特別支援教育の推進のためには,自立を促す教育を展開していくことが大切であると考えている。児童の自立を促して,児童が自分から行動できることを目指して研究を進めている。
多くの児童が使える汎用性の高い教材をベースに,家庭・地域と連携しながら個別に対応する内容を組み込んでいく教材開発システムを構築すれば,それぞれの教育的なニーズに対応することができ,児童の自立を促して,児童は自分から行動できるようになるであろうと考え,研究を進める。
研究を進めるに当たり,教材開発のシステムを,次の2段階に分けて構成する。
1 ベースとなる教材の開発と個別化の工夫
児童の発達段階は様々である。児童が自分から行動できるように,汎用性があり形式がそろっているベースの教材を開発し,それを基に児童の実態に応じて対応する内容をその教材に組み込んでいく。
2 家庭実践用カードへの応用の工夫
実生活に近い環境を教室内に再現して学習できるように,校外学習で利用する地域の公共交通機関や施設の協力を得る。また,家庭でも教材を使って自分から行動できるように,学校での実践を通して使えるようになった教材を,家庭と協働で児童の実態に対応した内容を組み込んだ教材に更新する。その際,家庭・地域連携の具体的な内容や方法,その手順を明確にしていく。児童が教材を使用できるようになったことや,児童が安心して行動するための支援の方法を保護者に伝え,家庭でのその教材の活用を促す。
生活単元学習の「バスで出かけよう」の実践の中で,多くの児童が使える教材を作成し,その教材の個別化と,家庭・地域との連携の手順を明らかにしたい。更に,児童の自立に向けた保護者の意識改革を進めたい。