教育データベース

2016.10.12

小学校

生徒指導

新潟

平成28年度

児童の学ぶ意欲を高めるための研究

新潟市立桃山小学校 佐久間 甲

 本実践では、意欲的に学ぶ児童の育成を目指す。そのために、心理教育を用いたアプローチと相互理解を深める教科指導の手だてを講じ、児童が学級への受容感を高めていくことをねらいとする。
 学習意欲の重要性についてはこれまでの研究やデータ、様々な書籍に散見されるものである。その中では、生徒指導の三機能を生かした学習指導が意欲の向上に有効であることが明らかにされている。また、この学ぶ意欲を支える三要素は並列ではなく、「他者受容感」の高まりに支えられて、「自己決定感」「有能感」が高まっていく関係性にあることも指摘されている。そこで私は、心理教育を用いたアプローチと相互理解を深める教科指導の手だてを講じることとした。学校生活の大半の時間を占める授業の中でも2点を大切にしていくことで、授業の中でも他者受容感を高めていくことができると考えた。相互理解を深める教科指導の手だては以下の2点である。
1 学ぶ姿勢「学び名人の3つの力」
 3つの望ましい姿勢(言葉や態度)を児童に示した。その際、児童が理解できるようにイラストを交えてなぜそのような力が必要なのかを説明した。3つの力とは「区切って伝える力」「反応する力」「自分のもやもやを聴く力」である。
 授業の振り返りの中で、上記の学びの姿を自己評価させることで、3つの力を使うことを意識化させた。また、友達とのかかわりについての振り返りを書いた記述は、コピーして友達の用紙の裏面に貼ることで、意欲のさらなる向上を図った。
2 授業中の児童の発言の扱い
 授業の中での発言やつぶやきに対して、「解釈を促す聴き返し」と「再現を促す聴き返し」を聴き手である児童に行った。そうすることで発言内容を全体に広げ、学習内容の理解につなげた。
 なお、友達の言いたいことを「解釈」したり、友達の考えを「再現」したりした児童は、大いに認めることで、望ましい学び(学び名人)であることを学級に価値付け定着させた。
 上記の手だての効果を、アンケート紙と児童記述の両方から検証をした。