主張
担当教員がチームとなり、PDCAサイクルに則った授業改善を行うことで、児童の学ぶ意欲を引き出す授業づくりをすることができ、さらに児童の実態に即した合理的配慮を生み出すことができる。
1 主題設定の理由
肢体不自由特別支援学校に通う児童は少数ではあるが、一人一人多様な実態がある。上肢下肢の可動具合、姿勢保持ができる体位、指先の器用さ、言語によるコミュニケーションの有無など、肢体不自由の度合いにより、介助や支援の在り方が違ってくる。さらに、児童の実態に応じて、児童の課題や目標を設定し、指導計画を立てて、実行していかなければならない。これらのことを全て一人の教師が行うのは正確さに欠け、限界がある。
児童の多様な実態を把握して的確な指導計画を立案し、児童の学ぶ意欲を引き出す授業をつくり出すためには、担当教員がチームとなり、PDCAサイクルに則った授業改善が有効であると考える。また、チームで授業改善に臨むことで、「学習活動に取り組むに当たり、合理的配慮は何か」を複数の視点から捉えることができ、より確実な支援体制を生み出すことができると考える。主に次の3つの視点「児童の実態把握」「授業チェックポイント表の活用」「補助具・補助教材の作成」を教員チームで共有し授業改善に臨んだ。
2 PDCAサイクルに則った実践の方法~児童の実態把握、授業チェックポイント表、補助具・補助教材の視点から~
(1)Plan
①児童の実態把握・解釈をする。
②自立活動の個別の指導計画を作成し定例会で話し合う。
③個別の指導計画を基にした単元の指導案を作成し定例会で話し合う。
④必要に応じて補助具、補助教材を作成する。
(2)Do
①定例会で確認したMT、STそれぞれの役割、児童の目標を共有して授業実践をする。
②授業チェックポイント表の視点を意識した授業実践をする。
(3)Check
①主担当児童の学習の様子を校内サーバフォルダに記録し、教員チームで共有する。
②授業チェックポイント表を活用し、授業の改善点を定例会で検討する。
(4)Action
①授業チェックポイント表の視点を基に改善点をまとめ、改善指導案を定例会で提案する。
②環境の設定、支援事項、教材教具の改善点を共有し、授業を実践する。
③必要に応じて補助具、補助教材を作成・改良する。
④外部機関と連携し研修を設定する。
このサイクルに則って授業改善を行い、児童の学ぶ意欲を追求し、検証した。