算数で学習したことは生活場面にどのようにつながっているのか。これまでの私の実践は,この問いに答えられるものではなかった。学習内容と生活場面とのつながりに気付いたり,どのように活用されているのかを考えたりできる児童になってほしい。こうした児童の姿を目指し,第6学年「速さ」の単元で,次の手立てを講じて,研究に取り組んだ。
1 問題づくりの活動の設定
授業の始めに教師から提示され,解決した問題を参考にしながら,児童が同様の問題をつくった。これにより、学習内容と生活場面とのつながりを考えられるようにした。
2 つくられた問題の検討
児童がつくった問題は,自力で解決したり,他の児童に出題したりするものとした。ただし,その過程で,教師が机間指導の中で児童の問題を取り上げ,全員で取り組んだり,問題の内容をどのように修正すべきかを学級全体で検討したりした。これにより,つくられた問題をより生活場面に近いものにするとともに,問題の構造を理解できるようにした。
その結果、生活経験から速さの量感をつかもうとするなど学習内容と生活場面とのつながりについて考える姿,そして,他の児童とかかわり合って単位の整合性を図る大切さに気付いて問題解決する姿を見ることができるようになった。
しかし,問題づくりの活動におけるスモールステップの指導の必要性,単元全体の中でどのように問題づくりの授業を位置づけるかといった課題も明らかになった。これらの課題を解決するための実践と研究を今後も続けていく。