これまでの自分の実践は、上手にハードリングできている子どもをみんなの見本にして進める授業であった。振り上げ足や抜き足などのポイントを教師側が取り上げて、ひたすら教えできるようにさせる授業である。しかし、これでは子どもの主体的な学びは成立せず、運動が苦手な子どもはますますハードル走が苦手になっていった。できるようになった喜びも、タイムが速くなった達成感も味わわせられない授業であった。
そこで次の4つの手立てを行った。
1.5m・5.5m・6m・6.5mのインターバルと52㎝・60㎝のハードルの高さを組み合わせたコースを設定し、学習の場を選択できるようにする。
2.同じコースを選択した子どもで、50m走のタイムが同程度の子ども同士をペアにし、3~5歩でのハードル間のリズムを味わうことをねらったシンクロハードル走を行う。
3.タイムを速くするためにどうすればいいか、という課題に目を向けさせることをねらったシンクロハードル走を行う。
4.手立て2・3でのペアを2組合わせて兄弟グループを構成し、子ども同士で相互評価できる学習環境を生み出す。
その結果、得られた成果は次の2点である。
①シンクロハードル走でのペア学習や兄弟グループとの相互評価が、自分の体の動きを見直したり、タイムを向上させたりする上で効果的だと考える子どもが100%。
②50m走のタイムよりも40mハードル走のタイムが速くなった子どもがほぼ全員。
③単元開始時よりも40mハードル走のタイムが速くなった子どもがほぼ全員。