学校体育の目的は,「生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てる」ことである。しかし,最近では,「運動をする子」と「運動をしない子」の二極化が問題になっている。本学級の児童も,運動技能に個人差があり,運動嫌いな子がいる。運動嫌いを生み出す一つは,「できないことが多い」ことである。私は,運動嫌いの子にも運動の楽しさを味わわせたい。
そのためには,一つずつ技能を身につけさせて,できる喜びに浸らせてやることが大切である。そして,できる喜びは,「もっと難しいことにも挑戦しよう。」という思いを生み出すはずである。その循環を体育授業の中に作っていく。
そこで,次の仮説を立てて検証した。
①教える技をしぼり,一つの技を確実に習得させてから次の技の学習に入る単元構成により,技能が向上するであろう。
②マットの大きさや設置方法を変化させるなど,児童の能力に応じた練習の場を設定することにより,技能が向上するであろう。
実践の結果,児童に自信が生まれ楽しく運動することができ,次の技の習得にも無理なく移行することができた。また,個の実態に応じた練習の工夫は,自分の課題に気付かせ,意欲的な練習の原動力となった。そして,さらなる技能の向上につながった。