三条市の推進する小中一貫教育に刺激を受け、昨年度、中学校から小学校への勤務を希望した。一小一中の当学区に勤務し10年目となる。(中学校8年、小学校2年) 小学校高学年での算数指導を通して、いかに中学校数学へつないでいくかを研究している。算数は小5の段階から得意・不得意の差が広がっていく傾向にあるため、一人一人の子どもを伸ばしていくためには、習熟度別の少人数指導が効果的であると考えた。
5年生3学級から「もっと算数を頑張りたい」という児童を募り、希望制の「発展クラス」を開設した。各学級から集まったメンバーが切磋琢磨し、難しい問題になるほど進んで挑戦しようとする姿が見られる。発言・発表も豊富であり、児童の声を基に授業を展開していくことが容易となっている。一方、「もとクラス」では、学級担任が児童の理解状況に合わせてじっくりと授業を進めることが可能となった。今までは算数が得意な児童の雰囲気にのまれて発言も少なかった児童が、積極的に授業に参加し、お互いに教え合う姿も見られるようになった。
本研究では、「習熟度別の少人数指導体制づくり」と「発展クラスでの応用問題の提示、競争心を刺激する指導の工夫」について一年間の実践を行ってきた。年間を通じた指導体制を組み、個に応じた指導を充実させていくことが、全国学力・学習状況調査での成果につながり、さらに、算数への関心・意欲を高めて中学校数学へつないでいくことができると考えている。