小中連携校として三川小学校・三川中学校が現在の同一校舎で学校生活を送るようになってから、10年が経過した。これまで、様々な検討を経て、現在の組織や取組が確立された。一方で、小中連携の目指す方向性が、小中の教職員全体でしっかり共有されないまま取組が行われているために、多忙感につながっていることが大きな課題となっている。今一度、小中連携の在り方を見直し、これからの「三川」を担う人材育成において、目指す児童生徒像を共有し、今後どのような方向で小中連携を進めていくかを、全教職員で考える必要がある。これにより、小中の全教職員がベクトルを一つにして、小中連携に参画しようとする意識とやりがいを高めていきたい。
そのために、次の3点からアプローチした。
1 小中全教職員による「これからの『三川』を担う児童生徒像」の共有化
小中の全教職員で、これからの三川を担う児童生徒像やそのための今後の小中連携の取組をファシリテーションの手法を用いて協議した。小中連携の意義や目的について、改めて共有化が図られるとともに、今後の具体策について真剣に考えることができた。
2 小中交流活動の活性化
教職員の意識を高める上で重要なことは、児童生徒の姿が変容することである。そのために「連携交流部」に働き掛け、小中学生の交流活動の活性化を図った。「継続的な交流遊び」と「児童生徒・教職員のアンケートによる成果の共有」を取り入れることにより、児童生徒の変容を共有でき、やりがいにつながっている。
3 中学校区による学力向上の取組
当中学校区の課題である家庭学習の習慣化に向けて、「連携学習部」に中学校区学校保健委員会が加わり、生活改善と結び付けた中学校区による学力向上に取り組んだ。また、学力向上の取組では、両校研究推進部による指導案検討や小学校教員と中学校教員によるT・T授業を行う。いずれの取組も、研究主任や養護教諭などのミドルリーダーの考えを、校長を中心とした管理職が支え、環境づくりを行った結果であり、小中連携の推進役としての意識を高めることができた。