教育データベース

2015.10.21

小学校

食育

平成27年度

学習意欲の向上を目指す、食に関する指導の在り方

村上市立村上小学校 川嶋 邦夫

昨年度文部科学省より「スーパー食育スクール事業」の研究校として指定を受け、全校体制で食育に取り組んだ。「望ましい食習慣が身に付いた児童は、学習意欲(授業に集中して取り組む等)が高まり、結果として学力向上へつながる」と仮説を立て、栄養教諭を中核とした教職員全員で、実践力の育成を意識した食に関する指導を学校の教育活動全体で行うことにより、望ましい食習慣の形成を目指した。
  望ましい食習慣の形成について児童の実態から、朝食摂取率の向上、バランスのよい朝食摂取率の向上、給食残食率減少の向上と捉え、3つの手立てを中心に取り組んだ。
  1つ目は、給食・教科等における指導の充実である。学年部ごとに児童の実態を元に目指す子ども像を設け、それに給食の時間における食の指導を担任教諭が毎日行ったり、食育の全体計画を見直し、計画的に学級活動や道徳、各教科等で食育授業を行ったりした。
  2つ目は、交流、体験学習の充実である。豊かな体験により食への関心や知識を高めたいと考えた。生産者や調理員との交流を図ったり、農業体験、栽培体験を行ったりした。野菜ソムリエ等、外部講師を招いた体験学習も行った。
  3つ目は、家庭や地域への啓発である。食習慣の向上のためには保護者の協力は不可欠である。学校での活動の様子を学校ホームページや栄養教諭が作成する食育新聞で伝えるようにした。地域に向けても食育リーフレットを作成し配付することで啓発活動を行った。
  新潟医療福祉大学が生活実態調査を年に2回実施し、研究成果の検証を行った。当初評価指標としていた朝食摂取率や給食残食率と学習意欲との関連は明確には見られなかったが、家族と共に会話を楽しみながら食事を行うことや間食の摂取状況など、新たに学習意欲と関連する要素を確認することができた。今年度は2年次目研究として,これらの要素を取り上げ、食育と学習意欲との関連を検証している。