教育データベース

2015.01.23

理科

平成26年度

理由付けチャートをもとにした段階的な検討を通して,生徒の科学的な思考力を育成する授業

新潟市立白新中学校 齋藤 大紀

「科学的な思考力,表現力」を育成するためには言語活動による学び合い活動が有効であると考える。本研究では,仮説実験型授業をモデルとし,互いの予想仮説を科学概念に基づいて検討し合う場面を活用した。その際,一人一人が互いの考えを理解したうえで,論点を明確にしながら検討させることが必要不可欠であることから,研究仮説を「生徒同士が互いの仮説を検討し合う活動において,互いの仮説を可視化したり,活動をコーディネートして論点を明確にしたりすれば,事象や課題を科学的に捉えて吟味し合う生徒を育成することができるだろう。」とした。
 研究の主たる手立ては,以下の2つである。
①「理由づけチャート(山内・山田・齋藤 2012)」の活用
・予想仮説を「主張」「理由」「根拠」に分け,チャート図(矢印と囲み)で示す。これにより,互いの予想仮説が理解しやすくなり,検討が可視化される。
②検討場面のコーディネート
・互いの予想仮説を検討する場面を,「個」→「同じ考えの小グループ」→「クラス全体」と段階を経る。特に,「グループ」での検討は,自らの考えを整理したり,強化したりすることができ,自信度が増して検討に対する意欲の喚起につながる。
・全体での検討では,ファシリテーションの手法を用いて,検討を可視化していく。これにより論点が明確化されていくとともに,生徒の理解や思考の手助けとなる。
 この2つの手立ての有効性を検証するため,複数の単元で授業実践を行い,成果と課題を明らかにした。