1.主題設定の理由
学級活動の目標は、望ましい集団活動を通して、望ましい人間関係を形成することである。また、集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し、学級集団育成上の課題や諸問題を解決しようとする自主的、実践的な態度を育成することである。
私は、このような望ましい人間関係や自主的、実践的な態度は、学級に対する愛着や誇りに支えられていると考える。「自分たちの学級は、自慢の学級である。」という自信や「自分たちの学級を自慢の学級にしたい。」という願いの高い学級は、集団活動への意欲も高い。
学級の現状を学級全体で共有し(R)、目標を設定し(P)、達成に向けたプロジェクト活動を推進し(D)、成果や課題を共有し(C)、活動を改善する(A)。このようなR-PDCAサイクルを学級内に定着させていくことにより、学級集団の支持的風土を高め、愛着や誇りといった学級に対する肯定感を高めていく。集団の一員としての自分の役割を積極的に果たすことで、子どもたち自身も自己肯定感や生活満足感を高めていくことを期待した。
2.研究仮説
学級生活の向上を目指した短期目標の達成に向けて、全員で役割を担う「学級内プロジェ クト活動」を推進し、成果や課題を共有していけば、児童の学級に対する肯定感が高まり、個々の自己肯定感や生活満足感が高まるであろう。
3.研究内容
(1) アンケート調査により、学級の現状を数値化して提示することで、短期目標を設定する。
(2) 目標達成に向けてた取組を学級の会社活動(創造的な活動に取り組む係)ごとに担当し、企画、実践、評価、共有していく。また、このような取組を2週間を1サイクルとして取り組み、短期目標にどれだけ近づくことができたか振り返る。
(3) アンケート調査や子どもたちの記述から、学級に対する子どもたちの意識と行動の変容、そして、個々の自己肯定感や生活満足感の変容を探る。
4.研究の方法
(1) 2種類のアンケート(ASESS、学級力アンケート)による現状の認識と変容の分析
(2) 学級の短期目標達成を目指す会社活動の取組と児童の振り返りによる考察
(3) 観察対象児Aの日記記述と学級活動への取組状況の考察