教育データベース

2015.10.21

中学校

算数・数学

平成27年度

基礎的な知識・技能を定着させ、説明力を向上させる指導の工夫

加茂市立加茂中学校 髙野 有弘

今までの私の指導を振り返ると、「数と式」の領域の指導において、基礎的な技能の定着のために、類題を何題も解かせている。中位や上位の生徒には、定着が期待できるが、低学力層の生徒にとっては、自力解決が難しく、問題数が多いことで解くことが苦痛になり、数学嫌いにさせていたように感じる。また、間違いやすいポイントについては、ただ説明を聞いただけでは自分で考えていないことが多いので、定着が期待できない。そこで、低位の生徒に、もっと主体的に学習に取り組ませ、基礎的な技能を定着させる方法はないかと考えた。
  本研究では1年生の1次方程式の単元で、次の手立てを講じて授業を行った。
1 生徒がよくやってしまう誤答を取り上げてそれを生徒自らが修正する活動(間違い探し)を行う。
2 協同学習(個人→ペア→班→全体)を行う。
  手立て1については、次のように考える。解答全体が最初から与えられおり、「その中に間違いが1カ所ある」ということがはじめから分かっているので、低位の生徒でも取り組みやすい。自分の間違い例ではないので、安心してどこが間違いなのか探していくことができる。生徒が自分で気付き、考えて誤答を修正することができれば、間違いポイントを自分で整理していくことになるので、定着することが期待できる。
  手立て2については、次のように考える。 自力解決が困難な生徒もペアでかかわり、教えてもらうことで、取り組みやすく、授業に参加しようという意欲を引き出すことにつながる。また、自分の解答や説明に自信のない生徒は、周りの生徒と確認することで、自分の解答や説明に自信をもつことができる。班学習では、ペア学習で解決できなかったことを他の生徒に教えてもらうことができる。班で発表の準備を進めることで、自信を持って全体発表することができる。
  授業実践後、レディネス問題と評価問題の「正答率」と「無答率」の変容を調べ、ワークシートの記述や発表の様子から生徒の変容を調べた。正答率は上昇し、無答率は減少した。また、低位の生徒でも自力解決しようとする様子が見られたり、協同学習を通して、自信をもって発表したりしている姿も見られた。