教育データベース

2015.10.21

小学校

算数・数学

平成27年度

図形の性質への気付きを促す指導の工夫

長岡市立新町小学校 松井 衛 

学習指導要領では、「学ぶことの楽しさ」「考えることの楽しさ」が強調されている。図形領域でそれらの「楽しさ」を味わわせるには、ハンズ・オンといわれる手を使った活動が有効といわれる。 低学年のうちは、何か教具などに触れ、手を動かすことに興味をもち、楽しいと感じる。しかし、高学年になると、ただ教具を与えておくだけでは、児童は感心を示さない。児童の知的好奇心を喚起する何かがそこになければならない。「あれ?」と思える「意外性」を感じさせる学習を設定する必要がある。高学年の図形指導では、教具を使っての試行錯誤による意外性のある事象との出会いを重視していく必要がある。
 高学年の児童は、長方形や正方形が平面に敷き詰められることは体験的に知っている。しかし、これがどんな四角形でも平面を敷き詰められるということに気付くならば、それは不思議なことであり、「なぜ」「どうして」という疑問が生まれる。また、それを解決することで敷き詰めを美しいと感じるようになると考える。しかし、一般の四角形が敷き詰められると認識している児童は少ない。これは、授業の中において敷き詰めの経験に乏しいことが原因と思われる。具体物を用いて実際に敷き詰めてみるといった、操作的な活動を大切にした指導が必要である。
 本研究では、試行錯誤を伴う敷き詰めの活動を設定することにより、児童の四角形に対する認識がどのように深まるかを考察した。第5学年「図形の角」の単元において、図形の敷き詰めを計画的に組織し実践を行った。その実践の中から、敷き詰めの活動でどのように四角形に対する認識が深まるかを検証し、敷き詰めの活動はどのように進めていったらいいのか方法を探った。