授業を磨く
副支部長 山崎 睦子(H元年度 裏館小学校)
十二年ぶりに改訂された「生徒指導提要」では、これまでの問題解決型生徒指導から発達支持的生徒指導、課題予防的生徒指導への転換がなされた。問題が起こる前の取組みにより、児童生徒の成長・発達を支えることが大切ということである。
指導から支援へという理念は、生徒指導に限ったものではなく、学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」をはじめとした教育改革全体に係るものとして理解すべきだろう。生徒指導提要では、実践上の四つの視点を以下のように示している。
【生徒指導の実践上の四つの視点】
①自己存在感の感受 「一人の人間として大切にされている」という自己存在感を実感し、認められたという自己有用感を育む工夫 ②共感的な人間関係の育成 支持的で創造的な学級づくり ③自己決定の場の提供 「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善 ④安全・安心な風土の醸成 児童生徒による安心して学校生活が送れるような風土づくりの支援 |
このように、安全・安心な居場所となる学級づくりや自己決定のある授業づくりにより児童生徒の自己有用感を育むことが求められる。
休日の部活動の地域活動への移行が段階的に進められている。少子化への対応と学校の働き方改革を推進し、学校教育の質も向上させることが狙いである。
生徒の自主的・自発的な参加による部活動は、責任感や連帯感の涵養、主体性の育成にも寄与してきた。また、コミュニケーション力や規範意識等の育成を担っていた部分もある。 部顧問が、生徒の状態を把握し、その心持ちの変化、少しの違和感から生徒指導上の問題を早期発見したり、未然防止をしたりした事例もたくさんあった。
これまで学校は、時間をかけ、様々な活動を通して児童生徒の人格形成に携わってきた。今後は、授業や学級活動といった限られた時間、活動の中で、いかにして児童生徒を育てていくかが課題となる。
昨年度来、当校では会員が中心となり「主体的・対話的で深い学び」の土台を作る学級会や集団遊びにおける人間関係づくりに力を入れている。別室対応が必要な児童や不登校児童数も減少した。今後は、教科の指導と生徒指導を一体化させた授業づくりを進めていくことになる。
大きく変化をし続けている社会に、私たち教員、学校は適応していかなければならない。八月の文部科学大臣メッセージにもあるように、働き方改革の目的は、働き方の改善により教師が学ぶ時間を確保し自らの授業を磨くこと等を通じて、子どもたちにより良い教育を存分に行うことができるようにすることにある。在校等時間が削減され、自己研鑽の時間の確保が容易になった。ときわ会員としての誇りをもち、私たちが学校を、新潟県の教育を牽引するという気概をもって相互に研磨し、集う仲間でありたい。