「教師の日本型ウェルビーイング」の向上を
研修委員長 平澤林太郎(H6)おおまき小学校
コロナ禍になり三年が過ぎた。心配なのは、コロナ禍で育った子どもたちの将来に関わる問題である。コロナ禍で過ごしている子どもたちに次のような問題が出てきているという。
「大きな声が出せない」「文字が速く書けない」「会話が上手にできない」「人間関係をうまく結べない」「トラブルの解決方法が分からない」「場の空気がよく読めない」
これらの問題を解決していくために、中央教育審議会は令和四年九月に第四期教育振興基本計画に向けて「日本型ウェルビーイングの向上・共生社会の実現に向けた教育の推進」と「教育デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」などの素案を示した。日本型ウェルビーイングについては、自尊感情や自己効力感の高さなどの「獲得的な幸福」だけではなく、人とのつながりや思いやりなど「協調的な幸福感」が日本では重要な意味を持つと位置付け、両者のバランスを重視している。教育DXでは、リアルとデジタルを融合した授業作りに取り組むと同時に、コロナ禍で減少した児童生徒のリアルな体験活動の機会を充実させていくことを指摘している。
このような新しい時代の教育を推進していく上で特に大切になってくるのが「教師の日本型ウェルビーイング」である。主体的に学び、人とつながり思いやりのある教師像が求められているのだ。
その研鑽の一助になるのが、ときわ会の本部研修であり、支部研修である。問題意識をもって、研鑽を積み、仲間と高め合っていくことで「教師の日本型ウェルビーイング」が向上していく。そして、その教師たちによって「子どもの日本型ウェルビーイング」も向上していくような教育活動が展開されていくことを期待したい。