昨年度の上越支部広報誌「くびきの」の巻頭言でこんな一節を書きました。
「今回の学習指導要領の全面実施までに1年を切った。何度も聞いていると思うが、今回、コンテンツベースからコンピテンシーベースへ指導パラダイムが変化した。なのに多くは変化したように見えない。多忙によりそんなことを考えている暇がないのか。または明るい未来が当然のごとく待っているとのんびり構えているのか。」
地球環境の変化にもう待ったはないという話から、教育においても『抜本的な変化』が必要であり、育てるべき子どもをしっかりイメージしようという話題を投げかけました。
ところが、さらに悠長なことは言っていられない事態が生じました。新型コロナウィルスのパンデミックです。今まで当たり前にあったものが消え、学校や学習の在り方といった既存の考え方から化けの皮を剥ぎ、その本質を露わにしてしまいました。学校がなくなったら学びもなくなるのでしょうか。いえ、今の時代ならそんなことはありません。新しい学びの形が次々と実現しているではありませんか。ただ、環境整備の遅れが大きく露呈し、思ったほど変化が進んでいるとも思いませんが。
思うのは、「求める子」を育てるのは無論、何があっても学べるだけの力を身に付けさせなければならないということです。「学校」を祭り上げていた大いなる勘違いに気付き、改めて子どもたちが学ぶ主体なのだともう一度意識し直した時、もしかしたら今まで「横並びを是」としてきたパラダイムが崩れるかもしれません。それさえも是として受け止めるくらいの私たちの意識の大転換が要求されていると思うのです。
上越支部も遅ればせながら、今まで課題であった物理的に個々バラバラの存在であった会員をオンラインでつなぐ取組に着手します。上越支部は上越市、妙高市、糸魚川市の3市=上越教育事務所の管内をほぼ網羅する支部でありながら、ほぼ全てが自立会員であり、それが個々点在する支部です。また、上越教育大学の大学院に学びに来ている会員も所属し、とてもアカデミックな支部でもあります。会員の意識が高いながらも物理的な距離が大きく、今までも苦労してきましたが、今回はある意味チャンスが到来したともいえます。
本年度こそ、全員所属のサークル「くびきのネットスカイ」がその名の通りに稼働する年にし、支部内のネットワークを強固にしたいと考えています。
(ときわ会 上越支部長 渡辺俊和)