自分の伝えたいことを、自分自身の経験や、グラフ、図などの資料を効果的に使い文章にしていくという単元がどの学年にも設定されている。しかし、実際伝えたいことがなかなか伝わらない文章になったり、取り入れた経験や資料が内容と合っていなかったりということがある。そして、それに児童も気付いておらず、書き上げた事実だけで満足してしまっていることが多い。もっと、書くということの様々な工夫を自覚しながら、自分の文章を練り上げていくことが必要ではないかと考えた。そこで、伝えたいことが伝わる文章に必要な経験を選択し、伝わるための工夫を自覚しながら書くことができるような児童を育成したいと考え本実践に取り組んだ。
本実践で設定した手だては、下記の3点である。
1 どの児童にとっても身近で考えやすいテーマについて話し合い、自身の経験を掘り起こしてから意見文に取り組ませる
対象学年が6年生であることから、卒業にあたり5年生に対してぜひ引き継いでほしい五泉南小学校のよさについて話し合いを行った。
2 モデル文を自分のお試し意見文と比較することで、自分の意見文に足りないところに気付かせ、それらを取り入れて書かせる
話し合いの結果を基に、まず自分で書いた意見文(=お試し意見文)と教師のモデル文との比較を行った。
3 モデル文の検討で見つけた工夫を意識させるため、チェック表を活用し意見文を書いたり評価したりする
児童が見付けた工夫を表にし、取り入れたい工夫を意識させてから書いた。隣同士読み合う時には、その工夫が伝わったかどうかを表を基にチェックさせた。