「何を追究するのか」を生徒が意識できるとともに、授業の終末においては「何を学んだのか」も自覚できる授業を目指して、無理なく継続した取組が進められるよう、職員研修の内容を工夫してきた。その実践について述べる。
【取組の具体例】
1 職員が授業改善の研修へ取り組みやすくするための環境整備
2 職員が何のために研修するのかを考え、思いを共有するためのファシリテーション
3 職員が疑問を解決したり、新しい考えや方法を共有したりするための研修会の設定
4 職員が教科の壁を取り払い、継続した研修を進めるためのチーム編成の工夫
5 職員が教科や経験の差を埋めて検討できる協議題の設定
6 職員に生徒との放課後活動を補償する20分ファシリテーションの実施
7 生徒・教師による学校評価の実施と結果(成果と課題)の共有
【取組による成果】
1 「学習課題」と「まとめ」を取り入れた授業改善が進んできた。
2 課題解決のための「かかわり合い活動」を行う授業が増えてきた。
3 授業改革に対する職員の意識変化が進み、授業をつくる観点が全職員で共有されてきた。
4 3によって教科の枠を越えた授業検討が可能になった。
5 普段から教務室での授業の話題が多くなった。
【取組による課題】
1 各教科で身に付けるべき力を明確にした「ねらい」や「まとめ」の設定を工夫する。
2 学習のねらいに向かうような「かかわり合い活動」を位置付ける。
研修会などでは、何よりも職員がよい表情でグループ協議を行う姿が見られ、短時間の検討が可能になった。また、様々な教育活動でも、抵抗なく生徒にファシリテーションの手法を取り入れた活動を展開している。
また、生徒の意識調査からも、授業が変わったことを実感している生徒が多いことが分かった。それらを再び全職員で共有、検証しながら、更に生徒の成長につなげられるように研修を推進している。