全国学力・学習状況調査過去問題を国語・算数とも3回ずつ行い、次の点を工夫しながら活用力育成に取り組んだ。
1 誤答分析をその後の指導に生かす
まず、児童に過去問題を解かせる。児童の解答用紙を採点しながら、「正誤」「誤答」「問題の条件に沿った正誤及び誤答」を名簿に記入していく。そのことにより、1問ごとの正答率や誤答の傾向が分かる。また、個人ごとの間違いの傾向をつかむこともできる。正答率の低い問題や同じ間違い方の多かった問題について重点的に全体指導を行った。また、採点の際、模範解答もチェックしておき、児童に手本として示したり、視写させたりした。
2 活用力の要素を重点的に指導する
「全国学力・学習状況調査解説資料」(国立教育政策研究所)には、「問題作成の観点」が国語・算数とも4点ずつ載っている。その「問題作成の観点」を「活用力の要素」と捉え、その点を重点的に指導した。
3 取組の様子を学級だよりにまとめ、指導に生かす
学級だよりに「問題」「正答率」「主な誤答」「分析」「対策」等を書き、保護者に知らせた。保護者の関心を高めるとともに、児童への指導にも活用した。口頭だけの指導でなく、指導内容が児童の手元に残るので、指導の効果が上がったものと思う。
4 学年として組織的に取り組む
過去問題の実施や事後指導の時期を学年でそろえた。各学級の誤答傾向や今後の指導方針などを学年会で情報交換しながら組織的に取り組んだ。学年合同での過去問指導の授業も行った。学年全体の士気が高まり、指導の効果が上がった。
本実践は短期の取組である。今後は日常の授業によって、計画的継続的に活用力を育成していきたい。