「最近、調子の良くない子どもが増えていない?」
教務室でのちょっとした会話の中で出てきた言葉です。確かに、昨年から続くコロナ禍の中で、生活や行動様式等に制約がかかったり、安心安全な生活のために気遣いをしたりと私たち大人も心的なプレッシャーが知らず知らずのうちにかかっています。経験が豊かなはずの大人でも、そうなのですから、経験が浅く今の状況が当たり前だと受け止める子どもたちには大人以上の影響があっても不思議ではありません。そのような影響が考えられる中、調子の良くない子どもたち、様々な課題を抱えている子どもたちにこれまでと同様の対応で良いのでしょうか。
一方、GIGAスクール構想が一気に加速し、教室には当たり前のように一人一台のiPadがあります。学校にあるだけで無く、家庭への持ち帰りも進むことになりました。iPadは、鉛筆やノートのような文房具を遙かにしのぐ、スーパー文房具になり得る可能性を秘めている一方で、これまでの書くことや話すことが減る傾向も見られ、子どもの資質・能力の育成に本当に有効なのかどうかが、はっきりしていないのです。私たちはGIGAスクール構想推進による教育効果のエビデンスがはっきりしない中で、iPad活用を推進していくわけですから、活用の仕方等については、目的や方法を十分に検討しながら活用する必要があるのです。
子どもたちが生きる社会は今述べた、コロナ禍、GIGAスクール構想の推進だけでなく、様々なことが変化し続けています。このように様々な変化が起きている社会で生活している子どもたちを前に、私たち教員は何を大切して子どもたちに接することが大事なのかを考えないわけにはいきません。
日頃、私たちは子どもたちに授業や様々な活動の中で「自ら学ぼう」と促しています。今、教員である私たちも、改めて「学ぶ」ことの大切さを自覚する必要があると思います。私たちが、現状をしっかりと把握し、どのように対応すれば良いのかを学ぶ。これまでの知識や技能は生かしつつも、新たな視点、新たな情報を取り入れて、自分の指導観、指導方法等を目の前の子どもに適応させていくことだと思います。
では、今、私たちはどうすれば良いのでしょうか。
私たちは改めて研修の意味を考え、研修を重ねることだと主一ます。キーワードの一つは「自主的」だと思っています。
当校では、ある人は自ら関心のある研修会に参加し、ある人は、その道を極めた実践家や大学の教官に連絡をとって学び、ある人は仲間と集まって論議を交わして研修しています。
自主的な研修は、その人を大きく変容させます。ときわ会、そして身近な新潟中央東支部には、素晴らしい実践家やその道のエキスパートがたくさんいます。また、自主的に研修を進めている意欲的な会員もたくさんいます。このような、恵まれた環境を生かして、研修を進めることが大切だと思います。
変化する社会と子どもを前に、教育の本質はブレずに、指導観、指導方法を変容させて対応できる教員をともに目指していきましょう。
支部長 大井 隆(上所小 59年度)