教育データベース

2016.10.12

小学校

体育・保健

中越

平成28年度

関わり合いを通して技能を向上させるシンクロマット運動の指導

十日町市立川治小学校 松井 祐太

 小学校学習指導要領解説体育編の高学年マット運動に、「ペアやグループで動きを組み合わせて演技をしたりすることができるように配慮する。」という言葉が記されている。そこで、全国的にも多くの実践がなされている「シンクロマット運動」を取り上げて授業を実践した。先行研究では、児童の学び合いを通して、意欲や技能の向上を明らかにしたものが報告されている。しかし、意欲や技能の向上に至るまでの過程や話合いの質に言及した研究は少ない。また、今までの実践を振り返ると、ペアやグループでの話合いにおいて、運動が得意な児童がアドバイスし、苦手な児童はアドバイスされるだけで、自ら運動のコツなどを考えたり、提案したりする場面が少なかった。
 そこで、昨年度は以下の手だてを講じ、シンクロマット運動を指導することで、グループの中で協働的な学びを生み、技能を高めることを目指した。
1 単元の中で毎時間4つの言語活動のサイクル(「知る→つくる→つなげる→深める」の言語活動を繰り返すこと)を導入する。
2 各グループに兄弟グループを設けて技を見せ合い、グループ同士の課題を共有したり、お互いのグループにアドバイスをしたりできるようにする。
3 児童の見る視点を焦点化し、児童相互がアドバイス活動をしやすくする。
 以上の手だてを講じたところ、マット運動の技能の差に関係なく児童が話合いに参加し、グループの課題を獲得して練習し、技能を向上することができた。