教育データベース

2016.10.12

小学校

体育・保健

下越

平成28年度

投力を高める指導の工夫

五泉市立巣本小学校 山田 雄一

 小学校学習指導要領解説体育編には、ゴール型のゲームとして「ハンドボール」が例示されている。児童の投力が向上するよう、以下の手だてで実践を行った。
1 「投球フォーム診断書」により、自分のフォームの改善点を考えさせる
 「投球フォーム診断書」で、手本となる投球フォームと自分の投球フォームの連続写真を比較し、気付いたことを記述させることで自分のフォームの改善点を考えさせる。
2 シュート・パスの個人技能を向上させるためのドリルゲームを行う
 「壁ドンシュート」(壁に向かってシュート。跳ね返ったボールを次の子がキャッチ。すぐにシュート。次の子がキャッチ…と繰り返す。)と、「ランランパス」(2~3人で走りながらパスをまわす。パスの回数やタイムを制限し、シュートに至るまでにクリアすべきミッションを設ける。)の2つのドリルゲームを繰り返し行う。
3 タスクゲームで有効なパス回しや動きを考えさせる
 ディフェンスの動ける範囲に制限をつける「突破ハンドボール」を行う。オフェンス側に数的優位が生まれる3対2の状況でゲームを行い、ディフェンスを突破しシュートに結びつけるための動きを思考させることで、動きの質を高めさせる。次第にディフェンスが動ける範囲の制限をなくすなど、児童の上達に合わせ変化させていく。
4 全員のシュートチャンスを増やすためのルールの工夫
①3対3でゲームを行う。キーパーは設置しない。ドリブルはなくし、パスでつなぐ。
②ゴールに入るか、ぶら下げたボードに当たるかすれば1点、ボードを落とせたら2点。
③最終得点は、(合計得点)×(シュートを決めた人数)で算出する。
 これらの手だてを通し、本実践では次のような成果があった。
1 ゴール型に苦手意識をもっていた児童も、単元終盤には積極的にパスをしたり、 シュートを決めたりすることができた。
2 76.2%の児童のソフトボール投げの記録が向上(+1~14m)した。
 特に実践前にソフトボール投げの記録が新潟県平均値以下だった児童の伸びの平均値は+3.7mと、投げ方が分からなかったり、投げる経験が少なかったりした児童への効果が大きかった。一方で、記録が伸び悩んだ児童もいた。さらに研究を進めることで、こうした児童の記録の向上を目指していきたい。