両方の立場から読み取らせることで、自分の考えを明確に書くことができる指導法を明らかにする。
 両方の立場から読み取らせることで、子どもは、「本当にこれでいいのか。」「もっと詳しい内容はないか。」と自問自答しながら考えることができる。そこで、この思考を目に見える形にするために「アイディアシート」を使用する。「アイディアシート」は、「両方の立場を対比して書けるもの」「対比した意見の長所と短所をまとめて、改めて自分の立場を考えることができるもの」の2種類がある。
 さらに、まとまった語句を読み取る力や文章の構成力、表現力を身に付けさせるために、新聞のコラム欄を視写する活動を継続して行う。
 これらのことに着目して実践した結果、以下の2点が明らかになった。
@ 自分の立場だけで資料を読み取らせると、子どもは、自分が賛成する立場の内容しか理解しようとしない。そこで、「アイディアシート1」を活用して、両方の立場に立って考えさせ、記事をより深く読み取らせた。
 しかし、「アイディアシート1」を活用することで、両方の立場について納得してしまい、自分の立場が揺らいでしまった。そこで、「アイディアシート2」を活用して、両方の立場の長所と短所をまとめさせた。その結果、子どもは、改めて自分の立場について考えることができ、自分の考えを明確にすることができた。
A 新聞のコラム欄の視写を継続的に行うことで、子どもは、一文字一文字を読み取るのではなく、まとまった語句を読み取り書き写すことができるようになった。さらに、意見文でよく使われる語句や適切な文章表現を学び、書く力の基礎が身に付いた。

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「教育実践」  相手意識をもち、目的や意図に応じて書く力を付ける作文指導の工夫
〜三段階の推敲活動をとおして〜
新潟市立岡方第一小学校
平野 俊郎

 <研究テーマについて>
 高学年の「書くこと」においては、目的や意図に応じて、書く事柄を収集・整理し、自分の考えが明確に伝わるように文章全体の構成の効果を考えながら適切に文章を書く力が求められている。しかし、児童の実態を見ると、読み手や目的をあまり考えずに書く事柄を並べ、文章全体の段落構成も意識せずに書いている児童が多い。
 そこで、本研究では、「課題設定・取材→構成→記述」のそれぞれの段階で、書く相手や目的に照らし合わせ、目標を達成しているかどうかを吟味する推敲活動を行う。推敲活動を行う際には、学級の「共通のものさし」が必要になる。それぞれの段階で、共通のものさしとなる「推敲の観点」を明らかにし、その観点に沿って推敲することで、目的や意図に応じて書く力を付けることを目指す。
<研究実践の概要>
 5学年、意見文を書く単元において、上記の研究の視点で実践を行った。
○単元名  「立場を明確にして書こう〜先生からの提案 マンガ禁止」
○三段階の推敲について
(1)  課題設定・取材段階での推敲
 教師自作の意見文「マンガ禁止」に反論する意見文を書くという目的意識をもたせた。児童は、教師の意見に反論するために、多くの理由を考えた。しかし、児童が考えた理由全てが説得力のあるものではない。そこで、取材段階では、「教師を説得できる理由になっているか」を推敲の観点とし、3人組で相互推敲を行わせた。友達と推敲し合う中で、友達の意見も取り入れながら、より説得力のある理由を選ぼうとする姿が見られた。しかし、観点があいまいな面があり、推敲する児童の主観的な判断になりがちであった。
(2) 構成段階の推敲
 構成段階では、教師自作の意見文から、児童に相手を説得するための工夫を読み取らせ、読み取った点を推敲の観点とした。推敲段階での推敲の観点は、次の2点。@序論(はじめ)‐本論(中)‐結論(おわり)の三部構成になっているか。 A本論には、相手を説得するための事例(具体)が入っているか。この観点をもとに、まずは1人で、意見文の構成を構成メモ(※意見文の構成をメモ書きして図式化したもの)にまとめ、その後、3人組で相互推敲を行った。推敲の観点が明確かつ具体的であったため、相互推敲が有効に働いた。
(3) 記述段階での推敲
 記述段階では、誤字・脱字等の表記、文の長さ、原稿用紙の使い方などが推敲の観点となる。教師自作のプリント(※児童が表記や原稿用紙の使い方等で間違えやすい点をあえて間違えた作文)から間違いを見付けさせて表記や原稿用紙の使い方に目を向けさせた。さらに、「見直しチェックシート」の観点に沿って、自分と友達2人の三重でチェックを行った。複数の目で見直すことで、自分では気付かない点に気付くことできるよさがあった。推敲するポイントが多すぎて、児童の実態に合っていない面があった。
 今回の実践の成果と課題を踏まえて、次の実践では、「推敲の観点」を書く相手や目的と照らし合わせ、具体的かつ明確にし、できるだけ絞って示す。そうすることで、推敲活動がさらに有効に働くと思われる。

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「教育実践」  読みを深める国語科学習指導
〜根拠と理由を分けて考えをもたせる話合い活動を通して〜
佐渡市立七浦小学校
名塚 裕樹

  「読むことはおもしろい」そのように前向きな気持ちで文学作品と向き合う子どもたちを育てたい。「読むことのおもしろさ」は「読みが深まること」にあると考える。つまり、「作品を読んで得られた考えを交流させることで、物語や登場人物に対する考えが広がったり、深まったりと変容すること」である。
 これまで私が行ってきた物語文の授業での話合い場面では、活発な子の発言のみで授業が進んでいく展開が多かった。子どもたちの考えをうまく交流させられず、教師が整合性があると思われる一つの読みを共有させ、まとめて終結させるような授業であった。
 そこで、本研究では新潟大学の佐藤佐敏准教授が「読みが深まる話合い」として提唱した「解釈のアブダクションモデル」を小学校段階でも工夫して取り入れることを通して、子どもたちの読みの広がりや深まりを検証していった。具体的には、選択式(二者・三者択一)の発問をした後に「立場、証拠、理由」に分けて自分の考えをもたせた上で話合い活動を組織することを手立てとした。
 実践の初期では、「立場、証拠、理由」に分けて自分の考えをもつことに抵抗を示していた児童が多くいた。しかし、単元を通して選択式の発問を繰り返し行ったり、ノートを細かく見取っていったりすることで、教師が期待する筋道の通った考えを書くことができるようになった。
 授業で書いた児童のノート記述を見ると、「私は、○○という立場が強くなった。今日は、○○さんの考えに一番納得した。なぜかと言うと・・・」というように解釈が広がったり深まったりしていく様子が見られた。
 課題としては、選択式の発問の扱い方が挙げられる。教材価値に迫る発問を開発すること、また単元のどの場面で用いることが有効であるのか、今後も追究していきたい。
【参考文献】
「思考力を高める授業〜作品を解釈するメカニズム〜」佐藤佐敏  三省堂 2013

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「教育実践」  小学校における古典指導のあり方に関する研究
〜中学年 短歌・俳句 「声に出して楽しもう」〜
三条市立一ノ木戸小学校
脇園 学

  現行の学習指導要領が全面実施されて3年目になる。現行の学習指導要領国語科の「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」では、中学年で「易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること」としている。つまり、小学校中学年段階において初めて、文語調の文体を学習することになる。中学校1年生で古典に対する抵抗感を抱かせないために、ここでの古典指導のあり方が重要になる。
 本研究においては、中学年の古典指導のあり方を提案する。古典に親しみをもつことが、小学校の古典学習の目標の中心である。中学年では、文語調の短歌や俳句に親しむことが大切になる。学習指導要領では、「情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら音読や暗唱をする」とあるが、情景を思い浮かべるとともに、作者の思いなどを想像し、歌や句のおもしろさや美しさまで考えさせたい。そこまで考えるからこそ、表現やリズムのよさを実感して音読できるのである。そして、それらを実感できれば、音読が楽しくなると考える。つまり、「古典に親しみをもつ」とは、ここでは、短歌・俳句の作者の思いや意図を感じて情景を想像し、表現やリズムを楽しみながら音読・暗唱できる姿だと考える。
 そのために、先人の解釈を提示し、その解釈と自分の考えを比較し、検討することで、作者の思いや意図をとらえる。解釈を検討する際には、本文の言葉に着目して考えさせる。子どもは、本文に表れている言葉一つ一つの意味や役割を考えることで、作者の思いに触れ、その表現のよさを実感し、情景を思い浮かべることができるようになる。さらに、表現やリズムのよさを感じ、短歌や俳句のよさ、おもしろさ、美しさに触れ、それらを実感しながら音読・暗唱することで古典に親しみをもつことができると考える。
 このように、古典特有の表現やリズムのよさを実感して、それらを楽しみながら音読・暗唱することによって、古典の世界に触れ、古典に親しみをもつ姿を創造する。

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「教育実践」  自分の表現のよさを実感させる指導の工夫
津南町立外丸小学校
松井 良江

  子どもたちは,植物や野菜の観察に出かけると「アサガオの花が3つさいている」「トマトの赤ちゃんが帽子をかぶっているみたい」など自分なりの言葉で話すことができる。しかし,絵日記などで書くという場面においては,他者に伝わる文章を書くことが十分にできているとは言えない。
 子どもたちの絵日記を見ると,文章を書く際に,次のような様子が見られる。まず,文章が続かないタイプである。話が骨だけで肉付けができない様子が見られる。次に,文章は続けられるが内容に問題があるタイプである。同じ内容が繰り返し出てきたり,出来事の羅列でおもしろみがなかったりする様子が見られる。いずれのタイプも「書く内容」をもっていても,どのように表現したらよいかがつかめていない状況であると考える。つまり,学習した「書く方法」への意識づけが弱く,子どもに定着していないのである。
 そこで,子どもに書く方法のよさに気付かせ,意識させることで,書く方法を定着させていきたい。子どもは他者に伝わる文章を書き,自分の表現のよさを実感し,書くことに自信をもち,楽しさを感じながら書く方法を身に付けていくだろう。
 実践は,低学年なりに説得力を増す書き方や材料整理の行い方について,教師が具体例としての文章を示し,比較させたり検討させたりする。比較・検討で得た「表現のよさ」は文を書く際に使いたい方法として子どもたちに意識させる。書いた後は発表や振り返りを行い,この表現を使ってよかったという「自分の表現のよさ」を実感させる。これらのサイクルを繰り返すことで「書く」力を身に付けさせ,自分の表現のよさを実感する子どもの姿を具現したい。
 また,本研究では,国語科と生活科を関連させながらテーマに迫る。生活科との関連を図ることで,単元を貫く言語活動が子どもにとってより必然性のあるものになるようにしたい。子どもは,単元を通して豊かな体験から「伝えたい」という思いをもち,相手意識を明確にしながら内容をふくらませ,表現方法を身に付けていくだろう。

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「教育実践」  書く力をつける指導の工夫
〜一人一人の書く力を伸ばす意見文指導モデル〜
上越市立稲田小学校
伊藤 和人

  意見文は,考えに合わせて取材をし,必要な情報を取捨選択し,筋道を通して,論を組み立てるといった総合的な文章能力が求められる文章である。子どもたちの総合的な文章能力を身に付けさせたいと考え,意見文指導の仕方について実践を繰り返してきた。国語科の学習において,「読むこと・書くこと」の複合単元は,自分の考えをもち,その考えを伝える方法を学んで書くという学習の流れから,意見文学習を行うために最適な単元であると考える。
 これまでの学習指導を振り返ってみると,『資料の文章を段落ごとに読み取り,要旨をつかんでから,考えをもつ。その考えを活かして意見文を書く。』というような流れで学習を進めていた。文章の要旨をつかむことに時間をかけていたが,意見文を書くことに関しては教材文やモデル文を参考に書いてみようというような指導をしていた。しかし,文章を書くことが苦手な子に対しても,得意な子に対しても有効な指導であるかということに課題が残る。また,子どもたちが学習後に単元でねらった力がついたと実感したり,また書きたいという意欲をもてたりする指導であったかということにも課題がある。
 そこで,「読むこと・書くこと」の複合単元における指導計画を見直し,改善したモデルプランを用いて書く力の伸びが感じられるような意見文指導を工夫していく。獲得させたい技能を含んだモデル文との比較の仕方や,書いた自分の文章を比較させる活動を工夫することで,一人一人の書く力を伸ばす指導方法を探る。

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