理科では、興味・関心をもって主体的に学ぶことが学力向上に大きく関わると考える。「好きだ」「おもしろい」という気持ちは大切だが、さらに強い目的意識をもち、自ら進んで観察・実験に関わり、探究しようとする生徒を育てることが必要である。課題に対して、生徒同士が関わり合い学び合うことが、自ら学ぼうとする気持ちをさらに強くするのに有効な方法である。生徒に、学習意欲を継続させ、自ら進んで観察、実験に取り組む姿勢を身に付けさせるため、次の手立てを講じた。
1 複線型の追究をさせる
課題に対して、それを検証するための実験を考え、同じ計画を立てた生徒同士でグループを編成し、計画から実験までを行う。多様な実験を行うことができ、それに伴って異なった視点からの発表を聞くことができることで理解を深める。
2 関わり合って学ぶ場の設定
同じ考えをもつ生徒同士でグループを作って実験を行ったり、それぞれのグループで交流・検討させたりすることで主体的な学びを促す。また、それぞれの実験で出た結果をまとめることで複線を収束させ、学習に対する達成感と知識の定着を図る。
実験を生徒が考えた計画の基に多様な方法で行わせること、また、同じ計画を立てた生徒同士でグループを再編成することで、より実験計画・実験・考察・発表の過程を協力して行えるようにした。その結果、実験の操作確認や結果をまとめる場面で互いの意見を交換したり相違点を指摘し合ったりするなど意欲の向上が見られた。さらに、実験結果をクラス全体で共有する学び合いから、新たな課題を見つけ主体的に追究活動を継続する展開も生まれた。