小学校学習指導要領において、「特別支援学級又は通級による指導については、教師間の連携に努め、効果的な指導を行うこと」と示されている。
金井小学校の通級指導教室では、週2回、他校への巡回指導日がある。自校、他校共に、担当児童の指導時間は、月1~4時間程度である。限られた時間の中で効果的な指導を行うためには、児童の実態把握、課題の共通理解、分析に基づく意図的な指導、児童に関わる環境への働き掛けなど、担任との連携が不可欠である。そこで、効果的に児童を見取り、指導に活かしていく手立てとして、学校生活における児童のエピソードを手がかりにしたいと考えた。
実践の内容と方法は次のとおりである。
1 児童の特徴的な行動のエピソードを集めて分析し、エピソードの共通点や背景となっているものを明らかにする。
2 エピソード分析をもとに、課題を明らかにして通級指導教室での指導内容の精選を図るとともに、成果を検証する資料・データとしてエピソードを活かす。
3 担任との面談やアンケートにより、担任の意識の変容を見る。
エピソードの収集方法や分析の仕方に課題は残る。しかし、児童の特徴的な行動に焦点を当てたタイムリーな情報を得ることができたことは、担任との情報交換において有効であった。そして、分析をもとに、児童の状態に合わせて指導内容を柔軟に考え、指導していくことができた。