国語科「話すこと・聞くこと」の教科書教材で、話の中心に気を付けて聞いたり、質問したりする方法を児童は学ぶ。さらに、「話す・聞く」力を確実にするために、学んだ内容を活用する経験をたくさん積み重ねることが重要であると考える。
そこで、教科書教材で設定された活動だけでなく、国語科で付けた力を活用する場面を他教科において意図的に設定し、他教科と連携した単元構成をすることで、児童の「話す・聞く」力を着実に向上させることを目指した実践を提案する。
1 児童から出た「問い」を中心に進める国語科授業
児童の困り感がどこにあるのか実態を把握したあと、困り感を「問い」として共有させ、児童自ら解決していく授業を構成した。「問い」を解決するために、クラス全体で意見を出し合い、検討しながらまとめ、最後に学習した内容を自分の言葉で表現した。
2 他教科の学習と連携した単元構成
国語科の教科書教材「メモの取り方をくふうして聞こう」(東京書籍4年上)の学習において、単元の初めに、国語科で付けた「話す・聞く」力を社会科「浄水場見学」で生かすことを、児童とともに確認し、めあてとして捉えさせた。
さらに、社会科においては教科書にある「○○さんの話」を授業者が音読し、読んだ内容をメモに取る活動を積み重ねた。社会科の授業でも聞いたり話したりする活動を取り入れ、その成果を「浄水場見学」で発揮するというめあてを児童がもって学習に取り組んだ。
児童が自ら「問い」を解決すること、また単元全体の目標を確認することによって、児童自身が単元の見通しをもつことができ、最後まで意欲的に活動することができた。アクティブ・ラーニングの具現・充実を図るために、「話す・聞く」力を高め、コミュニケーションを積極的に取ることができる児童をこれからも育てていきたい。