令和2年5月12日
ときわ会新潟中央西支部
会員の皆様へ
ときわ会新潟中央西支部
支部長 齋藤 純一
校庭の桜の花が咲き誇る中で,様々な制限をしながら入学式を行いました。さらに,これから分散登校が始まります。そこでは,児童生徒が自分の考えをもち,それを学級で話し合うという,これまで当たり前のように行ってきた授業がなかなかできません。力を合わせ,一緒に体を動かし,運動の楽しさを味わうこともすぐにはできません。誰もが経験したことのない,この状況に,私たちは大いに戸惑っています。しかし,分散登校のオリエンテーションに来た子どもたちは,口々に「友だちに会えて良かった」「学校に来られて,とてもうれしい」と話していました。今,私たちは,学校の存在価値や学校教育の意味を再認識する機会を与えられているのかもしれません。
さて,前置きが長くなりましたが,今年度新潟中央西支部の支部長を拝命しました浜浦小学校の齋藤 純一です。本来であれば,支部総会で,支部会員の皆様へご挨拶すべき所ですが,本状をもって挨拶に代えさせていただきます。今年度一年,何とぞよろしくお願いいたします。
冒頭にあるように,このような状況であることから,私たちの支部はもちろん,ときわ会本部の活動も,これまでのように行えなくなりました。この状況だからこそ,私たちは,今一度この会について見つめる必要があると考えています。会員として,何ができるかを考える時なのだと思います。同封しました令和2年度ときわ会長となられた吉田 隆会長の「令和2年度 代議員会(書面会議) 役員代表挨拶」をぜひご一読ください。その中に,本年度の会全体の基本方針「新しい時代の教育を創るときわ会」のもと,吉田会長は,「研修と親睦の両立」「ベテランの知恵と若手の発想の融合」を大切にされています。この難局をチャンスに変えられるよう,ときわ会員の創造性を発揮しよう。ベテランの経験が不可欠であると同時に,新たな地平を見つけ出すために,若手の力を発揮してもらおうと語りかけていらっしゃいます。そのことを,私たちは会について考える際に常に意識していく必要があります。
本支部は,本部の会長と副会長を擁し,行政と附属で頑張っている会員と学校現場で力を発揮している会員とが協働できるという特色をもっています。そのときわ会本部のお膝元である新潟中央西支部が,この困難な状況だからこそ,一致団結していくしかありません。そのためには,ぜひ今回同封した資料を,校内ときわを活用して,皆で様々な情報を共有していただきたいのです。今だからこそ,私たちが新しい時代の教育を創る力を蓄える時機です。
今回の休校に入る前のことでした。私は朝児童玄関で,子どもたちを迎えていました。5年生の女の子が,私に「落としました。」と小さな声で話してきました。何を落としたのと思わず聞き返すと,「マスクです。」とその子が応えてきました。「作ってもらった,大事なマスク…。」と言いながら,登校してきた道を振り返ったのでした。
教えてもらった道を歩いていると,きれいな水玉模様の,小さなマスクを見付けました。私は拾い上げ,学校に戻り,先ほどの女の子にマスクを渡しました。その子はにっこり笑って,その水玉模様のマスクを大切そうに受け取ったのです。そのマスクには,その子のことを考えながら作った人の思いが,つまっていました。だから,そのマスクをなくすわけにはいかなかったのです。
今回のコロナウイルス感染症の流行で,私たちは本当に多くのものを失っています。先が見えない不安感の中で,目に見えない敵と戦っています。そのような中で,改めて,人への思い,人と人とのつながりが大切であることを痛感しています。
今こそ,新潟中央西支部の互いを思う気持ちを忘れず,一堂に介せなくとも,つながりを確かめながら,進みましょう。改めて,今年度一年,よろしくお願いいたします。