本研究では,他害行動のある生徒に対する場合,イライラしてきたときに自分の気持ちに気付かせる等の支援をすることで,落ち着いて生活する時間を増やすことができるかを検証する。支援の方策としては,アンガーマネジメントの手法を用い,そこに特別支援教育の視点から迫る。
1 イライラしてきた様子を捉え気持ちを整理する(アンガーマネジメント)
生徒の表情や話し言葉からイライラしてきた様子を捉え,今が「どういう感じ」かを言葉で表現させる。そして,言葉から怒りの度合いをグラフに表し,その怒りがどの程度のものなのかを分かるように示していく。表現した言葉や表情,行動を記録し,感情を明確にして表出された言葉で,感情をコントロールできるか検証していく。
2 代替行動としてイライラしない方法を探る
気持ちをコントロールしながら,ABC分析を用いてイライラしない方法を探っていく。アンガーマネジメントを用いて,気持ちをコントロールしつつ,イライラの原因を探りイライラさせないようにすることで,他害を減少することができるか検証していく。また,その際には,自己肯定感を下げることがないように特別支援教育の視点からアプローチする。
他害行動をすることにより,自己肯定感が低下していく。イライラすることが原因で他害行動につながる様子からイライラした気持ちをコントロールしつつ別の適切な行動を身につけることで,他害行動を減少することができるか検証する。