教育データベース

2016.10.12

小学校

算数・数学

中越

平成28年度

数学的な思考力、判断力、表現力を支える効果的なICT活用法の研究

三条市立森町小学校 野口 大樹

 「算数を好きになって欲しい」という願いが根本にある。今まで子ども自身に、学習意欲をもって課題に取り組んでもらいたいと、ICT機器を活用した実践を行ってきた。その結果、ICTの活用により「子どもの視線が集中した」「問題場面のイメージがしやすくなった」という効果があることが分かったものの、以下のような課題が見られた。
(課題)
・教師側が与えたものを基に考えるため、思考に制限がかかる。
・タブレットやタッチペンの操作が直観的でなく、ノートや黒板の方が表現しやすい。
・書画カメラでは異なる意見を並べて提示できない。縮小して並べて表示では見えにくい。
・最後に教師がきれいに整理したアニメーションを見せたのでは、児童に考えさせた意味がなくなり、自分で考える意欲態度をかえって削いでしまう。
 これらの課題解決のため、「どの場面やタイミングでどんなICTを活用すればねらい達成に有効に働くか」「学級の実態を踏まえ、児童の意欲付けを大事にした有効な活用法は何か」を考えた。その結果、「授業導入場面での学習課題の提示にこそ、ICTが生きる」ということが見えてきた。そこで私は、「スモールステップでのフラッシュカードの提示による導入」を取り入れた授業を組み立てた。
 「スモールステップでのフラッシュカードの提示による導入」とは、まず、ホワイトボードにパワーポイントで作成したコンテンツをプロジェクターで投影する。次に、授業導入時に、本時の課題で、自力解決につながる重要な既習事項を、フラッシュカード形式で組み立てて進めていく授業方法である。その際、スモールステップを大切にする。
 この方法を通して児童の学習意欲を促し、数学的な思考力、判断力、表現力を深める支えとなることができたかを検証していく。