教育データベース

2014.10.24

中学校

生徒指導

新潟

平成26年度

「教育実践」 携帯・ネット問題と向き合う

新潟市立鳥屋野中学校 乙川 仁

本来、携帯電話は単なる通信機器である。この機器の何が問題なのか。携帯電話が一般に普及し始めてまだ10数年。様々な問題が発生してきた。時代と共に携帯も進化し、インターネットの接続機能を備えコンピュータと変わらなくなり、ますますインターネットが身近なものとなった。最近ではスマートフォンが登場し、アプリの導入によって性能が向上することで、問題も多様化している。携帯電話をはじめとするインターネット網を使ったコミュニケーションは、あまりにも多くの情報を操る機会を子どもたちに提供し、マスメディア並の情報発信能力を備えているという点で考えると、判断力に限りがあり、暴露性や露出性が高く、情報モラルの身についていない子どもには手に余る道具である。
 元新潟市生徒指導主任連絡会(現新潟市生徒指導主事会)の事務局長や前任校・現任校の生徒指導主事の立場から、生徒と携帯電話・インターネットについて様々な形で指導・啓発を行ってきた。そこで今までの取組を振り返りながら、携帯電話やインターネットで「何が問題なのか」「問題の本質はなのか」「今後、どのように付き合っていくべきなのか」について考察していく。
(1)自己や主任会での取組
・利用状況の把握
・情報、問題点の共有化
・PTA、他校への啓発活動 
 (2)携帯電話・インターネットの問題は何か
・情報の特殊性による危険性
・相手を意識したコミュニケーション力の不足
・ネットの世界は、法のおよぶ現実の世界
(3)ネット利用問題の行方
・スマホの登場によってに無効化されたフィルタリング利用の義務化や、不十分なアプリの評価や有害アプリの利用制限
・アプリによるネット利用の変化と、保護者のペアレンタルコントロール能力の低下
・LINEの台頭よる閉鎖的なネット環境と、ネットいじめや危険な出会いなどのリスクの高まり
・LINEの閉鎖的サービスの急速普及から、深刻なネット依存傾向の出現