教育データベース

2015.10.21

中学校

理科

平成27年度

理科におけるグラフ読解能力の育成を目指して

五泉市立山王中学校 荻野 伸也

本研究は、溶解度の学習などで用いられる、曲線グラフと棒グラフの両方が記載された複合グラフの読解能力に関して調査・分析を行ったものである。
  一般的に生徒は、溶解度曲線などの複合グラフに関する読解が困難な実態がある。読解を困難にする要因として、棒グラフや溶解度曲線の意味理解が不十分であることなど5つの問題点が影響している。
  そこで、問題点の解消をめざし、中学校1年生「水溶液」の単元での指導法を3年間で改善を加えながら考案し、授業を実践した。取り入れた手立ては、実際に溶解度曲線を作成する活動や、複合グラフの説明時は溶解度曲線で区切られた領域に着目させるなど4点である。
 授業実践後、実態調査で用いた複合グラフ問題4問で検証した結果、全問正答率は1~2か月後でも高い正答率を保ち、実践した手立ての効果が立証された。また、グラフ読解能力が向上したことにより、生徒のグラフに対する意識も改革できる可能性も示唆された。