これまでの生活科の学習指導を振り返ると、学習対象が魅力的であれば、子どもは自ら進んで対象に関わり、気付きを得て、その質を高めていけると考えていた。しかし、いくら魅力的な学習を用意しても、ただそれに関わらせているだけでは、活動が楽しいだけで、子どもの気付きの質を高めさせることはできなかった。
本研究は、先行研究「気付きの質の高まりと子どもの思考の関係」(初等教育資料№876 2011年8月号)を参考にした「気付きの質を高める生活科の指導」を求めたものである。
生活科単元「風に乗れ わたしの紙飛行機」の実践において、以下の2点の手立てを講じた。
① 子どもの気付きの質に合わせて、それを段階的に高めることができる教材提示。
② 友達との関わりの中で気付きを共有したり、結び付けて考えたりすることができる交流活動。
子どもは紙飛行機を飛ばす活動を繰り返しながら、遠くに飛ばすコツや紙質に合わせた折り方があることに気付いた。そして、互いの気付きを比較したり関連付けたりしながら、紙質が変わると飛行機の飛び方も変わるなど、気付きの質をさらに高めていく姿を見せた。