これまでに私は、科学的な思考力・表現力を育成する手立てとして、生徒の興味関心を惹くような導入を取り入れたり、五感に訴えるようなインパクトのある実験を取り入れたりするなど、「教材」ばかりに焦点を当てすぎてきた。そこで今回の研究では、それに加えて生徒同士の学び合いや関わり合いを意図的に仕組み、様々な交流・意見交換を通じて自分の考えを深化できるような授業構成を考え、実践した。
具体的には、新潟県中学校教育研究協議会が定めた「学び合い10」の中の、「ア.根拠をもとにした予想理由の検討」と、「イ.結果をもとにした考察の意見交換」の2つを手立てとして焦点を当てた。
アは1学年の『身のまわりの物質』の中の小単元「物質の状態変化」、イは2学年の『動物の世界』の中の小単元「消化と生命を維持する仕組み」の授業の中で実践し、生徒の科学的な思考力・表現力の更なる向上を目指して、本研究に取り組むこととした。