教育データベース

2015.01.23

小学校

図画工作・美術

中越

平成26年度

児童が鑑賞の能力を発揮し,表現を高める授業の工夫

加茂市立加茂小学校 樋浦 吉人

 児童は「みること」・「つくること」を繰り返し,作品のストーリーを豊かに膨らませたり,製作意図をはっきりさせたりしながら表現を高めている。しかし,自分の実践を振り返ってみると,この児童のよさを生かす指導になっていなかったと感じる。
 そこで,鑑賞の能力(みること)を十分に発揮させ,表現活動(つくること)につながる授業の工夫が必要であると考えた。鑑賞の能力を十分に発揮させる手立てとして,児童の鑑賞意欲と思考力の発揮を促す「鑑賞遊び」を製作の途中で設定する。また,鑑賞と表現をつなぐために,鑑賞での気付きを伝え合った後で再び製作に戻る(見直す)場を設定する。伝え合いにおいては,児童の気付きを教師が価値付けたり価値の共有を促したりするなど,教師が積極的に児童の言語活動を触発することで,自分の表現を見直せるようにする。
 工作「くるくる回して」(6年生),粘土「こびとのあそび」(2年生),絵画「マインピア~自分だけの海世界を描こう~」(2年生)の3実践において,鑑賞遊び・気付きの伝え合い・見直す(製作に戻る)場を設定した。鑑賞遊びでは,「作品にネーミングをする」・「見立て遊びをする」・「みんなで落がき遊びしたものを鑑賞する」といった遊び要素により,意欲的な鑑賞活動が展開され,児童の鑑賞の能力を引き出すことができた。また,気付きの伝え合いでは,仲間の気付きを共有したことで,自分の作品を見直し,作品のストーリーが膨らんだり,作品に工夫が付け足されたりといった変容が見られた。