全国学力・学習状況調査のB問題は、「筋道を立てて説明したり、論理的に考えたりして、自ら納得したり、他者を説得したりできることが大切である」とされている。
しかし、担任した学年の児童の約4割が児童質問用紙において「自分の考えを他の人に説明したり、文章に表したりすることが難しい」と答えた。また、授業では、答えが分かるものの考えに自信がもてなかったり、分かりやすく表現できなかったりする児童の様子が見られた。
以上の実態から、日頃の授業において、自分の考えを説明し伝える活動を取り入れていく必要性を感じた。その際、根拠を明確にしたり、実際に作業をしたり、視覚的な図を用いたりすることでより説得力が高められる。説得力が高まれば、他者と解決方法を共有しやすくなると考える。
そこで、説明の仕方を身に付け、相手意識をもって説明できるよう、以下の手だてを講じた。
1 図や式を言葉と対にし、手順を分けて書かせる工夫
根拠を明らかにしながら、筋道を立てて考え説明できるよう、図や式と手順を分けて書かせる。順序や根拠、用語の使い方のポイントを示し、それらを踏まえながら文章表現ができるようにする。
2 相手意識をもたせた言語活動の設定
筋道を立てて自分の思考を書いた児童は自分の考えに自信をもつだろう。しかし、全体での練り上げ活動だけでは全員に自分の考えを伝える場が保障されているとは言い難い。そこで、自分の考えをペアで説明し合う場を設定する。相手意識や目的意識をもつことで、説明の仕方を考え、書き表す力を身に付けることができると考える。
進んで自分の考えを他の人に説明したり、文章に表したりする児童が多くなるよう今後も研究を重ねていく。