当校では,全国学力・学習状況調査の数学Bの「理由を説明する」内容の改善が課題となっている。
そこで,本研究では次の手立てを講じ,数学的な表現を用いて筋道立てて説明できる生徒の育成を目指し,実践に取り組んだ。
1 三角ロジックを活用する
2 「事実」と「理由づけ」を明確にする
3 伝え合う活動を設定する
実践では,個人の考えを整理する場面,生徒同士が互いの考えを伝え合う場面の両方で,「事実」と「理由付け」を明確にするためのツールとして,三角ロジックのワークシートを活用した。また,自分の考えを説明する活動を効率的に進めるため,「事実」と「理由づけ」の内容に焦点化して,伝え合う場面を設定した。
生徒同士の伝え合う活動を設定したことで,相手を納得させるための説明をする必然性が生まれ,生徒の主体的な活動が促された。また,活発な交流を通して活動意欲も喚起されたことが成果である。
一方,「事実」「理由付け」が混在した記述のままの生徒も少なからずいた。「事実」と「理由づけ」を明確にできなかった生徒に対する支援をどのように展開していくか,生徒が自分の力で区別できるようにしていくために必要な手立てを探ることが,課題である。さらに,他の学年、他の単元でも繰り返し実施していくことを通して、今後も実践を継続していく。