教育データベース

2013.09.26

小学校

学級活動

学級経営

中越

平成25年度

人間関係づくりを意図的・計画的に仕組むことでよりよい学級づくりを目指す

三条市立大崎小学校 星 康司

 本研究は、どのような手順で教師対子ども、子ども対子どもの信頼関係を築き、「望ましい集団活動」へとつなげていくかを明らかにしようとするものである。

 学習指導要領の特別活動の目標では、「望ましい集団活動」を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図るものとしている。ただ、「望ましい集団活動」に至るまでには、教師対子ども、子ども対子どもの信頼関係の醸成が不可欠である。信頼関係の醸成の実践として、ピアサポートやソーシャルスキル、構成的エンカウンター、クラス会議など数多くの成果が報告されている。しかし、それらの実践を無計画に単発で行っても成果は限定的である。それらの実践を、年間を通じて意図的・計画的に仕組むことでこそ、安定的な学級づくりができると考える。

 今までの自身の学級経営を振り返ると、よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケート(hyper-QU)では、いつも管理型という結果になってしまった。つまり、学校生活全般のルールは定着しているが、子どもたち同士の人間関係が弱いということが指摘されてきた。そこで、学級経営を3つの段階に分け、計画的に学級づくりを進めた。まず、第1段階として、教員と子どもの信頼関係をつくる縦糸を張る段階、第2段階として、子ども同士をつなげる横糸を張る段階、第3段階として、縦糸と横糸をつなげ、教師と子どもが一体となって、望ましい集団活動をつくっていく、縦糸と横糸を紡ぐ段階と定めた。そして、その計画通りに人間関係づくりを進め、その成果を検証した。

 実践の検証方法としては、量的データとして、よりよい学校生活と友達づくりのためのアンケート(hyper-QU)により、学級生活満足群、非承認群、侵害行為認知群、学級生活不満足群の推移とソーシャルスキルの定着具合を検証した。また、質的データとして、本研究実践後の子どもの記述の変化を検証した。

 このように、本研究は、子どもとの信頼関係を築く上で、活動そのものよりも、どのような手順で学級経営を行うべきかを明らかにしようとするものである。

【参考文献】
スペシャリスト直伝「学級づくり成功の極意」 赤坂真二   明治図書 2011