教育データベース

2016.10.12

小学校

体育・保健

新潟

平成28年度

体育「表現」を苦手にしている児童が、自信をもって表現することができる指導

新潟市立葛塚小学校 本間 伸吾

 表現は、数値的な「できた・できない」の優劣がないため、運動が得意な児童もそうでない児童も自信をもって自己表現したり、活発にかかわり合ったりして取り組める魅力的な領域であると私は思っている。しかし、これまでの私の指導では、どう動けばよいか分からずに動けなくなり、表現を「苦手」と感じる児童が少なからずいた。その原因は「自分の動きが明確になっていない」「どう動けばよいかを思考する力が足りない」の2点であると分析した。そこで、本研究では、自分の動きを明確にさせるための「アイディアボード」と、よい動きについて思考を促すための3つの「間」の2点の手だてを取り入れて指導した。
1 「アイディアボード」について
 「アイディアボード」とは、ホワイトボードを活用して、自分たちが考えた表現の動きを記す教具である。「走る」「跳ぶ」などの基本的な表現の動きはあらかじめマグネット板にしておく。その他の動きは直接書くようにする。「アイディアボード」で動き方を考えたり動く順番を検討したりすることで、自分の動きを明確にすることができる。
2 3つの「間」
 3つの「間」とは、「空間」「時間」「仲間」のことである。これらを「低く⇔高く」「速く⇔遅く」「一人の動き⇔相手に合わせた動き」などと対比した変化のある動きとして意識させる。動きを工夫する時の視点を与えることで、「どう動いたらよいか」という思考を促す手だてとなる。その結果、三つの「間」を意識して動くことで、児童一人一人の動きが広がると考える。
 これら2点の手だてを取り入れて指導した結果、以下の点が明らかになった。
 「アイディアボード」を活用することで、動きの材料が増え、動きが明確になり、児童が自信をもって表現する上で有効であった。但し、3つの場面をつなげて発表の場面にする活動では、「アイディアボード」の活用に工夫が必要であった。
 3つの「間」を意識させることが、よい動きについて思考を促し、自分の動きを広げることにつながった。動きが広がった児童は、自信をもって表現できるようになった。